令和6年9月20日(金曜日)13時30分~15時30分
文部科学省 WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式(傍聴はYouTube Live上のみ)
【無藤座長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会(第12回)を開催いたします。
本日は御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございました。
本日、私は今、文科省のほうにおりますけれども、対面で御出席の方が7名、オンラインで御出席の方が10名、合計17名、つまり、全委員に御出席いただきました。
本日の会議の資料などにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【横田幼児教育企画官】 本会議は、ウェブ会議と対面による会議を組み合わせたハイブリッド方式にて開催をさせていただきます。会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、御理解のほど、よろしくお願いします。
また、本日は傍聴の御希望をいただいた報道関係者と一般の方向けに本検討会の模様をYouTube Liveにて配信しております。加えて、報道関係者の方々から撮影及び録音の申出を頂戴しており、これを許可しておりますので、あらかじめ御承知おきください。
本日の会議資料につきましては、議事次第にございますとおり、資料1、2と参考資料1、2となっております。よろしくお願いいたします。
【無藤座長】 ありがとうございます。
それでは、議題に参りますけれど、本日は2つのテーマについての御意見をいただきたいと思います。1つ目は、最終報告案、そして概要案をまとめましたので、それについての御意見をいただきたいと思います。
2つ目でありますけれども、本日が最後の有識者検討会となる予定でありますので、今後、最終報告を実行に移していくに当たって必要と考えられる方策、また、幼児教育の充実に向けた今後の展望や期待などについての御意見を頂戴したいと存じます。
それでは、まず、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【横田幼児教育企画官】 まず、初めに最終報告案について御説明をさせていただきます。資料1-1、1-2を御覧ください。
この最終報告案は、先月8月に中間整理を基に幼保小の9つの関係団体からヒアリングをいたしまして、関係団体の御意見や委員の先生方の意見交換などを踏まえまして、中間整理の内容の充実を図る修正等を行って作成をしたものでございます。
資料1-2は、中間整理からの見え消し修正案、そして資料1-1はその見え消しを反映したものとなっております。
本日は資料1-2を使いまして御説明をさせていただければと思います。時間の関係上、主な修正点についてのみ御説明をさせていただければと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、資料1-2の1ページから御覧ください。まず「はじめに」のところですが、冒頭、量の拡大から質の向上へということを1つ目と2つ目のパラで書いておりましたが、質の向上を前面に出した書きぶりにしたほうが分かりやすいのではないかといった御意見をいただきまして、1つ目と2つ目のパラグラフを削除しております。
代わりに3要領・指針が施行から7年目に当たることなどの記述を冒頭に持ってまいりまして、その趣旨を踏まえた教育の実現に向けて着実な実践が積み重ねられてきているところであることや、そして次のパラグラフでは、一方でいまだ多くの課題があること。そしてさらに次のパラグラフで、幼児教育は重要なものであることから、全ての子供が格差なく質の高い学びを享受でき、その後の学びへと接続できるよう教育の充実を図ることが必要であると、こういう流れに再構成をしているところでございます。
そして次に、少しページを飛びまして、資料9ページ目になります。遊びについてより正しく理解がされるようになお書きを追記しております。「なお、幼児からすると、遊ぶことそのものが楽しくて夢中になり、その豊かな遊びの展開の結果として様々な資質・能力が身に付くのであり、資質・能力を身に付けるために遊ぶのではないことに留意が必要である」と、こういった追記をしたところであります。
そして次に12ページを御覧いただければと思います。一番下の丸のところになりますが、発達の状況だけではなくて、幼児期の評価の捉え方、考え方、そういったことも保護者と共有していくことが必要ということで、「評価の考え方」の文言を追記をしております。
また、次の13ページのところですが、ICTの活用に当たって考慮することとして、低年齢児への弊害やリスクについても追加をしたところでございます。
そして次の14ページですけれども、上から2つ目の目パラグラフのところですが、文末の3行を削除しておりますが、この3行につきましては冒頭に持ってきたほうがいいという御意見をいただきまして、「多様性・包摂性のある社会、共生社会の実現に向けて、幼児一人一人のよさや特徴が生かされる集団を形成し、友達との関わりの中で、他者への思いやりを深め、互いの特性を受け止めるなど、幼児同士が共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むことにより、幼児のウェルビーイングの向上につなげるとともに、幼児が共生社会の担い手として育っていくようにすることが大切」だ。前に移動させて少し内容の充実を図ったというところであります。
そして次に15ページのところになります。外国籍の幼児のところについてですけれども、外国籍幼児といっても家族が日本語でコミュニケーションできる場合もあればそうでない場合もあるということで、「幼児や保護者が日本語をどの程度理解できるのかも含めて」ということで保護者についても追記をしたところです。
そしてまた、こういった特別な配慮を必要とする幼児への継続的な支援を可能にする体制づくりが重要であることから、一番下の丸のところになりますが、国及び地方自治体において支援していくことが求められることとして、「幼児教育施設の継続的な支援体制が充実するよう」という文言を追加をしたというところでございます。
次に17ページを御覧いただければと思います。幼稚園等における満3歳以上児の教育の接続のところになりますが、0歳から18歳の子供の発達や学びの連続性の観点も踏まえながら幼児教育の充実を図っていくことが重要であるといった御意見を踏まえまして、そういった文言を追加したところでございます。
そして次に21ページに飛んでいただければと思います。こちらは3番の幼児教育と小学校教育との円滑な接続のところでありますが、一番最後の丸になりますけれども、必要な条件整備の1つ上の丸のところ、脚注52番というものを追加しております。脚注52番では、「今後の教育課程、学習指導、学習評価等の在り方に関する有識者検討会」の論点整理について参照情報を入れております。こちらのこの論点整理は、一昨日の9月18日に文科省ホームページで公表されたものでありまして、本日の参考資料でもお配りしておりますので、そちらを御覧いただければと思います。
15ページを御覧いただければと思います。こちらが有識者検討会の論点整理になりますけれども、(3)の「学校段階間の連携・接続の在り方」、ここで幼保小接続についても記載をいただいているところです。
1つ目の丸のところで、学校段階間の連携・接続については、幼児教育から高等学校段階までの発達を連続的に支えるものとして重要であること。
そしてまた、2つ目の丸のところで、「特に幼児教育と小学校教育の連携・接続については、『架け橋プログラム』の成果も踏まえつつ、資質・能力の育成に向けて、幼児教育の学びと連続性のある学びを小学校教育でも実現するといった観点のみならず、小学校教育以降の資質・能力の育成に繋がる多様な体験をいずれの幼児教育施設でも経験できるようにするといった観点も含め、幼児教育と小学校教育が相互にその教育の良さを取り入れていくためにはどうすればよいか検討すべき」、こういった御提言をいただいております。
この関連する御発表として、四角囲みの米印になりますけれども、本有識者検討会の報告などについても参照情報として触れていただきまして、それぞれの有識者検討会の議論の成果について共有できるように付記しているところでございます。
そして、この有識者検討会の、すいません、資料1-2にお戻りいただければと思います。22ページになります。幼児教育担当部局の在り方のところで、教育委員会が一定の責任を果たす、組織体制を構築していくなど、書かれているパラグラフになりますけれども、そういった「役割を積極的に果たしていくため、指導主事等を配置し、指導力の向上を図っていくことが期待される」という文章を追加しております。
また、23ページのところになりますが、公立幼稚園がない場合にというところで、認定こども園のみならず、保育所も幼児教育の拠点となり役割を果たしていくことが重要であるということから、保育所についても明記をしたというところでございます。
そしてさらに25ページのところを御覧いただければと思います。地方自治体の研修のところであります。ここにつきましては、研修の機会としては、以前に比べて大分確保されるようになってきたところでありますけれども、その内容については少し課題があるという御意見を踏まえまして、研修については、「幼児教育施設が抱える課題やニーズ、国や地方自治体の政策の動向等を踏まえつつ、内容や方法について、随時見直しを図ることが求められる」としたところです。
また、公開保育についても多くの御意見をいただきましたが、「公開保育については、日常の実践を短時間で気軽に見合うなどの方法も考えられる。幼児教育施設の実情に応じて、可能な限り負担が無く、互いに気付きや学びを深めその意義や価値を実感できる方法を工夫して取り組むことが重要である」ということを入れております。
そして次に26ページから「幼保小の架け橋プログラム」の推進ということで入れております。一番下の丸のところになりますが、国においては、「幼保小の架け橋プログラム」を推進してきているところでありますけれども、全国的に見るといまだ十分とは言えない状況であるということ、そして27ページのところになりますが、「そのため」というところで、国においては地方自治体によって「幼保小の架け橋プログラム」の取組状況に差があるとの指摘があることを踏まえまして、「このような地方自治体の取組が全国的に行われるよう支援することが必要である」としております。
そしてこのページの一番下の丸のところになりますけれども、国や地方自治体において基本的な方針を示しながら、「幼児教育政策を総合的かつ計画的に推進することが重要である」という文章も追記をさせていただいたところです。
最後に「おわりに」のところになります。この1枚も追加をさせていただきました。この「おわりに」のところでは、これまでの議論の過程について様々な成果と課題について意見が出されたことについて簡潔に記載をいたしました。
また、関係団体ヒアリングで関係団体から出された意見につきましては、今後の検討に期待している点もあることについて記載をさせていただいたところです。
そして最後に、「文部科学省においては、こども家庭庁をはじめとする関係省庁、地方自治体」、幼保小の教育関係者と「連携・協力し、この最終報告の実現に向けて積極的に取り組んでいくことが求められる」という結びにさせていただいたところです。
続きまして、資料2を御覧いただければと思います。こちらについては概要案を作成しております。
1枚目が、有識者検討会の概要で、2ページ目、3ページ目が最終報告の概要としております。基本的には最終報告の目次に沿って作成をしております。本日、太字・下線を中心に御説明をさせていただきます。
まず、第1章では1番の「幼児教育の重要性」、2番の「幼児期の発達の特性」、また3番の「幼児教育の基本」について記載をしております。
2番の「幼児期の発達の特性」ですけれども、幼児期は活動意欲が高まる時期であり、幼児は直接的・具体的な体験をし、自分にとって大切なことを学び、身につけていく時期であるということ。
また、3番の「幼児教育の基本」では、その発達の特性を踏まえまして、「環境を通して行う教育」が基本であること、また、幼児期においては遊びを通しての指導を中心に行うことが重要であることを記載しています。
この点については、3要領・指針では明確であるものの、社会においてはより十分に共有されるべき基本的な重要な考え方であることから、この概要案におきましても十分にスペースを割いて記載をしているところであります。
また、第2章、1番の(1)「身体の諸感覚を通した豊かな体験」のところでは、家庭や地域において幼児の発達に必要な直接的・具体的な体験を十分に確保することが困難になってきている中、幼児教育施設において、安全・安心な場所で、幼児が自由に伸び伸びと遊びながら、様々な人やもの、自然や文化などと直接的・具体的に触れて関わり、豊かな体験をする機会を積極的に設けていくことが一層必要であること。
また、(2)では、「自発的な活動としての遊び」は、幼児期特有の学習である。一方、一部の幼児教育施設においては、幼児の発達にふさわしくない教育活動が行われているとの指摘があったこと。保護者をはじめ、社会においては幼児教育施設はただ遊ばせているだけとの誤解もあることを書いております。
そして幼児期は、遊びを通して楽しいと感じる多様な体験をしながら、小学校以降の生活や学習の基盤となる資質・能力を育んでいくようにすることが重要であり、国においてはこうした幼児期の発達の特性やふさわしい教育の在り方について、一層の普及・啓発に取り組んでいくことが必要であるとしています。
そして(3)の「幼児教育において育みたい資質・能力」のところでは、当該資質・能力と5領域のねらい、内容、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」との関係について、より実践的な調査研究を進めることが必要であることや、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」につきましては、具体的活用等について、研修などを通じて一層の理解・啓発を図ることが必要であること。
また、「幼児理解基づいた評価」については、幼児の発達の状況とこうした評価の考え方を保護者と共有し、幼児教育施設と家庭が一体となって幼児の成長を支える取組を進めていくことが大切であることを記載しております。
そして次の2枚目のページになりますけれども、「現代的諸課題に応じて検討すべき事項」として、(1)の「ICTの活用」のところでは、環境を通して行う教育の環境にデジタル環境が含まれることを明確化することや、ICTの効果的な活用方法、デジタル環境の整備、低年齢児への弊害やリスク、活用上の留意点について検討が必要であること。
また、(2)の「特別な配慮を必要とする幼児への指導」につきましては、特別な配慮を必要とする幼児への継続的な支援を可能にする体制づくりが重要であること。
「幼稚園等が行ういわゆる預かり保育」につきましては、より実践的な調査研究が必要であること。
(4)の「満3歳以上児の教育の接続」については、満3歳未満児の実態を踏まえながら、0から18歳の子供の発達や学びの連続性の観点、幼児期における教育の一貫性・連続性の確保という観点から充実を図ることが必要であること。
また、(5)の「幼児教育施設の役割」のところでは、地域の幼児教育の中核的存在として、地域の子供に幼児教育の機能と施設を積極的に開放して、様々な家庭や年齢層の子供が学びの環境に関わることができるようにすることが重要であることなどを記載しております。
そして3番の「幼児教育と小学校教育との円滑な接続」のところでは、国において「幼保小の架け橋プログラム」を推進してきており、一部の地域においては成果が上がってきていると。一方、全国的に見るといまだ不十分であること。
そして、いじめ・不登校対策の観点からも、幼保小の接続期の教育の充実に取り組むことが重要であるとしています。
そして幼児教育施設と小学校の両者が連携の意識を持ち、教育実践を見合い、相互の共通理解を図ることが重要であり、特に小学校入学当初は幼児教育との指導方法の連続性・一貫性を確保することが重要であること。
小学校以降で進められている教育の方向性は、幼児教育の「環境を通して行う教育」の考え方とつながっていること、小学校教育において新たなICT環境や先端技術も活用しつつ、「環境を通して行う教育」という幼児教育の考え方を取り入れた教育実践の研究・普及を行っていくことが考えられることを記載をしております。
そして最後に第3章のところです。1番の「幼児教育担当部局の在り方」のところでは、教育委員会が一元的に所管または他の関係部局が所管する場合においても一定の責任を果たす体制を構築することや、学校教育の専門的知見を生かしながら、幼児教育段階から高等学校教育段階までの教育の一貫性・連続性を確保した施策を展開することが重要であること。
2番の「幼児教育施設の在り方」のところでは、人口減少が急速に進むことが見込まれる中、地域において幼児教育施設の規模や期待する役割など、その在り方について検討を進めることができるように調査研究を行うことが必要であること。
また、公立幼稚園については、地域の実情や保護者のニーズなどを踏まえつつ、3年保育や預かり保育の実施、認定こども園への移行などを検討することが必要であること。
そして3番の「幼児教育施設への支援体制」のところでは、地方自治体において取り組むこととして、地域の幼児教育ビジョンを明確にして、幼児教育センターの設置・活用、そして幼児教育施設の合同研修、幼児教育アドバイザーや架け橋コーディネーターの育成・配置を推進することや、「幼保小の架け橋プログラム」促進のための体制を構築すること。
国においては、幼児教育センターや幼児教育アドバイザーなどを法令などに位置づけることや、広域連携を推進すること。また、地方自治体における「幼保小の架け橋プログラム」の体制構築の取組を支援することなどについて記載しています。
4番の「EBPMの推進」のところにおいては、幼児教育の大規模縦断調査や諸外国の動向などの調査研究から得られたエビデンスを生かしながら検討を進めていくことが重要であるということを記載しているところでございます。
事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
【無藤座長】 ありがとうございました。
それでは、意見交換に入りたいと存じます。先ほど申し上げましたけれども、2つのこと、最終報告案と概要案、今御報告いただいたものですけれど、それについての御意見、そして2番目でありますけれど、最終報告を実行に移していくに当たって必要と考えられる方策、また幼児教育の充実に向けた今後の展望や期待などについての御意見を頂戴したいと思います。
この際、2つを織り交ぜてといいますか、どちらについても意見をお出しいただくのでよいかと存じます。いつものように、御発言を希望される方は、対面で御出席の委員の皆様も含めて、挙手、手を挙げるボタンを押していただくようにお願いいたします。押していただいた順番に指名させていただきます。そして指名された方がミュート解除いただいて御発言していただく。そして発言が終わりましたら、手を下げるボタンを挙手を取り下げるということでございます。
今日は全委員に御参加いただいた関係で、多少時間を限定して、お一人3分程度ということでよろしくお願いいたします。
それでは、どなたからでも、どういう面についてでも結構ですので、挙手をよろしくお願いいたします。今日は全委員にとにかく御発言いただくように時間を用意しました。いかがでしょうか。
遠慮されずに出してください。どなたからでもいいですけど。
ともあれ発言していただくので、順番気にせずにどうぞ。
若山委員、お願いします。
【若山委員】 よろしくお願いします。最終報告案と概要のほうに3点コメントをさせていただきたくて、お願いします。
まず1つ目は、概要のほうになるんですけれども、2ページ目のほうの第2章の1、「幼児教育の基本に関する事項」の「自発的な活動としての遊び」の1つ目のポツ、ちょっと分かりにくいですね、「自発的な活動としての遊び」の中のポツの1つ目に、一番最後の文章が、「また、保護者をはじめ社会においては、幼児教育施設はただ遊ばせているだけとの誤解もある」という文章がありまして、これは同じ(2)の3つ目のポツの「国においては」の前に移動させてはどうかなと思って読んでいました。3つ目のところの取組、一層の普及・啓発に取り組んでいくことがなぜ必要なのかというのが、そのほうが分かりやすくなるかなと思ったことと、本文のほう、報告案の本文のほうも同じような構成でなっていると思うので、そのようにちょっと最後の文章だけ、「ただ遊ばせているだけの誤解もある」のところだけちょっとお引っ越しをしたらどうかなと思って読ませていただきました。
2つ目なんですけれども、最終報告の見え消しがないほうの10ページ目に「幼児教育において育みたい資質・能力」という(3)があるんですけれども、この3、「幼児教育において育みたい資質・能力」の4つ目の丸に「そのため」というところがあると思うんですが、その3行目に「より実践的な調査研究を進め」と書いてあって、これは具体的にどんな調査研究が想定されているのかというのがちょっと分かりにくいのかなと思って読みました。
これと似たようなところで、その次の(4)の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」のところは、4つ目の丸に「『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』の具体的活用等について、研修等を通じて一層の理解・啓発を図ることが必要である」と書いてあって、こちらのほうは研修等の一層の理解・啓発を図ることで、資質・能力のほうについては、実践的な調査研究を進めると書いてあって、それぞれちょっと読み手が混乱するかなと思いました。
それで、具体的にどう直していくかということで、これまでの会議の中でいろいろ先生方のお話、プレゼンを聞きながら思ったことも踏まえて、ちょっとこういう書き方は、修正案はどうかなと思うことをお話しさせていただきたいと思います。
例えばですが、10ページ目、(3)「幼児教育において育みたい資質・能力」の4の文章をちょっと言ってみます。「そのため、国や地方自治体においては、幼児教育において育みたい資質・能力と5領域のねらい及び内容、『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』が、保育の過程において具体化され、幼児教育の充実につながっていくことについて、より実践的な調査研究を進めることが必要である」というような形で、何を調査するのか、調査研究していくのかということが分かるようになっているといいのではないかなと思って読んでいました。
それで、最後、1点なんですが、同じく最終報告案の10ページ目の(4)、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の中に4つ丸があって、そのうちの3つ目の丸に、「一方、幼児教育関係者の中には、『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』の文言のみで幼児を捉えよう」とするというのがありまして、これがちょっと私、文言のみで幼児を捉えるというのは一体どういうことを言っているのかが分からなくて、逆にお尋ねしたいなと思ったところです。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございます。1点目、2点目は検討させて、その方向を十分考えて、もう一度検討したいと思います。
最後のところは、多分議論の中で出てきたのをそのまま使っていると思いますけれど、言いたい趣旨は、要領・指針に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と、極めて簡単な解説というのかな、中身の文があるんですけど、例えばそれをそのまま使ってチェックリストに持っていくとか、そういう類いのことを指しているんですけれど、それが理解しにくいなら、ちょっと表現を考えます。ありがとうございました。
【若山委員】 その次に、幼児を当てはめ、できる・できないと安易に評価するというところと同じ意味ということですか。
【無藤座長】 同じでもないんですけど、何というんですかな、より正確に言いますと、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」というのは、一応10項に書いてあって、それは資質・能力とか保育内容5領域などを踏まえているわけですけど、そのつながりを見ないで数行の文だけで捉えるとチェックリスト的になりやすいという趣旨なんですけどね。ちょっとそれを確かに理解しやすいように、もうちょっと、最小限の直しになるんですけど、考えます。ありがとうございました。
それでは、次の方、岸野委員、お願いします。
【岸野委員】 すいません、失礼します。これまでの議論を踏まえて、最終報告案の取りまとめ、事務局の皆様、本当にありがとうございました。
私は、まず、新しく書き込まれた部分を中心に3か所、言葉のニュアンスだけなんですけれども、細かいことになるかもしれませんが、ちょっと気になったところを申し上げたいと思います。
1つは、見え消しのほうの9ページの赤字のところです。3つ目の丸のところ、赤字のところの「資質・能力が身に付く」というところなんですけれども、前半の「豊かな遊びの展開の結果として」のところは「育まれる」のほうがいいのではないかなと思いました。外からくっつけられるというのではなくて、結果として育まれるのだということが、後半を「身に付けるために」として対比することでより伝えられるかなというところを思いました。
2つ目は、見え消しのほうの資料の13ページの一番下のところ、これは赤字のところそのものではないんですけれども、「幼児の直接的・具体的な体験を充実する」という文があると思うんですが、これ「充実させる」かなという気もしたので、またちょっと文言を検討いただけたらいいかなと思います。
最後、3つ目は、見え消しの資料の25ページの「公開保育の負担」のところですが、「負担が無く」と言っても負担はゼロにならないかなとも思いましたので、「負担が重くなり過ぎず」といったような表現のほうがいいのかなというようにニュアンスについて思いました。
以上が最終報告案のものについてで、もう一つ、最終報告を社会にどう伝えていくかというところなんですが、社会全般にという前にやはり教育関係者へというところかなと思いますが、その際、全国の指導主事の先生方をはじめ、自治体で実践の方向性を示唆していく役割の方々にまずはこれを知っていただくということになると思います。そこでは、従来伝達というような形で文科省から伝達されたことをまた各自の組織に伝達していくようなある種伝言ゲームのようなやり方が行われるようなことが多かったのではないかと思います。
そうすると、ともすると十分意味が分からないまま、先ほどの10の姿の議論もありますが、言葉だけが伝えられていって、ということも起こるのかなと思いますので、やはりそれに対して、読み手が一人一人しっかりと読み解いて、その上でこちらで提起されていることについてしっかり理解を深めていただくといったような研修の在り方も再度ここで考えていくことが必要ではないかなと思いました。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。最初の3点は、より分かりやすい、あるいはより正確な言い方ということで、ちょっと検討します。
今後のというところの、特に指導主事など教育関係者、あるいは保育担当者だと思うんですけれど、それらの人たちへの研修の在り方というのは、ほかの委員の方々からも出ると思いますけれども、私の把握している範囲で言うと、おっしゃるように伝達講習的な従来のやり方だけではどうもうまくいかないかもしれないということと、多分伝達講習というときに、中央研修会みたいな形が多いですけれど、どうしても都道府県政令市ぐらいが集まることが多いわけですけど、特に幼児教育については、基礎自治体といいますか、市町村レベルが重要なんですけれど、そこになかなか文科省、こども家庭庁にしても届きにくい。といって全部集めることはできないので、それをどうするかという2つの問題があるように聞いております。ありがとうございました。
それでは、次に、古賀委員、お願いします。
【古賀委員】 ありがとうございます。よろしくお願いします。
何度もの改訂を丁寧に行ってくださいまして、誠にありがとうございます。最終段階ということですので、可能でしたら加えていただきたい点につきまして具体的に申し上げます。
資料1-2、ページ下の記載番号でいいますと13ページ、「幼児教育施設におけるICTの活用」、白丸4つ目の上から3行目、「より実践的な調査研究を進め」とありますけれども、その後に、幼児期にふさわしい教材開発と研修開発を行うことが必要であるというようなことを入れていただきたいと思いましたことと、その次の行の「必要なデジタル環境の整備」とありますけれども、その次に、並びにICT技術サポートスタッフなど、幼児教育施設を支援する人的環境整備についても検討することが重要であるというようなことを加えていただけたらと思いました。幼児期にとってふさわしいICT教材がまず少ないということと、それを知る機会も、使う技術を身につける研修も極度に少ないということ。また、各施設にとは申しませんけれども、地域の幼児教育センターには少なくともICT技術サポートスタッフが必要ではないかと思いますので、その辺り、検討課題として挙げていただけたらと思いました。
続きまして、次の白丸ですけれども、白丸から3行目最後のところ以降でICTの活用に当たっての留意事項が書かれています。京都教育大学附属幼稚園でもICTの活用に関する研究を行ってまいりましたけれども、その際に、幼児期においては特に直接的・具体的体験を出発点として、必要に応じてICTの活用をし、その後もう一度直接的・具体的に体験に返るというところが重要であるということが分かりました。私は最近そのことを直接的・具体的体験のサンドイッチ方式と呼んでいるんですけれども、今回の記載においては、留意点のところ、白丸の上から4行目に、「幼児の更なる意欲的な活動の展開につながるか」の後に、直接的・具体的体験に立ち返り深めていく実践の展開があるか、というような文言を加えていただきますとより幼児期の教育におけるICT活用の重要なところが伝わるかと思いましたので、御検討いただければと思います。
次に参ります。同じ資料の22ページ、最初の白丸です。「具体的には、地方自治体においては」という文言で始まる文章ですけれども、最後の一文に今回加わった「教育委員会においては」という文章がございます。そこの「このような役割を積極的に果たしていくため」の後に「幼児期の教育に関する専門的知識を有する指導主事等を配置し」という文言を加えていただきますと、小学校以上の専門性ではなかなか足りないというところについても御考慮いただけるかと思いました。指導主事等ですので、アドバイザーも含めていただいて結構かと思いますけれども、幼児期の教育に関する専門性が必要だということが記載されてほしいということです。
資料変わりまして、資料2の最終報告概要案についてですけれども、細かくなりますが、2ページ目の第1章の3、「幼児教育の基本」のところの一番最後の文章、「遊びを通しての指導を中心的に行うことが重要」とされているところ、これまでどおりの「中心とすることが重要」と明確に述べていただけたらと思いました。
もう1点です。同じ資料の次のページになりますけれども、2、「現代的諸課題に応じて検討すべき事項」の中で、「幼稚園等が行ういわゆる預かり保育」というところですけれども、先ほど若山委員がおっしゃってくださったことともちょっと似ているんですが、長らくこれまで取り組まれてきた預かり保育について、今後のこども誰でも通園制度の実施等の展開も踏まえて、よりしっかりとした体制づくりや保育内容の検討が必要とされているところですので、「より実践的な調査研究」というのが何を指しているのかということなわけですが、「幼稚園等におけるいわゆる預かり保育について」の後に「必要な実施体制や保育環境等を含めた」と書き加えていただきまして、さらに、「より実践的な調査研究」というのが何を指しているのかということですけれども、「より実践の質を高めるための調査研究が必要」としていただけたらと思いました。取りまとめの本文の中にも非常勤講師の多さなどの問題が記載されておりますので、一層明確な記載をお願いしたいと思いました。
まだ大丈夫でしょうか。最終報告の内容をどう社会に伝えていくかというところですけれども、保護者のニーズに応えるという形で、各幼稚園が例えば何々教室というような、実態としては外注するようなことが行われているということもありまして、京都市教育委員会では「架け橋プログラム」の取組の中で、保護者の幼児教育の質に対する理解、特に非認知能力を育むということに焦点を当てた講演会を実施してYouTubeで配信するというようなことを行ってきております。本報告書の中にもそういった保護者へのアプローチの重要性というのが記載されておりますけれども、それはぜひ各地域で取り組んでいただきたいなと思っております。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。ICTに関わって2つほどのことは非常に重要なことだと思うので、入れる方向で検討いたします。
それから、教育委員会に幼児教育担当がというのは、実は言うと、中教審等の議論、答申などに繰り返し書いてきたんですが、ので、当然と思っておりましたけれども、抜けないようにしたいと思います。
それから、遊びのところの中心的とか、預かりの辺りというのは、遊びがそうだということは要領・指針を踏まえて書きたいと思います。それから、預かり保育と呼ばれるものについてのより実践的な調査研究は、ちょっと事務方と相談して、どこまで書けるかというのは、いろいろ難しい点もちょっと感じますので、なるべくその方向でと思います。
それから、今後の展開ということで、保護者へどうアプローチし、様々な啓発活動その他を行うか、当然重要だと思うので、そこはしっかりお願いしたいと考えております。
さて、次ですけれど。河合委員ですね、お願いします。
【河合委員】 河合でございます。ありがとうございます。丁寧に取りまとめをしていただきまして、本当にありがとうございました。私は感想も含めて、これは大事と思ったことなどをお話をさせていただきます。
見え消し版のところの9ページ、遊ぶことそのものが楽しいという、その辺りは本当に大事なことで、資質・能力、教育という言葉ばかりが先に立ってしまうと、それを育むために遊ばせるみたいな本末転倒な状況を心配していましたので、これはとても大事でありがたいなと思って拝見しました。
それから、22ページ、今古賀委員がおっしゃったことと重なるんですが、指導主事等の配置につきましては、やはり幼児教育の専門性ということが非常に大切だと思っておりましたので、追記をしていただければと思いました。
それから25ページ、公開保育のところも改めて入れていただきまして、本当に重要だと考えているところです。気軽に開いて、率直に話し合うことそのものが心地よかったり、ああ、なるほどと思ったりすることが、次の実践に生かしていくためにとても大事だと思いました。ですので、ここも大変重要な文章を入れていただきまして、ありがとうございます。
検討していただけたらと思うのが、29ページ、「おわりに」というところを今回入れていただきました。その3つ目の段落の1行目の最後、「保護者や地域、ひいては国民において幼児教育を理解している者が一部にとどまる」。きっと多くの方がご自分の幼児教育というのをお持ちなのかなあと思うんです。ですので、もしかしたら、大事にするべき幼児教育の内容をきちんと理解していただくというところで、「上記の」というのを前に入れるか、もしくは「幼児教育を正しく」とか、「適切に」とか、少し入ると伝えたいことがさらに伝わるのではないかと考えました。
これが記載に関することです。
そして、今後の方策ということですが、動画はやっぱり有効だと感じています。「遊びは学び」も特にそうなんですけれど、気軽に見てなるほどと思えることはとても有効だと思っております。今回のことにつきましても、可能であれば、短い動画または短い使えるプレゼンテーションのようなものを公開していただくと、広く見やすいかなと思っています。
指導主事の方々等、教育行政に伝えていくということもそうなんですが、例えばヒアリングに来ていただいた関係団体など、それから関心のある方々、自治体の例えば区幼研とか、小さな研修会でもいいんですが、関心を持った方がちょっと一緒に見てみるとか、これは大事だから仲間に伝えようというような形で使っていただけるような資料としても、そうした動画、またプレゼンテーションに使えるようなものというのは有効なのではないかと思います。
こうした資料が目立つ場所、すぐ探せる場所に置いていただくことも非常に重要なことかと考えます。
最後ですが、この検討をしていただき、改めて日本の幼児教育が大事にすることを明示して、多くの方と共有するものとしてまとまったことがとても大事だと思います。
特に、平成29年の公示以降、各地域で、施設の類型問わず、先生方が一緒に子供のことを話し合って分かり合っていく姿をたくさん拝見してきました。そうしたこれまで取り組んできたことを後押しするような内容、特に体制整備等にも触れているところで、これでいいんだとか、やってきたことをもっとやっていこうというメッセージにもなろうかと思います。ここもとても大事だと考えています。
以上です。ありがとうございます。
【無藤座長】 ありがとうございました。たくさんの励ましいただいてありがとうございます。
そして、「おわりに」についての言い方は確かに委員おっしゃるのは分かりましたので、直したいと思います。
それから今後ですけれど、動画については、幼児教育課、あるいは、「架け橋」などは教育課程課も含めて、ぜひお願いしたいと考えます。
探せる場所というのは、サイト上の分かりやすさだろうと思うので、確かに割と下のほうに埋め込まれて、検索すればもちろん出てくるんですけど、検索するためには例えばこの会議の正式名称を知らないとなかなか出てこないというのが実際なんですね。よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次に、坂﨑委員、お願いします。
【坂﨑委員】 よろしくお願いします。今回の最終案に関してまずお話をしたいと思います。私は、平成30年度に認定こども園ができた後に3指針の要領が改正されて、横串で貫いた趣旨というのがきちんと進められてきたことは、個人的に非常に高く評価されるべきと思っておりました。その点はこの報告書でもきちんと評価されていると私は思っています。その点につきましては非常に感慨深い思いがあります。
一方、「おわりに」に書かれている問題は2つあると思います。1つは、単純に指針・要領の問題だけではなくて、やはり保育制度そのものが持っている問題と関連していることがたくさんあって、保育所と幼稚園という時代があったわけですけれど、それを平成27年以降にたくさんの学校種、施設種ができたことによる曖昧さとか、複雑さとか、そういうことがやはり関連をしているのではないだろうかと思います。これが「おわりに」のところの一つの大きな要点ではないか。
もう一つは、これは平成30年以降、最近になりましてから、当然のことながら、こども基本法、こども大綱、100か月のビジョンができておりまして、例えば、児童発達支援のガイドラインとか、新規でできました保育所等訪問のガイドラインの改訂とか、そういうことも100か月のビジョンを受けてできているわけであります。
そういうことを考えると、次期の指針、要領や指針が直接関わるとは思いませんが、ある程度は100か月のビジョンを受けて次の指針・要領に向かっていくのではないかなと思います。
個人的な思いを、あと1分ありますので、お話をします。私、勤めてちょうど、平成元年の、皆さんが当時非常に変わった内容の、指針や要領が変わった時点から関わりました。私は公立保育所の官舎で育ちましたので、母が学校の先生から保育界に移りましたので、教育課程とか指針・要領というものを小さいときからある意味家の中でも読んできた1人としては、さらに平成元年に大きく変わり、今の平成30年という中で、やはり社会を映している鏡としてこの指針や要領があると感じています。
これから先、非常にまだ、これから以降の10年、もちろんICTとか、そういうことも含めて随分変わると思います。子供の育ちとして大事にして残していくもの、一方、新しい時代にどう対応していくのかということの大きく2つ観点があると思いますので、そういうことについて、乳幼児教育の指針・要領の新しくできること、また幼児教育の進め方に期待を強く思っている次第であります。
今回こういうふうな形で有識者の検討会に参加させていただきまして、誠にありがたく思うのと同時に、人口減少や過疎化が進むわけではありますけれども、その中でもやはり幼児教育の質がきちんと保たれて次の時代を迎えるということを期待して、坂﨑の発表といたします。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。
3要領・指針を貫くという観点というのが本検討会の基本的な出発点ですので、そこを御指摘いただきありがとうございました。
そして「おわりに」という文章は、皆様方が読むといろいろ苦心している感じがあると思いますけれど、ぎりぎり検討会として出せる範囲を書いたということで、いろいろ制度に深入りする辺り、私が座長としてちょっと止めた感じを持ってはいるんですけれど、何とか次につなぐ程度までは書けたと考えております。
そして、この形を中心として、矢継ぎ早に様々な方法で、また100か月ビジョンその他出ておりますが、それらをここの議論にどこまでこなすか、消化するかは十分できていないと思うんですけど、それはまさに並行して進んでいるところだと思うので、一応最初のほうに注釈は入れたんですけれど、どのぐらい本文に反映されたか難しいところが正直言ってありますが、それは今後、といっても、そう先ではないところでの議論を期待したいと思います。
いずれにしても、3要領・指針の在り方とともに、幼児教育・保育の制度的な在り方を通して幼児教育・保育の質を確保していく方向を期待したいと考えております。ありがとうございました。
それでは、次の方は、挙手されている方は。鍋田委員ですね、お願いします。
【鍋田委員】 よろしくお願いします。何度も改訂していただいて、私も大変勉強になりました。ありがとうございます。今日はここを直してくださいというのは私のほうからはないのですが、せっかくなので一言ということでお話しさせてください。
先ほど河合委員のほうからも出ておりましたけれども、見え消しの9ページ目のところ、新しく入った赤字のところですね。この辺りについては、今後遊びの重要性というのはこういった取組の中で認知されていくと思うのですが、保育者自身もこの点にとても留意しなければならないと思っています。これまでも10の姿や主体性などの言葉に注目して、これを絶対やらなければといった傾向がやはりあるかなと思いますので、保護者にお伝えするにしてもですけれども、様々な遊び方があることや、その場でのその子の居かたがあるですとか、心持ちがあるということを一緒に伝えることが必要だということを改めて思ったところであります。
新しい、今日つけていただいた資料で、今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する資料で目にしたところで、ちょっと斜め読みだったのですが、主体的に学習に取り組む態度の観点について、今、依然としてノートの提出の頻度などの勤勉さの評価にとどまっている学校があるというような文言を拝見したときに、主体性という意味の捉え方が学校においてもやはり難しいんだなというところを思いまして、今回の案の中にも主体性という言葉、たくさん出ておりますし、自発的な活動としての遊びという文言が出てきますが、この主体性について、これまで私たちが考えてきた主体性というところをそれぞれが考えを出していっても、やはりそれぞれの理解があるなということはいまだに感じるところです。こういったところは一般の方に主体性というところを分かっていただくにはどうしていったらいいのかな、さらに現場ではもうちょっと深めていかなければいけないなというのを改めて思いました。
今後の社会に伝えるためのアイデアということでメールでいただいておりましたが、横浜市のほうでも「よこはま☆保育・教育宣言」というのがありまして、これを現場に伝えるとともに保護者の方に伝えていかなければいけないと考えたときに、動画を作成し、ある程度見ていただくためには、メディア、SNS、そういったものの活用が必要で、時間がない中、短時間で伝えるにはどうしたらいいかというような取組をしました。「遊びは学び 学びは遊び」それを保護者の方と懇談会などで共有することをしてみました。同じ方向でこれに取り組んでいきたいねというようなこともできましたので、こういった動画は有効かと思います。
そしてインパクトのある短いフレーズでもいいと思うのですが、ある程度ストーリー性のある動画、例えばコマーシャルみたいな形で、誰にも飛び込んでくる、そこにアクセスしなくても飛び込んでくるような配信の仕方はどうかなというのを思っております。
今後の展望については、最後の「おわりに」のところにたくさん盛り込んでいただいたのでよいかなと思います。よろしくお願いします。
【無藤座長】 ありがとうございました。幼児教育・保育における遊びの重要性というときの遊びは、「自発的な」というのをつけているのに深い意味があると思うんですが、それが今度は主体的ということにつながっていくんだと思うんですけれど、その辺が、要領・指針を読むとすぐ分かるものでもないので、その辺の議論、解説が必要だなと改めて思ったところです。
そして、動画については、4月につくったものが、見せると非常に評判がいいというのはあちこちで聞きますし、それから分かりやすいのと短いのがいいんだなと思うんですけれど、ただ、1つだけでうまくいくわけではないので、特に、いろいろな諸外国を見ると、動画での広報・解説が非常に多い国もあるわけで、そういうところも見習えるかなと考えております。ありがとうございました。
それでは、奈須委員、お願いします。
【奈須座長代理】 よろしくお願いいたします。私自身は今回の取りまとめで特に気になったところがないというか、とても丁寧に、多面的にというか、目配せのいいまとめになっているんじゃないかなと思っています。
ずっと議論を通じて感じたことを4点ほどお話しさせてください。1つは、先ほど来もあったことですが、資質・能力を身につけるために遊ぶのではないとはっきり明記したのはとてもよかったと思います。このところ、やはり幼児教育はただ遊んでいるんじゃないのかという御批判に対して、いや、ちゃんと育てているんだよということを主張してきたと思うんですけれども、それがまた行き過ぎた誤解にならないように気をつける。
これは小学校以降もそうで、このところ、資質・能力を身につけるということ、小学校はそうなんですけど、でも、例えば生活科や総合なんかも、どんな資質・能力が身についたか、あるいはどんな教科との横断的な展開が可能になったとかということがすごく話題になって、それ自体いけないことではないんですが、子供の暮らしであるとか、子供の求めであるとかいうところ、「遊びは学び 学びは遊び」というのが今回ありましたけど、生活即学習、学習即生活というのは、100年前に木下竹次が『学習原論』の中で言った言葉ですが、生活科や総合、あるいは小学校の幾らかの教科内容はそういう原理でやってもいけるものはかなりあるんだけれども、なかなかそこがちょっと今ひっくり返ったようなところがあって気にはなっておりましたが、幼児教育のほうでこれをしっかり書いてくれることで、それから接続していく小学校の特に低学年段階の学びの組み方、活動の組織化といった辺りに対していい議論がまだ展開できるんじゃないかなと思って喜んでおります。
2つ目のICTのことですが、何のためにどう使うかをよく考えて、気をつけて、でもしっかり進めていこうという位置づけになっているかと思います。これも小学校以降のICTの推進、特にこのところ生成AIのことが話題になっていますけど、軌を一にしているかなと思っています。
ただ、テクノロジーというのは難しくて、どんどん変化していくので、例えば、グーデンベルクの印刷機ができたときに、みんなこれで本が手に入って学びが進むと喜んだんですけど、実はペスタロッチが批判を当時していて、子供たちの目が文字用の目になってしまうと。花とか木とか草とか虫とかを直接見ていた目が文字用の目になってしまうと。花の名前を知っていることをもって花を知っていることにすり替わってしまうという批判をペスタロッチがしていて、面白いなと思って読んでいたんですけど、昔。
でも、今どうですかね。幼児教育で、文字、本を否定するということはもうあり得ないと思うんですね。でも一方で、やはり体験ということが大事、あるいは多様な感覚モダリティを通してということはずっと言われているし、これは小学校以降も同じで、だからICTについても同じだと思うんですね。実体験の大切さ、あるいは多様な感覚モダリティを使うことということがやはり大事で、でも多分10年後、20年後には、今僕らがイメージしている形とは違った形で、ICTは、デジタルはいろんなところで入ってくるし、もっと上手に使えるような展望も開けてくるんだと思います。それに対して私は穏当で適切な書き方を今回してくださったなあと。ただ、次にやるときにはひょっとしたら大分変わるかもしれないなあなんてことも思って読んでおりました。
3つ目に小学校との連携・接続のことですが、どうしても幼小の連携・接続というのは、幼児教育側が小学校に合わすということにかつてはなっていましたが、このところは大きく変わって、特に「架け橋」なんかはとても画期的だと思います。今回は、幼児教育から小学校への提案というのがかなり積極的になされていると思います。小学校以降で進められている教育の方向性は、子供それぞれの興味・関心や一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出す観点から、幼児教育の「環境を通して行う教育」の考え方とつながっていると。小学校教育において新たなICT環境や先端技術も活用しつつ、「環境を通して行う教育」という幼児教育の考え方を取り入れた教育実践の研究・普及を行っていくという、かなり積極的な提案をしてくださっていて、これは一石を投じるようなものになるんじゃないか。これまでとは違う形の幼小の連携・接続ということを生み出す提案になっているんじゃないかと思ってとても期待をしております。
それから最後に、先ほどから出ている今後の普及のための話で、私も動画はとても有効だなあと思っています。「遊びは学び 学びは遊び」の動画を何度も見せていただきましたが、あれを見て皆さんどう思われたですかね。私は小学校もついにここまで来たかというふうな感想を一方で持ちましたけども、やはり前段の幼稚園、幼児教育の様子と小学校の様子を比べると、やっぱり小学校はここが限界なのかというようなイメージも持ちました。同じ原理で、小学校の先生、とても頑張っている。実を言うと、あの小学校の先生、私の立教時代のゼミ生なんですけど、とても頑張っている。教え子ながらも。でも、あれが限界なのかなあというのも、私の指導生だからこそ、実は痛感をしております。
その辺をどう考えるのか。だから幼少はとてもつながってきたけれども、ああやって形にすれば、何かまだ言葉にできない、いろんなギャップというかバリアがあるんだなと。小学校のほうでそこを解明して、さらにいい形で、特に低学年教育ということの質の改善ということをやっていかなきゃいけないなと思っておりました。
また、引き続き幼児教育に学んで、小学校を改革していく。また小学校が変わってくることで幼児教育も一層思う存分やれると、そういういい形ができていくといいなと思いますし、今回の報告書がそのことにつながっていくんじゃないかなと大いに期待をしております。
以上です。ありがとうございました。
【無藤座長】 ありがとうございました。積極的に評価、また重要ポイントを整理していただきましたけれども、遊び、その後の暮らし、生活そのものの大切さ、それからICTが直接体験ベースの中でこそ機能するということ、それから、今回、小学校への提言というのがどのぐらい踏み込めるか微妙なところがあって、迷いながらですけど、ある程度書き込みました。
そして、小学校そのもの、特に低学年教育の改革の方向を、奈須委員が小学校教育をリードする立場だと理解していますので、期待しております。ありがとうございました。
それでは、鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 よろしくお願いいたします。本当に丁寧に報告案をまとめていただきましてありがとうございました。背筋が伸びる思いでした。
私からはお願いですが、1か所だけです。報告案の9ページの下から6行目になりますが……。
【無藤座長】 見え消しですか。
【鈴木委員】 見え消しではなくて、最終報告案のほうなんですが、9ページの下から6行目、「ややもすると、保護者をはじめ社会においては」云々のところで、「国においては」というのが6行目に書いてありますが、ぜひここ、地方自治体も入れてあげていただけるといいかなと思います。それだけです。
次に、実行に移していくに当たっての方策ということで、多くの委員の先生方がおっしゃったように、やはり動画やアプリなどの発信とともに、どこでするかとなったときに、せっかくですので、こども家庭庁とも連携し、伴走型支援の中、あるいは低年齢の子供たちが集う子育て支援の場などでぜひ幼児期の教育というのは何なのかということを、幼児教育は何かというようなことを発信していただきたいなと思いました。
最後に、背筋が伸びた実は理由のもう一つは、これだけ幼児教育の課題が多様化し複雑化する中で、養成課程をどうするのかということに関して、ブーメランのように今ちょっと刃を突きつけられた感じがしております。養成課程自体が、今受験生も減っておりますが、このレベルの高さを、どういうふうに保育の質を学生と共につくっていくかということが今後の課題だなと自分の問題として感じました。
以上です。ありがとうございました。
【無藤座長】 ありがとうございます。自治体の役割を、ちょっと文章を精査して入れるようにいたします。
それから、様々な形での広報、特にルートを広げるということは、確かにおっしゃるとおりで、こども家庭庁のほうは、今や子供政策全般、子育て支援策、またそれを実施しているところとのつながりが広がりつつあると思いますので、そういうところでも、ここでいう幼児教育というのは幼稚園、保育園、こども園が主ですが、の話も伝わるようにぜひお願いしたいと思います。
そして最後に、養成課程の問題は、学生が集まらず、苦心、苦労しているという実情とともに、しかしながら、そこでの保育者の養成に対する求め、課題は、この報告書にあるように極めて多岐にわたり、そして年々複雑に、また高度になっていく部分があって、それに対してどう本気で対応できるか、養成課程側の課題だと大いに認識、私もそこにいるので、大いに認識しております。ありがとうございました。
それでは、高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 ありがとうございました。私の立場からですと、私は公立幼稚園から幼稚園型の認定こども園に移行しました。こども園といえども、今少子化の影響をすごく受けていると感じています。最終報告について取りまとめいただいたことに感謝すると共に、公立幼稚園や認定こども園の役割の記載によってその存在意義が明らかになったことはとても励まされることです。本当にありがとうございました。とても読みやすく、分かりやすくて、そして全てについて網羅されていると思いますし、先ほどから皆様がおっしゃられている読み消しの9ページにあります、「幼児からすると遊ぶことそのものが楽しくて」という一文をいれていただきよかったと思っております。
公立幼稚園の具体的な存在意義、役割の記載については、全国の園長の仲間からも、とても励まされる、それこそ今鈴木先生が背筋が伸びるとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、本当に役割を一生懸命果たしていこうという声もとても聞かれます。学校教育としての位置づけがされている公立幼稚園、こども園ですので、そのことをきちんと理解して、そして結節点の役割や5つの役割を果たしてまいります。
そして、有識者検討会の最終報告書に記載される公立幼稚園等の役割や存在意義を全国の地方自治体で大事に考えていただけるとありがたいですし、大事に考えていただいているところもたくさんあると思っています。また、遊びの重要性、役割、幼児期の幼児教育・保育の重要性、幼小連携においても公立幼稚園等の役割について、重要であることのご理解を促進していただけるとありがたいと思います。
今後の展望ですけど、これを具体的にどのように伝えて、どのように全国の自治体や市区町村が実行に移していくのかが課題であると考えます。
先ほどから出ている動画は良いと思いますが、誰に対して発信し、誰が見るのか、地方自治体の皆様なのか、保護者なのか、見る方が違うのに、一緒の動画で良いのか、などが検討が必要なのかなと思います。また、幼児教育が大事と言われて久しいので、小、中、高などの教育関係者の皆様にも確かな幼児教育の重要性を理解していただけるような動画が必要ではないかと思っています。
今回本当に勉強にもなりましたし、多くの御意見を聞かせていただいて勉強になりました。ありがとうございました。
【無藤座長】 ありがとうございます。その存在意義というのは、幼稚園、保育園、こども園って、まずここでいう幼児教育施設全般の存在意義が大きく打ち出されるわけですけれど、その中で、幼稚園、私立幼稚園はもちろんとして、公立幼稚園、また公立のこども園の独自性、公立保育所の使命というパブリックな教育の在り方に直結しているところの存在意義というのをあえて書き増していただきました。
実行に移すということでいうと、この最終報告案は丁寧に1行1行見ていただくと分かるはずなんですけれど、こういうことが必要であるというのは、単に一般論として必要だと言っているのではなくて、それは、国としてというのは具体的には文科省、こども家庭庁ですけど、が実行に移すと、ここで別に確約しているという種類のことではないけれど、何らかの政策を想定していると。あるいは要領・指針を含めてというところで、全く絵に描いた餅で単なる理想を書いたつもりではないということです。
そういう意味では、自治体というのは、我々が直接ここで自治体にやりなさいって命令できませんけれど、ぜひ強くお願いしたいというような意味合いで書いているということを御理解いただきたいと思いました。
それでは、尾上委員、お願いします。
【尾上委員】 御指名ありがとうございます。まずもって、最終報告案に関係各位の皆様が御尽力賜り、本当にすばらしいまとめができたことに深く感謝申し上げます。
それで、本案に関して2点ほどまず申し上げたいと思いますが、見え消しの22ページ、3章、必要な条件整備ということで、河合委員からも御指摘いただいておりますが、いわゆる指導主事の在り方というか、本当失礼な言い方かもしれませんが、実際配置されている指導主事の方は、小中高の専門の方がほとんどで、幼児教育の特性を理解しないまま、言葉は悪いんですけど、字面だけで指導する方が圧倒的多数でございまして、そのような環境の中で、この提言は悪手になる可能性も十分あると憂えておりますので、具体的に言いますと、ラストの赤字の挿入の「このような役割を積極的に果たしていくため、幼児教育をよく理解する指導主事等を配置し」云々と入れていただければと思っています。
文科省が展開なさっておられる幼児教育センター事業、アドバイザー事業と各教育委員会における指導主事の求められるものの違いがどこにあるのか、役割分担がどうなっているのか、いまいちちょっと分かりづらいところがあって、この点もどなたにも分かりやすい説明が可能ならばお示しいただけたらありがたいなと思っております。
次に、2点目ですが、24ページ以下、地域一体で幼児教育の質を高め合うということで、公開保育でありますとか、研修について本当に言及していただいて、とても大切なことで、本当にありがたく思っておりますが、基本的に幼児教育実践には、人生の基礎を伴う幼児教育は、新しい知見が様々に盛り込まれて、これからもさらに高度化していくことが求められていくことから、教職員の研修をすることが当たり前であるということをいま一度きちんと報告書に明記することが必要ではないかなと思っております。
幼児教育施設にいる者は、研修し、向上が必要で当たり前って実は考えているのは、ここにいらっしゃる委員の方は当たり前なんですが、実は現場段階でいいますと、ほんの一部なんですよね。本当恥ずかしいんですけども、自分たちの現場のことをお披瀝して。やはりここは教員というのは、持続的に研修を常に努めていることがとても求められていることを、どこかでいいから明示していただければ、我々もより進めていけるかなあということをちょっと要望させていただきます。
最後に、最終報告をどのように普及していくかということでございまして、皆さん、今出た御意見と一緒でございます。やはり時代に応じた、SNSなり動画を駆使してということで、横に大豆生田先生がいるから言うわけじゃございませんが、こ家庁さんの最近のいろんな啓発パンフレット、特にはじめの100か月をめぐるパンフレットとか動画というのは大変平易で分かりやすくて、本当一般国民、市民の皆さんも、ああ、なるほどなと、理解しやすく、より関心を持つような出来栄えになっておりますので、文科省の報告、概要が、どちらかというと地味で、御性格もあるんでしょうけど、真面目で、訴求力がちょっと低いかなとちょっと思いますので、ぜひ、ここ本当はお金かけられれば、そういったプロに御依頼するとかというのも手なんでしょうけども、せっかくここまですばらしい内容が出来上がっていますので、やっぱりこれを1人でも多くの方に啓発して理解していただくということが所期の目的にかなうだろうと僣越ながら思っておりますので、何とぞ御高配のほどよろしくお願いします。
最後に、赤い字の取りまとめ、何回も読み返して、本当に至極ごもっともで、関係各位の御努力に本当に深く敬し、我々保育団体、5団体全ての教育・保育施設の団体の皆様といま一度心を、手を一つにして頑張っていきたいなという気持ちを込めて私の意見とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【無藤座長】 幾つか重要なコメントありがとうございます。指導主事の在り方の辺りは、幼児教育に詳しいと書くか、とにかく何らかの補足を入れたいと思います。
その辺りの例えば幼児教育センターとか、教育委員会とか、それから通常保育所関係はまた別なことが多いですけれど、以前から基礎自治体においては特にそれらを一体的に扱うようにしてほしいというような議論はしてまいりましたけど、そうなっているところもあるし、なってないところもあるので、その辺のすっきりした整理がなかなか難しいのと、それから、尾上委員はよく御存じのように、私立幼稚園の管轄というのは都道府県の私学部というのが普通ですので、基礎自治体との関係がぼんやりしているというのが正直なところなんですが、そこをどういうふうに書いたらいいか、ちょっとぼやっとするというのがちょっと申し訳ないと思っております。
それから、研修の必要性、また新しい知見に常に学んでいくということは当然ですので、我々が当然だと思っても書かないといけないという御指摘はそのとおりだと理解しました。
また、SNSや動画を通してもっと広くいろいろな人に直接訴えるというのは、反省すると、私も文科の仕事幾つかやりましたけど、反省すると、どうしても文科省は、教育委員会というのと連動するので、都道府県、それから市町村の教育委員会って、系列を持っているがゆえに、逆にその線に流すことだけでやってきた嫌いがあるので、直接的に、保護者というのは言わば国民、市民ですけど、語りかける手だてって今まで開発してこなかったというのは反省事項だと理解しております。
そういう意味で、4月につくった動画は画期的だと思うので、あれもちゃんとプロがつくっていますので、もっと広げてほしいなと私も考えております。ありがとうございました。
それでは、田中委員、お願いします。
【田中委員】 失礼します。私も本当に様々いろんな意見を取りまとめていただいて、ここまでまとめていただきましたことに感謝申し上げたいなと思います。
気がついたことがこの文書の中では1点と、それから概要案についてできれば加えていただけたらということを1つまずお話しさせていただきます。
この最終報告案の見え消しの4ページです。このたび書き加えられたところではないんですが、改めて通して読ませていただいて、「幼児教育の重要性」の2つ目の丸の上から4行目に、「特に恵まれない境遇にある子供において」と表現されているんですけれども、ここら辺りが、客観的なというか、具体的な状況が分かるような表現のほうがいいかと思いまして、下の注釈のところを見せていただいたら、低所得者層というのがありますので、家庭の環境もあるのかなと思って、「家庭の環境や経済状況が厳しい境遇にある子供において」という表現でいかがでしょうか。
あと、次も同じく見え消しの9ページの一番最後の丸のところからですね。10ページに行っていただいて、2行目の「SNS等からの偏った情報や」云々と、ここら辺りはかなり踏み込んだ表現をしてくださったことがいろんな啓発につながっていくのじゃないのかなということを思っています。
こういったことも踏まえて、文科省がこのたび「遊びは学び 学びは遊び」というあの動画をつくってくださっていることと思いますので、そういったことが、自分自身もこの会議の中で、幼児教育を選んでいる時点では遅くてということで、1歳児健診とか、何かそのときからみたいなこと発言させていただいた記憶があるんですが、その辺りが10ページの下から3行目辺りに書き込んでくださっているところがあります。ここもやっぱり自分も関わらせている市町の関係者の方にぜひ関係機関と協力してそんなこと取り組んでほしいということ発信しているんですけれども、ここの本文中にはあるんですが、これが概要案のほうに行きますと、なかなかやっぱり文字に制限があって、ここら辺りまで踏み込んで書き込めてはいないんですが、見せていただくと、1ページ目の「自発的な活動としての遊び」の一番下に、「幼児期の発達の特性や幼児期にふさわしい教育の在り方について、一層の普及・啓発に取り組んでいくことが必要」の後に若干スペースがありますので、こういった辺りに、教育の在り方について、関係機関と連携し、妊娠期や子供が乳幼児期の頃からみたいな言葉を入れても収まるのかなあという気がしまして、御検討いただけたらと思いました。
本文にあるのも大事なんですが、やっぱり概要にあることのインパクトというのもあろうかと思いますので、ぜひそういった関係機関の方の目にも触れやすいような状況になるとうれしいなと思いました。
あと、今後の展望についてなんですが、先ほどのことがかなえば、保護者向けの今つくってくださった動画の広がりはあると思います。
この最終報告案については、全国的にというアイデアがなかなか浮かばず、自分が何ができるかなと思って考えさせていただいたのが、ちょうど神戸大の附属で今年度から文部科学省の研究開発学校の指定を受けて、兵庫県下全域巻き込む形で研究に取り組むということを始めています。その際に、有識者検討会のこういう議論実はされているんですよということも、自分たちにとってもそれを巻き込んでいくのには非常に大きな武器になったのと同時に、その機会を通じてこの中身を兵庫県下にお知らせするということができているかなということも思ったりしています。
なので、全国的にということではないかもしれませんが、兵庫県の中で自分ができることとしては、みんなで一緒に研究、研究の開発と検証を同時に4年間で進めましょうということでお誘いしていく取組の中で、こういう会議の中身をお知らせするということができるかなということを思いました。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。最初に恵まれない家庭のという言い方は、文科省の他の報告と整合性取る必要があるので、どう書くか検討させてください。
それから、概要のところでもう少し入れられるかもしれないという辺りは、いろいろ見栄えを気にしながらやっている作業なので、ちょっとそこもあんまり詳しくできないと思うんですけど、もうちょっと分かるようにできるかもしれないと思っております。
そしてこの報告をいろんな形で伝えるということについて御努力いただいていることは感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
それでは、大豆生田委員、お願いします。
【大豆生田委員】 ここまでの取りまとめありがとうございました。本当に今現代の大事なことのありとあらゆることがここに入ってきて、今後がわくわくする方向だと思いながら読ませていただきました。
その上で5点お話しさせていただければと思います。1点目ですけれども、何度か話題になっています、13ページのICTのところです。私はとてもこれから幼児教育にICTがどう入っていくかということについてはわくわくする一方で、やっぱりどうしても懸念があります。前にも言いましたけれども、やっぱり必ず虫を見れば、皆さんこういうふうにスマホを虫に当てます。つまり、この名前は何かというところから入っていきます。子供が見て、触れて、友達と話しながら五感で感じたり、試行錯誤がなくなります。これは簡単にそうなると私は懸念しています。
もうここまで懸念されることも書いていただいたので、これでよいのだと思います。本当に今ここでICT活用することが本当にふさわしいのかに問いを持つかどうかということが大事です。毎回これが本当に子供にとってふさわしいのかどうかということの判断、つまり、ここに考慮するとともにって書かれているのでもういいんだと思うんですけれども、ここにもし一言入れてもらえるとすれば、判断を考慮するとともにという言葉ぐらい、先ほどの古賀委員の言葉に加えて、そこを入れていただけるといいかな。しつこいぐらいかなと思いながら、私はここの意義を非常に感じつつ、ここが実際に動き出したときの懸念ということ、資料の2のほうにもそこのところを強調してくださっているので、もう十分と思いながらも、その点が1点目です。
それから2点目です。25ページのところの、「なお、公開保育については」というところもありがとうございます。こういうふうに短時間で気軽に見合う方法ということを入れていただいてありがとうございます。もしそれにもう一つ加えていただけるとすれば、公開保育は園外だけではなくて、園内においても、公開が可能かな。まずはそこから始めてみるのも一つ手だろうと思っていますので、そういう意味でいうと、園内外というふうな視点をここに入れていただいてもいいかなと思ったというのが2点目の提案です。
それから3点目ですけれども、幼保と小学校の合同の往還型研修の可能性です。これどこに入れていいかずっと分からなかったんですけど、今、私、幾つかの自治体で幼保と小学校の、5歳の担任と1、2年生の担任とで一緒に往還型の研修を今実施していますけれども、ほぼ同じような言葉で子供の姿を語り合えたり、むしろ幼児期が小学校から例えば子供の姿を板書する、記録するって何かということなども含めて、かなり一緒のステージでこれだけ子供にとってという視点で語り合えるというふうなことを思っています。
そうしたときに、やっぱりこれから「架け橋」がよりよく進んでいくためには、もう一歩、実践を基に、それは実践の事例を持ち寄ってもいいし、公開し合ってもいいし、一緒のステージの中で研修を進めていくということをより強調する視点を入れてもいいのかなと思った。これ書かれているようにも思うんですけど、ちょっと分散してしまっているので、その辺りのところを入れていただくのも一つかなと思ったのが3点目です。
4点目はこの中の文言についてではないんですけれども、先ほどからこれを今後どう発信していくかという話の中で、動画やSNSということなんですけれども、私自身が、「遊びは学び 学びは遊び」のところに関わらせていただいて、とてもいいものができたと思っています。
その一方でさらにというのであれば、私としてはもっと短くてよいと思っています。今の多くの人たちが見ていただく上では、もっと短く、そしてもう少し分散して、数を出していくということが必要かなと思っています。
もう一つは、当事者性ではないけれども、つまり一方的な発信ではなくて、相互的、対話的に発信を捉えなおすということです。それが例えば保育者自身がもっと参画するような発信の仕方であったりだとか、保護者の声みたいなことが出てくるであったりだとか、そういうふうなことも含めて、鈴木先生がさっき養成校のこともおっしゃいましたけど、それは学生もそうで、学生が参画する。これが小学校との接続にふさわしいかどうか分かりませんけども、発信のときに学生目線みたいなことも含めて、いろんな当事者が自分たちのものとして受発信していくような発信の仕方ということがこれから必要になってくるのかなと思っているというのが4点目です。
5点目ですけれども、これは先ほど坂﨑先生、鈴木先生もおっしゃられた、はじめの100か月の育ちビジョンとの話で、無藤座長がコメントされているので、私がそれを新たに言う必要があるかどうかあれですけれども、やっぱり大きな子育て全体の中で社会全体で子供真ん中社会をつくろうという文脈と、今回画期的な3要領・指針とこれを一緒にやろうとしたことは、今回すごくやっぱり大事なことで、だとすると、はじめの100か月のビジョンとの関連の中でということが、これだけたくさん引いていただいていますけれども、そことの関連の中ということ、やっぱりそこって出せないだろうかということをあえてもう1回御提案させていただきたいと思います。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。ICTのことは、何とか文面をもう少し工夫したいと思います。
それから、公開は確かに、園の中で、違うクラス、違う年齢の保育を見る機会があるかというのがなかなか難しいんですけれど、おっしゃるとおりですよね。
それから、幼児教育側と小学校教育側の教員や保育者が一緒になって話し合う場をもっと増やすことで研修が進むというのはなるほどと思います。
また、動画の非常に具体的な提案ありがとうございます。短く分散してとか、保育者、保護者、学生の参画というのは本当になるほどと思いました。
最後に、非常に大きな問題なんですけど、100か月ビジョンやこども基本法などを踏まえながら3要領・指針の在り方もつないで考えるべきであるわけで、背景の問題意識としては、それぞれ委員の皆様、私などにもあったと思うんですけど、十分表に出し切れなかったわけですね。その辺りは、あるいは「おわりに」というところで出す、1行、2行になっちゃいますけど、ことも大事かなあと。それも検討させてください。ありがとうございました。
では、渡邉委員、お願いします。
【渡邉委員】 よろしくお願いします。取りまとめ本当にありがとうございました。
私のほうから大きく言って3点お話しさせていただきます。一番最初は、見え消しの20ページのところです。一番上の丸が不登校のことが書かれています。次の2番目の丸のところで、言葉としてどう入れるかというのは分からないんですけど、大きく言って、今後の方策にもかかわることなんですけど、子供観とか教育観を共にすること、「こういう子供って育ちって大事だよね」ということが共有できることが大事だと感じています。小学校の先生も同じように、同じ姿勢で、子供ってこういうこと大事なんだということが言えるといいと感じています。みんなと一緒にするを過度に求めすぎると不登校になるとか、それから障害児のことも同じなんですけど、みんなと一緒にできるようになるように大人が教え込もうとすると、訓練的や療育的になってしまいます。そうではなく、多様さを認め合って共に育っていくということが大事だと感じています。一人一人を大事にするとか、それから、子供という存在というのは有能な学び手であるということがきちんと押さえられたら、それだけで多分子供たちが育っていくということに関して、現場でどのような言葉の使い方をするべきか等の議論をしていくよりも、こういう姿を大事にしていこうという気持ちがあれば、幼小はつながっていくのではないかなということを感じています。そう考えると、2番目の丸の辺に子供観とか教育観という言葉なのか、どういう言葉を使っていいか分からないですけど、それを共有化していくというのがすごく大事かなと思っております。
次に29ページのところです。私どもの団体、私は全日私幼にも入ってはいるんですけど、認定こども園の団体にも入っていますけれども、少子化の流れの中で、子供の魅力をどういうふうに発信するか、子供って素敵な存在なんだという発信をもっとしていくことが大事だと思っています。我が国の幼児教育の在り方ということが下のほうに書いてあるんですけど、幼児教育が素敵になることが、子供という魅力を発信することになるし、また子供が育っていくことでもあります。ある意味、そこに大人たちも多分巻き込まれていけば、大きな意味でという言い方でしかできないんですけど、国が求める少子化対策にもなっていきます。幼児教育ってすごく大事な部分なんだということについては、保護者も巻き込まなければいけないし、小学校の先生たちも巻き込まなければならないことです。
そうすると、今後の方策という中では、大豆生田先生とまた違う形かもしれませんけど、つい最近、横浜市幼稚園協会が主催した教育研究大会で、横浜市の接続期、遊び研究会で取りまとめた5分間ぐらいの動画を小学校、保育園、幼稚園で各5分ずつ15分流しました。そしたら、ほとんど見ている人たちは保育者でしたけど、保護者の方も結構いられて、すごく面白かったという感想をいただきました。こういうことが大事なんだと文章などで伝えるよりは、子供たちの、小学校1年生の動画も含めてですけど、こういう姿って大事にしなきゃいけないんだというようなことが映像を通して伝わったときに、保育者もそうですし、保護者もそうですし、小学校の教員もそうなんですけど、子供と関わっている人たちが、本当にこういう姿を大事にしていこうという、中核的なものが、言葉だけではなく伝わっていきます。そういう機会をどうつくっていくかとか、研修の在り方とか、そういうプラットフォームを作って、幼保小の人たちが集まって、魅力的な事例を作り出し、地域でこういう実践をやってみたいというような意欲が高まっていくような、そんなような機会をつくっていくことが大事だと感じています。また、やはり0・1・2の親たちに、そういうような幼児教育が大事なんだというのをどこでどうやって伝えるかという、そこをまずスタートにしないと、3歳ぐらいになってしまうと、園の選び方とか、いろんなところで、下手すると、何かを教えてくれたほうがいいとか、サービスが多いほうがいいという園選びになってしまいます。そうなってしまう前に、子供が育つってこんな素敵なことなんだということを分かっていただけるような機会をどうつくっていくかというのを今後の方策として何か考えられたらいいかなと思っております。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございます。教育観、子供観、特に幼児教育、小学校教育が共にしていくということが原点だと思うので、ちょっとどこかで工夫したいと思います。
それと、子供の存在の魅力とか、面白さとか、楽しさとか、あるいは子供という存在が社会にいることが、むしろ社会を活性化していくというようなことを、どう書くか分かりませんが、どこかに書きながら、具体的には子供の活動の魅力のある姿を示すことで感じ取ってもらうという方向ですね。というのはぜひ動画としてやっていきたいというか、お願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 ちょっと電波の悪いところにいるものですから、お聞き苦しいかと思いますが、申し訳ございません。
私からは、お礼でございます。この1年半以上、この会に関わらせていただきまして、本当にありがとうございました。初めは、横田さんはじめ、幼児教育課の方々がわざわざ学校まで来ていただいて、お話をいただいて、私で大丈夫なのかなあ、この会に出てというのを思いながら参加させていただき、自分の意見も出させていただきながら、本当に自分の中では学びが多く、このまとめにあったものについては鋭意推進していきたいという強い思いを持つことができたことに心から感謝をしています。ありがとうございました。
実は今、私、全連小の事務所にいて、午前中別の会議をしていたものですから、遅参してしまったんですが、大変申し訳ございませんでした。
朝は学校に行って、学校代表の読書感想文を3部ちょっと見てきました。その中で小学校4年生の読書感想文が、冒頭、私は勉強が嫌いですと。小学生は忙し過ぎる。私はバレリーナになりたいから、それを一所懸命やりたいのに、その時間がないということから始まっていました。ところが、ある1冊の本を読んで、自分の夢の達成には、国語はこういう力が必要である。算数はこういう学ぶ意味がある。社会も理科も意味があるということを聞いて、改めて自分を夢に進めていくためには学びというのが必要なんだと気づいたということを書いていた、4年生の真面目な女の子なんですけども、とても心を打たれて、今日1日をスタートしました。
そこから私がここでお話ししたいことが2つあります。子供たちの夢をやっぱり後押しするために、多くの大人たちが多くの時間をかけて、それこそ0歳から18歳、もっとそれ以上に関わるまで検討して、いろいろ教育というのはできているんだよ、学校、園というのはできているんだよというのを私は子供に伝えたいなと思いました。大人はもちろんですけども、子供に伝えたいなと思いました。
2番目は、私たちはやっぱり子供たちに学ぶ意味を教えないといけないのではないのかなということを改めて感じました。君たちが幼稚園でやっていたことは、こんなことがあるんだよと。保育園でやっていたのは、こんなことがあるんだよ。それはこういう意味があって、小学生の今の自分たちと比べてみて、君たちはきらきらしているかなみたいなことをやっぱり問いかけていくことが必要なんじゃないかなと思います。
大人の相互理解も必要ですけども、こういうふうに、この会議体のように、教育というのは考えられている、みんなの夢を応援したいんだということを私はやっぱり子供にちゃんと伝えていくことは大きく必要なんじゃないかなと改めてこの会を通して強く強く感じさせていただきました。
今後も不易と流行を鑑みながら、子供は有能な学び手であると、可能性を引き出すのが私たちの役割だということを強く自覚して学びの充実に努めていきたいなと思いますし、それを小学校の中でも広めていけたらなと思っております。
本当にありがとうございました。以上でございます。
【無藤座長】 ありがとうございます。子供の夢を後押しし、その学ぶ意味をということを子供たち自身に伝えるということを改めて御指摘いただいて、非常に重要なことだと伺いました。ありがとうございました。
それでは、汐見委員、お願いします。
【汐見委員】 汐見でございます。ちょっとこの1か月ほど入院していて、最後の会議に出られなくて、大変御迷惑をかけてしまったこと、申し訳なく思っています。何とか戻ってきて、リハビリ中です。
それで、私、今から発言することは、そういうことはもうちょっと前に言ってほしかったということはあるかもしれないんですけども、最終報告書を読ませていただいて、少しだけちょっと意見言わせていただければと思っています。
幾つかあるんですけども、例えば、見え消し版のほう、9ページのところに赤を新しく入れてくださっていますよね。「幼児からすると、遊ぶことそのものが楽しく夢中に」なってというふうなところですね。資質・能力が結果として身につくものですし、資質・能力を身につけるために遊ぶのではないということを留意するということですが、私はこれはちょっと言い過ぎだと思っています。教育の論理というのは、教育というのは、その社会の担い手になってもらうために、意識的に大人社会が子供たちにいい環境を与えて育てていくという、そういう営みのことを教育と言って、意識性がそこにあるわけですよね。そう考えたときに、この子たちが今この社会の中でどうやったら元気になるのか、目を輝かせるのか、さらにこの子たちが担う将来、30年後、40年後、2050年、60年の社会というのはどういう社会になっていくのか。その社会の中で、その社会をいい社会にし、かつ彼らが人間らしく生きていってくれるためには、幼い頃にどういう体験をしておけばいいのか。そのことを考えながら、保育内容というものを考えていくわけですよね。そしてその保育内容をいろいろ工夫してやっていく中で、何が育っているのか、実際に育っているのかということを評価するという営みがあって、つまり、この子たちが生きる社会のことを考えて、そしてどういう人間性だとかが必要なのかということを考えて、だからこういう保育内容にしていくんだという。それが実際育っているのかどうかを評価するんだという、そういう論理で成り立っているのが幼児教育ですよね。教育一般そうですよね。
そうすると、今の子供たちが、情報が非常に多様に与えられたり、手っとり早い遊び道具があったりして、実際は体を使って自然の中で豊かに遊ぶという体験がどんどんどんどん阻害されていく。でも、そのために、豊かに遊ばなかったら、将来自分で考えたり、工夫したり、友達と協力しながら新しいものをつくっていくんだという、そういう力が育たないじゃないか。だから逆に言うと、幼い頃には、工夫したり考えたり体を使っていろいろやることがこんなに楽しいんだという、その体験をいっぱいさせてあげようということで、それって何だ、それって遊びではないかと。
だから、遊びというものが教育的な価値を今とっても高く持っているというのは、そういう社会状況があるということが反面あるからですよね。ここに書いてあることは、その前に遊びを通じて数学的な能力が育つ、国語的な能力が育つ、人間関係の能力も育ちますよ、結果として、遊びを通じてそういうものが育つんだということであって、遊びが最終目標では必ずしもないということがそこに書いてあるわけです。
だから、こういう幼児からすると、遊ぶのが楽しくて夢中になる。それはいいんですが、資質・能力を身につけるために遊ぶんじゃないということには、私はちょっとこれは言い過ぎだと思っています。私は、10の姿が一番いいかどうかはまた別として、今と将来の社会を担う人間性を育むためにも、今、遊びを通じて学ぶという中身が最も大事だということ、それが将来の力につながるんだというようなことに留意することが大事だというようなぐらいの言い方に少しここはトーンダウンしたほうがいいんじゃないかと思っています。
これは教育の論理からちょっとずれているという感じを私はしました。教育はあくまでも、どういう子供を育てていくのかということを考える。そのことから教育内容が生まれてくる。その教育内容がちゃんと身についているかという評価活動が絶対必要なんですよね。その評価活動をどうするかということがまた大きな課題になっていく。
結果として今遊びというものが最も大事なんだという、そういうことはみんなと共有していく必要あるんだけれども、資質・能力を育むためにも遊んでいるんだということは忘れてはいけないと思います。今さらそんなこと言われてもというような御意見あるかもしれませんが、僕はこれは譲ってはいけないと思っています。教育の論理が逆転しちゃいけないということです。そういうことをもう1回何か反映してもらえないかということです。この書き方を少しトーンダウンしていただきたい。
それから2番目に、だからしたがって評価活動が大事になってきますよね。評価活動のところでもう少し書き方を入れていただきたいところ、8ページぐらいのところだったと思いますけども、もうちょっと後ろか。11ページでしたね。11ページのところに「幼児教育において育みたい資質・能力」があって、「育ってほしい姿」があって、その次に「幼児理解に基づいた評価」ってありますよね。この評価の活動をどうするかということなんですけども、保育所保育指針の保育の質を向上させるためにという検討会を開いたときに、保育所保育方針には自己評価をやらなきゃいけないということが書かれているんですが、その自己評価をどうするかということのガイドラインの書き直しをしたわけですよね。そのときに、やっぱり分かりやすく言うと、保育が終わった後に、今日の子供たちはどうだったのかという子供理解の営みといいますか、それを行った上で、だとしたらやっぱりこういう環境をつくっていったらいいのかねなんていうようなことをそこから考え出すという。その日の保育の振り返り、いわゆるリフレクションというものですよね。このリフレクションというものが最も大事なんだということを質を上げるための自己評価の中で書き込んだというあれがあるんです。リフレクションという言葉を使うかどうかは別として、私、去年の秋、スウェーデンの4つのタイプの違う園を回ってみたんですが、それぞれ今一番大事にしていることはなんですかと聞いたら、全ての園が今リフレクションですと言ったんですね。私はやっぱり環境をつくっていろんなことをやる、そのプロセスが大事だと言うけども、本当にうまくいっているのかどうかということについて、その都度、ちゃんと議論し合う。議論し合うという中に実は評価の活動があるんだということですよね。
だから、ここにもう少しリフレクションをしっかり全員で行う。そうすると、リフレクションの活動の中で、でもそういう力って今子供に必要なのかしらとか絶対出てきますよね。そうすると、それが保育の目標の検討になっていきます。これは本当はそのまんまで言いたかったことなんですけども、今の要領と指針3文書は、5領域と10の姿という、つまり、目標になっているところが、上で定めて下に下ろしている感じになっているんですね。別に下ろしているつもりはないかもしれませんけど、実際はそういう形になっている。保育の現場が、これからどんな時代になっていくので、子供たちにどんな力が必要なんだろうねというようなことをみんなで議論し合って、だからうちの園ではこういうこと大事にしていくんだというようなことがあって、その参考文書として要領があるという関係が私はいいと思っているんですが、なかなかそういうふうにならないのは、保育の目標までも自分たちで考えていかなきゃいけないんだというところをやっぱりはっきりさせていかないからだと僕は思っています。
だから、こういう要領とか指針をつくるということはとても大事なんですけども、現場がどういう子供像を持ち、そして、なぜそういう保育をするのかということを説明できる力を持つということ。このことをやっぱり上手に考えていかなきゃいけないんだということですよね。それをどう応援していくかということで、文科省がある。
それから、もう時間がないんですが、環境を通した教育という言葉があちこちから出て、この文章の中に出ていました。それで、環境を通した教育というのは、何か分かったような気もするんですが、厳密に言うと何を言っているのかって僕は分からないです。環境を通した教育。通したってやっていますよね。環境との相互作用を通じた育ちを支える教育という意味なんでしょうかね。そのためにはやっぱり子供たちにとって魅力的な環境がありながら、環境と相互作用する中で様々つくっていく。それをサポートするという教育が環境を通した教育なんだという、そういう例えば定義を少し書いていただけないでしょうか。
なぜかというと、大事な言葉がいっぱい出てきても定義がないことが多いので、現場が勝手な解釈してしまうんですよね。だからこういうキーワードについては、簡単でいいですから、ぜひ整理をお願いしたい。
それから障害児の教育のところなんかでも、私はこれからのことを考えたら、障害児だけじゃなくて外国のお子さんだとかたくさん来る中で、一切差別しながらみんなと一緒に育てていくという意味では、インクルージョンという言葉をやっぱり入れておくべきだと思いました。これはユネスコなんかもやっぱりかなり強調していることですしね。日本のインクルーシブ教育、批判されているところあるから、そこをやっぱり念頭に置きながら、本当のインクルーシブ教育の模索というものをやっていくんだということを一言入れていただければいいんじゃないかと。
等々、後からちょっと、1か月ほど遅れてしまって、読んでいろいろ感じたことがあったものですから、今さらそんなこと言ってもと言われてもしようがないなと思っていますが、最後にちょっとだけ言わせていただきました。
以上です。どうも。
【無藤座長】 ありがとうございます。環境との相互作用とかインクルージョンの考えというのはちょっと検討して、もう少し分かるようにしたいと思います。
それから評価活動においてリフレションが核になるというのは、要領・指針でも評価と呼んでいるのが、保育活動を振り返って、反省して、新たな保育活動を組んでいくという方向として出されていると思うので、そこも見えるようにしたいと思います。
それから9ページのところの御指摘はなるほどと思ったんですけれど、御指摘の部分はなお書きの部分なんですが、その前に、「幼児の自発的な活動としての遊びを通した学びは」云々で、「必要な資質・能力の基礎を培う」と明記してあるので、それが主なところなんだと。しかし、その際に資質・能力というものを、その文言をただ取って、その手だてとして遊びを限定するのではないんだよという趣旨で書いたつもりなので、その辺がもう少し分かるようにしたいと思います。ありがとうございます。
【汐見委員】 結果として資質・能力を育むんだというふうな文言にしたほうがいいと思います。
【無藤座長】 はい、はい、それはそういうふうにしたい、そういう趣旨のつもりですので、分かるようにしたいと。検討させてください。
そしてまだ発言されてないのが秋田委員なので、お願いできますか。
【秋田座長代理】 ありがとうございます。多くの皆様のお知恵が集まり、また、それを事務局の方が本当にうまくバランスよく何度も何度も御修正をいただいたことによってこのような取りまとめが最終文書になりましたことに心からの謝意を申し上げたいと思うところであります。
まず1点、私はこの検討会議の目的と照らし合わせて確認をしたいというところがございます。皆様の中に普及啓発的な御発言が何回もあったんですが、これは現行の幼稚園教育要領や教育課程の在り方を検討し、今後の在り方の論点を整理して取りまとめたものだと私は理解をしています。有識者の考えによって取りまとめられたものでありますが、もちろんそれが政策に具体的に今進められるものも可能だと思うのですが、私たちの立場というのは、先ほど田中委員が言ってくださいましたが、これをそれぞれの団体や、保護者や、いろいろな立場からこの論点を見てどうでしょうかという対話ができることが、あと2年、次の改訂までの間に現行の課程をこういうふうに私たちは考えたんだけれども、皆さんはどうでしょうかと、多様な方が参画してくださって、この論点についての意見の対話をしていただくということが最も重要なことなのではないかと考えます。この文書を知らせて何かをしてもらうというのではなく、これはあくまでも、それは法令である例えば3指針であったり、こども家庭庁のほうでも大綱に基づくものというのが動画をつくり、明確にそれを一般の方に共有していただくものでありますが、これはあくまでも論点の整理でございます。むしろ私たちは、これをもう一度、多様な方はこの報告をどう読むのかということをヒアリングもしましたが、いろいろな観点から、例えば私立幼稚園のことはもっとこういうふうにやったらいいんじゃないかなとか、国立はこうだと思うとか、それから、養成校の立場から見たら今後の幼児教育はこうだろうか、ここには実は遊びは大事って書いてある、それは誰も否定はしない、でも実際には、リスク管理との中で大変難しいことが起こってきたり、それから、少子化の中で従来と学級の在り方が変わってきていて、これまでどおりにはうまくいかないとか、様々な葛藤がある。そういう状況の中で、この論がどう実現できるのかということを各実践の場で対話をしていただくということが最も重要ではないかと思っています。
その意味では、最後の「おわりに」のところが、どちらかというと政策の実現というところは書かれたんですけれども、もっとそれを各園や、保育者や、それから関係者一人一人が自分事として、今の現行の3指針の中で何が可能か、時代とともに変わってきているところで、あと何が本当に不可欠だけれども、困っているのか、そういう議論をしていただきたいということがどこか「おわりに」にもう少し書いていただけるといいのかなと思っております。
奈須委員と私は小学校以上のほうの教育課程の会議にも出させていただいていますが、そこでも最初、例えば、周知とか浸透という言葉に、私も含めですが、多くの委員が反発し、最後、「共有・浸透」というふうに、あくまでも一人一人が共有をしていくんだというスタンスでの報告書になってございます。
やっぱり私たちは、委員だと、ついこの取りまとめをつくると、文科省から下ろすという発想になりがちですけれども、そうではなく、先ほど大豆生田委員も言われましたが、一人一人が自分事として、いろんな立場の人がこれについて声を出していただくという、そのスタンスが、今後、改訂があったとしても、それを自分事にみんながしていく、そして定着していくための重要なところになるのではないかと私自身は考えているというところであります。
なので、自分たちはどこを議論したらいいんだろうかということで、それをどう深めたらいいんだろうか。先ほどの環境の問題であったりも、デジタル環境の問題もあれば、自然の問題もあったり、でも環境を通しての環境というのが本当に子供主体の環境をつくっていますかと伺って、いろんな実践をお見せすると、ああ、まだこんなにいろんな工夫はあり得るんですねと保育者の方が振り返ってくださったり、いろいろします。そういう意味での対話のきっかけにこの文書がなることを個人的には望むというところであります。
また、2点目としては、こちらの小学校以上の文章の中にも、こども基本法にのっとってということがこの間出されているということが2か所、小学校以上の報告書でも明示されてございます。やはり子供の権利というものを守っていきながら幼児教育をやっていくんだということが、どこかにやはり、単にこの文書が法律があるというだけではなくて、本文の中にそれを書き入れるということが私は大事かもしれないと思っています。
また3点目です。これは幼小の接続・連携のときの皆様のイメージというところと関わってくるところです。参考の小学校以上の今後の教育課程というところの文章の4ページ目を御覧いただけるといいと思うんですが、学校という場所はどういう場所かということが明示されています。「学校は、学年、学級という生活を共にする中で、多様な他者に出会い、共感やあつれきの中で、自己を知り、高めるとともに、他者と共に共存するという、社会を形成していくのに必要不可欠な人間同士のリアルな関係づくりを子供たちが相互の中で学ぶ貴重な場なんだ。そしてそれが包摂的で他者への信頼に基づく民主的な公正な社会を実現していく基盤として一層重要になって、これが分断を防ぎ、持続可能な社会の担い手をつくるというのが学校という場」だということが明示されています。
どうしても園小の幼小の接続というと、教科のお勉強をつなぐみたいなイメージがあるかもしれませんが、公教育としての学校という場をこういうふうに今後の教育課程で捉えている。そこと今後の各園がどうつなぐのかということがやっぱり共通のビジョンとして、私たちが園という場が今の公教育の場と同じような機能を、教育として、公教育として担うということが大事なんだというイメージを共有することが重要ではないかと考えるところであります。
あと、小さなコメントでは、指導主事の話が出ておりましたが、皆様は幼児教育を中心に話してくださっていますが、小中高も含め指導主事が今人口規模の少ない町村の中では置けない自治体も出てきている、小学校以上ではですね、そういう厳しい現状もございます。その中で、指導主事というだけではなくて、幼児教育アドバイザーや、それから様々な、こども家庁やそれから子供の福祉との連携・協力によってコーディネーターを育成していくとか、そういう方向を新たに幼児教育として考えていくということが重要なのではないかというふうに私自身は、本日の御議論を伺いながら、考えました。もちろん指導主事を幼児教育をとつけるのは重要なことですが、全部の公教育の現状というものを踏まえたときに、何が可能であり何が厳しいのかということの中でこの文書を位置づけていくということも大事かなと思いました。
本当に皆様に大変お世話になり、貴重な学びの機会をいただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。
以上です。
【無藤座長】 ありがとうございました。特に最初の点は、本有識者検討会の使命というものの確認、そして、現状を確認して今後の在り方に関する資料提供、ある種の提言をもちろん含みますけれども、しているのだと。この議論を中教審その他で議論していただくとともに国民に広く開いていくという趣旨だと最初から理解して、ある意味でそれをはみ出すところを多少歯止めをかけながらやってまいったつもりですので、それを再度明確にしていくということは特にまとめとして重要だと思います。
また、子供の権利というものを最も基本に据えていこうということが私はこども基本法の一番の理念だと思うので、その辺をもう少し明確にできるようにしたいと思います。
また、幼児教育、幼稚園、保育園、こども園の教育というものが、やはり公的教育の一翼を担うという位置づけに私は変化してきたと理解しておりますので、その辺をあまり長い言い方でなく表現できる工夫も加えたいと考えております。
最後の点はそのとおりだと理解しました。
さて、ちょっと時間過ぎて申し訳ありません。非常に熱心に御討議いただきまして、ありがとうございました。本日、様々な御意見をいただいたんですけれども、大きめの修正意見もありましたが、その都度、ある程度の修正の方向を簡単に述べさせていただきましたので、そのような方向でできる限り、大きな文章の修正は、最後の「おわりに」はちょっと加えるかもしれませんけれど、それ以外はそれほどないとは思うんですが、誤解をできる限り防いでいくということを努めながら、何とか私のほうで必要な修正をさせていただきたいと考えてございます。
それを通して最終報告として本文及び概要を取りまとめたいと思っております。いろいろ出たので、なかなか最後のところで少し大変なところがあると理解しておりますが、私と事務局とで努力したいと思います。
ということで、最終報告のまとめについては私に御一任いただきたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【無藤座長】 ありがとうございました。
それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、最終報告の本文及び概要を取りまとめて、追って事務局から委員の皆様に御連絡させていただきたいと存じます。
それでは、最終報告の取りまとめに辺り、日向審議官においでいただきましたので、一言御挨拶を頂戴したいと思います。
【日向審議官】 文部科学省の審議官の日向と申します。事務局を代表して委員の先生方に一言お礼を申し上げさせていただきたいと思います。
この検討会は今年の1月から12回にわたりまして、無藤先生や秋田先生、奈須先生はじめ、先生方に大変熱心に御議論いただきありがとうございました。
特に無藤先生におかれましては、座長として、この検討会の取りまとめに当たり、毎回、様々な委員の先生方から様々な御意見が出るわけでございますが、非常に取りまとめにお力添えを賜り、誠にありがとうございました。
この最終報告につきましては、この会議自体はこども家庭庁とも連携しながら進めさせていただいておりますが、幼稚園や保育所、認定こども園における幼児教育の一層の質の向上に向けて、この報告書を基に今後の施策に反映して取り組んでまいりたいと思っております。
また、都道府県や市町村、幼児教育施設、また小学校関係者に対しましても、今日もいろいろと御意見を賜りましたけども、この最終報告書をいろんな形で示させていただき、様々な御意見もいただきながら、現場の関係者と共に一緒になって幼児教育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
この会議は今日で取りあえず最終の報告の取りまとめということで一段落ということになるわけでございますけども、先生方におかれましては、今後とも幼児教育の充実のために様々な形でいろいろと御指導賜れればと思っておりますので、本日までのお礼とともに、また今後も引き続きよろしくお願いしますということで、事務局から一言お礼の挨拶とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【無藤座長】 ありがとうございました。
それでは、最後に座長を務めましたので、簡単に御挨拶させていただきます。
今、審議官から改めて御挨拶にもありましたけれど、今年の1月から開始して、今9月ですけど、回数は12回ということで、月に1回を超えて、月2回、特に最初の数か月は2回していただいたような気がいたしますけれど、毎回極めて熱心な御討議いただきました。
幼稚園、保育園、こども園、併せて幼児教育でありますけれども、その方向と、さらに小学校を見据えてそのつながりを図るという動きはもちろんこの何年か進んできましたけれど、大きく考えれば数十年単位の大きな動きの中でここまで到達してきた。そして、これは現状の整理とそこからの提言でありますので、今後に向けてさらに御議論いただき、また秋田委員が出されたように、国民各層の皆様方の対話にしていただけるようにお願いしたいと思います。
そして、ここで極めて綿密な議論を最後に事務局の御協力の下でまとめるところまで来ましたけれど、非常に一つ一つ、1行1行が濃密なものだと思います。その背後に様々な実践があり、幼稚園、保育園、こども園、また小学校で実践されている方々の御努力、行政の立場での尽力を踏まえているものだと思うんですね。
そういう意味で、私などは長年こういうことに関わってまいりましたので、ここまで来たという感慨もあるんですが、ここまで来たけど、しかしながら、やはり道半ばですので、これからぜひ皆様方とともに、これを多分聞いていられるいろんな方がいる、また、この報告を読んでいただける方が多いと思いますので、その方々にさらにいろいろなそれぞれの立場の中で御尽力を期待して私の御挨拶とさせていただきます。
それでは、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――