いじめ防止対策協議会(令和5年度)(第1回) 議事要旨

1.日時

令和5年8月9日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web開催 (Zoom)

3.議題

  1. いじめの現状について
  2. 令和5年度いじめ防止対策協議会の協議事項について
  3. その他

4.出席者

委員

新井委員、遠藤委員、清原委員、高田委員、玉井委員、田村委員、中田委員、原委員、福島委員、松谷委員、村山委員、八並委員、渡辺委員

文部科学省

矢野初等中等教育局長、伊藤児童生徒課長、仲村生徒指導室長

こども家庭庁

    吉住こども家庭庁支援局長、 

5.議事要旨

※議事に先立ち、吉住こども家庭庁支援局長と矢野初等中等教育局長より挨拶があった。
※事務局より資料の確認と説明があった。
 
【座長】 
 それでは、委員の先生方から、先ほど事務局からの説明も踏まえ、自己紹介を兼ねて、一言御挨拶をいただきたいと思います。資料1の名簿の順番の上から、こちらで指名をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 時間の関係で、申し訳ありませんが、2分程度という短い時間になってしまいますけれども、その時間内でお話をいただければと思います。
【委員】  全日本中学校長会でございます。昨年に引き続きまして本会に参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、事務局から御説明のあった昨年の令和4年に出た文部科学省の調査のことでありますが、中学校としては、気になるのは、いじめの認知件数が小学校の総数と比べて中学校の総数はとても少ない。にもかかわらず、いじめの重大事態の発生件数は、中学校276に対して小学校314、認知件数と比べるといじめの重大事態の発生件数の割合の高さに非常に心配しております。それだけ中学校におけるいじめの深刻化なんだと思います。改めて、未然防止、早期発見、早期対応の重要さ、その最前線にいる学級担任の資質向上等の手当てが必要かなと思いました。本会議をもっていろいろ御指示いただいて、改善につながればいいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】  どうもありがとうございます。中学校は非常に厳しい状況にあるというお話でした。
【委員】  皆様こんにちは。今年度初めて委員を拝命しました。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、2003年9月から2019年4月まで三鷹市長を務める中で、教育委員会と連携して、「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」を創始し、地域学校協働活動等を通じて学校と保護者と地域住民、専門家等のネットワークによる児童生徒本位の、健康で安全な育みを支える体制づくりに市長部局として連携をしてきた経験があります。また、法改正に基づく総合教育会議の開催と運営については市長部局を事務局として進めてきました。そうした経験を踏まえまして、自治体の首長としての視点を意識しながら、本会議に貢献していきたいと思います。
 そして、今期のいじめ防止対策協議会の発足については、初等中等教育局長、そして、こども家庭庁支援局長さんから御紹介がありましたように、「文部科学省とこども家庭庁の共同設置」になったことの意義は大きいと思っています。それは、私自身が、基礎自治体として教育委員会と市長部局とが連携していじめの問題等にも対応してきましたように、ぜひぜひ、教育委員会だけが、学校だけが、いじめの問題に対応するのではなくて、自治体が首長部局も含めて、責任を持って、密接な連携をとって責任を果たしていく、そのことが、今回の設置の趣旨にも対応できることだと思っています。
 どうぞ、文部科学省とこども家庭庁の皆様の連携強化によって、私たちの協議会も、自治体のいじめ防止対策の実態に即した提案ができるように、私自身も努力していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。教育委員会あるいは文科省だけではなくて、首長部局、あるいはこども家庭庁と一体となって子供のいじめ防止に努めようと。そういう点で、自治体の長であったという経験を生かして、いろいろな意見をいただければと思います。どうもありがとうございます。
【委員】  こんにちは。私は日本臨床心理士会の代表として参加させていただいております。
 スクールカウンセラーとして臨床心理士が活動しておりますが、8月6日の京都におきまして、全国研修会を開催しました。その際、1,300名の会員が参加し、スクールカウンセラーのことを学びましたが、室長様におかれましては、午前中の基調講演、そして午後からのシンポジウムにまでお付き合いいただきまして、大変貴重な御示唆をいただいております。この場を借りて御礼を申し上げさせていただきます。
 私もスクールカウンセラーを1995年からしておりますが、スクールカウンセラーの資質向上につきまして、また、いじめ問題につきまして、スクールカウンセラーがどのように活躍できるのか、また、重大事態等の報告書で、臨床心理士としてどのようにお力になれるのかということを常に考えております。職能団体の代表として、また、一スクールカウンセラーとして、この会におきまして皆さんと一緒に勉強し、また、御提言できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。スクールカウンセラーの果たす役割、非常に重要だと思いますので、また御意見を承れればと思います。
【委員】  はじめまして。北海道教育大学副学長です。
 昨年出た生徒指導提要もありますので、もうほとんど対策については網羅されているだろうと思います。私は附属学校も担当しておりますけれども、生徒指導提要のような内容をどの程度啓発できるかというのが、やはり重要な課題になっているなと思います。特に最近の事案では、保護者が子供に対してなだめる、止めるということではなく、けしかけるというようなことも含めて様々な事案が起きていますので、保護者の啓発もこれから大きな課題だろうと思います。 当然、そのためには、学級担任が未然に早期発見し、早期対応するということが課題になるので、そこの研修もどれだけやるか。学級の中で、そういったことをきちんと啓発をしていく。子供たちに常に意識をさせていくということが重要な課題になるかなと思います。
 そういう意味では、附属学校も最近、そういう問題が非常に大きな問題になっておりますので、それぞれのブロックごとに研修会を、文科省の御協力もいただきながら開いていくということも考えていかなければいけないなと思っております。今後どのような啓発を進めていくか、私どもの国立大学の附属の関係者もその辺りを意識しながら、これから対応させていただければと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いします。
【座長】  ありがとうございました。教職員の研修はもとより保護者への普及啓発、これが重要になってくるのではないかという御意見かと思います。ありがとうございます。そうしましたら、続けて、よろしくお願いいたします。
【委員】  皆様こんにちは。日本精神保健福祉士協会という職能団体の会長として、こちらの協議会には五、六年前から出させていただいております。その間にいろいろな施策が進んでいることを先ほどの事務局からの御報告にも感じたところです。
 私どもの協会では、精神保健福祉士が全国にいるわけですけれども、スクールソーシャルワーカーをしている者もあれば、医療機関で、近年、非常に児童生徒さんたちの精神疾患の罹患者数が増えておりまして、精神科医療を活用しながら学校生活、また、家庭での生活を送られる方が増えておりますので、そのお子さんの支援と、また、併せて今、先生のお話にもありましたように、御家庭の主に親御さんたちへの心理的なサポートといいますか、そういったことも併せて行わせていただいております。
 特にスクールソーシャルワーカーのみということではありませんけれども、地域では相談支援事業所というところにもソーシャルワーカーが多数おりまして、例えば、障害を抱えているお子さんたちの支援、地域でネットワークを活用してどのように支援していくかといったことについて、あるいは要保護児童対策協議会なども通して、地域ネットワークづくりにも関与している者が多数おりますので、今、検討課題になっているような、学校とそれから関係機関をつなぐといった役割に関しましても、ぜひ今後ともしっかり役割を果たしていきたいと思っております。
 最近、私どもの取組としましては、幾つかの県の教育委員会と連携して、教育研修の機会をちょうだいして、地域ではどのような支援ができるかということや精神疾患等に、あるいは精神障害のある方への支援などについても御一緒に考える機会をちょうだいしております。そういったところから、側面的にいじめの防止ということと、あと自殺の防止も、私どもの団体では心の健康相談統一ダイヤルという事業を厚生労働省のほうから委託を受けて実施しているんですけれども、そういったことも踏まえて、お子さんたち自身が悩みをきちんと話せたり、また、それを話したことによって関係する支援者が増えて、みんなで支えていくということ、その際には学校の先生たちも非常に御苦労されているところが多いかと思いますので、支援の対象というふうに捉えながら、一方で、御一緒に連携をしていければと考えております。
 こちらの協議会で非常に多岐にわたる協議があるんですけれども、それを職能団体に持ち帰って、全国の各県の精神保健福祉士協会と地元の教育委員会等が連携をして体制をつくっていくことができればと考えております。引き続きよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。学校と関係諸機関との連携をつくっていく、そしてみんなで支えていこう、というところが大事だという御指摘だったと思います。ありがとうございます。
【委員】  日本社会福祉士会で副会長をしております。よろしくお願いいたします。昨年度に引き続きまして、今年度も関わらせていただくことになりました。
 私どもは、まず、社会福祉士会のほうなんですけれども、先ほど委員も言われましたけれども、社会福祉士会のほうも、私自身もそうなんですけれども、多くのソーシャルワーカーが各学校で活動をしております。既に、チーム学校ということで、ソーシャルワーカーもそのメンバーに入っておりまして、様々な案件につきまして、校内ケース会議でありますとか、関係の機関を含めて地域での拡大ケース会議、そういったものも実施をしているところでございます。
 その中で、各学校の中でいじめに関して言えば、いじめ防止対策委員会の委員として関わらせていただいておりますし、平時からの定例開催に加えまして、緊急の開催でありますとか、そういったところも関わらせていただいておりますし、あと、私も重大事態の再調査委員会の委員を某所でしておりまして、そこで感じたことなんですけれども、事が起こったときの初動の遅れですよね、なかなか第三者委員会が立ち上がらない。その要因としては、人選の問題、メンバーがいない、誰を呼んでいいのか分からない、それから、予算面での措置が間に合わないというようなところが大きなところかなと認識をしております。
 その際に、人選のところにつきましては、私どもも多くの児童に関わるソーシャルワーカーが所属をしておりますので、ぜひ職能団体として、私ども日本社会福祉士会は都道府県社会福祉士会の連合体になるんですけれども、それぞれの47の都道府県の社会福祉士会の中にも優秀な人材がたくさんおりますので、ぜひとも職能団体を御活用いただきまして、そういった人選の際の福祉の専門職として社会福祉士を活用していただければと考えております。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。社会に開かれたチーム学校としていじめ防止に当たっていこうと。その中でスクールソーシャルワーカーの果たす役割が、これまで以上に重要になってくるのではないかという御指摘ですし、重大事態の人選もこれから協議していくべき重要な課題だと思っております。ありがとうございます。
【委員】  全国市町村教育委員会連合会でございます。昨年に引き続き、お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年まで協議会の中で、いじめを未然に防ぐことが問題じゃないかというお話がなされておりました。未然に防ぐために、今回、いじめ重大事態調査の基本的対応チェックリストというものを7月7日に事務連絡ということで各市町村に配布をいただきました。非常にありがたいと思っております。
 私ども連合会のほうも、これにつきましても、各市町村等に教育委員会のほうからも配布して活用いただけるようお願いしたところでございます。いじめにつながるささいな行動を見逃さない、そういう教師の目と心を育んでいかないと、児童生徒のいじめについてのことはなくなっていかないんじゃないかということを常日頃感じております。
 そこで、研修体制も含め、未然に防ぐための各学校の状況、また、教育委員さん方もそういうものに関わっていけるような体制が大切かなと思っているところでございます。
 ある教育委員さんからは、いじめについての情報が私どもに上がってこないんだと。教育委員会の事務局の中で止まってしまっていて、こちらに情報が来ないということを伺ったことが何度かあります。ですから、その辺の連携も教育委員会事務局長さんを含めた事務局と、また、教育委員さんの関わりについて、さらに連合会として少し検討していく必要があるのかなと感じているところでございます。
 また、第三者委員会につきましては、過去にも話題になっておりましたが、どうしても中立性は委員会としては保っているんだけれども、保護者や当事者からは中立じゃないということがどうしても見えてしまう、感じてしまうということがあり、その中立性を保つために広域的な人材リストを、種を超えて、また、町村を超えて、名簿みたいなのを作成しながら第三者の人事交流もできるようになるとさらにいいのかなと思っているところでございます。
 これからもいじめ防止対策につきまして、皆さんと一緒にいろいろ考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。総合教育会議等も含めて、教育委員会事務局と教育委員の方との連携をどう進めていくのか。それから、広域の人材リストをつくって、人選を中立で、しかも早くやれるような手だてを考えるべきではないか、これからの議論すべきことに関する御意見、ありがとうございました。
【委員】  よろしくお願いいたします。全国連合小学校長会の常任理事を務めさせていただいております。今年度から、本協議会に参加させていただいております。
 全国連合小学校長会では、豊かな心や健やかな体の育成、いじめ、不登校等の解消を図る生徒指導体制の充実を図るよう、生徒指導上の課題について調査研究を進めるとともに、研究協議会等においても、いじめ・不登校等への適切な対応と体制づくりを視点とした研究発表や協議を行い、各学校において取組を進めております。
 学校においては、安全・安心な学校づくりの推進を掲げ、子供たちに「いじめを許さない」、「いじめをしない、させない、見逃さない」心を育て、日々の教育活動全体を通じて、さらに道徳教育や学級活動等の充実を図り、いじめ防止に取り組んでいるところでございます。
 また、豊かな心を育む教育の推進において、生命を尊重する態度の育成や、差別をしない、許さない人権教育の推進、また、日頃から、挨拶や正しい言葉遣いの励行など、学校全体で取り組んでおります。
 そのように取り組みながらも、いじめはどこでも起こり得るという認識の下、教職員は学校いじめ防止基本方針に基づき、いじめ見逃しゼロとして、早期発見、適切な初期対応に努めております。また、それ以前に、いじめを生まない環境づくりが大切だと思います。
 また、皆様からもありましたように、学校と保護者、地域、そして関係機関と連携しながら、いじめ防止の取組を進めていくことが大切であると思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。いじめを生まない環境をつくっていくということで、教職員の研修等も含めて、常にいじめ防止の取組を進めていくことが必要だという御意見だと思います。ありがとうございました。
【委員】  皆さんこんにちは。日本私立中学高等学校連合会理事をしております。よろしくお願いいたします。
 まず、私学というのは、各学校の中に理事会があって、それから学校運営をしているというのが特徴だと思います。その中で日本私立中高の連合会があって、各都県にも私学協会があって、連絡は密にしておるような状況でございます。
 そんな中で、各学校のこの問題についての指導の差がまだあるのではないかと思いますので、私学間での連絡が密にとれて普及できればと考えています。特に、コロナが明けて、この重大事態事案がまた増えるのではないかと危惧しておりまして、やはり早期に発見することが大事ではないかと思っております。
 さらに、未然の防止対策というのは早期発見だけではなくて、その前に、学校教育でもっとできることはないのかなと私は考えております。今、探究学習とかそういう中でも、学校教育の中で、要するに、社会的なものや情動的な学習を子供たちに教えていくというのは大切ではないかと思います。アメリカでもそういった教育がもう始まっているということも聞いておりますが、自分の感情を認識して上手に調整する力とか、人の気持ちを理解して共感を示したり、良好な人間関係を築く、そういった教えを新たにやっていくのも、このいじめを防止するために必要ではないかと考えております。
 そんな中で、先生方のいろいろな御意見を聞いたり、新しいものを進めていければと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。学校教育の学びの中でいじめをしない人に子供たちが育っていくように、これから取り組むことがたくさんあるのではないかという御指摘かと思います。ありがとうございます。
【委員】  弁護士です。
 私は日弁連で子どもの権利委員会のほうで、いじめの問題を担当するチームの座長をずっとやってきたという関係もありまして、ここに参加させていただいています。子どもの問題としては、日弁連の子どもの権利委員会などでは、いじめの被害ももちろんですけれども、加害の子の背景にいろんなことがあったりということもあり、そういうことをも含めていじめの問題について捉えていく必要があるんじゃないかと考えているところです。日弁連のほうに来る大きなところでの関わりになりますと、いじめ重大事態調査の第三者委員会がつくられることが非常に多くなっていて、第三者委員の推薦依頼への対応があります。これが、年々増えてきていますけれども、第三者委員の推薦や確保が地元などでうまくいかなかったりとかという場合に日弁連のほうに来たりすることが多いので。その中で、いろいろ見えてくることがあって、いじめ重大事態調査自体は第三者委員会を必ずつくらなきゃいけないという仕組みにはなっていませんね。先ほど御説明がありましたけれども、1号の重大事態だとそれなりに被害は大きいですから、第三者委員会をつくって調査するのは必要な場合が多いかなということはあるんですけれども、2号の不登校を中心にした場合だと、いじめで不登校が要件どおりといいますか、長く続いている状態の中で重大事態として調査して、それに対してきちんと対応していく、あるいは、その原因について対応していく、再発防止を考えていくということは、第三者委員会をつくらなくても学校で調査するということもあり得る。必要な場合には、そこに第三者委員のような外からのいろんなことを入れていくという様々な対応ができるようないじめ防止対策推進法であったり、国の基本方針であったり、ガイドラインなどでもその辺りを示しているわけです。けれども、そこの辺りの選択がうまくいかないために、いろいろもめてしまって、さらに、2号だったものが1号になっていってしまうというような事態になっていっているのがどうも多いような気がしています。このように、様々な重大事態の調査の在り方があるんだけれども、それを選択する基準というか考え方といいますか、要諦といいますか、その辺りがどういうところにあるのかをきちんと現場の方たちに示していくといいますか、それは必ずこうしなきゃいけないということではないんだろうと思いますけれども、それがまず必要なんじゃないか。そうしないと長期化して、被害のほうも大きくなってしまうというようなことが出てきはしないか。
 今日も令和3年度のいじめ問題行動調査の中で、いじめが分かっている中で重大事態が起こってしまっているというか、そういったデータが令和3年からその辺のチェックもしていただくようになりましたけれども、それがどうして起こってしまうのかということとも関連するんですけれども、調査をしながらどんどん重大になっていくというようなことがないような手だてを考えていく必要があるのではないか。ということで、議題として挙げていただいた、その2つの標準的な調査とか期間、その辺りの整理とか、それから、迅速な処理、調査の円滑化に向けた、学校設置者の体制整備とか第三者委員の確保に関わる方策というのも必要なことなんですけれども、その前の段階として、その様々な対応についてどう考えていくのかというその辺の鍵になるところを現場に分かるような形で説明する必要があるんじゃないか。これはこの間も申し上げてきたんですけれども、今後、ますます重大になってくるんじゃないかなということで、この辺りを考えていきたい、申し上げていきたいなと思っているところです。
 ちょっと長くなりました。よろしくお願いいたします。
【座長】  いえいえ、ありがとうございました。どんな調査体制でいくのか、学校主体なのか、あるいは専門家を入れるのか、第三者委員会なのか。ある意味、チーム編成の選択基準をこの協議会で検討し、示していくことが必要ではないかという御指摘だと思いますので、これからの検討課題にしていければと思います。ありがとうございました。
【委員】  よろしくお願いします。私は学術団体の日本生徒指導学会の会長をしております。
 生徒指導学会は教育分野において、私を含めた多くの理事や会員が、常設のいじめ防止対策協議会委員や重大事態の第三者委員をしております。また、昨年12月6日に文部科学省より刊行された『生徒指導提要』の座長を務めました。
 いじめに関しては、いじめ防止対策推進法以降、子供たちの自死は2,500人を超えています。いじめが原因で自死した子供が90名はいます。今、天国にいる彼らの命を重く受け止めなくてはいけないと思っています。そういう意味では、いじめ自死ゼロ、重大事態ゼロを目指さなくていけないと思っています。
 ただ、個人的には現職教員研修で、万単位での先生方を見ていると、いじめ防止対策推進法ほど理解されていない法律はないという印象です。場合によっては、自校の学校いじめ防止基本方針すら知らない。そういう意味では、教員の寄り添い方以上に、法律の知識やガイドラインの知識が必要だと思っています。
 国立大学で起きた重大事態の報告の遅延は、その典型です。いじめは、起きてしまうと長期化します。そのため、特に今回『生徒指導提要』の中で、発達支持的生徒指導を打ち出しました。それと未然防止教育。そういう意味では、今回、重大事態にフォーカスされますが、いじめが起きないようにどうするか、あるいは、子供たちの個性の発見、よさや可能性の伸長をどう支えていくか。発達支持的生徒指導は、いじめの抑止力になります。ぜひ、『生徒指導提要』は先生方だけではなく、保護者の方や関係機関の方々にも読んでいただきたいと思っています。
 また、国の基本的な方針に関しては、改定したほうがよいと思います。より具体性を増すということです。私も長年、第三者委員会でやってきて、特別支援教育絡みの事案が出たときに、どのように学校の対応を評価していくのか迷うことがあります。また、この委員会でも何度か申し上げていますが、卒業した後に重大事態となった場合、要するに、時を遡って遡及的に調査を行うのは困難を伴います。さらに、私が関わった事案で言うと、例えば不登校のケースで、寄り添うと言いつつ被害生徒と面談できない、聴取できないというケースもあります。
 この点に関しては、今回、文科省とこども家庭庁で、重大事態の報告書を収集されますが、早くそれを分析して、何が問題なのか。共通する課題として、何があるのか。あるいは,再発防止や未然防止の視点を早く分析・抽出して、公開していくという作業も必要ではないかと思います。また、よろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。子供の命を守る、これは一番大きいところだと思います。そして、具体的に調査をどう進めていくのか、今、上がってきている、先ほどもう既に一定の数が上がってきているという報告がありましたが、それを分析して具体的な調査の精度を高めていくことが、この協議会の一つの役割ではないかという御指摘だったと思います。ありがとうございます。
【委員】  日本医師会です。
 今回、文科省以外にこども家庭庁が関与していただけるというのは非常にありがたいことだと思います。学校だけでなく社会的に対応していくことは必要だと思っております。
 それから、早期発見、早期対応、防止というのは非常に重要ではありますけれども、全てを教職員に委ねるというのは、現在の教職員の業務内容から考えて、あまり負担をかけないような効率的な方法というのをやはり提示してあげないと、現場では動かないのではないかと思います。お願いするばかりで、仕事が増えるばかりで対応できないということを批判するほうもよくないと思いますので、ぜひそれを支援する体制をつくっていただきたい。
 それから、このたび重大事態の調査、分析を行うということに対して非常に賛成であります。いろいろ先ほども先生もお話になられたように、対応の仕方が違うんじゃないかということはありますけれども、それを示すエビデンスがないのに、経験則だけでこういう方法がいいと言うのは説得性がないと思うんです。だから、できるだけ早く調査分析を行い、実際のエビデンスをもってして、どういう調査をどういう形で行うのが望ましいかというマニュアルを示さないと現場が納得しないと思うんです。これまでいろいろやってきてうまくいかないというのは、経験則が主体になってしまうからだと思うので、やはり実証を踏まえた上で、不登校の事例であったとしても、どうなっているかということで分析をして対応を示す必要があろうかと思います。
 それから、以前からお話が出ていることですけれども、調査を行うときの委員の選別ということに関して、現場が大変苦労されているということに対しては同じ意見です。これは、私は3月のときにプレゼンをやったと思うんですけれども、自治体ごとの対応というのは第三者性が乏しくなります。だから支援団体というものを広域でつくって、職能団体が広域で委員を支援するという形をとらないと、なかなかうまくいかないと思います。
 つまり、自治体ごとにやると、恣意的に委員を選ばれたというふうに保護者、被害者のほうが思うのは当然のことです。だから、できるだけ第三者性を保つことを考えれば、広域に、今回出ておられる職能団体の代表者の方、臨床心理士さん、精神保健福祉士さん、社会福祉士さん、それから弁護士さん、私のところでは医師でございますけれども、広域に支援するという形をとらないといけないし、せっかく団体の代表者が来ておられるので、全国的にそれを支援するシステムをぜひ各団体でつくっていただきたいと期待いたします。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。調査報告をどう進めていくのか、エビデンスに基づいてということで、今、重大事態の報告が国のほうへ上がっているわけですから、この分析を急ぐ必要あるというご指摘であったと思います。先ほど委員から御指摘があったとおりだと思います。加えて、これも何人かの委員から出ました、広域なシステムの中で委員を選定する、これを少し具体的に確立できないだろうか。この点についてもこの協議会で検討していく、そして具体化していく重要な課題だと思います。どうも皆様ありがとうございました。自己紹介にとどまらず、これから何を審議すればよいのかということについても御意見を承ることができたと思っております。
 そうしましたら、続きまして、先ほど議題の1、それから議題の2、いじめの現状について、さらには令和5年度いじめ防止対策協議会の協議事項についてということで、事務局のほうから説明がありました。その点について、委員の先生方から御意見、あるいは御質問が事務局にあれば、それを出していただければと思います。
 説明の中にもありましたけれども、特にいじめの重大事態調査については、調査すべき内容が具体的にはまだ定まっていないところがある、また、人選のこともあります。さらに、調査の長期化を招くなど様々な課題が指摘されているところです。いじめの重大事態件数が残念ながら増加傾向にあるということも踏まえて、早期に課題解決に向けた対策をこの協議会で検討し、そして具体化していく必要があるのではないか、そんなふうに思っております。
 本日は、今年度、どんな議論をしていけばよいのかということについての方向性を見いだしていく、そのための検討の会議であると位置づけております。そうでありますので、何か今日定まった結論を出すということではなくて、もう幾つか出ていますけれども、これからこういう方向性で議論をし、具体化を目指していこうというところについて、様々な意見をいただければと思っております。
 御発言がございます方は、「手を挙げる」のボタンを押していただきまして、それで発言をということでお願いしたいと思います。手の挙がり方を見て私のほうで指名をさせていただきますので、指名をいたしましたら、ミュートを解除して御発言をいただければと思います。また、御発言が終わりましたら、忘れずに、「手をおろす」のボタンを押していただくようにお願いいたします。
 それでは、早速2人挙がっておりますので、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【委員】  事務局への質問です。先ほどの事務局のお話では、今、8例の調査報告が上がってきているということですが、今後、恐らく報告書がどんどん上がってくると思うんです。その分析をこの委員会でなされるのか、それとも事務局がなされるのか、事務局の中にどなたか、どういう形かで何らかの専門者を加えて検討するということをお考えなのか、その方向性だけちょっと教えていただきたいと思って、質問のために手を挙げました。すみません。
【座長】  いや、質問をぜひお願いしたいと思っております。
 そうしましたら、先ほどから重大事態報告書の分析の件が出ておりますけれども、どんなふうに進めていくのかということで、今分かっているところがあれば事務局から説明をいただければと思います。
【事務局】  先生方、すみません、ありがとうございます。事務局です。
 分析については、まず、現在、情報は収集しているところで、基本的には事務局のほうでの分析ということを考えております。そこは今、文科省とこども家庭庁でまさに連携してやっているところですので、こども家庭庁とも連携しつつ、また、必要に応じて、そういった分析の先生方とも相談をしながら進めていくというふうに考えております。
 以上です。
【座長】  委員、よろしいでしょうか。
【委員】  まず、どういう結果が出るかということを、できれば委員会のほうに提示していただいて、この委員会、様々な専門職の方がおいでになられるので、分析というのは第三者性も含めた形で、専門性を持った分析をぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【座長】  それでは、そのような方向で進めていただければと思います。まずは質問ということでありました。
【委員】  ありがとうございます。私も質問的なことになります。
 今、先生が質問してくださったこともお聞きできればと思っていたんで、ありがとうございました。参考資料の3番につけていただいている書式を基に今、報告が上がってきているのかなと思うんですけれども、先ほど8件あったというお話があったかと思いますが、これまで上がってきているものでは、どういうことがどんなふうに整理されて書かれているかとか、受け取られた側が、もうちょっとこういうところが欲しかったなというような、何かそういう具体的なことというのは今日はまだお聞きすることはできないでしょうか。出し方とかもいろいろ、慎重にすべき点もあるとは思うんですけれども、もし感触など何かお聞きできるようでしたら、ちょっと伺えれば、今後どういう内容を特にきちんと伺う必要があるかという検討の参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。調査結果報告が8件上がってきていると。今の段階で言えるようなことがあれば言ってほしいということでよろしいでしょうか。
【事務局】  御質問ありがとうございます。現状8件ですので、あまり個別の事案でどうかというところはちょっと申し上げにくいかなと思います。
 その上で、いずれも調査報告書として上がってきておりまして、ちょっとお出しする形はまたお示ししたいと思いますけれども、例えば、調査形態ですとか、形の部分、体制がどういうふうにやっていただいていたのかというところ、それから、事実関係の部分として、どういうようなことが要因として考えられるのかですとか、そういう部分を幾つか、個別のものが分からないような形でお出しするような形で考えています。
 また、再発防止の部分、ここももともと、共通する部分があれば、そういうところをより重点的に見ていく必要があると思いますので、再発防止部分ですとか、そういう部分を含めて、一覧のような形でお示しするというようなことで考えております。
 一応、御回答としては以上になります。すみません。
【座長】 よろしいでしょうか。
【委員】  ありがとうございます。そうしますと、まだ8件ということもありますし、もうちょっとこういう内容があったほうがいいんじゃないかとか、あるいはこういうことはきちんと報告いただいているという具体の話も、いずれお聞きできるということでよろしいでしょうか。
【事務局】  そうですね。また、この防対協のほうでも説明の機会をつくりたいと思います。
【委員】  ありがとうございました。
【座長】  よろしくお願いします。
 今2つ質問が続きました。ほかにもしも質問があるようでしたら、まず、質問のほうをしていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
【委員】  私は質問ではなくて、よろしいでしょうか。
 資料3及び参考資料2で、今期に検討すべき検討項目を示していただいておりますので、その点について、3点申し上げたいと思います。
 まず、1点目です。今年度は、「いじめ重大事態対応」に関して検討されるということです。このことについて、実は私は、個人的に、「いじめ重大事態対応」に関する現職の教育長の皆様の御意見や、あるいは全国市長会での首長の皆様の問題意識を伺ってまいりました。その立場から、特に、市区町村という基礎自治体の首長及び教育長、教育委員会の現状についての問題意識を踏まえますと、今年度、重大事態に係る諸項目を検討するというのは、まさに現場の問題意識と整合しているもので、極めて重要な課題設定であり、適当であると認識します。
 ここで、7月19日に、私が座長を務めておりました文部科学省初等中等教育局の初等中等教育企画課を事務局といたします、「『令和の日本型学校教育』を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議」の取りまとめのことをちょっと紹介したいと思います。
 この会議は、現職の教育長、首長及び専門家の参加によりまして、1点目として、「教育委員会の機能強化・活性化」、2点目として、「教育委員会と首長との効果的な連携の在り方」、3点目として、「学校運営の支援のために教育委員会が果たすべき役割」、4点目として、「小規模自治体への対応、広域行政の推進のための方策」について検討をしてまいりました。そして、その中の取りまとめの中で、事例として、埼玉県戸田市において実施された、市長や関係部局等とも連携した、教育委員会だけではない「全市的ないじめ重大事態の訓練の事例報告」から学びました。そしてその中で、「児童生徒の生命または身体に現に被害が生じて、また、まさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置」について、総合教育会議において、教育委員会と市長が協議、調整することの意義が、まさに、いじめ対応には特段にあるということを再確認しました。
 そして、その報告書をもとに申し上げますと、先ほど冒頭の自己紹介でも申し上げましたように、このたび、文部科学省とこども家庭庁について、連携の課題にいじめがしっかりと位置づけられたということの意義を踏まえて、この「重大事態への対応」についても、主として教育委員会だけが対応するのではなくて、しっかりと首長部局も支援しながら、関係の専門家、職能団体の皆様との連携の中での在り方を提言していくこと、これが極めて現実的だと再確認をさせていただき、この課題があることの意義を、もう皆さん共有していらっしゃるんですが、今期初めて参加した者としても強く共有していることをまず1点目、申し上げたいと思います。
 2点目ですが、事務局でもこうした「今までのガイドラインについて、解釈の違い等を少なくすることの必要性」が提起されています。私もかねて気にしておりましたのが、平成29年3月に出された『いじめ重大事態の調査に関するガイドライン』の第10にあります「地方公共団体の長等による再調査」の解釈が、なかなか多様で定まっていないケースもあるということです。すなわち、「再調査をすべきと判断する基準」について、それぞれの自治体において、必ずしも明確ではないような傾向があったのではないかと考えます。そこで、「首長が再調査する際の根拠」については、やはり一定の明確な基準や配慮が必要だと思います。
 そこで、先ほど、今後御説明があるかと思うんですが、吉住支援局長さんが御挨拶で、「いじめ調査アドバイザー」についても検討しているとおっしゃいました。このようないじめ対策について、多様な機関との連携をコーディネートしていただけるような存在というのは確かに必要だと思いまして、「ガイドラインの解釈についての再検討」と、「いじめ調査アドバイザー」のような支援体制については、ぜひ検討したいと思いました。
 特に私は、市長経験者として、基礎自治体の市の教育委員会だけで対応できないとき、やはり都道府県の教育委員会は極めて重要な相談相手であり、しかも社会資源を把握していらっしゃると思いますので、基礎自治体の教育委員会、首長と、都道府県の教育委員会、首長との連携についても視野に入れていただきたいと思います。特に小規模自治体では、専門家のネットワークというのは乏しい傾向にありますので、基礎自治体間の広域連携と、基礎自治体である市区町村と広域自治体である都道府県の連携が極めて有意義だと思います。先ほどの委員の皆様の自己紹介の中で、複数の委員の皆様が、「広域的支援」という言葉も使ってくださっていたので、ぜひそれが深まればなと思います。
 最後に、参考資料3を見て申し上げているんですけれども、前期までの1から4の項目については一定の取りまとめが済んだので、今期は5、6、7、8を主としてするということになっておりますが、これも委員の皆様のお話を伺っていて再確認をさせていただいたんですが、「重大事態」について検討する中で、やはり「いじめ予防」であるとか、「加害者、被害者、保護者、担当教員等の当事者に寄り添うケア」なども重要な視点になってくると思いました。そこで、今期は主として5、6、7、8を検討するのですが、今まで検討されてきた1から4までの取組であるとか、今後対応すべき9から14までの項目も密接に連携してくるかもしれません。したがいまして、「重大事態」を検討することによって、その他の私たち協議会が検討すべき項目も有機的につながってくるのではないかと、委員の皆様のお話を聞きながら感じた次第です。
 いずれにしましても、今期の「重大事態対応」に関する取組を集中的に進めていくことが、現場の児童生徒の皆さん、そして教員の皆さん、さらには、学校関係者や、とりわけお子さんがいじめに直面している保護者や、いじめの当事者として困っている皆様に寄り添うことになるのではないかと感じているところです。
 少し長くなってごめんなさい。以上でございます。ありがとうございます。
【座長】  これから重大事態における調査の標準的内容、期間の考え方の整理等々、具体的にどう進めていくのか、これは地方自治体にとって、時宜にかなっているというか大事なところだということが確認されました。その上で、再調査をどうするのかというのがガイドラインの中で少し弱いということが指摘されました。ガイドラインについても見直す方向で進めていくということですので、その中に、再調査の在り方について少し基準あるいは、根拠を示すというようなことが必要なのではないかというご指摘だと思います。
 それから、多くの委員から出ていますように、地方自治体、市町村と都道府県、その連携、あるいは、職能団体も加わって、広域でどうやって調査体制を築いていくのかということも喫緊の課題であると思われます。
 重大事態調査について、まず、どうやっていったらよいのかしっかり固めていこう。その後、次の大きな課題としては、これまでのこの協議会の流れで、未然防止、予防、いじめをしない人に子供が育っていく、そのために何をやればいいのかということを重点的にやっていこうということになっておりますので、そのような長期的な視野も持ちながら、まずは重大事態調査の検討というところから進めていければなと思っておりますし、そのような御意見を承ったと受けとめています。どうもありがとうございました。
【委員】  ありがとうございます。
【座長】  ほか、いかがでしょう。
【委員】  いじめの重大事態の調査、この辺りは本当にしっかりしなきゃいけないなと、私どもも反省しているところです。このいじめの重大事態の調査も重要なんですが、この重大事態に至るまでの初動対応と、どのように最初に発見したかという、ここが結びつかないと、重大事態になってから対応するというのは実は遅かったという認識が必要だろうと。必ずどんな場合も、最初にサイン、子供が発するサイン、あるいは保護者から悩みか何らかの連絡があったと。そこへの初動対応をどうするかということが最初にあって、さらに、その問題が深刻化したときには重大事態として調査をしなければいけないわけですけれども、重大事態に至るまでの早期発見、いつ、どのようなサインを発見し、初動対応で何をしたか。そことのつながりというのも、今後重視していかなければいけないかなと思います。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。調査をどうやるかはもちろん大事ですけれども、重大事態が起きてしまう、そこに至るまでに何があったのか、そして初動がどうなのかということも、調査の仕方と併せて検討していく必要があるのではないかという御指摘だと思います。重大事態を引き起こさないために、ということが再発防止を目指す調査の意味でもありますので、そんな点についても検討できればと思います。ありがとうございます。
【委員】  まず最初に、今後のこの協議会の方向性ということで、話をするということでよろしかったでしょうか。
【座長】  はい。
【委員】  それではまず、全日本中学校長会でございますが、いじめの対応において、中学校現場、あるいは中学校の教師は本当に最重要だと捉えております。その中において、学級担任が生徒指導に向かう時間の確保について、ぜひ考えていただきたいと思って話をします。
 委員が冒頭の挨拶でおっしゃっていただきましたが、教員の格差については考慮していただきたいと思っています。各委員の話の中で、教員の研修であったり、あるいは校内でのケース会議、あるいは拡大ケース会議、あるいは授業等においての、道徳が中心でしょうか、そういうことを通じて子供たちの啓発も重要だと思いますが、令和4年12月に、文部科学省様から、令和4年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査というのが発表されました。その中で、4月から7月までの平均で教師の時間外勤務、月45時間超えの割合が53.7%と報告されています。過半数が月45時間以上働いているという結果でした。実感としては、もっとあるような気はします。教師の多忙は本当に深刻であるということを改めて、ここにいらっしゃる先生皆さん御存じだと思いますが、この会議の冒頭にそれを伝えたくて話をさせていただきました。
 ぜひこの後の進め方で、教師のこれ以上の過負担をもっての政策とならないように、ぜひ考慮いただければと思います。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。働き方改革と丁寧な生徒指導、いじめだけではありませんけれども、どう進めていくのか、非常にこの両立が難しい。人が増えればというのはありますけれども、現状の中で、もうこれ以上過負担にならないように、しかし、子供たちを守るためにどう生徒指導、いじめ対応を充実させていくのか。働き方改革との両立を図りながら何ができるのか、そういうことについても、この協議会で提言できればと思いますので、皆様よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
【委員】 先ほどは質問で、今回は事務局へのお願いになるんですけれども、先ほど委員もちょっとおっしゃった、資料3にございます今後の方針、重大事態調査における調査すべき標準的な内容や期間の考え方を整理していくということですけれども。現時点では8件しか報告が来てないということでありましたが、できれば、8件でも参考資料として可能な範囲で、今後の検討のときに参考にさせていただいたほうがいいんじゃないかと思うんです。というのは、現時点で来ている報告がどのようなものかが分からなければ、現場がどのようなものがいいと思ってつくったかが分からないのに、一方的にこのような内容にしたほうがいいというのを我々が理念だけで考えるというのはちょっと現場とずれてしまうのではないかということを危惧するわけです。
 確かに、8件が全体を見ているわけではないですけれども、現時点では現場に即した状態で上がってきているわけです。今後、8件より協議の状況によっては増えてくるかもしれませんし、当然、個人情報が関係してくるので、恐らく事務局のほうも出しにくいという気持ちはよく分かるんですが、実際に調査標準的な内容というもの、それからどのくらいの期間をかけて作成したかというようなことも含めて、現場の事案を見た上で、こちらのほうが方法論を提示するのが妥当ではないかと思います。可能な範囲で資料として提示していただけるよう御検討いただきたいというお願いでございます。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。事務局のほうは、いかがでしょうか。
【事務局】  ありがとうございます。貴重な御意見ですし、次の会ではもう少し分析を深めたものをお出しするようにいたします。
【座長】  ありがとうございます。エビデンスに基づいて調査の仕方を考えていこうというのが先ほど委員からも出ておりました。エビデンスを示すものとして、どういう形で提示するのかというのは少し考えていかなければいけないと思うんですけれども、まとめて分析するなり、個別のことを出すなり、どういう情報開示をするのかということも含めて検討していただき、エビデンスになるものをそこから引き出してくるということをお願いできればと思います。どうもありがとうございました。
時間も11時半を少し回りました。ほかに御意見があれば、最後に承りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。
私が見渡したところ、手が挙がっておりませんので、ここまでとしたいと思います。どうもありがとうございました。
 本日は、委員の皆様から本当に様々な御意見を、自己紹介の段階からいただいて本当にありがとうございました。本日出てまいりました御意見を踏まえながら、次回以降、各協議課題につきまして審議に入っていきたいと思っております。出た御意見をまとめて、これからの審議内容について少し整理をして、第2回目以降の会議を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から発言を求められておりますので、よろしくお願いいたします。
【事務局】  本日は御多忙中のところ、本協議会に御参加いただきまして、ありがとうございました。また、貴重な御意見もたくさんいただきまして、ありがとうございました。引き続き、いじめ防止対策協議会について、御協力のほど何とぞよろしくお願いいたします。
次回の日程につきましては、こちらから改めて連絡させていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【座長】  ありがとうございました。
それでは、本日の会議は以上となります。皆様、貴重な意見を出していただき本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 
―― 了 ――
 

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