「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議(第3回)議事録

1.日時

令和7年4月21日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はYouTube Live上のみ)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 東京都町田市からの御発表
  2. 株式会社ファインコラボレート研究所からの御発表
  3. 第1回・第2回会議における主な意見について
  4. その他

4.議事録

【貞広座長】  では、定刻となりましたので、ただいまより、第3回「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。本日も御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、事務局に人事異動があったということですので、その点についてと、本日の会議開催方式と資料につきまして、事務局より冒頭、御説明をお願いいたします。

【草野教育制度改革室長】  4月1日付で、渡邉の後任として教育制度改革室長に着任しました草野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の開催方法につきまして、御説明でございます。本会議は、Zoomと対面を組み合わせたハイブリッド形式で開催させていただいてございます。報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきお願いします。会議を円滑に行う観点から、大変恐縮ではございますが、御出席者の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含めて、会議中はオンのままにしていただきますようお願いいたします。
 次に、資料の確認でございます。本日の資料は議事次第にございますとおり、資料1-1から3まで、そして参考資料が2点、おつけしてございます。不足等ございましたら挙手をお願いしたいところでございますが、参考資料の関係で、少し補足で、恐縮でございます。お時間いただければと思います。
 これまで2回の御議論をいただきまして、人口減少の局面での地域における学校の役割の変化ですが、都道府県レベルや市町村レベルでの教育の連携における社会教育の役割の重要性という御指摘を、丹間委員ですとか牧野委員からも御指摘をいただいているところでございます。ちょうど中教審の生涯学習分科会の中で、社会教育の今後の在り方について議論がされているところでございますので、その紹介という趣旨でございます。
 今後、委員の皆様の御要望を伺いながら、よろしければ担当課からの御説明などを調整させていただければと思ってございます。簡単に中身でございますが、参考資料1-1が、昨年6月に文科大臣から中教審に諮問された中身でございます。1-2がその概要でございます。社会教育法は昭和24年に成立しまして、75年が経過しているというところで、改めて申し上げるまでもなく、様々な環境、地域ですとか学校、子供の環境が大きく変わっています。これまでの中教審の検討も踏まえまして、社会教育の新たな在り方を見詰め直し、社会教育が果たすべき役割、担い手ですとか、そういったものを検討するために、このたび諮問がされたというものでございます。
 検討の場は生涯学習分科会の下に特別分科会が置かれておりまして、昨年8月に第1回目を開催して、先月、3月に第6回目を開催しているというものでございます。いつまで取りまとめるということは特に明示はされていないということでございますが、ヒアリングなどの検討を進めているという状況でございます。参考資料の関係で少し補足でございました。
 ほかの資料の不足について、何か過不足ございましたら教えていただければと思っております。以上でございます。

【貞広座長】  ありがとうございました。
 それでは、早速でございますが、本日の議題に入ります。本日の議題は1から3までです。議題2で御発表いただく、株式会社ファインコラボレート研究所、望月代表取締役様の到着が遅れる可能性があるとのことですので、場合によっては議題2と議題3を入れ替えることもございます。この点、御留意いただければと思います。
 それでは、まず、議題1といたしまして、東京都の町田市様から、教育長と御担当の部長様においでいただいております。御発表をこの後いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【小池教育長】  それでは、皆様、こんにちは。町田市教育委員会教育長の小池でございます。本日は「令和の日本型教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議にお招きいただきありがとうございます。 
 町田市では、現在新たな学校づくりに向けた様々な取組を行っているところでございます。この後、学校教育部長の石坂から御説明をさせていただきますが、私からはその計画の根本的な方向性について、簡単に述べさせていただきます。人口減少、施設の老朽化、物価の高騰など、多くの課題が山積する中、本市の地域実態に応じて、何よりも10年、20年後の子供たちにとってよりよい教育の質、そして令和の日本型教育のこれからと言ってもいいかもしれませんが、この質を確保するためにはどうしたらよいかを考えながら、適正規模・適正配置の計画を進めているところでございます。 
 例えば、今後見込まれる児童生徒数の減少、少子高齢化の中で学校が地域社会とどう関わり、地域での役割をどのように果たしていくかも、とても重要なことだと考えております。教員の資質とも関連しますが、単に少人数だから目が行き届くとか教員の数を増やせば支援ができるといった数だけの問題ではなくて、いじめや不登校といった本市の課題にも対応しやすい適正規模や、指導力のある教員を確保するためにはどうしたらよいかを考慮した適正配置も考えなくてはならないと思っております。 
 また、教員の働き方改革とは今よく言われていますが、この働き方改革の本質的な目的は、教員が子供たちと向き合う時間を増やすことだと捉えておりますので、ここをどのように保障していくか。そして、AIなど、今後のICTの進展はより早くどんどん進んでいくと思われますけども、それでも、いかにリアルな人対人の教育、言い換えれば教育は人なりであるということをどのように具現化していくか、これらのことを総合的に考えながら、適正規模・適正配置を進めているところでございます。 
 本日はよろしくお願いいたします。

【石坂学校教育部長】  それでは、私、学校教育部長の石坂から説明させていただきます。本日は貴重な発表のお時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。町田市の進めている町田の新たな学校づくりにつきまして、御説明いたします。お手元には、資料編と説明用概略版という2つの種類の資料がいっているかと思います。事務局の方から最初、全般的に説明してほしいという御要望がありましたので、かなり資料編のほうはボリュームのある内容となってしまいましたので、本日はその中から抜粋した説明用概略版、その内容で、少し駆け足になりますが御説明をさせていただきます。 
 それでは、始めさせていただきます。まず、本日、目次にありますとおり、大きく6つの項目に分けて御説明いたします。 
 最初に、町田市の御紹介をさせていただきます。町田市は東京都の南西部にある市で、東京都から半島状に飛び出すような形をしております。周辺を東京都の八王子市のほか、神奈川県の横浜市、川崎市、相模原市といった政令指定都市、こういった全国的に見ても大規模な自治体に囲まれているような位置関係となっております。町田市の人口は約43万人です。都内では、東京23区、その次の八王子市に次いで3番目に人口が多くて、東京都のベッドタウンとしても知られております。新宿や渋谷、横浜といった都心にも行きやすい一方、緑豊かな自然に触れ合うこともできて、都会と自然のバランスがちょうどいい、ファミリー層を中心に住みたい町として注目が集まっているというように自負しております。 
 学校につきましては、2025年4月時点で小学校が40校、中学校が20校、児童数は2万弱、生徒数は1万弱となっております。なお、この4月に、新たな学校づくりの取組、最初の学校の統合といたしまして、本町田ひなた小学校と成瀬小学校の2校が開校しておりますので、小学校数は、当初の42校から40校になっております。 
 新たな学校づくりの取組の背景についてになります。まず、こちらのスライドでは、お手元の資料編のページ数も記載しておりますので、よろしければそちらも御参照ください。また、これからしばらく載っています数字などは、全てこの計画を策定した当時、2021年当時のものとなっております。それでは、町田市が新たな学校づくりに取り組むこととなった背景ですが、大きく3つございます。1つ目は児童生徒数の減少になります。町田市教育委員会の推計では、2020年度と比べて2040年度の児童数は約30%減少すると見込んでおりました。2つ目は、学校施設の老朽化になります。町田市は高度経済成長期の大規模団地の造成、そのようなものによって人口が急増いたしました。そのため、同じ時期に建設した学校の老朽化が一斉に進行しておりまして、これらの学校の全てを建て替えたり改修する場合、この当時で約3,075億円の費用がかかると試算しました。そして、3つ目は教育環境の変化になります。主体的、対話的で深い学びやICT教育など、教育環境が変化していることや、また、特別支援教育を必要とする児童数、こちらが増えているものの、余裕教室を活用する場合が多くて、これまでの学校施設が現在の教育環境に対応し切れていないという状況が起こっておりました。 
 これらの状況を未来の子供たちによりよい教育環境をつくる機会と前向きに捉えまして、2021年5月に策定したのが町田市新たな学校づくり推進計画となっております。こちらのほうで計画策定までの経緯を表にまとめております。まず、2019年度に町田市立学校適正規模・適正配置等審議会を設置いたしまして、適正規模・適正配置の基本的な考え方についての検討を開始いたしました。この審議会の中では、保護者や教員、市民の方に幅広くアンケートを行いまして、その結果を尊重して議論を重ねております。詳細は資料編の13ページに掲載しております。この議論を踏まえまして、適正規模・適正配置の基本的な考え方というものを策定いたしました。続いて、翌年の2020年度には、まちだの新たな学校づくり審議会というふうに名称を変えまして、今回は通学区域と施設整備の2つの部会を設置しまして、新たな学校づくりに関する検討を行いました。この審議会でも改めてアンケート調査を行いまして、その結果を尊重して審議を行っております。こちらのほうも詳細は資料編の15ページにございます。こうした議論を受けて策定したものが、町田市新たな学校づくり推進計画となっております。 
 この計画の目的ですが、時代や制度が変化していく中で、町田の子供たちが未来を切り拓いていくために必要な資質、能力を育むことであり、この実現に向けて教育環境を整備することでございます。また、構成としましては、学校施設整備と、適正規模・適正配置の基本的な考え方、新たな通学区域の3つとなっております。この計画では、将来を見据えて、市内全域の学区域の見直しを含めた計画を策定しておりまして、地区ごとに検討着手、統合、新校舎開校の具体的なスケジュールを定めており、この点が他の自治体には見られない町田市の計画の特徴となっております。 
 計画の3つの構成について、それぞれ説明いたします。まず、町田市立学校の新たな学校施設整備の基本的な考え方についてです。こちら、資料編のほうで20ページから24ページに町田市の新たな学校づくりで目指す学校施設のイメージ図を掲載しております。このスライドは、その中の一つのランニングセンターというのを御紹介しております。主体的、対話的で深い学びが増えていく中で、これまでの単なる学校図書館ではなくて、それに加えて多様なメディアを活用した協働的な学習を展開できるラーニングルームを備えたラーニングセンターとして整備いたします。ここでは、可動式の机や椅子を使用することで、普通教室よりも多様な学習活動を展開しやすくします。また、プロジェクター、壁面全体に教材や映像の投影も可能となるようにします。 
 次に、町田市の適正規模・適正配置に関する基本的な考え方についてになります。町田市では適正規模を望ましい学級数としております。小学校では1学年当たり3から4学級、中学校では1学年当たり4から6学級と定めました。適正規模についての審議会の議論の詳細は、同じく資料編の26から27ページに掲載しております。審議会におきましては、まず、小規模校のメリット、デメリットについて審議いたしました。小規模校のメリット、デメリットを検討し、小規模校のデメリットにつきましては、小規模校では解消することは困難であるという結論になりました。保護者や教員などを対象に行ったアンケートの結果も踏まえまして、望ましい学級数は小学校で3学級、中学校では4学級と定めました。その上で、適正規模を一定期間維持するためには、望ましい学級数の上限に幅を持たせる必要があるとしましたが、規模が大きくなることによる課題の把握や、対策を検討するための教員を対象に補充調査を実施いたしました。そうした課題に対する対策を前提として、望ましい学級数の上限を小学校は4学級、中学校は6学級といたしました。この議論の結果、先ほど言いました、小学校では1学年当たり3から4学級、中学校では1学年当たり4から6学級を望ましい学級数といたしました。 
 次に、適正配置の基本的な考え方についてです。適正配置の検討に当たっては、5つの項目を総合的に検討いたしまして、新たな通学区域や学校の位置を決定しております。特にこちらに書いてあります、(1)の通学時間及び通学距離については、国のほうで定める基準よりも厳しく設定をしておりまして、これもアンケート結果を参考にしながら、通学時間の許容範囲はおおむね30分程度、通学距離の許容範囲は徒歩でおおむね2キロ程度を目安としております。 
 続いて、4ですが、個別地区の進め方についてです。現在、町田市で行っている各地区での検討の進め方について御説明いたします。現在、推進計画の第1期といたしまして、4つの地区の統合と建て替え、1地区の単独建て替えを同時に進めております。冒頭でも触れましたが、第1期のうち、1の本町田地区、2の南成瀬地区につきましては、2025年、本年4月に学校を統合いたしました。現在、2028年度から使用開始予定の新校舎整備を進めておりまして、その間、子供たちはもう一方の建て替えないほうの学校の校舎を仮校舎として使用しております。また、来年度、2026年4月には、3に書いてあります鶴川西地区の統合を予定しております。 
 各地区の個別の検討の進め方につきましては、南成瀬地区の例を基に御説明いたします。検討開始から新校舎を使用開始するまでには8年程度かかります。2021年度、検討を始めるに当たりまして、まず、保護者や地域の方など、どなたでも参加できる意見交換会を行いまして、検討すべき事項の抽出を行いました。それを基に、2022年度の基本計画検討会で検討を行いまして、約1年かけまして、南成瀬地区の基本計画というものを策定いたしました。基本計画の策定後には、保護者や地域の方に向けて説明会も開催しております。それで、2023年度以降は、今度は推進協議会というような形で設置いたしまして、この基本計画に基づきまして、学校の統合や新校舎の整備に向けて検討を進めております。また、新校舎は南第二小学校の用地に整備することから、南第二小学校の児童は、工事が始まる2025年度に南成瀬小学校の校舎に引っ越しまして、両校は統合、新しい学校として成瀬小学校が開校いたしております。新校舎につきましては、2025年度から3年間整備工事を行い、2028年4月から使用を開始する予定になっております。 
 地区ごとに設置します基本計画検討会、基本計画推進協議会についてもう少し詳しく御説明させていただきます。基本計画検討会では、学校の統合や建て替えを着実に推進するための基本計画の策定に向けた検討をする会になります。第1期の地区では、基本的に毎月1回開催しまして、そこでの検討をまとめた検討会報告書を教育委員会に提出していただきました。その検討会報告書に基づいて、教育委員会におきまして、基本計画や施設整備コンセプトを策定しております。基本計画推進協議会は、その基本計画に基づきまして、各地区の新たな学校づくりを推進するために必要な事項について協議いたします。いずれの回も、委員は学校運営協力者、保護者、地域の方、教職員、それぞれの代表者で構成されております。また、主な検討事項といたしましては、施設整備や通学に関すること、新たな学校の学校名や校歌、校章がございます。 
 検討会での検討例として、新たな学校の校歌制作についての検討を御紹介いたします。まず、その検討会におきまして、校歌の制作時期や制作の手法を検討しました。委員からは、事前交流で練習して始業式で歌えるといいといった意見とか、児童が制作に携われるようにしたいといった意見をいただきました。そのため、制作時期は開校前、手法は児童が携わることを前提とし、専門家、大学、専科教員など、依頼先の候補を提示した上で決定いたしました。スライドの下段にあります写真は、実際に児童が制作に携わった場面になります。意見募集をしたり、校歌の制作事業者が全校集会に参加して子供たちの思いを聞いたり、代表児童により構成された校歌制作児童委員会と交流したりしながら、歌詞やメロディーを制作してきました。 
 続いて、5の環境変化を踏まえた推進計画の一部修正についてになります。先ほど来お話ししていました数字というのは、全て2021年度当時の数字をお話しさせていただきましたが、この推進計画を策定した2021年度当初は、2040年度には児童数が約30%減少すると試算していましたが、実際に少子化というのが当初の推計を上回るペースで現在進んでおりまして、今回2024年度にその推計をやり直したところ、小学生ですが、児童数は約33%、生徒数、こちらは中学生になりますが、こちらは約35%減少するという見込みになっております。加えて、昨今の物価高騰や建設業界などの働き方改革の影響から急激な施設整備費の高騰ということも起きております。学校統合を行った場合の建て替え改修費用も、計画策定当初は2,540億になると見込んでおりましたが、今現在、計算し直しましたら4,540億と、こちらが統合した結果です。全校を建て替える結果じゃなくて統合した結果でもそれだけ、約1.8倍に上昇しております。これは規模といたしましても、町田市の一般会計規模の2倍以上になります。こうした環境の変化の中にあっても、適正規模・適正配置を推進していくために、2024年度昨年度ですけども、推進計画の一部修正の検討を行いました。 
 基本的な考え方としましては、地区ごとの学校統合及び校舎の建て替え、改修計画の優先順位、それを明確にすることと、地区によっては学区の変更によって適正規模を維持するという考えを示しました。この基本的な考え方を受けまして、優先順位を決める指標として、2030年度までに小学校で12学級未満、中学校で9学級未満となる学校を優先するといったことを決めまして、各地区の統合、建て替え時期の順番を入れ替えさせていただきました。合わせて全体の事業期間や工事着工数を変更し、財政支出の平準化を図っております。これらによって、計画期間内に新校舎の建設が間に合わない、計画期間内とは2040年なんですが、間に合わない学校が出ることにもなりましたが、学区域、先ほど言いました町田市全体での学区域の再編自体は、当初の計画のとおり、2040年度までに完了する予定となっております。 
 最後、6、取組を進める上でのポイント、今回8つの項目で御説明させていただきます。こちらは町田市として、新たな学校づくりを具体的に進めていく中で重要なポイントである部分をまとめたものになります。資料編にも同じ内容を掲載していますので、特にお伝えした内容を中心に御説明させていただきます。 
 まず、1の周知広報活動についてでありますが、学校を統合、建て替えるといった情報は多くの関係者に影響のある情報であるため、特に周知に力を入れております。例えば、広報紙も2種類の広報紙を発行しております。市内全域に関するものは、「まちだの教育」の特別号として、年に一、二回程度、市内全戸、全ての住宅に配布しております。市の広報紙、広報まちだが新聞折り込み、そういうので配布しているんですが、「まちだの教育」の特別号は市内に住む皆さんに漏れなく情報を届けるために、全ての住宅に対して配布しております。また、先ほど言いました各地区ごとの進捗などについては、「まちだの新たな学校づくり通信」というのを随時発行しております。こちらは、学校を通じまして保護者に配布するだけではなくその近隣の幼稚園、保育園や町内会、自治会などにも様々な方に配布をさせていただいております。 
 そのほか、対象者ごとに個別に周知活動を実施しております。また、市からの情報提供だけではなくて、不動産協会や宅建協会にも協力依頼をいたしまして、転入を考える方々への情報提供も行っております。      
 2番目が子供たちの声についてです。町田市では子供たちの意見を生かしながら、新たな学校づくりを進めております。そのため、どんな学校になってほしいかや学校名、校歌、校章など、子供たちが学校づくりに関われる場を積極的に創出しております。例えば2022年度には新たな学校であったらいいと思うサービスについてアンケートを行いました。アンケートでは、子供、大人問わず、習い事や勉強、学習といったサービスがあるとよいとの回答がありました。これを受けまして、現在PFI手法で整備しております本町田ひなた小学校と成瀬小学校では、児童が多様な体験活動ができる機会を提供いたします。 
 次、新たな学校づくりでは、施設環境の整備だけではなくて、教員の負担軽減も一つのポイントになっております。適正規模を推進することで適切な校務分掌が可能となりまして、教員一人一人の業務量を削減することができます。加えて、現在、教員が担っている教育活動以外の業務、例えば、建物の維持管理や学校の地域開放に関する運営業務など、こちらを民間事業者に委託するといった体制づくりを進めることで、教員が教育活動に専念できる環境づくりを進めてまいります。これらの教員の働き方改革と教育活動に専念できる環境づくりを進めることで、教育の質を確保してまいりたいと思っております。 
 また、参考ですが、学校統合による削減効果といたしまして、本町田、南成瀬両地区では、統合により教員数が36名減少し、人件費の削減や校舎が2校から1校になることで、光熱水費などの経常経費の削減が見込むことができます。全国的な教員不足が問題となる中で、教員の事務負担の軽減や必要な教員数を確保して、教育の質の確保につなげていきたいと考えております。 
 次に、4の通学関連についてになります。推進計画では、学校の統合と合わせて通学区域の再編、校舎の建設、それを同時に行っております。このため、学校統合に伴いまして、ある学年から指定校が変わる、あるいは新校舎建設期間中、通学距離が延びてしまう児童生徒に対しまして、柔軟に特例措置を設けることで対応しております。また、全ての児童が通えるよう実際のデータを活用した検討も行っております。実際には、通学手段を検討する際には、まず、全児童の居住地、住所からの居住地をGISのシステムで地図上にプロットいたします。本日の資料では、プロットした部分は除外させていただいています。これ住所が特定されてしまいますので、実際には、どこにどれだけ住んでいるかというのは分かるようになっております。その後、学校から徒歩30分で通学できる目安となる半径1.5キロの円を書きまして、通学の配慮の検討が必要なエリアを洗い出しました。この図では、黄色になっています部分が配慮対象エリアになりまして、このエリアにつきましては、路線バスの利用が可能かどうかを確認してまいります。路線バスについては、ルートがあるというだけではなくて、実際に利用が可能か、時刻表や乗車率なども含めた運行データを基に確認してまいります。路線バスの利用が難しいといった場合には、スクールバス等の路線バス以外の交通手段の導入を検討いたします。これによりまして、児童の誰一人取り残さない学校統合を実現してまいります。 
 今説明させていただいたとおり、町田市は原則は徒歩、徒歩での通学が難しい場合は公共交通機関の利用を検討、公共交通機関の利用が難しい場合はそのほかの手段を検討という原則に基づいて、検討させていただいています。現在進めています第1期の5地区につきましては、同様の検討をしたところ、路線バスの利用が可能と判断したため、現時点ではスクールバス等の導入は検討しておりません。一方で、こうした検討を踏まえましても、保護者からスクールバスを望む声も多く上がっております。現在、これから検討を開始する地区、第2期以降なんですが、こちらを見据えて、市長部局の交通関連のところと連携しながら検討を進めております。実際にスクールバスは、地方だけではなく都市部においても検討課題となっております。 
 次に、5番に、町田市が掲げています地域活用型学校についてになります。こちらは当初の推進計画の理念の一つの市民生活の拠点づくりを実現する学校、そういうものを書いてありましたが、それを町田市では、地域活用型学校と名づけて取組を進めております。従来の学校の、学校教育の場であるという考え方にとどめないで、より多く、広く市民が活用できる場にしていくために、地域の方が特別教室や体育館などを活用して、地域活動などができる施設設計、地域の方が活動しやすい拠点づくりを進めております。 
 次に、6で他部署との連携になります。学校の統合や建て替えには、教育委員会に限らず様々な部署との連携が必須となっております。町田市では、2022年度から新たな学校づくり推進課というのを新設しましたが、この課を中心にして、各部署と密に連絡を取りながら取組を進めております。特に学童保育クラブにおいては、原則小学校の敷地内に設置しているために、学校の統合と学童保育クラブの統合、整備は切り離して考えることのできないものとなっておりまして、一体的に考えております。 
 次に、7が財源の確保になります。現在、これは申し訳ないんですが、国の補助制度では、実際の改築にかかる費用、単価との乖離というものが生じておりまして、市の単独の財政的負担が大きいというのが現状になっております。このため、実際の工事費に対しましても、国の負担率と言われる割合分が現実には確保できていない状況にあります。地方交付税措置があるということなんですが、現在の学校整備に対します補助制度では、それぞれの自治体の財政負担がかなり大きいという課題がございます。 
 また、国の補助金算定の基礎となっております校舎の必要面積も、新しい時代の学びを実現する学校施設に必要な面積と実際に乖離があるのも現状となっております。2024年度の時点では1.4倍の差がございました。これらも含めまして、特に施設整備費の負担が大きいため、また、それ以外にも補助の制度が限定的でありますので、特に昨今の施設整備費が高騰する中におきまして、自治体単独の自治体レベルでは計画的に取組を進めることが難しくなっております。 
 最後に、これは請願対応、実際どのような反応が起こっているかということを書かせていただきました。今回は、実際に学校統合に係る取組を進めていく中で、数多くの請願や市政に対する要望などを受けております。2021年5月にこの計画を策定して以降、市議会では合計で29件、教育委員会では27件の請願を受けております。特に統合を目前に控えました2024年度、昨年度、市議会では10件、教育委員会でも5件の請願を受けました。また、今月4月、ついこの間ですが、開催しました教育委員会の定例会には、1回で12件の請願がございました。町田市は責任を持ってこの取組を計画的に進めるために、地区別に全て具体的な時期を公表し、取組を進めております。このため、様々な地域からの御意見を受け止めながら取り組んでおります。 
 学校は様々な立場の方がそれぞれの思いを持つ場所であり、最も関心の高い取組でもあります。計画の目的でもある町田に生まれ育つ未来の子供たちのために、これからも丁寧に取組を進めていきたいと考えております。 
 説明は以上となります。御清聴ありがとうございました。 

【貞広座長】  ありがとうございました。小池教育長と石坂学校教育部長に御説明をいただきました。改めてお礼を申し上げます。
 ただいまいただきました御説明に対して、御質問等がある方は対面の方は名札を立てていただければと思います。オンラインの委員の方は、手を挙げるボタンを押していただければと存じます。いかがでしょうか。御質問、御意見、または御提案等ありましたらということでございますが、いかがでしょうか。少し時間を取ります。加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】  加藤でございます。基本的な情報として教えていただきたいんですけども、今日御紹介いただいた概要資料の12ページ目、各地区の検討の進め方というところで計画があるんですけれども、これ以外の地区や学校等の計画が進められているとか、あるいは、検討されているとか、もしその辺りを差し支えなければ教えていただければと思います。というのは、もっと費用がかかる見込みがあるのか、その辺りをお伺いしたいので教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。 

【石坂学校教育部長】  よろしいですか。こちらのほうに書いてあります各地区の進め方の一覧というのは、これが町田市の第1期と呼ばせていただいています。それで、第2期以降は、本来でしたら昨年度から始める予定だったんですが、先ほど来、御説明していますように、社会状況とかそういう変化で、一部修正というのを1年間かけてさせていただきました。統合や建て替えの順番も入れ替えて、つい先日の3月に公表しまして、4月の教育委員会で策定させていただいたので、第2期の実際の検討は今年度から始める形になります。 
 一番最初の地区が今年度から、一番最初にやります意見交換会というのを始めていくと。ただ、最後に言いましたように全ての地区を公表してやっていますので、請願自体はいろいろな地区が出ておりますが、実際に第2期以降はこれからやってまいります。 

【貞広座長】  よろしいですか。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。人口動態だけでも大変なのに社会状況の変化もあって、非常に方程式が複雑になるというお話ですけども、牧野委員、ではお願いします。

【牧野委員】  追手門学院大学の牧野です。今の加藤委員の話にも関係するんですけれど、施設整備計画の見直し、相当大変だったんじゃないかなと推察します。当初の学校統合しない場合で3,075億円の試算をしていますが、結局学校統合した場合でも、その倍ぐらい、1.8倍ですか、4,540億円かかる。普通に考えるとなかなか進めていくのが大変な金額だと思うんです。特に財政支出の平準化を考えたとき、18ページのところにも書いてあるんですけれど、建て替えの校数、9校から10校に増えたりしていますね。これは抜本的に見直しをすべきだという議論があったんですか、なかったんですか。
 これだけ、実際の施設整備費が高騰している中で計画を進めるのは大変かと。さっき2040年度までに何とかしたいという話がありましたけれども、相当厳しい数字だとお見受けをしたんですが、まず、その辺りはどんな状況だったのか教えていただけますか。

【石坂学校教育部長】  相当厳しい状況というのは本当おっしゃるとおりです。少し説明の中で言ったんですが、町田市が人口急増したというのがありまして、団地によって、本当学校の建物が2040年度までに、ほとんどの学校が築65年とか70年とか、そのぐらいになってしまいますので、そのときに慌てて対応するよりも、それよりも事前に計画的につくっていこうということで、これをつくったんです。そのときにはまだ、まだと言っても2,540億という、それでさえ、はっきり言って用意できるかどうかは分からないけど、まずはそういう計画でやっていこうということで第1期を開始しています。
 ただ、第1期を開始したところで、当初の計画の人口推計とかは、昨今のコロナ禍、それを反映していないんです。そういうのを反映したり、あと、いろいろ地区計画の話とかそういうところで訂正しなきゃいけない部分が出てまいりましたので、一部修正というのも、実は1年間で慌ててばたばたやったのではなくて、2021年にこれは策定したんですが、もう22年ぐらいから手をつけ出していまして、2年半とか3年ぐらいかけて一部修正ということで、入替えとかどういう手順でやったらいいかという形でさせていただいたんです。
 一応平準化ということで、1校増えているということなんですが、8年間の中で9校建て替えるよりかは13年の中で10校を建て替えるという形で平準化していこうと、今までは、年に2校とか手をつける、単純に少子化だけでいくと、それでいく形でやっていこうとしたんですけど、そういうのをやめて、まずは年1校にしようと。あと、リニューアル工事というのは、本当はこちら大規模改修とかよく言うんですが、大規模改修というのは、やった後でせいぜい20年かそこらしかもたない。それだったら建て替えたほうがいいということで一切考えていなかったんですが、程度のいいのはリニューアルということで、2校ばかし、そういうものでもやっていこうということで、少し平準化はしていって、こういう形で建て直しましたというのを公表したところで、正直言いまして、これだけの財源が確保できているとは言い難いです、これから先。

【牧野委員】  実は、そこをその次に聞こうと思っていたんですけれど、長期財政見通しとの整合性は取れているのかどうかということなんですが、そこまでは難しいと。

【石坂学校教育部長】  そこら辺が、逆に私どもの市としても、そんな先の財政見通し自体を出しておりませんので、財政見通しとして出すのは大体5か年計画のときに出す、あとは……。

【牧野委員】  普通はそういう手法ですよね。

【石坂学校教育部長】  大体5か年ぐらいでしか見られませんので、そこから先になってくると対応し切れませんので、こちらのほうは一応今、最大限に伸ばしています。児童が単学級になるのを防ぐのと、それと、建物が駄目になるのを、それが両方重なってきちゃいますので、単学級になるのは早めに来ちゃうし、ただ建物が古くなるのはもう着実に来る。その中で少しでも後ろ倒しできないかという形で一部修正をさせていただいています。 
 ただ、単学級になるのを防ぐために、先ほど言いましたように、2040年度までに学区の編成は終えてしまおうということは、先に終えてしまいます。ですから、本当財政のことが一番痛くて、今回も、文科省さんに財政のことは強く言わせていただいたというところがあります。 

【牧野委員】  その次にその話をしようと思っていたんですけれど、全部先回りされています。財源確保の話は、これはずっと市長会でも何とかならないか、文科省と議論してきました。つまり補助単価と、ここで言う実施単価の違いというのは別に学校に限らず、いろいろな文科省の予算において、かなり違いが出てきていることをずっと言ってきている。財政課の課長さん方はよく御存じだと思うんですけれど、なかなかこれを変えるのは大変だという話は聞いています。ただ、今の話をずっと聞いていて、そもそも財政的負担がこれだけ大きい中で、果たして単体の市町村だけでこれを本当にやっていけるのかなというぐらいの金額だと思うんです。
 それは、実際のところ将来的に本当にやっているのかどうかという、まさにその感覚だと思うんです。今までで2校できたというのは分かったんですけれど、じゃあ今後もこの計画どおりに本当にいけるのかと。あるいは、それをやるためにはほかにこういうことをしていかないととても無理だという感覚なのかと。そのあたりがどうかというのが一つ。あともう一つは建て替えて2個1にしているということは、こっちの1校は施設が余ってくるわけですよね。そこはどうされているかというのをもう少し教えてもらえますか。

【貞広座長】  2点御質問いただいて、1点目は予定は未定みたいなこともあるかもしれませんけれども。

【石坂学校教育部長】  まず、先のことにつきましては、本当申し訳ないんですが、そのときになって慌てないように、今全部やっているというようなお答えしかできないんです。これに沿ってやっていって、できるだけこれでやらせていただきたいと市長部局のほうに要請はしておりますし、例えば、直近の10年ぐらいだったら、年どのぐらいとかという規模感は伝えてはいるんです。ただ、それから先になってくると本当、幾ら上がっていくかも全然分からないので、物価上昇の上がり方というのは、一番ひどかったのはおととしから去年にかけてがすごく上がったりして、それはとても読み切れないぐらい上がったんですが、そういうのを考えると、とても分からないので、それから先のことは保留じゃないですけど、とにかく財政との打合せは当初の10年間ぐらいはさせていただいているというような状態です。

【貞広座長】  今後も修正をしながら、できるだけ対応していく御方針ということですよね。

【石坂学校教育部長】  はい。

【牧野委員】  不落になったりはしていないんですか。

【石坂学校教育部長】  ぎりぎりのときはありました。そういうのを、何とか今のところは行っているんですけど、不調と、よくこっちは言うんですけど、そうなる可能性もこれからあります。そうなってくると、また計画変わってきちゃいますので、今不調リスクって、地方自治体の工事でどこでもあるので、すごく小さいものから大きいものまで全て不調リスクがありますから、なかなかちゃんとやっていきますと言えないんです。うちも中学校のエレベーターが不調で入らないとか、そんなのもありますので。そういうのもありますし、あと高止まりしているところもありますし、あとは財政状況がどうかというのもありますので、ですから、そこら辺の当初の10年間ぐらいは、一応話はさせていただいている。 
 あと、2つ目の学校の跡地の問題なんですが、現在は跡地として出る予定なのが本町田と、南成瀬、本町田は3校を1校にしますので、そこで2か所出るのと、南成瀬のところで1か所出る、それだけなんです。もう一つの南第一、あと鶴川でも1か所。鶴川は3校を2つにするということなので1か所出ると。それと、あともう一つは単独の建て替えなので4か所出るという計算になっているんですが、そのうちの2校は別のことに使わせていただくと。一つは中学校の建て替え用地、もう一つは、これは学びの多様化学校を始められないかということで、これに、ちょうどそういうような空き校舎ができるということで、学びの多様化学校ができないかということで、一つはそれに考えています。そのために今年度から学びの多様化学校の分教室も始めました。そして、残りの2つにつきましては、1つは、もしかしたら隣に隣接する中学校建て替えのときに使わせていただくかもしれない。何も決まっていないのがまだ1校で、それは今、地域の住民の皆さんといろいろ話をさせていただいて、どのようにしていくかという話、ワークショップを重ねさせていただいているという状況で、正直言って、なかなか土地で稼ぐということも難しいかなとは思っております。 

【牧野委員】  ありがとうございます。

【貞広座長】  じゃ、最後にもう1点どうぞ。

【加藤委員】  財政の話があったかと思うんですけれども、財政の支援をもっと必要だなというのをすごく感じたんですけれども、もう少し教えていただきたいのは、補助単価と実施単価の、具体的には32ページの資料ですけど、実施単価の伸び方が、令和2年度のときと6年度のときと、これだけの上がり幅みたいなところの予測がどれぐらいできていたのかということと、先ほどの落札の話もありましたけれども、中身としてこういうところの単価が上がっているとか、単価の中身のところのここの部分がというのは何かあれば教えていただきたいんですけど。

【貞広座長】  石坂部長、少しお待ちください。オンラインのほうから猿田委員も手を挙げていらっしゃいましたので、まず、猿田委員から御質問いただいて、2つ合わせてお答えいただければと思います。猿田委員、どうぞ。

【猿田委員】  五城目町、猿田です。よろしくお願いします。
 時間も押しているので、私から簡単に聞きたいんですけれども、最後のほう、取組のポイントという中で、子供たちの意見を聞くということが、子供たちの声を聞くというところがあったと思うんですけれども、私たち行政機関の職員、今、結構子どもの権利条約絡みで子供の声を反映させましょうみたいなことを言われるんですけど、扱いがすごく難しくて、このケースでいくと、子供たちの声をソフト的に教育や、もしくは生活のソフト的なところで取り込んでいるという認識でよろしいかというところを聞きたかったです。

【貞広座長】  ありがとうございます。加藤委員からは、特に上がっているのはどの辺りかと予測がついたのか、つかなかったのかということと、今、猿田委員からは、こども大綱などもできて、子供の声をあらゆる政策プロセスで聞くということが重視されている中で、ただ、正直扱いが難しい部分があると。町田市さんはソフト的なところに子供の声を反映するという形を取られているようなんですけれども、その辺りについて、ハードというよりもソフトという、そういう姿勢でいらっしゃるのかという御質問をいただきました。

【石坂学校教育部長】  それでは、まず最初の建物のほうの上がり幅とか、そういうのは予想できたかと、あとどこにかかっているかということなんですが、上がり幅は正直言って予想できませんでした。令和4年から5年、5年から6年の上がり幅というのが予想できませんで、当初、不調になりかけたというところがここになります。実際に、東京都の都市建設行政協議会というのがありまして、そちらのほうの見積りの出し方というのは、とにかくプラス30%で出せと、そういう計算だったんです。そういうことはないだろうということで、通常のやり方で出していたらとても追いつかなくて、それ以上のが来ちゃって、かなりいろいろ検討した結果、折り合い、妥当なところが出てきたかなということで、それは対応させていただいて、それで何とかなったというような、こういうことがあります。 

 ですから、これからも、その後の学校教育部としましては、ちょうどこれをやっている同じ時期に中学校の給食センターをつくっているんです、この三、四年間で全部つくるというのをやっていまして、それのぎりぎりのところで、PFIとかでやっても競争相手が出てこないと、そういう状況ですから、非常に難しいところであります。言い値でいったら入るんでしょうけど、そういうわけにもいきませんので、それで、特に言われているのが、事業者のほうから言われるのが、とにかく人件費人価が高くなっていくと、人がいないから。あと設備系が、難しいというのをよく言われます。エレベーターとか機械とか、それを特に言われたのが、給食センターのときにそういう設備が高くてしようがないんだとか、そういうのはよく言われました。今回の建物でもエレベーターとか、そういうところをよく言われております。 
 あと、子供の関係のやつなんですが、町田市では、子どもにやさしいまち条例というのをつくっているんですよ。CFCIといいまして、日本のユニセフの子どもの権利条約に基づいた子供に優しい町というのを選定していまして、それが今、日本に5都市あったかな。5都市か、一つ増えて6都市になったかなんですが、町田市は最初の5都市のときから入っていまして、うちの市長は、CFCIの子どもの権利条約のユニセフの世界大会に出席して署名してきた。それで、私もそのとき、子ども生活部のほうをやっていたので一緒に行ってきたんですけど、そういうことから、子どもにやさしいまち条例というのをつくっていまして、通称でコドマチルールというのを、それを執行したのは今年の5月からなんだっけ。5月5日から施行されるということで、そのCFCIに沿いまして、いろいろな施策について、子供をたちにとって、ちゃんと考えられているかというチェックリストがあって、全ての施策に対してそういうチェックリストを当てはめていこうよというやり方をさせていただいています。 
 特に重要なのが、こちらのほうでも言いましたけど、子供の意見を聞くと。子供の意見表明権というのを保障していこうと。ただ、意見表明といっても、例えば、小学校を残しますか、残しませんかと、そういうようなものというのは、子供たちにはなかなか将来を見通すのは難しいだろうからということで、それは抜かして、どんな学校、学校がなくなってもどういうことなんだよという説明も子供たちにちゃんとして、それでいろいろな意見を寄せてもらうというような形を取っています。 
 すみません、訂正させていただきますと、先ほどの子どもにやさしいまち条例は、今年じゃなくて、去年でした。去年の5月5日から始まっています。 
 以上になります。 

【貞広座長】  どうもありがとうございます。座長から偉そうな論評に聞こえたら大変恐縮なんですけれども、もう本当に複雑な解きにくい方程式なので、思考停止に陥ってしまって、座して目をつぶるという選択肢とは真逆の、まさにつぶさに現実を見つめて、とにかく先手を打って計画を立てて、できることの手だてを全て講じるということをされている大変優れた取組について御報告をいただいたと思います。改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、まだ御質問あろうかと思いますが、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、議題2です。議題2では、株式会社ファインコラボレート研究所望月代表取締役様から御発表いただきます。よろしくお願いいたします。

【土肥取締役】  ファイン研究所の土肥と申します。スライドに基づいて発表させていただきます。 
 タイトルのほうに適正規模・適正配置及びよりよい教育環境の実現に向けた調査報告書に関する取組についてとございます。こちらは昨年の8月にまとめさせていただいたものです。 
 1ページ目を御覧ください。その中で、適正規模・適正配置の取組に関するポイントが大きく3点ぐらいあるのではないかということで整理しております。一つは適正規模・適正配置の基本方針の策定の流れが変わってきたということです。平成27年の1月に、適正規模・適正配置の手引きを文科省さんでまとめられておりますが、それ以降、教育を取り巻く環境が大きく変化しています。具体的には特別支援や不登校支援の増加ですとか、教職員の多忙化への対応など様々でありまして、それらについても併せて検討する必要性が出てきています。詳細については、後ほど御説明させていただきます。 
 2つ目は、学校再編後の効果検証を行っている自治体が出始めているということです。データによる効果検証とアンケートやヒアリングからの効果検証によって、再編によってどのような効果があったのかという検証を始めています。 
 3つ目は、新しい学校というものが出始めているということになります。学校は単に学習の場だけではなくて、放課後の子供の居場所だったり、ゼロ歳児から18歳まで含めた子育ての拠点、さらには災害時の避難場所など様々な役割を持っていると思います。1と2を合わせて学校がどう変わってきているのか、この3つを中心に幾つか事例を含めて御説明させていただきます。 
 2ページ目を御覧ください。適正規模・適正配置方針の策定の流れになります。調査報告書に載っているものです。まず、1つ目で、将来推計と多面的な実態把握より改善の方向性を検討します。詳細な将来設計では、優先すべき学区や学校が見えてきますので、それに多面的に把握した実態、課題を重ね合わせることで、学校区ごとの改善の方向性を導き出します。次に2、学校施設・運営面の教育課題である特別支援教育や不登校児童生徒への対応などの状況を明らかにします。そして、この2つから現在、既に直面している課題や10年後、20年後の変化、課題を明確化します。これに各自治体で定めている教育ビジョン、教育方針を踏まえまして、自治体の特色に応じた論点を設定して、これからの学校像について検討委員会などで議論しています。検討委員会の議論で最も大切なことは、自治体としてこれからどのような教育を目指すのかといった教育ビジョンを念頭に置いて検討することになります。どんな子を育てたいか、各自治体の特性を生かしたこれからの教育の在り方、学校像について根拠データに基づきながら具体的な議論をするということが重要となっています。このようにして議論した内容を基に、適正規模・適正配置の基本方針を求めるのが、新たな方針策定の流れとなってきています。 
 では、この流れに基づいた実施例を少し御紹介します。3ページ目を御覧ください。詳細な将来推計の実施になります。児童生徒数の将来推計は、これまで住民基本台帳の実数を基にした、今後五、六年後の将来推計でしたが、より長期化、精緻化して、今後10年間の詳細な推計を行い、さらに長期の20年から40年の推計は、人口ビジョンや国立社会保障・人口問題研究所などの将来推計と連動させて、上限や下限の幅を持たせるなどして推計を行って、中長期の方向性を見定めています。結果は市区町村全体、地域別、中学校区別、各学校の観点で整理して、実態、課題を明らかにしています。 
 さらに4ページを御覧ください。表とGISの地図を用いて、情報を重ね合わせて、いつどこで、どのような課題が生じるのかを見える化して、エリアごとの方向性検討に活用していくことも考えられます。下の表の上段は、普通学級数を学校別に一覧化したものになります。ピンク色は大規模校で、黄色は小規模、赤は複式学級一歩手前になる時期を示しています。中学校区ごとに該当する中学校、小学校を並べていますので、例えば、AA中学校区は既に小学校の小規模化が始まっていて、1学年1クラスの学校があって、10年後には学区全体で小規模化が進む待ったなしの学校区であることが分かります。もう一つのBB中学校区は、小学校1校は小規模校ですが、残りの学校は20年間、学校規模を維持できるというような形で、学校区ごと、学校ごとの状況を詳細に把握して、優先的に検討すべき学区などを抽出することができます。 
 5ページ目を御覧ください。学校施設・運営面での教育課題についてです。今、既に教育現場が直面している学校施設・運営面での教育課題として、特別支援教育、インクルーシブ教育への対応、不登校児童生徒への支援、外国につながりのある子供への対応や教職員の負担軽減、災害時の避難施設としての役割など、実に様々な項目が挙げられます。よりよい教育環境を提供するためには、学校施設だけではなく、こうした日々の運営面から見られる課題の解決も併せて対応する必要があります。こうした課題の多くは、多くの市区町村が既に直面しているもので、個々の学校だけで解決できるものではなく、市区町村全体で方向性を考える必要があるものだと考えています。このようにして、現在既に直面している課題や、10年後、20年後の変化、課題を明確にすることが根拠のある方針策定には非常に重要となっています。 
 6ページを御覧ください。基本方針は、適正規模・適正配置の取組を進める基礎となる重要なものであるために、ただ単に文章としてまとめるだけではなく、イラストなどを用いて分かりやすく見える化して、いろいろな関係者に理解していただくことも大切です。見える化の例として、こちらは神奈川県小田原市の例になります。小田原市では、地域説明会で、この概要版を活用して、これから小田原市の目指す新しい学校像について説明しています。 
 7ページは長野県小諸市の例です。小諸市では、約5年間、学校再編の議論を重ねて、小諸市の目指す教育を実現するためには小中一貫教育が必要であることを打ち出し、基本方針を見える化しています。学校再編計画は令和5年7月に議会承認を取っておりまして、現在は施設の設計だけではなく、学習の在り方についても整理しながら、令和10年の開校を目指して進めている段階です。 
 それでは、8ページからを御覧ください。学校再編後の効果検証についてです。こちらは東京都中野区の例になります。中野区では少子化に伴う児童生徒数の減少と学校の小規模化が進みまして、加えて校舎の老朽化による改築の問題もあったということで、子供たちによりよい教育環境を提供することを目指して、平成17年9月に小中学校再編計画、さらに平成25年3月に第2次計画を策定して、学校の再編を実施してきました。再編計画では、望ましい規模の学校をつくる、小学校と中学校の通学区域の整合を図る、施設設備等の整備を進めるという3つの基本的な考え方を掲げています。令和6年の4月で再編が終了したことを受けて、これらの取組について、達成状況や教育効果などを検証し成果と課題を整理しています。幾つか検証結果を御紹介します。 
 まず、データによる検証結果ということで、8ページです。小学校と中学校区の通学区域の整合性について、第2次計画では、小中学校の連携、学校と地域、家庭との連携推進を目的に、小学校児童が中学校に進学する際、別々の中学校に進学することがないように、通学区域の整合性を図ることを目指しました。その結果、分散進学の小学校は13校から3校まで減ってきています。 
 9ページは小規模校の解消です。中野区の児童生徒は、ピークの昭和50年から最低となる平成28年にかけて約半減しています。一部の学校では、小学校で1学年1クラスしかない学校などの小規模校が出現していました。2次にわたる約20年間の再編を実施した結果、令和6年現在は小規模学校がゼロとなって、29あった小学校は20校に、14あった中学校は9校になっています。統合の児童生徒へのアンケートでも、70%以上が学校にたくさんの友達、共に成長できる仲間がいると回答していることから、統合により良好な環境が築けているということが分かります。 
 10ページは、新校舎による学習環境の向上についてです。新校舎の普通教室は既存よりも広い72平米以上が確保されています。普通教室以外の特別支援学級や特別教室、職員室などの管理諸室も再編前の学校施設より広い面積で整備されています。また、グループ学習や習熟度別など様々な活動が行えるように、普通教室と同程度のオープンスペースや少人数教室などが整備されており、施設面積の中で効率よく配置されています。第2次計画による統合新校では、校舎の新築に合わせて上履きを廃止する一足制を導入しています。これによって昇降口からげた箱がなくなり、また、校舎内に汚れを持ち込まないことなどに配慮して、校庭には人工芝が敷設されています。靴を履きかえなくなったことで、移動時間の短縮と授業時間の確保につながり、校長ヒアリングからは、げた箱の撤去がいたずらの解消につながったということなども分かっています。 
 11ページは、再編に係るコスト分析についてです。学校に係る総コストは、改修修繕費、光熱水費などのハード関連の費用だけではなく、学校運営に係る費用やICTなどの新たな学習の費用、さらに人件費は都道府県負担分と市区町村分に合わせて整理することが重要です。これらの項目は決算情報から整理できます。中野区の場合、全体コストを児童生徒1人当たりに直しますと、再編前の平成27年度は1人当たり119.5万円だったのが、再編後の令和5年度は1人当たり95.1万円に下がっており、20%減少しています。この間、中野区では大規模なマンションが建設されたことなどで、区立小中学校に通う児童生徒は4,110人から4,966人と20%増加していますので、統合のコスト削減効果は高いのではないかということが言えると思います。 
 12ページは、放課後の子供の居場所の確保についてです。区では児童の放課後の安全で安心な遊び場を整備するため、各校にキッズ・プラザの設置を進めており、全ての統合新校の新校舎に専用室を整備しています。キッズ・プラザは日々の施設管理を含めて民間事業者へ運営を委託しています。学校や地域住民の協力を得て、校庭や体育館を活用した遊びのほか、様々なイベントを実施して子供たちが豊かな体験ができる居場所となってきています。 
 13ページからはアンケートなどによる検証についてになります。対象は現在、中野区の学校に通う小中学生、保護者、教員、一般区民で行いました。加えて、統合校の学校長にヒアリングを行っています。 
 13ページは統合への満足度についてのアンケート結果です。統合を経験した児童生徒、保護者、教員を対象に、他の学校と一緒になったことについてどう感じていますかという満足度について聞いたところ、小学生、中学生ともに80%以上、保護者では50%以上が満足しているということで、高い満足度となっています。 
 一方で、教員は14ページにありますように、「良かった」の回答の割合が全ての属性で最も少ない8.8%、「やや良かった」を含めても29.4%にとどまっています。回答数が34と少ないということもありますが、ヒアリングでは、統合直後は新しい友人との間で衝突が起こりやすいなどの声があり、教員の負担が著しく増加していることも要因の一つとして考えられます。統合5年目の令和小学校の学校長は、5年ぐらいすると落ち着いて学校本来の活動に集中できるようになる。統合7年目の中学校の学校長経験者からは、時間とともに統合に不満を持つ教員はいなくなったとの声もありまして、統合から一定の時間を経ると、教員の統合に対する評価も変わってくるものと分かります。 
 15ページは新校舎の教育環境についてになります。統合経験者を対象に新校舎になって学校の施設がよくなったかを聞いた設問では、保護者、教職員の約80%が新校舎になって学校の環境がよくなったというふうに感じています。特にユニバーサルデザインが向上した、スペースに余裕ができたといった設問では、多くの方は「そう思う」、「ややそう思う」と回答しています。以上のことから、学校施設が新しくなって多くの方が機能の向上を実感し、環境がよくなったと捉えていることが分かります。また、施設見学をした際に伺った話では、教員や生徒が自発的にスペースの活用方法を工夫する様子なども見られるようになってきたということでした。このような学校再編による効果検証は、今後必要になってくるものと考えられます。中野区の検証結果については、区のホームページで議会資料として、ほかの項目も含めて確認できます。 
 それでは、16ページを御覧ください。新しい学校像についてです。文科省からは、令和2年の令和の日本型学校教育の構築を目指してと題した答申で、GIGAスクール構想により1人1台端末の実現を踏まえた個別最適な学びと協働的な学びの両方を推進していくことが打ち出されていて、学校が変わってきていると思いますが、それに加えまして、こども家庭庁と連携した総合的な放課後対策の推進や、ゼロ歳から18歳まで一括して包括的な支援を切れ目なく提供すること、さらに災害時の避難所機能や先生の負担軽減など、学校に求められることも変わり始めていると思います。 
 例えば17ページを御覧ください。学校施設の維持管理業務を民間に一括委託している例になります。東京都の千代田区では、教育委員会所管の幼稚園、保育園、児童館などの子供関連施設を小学校に集約しています。特に都市部においては、新たな土地を取得することが難しいため、施設の複合化を図ることで都心部の希少な敷地の有効活用を行っています。さらに千代田区では、学校施設の維持管理の一部を総合ビルメンテナンスの業者に委託しています。事業者は学校に常駐しており、鍵の管理や警備、日常的な施設の維持管理、プールの水質管理など、複合化した施設を含めて一体的に維持管理しています。それにより教職員が学校で日々行っている校内の見回りなどの業務負担が軽減されて、教職員が本来の業務に集中しやすくなったといったメリットが出ています。 
 18ページは、学校を授業時間外も有効活用して地域拠点化を進めている例です。学校施設を時間帯に応じて機能転換し、昼間は学校教育の場、放課後も多様で豊かな体験、経験ができる居場所として児童生徒が利用し、平日の夜間や休日は生涯学習、スポーツ、地域活動など、大人を主体とした多様な活動の場として活用する考え方で、学校に関わる人を増やして地域づくりを推進しています。 
 19ページを御覧ください。相談機能の集約化によるワンストップサービスの例です。神奈川県の綾瀬市では児童生徒とその保護者、また、義務教育修了後の青少年とその家族に対して、課題別の支援ではなく総合的に切れ目なく対応できる支援体制を確立するために、不登校支援、特別支援や通級指導、ひきこもり支援、教育相談、外国につながりのある子供たちへの支援を一つに統合した教育的支援の拠点として、教育委員会と市長部局が一体となって、さらには県とも連携しながら総合教育支援センターの整備を検討しています。 
 20ページを御覧ください。一体的な計画の策定についてです。特に人口10万から15万人規模で学校施設が公共施設の過半を占めている自治体では、学校と他の公共施設を一体で検討し、再編の考え方や再編計画、さらには予算計画まで含めて一体的な計画として作成しようとする取組が始まっており、まちの魅力アップを図りながら施設の削減などを検討しています。 
 最後に、21ページになります。公立の小学校や中学校は市区町村による設置運営がほとんどですが、学校に係る総コストの詳細を見ると、国や都道府県からの支援が大きな割合を占めています。幾つかの自治体を見比べてみると、おおむね1校当たり年平均3億円から5億円となっていますが、特にコスト面については、都道府県と話合い、より柔軟に実態に即した補助金、交付金などを活用していくことが必要になってきます。また、小中学校と域内の都道府県立高校との複合化、集約化や、それに伴う連携、必要な予算調整など、都道府県と市区町村は、これまで以上に連携が必要になってくると思われます。 
 駆け足になりましたが、説明は以上になります。 

【貞広座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表に対しまして、御質問と承ります。いかがでしょうか。丹間委員、どうぞ。

【丹間委員】  図表等も用いて分かりやすい御発表をありがとうございました。私からは大きく2つ質問させていただきたいと思います。 
一つ目は、子供たちの放課後の居場所という視点です。これはスライド16ページのところで、総合的な放課後児童対策の推進ということ、また、中高生の居場所ということも書かれているところです。地方都市などでは、統廃合によってスクールバスを運行する例もございます。そうした場合に、学校の正課の時間だけではなくて、放課後の時間までもが統合されてしまうと。子供たちが放課後、かつては学校の外で自由に遊べたというのが、学校の中でバスが出る時間まで過ごすか、あるいはバスで家に帰ってしまって、それから遊びたいんだけど、友達は歩いて行けるような距離には住んでいないということが実際地方で起きていると受け止めています。 
 そういう中で、今回の中野区の事例を御紹介いただきました。12枚目のスライドで、キッズ・プラザというのができていると。これについて、一つ質問させてください。キッズ・プラザは、中野区の学校再編と並行して、それと総合的に進んでいたものなのか、あるいは、たまたま設置の時期が一緒だったのかということです。学校再編と放課後の安全で安心な遊び場の整備の関連性、特にそれはアンケート結果で、利用経験者の割合が64.1%から94.4%まで全体の割合が上昇したのか各校の幅なのか、そこがまずは事実確認でもあるんですけれども、統合した学校にできたキッズ・プラザと、あるいはそうでないキッズ・プラザがあるとすれば、そこでの利用状況の違いについて教えていただきたいというのが一つです。 
 2つ目は、スライドの2枚目のところです。ここも大変分かりやすくお示しいただいて、下のところの検討委員会、審議会等というところに黄色いマーカーで、首長部局もメンバーに入る例があるということでした。1つ目の質問とも関連するんですけれども、放課後のこと、あるいはスクールバス、路線バスということになると、それらの所管部署が入ってくるという例もこれまで関わられた中であるのかどうか。あるとすれば、そういったところは、右側に丸3番で示されているような適正規模・適正配置基本方針の内容であるとか柱建てというのも、事務局の構成によって変わってくるのかどうか、学校に特化した計画になるのか、あるいは様々な地域の環境、放課後の居場所や子供たちの通学環境も含めた計画ができてくるのか、その辺りは幾つか自治体の例に関わられていると思いますので、分かる範囲で教えていただけるとありがたいです。 

【貞広座長】  では、御回答をお願いできればと思います。

【望月代表取締役】  では、回答させていただきます。まず、2ページの御質問ですが、明らかに適正規模・適正配置の方針検討、ここで首長部局の参加というのは増えてきております。具体的には今、お話がありましたスクールバスの問題、これは都市計画局などが関係する問題で教育委員会だけでは説明し切れないところがあったり災害時のお話、こういうところでも首長部局の御出席、参加というのは出てきております。 
 私どもは、適正規模・適正配置の方針策定の段階から、首長部局と連携するのは必要だという認識を持っております。当然この先、適正規模・適正配置の方針以降、再編計画というのが出てくるわけですが、そこでは、従来からも首長部局も御参加されますので、この前段階も必要ではないかなということを考えております。特に、先ほど言いました、いわゆるどんどん児童生徒が減っていくところですと、スクールバスというのは必要不可欠なお話になりますので、適正規模・適正配置の基本方針の中でも、そういうことを盛り込んでいかなければいけないというお話が出てまいります。釈迦に説法ですけど、施設面でいえば駐機場の問題ですとか、そういうところを含めて必要になってまいります。 
 そして、もう一つの御質問でございますが、キッズ・プラザのお話でございます。ページ数でまいりますと、先ほどの12ページにございますが、中野区の場合ですとキッズ・プラザと、それから学童保育、これを併設している形になります。当然学校以外にも、いわゆる学童等々がございます。ですから、新しい学校というのがキッズ・プラザ、学童が併設されてきているということで、当然、入り口、それからゾーニングの配慮、こういうことは全部対応ができております。 
 それで、時間外でございますが、学童、キッズ・プラザで活動する。そして、グラウンドが空いているときはグラウンドを活用していく。そういう形で利用されていて、かなり好評だというアンケート結果がございますが、学童、キッズ・プラザ、利用が高いのは、まず、小学校の1年生、2年生、この辺は放課後の居場所として利用されており、それがだんだん学年が上がるごとに、もう少しほかのところで過ごすようになる、こういう流れなのかなということで整理をしております。 
 あと、細かくはいろいろなデータがございますので、また御説明しますが、そういう状況になっております。それでよろしいでしょうか。 

【貞広座長】  統合校に設置されているキッズ・プラザのほうが、利用経験者が多いとか少ないとかという傾向はあるんでしょうかという御質問もありましたけれども、その辺り、いかがですか。

【土肥取締役】 施設別の利用状況についてまでは把握できていませんので、分からないです。すみません。

【貞広座長】  ありがとうございます。よろしいですか。
 では、ほかの委員の方々いかがでしょうか。牧野委員、どうぞ。

【牧野委員】 ありがとうございます。学校の適正規模・適正配置及びよりよい教育環境の実現に向けた調査報告書の原本を見ているわけじゃないので、そもそも的な質問をして恐縮なんですけれど、御説明いただいた調査対象にしていた区域というのは、先ほど長野県の小諸市の例は出ていたんですけど、そのほかの例、特に後半部の例というのはほとんど東京のような大都市圏の話だと思って聞いていたんですが、そういう理解でよろしいんですか。 

【望月代表取締役】  そんなことはございません。

【牧野委員】   全国ということなんでしょうか。

【望月代表取締役】  ありとあらゆるところでやっています。

【牧野委員】  ほかの地域の事例というのは。

【望月代表取締役】  それは報告書を見ていただくとお分かりになると思いますが、ほかの事例も入っております。

【貞広座長】  私も拝見していますけれども、かなり多様な地域特性のところを対象にしてくださって、調査してくださって、相当読み応えのある報告書になっています。

【牧野委員】  そうですか。ここに出てないところで恐縮なんですけれど、再編後の効果検証について、地方都市、特に中山間地とか、離島でもいいんですけれど、そういった地方都市においてはどんな効果が出ているのか、少し教えていただけるとありがたいんですが。

【貞広座長】  望月さんと土肥さんと、どちらがお答えに、じゃあ、望月さんお願いいたします。

【望月代表取締役】  報告書には、まだ効果検証というのは入れておりません。効果検証が始まったのは、この一、二年でございます。それで、中野区で正式に議会報告が出ましたのでご紹介させていただいたのですが、まだ、それ以外のところというのは検証を始めたところでございます。都市部以外についてもいろいろな自治体がございますが、例えば一つは、統合について来年の4月から児童生徒がいなくなるから廃校にしますというようなところが現実にございます。そうしますと、そういう状況に至るまで少なくとも15年から20年かかってしまっていたわけで、非常に割高にお金がかかってきていという状況でございます。そういう自治体に対して、今ヒアリングの機を文科省からいただきましたので行いたいと思っておりまして、それでどういう答えが出てくるのか、これが把握できます。 
 それから、もう一つございますのは、首長がお金がないから、建て替える、ないしは改修をして統合するということができないという自治体もございます。そうしますと、教育委員会は、まず、既存の学校の中に2つの学校、3つの学校の児童生徒を合わせて統合し授業を始めていこうというところもございます。そういうところでどういう問題が起きているのか、これもヒアリングしたいと考えています。 
 それから、もう一つありますのは、再編計画を立ててもうまくいかなくて首長が選挙で変わってしまっているという状況のところもございます。こういうところのヒアリングもしようと思いますので、その辺は、この半年くらいで御説明できる状況が出てまいります。ですから、大都市だけではなくていろいろなところで、特に地方都市や過疎地の問題というのは非常に大きいと思いますので、そこは今後、御報告できるようにいたします。 

【貞広座長】  牧野委員、何か御意見ありますでしょうか。

【牧野委員】  分かりました。これからやるということであれば、その効果検証について、また教えていただければと思っております。

【貞広座長】  ありがとうございます。
 では、ほかにいかがでしょうか。オンラインからもよろしいですか。よろしいでしょうか。では、また議題3のところで、それぞれの御発表者に御質問したいことがありましたら、またお出しいただければと思いますので、議題2に関わるファインコラボレート研究所様からの御発表はこちらで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、議題3に移ります。前回までの会議でそれぞれの委員の皆様から御発表いただくとともに、本日、東京都町田市様、株式会社ファインコラボレート研究所様から取組事例等の貴重な御発表をいただきました。これまでの議論を踏まえて、さらに今後議論を深めていく観点から、事務局にて前回までに提出された主な意見について、資料3にまとめていただきました。御承知のとおり、本会議は本年度中を開催期間としておりますけれども、夏には来年度予算編成に向けた概算要求等もありますので、論点を整理していくということも有用であると考えております。そうした認識の上での資料3とお考えいただければと思います。それでは、資料3、第1回、第2回会議における主な意見について、まずは事務局から御説明をいただきまして、その後、意見交換の時間を設けたいと思います。では、事務局より、よろしくお願いいたします。

【草野教育制度改革室長】  それでは、事務局でございます。資料3でございます。
 第1回、第2回会議における主な意見について記載したものでございまして、簡単に御説明させていただきます。まだ2回の会議を終えたものでございますので、これまでに出た意見と本会議の開催紙、第1回の会議資料でお配りしてございますが、こちらに記載しております検討事項のうち、1回目、2回目の会議であまり、まだ御発言いただいていないものについて、今後、御検討を深めていただく目安になればと思って作成しているものでございます。
 まず、資料3の1枚目の上部にございます、適正規模・適正配置の基本的な考え方についてでございます。平成27年の手引と共通するものとして御意見があったものとして、例えば2ポツ目として、学校の統合、存続双方にメリット、デメリットがあり、メリットを生かし、デメリットを最小化させる方策を考えることが重要でございますとか、3ポツ目として統合の判断を行う際には、地域の実態に応じて各学校設置者が主体的に判断することが重要との御指摘をいただいているものでございます。教育的な観点として、2ポツ目でございますけれども、自治体の支援策や校長のマネジメントの在り方について御指摘をいただいてございます。3ポツ目は統合する場合、存続させる場合、それぞれにおける教育的な配慮の観点を、4ポツ目は検討の際の時間軸について御言及いただいて、御指摘をいただいてございます。
 資料3の1枚目の一番下でございますけれども、地域等の観点から考慮すべき点として、1ポツ目としまして、地域全体の在り方や高校を含む教育全体で考慮することですとか、都道府県や市長部局等と連携することの言及をいただいてございます。また、2ポツ目、次のページに移った3ポツ目でございますけれども、社会教育についても御指摘をいただいているところでございます。
 その下のところで、学校統合を検討する場合の留意事項につきましては、校長のマネジメントや自治体間連携による学校の支援について御意見をいただいてございます。ここの部分、米印として、開催要項として本会議で御検討いただきたい事項のうち、今後検討、御発言をお願いしたいと思っているところについて少し記載をしてございまして、弾力的な学校配置を可能とする仕組み、効果的・効率的な学校の存立に資する工夫について、事項として書かせていただいてございます。
 また、小規模校を存続させる場合の教育の充実方策について、配慮事項として御発言をいただいたところではございますが、今後御検討をお願いしたいという趣旨で目出しとして書かせていただいているものでございます。
 最後、文科省として取り組むべき事項として記載しているものでございます。
 説明は以上でございます。

【貞広座長】  ありがとうございます。では、この資料に基づきまして、皆様の意見を頂戴できればと思います。特に米印で、このほかにどのような事柄が考えられるかという部分について、重点的に御意見をいただきたいと事務局から伺っておりますので、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。この会議は二巡目、三巡目ありですので、そうじゃない会議もありますけれども、思いついたところから御意見いただければと思います。いかがでしょうか。では、丹間委員お願いいたします。

【丹間委員】   私からはまず、2つございます。 
1つ目は適正規模・適正配置の基本的な考え方の2つ目の箇条書のところですけれども、時間軸についてもよく考慮する必要があるというところで、本日も町田市の御発表で、計画を地域に持っていってから実際に学校が開校するまで8年かかったと。さらにファインコラボレート研究所さんの教員へのアンケートの中では、一つの声として、学校が落ち着くまでに5年かかったというようなことがございました。そういう意味では、実際にいつ実施するのかという、「適正時期」というんでしょうか、それをそれぞれの自治体がどう見定めていくのかというようなことについても、しっかりといろいろな事例を踏まえて、検討していく必要があると思いました。 
 それから、大きな2点目については、それぞれの地域や自治体でかなり通学の実情というのが違うんだと分かりました。それによって放課後の時間の過ごし方も変わってくるということで、先ほども質問させていただきました。本日、町田市の御発表の中では、国が示す上限の目安よりも短い、おおむね30分というような、そういう通学時間を設定されています。より通いやすくということもあると思いますけれども、町田市の場合にはスクールバスではなく、まずは路線バスを優先して検討するということで、これも自治体や地域によって、路線バスが走っているところもあれば、走っていないところもあって、イメージされるものというのは全国の地域でそれぞれ違うんじゃないかなと。ひっきりなしに路線バスが団子状に来るような都市部もあれば、逆にもう1日に数本というところもありますので、その辺もかなり地域の実態をしっかり踏まえて、通学の時間、距離、あるいは手段というのを考えていくということが必要だと思ったところです。 
 まずは、大きくその2点です。

【貞広座長】  ありがとうございます。1点目で時間軸の話を御指摘いただきましたけれども、先ほどファインコラボレート様は子供がいなくなるまで15年待つと。非常にコストがかかるとおっしゃっていたんだけど、コストだけじゃなくて、そこに子供がいてそういう教育環境で小中学校を過ごすということを考えると、町田市さんのように先手を打って、現実を見据えて先手を打つということが非常に重要であるということを改めて認識させられました。ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。猿田委員、では、オンラインからお願いいたします。

【猿田委員】  私、論点というか、1つは事務局側の皆さんに聞きたいことが1つあります。それが、この会議の名称なんですけど、「『令和の日本方教育』を推進する」という戒名がついておりまして、私も何年か前に令和の日本方教育に関する方針か何かすごく読んで、この委員になるときもよく読んだんですけれども、どの辺が規模配置の話とリンクさせたいのかなというところは、もう一度改めて説明を聞きたいなというところが1つあります。
 それと、もう1点が、どのような事例が考えられるかという話でいくと、今日、ファインコラボレートさんの話って課題を一般化して、全国共通化して捉えるというプロセスで、これは非常に大事だなとは思うんです。一方で、町田市さんの事例のように、設置者の主体性をどう判断するかということもすごく重要だと思っていて、この辺の、ただ、一般論化していくと、この手の話は統合すればいいじゃんというところに行きつきやすくて、それよりも地方のことを考えると、設置者の主体性をどう捉えていくかという事例の積み重ねのようなことがすごく必要なんじゃないかと思っております。
 以上、2点が一巡目としての意見です。

【貞広座長】  じゃあ、二、三巡しようかと思いますので、よろしくお願いします。
 1点目はどうですか、事務局、そこの接合もここで考えてくださいというお答えになるのかもしれませんけれども、もし現時点でお答えできることがありましたら、我々のヒントにもなりますので、お願いいたします。

【常盤木初等中等教育企画課長】  事務局のほうからお答えさせていただきます。御意見ありがとうございました。答申を読んでいただいたということで大変ありがたく思っておりますが、令和の日本型学校教育というように我々が令和3年の答申で申し上げたのは、一番簡単に申し上げてしまうと、二十数ページ目だったと思いますけども、これからの令和の日本型学校教育というのは、子供たち一人一人に応じた個別最適な学びと、そしてまた、子供たちが集まる学校の価値に重きを置いた協働的な学び、これを一体的に推進していくというのが、これからの子供たちに必要ということで、子供たちの資質、能力をつけていくのが、これから生きていく子供たちにとって必要であり、また、そういうものを実現するのが、これからの令和の日本型学校教育の学校の姿であるというような答申だったと思います。
 このときに、適正規模・適正配置を考えたときに、そういった姿を実現するための言ってみれば、子供の数の必要性だったり、施設等からの老朽化と絡むんでしょうか、そういったことと絡む中での施設の在り方というのはどういうものであったり、そういうことも含めて、今回改めて、我々、適正規模・適正配置という観点から、もう1回整理させていただくに当たりまして、有識者の皆様からぜひ、こうしてヒアリングを重ねて御助言をいただきたいというのが趣旨でございます。
 足りないようでしたら、また御報告させていただきます。ありがとうございます。

【貞広座長】  ありがとうございます。今、応答いただきましたけれども、これを受けて、猿田委員、何か御意見ありますでしょうか。

【猿田委員】  ありがとうございます。個別最適と協同的な学びを中心とした学校規模の在り方ということで一つ考えられるのは、軸を持っていきたいというのは分かりました。またまとめて考えておきたいと思います。

【貞広座長】  ありがとうございます。
 では、ほかの委員の方々からもぜひお出しいただければと思いますが、どうしましょうか。では、牧野委員からどうぞ。

【牧野委員】  今日の町田市の発表は本当に私も大変勉強になって、改めて今の適正規模・適正配置の在り方が、現実的に相当難しい問題だということを意識しました。結局、環境変化がこれだけ激しい中で長期的見通しを立ててやるのは大変難しいと、学校現場を預かっている部長さんがそこまではっきりおっしゃるんですから、それは全国的にそうだと思います。今、公共施設の老朽化は非常に大きな課題で、どこの都市に行っても、あるいは市町村に行っても、どうするんだと悩んでいます。その中で、学校に一体どれだけリソースを割けるのか、まさに市町村にとっては大きな決断になると思うんです。
 ですけれど、まさに町田市さんのおっしゃるように、将来的なことを考えたら、今これだけはやっておかなきゃいけないと、そういった判断をしてもらうための材料が必要である。だから、先ほどのファインコラボレートさんからもお話があったように、どれだけの効果が出るのか、客観的な数値も伴った説得力ある材料をどれだけ出していけるか。それによって、非常に厳しい中にあってもここで決断したほうがいいと言うことを市町村に求めていくことが必要なのかなと思います。
 ですから、それをどのようにここに書くかということを、これからみんなで考えていこうということかなと私は受け止めました。

【貞広座長】  いかに残念ながら現実から逃げず、主体者になっていただく、各自治体にも主体者となっていただくか、また、その際に上位政府の都道府県の役割の支援というのも視野に入るかもしれませんけれども。

【牧野委員】  それはもちろん文科省も同じですよ。

【貞広座長】  さらに、そうです。

【牧野委員】  そこは文科省の皆様方にも、最後に書いてありますけど、伴走支援をしてもらって、そういった痛みをしっかり受け止めてもらって、どうするかという話を一緒になって考えてもらうということだと思います。

【貞広座長】  単価の問題もありましたけれども。加藤委員、いかがでしょうか。

【加藤委員】  大きく2つというか、一つは固めの話として、基準があって、その基準に従って適正規模・適正配置でもって学校を計画し、その後にお金の話があって、実現する、しないとなりますが、今日の話は逆のパターンですね。お金の話とか大きなパイの話が先にあって、それで実現可能かどうか逆算で、現実論からすると可能かどうか。そういう話だったと思うんですけども、どうしても基準とか、あと手引きの話は、基準の話があって実際にできるか、できないかみたいな話だったんですけど、今日みたいな現実の話だと、それを現実的にできる話から逆算するみたいな話が今日はメインだったんですけど、私も今、どのように考えたらいいのか分からないんですけど、手引きそのものもそういうように考えていかないと、なかなか現実可能な手引というか、イメージを持っていただけないような手引になっちゃうと、どうかなと考えます。 
 先ほど牧野先生からファインコラボレートさんに質問のところで、東京以外のところという話があって、私も今日のファインコラボレートさんの発表で、自分の茨城県みたいなところの例はどうなのかなみたいな感じでお伺い、お話をという感じで、また報告書は見させていただければと思うんですけども、私の茨城県でいうと、跡地利用とか、何かあまり活発化されていない印象なんです。エビデンスというかデータを基に言えなくて申し訳ないんですけども、変な言い方ですけど、適正配置・適正規模で廃校、統合になったということは、人が少なかったり利用的な価値とか優先順位が後回しになってしまうところの地域の、しかも学校ということなので、どうしてもそこが有効活用される理由みたいなものもなかなか厳しかったりします。そういう話ですと、前回、私、規模の話で東京、それから茨城、千葉、それから東北みたいなところで出させていただいたように、複合的な施設とか、今日のさきほどの千代田区の例のような、ビルが学校みたいな話もあるかと思うんですけども、跡地利用とか複合利用にも都市部、地域、山間・離島みたいな幾つかパターンがあって、そういうところには幾らお金がかかりそうで、モデルがあって、具体的な基準というものが考えられるみたいな感じになっていかないと、なかなか今の多様性に応えられるようなところのセットというんですか、非常に多様なので、いろいろなパターンが、細かいパターン全部考え出したら切りがないんですけれども。しかし、幾つかのパターンでもってこういうのが推奨されますよという誘因的なものがないと、なかなか自治体さんも手を挙げにくいのではないか。それに対する何か支援パッケージといったらいいんでしょうか、そういうようなところの具体的な策で、こういうお金の支援があるんだな、じゃあ自治体としてもこういう自分たちの負担の中で考えていこうみたいなところがうまくマッチングするような、理想像に過ぎるのかもしれませんけれども、少しそういうのが必要かと考えます。 
 あと、もう1点、柔らかい話になります。保護者、お母さん方と話していると、某ショッピングセンターといいますか、複合施設のような居心地を学校に欲しいという意見が素朴に出るんです。学校って居づらい場所みたいなところがあって例えば小さな子を連れていっても、小さな子と若いお母さんが一緒にいられるような素朴なスペースみたいのがあるようでなかったりする学校が多かったりとか、それは、この前、牧野先生から御報告があったようなところとつながるかなと。そういう意味では、学びの多様化学校みたいな話とつながるんですけども、もう少しこういうのを学校につくって、お金かかっちゃって、学校ぜいたくだななんて昔だったら言われちゃうかもしれないんですけども、もう少しコンフォータブルな、そういうところで柔らかいような学校内の施設とか学校施設づくりで勉強できるようなところの、今まで施設、設備は基準とか硬い話みたいなところがメインだったんですけども、実現可能でソフトなところとうまく広がりというか、つながりが今後あるといいなと、抽象的な物言いで申し訳ございません。 
 以上です。 

【貞広座長】  ありがとうございます。今のガイドラインは、あまり生々しいことは書いていなくて、教育をどうよくするか、もちろんそれが一番大事なんですけれども、お客さん的な思考を持つということが、ちゃんとつぶさに自分たちで、それを自前でやる町田市さんのようなところばかりじゃないところだと迷ってしまうような部分があるので、その辺りを少し水路づけできるようなパッケージなり、書きぶりなりということが必要だというような御提案かと思います。
 ほかにこれでインスパイアされて追加でとかありますか。丹間委員、どうぞ。

【丹間委員】 先ほどの加藤委員の御発言のところで、これまでも学校の地域コミュニティーの核としての役割ということは言われてきたわけですけれども、それを単にシンボリックな意味での学校としてとらえるのではなくて、居心地のよい場というようなお話がありましたけど、そういう姿とか、あるいは学校への地域の参加の姿とか、そういったものを具体的に描いていくということも大事だと考えたところです。 
 あと、皆さんの御意見を聞いてでございますが、町田市の事例には、私も審議会の委員として関わらせていただいたんですが、非常に前向きな審議をしたことを覚えておりまして、学校統廃合が目的ではなく一つの手段だということで、全市的、長期的な計画をつくっていきました。その中で、もう最初の段階からこれだけお金がかかるんだけれどもどうするんだということを市民に投げかけられたという、お金の面をつまびらかにしていたという点が特徴的だったと思います。 
 恐らくほかの自治体では財政面はなるべく触れずに、教育面だけで審議を始めていったり地域への説明をしていったりする例があると思うので、国の手引が財政面のところにどこまで踏み込むのかというのが一つ論点としてあるかなと思いました。 
 以上です。  

【貞広座長】  ありがとうございました。市民の方が成熟されているというのもあるかもしれないですよね。コストの話を出した途端、お金なのか、教育だろうというような議論になることがないわけではないので、すごく慎重になる教育委員会さんも多かったように思いますけれども、もう一歩進んで共につくっていくというためには、不都合な真実もしっかりとつまびらかにして、お互いに腹を割って話すというプロセスが必要だという御提案をいただきまして、ありがとうございます。
 では、あとお一方ぐらい御意見を伺えますけれども、いかがですか。よろしいでしょうか。
 では、まだ御意見あろうかと思いますけれども、議題3については、ここまでとさせていただきます。本日3回目で、4回目も予定をされておりますので、また、5回目以降については、特に小規模校を存続させる場合の教育の充実方策について皆様から重点的に御検討いただく予定でございます。引き続きよろしくお願いいたします。
 最後に、次回の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。

【草野教育制度改革室長】  ありがとうございます。次回の協力者会議の日程につきましては、また追って事務局より御連絡をさせていただきたいと思ってございます。
 以上でございます。

【貞広座長】  また、本日、私からもリクエストしてお願いをしたんですけれども、委員の皆様から特に社会教育の観点からの御意見をいただきましたので、諮問についての資料を出していただいています。学校の統廃合について検討する必要がある過疎地域等における特に社会教育の在り方については、こちらの中央教育委員会でも御検討いただきたいと思っておりますので、これについては事務局が御調整くださるかと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしました。これにて閉会をいたします。ありがとうございました。
 特に御発表いただいた2つ、町田市様とファンコラボレート様、本当にありがとうございました。

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