初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議(第7回) 議事録

1.日時

令和6年12月20日(金曜日)10時00分~11時30分

2.議題

  1. 初等中等教育段階における生成AIの利用に関するガイドラインの改訂について
  2. その他

3.配付資料

4.議事録

初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議 第7回

令和6年12月20日 

【石川座長】  定刻になりましたので、ただいまから初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議、7回目になりましたが、開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席賜りまして誠にありがとうございます。
 まずは、会議開催方式及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【渡部学校デジタル化PTサブリーダー】 事務局より御案内させていただきます。
 本会議は、前回と同様、原則オンライン方式で開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1及び参考資料が1から4までとなっております。御不明な点等がございましたらお申しつけください。
 以上でございます。
【石川座長】  ありがとうございます。
 なお、本日は報道関係者と一般の傍聴者向けに本会議の模様をZoomウェビナーにて配信しております。御承知おきください。
 それでは、本題に入りたいと思いますが、本会議では、前回までに合計6回にわたり、有識者や事業者、構成員の方々から発表をいただき、議論を重ねてきました。また、前回はガイドラインの素案を基に、ガイドラインの改訂について御議論を重ねていただきました。これまでの議論も踏まえつつ、本日は改訂版ガイドラインの案について皆様に議論いただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の流れとしては、資料の内容について、最初に事務局より御説明をいただきます。その後、ガイドラインの案全体を通しての意見交換の時間にできればと思っております。進行に御協力をお願い申し上げます。
 まずは事務局から資料について御説明をお願いいたします。寺島課長、よろしくお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  ありがとうございます。それでは、私のほうから資料1に基づきまして御説明をしたいと思います。
 前回の検討会議におきましては、素案という形でお示しをさせていただきました。前回の検討会議でも様々な御意見をいただきました。また、前回の会議の中で、座長から細かいワーディング等々も含めて意見はメール等で事務局に提出をというようなお話がありまして、その後、メール等でも様々な御意見をいただいたところでございます。
 また、並行しまして、文部科学省内の関係課でありますとか、あるいは関係省庁とも並行しての調整を進めてきたわけでございますけれども、それらの調整、あるいは委員の皆様方からいただいた御意見、可能な限り反映をさせて、今回、案という形でお示しをしたものが資料の1ということでございます。
 この後、素案からの変更点を少し説明をしたいと思いますけれども、修正のポイントとしては、全体を通して修正したものと、それから各項目内で中身あるいは文言レベルで修正をしたものと、こういったものがございますけれども、細かいところを含めれば、たくさん修正点がございますので、全てについて見え消しのような形で御説明することはしませんけれども、特に重要なポイント、議論があったようなポイントについて、これから説明をしたいと思います。
 まず、全体を通しての修正点から簡単に説明をしたいと思いますけれども、まず映っている、この表紙でございますけれども、昨年7月に公表したのは暫定版、そしてバージョン1.0という形でお示しをしておりましたけれども、今回はこの暫定版を改訂するものだということでありますので、今回はバージョン2.0ということにしております。
 また、前回の御議論の中でも、今後も当然この技術の変化あるいは社会の変化に応じて改訂はあり得るだろうという御議論もあったと思いますので、2.0というふうにいたしまして、仮に改訂の必要があれば、必要に応じてバージョン3あるいはバージョン4と更新していくということで、今回バージョン2としております。
 また、この今回の資料で、参考資料で事例なども載っけておりますけれども、例えばこういった取組事例で様々追加があった、あるいは資料の追加があったことは随時更新をしていくということといたしまして、例えば、そういった場合にはバージョン2.1とかバージョン2.2といったような形で更新をしていくということを想定をしておりまして、そういった観点から表紙では、今回バージョン2.0という形でお示しをさせていただきました。
 そして、ページをおめくりをいただきまして、ページの3ページからが本文ということになりますけれども、この「はじめに」から、それから第1章、第2章のところまで、素案では小見出しとか区切りがないということで、少し読みにくいというような御指摘もありましたので、例えば3ページを見ていただきますと、3ページ目、これ「はじめに」というところでありますけれども、それぞれ少し固まりごとに小見出しをつけるような形でまとめて整理をしているというような形にしております。これが「はじめに」から第1章、第2章を通じて、このような形で表現をしているところでございます。
 それから、これも全体を通した話でありますけれども、前回、第6回の検討会議では、全体を通して留意事項というのが非常に多く、しかも最初のほうに出てくるというのが、利用に関するハードルという面では少し高く感じられるのではないかというような御指摘もございました。こういった御指摘も踏まえまして、それぞれのパートで利活用の事例を書き、そしてリスクあるいは懸念ということを、もう少し順序などもバランスを入れ替えながら整理をしたというのが全体の整理でございます。
 以降、内容面について御説明をしていきたいと思います。
 3ページ目でございます。「はじめに」というところでありますけれども、先ほど申し上げましたように、小見出しを幾つか区切りまして、少し内容のまとまりごとに分かりやすく示したというところでございます。
 そして、具体的な内容のところにつきましては、この3ページ目の17行目のところでありますが、「このような学習指導要領の理念は」というところ、これ追記をしておりますけれども、これ前回の会議の中でも、現行学習指導要領の理念の重要性、現行学習指導に基づいてやるんだということをしっかりと最初に明記をすべきということの御指摘もございましたので、このような学習指導要領の理念は、生成AIが急速に進化している現在においても重要であるという一文を加えております。
 続いて、4ページ目でございます。4ページ目の9行目のところ、9行目の後半から「本ガイドラインは」というところでございますけれども、これも前回の会議で御指摘をいただきました。このガイドライン、どういうものであるかということを、よりはっきり書いたほうがいいのではないかということで、「本ガイドラインは、同検討会議での議論を経て、暫定的なガイドラインを基に技術の進展などを踏まえつつ、以下のような構成の変更等を通じて、読み手に寄り添ったものとなることを意識して改訂を行った」と、こういうところを追記をしているというところでございます。
 続いて5ページ目に参りまして、1の「生成AIについて」というところでございます。ここについては、幾つかの小見出しをつけて、まとまりごとに示しているところでございます。
 中身につきましては、20行目の一番後ろのほうから、「一人一人の」というところでございますけれども、ここ素案では、この利活用の例として、語学学習における活用であるとか、グループワークでの壁打ちの相手としての利活用というようなことで、少し具体的な利活用の例を書いていたんですけれども、全体の整理として、この具体的なものというのはパート3、3章以降のところに書いて、総論のところでは少し総論的に書いてはどうかというような視点から少し整理をいたしまして、その素案では具体的に書いていた部分を「一人一人のニーズや特性に合った学びを実現したり、新たな視点やより深い視点の出力から学びをより一層深めたりするなどの利活用」というような表現に改めたところでございます。
 そして6ページ目に行きまして、6ページは図が載せておりますけれども、この図の1のところは、前回、素案のところでも載せていたところでありましたが、教育と少し関連の薄い記述が見られるというような御指摘もございました。例えば創薬の支援というような文言が出てきたりして、少し教育に特化したような書き方がいいのではないかということで、この図の1を整理をして、教育の場面のことを中心に書いたというのが図の1の修正でございます。
 そして図の2というのを新たに追記、新規に追加をして、この対話型生成AIの仕組みがより理解しやすいような図として、図2を挿入をしたところでございます。
 続いて7ページに行きまして、「基本的な考え方」ということでございます。ここについても少し小見出しをつけて分かりやすく整理をしているところでございます。
 中身の修正のところでいきますと、13行目というところでありますけれども、13行目に「『最適解とは限らない』ことを認識する」ということを追記したり、「リスクや懸念を踏まえた上で」というようなことを追記をしております。
 これは生成AIの仕組みや特徴を踏まえた、より正確な表現として、「参考の一つである」ということに加えて、「最適解とは限らない」というような表現である、あるいは「リスクや懸念を踏まえた上で」という表現を追記をしたところでございます。
 それから17行目でありますけれども、これ冒頭の「はじめに」のところでも追記したところでありますけれども、やはりこのガイドライン全体を通して、学習指導要領に示す資質・能力の育成を目指すという観点、これをしっかりと押さえるべきだということでありましたので、それを前提にすべきだというようなことでありましたので、17行目の表現も、素案では、資質・能力の育成を阻害しないかとか、効果的か否かを確認して利活用すべきというような表現で記載をしておりましたけれども、17行目のところにありますように、「学習指導要領に示す資質・能力の育成に寄与する」かということであるとか、「教育活動の目的を達成する観点から効果的であるかを吟味した上で」というような表現に修正をしているところでございます。
 同じページの24行目というところでございます。ここ24行目のところ、素案ではリアルとデジタルのバランスというような表現を書いていたところでありますけれども、これも、例えば前回の今井委員が書面で出していただいた御意見の中で、デジタルとリアルという対比は非常に分かりにくいのではないかというような御指摘がございました。デジタルの対比というのは例えばバーチャルという概念ではないかというようなことで、ここは概念の整理が分かりにくいのではないのかというような御指摘もございましたので、少し表現を工夫をいたしまして、24行目のところ、「体験活動の充実をはじめとする教育活動における実体験とICT利活用とのバランス」というような表現に改めたところでございます。
 8ページ目に参りまして、8ページ目の6行目のところをでございます。関連事業者に期待される役割というところですが、素案では、生成AIサービス自体もユーザーの要求に適応して調整されるべきものというような表現だったんですが、少し分かりにくいのではないかということで、6行目の後半、「また」のところですけれども、事業者に対して「ヒアリングを通じて学校の実態や希望を把握するなど」、こういったことで学校現場の意見を取り入れることが期待されるというように、少し分かりやすく表現を書いております。
 (2)番の情報活用能力の育成強化のところに参ります。
 まず11行目のところ、この情報活用能力のところでありますけれども、前回の素案では少し細かい記述が多かったわけでありますけれども、少しそこを整理をして、Box-1というのを新設をいたしました。少し情報活用能力の細かい定義とか内容についてはBox-1のところでしっかり整理をして、本文のところでは少し総論的に抽象的に書くという整理を、まず、いたしました。
 その上でということでありますけれども、ここのところ素案では全体としてここの部分が情報モラルというところに少し重点が置かれ過ぎているのではないかという御指摘がございましたので、今申し上げましたように、まずはBox-1というところで、少し細かい定義はBox-1に整理をした上で、情報モラルだけではなく、この3つの柱に基づく情報活用能力の整理ということで、Boxの中、知識及び技能、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力、人間性等ということで、情報モラルに限らない情報活用能力を全て整理をしたということでございます。
 これがBox-1のところでありますけれども、続いて9ページ目に行きまして、9ページ目の情報活用能力の育成強化というところでございますけれども、ここも今申し上げたような趣旨、同じような趣旨でありますけれども、ここも少し情報モラルに重点が置き過ぎではないかというような御指摘もありましたので、この新たにBox-1として整理をした3観点8要素という要素を踏まえて、具体的には9ページ目の7行目のところで、「生成AIが社会の中で果たす役割や影響、生成AIに関する法・制度やマナー等について科学的な理解に裏打ちされた形で理解すること、問題の発見・解決等に向けて生成AIを適切かつ効果的に利活用し、情報社会に主体的に参画する態度を身に付けていくことが期待される」ということで、少し情報モラルに限らない情報活用能力の育成強化のところを整理をしたという修正を加えております。
 続いて、10ページ目以降に参ります。ここからは第3章のパートになりますけれども、まず全体の整理として申し上げますと、全体として、第1章、第2章が総論的な基本的な考え方を述べたパートであったんですが、そして第3章以降に具体的なことを述べるパートであったんですけれども、前回の議論の中でも少し、その前半で述べた基本的な考え方と3章の部分のつながりがあまりはっきりしないのではないかというような御指摘もございましたので、まず、それが1つございました。
 それからもう一つ、この後、10ページ目でマル1、マル2、マル3ということで、例えば安全性を考慮した適正利用とか情報セキュリティの確保ということで、これ実は3-1、3-2の教職員が利活用する場面、そして児童生徒の学びの場面でも同じことが出てくるということで、非常に重複感があって分かりにくいのではないかというような御意見もございました。
 一方で、これを読み手の立場からすると、例えば、3-1のパートだけを読んでも分かるようにしておいたほうがいいのではないかというような御意見もございましたので、3-1、3-2、3-3、それぞれで1から5というのは出てくるんですけれども、それを、この10ページ目の6行目以降に、その構造をあらかじめ示しておくということで、6行目以降の「ここでは」というところを書き加えております。
 「ここでは」ということで、1から5の観点で共通して押さえておくべきポイントを整理したと。3-1、3-2、3-3でも、各場面や主体に応じてこれら5つの観点に基づき整理しているので、必要な箇所を参照いただきたいということで、あらかじめこの構成を整理をしているというところでございます。
 そして、11ページ目に参ります。11ページ目のBox-3のところでございます。これ著作権に関する留意点をまとめたところでありますけれども、ここで少し変更を加えております。
 まず、このBoxの一番最初のパラグラフのところでありますけれども、そもそも著作権についての基本的な趣旨、目的について記載してはどうかという御意見がございましたので、最初の3行のパラグラフを加えているというところでございます。
 また、Boxの続きで12ページのほうに行きますけれども、前回の検討会議で、この生成AIが生成した生成物の著作権性について、これについても触れてはどうかという御意見がございました。
 これについては、このBoxの12ページの脚注の16のところで、少し文化庁のほうで整理をしている考え方のところにリンクを貼るような形で、その生成AIの生成物の著作性について理解ができるようにしているというところでございます。
 また、この12ページ、Boxの一番最後のところ、最後から下から5行目ぐらいでしょうか、少しここ具体例があったほうがいいのではないかという御指摘ございましたので、Boxの一番下の下から5行目、「例えば」というところからの記述でありますけれども、「例えば、私用のPC上で既存の画像などの著作物と同一又は類似の生成物を生成する行為は」など少し、より具体的な例を、ここで記載をしておるところでございます。
 以上が12ページまでのところでございます。
 続いて、13ページ目というところでございます。13ページ目、ここからは「教職員が校務で利活用する場面」というところに入ってくるわけでありますけれども、少し全体の整理として、前回の御議論の中で、本文に書いていることと、それからBoxに書いていること、この書き分けというのはどういう整理なのかというような御意見がございました。そして前回の議論の中で、具体的なものはBoxに、そして、より一般化したものは本文にということを全体として整理をしたほうがいいのではないかという意見がございましたので、この3-1全体として、そういうような整理を加えております。
 したがって、例えばということでいいますと、この13ページ目の14行目のところでありますけれども、14行目のところで、「教職員による利活用例としては、以下のような授業準備・部活動・生徒指導などの児童生徒の指導にかかわる業務への支援、教務管理・学校からの情報発信・校内研修などの学校運営にかかわる業務への支援、外部対応への支援」ということで、少し業務の種類というものを本文に書いた上で、Boxのところにそれを具体的に書いていると、こういったような整理をしているところでございます。
 14ページに行きまして、このBoxの中に書いてある中身自体は変更はございません。
 少しページが飛びますが、17ページ目でございます。17ページ目、ここからが「児童生徒が学習活動で利活用する場面」ということでありますけれども、先ほどの第3章に入る冒頭のところで申し上げましたけれども、第1章や第2章で規定している基本的な考え方と、それから第3章で規定している具体的な活用の場面の、このつながりが分かりにくいというようなところの御指摘を踏まえて、具体的に申し上げますと、17ページの4行目でありますけれども、「児童生徒の学習場面での利活用に当たっては、生成AIと人間との関係を対立的に捉えたり、必要以上に不安に思ったりするのではなく、生成AIは使い方によって人間の力を補助、拡張し、可能性を広げてくれる有用な道具にもなり得る」というようなことを記載しております。これ実は第1章、第2章にも同じ記載があるわけでありますけれども、これを改めて、このつながりを意識するということで、ここに記載をしております。
 同じような趣旨で、8行目のところも同じ趣旨でありますけれども、「利活用の適否の判断に際しては、学習指導に示す資質・能力の育成につながるか、教育活動の目的を達成する観点で効果的であるかを吟味する必要がある」、これも第1章、第2章にも出てくる表現でありますけれども、同じようなことを改めて、ここで記載をしておるというところでございます。
 同じページの15行目のところでございます。これ前回の議論でも鈴木委員あるいは細田委員等からもいろいろ御指摘ございましたけれども、例えばこの生成AIの存在を前提とした課題の在り方とか、授業のデザインとか、こういうこと自体が変わる必要があるのではないかというような御指摘ございましたので、15行目から17行目までのパラグラフ、ここを追記をしております。課題の出し方であるとか、あるいはこの授業のデザインということ、授業づくりということ、こういったところを記載をしているというところでございます。
 そして20行目以降の(2)の具体的な利活用場面というところに移っていきたいと思いますけれども、具体的な利活用場面、実は前回の素案ではBox-5というものがございました。Box-5のところで、20行目以降に書いてあるような、こういう場面、こういう場面というのは、Box-5に書いてあったわけでありますけれども、これを少し本文のところに持ってきまして、具体的にこういう場面、こういう場面、こういう場面での活用は考えられるよねということを本文のところに書きつつ、24行目では、24行目の後ろ、後半でありますけれども、こういう場面を意識しながら、「組み合わせたり往還したりしながら」使っていくんだということを本文のところで整理をしたというところでございます。
 また、この28行目のところでありますけれども、小学校段階での考え方、これは前回、様々御議論があったところであります。
 前回の御議論の中では、先ほど申し上げたBox-5というのがありまして、場面に応じた生成AIの利活用についてというところで、少し小学校のことも含めて書いていた部分がございました。
 一方で、この小学校のところについては、前回の素案では、ここでいうと、(1)の基本的な考え方のところに触れていた部分でありました。
 具体的に申し上げますと、基本的な考え方の中で、子供の発達の段階や特性を踏まえれば、特に小学校段階の児童に直接利活用させることには慎重な対応を取る必要があるということを基本的な考え方の場面で述べていた部分でありましたけれども、今回この(2)の具体的な利活用場面で、こういう場面、こういう場面、こういう場面というのを組み合わせたり往還したりしながら活用していくんだということで整理をしましたので、小学校のところについても、この具体的な利活用の場面のところに移しまして、具体的な利活用の場面に即しながら、発達の段階を踏まえて、慎重な見極めが必要であるというふうに、ここで整理をしたというところでございます。ここが小学校のところの取扱いということでございます。
 18ページ目、Boxのところに移りまして、これは大きな中身の変更はあまり加えていないんですけれども、表現の点で、前回素案では何々させるというようなところで、少し教師からの目線で書いていた部分があったわけでありますけれども、ここを、例えば1つ目のポツのところの一番最後は「気付く」とか、2つ目のポツのところでは「活用する」とか、少し子供たちの目線で活動の場面というのを書いたというところでございます。
 そのほか、言葉の使い方とか、ワーディングとか、幾つか細かい修正は加えておりますけれども、文意が大きく変わるような変更は加えておりません。この利活用が考えられる例、不適切と考えられる例のそれぞれについて、文意変わるような修正は加えていないというところでございます。
 19ページ目に参ります。19ページ目の19行目、これ吉田委員から少し御指摘がございましたので、19行目の後ろのほうから、「プロンプトからは学習を行わない生成AIサービスを選択することを推奨することなどが考えられる」ということで、これを1つ加えております。
 それから、同じく19ページ目の35行目、この公平性の確保の観点でありましたけれども、少し抽象的な記述が多過ぎて、具体的にどういうことに気をつければいいのか分からないという御指摘がございましたので、少し表現を工夫しまして、35行目の後ろのほうでありますけれども、「バイアスを含む出力を行う可能性があることを認識させ」ると、こういうことが重要だということで、より具体的な行動に即して、記述を修正をしております。
 それから21ページ目、3-3、「教育委員会等が押さえておくべきポイント」のところに飛びまして、21ページ目の8行目というところでありますけれども、これ素案では、教育委員会に対してノウハウの周知・共有や理解を深めるための研修の実施ということの表現でありましたけれども、これ、より具体的に教育委員会がどういうことを後押ししていくのか分かりやすい表現にしたほうがいいのではないかという御意見がございましたので、9行目以降、9行目の終わりのほうからでありますけれども、「生成AIを意図的に利活用する場面、生成AIの出力を吟味する時間の確保、深い学びにつながる発問など、効果的な活用を促進する研修」というような、より具体的な表現に記載を変えております。
 それから、参考資料編のほうに参りますけれども、参考資料編のほうで、24、25ページに書いてありますチェック項目につきましては、これ前回素案で示したものと大きく変更はございません。
 そして26ページ目以降でありますけれども、前回はこういったイメージのものを記載するということで1つ2つ例を載っけていたところでありましたけれども、今回の素案では、より最終形に近い形ということで、校務での利活用に関する取組事例であるとか、あるいは学習の場面での利活用に関する取組事例であるとか、ここは前回の素案よりも具体事例をより増やして書いております。
 そして、これ、それぞれ校務での利活用場面、学習での利活用場面は、例えば校務での利活用例というのは本文の14ページに書いてありますけれども、そして本文の18ページには学習場面での利活用例というのが書いてありますけれども、ここと対比するような形で、それぞれ事例を幾つか出しているというふうに整理をしてございます。
 それから、参考資料の29ページ目のところでありますけれども、ここも前回まだ十分載せ切れていなかったところもありますけれども、ここも前回の素案からは幾つか、さらに関連する資料を追記して載せております。
 それから最後31ページのところで、この検討会議での検討経過でありますとか、あるいは32ページ以降は、国内外の関連するリンク集というところで、前回の素案よりもさらに記載を充実して、関連資料のリンクを載せております。
 以上が、このガイドラインの案の本文でございますけれども、これ前回の御指摘もございましたけれども、今後、学校現場向けの周知にも使えるように、このガイドライン本体をより簡単に概要でまとめたようなスライドということも作成する予定としておりますので、この本文に加えて概要版のものも作成をして、このガイドラインの改訂がなされたならば、周知に努めていきたいと思っております。
 すみません。少し長くなりましたけれども、説明、以上でございます。
【石川座長】  寺島課長、ありがとうございます。この案の策定に関しましては、皆様から検討会議の中での御発言、あるいは細かい点に関してはメールでいろいろと御指摘いただきました。大変ありがたく存じます。
 こういった案の策定の作業の特性上、皆様の御意見を100%導入するということはなかなか難しいことがありまして、御意見の中で反映されていない点もあるかとは思いますが、御了承のほど、お願い申し上げます。
 ただ、この検討会の中で全体として割と皆様が共通で合意なさっていた、例えば階層的な記述をしてはどうかとか、更新に対しては気を遣ったほうがいいのではないか、あるいは受け取る側の立場に立った記述をすべきではないかといった、皆様が共通して御発言いただいたことに関しては、大分うまく反映されているのではないかと思っております。
 それでは、ここから質疑応答・意見交換に入りたいと思います。御意見に当たっては、番号も書いてありますので、該当箇所の明示した上でコメントをいただくよう、よろしくお願い申し上げます。いかがでしょうか。
 利根川委員、どうぞ。
【利根川委員】  「個別のここが」「何行目がどうこう」というのは、もうほぼなくて、全体を通した意見、感想を述べさせていただきます。
 まず、各委員や、また非常に注目度の高いところだと思うので、関係各方面との調整を進めていただいた事務局や、石川座長に改めて感謝を申し上げたいなと思っております。
 その上で、前回の会議で、小学校の段階の議論について、私も申し上げましたし、ほかの委員の方からも様々な御意見あったところですね。私個人としては、今ここまでかという気持ちと、もう一歩踏み込みたいなという、非常に複雑な気持ちであるというところは正直ございます。もしよろしければ前回、御意見をいただいた、ほかの先生方のお考えも聞いてみたいなと思っております。
 また、今回はしようがないかなと思いつつ、今後への期待という意味で、具体例申し上げますと、後ろのほうの事例のところが、男性ばかり問題については、確かに今、紹介するのにちょうどよい事例がないのかなと理解しておりますが、今回バージョン2.0みたいな刻みで出しているということですので、ぜひバージョン2.1以降については改善いただければと思っております。
 一方で、この案と暫定版を改めて比較しておったんですけれども、暫定版も、あの当時としてはベストが出せたかなと思っておったんですけれども、今回の案と比べると、相当様々な議論が深まったのでないかなと感じております。
 実は私ども、暫定版が出たタイミングで申し上げていたのが、これはマル、これはバツみたいな個別の事例掲示が多かったんですけれども、そうじゃなくて原理原則が必要なんじゃないかと申し上げました。今回改めて、その個別のところではなくて、なぜやるのかとか、どういうところなのかとか、非常に体系的に示せたというところは、まず全体としては大きな進歩だったのかなと思っております。
 トピックとしても、バイアスの観点ですね。前回、たしか1箇所しか記載なかったんですけれども、今、見たら、十何か所もバイアスについて記載がありましたし、また、人間中心原則みたいなところも今回ちゃんとコンセプトとして打ち出されている点、もうちょっと細かいところになりますけれども、教育委員会の禁止への禁止の部分ですとか、小学校段階についても、パイロット校限定みたいなところから進歩したというところについて、個別の各トピックで見ても、いい進捗があったのでないかなと考えております。
 その上で、全体としてバージョン2.0という刻みが引き続き改訂が必要であるというメッセージかなと捉えておりますので、そういった点も含めて、評価しておるというところでございます。
 私からは以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。利根川委員おっしゃるような体系的な記述に関しては皆様の御意見が、強い御意見がありましたので、それが反映されたと思っております。
 続きまして、森田委員、細田委員の順でお願いいたします。まずは森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  森田です。よろしくお願いします。いや、今、利根川委員のおっしゃったとおりなところも本当にあるなと思います。そういう中で、事務局の皆様が短い間に、多くの意見を述べたにもかかわらず、こんなふうにまとめていただいたということ、修正してまとめていただいたということは、本当に感謝申し上げたいなと思います。
 期待できる点と、それから懸念される点というのがバランスよくまとめられたんじゃないかなと。これをきちっと読むことが非常に大事で、何となくバイブル的なといいますかね、そういう扱いで、まずこれをきちっと読んで理解した上でというふうになると、実践にも自然につながっていくんじゃないかなという、そんな感じがしました。
 小学校段階でもう少しという気持ちもやはりありますけれども、つくば市の先生たちの授業を見ますと、結局こういう考え方でしっかり理解した上で授業をしていると、やはり子供たちにとっては、よい学びにつながっていくような、そんな実践ができているんじゃないかなと思います。
 子供たちって本当に私たちが想像する以上に慎重に内容も、それから生成AIに対しても、しっかり向き合っていけるんじゃないかなと、そんなふうに実践から思っています。
 ですから、この基本を先生方がしっかり理解して実践していただければいいんじゃないかなと、そんなふうに思って、現在のガイドラインとしては、いいのではないかと思います。
 前回でしたか、わくわく感のある、先生方がやってみたいって思えるような、そんな方向にということも申し上げたと思いますが、なかなかガイドラインとしては、そこは難しいと思うんですけれども、ただ、この実践事例が今後、先生方にたくさん紹介されることによって、私もそういう授業をやってみたいと、そういうふうになっていくんじゃないかと思いますので、これに付随する情報提供といいますか、そういうところを、ぜひまた充実させたいなと、そんなふうに思ったところです。
 本当にありがとうございました。
【石川座長】  ありがとうございます。私、実は、つくば市の情報教育の視察をさせていただいたときに印象に残っているのが、生徒さんが割と生き生きとした顔で授業を受けていたというところがポイントかなと思います。そのときは生成AIではなかったんですが、生成AIもそういった形で、教師の方と生徒さんが生き生きとした顔で受けられる環境になるといいかなと。
 それでは、細田委員、どうぞ。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。ただいま利根川委員、森田委員さんからお話をいただいたとおり、本当に事務局の方々が大変すばらしい内容に、様々な意見を盛り込みながら、ここまでまとめてくださったことに敬意を表します。ありがとうございます。
 その上で、利根川委員も森田委員も、お二人ともおっしゃっていたんですけれども、実は私、そもそも出身が高校の英語の教師なんですけれども、それで教育関係の月刊誌に、直近では高校教育における生成AIの利活用についての寄稿をしたんですけれども、そのときに、その記事を書くために、高校の生成AIを比較的よく利用している教師と意見交換なども随分したんですけれども、そのときに大変印象的なお話があったんですが、高校段階ですと、例えばChatGPTの年齢も、自分で自由に使える年齢になっているので、授業でもいろいろな形で使うんだけれども、その使っている様子を見ると、義務教育段階で適切に生成AIについて経験を積んできた子供か、もしくはそうではないかというあたりのところに、生成AIとの向き合い方が違うという御意見も結構ありまして、とりわけ義務教育段階の小学校の段階で適切に経験を積んでくるということが、行く行く結構効いてくるんだなというようなことを、その御意見の中からも実感しました。
 そういうことも踏まえて、この3章の2ですが、ここまで書いてくださったんだという思いもありますし、そして小学校段階で、より慎重なというような表現が、もし教師たちのややブレーキになるとすると、ちょっと残念なんですけれども、でも、全体として、このガイドラインを見ていくと、本当に階層的に様々な角度で書かれているので、きちんと読んでくださる教師にとってみると、これは御理解いただけるのかなと思っている次第です。
 いずれにしましても、ここまでまとめてくださったことに大変うれしく、重い敬意を表したいと思います。ありがとうございます。
【石川座長】  ありがとうございます。
 では、この後、鈴木委員、藤村委員の順でお願いします。まずは鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  ありがとうございました。もうお礼は重ねてしませんけれども、私も非常に感謝しております。
 今回のガイドラインが、言わば、学校現場に対して何かボールが投げられたような感じがあるかなと思いながら読ませていただきました。受け取ったボールを、これから我々現場の人間がどう投げ返していくかというところが、これから問われるんだろうなと思いながら読んでいるんですけれども。
 そういう意味では、総論とかの部分は非常に、もうこれでいいと思うんですけれども、終わりのほうも、資料のやっぱり具体例のところは、ちょっと気をつけたほうがいいかなと思うところもあります。というのは、具体的に27ページのところに、生成AIのパイロット校の取組ですかね、が幾つか載っているんですけれども、例えばその一番上の大阪の小学校の事例ですが、ほかのは何年生の何の授業でと書いてあるんですけれども、これ学年もなくて、何の授業でやったのかということも書いていない。
 リーディングDXのほうのホームページも見てみたんですけど、そっちもちょっと、見てもよく分からない。そっちを見ると、どうやら児童が直接は生成AIを操作していないようなんですが、児童が操作しているのかしていないのかというところも、小学校の場合には結構大きなポイントになってくるので、その辺りをちゃんと整理して、形で情報を出していかないと、何か誤解を受けたりすることがありはしないかなというところがちょっと心配になりました。
 その辺りも、これから事例がたまっていけば、おのずと解決されていくものかとは思いますけれども、やっぱり事例をまずは見たいという先生方も多いと思いますので、そこは御一考いただけるといいかなということを思いました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。事例の記述はなかなか難しいところもありますので、慎重に対応させていただくとよろしいかと思います。
 では、藤村委員、お願いいたします。
【藤村委員】  これまでまとめてきていただいた座長、事務局の皆さんに本当に心から御礼申し上げます。とても分かりやすく、大局的な視座から具体まで整理できたなと思っています。
 そこで1点、もしまだ可能であればなんですが、前回、本当は申し上げたかったんですが、秋田から青森へ車で移動中で、電波が届かなくて落ちてしまったので申し上げられなかったことを今回、すみません、申し上げさせてください。
 このガイドラインの実効性を今後発揮させるために、今、学校現場と教育委員会について述べていただいているんですが、教員養成大学で押さえておくべきことという項目を1個追加していただくと、これから出てくる学生たち、大学院生たちは、これらを踏まえて、適切に生成AIと子供たちが向き合えるように、また教員が校務に利用できるようにとなるかと考えています。
 既に本学では、生成AIに関して子供への利用、そして自分たちが利用して適切に活用する授業というのを必修にしています。実は本当は教員養成系大学全てでそういうことをやるべきじゃないかなとも考えていますので、一言で結構ですので、この上にあることを大学、教員養成系の大学の学部・大学院ではちゃんと指導することというようなことを入れてはどうかなというのが1点でございます。
 2点目です。2点目は、このガイドライン、とてもよくできているのを、どう実効性確保するか、現場に届けるかということが大事だと考えています。多分、現場の先生、読まないだろうなと実は考えています。
 ガイドライン系のもの、現場の先生、よく読まないという。特に文章が長いと、お読みいただけない。
 先ほど寺島課長のほうから概要版作っていただくという話がありましたので、大変ありがたいと思うんですが、それも、どこを経由して見ていただくかという問題が大事だと考えています。
 現場の先生が結構活用されているのにStuDX Styleという、1人1台端末をこう活用するといいよみたいな事例とか、既存資料みたいなものがあるところあるので、文部科学省ももちろん、そこに、ぜひその概要版載せたり、それからもう一つ、先月、今月と小中高の生成AI活用授業、拝見しているんですが、結構、利用規則を守っていないというか、アカウントでログインすると、18歳未満なので利用できませんって出るから、ウェブ版のものを使って、保護者の許諾も得ないままやっているとか、そういう非常にゆゆしき事態もありますので、きちんとその辺も踏まえてやること必要だよということを理解してもらう必要がある。
 そのためには、暫定ガイドラインのときにやった、いろいろな生成AIですね。今回でいえば、Copilotとか、Geminiとか、Fireflyとかを、この会議でも御紹介いただきましたが、そういったものの基本的な、教育に向いていくために必要な項目ですね。教育的配慮が実装されているか、著作権に対しての配慮があるか、利用規則で18歳未満は使用禁止なのか、保護者同意があればいいのか、そういったことについて一覧表が暫定ガイドラインに載っていたけど、今回ないので、載せ切れないと思うんですね。なので、それもStuDX Styleで、そういう比較検討表と留意点が分かるようなものを紹介してあげると、今みたいに擦り抜けていくとか、そういったことを回避して、なおかつ各事業者さんには教育的配慮の実装とか、著作権に関する配慮とか、子供たちの利用について、こういう留意点があるよとかというのを分かるような一覧表にすれば、そこに紹介してほしいから、また、そこでちゃんと対応していますよって言いたいので、そういう教育的配慮を実装するということもつながると思いますので、その辺の工夫も御検討いただければありがたいなと思いました。
 また実践について、先ほど御指摘ありましたけれども、実践事例もそこで適切に活用し載せていくと、紙物と違って、随時追加したりもできますし、より身近なもの、それからポイントについても、失敗を重ねて分かってきたポイントとかも含めて御紹介いただければ、このガイドラインの実効性が上がると考えています。
 以上でございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。実効性の向上は重要な案件だと思います。
 最初におっしゃっていた教員養成大学の案件に関しては、可能な限りということで、どの場所にどういうふうに入れる、あるいはこのガイドラインの外側で何かやる、そういったものは検討させていただけたら。
【藤村委員】  座長に一任したいと思います。よろしくお願いいたします。
【石川座長】  後半の件はいろいろと非常に重要な指摘でございますので、これも可能な限りという言葉になって恐縮ですけれども、検討させていただこうと思います。
 それでは、江間委員、お願いいたします。
【江間委員】  ありがとうございます。本当に皆様おっしゃっていただいたように、ここまでよくまとめていただいたということで、ありがとうございます。
 1点だけ、細かい点といえば細かい点なんですが、すみません、ちょっと全部読み切れていないので、別の箇所に書いてあることかもしれないんですけれども、最初に御説明いただきましたように、こちらバージョン1になっているということだと思うので、これが今後、策定に当たってということで、改訂をされていくというようなことを、どこか最初の「ガイドラインの位置付け及び構成」に一言書いてあってもいいのかなと思いました。そこが書いていないような気もしたので、そこだけ1点です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。チェックした上で検討させていただこうと。
 それでは、吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】  ありがとうございます。また、取りまとめもありがとうございます。
 ちょうど今、江間先生が御指摘してくださった点、私も気になっておりまして、改訂を重ねていけるような体制づくりというものを御検討いただければということと、記述もしていただけるとよいのかなと思っております。
 また、このようなガイドラインに対するフィードバックを受けられるような体制も重要かなと思っておりまして、例えば無作為抽出で、教員であったり教育委員会の方向けのアンケートをして、例えば、そもそも読んだのか読んでいないのかですとか、読んだ場合は、どういったところがよかったよくなかったですとか、改善の余地があるというようなアンケートだったり、読んでいないならば、なぜ読んでいないのかというところも含めてアンケートをして、アンケートで取るなどしていただければ、まず、どれぐらい読まれているのかというところもある程度分かると思いますし、今後の、この会議での最初でも議題に、議論に上がったと思いますが、対象が誰なのかというところも、より明確になっていくと思いますので。
 ここで現場の先生がほとんど読んでいないということが明らかになるのであれば、もはや現場の先生向けには、やはり別途、すごく分かりやすいものを作り、少し詳細も含めたものは、読んでいただけるような方を想定して書くというような形で切り分けていけると思いますので、やはり改訂を重ねられるような体制であったり、実際の現場の先生であったり、教育委員会の方であったり、関係者からフィードバックを受けられる体制というものも併せて御検討いただけるとありがたいかなと思っております。
 このたびはありがとうございました。
【石川座長】  ありがとうございます。改訂に関しては、ほぼ全員の委員の方から御指摘がございましたので、文科省のほうでいろいろと検討されていると思います。
 それから、改訂もそうそうなんですけれども、今、吉田委員がおっしゃっていたようなことの一部は、今後いろんなところで検討はされると思いますので、よろしくお願いします。
 それから、この検討会の中でも、読む側の立場に立ってまとめましょうというのは皆さん、委員の方ほぼ全員の方の御意見だったので、それも大分、この案の策定の努力の中で検討されたところですが、今、吉田委員がおっしゃったように、最終的に評価するのは、我々でもなければ文科省でもなくて、受け取った方が読んだ上での評価ということになりますので、それに関しては少し何らかの方策があるといいなと私も思います。
 それでは、今井委員、どうぞ。
【今井委員】  前回ちょっと出席をできなかったので、また議論を踏まえないで、とんちんかんなことを言うのかもしれません。お許しください。
 皆様おっしゃったように、最初の草稿に比べて格段に読みやすくなって、読んでいただけるものになっていると思うんですけれども、ちょっと細かいところで恐縮なんですけれども、先生に向けて、どういうふうに使う場面があるかというようなところで
、17ページの5行目ですかね、私も資料としても提出させていただいたんですが、先生がどういうふうに。まず使ってみるというのは、とてもいいことだと思うんですね。その上で、「授業準備や各種文書のたたき台作成を含む校務において」と書いてあって、各種文書のたたき台とか事務的な文書の作成、たたき台というのは非常にいいと思うんですけれど、授業準備ということをさらっと書いてあるのがちょっと気になりまして、授業準備のというふうにさらっと書くよりは、書くんだったら、やっぱりこういうところは使うべきだけれど、こういうところはあまり望ましくないみたいなことは、もうちょっと踏み込んで書いたほうがいいのかなというふうにも思いました。
 これ、何で私が授業準備ということにちょっと抵抗感を感じるかというと、やっぱり授業準備って先生の最も大事な役割だと思うんですよね。自分の児童生徒の理解の状況を自分の目で見ながら、それに応じて準備をする、考えるというところで、こういうふうに書くと、何か本当に先生の力量がすごく分かれる気がするんですね。上手に使う先生は使われるんだと思うんですけれど、何か、ここ分からないみたいだから、どう教えたらいいか教えてみたいに生成AIに聞いてしまうと、非常に通り一遍の答えしか出ないんですね。
 例えば私、子供が本当に分数が難しいというようなことを知っていますので、例えば何か2分の1と3分の1のどっちが大きいか分からない子供に、どうやって教えたらいいか教えてみたいなの、Geminiに聞いてみたんですけれど、そうすると、間違ったことは言っていないけど、非常に通り一遍で、本当にいろんなところから書いてあることを何か抜き出してまとめたみたいな。それ、かなり何か私の書いた文章が要約されているような、そういう気もしたんですけれども。
 そういうことを先生たちが、子供を見る代わりに生成AIを一生懸命使って授業準備をするようになると、結構、本末転倒というよりは、何か非常に、子供を見るということが最も大事なのに、そこがおろそかになるような気がして、それはやっぱり最初の人間中心主義ということから離れていくような気がするんですよね。
 なので、その辺の誤解がないような書きぶりをお願いしたいなと思いました。今さらなので申し訳ないんですけれど。
【石川座長】  ありがとうございます。今御指摘の点に関しては、この検討会でも何度か議論になったところもありまして、ちょっと今井先生の思いに十分応えられているかどうかは分かりませんが、幾つかの場所で関連した記述があるかとは思います。
 それでは、引き続きまして佐藤委員、相澤委員の順で、まずは佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】  信州大、佐藤でございます。遅れて申し訳ございませんでした。朝から情報通信技術を活用した教育の理論及び方法の授業をやっておりまして、今日はちょうど生成AIの利活用をテーマに授業をしてきました。
 今回は暫定のガイドラインを使いながら、体験を通して子供にどういった力を身につけさせていけばいいか、最初にどういう授業をしていけばいいかみたいなことを演習を先ほどやってきたわけですけれども、このガイドラインのことが先ほどから読む読まないというような議論がございますけれども、読んだだけでは分かるようなものではないという方も多分たくさんいらっしゃるんじゃないかなと考えております。
 ですから、まずは、こういったガイドラインは教育委員会の担当レベルで確認していただくということだと思いますし、その担当者の方が通り一辺倒に読むのではなくて、まず担当レベルの中で体験を通して、こういう解釈なんだということを、ぜひやっていただきたいな。その上で、学校の中で担当者がガイドライン示しながら体験を通してやっていくというのが一番望ましいのではないかなと捉えております。
 いずれにしましても、全部読んでいただかなければ構造的に解釈が多分難しいと思いますし、鈴木委員が先ほど懸念されていたような誤解とかも招いていってしまいますので、そういった周知の仕方を各都道府県や市町村のレベルで調整していただきたいなというのが私の思いでございます。
 それから、先ほど藤村委員がおっしゃっていましたように、教員養成の話ですが、こういった私も今日授業をしていて思うところなんですけれども、大学で授業をしていたとしても、こういったガイドラインがきちんと運用されていかないと、学生が幾ら頑張ったところで、うまく生成AIが使えないとか、あるいは通り一辺倒に禁止されてしまうような、そういった事態にもなってしまうと思いますので、こうしたガイドラインが正しく運用されていくことが望ましいなというところで期待しているところでございます。
 もちろんガイドラインだけの情報ではなくて、たくさんの情報入ってきておりますので、ガイドラインとパイロット校と、それから先生方の御経験踏まえて、適切に運用していただきたいなという思いです。
 あとは最後に、概要版が出るということで、これが前回同様の形式で出されると、学校現場としては恐らく見やすいというふうに思っていただけるのであると思いますので、そこに期待したいなと捉えているところです。
 おまとめいただき、本当にありがとうございました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。相澤委員、どうぞ。
【相澤委員】  まず、今回のガイドラインを取りまとめられた関係者の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。
 詳細なので概要版が必要という御指摘、本当にそのとおりだと思いますけれども、今回の詳細な記述自体も、生成AIとは何かを知るためのよいイントロダクションとなっていて、価値のあるものだと感じております。
 先ほど御指摘がありました実効性の向上について、AIというのは社会のニーズに適合するように社会が育てていかねばならないという側面があることを踏まえて、事業者のほうにもこの原則を理解していただいて、学校のニーズに沿ったサービスを提供していただくという観点で、ぜひしっかりと情報共有をするよう御留意いただければよいのではないかと感じました。
 あと、多様な関係者がいるということですので、例えば概要版だけでも、多国語に翻訳版の御検討をいただけるとよいのではないかと感じました。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 委員の皆様からの御意見、一通りお聞きしたんですが、改めてもう一言おっしゃりたい委員はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日も様々な御意見をいただきましたが、本会議においては、その論点、方向性から、前回素案、それから本日ガイドラインの案まで複数回にわたり議論いただきまして、ガイドラインの改訂に対する意見は、おおむね一つの区切りを迎えたかなと思っております。
 今後、文科省においては、これまでの本会議での議論を踏まえつつ、最終的に文科省としてガイドラインをまとめて、公表するという形になるかと思います。
 その際、今後、細かい点がいろいろあるかとは思いますが、本会議としての意見と文科省との調整に関しては私のほうに御一任いただければよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、私のほうで調整はさせていただきたいと思います。
 これにて本日予定した議事は全て終了となりますが、この会議は本日を含めると7回実施しておりました。ガイドラインの改訂に向けての議論は、先ほどまでの内容で一区切りとなります。この分野は極めて技術の進展が速く、また実践を積み重ねながら、様々な検討や現場での取組が引き続きなされていくものと思っております。
 これまで委員の皆様から発表もいただきましたし、今日も御意見をいただきましたが、残りの時間で、今日の御意見とは違う視点から、生成AIの学校の現場における利活用の今後の期待等、あるいは、それ以外の視点をもって、ぜひ委員の皆様から一言ずついただきたく思います。
 大変申し訳ないんですけど、一言ずつお願いするのに、委員の名簿順でお願いします。そうすると、相澤先生、お願いできますか。
【相澤委員】  はい。よろしくお願いします。
【石川座長】  すみません。あいうえお順で申し訳ありません。
【相澤委員】  技術の立場から一言、感想です。現在、人材確保というのは、もう本当にあらゆるところで課題となっている中で、あえて申し上げますと、AI人材の確保、育成というのも非常に切実な問題となっています。なので、今後AIがどんどん果たす役割を大きくしていく中で、AIの研究開発ですとか社会実装を強化していくという土壌をつくっていくのは大切だと思っています。
 学校教育の場においては、小学校のプログラミング教育必修化や、大学入学共通テストにおける情報の追加等、教科としての情報が強化される中で、生成AIの導入に当たっての今回の議論は使い方を学ぶことを中心にした話でしたが、情報活用能力を身につけるだけではなく、本当に純粋な好奇心として、AIの仕組みはどうなっているのだろうとか、人間とどう違うんだろう、あるいは知能とは何だろう、感情とか倫理とは何だろうというふうな、素朴な疑問や好奇心を育てて、科学的な興味も持って、そういう気持ちが育まれるといいなと思っております。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。今井委員、どうでしょう。
【今井委員】  ありがとうございます。こちらの委員会では多くのことを学ばせていただきまして、ありがとうございます。
 2回目でしたか、割と最初の頃に、AIの開発者の方、Microsoftの方だったり、Adobeの方だったり、いろいろ開発の理念をおっしゃってくださいまして、それも非常に私にとっては考える材料をいただいたわけなんですけれども、一つ、そこで私思ったのは、多様性というところなんですね。
 今、AI開発されていて、どんどん教室に導入するのがいいというふうにして、例えばAI家庭教師のような、そういうものを開発されているような方が割とよくおっしゃるのは、これからの時代は全部、基本的なことは、もうAIに任せればいいので、各人はその先の自分の本当にやりたいことを追求できるというようなことをおっしゃっていて、何かそこを追求できるから、だから多様性が生まれるし、創造性が生まれるというふうにおっしゃっていたんですが、認知科学の熟達過程ですよね。子供がどういうふうに学んでいって、そこから先どんどん熟達者になっていくのかということを考えたときに、何かその生成AIの使い方を学ぶだけでは全然、熟達者にもなれないし、多様性も起こらないと思いました。
 というのは、熟達とか多様性って、むしろ本当に子供が自分で最初からいろいろなことを発見していくところにあるので、ごく簡単に答えをAIにいろいろ教えてもらったり基本的なことはやってもらえるから、その先行けるよねというような考え方って、その先に実は行けないんですよね。そこが、基盤がちゃんとしていないと。
 なので、その基盤をつくる。それはAIに答えを教えてもらうのではない、自分で発見した基盤をつくるというところが、人間の多様に、そして創造的に生きる鍵になるのかなと思いましたので、そこをちょっと最後に述べさせていただきまして、だからこそ学校教育というのは、本当に子供一人一人が自分の学びに向き合って、答えを教えてもらうのではなくて自分で発見していく、その学び方を学ぶという、そういう場でなくてはいけないし、そういうふうに学校も文部科学省も考えていただいたらいいなと思いました。
 私、記号接地という言葉を使うんですけれども、記号接地をしないAIが、やっぱり簡単に多様性という言葉を使っていいんだろうかというようなことを考えさせられました。
 じゃあ、以上です。ありがとうございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。では、江間委員、お願いいたします。
【江間委員】  私自身も、この委員会に参加させていただき、非常に多くの様々なお立場の方とお話しさせていただき、多くの学びがありました。どうもありがとうございます。
 原則が書かれているのは非常によいと、ほかの委員からもお話がございました。私自身もそう思っておりまして、人間中心という考え方で、あくまでAIはツールとして使っていくという位置付けが共有されていくというのが非常に重要かと思っております。
 先ほどの今井委員がおっしゃっていらっしゃいましたように、ちゃんと人間、教師が子供たちに向かっていくこととか、あと、そもそもツールであるので、目的は人間が設定をしていくという大原則を大事にしていくというのが、教育現場に限らず、様々な分野でも共通していくことだと思っておりますので、そういうことがメッセージとして発信できたことは、すごくよかったのではないかなと思っております。
 あと最後に、相澤委員のほうからも少しお話がありましたが、多言語翻訳というか、ほかの国とか、あるいはこの日本国内にいらっしゃる外国の方とかにも分かるように発信していくことというのは非常に大事だと思っておりますので、簡易版でもいいので、そういうような多言語版があると非常によいのではないかと思っております。
 特に日本でこういうような議論がされているということは、ほかの国でも今、生成AIどういうふうに対応していけばいいのかということを皆様いろいろ議論しているところですので、ぜひ積極的に発信していき、次のアップデートのときに、さらに、ほかの国の議論とかも参照しながら、あるいは日本としての議論が参照されながら、使い方について全世界的に議論をしていくという、そういうモーメントというか、流れがつくれていくのが非常に民主主義的なAIの使い方を考える上でも重要になってくるかなと思っております。
 本日、それから今までの会議、それから事務局の皆様、座長、どうもありがとうございました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。続きまして、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】  佐藤でございます。大事なことは、今井委員おっしゃっておりましたけれども、ポジティブな姿勢と、それから主体的な学習の態度の中で活用されることだと僕も認識をしております。
 そういった中で、先生方や子供たちが生成AIを、まず体験を通して肌感覚みたいなものを身につけていかないと、どういったところで使えるかという話にもなっていかないんじゃないかなと捉えております。
 ネガティブな活用のようなことは大体、夏休みの最初ですかね、あるいは始まる前に報道で何か読書感想文コンクールとかで使っちゃうような事例が出てくるんですけど、どうすればいいですかみたいなことって結構、取材が来たりするわけですけれども、それはやはり、そういうことだと僕は認識をしております。
 ポジティブなほうで使っていくのであれば、創造性豊かな活用ができると思っていますので、そういった活用を望みたいなと考えております。
 それから生成AIの登場によって、メディアとか、情報とか、そういったことの付き合い方が、これまでと論理が変わってきているということは間違いないと思っていますので、これからの時代のメディアリテラシーとして、生成AIを理解する、あるいは活用していくということの学習について、体系的に行われるような教育課程ということを検討していく必要があるのかなと捉えているところでございます。
 長い時間でしたけど、本当にありがとうございました。
【石川座長】  ありがとうございます。では、続きまして鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  鈴木です。本当にこの会議でお世話になりました。ありがとうございました。現場の教員、私だけだったんですけれども、こういう会議に出させていただく機会も、現場の教員、なかなかないと思うので、本当にいい勉強になりました。
 さっきもお話ししましたけれども、ガイドラインというふうなボールが投げられたわけで、それをきちんと受け止めて、どういうふうな生成AI活用していくかということを、いい実践をこれから発信していくのが、現場の人間の役割だなと改めて思っているところです。
 生成AIは本当に教育に関して非常に大きなインパクトを与えるものだと思うんですが、やっぱり私も実践重ねる中で、一番大事にしたいなと思うのは、子供の中の学びたいという気持ちとか、自分はこれが好きなんだという興味とか、そういうところを、まずは一番大事にしていかないといけないんだろうなと。それを大事にしないで生成AIを活用すると、おかしなことになっていくんだろう。
 何を大事にして生成AIを活用していくかということを見失わずに、これからやっていきたいなと思うんですが、それを考える上で今回のガイドライン、非常に頼りになるものができたんじゃないかなと思うので、これからいろんなところに広めていければなと思っております。ありがとうございました。
【石川座長】  ありがとうございます。利根川委員、お願いします。
【利根川委員】  そうですね。私、昨年の年明けに、経営者の端くれとして、生成AIのことに経営のリソースを割こうというふうに経営会議で決めまして、そこから、ほぼ2年なんですよね。その中で、私自身はプレゼンもさせていただきました。印西市立原山小学校で見た光景を全国に広めたいなという思いを持って取り組んでまいりました。
 先ほども申し上げましたが、暫定版と比べると、ガイドラインとしては大分進歩したと思っておりますし、これは世界的にも誇れるものになったのでないかなと認識しております。
 また、この改訂の議論に当たっては、私、結構未来を示そうというところで、その原山小学校の話とかを取り組んできました。ここでいいガイドラインができたかなと思っておりますが、ただ、ガイドラインそのものだけでは子供の教育とかに、子供の学びには、まだまだ遠いわけですよね。なので、大事なのはここからだと思っています。
 初回だったかと思うんですけれども、森田先生、細田先生から、学校現場のこと──学校現場の現状というんですかね──のお話があったかと思いまして、私、これまであえて先端の方を意図的にやってきたんですけれども、今後においては、改めて広がりを意識していくところが大事かなと思っております。
 また、私のプレゼンでも申し上げたんですけれども、「生成AIの教育は令和の公教育の責務でないか」という点について改めて申し上げたいと思っておりますし、そのために私も、来週以降も研修が入っておりますし、みんなのコードとしても、今、教材無償で提供しているんですけれども、ここについて、なるべく続けていきたいなと。そして学校現場に、よき形で御利用いただきたいなと思っておりますし、それがパイロット校とか、先進校とか、そういうところだけでなく、誰もが生成AIの教育機会を提供できるといいなと思っております。
 また、もう少し長い時間軸で考えますと、今回のガイドラインですとか、私自身が来週からやる研修とかについても、今の指導要領のコンセプト、改めて確認しましょうねという話が、必ず出てくるかと思いますが、今後は、そのさらに次の学習指導要領の議論もそろそろ始まるのかなと承知しております。
 今回の会議の議論ですとか、それを踏まえた現場でのAIにまつわる実践については、どういう形で議論になるか私、全く知りませんけれども、社会の情勢の変化とか考えますと、AIの話、避けて通れない話ですので、よい形で反映されるといいかなと思っております。
 また、今回のガイドライン、バージョン2.0という刻みがありますし、アップデートを楽しみにしているというだけでなく、私自身も何らか貢献していきたいと思っております。
 最後になりますが、事務局、座長、ほかの委員の皆様、私自身、非常に貴重な機会になったかと思います。ありがとうございました。今後もお付き合いいただければと思います。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。続きまして、藤村委員、どうぞ。
【藤村委員】  今回の会議参加させていただいて多様な意見をお聞きする機会があったというのは私にとっても大きな学びでしたし、また、それを本当に分かりやすくまとめていただいた事務局、文部科学省の皆さんに心からお礼申し上げたいと思います。
 私のほうから2点申し上げたいと思います。
 1点目は、首相官邸で、これからの日本の在り方を考え、教育改革の在り方を考えた経験から言うと、やはり生成AIの活用は避けて通れないと考えています。といいますのも、2050年には生産年齢人口と高齢者の数がほぼイコールになるということは、1人で1人の年寄りを養わなきゃいけないときに、これまで以上に労働生産性を上げなきゃいけないんだ。そしてゴールドマン・サックスの予想によると、50年後には日本はナイジェリアにも抜かれて、GDPが世界12位まで落ちる。それを避けるには、やっぱり労働生産上げて、一人一人のウェルビーイングを守っていかなきゃならない。そう考えたときに生成AIは、やっぱり積極的に活用し、しかも安全に適切にという絶対条件を守りながらするということが必要ではないかなと考えています。
 2点目は、人間中心ということについて皆さんが一致したというのは大変うれしく思っています。そのときに大事なのは、教育の力をもっと信じませんかということだと思っています。
 インターネットが出てきたときにも、心配なことがいっぱい出てきました。でも、それを今みんなで、教育の力で乗り越えてきたわけですね。心配な点、それをフォローして、プラス面を最大化するみたいな、そういう力が教育にはある。そこで生成AIの仕組みとか可能性、限界、問題点を学ぶ機会を設けつつ、先生から言われたから使うじゃなくて、先ほど佐藤先生なんかもおっしゃっていましたけど、やっぱりそこは子供が適切に判断できるように育てるということが僕も必要だと思っていまして、先生が見ているから、親が見ているから悪いことしないではなくて、先生が見ていなくても、親が見ていなくても、自分で情報の科学的な理解を基にしながら適切に判断する、そのためにいろんな経験積んでいかなきゃ分からないということがあるので、今後ますます情報教育というのは大事だなと思っています。
 そんなことを考えて、ぜひぜひ、実は小学校から本当はやるべきだと私は思っております。発達に応じてということは十分可能だと思いますので、次回改訂のときには、その辺もまた議論したいと思っております。
 このたびは誠にありがとうございました。すばらしいものをまとめていただき、御礼申し上げます。
【石川座長】  ありがとうございます。それでは、細田委員、お願いいたします。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。先ほど利根川委員からも次の学習指導要領のお話があったんですけれども、まさにその次の学習指導要領や、それからGIGA2ですね。GIGA1から今度、GIGA2になっていく、この状況下では、やっぱり、そうですね、ICTのインフラが整って、ICTを活用した活用の頻度から、さらに今度は授業の質的向上にということが強く求められる、そういうタイミングだと思うわけですね。
 そうなりますと、生成AIが社会インフラになっていくのも、ここまで来ていると、この辺まで来ているということになりまして、ガイドラインもこのように皆様で議論しながら、文科省の方々が御苦労していただいて、すばらしいものが完成したら、そのガイドラインを読んでいただいて、そして学校が実践をし、そしてフィードバックして、一人一人の教員が授業力、事業のデザイン力をつけていくということが、さらに求められている中で、私自身、最近よく保護者の方とか教師への講演会などをやったり、ワークショップやったりするんですけれども、そのときに、今井委員とか鈴木委員も言っていたように、私、その講演会の中でよく申し上げるのは、のび太とドラえもんの関係──のび太君が何とかして何々したい、だからドラえもん何か道具出してという、そののび太とドラえもんの関係が、子供たちとAIの関係に相似形だなってよく思って、その話をするんですけれども。そうしますと、AIを使って何を見たいのか、何をしてみたいのか、何を知りたいのか、つまり何を学びたいのかという、その学びに対する欲求も、やっぱり子供たちに育んでいくということが、これからますます学校教育で求められていくんだろうなという思いが1つ。
 それから、そういった際に、ちょうど2章の基本的な考え方にもありますように、教師がAIのリテラシーを身につけるということも本当に重要になってくるわけですね。それが今の現状の学校教育を見てみますと、この会の冒頭、1回目ぐらいのときにも申し上げましたように、相当その地域間格差とか、それから学校間格差とか、もっと言えば教師間の格差が非常に大きな分野だと思います。新しい分野なので、それが起こってきてしまっているんですけれども、そこをどうやって教師がアベレージで、このAIのリテラシーを身につけていって、授業に適切に活用できるような、そういう力をつけていくかという、その仕組みづくりも、これから問われていくと思っているところでございます。
 皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。続きまして、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  森田です。もう皆さんから大切なところをお話しいただいたので、私もなかなか言うことがなくなってしまったんですけど、本当に皆さんから、多方面の立場の方からの御意見を伺って、本当に私もこの生成AIの大切さと、それから留意点というのを再認識できたという、そんな感じがしております。
 私の立場としては、つくば市教育委員会の教育長ということで、市町村の教育委員会が何をすべきかというところと、また、それを受けた実践がどうあるべきかというあたりを御提案できればと思いまして話をさせていただいたわけですけれども、つくば市の教育で今一番考えているのは、子供たちが幸せを実感しながら、今、実感しながら、そして将来も幸せに生きていけるという、そういう子供たちを育てたいということです。
 そのためには、一番大事にしていることは自己決定ということ、そして学びについては、本物の問いを自分から見つけて、そしてそれを自分の力で、そして時には協働して、対話して解決できる、そんな力をつけてあげたいと思っています。
 その学びをするときに、実際つくばでのこの実践を見ると、生成AIというのは一つのツールとして非常に有効であるということが感じられているところです。
 ただ、この生成AIを使うためには、きちっと生成AIとは何者かというのを理解した上で、そして、よさや限界も理解した上で使わなければいけないと思っていますので、つくばとしては、そういうことが進められるような研修などもしてきたというところです。
 ただ、そのよさや限界というのは、教えられるものではないと。やはり自分の体験の中で、しっかり理解していくものではないかと思うんですね。
 ですから、逆に言うと、生成AIは使うべきであるといいますかね、使いながらやっぱり身につけていくべきものであると考えています。
 ですからこそ、つくば市という、この、ほかも市町村の教育委員会というのは、しっかり先生方にそういうものを身につけられるように進めていかなければいけないのではないかと、そのためのガイドラインということにもなっているんじゃないかなと思います。
 また、この授業ですね。やっぱり最終的には先生方が授業の中でうまく使えるようにしたいと思います。
 ですから、先ほどから申し上げているように、この実践事例というのが、先生方が本当に、あっこれをやってみたいって思うような、そういう事例が、うまく見せられればいいなと思っています。
 そのときに、ただこういうことをやっていますという事例の示し方ではなくて、やっぱり授業づくりが先生方大事なので、この授業の狙いと生成AI活用の狙いのマッチング、そしてその実際の授業の中での先生の働きかけ、どんなものが必要かと。そして最終的には、やっぱり子供たちがどんな成長している授業なのかというところが示せていけるようになると、先生方もぜひまねしてみたいと思いますし、この適切な活用した適切な授業ができて、成功体験につながるのではないかと。
 先生方の成功体験が積み重なることによって、先生方の力もついていくと私は考えていますので、つくば市としても、ぜひそんなふうに進めていきたいなと考えています。
 ぜひ今回お付き合いいただきました先生方にも、つくばの授業などについてアドバイスを今後いただければ大変ありがたいと思っておりますので、皆さん、どうぞよろしくお願いします。この間、本当にありがとうございました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。では、最後に吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  承知いたしました。まず、このような貴重な会議に御参加させていただき誠にありがとうございました。また、事務局や座長の皆様、様々な意見を取りまとめていただき本当にありがとうございました。
 もうこれまでの委員の方々もおっしゃってくださっているとおり、やはりそのAIを初等中等教育段階から学んでおくことは今後の児童生徒にとっても非常に重要になると私も思っております。それと同時に、やはり教員も、生成AIなり新しい技術を正しく理解して活用するというところもポイントになるのかなと思っております。
 実践に関わっている方から聞いた話によると、児童生徒が使い始めているから教員が学び出すというような、ある種その逆の動きも出ているようで、そうすると、やはり、そのような教員を支援するような仕組みですとか、教員が行う実践を支援する仕組みというもの、非常に重要だなと思っております。
 今回のようなこのガイドラインといった大きな方針を示すためには時間がかかる一方、その生成AIなどの関連情報は非常に更新の頻度が高いというところで、そういった意味ではスピーディーな情報提供もかなり重要なのかなと思っておりまして、それについては、やはり別の枠組みが必要だと感じましたし、私自身も引き続き草の根的に、教員を支えるような活動をしていこうというふうにも思えた貴重な機会になりました。
 このような貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。皆様からの貴重な御意見ありがとうございます。
 それでは、文科省からも御挨拶をいただければと思います。森審議官、お願いできますでしょうか。
【森学習基盤審議官】   それでは、本検討会議、今日が最終回ということになりますので、事務局を代表しまして、一言御挨拶を申し上げたいと存じます。
 座長の石川先生はじめ委員の先生方におかれましては、今年の7月の会議設置から半年間、7回にわたりまして会議に御参画をいただきまして、大変精力的に審議を賜りました。厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 生成AIをめぐる動き、大変急速、日進月歩の状況でございますけれども、この検討会議では、こうした技術の開発、普及の動向も踏まえながら、学校現場においてどのように対応したらよいかといったことについて、それぞれ御専門、最前線の御知見のお立場から御議論を賜り、基本的な考え方として押さえておくべきポイントを取りまとめいただいたものでございます。
 今日も各委員の先生方から御指摘ございましたけれども、生成AIの利活用に当たって、人間中心の原則、また指導要領が目指す資質・能力の育成に寄与するのか、教育活動の目的達成の観点から効果的であるかといったことを吟味した上で利用すべきであると。また、その効果的な利活用のためには、学びの専門職としての教師の役割が非常に重要なものとなるなど、基本的な考え方、これを改めて確認をした上で、学校現場において押さえるべきポイントを、より分かりやすく、また具体的にお示しをいただきまして、学校現場にとって大変参考になる形、ガイドライン改訂の方向性をお取りまとめいただいたものと考えてございます。
 文部科学省といたしましては、この検討会議において取りまとめいただいた御意見を踏まえまして、速やかにガイドラインを改訂をし、学校現場において生成AIを適切に活用するための参考となりますよう、実効ある形で周知を図ってまいりたいと考えております。
 また、先日成立をいたしました今年度の補正予算において、校務や教育文化に特化した形での生成AIの利活用に関する実証研究を進めていくための予算を計上をしているほか、来年度の概算要求におきましても、生成AIのパイロット校における実証のための予算、これを引き続き要求をしているところでございますので、生成AIを活用した教育課題の解決、そして教育DXの加速化に向けて、今後も取り組んでまいりたいと存じます。
 今回のガイドラインの改訂の取りまとめに大変御尽力を賜りました委員の皆様方に改めて感謝を申し上げ、また今後も引き続き御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げまして、
私での御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【石川座長】  森審議官、どうもありがとうございました。
 最後になりますが、私も、この会議の座長として一言御挨拶申し上げます。
 まずは委員の皆様方、文科省の皆様方、このガイドラインの取りまとめに御尽力いただきまして誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 私、座長を引き受けるに当たって最初に申し上げたのは、生成AIの変化が激しいということと、今現在いろんな意見があるので、こういったものをガイドラインとしてまとめるのは非常に難しいということで、事前の打合せでも難しいという言葉を数回発しまして、どうまとめるかというのはなかなか難しいことをやる作業ですよと申し上げたんですが、検討会の3回目、4回目辺りから少しずつ皆さんの意見の中で柱になるようなものが見えてきまして、その見えてきた段階で、おっ、これはまとまるのではないかなという思いを持ちました。
 それが今回のガイドラインの中では前半の部分に大きく反映されていること、それから更新に対する配慮がなされていること、そういったことに関しては皆さんの御意見がよく反映されて、うまいガイドラインになったのではないかと思っております。
 皆様の意見、大変貴重なもので、それがガイドラインに反映されたことを非常にうれしく思っております。
 少しだけ高所からの議論をさせていただくと、生成AIもそうなんですけれども、現在の科学技術の進歩というのは激しいので、科学技術が社会の変革を牽引する時代になったと思っています。その新しい科学技術とその適用に関しては、本来であれば、その科学技術のある程度の理解と適用分野の本質的な理解というのが前提であるはずなのですけれども、世の中の議論の一部は、どうも影響のみを議論するということに陥っていて、そうではなくて、きちんとした本質の議論、技術の本質を、適用分野の状況の本質の議論が前提となった議論がすべきであると常々思っておりました。このガイドラインの策定に当たっては、それがきちんとできたというのが、私としては、よかった点ではないかと思っております。
 新しい科学技術の適用に関しては、科学技術の理解をきちんとやった上で議論できるというのが、日本の国の国力を上げることに非常に重要なことだと思っております。今回の生成AIもその方向で議論が、この場だけに限らず、いろいろな場面で、その方向で議論されることを願っております。
 今回まとめたガイドラインが各現場あるいは教育委員会等でうまく活用されて、きちんとした技術の理解と教育の本質の理解の下に活用されることを強く願っております。
 最後になりますが、改めまして皆様の御努力、御意見、それから御参加のお時間を取っていただいたこと、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしましたので、これで閉会といたします。皆様どうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

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