初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議(第6回) 議事録

1.日時

令和6年11月26日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. 初等中等教育段階における生成AIの利用に関するガイドラインの改訂について
  2. その他

4.配付資料

5.議事録

初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議 第6回

令和6年11月26日

【石川座長】  定刻になりましたので、ただいまから初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議、第6回になりますが、それを開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
 まずは、会議の開催方式及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【渡部学校デジタル化PTサブリーダー】  事務局より失礼いたします。
 本会議は、前回と同様、原則オンライン方式で開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1から3及び参考資料が1から3までとなっております。御不明な点等がございましたらお申しつけください。
 以上でございます。
【石川座長】  ありがとうございます。
 なお、本日は報道関係者と一般の傍聴者向けに本会議の模様をZoomウェビナーにて配信しておりますので、御承知おき願います。
 さて、本有識者検討会では、前回までに合計5回にわたり、有識者や事業者、構成員の方から発表いただき、議論を重ねてまいりました。これまでの議論を踏まえつつ、本日は改訂版ガイドラインの素案について皆様に議論いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の流れですが、資料の内容について、最初に事務局より御説明いただきます。その後、残りの時間は、改訂版のガイドラインの前半部分と後半部分に分けて、順に意見交換の時間にできればと思っております。議論の中でも、階層性をわきまえた議論をしたほうが混乱がなくてよいのではないかという議論がありましたので、前半が階層性の上層部分、後半が階層性の下層の部分ということになるかと思います。皆様、進行に御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 まずは事務局から資料について御説明をお願いいたします。寺島課長、よろしくお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  座長、ありがとうございます。資料1に基づいて説明させていただきます。今、座長からありましたけれども、本検討会議では、事業者等からのヒアリングあるいは委員の先生方からの御発表、そして検討のポイントについての御議論ということで検討を重ねてまいりました。前回の議論の最後だったかと思うんですけれども、少しガイドラインの改訂に向けて議論するに当たっては文章の形で一旦お示ししたほうが議論がしやすいのではないかというような御意見も委員からいただいたところであると記憶しております。したがいまして、今回、資料1といたしまして、素案という形で、ガイドラインの改訂の基となるたたき台を文章の形でお示しいたしました。他方で、あくまで今回は素案ということでございますので、ここで使われている用語なども含めまして、まさにこれから、本日からこれに基づいて御議論いただくというような性格かと思っておりますので、当然、今ここでお示ししている表現ぶり、構成等々は今後の御議論を踏まえて変わり得るものだということだろうと思いますけれども、議論がしやすいだろうということでこの形で資料をお示しさせていただいたと、そういう位置付けの資料であるということでございます。
 それでは、2ページ目になりますが、目次でございます。これが全体の構成でありますけれども、これから、私、また、文章の場所を指し示すときには右方のページ数、あるいは左に振ってある行番号、ここで位置を指し示したいと思います。2ページ目は目次になっておりますけれども、全体の構成を簡単に確認しておきますと、今まさに座長からおっしゃられた、この検討会議では少しレイヤーを意識して議論しようということで議論を進めてこられたと思いますけれども、この目次の順番でいいますと、「はじめに」がありまして、1、生成AIについて、それから2、基本的な考え方、この辺りが少しレイヤーの上部の部分ということを意識したパートということになっております。そして、3以降が具体的にそれぞれの活用される場面を想定して、それぞれが留意すべきポイントあるいは押さえておくべきポイント、こういったところをより具体のところを意識して書いたというのが3番目のパートということでございます。そして、24ページ以降に参考資料編ということを書いておりますけれども、この検討会議、できるだけ現場で使いやすく、そして分かりやすいものがいいだろうという御意見もございましたので、例えば参考資料の中には、チェック項目であるとか、あるいは先行して取り組まれている事例であるとか、あるいは研修の素材など、こういうことを一元化しようということで参考資料編のほうにまとめていると、こういった構成で全体を構成しております。
 それでは、中身のほうのポイントを簡単に御説明したいと思いますが、まずは3ページでございます。3ページ目は「はじめに」ということで、このガイドラインの策定に当たってというところでありますけれども、例えば6行目辺りから、現在の状況を表したものとして、既存の情報から大量のアウトプットを出すことが可能な生成AIは、教育分野においても様々な利活用の方法が考えられると。ただそこには、学ぶことの意義そのものに対する根源的な論点から、倫理的・社会的な論点、技術的な論点、また実務的な論点まで様々な論点が指摘されているということから始めまして、その後のパラグラフのほうでこれまでの経緯を中心に述べております。例えば、昨年、令和5年7月には暫定的なガイドラインを策定したということ、そして、広島AIプロセスを通じた国際的なルールメーキングやAI事業者ガイドラインの策定など、政府全体の取組の経緯も振り返っております。その上で、24行目の後半辺りからになると思いますけれども、手軽に情報を得られるデジタル時代であるからこそ、学ぶことの意義についての理解を深めることや個々の情報の意味を理解し、問題の本質を問うこと、単なる個別の知識の集積ではない深い意味理解を促すことがますます重要となる。そして、27行目、このような前提に立って、AI時代を生きる多様な子供たちが生成AIをはじめとするテクノロジーをツールとして使いこなし、一人一人が才能を開花できるようにすることが重要であり、生成AIの学校における利活用は、そのための大きな助けになり得るものであると。この辺り、先生方の御議論で共通した意見だったかと思いますので、この「はじめに」のところに書いておるところでございます。
 4ページ目。4ページ目がこのガイドラインの位置付けと構成を書いたところでありますけれども、この5行目の一番最後ぐらいから、「本ガイドラインは」というところですが、本ガイドラインは、この検討会議での議論も踏まえて策定したものであるということを明確にした上で、7行目から位置付け、構成ということでありますけれども、このガイドラインは、教職員や教育委員会等の学校教育関係者を主たる読み手として、学校現場における生成AIの適切な利活用を実現するための参考資料となるように、利活用に当たっての基本的な考え方や押さえるべきポイントをまとめたものであり、学校現場での生成AIの利活用に関して一律に禁止したり義務づけたりするものではないと、こういうふうにこのガイドラインは位置付けております。
 5ページ目からが1番目の最初の固まりである「生成AIについて」ということでありますけれども、これはこの会議の前半部分で事業者からのヒアリングも行いましたけれども、そういったところも踏まえて、最近の生成AIの概要を書いているところでございます。
 例えば12行目以降からは、この技術の進展も踏まえた生成AIの可能性あるいは具体的な活用イメージを少し書いておりますけれども、12行目から行きますと、生成AIは、あたかも人間と自然に会話しているかのような応答や、情報の収集・整理・分析結果等の出力が可能であり、文章の素案作成あるいはイメージの生成、語学学習における利活用、プログラミングコードの生成、ブレーンストーミングの壁打ち相手としての利活用など、様々な利活用が広まっている。学校現場においても、一般向けの汎用的な生成AIサービスが利活用可能な状況にあるだけではなく、1人1台端末の標準仕様であるブラウザーや学習支援ソフトウエア、ふだん使いする検索エンジンに組み込まれている。そして、そういう汎用的な基盤モデルとAPI連携することで、生成AIを用いた様々なサービスが教育分野にも登場し、利活用の幅が広がりつつあると。こういった状況の中で様々な使い方も広まりつつあるということを述べております。この21行目の最後のところに注釈の4というのを打っておりますけれども、その具体例として、参考資料の28ページに様々な先行事例の取組を載せているという、ここで少し事例とのリンクを図っているというところでございます。
 22行目からのパラグラフは、様々な活用の可能性は考えられる、そして活用の実態も広がっている一方で、懸念やリスクも指摘されているということで、そこを押さえた部分でございます。「一方」というところでありますけれども、22行目の最後の辺りから行きますと、モデルの性質上誤った出力(ハルシネーション)を完全に防ぐことはできないということであるとか、24行目から、学習過程・出力過程の信頼性・透明性への懸念、大量のデータに潜む偏見や差別等のバイアスをそのまま再生成することなど、様々なリスクも指摘されているということを述べております。注釈5というのを打っておりますけれども、参考資料の29では、様々な指摘されているリスクというのを一覧にしてまとめた資料を載せております。こういうリスクに対しては、それを防ぐ技術もどんどんと進展しているということもこのパラグラフで押さえているところでございます。
 そして、7ページ目に行きまして、7ページ目からは「基本的な考え方」ということでございますけれども、ここもこの検討会議で随分と御議論があったところだと思いますけれども、そこをまとめているところであります。
 基本的な考え方として、5行目、(1)としては、学校現場における人間中心の生成AIの利活用ということを書いております。
 AI利用の基本原則として、「人間中心の原則」というものが挙げられております。これは事業者ガイドライン等々でも述べられているところでありますけれども、「AIの利用は、憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない。AIは、人々の能力を拡張し、多様な人々の多様な幸せの追求を可能とするために開発され、社会に展開され、活用されるべきである」という「人間中心の原則」ということを述べた上で、これは学校現場においても同様であるという考えを述べております。生成AIと人間との関係を対立的に捉えたり、必要以上に不安に思ったりするのではなく、生成AIは使い方によって人間の能力を補助、拡張し、可能性を広げてくれる有用な道具にもなり得るものであるということをまず述べております。
 一方で、児童生徒の学びという場面においては、生成AIの活用自体が目的であってはならず、教育活動の目的を達成する観点から効果的か否か、こういった点で活用していくべきである。生成AIの出力はあくまで参考の一つであるということを認識し、最後は人間が判断し、生成AIの出力結果を踏まえた成果物に自ら責任を持つという基本姿勢が必要となる。こういったところを、人間中心の原則として、学校現場に当てはめたところで書いているところでございます。
 16行目から、「そのためには」というところで、例えば17行目、出力の真偽や適切性を的確に判断できることが前提となる。そのため、各教科等で学ぶ知識や文章を読み解く力、物事を批判的に考察する力、問題意識を常に持ち、問いを立て続けることや、その前提としての「学びに向かう力、人間性等」の涵養がこれまで以上に必要になるということを書いております。この辺り、随分御議論があったところで、共通して先生方の御意見が集約されたところではないかと思っております。
 8ページ目に行きまして、基本的な考え方の2つ目のパートは、(2)として書いておりますけれども、「生成AIの存在を踏まえた情報活用能力の育成強化」ということを一つの柱として書いております。
 情報活用能力、学習指導要領では、学習の基盤となる資質・能力として位置付けられておりまして、その重要性が強調されております。
 情報活用能力、7行目からでありますけれども、情報活用能力をより具体的に捉えれば、学習活動において必要に応じてコンピューター等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報を分かりやすく発信・伝達したり、必要に応じて保存・共有したりといったことができる力であり、さらに、このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得や、プログラミング的思考、情報モラル、情報セキュリティ、統計に関する資質・能力等も含むものであると捉えておりまして、各学校においては、教科横断的な視点から教育課程を編成して、こういった力を育成するということが期待されているということでございます。
 こういった情報活用能力でありますけれども、24行目からのパラグラフのところで、こういう生成AIの存在を踏まえれば、こういった情報モラルを含む情報活用能力の育成は一層充実させていく必要があるということを述べております。
 そして、9ページ目には、今ここで、8ページ目で触れたような情報活用能力の一層の充実の具体例として、小学校、中学校、高等学校それぞれの段階において、真ん中辺りでありますけれども、例えばこういう学習活動を充実させる必要があるということを例示しております。例えば真ん中辺りの1つ目の丸でいいますと、情報発信による他人や社会への影響について考えさせる学習活動であるとか、ルールやマナーを守ることについて考えさせる学習活動であるとか、情報には自他の権利があること、そして4つ目の丸、情報には誤ったものや危険なものがあること、こういったことを考えさせる学習活動をより一層充実させるべきということで具体例を示しているところでございます。
 そして、10ページ以降が、3番目のところでありますけれども、これが、より実践、現場に近いレイヤーというところはここからということになると思います。「学校現場において留意すべきポイント」ということで、まずは全体として共通して留意すべきポイントをまとめたのがこの10ページ以降のパートでございます。
 ここからはマル1からマル5ということで少し論点を分けて整理しておりますけれども、これは事業者ガイドライン等々でも示されている論点、これに従って、学校現場では、この論点に従えば、こういうところを注意すべきということを総論的に書いているところでありますけれども、例えばということで見ますと、10ページ9行目、マル1番の安全性を考慮した適正利用ということでいきますと、例えば10行目の最後、関係法令を遵守した利用を前提とするということであるとか、あるいは12行目の「具体的には」というところでありますけれども、年齢制限あるいは保護者の同意、ライセンスの所在など、利用規約を確認・遵守する必要があるということ。
 そして、2つ目の論点は情報セキュリティの確保ということでありますけれども、情報セキュリティの確保が肝要であるということで、19行目には、教育委員会・学校現場において、こういった教育情報セキュリティポリシーを遵守することが必要であるということを述べております。
 そして、3番目は個人情報やプライバシー、著作権の保護ということで、個人情報保護法等の関係法令を遵守すること、そして著作権制度に関して正しく理解することが必要であるということを述べております。
 そして、4番目は公平性の確保ということで、11ページにつながるところでありますけれども、11ページ2行目、不当で有害な偏見、差別が生じることを避けるために、バイアスが含まれ得ることに留意しながら、公平性を欠くことがないように、人間の判断を介在させる必要があるということを述べております。
 そして最後、5番目としては、透明性の確保あるいは説明責任ということで、この生成AIサービスの利用目的あるいはその態様、リスクなど必要な情報を整理して、関係者に提供することが必要であること。そして、必要に応じて教職員や児童生徒、保護者への説明の機会あるいは問合せの窓口を設けることなども考えられるということを示しております。
 そして、11ページの下のところでは、Box-2として、学校現場でよく問題になる著作権についての考え方を少しコラム的に紹介したのがこのBox-2というところでございます。1つ目の小見出しのところでは、著作権に関する基本的な考え方に触れた上で、2つ目のところでは、学校において生成AIを利活用する場合の著作権に関する基本的な考え方を整理しております。その「学校においても」というところですが、生成AIを利活用して生成した文章等を利用する場合などにおいては、既存の著作物に係る権利を侵害することのないように留意する必要がある。すなわち、生成物に既存の著作物との類似性及び依拠性があるか否かについて、留意する必要がある。類似性、すなわち創作物の表現が共通しているかどうかということ、あるいは依拠性というのは、既存の著作物を基に創作したかどうかであるということ、この2点について留意する必要があるということを述べております。一方、学校の授業の場面におきますと、著作権法第35条の規定によって、著作者の許諾なく複製などが可能となっておりまして、この規定の範囲の中であれば、授業の中で教師や児童生徒が生成AIを利活用して生成したものが、仮に既存著作物との類似性とか依拠性があるものであっても、著作権侵害とならないわけでありますけれども、この35条の範囲に収まっているかどうか、こういったところがポイントであるということをこのパラグラフでは述べております。
 12ページに飛びまして、少しより具体的に、生成AI利活用時における著作権に関する留意点ということで、先ほどの35条の適用があるかどうかというところがポイントだということを示した上で、1つ目の丸、2つ目の丸で少し、こういったことをやってはどうかということを示しております。例えば1つ目の丸では、キャラクター名等の特定の固有名詞を入力するなど、既存の著作物と類似したものを意図した生成は行わないようにしたほうがいいのではないかということであるとか、2つ目の丸のところでは、インターネット検索等によって、既存の著作物と類似しているかどうかを確認する、こういった活動もあり得るのではないかということを述べております。
 以上が総論的に教育現場で活用するときに押さえるべきポイントを述べたところでありますが、3-1からが教職員が利用する場面でのポイントをまとめたところでございます。
 13ページの(1)、教職員が利用する場面での基本的な考え方ということでありますけれども、基本的な考え方として、生成AIは様々な情報を整理し出力することができ、民間企業においても様々活用されていると。こういった点も踏まえると、授業準備や各種文書作成を含む校務において利活用することで、業務の効率化や質の向上等、教職員の働き方改革につなげていくことが期待される。また、教職員自身が生成AIの利活用を通じて新たな技術に慣れ親しみ、利便性や懸念点、賢い付き合い方を知っておくことは、児童生徒の学びをより高度化する観点からも重要であると。こういったことから、教職員が生成AIの特徴を十分に理解した上で、また、その適切性を判断できる範囲で利用するということが前提になりますけれども、教職員が生成AIを校務において利用することは、積極的に利活用することは有用であると考えられるということで、先生が活用する場面では、きちんとポイントを押さえておけば、これは積極的に利活用することは有用であるということを基本的な考え方として押さえております。
 そして、具体的な利活用の場面として13ページから14ページにかけて書いておりますけれども、この中では、15行目の後半部分ですが、教職員自らがチェックし推敲・完成させるなど、最後は自分で判断し、自ら責任を持つという基本姿勢が重要であるということを押さえた上で、14ページには具体的な利活用の場面ということを幾つか述べております。例えば授業準備の場面では、授業で扱う教材やテスト問題のたたき台を作成する、児童生徒の授業の感想の集約を行う、授業での発問に対する回答のシミュレーション相手として活用するなどの例を挙げております。そのほか、例えば学校運営に関わる業務ということでいけば、真ん中辺りでありますが、教務での活用ということで、時間割や授業時数案の作成の支援を生成AIにしてもらうということであるとか、学校からの情報発信の支援をする、あるいは校内研修において資料のたたき台を作ったり、あるいは要約・議事録作成などにも活用できるのではないかということで、こういった利活用の例を挙げております。
 15ページからは、先生、教職員が利活用する場面での押さえるべきポイントを載せておりますけれども、最初の総論のところで述べた1から5の枠に従って、特に教職員が利活用する場面でのポイントを押さえたところがここでありますが、簡単にポイントだけ押さえておきますと、例えばマル1番のところでありますと、7行目真ん中辺りから、私用アカウントあるいは教育情報セキュリティ管理者の許可を得ていない私用端末を用いてはならないということでありますとか、最新の利用規約を確認・遵守する必要があるということ。
 そして、マル2番のところでいきますと、13行目からのところでありますけれども、適切なセキュリティ対策が講じられた場合を除いて、成績情報等の重要性の高い情報を入力してはならないということ。
 そして、3番では、個人情報保護法等の関係法令を遵守するということ、それから、先ほど述べたような著作権についてしっかりと留意するということ、こういうことを書いております。
 そして、4番目でありますけれども、8行目のところから、複雑なデータの分析や抽出に生成AIを利活用することも考えられるということでありますが、その際にもハルシネーションやバイアス等の生成AIの特徴も意識した上でそれを判断してほしいということ。
 そして、最後の説明責任のところでありますけれども、14行目、学校の管理職等は、生成AIについてどのような運用が行われているかを把握した上で、適切な利活用がなされているかどうかを適時確認する必要があると、こういったことも書いているところでございます。
 そして、17ページ目からは、今度は子供たちの学習の場面ということでポイントを書いておりますけれども、4行目から、児童生徒の学習場面での利活用に当たっては、2番の「基本的な考え方」で述べているような特徴や向き合い方を踏まえた上で、発達の段階や情報活用能力の育成状況に十分留意しつつ、懸念やリスクに対策を講じた上で利活用を検討すべきであるとしております。ここでのポイントは、懸念やリスクに対策を講じた上で利活用を検討すべきであるとしたところであります。したがって、7行目からでありますけれども、利活用の適否の判断に際しては、生成AI等の基本的な特徴を理解させた上で、生成AIに全てを委ねるのではなく自己の判断や考えが重要であることを十分に認識させられるかどうか、発達の段階や各教科等における学習の状況等を含む児童生徒の実態を踏まえて、こういった教育活動が可能であるかどうかの見極め、こういったところに留意してほしいということでございます。こういったことを考えると、11行目でありますけれども、小学校段階での利用ということについては慎重な対応を取る必要があるのではないかということを述べております。
 そして、(2)以降が具体的な利活用の場面ということでありますけれども、これも教職員と同様に、具体的な活用の場面を18ページ以降に示しております。
 18ページ以降に、具体的に利活用が考えられる例と、それから不適切な例ということで少しまとめておりますけれども、利活用が考えられる例としては、1つ目の丸にあるような、情報モラル教育の一環として、生成AIが生成する誤りを含む出力を教材として使用し、その性質や限界に気づかせる、こういった使い方の例。あるいは、3つ目の例でいきますと、グループの考えをまとめる、アイデアを出す途中の段階で、足りない視点を出してもらう、こういった使い方。そして、その次の丸でありますけれども、英会話の相手として活用する、より自然な英語表現への改善、こういったことに活用するでありますとか、外国人児童生徒等の日本語学習のために活用すること、こういったことも考えられるのではないかということを例として挙げているところでございます。そして、不適切な例として幾つか書いてございますけれども、これの一番最後のところでありますが、教師が専門性を発揮するような場面ではなくて、安易に生成AIに相談させることなどというのは不適切であるということを書いております。
 そして、19ページ以降が、子供たちが使う場面でのそれぞれ押さえるべきポイントということで、先ほどの論点に従って書いているところでございますけれども、少し重なるところありますけれども、例えばマル1番のところでは、最新の利用規約、こういうところを遵守するということ。そして、マル2番では、教育情報セキュリティポリシーをしっかりと遵守するということ。そして、3番目では、氏名や写真のような個人情報を入力させないようにすること。そして、4番目の公平性のところでは、34行目のところからでありますが、バイアスの存在を理解させた上で、その出力について判断すること。そして、20ページ目に行きますと、透明性の確保ということで、9行目のところからでありますけれども、保護者に対してもということで、様々な情報提供をする必要があるということ、そして理解を得ることが必要であること、こういったところを書いているところでございます。
 その後、Boxのところについては、場面に応じた生成AIの活用についてということであるとか、あるいは従来でいうところのレポート等の課題提出する留意事項についてということで、これは現行のガイドラインでも書いてあったところでありますけれども、こういったところを押さえているところであります。
 そして、最後のパートで、22ページ以降は教育委員会が押さえておくべきポイントということでありますけれども、ここは(1)番の基本的な考え方のところだけ少し確認しておきますと、教育委員会が主導して制度設計や利活用の方向性を示すことが重要であるということでありまして、6行目にありますように、域内の各学校の実態を十分に踏まえた柔軟な対応を講じることが必要であって、一律に禁止したり、義務付けたりするような硬直的な運用は望ましくないということ。そして、8行目の後半から、先行事例や教材・ノウハウを周知・共有したり、生成AIに関する理解を深め、活用を促進する研修を実施するなど、生成AIの適切な利活用を促進、推進する環境整備をする必要があるということで、教育委員会に対して基本的な考え方として示しているところでございます。
 24ページ目以降が参考資料編ということで幾つか用意したところでありますけれども、24ページのこの参考資料編の目次のところにありますとおり、例えばチェック項目であるとか、あるいはリスクや懸念の例ということを示した上で、少しページが飛びますけれども、28ページ目、これはまだ今日は素案の段階でありますので、あくまでこういったイメージということでありますけれども、パイロット校における先行取組事例ということで幾つか紹介するような構成にしてはどうかということを思ってございます。この構成は、先ほどガイドラインの本文の18ページのところで利活用が考えられる場面という幾つかの例示があったと思いますけれども、その例示に沿った事例を少し載せていってはどうかということでございます。
 例えば、この1つ目の事例のところは、情報モラル教育の一環として云々と書いてあるのは、利活用が考えられる場面の一番最初に書いてあった丸でありますけど、これに沿って考えればこういう使い方があると、こういった示し方をしながら事例を示すということがいいのではないかということで、これ、今、今日はまだ素案の段階ですので、こういったイメージということで書いたものでございます。
 そして、29ページのところは、学校現場で活用可能な研修素材、こういったものを一覧化して、すぐにリンクで飛べるようにしてはどうかということで、例えば研修動画シリーズであるとか、研修会のアーカイブなどをこういうところに一覧化して載せていけばどうかということで、今ここでは2つ例を載せておりますが、これ、最終的にガイドラインの改訂版になるときには、ここに様々な情報を集約していくということを考えているということでございます。
 以上、ちょっと説明が長くなりましたけれども、まず資料1についての説明は以上でございます。
【石川座長】  寺島課長、どうもありがとうございます。
 それでは、ここから質疑応答・意見交換に入りたいと思います。改訂版ガイドラインの前半の「はじめに」から「基本的な考え方」について、これはレイヤーの上のほうということで、これを35分程度、後半の「学校現場において留意すべきポイント」及び「参考資料」について50分程度と考えています。改めまして、進行に御協力いただけますとありがたく存じます。
 そこで、実は本日御欠席の今井委員、佐藤委員からは事前に資料2、3のとおり書面で意見を提出いただいております。事務局より、ごく簡単に御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  ありがとうございます。本日御欠席の今井委員、それから佐藤委員から書面であらかじめ意見を提出いただいておりますので、簡単に紹介させていただきます。
 まず、資料2は今井むつみ委員からでございますけれども、幾つか指摘がございますが、最初の1ポツのところで、「ことばの使い方について」ということでありますけれども、この最初のところ、いわゆる「業界用語」が多く含まれており、一般の人には必ずしもなじみがない、あるいは知っていても意味が曖昧な言葉、こういうものが多く使われているのではないかということで、こういったところはより分かりやすくとか、別の言葉に置き換えるとか、こういった御指摘を最初のパラグラフでいただいております。
 それから、2ポツで書いてあるところ、これも先ほど、今の1番目のところと少し関連しますけれども、(1)のところでいうと、理解に専門的な知識を要する記述が多く含まれているのではないかと。これでは、ぱっと見たときになかなか分かりにくいのではないかというのが(1)番の指摘でございます。
 そして、(2)番の御指摘は、少し記述が抽象的なところがあるのではないかと。そういうことによって、具体的にどういう行動を取ったらよいのかが見えにくくなっているのではないかと。それは結果として現場での対応がばらばらになってしまうというようなおそれがあるのではないかということで、幾つか具体的な箇所を示して、こういう御指摘をいただいております。
 それから、2ページ目に行きまして、3ポツのところでありますけれども、少し情報の量と重要性のめり張りがあまり意識されていないのではないかということで、例えばここの3ポツのところの本文の2行目の後半のところでありますけれども、誰にとっても常識的なことというのはわざわざ書く必要はないのではないかということで、幾つか例を挙げて御指摘いただいております。
 それから、4ポツのところ、全体の表記のところでありますけれども、「必要がある」という表現が多いけれども、これは少し先生たちを萎縮させるような表現ではないかということで、例えば、「必要がある」ではなくて、「何々してほしい」というような表現にすることによって、読み手の印象が変わるのではないか。
 そして最後、その他というところで、教育の本質は人格的な触れ合いにあるという表現があるけれども、ここは様々な論者によっていろんな受け止めとかいろんな考え方があるのではないかということで、今井先生御自身の考え方をここで述べられておりますけれども、ここはいろいろと考え方があるところなので、指導要領なども見ながら、慎重な言葉遣いが必要ではないかということを御指摘いただいております。
 以上が今井委員からの御指摘でございます。
 そして、資料3は佐藤委員からの御指摘でございます。
 これもごく簡単に御説明したいと思いますけれども、まず1ポツのところでは、暫定的なガイドラインとの違いが分かりにくいということで、暫定的なガイドラインと何が変わったのか、一読して分かりにくいので、例えば、三角の2つ目にありますように、どこが変わったのかを冒頭で示すといいのではないかということであるとか、さらに、3つ目の矢印でありますけれども、より分かりやすさを重視して、スライド形式のような資料も作ったほうがいいのではないかという御指摘が1つ目でございます。
 そして、2つ目のところでありますけれども、留意事項が多くて、懸念とかリスクが先に提示されることで、少し、使わないほうがいいというような印象を与えてしまうのではないかと。留意事項が活用を妨げるのではなく、適切な利用を促すものである、こういったふうなことを示したほうがいいのではないかということで、具体的にということで幾つかの御提案をこの三角のところでいただいているというところでございます。
 そして、3ポツ目、情報活用能力の部分でありますけれども、これは基本的な考え方の(2)のところで示した部分ということでありますが、ここの記述は少し情報モラルのところに重点が置かれ過ぎている印象があって、情報モラル以外のほかの情報活用能力のところが少し軽視されているというような印象があるのではないかということで、佐藤先生の御発表になった3観点8要素というところ、こういったところもより充実して書く必要があるのではないかという御指摘をいただいております。
 それから、2ページ目の4ポツのところでありますけれども、子供用ツールの現状に関してということで、学校現場の実態に即して考えると、生成AIが搭載されているツール、こういったものがたくさん出てきているけれども、ここの記述が少し不足しているのではないかという御指摘でございます。具体的に幾つか新しい節を設けて少し書いたほうがいいのではないかという御指摘ということでございます。
 それから、最後の5ポツのところの御指摘は、三角のところの後半のほうに書いてありますけれども、教員向けと子供向けのところが少し行ったり来たりするような記述が見受けられるのではないかということで、少し読みやすいように、教員向けなのか子供向けなのかということを明確に分けた構成にする必要があるのではないかと、こういった御指摘をいただいております。
 資料2、資料3は以上でございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 それでは、質疑応答・意見交換に入りたいと思います。ただいま寺島課長からもありましたように、素案、たたき台ですので、いろいろと修正点、改善点はあるかと思います。私も読ませていただきまして、細かい点いろいろとあるんですが、本日、その細かい表現ぶりを議論しますと、時間がすぐたってしまいますので、本日は、細かい表現ぶりというよりは、全体の構成であるとか、欠けている視点であるとか、全体のバランス、各項目の強弱、そういった俯瞰的な立場での議論を優先させていただければと思っております。細かな表現ぶりに関しては御意見多々あるかと存じますので、今日の議論終了後、何らかの形で皆様の意見、委員の方の意見を集約させていただこうと思っております。今の方針を知らないというか、伝えていない段階で今井委員、佐藤委員からの資料を頂きまして、今寺島課長から御説明いただいた中で、細かい部分も多々あるんですが、全体の構成としていろいろといい議論をいただいたと思いますので、そういった議論を今日は中心に議論させていただけるといいかなと思っております。細かい議論の集約の仕方は、後で事務局のほうで追って御連絡させていただきたいと思います。
 では最初に、まず「はじめに」から「基本的な考え方」について御意見をお伺いできればと思います。
 吉田委員から事前に資料を頂いているのですが、吉田先生、今のような形で、ちょっと細かい点の多い御意見かと思いますので、大枠で、しかも前半に関してに焦点を置いた形で御説明いただけますか。ごく簡単に御説明いただけるとありがたいんですが。その後、利根川委員から意見を伺いたいと思います。吉田委員、どうでしょうか。
【吉田委員】  分かりました。ありがとうございます。すみません。直前に資料を御共有させていただいており、また全体に関するコメントもしておりまして、画面共有させていただければと思っております。
 まず、大きなポイントとしてお話しさせていただくと、まず、可読性の向上が必要ではないかなと思っております。すごく具体的に言うと、やはり見出しですとか小見出しを多く入れるということは非常に重要かなと思っておりまして、全体的に、このスライド、スライドに変わったとしても小見出しは必要だろうなと思っているんですが、やはり様々な情報がこのような形で書いてあると、多分現場の先生方は読むのを最初からやめてしまう気もするので、例えば、最初のパラグラフに関して言うと、生成AIガイドラインの策定の背景ですとか、次は文部科学省を含む政府の取組が書かれていると思うので、そういった見出しがあるだけで印象がかなり違うと思いますので、まず大きな点として、可読性を高める工夫というのは非常に重要なのではないかなと思っております。
 各パラグラフごとに私なりに作った小見出しもあるので、これも参考にしていただければとも思いますが、次に重要なポイントとして、「生成AIとは」についてなんですが、この生成AIについての文章の中で、第2段落目のところで実際に具体的な活用について書かれていて、その後に何が書かれているかというと、学校現場における活用の状況というのが書かれていて、最後にリスクという形で書かれているんですが、文章の流れとしては、まず活用だったりメリットのことを書き、リスクのことを書き、その上で学校現場における生成AIの利活用状況を書いたほうがいいのではないかなと思っております。というのも、まずメリット・デメリットを踏まえて学校現場で使われているというところからもその流れにしたほうがいいと思いますし、また、大きなポイントとして、現状、メリットに関しては、明確に書かれていることも多くなく、あと活用に関してもかなり分量が少なくとどまっていまして、印象としては、やはりリスクのほうが分量が多い分、何かやはり積極的に使うというよりもリスクが重視されがちだなと思っていますので、まず大きな話、構成として、まずメリットの話、リスクの話、その上で学校現場における生成AIの利活用状況という流れがいいかと思っていますし、課題やリスクに関しては分量そのままでも、さらに増やしてもいいかもしれませんが、メリットに関しても同程度の分量ですとか、そもそもこれまでのパイロット校に対するアンケート結果からポジティブな側面出てきていると思いますので、そういったものを記述いただくのがよいかなと考えております。
 まず前半戦に関して大きなポイントでいいますと、ただ、大きなポイントでいうともう一つありまして、基本的な考え方の2番の(2)の部分ですが、ページ数でいうと8ページになりますが、この2段落目が非常に情報過多になっていますので、分かりやすく、やはり段落を分けるなどの工夫が必要だなと考えております。
 なので、まとめますと、全体的に可読性が高くないと感じますので、見出しを工夫するですとか、やはり構成を工夫するということは非常に重要かなと思っております。
 前半に関しては以上になります。
【石川座長】  どうもありがとうございます。御指摘は、佐藤先生からも同様の御指摘をいただいていますし、可読性に関しては今井先生も、表現は大分違うんですが、今井先生からも似たようなお話をいただいているかと思います。まとめていただきまして、ありがとうございます。
 では、同様の議論を進めたいと思います。利根川先生、よろしくお願いいたします。
【利根川委員】  みんなのコード、利根川です。
 事務局の皆様、まず、こういった形にしていただいて、ありがとうございます。一歩前進かなと思っております。
 佐藤先生からも、留意事項が大分先行しているんじゃないかという指摘、今井先生からも情報量についての言及、あと吉田先生からも、ブレーキとアクセルのバランスがいかがなものかというような話があるかと思いますけれども、私も同様な感想を全体として、これは1ポツ、2ポツだけじゃなく、3ポツも含めて感じておりまして、書きやすい留意事項が先行していて、じゃあ、どうやって利活用を進めたらいいのという、この会議で、私もそうですし、各委員からお話があったところとかが反映されていないかなというところですので、留意事項を減らすのか、利活用を具体的に進めるに当たってのポイントを増やしていくのか、あるいはその両方なのか、いずれにせよ、バランスが今のままでは取れていないかな、もう少しバランスを取る必要があるんじゃないかなと考えております。
 1ポツ、2ポツは全体としては、とはいえ、まだいいんですけれども、1ポツ、2ポツの内容が3ポツ以降の話に落ちていないというところの課題を感じていまして、それについては3ポツ、後半の議論で個別に指摘したいと思うんですけれども、2ポツまでの基本的な考え方としては結構いいことが、特に8ページの24行目以降とかでいいことが書かれてはいるんですけれども、その話が3ポツ以降と連携していないというところにちょっと構造的な課題があるかなと考えておりますと。
 あと、全体的に段落構成は、吉田先生がおっしゃるように、もう少し細かくしたほうがいいかなというのに私、賛成です。
 これまで出ていない点で2つ申し上げますと、このガイドラインの賞味期限といいますか、どれぐらいのスパンで考えているのかなというのが、前回は機動的な改訂という形で出していましたが、今回、機動的な改訂と書くのかどうなのか分からないですけれども、どれぐらい使えるものなのかなと。見通しを持つのは難しいんですけれども、いずれにせよ、5年は使えないよねとか思いますと、ちょっとそこは考えたほうがいいかなと思っておりますと。
 あと、事務局の方に御質問したいのが、Boxに置くものと本文に書くものの差が全体として気になっていまして、3以降で指摘しますけれども、本文にしたほうがいいんじゃないかなという重要な情報がBoxに押し込まれてしまったりするのかなと思っている部分があるので、ちょっとそこが気になったというところでございます。
 9ページまでの個別のちょっと細かめのところでいいますと、7ページ、12行目ですね。「児童生徒の学びにおいては、生成AIを活用することが目的であってはならず」という、何か随分強い禁止の書き方だなと思っておりまして、生成AIを活用すること自体を目的とせずぐらいが自然かなと思いますので、ちょっとそこはほかの先生の御意見も聞いてみたいんですけれども、こんな強く禁止しなくてもいいんじゃないかなと考えております。
 その上で、14行目かな。「また、生成AIの出力はあくまでも参考の一つであることを認識し、最後は人間が判断し」というところなんですけれども、その中間のところですよね。AIを適切に利用し、適切に対話しないとちゃんとAIのポテンシャルを引き出せずというところになりますので、AIを適切にというところもぜひ加えていただきたいと考えております。
 あと28、9行目です。学びの「環境や研修のコンテンツ等を整備することも求められる」と書いてあるんですが、ちょっとこの主語が、あえてかもしれないんですけれども、曖昧なのかなと思っておりまして、文科省がやるから文科省なのか、普通に読み取ると教育委員会なのかなと思いますが、何かちょっと、想定している主体があるのであれば書いておいたほうがいいかなと考えております。
 次が、8ページに行きまして、18行目辺りですね。ファクトチェック周りのところです。ここ、発達段階に応じてみたいな一言があるのが自然かなと思っておりました。
 21行目の「指摘」という単語があるんですけど、一応、民間がやった調査みたいな話があるので、民間がやった調査は政府の文書だと指摘とかしか書けないのかちょっと分からないんですけれども、一応、単に誰かが好き勝手言っているわけではなくて、何人に、7人に1人かな。小学生でも既に使っていますみたいな話がありますので、もう少し踏み込んでもいいのかなと考えています。
 24、25行目です。「社会人が」とか「学びが」というところもそうなんですけれども、児童生徒が近い将来、実際に使う様々なウェブサービスとかにおいてAIが利用されている可能性があると気づくというのは、実際そうですし、その側面からもちゃんとやらなければならないことかなと思いますので、そういった児童生徒の近い将来における生活とAIの関わりというのも、このAIの教育において大事な観点かなと考えております。
 あと9ページですね。今回、情報モラル教育の充実という書きぶりになっています。ちょっと佐藤先生の御意見とも近いかもしれないんですけれども、この囲いが、情報活用能力のほかの観点、モラル以外の観点も含めた、情報活用能力と書いて、その中で情報モラルの記述が充実しているぐらいが適切でないかなと考えております。
 9ページまでについては、私からは以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。今の利根川委員の後半の話は、各委員とも大量に持っていらっしゃると思いますので、後半の話に関しては別な手段で皆様の御意見を集めさせていただいて、表現のところの御意見は集めさせていただこうかと思っています。前半の話が今回の議論にはちょうどいいと思うんですが、利根川委員がブレーキとアクセルのバランスとおっしゃったんですが、これはバランスの話と、それから順番の話があって、アクセルを先に言ってブレーキを書くというふうな御意見と受け止めてよろしいでしょうか。
【利根川委員】  どちらかというと、順番というよりも、割と純粋に文章量が私は気になりましたが、もちろん順番についての議論もあっていいと思っております。
【石川座長】  佐藤委員と吉田委員は、順番はアクセルを先のほうがよいのではないかという御意見だったのでお聞きしました。
【利根川委員】  ありがとうございます。
【石川座長】  事務局からBoxと本文の関係について御説明いただければと思います。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  ありがとうございます。利根川委員から私どもに2つ、今の本文とBoxの使い分けの話と、このガイドラインの期限とかスパンとかをどういうふうに考えるのかという2つ御質問あったと思いますが、まず本文とBoxの使い分けというところでありますけれども、これ、ちょっと今それがそうなっているかどうかは別にして、我々が今意図したものでいうと、より具体的なところは全てBoxに落とし込んで、本文の中に具体的なところを全部入れてしまうと少し、抽象的なものと具体の粒度がぐっと混ざってしまうかなと考えたので、あえて、本当に具体的な場面みたいな、こういう場面とか、こういう使い方とか、そういったところはあえてBoxという形で少し取り出して書いたというのが意図でありますけれども、そこの少し判断が、今利根川委員が、もしかしたらこれは本文に入ったほうがいいんじゃないかというようなところは御意見あると思いますので、そこはまた御意見をいただければと思っております。
 それからもう一つは、このガイドラインの期限、スパンということでありますが、今、今回の素案にも別に暫定的なということも書いてありませんし、いついつまでが有効期限だということはもちろん書いていません。我々としては、当然、必要があれば改訂していくと、そういうスタンスに立っておりますし、あるいは、参考資料のところで少し御説明しましたけれども、事例はこの後いろいろ蓄積されてきますので、例えば事例が様々出てきたときに事例の部分を改訂していくというようなことは必要に応じてあるのかなと思いますけれども、今のガイドラインのような、そもそもこれは暫定的であるとか、そもそももうすぐに改訂することが前提であるという立場には立たずに、必要に応じて一部改訂も含めてやっていくのかなということを今考えているところでございます。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 この後、森田委員、鈴木委員、細田委員の順で御意見を伺いますが、ちょっと繰り返しで恐縮なんですけれども、細かい表現の話は別の形で意見集約させていただきますので、大局的な御意見をいただければと思います。
 森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  森田です。よろしくお願いします。
 これまで出てきた御意見と私も大変似ているというか、同じになってしまうんですけれども、現場の教員、教育委員会からこれを読ませていただくと、やはり懸念点が、それとか留意点がかなり分量が多いものですから、使ってみようかなというわくわく感がちょっと足りないのかなとは感じるんです。ですから、やっぱりもう少し、使ってみて、よさというものをもっと書いたほうがいいんじゃないのかなとは感じます。前回の暫定的なガイドラインの中でパイロット的な取組というのがマル1からマル4まで書かれていて、マル1からマル3まではできるだけやりましょうというような書き方だったんですけれども、もう世の中にこの生成AIというのがかなり出回っているということを考えれば、このマル1からマル3はほとんど必須になってきているのではないかと私は思うんです。ですから、パイロット校での取組がこんなふうな形で実現して、こんな良さも出てきていますと、そういう中で、やはり留意すべき点はこんなところではないのかというように流れていったほうが皆さんが安心して使えるようになるんじゃないのかなと、そんなふうに感じています。
 それから、7ページ辺りで、基本的な考え方という中で、やはりそのよさを示す中で、学びの充実、学びがやっぱり生成AIによって充実するという例もありますとか、校務のメリットが実際にかなりありますというところを少し示した上での留意点というところに文章が流れていったほうが、読み手としては使ってみようという気持ちになってくれるんじゃないかと思います。全体的に、これまでも意見出ているように、抑えるような感覚をどうしても受けてしまうというのが私の印象でございます。
 それから、今井委員も書かれていましたけれども、言葉がやはり一般的でないといいますか、そういうことも感じています。先生方がこれを読んで、本当にすっと入ってくるのかなというのが、ちょっと疑問がある言葉遣いがあるかなと思いました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。学びの充実から説き始めるということに関しては、この議論の中でも大分言われたことかなと思っております。
 では、続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。さっきから出ている、ちょっと書きぶりがポジティブに受け取られないというようなところの解決策になればと思いますが、「はじめに」のところ、3ページでしょうか。21行目に「現行の学習指導要領は、AIの存在を前提として」とありますが、それは本当にそのとおりなんですけれども、ただ、あの指導要領が出たとき、AIと書かれていても、どういうものだか、正直あまり想像がついていなかったんです。それが、ところが、今もう、ああ、そうか、こういうものなのかと分かって、AIの存在を無視できない時代に今入ってきているというようなことなんだろうと思います。その中にあっても、30行目なんですが、「学習指導要領に示す資質・能力の育成に向けて」とありますが、それをちゃんとやっていれば生成AIを使うことは怖くないんですよと、生成AIの使い方を間違いませんよというふうなことをまずはやっぱり強く出したほうがいいんじゃないかなと思います。それによってポジティブな印象をつけられるのではないかなと1つは思いました。
 それから、2点目、7ページなんですけれども、基本的な考え方のところですが、最初のところに、(1)のところで人間中心の生成AI活用のところが書いてあるんですけど、22行目以降はちょっと節を分けてもいいのかなと思いました。ここら辺りから、学校あるいは教師はどうあってほしいか、あるいはどうあるべきかみたいなところなんだと思うので、そこは何かちょっと分けてもいいかな、そのほうが伝わりやすいかなと思います。
 それから、3点目は、これもやっぱり何回か出ていることですけれども、ちょっとやっぱり情報モラルのことがくどいかなと思います。情報活用能力のことは書くんですけれども、詳しくいき過ぎると、やはりガイドライン全体のボリュームがどんどん大きくなってしまうので、そこをどう整理して書いていくかというのが1つ課題なんだろうと思いますが、情報モラルのことはもう少し整理してもいいかなと思いました。
 以上3点です。よろしくお願いします。
【石川座長】  どうもありがとうございます。鈴木委員御指摘のように、これ、全体のボリュームが上がりますと、だんだん読まれなくなるということになりますので、まとめることも重要だと思います。
 では、細田委員、お願いいたします。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。見事に形になってきたなということで、事務局の皆様の御努力に感謝申し上げます。
 私、1点でございます。基本的な考え方のところで、先ほどの鈴木委員の意見にかなり近いところなんですけれども、基本的な考え方の(1)のところの22行目からの「また、教師の本質は」というところからなんですけれども、私自身、議論の中でも度々申し上げているように、生成AI、AIが社会インフラになりつつある今、今後ますます授業、教育活動における利活用が大切になる。だから、その教科の目的の達成に効果を発揮できるような教師の授業デザイン力が大変重要になってくる。そのために教師に一定のリテラシーが求められるし、そして何よりも自分自身が授業を、AIを活用してどのような教育的な目標・目的を達成するのかということを観点に常に学び続ける必要があるというような思いをずっと持っているので、そこの部分を基本的な考え方で、(1)の学校現場における人間中心の生成AIの利活用と、それから生成AIの存在を踏まえた情報活用能力の育成強化という、この2項目にとどめずに、何番目か分からないんですけれども、これ、こちらが2番目になるのかな。今のような教師の生成AI、AIを活用した授業に向かう姿勢について1項目書いていただける、(1)の22行目を項目立てするということで、あと、さらには、今申しましたように、自分自身の授業を常に見直して、利活用について学び続ける姿勢を持ってもらいたいみたいな、そういうことがあると教師に訴えかける力が増してくるのかなと思っております。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 続きまして、江間委員、お願いいたします。
【江間委員】  ありがとうございます。すみません、ちょっとネット回線があまりよくなくて、時々切れてしまっていたので、もしかして繰り返しになってしまうかもしれないんですが、基本的に皆様言っていただいたことに大体賛成で、付け加えたい点、簡単に2点だけございます。
 1点目が、佐藤委員だったか、分かりやすさという点でスライド形式にしたほうがいいかもというところがあって、どこまで事務局のほうでそれの余力があるか次第ではあるんですが、6枚目にあるような形での生成AIみたいな、何か分かりやすい形でのスライド化みたいなのはあったほうがいいなと思う一方で、6枚目、これは細かい点なのでそこまで言わないですけれども、書かれている内容が結構、創薬だとか医療関係みたいな、学校教育に関係ないようなコメントとかが入っているので、図化するときに、ちゃんと単語自体が図に落とし込むときに合っているかどうかの確認は必要かなと思いました。多分6枚目にあるのは一般的なAIの説明みたいなことになっているんですが、せっかくあるので、教育現場におけるAI利用ということと対応していることが大事かなと思っています。それは多分、恐らくほかの部分も、これから図化とかもしされていくようでしたら関わってくるかなと思ったので、1点、細かい点なんですけれども、大枠のスライド化みたいなところで関わるかなと思ったので申し上げました。
 2点目は、先ほどの細田委員のお話とかぶるところなんですけれども、私自身も、教師が結局どのくらい生成AIに向き合っていけるかというところが大事だと思っておりまして、さらに、恐らく細田委員と私は毎回同じことを言っていると思うんですけれども、それをどうやってサポートするかという体制が非常に大事だと思っておりますので、もし細田委員のような項目を付け加えていただけるのであれば、そこの教師自身が学び続ける姿勢と同時に、それができるような環境づくりということも基本的な考え方として大事と言っていかないと、教師側の負担というのがすごく大きく取られるようなガイドラインにちょっとなってしまいかねないので、そこもちゃんとサポート体制をしっかりしていくと、教師自身が学ぶような時間を取れたりですとか、そういう研修があるみたいなところもしっかり入っていくことが、併せていくことが大事かなと思いました。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。後半のお話に関してはそのとおりだと思いますが、この議論の中では、ここでも29ページにオンライン研修会の資料というのがございまして、吉田先生や佐藤先生も講師としてやられている研修会のアーカイブの動画があったりするというのが一つのやり方ではあるかと。これだけで十分かどうかはまた議論が必要かと思いますが、と思います。少なくともAIの原理を分かった上でいろんな作業や教育をしないといけないんですが、AIの原理を分からずに、いろんな、ほかの情報だけで教育をするというのは少し危険かなと思いますが、深いところまでの理解は必要ないとしても、ある程度の理解は必要ではないかという考え方はあるかなと思って、この研修会あたり、あるいはそれ以外の手段でもいいんですが、それがあるといいかなというのは、そう思います。
 それでは、前半の話はここまでとさせていただきまして、ちょっと私のほうで細かい表現に関して抑えてしまったような印象を持たれているかもしれませんが、それは別枠でまたお話しいただく、御連絡いただく、あるいは申し出ていただくという形にさせていただいておりますので、その点は踏まえていただければ。私自身も細かい点ではいろんな意見を持っておりまして、私自身が細かい点を話しますと、この時間全部使っても足らないぐらいですので、細かい表現や、こういった表現のほうがいいのではないかという御意見は、別の形で集約させていただきたいと思います。
 それでは、後半に移りたいと思います。後半は「学校現場において留意すべきポイント」及び「参考資料」について御意見をいただければと思います。どなたか先生方で御発言ございますか。
 吉田先生、後半に関する御意見がありますでしょうか。
【吉田委員】  ありがとうございます。では、まず口頭で重要なポイントからお話しさせていただきますと、著作権に関する留意点に関して、11ページと12ページにわたるものなんですが、今回、基本的にはこちら、著作権侵害に関して書いていると思うんですが、生成物ですね。生成AIによる生成物が著作物なのかどうかというところも教員が多く、私がかなりいろいろなところで研修させていただいているところ、多く、皆さんが気にされているところではありますので、これは必ずあったほうがいいというほどではないんですが、文化庁のセミナーでも著作権侵害と生成物の著作物性については分けてやはり議論されていて、そちらも1つ重要なトピックとして挙げられていますので、そういったところを知ってもらう上でも、分量が多くなってしまう方向性のコメントで恐縮なんですが、生成物の著作物性についての記述というものも追加する可能性はあるのかもしれないと思っているというところです。
 あと、参考資料                 の話になるんですが。
【石川座長】  吉田先生、ちょっと今のところ、ネット回線がおかしくてちゃんと聞こえていなかったので、著作権の終わりの後からもう一度お願いします。
【吉田委員】  ありがとうございます。著作権の後に関しましては、参考資料編に関してコメントと、あともう一つ、最後にパイロット校に関する取組についてコメントがございます。なので、大きく分けて、これから2つコメントございます。
 1つは、生成AIパイロット校における先行取組の事例が記載されていて、これはすばらしいなと思っておりまして、ただ、これ、細かいと思われがちですが、非常に重要なので、ポイントをここで発言させていただきたいんですが、今はこちらの生成AIパイロット校のページにリンクがされているんですが、実践校の取組の中の生成AIに関する実践で、かなり分かりやすく、ソートといいますか、絞り込みができるような形で実践事例が載っていて、例えば保護者へどういうふうに周知するかなども含め、かなり実践的な知見がたまっているURLがございますので、もちろんこの生成AIパイロット校側のリンクもお使いいただくのがよいと思いますが、かなり実践的な内容が書かれているこちらのリンクも大々的に出すとよいのかなと思っております。
 そして、その先行事例に関してなんですが、これまでの取組で、パイロット校の教員に対するアンケート結果も御共有いただいていたかと思います。一番最初の第1回目の検討会議ですかね。そこの中で、やはり先生方の懸念点ですとか、逆にポジティブな面というものが非常に出ていて、アンケートから得られる示唆も多かったと思いますので、参考資料としては、教員に対するアンケート結果とそこから得られる示唆というものも含めていただくのがよいのかなと思っております。
 最後に関しましては、パイロット校全体の話でございまして、前回のガイドラインでは、パイロット校に関する取組に関してですとか今後の取組について書かれていたと思うんですが、今回のガイドラインからは完全に、参考資料には載っていますが、今後のパイロット校の取組に関する予定ですとか位置付けというものがなくなってしまっており、やはりパイロット校で取り組んだものを全国的に還元していくという、その仕組みも非常に重要かなと思っておりまして、そういった、まずそもそもパイロット校に関する記述は今後追加されないのかですとか、そもそもパイロット校自体もう終了にするのかなど、これは最後は質問とコメントになるんですが、私としては、パイロット校に関する取組や今後の予定、知見の共有の予定のようなものも記述いただけると、今後の見通しが立って、先生方の参考になるかなと思うんですが、その点についてはいかがでしょうかというところでコメントと御質問をさせていただきたいと思います。
 少々長くなって恐縮ですが、以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。リンクへの誘導方法に関しては、いい案がございましたら、後で事務局のほうへ御連絡いただくと大変ありがたく思います。
 パイロット校の関係に関しては寺島課長のほうから。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  今の現行の暫定的なガイドラインというのは、まさに暫定的なガイドラインと書いたので、今の現状をベースにということだったので、その時点のパイロット校の取組というのを記載していたんだと思います。一方で、先ほど吉田委員が紹介していただいたリーディングDXスクールの生成AIパイロット校というのは、あくまで予算の事業の枠組みの中でやっているものでございまして、例えば、これが暫定的なのではなくて、少し、いわゆるガイドラインとしての位置付けということになりますと、その予算の事業が今後どうなるか分からないことをあまり明確に書き過ぎるのもちょっとなかなか難しいものがあるかなということは感じております。したがって、今はいろいろ参考資料とリンクするような形で、具体的な事例が出てくれば、そこにリンクするような形というような形でもってそこをリンケージしているわけですけれども、なかなか本文の中で真正面から、パイロット校を何年やりますとかという記述はちょっと技術的には難しいかなというのが今の印象でございます。すみません。
【吉田委員】  ありがとうございます。その点、承知いたしましたが、一番最初にお話しされていたところの、これも大きなポイントになるのかもしれませんが、暫定的でない形で出すというのは私としてはある種反対でして、というのも、明らかに生成AIの発展のスピードが速いので、これが最終版だという形で出すのには違和感が非常に大きくございます。これはほかの方々からコメントもあるかと思いますので、一旦、私からのコメント、以上です。
【石川座長】  今の吉田委員の御指摘の生成AIの発展のスピードに対応するということに関しては、これまでの議論の中でも何回か御指摘いただいたことで、それをどうこのガイドラインに反映させるかというのは少し工夫が要るところかなと思っております。何かうまい表現があるといいと思いますので、もし吉田委員あるいはほかの委員の方でうまい表現があるようでしたら、別の方法で御指摘いただけるとありがたいと思います。
 それから、吉田委員の著作権の件に関しても、吉田委員もおっしゃっていましたけど、どんどん長くなるというところもあって、著作権、割と複雑で厄介な問題を含んでいるので、どういったところまでを記述すれば、現場の先生方は大体の概略が理解できて、興味のある方はもっと深く勉強する、あるいは、理解するにはどこまでやればいいかというのがうまい誘導があるとよろしいのではないかと思っておりますので、吉田委員のほうでうまい誘導があるようでしたら、ぜひとも御指摘いただければなと思います。
 それでは、続きまして、利根川委員、細田委員、鈴木委員、森田委員の順でお願いしたいと思います。利根川委員、お願いします。
【利根川委員】  先ほどは細々したところまですみません。今回は大きめのところだけにします。
 吉田先生がおっしゃった、最後の、暫定版の後、いきなり本番なんだっけ問題なんですけど、プログラミング教育のときは、ガイドラインの第1版、第2版、第3版までやってきましたので、第1版ぐらいまでであれば何かきっと次実があるのかな、次実ができるかできないか分からないけれどもというところで、吉田先生もきっといいんじゃないかなと思って、私もそれぐらいの書き方が今のところ適切ではないかなと考えております。細々した点は後でメールさせていただきます。
 先ほどの私の前半のところで、Boxと本文の扱いについて、基本的な考え方はこれがよかろうという寺島課長のお考え、私もそうだなと思っております。
 ちょっとその上で、前のほうから行きますと、Box-2のところです。やはりもう少しシンプルに書いてあげないと、何かもう分からんと、そっと閉じられてしまうと思っております。
 次、13ページです。前段のところとかいいかなと、「積極的に利活用することは有用である」というのはすばらしい踏み込みかなと思っております。
 (2)なんですけれども、(2)とBox-3が対応しているはずなんですけれども、Box-3の書いてある内容をもう少し(2)の本文として抽象化してあげると、Box-3と(2)の対応がよくなるかなと思いますので、ちょっとそこはBox-3の個別のを抽象化したところを本文に戻していただきたいと考えております。
 次、飛んで17ページのところです。6行目辺りというか、(1)全体として、先ほどの教員のところと比較すると、こちらは大分ネガティブに寄って、バランスが取れていないかなというところで、それがどういう違和感から来るかなと思いますと、7、8ページですね。基本的な考え方のところで、例えば8ページの一番最後のパラグラフとか、何かこういうところでより一層充実させていく必要があるみたいに書かれているところが、3-2で児童生徒という観点とリンクしていないんですよね。なので、ちょっとそこは、人間能力を拡張していくんだとか、人間中心だとか、教育の目標の達成だとか、こういう情報活用能力を育成する必要があるみたいなところがリンクする必要があるかなと考えております。
 ちょっと個別ではあるんですけれども、非常に強調したい点なので、1個だけあえて挙げさせていただくと、この10行目のところです。「小学校段階の児童に直接利活用させることには慎重な対応を取る必要がある」というのが、ちょっと私がつくば市で見させていただいた事例とかにおいても、直接やると、ちゃんと有用だよねというところで、乱暴な指導はもちろんよくないんですけれども、ここまで禁止に近い書きぶりというのは適切でないかなと考えておりますので、ちょっとほかの先生の御意見も聞いてみたいなとは思いますが、ここはちょっと削除していただくのがいいかなと少なくとも個人的には考えております。
 その上で、その後のBox-4ですね。よい点が書かれているかなと思うんですけれども、これも先ほどの3-1と同じく、(2)のほうでもう少し、このBox-4というのが、具体的に利活用してどういうことが考えられるのかというBox-4を抽象化したものの記述が(2)において充実するというのがいいのではないかなと考えております。
 その後、20ページです。これもいいことが書かれてはおるんですけれども、これに対応する本文はどこだったかなというのがBox-5、6辺りですかね。というところがちょっと分からなくなってしまったというのと、あとは、逆に留意系の話が、Boxに落とせるものはBoxに落として、抽象は抽象という形に整理するというところも可能性としてはあり得るのかなと感じております。
 あと、事例がリンクできるというのはその上でなおいいかなと思っておるんですけれども、28ページですね。事例、いいかなと思ったんですが、その次の29ページのところです。ちょっとここから増えていくに当たってぜひ御留意いただきたいのが、全体的なスピーカーの性別と年齢層のバランスが悪いなというふうに、ちょっと今のぱっと出てきているのだと思っておりまして、男性で、かつ若手・中堅ぐらいが多くて、女性、ベテランが全然いないというのは結構、学校現場からすると、そっと閉じられてしまうというところがありまして、この会自体は結構いいバランスかなと思いますので、もう私は別に前に出なくてもいいので、吉田先生とかも出ていらっしゃいますけれども、ここでいろいろ話していただいたようなことというのが、ここで、この会議で話していただいたことというのが実際学校の現場の先生に届くような形で出てくると、励まされる方も多いし、それがないと、そっとまたAIを遠ざけていく人というのが、このままだとベテランとか女性の方に多くなってしまうんじゃないかなというところ、強い危惧を持っております。
 以上です。
【石川座長】  利根川委員、どうもありがとうございます。重要な指摘かと思います。そっと閉じられないようにするためには、親近感を持ってもらうための方策が少し必要かなと思います。
 では、細田委員、お願いいたします。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。結局、私、先ほど申し上げたことに相通ずる内容になってしまうんですけれども、私、自分の主宰しているようなウェビナーなどで、若い先生とか、全国の様々な先生方と意見交換しますと、教師のAIを活用するためのリテラシーは全体として、一部の教師を除いて、決して高くないなというのを感じてしまっております。今の利根川委員の話の中にもあるんですけれども、このガイドラインが、全く今まで、AIを活用した授業をとか、AIを活用することによって自分の授業の授業観を変えていこうとかスタイルを変えていこうとか、授業改革をしようというふうになかなか思えないし、チャレンジしていない先生たちがやはり残念ながらたくさんいる現実の中で、このガイドラインが宝の持ち腐れになってしまうのが大変残念に思うわけです。関係ないやと思ってしまって閉じる人たちが決して少なくないという現状を目の当たりにしておりますと、これは何とかしていかなくちゃいけないなという強い懸念があって、そのために、ちょっとこの今の議論で、参考のほうですよね。先行取組事例とか、活用可能な研修教材等についても言及していいのかどうかちょっとあれなんですけれども、しゃべってもよければ、そこについてなんですけれども、例えばこういうもので、この付録の部分といいますか、参考資料の部分で、これを見やすくインデックス方式にして、自分、ちょっとここに興味があるから、この具体的な先行事例を見てみたいということで、そこを見ていくと、そうすると、リーディングDXのホームページでそのインデックスの内容のところにたどり着いて、すぐにちょっと、少し自分もチャレンジしてみようかなと思うような立てつけができるといいなと思いますし、多分これ、まだこれからもっともっとグッドプラクティスの掲載が増えていくんだと思いますし、研修も同様に増えていくんだと思いますが、そういうふうにして、先ほど来ありました可読性を高める工夫に加えて、これを手に取った先生たちが、これを参考にしながら授業をしてみようと思えるようなガイドラインの立てつけにしていっていただく、そうありたいなと強く思います。
 加えて、3-3の教育委員会が押さえていくポイントのところの基本的な考え方の表記にも、十分だといえば十分なんですけれども、実は教師、かなりのパーセンテージで、どうしたらいいか全く分かっていない。授業改革に、その姿勢に、AIを活用していくことが自分自身の授業を変えていくためにも必要なんだという思いにすら至っていない人たち、そういう教師の背中をどう後押ししていくのか、教育委員会はどう後押ししていくのかというような記述も、そうですね、どこまで書けるか分からないんですけれども、必要なんじゃないかなと思っている次第です。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。参考のところのリンクに関しては、先ほど吉田委員がサンプルとしてよいものを提示いただいたので、ああいったものをほかにもしお持ちの委員がいらっしゃったらば、事務局のほうに御連絡いただけると大変ありがたく思いますし、いいガイドラインに向けて情報として必要な観点だと思っております。
 それから、細田委員、ちょっとだけお聞きしたいのは、これ、AIのリテラシーが足らない、だからそこをどうにかしようという話はよく分かるんですが、これ、学校の現場では、AIだけでなくて、ほかも新しいことが幾つか入ってきたときに、その新しいものに対する教員のスキルアップをどうやって上げていくかというような方策で、いい例というのはあるんですかね。細田委員、御存じありませんか。
【細田委員】  いや、もう本当に、座長、そこなんです。そこがとにかく学校の質的向上、教育活動の質的向上の全てで、私は教育長のときに、これは学校が自走していく――GIGAスクール構想で一気に、私どもですと10万5,000人の子供たちにGIGA端末が入り、そして、この端末を使って授業改革をしていこうとなったときに、どうしようかと、仕組みをどうしようかと考えたことで比較的うまくいったことは、各学校から若い教員、つまりITのリテラシーの比較的高い教員たちに手挙げで、エバンジェリスト方式というのを採用しまして、各学校から出てきた手挙げのエバンジェリストたちに、ITのリテラシー、デジタルを使った授業力を高めていくような研修を集中的にやりまして、それを学校の中で広めていく、そういう学校が自走していく仕組みをこの大きな教育委員会、私ども大変大きな教育委員会なので、そこで仕組みづくりをしたと、そういう経験があります。とにかくそういう具体的な仕組みがないと、私、最近、いろんな若い先生たちと意見交換してつくづく思うのは、すばらしい実践をしている人に「皆さんたちの実践って、あなたたちの学校でどのくらいの方がやっているの?」と言うと、「そうですね。僕を含めて、あと1人か2人です」と、こんな感じの現実を見ると、どうやって仕組みをつくっていくかということがもうとにかく、こういった新しいチャレンジの成否がかかっているなと思います。エバンジェリスト方式というのをやりました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。
 それでは、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。まず、構成のことなんですが、10ページの3の学校現場において留意すべきポイントのところなんですけど、ここでマル1、マル2、マル3、マル4、マル5と出てきたものが、3-1、3-2、3-3でもちょっとずつ形を変えてその項目でまた説明されるわけですね。これが非常に読みづらくて、同じ項目なんですけれども、ちょっとずつ、しようがないんですけど、違うんですが、そこをもう少し何か整理されて書かれるといいなということを思ったのが1つあります。
 それから次に、17ページの3-2の児童生徒が利活用する場面なんですが、ここはさっきの繰り返しになるんですけれども、学習指導要領の考え方に基づいてやっていくことが大事ですよと、そうすれば大丈夫ですよということがまずはきちんと言えればなと思います。さっき利根川委員もおっしゃっていましたけど、ちょっとやっぱり、何かブレーキを踏むような表現が多くて、どうかなというところがありました。利根川委員がおっしゃった慎重な対応というところは私も何だこれと思ったんですけれども、もし慎重な対応というのが、生成AIの回数を制限するとか、そういうことであれば完全な間違いで、小学生こそたくさん経験を積まないと生成AIについての正しい理解を得られないので、ここは本当に表現を変えるか、削除するか、何か考えないといけないんじゃないかなと思いました。ちなみに、私は生成AI、毎日何らかの形で使っているので、慎重ではないのでしょうか。ちょっとお聞きしたいなと思います。
 それから、その次のページのBox-4なんですけれども、この不適切と考えられる例というのが、前回のガイドラインが出たときには、というか、このBox-4に当たるところがすごくマスコミでも取り上げられたので、今度も取り上げられる可能性があるかなと思うと、実はここをもし作るなら、ここをいじることが、ガイドラインが新しくなりましたよということを発信するいいメッセージになると思うんです。そういうことでいうと、不適切と考えられる例の2番目、これすごく取り上げられたんですが、前は。私、前もお話ししたかと思うんですけど、生成AIを使ってコンクールとかレポート、小論文をこなすというほうが、子供のほうが悪いんじゃなくて、生成AIを使えば何とかなってしまうようなコンクールを開いたり、そういうレポートを出したりするほうが不適切ですよというふうにきちんと書いたほうが、ガイドライン、ちゃんと変わりましたよということが伝わるんじゃないのかなと思っています。
 最後に、パイロット校のことなんですけれども、実践例は先生方、非常に欲しいところだと思うんです。ですから、パイロット校の事例を紹介するのはもちろんありなんだと思うんですけれども、ただ、パイロット校のこの事例は、当たり前ですけど、このガイドラインが出る前に行われているものなわけですよね。ですから、私も全部承知しているわけではありませんけれども、どういうふうに紹介していくかというところはそれこそちょっと慎重になったほうがいいのかなと思います。
 それから、細かい言葉のことで申し訳ないですけれども、このBox-4の不適切と考えられる例の中で「安易」という言葉が4回使われているんです。「安易に」と。その「安易に」という言葉をちょっと安易に使い過ぎているかなと思うので、ここも少し改良が必要かなと思いました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。表現に関しては事務局でもいろいろと悩んでいるところでありまして、いい表現がありましたら、ぜひとも御提案いただければありがたいと思います。今、ほかの委員の方もそうなんですが、いい提案を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、鈴木委員の最初のことに関しては、これも悩みどころでありまして、読み手を考えると、読み手は項目3-1、3-2、3-3で違うであろうという想定でこのガイドラインはできている。読み手が違うので、例えばセキュリティならセキュリティをそれぞれに書いておかないと、全体のところに書いて、読み手を想定しているところに書かないと、読まれない可能性があるというおそれがあるので全部に書いてあると、そういう立てつけになっているんですが、これ以外にうまい方法があればぜひとも御提案いただいて、確かにダブっているのはダブっているし、微妙に違うのもあるんですが、どうすれば読み手が自分の欲しい情報に、安易にという言葉はいけないのかもしれませんが、短時間で到達し理解できるかということと、全体として何を注意すべきかが全体を読む人にとっても分かるというような表現方法ですね。今のところは縦と横の糸を繰り返すという表現方法を取っているんですが、これ以外にあればと思っております。ぜひとも御提案いただければありがたい。内容に関する話ではないと思いますので、ガイドラインとしての表現をどうしたらいいかは、アイデアが必要な話だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  よろしくお願いします。これまでも出た意見と大分似てしまうかもしれません、やはり。まず、17ページの児童生徒が利活用する場面の基本的な考え方、ここがやはり、今までも出ているように、ブレーキを踏むような記述がちょっと。教師のほうの、13ページですかね。これはかなりよい、基本的な考え方がよい書き方をしているのに比べて、17ページのほうはちょっとマイナスのイメージといいますか、留意点のほうを示すのが多過ぎるのではないかなと。先ほども言っていますように、生成AIを使うことによって学びが深まるとか、生成AIの正しい認識が深まるとか、そういうメリットの面、プラスの面をやはりここに示すべきだろうと。そのためには、ふだんから探究の学習とか、子供たちに自分の考えをしっかり述べさせるような、そういう学習をしていることが必要ですねというところがまずあるのではないかなと思います。
 それから、先ほど細田委員からもありましたけれども、新しいものへのスキルアップの例というのは、エバンジェリストの活用というのもありましたが、私は、子供のよい姿といいますか、子供たちが本当に生き生きとして活動している姿を共有するということが一番大事なんだろうと思うんです。そう見たときに、このBox-4の18ページのやつですね。これの利活用が考えられる例というのが、先生が主語で、先生がこうさせるといいという書き方をしているんですが、ここを子供を主語にして、子供がこんな活動をしています、こんなことをしています、こんなことができていますというふうな示し方をする、そして、これが後の事例とリンクしているような、そんな示し方をしていくことによって、先生方が、あっ、これならやってみようという気持ちになってくれるのではないのかなと、こんなふうに思いますので、先生がずっと主語のこの文章ではあるんですけれども、Box-4については子供を主語にした文章にしてもいいのではないかなということをちょっと感じました。
 そして、それで、先ほどの慎重な対応を取るというところに戻ってしまいますが、やはり私は、これはちょっとないのではないかなと。やはり子供たちは多くの経験をしてと、そういう鈴木先生の言葉のとおりなのではないかなと私思いますし、つくばでもそういう考え方で今やっているというところです。
 そして、22、23ページの教育委員会が押さえていくポイントというところでも、この辺も私、発表でも随分強調したつもりですけれども、やはり先生方が安心して使えるようにするために、そのサポート体制というのが教育委員会としては大事なんじゃないかな。効果的に活用されるためにはこんなことが必要です、そして、先生方を安心させるためにはこんな研修が必要ですという、ちょっと具体的なところも示してあげないと、教育委員会としての、読んで、なるほどという部分が少なくなってしまうのではないかと、そんなふうに感じております。
 あと、教育委員会が方針やポリシーを作成することが前提になっている、これ書き方のところが何か所かあったと思います。25ページの一番上もそうなんですけれども。でも、実際、校務DXチェックリストの速報値では、まだポリシーの策定が半分程度であると。49.1%だったと思いますが。ということは、この策定が進んでいない中でこれを書いていくということでは、ちょっと前後関係というんですか、それが狂ってしまうと。ですから、これを、ガイドラインを出す前にやはり、今後、生成AIの活用を進めるためには方針、ポリシーを策定することが前提になるので、これをぜひ早急に進めなさいというようなこともどこかで示していく必要があるのではないかと感じました。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。Box-4の子供を主語にというのは、全体のバランスから見ると、突然子供を主語にということはなかなか難しいですし、これを読む人として子供を想定していないので、子供を主語に、子供がこうこうこういうことでわくわく感を持つように教師はこうするとかという文章になるかと思うんですが、森田委員、いかがでしょうか。
【森田委員】  そうですね。突然子供が主語になるというのはちょっとやっぱり私も違和感はあるんですけど、ただ、平板に、何々させること、させることというのが続いていて、教師主導の、何か子供自身が活動していないような、やらされているみたいな、そんな感覚をここに強く感じるのは、それも違和感なんですよね。やっぱり今は学びの時代だと言われている中で、先生が主導して、子供にやることを強制しているみたいな、そんな印象も受けるので、その書き方は工夫される必要があるのではないかと思います。どこかに「教えることが望ましい」と、「教える」という言葉も使っているところあったと思うんですけど、やはり子供主体の活動、子供の学びを主にするような、そういう視点というのはいつも持っているべきなのではないかなとは思います。よろしくお願いします。
【石川座長】  そのポイントは非常に重要だと思うので、今ちょっと私が申し上げたような、「子供が」ということに、子供がこういうこと、そこには具体例を入れるんですが、こうこうこういう具体例をもってわくわく感を感じられるような授業を先生が行うということで、最後は先生がどういうアクションを起こすべきか考えるんですが、それに対して子供がわくわく感を持つということは、子供が主語になっていて、それを教師が助けるんですよという表現はどうなんでしょうかね。ここ、かなり重要な、表現の選び方が必要なので、あえてお聞きしているんですが。
【森田委員】  そうですね。そんな形で文章がうまく表現できれば、ほかとのバランスも取れますし、子供たちの姿も示すことができるので、それは望ましいかなとは思います。ぜひその辺の工夫をお願いできればと思います。
【石川座長】  あとやはり、鈴木先生もおっしゃっていたんですけど、ある問題を与えて、それを解くというような形だけですと、生成AIを使って答えを出しちゃいましょうという話になっちゃうので、子供から見ると、そこに走ってしまうということではないような課題の与え方というのが重要かなと思っております。
 あと、小学校のあたりの話になると、ちょっといろいろと事務局でも思いがあるようなので、寺島課長、御説明いただけますか。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  小学校についての記述、何人かの委員から御指摘を受けました。今日の素案に書いてある部分というのは、実は今の暫定的なガイドラインに書いてある言葉そのまま取ってきたものでございます。一方で、20ページのところのBox-5のところを少し御参照いただくと、Box-5のところの2つ目のパラグラフのところ、なお書きで書いてあるところでありますけれども、小学校段階については慎重な対応を取る必要があるというのは、これは本文にもありましたし、あるいは今の現行ガイドラインで書いてある言葉をそのまま取ってきたものであるんですけど、そこに少し続けて、小学校段階においても生成AIを学ぶことは可能であるとか、まずは先生が提示することなどを通じて、基本的な事項を学んで、それからさらにAIに関する体験を通じて、AIについての冷静な態度を養っていくことが考えられるということを書いているわけであります。これ、鈴木委員の御発表の流れも踏まえながら少し書いたところでありますけれども、今の現行ガイドラインの記述の部分と、それから、今、今回Box-5の最後のところに書いてあるような部分、この辺りを少し組み合わせながらどういう表現にしていくかということなのかなと思いますので、少し、座長からも表現のところはまた次回以降でという話もありましたけれども、ちょっとまたこの辺りの表現のところ、いろいろ御相談したいと思っております。ちょっとだけコメントさせていただきました。
【石川座長】  ありがとうございます。その辺りはいろいろと、アイデアが必要な部分、文章案が必要なところもあるので、文章案をぜひともいいものがあったらば御提案いただけるとありがたいと思っています。
 利根川委員、いかがでしょうか。
【利根川委員】  ありがとうございます。今のまさに出た2つのところで、小学校のところですね。そうなんです。このBox-5のところだと、慎重に対応する必要があるがというところで、この4行としてはバランス取れてはいるんですけれども、本文のほうがバランス取れていないかなというところで、セットに、片方だけで現れてくるという状態でなくなるというのは1つ進展かなと思いますので、ちょっとそういった可能性はいいかなと。
 ちょっと1個話戻ってしまうと、子供が主語なのかという、このBox-4のところですよね。よくやっている学校を見ると、そもそも今AIを使うのかどうかを子供が決めるというのがあるべき姿なのかなと思っていて、先生に言われて許可されたとき、何なら指示されたときだけAIを使うというのは、このGIGAスクールとか主体的・対話的で深い学びとか言っているところとちょっと反するところがあるかなと思いますので、子供が何かこういうことができるように先生が支援するとか、そういう書きぶりに持ってこられるように、先生が言うことは支援だったり、環境を整えたりというところの色がもう少し出てくるといいかなと考えています。ちょっと個別でも抽象的な書き方なんですけれども、森田委員、座長などなどのお話に対して、私が見てきていたところとか、今の大きな学習でこうあるべきだよねというところからすると、子供が主語になり、そのために先生は支援とか、環境をつくるとか、支えるとか、導くとか、そういうところになってくるんじゃないかなと考えます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 細田委員、いかがでしょうか。
【細田委員】  先ほどの鈴木委員の話の中にもありました、不適切と考えられる例のところで、委員の御発表の中にもありましたし、それから、Box-5のところにも鈴木委員の過日の御発表の内容も反映されているわけですけれども、これもやっぱり教師の授業デザイン力にかかってしまうんですけれども、生成AIを使えばできちゃうような課題だったり授業のデザインというところではない力をつけていかなくてはならないので、この不適切と考えられる例についても、各種コンクールのような、この書きぶりであると、このガイドラインが出たときに、やはり結局マスコミなどが使うときはここに終始してしまうような気がするので、ここは本当に書きぶりを考えていかなくちゃいけないということなので、その意見が、同じ意見ありますので、本文のほうの17ページの児童生徒が利活用する場面のところにそういった、生成AIを使えばできちゃう、簡単にできちゃうような課題を出さないということとか、授業デザインについても言及していただければありがたいと思いますし、そもそも子供たちが、発達段階によって表現の仕方は違うと思うんですけれども、生成AIができてしまうでしょうと、生成AIで簡単に答えが出てしまうことを学ぶ必要があるんですかというような姿勢とか問いに対してきちんと向き合えるような、つまり学ぶ意義とか学ぶ納得感を得られるような、そういう生成AIの利活用や、もっと言えば授業デザイン力というものが子供たちが利活用する場面では大切なんだということを本文の中で書いていただけるといい、本質に迫ってくるのかなと思っております。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。何人かの委員の方の御意見、似たようなお話かと思うんですが、そもそも授業というのは何か、それが要するに知識偏重の授業ではなくて、アイデア力や構成力、それから独創性、そういったものに関してうまく引き出すようなものの授業へどうやって持っていくかという話であって、問題を出して、それに答えるという形の知識のチェックあるいは知識の与え方ということからもう一歩踏み出なきゃいけない時代になってきたなということでもありますし、それがそもそも教師のやるべき本来の姿であるというような形なのではないかと思いますし、マスコミや社会に出たときに、マスコミや社会も少し変わる必要があって、問題を与えて解くのが能力ではない、問題を与えて解くのが学校の教育ではないと、そういったところをうまく表現して、うまく踏み込んでいかないといけないかなと私も思います。
 鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】  ありがとうございます。不適切と考えられる例のところで、私、さっきちょっと意地悪く、「安易に」を安易に使い過ぎですと話したんですが、ただ、実は事務局の苦労も分かるんです。というのは、例えば「テーマに基づき調べる場面などで、教科書等の質の担保された教材を用いる前に安易に使わせること」とありますが、安易でなくて、わざと使わせて、その結果、何か深い学びに導くような授業というのは可能なんですよ。そういうこともあり得るから、「安易に」という言葉をつけて抑えをしているんだろうと思うんですけれども、何かそういう、どうとでもできるような、どっちでもできるようなことについては、ちょっとやっぱりここに書きづらいのかなと思うんです。そうではなくて、今座長からお話があったような、今の現代の教育観の転換を迫るような不適切な例を挙げられるといいのかなと思うんです。とはいえ、ちょっと今、私もぱっとはこれ以上思い浮かばないので、また思いついたら御連絡させていただきます。
【石川座長】  ありがとうございます。実は事務局も同じ悩みで、どういう表現を取ればうまく伝わるかというのは、これ、読む人も多様な方が読みますし、それから、読む人側のAIに対する知識の問題、それから考え方の問題というのが様々ですので、そこをどう一つの表現で説得力のある表現を使うかというのはなかなか難しいところがあります。ぜひとも皆様のアイデアを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 ほかの委員の方はいかがでしょうか。森田委員、いかがですか。
【森田委員】  今の「安易に」というところなんですけれども、結局、先ほどの授業デザインというところからすれば、その授業の狙いも明確でないままにという、使用する狙いが、意図が明確でないままにということになるのではないかなと思うんですけれども、そんな言葉もあるのかなと思いました。
【石川座長】  ありがとうございます。そういう、いいというか、いろいろな提案をいただかないと、これまとまらないので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 ほかいかがでしょうか。鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】  すみません。何度も恐縮です。26ページの児童生徒が利活用する際のチェック項目のところなんですけれども、さっき子供を主語にする云々のお話があったんですが、このチェック項目も、児童生徒が利活用する際に教師がチェックする項目になっていると。教師というか、学校がチェックする項目になっていると思うんですが、本当にこれは例として、子供自身がAIを利活用するときにチェックするチェック表みたいなものを、子供向けのものを作れると、それもつけておくと、先生方としてはちょっと分かりがいいというか、使いやすいようなものになるのかなとも思いました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。何かそういったもののサンプルというのはございますか。
【鈴木委員】  まとまったものはないんですけれども、ただ、ちょっとずつちょっとずつ子供たちに教えているものはあるので、少しまとめてみようと思います。
【石川座長】  よろしくお願いいたします。
 ほかの委員の方、いかがでしょうか。
 それでは、今日も活発な御議論、ありがとうございました。細かいことを省いてということに御協力いただきまして、ありがとうございます。何度も申し上げるようですが、これ、たたき台、素案ですので、細かい点はいろいろあるかと思います。次回が、引き続き改訂ガイドラインについて議論を行うんですが、今日お話しいただいた中で、細かい点は省かれたと思いますし、細かい点に関してはかなり多くの御意見があるし、いいアイデアを事務局で募集しておりますので、できれば文章案をつけて、あるいは、こういうふうな考え方もあるのではないかといった形で事務局までメールでいただくということで、事務局、よろしいでしょうか。
 では、事務局のほうからまた御案内があるかと思いますが、事務局までメールで御提出いただければなと思います。可能な限りで結構なんですが、表現案、こっちの表現のほうがいいぞという案をつけていただけると、事務局の選択肢が広がってよろしいのではないかと思いますし、この表現はいいぞというのを幾つか言っていただかないと、ほかの人の意見で消えちゃう可能性もありますので、この表現はいいぞというのも含めて、メールでいただけるとありがたいと思います。事務局としては、そういった意見をまとめていただいて、メールでいただいた意見、御提案等をまとめていただいて、少し意見が相反する場合もあるかとは思いますが、そこはうまく判断いただいて、それを踏まえた資料を次回までに御提出いただければなと思います。よろしくお願い申し上げます。
 最後に、次回の予定について事務局から説明をお願いいたします。
【渡部学校デジタル化PTサブリーダー】  事務局より失礼いたします。
 次回の本検討会議の日程につきましては、追って事務局から御連絡させていただきます。
 以上でございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。それでは、本日の議事は全て終了いたしましたので、これにて閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

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