令和5年3月9日(木曜日)14時00分~16時00分
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催
荒瀬克己座長 池田彩乃委員 氏間和仁委員 梅田真理委員 奥住秀之副座長 帯野久美子委員 喜多好一委員 小枝達也委員 櫻井秀子委員 笹森洋樹委員 滝川国芳委員 竹内哲哉委員 中田寛委員 野口晃菜委員 平野真理子委員 藤井和子委員 宮﨑英憲委員
藤原章夫初等中等教育局長 安彦広斉初等中等教育局審議官 山田泰造特別支援教育課長 生方裕特別支援教育課特別支援教育企画官 菅野和彦初等中等教育局視学官
独立行政法人国立高等専門学校機構
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害児・発達障害者支援室
国立障害者リハビリテーションセンター
【荒瀬座長】 皆さん、こんにちは。荒瀬でございます。
定刻となりましたので、ただいまから第9回通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議を開催させていただきます。御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
今日も情勢を踏まえまして、ウェブ会議システムを活用しての開催とさせていただきます。
本日は、市川宏伸委員、市川裕二委員、馬飼野委員が御欠席であります。
初めに、本日の会議の進め方と配付資料につきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【生方企画官】 よろしくお願いします。事務局の生方でございます。
本日の事務局の体制につきましては、座席表にて代えさせていただきます。
早速でございますが、本日の議事及び配付資料の確認をさせていただきます。
資料につきましては、議事次第、資料1、資料2-1から2-2、2-3と参考資料をお送りさせていただいております。
資料1につきましては、前回会議における委員の皆様から頂いた御意見の概要を議事要旨としてまとめ、委員の皆様には事前に御確認をいただいているものでございます。
その他、不足がございましたら、事務局まで御連絡を頂ければと思います。
続いて、議事次第を御覧ください。議事としまして、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告案についてでございますが、前回の報告案に対する委員の皆様から頂いた御意見等を踏まえまして、事務局で修正したものを事前に委員の皆様に御紹介させていただき、それに対するさらなる御指摘等を踏まえまして、座長、副座長にも御相談した上で修文したものを本日、報告案として事務局から御説明をさせていただければと思います。
なお、事務局としましては、本日の会議を最後とさせていただきまして、本日、報告の取りまとめをお願いしたいと考えてございます。
本日、予定どおりに報告の取りまとめに至りましたら、荒瀬座長より安彦大臣官房審議官に報告書の手交をお願いしたいと存じます。
以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
資料2の通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告案につきまして、事務局、生方企画官から御説明をよろしくお願いいたします。
【生方企画官】 よろしくお願いします。
資料2-1、前回の報告案からの見え消しバージョンを御覧いただければと思います。
まず、全体に係る修正の考え方、方針でございますが、前回の竹内委員からの御指摘を踏まえまして、全体的に一文が長いところがあると。そういった御指摘の箇所につきましては、句点で一旦切って接続詞でつなぐなど、なるべく短く分かりやすい文章になるよう、極力修正をさせていただいております。
また、次のポイントとして、字句の整理ということで、全般的に「教員」という文言につきましては、「教師」ということで置き換えさせていただいております。また、「通級指導担当教員」につきましては、「通級による指導の担当教員」といった形で字句の整理、統一的に修正をさせていただいてございます。ただ、例えば「教員定数」など固有名詞につきましては、そのまま残させていただいているところでございます。
さらには、教育課程に関連する記述につきましては、学習指導要領等の記述に合わせるなど、より正確性を期す修正、また、趣旨を変えずに、てにをはなどについて修正し、文章を整えてございます。
続きまして、委員の皆様から頂いた御意見でございますけれども、こちらも極力反映はさせていただいてございますが、修正の意図が別の箇所を含む本文中で読める場合、また、その趣旨を包含している場合は、現状のままとさせていただいているところもございますので、この点については御理解をいただければと思います。
それでは、ポイントを絞って説明をさせていただきます。
まず、1枚目、2ページ目でございます。正に先ほど申し上げましたように、はじめにのところでございますが、これは非常に1文が長かったといったところで、途中で切りまして、少し改行するなどの工夫をさせていただいています。以降のページにつきましては同様の修正をしているということでございます。
欄外でございますけれども、一番下のところでございます。通常の学級というところの定義を注記で設けさせていただいているところでございます。
3ページ目でございます。1つ目の丸のところでございますが、前回、竹内委員から8.8%という数字が独り歩きしないように丁寧に書き下すべきではないかといったような御指摘を踏まえまして、朱書きのとおりでございますが、「本調査は、専門家による判断や医師による診断によるものではなく、学級担任等が記入し回答したものであることに留意が必要である。」といったような記載に修正させていただいてございます。
その下の2つ目の丸、先ほど申し上げましたように、こちらは小中学校の通級による指導に係る教員定数、こういった名詞の場合には教員というふうに使ってございます。以下、同じでございます。
4ページ目でございます。真ん中の2ポツの最初の1つ目の丸でございます。ここはいろいろな委員の方から御意見を頂きまして、特に笹森委員、野口委員の方から、全ての教師がまず通常学級でどの子にも分かりやすい授業づくりをするということを記載してはどうかといったような御指摘を踏まえまして、以下のように「通常の学級に在籍していることを前提として、全ての児童生徒に対し、高い学習成果が得られるようわかりやすい授業づくりを進め」うんぬんかんぬんと続き、喜多委員の方から学級経営につきましても多様性を尊重したといったような御指摘を頂きましたので、「多様性を尊重した学級経営」というふうに修正をさせていただいてございます。
同じパラグラフの下の方でございますけれども、「また」以降のところでございます。これは櫻井委員の方から御指摘いただきまして、「教育委員会においては、これらの取組を進めるに当たり、人材育成も含めた計画的な人員配置により学校を支えるべきである。」といったような文言を追加してございます。あと、こちらは氏間委員の方からも御指摘を頂いたところでございます。
6ページ目でございます。一番上でございますけれども、コーディネーターの指名のところでございますが、十分に役割を果たせるよう体制を整える必要があるといったことにつきまして、野口委員の方から具体的にどのような体制を整えるのか書いた方がいいのではないかというところで、「校務分掌の見直しを図るなど」といった文言を追記させていただいてございます。
あと、その下の丸でございますけれども、これは事務局の方で修正をさせていただいてございますが、幅広く学校全体で支援を必要とする児童生徒の把握といったところで、学級担任等の気づきを積極的に校内委員会で吸い上げるという趣旨で、こちらの文言を追記させていただいてございます。
あと、2つ目の丸でございますけれども、こちらも野口委員の方から、まずは学級全体に対してできる工夫といったところで文言の追記をさせていただいております。
最後の丸でございますけれども、こちらは取り巻く環境というところ、これは学びの場が変更できることの共通理解について記載しているところでございますが、野口委員の方から環境整備の状況が重要という御指摘を頂いたのですが、大変大事な視点ではございますけれども、逆に環境の整備が整っていないからというマイナスの側面もあり得るので、「取り巻く環境」というふうに修正をさせていただいてございます。
7ページ目、真ん中の3つ目の丸でございます。これは中田委員から御指摘いただきまして、進学先ではなくて就労先にも適切に引き継ぐようにということで文言を追記してございます。
9ページ目の専門家等との連携でございます。ここは少し定義づけをさせていただくなど修正をしてございますが、1つは2つ目の丸でございますが、専門家等の情報の把握については教育委員会もしっかり把握しておく必要があるといった櫻井委員からの指摘を踏まえまして、「教育委員会や学校が」と、教育委員会を追記してございます。
あと、その下の丸でございますが、括弧書きの指導目標、指導内容ですが、この「指導」というのは削除でいいのじゃないかという池田委員からの御指摘。あとは、野口委員の方から連携強化の具体策を示してはどうかといったことで、「例えば定期的なケース会議を開くなどの連携を強化」といったように修正をさせていただいてございます。
11ページ目をお願いいたします。3つ目の丸のところでございます。これは氏間委員の方から「単なる教科の遅れを補充する指導を行っている学校」もあるといった元の文章に対しまして、実態としては自立活動を行う際に、教科で取り扱っている内容を題材にして目的に迫るという指導を行うことはあり得るといったような指摘を受けまして、こちらにございますように、前段の方は正確を期した修正でございますが、真ん中のところ、「その上で例えば、読み飛ばしのある児童に対して、段階的な指導内容の一つとして国語の題材を活用することは考えられるが、単なる教科の遅れを補充する指導を行っている場合も見受けられる。このことなどを踏まえ、自立活動の意義と指導の基本を理解して、適切に指導を行うことができるよう周知する。」、この部分、藤井委員からも御指摘を頂いて修正してございます。
12ページ目でございます。一番上の丸でございますが、3行目、元の原文、「中学校で余り伸びていない」というところ、通級指導教室でございますが、通級の指導が余り伸びていないということにつきまして、余り伸びてないという言い方ですと、伸びた方がよいのかという違う議論になりかねないというような池田委員からの指摘を踏まえまして、ここは「必要な生徒に対し支援が行われていない可能性がある」というふうに修文をさせていただいてございます。
あと、2つ目、3つ目の丸につきましては、それぞれ中田委員の方からより正確を期すための修正意見を頂いておりまして、そのように修正をさせていただいてございます。
13ページ目の通級による指導のメリット、デメリットの表でございますけれども、特に13ページ目、メリットの方の他校通級のところでございます。3つ目のポツでございますが、「送迎時に保護者と通勤の指導の担当教師と直接情報共有がしやすい」、これはこういったメリットもあるのではないかということで追記をさせていただいてございます。
あと、13ページ、下から2つ目、これも中田委員の御指摘で、「自治体もある」という文言を入れてございます。
14ページ目でございます。2つ目の丸でございますが、通級の指導の開始うんぬんかんぬんのところでございますけれども、開始等についての判断については、市町村の就学指導委員会も関わる場合もあるといったような櫻井委員の御指摘を踏まえまして、「教育委員会と連携して」という文言を追記してございます。
3つ目の丸、GIGAスクール構想のところでございますけれども、ICTを活用したオンラインでの指導や支援については教師等の研修も有効な手段であるという氏間委員からの御指摘を踏まえまして、「教師等の研修」を追記、また、最後の丸でございますけれども、櫻井委員からの御指摘を踏まえまして、「全ての教職員が周囲の児童生徒に対する障害の特性や合理的配慮に関する理解啓発を進めることが大切である。」というふうにしました。合理的配慮のところは野口委員からの御指摘でございます。
15ページ目でございます。こちらは通級による指導の評価・検証のところでございますが、竹内委員からPDCAサイクルでしっかり評価・検証を行うべきだという指摘を踏まえての修正でございます。
2つ目の丸でございますけれども、「また」以降のところでございますが、最初は「発達障害の診断がなされた児童」という記載でございましたけれども、その記載ですと、発達障害に限定されてしまうといった藤井委員からの御指摘を踏まえまして、発達障害等の判断というふうに修正をさせていただいております。
あと、この関連したところで、児童生徒の実態を把握する際に、通級による指導の担当教師と学級担任との間で定期的な情報交換を行ったり助言を行ったりするなどの連携・協力を図ることが重要と、これは野口委員からの御指摘で追記をしてございます。
あと、16ページ目の3つ目の丸の下から2行目、「通常の学級で実施可能な手立ての提案」とございますけれども、これは具体的に記載すべきではないかといったところで、具体的な記載、例えば学級集団うんぬんかんぬんというような形で追記をしてございます。
16ページの一番下でございますけれども、こちらは藤井委員からの指摘を踏まえまして、正確性を期すための修正を行ってございます。
17ページ目、上から2つ目でございます。こちらは、前回、帯野委員から教師の採用段階において特別支援教育に関わる体験ボランティア、こういったことを採用選考において考慮するなどということを御指摘いただきまして、こちらについては、そもそも昨年3月に出しました検討会議報告の中にこういった記載がございましたので、そのまま引用する形で追記してございます。こういった取組については、現在、令和6年度からの実現に向けて、各都道府県で取組を進めていただいているところでございます。
少し飛びまして、24ページの一番上、特別支援学校の特別支援教育コーディネーターについてでございますけれども、市川裕二委員の方から、なかなか特別支援学校で適任者を指名するといっても、人事異動等で適任者がいなくなるといったような指摘がございましたので、教育委員会ともしっかり連携しつつ、特別支援教育コーディネーターにふさわしい教師を指名するといったように修文をさせていただいてございます。
26ページ目、最初の丸と、その上もございますが、これは氏間委員と池田委員からの御指摘を踏まえまして、より適切な表現に修正をさせていただいてございます。
26ページ、下から2つ目のところでございますけれども、前回、共生教育の推進といったことで御提案をさせていただきましたが、池田委員の方から共生教育という言葉が、人権教育等、いわゆる〇〇教育と見えて、実際に取り組もうと思っている趣旨が異なってしまうのではないかといった御指摘、また、一体化というのは誤解を生じるのではないかといった御指摘を踏まえまして、今回、「特別支援学校と小中高等学校のいずれかを一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルを創設する」というふうに修正をさせていただいております。以下、同様の修正をしてございます。
あと、27ページの上、池田委員、野口委員それぞれからの御指摘を踏まえまして、適切な表現に修正をしてございます。
28ページ目でございます。最初の丸でございます。こちらの上から3行目でございますけれども、教科指導の補充といった誤った運用を助長しかねないと。その理由について丁寧に記載するべきではないか、野口委員、中田委員から御指摘いただきましたので、2行目以降、「知的障害のある児童生徒に対する通級による指導の知識や経験が蓄積されてないことから、自立活動の内容を参考とせず、教科指導の補充といった誤った運用を助長しかねない」というふうに修正をさせていただいています。
その下の丸につきましては、市川裕二委員からの御指摘を踏まえましての修正でございます。
30ページ目に飛んでいただきまして、上から2つ目でございます。これは障害の特性等に関する理解を深める取組となっていましたが、具体的に障害者理解教育とした方がいいのではないかという梅田委員からの御指摘、更には下から2つ目の丸でございますけれども、これはキャリア教育の部分でございますが、帯野委員からの御指摘で、「社会の一員として活躍するために」というふうに文言を修正させていただいてございます。
31ページ目、最後のページでございます。ここにつきましては、前回、小枝委員、櫻井委員の方から現場の先生はやることがいっぱいあって大変だ、やる気を持ってスキルアップしたくなる体制を国として整えていくことを書いてほしいといったような御指摘を踏まえまして、ちょっと長いのですが、学校現場は今いろいろ大変であるといったような趣旨のことを書きまして、これらを実現するために、小中学校の通級による指導に係る教職員定数の基礎定数化の実施、センター的機能の充実を図ること、小学校における35人学級、また、高学年教科担任制推進、多様な支援スタッフの充実、指導体制の一層の整備を図るなど、学校における働き方改革を推進しているところであり、今後も、教育委員会とも連携して、教職員が元気に安心して本務に集中できる環境づくりに努めることを求めたいといったようなことで結びで書いてございます。
以上でございます。
もう一つ、座長、すみません、ポンチ絵の方も続けて、資料2-3でございます。こちらの報告案を1枚に概要としてまとめてございます。それぞれ現状、課題を書かせていただきまして、その下の方でございますけれども、それぞれに対応する形での対応策、①校内支援体制の充実、②通級による指導の充実、そして③特別支援学校のセンター的機能の充実、④インクルーシブな学校運営モデルの創設、具体的な内容について書き込んでございます。
あわせて、その下の方、ちょっと小さいのでございますけれども、教師の専門性の向上を図ることが重要ですと。あとはキャリア教育を進めることが重要ですよと。国の方についてもしっかり取り組みますといったようなことをまとめてございます。
駆け足になりましたが、以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
今、説明がありましたが、報告案につきましては委員の皆様にも事前に御確認いただいて、その上でこのような形で取りまとめたということでございます。ただ、特段の御意見ございましたら、是非お聞かせを願いたいと思います。手を挙げるのボタンをまた押していただけますでしょうか。
では、梅田委員、竹内委員の順でお願いいたします。梅田委員、お願いいたします。
【梅田委員】 ありがとうございました。
意見ではありませんが、30ページの上から2つ目の丸のところで、障害理解教育について入れていただいてありがとうございました。今、自分がお送りしたものを確認させていただいたのですが、「障害者理解教育」となっておりますが、「者」を取っていただいて、「障害理解教育」という文言になります。そちらの方が一般的に多く用いられているようですので、修正方、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
今の点について。
【生方企画官】 梅田先生、ありがとうございます。
先生から確かに障害理解教育と御指摘いただいたのですが、私どもの方では障害者理解教育ということで、このようにさせていただいてございます。よろしいでしょうか。
【梅田委員】 ありがとうございます。
研究論文等々では、障害理解教育という言葉の方が多く用いられているように思いましたので、そちらの文言を使わせていただきましたが、文部科学省の方でそのような文言を使っておられるというのであれば、それで結構です。
以上です。
【荒瀬座長】 梅田先生、ありがとうございました。
では、続きまして、竹内委員、お願いいたします。
【竹内委員】 職業柄、最後まで粘るというのが僕の素なので、ちょっとお許しいただければと思います。若干細かいことも含めて言います。
6ページの最後の段落の「さらには」の「さらには」という文言が要るのかなと思いました。ちょっとずれてたらごめんなさい、僕も見ながらやるのですが。
【荒瀬座長】 竹内委員、資料2-1でおっしゃっていますよね。
【竹内委員】 2-1で言っています。6ページ目の最後の段落に「さらには」と入っているのですけれども、その前の段落に「さらには」というのがあって、また「さらには」というのが来ているので、ちょっと文章的に僕は気持ちが悪いなというようなところがあって、申し上げています。
それから、8ページの最初の段落です。「学習指導要領においては」というところなのですけれども、これって、我々がやっているのは通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方で、言いたいことって、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の各教科等の指導に当たっても、個別の指導計画を作成し、活用することに努めることが示されているということだけがちゃんと書かれていればよいのではないかと、すみません、思いました。
それから、結構あります、ごめんなさい。12ページの最初の段落の「一方」で始まる文章なのですけれども、この「一方」という文章がぐちゃぐちゃになっていて、要は何が言いたいかというと、様々な理由により受けていない児童生徒が存在していることということと、もう1個あるのですけれども、ここを分けて書かないと、分からないかなと。分けて考えるか、若しくはその事例としてこういうことがあるのだというふうに書かないと分からないかなというふうに思います。
あと、13ページの他校通級のところなのですけれども、保護者による送迎が必要など、保護者や対象児童生徒の負担大ということが四角書きで書かれているところがあるのですが、これ、もっともなのですけれども、対象児童生徒の負担が大というところにきちんと送迎時の話だけじゃなくて、学習面での負担が大になるということを入れておいた方がいいのではないかと思っています。
あと、14ページの2段落目、2つ目の丸、これも文章が長くて分かりません。合意形成をして進める、その上でということなのかなというふうに理解しているのですが、可能であれば区切っていただいた方がいいのかなと思いました。
次に、15ページの、これ、すみません、僕の理解が足りないと思うのですけれども、診断じゃなくて判断にしたのはどういうことなのかなというのを後で御説明いただければなあと思いました。懸念しているのは教職員の勝手な判断にならないかということです。
あと、ページがどこにいっちゃったのか分からなくなってしまっているのですが、メモっていたんだけどな。弱視、難聴、肢体不自由、病弱・身体虚弱については、通級による指導の対象って書いてある段落ってどこら辺でしたかね、ごめんなさい、20ページぐらいだったかな。
【宮﨑委員】 24ページ。
【竹内委員】 24ページですか。失礼しました。ありがとうございます。ここで障害種というふうな書かれ方をされているのですが、こういう言葉ってありましたっけというのが一つの疑問です。これも文章が長いので、一旦、区切っていただくというのがいいのかなと思いました。
すみません、具体的には障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習うんぬんかんぬんという段落があるのですけれども、そこも文章が長いので分けた方がいいかなと思っています。
あと、一方で地方からの提案等に関する対応方針においてというのが平成27年に出されているって、これ、27ページって俺には書いてあるのだけど。
【荒瀬座長】 27ページですね。
【竹内委員】 これも、「実践研究を行う方針が示されている」ぐらいで丸をした上で、これを踏まえて、「現在文科省では」という文章にした方が分かりやすいのじゃないかと思いました。
最後の30ページかな、30ページの2段落目のところ、先ほど先生が言っておられたところなのですけれども、これちょっとまだ長いかなと個人的には思いまして。障害の特性等に関する理解を深める障害者理解教育の取組を進めることが重要だとした上で、環境の醸成が必要であるみたいに区切った方がいいのではないかなと思いました。
あと31ですけれども、これちょっともう、こっちで読みますが、「国においては」のところなのですけれども、国においては障害のある、うんぬんかんぬんときて、一層の充実整備をこれまで以上に着実に進めていくこと、加えて、本報告に示したというような形にした方がよいのではないか、強調されるのではないかと思いました。
あと最終段落なのですけれども、これは我々の、提言ですよね。なので、これ、主語がすごくよく分からなくなっちゃっていて、最後の段落が。これはもう1案でしかないですけれども、これらを実現するために国はうんぬんかんぬんして推進しているが、今後も教育委員会と連携してうんぬんかんぬんを求めたいというふうにしてはいかがかと。すみません、たくさん言いましたが、要は分かりやすくしてほしいと。きちんと強調するべきところは強調してほしいということでの御提案です。御検討いただければと思います。
以上です。すみません、長くなりました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。竹内委員、内容的にといいますか言葉として、これはどうかというのは15ページの、一番下の段落の「診断」でなく「判断」としたことについては、どうかという、これはちょっと、生方さんの方から、お願いします。
【生方企画官】 すみません。先ほど御説明がちょっと不十分だったかもしれませんが、通級による指導の対象は発達障害のお子さんだけではありませんので、発達障害等でなければ、やっぱり診断というのはやっぱりおかしいということで、これは藤井委員からの御指摘を踏まえて、ほかの障害も読めるような書きぶりに訂正をしたということでございます。
【竹内委員】 ごめんなさい。僕の理解不足なのかもしれません。藤井先生、教えていただければと思うのですが、普通、障害とか病気は診断されるものじゃないのでしょうか。判断なのでしょうか。
【藤井委員】 藤井です。よろしいですか。私から答えて。
【荒瀬座長】 どうぞ、どうぞお願いします。
【藤井委員】 通級による指導の現状を見ていますと、必ずしも、医師の診断を受けた子供たちが全員ではないという実態があるかなというふうに思います。私は言語障害のある子供たちを対象とする通級指導教室の先生との関わりがありますが、やはり、医師の診断を受けている子供たちは少ないというところもあるかなというふうに思っております。
以上になります。
【竹内委員】 分かりました。そしたら、あれですか、例えばなのですけれども、専門家の判断、医師の診断と両方は入れたらどうなのでしょうか。要はこの判断だと僕は教職員が勝手に判断するのじゃないかなという危惧があるかなとちょっと思ってしまったのですが、どうお考えになりますか。
【藤井委員】 すみません、多分、竹内委員のお考えは、この資料の3ページのマル3行目からのそことの関連性で考えられているのかなというふうに感じましたが、そういうことですか。
【竹内委員】 そういうことでいいと思います。
【藤井委員】 そうすると、こことはまた異なる現実が、通級の現場ではということで。
【竹内委員】 なるほど。判断というのが勝手に判断されちゃうと困るなというのだけがすごく気になっているというふうに思ったのでということだけです。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。15ページについて言うとまた、同じ発達障害等の判断がなされた児童生徒でもということで、これも既に判断がなされているというところから、それに対してどうしていくべきかということが書かれているので、対応自体は、後の方で読み取れるのではないかというふうに思うのですが、それは私の読み方がおかしいですかね。
【生方企画官】 いや、よろしいかと思います。
【荒瀬座長】 ただ、御懸念があるということは承知いたしました。ちょっと、山田課長から御発言いただきます。
【山田課長】 すみません。私ちょっとこれから退出をしてしまうので、今、多くの御意見を頂戴をいたしまして、ありがとうございました。何度か我々も先生方とやり取りをさせていただいて、今のところに至って我々の勝手な希望としては、今回座長、お見えになっていらっしゃるので、頂いた御意見で修正があるものについては、座長にも御判断をいただいて、今日、修文をして、修文したものをこの場でお渡しできれば一番スムーズだなというふうに期待をしているということと、だからというわけではないのですが、そもそも我々の役人文書で大変長くて、途中で区切れてなくて読みにくいということはもう御指摘のとおりでございまして、我々の努力で短くできるところはなるべく短くしたつもりだったのですが、それでも足りない部分については、本当に申し訳ございません。おわび申し上げますが、ちょっと最終回だと思っているので、具体に修文の御提案を頂いてそれについて御議論するということであればいいのですが、ちょっと長いとか分かりにくいとかという御指摘については、原案を生かすというふうにさせていただけると有り難いと考えております。
具体の修文案について、今頂いたもので反映させるべきものをちょっとこれから事務局の方で作業をして、こういう提案でよろしいですかということを、この会の最後までに御提案を申し上げて、それについて、よろしければ、この場で修文をして、座長に手交ができれば有り難いと思っております。
ちなみに、障害種は、我々の方も通級による指導について使っている文言でございまして、それを行政上使っている言葉をそのまま使わせていただいているというところでございます。ちょっと我々の方で作業をいたしますので、その修文案、具体的にここをこうしますということを最後までに申し上げて、それについて皆様から御了解が頂けるかどうか、座長の御判断も含めて御議論いただければと思います。ありがとうございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。今のような流れで、ちょっとこれから具体に、こちらの方で今頂いたようなことにつきまして作業をしてもらいたいというふうに思います。文を切って意味が通じるか通じないかという、これはわりと早くできるのではないかと思いますし、ちょっと全体を見直してやっていくと思うのですが、今このことにつきまして、特に御意見のある方いらっしゃいますでしょうか。
【竹内委員】 すみません、竹内です。今メールを送りましたので確認してください。
【荒瀬座長】 どちらにメールを送られましたですか。
【竹内委員】 特別支援教育課の方に送りましたので、こういう案がありますということが御確認いただければと思います。
【荒瀬座長】 御提案を送ってくださったということですね。
【竹内委員】 先ほど言ったことの文章化したものを送りました。
【荒瀬座長】 分かりました。ではそれはそれで作業していただくとして、確認していただくとしまして、ほかにも手を挙げていらっしゃいます。
氏間委員、お願いいたします。
【氏間委員】 失礼します。煩雑な作業を進めてくださいまして、ありがとうございます。
2点お願いいたします。19ページの、すみません。資料は2-1を見ています。
19ページの上の1個目のマルなのですが、特別支援教育総合研究所のところと最後の2段、2行のところですけれども、「視覚障害、聴覚障害等の在籍する児童生徒」がというところなのですが、もし差し支えなければ視覚障害、聴覚障害、盲ろう障害等のというふうに盲ろう障害を入れていただけたらどうかなと思います。
特に特別支援教育総合研究所は盲ろう教育の唯一の施設だと思いますが、それを取り扱っている、標ぼうしている、ですので、それを書いておくと、特別支援教育総合研究所のプレゼンスが上がるのじゃないかなと、逆に言えば、周りから見やすくなるのじゃないかなというふうに思った次第です。
あと最後のところですけれども、31ページなのですが、この文章の最後の文章が加わって非常に勇気が出るなというふうに思ったのですけれども、最後の段落の頭のところなのですが、「これらを実現するために、国は」になるのかな、先程の話だと、「国は」ということでくるのですけれども、小中学校の通級指導に係る定数という、もうそこも現職の先生方の話になっているので、できたらその前の国は、例えば大学と連携した質の高い教員の養成といった具合に、養成段階からちゃんとかかってるのだよというところを示した方が何かこう、ちゃんと養成をやっているので、いろいろなことも考えてやっているのだなというふうに一貫してやっているなというのは、よく伝わるのじゃないかなというふうに思ったのです。
具体的に「これらを実現するために、国においては、大学と連携した質の高い教員の養成及び現職教員の質の向上」みたいな感じで、その辺りを加えても、よりこう国の政策が伝わっていいのかなというふうに思った次第です。
御検討いただければと思います。以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
では藤井委員、お願いいたします。
【藤井委員】 ありがとうございます。梅田委員のところで検討された「障害者理解教育」という文言ですが、「障害者理解教育」という言葉になったかと思います。そうすると、資料2-3でしょうか、そちらの方が「障害理解教育」となっていますが、これはこのままでよいのかどうかということを確認させていただきたいなと思いました。
以上です。
【生方企画官】 申し訳ありません。こちらの方は「障害者理解教育」に修正させていただきます。大変失礼いたしました。
【荒瀬座長】 藤井先生、それでよろしいですか。
【藤井委員】 ありがとうございます。
【荒瀬座長】 以上でしょうか。
【藤井委員】 以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。では笹森委員、お願いいたします。
【笹森委員】 よろしくお願いします。さ末なことと、確認したいことの2点です。
11ページの、通級による指導のところの2の1を見ています。最後のマルのところです。
具体的に、教科の補充では、教科をというふうなところの部分ですが、例示がその読み飛ばしのある児童にしたのは何か理由があるのかなと。読み飛ばしという妙に具体的なので、読むことに困難がある子供とか、そういうレベルでもいいのかなとちょっと思ったので、そこが1点目です。
2点目13ページの、他校通級のメリットのところを入れていただいてありがとうございます。ずっと、もし申し続けておりますけれども、他校通級が望まれる子も、必ずおられますので、流れとしては、自校で巡回で、自分の学校で受けられるというのが理想的ですけれども、13ページの表の下のところでも書いていただきました他校通級を望む場合、望まれる場合でもいいのかなとちょっと思ったりするのですけれども、他校通級の話です。
最後のところです。今、藤井委員もありました、梅田委員の話もありました、障害者理解教育と障害理解教育というのは、ちょっと意味づけが違うのではないかなというふうに思っています。ここは障害者理解教育ということなので、障害のある児童生徒について理解をしていくという意味で受け止めていくということでよろしいのですよね。障害というと、また障害理解ということになりますので、そこが少し意味がきちっとここで押さえられてればいいかなと思いますので。
最後です。皆さんも御指摘いただいている最後に付け加えた部分ですが、「これらを実現するために国は」という以下、内容を見ていくと、既に動いているものもあれば、多様な支援スタッフの充実というところがちょっと気になりました。これは期待感が出てくると思います。学校現場では。国がそういうふうにビジョンを挙げるとするならば、では多様な支援スタッフがこれからさらなる充実に向けて動いていくのかなというふうな思いで受け取られるかなと思いますので、これからのビジョンなので、悪くはないと思うのですけれども、こういったところで並列で書かれていることは、具現化に向けて国が動いてくれるのかなというふうなメッセージにもなるかなとちょっと思ったので、その辺りのところ確認みたいな話かもしれません。
以上です。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
先生、最後におっしゃったことは、そんなうまく動けないだろうというそういう見通しとかではなくて、これを書くと期待感が余りにも大きくなるのじゃないかというそういう危惧を持っていらっしゃるという、そんな理解でよろしいでしょうか。
【笹森委員】 はい、具体的に、何か用意されていくことがあるかないかという、あってほしいということです。
【荒瀬座長】 じゃ、ちょっと。生方さんと代わります。お願いします。
【生方企画官】 現状においても、学校現場で、スクールサポートスタッフとか、学習指導員とか、色々なスタッフの方に入っていただき、例えば特別支援教育でも、医療的ケア看護師とか、そういった様々な方々にサポートいただいてございますので、そういったところの予算事業等でございますけれども、毎年、拡充に向けて努力しているところでございますので、そういったことも含めて、指導体制の一層の整備を図っていきたいと。現在も「働き方改革を推進」しているところというのはそういう意味でございます。並行して今動いているということでございますが、また次年度以降、概算要求に向けて、財政当局と、こういったところも含めてしっかりと調整をしていきたいというところでございます。
【笹森委員】 了解しました。さらなる充実をというふうなニュアンスで受け止めました。ありがとうございます。
【荒瀬座長】 障害者理解については。
【生方企画官】 あとすみません、障害者理解教育については、私どもの組織令の中で、笹森先生がおっしゃりましたように、障害のある児童生徒の理解といったところで障害者理解教育、我々の組織令の中にも規定がございますので、そういった意味合いでございます。
【荒瀬座長】 これ障害理解教育に変えるのじゃないですか。
【笹森委員】 ありがとうございました。
【荒瀬座長】 障害者、者を残しておくのでいいことですか。分かりました。
それでは、続きまして、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 おまとめいただいてありがとうございます。すごく大変だったかと思います。
すみません、ちょっと1点事前に確認したいですけれども、荒瀬座長、この後、それぞれ、あれでしたっけ、発言するタイミングってもう1回あるのでしたっけ。
【荒瀬座長】 ございます。それを予定しております。
【野口委員】 承知いたしました。ちょっと1点だけちょっと私も竹内委員のように諦めが悪くて1点だけちょっとどうしても、既にメールで御指摘させていただいたとこなのですけれども、改めてお伝えできればと思います。
先ほどから話に上がっている障害者理解教育の部分ですとか、あとは14ページの、周囲の児童生徒に対する障害の特性や合理的配慮に関する理解啓発を進めることが大切ですというところ、ここについて2つ懸念があります。
1つ目はよくこれが現場であるのですけれども、一歩間違えると障害に対する偏見、間違った合理的配慮の理解というところが、つけられてしまうという懸念があります。また、具体的にその本人と事前に合意形成をせずに勝手に本人がいない場所で、よかれと思って本人のことを説明するということが、学校現場では非常によく起こっていてそのために不登校になってしまうというような事例もよく聞いています。
なので1点目としては、本人、保護者と合意形成の上で進めるということを明記してほしいということ。これは障害者権利条約にもある、Nothing About us without usのところですよね。すごく大事だと思いますので、そこをちょっと是非入れていただきたいと思ったところです。
また、もう一つは周囲への説明については、やはりこの社会モデルに基づく説明というのが重要だと考えています。合理的配慮が必要なのは、その子かわいそうだからとか、特別扱いが必要だからという、そういった間違った解釈がなされてしまうことがよくあるので、そうではなくて、合理的配慮は社会や学校が障害のある子供がいることを前提としたものではないため、今だとどうしても社会的障壁が生じてしまうから、合理的配慮が必要だということが、理解の啓発の中身として必要になってくると思うのでちょっとこれはどこまで入れられるか分かりませんが、「社会モデル」という言葉が入るとうれしいなというふうに思いました。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。今、野口委員から御質問がありましたので、改めて申し上げておきますと、今日いろいろ御意見を頂いてのまとめということを思っておりましたので、その後、振り返って更には、これからの、よりよい教育の在り方ということで、皆さんから御感想とか、あるいは御提言とかを、お一人の時間は限らせていただくことになるのですけれども、全員からお願いしようと思っておりました。
ただ、今ちょっとすぐには修文して、これでどうですかといってそれはまだ駄目だというやり取りになりますと、これいつまでたっても完成しない状態になりますので、ちょっとやっぱり今日この時間の中で、文書を直してというのは難しいかなというふうに今思っております。
従いまして、御意見を頂きまして、それをもとに、奥住副座長とも御相談をさせていただき、事務局とも相談をした中で、具体的に、こういう形でいかがでしょうかということを皆様にまたお示しする機会をつくって、それで御了解を得まして、その上で、文部科学省にお渡しするということにしたいというふうに思っております。
そういう流れでよろしいでしょうかね。それについて何かこう御異議、御意見ございましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
ちょっと何かここだけとパパッと直してみたいな感じではよろしくないかなと思いまして、ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。ということで、御意見がおありでしたら、できれば早くといいますか、いつ頃ぐらいまででしたら御意見を頂き、こちらが一旦直したものをお送りして、また、そのメールに示していただくという形ですかね。
【生方企画官】 基本的には今まで竹内委員の具体的な御指摘の部分は修文が必要かと思いますが、ほかの。
【荒瀬座長】 書けるか書けないかとおっしゃった今、梅田委員のお話とか。
【生方企画官】 梅田委員は障害者理解教育のところは障害者理解教育で御理解いただけたということでよろしかったでしょうか。
【荒瀬座長】 すみません。梅田委員ではなく、野口委員です。すみません。
【生方企画官】 先ほど野口委員の御指摘につきましては、確かに本人の合意、保護者の同意なしに、障害があることをいわゆる公開してしまうという懸念につきましては、2つ上の〇のところでございますけれども、通級による指導の開始に至るプロセスにおいて、教育相談や面談等により、通級による指導の仕組みや必要性について本人及び保護者との合意形成を進めた上でというところで、当然この中にもそういったことへの配慮も含めて、しっかり学校現場で取り組んでいただけているものと思いますし、あえて、「さらには」のところで、そこまで書き下す必要があるのかといったところから、現在はこのような修文にさせていただいております。
さらにはその社会モデルというのも唐突にやはりここで社会モデルということが出てきますと、少し違和感があるのかなということで、いわゆる合理的配慮という指摘は反映させていただいていますが、このような形で御理解いただければと思います。
【荒瀬座長】 野口委員、よろしいでしょうか。
【野口委員】 分かりました。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
ではまだ手を挙げてくださっていらっしゃる、梅田委員。
【梅田委員】 すみません。その後の、先ほどのお話の中で、改めて思ったところなのですが、15ページの先ほど竹内委員がおっしゃった「判断」という言葉ですが、私自身は、ここ、校内委員会における判断というふうに捉えていましたので、竹内委員がおっしゃったように、教員個々が判断するという判断とは違う意味で捉えていました。校内委員会で行うものも判断というふうに言いますので。ただ、それはなかなか普通の判断と校内委員会の判断と区別が難しいので、可能であれば例えばここを、「また、校内委員会において、同じ発達障害等の判断がなされた児童生徒でも」というように、私の理解が間違ってなければ、校内委員会という文言が入ると、教員個人の判断ではないのだということが分かりやすくなるかなと思いました。
それから、先ほど笹森委員がおっしゃった11ページの一番下の〇のところの、真ん中から下その上で例えば読み飛ばしのある児童生徒に対してという、非常に具体的な例が出ているのですが、ここはやはり、読みの困難がある児童に対してとしていただいた方がいいかと思います。
読み飛ばしというのは要因が比較的限られてくる可能性があるので、読みの困難というように、大きくくくっていただいた方が、理解しやすいのではないかと思います。
最後に1点です。私、しつこく今、時間がある間に調べさせていただいたのですが、障害者理解教育のところなのですが、文部科学省のいろいろな示されている文書の中を見ましたら障害者理解とされていて、その中で、障害者の理解に関する教育とか、障害のある子供とその教育に関わる教育というような書き方が丁寧にしてありました。障害者理解と言ってしまうと障害者を理解するというふうに捉える方もいるかもしれないので障害者及び障害のある子ども、障害についての理解も含むのだということも含めて、障害者の理解に関するとか障害者、障害児童生徒とその教育に関わる、関する教育というようなふうに、少し丁寧に示していただいてもいいかと思いました。そこが難しければこのままでも結構です。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。今の件につきまして。
【生方企画官】 ありがとうございます。まず、15ページ、ここの発達障害等の「判断」「診断」というところでございますけれども、そもそもこれ、目的としては、同じその判断であろうが診断であろうが、教育的ニーズが異なる。ですから、しっかりその子に応じた環境に応じた対応をしていきましょうねということが重要なポイントでございまして、先ほど座長からも申し上げましたように、多分ここは例えばそういう判断が同じ診断でも判断でもされた児童でも状況が違うのだよというところがポイントでございまして、ここの前段の判断、診断というところが実はポイントではなくて、やはり学校現場でございますので、医療機関ではございませんから、なかなかその診断ということがやっぱり前面に出ますと、それはやはり判断の方が適切ではないか。かつ発達障害のお子さんだけでなく、ほかの障害者のお子さんも同様のことが言えるということでこのように記載してございますので、御理解をいただければと思います。
それと併せて障害者理解教育につきましては、梅田先生がお調べいただいたとおりでございますので、そこはもう少し丁寧に書けるかどうか工夫したいと思いますが、また、そうなりますと、どんどん文章が長くなりますので、もしお許しいただけるのであればなるべく端的に、このままの状況で行きたいなというふうには考えております。
あと読むことに困難、読み飛ばし、御指摘のとおり修文させていただきます。ありがとうございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
それでは、滝川委員、お願いいたします。
【滝川委員】 すみませんよろしくお願いいたします。先ほどお話があったのですけれども、氏間委員の方から、資料2-1の19ページの上の〇のところの、視覚障害、聴覚障害者等の在籍する児童生徒数が少ない障害者についてというところに、盲ろうということのお話がありました。そのことについては反対することは全くないわけですけれども、この案を頂いたときに、最初に思いましたのは、視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱、身体虚弱と並べていただけるといいなとは思ったのですが、長くなるので、等ということで含まれるというふうにして飲み込んだのですけれども、盲ろうと仮に書くことになると、是非、肢体不自由・病弱・身体虚弱というように書いていただきたいということを先ほどのお話を聞いて強く思いましたので、付け加えさせていただきます。
今日、もし案が出てくるのであればその場で発言させていただこうかと思ったのですけれども、後にということでしたので、今言っておかないと消えてしまうかなと思いましたので、発言させていただきました。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
先生、全くもっともな御発言かと思います。最終的に、先生がのみ込んでくださったという御発言でありましたけれども、この「等」の中に何を含んでいるのかということの判断も含めまして、最終検討いたしまして、御提示させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【滝川委員】 よろしくお願いします。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
そうしましたら、事務局との間のやり取りもしていただきましたので、この内容に、今日、頂戴しました御指摘を受けて、改めて検討いたしましてお示しをしたいと思います。
可能な限り、誤解がないように、しかも適切な表現で、更にはこの取組が進んでいくということが一番大事なことでありますので、時間を急いでということもありますけれども、しかし、丁寧に進めていただくということにしたいと思います。それでは、よろしいでしょうか。もしまた、何かあるようでしたら可能な限り早く、事務局の方に御連絡を頂戴したいと思います。
そういたしましたら、会議自体は、今回で終了ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ではそれも御了解いただいたということで、よろしくお願いいたします。
そういたしましたら、今日、最終回ということで本当にいろいろと様々な角度から御指摘、御意見いただいた皆さんから、時間としましては、残りが55、56分ということで、お一人、最大3分ということになってしまうのですけれども、お話をいただければと思います。
振り返ってということでももちろん結構ですし、これからに向けてということでも結構ですし、また、別の内容でも結構でございます。
大変恐縮ですが、名簿の順番で御指名をさせていただくということでよろしいでしょうか。では最初池田委員からということになりますので、奥住副座長におかれては最後にお話しいただくということでよろしくお願いいたします。
では池田委員からお願いいたします。時間短くて申し訳ありません。
【池田委員】 よろしくお願いいたします。山形大学の池田です。
私、このような会議に参加させていただくことを初めてということで毎回緊張しながらの参加となりました。先生方の御意見で多くのことを学ばせていただいて、御示唆も頂ききました。改めてこのような機会を頂きまして、ありがとうございました。
会議を通して、自立活動の意義の理解ですとか、自立活動とは何かについての共通理解の難しさというのを毎回感じることとなりました。そして自身の立場が今研究者であると共に、教員を目指す学生を指導する立場におりますので、自分がなさなくてはならないことについて考えさせられたというところが感想です。
特に自分の専門の分野が肢体不自由ですので、やはりこの肢体不自由という領域においてはインクルーシブ教育、通級による指導などまだまだ課題が多いので、今回、頂いた様々な御示唆、視点を生かして、今後とも頑張ってまいりたいと思いました。
このような会議において学校の先生方、実際に働いていらっしゃる先生方とか保護者、そして何より当事者の方々の意見を、いかに反映できるのかといったところはすごく悩みながらこちらの会議に参加させていただきました。そのような基本的な視点ですけれども、そのあたりも忘れずに今後とも取り組んでまいりたいと思います。
今回は本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。最後におっしゃった視点は大変重要なことであるというふうに私も承りました。ありがとうございました。
では氏間委員、お願いいたします。
【氏間委員】 今回会議に参加させていただきまして、ありがとうございました。
私、ずっとこれ参加していてやはり子供の学びとか将来貢献する教育システムの実現を目標を定めて計画的に進めていくということを国を挙げて進めていく必要が改めてあるなというふうに感じました。これについては、対日審査のところでも指摘されていたことかと思います。そういった意味でやはり教育の教員の質とか専門性の保障とか向上というところがやはりどうなのかなということで、私、持続的に思っております。それは特別支援教育制度になってから更にそれは強くなっております。
医療とかの世界ですと、やはり専門性を上げると言ったらば、大体専門分化していくというふうな流れかと思うのですけれども、現在、特別支援教育は逆方向に行っているのですよ。盲学校免許、聾学校免許、小学校免許だったのが特別支援学校免許になったことによって、例えば、視覚障害とか聴覚障害とかの免許が取れるのに、それは知的の養護学校の実習だけで、その免許が取れてしまうとか、そういう状況になっているわけで、やはりこういったものは専門性の向上といったことを見たときにどうなのかなと。例えばうちの大学は5領域で免許を出していますけれども、視覚障害教育の免許を出すためには8単位とればいいのですよね。しかしながら、うちの大学は教員の身を削った努力によって視覚障害だけで19単位の科目を開いているのです。点字を指導したりとか、点字を読み書きしたり点字で例えば、点字の読み書きを子供に指導したりとする時間だけで6単位取っているのです。そういうふうにやっている大学と、視覚障害ですけれども、8単位しか教えなくて、実習も、近くの知的の特別支援学校でやりましたということも同じ視覚障害の免許というふうに標ぼうできるのですよね。こういったのは何か、制度設計の上でどうなのかな、先ほど申し上げた子供の将来とかに貢献する教育システムを支える教員ということでいうと、どうなのかなということことを常々考えておりまして、ですので、やはり先ほど申し上げましたように、本当に質の高い教員を担保するのはどういうことなのか。それは例えば4年制の学部で2年間で教員免許を出すということ、そういったものが本当にどういうふうに貢献するのかとかということで、やはり真剣に目標を掲げて進めていく必要があるなというふうに思っています。
今回も文部科学省の方で教員の認定講習みたいな事業などを出されておりますけれども、我々も細々とではありますけれども、文部科学省が行う事業については、積極的に関わっていこうというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたしますということです。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。本当に教育システムを支える教員の資質、能力をどう具体的に高めていくのかって非常に大事な課題を御提示いただきました。ありがとうございました。
それでは、梅田委員、お願いいたします。
【梅田委員】 ありがとうございます。先ほど池田委員がおっしゃいましたが、たくさんのことを学ばせていただいたなと思っております。通常の学級には多様な子供たちがいるということは分かっていたつもりではありますが、こうやって、各分野の専門の先生方のお話を伺うと、そういった子供も含めて多様な子どもが通常の学級にいる可能性があるということを改めて感じました。そうすると、今、氏間先生がおっしゃったように、通常の学級の担任の専門性をどのように高めていくか、通常の学級の担任にどこまで求めるのかということが非常に大きいのだなと思いました。
もちろん通常の学級の担任が力をつけていくこと、今回も報告に述べられたように分かりやすい授業をすること、子供たちが安心して暮らせるような学級経営をしていくことは、重要です。ですが、一方で、その専門的な部分をどう担保するかというのは、どこで誰がやるのかというのは非常に難しいなと思いました。というのは特に、今、氏間先生がおっしゃったような5障害については、専門的な、特別支援学校教諭と丸まっていますが、そもそもずっと培われてきた専門的な教育がありますが、例えば、通級については、どこまで専門性を高めていけばいいのか、どこで学べばいいのかというようなことはまだまだ曖昧な部分が多いと考えています。視覚障害の専門的な教育を学んだ方が、本当に通常の学級での弱視の子の指導が万全にできるかとか、難聴のちょっと聞こえにくいというような子供の指導が万全にできるかとかあるいは、ではLD等発達障害のある子供については、どこで、専門性を更に高めていけばいいのかということについては、まだまだ課題があると思います。
そうすると、今回の報告にも挙げられたような専門機関との連携、そういったことも非常に重要になりますし、特別支援学校、通常の学校の中にある特別支援学級との連携や、通常の学級と通級の連携というようなことも重要になってくると思います。
今回、触れることは難しかったですが、今後、例えば、通級の免許というようなことについても、新たに検討をしていただいて、更に、専門的なことを学んだ人たちが、教員として子供に対応していけるように、私自身も行政に求めていきたいなと思いますし、また、引き続き検討していただければ有り難いと思いました。
たくさんのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。専門性の担保というのは本当に大きな、しかも重い課題であるということを改めて、先生の御指摘で考えました。ありがとうございました。
それでは、帯野委員、お願いいたします。
【帯野委員】 ありがとうございます。できるだけ手短に申します。
私の今回発言の機会があるということで、今までどんなところに戸惑って、この委員会活動に参加させていただいたのかなということを振り返ってみました。
まず、当初分かりづらかったのは誰を対象にしているのかということで、もちろん最初に、通常の学級で学ぶ児童生徒ということは教えていただいて理解はしていたのですが、途中参加でしたので、議事録を読み返すと、知的障害の児童生徒あるいはその教育という言葉がたくさんあったので、これはもしかすると、特別支援学校も含むのかなというふうに理解をしてしまって、それで英語教育のことを申し上げたわけです。
今ではそれが理解できましたし、特に今回の報告書では、知的障害者は、通級の対象に含まないということを明記されております。また、10ページの指導を受けている児童生徒数のところで、どのような児童生徒を対象にしているのかということが整理されておりますので、これは良いと思うのですが、ただ、なぜそれを申し上げるかというと、もしかすると私だけが理解していなかったのか、あるいは社会全般で発達障害と知的障害の学びを制度上どう区分しているのかについて、どれぐらい理解されているのかなという疑問がありますので、その説明を提言の中に盛り込むか、あるいは、参考資料のポンチ絵の中でも結構ですので、できるだけ社会全体で分かるように示していただけたらなと思います。
それから、更にまた途中で、分からなくなったのは特別支援学校の専門性を生かしたセンター的機能のところで、知的障害の児童生徒が特別支援学校で、発達障害の子供が通常学級で学んでいるのであれば、特別支援学校に発達障害の専門の先生がいるのかなということです。質問することは控えましたが、いずれにしても、この発達障害のことの理解する専門家というのは少ないはずなので、その人材育成が急務かなというふうに考えました。
ただ、途中で申し上げましたが、今の教育委員会の中で研修を強化するのは難しいと思ったので、それでこれからの教員に期待するという意味で、(特別支援の幅広い経験を評価するような)仕組みについて盛り込んでいただくように申し上げました。
これからの教員に期待するという点については、「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方に関する有識者会議」の提言を出された委員会の方とお話しする機会もあって、研修が難しければ、とにかくこれからの教員に期待するしかないというところでありました。それで今回、採用のところでお願いを申し上げて、「採用試験における加点等」と書いていただいたのはとても有り難いと思います。
又、梅田先生から大学との関わり合いというところで、質の高い大学教育という言葉がありました。採用の時にこういうインセンティブがあるのだよということは、教育委員会に対してだけでなくて、大学もインセンティブを与えられる。質の高い教員養成教育ということもありますが、教員養成系以外の大学でも、より幅の広い、そこまで専門的ではなくても、もう少しこの発達障害に対して広い理解を得られるような、教育を施す大学が増えてもよいのかなと思いましたので申し上げました。その点でもこの記述は有り難かったと思いますし、私の勤務する大学でも、特別支援教育の色々な科目で盛り込んでいく工夫をしたいと思っております。
教育委員会も、既に特別支援の免許に対する加点などは実施はされているということですが、私自身、教員採用と職員採用で15年ぐらい面接をしておりましたけれども、やはり「その他」というところを比較、評価するところは非常に難しくて、そういう意味でも、教育委員会にさらなるチャレンジを促すという点で、とても有り難かったと思っております。
それからもう一つ、特異な才能の委員会の方とのお話で共有した部分が、やはり、どんな職業につくのかというところからどんな教育をするのかというところを考えなければいけないというところです。先出の委員会で示させていただいたように、ダイキン工業を見学をさせていただいて、私自身も、知的障害者、精神障害者が管理者になる可能性があるということは今まで全く知りませんでしたので、こういう企業が増えていくことが望ましいし、今企業で、将来の労働力不足を危惧していない企業はありません。多様性の尊重、という価値観も多くの企業で共有されているはずなのですが、さて、障害者をどういうふうに雇用していいか分からない、分からないという企業がすごく多いと思うので、こういうモデルがほかにあれば発掘をして、文科省の方からも是非社会にお示ししていただければ、こういうモデルが増えていくところで、この委員会の最初の目的である、インクルーシブな社会の実現というところにつながっていくのかなというふうに考えました。
そういう意味で最後のキャリアのところで、社会で活躍する、社会に参加だけではなく活躍するという一言を入れていただいたのはとても有り難いと思っています。
というところで私自身も非常に混とんとした理解の中で、委員会に参加させていただきましたけれども、恐らく、先ほど竹内委員から、診断と判断というところで、何をもって発達障害というのか、その基準は誰が決めるのかというようなところで、まだまだ多くの不確実性を含めた問題ではあると思います。またこれからますます大きな問題となると思いますので、この提言は、最初の一歩、社会に問題を提起する最初の一歩であるかと思っています。この最初の一歩が大きな一歩になるように、これから携わりました私たちも努力をしていかないといけないと思っていますけれども、文部科学省の方でも、しっかり推進していただきますようお願い申し上げて、長くなりましたけれども、意見にかえさせていただきます。
ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。1点だけ、余計なことを申し上げておきますと、これからの教師に期待するというのはとても大事なことであると同時に、今いる人たちの研修というのも本当に真剣に考えないといけないなと思いながらお聞きいたしました。ありがとうございました。
では喜多委員、お願いいたします。
【喜多委員】 会に参加させていただいてありがとうございました。私は全特協として、全国特別支援学級・通級指導教室を設置している学校長の代表として、また、小中の学校の現場の代表として、声を届けさせていただきました。様々申し上げましたけれども、報告書の方に、本当に反映をしていただいて、有り難いなというふうに思ったところです。
この報告書に本当に校長としてというところがすごく強調されていて、改めて、特別支援教育を推進していく上で、校長の責務の重さを感じたところです。今後この報告書を見られるものにしていくために、2点だけお話をさせていただきます。
1点は私の全特協の会で、毎年、文科省から様々な報告書が出るのですが、その報告書に関わる、現場の実情を情報交換するのです。好事例と共に、全国で集まる会があるのですけれども、そういった会で、今回の報告書の内容を取り上げていきたいなというふうに思っています。
特に、校内委員会の強化、機能強化に関しては、本当にこう重い問題ですので、特別支援学級・通級指導教室の関わりも含めて、各地区の実情、好事例を集めながら、全国に広めていきたいな、この報告書の内容を広めていきたいなというふうに思っているところです。
また、特別支援学校のセンター的機能に関しては、まだまだこの機能を十分に活用できてない校長も多いかなと思いますので、この点も取り上げていきたいと思っています。
2点目は、ちょっと別件な話なのですけれども、平成29年の3月に文科省から発達障害含む障害のある児童、幼児・児童生徒に対する、教育支援体制整備ガイドラインを作成しているのです。私その作成に関わっているのですが、そのガイドラインには、設置者であるとか、教員であるとか、コーディネーターであるとか、外部専門家であるとか、様々な役割、また、校内委員会の在り方等が非常に詳しく書かれているのです。今回の報告書の中身をそのガイドラインに更にこう付け加えてブラッシュアップ、改定していくと、現場でこの報告書が根づくのじゃないかなあというふうに感じたところです。
以上です。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。後半の部分は御提案を頂いたのではないかと思います。現場でも取り組んでいただくと共に、そういったことが本当に県とか、あるいは国で取り組めるようになっていくことを心から期待しております。
では小枝委員お願いいたします。
【小枝委員】 今回参加させていただきまして、ありがとうございました。恐らく医療者としての立場で参加させていただいたのだと思うのです。
1回、私の考えていること、やっていることをお話しさせていただく機会があって本当に有り難かったかなと思います。何とか医療側から特別支援教育をお手伝いしたいという思いで、実践をやってきておりますので、それを具体的な例として、話をさせていただいたことは本当に有り難いことでよかったかなと思っています。
それで、先日、ある学術集会の特別講演の座長をしていましたら、その講師の先生が、障害者権利委員会からインクルーシブ教育ができてないという勧告が、日本に出ているという指摘をなさったのです。それを受けてこの委員会があるのですけれども、やはり医者の中にもこういったものにちゃんと目を向けている人がいらっしゃるのだなということを改めて思いました。
ですから、非常に幅広い方たちが注目しているということは我々自覚しなきゃいけないのだろうなと思います。
それで、そもそもというところに立ち返りますと、この障害者権利委員会の勧告に対してどう取りまとめるかというところを出すとすれば、今日の資料2-1の29ページの、運営を一体化したインクルーシブな学校運営というのが書いてありますので、これが恐らく一番の答えになっているのかなと思うのです。ですから、これに重きを置いて、今後こういった取組を進めるといったことは改めて、我々は自覚しておくべきであると思いました。
参加させていただきまして、ありがとうございました。以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。医療の立場からいろいろと教えていただきまして、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
では、櫻井委員、お願いいたします。
【櫻井委員】 委員の皆様、特別支援協議会の皆様、本当にありがとうございました。まずもってお礼を申し上げます。
報告文の中に、全ての教師が分かりやすい授業づくりを進めるという原点と人材の育成に関して、計画的な人事配置によって学校を支えるという文言、更には、最後の10行の加筆、特に教職員が元気に安心して、本務に集中できる環境づくりに努めることを求めたいという文言、大変有り難いことだなというふうに思っております。
在り方検討会の報告は、今後、県、市教委、学校の指針となります。国、県教委、市教委が、教師、人材の育成を広い視野で見通しを持って具現化して、実際に、児童生徒、保護者と関わることになる学校現場に反映していただけることを強く望んでおります。県や市教委の特別支援教育を担当される指導主事さんたちも、様々な業務を抱えながら、更には、専門外であっても学校のために動いてくださっていること、とてもよく理解をしています。指導主事さんたちは教えることのスペシャリストでもありますので、全ての子供たちに分かりやすい授業づくりが根底にあるということ、人を育てるということ、人材の育成ということを具現化することができるのかなというふうに期待をしています。
そして、学校現場ですけれども、今、やはりICTによる授業改善、教師不足、不登校、保護者対応、働き方改革と様々な課題がございます。校内の支援体制、チームワークだけでは解決はできないことが山積しています。教員の指導力や、専門性の向上も含め、様々な人的、物的な支援が必要です。人的、物的なハードの面の充実が行政だとするならば、全ての子供に分かりやすい授業、一人一人の子供たちに丁寧に関わるということのソフトの面の充実は、やはり、教師、学校の責務かなというふうに思っております。私自身も、全ては子供たちの笑顔のために、今回、皆様方から教えていただきましたことを生かしてまいりたいなというふうに思っております。
また、頂いた御縁ですので、今後とも御指導の方、どうぞよろしくお願いをいたします。本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。先生がおっしゃるように全ての子供たちが笑顔になるということが、一番の目的であるというふうに思います。ありがとうございました。
笹森委員、お願いいたします。
【笹森委員】 委員の皆さん、ありがとうございました。そして、文科省の事務局できれいにまとめていただいて、本当に通常の学級に在籍する子供の話なので、とてもインクルーシブというふうなことでは、これから大事な視点なのだなというふうに思っています。ただ、そもそも権利条約のインクルーシブ教育は、これまでの通常の学級の教育を見直しし、変えていくというのが多分前提だったと思うのですよね。そういうことを考えると、通常の学級の度々話題になっていますけれども、分かりやすい授業だとか、多様性を認める学級経営というのもありますけれども、それがまず基盤にあって、そして、色々な支える仕組みをつくっていくというのが大事なのだろうなというふうに思って、報告書を改めて眺めてみました。
ちょっとだけ、報告書のことでまた申し訳ないのですけれども、大きな項目の2の特別支援教育に関する校内支援体制の充実の最初のところのマルで、先ほど全ての児童生徒に対しての分かりやすい授業、多様性を尊重した学級経営と書いていただいているので、目次を見たときに、校内委員会の機能強化の前に、通常学級における、そういったものが基本であるみたいな、そんなものが一行入っていると、やはりそこからスタートするのだなというふうな報告書になるかなと思って、ちょっと見ておりまして、改めて見ておりました。
それから、やはり専門性の話も出ていました、いわゆる障害種別の専門性というものと、それから指導、教育の場における違いの専門性みたいなところが、もちろん教職の課程で、特別支援教育は必修の単位になったわけですけれども、梅田委員もおっしゃっていましたけれども、通級というのは担保するものが今のところ何もない。特別支援学級の先生は特別支援学校の、できるだけ免許状を取得してというふうな流れでいるわけですけれども、その辺りと、また、通常の学級のサポートに回る特別支援教育コーディネーターの専門性みたいなところの、特別なパーツを担っている人たちの専門性というのも、やはり大事かなというふうに思います。
免許というふうな形で具現化していくのがいいのか、免許があることで担保されるということはとても大事なことかなというふうには思っています。
最後ですけれども、先ほど、櫻井委員かな、おっしゃっていただきましたけれども、最後に、教職員が元気に安心して本務に集中できる環境づくり、本当に学校現場が今、疲弊しているというか、先生方が何でもかんでもやらなきゃならない状況の中で、ちょっとした誤解の中で、通常学級で色々な子供たちを他人が1人で頑張らなきゃいけないような、そんなような流れになってしまうところをこの報告書が足がかりになって、みんなで体制づくりをして、まず、通常学級なら通常学級の先生を支えていくというふうな、そういったメッセージが出ていかないといけないかなと。支えていくので、通常学級の先生一緒に頑張りましょうねというふうにはなっていかないといけないかなというふうに思っております。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。通常学級の在り方、本当に大事なことだと思ってお聞きいたしました。ありがとうございました。
では、滝川委員、お願いいたします。
【滝川委員】 よろしくお願いします。1年間ありがとうございました。
委員の皆様それから特に文科省の特別支援教育課、特別支援教育課の皆様には本当にお世話になりました。
最初このお話を頂いたときに、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方というところで、ここしばらくは病弱教育ということで病気の子供たちの教育のことについて研究活動を進めておりましたもので、少々戸惑いながら、参加させていただいたという思いがあります。
自分自身振り返ってみますと、実は福井県の方で特別支援教育センターというところで当時福井県の教員として仕事をしていたわけで、それが平成7年から平成12年まで今から28年前になります。そのときに、福井県は辻村答申を受けて、早くから、通常の学級に在籍している、当時、情緒や言語に気掛かりな子供たちというふうに言っていましたが、そういう子供たちのところに、巡回指導をしていました。特別支援教育センターで今特別支援教育センターですが、特殊教育センターの職員6名だったと思いますけれども、6台の公用車を持って、1日2校から3校、子供たちのところへ行って個別の取り出しの指導であったり、TTでは入らせてもらったりというようなことで、常に30名ぐらいの小学生中学生のお子さんを6人が担当するというようなところで、仕事をしていました。
当時まだ、LD・ADHDなんていう言葉というか用語もなく、覚えていますのは、たしか平成7年8年のときにNHKの「クローズアップ現代」、それから「NHKスペシャル」のところで、初めて日本で、ADHDのことが紹介されたときに、その当時の仕事の取材を受けました。
それから30年たって今このように、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方ということで、通級指導教室も含めて充実してきたことがすごく僅か30年でというような思いがあります。
それで今回のこの検討会議の趣旨の最後のところに、より効果的な支援施策の在り方について検討を行うということで、この報告書が次なる施策に動いていくということをすごく期待しています。これまでの学校の、あるいは教育委員会の頑張りに加えて、もう一つ、後ろから押していただけるような施策が立ち上がっていく、それが用語としては、今回は出ませんけれども、共生教育の推進の学校や、そういうようなところにつながっていくといいなと思いました。
最後にもう一つ言わせていただきますと、いつも言っているのですけれども、通常の小中学校に在籍していながら、30日以上欠席せざるを得ない病気の子供たち、不登校とは違う病気の子供たちが4万5,000人ぐらい、小中学校に在籍している。この子供たちに、是非教育の手が届くといいなというふうに思っております。また、そのところも含めてやっていきたいなと思っております。
不登校ではなく、病気で学校に行けない子供たちのこともまた考えていきたいなと思っています。以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。最後おっしゃった、病気の子供たちもどの子にもちゃんと光が当たるようにしていく、その一つが、今、我々のこの取組であるというふうに思っております。ありがとうございました。
では竹内委員、お願いいたします。
【竹内委員】 竹内です。皆さんいろいろありがとうございました。
最初に、色々な不遜な物言いをしていたことをおわびしておきたいなと思います。本来はそんなにきつい人間ではないと、自覚しているのですけれども、ちょっと、今回、初めて入って、文科省の方に最初に言われたときに僕はそもそも取材者なので、ふさわしいのかどうかということを言ったのですが、竹内さんみたいな人もいた方がいいということを言われたのです。
要は、僕の役割は何かなと、この会議でずっと思ってきたのですけれども、議論をひっくり返すとか、起爆剤になるようなことを言うとか、そういうことだったのかなという思いもあって、色々なことを言い続けてきました。間違った言い方をしていたことは重々承知しているのですけれども、そこは皆さんの寛大なお心で目をつぶっていただいて、お許しいただければなというふうに思います。
僕自身も障害があり、息子にも障害があります。息子は今年の3月で高校卒業しましたけれども、今後どうなっているか全然分かりません。それまでの教育とかをいろいろ考えてきたのですけれども、やっぱり一緒に学べること、一緒に過ごすことというのが、一番、これはもう経験則でしかないです。ほかの考え方もあるのは重々承知していますが、良いことなのだろうなというふうに思っています。
教師がどうという話ももちろん大事なのですけれども、やっぱり子供が子供と一緒に成長していく、つまり、障害のある子に支援があれば一緒にいられる子たちというのがたくさんいて、そこで一緒に学ぶことによって彼らは、そんな難しい合理的配慮なんて言葉を知らなくたって、一緒に暮らしていけるようになると僕は信じているのです。なので、やっぱりそこからスタートできるようなことを考えていければいいのかなとすごく感じていました。
あと、今後の議論なのです。僕もどうしてその取材者として厚労省にも、審議会とかそういうのも、いろいろ取材はしていたりとか、国土交通省とかいろいろ見てはいたのですけれども、ずっと何か違和を感じていて、何だったのかなと思ったことが一つあって、それは、今日すみません、藤井先生に議論を吹っかけてしまいましたが、議論になってないのですよね。
何か物をつくるときに、お説拝聴だけで終わってしまっていて、皆さんの考え方がどうなのかどこにその根底があるのかということが分からないまま議論が進んでいる。そうなっちゃうと、これで求めなきゃいけないとか、目的なのかということが、先程帯野先生もおっしゃっていましたけれども、分からなくなっていくということがあったのかなあというふうにすごく感じました。
人数がいっぱいいて、色々な立場からの御意見を聞かなければならない。意見をまとめなければいけないという文科省の立場があるのは重々承知しているのですが、もう少し議論をして、自分たちの考えが正しいのか間違っているのか若しくは、それは、僕自身もそうです、僕自身の考え方がどう違っているのかみたいなことをちゃんと腑に落としながら進めていく。その上で、ここはこれは文科省の会議なので、子供たちが中心となるために、どういうものを出していくのかというのを考えられたら、もっとよい報告書になったのではないかなと思います。
今後も、これだけ僕が文句を言うと、多分次回呼ばれないと思っているのですけれども、また、機会があれば、呼んでいただければと思いますし、NHKの解説委員という立場なので、是非、文科省の方に僕の連絡先を聞いていただいて、利用していただければと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。議論にならなかったのは進行役の私の責任が大きいと思います。大変申し訳ありません。
【竹内委員】 いや座長のせいではないと思います。どの会議も見ても、議論にはならないので、いやこれだけ人が無理だと思います。すみません、議長を責めているわけでは全くありません。
【荒瀬座長】 私も責められたとは思ってないのですけれども、ただ、進行役をやっているのは事実ですので。議論になる会議は中教審の中でも課題です。ただ、2通りあると思っていまして、一つは、実際に議論してどういうことが本当にいいのだろうかということを自分の考えに基づいてしっかりと、これまでの文脈を持った上で、ある種闘い合おうみたいな感じのことも必要な会議もあると思うのですが、一方では、様々な立場の方から、具体的にこういった考え方ができるのじゃないかという御提案を頂いて、それをまとめ上げていく中で、一歩進めていくというやり方の会議もあると思っておりまして、今のこの会議は、どちらかというと後の方の会議なのかなというふうに私は理解しております関係で議論になっていないという面もあるということを思っています。
すみません、余計なことを言ったかもしれませんが、では中田委員、お願いいたします。
【中田委員】 失礼いたします。1年間皆さんお世話になりました。
委員の皆様からたくさん本当に貴重なお話を聞かせていただきまして、私も大変勉強になりました。私の立場は教育委員会という立場で呼んでいただきまして、いろいろと話をさせていただいた場面もありました。教育委員会ですので、人事のこと、そして、教職員の指導のこと等々を担当しているところです。
今日、このまとめの回という中でも、教職員の採用だとか、それから育成だとか、あるいは校長、管理職への期待の部分だとかというのがたくさん出てまいりました。1年間勉強させていただいて、まずは採用の部分、どうしてもやっぱり養成に関わることができない部分があるのですけれども、できる限り、鳥取県にたくさん教員を輩出していただいている学校と、この特別支援という視点でも、養成の部分、連携をしながら取り組んでいただいて、そういった力のある人を採用していくということをチャレンジしていきたいなというふうに思いました。
また、入ってきた教員が、とても若い教員がたくさん増えてきておりますので、この通常の学級における、障害のある児童生徒への支援というのは一番、言わば難しいと、先生方が感じる部分ですので、教育委員会といたしまして、入ってきた教員そして今、頑張っている先生方に対して、どうやって、具体的に指導、支援をしていくことが必要になってくるか、そういった具体を研修や協議会等の中で示していくことができたらなというふうに思っております。
そのためには、鳥取県の教育委員会、頑張っているのですけれども、まだまだ不十分な部分がありますので、今回1年間、お付き合いさせていただきました先生方には、色々な場面でまた、お知恵を頂戴いたしまして、教員の研修等、充実したものにしていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、この報告書の最後の部分につけていただきました、櫻井委員からもお話がありましたけれども、今学校の現場というのは本当に大変な状況が続いております。色々なことが日々起こりますし、教員の不足の問題も、本当大きな問題でございます。そうした中で、様々なことに取り組んでいっているわけですけれども、学校は受け取るのは、学校は一つの場所しかありませんので、教育委員会としても、どうやって、この大事なことを計画的に、そして、必要感を持って取り組んでいただけるかということをしっかり研究しながら取り組んでいくことができたなというふうに思っております。全ての子供たちの笑顔のためにということは、教育委員会もそして学校現場も、そして、国の方も、同じ思いだというふうに思っておりますので、そこをしっかりつないでいきながら、子供たちの笑顔を広げていきたいなというふうに思っております。
1年間どうもありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。県の教育委員会の立場というのはこれからますます重要になっていくと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 皆さん文科省の皆さん、また委員の皆さんのこの会議では非常に、色々なことを学ばせていただきありがとうございました。
私から幾つかの本会議を踏まえた気づきなどを共有させていただけたらと思います。前提として、この会議の前提だと思うのですけれども、今、日本が目指しているのは、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムを構築していくことだというふうに認識しています。共生社会とはつまり、マジョリティーとか多数派のみを中心とした社会の仕組みではなく、障害のある人を含めて、多様な人たちがいることが前提である社会の仕組みをつくっていくということ、そのための社会的な障壁をなくしていくことというふうに私は認識しています。また、障害のある人をはじめとした多様な人が特別な存在ではなくて日常の中で当たり前に共存していくということ。ですが、一方でやっぱり日本においては障害のある人と接したことがある人というのは非常にほかの国と比べて少なく、その結果、障害のある人と接したことがない人が多い中で無自覚のうちに、インクルーシブではない社会が維持されてしまっている状況なのではないかと思っています。いかにこのインクルーシブな教育というのが共生社会につながるかということを改めて認識しました。
一方で日本においては、この障害のある子どもへの専門的な教育というのが発展してきたかと思います。どうしても従来の歴史などを見ていくと、共に学ぶ教育と、子供一人一人のニーズに応じた専門的な教育というのが二項対立になりやすかったのではないかと思っています。今でも共に学ぶ教育を選ぶのであれば、子供に合った学びを得られない。子供に合った学びを選ぶなら、共に学ぶことはできないというどちらかにならざるを得ない状況というのが、いまだにあると思うのです。やっぱりどちらかではなくて、どうしたら両立できるかということを考えていかなければならないというふうに思っていました。共に学びかつ一人一人に必要な専門的な支援を受けていくということです。やっぱりここが非常にポイントになってくると思っていたので、今回の会議というのは正にそこピンポイントで考えることができたかなというふうに思っています。
今回の報告書において非常にやっぱ画期的だなと思っているのが私はインクルーシブな学校運営モデルだと思っています。というのも、先ほどお伝えしたような形で、どちらかという形ではないようにするため両立していくためには通常の学級が、先ほど何名かの委員からもありましたが、通常の学級がやっぱどう変われるかというところが一番のポイントだと思うのです。なので今回のインクルーシブな学校運営モデルにおいては通常の学校と特別支援学校がもっともっと交わること、どっちがいいかとかではなくて、その2つの、知見これまでの知見を交じり合わせることで新しい学校、新しい教育の形というのを模索することができるのではないかと思います。
当然、特別支援学校、特別支援教育の知見というのは、障害のある子供たちのみではなくって、多様な子供たちがいることを前提とした教育そのものに貢献すると思います。今回8.8%という数字が出ましたが、これは発達障害の子供の数ではなくて教育的支援を必要としている子供ですので、そういう意味では今の学校教育において困難さを持っている子供たちというのは本当に、色々な子供たちがいるわけで、そういう意味では今後、障害ギフテッド、不登校とかこう縦割りではなくって、横断的に多様な子供たちへの支援ができるような体制や実践というのをつくっていかなければならないと思います。
例えば、笹森委員などが多分おっしゃったと思うのですけれども、例えば通級の対象を障害以外の子供にも広げるとかということも今後考えられると思うのです。特別支援教室構想を障害以外の困難さを抱える子供も含めて検討していくなど、そういったことに今後つながっていくというのかなと思っています。
今回の新しいインクルーシブな学校づくりというのを実践していくことで、どんな仕組みがあったら、多様な子供たちが共に過ごして、かつ、それぞれのニーズに応えられるのか、どんな体制が必要なのか、教育課程はどうしていったらいいのか、そのときに必要な専門性ってどういう専門性なのか、これまで蓄積してきた障害種別の専門性というのはどういうふうに生かしていけるのかということを具体的に検討を進めていっていただきたいなというふうに思っています。
私自身も、今、民間機関の立場として、色々な学校に入り込んで一緒にインクルーシブな教育の実践というのを進めているところですので、私自身も、それが、障害も含めた、より多様な子供たちがいることを前提とした学校教育の在り方ということを模索していきたいなというふうに思っています。
このたび本当にありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。多様な子供たちが共に学び、かつまた一人一人にとっての支援がちゃんと受けられる状態、これはどの子も必ず支援を必要であるわけですので、本当にそういったことが実現していくことを願っております。ありがとうございました。
では平野委員、お願いいたします。
【平野委員】 声、聞こえますでしょうか。
1年間ありがとうございました。この委員会に参加させていただいて、多くのことを学ばせていただきました。委員の皆様、そして事務局の皆様に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
私は、障害児を育てている保護者という立場、そして、学校教師経験者としての立場で参加させていただいたと思うのですが、どのくらいお役に立てたか、全く自信がありませんが、最後にここで発言させていただけるということで、今、考えていることを最後に述べさせていただきたいと思います。
野口委員や、あと竹内委員からの発言と少しかぶるところというか、似たようなところがあるのですが、私は、この共生社会の形成というものを目指すのであれば、学校が、やっぱり共に生きる場であり、学生時代に共に過ごす経験や時間、そしてその環境が、あるべきだろうと思います。
これは以前にも、私発言させていただいたことがあるのですが、やはり学校は社会の縮図であってほしいと思っています。やっぱりスタートというか真の学びは、一緒に過ごす時間から生まれると思っているので、本当に一緒に過ごす時間があれば、ちょっとした思いやりだとか、ちょっとした配慮だとか、いわゆる障害者だからとか健常者だからとか、そういうことではなく、誰にでも必要な、人と人とのコミュニケーションというレベルで、本当に子供同士が自然に学校生活の中で学んでいける、そういう環境が、学校の学生時代にあれば、恐らく自然にそれが大人に、そういう子供たちが大人になったときに、共生社会が、つくろうとか、共生社会にしようとか形成とかいう言葉がなくても、当たり前に共生社会が出来上がっていて、共生社会なんて言葉が、余りにも当たり前すぎてなくなるような時代が来てほしいなあと願っております。
本当に1年間ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。掛け声だけではなくて本当に当たり前のことが当たり前になっていくということがどんなに大事かということを思いながらお聞きしました。ありがとうございました。
では藤井委員、お願いいたします。
【藤井委員】 よろしくお願いします。私も1年間ありがとうございました。多くのことを学ばせていただきました。
私は資料2-3の概要図、それをちょっと今見ているのですけれども、多くの方が今後、この図を見ていくことになるのだろうなというふうに思ったところで見ますと、やはり特別支援学校のセンター機能、センター的機能の発揮という部分が太い矢印で、大きく示されているというところは大きな一つポイントにもなっているのかなというふうに思います。ただ、その機能といったところで、やっぱり重要なのは、教育課程、自立活動のことだろうなというふうに一番基盤となるものとして思います。特別な教育課程を編成できること、それには自立活動の意義が分かっていないといけないということがあるのですが、実は、私、教職大学院におりまして、特別支援学校の現職院生などとも関わることが多いですが、そのセンター的機能を果たす特別支援学校の先生たちが、小学校、中学校、高校の現状がなかなかよく分かっていないというようなことも漏らすことがあります。そういったところで、多分この特別支援学校のセンター的機能の発揮と書いてある矢印は両矢印なのではないかなというふうに思っています。実はその下を見ますと、インクルーシブな学校運営モデルの創設の中の下には、両矢印で柔軟な教育課程指導体制という、両矢印で示されているところがあります。そういったところが非常に重要になってくる、交流及び共同学習をと書いてありますけれども、やはりそれを教育課程上どう位置づけるのかといったこと、計画的に交流及び共同学習を進めていく上では、やはり先生たちの交わりがありますので、そういった中で研修機能といったものも発揮できていくところかなというふうに感じているところであります。
私自身は、役割としてやはり養成と研修、現職研修それから、現場の先生方との共同研修、研究というものがございます。教職課程コアカリキュラムでは通級による指導それから自立活動について位置づけられています。特別支援学校教員免許状のコアカリキュラムでも、第1欄の自立活動と第2欄の自立活動の内容との関連ということが明記されております。そういった観点から、養成及び研修を進め、今回の在り方に関する検討会議を生かしてまいりたいと思っております。
本当にありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。先生先程おっしゃってくださった資料2-3でいうと、上のところは、どちらかというと、特別支援学校からセンター的機能をどんどん発揮して、ただし、教育課程の柔軟な関係性というのは、これは両者大事だよねという、そういうふうな読み方でもよろしいでしょうか。
【藤井委員】 そうですね、もう一つ申し上げたかったのは、やはり特別支援学校が、委員の方からも意見が出ていましたけれども、まだまだ小学校の特別支援教育の状態が分からないであるとか、教職コアがまだ位置づけられて間もないですので、自立活動の学びも、まだ浅いといった現状もあります。特別支援学校の先生が免許を持っていたとしても。という意味で、先生たちが小学校の現場に触れる中で、やはり学びもあるだろうと、どう展開していけばいいのか、小学校においてどう支援していったらいいのかという、学びもやっぱり同時に進めていくことがとても重要じゃないかといった意味です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。あれですね。下の方の図の、少し線の細い両方の矢印をもう少し太くしていただくということも、また、事務局の方に検討していただくようにいたします。
【藤井委員】 ありがとうございます。
【荒瀬座長】 大変申し訳ありません。時間が終了時刻になっておりますが、もうしばらく、このまま続けさせていただきたいと思います。
では宮崎委員、お願いいたします。
【宮﨑委員】 ありがとうございます。宮﨑です。1年間ありがとうございました。
委員の皆様のお話をたくさんお聞きして、深い学びができたと思っております。喜多先生の全特協、それから、市川先生の全特長、そのほかPTA連合会等と連携しながら、この会議に参加させていただいておりました。まずは報告書に関しては、「はじめに」とそこに続く内容が整理されて、統一がとれたなと思っておりまして、本当にその点ではよかったと思います。
氏間委員がおっしゃったような課題はあるものの、これは別の機会で教員養成のことは考えていかなければいけないことだと思います。
それから先ほどお話があった、帯野委員、それから氏間委員でしたか、の話があったことに関して言えば特別支援学校では、実は知的な遅れを伴う発達障害の子が、小学部は6割から7割を占めているという状況がございます。従いまして、特別支援学校教員はかなり知見を持っているということをまずは御理解いただきたいと思っています。
特別支援学校のセンター機能については、学校教育法第74条で規定をされているのですが、要請を受けて、小学校等に派遣をしなければいけないということですから、要請がないような学校というのはもう駄目なのですよね。だから特別支援学校も学びが深くならなければいけないと私はそう思っています。そういうあたりで一生懸命特別支援学校も努力はされているのではないかなというふうに思っております。
私は、先ほどお話の中で出ましたポンチ絵図で、インクルーシブな学校運営モデル創設ということに関わって、この点をかなり意識して見させていただいた人間なものですから、特に特別支援学校と小中高のいずれかを一体的に運営をしていくという在り方をどう考えていけばいいかというのがポイントとして挙げられるだろうというふうに思います。
実は、全国的に、様々な都道府県・市町村でそういった動きが出てきていることを実感しています。学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議が、昨年の3月に取りまとめた「これからの特別支援教育を支える学校施設の在り方について」では、子供たちが共に学ぶ場、多様な学びの場にふさわしい環境づくりという視点で、既に、色々な報告を出しているのです。この学校施設の在り方に関する委員会では整備指針の改定も連動して、特別支援学校の改定指針も出されているのですが、私は学校の施設の在り方と同時に先ほどお話があったことでいえば、教育課程の在り方と連動して対応しなければいけないということもそうですが、バリアフリー化の推進、あるいは防災等への支援の仕組みも、同じようにできていくということもあるので、このあたりについては、改めて今後、インクルーシブな学校運営モデルで整理されて出てくることを期待したいと思います。また、知的障害を対象とした通級による指導も、モデルにおいて実現と書いてありますので期待したいと思います。ここのモデル創設に関しては既にそういう一体的に運営を意図した施設整備をしているところに、モデル創設を働きかけていただくと、すごくいいかなあというふうに思いながら、この項目は見せていただいているところです。
最後です。是非この報告書の最後に、参考資料として、委員から出された様々な意見に係る資料を位置づけていただければよいと思います。通級による指導を推進する委員会ですとか、各学校の教師の実施する中身、例えば、国立特別支援教育総合研究所などが発達障害教育に関係する様々な知見なども、是非資料として入れていただくといいと思います。これまでの成果、研修カリキュラムとか、ガイドラインとかポータルサイト、いろいろあるのですけれども、そういったものを是非入れておいてくださると、学校現場が、この報告書を見て、そうだ、こういうこともやらなきゃいけないのだというのは、改めて検討していけるような仕組みができると、更に充実した報告になるのではないかと思いました。
ありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。いろいろとアドバイスたくさんいただきました。ありがとうございました。
それでは、奥住副座長、よろしくお願いいたします。
【奥住副座長】 奥住でございます。
時間の過ぎているところでございますが、手短に発言させていただきます。
まずは、この1年間、どうもありがとうございました。委員の皆様の話題提供や意見に、大変多くのことを学ばせていただきました。感謝申し上げます。
私としては、全く予定していなかった副座長という大役になりまして、どこまでその役割を果たせたかは甚だ疑問でありますが、委員の皆様のお力添えもあって、こうして、「報告」が完成する運びとなったことを大変うれしく思います。
前回申し上げたところと重なりますが、3点をまとめられたということが、成果だと思っております。
1つ目としては、通常の学級の中で学んでいる障害のある子供の支援は、まずは在籍学級がスタートだということを示せたことです。具体的には、誰もが分かりやすいクラスワイドな支援や特別支援教育支援員の活用など種々の視点があること、そしてそれを実効的なものにするために校内委員会の機能強化や、センター的機能の活用などが位置づくだということを示せたことは重要であると思います。
2つ目としては、クラスワイドな支援だけではなく個別的な指導が必要な児童生徒については、通級による指導が重要であるということです。必要とする全ての児童生徒がそれを受けられるような体制整備をしなくてはならないということを示せたこと、そしてそれは通級による指導の量的拡大の側面もありますし、全ての教師の自立活動の理解推進という視点からも示せたと考えています。
3点目として今後の方向性として、インクルーシブな学校モデルという提案を行ったということと思います。実現に向けては、教育課程編成や教師の指導体制など解決すべき課題は少なくありませんがインクルーシブ教育システムの発展に寄与するのは間違いないと思います。
この報告をきっかけとして、全ての学校で実現する特別支援教育の推進、インクルーシブ教育システムの更なる充実につながることを期待しています。
1年間本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。奥住先生には副座長として、専門的な御研究に基づいて、この会の運営ですとか、あるいは報告に関しまして、本当に様々に支えていただきました。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
それでは、今日最後の会議ということで、御挨拶を安彦審議官からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【安彦審議官】 担当審議官の安彦でございます。事務局を代表しまして、一応御挨拶申し上げます。
本検討会議、近年の小中高等学校等における特別支援教育を必要とする児童生徒の増加、令和4年9月の障害者権利委員会対日審査における総括所見。また、さらに昨年12月に公表をいたしました通常の学級に在籍する学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒の調査結果等、こういったものを踏まえまして、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒へのより効果的な支援策の在り方について、具体的な方向性をお示しいただくため、これまで、9回にわたって荒瀬座長、奥住副座長のもとで、委員の皆様に本当に活発な議論をいただきました。
本日、ここで最終回を迎えるということとなりました。この間荒瀬座長、また、副座長はじめ委員の皆様におかれましては、本当に多大なる御尽力と御協力をいただきましたことに、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
文部科学省としましては、本日、皆様方の熱い思いと一緒に、後日この報告書を受け取りまして、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に学ぶための条件整備をはじめとしまして、また、障害のある子供一人一人が持つ長所とか強み、こういったものにしっかりと着目して、可能性を引き出して発揮できるようにするということなど、それぞれの教育的ニーズに最も的確に応える、そういった指導を提供できるよう、連続性のある多様な学びの場の整備を着実に進め、本報告書、今案でございますけれども、そちらに示されました具体的な方向性の実現を図るべく関連施策等の充実、また、新しい施策の方にもつなげてまいりたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましては、引き続きの御理解と御協力をお願い申し上げ、簡単でございますが、御挨拶とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
最終回で私も最後に御挨拶をする必要があるはずなのですけれども、時間がございませんので、皆さんのご発言に一言ずつ、コメントさせていただいたことで、御挨拶をさせていただいたということにかえたいと思います。
最後の最後になりましたのに、本日報告をまとめて、皆さんと共に、文部科学省に出すということができませんでした。大変申し訳ありませんでした。
先ほど申しましたように、事務局の方で文書を整えていただいて、改めて御覧いただくことになります。ただ、こういう文章というのは考えれば考えるほど、しかもまた、時間の経過と共に、どんどん、あれも出したいこれも出したいとか、ここはこうしたいというのが出てくるというのも、これ当然でありまして、人間は必ず、よりよいものを求めるのは当たり前でそれは本当に大事なことだと思っております。
ただ、これまで、幾つかの答申をまとめることに携わってきた経験で申しますと、どこかで終止符を打たざるを得ないというのも事実でございますので、十分に検討したものを皆様に御覧いただくことにいたしますので、基本的には御了解を頂けると大変有り難いと思っております。その点どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、いろいろと不手際がたくさんございました。しかも15分も時間オーバーしてしまいました。これで、これまで御議論いただきました、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議、閉会とさせていただきます。
本当にお世話なりました。ありがとうございました。
―― 了 ――
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課企画調査係