初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議(第5回) 議事録

1.日時

令和6年10月18日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. ガイドラインの改訂に向けた検討のポイントについて
  2. その他

4.配付資料

5.議事録

初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議 第5回

令和6年10月18日

【石川座長】  定刻となりましたので、ただいまから初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議、第5回となりました、それを開催させていただきます。
 本日は御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
 まずは、会議開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【渡部学校デジタル化PTサブリーダー】  事務局より御案内させていただきます。
 本会議は、前回と同様、原則オンライン方式で開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、事務局より資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1及び参考資料が1から4までとなっております。御不明な点等がございましたらお申しつけください。
 以上でございます。
【石川座長】  ありがとうございました。
 なお、いつもどおりなんですが、本日は報道関係者と一般の傍聴者向けに本会議の模様をZoomウェビナーにて配信をしておりますので、御承知おき願います。
 さて、本有識者検討会では、前回までに合計4回にわたり、有識者や事業者、構成員の方から発表いただいて議論を重ねてまいりました。前回は意見のまとめをさせていただいたと思います。これまでの議論を踏まえつつ、本日はガイドラインの改訂のポイントについて皆様に御議論いただきたいと思っております。
 今回、事務局に作成いただいた資料は、これまでの会議の議論をまとめた、議論を踏まえながら、ガイドラインの改訂に向けた検討のポイントを整理したものであって、この資料がそのままガイドラインになるものではないと御理解ください。1つステージが上がったということで、全体構成に必要なポイントを議論していきたいというところでもあります。
 本日の流れとしては、資料の内容について、最初に事務局より説明をいただきます。その後、残りの時間を資料1の章立てに従って、1番としては、ガイドラインの位置付け及び構成、生成AIをめぐる現状について、2番目としては、生成AIの利活用に当たっての基本的な考え方について、3番目としては、利活用に当たり押さえておくべきポイントについて、これらを時間を区切って意見交換をさせていただきたいと思っております。
 目安は、1番のガイドラインの位置付け及び構成、生成AIをめぐる現状については20分程度、2番の生成AIの利活用に当たっての基本的な考え方については30分程度、3番の利活用に当たり押さえておくべきポイントについて40分程度を想定していますが、特に後半の3番について、できる限り時間を割きたいと思っておりますので、皆様、進行に御協力いただければと思います。
 また、前回までに皆さんの意見については議論いたしましたので、今回ステージを1つ上げたので、ガイドラインのポイントという視点で、全体の構成あるいは全体を俯瞰する立場で、ほかの委員の方の意見も考慮しながら御発言いただけると、進行がスムーズになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、3つ、1、2、3と分けておりますので、その分けた部分に関して適切な御意見をいただくとありがたいと思っております。違う章立てのところの意見を違うところで御発言いただくとちょっと混乱しますので、ぜひとも、この章立てに沿った御発言をいただけるとありがたいと思っております。
 では、まずは事務局から資料について御説明をいただきたいと思います。寺島課長、よろしくお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  座長、ありがとうございます。学校情報基盤・教材課長、寺島でございます。
 では、私のほうから資料1に沿って冒頭、御説明をしたいと思います。今回も左肩のほうに行番号を書かせていただいておりますので、場所を指し示すときはページ番号と、それから左の行番号で場所を示したいと思っております。
 それでは早速、資料1に基づいて説明をさせていただきますけれども、今御紹介ございましたように、この資料のタイトルは、ガイドラインの改訂に向けた検討のポイントということでございます。
 そして、この資料の位置付けについてでございますけれども、この一番最初の四角囲みのところにありますように、今、座長からも御発言がありましたけれども、これまでこの会議において生成AIの利活用に関する具体的な方向性について意見交換・検討を行ってきた内容を基にガイドラインの改訂に向けた検討のポイントとして整理をしたものでございます。また、今後の議論の参考となるように現在のガイドラインの関連記載等も併せて記していると、こういった資料でございます。
 それでは、4行目のところから本文に入っていきますけれども、本文に入ります前に、ちょっと構成だけ見ておきますと、今、座長から御紹介いただきましたように3章立てで、3つのパートに分かれております。
 最初のところが、ガイドラインの位置付け及び構成、生成AIをめぐる現状ということで、以下2つ目のパート、3つ目のパートというふうに進んでいきますけれども、1つ目のパート、2つ目のパート、3つ目のパート、それぞれに共通するところでありますが、この5行目から7行目のところに書いてありますように、特に7行目のところでありますけれども、それぞれのパートで様々な状況を踏まえつつ、下記のような要素について記載してはどうかと、こういったような言い方をしているものでございます。したがって、これ以下のところは、ガイドラインの改訂に向けたポイントとして、以下のような要素ということを考えてはどうかというような資料の記載になっているということでございます。
 それでは、9行目以降、本文のほうに入っていきたいと思います。
 まず最初のパートの1つ目の(1)でございますけれども、ガイドラインの位置付け及び構成についてということでございます。
 10行目、本ガイドラインは、11行目に飛びますが、利活用に当たっての基本的な考え方や教職員や教育委員会等の学校関係者が押さえるべきポイントをまとめたものというふうに、そういう要素を入れてはどうかと。したがって、一律に禁止・活用の義務付けをするものではない。
 14行目、ガイドラインは、本文及び参考資料等で構成するということを盛り込んではどうか。
 15行目、ガイドライン、これ本体でありますが、本体のほうは、マル1生成AIについての基本情報と関連するリスク、そしてマル2生成AIの利活用についての基本的な考え方、これに加えてマル3番、利用場面ごとに押さえるべきポイント、大きく分けて、この3つについて記載をする。そして参考資料には、チェックリストなどを掲載してはどうかと、こういったもので構成してはどうかということでございます。
 2ページ目に行きまして、(2)番、生成AIに関わるサービス・技術の進展とリスクについて、これは、これまでヒアリングあるいは御議論の中で意見が出てきたものをまとめたものでございますけれども、3行目のところから、大量の情報処理が瞬時に可能、実物との見分けがつかない動画を分単位で生成、数秒の声のサンプルで自由な発声を生成できるところまで技術は進歩している。5行目の終わりから、様々なサービスに生成AI技術が取り入れられるなど生活環境への統合が進んでいる。文書作成ソフトなど慣れ親しんだソフトウェアや児童生徒の学習環境にも統合されていくことが予想される。
 そして8行目、汎用基盤モデルをAPI利用した様々なサービスも出現している。9行目、生成AIサービスを提供する主体やサービスの形態も多様なものになっている。
 11行目、生成AIを搭載した学校向けの教育サービスも登場している、こんな状況にあると。
 14行目、一方で、現在の生成AI技術においても、生成された内容の誤り(ハルシネーション)を完全に防ぐことは困難である。ハルシネーションの見極めには高度な専門的知識を要するとの指摘もある。また、情報の偏り(バイアス)等による公平性の問題、機密情報や個人情報の流出、著作権侵害、人権侵害、さらには環境負荷あるいは技術への依存といった様々な懸念もある。
 19行目、安易に生成AIを授業や児童生徒の学習に導入することで、子供たちが学習すべき内容に対して、楽をして答えを求めるような状況を助長するリスク、答えを出すAIに依存することで自らの創造性が低下するリスク、AIの出力をうのみにしてしまい批判的な思考力が低下するリスク、こういったことが指摘をされている。
 23行目、一方で、このような懸念については、情報の参照元を明らかにする、著作権侵害等のリスクの低減や不適切な言葉・情報を抑制するといった仕組みを実装するなど、サービス提供者側においても一定の配慮がなされている例がある。
 26行目、AIを取り巻く環境全体に関する議論として、経済産業省及び総務省により「AI事業者ガイドライン」が令和6年4月に取りまとめられました。ここでは、AIに関わる役割を開発者・提供者・利用者の3つに大別した上で、各主体に共通の指針あるいは取り組む事項として、以下7つの観点が示されています。1つ目は人間中心、2つ目に安全性、3つ目は公平性、4番目にプライバシー保護、5つ目にセキュリティの保護、そして6つ目に透明性、7つ目にアカウンタビリティ、この7つの観点が示されています。
 また、利用者に関する事項として、安全を配慮して適正に利用すること、そしてバイアスへ配慮すること、個人情報の不適切な入力及びプライバシー侵害への対策をすること、セキュリティ対策をすること、ステークホルダーへの情報提供・説明、規約の遵守について、利用者に関する事項として示されているところでございます。
 34行目、このような様々なリスクや懸念、あるいは技術的な対応、AIに関するルールづくりの進展等も踏まえながら、基本的な考え方や学校現場で押さえるべきポイントを整理すべきである。ここまでが1つ目のパートということでございます。
 3ページ目は、現在の暫定的なガイドラインの関連する記載を示したところでございます。
 4ページ目に参ります。4ページ目からが2つ目のパートということでございますけれども、生成AIの利活用に当たっての基本的な考え方のパートでございます。
 ここも2行目から4行目に書いてありますように、様々なことを踏まえつつ、下記のような要素について記載してはどうかということで、6行目以下にまとめているところでございます。
 6行目、基本的な考え方の1つ目として、人間中心の学校現場における利活用についてということでございます。
 7行目、生成AIはあくまで人間が発明した道具である。8行目、短期的に活用すること自体を目的化せず、何のために活用するのかという目的意識が重要である。
 10行目、様々なリスクを踏まえつつ、現在の暫定的なガイドラインに示すように、「児童生徒の発達の段階や実態に応じて、教育活動や学習評価の目的を達成する上で効果的か否か、学習指導要領に定める資質能力の育成を阻害しないか」といった基準で、引き続き判断すべきである。
 14行目、学ぶことの意義についての理解を深める、あるいは個々の情報の意味を理解し、問題の本質を問う、あるいは単なる個別知識の集積ではない深い意味理解を促す、こういったことの重要性が高まっている。16行目の終わりからですけれども、人間中心の発想で生成AIを使いこなしていくには、各教科等で学ぶ知識や文章を読み解く力、常に問題意識を持ち問いを立て続けることやその前提としての「学びに向かう力、人間性等」の涵養などがこれまで以上に重要であるということ。
 20行目、教職員の校務における利用についても、様々なリスクを踏まえつつ、利活用を進め働き方改革につなげていくことが重要である。
 22行目、教師の重要性は変わらず、児童生徒一人一人の学びを最大限に引き出し、主体的な学びを支援する伴走者としての役割が一層求められるということ。
 24行目、教師の学びの姿も、子供たちの学びの相似形であり、25行目後半ですけれども、学校現場におけるAIの活用に関する判断を適切に行うためにも、教師にも一定のAIリテラシーが求められる。
 そして、基本的な考え方の2つ目、(2)でありますけれども、生成AIを踏まえた情報活用能力の育成強化についてということであります。
 29行目の終わりから、学習指導要領で定められている情報活用能力の育成の観点や、個別最適な学び、協働的な学び、主体的・対話的で深い学びを実現していくための1つのツールとして有効かどうかという観点から捉えることが重要である。
 33行目、学習指導要領に示す情報活用能力とは、世の中の様々な事象を情報との結び付きとして捉え、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力であるというふうに定義がされております。
 36行目終わりから、このような情報活用能力の育成については、全ての学校において生成AIの普及を念頭に一層充実させることが重要である。
 38行目後半から、情報活用能力のみならず、言語能力や問題発見・解決能力等の学習の基盤となる様々な資質・能力にも十分に意を用いて、子供たちの発達の段階や各学校・地域の実情を踏まえた活用を進めていくことが重要である。
 5ページ目は現行の暫定的なガイドラインの関連する記載を示したところでございます。
 6ページ目からは3つ目のパートでございます。生成AIの利活用に当たり押さえておくべきポイントということで、3つ目のパートをまとめております。
 6行目からは、まず共通して押さえておくべきポイントということでありますけれども、ここについては、「AI事業者ガイドライン」あるいは「AIと著作権に関する考え方について」等々の政府文書において示されている内容との整合性を踏まえつつ、以下のような要素について記載してはどうかということでまとめております。
 11行目、マル1は安全性を考慮した適正利用ということで、13行目、関係法令を遵守した利用を前提とし、開発者や提供者の想定する範囲内で生成AIサービスの適正な利用を行う必要があるということ。
 16行目、2つ目として、教育情報セキュリティポリシーの遵守ということで、18行目の最後から、組織内の情報セキュリティを確保するための方針、体制、対策等を包括的に定める教育情報セキュリティポリシーを遵守する必要があるということ。
 そして22行目、個人情報やプライバシーに関する情報保護。入力した個人情報やプライバシーに関する情報が生成AIの機械学習に利用されることがあり、また回答として出力されるリスクもあるということ。26行目でありますけれども、このようなリスクに鑑み、生成AIサービスの利用においては、プライバシーを尊重し保護すること及び個人情報保護法等の関係法令を遵守することが重要であるということ。
 29行目、4つ目として公平性・バイアスへの配慮ということで、31行目後半から、不当で有害な偏見及び差別をなくすよう努めることが重要であるということ。
 34行目、5つ目として透明性、関係者への説明責任ということで、35行目の終わりから、必要な範囲で関係者に対しAIサービスの利用目的やその様態等の情報を提供することが重要であるということ。
 7ページ目、8ページ目は現行ガイドラインの関連する記載でございます。
 そして9ページ目、(2)番は、教職員が利活用する場面で押さえておくべきポイントとして、以下のような要素を記載してはどうかということでございます。
 6行目からでありますけれども、教職員が利活用する場面として、授業準備──教材のたたき台や演習問題あるいはテスト問題のたたき台などの授業準備、そして採点・評価、特別な配慮を要する児童生徒への対応、外国人児童生徒への対応、不登校児童生徒への対応、保護者や児童生徒へのお知らせ文書等の作成、アンケートの集計、職員会議などの資料作成・議事録の作成、校内研修等、様々な場面において教職員の業務のサポートが可能と考えられるのではないかということでございます。
 また、学校行事──校外学習等の工程作成のためのたたき台あるいは運動会の競技種目案のたたき台などや部活動──練習メニュー案・遠征時の交通経路作成あるいは未経験者が顧問に就任した際の基本的な勉強相手としての活用法などに活用することも考えられるのではないか。さらには、教育相談や生徒指導などへの活用についても想定されるのではないか。
 15行目、さらに、後半のほうからでありますけれども、学習系データ・校務系データが蓄積されていることを踏まえれば、これらのデータを効果的に利活用・連携する観点で、データの抽出・分析、こういうことに対して生成AIを活用することも考えられるのではないか。
 18行目後半から、教職員があるハルシネーション等の生成AIの特徴を十分に理解した上で、内容の適切性を判断できる範囲で利用するとともに、教育情報セキュリティや個人情報保護との関係について、生成AIサービスの内容に応じて配慮することが必要である。生成AIツールをめぐる課題・リスクや懸念を十分に踏まえた上で、各学校設置者及び学校において、その利用について判断することが必要であるということ。
 そして25行目からでありますが、質問(プロンプト)に個人情報や成績処理などの重要性の高い情報を入力しないことが重要であるということ。
 そして27行目後半から、管理職等は教職員が生成AIをどのように利用しているのかモニタリングをしていくことが重要ということ。
 10ページ目は現行ガイドラインの関連する記載であります。
 11ページ目、(3)番は、児童生徒が利活用する場面で押さえおくべきポイントとして、次のような要素を記載してはどうかということでございます。
 5行目、マル1番は段階に応じた生成AIの利活用についてということでありますけれども、6行目、この活用のステージとして、「生成AI自体を学ぶ段階」、「使い方を学ぶ段階」、「各教科の学習や探求的な学習に生かしていく段階」、「日常使いする段階」、こういった活用のステージを意識をしながら、それぞれ往還しながら情報活用能力の一部として生成AIの仕組みの理解や生成AIを学びに生かす力を段階的に高めていくということが考えられるのではないか。
 10行目、小学校段階においても、「生成AI自体を学ぶ段階」に取り組むことは可能である。まずは、情報モラル教育の一環として教師が授業中に生成AIとの対話内容を提示することなどを通して、生成AIについての冷静な態度を養っていく、こういったことが考えられるのではないか。
 マル2番は生成AIを使って学ぶ際のポイントということでありますけれども、16行目の終わりから、年齢制限をはじめとする利用サービスの約款、利用に当たってのリスクが許容できることを校長及び担当教員が確認をし、必要に応じて事前に保護者の理解を十分に得た上で、教員の適切な指導監督の下で子供たちに利用させることが必要であるということ。
 20行目、楽をして答えを求めるような状況を助長していないか、生成AIの回答によるバイアスが生じていないかについて配慮が必要であるということ。
 22行目、生成AIが提示した回答をそのまま使うのではなく、学習指導要領に定める資質・能力の育成を阻害しないか、教育活動や学習評価の目的を達成する上で効果的か否かを確認することが必要であるということ。
 28行目のところでありますけれども、質問(プロンプト)に児童生徒名や教職員名など個人が特定される情報、写真などの個人情報を入力しないことが重要であるということ。そして30行目、機械学習を許容しない設定を講じた上で生成AIを利用することを推奨されるということ。
 そして32行目、これは教職員の活用の場合と同じ観点でありますけれども、児童生徒がどのように利用しているのかをモニタリングすることが重要であるということ。
 12行目は現行ガイドラインの関連する記述でございます。
 13ページ目、最後、(4)番でありますけれども、教育委員会が押さえておくべきポイントとして、以下のような要素について記載してはどうかということでございます。
 5行目、一律に禁止をしたり、義務付けをしたりするような硬直的な運用は望ましくなく、各学校の状況を踏まえた柔軟な対応が望まれるということ。
 それから8行目でありますけれども、約款による外部サービスとして生成AIを活用する際には、原則、約款に提示された提供条件だけで利用を判断することになるため、最新の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」も踏まえつつ、そのリスクを十分踏まえた適切なセキュリティ対策を講じる必要があるということ。
 そして14行目からも同じような観点ですが、最新の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」あるいは「教育データの利活用に関する留意事項」なども参照し、個別契約に基づき教育委員会のネットワーク環境に即した、既存の校務系システムと同程度のセキュリティ対策を講じるなど、適切なセキュリティ対策及び情報の取扱いを確保する必要があるということ。
 19行目、個別契約に基づく環境構築を実施した場合においても、生成AIに特徴的なハルシネーションやバイアス等の懸念やリスクは解消されないため、教職員による最終的な判断が不可欠であるということ、学校に対して適切な情報提供を行う必要があるということ。
 そして最後、23行目でありますけれども、実践を積み重ねている学校や教員とそうでない学校や教員の間で差が大きいことが指摘をされていることから、域内の先行事例や教材・ノウハウを共有すること、あるいはAIに関する理解・活用の事例を深めるような研修の実施、こういったことが教育委員会に望まれるのではないかと、こういった要素を記載してはどうかということを記載しているところでございます。
 以上、少し長くなりましたけれども、資料1の説明は以上でございます。
【石川座長】  寺島課長、どうもありがとうございます。
 それでは、ここから質疑応答、意見交換に入りたいと思います。先ほど申し上げましたが、これ3つの章立てになっておりますので、1番、2章、3章と、なるべく3章辺りを時間を取りたいと思っておりますので、進行に御協力をお願い申し上げます。
 本日、ガイドラインのポイントというガイドライン改訂に向けたポイントということですので、こういったポイントが必要、こういったポイントも入れたほうがいいという議論が一番よろしいかと思います。
 それでは、あと、皆さんの御意見にありましたように、階層、構想、構成をもって議論したほうがいいということなので、このポイントの整理では、第1層、第2層、第3層という形で階層を下げる方向で議論していますので、まずは第1層、一番トップの層の議論を始めさせていただきたいと思います。ガイドラインの位置付け、構成、生成AIのサービスやリスクについて御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
 佐藤先生、どうぞ。
【佐藤委員】  信州大学の佐藤でございます。本日もよろしくお願いいたします。位置付けや構成に関しまして申し上げたいと思います。
 まず位置付けと構成については、主体ごとに書き分けるという内容について異論ないというところです。リーディングDX事業であるとか生成AIパイロット校に多く関わっている立場として、この生成AIが多様化している点についてコメントしたいと思っています。
 今回の資料にも記載されていますけれども、サービスの形態が非常に多様化しています。例えば、現行ガイドラインで想定されているアプリケーション、それからログインを不要とするサービスであったり、それからGIGAスクール構想の標準仕様に含まれるOSやブラウザに組み込まれているサービスやAPIの連携したサービス、そういったものが考えられます。
 その上で、前回、新井先生が指摘していたように、今後こういったものは変わり得るものということですから、サービス名を例示することは文科省のガイドラインということに関すると難しいというふうに捉えています。しかし、何か具体的に書かないと、この現場視点でいうと、結局どうすればいいのかということについて伝わりにくい点があると思っています。
 そういった観点でいえば、例えば経産省であったりとか総務省のガイドラインで示されているような開発者や定期的な利用者のような形でAPIの利用形態のポイントとして明示するということは、案として1つ考えられると考えております。
 それから、ガイドラインを書き分けるほどでもなくて、想定されるサービスの形態を整理した上でポイントを明示するということもしてもいいのではないかというふうに捉えています。
 そういったことを今申し上げてきたんですけれども、こういった表記が難しいのであれば、少なくともこれまで想定されていたChatGPTのような、そういった形態だけではないということをポイントとして書くべきではないかというふうに捉えているところでございます。
 私からは以上です。よろしくお願いいたします。
【石川座長】  佐藤先生、どうもありがとうございます。実は、その点に関しては事務局も私も悩んでいるところでございまして、技術の進歩というものをどのような形で書き込んでいくか。皆さん、書き込む必要性に関しては御理解いただいているので、書き込み方ですね、それに関しては少し検討が必要かなということで、これはポイントの整理という意味では、今回出てきたところは、こういう記述になっているということであります。
 佐藤先生おっしゃったように技術が進歩するんですが、細かいことを書くのはあまり適切ではないし、書かないのは問題あるし、さて書くにしてもどうするか。将来こんな技術が出てくるであろうなんて書けるわけがないので、将来の技術に対して強い関心を持って、それに対応していただきたいぐらいの文章になるのではないかというふうには思うんですが、それの是非を皆さんで議論させていただければなと思っております。
 では、続きまして鈴木先生、どうぞ。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。私から2点です。
 1点目は今の佐藤先生のお話にも若干関わるかもしれませんが、何回か出てきている個別契約等でセキュリティが確保された環境というのがあるのですけれども、これはやっぱりなかなか判断が難しいんじゃないのかなと。学校ごとにとか教育委員会ごとに判断するのは結構難しいのではないかなと思うので、そこを分かりやすくするにはどうすればいいのかというのは、ちょっと考えたほうがいいかなと思いました。もしかしたら事業者に何か求めたほうがいいのかもしれませんし、そこは少し議論をしたいなと思いました。
 あともう1点目は、全体を通じて、やはり現行の学習指導要領、そして恐らく次の学習指導要領においても同じだと思うのですが、今の教育が目指すべき方向に沿った使い方をしていくのが大事ですよということを打ち出す内容になっているのだと思いました。
 そういうことからいくと、例えば2ページの19行目からにある、「こういうリスクが指摘されている」というところですが、「安易に生成AIを学習に導入することで」というふうにあるのですが、その「安易」とは何かというのはちゃんと書いておいたほうがいいと感じました。つまり、今の学習指導要領の考え方に沿っていない、そこを考えていないような使い方をすると駄目なんですよということは、いろいろなところで打ち出していくといいかなという感じを持ちました。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。確かに個別契約、現場の方は難しいかなという気がしますね。それから安易にというのは、もうちょっときちんと書いたほうがいいというの、確かにそうですね。
 こういったもののガイドラインの示し方というのは大変難しいところがありますが、現場の人がどう思うかというのが一番重要かなと思いますし、少しこの記述だと、現場の人も多少は生成AIとは何かというのに対する理解が欲しいというような希望的な文章も少しあったほうがいいかなと。その上で、現場での対応を、ちょっとした方向性を示していくのがいいかなという気はします。
 では、続きまして細田先生、どうぞ。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。2点ございます。
 1点目は、まずガイドラインの位置付け、構成についてのところなんですけれども、本文及び参考資料等で構成するとあります。本文について言えば、あまりボリューミーな感じにはならないんじゃないかなというふうに思っているんですが、参考資料等のところですけれども、18行目から19行目にかけて「学校関係者が生成AIを活用する際に押さえておくべきポイントを示すチェックリスト等を掲載」とあるんですけれども、当然その参考資料にはチェックリストだけではないと思うんですけれども、常々私、参考資料に、グッドプラクティスといいますか、具体的に各学校現場が、こういうグッドプラクティスがあってというようなティップスになるようなものがあると、その後、非常によく活用してくれるということを見ておりまして、現実に自分自身もそうでしたので、この辺のところがどのぐらい、グッドプラクティスといいますか、活用事例が掲載されるのかどうか。分量的なこともそうですけれども、どうなのか。いや、活用事例等、グッドプラクティスはないんだということであるのか。その辺を1つ伺いたいと思います。
 それから2ページ目のところの、これも先ほどの鈴木先生のお話にも少し近いところがあるんですが、19行目辺りのところから、安易に生成AIをというようなくだりからずっと、具体的な授業デザインをする力が求められているというようなことが書かれていると思うんですけれども、ぜひこの辺のところ、教師、使う側に授業デザインをする力が大変重要なんだというようなことも、そういった力をつけていく必要が大変あるんだというような記載が必要ではないかなと思っています。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。最初の参考資料関連に関しては、寺島課長から御説明いただければと思います。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  ありがとうございます。この資料自体はガイドライン改訂に向けた検討のポイントということでありますので、まだ中身を全部書いているわけではもちろんありませんし、ガイドラインがどういうものなのかということを示すものではないので、今日のところは本文と参考資料で構成してはどうかということだけ示しておりますけれども、ただ、参考資料の中に何を入れるかというのは、このこれまでの検討会議の中でも随分と御議論が出てまいりました。
 幾つか私が記憶している限りで申し上げると、ここに示したチェックリストの話、それから適切な例や不適切な例、それから今、細田委員から御指摘ございました事例のようなもの、こういったものというのは少し別冊というか、別編でまとめたらいいのではないかというような御議論をいただいたと思っております。
 今日のところは、それが具体的にどういうものになるかというところまで、まだお示しすることはできませんけれども、今のような御指摘を踏まえながらやりたいと思いますけれども、これ何回目かの会議で座長からも御指摘がありましたけれども、完全にこのガイドライン附属事例集なのか、あるいは何かリンクを飛ばすような形で、そこが随時更新されていくというような形なのか、いろいろなやり方があるのではないかというようなことは座長からも以前の会議でも御指摘があったと思いますので、その辺の具体的なところについては今後の議論かなと思いますけれども、参考資料としてそういうものは必要であろうというような御意見は、この場でも随分出てきたということは理解をしておりますので、これガイドラインの策定に向けて、今の御意見を踏まえながら取り組んでいきたいと思っております。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。たしか議論の中では、細田先生はグッドプラクティスとおっしゃった、グッドプラクティスもバッドプラクティスも両方載せたほうがいいのではないかという話もあったような気がします。それは今後検討させていただければと思います。
 では、続きまして吉田先生、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。全体的に細かいところも含めて多くコメントがあるため、また別途、文書にしてコメントは提出させていただきたいなと思っておりますが、重要だと思うポイントを、この場では御共有させていただきたいと思います。
 まず1点目に関しては、先ほど、まさに細田先生がおっしゃっていたところも私、完全に同意でして、あと御回答からも、活用事例については認識していただいているということで、その点は少し安心してはいますが、ただ、リンクだけを貼るということになると見にくい可能性もあるので、やはり一番重要なのは、教職員が使いやすい形で参考資料を添付するというところが第一目的になるのかなというふうに思っております。
 また活用事例のみならず、やはりパイロット校での取組があると思いますので、まさにその事例が共有されるとよいのかなとも思うと、あと以前、第1回目かの資料で共有されていたアンケートで、うまく授業設計すれば学習意欲が低下すると思う先生はいなかったりですとか、創造性が低下すると思う人が少ないというようなアンケート結果も出ていると思いますので、ああいったアンケート結果も非常に重要だと思いますので、そういったものも参考資料として添付いただくといいのかなとも思っております。
 また、これは添付、参考資料にするかどうかというところもあるんですが、著作権についてもかなり私、いろいろなところでセミナーですとか研修をやっていて聞かれますので、どういった、著作権に関する整理ですね。やはり授業目的とそれ以外で大きく異なると。授業目的だと、条件を満たせば、実は、かなり自由に使えると。一方、ちょっとでもずれる、校務などで使うと全く違う、もう一般的な著作権侵害の判断になるというようなことも含めて、そういった参考資料はあったほうが教員は助かるのではないかなというふうにも思っております。
 また参考資料については、やはり保護者同意についても、かなり多くの方から私も質問されますので、以前もお伝えさせていただいたんですが、テンプレートなどがあると各学校で考える手間がなくなるという意味では、これ国レベルが保護者同意の取り方のテンプレートなどを作成していただければ全学校の負担が軽減すると思うと、そういったものも御用意いただけるとよいのかなというふうに思っております。
 また、2点目になりますが、リスクについても記述されていて、例えば2ページ目の21行目辺りでは、うのみにしてしまって批判的な思考力が低下するリスクですとか創造性が低下するリスクというような記述がありますが、ここで止まってしまうと、そういったリスクがあるんだと思わせてしまいますが、先ほどもお伝えしたように、少なくとも、まずアンケート結果では、そう思わない教員がほとんどであるということも事実としてはあるので、一方、こういった事実もあるというような形で。ただリスクがあると書いてしまうと、本当にこのリスクがあるので使うのをやめようと思わせてしまうと思うんですが、これまでのアンケート結果も踏まえると、フラットに考えれば、リスクがある可能性もありますが、やはり教員の授業設計次第で、このリスクは軽減できるどころか、もしかすると創造性を育むことができる可能性もあるので、そういったフラットな書き方にしていただけるとよいのかなというふうに思っております。
 私からは一旦、以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。著作権の問題、保護者同意の問題というのは、問題というよりは理解ですね、現場の人たちの理解というのは大変重要だと思います。
 私、そもそも生成AIの原理というのの理解が先生方、詳しい数式までは要らないにしても、どういうものかというのを理解した上で、こういったものを扱っていただくのが重要なので、その辺りは何かうまく埋め込めるといいかなというふうにも思っております。
 それでは次、江間先生、お願いいたします。
【江間委員】  2点ございます。
 1点目は、今までのお二人のものをちょっと違う角度から言っている繰り返しだけにすぎないんですけれども、やはり私もどちらかというとリスクを研究している側ではあるんですけれども、まず項目立てとして、ベネフィットはどんなのがあるという項目をしっかり入れておいてくれたほうがいいなと。今のここの書きぶりだけを見ると、生成AIサービスに係る技術の進展とリスクについてだけなので、そもそもどういうベネフィットがあるのかというようなところがきちんと、事例までいかないにしても、文章として本文のほうにも書かれるということが、されるとは思うんですけれども、大事かなと思っていますというのが1点目。
 あともう1個、細田先生の話にもございましたけれども、授業デザインですとか、あと今、座長のお話にもありましたように、教員側がちゃんとリテラシーを持っていることというのは大事ではある一方で、そんなこと教員やっている暇あるかというのが多分、大変なところだと思うんですね。
 なので、この本文が、もちろん実際に手足を動かして生成AIを授業で使われる先生が御覧になるというのも第一目的ではあると思うんですけれども、例えば学校の経営者とか運営者の方々が、もちろん御覧になると思われるので、そういう教員をサポートするための枠組みとか方法が大事であるということも改めて明記していただくことが大前提としてはあるのではないかなというふうに思いました。
【石川座長】  どうもありがとうございます。重要な視点を御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 そうなんですよね。現場にこのガイドラインが行ったときにどういうことが起こるかというのを想定しながらガイドラインを決める必要があって、今の江間先生のお話は、それも想定された御意見だったので、非常に重要な御意見かなと思います。
 幾つかの参考資料のようなところで、先ほどの著作権の問題とかリテラシー、あるいは生成AIの基本原理みたいなこと、江間先生おっしゃるように、時間がない先生に伝えるわけですから、ごくごく簡単にまとめたものがあるといいかもしれませんね。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 じゃあ、利根川さん、どうぞ。
【利根川委員】  ありがとうございます。そうですね。この1のところについては、1ページの5行目から7行目、あるいは2ページの34、35行目辺りかと思うんですけれども、昨年度パイロット校等で様々実践していた部分があるかと思います。技術の側の進展もそうなんですけれども、学校現場の側で見えてきたところも盛り込むというのが、文科省の事業で各地域の、学校現場でやってきて、1年間見えてきた部分があるかと思いますので、そこはぜひ御記載いただくといいかなというふうに思っております。
 また、江間先生から今し方ありましたように、そもそもこの生成AIについてはどういう価値、可能性があるか、ありそうかというところを示す必要があるかと思っております。
 すみません、もしかしたら2かもしれないですけれども、個別最適な学びであるとか、例えば外国ルーツの子とか、様々な可能性がパイロット校含めて見えてきていて、一般化すると教師を補完して子供たちによりよい学びを提供する可能性があるという辺りかと思いますので、その辺りも、恐らく1の(2)の前のほうに書いていただけるとよいんじゃないかなというふうに思いました。
 また、2ページの12行目辺りですかね、「例えば」と、回答の設定についての記載もありますけれども、ほかにもフィルタリングとかアクセス時間の制限、ログ等、様々、これは私たちがやっている対応なんですけれども、ほかの事業者さんも様々なリスクに対する対応をしておりますので、その面についてもちゃんと書くと、何かリスクがあるからやめておこうとならず、適切に学校現場が判断することができるというふうに考えておりますし、我々実際にコミュニケーションした学校の先生から、その辺りを十分に聞いております。
 私からは以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  よろしいですか。
【石川座長】  寺島課長、どうぞ。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  今の最初のパートについての御意見ありがとうございました。細田先生ほか、参考資料の作り方についての様々御意見いただきましたので、先ほど申し上げましたように、今日はそういうものを出していませんけれども、ガイドラインの本体、参考資料の作成に向けて、今御意見を受け止めたいと思っております。
 また、いろいろな事例集の話もありましたけれども、今、パイロット校をやっておりますが、ガイドラインの附属の参考資料というふうな性格に鑑みますと、あまり全部を具体例だけ、具体例と一般化のところのなかなか線引きが難しいなというところもやはりあるので、あまり1つの事例がガイドラインあるいはガイドラインの附属文書そのものになるというのも、これが本当に果たして一般化できるかどうかという問題もあると思うので、その辺りのパイロット校での事例、あるいは一般化したものとしてのもの、この辺を少し線を分けて考えながら作る必要があるかなということを、今ちょっと先生方の御意見を聞いて思っていたところでございます。
 以上、コメントであります。
【石川座長】  ありがとうございます。やはり現場の先生がどう受け取るかというのを中心に考えることだというふうには思います。
 佐藤先生、いかがですか。
【佐藤委員】  すいません、佐藤でございます。先生方ありがとうございました。
 先生方の御発言聞いておりまして感じていることなんですけれども、ガイドラインなのかマニュアル、手引なのかという話のすみ分けももしかしたら必要なのかなという印象を受けました。
 そこで、これは寺島課長なのか分からないんですが、この手引であったりマニュアルみたいな、そういったタイプのものは今後作る何か可能性とか含まれているかどうか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【石川座長】  寺島課長、いかがでしょうか。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  現時点でマニュアルみたいなものを作るかと言われると、まだそれは決まっていないというか、そこまでは想定していないということでありますが、もともとこの議論を始めたときは、これはガイドラインであるので、基本的な考え方を示すものであるということは間違いないわけですけれども、他方で、複数の委員からありましたように、しかし学校現場で役に立つといいますか、見て分かるような性格もやはり整えなければいけないという、この2つの要請があったと思います。
 したがって、いわゆるマニュアルという形ではないとは思います。あくまでガイドライン、基本的な考え方を示すものであるんだと思うんですけれども、しかし参考資料のところで、具体的に見て分かりやすい、役に立つというところをどこまでできるかというところだと思うんですが、先ほど少し申し上げましたけれども、ただ、具体的な事例だけをやるということは、果たしてそれを満たすことになるのかどうか。やはりガイドライン、基本的な考え方ですので、一般化するような形というのも必要だと思うので、ここは程度というんでしょうか、最後のどういうふうにまとめ上げていくかということだろうと思うんですが、そこのバランスを見ながらやっていくということだろうと思うんですけれども、ただ性格として、マニュアルというようなところまでは、ここは求められていないのかなというふうには、そういう理解をしております。
 以上です。
【佐藤委員】  よく分かりました。ありがとうございます。
【石川座長】  あと、この点に関しては今後の議論の中で、あるいは具体的なものが出てきた中で、また議論させていただければと思います。
 では、1章の最後に、今井先生、お願いします。
【今井委員】  今井でございます。前回欠席いたしまして申し訳ありません。
 それで、よく分かっていないところもあるんですね。実は昨日送られてきた資料も事前に読むことができずに、不理解のまま、理解をしていないまま発言するのかもしれなくて申し訳ないんですけれども、全体的に、やっぱりこういうガイドラインにしろ、誰に向けてというのをはっきりさせて、階層性持たせるって大事だと思っていて、いろいろとてんこ盛りになって、どんどん、どんどんボリュームが増えて、あれもこれもというと、結局、誰も読まないと思うんですよね。なので、現場の先生に向けてのポイント、それから教育委員会に向けてのポイント。
 この中には事業者に向けてのポイントというのは含まれないんですか。すいません。その辺も私、ちょっと理解できていないんですけれども。
【石川座長】  その件に関しては一度議論になりまして、事業者に関しては、ここではない。
【今井委員】  ないということなんですね。
【石川座長】  総論で言うことはあるとしても、具体的なものではないということなんですが。
【今井委員】  じゃあ、ここでは主に先生向けと教育委員会向けということなんですね。それでよろしい……。
 また、あと一般の社会向けとか、保護者向けとか、それも入っているんでしょうか。
【石川座長】  教育関係者は全部入っているということで、それをどこまで、どういう形でやるかということで、階層性を取ることと、それから誰に向けて発信するか。この記述もそうなっているんですが、教育委員会向けと先生向けと生徒さん向けに関して分けて書くべきではないかという議論はありまして、先生の大学なんかも今、大学のホームページは保護者向けとか学生さん向けとかで別のタグができているように、そういった形のものになるのではないかということで、この記述が出来上がっているということであります。
【今井委員】  なるほど。すいません。何か本当に私、私自身がすごく、こういうガイドラインとか指針とかの長い文章を読むのがとっても苦手なんですよね。1つ時間もないということもあって、すごく苦手なので、何か今の書きぶりだと、本当どこを読むべきなのかというのが、それぞれの立場の人が、ちょっと明確でないのかなという感じがするので、自分の立場として、どこを一番読めばいいのかというのが分かりやすいほうがいいのかなというのと、あと、これまでの御議論にもあったんですけれど、全体的な、抽象的で大切な一番の指針というのと、それから個別の事例というのは、やっぱりリンクは分かっても、一緒のところに書いてしまうと混乱するかなというのはあるので、それは分けたほうがいいのかなというような気はいたします。
 私、認知科学で、人がどういうふうに解釈するかという、どういうのが読みやすいのかということもなんですが、どう誤解するのかということに非常に興味がありまして、割とやっぱりこういうふうにたくさん抽象的なもの、具体的なもの、てんこ盛りにしてしまうと、何かあらゆるところで読んだ人は自分の解釈をして誤解するんじゃないかなという気がしているので、すいません、その辺りももう少し考えたほうがいいのかなということは思いました。
【石川座長】  ありがとうございます。以前に出た議論を今井先生なりの言葉でお話しいただいたというふうに受け止めさせていただきました。
 それでは、時間がありますので、次に移りまして、2章ですね。利根川委員はじめ2章に関連するようなことを御発言いただいているんですが、層を1段下に落としました、この2章のところで何か御発言いただける委員の方いらっしゃいますでしょうか。
 藤村委員、どうぞ。
【藤村委員】  ありがとうございます。実は今、座長おっしゃっていただいたように、1章とか3章とも関わりながら、2章のところでちょっと述べたいことがありましたので、お話し申し上げたいと思います。
 まず、今までの議論のとおり、このガイドラインがきちんと現場に浸透することが最も重要だというふうに考えております。その中で私が本当に大事だなと思っているのは、4ページ目の22から26行目のところにあります、教師の重要性ですね。やはり教師がどう捉えて、よりよい教育に生かしていくのかという視点と、もう一つは、教師にも一定のAIリテラシーが求められるというところでございます。
 私ども教職課程を擁する大学の学部・大学院の立場から言いますと、現場の先生方がこれらを読んで分かるというのは極めてハードル高いんじゃないかなと考えておりまして、そのときに、教職課程有する学部・大学院の役割が大事だということをここに記述していただき、そして教育委員会支援に当たることですとか、そういったことも述べていただけるとありがたいなと思っています。
 それを実現させるために、実は1のところに戻ってしまうんですが、関連で述べさせていただくと、対象が教職員や教育委員会等の学校関係者という部分はよいんですけれども、読み手が教職員や教育委員会等の学校関係者が読み手としているところをちょっと改めて、ぜひ教職員や教育委員会、教職課程を有する学部・大学院等の学校教育関係者というふうに読み手のほうは広げていただけるとよろしいのではないかなと思います。
 私どもの鳴門教育大学では必修科目のSociety5.0に向けた教育の情報化・情報教育という授業で既に生成AIに関する授業を扱って、現場の先生方にも、教育委員会にも、いい効果を上げています。
 特に教職大学院のほうについては、一般の教員だけじゃなくて、校長、副校長、教頭、教育委員会の指導主事等も学んでいますので、これらの趣旨、内容、ポイント等をきちんと伝えていくということができますし、また教員養成大学が教育委員会支援を行うということも期待として述べていただくといいなと思っております。
 これに関連して、次のところとも少し絡んでしまうんですけれども、次のポイントが共通、教職員、児童生徒で教育委員会みたいなふうになっているんですけれども、その一番最後に述べるか、もしくは2のところで述べるか、いずれかで、教職課程を有する大学、学部・大学院に期待することとして、今まで述べたようなことを記述していただくとよいのではないか、そのように考えました。
 以上でございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。今、普通の会社、DX導入に関しては社内教育を徹底しているという観点からしますと、教育現場において、教師の再教育あるいはリテラシー教育というのはどのような形でやるかも含めて議論が必要かなというふうには思います。
 次が佐藤先生、どうぞ。
【佐藤委員】  ありがとうございます。私のほうからは4ページの28行目以下になります。
 前回、鈴木委員がおっしゃっていたんですけれども、現行の学習指導要領に即した形にすべきだと私も考えております。その意味では、情報モラルの観点を必ず触れるということだと捉えています。
 情報活用能力の定義についても私お話しさせていただいたところですけれども、特に情報モラルが含まれているところを示していまして、中には情報には誤ったものがあるとか、知的財産権などの話があります。そういったところは生成AIに関連した記述だというふうに捉えています。こういったものに関しましても、ハルシネーションそのものと捉えていくというふうな考え方だと捉えています。
 次期学習指導要領に関しての議論というのは、中教審とか、別のところで行われているわけですけれども、このガイドラインに関しましては、今、現場に生きていくというような観点と、それから生成AIが日々の中で常に進化して速い速度で変わっていくというふうに考えていきますと、まずは現在の学習指導要領の範囲できちんと関連を示していくということが大事なのかなと捉えているところでございます。
 以上になります。
【石川座長】  どうもありがとうございます。
 続きまして、利根川委員、どうぞ。
【利根川委員】  ありがとうございます。この人間中心というコンセプト、すばらしいというふうに思っています。その上で、じゃあ人間が中心だとして、AIはどこなんだという話が書かれないと、AIを消してしまうように、ともすると認識されがちかなと。先生は今までと同じように頑張っていけばいいんだ、みたいになりそうなところをちょっと懸念しておりまして、じゃあ何なのというと、例えばマイクロソフトさんですとCopilotと言っていたりするわけですけれども、やっぱり脇役、副操縦士なわけですよね。なので、脇役として学習のパートになり得るという点を示すというのが、私たち、これも研修で学校の先生方とお話しすると、なるほどなというふうに言っていただいています。
 例えば私が見させていただいたのが、作文の学習をするときに、従来だと先生からのフィードバックが大分時間差があって来るものが、児童生徒が生成AIに相談すると、非常にタイムリーに、よりよい表現を考えていけるところがありましたので、人間中心というコンセプトのところに、じゃあ中心の隣に脇役としてのパートナーのAIというのを示していただけると、より的確な形で伝わるんじゃないかなというふうに感じました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。先ほど藤村委員もおっしゃっていましたが、教師の重要性は変わらずという表現は、むしろ教師の重要性はもっと増しているのではないかと。変わらずではなくて、教育のプロとして、現場を仕切るプロとして、重要性が増しているというような感覚を持って、今、利根川委員もおっしゃいましたように、学生と教師の関係を生成AIが入ったことによってどう持っていくかというのは、教師の側のスキルが問われているというふうに思いますし。
 どうぞ、利根川委員。
【利根川委員】  確かに、一方で、そこが難しいなと思うのが、何か一方で安心してもいけないかなといいますか、先生方に、この役割は引き続き重要であるが、絶え間なく、こういうところにキャッチアップしていく、それによってよりよい教育をつくっていくんだということを、この委員のみなさまであれば理解されているかもしれない。ちょっとそこも含めた、この文章の中に落ちてくると、よりよいんじゃないかなというのを今、藤村先生、座長からの発言で感じた次第でございます。私も、教員の役割はとてもますます大事になってはいるが、アップデートは必要というところはあるかと思っております。
【石川座長】  今の利根川委員のよりよい教育に向けてという言葉は、何となくいい言葉のように受け取りました。
 では、次に細田委員、どうぞ。
【細田委員】  よろしくお願いします。皆様、この2つ目のパートのところで御発言の方々のおっしゃっていること、まさにそのとおりだなと思っておりまして、そういう意味からも、ここの第2章が大変重要になってくるといいますか、哲学になってくるのかなというふうに思っております。
 それで、利根川委員もおっしゃっていたように、そして座長もおっしゃっていたように、人間中心の学校現場における利活用というのが、これこそが、AIをよりよく使って、教育活動をよりよくしていくための、これから私たちが皆が意識をしていくポイントになるというふうに思いまして、具体的に申しますと、例えば8行目から9行目にありますように、短期的に活用すること自体を目的とせず、何のために活用するのかという目的意識ということで、これ現行の、そして次期学習指導要領の具現化において、AIの活用が非常に効果をもたらすことができるという観点でもって、我々教師、教育に関わる者が常に学び続けていく、つまりアップデートしていくことが大切なんだよというのを、ここでしっかりうたっていただくことが大切であり、そして、藤村委員もおっしゃっていたように、22行目から26行目にかけての辺りで、教師も、そして教員養成、これから教師になっていく卵たちも、学び続ける力こそが大切だということを、ここでしっかり教育活動に従事していく、みんなに理解していただくような書きぶりになっていくことが非常に重要だというふうに思います。
 度々いろいろなところで発言しているんですけれども、AIを活用した授業が、自分が教えている内容の目的の達成に対してどう効果をもたらしていくような授業ができるか。つまり、授業デザイン力を非常に重要に、そしてそれを多くの教員たちに腹落ちしてもらいたいというような、この第2章にしていただけるといいなというふうに思います。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。具体的な文章は難しいかと思いますが、精神はそういうことかなというふうに思います。
 続きまして、今井委員、どうぞ。
【今井委員】  ありがとうございます。この文書のボリュームとして、やっぱり何か個別の先生たち、学校現場に対して、すごくボリュームが大きくて、教育委員会に対してのボリュームがちょっと足りないのかなというような気がいたしまして、今までの議論をお聞きしていて、私もそのとおりだなと思うのは、本当に大事なのは教師教育なのでは、教師教育というか、やっぱり先生たちの支援というのが大事なのかなと思うんですね。それなくして、それがないと本当に何か、特定の何人かの先生は実現できるけれども、そうじゃなくて普通の方たちは、どういうことが世の中で起こっているのかもよく分からないし、自分が何をしたらいいのかも分からないような感じで。
 だから、特定の先生が、それこそパイロット校のようなところの先生が、こういうことできるんだよというような、そういう事例を示すのも大事だと思うんですが、一般の学校で、やっぱり何か多くの方は、それって特別な支援がある特別な学校の特別な先生がしていることだよねというふうに思いがちだと思うんですね。
 それに対して、そこを何とかできるのは教育委員会の役割だと思うので、教育委員会の役割や重要性というのをもう少し明確に書いて、やっぱり教育委員会が中心になって、先生たちの研修をしたり、それこそ教育学部と連携をしたり、そういうようなところで、先生たちのサポート、教師の再教育というか、教育の重要性みたいなのは、もっともっと手厚く書いてもいいんじゃないかなと。
 そうじゃないと、幾ら個別にこういう姿が大事ですよというのを、対象があまり明確でないまま。多分、多くは教師向けなんだと思うんですが、やっぱり個別の教師の方がそれを全部受け止めるのはとても難しいので、絶対サポートが必要で、それについて明確に書くことはとても意義があると思います。
 以上です。
【石川座長】  今井先生、重要な御意見なんですが、それ3章の内容に関わってくる話。
【今井委員】  失礼いたしました。
【石川座長】  3章でもう一度というか、3章のほうでの議論に移ったときに、またお話しさせていただければと思います。
 続きまして、鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】  教員養成大事というのは本当にそう思っておりまして、先々週まで教育実習生を受け入れておりましたけれども、全部で12人見ましたが、大学の教職課程、ちょっと大丈夫かなというふうな感じが非常にしております。
 というのは、生成AIが登場することなんて考えていないでつくられた教職課程で今やっているので仕方ないんですけれども、レポートを作るのに生成AIを使っていても、生成AIを教育でどう使うかということについては全然考えていないんだなということが分かりまして、非常に手応えのある教育実習でした。すいません。それはガイドラインとは関係ないんですけれども。
 私も、さっき佐藤先生が御指摘されていた28行目からのところで、情報活用能力との関連なんですけれども、ここ、もちろん大事なんですが、読ませていただくと、黒ポツの1つ目と4つ目は、情報活用能力ももちろん大事なんだけれども、学習指導要領の全体との絡みも大事というふうなことを述べているように思うんですね。となると、この(2)を「生成AIを踏まえた情報活用能力の育成強化について」というタイトルにするのか、あるいは「学習指導要領との関連について」みたいなタイトルにするか、あるいは学習指導要領との関連は別のところに持っていって、1個上げて、ここは「情報活用能力の育成強化について」ということで、逆にもう少し詳しく書くか、ちょっとそこはどちらかかなというふうな感じがいたしました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。大変重要な御指摘かと思いますし、悩みどころではないか。文章表現で。内容に関しては皆さん御同意いただいていると思うんです。ガイドラインとしてまとめる際の、まとめ方のポイントとしては重要なことを御指摘いただいたかと思います。ソリューションがあるかどうかはよく分からないところがある。どういうふうに書くかは今後検討させていただくことになるかと思います。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、3章に移りたいと思います。3章、もう1層だけレイヤーを下げたものになりまして、中には、先ほど今井先生から御指摘のありました件も含めて記述してありますので、この点に関して御意見があれば、よろしくお願いいたします。
 藤村先生、どうぞ。
【藤村委員】  ありがとうございます。3章の今書かれているものについては何の異論もございませんので、ほぼこれでいいのかなと思っているんですが、先ほど少し議論に出た学校関係者、学校教育関係者としての保護者に対してどういうお願いするのか、どういう啓発をしたらいいのかという点について、こう起こすと先生方は助かるんじゃないかなというふうに思っております。
 といいますのも、現在の生成AIの利用規約を見ますと、保護者同意があって初めて使えるという、そういうような状態なものですから、そうだとすると、どういうことをお願いして、どういう説明をして、その上で、こういう手順で保護者同意を得てくださいということが必要ではないかなというふうに考えました。
 それともう1点、生成AIに関して言うと、学校で使うだけではないと私は考えております。つまり、先生の目が届かないところ、それから保護者の目の届かないところで子供たちが使うことが十分あり得ると思っていますので、適切な判断力を養って、先生が見ていなくても、子供が見ていなくても、やっていいこと悪いことを適切に判断して使えるようにしなきゃならない。それは先生方、教育委員会等が押さえるべきポイントにあるんですけれども、保護者が、じゃあ、どうしたらいいのかということも先生方が啓発できるようにすることで初めて、両者の目がなくても適切に判断して適切に活用できる子供育つかなと思ったので、1個追加してはどうかなと、そのようなことを考えました。
 以上でございます。
【石川座長】  ありがとうございます。保護者同意に関しては、(2)か(3)の中にということだと思いますね。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。佐藤先生、どうぞ。
【佐藤委員】  佐藤でございます。ありがとうございます。
 6ページ全体について、まず1つ目です。共通して押さえていくべきポイントについては、事業者ガイドラインの全体的な項目について抽象度高めにまとめているというような、そういうことで理解をいたしました。
 それから生成AIというのは、そもそもGIGAスクールで整備された端末であったり、校務支援システムであったり、そういったICT技術のあくまでも1つの要素として捉えていくべきだと考えています。
 それからバイアスなどに関しては、確かにほかのICTに比べると特徴的だと思うんですけれども、これはAIを使うということだけではなくて、ふだんからそれが習慣化されていくことが非常に大事だということも情報活用能力の観点から言えると思いますので、何か書き方によっては誤ったメッセージになってしまうのかなというような印象があるので、そういったことに留意してガイドラインに書いていく必要があると捉えています。それが1つ目です。
 2つ目が、13ページの教育委員会の位置付け、義務付けとか、一律の禁止とか、そういったことに関してです。
 位置付けのことについてはいいと思っていますけれども、様々な利用形態を考えていくと柔軟な対応ができるような、そういったガイドラインにしていく必要があると思っています。
 ただ、よくGIGAスクール構想で一律に何かを禁止みたいな、そういった話が時々聞かれるわけですけれども、そういったことにはならないようにしていくのが1つと、もう一つは、教育目的に照らし合わせての判断で使わせないということも選択には当然あるわけで、そこについても触れておくべきかなというふうに思っています。
 ただ、教育委員会に関しましては、学校現場に対して先生方、管理職から問われた場合、どういうふうに説明すればいいかということは準備しておく必要があるというふうに思いますし、そういった説明のルートであったりとか、そういったことも対応として何か示しておく必要があるかなというふうに考えているところでございます。
 いずれにしましても、一律禁止ということがよく見られてしまう現象にもなりますので、地方自治体の教育委員会の独自の解釈に陥らな過ぎず、そういったガイドラインの運用ができるような記述が必要だというふうに捉えています。
 以上になります。
【石川座長】  どうもありがとうございます。先ほどの今井先生の御意見も含めて、この(4)の中の記述方法ということだ。先ほど今井先生が、この(4)の一番下のポイント、ポツをもう少し強化したほうがいいということですし、佐藤先生いろいろと御指摘いただいた点をうまく表現していければいいかなと思います。
 では次、細田委員、どうぞ。
【細田委員】  よろしくお願いいたします。私も昨年度までさいたま市の教育長を務めていたという経験から、(4)の教育委員会が押さえておくべきポイントについて少しお話をさせていただきたいと思います。
 まず、ポツ4つなどについて言いますと、教育委員会ならきちんと押さえておかなくてはならないテクニカルな部分について記述がありますので、ここは本当に教育委員会としても頼りにするべきところだというふうに思っておりますし、大変助かる記述になると思います。
 最後の、先ほど今井委員もおっしゃっておいでで、それから藤村委員もおっしゃっておいでの研修の部分なんですけれども、ここを教育長としてつくづく考えていたというか、大切だと思っていたところは、教員養成からの採用、そして研修までの一貫した流れの中で、きちんとこの生成AIを教育活動の中に利活用できる力を、この養成、採用、研修までの一貫した流れの中で、とりわけ大学との協働をしながら充実したシステムをつくっていくことが非常に重要だなというふうに思っております。
 ここには実践を積み重ねている学校や教員と、そうでない学校の教員間での差が大きいということをうたわれているんですけれども、実はこれ、自治体間の格差も物すごくあるというふうに思っております。
 こっちのほうがもっとシビアな問題かなというふうに思っているんですけれども、これはデジタル、とりわけAIの教育活動における利活用という全く新しい分野であるので、新しい分野であると本当に差がつきやすい状況でございますので、この5つ目のポツのところを教育委員会としては十分に書いていただきたいと。
 とりわけ、繰り返しになりますが、教員養成から採用、研修までのこの一貫したところを、ここで少し記述をしていただけるとありがたいなというふうに思っているところでございます。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。大変重要な御指摘でありますが、自治体間というのをどう記述するか非常に難しいかと思いますので、記述は工夫しながらも御意見は受け入れる形にさせていただきたいと思います。
 我々の東京理科大学でも理系の教員養成、重視しているんですが、学生に聞くと、情報の教育担当にはなりたくないという希望が多く出てきます。理由はただ1つで、行った学校の全ての情報関係を任されてしまうので、それが嫌なので、情報はできないことにしておきたいという妙な力が働いておりまして、私、そういう場合には同時教育。同時教育って何かというと、新任の教員と中堅の教員とシニアの教員を全部一挙に教育しないと新任の教員を増やすことにはならないんだというような意見を申し述べているんですが、なかなかこれは実現するのが難しい案件だというふうに思います。
 吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】  ありがとうございます。まず6ページ目の16行目のこのセキュリティポリシーの遵守についてなんですが、もちろん遵守することも重要なんですが、これまでの議論でも出ているように、やはり一律に禁止したりというところをできるだけなくすというところも重要なポイントかなと思っておりまして、場合によっては、こういったセキュリティポリシーを盾に一律禁止されているところもあるかなというふうに思っておりまして、何が言いたいかといいますと、厳し過ぎるセキュリティポリシーは見直すことも重要なのではないかなと思うと、遵守とだけ書いてしまうと、これ遵守しているんだからという形で、一律禁止への導入になってしまう可能性もあるので、場合によっては、遵守や見直しをする余地もあるということは記述いただいてもよいのかなというふうに思いました。
 また、別の観点としまして、細かいところではあるんですが重要な点として、教員が利用するというポイントの中で記述が幾つかあったんですが、教員が利活用する場面で押さえておくべきポイントの6行目、7行目辺りで、生成AIの活用により、授業準備、採点・評価といったような表現が出てくるんですが、これはすごく言葉尻ではあるんですが非常に重要なポイントとして、採点・評価支援ですとか、児童生徒への対応支援ですとか、基本的には支援で使って最終的に判断するのは教員なんだということを把握してもらうためにも、あくまでも支援だったり補助なんだということを言葉尻としても入れておいていただけるとよいのかなというふうに思っております。
 もう少し言いますと、生成AIで評価の補助をすることはできるんですが、実は、そこまで精度が高くないということも分かっているんですね。なので、採点とか評価もできるんだと思ってもらわずに、あくまでも参考程度なんだというようなことを把握してもらうことも重要かなと思っております。
 続いて、教育委員会が押さえておくべきポイントというところで、この5行目の一律に禁止したりというところも非常にありがたい文章だなというふうには思うんですが、やはり生成AIに対する理解が足りていないと、児童生徒が使うということと教員が使うということが一緒くたになってしまっているんですね。多くの先生方は、何も知らないと、生徒、児童が使うというところにフォーカスしやすいと思うんですが、やはり教育が使うというところにも非常にポテンシャルがあると思っていまして、もちろん校務利用をすることで、校務で活用することで効率化されて、それが結果的には働き方改革にもつながるという点では、実はこういった一律に禁止したりしないでねという言葉に併せて、そもそも児童生徒が使うということと教員が使うということは違うんですよということを理解してもらうような文言も入れてもらえると、より一律に禁止しないほうがいいことが分かるかなと思いまして、もう少し、何でこういうふうに一律に禁止しないでほしいのかだったり、そもそも、先ほどお伝えしたような児童生徒の使い方と教員の使い方って実は全然違うというところは押さえておいてもらえると、より教育委員会が動きやすくなるのかなというふうには思いました。
 私からは一旦、以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。多分、委員の皆さん、同じ思いを持っていらっしゃるんですが、具体的にどういう文章でというのがなかなか難しいので、ぜひとも吉田委員のほうで、うまい表現を探していただければなと思います。
 それから教育情報セキュリティポリシーの遵守という言葉も、これも表現の問題になってしまうかもしれませんが、当然のことながら最新のものを使うとか、それから改変に対して敏感になってほしいとかいうのを入れ込むのはよろしいのではないかなと思っております。
 支援とか、それから生成AIの原理をよく理解してということは当然でありまして、例えばお医者さんは絶対、生成AIの結論をうのみにはしないというのが常態化していて、最終決断をお医者さんがやるんだということを明記してあるので、そういうことが常態化するような方向へ持っていくのがいいのではないかなという気はします。
 続きまして、鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】  お願いします。9ページの一番最後の27、28のところなんですが、「管理職等は教職員が生成AIをどのように利用しているのかモニタリングをしておくことも重要」とあるんですけれども、モニタリングってどれぐらいのことを想定されているのか分かりませんが、相当難しいんじゃないのかなというふうな気がします。
 どちらかというと、教職員がどう使っているかを監視するというか、管理するというような方向よりかは、どう使ったかを学校の中できちんと情報共有するように努めるとか、さっきから教職員格差のこととか出ていますけれども、それが解消されるようなことを管理職は積極的に行うべきですよというふうなことを書いたほうがいいかなと思いました。
 それから、もう1点、よろしいですか。ちょっと違うところになって申し訳ないんですけれども、3番の児童生徒のところのマル1の6行目からのところなんですが、この生成AIの活用ステージとして4つの段階が挙げられています。この4つの段階の説明、私も前、使っていたんですけれども、最近やめるようにしているんですね。というのは、この段階という言葉を使うと、この順番でやらないといけないんだろうというふうに思われがちなんですね。
 ですから、生成AI自体をまず学ばなきゃ駄目なんだろうと。次に使い方を学ぶのが来るんだろうというふうに先生方に思われがちなんですが、実際には、国語とか社会とかの授業の中で、3番目にある各教科の学習に生かしながら、1番目の生成AI自体について学んだりするんですよ。そういうふうなものなんですよということが、恐らくこの中でいうと、「それぞれ往還しながら」というところに込められているのだと思いますが、やっぱり「段階」という言葉は強いので、「段階」はやめて、例えば「場面」という言葉に変えるとか、あるいは「生成AI自体を学ぶ」だけにするとか、何かちょっとそこはいじったほうがいいかなというふうに思いました。
 以上です。
【石川座長】  どうもありがとうございます。最初のポイントの管理職等はというのは確かに、管理職が生成AIにたけていない人がモニタリングすると大変なことになるというのは推測の範囲内だと思うので、これ管理職、どう変えればいいかな、ちょっと思い浮かびませんが、きちんと教員間で共有でも、その中に誰も生成AIのエキスパートがいなければ変なことになるし、ここは、御指摘はごもっともだと思うんですが、文章というか、どういう表現にしてガイドラインに盛り込むかは考えるべきところかなと思っています。
 2番目の段階ということも、確かにおっしゃるとおり、もうちょっといい言葉があるといいなという感じを私もいたしました。
 ほか、いかがでしょうか。利根川委員、どうぞ。
【利根川委員】  ありがとうございます。まず、ちょっと細かい点を2点ほどと思います。
 6ページの30行目、公平性・バイアスのところですね。これ非常に大事な観点であるんですけれども、不当で有害な偏見、差別ってなかなか大層なことが書いてあります。これが駄目なのはもちろんそうなんですけれども、何かもう少し手前の、例えば社長って画像生成すると男ばかり出てくるとか、そういうケースも含めてケアされる書き方に、もう少し広げる必要があるのかなというふうに思っております。
 そんな目で、このバイアスの項目を読み解きます。ちょっと主語がともすると分かりにくいかなと思いまして、ハルシネーションと同じで、何らかのデータの偏りがあるので、AIの側がバイアスを持つ可能性を否定できないことを念頭に、人間の側が批判的に見る必要がある、その辺りが大事かなと思っておりますので、もう少し間口を広げる部分と、人間の側がそういう、AIがバイアスを持つという可能性を含めて捉える必要があるという書きぶりがいいかなというふうに思っておりました。
 細かいほうが、もう1個です。一番最後、13ページの教育委員会の23、4、5、6辺りのところですね。この24行目、域内の先行事例というふうに書かれているんですけれども、この域内というのは私、取らなきゃいけないかなと考えておりまして、これ五、六年前、プログラミング教育、小学校で始めようというときに何が起こったかというと、マルマル市プログラミング教育事例集とか、マルマル県プログラミング教育何とかモデルみたいなのが出てきました。ただでさえ忙しいのに、こういうものを作ることになり、しかも、それがすごくいいんだっけというと、必ずしもみたいなところがある中で、AIについても同じようなことが起こるのではないか。
 恐らく郷土の学習だったら域内でやればいいんですけれども、別に全国でそこまで違う話ではないので、域内という単語は、これ明確に取ったほうがいいかなというふうに考えております。
 じゃあ、その上でどうしたらいいのか、研修の実施と書かれているんです。ここについても2要素あるかなと思っておりまして、1つが、まさに吉田先生とか、鈴木先生とか、みんなのコードもやっておりますけれども、まずは外部の研修も含めて積極的にやる必要があるかなと思っております。この間も何々市に来てしゃべってくれないかとか言われたりもするんですけれども、なかなか身がもたないところもありますので、外部とかオンラインとかも含めた研修ということを、逆に加筆していただけるといいかなと思っているとともに、理解・活用の事例を探るというところもあるんですけれども、何より大事なのは、実際、自分で手を動かして何か生成させるということですので、その体験するというところが研修に当たっては大事ということも加筆いただけるといいかなと考えております。
 その上で、細かくない点。もう1個、すいません、細かい点、ありましたね。今の4段階というところ、児童の利用の段階という表現があったかと思うんです。その中に要素。
【石川座長】  11ページ。
【利根川委員】  11ページの6行目辺りですね。段階とかいうよりかは、要素みたいな書き方は1つ、可能性としてはあり得るかなと思いました。
 最後に一番言いたい点は、特に(3)の(2)、ページでいうと11ページの(3)のマル2ですね。生成AIを使って学ぶ際のポイントになっているんですけれども、これは5個あるんですけれども、5個が何か留意ばかり並んでおりまして、こういう方向で、ポジティブ面といいますか、そことのバランスをもう少し取ることはできないんだろうかということでございます。
 冒頭も言いましたけれども、AIのパイロット校などの実践では、英語とかプログラミング言語、先ほども言いましたが、作文ですとか、総合でディスカッションを豊かにするとか、日本語が母語でない児童生徒の有用な活用の姿も見られましたし、第4回までのこの会議の中でも様々な事例発表があったように、こういう可能性があるんじゃないかというところも、初版のほうだと活用が考えられる事例の話がありましたが、そちらについても記載があると、バランスの取れたポイントの例示になるかなというふうに考えております。
 私からは以上でございます。
【石川座長】  どうもありがとうございます。非常にいい御提案をいただいたような気がします。
 次は、江間委員、どうぞ。
【江間委員】  ありがとうございます。今の利根川委員と似たようなところではあるんですけれども、これは6ページですね。公平性・バイアスのところと、その次の透明性、関係者の説明責任のところで、ちょっと表現が気になったので御提案です。
 4に関しては、もう既におっしゃっていただいたので、そもそもAI自体はバイアスがあるので、そこの利用には気をつけましょうねということで、恐らく、人間中心のAI社会原則のとかも御覧になって作っていただいているのだなと思うんですけれども、あれは、事業者が作るときにこういうことが出ないように気をつけましょうねというところが前提にあったので、こういう書き方にはなっています。利用する側からすると、バイアスがあるということを踏まえて使っていきましょうねという書き方になるので、そういう意味で、主語というところを、まさしく適切におっしゃっていただいたかなと思っております。
 バイアスへの配慮というのはちょっと日本語としておかしいような気もするので、そこは日本語として、考えていただいたほうがいいのかなと。公平性をとか、バイアスが行われることに関してのちゃんと理解があって、そういうことをちゃんと、配慮という言葉なのかな、避けるようなというか、そういうようなことを考えていくということかなと思います。
 5番目なんですけれども、説明責任をどう解釈するかというところですが、説明責任は、いわゆるアカウンタビリティと言われているものであって、日本語だと説明をする責任と捉えられがちではあるんですけれども、なので情報を提供する、説明をすることが重要というような言葉になっていると思います。
 ただ、このアカウンタビリティという概念自体は、ただ説明をすればいいというだけではなく、そこにおいて、きちんと利用者側と関係者と対話をし、問題が起きたときには、ちゃんとそこの責任を取るという意味で、アカウンタビリティという本来の言葉がございます。
 ですので、人間中心の社会原則のほうも、あからさまにそこまで責任をどこが取るかをちゃんと把握しておけというところまでは実は書いてはいないんですけれども、先生方によってはアカウンタビリティの訳を答責性、答える責任の性質というような形で訳すのが本当は適切だろうというふうにおっしゃっている方もあるので、その点を踏まえたニュアンスを出していただくのがありかなと思っています。
 そこまで行けないとしても、例えば人間中心の社会原則のほうの中では、きちんと対話をしていくということが、この説明責任、分かれているところにあり、それに対して、AIを安心して社会で利用されるための信頼性を確保する仕組みが構築されるべきということが書かれてはいるので、せめて情報を、ただ提供して終わりではなくて、そこに対してきちんと対話を行っていく、適切に対話を持つような場をつくっていくというような言葉が入っておくことが大事なのかと。それが恐らく、今まで御議論にありましたような保護者の方への説明ですとか、そういうところも含まれる内容になるのではないかなと思います。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。説明責任っておっしゃるとおりなんですが、例えば責任を持って情報を提供するとかという言葉あたりではどうなんでしょうか。
【江間委員】  提供だけではないということを私は問題を提起したいなというところが本筋でありますので、提供をし、適切な対話の場を持っていくことという、そういうような話を出していただけるほうがよろしいのではないかなと思っております。
【石川座長】  ありがとうございます。
 では、続きまして鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】  度々すみません。11ページのところなんですけれども、一番最後のところで、さっきもお話ししたのと同じようなところではあるんですが、言語モデルに内在しているバイアスの観点も踏まえて、児童生徒がどのように利用しているのかモニタリングをしておくことも重要とあるんですが、これを入れて、そうか、モニタリングできないとAI使っちゃ駄目なのかということになると、中学、高校であっても、例えばChatGPTみたいな、素の生成AIは使えないということになると思うんですね。それでいいのかどうかということ。
 それから、もっと大きく言うと、児童生徒が生成AIに打ち込んだものを教師が全部見られてしまうみたいなことが果たして本当に教育的にいいことなのかどうかというところは、やっぱりちゃんと議論したほうがいいところだと思うんですね。そこまでは、ここのガイドラインの会議でちょっとできないだろうと思うので、これはなくてもいいかなというふうな感じがいたしました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。そうですね。ここは難しいですね。
【利根川委員】  今の観点、よろしいですか。
【石川座長】  どうぞ。じゃあ、利根川委員。
【利根川委員】  まさにモニタリングできるのを、そういう環境を提供している部分もあって、一言申し上げたいと思います。
 まず、私たちの教材、機能的にはモニタリングができる状態になってはいるんですけれども、実際、子供たちが使うと、すごいみんなが会話をするので、先生が逐一見るというのは現実的ではないというのが、まず、そもそも実態として起こっているところです。
 その上で、私たち自身としても、別に子供たちが適正に使えるようになるよねとなれば、ChatGPTとか、ほかのプロダクトを使っていただくのはよいことかなというふうに考えておりますので、落とさないにしても、何か児童生徒のAIのリテラシーとかを含め、鑑みて必要だ、必要な場合はモニタリングできる環境を整えることが重要とか、そういったところになるかなというふうに思っております。
【石川座長】  ありがとうございます。モニタリングという言葉が多分いろいろな意味で使われちゃっているところもあるかもしれないですね。
【利根川委員】  そうですね。なので、全体的な傾向とか、一言一句見るというよりも、じゃあ例えば、夜中まで使われているぞみたいなのとかはできるのではないかとか、あと実際、第2回でも申し上げましたように、コンテンツフィルターに当たっている状況とかはちゃんと先生が見れるようになっているかとか。モニタリングって書かれると、どのように捉えられるか不安だなというところはありますので、あくまで補助輪、補助線のようなものというふうに思っております。
【石川座長】  ちょっと定義が難しいところでありますが、皆さん御発言を聞いていると、総論として全体を何かうまくいっているかどうかは知りたいけれども個別のことまでは知る必要ないんじゃないかというのを、どう表現するかだというふうに感じました。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 今日はポイントの整理ということで、いろいろなポイント、重要な御指摘をいただきまして、あと、キーになる単語に関しては文言も注意しながらガイドラインをまとめていくことになるかと思います。
 皆さんの御意見、割とまとまりつつあるように私は感じておりまして、表現の違いは大分ありそうな気はするんですが、考え方の心の中、ここのコンセプトのところは大分まとまっているような気がしますので、最後のガイドラインまでステージが上がった場合には、ぜひともいろいろな表現の案を出していただいて、いいガイドラインにしていければいいかなと思っております。
 それから議論も階層性、御理解いただいているし、受け取る側が複数あるとマルチにコンセプトを出さなきゃいけないということをどう表現していくかということも皆さん御理解いただいているので、そういうふうにしたいという理解と、それからそれが難しいということも御理解いただいていると思いますので、今後ガイドラインまでステージが上がった場合には御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 もしほかに御意見がなければ今日はここで終わりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 本日も活発な御議論……。吉田先生、どうぞ。
【吉田委員】  ありがとうございます。今後の予定についてお伺いしたいんですが。次のステップとしては、今回のディスカッションをベースに、例えば目次案ですとか、参考資料を具体的に、ある程度検討していただいて、それらをベースに我々がディスカッションしていくということなのか、そして、あと何回こういった議論を重ねて最終的なガイドラインを作成するのかという今後の見通しについても御共有いただけないでしょうか。
【石川座長】  じゃあ、寺島課長、どうぞ。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  会議日程自体はまだ決定しておりませんので、いつ、あと何回やるかということ自体、まだ決定していないという状況ではありますけれども、一番最初、第1回の会議で示した資料では秋冬頃をめどにまとめるということ、それを目指しながらやっているということでございますので、会議日程は、先生方の日程もありますので、まだ決まっていませんし、あと何回とか、いつとかということはまだ決まっていない状況ではありますが、先ほど座長おっしゃいましたように、まだ今ポイントの議論をしていますけれども、少しずつこのガイドライン本体の改訂に向けたステップに進めていかなければいけないということは、今、座長からもお話がございましたので、また座長と相談しながら次回の持ち方はお知らせをしたいと思っております。
【吉田委員】  ありがとうございます。かなり具体的な多分、目次案ですとか、文言レベルでも重要なポイントが出てくるとも思いますので、そういった議論に進められるように、御準備大変になってしまうかもしれませんが、その目次案であったり、目次の中に具体的にこういった要素を入れるですとか、参考資料にはこういったものを具体的に入れるというような案をいただけると、よりコメントもしやすいのかなというふうにも感じました。
 以上です。
【石川座長】  ありがとうございます。私も事務局からいろいろと御相談を受けているんですが、世の中の変化が激しいものですから、早く出すというミッションと、これをまとめるのが難しいという観点がちょっと相反しておりまして、急いでやって変なものを出すのは嫌だし、ゆっくりやって遅れているのも嫌だしということで、今、鋭意努力している最中のようですので、もうちょっとだけお待ちいただければなと。吉田委員のおっしゃるようなことは、おいおい出てくると思いますので、年内というあたりは1つの努力目標になっているということで御理解いただければなと思います。よろしいでしょうか。
 本当にこれ、いいものを作ろうと思うと、もっと議論しなきゃいけないんですが、例えば1年後に出したところで意味ないわけでして、それをどうするかというところに悩みがあるということでもあります。
 ほか、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、本日、活発な御議論、今日は大分充実した議論になったかと思います。ありがとうございました。
 今回いただいた御意見を踏まえて、次回以降は、今、議論になりましたように、ステージを少し上げたガイドラインの改訂に向けた議論になるかと思います。
 事務局のほうで必要な資料、吉田委員の満足できる資料かどうかは分かりませんけれども、それに近づく資料を用意していただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、次回の予定について、事務局から説明をお願いいたします。
【渡部学校デジタル化PTサブリーダー】  事務局から御案内させていただきます。
 次回の本検討会議の日程につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。
【石川座長】  それでは、本日予定した議事はこれで全てですので、これで終了とさせていただきたいと思います。本日、御出席どうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

 

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