令和6年12月23日(月曜日)9時30分~10時30分
ZoomによるWeb会議(公開)
事務局:文部科学省 5F2会議室
(1)調査結果の取扱い検討ワーキンググループの設置について
(2)令和7年度全国学力・学習状況調査の概要について
(3)令和7年度全国学力・学習状況調査 質問調査について
耳塚座長、大津委員、足羽委員、磯部委員、川口委員、佐々木委員、斉田委員、貞広委員、垂見委員、土屋委員、福沢委員、益川委員、松谷委員、 三浦委員
【議事1】調査結果の取扱い検討ワーキンググループの設置について
・事務局より、資料1に基づき、ワーキンググループの設置について諮られ、原案通り決定された。
【議事2】令和7年度全国学力・学習状況調査の概要について
・資料2-1、2-2に基づき、事務局から報告があった。主な意見は以下のとおり。
【委員】採点期間の短縮が図られることについて承知した。結果公表の時期についてはどうか。結果公表の時期が早まれば各市町村や各学校においても夏休み中にしっかりと分析をし、各児童生徒の学習指導の改善に生かすことができると思う。採点期間の短縮が図られ、公表時期も早まるという認識でよいか。
【事務局】今年度はIRTスコアの導入ということもあるので、採点期間の短縮区分の一部をIRTスコアの分析にあてることを考えており、来年度については今年度と同様のスケジュールでの結果返却を行う予定である。今後も様々な工夫をしながら全体の期間の短縮を図り、結果として公表時期も早められるよう検討していくことを考えている。
【委員】IRTを導入しデータ分析をしっかりしていくことは大変重要なことと捉えている。子供たちの学力の定着状況についてしっかりとフィードバックできるよう慎重に進めていただきたい。また、返却時期について今後も検討していただけるとのこと承知した。
【委員】今回のCBTでの調査は全国的に大規模で行う調査であり、かなり世間からの注目も高いものになるだろうと推察する。その中で、CBTの調査ではどのような問題が出されたのか、これまでの紙ベースとはどう違うのかといった情報を知らせることも必要だと感じる。例年、全国学力・学習状況調査の調査問題は、4月の実施終了後、一斉に新聞等にも取り上げられ公表されている。問題が公開される時期は例年と変わらないのか、現時点で予定があれば教えていただきたい。
【事務局】調査問題については、例年と同じ公表時期を想定している。ただ、実施時期については、CBT調査は分散実施となるため、学校行事等との調整も必要との御意見もいただいているところである。来年度以降にはなるが、実施の時期について学校現場の御意見も賜りながら調整を図りたいと考えている。
【委員】2点お伺いしたい。1点目は、議事1にあった調査結果検討ワーキンググループでの検討は、令和7年度の公表の在り方から検討したものが適用されるのか。2点目は、資料2-1の最後に書かれている「CBTで実施する中学校理科及び児童生徒質問調査を後日実施とする場合に、学校外での実施を可能とする」とあるが、学校外での実施という意味について教えていただきたい。仮に家で実施した場合、学校で実施した場合と比べて調査結果に違いが出ると思うが、分析時にどこで実施したかを確認できることになるのか。
【事務局】1点目のワーキングの検討については、検討の内容の合意が図られ、間に合うところから適用していければと考えている。令和7年度の調査結果の公表は7月末になるが、それに間に合う形で改善の方向性の意見がまとまれば適用していくこともあり得ると考えている。
2点目の後日実施について学校外での実施を可能とすることについては、これまで本調査は、基本的には学校での調査実施となっていたため、不登校の児童生徒は、参加しにくかった状況があった。CBTの導入を生かして、学校外での実施も可能とすることで、参加しやすくなる機会を確保したいというのが1つの趣旨である。学校外から受けた児童生徒の状況についてどのように把握するかについては、この後引き続いて行われる非公開の会議にて検討していただく予定である。
【議事3】令和7年度全国学力・学習状況調査 質問調査について
・資料3に基づき、事務局から報告があった。主な意見は以下のとおり。
【委員】資料3(3)、(5)にある男女差の検討や外国人児童生徒に対する支援の在り方に対する検討等は、非常に重要なことだと思う。この点に関して文部科学省から各学校現場、教育委員会等に対して、なぜこの質問項目を入れる必要があるのか、どのように分析をしていくのか等について、丁寧に説明をお願いしたい。教育政策を考えるうえで重要であることを誤解がないようにしっかりと伝えていただきたい。
【事務局】男女差については、昨年度の委託研究で初めて全国学力・学習状況調査のデータを男女別に分析した。また、今回のTIMSS2023の結果公表にあたっても、男女の理数教科への興味・関心等の違いについても分析したが、こちらの結果からも、小学校の早い段階から興味・関心について、男女差が見られることが分かった。子供たちが適切な進路を選択する上でも、学習における男女差の解消に向けてどのような指導改善が適切か検証していくためにも、調査・分析が必要であると考えている。委員からご指摘いただいた部分は非常に重要であり、学校現場にもしっかりと伝えて参りたいと考えている。
【委員】資料3(4)にあるコミュニティスクールに関する項目について、コミュニティスクールの取組が各学校、各市町村にも非常に広まっており、地域の力をしっかりと学校現場に取り込むことは、子供たちの学力定着・向上にも欠かせないことだと思っている。本関連項目については、学校質問調査の中で聞くことになると思うが、聞き方によっては、質問が意図する取組ができているかどうかの判断ができにくい場合もある。学校現場に質問の意図がしっかりと伝わり、答えやすい項目の設定をお願いしたい。
【委員】私立学校では男女別学の学校もあり、理科や英語の学習指導では、男女別に指導方法の工夫も行っているところである。ぜひ、男女差についての調査・分析を進めていただきたいと思う。
【議事4】その他
・資料4に基づき、事務局から報告があった。主な意見は以下のとおり。
【委員】保護者に対する調査についても、紙とオンラインの両方で調査を行っている。教科調査だけでなくこちらについても、モードエフェクトの分析を行っていただきたい。
【事務局】保護者に対する調査についても、実施方式の違いについての分析を進めていきたいと思う。
【委員】資料4-2のモードエフェクトに関して、CBTでの実施になったときの子供の問題に対するアプローチの仕方が少し違ってきているのではないかと授業観察の中で感じるところである。子供のどのような力を見るのかを明確にしたうえで、同じ問題であっても、紙からコンピュータに代わることで子供のアプローチの仕方が変わることを考慮したうえで、作問の段階から問題の趣旨・意図を改めて検討し、実施を行っていただきたい。
【事務局】今秋の「令和7年度以降の全国学力・学習状況調査(悉皆調査)のCBTでの実施について」の改定の議論の際にも、関係団体からCBTの影響に関してご意見を賜った。CBTの出題では、CBTならではの良さを生かしてまいりたい。併せて、今回の経年変化分析調査の結果もしっかりと分析をし、PBT調査からCBTでの調査になることに伴って、意図しない影響が出ていないかというようなところについても把握をしていき、子供たちが持てる力を十分に発揮しやすい問題の出題をしていけるように努めていきたい。
総合教育政策局参事官(調査企画担当)付学力調査室