いじめ防止対策協議会(令和5年度)(第3回) 議事要旨

1.日時

令和5年12月11日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web開催 (Zoom)

3.議題

  1. いじめ重大事態調査に関する国の指針等の改定について
  2. いじめ重大事態調査報告書の分析状況について
  3. その他

4.出席者

委員

新井委員、遠藤委員、清原委員、高田委員、玉井委員、田村委員、中田委員、春山委員、福島委員、松谷委員、村山委員、八並委員、渡辺委員

文部科学省

伊藤児童生徒課長、仲村生徒指導室長

こども家庭庁

菊地支援局総務課企画官

5.議事要旨

※事務局より資料1の説明があった。
【座長】  よろしいでしょうか。
 そうしましたら委員、お願いします。
【委員】  ありがとうございます。杏林大学客員教授です。
 このたび資料1について、事務局におかれましては、私たちが取り組むべき有意義な案をお取りまとめいただいたと感謝いたしますし、この4つの項目に沿って検討していくということに賛同いたします。その上で1点だけ、問題意識について申し上げたいと思います。資料1に改定に当たっての課題認識・考え方ということが書いてありまして、これについては大変重要な、いじめ防止対策推進法に基づいた取り組むべき体制をよりよくしていくためにも、参考に書かれていますように、重大事態調査に関する記述がある国の指針が現在4件あることから、一定の統合が必要と認識します。そのためにもこの4つの論点についてしっかりと審議していくことが有用であると思います。
 その際、1点申し上げたいのは、改定に当たっての課題認識・考え方において、今年の4月に施行されましたこども基本法との関連についても、私たちは共通認識を持ったほうがいいのではないかなと思っています。と申しますのも、こども基本法の第3条に示されている6項目の理念の中で、特にいじめの調査に関連して注目したい項目があります。6つの理念の3項目めに、「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」とあります。また4項目めには、「すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること」とあります。さらに第11条において、「国及び地方公共団体は、こども政策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるもの」と規定されています。そしてこの地方公共団体とは、首長部局だけではなくて教育委員会が含まれているとされています。
 そこで、いじめ重大事態調査に関する国の指針についても、「いじめ防止対策推進法」とともに、「こども基本法」に依拠して検討される必要があるということについて皆様と共通認識を持つことが望ましいと考えます。その上で4つの項目に分けていただいたこの内容に沿って検討を深めてはいかがかなと思いました。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【座長】  ありがとうございます。事務局いかがでしょうか。
【事務局】  貴重な観点の御指摘ありがとうございます。我々としても基本法に沿った考え方に沿って対応していきたいと思っております。
【座長】  こども家庭庁からも出席、参加しておりますので、こども基本法の理念・目的等を踏まえて、いじめの重大事態についても考えていくということで共通理解をしたいと思います。どうもありがとうございます。
【委員】  こちらこそありがとうございます。
【座長】  ほか、いかがでしょうか。ほかにはよろしいでしょうか。
【委員】  進め方は問題ありません。今回のいじめ重大事態の案件923件のうち、初動対応、それから事前認知、ここが弱かったという文科省の統計の結果が出ておりますが、私どももこの間、うちでも重大案件が起きているので御迷惑をおかけしていますが、状況を見ると、管理職も含めて相談する人がいなかったこと。その判断が非常に遅れたことが課題となっていました。そういう状況が重大事態になったんだなと。その辺りの初動対応をどうしていくかが、やっぱり大きな課題でした。最初に書いてある学校の基本姿勢と重大事態調査の在り方という、ここのところが極めて重要になるということで発言させていただきました。進め方は問題ありません。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。今の御意見を踏まえて進めていければということで御了解いただければと思います。
 委員お願いいたします。
【委員】  すみません。1点が質問で、もう一点、ちょっと確認的なことなんですけれども。
 今日も検討するというふうになっていますけど、2番の「調査組織のあり方、調査の進め方」の3つ目の黒丸のところに、「被害児童生徒・保護者に対する説明」ということで、その括弧の中に「関係児童生徒への説明等」という形になっているんですが、これは被害後生徒・保護者に対する説明の中で、関係児童生徒への説明等の在り方について検討するという御趣旨なのかと思ったんですが、いかがでしょうか。先ほどの委員の御指摘とも関係してくるんですけれども、被害児童生徒だけではなくて、加害児童生徒とされている方への説明等のところも、受け止め方・考え方などのところを聞いていくという、そういうことがないと、その後の進め方についてもなかなかスムーズにいかなかったりすることがあるという認識を持っていたりもするんで、この辺りはこの表現だけでよろしいのかどうなのかという点。
 法律上は、この辺りの説明は必ずしも明確には書いてなかったりはするんですけど、これまでのガイドラインでは、この辺りも説明する、あるいは意見を聞くということは、書いてあったと思うんですが、その辺のところが曖昧になっていないかなという点が1つです。
 それから先ほどの委員の御指摘なんかとも絡むんですけども、こういう重大事態調査に入っていかざるを得なくなってしまうというか、重大被害を把握したときに、いじめの認知があったかどうかというところでのデータが去年今年と出てきていますけれども、それとの関係で、やっぱりいじめを認知したときの対応のレベルの問題も、このガイドラインの中で捉えることができないかどうか。重大事態の調査に関するガイドラインとか指針ということになると、そこのところを含めるのはどうなのかという問題もあるかもしれないんですけれども、いじめを認知したときの対応についても含めた形の盛り込み方が必要なんじゃないかなと考えたりしてもいますが、その辺りはいかがでしょうかということです。
【座長】  事務局いかがでしょうか。まず、括弧の中の「関係児童生徒への説明」というところですけれども。
【事務局】  委員、ありがとうございます。
 関係児童のところは、先生おっしゃるとおり、加害だとなっていた子、及びその保護者も含めての説明というところも、ガイドラインに、先生おっしゃるとおり、説明して意見を聴取するということはあるんですけれども、やはり留意事項ですとか、様々その点の配慮ということも考えられますので、そういった部分の追記ということも想定をしております。
 それからもう1つ目の重大事件になる前の部分ですね。委員のお話にもありました初期対応についても、ここ自体はガイドラインということで、どちらかというと調査についてどういう運用改善というところに主眼がありますけれども、検討の中で、そういったところが記載として盛り込めるようなところがあれば盛り込んでいきたいと考えています。そういった部分も御意見いただければなと考えています。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。括弧の中に入っていますけれども、関係児童生徒、ここには加害者、そしてその保護者というようなものも当然ながら入ってくるであろう。それから調査の進め方というところに重点が置かれているわけですけれども、1の「重大事態の考え方」という中で、いじめの認知、そこから重大事態の捉え、そして調査、同時に支援をしていく、その辺の関係性について、1の「重大事態の考え方」という辺りに組み込めるものがあれば組み込んでいきたいと思いますので、そのように進めさせていただければと思います。
 ほかいかがでしょう。よろしいでしょうか。そうしましたら、どうも御意見、あるいは貴重な御質問ありがとうございました。   いただいた御意見については、私と事務局で検討して、必要に応じて、全体の方針や検討テーマに次回以降反映をさせていただきたいと思っております。
 それでは各テーマごとの検討に入っていきたいと思います。初めは「1.重大事態調査の在り方について」というところです。事務局のほうで議論の基となる論点整理資料を、資料2-1のとおり作成いただいております。事務局からそれに基づいて説明をお願いし、その後、質問や意見を皆様から受けたいと思います。それでは事務局、よろしくお願いいたします。
事務局※事務局より資料2-1について説明があった。
 【座長】  ありがとうございました。事務局から重大事態調査の在り方に関連して、ガイドラインの現状、そして改定において検討すべき論点について説明がありました。3つの論点、1つはガイドライン等をどう整理統合していくのか。2つ目は学校の設置者及び学校の重大事態調査に関しての基本的な姿勢、これをどのように考えればよいか。そして3つ目として、重大事態の捉え方、そして調査の進め方に関する考え方という3つの論点が示されたと思います。
 それぞれの論点について、事務局の説明を受ける形で改定の方向性などについてどのように進めていけばよいのか、あるいは、もう少しこういうものを盛り込んだほうがいいんじゃないか、あるいはこういうところに現状の課題があるというようなところを、それぞれの専門性の立場から御意見、あるいは御質問等あればお願いいたしたいと思います。ほかにもこんなことも必要じゃないか、1の考え方、姿勢、調査の在り方とも関連してくるところは当然出てくると思うんですけれども、こんな論点もこんな観点も必要だということがあれば、そのことに関しても積極的に御意見をいただければと思います。
 それでは委員の皆様から忌憚のない御意見をいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 委員お願いいたします。
【委員】  すみません、皆様が御発言準備される間に私から2点の質問について申し上げます。
 これらの論点については、本当に分かりやすくまとめていただいて、重大事態に関わる指針にかかる論点が明確になったと思います。まず繰り返しになりますが、資料2-1の(2)「検討すべき論点について」、「ガイドライン等の整理統合」としていただいたところは大変重要なポイントだと思っています。私は市長の経験者といたしまして、やはり国で示していただくガイドラインというのは極めて重要なよりどころとなるわけですが、複数ある場合には、何を優先順位として依拠していったらいいのかと戸惑うところもございます。また、先ほど御説明いただきましたように、いじめ及び不登校の重大事態に対する重複部分もあるということでございますので、この際、分かりやすい方向で整理統合する方向性についてはまず賛成いたします。もちろんそれは、そんなに簡単なことではないと思いながら方向性に賛同いたします。
 そこで、質問でございますが、学校設置者及び学校の基本姿勢のところで、学校主体調査の場合に、「被害児童生徒へのケアや支援、いじめの解消に向けた取組を行う必要があるところ、どのような記載を盛り込むことが考えられるか」という重要な御指摘があります。これは先ほど委員もおっしゃった被害児童生徒だけではなくて、ひょっとしたら加害児童生徒へのケアや支援ということも関連してくると思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。やはりいじめの問題について、もちろん被害児童生徒をまず中心に、その被害を食い止めて重大事態に至らないように支援するということは重要なポイントだと思うんですが、併せて加害児童生徒の背景でありますとか、あるいは繰り返してそういうことをしないようなケアや支援ということは、当事者だけではなくて、家族であるとか、あるいは学級であるとか、そういうところも含めて必要かもしれません。その辺のことはどのように認識したらいいでしょうかということが1点目でございます。
 2点目は、本当に調査というのは極めて重要なことだと思いつつ、私は御専門の委員の先生に比べたらちょっと経験不足なので伺いたいのですが、例えばいじめの対応の中に、言葉として言いにくいんですけれども、セクシャリティーであるとか、性的な問題に関して配慮すべきことも当然あり得るのではないかなと思いまして、その場合、個人情報やプライバシー、あるいは機微にわたる状況に関連するような場合というのは、もちろん調査は必要だと思いながら、難しいこともあるかもしれません。ましてやその調査の結果を公表するということもなかなか難しいということがあるような気がいたしまして、その事案によって配慮すべきポイントが多様である可能性もあります。その際、特にスクールソーシャルワーカーとか、市長部局の福祉医療サービスとの関連であるとか、教育委員会、学校だけではなくて、市長部局の連携が重要になってくるデリケートな部分もあるのかなと思いまして、その辺のことは今後の検討の中でどのように考えていけばいいのかなと思いまして質問させていただきます。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【座長】  2つ質問、事務局ということではなくて、委員の皆様からもしお答えがいただければ、それがいいかなと思うんですけども、被害者へのケア、あるいは支援だけじゃなくて、加害者への成長支援も含めたケアというようなことも必要なのではないか。いじめの解消に向けた取組という中に、加害者も視点には入っていると思うんですけれども、その辺についていかがでしょうか。
 委員お願いいたします。
【委員】  当然調査に加害者も入っているとは思っていたので、そこはあまり疑ってはいないですけども、いじめの被害、加害、これは両方調査するのは当然ですから、それは前提だろうと思います。この間、私どもの事例を見ても、昔の弱き人への攻撃ということではなくて、どっちが被害者か加害者かよく分からないような事案というのも多くなってきています。特に保護者もちょっと課題を抱えているのかなと。妄想とか、そういうことも含めて人間関係が全くできない人もいます。そうすると被害妄想だけ拡大して、実は加害であったのに被害という認識になっていたという事例もあって、非常にこういう問題は複雑な状況があります。そこは当然、加害者この問題の中に入るだろうとは思っておりました。
 あとやっぱり、長期にわたるので、本当に調査委員も含めて相当な労力を伴うので、ここの辺りをどういう組織で調査していくのかというのは、かなり困難を伴っています。我々も実際にやりながら調査方法を経験しているところです。この基本姿勢の問題とは関係はありませんけれども、ちょっと意見でした。
【座長】  ありがとうございます。加害者への対応ということも当然含まれるという御指摘だったと思います。調査が困難を極める。これについては2の「調査組織のあり方」のほうでまた御意見をいただければと思います。
 委員よろしくお願いします。
【委員】  よろしくお願いします。スクールカウンセラーの立場として、先ほどの委員の御意見に少しお答えしたいと思いました。
 学校主体の調査がありますけど、学校の現場では様々なトラブルあるいは子供たちのそういう行き違いがあったときには、担任の先生や生徒指導部の先生とか、そういう方たちがすぐ迅速にいろいろ対応されると思います。そのときに学校主体調査のような形で事実関係等を把握しておられます。その調査、事実に基づいて、調査するだけが目的ではありませんので、次にどういう指導をしようか、そういう問題の解決を支援していこうかということをされると思っています。そのときには被害者・加害者というような2つの立場があるかもしれませんけど、それに対しては、先生方は子供の成長を促すように、どちらの方にも関われていくことになるだろうと思います。学校主体調査ということになりますので、担任を含めて、また様々な教員の方々で意見を出し合って、そういうふうに調査していかれるだろうと思います。
 その際に、先ほど御指摘されたような、最近はLGBTQであるとか、様々な問題がありますし、個人情報の問題がありますし、その辺は学校の先生方は十分配慮しながら調査もしていかれますし指導もしていかれます。その辺のところを、じゃあ調査したこと、指導したことをどのように報告するかというのがありますが、先ほど言われましたように、保護者の方の受け止め方というのがありますので、その保護者の方がどこまでそのことを納得され、理解していただけるかはありますけど、一応そういうことをきちんと説明はしなければいけないと思っています。また調査のときに、第三者委員会だけでなくても、教育委員会とか、いろんな報告をしたということの事実を残しておくことが非常に重要なのではないかなと思います。
 そして当事者の保護者が、様々な背景を持って御理解いただけないこともあるかもしれませんけど、その辺の御理解いただけなかった背景が、社会的に見て納得できるかどうか。ちょっとあの方だったら、そういうふうに難しいということがあるかもしれませんけど、ただ、その辺を排斥するのはやっぱり望ましくないと思いますので、分かっていただけるように説明する、あるいは専門性を持っておられる地域の保健師さんであるとか、様々な専門家の方々から総合的に支援をしていく。この事案だけでなしに、その家庭を支援していくことが必要で、そのように活用できれば非常にいいのではないかなと思いました。
 以上です。
【委員】  ありがとうございます。
【座長】  ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。御意見でも御質問でも。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  今の議論ともちょっと関係するのかもしれないんですが、基本的姿勢の2つ目のところで、「学校主体調査の場合」ということで、書いていただいていて、ケアや支援、解消に向けた取組ということがあるんですが、それは設置者主体の調査の場合も同様にこれは必要なのではないかということです。1号の場合と2号の場合とでちょっと変わってくるのかなという感じもするのですが、2号の場合なんかだと、設置者主体の場合であっても、途中で学校のほうで適切な対応をしていただくということは続けていただかなきゃいけない。その中には、ケアや支援や解消に向けた取組が必要になってくる面もあるのかなという感じもしているのです。
 学校主体調査ということで、限定したという指針も理解はできる面もあるんですけども、設置者主体の場合も一定の配慮が必要なんじゃないかということと、それから1号、2号と明確に分けられるかと。もちろん事案としては明確に分けられるんですが、事案として見た場合に、1号が2号に発展していったり、2号が1号に発展していったりするということがまま起こっているような気がするんです。それが事案を複雑にしてしまうというケースもしばしばある。そういった場合に、本当に純粋な第三者委員会なんかが求められていて、補充調査みたいなことが起こってくることも見聞きしているんですけれども、そういった場合のケースへの配慮といいますか、そこがそうなっていかないような配慮を、この基本的な姿勢というところでは盛り込んでいく必要があるのかなということが1つ。
 もう一点は、先ほども議論で出てきたような気もするんですけれども、最近の事案の中には、最後に問題になったときに、被害と加害がはっきりしているということはあるんだけれども、それまでの過程の中で、加害疑いの子が被害をずっと受けていたりとかいうケースもあったりして、そこら辺のところをどう捉えていくのか。最後の被害・加害の関係の中で捉えるのか、別にまた捉えることを考えるのかという辺りは、現場で、特に学校主体調査の場合であったり、実際に設置者主体で第三者委員会になった場合でも悩ましいところだと聞いてたりするところなので、その辺りどうするかという問題もあるような気がしているのですが、いかがでしょうかということです。
【座長】  ありがとうございます。1つは学校主体調査において、解消に向けての取組等が出ていますけれども、これは学校主体の調査に限らないのではないかと。設置者のほうが調査委員会を組んでやっていく。調査の段階でも当然、状況が続いている場合もあるわけで、その支援をどうやっていくのか。調査の主体が、調査主体になったところが支援を一緒にしていくというのは難しいとは思うんですけど、これは私の個人的な考えです。並行して支援に、緊急支援に入るようなチームを、余力があれば、これは教育委員会の規模にもよるんだけども、つくって入る、あるいは学校にアドバイスをして学校が動く、それで行けるようだったらそれをしていく。そういう学校主体の調査と限らず、設置者の調査になっても、そのような具体的なケアが必要だというようなことも盛り込む必要があるんじゃないかという御意見だったと思います。
 あと、被害者と加害者が交差している。だからある時点で訴えて、あるいは学校が把握して重大事態となったんだけれども、調べていくと、加害・被害の交差があるという事例はかなりある。そうすると、先ほどの加害者からの意見聴取というようなことを適切にやっていかないと、固定化して被害・加害というので調査をし始めたときに、非常に偏ったものになる場合もあるかもしれないという御指摘かなと思います。
 その辺、委員、もし関連していれば発言していただきたいと思いますし、どうでしょうか。違う観点であれば、もし関連してどなたか御意見があれば言っていただいて、その後、委員と思うんですけれども。
【委員】  関連しての発言になります。
【座長】  お願いします。
【委員】  先ほどの委員や委員のお話をお伺いしていて、私もスクールソーシャルワーカーの立場大変重要なことだと感じました。今回は重大事態調査についてのガイドラインが中心で検討されているので、調査というところにやはり主眼が行くことは行きますが、どちらのお子さんにしても、もしかしたら支援とか教育的な対応といったことが必要であるということにおいては被害者も加害者も変わらない場合も少なくないと思います。さらにその御家庭のほうに、例えば加害児童の方の御家庭の中で、親御さんにいろいろな問題があるとか、そういうこともございますので、そういう意味では、重大事態調査というところに焦点化すると、本来の支援課題をちょっと見失ってしまうというか、そういうことがあり得なくもないかなと思うのと、調査中だからあまり触らないようにするみたいなことになってしまうのが一番懸念されるところで、調査は調査で粛々と行う必要があると思うんですが、その間もお子さんたちの日々の生活がありますので、そこをどう支えていくかということだと思うんです。それにおいては被害も加害もなく、支援課題に応じてということになると思います。
 あと、例えば障害のある方ですとか、御家庭で生活困窮とか、独り親家庭とか、外国人の方でとか、いろいろな養育上の難しさを抱えていらっしゃる御家庭もあると思うんですけれども、そういう方たちの中には、既に地域の支援機関、例えば医療機関にかかっているとか、障害者としての支援を受けているとか、地域包括支援センターが関わっているとかといったようなこともあるかもしれませんので、いじめがあった、なかったということは別として、そこを、要はいろいろな支援機関にどんなふうに伝えるかというのが難しいところがあると思うんですけど、被害に遭ったという側のことは比較的伝えやすいと思うんですが、加害児童だということを支援機関に伝える難しさというものがちょっとあるとは思うんです。
 ただ、加害児童かどうかということは置いておいて、その家庭に様々な支援課題があるということであれば、地域の関係者と学校の先生方、養護教諭の先生も含めて連携していただくことが重要になると思いますので、スクールソーシャルワーカーとしてはそういったところのつなぎ等も当然お手伝いさせていただいているところです。今の基本的姿勢の2つ目の〇のところには、「調査の実施と並行して」となっていますので、調査の実施はするけれども、それとは、本当にまさに並行してということになると思いますが、そもそもの支援機関と連携して、学校がその子供、あるいは家庭の健全な育成に向けた支援をするということ、そこは、ぜひ忘れてはいけない視点として入れておく必要があるのかなと思います。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。あくまでも重大事態の背景調査に関する指針ということなんだけれども、実際に調査をしているから支援が止まるわけではない。支援を必要としている子供たち、あるいは家庭がある。だから調査と並行して、具体的にどんな支援をするのか。だんだん課題が膨らんでいってしまうんですけれども、そのようなものも、実際に調査をしているときにこうなんだということを盛り込んでいく必要があるだろうという御指摘かなと思いました。
 加えて家庭への支援ということで考えると、学校と関係者さんとの連携を、事が起きてからじゃなくて、その前から気づいておく、そういうことも盛り込んで、社会に開かれたチーム学校として、いじめの問題にも取り組んでいくんだというようなことを、具体的な進め方としてガイドラインの中に、附帯事項のような形でもいいかなと思うんですけれども、入れていく必要があるんだろうなという御意見と承りました。ありがとうございます。
 そうしましたら委員、よろしくお願いします。
【委員】  委員のお話と同感なんですが、やはり調査については粛々と進めていかなくてはいけないと。実際のどういう状況かということを   するためにしっかりとした調査が必要だということを私も同じに感じます。現場の声として、やはり保護者が自分の子供がいじめられたということに、精神的に保護者も、異常な方も結構、多々事例が多くなってきていて、被害者か加害者かといったときに、被害者だけではなくて、加害者が逆転するケースが非常に多いかなと調査をしていくと感じられます。そんな状況ですので、被害者と加害者に関して、両方の調査をしっかりとした上で、やはりいじめの重大事態ということを把握していくのが現場の意見としては感じます。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
 委員、よろしくお願いいたします。
【委員】  ちょっと重大事態の調査に直接関わる関係者ではありませんが、いわゆる加害・被害のほかに、傍観者、観衆がいて、これら第三者がどのようにそれに関わっていたかが重要です。例えば見て見ぬふりをしたのか、止めようとしたのかという第三者の関わり方によって、いじめが重大な案件になるのか、ある程度のところで止まるのかというのは、かなり影響力が大きいだろうと思います。実際の調査では、いわゆる傍観者、観衆の、第三者がどう見ているかというのも大きな課題です。実際には聞き取ってはいるんですが、その辺りの学級経営の集団的な雰囲気、そこが加害・被害にどのように関わっているか、これも観点としては重要な調査観点になると思います。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。日本のいじめ。学級の中で起きるのが7割から8割と言われている。したがって、加害者、被害者という2者関係だけではなくて、いじめの重大事態がなぜ生まれたのかという解明をしていくときに、学級という場、あるいは学校という風土も影響するかもしれない。そういう、少し取り巻く状況に目を向けて、これも調査の範囲がだんだん広がってしまうんですけれども、集団という場への視点を持って調査もしていく必要があるのかという、そんな御指摘だと受け止めました。ありがとうございます。
 ほかいかがでしょう。事務局のほうから、もしこのような点について御意見を伺いたいというようなことがあったらお願いしたいと思いますけれども、片境さんいかがでしょう。よろしいでしょうか。
【事務局】  ありがとうございます。今、非常に多くの御意見いただいてありがとうございます。なかなか、いただいてなかったかなと思うのは、今投影している資料の「重大事態の考え方」の2つ目の〇だなと理解しています。児童生徒・保護者から、重大な被害が生じた申立てがあったときに、重大事態が発生したものとして報告・調査に当たるという記載があります。ある種、もちろん法の理念ですとか、そういったところを考えたときに、この疑いの中に、非常に申立てを受けての対応ということはあると思いますけれども、今の記載というのは全て重大事態として扱っていくというふうな形になっておりますので、この辺をどう整理していくかということも1つ大きな論点かなと思います。この点について、委員の先生方からお考えですとか方向性について、何か御示唆をいただければなと事務局としては考えております。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。〇の一番最後のところですね。児童・保護者から申立てがあったとき、どのように報告・調査に当たるのかということについて、どんなふうに整理したらいいのか。それと同時に、いじめの疑いがあるという場合の調査との関係。この辺、非常に難しいところもあろうかなと思いますけれども、こんな課題があるということでも結構ですので、調査に当たられた経験がある委員の方、もしこの点について、あるいは学校という場でどうなのかというようなことをちょっと、感想的なものでも結構ですので出していただければと思いますが、いかがでしょうか。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  ちょっと感想的な言い方で申し訳ないですが、初動対応においてどれだけ迅速に対応したかというのが、いじめの最初の初期の調査になるだろうと思います。そこである程度、重大な案件に発展しそうな状況、あるいは保護者からそういう申出があった場合には重大事態として報告されるだろうと思います。ここは本当に判断が難しいところですけれども、やっぱり初動対応において、これを学校の中の集団で対応し、その組織がちゃんとあって、すぐに相談をして、それが判断できる状況であると、重大事態に至らないで対応できたと思います。そこが判断できないで、これはいじめなのか、いじめでないのか、あるいは重大事態かそうでないのかとか議論しています。ましてや被害と加害が逆転している場合、実は被害があったと言っているけど、加害者のほうが被害に遭ったとか、被害者のほうが加害者としていじめていたんじゃないかとか、いろんな議論をしているんですね。そこの議論の初動対応で、相談をして判断をするところまでが決め手ですが、そこがやっぱり遅れていると問題が大きくなります。実際の学校を見ると、そこが迅速にできてない点がやっぱり一番大きな問題になって、重大事態になってからは、もう粛々と調査をするしかありません。そういう状況になってからではもう手後れな状況で、その初動対応をどうするかを徹底することが必要かなと。感想までで申し訳ありません。
【座長】  ありがとうございます。
 続きまして委員、お願いします。
【委員】  学校現場でそういう保護者、あるいは子供たちから訴えがあったときに、今回のいじめの法律の中のいじめの定義にあるように、本人がつらいと思っていればもういじめなんだという発想。それはどのような経過でなったかというと、やはり担任の先生なりが、これはいじめじゃない、そのぐらいはあるんだと。あるいは、あなたがそういうことをしたから相手もこういうことをしたんだから、あなたにも原因があるというような発想で関わると、エスカレートしていくということで、もう本人がつらいと言っておれば、それが何があるのかを調べようということがいじめの定義だと思います。
 このことがしっかりと定着すれば、重大事態になるまでに、何らかのそういう訴えがあったときに対応ができるんだろうと思いますが、なかなか子供たちから訴えてくるというのが難しかったりしますので、その辺は学校から家庭に帰って、安心していろんなことが言えるようになったときに保護者に話した状況を、保護者から教えてもらえる情報というのは物すごく重要な、大切な情報になりますので、それをどのように扱うかということになるんだろうと思います。そのぐらいのトラブルあるし、被害者のほうにもこういう落ち度もあったみたいな視点で、学校現場の先生が、訴えてこられた保護者に説明すると、そこのところで信頼関係が崩れ、ボタンの掛け違いになるのではないかなと思いますので、その辺は、重大事態が発生したものとして関わるということが、やはり重要なんじゃないかなと思います。
 ただ、現場として、保護者が言ってこられる度に、全部そういう調査委員会をつくってやるということは、やはり大変だろうと思いますから、その辺は今、委員が言われたように、初動として、そういうふうな子供たちの中に様々な対立がある、葛藤があるということをまず理解して、担任だけでなくて、学校全体が、こういうことが起こっておるということを理解することが大切だろうと思います。先生の前で子供たちがいじめをすることはありませんので、見えてないところの情報をもらうためには、保護者の情報というのは非常に重要だろうと思いますし、「重大事態が発生したものとして」という、この文言は重要ではないかなと思います。以上です。
【座長】  ありがとうございます。そうしましたら、訴えがあったら当然、重大事態の疑いがあるということで当たっていく。あるいは、加えて重大事態にならなければいいということじゃなくて、いじめの疑いがあったら、そこで当たっていくんだ。問行調査でも、いじめだという認識がないままに重大事態が発生しているというケースも結構あるわけですね。その辺に課題があるという御指摘だったと思いますし、家庭との連携、これを大事にしていこうという御指摘もあったと思います。ありがとうございます。
 そうしましたら委員、お願いいたします。
【委員】  日本社会福祉士会の中田です。
 本当に先生方の御意見、全く同感でございます。私もスクールソーシャルワーカーとして、いじめの案件、よく取り扱うことがあって、関わることがあるんですけども、やはり学校の初動体制のところに対するクレームといいますか、そこに引っかかって、さらに大きく発展していく。最初は加害側の児童生徒に対する、いわゆる被害側の親としては、その子に、やった子に対する憎しみというか、腹立たしさというところがあるわけですけども、だんだん、そこの初動体制がちょっとうまくいかないと、今度、学校に対する攻撃というところで、やはりそういった学校への不満というところにすり替わっていくという経験をしております。
 ですので、全部が重大事態の調査委員会を設置するというのは、これは非現実的だと思うんですけども、先ほど来出ておりますように、重大事態が発生したものとして捉えて動いていくというところについては、ぜひともやるべきかなと思いますので、その辺り、もう少し具体的に文言として盛り込むことができればと思っております。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。重大事態の背景調査についても、あるいはそこで起きていることへの支援についても初動が大事。さらにはいじめの疑いが生じたときに初動としてどうするのか。そのときには、場合によれば組織全体でとならないこともあるかもしれない。担任と生徒指導主事で動くとか。しかしその動きを学校全体として把握しながら、早い段階で当たっていく。もしも下手をしていくと、だんだん学校不信が強まって、子供が置き去りにされて保護者対応にすり替わってしまうというようなことも懸念される。その辺、気をつけなければならない。そんなことも盛り込むということが、実際にいじめを防ぎ、いじめの重大事態化を防ぐという意味では必要だろう。調査のガイドラインなんだけれども、少し具体的な対応についても盛り込んでいく必要があるんじゃないかというのが、これまでの皆様の意見かなと承っております。ありがとうございます。
 そうしましたら、ほかにもこの点について御意見があろうかとは思いますけれども、2のほうに入って、2との関連で、1のことがまた出てきましたら、そこで意見、質問等を言っていただければと思いますので、取りあえずここで、1のことは一応終了として、2のほうに移りたいと思います。「調査組織のあり方、調査の進め方について」。この検討について、事務局から資料2-2を作成していただいておりますので、それに基づいて説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
※事務局より資料2-2について説明があった。
【座長】  どうもありがとうございました。事務局から、調査組織の在り方や調査の始め方、あるいは説明ということに関連して、ガイドラインの現状、そして改定を検討すべき論点が示されたと思います。1つは、重大事態調査の調査主体をどうしていくのか。2つ目は、調査組織の公平性・中立性をどのような形で担保していくのか。3つ目、被害児童生徒・保護者への説明等の在り方、タイミング、誰がするのか。同時に4点目で、加害児童生徒・保護者への説明等の在り方ということが示されたと思います。
 それでは、今、事務局から示されました検討すべき論点について、また改定の方向性など、どのようにしていけばよいのかということで、皆様から御意見、あるいは御質問等、お願いできればと思います。また、こうした論点以外でも、このテーマの中で検討すべき内容があれば積極的に御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 委員お願いします。
【委員】  1点目に、検討すべき論点において、事案に応じた調査組織の在り方の最初に記載されている、「不登校後に転校しているケースなど、2号事案として対応したものであっても様々なケースがあり、参考となる考え方を示す必要がないか」という点については、様々な御経験のある委員の方もいらっしゃいますし、今回、皆様が報告書についてもしっかり読んでいただいている中に、ひょっとしたらこういうような事例があったのではないかなと思いますし、これまでのケースを踏まえて提案ができればいいなと思っています。
 2点目は、御質問というか問題提起なんですが、実は身近の市長さんや教育長さんからお話を伺いますと、やはり重大事態調査をするときの組織に、少なくとも幅広い第三者委員を選考する際に、大きな困難に直面しているということです。なかなか専門家であってもお引受けいただけない場合もあり、本当に苦慮していると。したがって、こういうことが可能かどうかなんですが、第三者性を担保するときに、小さな自治体などの場合には、必ずしも専門家が、その地域、あるいは近隣の自治体にお住まいでないこともあります。けれども、この重大事態に対しての調査に協力していただけるという場合には、オンライン参加でありますとか、あるいはハイブリッドでの委員会の運営というのは可能なのでしょうか。すなわち委員会のときに、現場の委員会に出席できない、遠距離だからというようなことでお断りになっていらっしゃる委員の方もいらっしゃるかもしれませんし、あるいはもう先行事例として、オンラインあるいはハイブリッドでの委員会というのが実際行われた実績があるのでしょうか。幅広い専門家の方を重大事態調査でお願いしたいところ、その選考に困難があるとしたら、1つの方式として、オンラインあるいはハイブリッドというようなことが可能になることによって、ひょっとして人材が、数が少ない地域の体制が取れる可能性があるのかどうか、その辺の問題提起をさせていただきます。よろしくお願いします。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。
      委員、今のことに関連してということでしょうか。
【委員】  はい。すみません、度々。
【座長】  いえいえ、とんでもありません。
【委員】  まず委員の御指摘された、そういう委員会の開催がオンラインであるかということですけれども、私がお聞きしているところでは、もう既にやっておられるところがあります。コロナ禍でいろいろな、そういう蓄積がありますので、そういう部分では、プライバシーも保ちつつ、守秘義務も保ちつつできるだろうと思っています。
 それと第三者委員の公平性・中立性を考えたときに、その地域に住んでおるということはありません。第三者委員会のときには、被害者の方々から、とにかく中立性が確認できないと言われて、そこの学校・地域と一切関係のない人たちをお願いしたいと言われます。あるときはスクールカウンセラーとか、そういう学校関係に関連していない、そういう心理士を御提案したこともありますけど、同じ県に住んでいる人たちであれば、そのことは避けてくれと言われまして、現実的には、職能団体として推薦するときには、近県に投げかけまして、近県でどなたかをということになります。先ほど言われたような交通費の関係がありますので、そういう部分では大変、近県、あるいはちょっと距離があっても仕方がないと思います。
 それと、先日もそういう全国の心理士の会長さんたちの会議の時に、取りあえずの課題として言われるのは、この第三者委員の推薦をどうするのかというのを物すごく言われます。ある県の場合には、いつもその方にお願いするようになると。時間的にも経済的にも偏るので、その辺りのことを解消するために、そういう第三者委員という、委員会に、委員としてだけでなしに、調査委員として事前に参加して、委員と一緒に行動すると。こういう経験を通して、第三者委員会の役割なり活動を理解してもらい、少しでもそういうお願いできる人たちを増やしていこうというような活動をしておられるところもあります。
 その調査委員については、経費等はどうなるのかと聞きましたら、行政のほうでもう予算を立てて、その人たちにも同じように支払いをすると言っておられた、ある意味では先鋭的なところもあると思いますけど。それは大きい会ですけど、もっともっと地方に行って、小さいところであれば、本当に苦労しておられると思います。そういう部分では、いじめ調査アドバイザーというのが今回設置されておりますし、そういう方々の活用が有効になるのではないかなというふうなことを思っています。
 それとPTAの役員等ということが言われたりもしていますけど、まず地域におられるということで、どうかなということを思いました。また、PTAの役員の方の負担が物すごく大きくなるんじゃないかなと思いますし、ある意味では、地域の中でのそういう対立をも生むぐらいの案件になるのではないか。先ほどもありましたけど、ある程度孤立しておられたりとか、そういう家庭でうまく地域に適応できてないというようなことになりますと、PTAの方々が参加するというのは非常にハードルが高いんじゃないかなという印象は持ちます。他県のPTAの方が参加されるのは、問題ないと思いますけど、地元ということになると、非常に難しいのではないかなという印象を持ちます。
 以上です。
【座長】  どうもありがとうございました。私も経験的に言いますと、推薦するときに近隣の府県から推薦している。これは結構だから、逆に難しい。交通費も絡んでくる。そしてコロナ禍で実際に調査は進めておりましたので、オンラインの会議はかなりのところでもうやっていると思います。ですからそのような取組もある。何よりも、調査委員をお願いして、そして調査にあたっていただく方を確保していくというのが、推薦する側も難しいし、教育委員会なり、設置者のほうも非常に難しいなと思って、人材の養成ということも含めて、調査委員をどう確保していくのかというのは、現実問題として非常に課題があるなと思っております。ありがとうございます。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  すみません、今の中立・公平性の確保をということで、第三者委員をどこから確保するのかという問題なんですけれども、まずガイドラインで言っているのは、必ず第三者が入らないと重大事態調査をしてはいけないとは言ってないんですよね。
【事務局】  そうです。
【委員】  そこの点をまず確認しなきゃいけないと思います。中立・公平の観点で、第三者が参加するようにということで、それは中立性・公平性を確保するために必要な場合にそういう形が望まれるということなんだと思うんですけれども、今も御指摘があったように、現実として、我々のところに来る場合でも、近隣のというか、当該の自治体管内といいますか、弁護士の場合だと都道府県単位に大体なっていますから、そこの外からの推薦を求めたいという形で来るんですけれども、都道府県の中にいる弁護士は一定の自治体、都道府県内の自治体の利益を守るというスタンスに立っていると見られてしまうというのは、ちょっと実態と合っていないといいますか、実際には、こういう例が適当かどうか分かりませんけど、自治体を相手に訴訟を起こしていたりとかという場合だってあるわけですね。
 そういうことができるような専門職としているわけで、そこに住んでいると、学校や設置者、自治体の利益のことを考えるようになっちゃうから中立・公平性がないと思われてしまうというのは違うということです。あるいは特別にそういう事情というか、それを考えなきゃならない事情があるということは承知していて、それは避ける必要がある。そういう場合、弁護士会なんかの場合だと、どうして県外からの推薦が必要なんですかということを一々確認したりして、相当な理由があると考えた場合には県外からということでの御希望にできるだけ沿えるような形の推薦をするようにはしていますけれども、一般的に県外じゃないともう中立性・公平性が保てないとは考えられないんだということを、その辺をきちんと説明していくという趣旨で、中立性・公平性の組織の構成のところの1つ目のところで書いていただいているんだと思うんです。これは具体的に示していく必要がある点だと思います。
 弁護士の場合だと、本当に利害関係といいますか、利益相反があって職務をするということになると、弁護士資格の問題にも絡んできます。ですので、そこのところは判断できるような素材をいただかないといけないわけですけれども、その自治体内に住んでいるからといって、中立性・公平性が常に害されるというものではないということはちゃんと説明をしていく必要があるのかなと思っているところです。
【座長】  ありがとうございます。見え方として、近くにいる人は中立性が保ちにくいというような受け止め方をされかねない状況がある。だから専門性を持って、あるいは職能団体や学会から推薦していくということが、それ自体が第三者性を担保しているんだという、そのことを示す必要があるんじゃないかという御意見だと思いました。ありがとうございます。
 ほかいかがでしょう。委員どうぞ。
【委員】  すみません。我々スクールカウンセラーが当初から派遣されるときに、その1つの条件というのが、教員でない、そういう心理職だと。そのことで1つ外部性ということを確保するんだと。学校の中にいるけど、そうではない、教員ではない立場で中立性・公平性、それを外部性ということで説明をしておりましたけど、そのことは十分、そういう被害者の申立てをされた方には説明をしておりますけど、学校にいるということであれば一緒みたいに思われるということと、それと教育委員会からスクールカウンセラーの報酬をいただいておるということであれば、利益相反にも関係するじゃないかということを言われます。ですから先ほど言いましたように、スクールカウンセラーではない、違う領域、病院等で働いている臨床心理士を御紹介しますと言っても、被害者の方々からすると、そういうふうに地域で一緒に活動したり、いろんな勉強会をしておるじゃないか、顔見知りじゃないか。それではやっぱり自分たちは安心できないと言われますので、そういう部分での地域、物理的な距離ということが非常に被害者の御家族からすると安心できるんじゃないかなと思います。実際に行っている人たちが、そういうふうな忖度するというようなことは一切ありませんし、そのことは専門性としてみんな訓練していますし、研修もしていますけど、なかなか被害者の方々にはそのことが、納得していただくことが難しいなと思っています。
 また、先ほどからありますように、オンラインで対応とかも可能になりましたので、その辺のところは、被害者のほうの、申立てられた方の納得されるような形で立ち上げることが最優先ではないかなと思っております。
 以上です。
【座長】  どうもありがとうございます。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  どのようにさらに具体的に書くかというところであれば、少なくとも該当校を担当しているスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーは入らないほうが望ましいとか、表現はありますけども、せめてそこぐらいは明確に書くことができるのかなと思いますので、現状としては、ちょっと微妙なんですけども、担当のワーカー、カウンセラーが入っているところも一部あるのではないかなと思うんですけども、やはりそこは非常にリスキーなところがありますので、もし文言を具体的にさらに書くとするならば、そういったところを入れるのも1つのアイデアかなと思いました。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。具体的な記述も必要であろうということですね。
 委員、お願いします。
【委員】  今の皆様の御意見とほぼ同じですが、1つ、出来事が起こってから、調査委員を選ぶ形だとは思いますが、あらかじめ職能団体等であれば、調査委員になれる人の名簿を用意するといったことを、今後、すぐにできることではありませんが、将来的には整備する方法もあるかなと思います。過去の検討でも何度かそういった話がされたと記憶します。調査員候補者への研修は、職能団体等に任されているという話ではありますけれども、地域によってばらつき等もあるかもしれませんので、可能であれば、第三者委員会に入る各職種の方々の合同での研修のようなものも、将来的にはできるといいと思います。現時点ですぐにはそれは難しいと思うんですが、職能団体を通して推薦していただく形を取ることで、一定程度、中立性も担保されます。そのときに、先ほど委員もおっしゃったように、教育委員会に雇用されている方は、その調査としては第三者性がやはり担保しづらいので、そこは注意するというようなことを入れておくというのがあるかと思います。
 あと、先ほどからオンラインというお話が出ていますけれども、オンラインは非常に便利でいいですが、その場合の書類のやり取りですとか、情報の漏えいがないような担保の仕方に関しては、この間、恐らくガイドラインがまだない中でやられている可能性もあるかと思いますので、そこは今後の1つの課題になるのではないかと思っています。
 それとあともう一つ、先ほどの論点だけではないんですけれども、途中で転校した場合などというところがあったと思うんですが、ここについてもついでに発言してもよろしいですか。
【座長】  お願いします。
【委員】  その場合に、児童虐待とか、それからDVの問題などでもあると思うんですけれども、自治体を越えて移動されたりした場合に、個人情報をどのように転出先に伝えるかということが、先行して対応されているところもあると思うんですね。大きいところで、やはり虐待やDV問題かなと思うんですけれども、ですので、そういったところも参考にして、既にいじめ事案に関してもやられているのかどうかというのも、私ちょっと把握できていないんですが、もし、そこがまだ十分ではないということであれば、やっぱり転校によって情報が途絶えてしまうことが、転校した子供さんの不利益になってはいけないと思いますので、そこは入れていく必要があるのだろうと思っております。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。職能団体ごとにリストのようなものを作っておくと。これから先の話になりますけれども。そして人材養成ということも必要だろう。それからオンライン。これはやっぱり、これからのことを考えると多分使っていくことになる。でもそのときに、じゃあ情報漏えいとかというのをどう防ぐのか。前のガイドラインのときには当然なかったわけですので、そんなことも、難しいとこもありますけれども、視野に入れて書き込んでいく必要があるんじゃないか。
 それから転校、これは1号でやっているところもかなりあると私は思っております。ですから2号として扱う、1号として扱う、調査主体を何にするのか。転校以外にも、1号重大事態として示されていないものも出てくると思うので、例示というような形で少し、こういう場合には、早く第三者性の高い学校の設置者がつくる調査委員会でやるほうがいいんじゃないかみたいなことも示す必要があるのかな、そんなことも今、報告書が上がってくる分析の中で進めていく必要があろうかなとは思っております。
 委員、お願いします。
【委員】  一言申し上げます。
 委員の皆様から私の疑問に答えていただいて大変ありがたく思います。特に直前、委員が御指摘になった点は非常に重要だと思っておりまして、特に市長会、教育長会の皆様が、こういう重大事態に適切に対応するために専門家の皆様の名簿というか、リストがあれば望ましいということもおっしゃっていましたが、これは国の仕事なのか、都道府県の仕事なのか、あるいは職能団体にお願いするのがよいのか、今後の検討が必要な課題として位置づけられると思います。特に専門家の方でも、いじめ重大事態に関する御経験がないために謙虚にお引受けになっていらっしゃらない方がいらっしゃると思います。そこで、先ほど研修の必要性についてもおっしゃっていただきました。情報を知ることで、委員を引き受けていただく方も増えると思いますので、いじめアドバイザーの方も、そうした人材が増えれば、よりコーディネートしやすいと思いますので、研修機会の充実をはかるべきではないかと思っています。なお、オンライン、ハイブリッド型のときの情報セキュリティーの問題や個人情報の漏えい防止の問題なども、本当に重要な課題でございますので、私が思っていた以上に普及しているという実態をお聞きしましたので、重大事態に関する検討会等をオンライン、あるいはハイブリッドで行うときの個人情報保護、情報セキュリティーシステムについてのガイドラインの必要性なども盛り込めればよいと思いました。
 ありがとうございます。以上です。
【座長】  どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょう。
 委員、お願いします。
【委員】  度々すみません。
 調査組織の構成の関係で、公平性・中立性を確保した調査組織の構成という関係で、今これがスムーズにいかないということがあります。弁護士会の場合ですけれども、スムーズにいかない大きな1つの要因として、費用負担の問題といいますか、どういう保障をしていただけるのかというところが、その予算であったり、あるいは支出根拠であったりとかということが用意されてなくて、適切な内容になっていないためになかなか難航してしまうというか、時間がかかってしまうというケースが多くなっています。この辺りのことというのは、ここに入ってくるのかどうなのかという問題もあるんですけども、こういった準備が必要だという辺りについては、自治体だけで準備してくださいというのもちょっと大変で、国からのということになると、こども家庭庁とか、そういうところでもいろいろ配慮していただいたりする必要が出てくるのかもしれませんけど、予算的な手当といいますか財源の手当ですね。その辺りは、ここに入れる問題なのかどうなのかということは、私もよく分からないんですけども、そういった問題が背景にあるということは意識しながら、必要に応じて最低限の記述といいますか、こういう準備が必要だという辺りは書き込んでおく必要もあるのかなと考えたりもしますが、いかがでしょうか。
【座長】  いかがでしょう。
【事務局】  事務局です。ありがとうございます。
 予算の問題も当然論点ですね。ガイドライン上、記載は少しあるんですけれども、やっぱり今おっしゃっていただいたとおり、既に幾つかの自治体さん等では、当初の予算の中に既にそういった予算を組み込んでいる自治体さんなんかもございますので、やっぱりそういった重大事態が発生したときの迅速な対応というところの記載といいますか、ものは必要だと思います。
 そうですね、ガイドラインというようなところであれば、まさにそういったこと、調査主体になり得る設置者及び学校というところですので、そういった記載の検討は当然入ってくるかなと思います。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。
 委員、関連してでしょうか。
【委員】  何度もすみません。
 委員の発言に、勇気を持って言おうと思いまして。職能団体として、第三者委員の推薦ということは、この法律ができたときから、人材バンクのようなものをつくろうという長年の懸案事項です。その懸案事項の中で、解決が難しかったのが、先ほど言われた費用の問題で、各団体、県で、何かそういういじめがあったときのケアとして、スクールカウンセラーを配置する、緊急対応するというようなことは、各都道府県で、もう予算化しておられるところも多いと思いますが、第三者委員の委員の費用をということが、なかなか難しかったのかなと思います。ですから、その辺のところが解決すれば、長年の懸案事項であります人材バンクも少し進むかなというようなことを、少し印象として持ちました。
 そしてオンラインの、ガイドラインにつきましては、コロナ禍で、かなりそういうことが浸透しましたので、各団体等で研修するときも、守秘義務がかかるような、そういう事例検討等については、既にガイドラインを作っているところはたくさんあるだろうと思っています。
 それともう一つ、転校の問題につきましてです。転校につきましては、そういういじめ等を理由で転校された場合には、教育委員会のほうで迅速に対応していただくというのは、これは過去から、かなり前からあったことだろうと思います。そんな急に、この法律が出来たからということではなしに、不登校問題を考えるときに、特に背景にいじめがあれば、そういう校区を越えて登校も認めるということは、以前からあったと思います。転校に関しては慎重に考えないと、御本人がかなり精神的なダメージを受けておられると、転校したから解決するという問題ではありません。そのことで転校して、また登校できなかった場合は、そういう環境的な問題じゃなしに、個人の問題じゃないかというふうなことで、本人がさらに非難されるということも聞きますので、慎重に考えなければいけないということと、いじめの問題で転校を考えるときには、どうして被害者が転校するのか。本来であれば、そういう加害者を違う環境で、被害者がそういうつらい思いをフラッシュバックしなくて済むような環境を整えるためには、加害者のほうが転校すべきではないかというような議論はずっとありますので、転校に関して、被害者のほうが望まれるんであれば、今でもそんなに難しい問題ではないのではないかなと思っています。そしてそのことを、いじめが原因で転校してきたということに関しましても、転校先の学校に十分な説明をしない限り、次の適用は難しいと思いますので、その辺のところは十分、現在でもできておるんじゃないかなというふうな印象を持っております。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。調査委員になると物すごい負担になる。お金の問題だけじゃないんだけれども、自治体によっては、会議費は出るけれども、報告書をまとめているような時間にはお金がつかないというところもあれば、そこもつけるというところもあったりして、負担と得るものという、お金だけじゃないんだけれども、現実的にはボランティア的な実態というのが、調査委員の実情だと思います。ですからなかなか難しい。
 それで、ずっと人材バンクということを言ってきたんだけども、なかなかこれが実現できないので、これを機に何とかその辺、進められないかなと思っているところがあります。転校についても御指摘どうもありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。事務局のほうで、この点ちょっと意見が欲しいということがあればお願いしたいと思います。
【事務局】  すみません事務局です。
 いろいろいただいていて、非常にありがたく思っております。すみません、資料の中で、もう一つ、被害児童生徒・保護者の説明というところで、誰が説明するのか、説明のタイミング、こういったものは事務局として案をお示ししていかないと、なかなか議論難しいかなと思いますが、2つ目にある、例え、最初のほうでありましたけれども、加害をしたというような子への説明や、そういったところへの配慮ですとか、あるいは調査実施中における説明ですね。調査中ですと言うだけではなくて、どういうようなことが必要なのかというところも、もし御意見等ございましたら、ぜひいただければなと思っております。
 すみません、以上です。
【座長】  ありがとうございます。加害児童生徒・保護者への説明、それから被害者への説明、これをどんなふうに、誰が行うのかということで、何か御意見があればお願いします。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  これは本当に状況によって難しいなと思っています。例えば重大案件になった場合には、学校に対する不信感がそもそもあって、管理職が説明しても信用しないということがあります。一方、じゃあ調査委員が説明すればいいのかというと、調査委員は、調査は客観的にやるけれども、矢面に立つということになると、調査委員の引受け手がもうだんだんいなくなる。そもそも、あんまりお金もないのにやっていただいているという状況の中で、本当に難しいなと。これは私の意見ですが、状況によって、学校関係者や外部委員、調査委員を含めて、どなたが説明するのが保護者に一番理解していただきやすいのか、状況において判断するとしか言いようがなくて、ちょっとここは、固定的な結論は難しいかなというのが私の印象です。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。状況に応じて   ということでしょうか。少しここも、ある程度の方向性を示せるといいのかなという、原則としてこう考えられるというようなことを少し、これから詰めていければなと思います。ほかいかがでしょう。
 よろしいでしょうか。1つは、これは個人的な意見ですけれども、私の経験の中では、調査の開始に当たっては、被害の児童生徒、それから保護者。児童生徒が出てくるというのは難しい場合ももちろん多いんですけれども、説明をして、スタートをしていくということが多いかなと思っております。それから途中段階でやはり、説明をある程度していかないと、不安の中に残されてしまう。ですから途中段階、必ずということではないんだけれども、説明をしていったほうがうまくいくことが多いかなと思っています。そこで公平性・中立性をしっかりと持ちながらということは当然なんですけれども。
 それから加害児童生徒・保護者への説明。これを全くしないで調査報告書がパーンと出てしまうと、今度はそこからまた問題が出てくる。だから単に聞き取りということだけではなくて、意見を表明する権利を保障しながら、加害の児童生徒へも、あるいは保護者へも、何らか説明していくというようなことは、これも誰がやるのか難しいところはありますけれども、必要なのかなと思うところもあって、でもこれが正解だというのがなかなかない中で、原則的な方向性を示していくということは、実際に担当する調査委員や自治体、あるいは学校の設置者にとっては必要なのかなと思いますので、大変でしょうけれども、その辺少し整理をしていくように、この委員会で、この協議会で進めていければなと思っております。
 そうしましたら、いろいろな、活発な御意見、御質問、本当にありがとうございました。
【委員】  すみません、今の件で。
 やはり加害児童の説明に関しては、現場で、例えば1対1でけんかとか、非常に難しい問題が出てくるということ。ですから被害生徒に対して、児童に対して、加害児童が2人以上だと非常に説明がしやすいというか、状況に応じての説明がしやすいと考えて、加害児童に対する保護者に対しても説明はしやすいんですが、やはり1対1とかいうのは難しいと思います。ちょっとこれは私の意見ですが、例えば警察の関与がどうかということで、本来、現場の中で一番問題なのは、インターネットでのいろいろ書き込みとか、そういうのは1対1とか、そういうので、1人が逆に、何人かで問題を起こすような被害をさせるというような問題もあるので、そういった意味で、そういうことの事情が、情報が得られるようなことが必要かなと今では考えておりまして、そんなこともぜひお考えいただければと思っています。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。ネットのいじめというようなことも、前のガイドラインのときには十分に視野の中に入っていなかったところもあろうかなと思います。そんなときに関係機関とどう連携していくのか、そんなところも調査、支援、両方に絡んでくるんですけれども、検討していく材料として必要なのかなと思いました。どうもありがとうございます。ほかよろしいでしょうか。
 そうしましたら、ここまでの意見を生かして、改訂版ガイドラインの素案をつくっていくというところに、事務局のほう、本当に大変ですけれども、お願いしていきたいと思います。
 時間が大分迫っておりますけれども、続いて議題の2に入りたいと思います。議題の2「いじめ重大事態調査報告書の分析状況について」です。事務局のほうで資料3のとおり、現時点の分析状況をまとめていただいております。まずは事務局から資料について御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
事務局※事務局より資料3について説明があった。【座長】  どうもありがとうございました。今の時点で収集できている調査報告書100件を基に、事務局のほうで様々な観点から整理・分析をいただきました。ただいまの説明について御質問、あるいは感想でも結構です、御意見があったらお願いいたします。いかがでしょうか。もしも、もう少しこういう分析もやれるんならやってほしいというようなことがあれば、御意見を出していただければと思いますけれども。
 委員、よろしくお願いします。
【委員】  2つ質問です。1点目は、今回収集された中で、特別支援学校はなかったということでよろしいですか。2点目は、いじめ自死事案はあったでしょうか。
2つ質問です。
【座長】  事務局、いかがです。
【事務局】  特別支援学校は一部不明という形で判定できないものはありましたので、結論から言うと、今、我々として確認できた中では、特別支援学校というものはなかったということです。もう一つの亡くなっている事案ですが、これは亡くなっている事案も何件か該当はございます。
【委員】  図表③で100ページを超える報告書がありますが、これが自死事案かどうかは分かりますか。
【事務局】  分かります。
【委員】  ページ数の長短に関しては、収集された100件を合算して分析されているので、たとえば、校種別にクロス集計をしていただけると、実態が少しはっきりしてくるような印象を持っています。
 また、自死事案固有の特色も出てくると思うので、自死事案に関しての分析結果を見せていただければと思います。
 なお、図表⑪で、「いじめへの対処」で、「サ)学校内、教職員間での情報共有・連携・組織的対応」は、47%あります。先ほど来、初動段階の指摘がありましたが、組織的な対応という点では、まだまだ適切な対応がなされていないのではないかと思います。
 たとえば、いじめ防止対策委員会がうまく機能してない、あるいは管理職と一般教員の情報共有が不十分であったなど、組織的対応という点が指摘されています。今回のガイドラインの修正等に関しても、ここで得られた情報をフィードバックする形で作成されたらいかがでしょうか。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。可能なところで校種、あるいは事案の要対応別にクロス集計をしてみるというようなことも必要なのではないか。それから最後の再発防止に向けて提案されていること。これ、私はとても大事な資料だなと、今、委員の御指摘も受けながら感じているところで、これをガイドラインに生かしていく。加えて、報告書を上げるように言っているわけですから、学校現場、あるいは教育委員会等にこういうデータを戻しながら、じゃあここを重点的に研修等で進めていこうということを示していく根拠にもなるので、非常に大事な資料かなと思っております。分析のほう、本当にありがとうございます。御苦労さまです。
 ほかいかがでしょう。委員お願いします。
【委員】  私も委員と同意見です。そして今、座長がおまとめいただきましたように、資料⑪というのは大変有意義な分析だと思っています。特に本日、「初動が大事」と多くの委員がおっしゃったことについては、「基本的な対処の仕方が大事だ」ということであるとか、あるいは「被害児童生徒への支援や寄り添った対応が重要である」と同時に、「保護者との情報共有・連携も重要である」ということ、さらには、「総合的に関係機関との連携、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーとの連携」なども、回答の比率が高くなっておりますので、ぜひこれらの結果を積極的に、今日の委員の皆様の御意見と総合してガイドラインに反映できたらよいと私も思います。ただいまの座長が取りまとめられた方向性に賛同します。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。時間も過ぎておりますけれども、御意見ございます方、いかがでしょう。
 委員、お願いします。
【委員】  ありがとうございます。
 この前のときに、再発防止策の関係で、調査報告書の検討とか、そういうことを具体的に提案している、あるいはフォローアップのところはないかというようなお尋ねをしたような気がするんですけれども、今回の「教職員の資質能力向上」の中の、例えば「キ」とか「ク」とかで、具体的な内容について方法を示すというような、こんな形でというようなところで、そういったことが入ってきている感じになるんでしょうか。この辺り、具体的な内容については、例えば調査報告書のフォローアップを今後やっていく必要があるというような、そういうことで、資質向上を図っていくというような取上げ方になっているのかどうなのかという辺りは分かりましょうか、この辺りどうでしょう。
【座長】  どうでしょうか。
【事務局】  事務局です。
 フォローアップということについては、具体的には、例えば調査を実施した第三者委員会として、提言した再発防止策がしっかりと実行できているかということを、例えば5年後等に我々に報告してくださいというような形で提言をされているものもございました。なので、ここの資質向上や、法の普及啓発というところに限らず、例えば体制の部分ですとか、子供たちへのいじめ防止の取組、防止教室みたいなものも含めてですけれども、そういうものも含めて、当該校において今後こういった重大事態が起きないような取組をしっかりやっているかを、重大事態調査をした調査組織として、報告をお願いしますという形で提言をまとめられているものは、私が見た中だと幾つかございました。
 以上です。
【座長】  ありがとうございます。委員、よろしいでしょうか。具体的に、私の経験の範囲ですけれども、提言を持って調査委員が学校に行って、管理職なり、生徒指導関係なり、あるいは全教職員に、提言について説明をするというような取組をしているところもありますし、教育委員会がそれを受けてやっていくというようなところもあると思います。ですから報告書を作った後、どうしていくのかということも、これもいろいろな状況によって変わってくるんだけれども、こういうことをやったらいいんじゃないかということもガイドラインの中で示せればなとは思いますので、その辺、この分析を生かしながら、事務局のほうも本当にどんどん仕事が増えてしまいますけれども、検討していただければと思います。よろしくお願いします。
 そうしましたら、ほかにも意見があろうかと思いますけれども、私の不手際で時間を過ぎてしまいました。また御意見があれば、メール等で事務局のほうに寄せていただければと思います。
 本日も貴重な御意見たくさんいただきました。ありがとうございました。次回は、本日示された3、4。3は「重大事態調査の標準的な調査事項」、そして4が「調査結果の説明及び公表、再調査」、この2つの論点について、本日と同じような流れで議論をさせていただきたいと思います。また報告書の分析も、もしも増えていればやっていただく。報告が上がるのはいいと思ったり、あるいは重大事態が起きていなければいいなと思ったり、ちょっと複雑な気持ちで今申し上げましたけれども、またその分析も紹介できるようなものがあったら紹介していただきたいと思います。
 それでは最後に、事務局から発言を求められておりますのでよろしくお願いいたします。
【事務局】  本日、皆様お忙しい中、貴重な時間いただきましてありがとうございます。また、本日も貴重な御意見ありがとうございました。
 次回日程につきましては、こちらからまた改めて御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【座長】  それでは第3回対策協議会を閉会といたします。皆様どうもありがとうございました。
 
―― 了 ―

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