通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議(第8回)議事録

1.日時

令和5年2月15日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催

3.議題

  1. 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

荒瀬克己座長 池田彩乃委員 市川宏伸委員 市川裕二委員  氏間和仁委員 奥住秀之副座長 帯野久美子委員 喜多好一委員 小枝達也委員 櫻井秀子委員 笹森洋樹委員 滝川国芳委員 竹内哲哉委員 野口晃菜委員 平野真理子委員 藤井和子委員 馬飼野光一委員  宮﨑英憲委員

文部科学省

藤原章夫初等中等教育局長 安彦広斉初等中等教育局審議官 山田泰造特別支援教育課長 生方裕特別支援教育課特別支援教育企画官 菅野和彦初等中等教育局視学官 

オブザーバー

独立行政法人国立高等専門学校機構
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害児・発達障害者支援室
国立障害者リハビリテーションセンター

5.議事録

【荒瀬座長】  皆さん、おはようございます。荒瀬でございます。定刻ちょっと過ぎました。ただいまから第8回通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議を開催させていただきます。本日もまた御多用の中、御出席いただきましてありがとうございます。
 今日も、現下の情勢を踏まえまして、ウェブ会議システムを活用しての開催とさせていただきます。本日は、梅田委員と中田委員が御欠席と聞いております。
 初めに、本日の会議の進め方と配布資料につきまして、事務局からお願いしたいと思います。どうぞ。
【生方企画官】  おはようございます。事務局、特別支援教育課の生方でございます。
 本日の事務局の体制につきましては、座席表に代えさせていただきたいと思います。
 早速、本日の議事及び配付資料の確認をさせていただきます。資料は議事次第、資料1、資料2、資料2の方が2-1と2-2の2種類になってございます。それと、参考資料の方をお送りさせていただいております。資料1につきましては、前回、委員の皆様から頂いた御意見の概要を議事要旨としてまとめ、委員の皆様にも事前に御確認をいただいております。その他、不足等ございましたら事務局まで御連絡ください。
 続きまして、資料の議事次第を御覧ください。本日の議事としましては、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告案についてでございますが、前回の報告素案について、委員の皆様から頂いた御意見等を踏まえまして、座長、副座長にも御相談申し上げた上で、修文したものを報告案として、事務局から御説明をさせていただきます。その後、委員の皆様から御意見を賜りたいと思います。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今、御説明いただきましたように、本日は資料に基づきまして、報告案についての検討ということでございます。
 繰り返しになって恐縮ですが、前回頂きました、大変たくさんの御意見を頂きましたので、それを反映していただきまして、修文したものをお示ししております。これにつきまして、まず、御説明をいただいた後、皆様から御意見を頂戴したいと思います。
 では、生方企画官、よろしくお願いいたします。
【生方企画官】  よろしくお願いします。それでは、資料2-1、こちらは前回の素案に、委員の皆様から頂いた御意見を、見え消し版として修正したものでございます。また、資料2の方は、修正意見等につきまして、そちらを溶け込みさせたものでございますので、本日は資料2-1に基づいて御説明をさせていただければと思います。
 まず、開いていただきまして、3ページ目でございます。3ページ目の一番上のところ、朱書きのところでございますけれども、これは前回の会議の後に、帯野委員から御指摘を頂いたところでございますが、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果を記載しているところでございますけれども、その調査結果においては、学年が上がるにつれ、困難な状況が改善されるといったような誤解を与えかねないといった御指摘を踏まえましての修正でございます。「年齢が上がるにつれ、必ずしも困難な状況が改善されるわけではないことに留意が必要である」という一文を入れてございます。
 続きまして、3つ目の丸でございます。こちら、「障害のある子供と障害のない子供が可能な限り同じ場で共に学ぶ」、これは正確を期したものの修正でございます。また、こちらの方も前回の会議後に、竹内委員の方から御指摘いただいたところでございますが、もう少し教育から社会を変えようといったような気概があってもよいのではないかといった御意見を踏まえまして、「よりインクルーシブな社会の実現のため」といった文言を追記してございます。
 4ページ目をお願いします。こちらは校内支援体制の充実のところでございますけれども、前回、梅田委員の方から、学級集団における授業の工夫、合理的配慮の提供など、通常の学級の指導力の向上について強く打ち出してほしいといった意見を踏まえまして、以下のような記載を設けさせていただきました。「障害のある児童生徒を含む全ての児童生徒が、通常の学級において安全・安心に学ぶことができる学級経営が求められる。そのため、通常の学級担任等が、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人の実態を適切に把握し、集団における授業の工夫や合理的配慮の提供を行うことが重要となる。あわせて、校長は特別支援教育を学校運営の柱の1つとして据え、自らも」うんぬんかんぬんと続くと。最後に、「通常の学級担任等を支えることができるよう、校内支援体制の更なる充実を図ることが必要である」と記載の方の充実をさせていただいているところでございます。
 5ページ目でございます。こちらは特別支援教育コーディネーターについて御指摘を頂いております。宮﨑委員の方から、もう既に指名はほとんどの学校で終わっているといったようなこと、ですから役割の徹底といったこと。あと、また笹森委員の方から専任化という文言を入れてはどうかといった御指摘を頂いてございます。まず、コーディネーターの役割につきましては、内容を充実させていただいております。「校内委員会において中心的な役割を果たすとともに、外部機関や専門家との連絡調整や保護者からの相談窓口など広範な任務を担う特別支援教育コーディネーターにふさわしい教員を適切に指名し」という文言に修正をさせていただいてございます。
 また、専任化につきましては、こういった指名されたコーディネーターがその役割を校内委員会において十分に果たせるよう体制を整えてくださいといった文言で、読ませていただければと、そのように御理解いただければと思います。
 また、3つ目の丸でございます。まず、見え消しになってございます、「当該」のところを消してございますが、これは2つ目の丸のところで、著しい困難を示すとされた児童生徒の割合、小中8.8%、高校2.2%を念頭に置きつつ、幅広く学校全体で支援を必要とする児童生徒の把握ということを受けまして、一部の当該児童生徒ではなくて、全体を広く把握するということで、「当該」という文言を取ってございます。
 また、このパラグラフが、一文が長かったので、途中で切って、具体的な取組については、改行して「具体的には」というところで始めてございます。
 また、氏間委員の方から、GIGA端末とかBYOD、そういった端末の活用について記載してほしいという御意見を頂きましたので、「ICTを含む合理的配慮の提供」ということで、「ICT」を追加させていただいております。氏間委員の方からの御指摘としましては、GIGA端末では、障害のある子供たちにおいては対応できない場合、やはりそれはBYOD、家庭での端末等を持ち込むといったことが必要ではないかと御指摘ございましたが、そこも含めて、「合理的配慮の提供」ということで読ませていただければと思います。
 さらには、下の方でございますけれども、池田委員から、ここのところに自立活動の視点も入れていただきたいということ。「自立活動など特別の教育課程が編成できる通級による指導や特別支援学級の必要性を検討していくという段階的な検討のプロセスが大切である」と。「その際」以降につきましては、宮﨑委員の方から学習指導要領との関連について記載してくださいという御指摘でございました。こちら、「学習指導要領解説『指導計画の作成と内容』に示されている『困難さ』に対する『指導上の工夫の意図』と『手立て』の例を参考に、通常の学級における授業づくりの工夫改善に努めることが重要である」という記載を追記してございます。
 6ページ目でございます。こちらは学校というところを消してございますが、最初の「はじめに」のところにも書いてございましたけれども、多様な学びの場の中には通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校も含めて多様な学びの場という言い方をしておりますので、「学校や」という重複がございましたので、こちらの方は削除してございます。
 あと、3つ目の丸については、てにをはを修正したところでございます。
 7ページ目の1つ目、こちらも「学校や」が入っていましたので、「多様な学びの場」と修正をさせていただいてございます。
 8ページ目でございます。外部機関等との連携のところでございます。1つ目の丸でございますが、まず、専門家等ということで、これは「外部の専門家や関係機関等(以下、『専門家等』という。)」と定義をさせていただいておりまして、それ以下、「専門家等」で統一をさせていただいております。
 また、宮﨑委員の方から、外部の専門家等には常日頃から学校のことをよく理解してもらうことが必要。また、専門家と学校との双方向での連携を強化していくことが重要という御指摘を踏まえて、以上のような修正を施してございます。
 あと、具体的な方向性のところでございますが、先ほど4ページ目の1つ目の丸で追記をした箇所を踏まえて、追記したところでございます。
 9ページ目でございます。こちらも外部機関との連携について、具体的な方向性のところに追記をしてございます。
 3ポツの通級による指導の充実のところでございます。まず、ここについては、通級による指導の制度化についての経緯等を記載しているところでございますが、対象となる障害種について明示したというものでございます。
 10ページ目お願いいたします。まず、1つ目の丸でございますが、「本人や保護者が通級による指導の仕組み」という文言を追加させていただいてございます。これは竹内委員の方から、こちらも会議後に、通級による指導等を受けるために、通常の学級での授業が遅れるデメリットもあるのではないかと。
 11ページの方に、実施形態のメリット、課題等を整理させていただきますが、こちらはあくまでも実施形態のメリット、課題等という整理でございましたので、こちらの10ページの1つ目の丸のところに「通級による指導の仕組みや意義等を理解し、納得した上で指導を行う」と修正をさせていただいております。納得というところにつきましては、喜多委員の方から、本人、保護者の合意をしっかり得ることを強調してほしいという指摘を受けての修正でございます。
 10ページの3つ目の丸、これはより適切な文書表現に修正したものでございます。
 11ページ目でございます。ここは見え消しになってございますが、笹森委員の方から、他校通級も残しておくべき要素があるという御指摘がございましたが、一応、ただし書ではございますけれども、障害の特性による指導効果は本人、保護者の意向等により、他校通級を含む場合もあることから、それぞれの実情に応じた柔軟な対応が求められることに留意する必要があるという記載がございますので、こちらの方で読ませていただきたいと思います。
 12ページ目をお願いします。こちらも先ほどと同様に、これは通級による開始と、その期間の判断についてのところでございますけれども、3つ目の丸でございます。喜多委員の方から、本人や保護者の合意形成を強調してほしいといった御指摘を踏まえまして、通級の指導の開始やその期間の判断について、また、竹内委員の指摘も踏まえまして、2段目でございます。「通級の指導の仕組みや必要について、本人及び保護者との合意形成を進めた上で、校内委員会で通級の指導が必要と判断した場合には、個別の教育支援計画と個別の指導計画を作成し、指導を開始する。終了についても、開始時と同様に校内委員会において判断する必要がある」と修正をさせていただいています。
 最後の4つ目、こちらはてにをはを修正したものでございます。
 13ページ目、具体的な方向性のところでございます。まず、最後の矢印でございますけれども、これは喜多委員のほうから「通級による指導を受けやすくなるためにも、周囲の児童生徒に対する障害に対する理解啓発を推進する必要がある」、これは本文にも出てございますが、具体的な方向性のところにも記載してほしいということで追記してございます。また、具体的な方向性の一番上のポツでございますけれども、「令和5年度実施予定の『効果的かつ効率的な巡回指導の実施に向けたモデル構築事業』を活用し、効果的な巡回指導の在り方について研究」と、ここの研究の中で、笹森委員の方から他校通級の先進的な取組もやってほしいといったような御指摘を頂きましたが、こちらについては、もう既に予算案が計上されてございますので、財政当局の理解が得られないということもございますので、そこは御理解いただければと考えてございます。基本的には、効果的な巡回指導の在り方について研究するということでございます。
 13ページ目の本文でございますけれども、1つ目の丸、通級による指導の評価・検証、こちらは少し学習指導要領の記載を参考に修正をさせていただいたものでございます。
 3つ目の丸、こちらはより適切な文書表現に修正をさせていただいてございます。
 14ページ目でございます。こちらは喜多委員の方から「校長」と直接書くべきではないかと、管理職ではなく校長と直接書くべきではないかということで修正をさせていただいてございます。
 2つ目は、こちらはてにをはを修正させていただいてございます。
 あと、3つ目でございますけれども、これは特別支援教育に関する経験の浅い教員が通級による指導を担当する場合、不安があるということで言いっ放しになっておりましたので、ここにつきましては、池田委員の方から、不安を解消する専門性を向上させるような取組を具体的に記載するべきではないかということで、「このため」のところでございますけれども、「各自治体や学校においては、例えば大学等とも連携し、特別支援教育や自立活動に関する研修会、研究会及び成果発表会」、この成果発表会については、小枝委員の方から、好事例の成果発表などを推奨してほしいという意見を踏まえてございます。「成果発表など、教員の指導力を高める実践的な取組を行うことが重要である」と修正をさせていただいてございます。
 また、4つ目の丸でございますが、喜多委員の意見を踏まえまして、管理職を校長に置き換えてしまいますと、4つ目、これは通級指導担当教員を複数名配置する、いわゆる人事配置といったようなことでございますので、校長の権限を越えているという櫻井委員からの御指摘を踏まえまして、「教育委員会や校長は」と修正をさせていただいてございます。
 16ページ目でございます。こちらは先ほど御紹介しました、本文について追記させていただいた内容を、具体的な方向性の方にも追記をさせていただいているところでございます。
 17ページ目でございます。こちら、4ポツ、高等学校における通級の指導の充実のところでございますが、こちら、氏間委員の方から、高校通級の対象障害種に弱視等も含まれることを明記してほしいといった御指摘を踏まえまして、まず、9ページ目、1つ目の丸のところ、通級による指導の充実のところで対象障害種を明記させていただきました。当然、そこの中に弱視等も入ってございますので、4ポツの高等学校における通級による指導の充実というのは、前述の3ポツ、「通級による指導の充実に加え、高等学校の通級の指導における特有の事項についてのみ記載する」ということで整理をさせていただいてございます。
 2つ目の丸、こちらにつきましては、令和2年度の調査結果、調査項目の文言に合わせた修正でございます。
 少し飛んでいただきまして、19ページをお願いいたします。こちらにつきましても、中段の方でございますが、調査結果の表現に合わせた修正でございます。
 20ページ目をお願いします。1つ目のところでございますが、こちらは笹森委員の方から、センター的機能につきましては、間接的な支援が中心だと思われがちであると。直接支援ができることについても記載してほしいといったような御指摘を踏まえまして、修文でございますけれども、「特に、特別支援学校に『通級指導教室』を設置し指導を行っている場合など、自校以外の障害のある児童生徒への直接的な指導や支援を実施している特別支援学校は全体の3割を超えていた」と。調査結果を踏まえて、このような文章を追記させていただいてございます。
 21ページ目でございます。3つ目の丸でございますけれども、こちらは当初が「就学時のみならず、就学後も引き続き」と、引き続き教育相談を行うことが重要といった文言につきまして、小枝委員の方から、教育相談については就学前も意識した書きぶりにしてほしいということで、当然就学前も重要でございますので、こちらの方を追記させていただいてございます。
 具体的な方向性のところ、こちらにつきましては、正確を期すための修正をさせていただいておりますことと、あと、池田委員の方から、センター的機能の充実には教員の加配が重要との御指摘をいただいてございますが、教員加配につきましては、現行制度においても、センター的機能についての加配措置をしているところでございますけれども、それを拡充するといったことにつきましては、財政当局との調整が必要となりますので、そこも含めて検討ということで御理解をいただければと考えてございます。
 22ページ目でございます。こちら、4つ目の丸でございます。前回、お示ししました共生教育推進学校(仮称)についてでございますが、こちらにつきましては、多くの委員の皆様から少し唐突過ぎる、名称については慎重に検討すべき、あとは誤解のないよう丁寧な書き方が必要であるといったような様々な意見を踏まえまして、「共生教育推進学校(仮称)」といった固有名詞の使用については控えさせていただいて、また、制度設計などの文言につきましても、直ちに新たな制度ができるかのような誤解や唐突感を招いた要因かと思われますので、まずは、前回御説明しましたように、阪神昆陽のような取組をモデル事業としてしっかり応援し、柔軟な教育課程と指導体制について研究し、共生教育の推進モデルを創設するという方向に修正をさせていただいているところでございます。
 24ページ目、以下、先ほど申し上げましたように、共生教育の推進モデルという用語の方に統一をさせていただいているところでございます。
 24ページ目の6ポツの「おわりに」の3つ目でございますが、宮﨑委員の方から「はじめに」のところもそうなんですが、障害者権利委員会の報告を受けた記載について指摘がございました。それを踏まえまして、「はじめに」も触れてございますけれども、こちらの終わりのところにも、本報告は、障害者権利委員会の勧告の趣旨を踏まえ、取りまとめを行ったところであるが、引き続き、インクルーシブ教育システムの理念の実現に向けてうんぬんかんぬんと文言の追記をさせていただいてございます。
 また、25ページの方でございますが、この流れでございますけれども、小中高等学校のいずれかを一体化する共生教育の推進モデルの創設に向けた取組に期待したいと修文をさせていただいています。
 25ページ、3つ目でございます。こちらは梅田委員の方、また、竹内委員からも、障害理解教育についてということで御指摘いただきまして、具体的には、一段落として記載を増やしてほしいといった御指摘を踏まえまして、少し記載の方を充実させていただいております。「特別な教育的支援を必要としている児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や、必要な支援の充実を図るためには、校長をはじめとする教職員及び障害のない児童生徒に対し、障害特性や障害に対する理解を深める取組を進め、障害のある児童生徒が特別な存在でなく当たり前に共存し、通級による指導などの特別な支援も、特別でないと受け止められる環境の醸成が重要である」というように修文をさせていただいてございます。
 あと、「併せて」のところは、専門性の向上ということで記載してございます。
 また、25ページの最後のポツでございますが、前回、帯野委員から、アメリカにおきます障害者雇用の状況ですとか、国内企業の状況等の御発表を踏まえまして、就労を見据えたキャリア教育の推進について、追記をしているところでございます。
 具体的には、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく変化しており、障害者の雇用環境も国内外を問わず、多様化していると。このような社会の変化に対応するためにも、障害のある児童生徒が自己理解を通じ、自己肯定感、これは小枝委員からも肯定感といった御指摘を踏まえて追記してございます。自己肯定感を高め、自立や社会参加に向け、主体的に進路選択ができるよう、必要な基盤となる能力や態度を育てるキャリア教育の推進が重要となるというような一文を設けさせていただいております。
 駆け足になりましたが、以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。駆け足とおっしゃいましたけれど、大変丁寧に、どのような形で委員の皆さんの御意見を反映したかということ、また、反映は必ずしもしていないけれども、現行法等を含めて、このままの文言でも御理解いただけるのではないだろうかということ、更には財政当局との調整が必要であるため、この表現で、今の時点ではお願いしたいといったような御説明、大変御丁寧にいただいたかと思います。
 とはいえ、これを今改めて、事前に御覧いただいているかと思うのですけれども、御覧いただきまして、もう少しこうしていった方がいいのではないかとか、あるいは御質問等がございましたら、お願いをしたいと思います。「手を挙げる」のボタンを押していただけますでしょうか。
 市川先生、すみません、お待たせしました。
【市川(裕)委員】  すみません、市川です。全国特別支援学校長会の市川でございます。
【荒瀬座長】  よろしくお願いいたします。
【市川(裕)委員】  時間がないので、先に気になるところをお話しさせていただいて、申し訳ございません。まず、19ページのところですが、特別支援学校の特別支援教育コーディネーターの役割の重要性ということは、小中学校の支援のために極めて重要だと私も思っています。
 最後の行なんですが、「校長は適任者を指名するとともに」と書いてあるんですけれども、これがなかなか指名ができないんです。というのは、この中に適任者がいない場合、誰を指名しようかということで悩むんです。これはおっしゃるとおりなんですけれど、これが非常に難しい場合もある。
 今後の流れ、今後の方向性の中で、センター的機能の充実を検討する必要があると記載していただいていますが、特別支援教育コーディネーターの採用とか配置とか異動も含めて検討していただけると有り難いです。というのは、非常に小中学校支援できる力を持っている教員というのは限られているので、その教員がほかに移動してしまいますと、学校の中に誰もいなくなっちゃうと。もしくは、別の学校から来る方の中にそういう方がいない場合が多いので、養護教諭とかと同じ形になっていると私は思っていますので、それをよろしくお願いします。
 それと、また、次の特別支援学校を含む複数のところですが、インクルーシブ教育の方での複数の特別支援学校を含めた2校以上連携したそれぞれの学校を有するという設置のことです。共生教育の推進モデルを創設する。これはすばらしいことだと思っております。是非検討を進めていただきたいんですが、今回、通常の学級における児童生徒の支援という委員会でしたが、特別支援学校の立場からしても、このことというのは今後も本当に検討してほしい。特別支援学校の在り方ということからも、小中学校の近くにつくった方がいいとか、小学校の敷地につくった方がいいとかということというのは、これから絶対大切になるので、ここに書いていただいたのが、特別支援学校も大きく関わるんだということで、書き方どうこうを変えるということではなくて、是非これは今後も検討してほしいというお願いでございます。
 最後ですが、知的障害を対象とする通級による指導のことで、23ページの下から2番目の丸、現時点で全国の小中学校の知的障害を対象とした通級による指導を導入する場合は、教科指導の補充という誤った運用を助長しかねないというんですが、確かにおっしゃることはよく分かるんですが、逆に言うと、特別支援学校も含めて、知的障害のある児童生徒の自立活動の在り方というのが明確ではないんだと思っているんです。もともと自立活動は養護・訓練なので、肢体不自由のある方とか聴覚障害のある方等々は、結構こういうことをやっていけばいいよということがあると思うのですが、知的障害のある児童生徒の時間による自立活動の指導というのはなかなか難しいと私は思っています。
 ですから、ここは、お気持ちは分かるんですけれども、逆に言うと、知的障害のある子の自立活動の指導の在り方の検討も含めみたいなことをどこかに入れておいていただけると、教科の補充は誤った運用だよというところばかりに注目が行かないで、今後、あるべき姿をしっかりやっていく必要があるみたいなことの方がいいかなと思っています。
 すみません。以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。ほかの方が手を挙げていらっしゃらないので、今の点、2つ目は是非特別支援学校の立場からもというお話でありましたが、1つ目と3つ目について、生方企画官、山田課長ですか。
【山田課長】  ありがとうございます。御指摘、ありがとうございます。大変重要な指摘だと思います。コーディネーター、おっしゃるとおり、誰を配置するのかと、こういう問題も学校だけでなくて、教育委員会としても是非御検討いただくべき話だと思いますので、御指摘を踏まえて事務局で書きぶりを検討いたします。
 複数校を一体化した共生教育のモデルの創設については、先生の御指摘のとおりだと思います。交流及び共同学習の推進においても、地理的にも学校が優れた環境にあるということが大事だと思いますので、今後もこういった提言を頂ければ、我々の方でも説明に留意をして検討していきたいと思っております。
 最後頂いたところは、このセクションが、先生おっしゃるとおりなんですけれども、殊更知的障害を対象とした通級による指導を何で全国展開が難しいのかということを書いているところでもあって、おっしゃるとおり、自立活動は教科と無関係である必要はもちろんないんですけれども、そういう運用、しっかりと自立活動として実施していただくと。特に通級については、そういったことも重要だと考えていまして、誤解されたまま、教科補充のために人がどんどん来るらしいというような誤解のために、障害のある子もない子も何でも終わってしまうというような状況が仮に生じてしまうと心配なので、こういう書きぶりにさせていただきましたが、先生の御指摘も踏まえて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。それでは、今、手を挙げていらっしゃる方4人いらっしゃって、順番に御発言をお願いしたいと思います。竹内委員、氏間委員、池田委員、野口委員の順番でよろしくお願いいたします。では、竹内委員、どうぞ。
【竹内委員】  竹内です。本来ならば、前回にもう少ししゃべった方がよかったことも含めてメモ書きしたもので、僕は資料2-2の方で書いてしまっているので、ちょっとずれているかもしれませんが、御了承ください。
 まず、最初の3ページのところの8.8%という数字があったんですけれど、これ、前回のときにもいろいろな委員から御指摘があったと記憶しているんですが、こだわっている理由は何なのかということと、書くならもう少し丁寧に書かないと、この数字が独り歩きする可能性があって、僕は非常に危険だなと思っています。特にメディアの人間からの視点でいうと、この数字に飛びつくメディアは少なくないんですけれど、これ主観ですよね。教師の方の主観。つまり、僕がそう思っていても、違う先生が違うように思っている可能性がある数字を出すということに対する危険があると思うので、もう少し書くなら丁寧に書いていただいた方がいいかなと思いました。
 あと、順不同でいろいろなこと言いますが、可能な限り共に学ぶみたいに書いてあると思うのですけれど、「可能な限り」という表現は危険かなと思っていて、それぞれのところで可能ではないと思ったら、そう判断してしまうというようなところがあるので、ここは文言は考える必要性があるのかなと思いました。あまり原則とかという言い方もできないとは思うのですけれど、可能な限りというと、うちは可能ではないからできないということを言いかねないだろうなという感じがすごくしています。
 あと、9ページのところの自立活動が出てくるところ、文言があるんですけれど、これは、先ほど市川先生もおっしゃっていたと思うのですけれど、自立活動について、改めて、枠囲みでもいいので書いておいた方がいいのではないのかなという気がしました。数字で出ているので、改めてということではないのかもしれませんけれども、書いておいた方がいいのかなと。これ、後の方にも関わってくるのかもしれないんですけれど、結局は、要は社会に出るまで、これができるようになるかどうかということを目指すということだと思うのですけれども、これ、僕の読みが甘いのかもしれませんが、通常学級でやれているかというアセスメントのところがすごく薄い感じがしていて、これ、きちんと自立活動をやったらどういうふうに通常学級、あまり僕、通常学級という言葉は使いたくないんですけれど、通常の反対は異常だから使いたくないという理由があるんですが、通常学級でやれているかということをきちんとPDCAで回せるようなものを提起した方がよいのではないのかなと感じました。
 あと、本当に細かいところで恐縮なんですけれど、最初の、これも順不同で恐縮なんですが、「はじめに」のところで、結構増加というような言葉が出てきていたと思うのです。これ、増加は増加でもいいと思うのですけれど、状況によっては顕在化だと僕は思っているんです。特別支援教育を必要とする生徒は顕在化しているのであって、昔からいたにもかかわらず、顕在化していなかったというところがあると思うので、使い方かもしれないですし、逆にあまり強調し過ぎてしまうと分離みたいなイメージになりかねないので、文言は気をつけた方がいいのかもしれませんが、何となく違和感があったいうところです。
 あと、いっぱいあって恐縮なんですけれど、20ページのところに、交流及び共同学習みたいなことが書いてあると思うのですけれど、これも心証論なんですが、交流が先に来ない方がいいいなと思いました。共同学習が先に来て交流が後に来た方が、きちんと一緒に学ぶんだという認識が強調されるのではないかなと。
 すみません、テレビのコメント直しみたいな感じにしまっていて大変恐縮なんですけれど、そういったところとか、あと、これ何ページにあったのか、僕がメモがなかったんですけれど、特別支援教育関係職員と言い方が多分2回出てきたと思うのですけれども、これ、インクルーシブ教育を目指すんだったら全ての職員だと思うのです。何でこれをあえて強調しているのかというのが僕には理解ができなかったので、この文言は要らないのではないかなと思いました。
 それから、これ、この辺のところはもう心証論の話なのであれかもしれませんけれど、これの、報告書の書きぶりのところでいうと、特別支援教育に関する校内支援体制の充実と、最初に来ているんですけれども、これ、4ページで来ていると思うのですけれど、これはそもそも誰のためにやるのかということを前にも少しお伝えしましたが、本人、保護者のためにやっているわけですよね。だから、順序の問題なんですけれど、こういう人たちのためにこういうことをやるんだ。だからこういうシステムが必要なんだみたいな書きぶりの方が僕は届くのではないのかなという気がすごくしています。
 あと、最後に2つほどあるんですが、この前も先生たちの意見で出た共生社会推進校の話ですけれど、これはもしやるとしたら、どのぐらいまでに成果を出すとか、そういうことは書かなくても大丈夫なんでしょうかということが1つ。もしやるのであればです。モデルとしてやっていくのであれば、何年以内にやるとかそういうことも必要なのではないかということと、もう一つ、あと、一つ一つの文章が長いものがあってすごく分かりにくいので、もう少し端的にお願いできればと思います。
 以上です。
【荒瀬座長】  竹内さん、すみません。回線がやや途絶えてしまったみたいで、最後の2つとおっしゃった後、もう一度、大変申し訳ありません。繰り返していただけますでしょうか。
【竹内委員】  すみません。こちらこそ申し訳ありません。最後の2つは、1つはモデル校みたいな推進モデル、共生教育の推進モデルにおいて実現するということなんですけれども、これはどのぐらいの目途でやるかみたいなものというのは考えておられるのかというのが質問です。もし出すんだったら何か目標をつくった方がいいのかなという気がしましたというのが1つ。
 あと、幾つか文章が長すぎて、どこに向かって書いているのかがかなりよれよれの文章がすごくたくさんあるので、もう少し短めの文章で分かりやすく書いた方がいいいと思いました。すみません、長くなりました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。もういよいよ最後でありますので、いろいろ出していただいた方が有り難いと思います。後からまとめて、また事務局の方から対応していただく内容を言っていただければと思います。
 では、氏間委員、お願いいたします。
【氏間委員】  すみません。2点お願いいたします。1つは10ページ目のところの自立活動のところです。
【荒瀬座長】  資料2-1でいいんでしょうか。
【氏間委員】  そうです。2-1の資料の10ページです。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。
【氏間委員】  上から2つ目の丸になります。申し訳ないです、時間を取りました。
 これ、単なる教科の遅れを補充する指導を行っている学校もあるのでというところがあるんですけれども、確かに、目的が教科の補充になってしまうと、それは問題かなと思うのですけれども、ただ、自立活動の6区分27項目を目的として行う際に、日常の教科で取り扱っている内容を題材にして、その目的に迫るという指導はあっていいものだろうと思われるんです。
 例えば、文字の読み書きを習得するということは、6分目のコミュニケーションのところの教室とか授業とかというような辺りを目的にするために、例えば、今使っている国語の題材を利用して行うとかといった指導は、これはあっていいだろうと考えられるんですけれども、ですけれども、ここで単なる教科の遅れを補充する指導を行っている学校とどーんと書かれてしまうと、今、私が申し上げたようなところまで、なかなか考えてやっている人たちが少し難しいかなとなってくるので、確かに書いてあることで、単なるというところで、その辺りを汲(く)んでくれということは十分にあり得るかなと思うのですけれども、ただ、それがどう取られるのかなということを考えると、もう少し補足があってもいいのかなと思いまして、例えば、自立活動の目的を達するために、授業で用いている題材を利用することはあり得るけれども、単なる各教科の遅れを補充する指導といった具合に、こういった具合での扱いは許容されるだろうけれど、許容というかあり得るだろうけれども、そういった具合に書くような形を取っていただけると実態に即した形になるのかなと思います。私も教科指導のためが目的になった自立活動というのは、それは自立活動ではないと思いますので、そこは同意なのですがということです。
 あと、もう一つ、14ページ目のところですけれども、丸の3つ目のところです。4つ目かな。目が悪いもので申し訳ないです。そうですね、3つ目のところの下の方に出てくるのですけれども、例えば大学等とも連携し、特別支援教育や自立活動に関する研修会と書いてあるのですが、ここは先ほどの御指摘ともかぶるのですが、これは特別支援教育や自立活動に限定するということによる副作用のようなものが懸念されるかなと思います。というのは、先ほども御指摘にあったように、通常の学級でのインクルーシブ教育システムを推進していくというところが一つ大きな背景にあるのかなと思うのです、ここの文章は。ということは、特別支援教育とか自立活動に関する研修会とかということではなくて、もう少しインクルーシブ教育システムを推進することを目指しての教科等の指導とか、そういったところまで書いていただけた方がいいのかなと。これ、特別支援教育だとか自立活動だと限定してしまうと、本当にそこに関係している部分と限定的に捉えられることが懸念されるわけなので、その辺りはもう少し、そういったことをしていただけるといいのかなと思います。
 あと、もしかしたらば、教科指導のことと教職関連のことで相入れない部分もあるのだといったような御事情があるのであれば、是非縦割りの部分を少し解かせていただけるといいのかなと思うのですけれどもという2点です。失礼いたしました。よろしくお願いいたします。御検討お願いします。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。たくさん手を挙げていらっしゃるので、どんどん御指摘を頂きたいと思います。では、池田委員お願いいたします。
【池田委員】  よろしくお願いいたします。事務局の先生方、これまでの意見を反映していただいてありがとうございます。私の方からは細かいところ、何点かお伝えしたいと思います。
 資料2-1でお話しさせていただきます。最初は4ページ目の3つ目の丸と、7ページ目の4つ目の丸で同じなのですけれども、推計値を示す際の括弧の使い方が本文とのつながり上、おかしなところがあるので、御確認いただければと思います。
 次が8ページ目の2つ目の丸なのですけれども、「常日頃から学校のこと」というところで、括弧内で「学習指導要領に定められた指導目標・指導内容等」という記述があるのですけれども、それだと、ここは指導を外しての表記が正確かと思います。「目標・内容等」というところで、よろしくお願いします。
 続いて、10ページなのですけれども、ここは3つ目の丸になります。小学校において、通級による指導を受ける児童生徒が増える一方で、中学校ではあまり伸びていない実態があるというところなのですが、事実ではあると思うのですが、あまり伸びていない実態という言葉を使うと、誤解も招くかなというところが懸念されます。言いたい趣旨というところは、必要な生徒に対して継続した支援が行われていない可能性があるということを少し懸念するということを伝えたい箇所かと思いますので、「あまり伸びていない」という言葉だと、伸びた方がいいのかとか、そういう違った議論になりそうなので御検討いただければと思います。
 あと、22ページ目になります。4つ目の丸です。共生教育の学校の仮称のところを変更いただき、ありがとうございました。こちらの方が丁寧に伝わるかと思います。ただ、一方、共生教育という単語が少し気味になったところです。先ほどお伝えしたところとも関連するのですけれども、共生教育というと、この単語が人権教育等と同じレベルの単語のように思われてしまって、そうすると少し趣旨が変わってきてしまうかなと思いました。共生教育という単語を調べたら、ここの部分にしか使われていなくて、どんな単語が代わりにいいのかというところは難しいのですけれども、共生教育の推進モデルというよりは、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育の推進を行っていくモデルというところなので、言葉尻を捉えた御指摘になってしまいそうで恐縮なのですけれども、共生教育という単語について御検討いただきたいなと思います。
 最後なのですけれども、同じく22ページの一番下の5つ目の丸ですけれども、「それぞれの学校が有する教育生活を高め合い」という表現がありますが、多分成果を高め合うというよりは、教育効果を高め合いの方がいいかなと思いました。
 すみません。細かい指摘になりますが、よろしくお願いいたします。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、野口委員お願いします。
【野口委員】  よろしくお願いします。前回、私、欠席をしましたので、前回、本来は指摘する内容だったかもしれませんが、今回お話しさせていただきます。4点あります。
 1点目が、2-1の資料でお願いします。まず、5ページ目の初めの丸なのですけれども、特別支援教育コーディネーターが役割を果たせるよう、校長の方で体制を整えるという言葉があって、すごく大切なことだと思います。ここをもし可能であれば、より具体的にどのようにして体制を整えるべきなのかという施策、例えば専任化を検討したり業務負担を適正化したりするなどを通して役割を果たせるような体制を整えるなど、具体的に施策例を入れた方がより推進されるのではないのかなと思いました。
 次、また同じ5ページ目の校内委員会の在り方です。こちらも、本会議で私も意見をさせていただいてきたとおり、通常の学級における工夫について取り上げてくださっていてありがとうございます。ここについて、困難さ、通常の学級において、普通の学級だけではないですけれども、障害のある子供が持っている困難さの要因というところが、本人の機能的な障害にあるというより、通常の学級が多様な子供がいることが前提になっていないところとか、困難さの要因は環境との相互作用でありということなど、障害の社会モデルを前提とした記載にできないかというところを御相談したいです。有識者会議の報告書案においても通常の学級の教員は社会モデルを踏まえて授業づくりをすべきとありますので、そこの文脈を踏まえた記載にできないかなと思っていました。
 そのため、すぐに個別の支援は別の場での支援を検討するのではなく、まずはユニバーサルデザインや個別最適な授業など、多様な子供がいることを前提として学級全体に対してできる工夫を、まず実施する。その上で、書いてくださっているように、学習指導要領にある配慮事項などを通常の学級の中でできる個別的な支援をする。その上で別の場を検討するという、この段階です。通常の学級の中でできる工夫の中に、全体に対してできる工夫の記載がないと、どうしても個別的な支援というところばかりに目が行ってしまって、それはできませんという話になりがちですので、全体に対してできる工夫を、まず検討してくださいということを記載いただけるといいのかなと思いました。
 次です。13ページ目に通級による指導について書いていただいているのですが、ここの2つ目の丸のところで少し触れられていますが、通級の成果は本人への個別的な支援、取り出して通級で指導する、支援するというのみでなく、通常の学級における環境調整などの工夫があってこそ成果が出るものだと思います。逆にそれがないと、本人だけにどんなに訓練的な内容をやったとしても、通常の学級が変わらないと、多分成果は出ないと思うのです。恐らく成果が出ているところというのはそこが肝になってくると思うので、通級の教師と担任との連携をよりやるべきとか、通級教師が通常の学級に入り込み、支援を実施するなどの連携方法について記載することがいいのではないかと思っています。
 最後です。共生教育のところです。すみません、ちょっと言葉が入っているのでですけれども、22ページのところですが、先ほど池田委員からもあったように、共生教育の言葉です。これ、どうしてインクルーシブ教育ではなくて共生教育にしたのかというところが気になりました。共生教育、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育推進モデルとかという形でもいいのではないのかと思いました。
 また、可能な限り共に学ぶの竹内委員の御指摘、そのとおりだなと思いました。本来、インクルーシブ教育は障害のある子供の権利として保障されるものだと思いますので、可能な限りを本人の視点ではなく、周りの人や仕組みが可能ではないとしてしまっているケースが今多いと思うのです。その結果、今回の国連の勧告だったのではないのかなと思うので、そう考えると、今回のモデルというのは国連の勧告にあるようにインクルーシブ教育、つまり障害の有無に関わらず共に学ぶこと、一人一人に必要な合理的配慮を提供するという障害のある子供の権利をより保障するための仕組みを検討するためのものであるということを、その目的も含めて記載された方がいいのではないのかなと思います。
 また、モデルの中で検討すべきこととして、教育課程などについても触れられていると思うのですが、そのほかにも障害のない子供に対するアプローチ方法も本モデルで検討する旨を記載できないかなと思いました。例えば障害のある人の権利だったり、社会モデルや社会構成教育などについても検討するなどできないかなと思いました。また、このモデルで検討するだけではなくて、モデルの成果を踏まえて、その後、ほかの地域や学校にも展開していくことを検討するということ、ただモデルで検討しますではなくて、そこから更にどのように広げていくかというところまで、詳しくは書けないと思うのですけれども、広げていきたいと思っているということは書けるといいのではないのかなと思いました。
 すみません、長くなりましたが、以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、あと笹森委員、喜多委員、帯野委員、そして滝川委員の順でお願いいたします。笹森委員、どうぞ。
【笹森委員】  ありがとうございます。笹森です。今、野口委員のお話の中の社会モデルと少しかぶるのですけれども、報告書のつくりが、始めに概論を述べて、あと、特別支援教育に関する校内支援体制の充実で、いきなり校内委員会の機能強化という項立てになるのです。その前のところで、学級経営だとか合理的配慮のことを触れていただいているのですけれども、この辺りのところで、校長をはじめとして、全ての教員が例えば共に学ぶという意識を高めつつ、通常の学級での、どの子にも分かりやすい授業づくりだとか、互いに認め合う学級集団をつくっていくだとかというところが書き込まれているといいのかなと思いました。
 2のスタートが学級経営で求められるというところからスタートしているので、この辺りのところを少し、先ほどの通常の学級のまず、どの子にも分かる授業をということが前提となってという野口委員の御指摘もあったところですけれども、その辺りのところから始まると、全ての教員がまず通常の学級での授業からというところを踏まえていくという流れができるかなと思ったので、書けるとしたら、ここが一番頭に来るといいのかなと思いました。
 校内委員会の機能強化の前に、もしかしたらそういう通常の学級における全ての子供の何とか何とかという項立ての中で進めていくといいのかなと思いました。
 それを受けて、2-1の資料の8ページの具体的な方向性の四角囲いの最初に、「校長は」というところですけれども、その前に全ての教員がという何か書きぶりが1つ入ってくるといいかなと。これは学級経営のところで、その後、書いているところですけれども……、ごめんなさい、学校経営の部分で。なおかつ、全ての教員がという書きぶりがあるといいかなと思いました。
 13ページの具体的な通級の方向性の最後のところですけれども、加えていただいて、通級が受けやすくなるような周りの声の配慮、理解、啓発化を書いていただいてありがとうございました。ここでも、校長先生をはじめとしてなのだろうと思います。学校として、校長先生がもちろん推進はするのですけれど、ただ、通常の学級の先生も含めて、全て教員が通級というものの価値づけみたいなことが分かっていて、理解啓発を推進する必要があるかなと思ったので、校長及び学校がとか、何かそんな表現がいいのかなと思いました。
 前回いろいろお話をさせていただいた部分が随分反映されてきて、各委員のお話も修正がなされているかなと思っていますので、ありがとうございました。私からは以上です。よろしくお願いします。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。それでは、喜多委員、お願いいたします。
【喜多委員】  喜多です。資料2-1でお話しさせていただきます。今、野口委員と笹森委員からあったお話とほとんど同じではあるのですけれども、4ページ目の1つ目の丸のところに、障害のある児童生徒を含む全ての児童生徒がうんぬんと書いて、学級経営が求められると。その上で、担任としての集団における授業の工夫であるとか合理的配慮の提供を行うことが重要ということは書いているかと思うのですが、これだけ8.8%の子供たちがいる中で、担任ができることというものを明確にしていくことは必要なのかな、その上での個別的な支援だったりなのかなとすごく感じました。
 ですので、先ほど野口委員もお話のあった、ユニバーサルデザインに関しては、文科省でも様々なところで触れられていますので、今、小中学校ではユニバーサルデザインがかなり定着をしてきているところではあるのですが、改めて、その支援、授業におけるユニバーサルデザインであるとか、学級経営におけるユニバーサルデザインの在り方をしっかり身につけた上でみたいなところを書いていただけるといいのかなと思いました。
 4ページの一番上と5ページの最後の丸のところにも、通常の学級の中でできる支援、方策と書いてありますので、その部分をしっかりと書いていただくのが大事なのかなと思いました。
 もう1点です。令和の日本型学校教育でもあったと思うのですけれども、教員が身につけるべき資質の中に、特別支援教育に関わるものが入っています。
【荒瀬座長】  すみません。喜多委員、お声が聞こえなくなりました。ちょっとお待ちください。聞こえますでしょうか。
【喜多委員】  大丈夫ですか。ごめんなさい。
【荒瀬座長】  すみません。もう一度お願いできますでしょうか。
【喜多委員】  すみません。じゃあ、もう1点だけ。
 4ページ目の一番上の丸なのですけれども、「障害のある児童生徒を含む全ての児童生徒が」とあるのですが、ここの部分の捉えなのですけれども、全ての児童生徒の中には、文科省でも多様な背景を抱えているというようなことが書かれているかと思うので、そういった子供たちも含めた多様性を尊重して学級経営していくのだというようなことが書かれていますので、そういった文言の追記もしていただけるといいかなと思っております。
 以上です。長くなりました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。帯野委員、お願いいたします。
【帯野委員】  ありがとうございます。まず、最後にキャリア教育の推進を書き込んでいただいてありがとうございました。これで、少しでも、知的障害者にとって多様な就業形態があるということが社会で共有できればなと願っています。
 それで、もう一つなのですが、先日申し上げた採用時のインセンティブ、文科省の方からどれぐらい教育委員会に細かなことが求められるかというのは、分かりませんが、通級で指導できる教員を増やすということについて、小中の基礎定数化もありましたし、特に研修については、たくさん書き込んでいただいているので、これはとても大切なことだと思っています。
 ただ、現実的に、今、ブラックと言われている教員の職場で、どれぐらい研修が充実させられるのかというのはなかなか難しいところもあると思いますので、そうすると、これから将来を担う教員に期待するというところが大きいと思います。それについては、この間、特別支援教育の科目の単位の増加を言いましたが、その実現が難しいとすると、少なくとも今の科目の中にもう少し発達障害に対する理解を深められるような、科目を充実させるという方法が一つ、あるのではないかと思います。
 例えば、採用時に特別支援学校教諭免許を持った候補者に、応募者に加点をするということでだけではなくて、この間、少し申し上げましたように、障害者の支援であるとか、あるいは何らかの教育活動、これに自主的に参加した学生や候補者にインセンティブを与えるような、何かそういう採用時の配慮ができないのかなということで、そのことを少しでも教育委員会に求められたら、もう少し幅広く通級で指導できる教員が将来的に増やせるのではないかなと思いますので、御検討いただけたらと思います。よろしくお願いします。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、滝川委員、お願いいたします。
【滝川委員】  では、よろしくお願いいたします。本日もありがとうございます。
 10ページ以降のところで、通級による指導の実施形態等という項目で丸が続くわけですけれども、その中で、11ページで、自校通級、他校通級、巡回指導という形態でのメリット、課題というものが書かれています。そして、それを押さえた上で、12ページの下から2つ目の丸のところで、ICTを活用した指導ということのくだりがあるわけですけれども、ここのところについて、1点確認させてください。通級による指導においてもICTを活用した授業というものが、授業として認められると解釈した上で、この文言があるということでよろしいのでしょうかということを確認したいと思います。
 そうであれば、下から2つ目の丸の2行目のところになりますが、「学校におけるインフラ整備が進む中、自立活動についても」と、突然、自立活動のことが出てくるので、インフラ整備が進む中、通級による指導においてもICTを活用した同時双方向型の遠隔授業というような文言を書き込めるのかどうなのか。もし書き込んでいいのであれば、ここは是非書き込んでいただきたい、と思います。
 ここのところは、今、病弱教育においても遠隔教育による教育支援が、病気療養中の児童生徒を対象とした授業として成立するので、通級による指導においても、先ほど出た自校通級、他校通級、巡回による指導に加えて、ICTを活用したオンライン授業という形態も進めていくことができるのか、ということをここで確認させていただき、今後の課題、あるいは今後、検討する、という項目であれば、そのような書きぶりできないかと考えます。が通級による指導においても遠隔授業でやることは有効な手段になると解釈していっていいのかどうかということの確認をしたいと思いました。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、藤井委員、お願いいたします。
【藤井委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。今回の検討会議のタイトルにある通常の学級に在籍する障害のある児童生徒、また、児童生徒への支援を支える特別支援学校、あと、通常の学校には特別支援学級がありますが、教育課程という視点で見ますと、やはり一番重要になってくるのが自立活動ということだと思われます。そのことについての理解が、非常に重要でして、特別支援学校、教員免許上のコアカリキュラムの中でも、しっかりと自立活動について1欄だけではなくて、2欄、3欄においても位置づけられるとなっているかと思います。
 そういった視点から見ますと、私は現場の先生と関わりがありますが、例えば、私は言語障害のある子供たちを担当する先生たちとも関わりがありますが、言語障害を改善することが目的となってしまうというような現状もまだまだ見られるかなと思います。障害が治っても通常の学級では不安になると、そういったことであっても通級による指導が終了してしまうというようなこともまだまだあるということも聞いています。
 そういった自立活動とは何ぞやということについての理解というものが根本的において、障害のある子供たち、特別な支援を必要とする子供たちの教育の理解と教育において非常に重要であるということが、この検討会議においてもとても重要なポイントになってくるのでははないかなと思います。
 障害種別ではありません。教科の学級における教科の学習上の困難、生活上の困難に対応するものなのであり、そして、個別の指導計画ということが、小学校の学習指導要領に位置づけられているのですが、例えば資料2-2で言いますと、10ページや14ページに、10ページで言いますと2つ目の丸に「指導要領の自立活動」の内容という文言や、14ページも3つ目の丸に「自立活動の指導について十分理解しないまま」とありますが、現場の先生たち、あるいは学生さんたちの様子を見てみますと、自立活動の内容ということの文言からすると、まさに6区分27項目の一つ一つが指導内容であるかのような捉えというものがまだまだされている現状があるかなと思います。
 そうすると、学習指導要領といいますと、第3の個別の指導計画の作成と内容の取扱いが非常に重要になってくるのですが、そういった個別の指導計画、自立活動における個別の指導計画という文言も、小学校の学習指導要領の解説にもしっかり書かれておりますので、内容という文言だけが書かれてしまいますと、つまり6区分27項目が内容であると、指導の内容であるという理解がされてしまうこともありますので、やはり第3の個別の指導計画の作成と内容の取扱いといったところ、個別の指導計画を作成する意義というものを、また少し加えていただけると誤解がなくていいのではないかなと感じた次第です。
 以上になります。よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、奥住副座長、お願いいたします。
【奥住副座長】  すみません、奥住でございます。副座長の立場でございますが、感想を申し述べさせてください。細かいところの文言というよりは、全般的な私の感想でございます。この案につきましての感想でございますが、3点ほどですけれども、1点は、本検討会議が発足当初に、まず、1つの大きな目的と挙げた通級による指導の意義、あるいは、その充実についてがきちんと検討された中身が反映されているということが大事だと思っています。このことについて言えば、例えば、自校通級の話も含めて、あるいは量的拡大の話を含めて書いていただけるということは、これ、私は大事なことだろうと思っています。
 2点目としては、一方で、何となくアンチテーゼのようにも聞こえるのですが、通常の学級の障害のある子の支援については、それはいきなり通級ということではなくて、その子供が在籍する学級集団の中で、どう学び、活躍できるかということの大事さがきちんと示されているということなのだろうと思っています。
 ややもすると、通級の拡充というところに視点を置き過ぎることによって、通常の学級でも障害のある子は、まずは通級なのだというところに誤解されないような形で、きちんと示されていると。分かりやすく言えば、在籍の学級の中で、どういうことをすると障害のある子も含めて全ての子供が学びやすくなっていくのかと。そういうようなことを踏まえたときに、でも、それでも特別な指導が必要な子供というのをどのような形で発見してつなげていこうかと。その成果を、更に在籍の学級の中で活用していこうかというようなことの中に通級による指導があるのだということが、私は書き込まれていてとても大事な視点だろうなと思っています。ある意味、1つの在籍学級を中心とする多水準的な支援の1つに通級があるのだということが、私はよく分かるのでははないかなと思って読ませていただきました。
 3点目としては、さらにそれを発展する形で、障害のある子供も含めて、様々な個性的な多様な子供が、共に学び合えるような学校システムということの将来的な可能性まで書き込まれたということでございます。これについても、当面はモデル事業ということで、現行法令や規定の中でどこまで可能で、とはいえどこから先に変えなければいけないのかということが恐らく明らかになっていきますが、当面、まず、現行法令の中で進めるということで成果が出れば、それは現在ある1条項の中でも、どんどんそれを応用していけるということにもつながると思いますので、このモデルについて、先ほど多くの委員からも出ましたけれども、できるだけ早めに改正をしていって、期限を決めて成果をつくっていきたいと思って、聞かせていただきました。
 雑ぱくな感想ではございますが、以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。ほかに御意見は今のところ、手を挙げていらっしゃる方はいらっしゃらないので、今の時点で、事務局の方で承ったことについて話をしてもらいたいと思います。御質問等もございました。今、お答えいただけるのであれば、お答えも含めて、よろしくお願いいたします。
【生方企画官】  ありがとうございました。まず、先ほど明確な御質問がありました、滝川委員からの御質問でございます。12ページのところでございます。4つ目の丸、これは通級による充実のところでございます。通級による指導のところでございますけれども、まず、現行においても、ICTを活用した自立活動が可能なのかといった御質問につきましては、今現在、文部科学省においても、ICTを活用した自立活動についてのモデル事業を実施しているところでございますし、これは制度的には可能でございます。位置づけとしましては、遠隔による合同授業といったような位置づけでございまして、ただ、その配信側、受信側にもそれぞれ教員がいるといった状態でございます。
 ですから、滝川委員の方から先ほど御案内ございました、病気療養児につきましては、そこの部分は、病院等で療養中の生徒さんもいらっしゃる、児童生徒もおりますので、受信側の方には教員がいなくてもいいという特例も設けられている運用がなされているといった状況でございますけれども、いずれにしましても、今現行上、通級による自立活動については、ICTを活用することは可能といったことでございます。
【滝川委員】  ありがとうございます。よろしいですか。
【荒瀬座長】  どうぞ。
【滝川委員】  今のお話、分かりました。ありがとうございます。もう一度だけ確認ですけれども、今、遠隔による自立活動はオーケーだということでしたけれども、私が聞き逃したのかも分かりませんが、遠隔による通級による指導については、原則、受信側、配信側に教員がついていないといけないけれども、病気療養児の場合については、受信側に教員がいなくてもよいというようなことに聞こえたのですが、いかがでしょうか。ここの点、確認させてください。と申しますのは、具体的にいいますと……。
【荒瀬座長】  滝川委員、すみません。恐らく文部科学省内の電波の関係かと思うのですけれども、先生が今おっしゃった途中で、お声がまた聞こえなくなってしまいました。通級によるというところでお話をなさっていたあたりから、申し訳ありません。もう一度お願いできますでしょうか。これ、ほかの委員の方は聞こえていらっしゃるのですね。今の滝川委員の。ああ、ありがとうございます。文部科学省内で電波の不具合があったようです。すみません。では、滝川委員、恐れ入ります。もう一度お願いいたします。その部分から。
【滝川委員】  分かりました。若干重複するかも分かりませんけれども、御容赦ください。
 今の企画官からのお話の中で、遠隔による自立活動についてはオーケーだということで、そこのところについては、遠隔による通級による指導というものもオーケーだと。ただし、今のところでは、受信側、配信側双方に教員がいなければいけないということを踏まえつつ、病気療養している子供については、受信側については、通級による指導においても教員が必ずしも要しないという理解でよろしいでしょうか。と申しますのも、通常の学級に復学したお子さんが学校に行くことができず在宅をしている、自宅療養している場合があります。平成30年度に小学校、中学校の授業を配信した場合には出席としてカウントするということになりましたけれども、そこに新たに小学校、中学校あるいは特別支援学校による通級による指導によって、自宅療養しているお子さんがICT活用による同時双方向型の遠隔授業形態で、通級による指導を受けた場合に、出席授業としてカウントできると解釈してよろしいのでしょうか。
【生方企画官】  先生、申し訳ありません。ここは重要なポイントかと思いますので、病気療養児の取扱いにつきましては、もう一度、事務局の方で整理をさせていただきまして、また後ほど回答させていただければと思います。
【滝川委員】  ありがとうございます。是非通級による指導によるICT活用ということが可能かどうかということについて、よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。では、ほかの件に関しまして、お願いします。
【山田課長】  ありがとうございます。たくさん御意見がお伺いできてよかったです。取りまとめに向けて、先生方の御意向を承れてよかったなと思っております。いろいろ頂戴いたしました。大きく4つかなと思いました。一番、多くの先生がおっしゃっているのは通常の学級が基本だし、それと通級との連携は大事だろうというような御指摘。通常の学級の重要性というか、そこでどうPDCAを回して、しっかりと多様な子を受け入れていくのかということだったと思います。それを受け止めさせていただきまして、事務局で案を工夫したいと思います。
 あと、教員の質についても、何人かの委員の先生方から御意見を頂戴いたしました。これも大変重要な御指摘だと思いまして、通常の学級の先生方も特別支援学級、あるいは通級の先生方も質を上げていくことは大変重要で、採用も研修も重要だと思っております。ただ一方、昨年3月の報告を受け、特別支援教育に関わる先生方の質の向上については、障害関係、特別支援教育関係の現場のボランティアだったり、教育実習だったり、特別支援学校、特別支援学級で行ったというような場合には、採用において配慮してくださいという通知を送っています。また、10年間で必ず特別支援教育を2年以上経験してくださいという内容なども有識者会議でおまとめいただいて、それも通知していますので、そういったことを御紹介するというようなことがあり得るのかなと拝聴をいたしておりました。
 あと、自立活動は内容もさることながら、意義も重要であるとかというような、もう少し自立活動をしっかりと扱うべきではないかというようなお話も伺いました。御指摘のとおりだと思います。ただ、単に教科と書いたりとか、そこは今、誤解が生じている。通級による指導は、ほかの子がやっている問題をちょっと簡単にして同じことをやるみたいなのは、我々が思っている通級による指導ではないし、先生方も多分同じ認識だと思いますので、そこを丁寧に書くことについて、検討したいと思います。
 共生教育の推進モデルについては、前回御指摘いただいたことを踏まえて、案の修正を行いました。今回、具体の御指摘も頂きましたので、そういったところも踏まえて検討をさせていただいて、先生方に御覧いただきたいなと思います。
 以上大体、通常の学級を頑張れという話と、自立活動をしっかりという話と、教員の質と共生教育の文言というのが大きな4点だったかなと思っております。そういったことを中心に受け止めさせていただきまして、また御覧いただければと思います。
 あと、いろいろ文言が誤解を招く点でございましたり、丁寧な説明をというようなこともございましたので、そこも可能な限り対応したいと思いますが、例えば、我々は可能な限りという言葉がいろいろな場面で、我々も使っているし、先生からもそこはむしろやらない言い訳になっているのだという御指摘もありましたが、実際に全部ができるかというとできないところもあり、それをどう書くのかというので編み出して、長年使っているのが可能な限りという言葉だったり、交流及び共同学習という言葉だったり、かなり我々も長いこと、この言葉をベースに使っている部分がありますので、この会議で、一瞬でこれまで使ってきた言葉を捨てて新しい言葉にと、なかなかいかない部分もございますので、説明で補えるところは補いながら新しい案をお見せできればと、このように考えております。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。聞こえていますでしょうか。すみません、ちょっと調子がいいときと悪いときがあるみたいで、余計なことをお尋ねしました。
 ほかに、今のお話、聞いていただいて、更にその上でということがございましたら、御意見を頂戴したいと思います。もちろん御質問でも結構です。また、先ほど奥住副座長の方から、全体的に今の報告はこういったようなことが盛り込まれていて、大変重要な意味を持っているのだということで、ですからこそ、なおのこと、よりよいものにしていくということも重要であるのは間違いないわけでありますけれども、今、山田課長の方からありましたように、長年使われている言葉もいずれへ変えていくとかいったこともあるのでしょうが、今ここで直ちにそれができるかできないかということも、これは文部科学省内で検討もしていただかなければならない面もあるのかもしれません。それはそれとしまして、いかがでしょう。よろしいですか。宮﨑委員、お願いいたします。
【宮﨑委員】  本当によくまとめていただいておりまして、感謝申し上げます。私が初めのところについて、若干、前回申し上げたことについて申し上げますと、令和3年の報告と、それから4年の3月などとの整合性を取れればいいなと思ったものですから申し上げたんですけれど、3ページのよりインクルーシブな社会実現のためって、これが大きく効いているなと改めて思った次第です。何回かこれまで出された検討会議と連動する形で始めは書いてくださっているのですけれど、改めて国連の権利委員会の勧告を踏まえた上で、これができているということを皆さんが理解するような流れになるといいなと思った次第です。
 それから、奥住先生からのお話があったことに関して、読み込めるのかなというのをずっと改めて、後半の、要するに、後の方におっしゃったことです。これが読めるようにしたいと。何でかというと、実は今回の文科省の特別な教育的な支援を必要とする児童生徒に関する調査の中で、特別な支援を要するお子さんの比率が上がったと。ただし、そこは分かっているけれども、きちっと支援に結びつけていないというようなお子さんたちがまだ結構いるよということを報告として出したのですけれど、改めて通級による指導をしたときに、全体で支援ができることを若干の支援と、それから、かなり手を入れて対応しなければいけないお子さんといるのだろうと思うのです。そのことが、学級内できちっと支援ができる仕組みがどうできるかということが、担任、あるいは学校全体で協議をして対応するという仕組みが、まず大事だよということをどこで読み込むかというのが、多分、奥住先生がおっしゃったことだったのだろうなと思うので、そこは改めて、校内支援体制の充実強化という視点で読み込めるかどうかというのを見極めたいと思っています。それが自立活動等も入るのかもしれませんけれど、それが1項目あるといいなと思いながら見させていただきました。
 あとに関しては、本当に企画官、課長からお話をいただいたように、大変いい修文をしていただいて、感謝しているところです。特に私が申し上げたところで言えば、8ページから9ページにかけた専門家との連携などを丁寧に書き込みを入れていただいているので、これは大変、これからの学校に様々な専門家が入るときに非常に重要な視点なので、この点に関しては、大変いい修文ができていると思います。感謝申し上げたいと思います。
 あと、私がすごくうれしかったのは、最後の終わりのところがかなり整理をしていただいて、書き加えをしていただいたので、前文の中にいろいろ入れなくても、ここで整理できているのかなと思いながら読ませていただきました。本当にありがとうございました。
 1点だけちょっと、奥住先生の提案に沿うような、何か1項目入るといいなと思った次第です。すみません、ありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、先程、山田課長が答弁して話をしていただいたわけですけれども、幾つかというか、幾つもの検討するべきことについて、大変重要な御指摘を頂いたかと思います。全てをどういう形で盛り込めるかというのは、これからの文書をつくっていく上でなかなか課題があるかもしれません。また、この会自体の日程としては、次回が最終回ということになっておりますので、今の時点で、何らかの形のものをまとめておきたいという思いも強くございます。
 そういう点で、事務局の方で、今日の御指摘を含めて検討してもらったものを委員の皆さんに送ってもらって、委員の皆さんは、またそれを御覧いただいて、御意見を頂戴してということで、3月の最終回に出していただいて、御意見を最後頂いて、まとめができればなということを思っております。そういう段取りも含めて、よろしくお願いしたいと思います。
 では、本当によろしいですか。私は早く終わるのは大好きですけれども。
【竹内委員】  座長、すみません。竹内ですけれども。
【荒瀬座長】  すみません、どうぞ。竹内委員。
【竹内委員】  今回も前回も御発言いただいていない方がいるので、感想でもいいから伺った方がいいいのではないかと思うですが、いかがでしょうか。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。実は、次回お一人ずつ時間を取って御意見を、最後まとまった上でお話を頂こうと思っておりました。大変大事な御提案を頂いたのですけれども、今の時点ではなく最後にお願いしたいと思っておりまして、それでもよろしいでしょうか。
【竹内委員】  委員の皆様がよければいいですけれど、最後になると修正がまた大変になるのではないかと思うので、本当はあれば言った方がいいのではないかというのが個人的な意見です。
【荒瀬座長】  お送りをいたしますので、その際に御意見を頂戴できれば反映をさせていただけると思っておりますが、でも何も今、終わることを焦っているわけではございませんので、もしよろしければどうぞ。私は当てるのが基本的に、駄目な進行役かもしれませんが、当てるのが嫌いでして、私も委員として出席しているときには発言をしないこともありますので、それはもうお任せをいたしますので、御発言がございましたら、今、竹内委員から大変重要な、では、小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】  前回参加できませんでした。申し訳ありません。
 本日、資料2-1を見させていただき、また、各委員の皆様の御指摘を踏まえまして、非常にいいものができるのではないかなと、その期待を持って今、拝聴させていただきました。
 それで、1点、これだけのものをやろうとすると、結構学校の先生は大変なので、学校の先生も何か頑張れるような、やりがいがあるような何か仕組みもあるといいのかな、なんて思ったものですから、先生たちが研修しやすくなるような、あるいはスキルアップを図りたくなるような、そういう体制も国として整えていくと、あるいは各自治体にそれを働きかけていくといったようなことを書いていただけるといいのかなと思いました。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。平野委員、お願いいたします。
【平野委員】  お願いします。そうですね。自分が一番大事にしているというか、私の中でこうなったらいいなと思っているのは、これまでも何回もお話をさせていただきましたが、できるだけ一緒にいる時間、一緒に学ぶ時間があるというのが私の理想で、本当は竹内委員もよくおっしゃっていますけれど、本当は完全に、分けずに一緒に学ぶような形に日本がなっていけばいいなというのが私のあくまで理想なのですけれど、自分が教員時代に一緒にやっていた同僚で、まだ先生をやっている、特別支援学校でとか、通常の学級でも先生をやっている方にどう思うという話を聞いたりするのです。
 どんなふうに考えるかということを聞くと、大概の方がそうやって言うけれど現場は大変だよとか、自分たちの現在の特別支援学校の生徒のこともなかなか、人数が足りなくてできていないのに、更に一緒にとか、更にいろいろな外のこともとかというのは、今、正直、考えられないと言われるのです。
 いつも大体感じるのは、やはりここで話したような内容がとにかく実現していけばいいなといつも思うのですが、そのためには、教員の人数として、もちろん教員一人一人の質ももちろんそうなのですけれども、絶対的に数が足りていないというのが現場の先生たちの声なので、是非充実した公教育とか、子供たちにとっての一人一人に合った教育をするためには、人手というか人数がもう絶対的に必要だということを、非常に現場の先生たちと話していて感じますので、その辺りのことへの働きかけも、是非この会でやっていただけたら、今、話しているような内容が実現する方向に少しでも向かっていけるのかなと思いました。
 いつも皆さんに助けられており、あまり役に立っていませんけれど、ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。ラスト頑張ります。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。それでは、櫻井委員、お願いいたします。
【櫻井委員】  読ませていただきまして、本当にありがとうございました。
 率直な感想として、これは校長先生やることがいっぱいあって大変、現場の先生、やることいっぱいある、大変と思っています。先ほど小枝先生がおっしゃっていただきました。どんな支援を具体的に現場の先生方がやる気を持ってできるようになるかという文言、是非入れていただくと私も有り難いなと。どこに入れたらいいのかなと考えておりました。また、見させていただいて送らせていただければと思います。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。
 では、先程も申しましたように、御発言は御自身のお考えでと思っておりますので、ただ、竹内委員、ありがとうございました。言っていただいたおかげで、また、新しい御発言を聞くことができました。感謝申します。
 それでは、今日はここまでといたしますが、よろしいですか。では、本日はここまでとさせていただきます。
 では、次回につきまして、事務局の方からよろしくお願いいたします。
【生方企画官】  次回でございますけれども、次回が本検討会最終回を予定してございまして、3月9日、14時から16時に開催をさせていただきたいと思っています。
 先ほど座長の方からも御指摘、御示唆いただきましたけれども、まず、本日頂きました意見等につきまして、事務局の方で、また、座長、副座長とも御相談申し上げて修文案を作成し、2月中に、なるべく早く委員の先生方にメールで送らせていただきますので、そちらの方を御覧いただいて確認をいただき、また、事務局まで返送いただければと、そういった手続の方を踏ませていただければと思いますので、大変お忙しいところ恐縮でございますけれども、次回の報告の取りまとめに向けまして、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今、生方さんからお話がありました。お手間をおかけいたしますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日、これで閉会といたします。御出席いただきありがとうございました。

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