養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議(第3回)議事録

1.日時

令和4年7月29日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に向けた方策について

4.議事録

【坂越座長】  ただいまから第3回養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
 本日は弓倉委員が所用により御欠席、貞廣委員が遅れての御出席ということで連絡をいただいております。
 皆様、今日も御参加いただきましてありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、最初に、事務局の方から配付資料の確認等お願いします。
【事務局】  事務局でございます。
 まず、配付資料の確認に先立ちまして、事務局の方の人事異動の御紹介をさせていただければと思ってございます。
 7月の人事異動により、事務局の方に異動がございまして、大臣官房審議官として安彦広斉が着任してございます。
【安彦審議官】  安彦です。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】  また、同じく7月の人事異動で、健康教育・食育課長として南野圭史が着任しておりますけれども、本日は遅れての参加となりますので、また、参り次第御挨拶をさせていただきます。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日の議事次第に記載しておりますとおり、資料1として、本日御説明いただきます今村課長から御提出いただいた資料、資料2として、同じく本日ヒアリングの方で御説明をいただきます濵松校長先生より御提出いただいた資料、また資料3と参考資料1につきましては、委員の方々のみの配付となりますけれども、議論の整理のイメージ案と基礎資料の方を配付させていただいてございます。
 資料の不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 また、毎回のことでございますけれども、ウェブ会議を円滑に行う観点から、御発言に当たっては聞き取りやすいようはっきりと御発言いただく、また、御面倒ではございますが、御発言の都度お名前をおっしゃっていただく、発言時以外はマイクをミュートにしていただく、御発言の際にはZoomの挙手ボタンを押していただく、資料を参照する際には、資料番号でございますとか、ページ番号、もしくは該当箇所等を分かりやすく示していただく、また、なるべく多くの委員から御発言を賜りたいと思っておりますので、1回の発言は可能な限り簡潔にしていただくなどの御配慮をいただきますようよろしくお願いいたします。
 また、この本協力者会議につきましては、ユーチューブにてリアルタイムで公開してございますので、併せて御承知おきください。
 以上でございます。
【坂越座長】  事務局の御説明ありがとうございます。
 それでは早速ですけど、これから議事に入らせていただきます。
 本日は、まず前半で、北海道教育庁学校教育局健康・体育課の今村隆之課長、それから、東京都調布市立深大寺小学校の濵松章洋校長先生から、用意いただいている資料に沿って、養護教諭、栄養教諭、それぞれの資質向上に関する取組を御説明いただきたいと思います。その後、質疑応答の時間を設けておりますので、よろしくお願いします。
 それから、後半の方では、事務局に用意いただいている議論の整理、まだまだたたき台、イメージ案なんですけれども、これを基に、委員間での意見交換をお願いしたいと思います。
 では、まず、養護教諭の資質能力の向上に関する取組について、北海道教育庁学校教育局健康・体育課の今村課長様から御説明をいただきたいと思います。
 今村課長、本当に申し訳ないんですけれども、立派なたくさんの資料を用意いただいているんですが、なるべく10分ぐらいを目安に御発表をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  北海道教育庁健康・体育課長をしています今村と申します。
 このたび貴重な説明の機会をいただきまして誠にありがとうございました。時間も限られているということですので、早速、資料の方で説明をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料、一部ページ番号が抜けていて申し訳ないところがありますが、2ページ目から12ページ目まで、ざくっと北海道の子供たちの状況を説明しているところです。簡単に言いますと、肥満児傾向の出現率が高いとか、朝食を毎日食べている割合が全国より低いとかいうような状況がございます。それを13ページのところでまとめて、課題として挙げていますので、そこを簡単に説明をしていきたいと思いますが、13ページでは、主な健康課題、北海道の子供たちとして、肥満傾向児の出現率が高いことや虫歯の者の割合が高いこと、すなわち望ましい生活習慣の定着に課題があると考えています。
 裸眼視力1.0未満の者の割合が高い、増加傾向にあるということで、いわゆるスクリーンタイムの時間が全国よりも長いという状況がございます。
 アレルギー疾患の被患率も高く、一生を通じて病気とうまく付き合っていかなければならないような状況、そういった資質能力ということもありますし、鬱症状や自殺率の増加ということ、これは北海道においても、不登校の子供たちの割合が、コロナによって大きくなっているという状況です。全国の自殺率もコロナを契機に大きくなっているという状況が、全国的な傾向も読み取れると考えております。
 さて、こういうような状況の中、14ページになりますけれども、道教委として考える養護教諭に求める役割というところです。
 3つありますが、1つは、児童生徒の健康課題の解決に向けた取組のリーダー的な役割ということであります。もちろん、そのようなことで、学校内でのこうした役割ということ、また学校を越えて地域でということになれば、なおいいのかなと考えています。
 次に、学級担任や教科担任、保護者、そして専門家、医師、歯科医、薬剤師をつなぐコーディネーターの役割を果たしていただくという貴重な役割があるんだと思っています。チーム学校という考え方にも沿っていると考えております。
 また、学校保健及び保健室経営の視点から学校経営への参画ということであります。子供たちの生きる力、確かな学力、豊かな人間性、健康や体力というふうになりますが、健康というのは、その中でもそれを支えるものだと考えています。その健康を支えることの維持向上を図っていくという観点から、学校の取組としてどうするのかということで、学校経営に参画する者として、その役割をしっかり果たしていただきたいと考えているわけです。
 そして、14ページから、どういうふうに取り組むのかということでありますので、ここで3つ考えておりますが、1つは研修の充実です。個の力量というものを高めていくということ、そして2番目、北海道はもう御存じのとおり、国土面積の21%を占めていて非常に広大です。地域分散型であります。そうすると、エリアというものを考えた健康教育の推進体制をつくっていかなければならないということになるわけです。また、広域だということもあって、養護教諭が未配置の学校があります。11人未満ということで、養護教諭が配置されていないところは学校管理職とかが対応していくわけですけれども、そうしたところもあります。令和3年度でいきますと49校ということです。小31、中11、高7というような状況がありますが、ここをどうするかということであります。
 さて、その下、16ページから、この3つに沿ってということで説明をいたしますが、まず研修です。次のページの課題というところです。校内にメンターがいません。一人職場が多いということであります。
 地域で育成・支援するシステムが脆弱であるということ、実質的に任意団体、養護教員会などが実施しているということでありますが、つまりは、脆弱だという状況があります。
 コロナ禍になりまして、集合研修というものからオンデマンドやオンラインに移行しています。北海道もそういう恩恵を受けている地域でありますけれども、そういうようなこと。
 そして、毎年100名程度採用している1年目の養護教諭というものが交流の機会がなくなっているということで、孤立して退職に至るケースが散見されます。昨年でいいますと採用から5年以内の養護教諭が13名辞めているという状況であります。
 こうした中、個の力量を高めるための研修方法の工夫といたしまして、下に書いてありますように、この時代を反映して、講義形式のものはオンデマンドでいつでもどこでもということであります。
 そして、実習や協議・演習中心のものは、道内4ブロックに分けて、感染症対策を徹底しながら実施する集合研修ということです。首都圏などから外部講師をお呼びする場合に、来られないという場合にはオンラインを活用しております。ここは北海道でなくても、多くの地域でそうしているのかなと思いますが、親和性は、北海道は特に高いのかなと思っています。
 次のページに、写真の様子が出ております。こちら御覧いただけたらと思います。
 オンデマンドは何度でも見直せますし、集合研修は、事前に質問を考えて直接回答したり、集合研修は、感染症対策を徹底しながら実施をし、自己診断というものを行い、強みや弱みというものを把握し、そして研修が必要な項目があれば、それを御案内するということです。写真の方は、学校における感染症対策の在り方ということで、松崎先生の研修講座を御紹介しているということでございます。この辺は、不断に内容の充実を図っていく必要があると思っております。
 さて、次、2番目、北海道の地理的特性を踏まえた健康教育推進体制の促進というところです。北海道は広いという状況でありますので、下のような健康教育推進リーダーを育成するという事業を今、展開し始めたところでございます。先ほど申し上げましたような様々な課題がありまして、これをどういうふうに対応していくのかということでいくと、道内を4つの地域に分けて、健康教育推進リーダーというものをお願いして、小学校、中学校、高校、特別支援と1名ずつ、今年度については任用というか、役目を与えるということでさせていただいております。
 その役割としては、真ん中の絵もありますけれども、北海道の子供たちの健康課題を踏まえた実践研究をしていただいて、研修会での発表をしたり、初任段階の養護教諭、主に1年、2年次の先生方に対する講師を務めていただくんですけれども、そして自校での取組を継続して、他校の先生方の指導助言、アドバイザーとしての役割を担うということで、こうしたものを実践していくことを組織的にしていきたいと考え、実践しているところであります。ちょっと簡単で申し訳ありません。
 次、3つ目、養護教諭未配置校への対応です。こちら、下に令和3年度というところでありますけれども、養護教諭の未配置校は49校と、先ほど小学校31、中学校11、高校7とお話ししました。これらをスクールヘルスリーダーの事業を使いまして対応しております。現在11名にお願いをしていまして、配置校18校ということで、1時間かけて行っていただくようなところもあるわけですけれども、退職された養護教諭の先生方にお願いをして対応していただいております。
 49校あるので、今18校ということですから、年によって配置校を変えたり、また、そういう未配置の学校について指導していくということは、また別途考えて対応していかなければならない状況があるということでございます。
 さて、今後の展望ということで、最後のページになってまいります。この後、栄養教諭のものもあるということでありますけれども、学校保健や体育、給食担当係、そして家庭教育担当課と連携をして、そして望ましい生活習慣の定着に向けた施策を検討していく必要があるだろうと考えています。研修の一部一体化であるとか、目的は一緒なので、それぞれ取組分野が違う部分はあろうかと思いますけれども、その目的に向かって連携を強めて、効果的に対応していくことが絶対に必要だと考えています。
 また、個々の課題を把握し、課題に応じた多様な学びができる研修の充実ということで、研修について、先ほど簡単に申し上げましたけれども、この研修を、今はベストだと当然思わず、不断に充実を図っていくということであります。新興感染症というようなこともありますし、時代時代に応じて課題はあるわけですから、そこに応じた研修の内容の充実を図っていく必要があると思います。
 最後、養護教諭のキャリアステージに応じた学びの充実ということで、先ほど学校経営のところをちょっと話をいたしましたが、北海道の状況を見て、学校だけではなく、地域ということを考えていくと、地域のリーダー的な役割が必要と考えています。我々の事業の延長線上には、例えば、指導教諭に対応するような指導養護教諭であるとか、主幹というのはなかなか考えにくいのかもしれませんけれども、主幹教諭に対応するような主幹養護教諭といったものも、将来的には考えられるのではないかと考えています。
 そのようなことで、北海道教育委員会ではこのような取組を進めていますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【坂越座長】  今村課長、本当にありがとうございます。ちょっと急かせるような前振りをしてしまって申し訳ありませんでした。
 でも、お話を伺うだけでも、100人の初任のうち13人が辞職ということですか。なかなか課題も厳しいみたいですね。ありがとうございます。
 ただいまの御説明を踏まえまして、質疑応答に移りたいと思うんですけれども、栄養関係、養護関係、それぞれの先生の相互理解ということも念頭に置いて、できれば、今は養護関係のお話をいただいたので、栄養関係の先生からの御意見もあれば、ぜひお願いしたいと思います。どうぞ、挙手ボタンでお願いします。長島委員から手が挙がっていますね。はい、よろしく。
【長島委員】  長島です。貴重な時間をいただき、有難うございます。
 1点お伺いしたいですが、健康教育を支えるという視点で、栄養教諭と養護教諭の連携というのは非常に大きなものがあると思いますし、私どもも在職中にそのような連携プレーを取って効果を上げたという取組もしてまいりました。北海道におかれては、栄養教諭の配置も全国的には高い方だと思います。たくさんの栄養教諭がいると思いますので、例えば、チーム学校の中に今、栄養教諭という名前は入っていなかったですけど、どのような形で連携があるのか、養護教諭の取組とか、健康課題とかに挙がっている事柄を見ますと、全て栄養教諭との連携において、より効果が上げられる活動があるように思います。その辺りの実例、実績等があればお伺いしたいと思います。
【坂越座長】  今後の展望の辺りで、そういうことにも触れていただいています。もう少し説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします、今村課長。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  ありがとうございます。
 今、養護教諭と栄養教諭との連携というか、ここは物すごく、僕は今、課題だと思っていて、自分の今のセクションの中でも、そこのところをどういうふうにするのかというのは、私の中でのいろいろやらなきゃならないものの1つになっています。というのは、ちょっと表面的な話でいきますと、例えば、平成17年度に成立した食育基本法の中では、生きる力の中で食というものが重要だと、食育だということがあって、我々は、基本的な生活習慣の中で、先ほど申し上げましたように、朝食の摂取率というのは全国より低いという状況があるわけですね。これは学力とか豊かな人間性に影響しているのではないかというふうに、私としてはすごく危惧している状況です。それをエビデンスとして出していくときに、では、どれをどういうふうに解決していくのかというと、もう観念的には、養護教諭の先生方と栄養教諭の先生方の連携をしながらやっていかないと、もう、それはならないものだと思っているんです。
 実際、研修の中で連携しながらやっている部分もあって、どうなんですかね、ちょっと後で聞いてみたいと思いますけれども、いずれにしても、先ほど私が申し上げたように、共通の目的、要するに目的は同じなので、そこについてのアプローチの仕方とか、分野が違うだけなので、今ちょっと明確に方法論について申し上げられないんですけど、そこは北海道教育委員会として、担当セクションの課長としては大きな課題だと思っていて、一緒に取り組んでいけるようなものを考えていきたいと思っています。
 我々の担当としては、そこの部分は来年度の施策に反映できないかと今検討しているようですので、そこは、申し訳ございません、方法論としては今言えないんですけれども、重要な課題だと認識して対応していきたいと思っているということだけはちょっとお伝えをしていきたいと思います。
【長島委員】  大変心強いお言葉をいただきまして、安心しました。ありがとうございます。
【坂越座長】  そのほかに何かございますでしょうか。鈴木委員の手が挙がっています。お願いします。
【鈴木委員】  とても貴重な動き、ありがとうございます。
 興味深かったところが、健康教育推進リーダーの方とヘルスリーダーの方を置いていらっしゃって、ヘルスリーダーは退職された養護教諭の先生方ということは分かったんですけれども、健康教育推進リーダーはどのような方を任命されているのかが、私が聞き漏らしたのかもしれないのですが、詳しく教えていただけると大変助かります。よろしくお願いします。
【坂越座長】  いかがでしょう。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  ありがとうございます。ちょっと説明が足りなかったかもしれません。申し訳ございません。
 健康教育推進リーダーは現役の養護教諭の先生方にお願いをしています。その養護教諭の先生方は、実践も優れた方とかいろいろな方を、道内14か所に教育事務所があるんですけれども、そういうところと相談しながら御協力いただける方にしていただいております。
 先ほどお話ししましたように、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校1名ずつ、今年についてはそこからスタートしているところでございます。来年度以降、1年単位で切り替えていく計画ですけれども、また来年、再来年、そのまた次の年ということで同じようにしていって、施策の展開向上を図っていきたいと今考えているところです。
【鈴木委員】  ありがとうございます。そうすると、リーダーとなられると、御自身の学校プラス、ほかの学校の養護教諭の先生方とか学校についても支援、サポートしていくという位置付けなんですね。そのリーダーの養護教諭の先生の業務量は相当多くなると考えますが、その部分はどのようにカバーをしていらっしゃるんでしょうか。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  そこの部分も大きな課題になるんだろうと思っています。今、そこについて明確な手立ての部分は、人的な部分とかそういったものについてはございませんが、確かに我々の全道の中で、養護教諭の先生方の時間外勤務というものについては、45は下回ってはおりますけれども、人によって違いがあるんですよね。この事業をやることによって、自分の学校の取組とうまく連動していけば、その部分は一定程度カバーできるのかもしれませんけれども、今後やっていく中で、そうした部分の要素も踏まえながら、どういう手立てができるのかということ、そして、先ほど申し上げたような、それを職として検討できるようなことに、ちょっとまだ内部的にもはっきりとはないわけですけれども、将来展望としては、そういうことまで含めて考えていけるようなことが出来上がればいいかなと考えているところです。
 歩き出しているので、その施策の検証をしながら、改善を図っていきながら、独り立ちさせていきたいなとは思っているところであります。
【鈴木委員】  ありがとうございました。
【坂越座長】  ありがとうございます。
 そのほかに何かございますでしょうか。
 あわせて、スクールヘルスリーダーとして退職の先生方もお手伝いいただくということですけど、この辺り、現在が49校のうち18校と、これをさらに人員確保して増やしていくという方向性はいかがなんでしょう。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  ありがとうございます。
 そうですね、より充実させるためにということで、最後の2ページ目のところにあるように、スクールヘルスリーダーの確保というところをしていきたいなと思っています。
 ただ、確保できなければしないということにはならないと思いますので、特に未配置校の、今朝もこの会議の前段で打合せをして、やっぱりそこの未配置校に対する手立てというものをしっかり講じていかないとならないだろうということで、そこのところを聞いていったり、アプローチして質問があったり指導したりというようなところはしっかりやっていかなければならないだろうねということを、ちょっとやってきたところです。
 あとは、それをきちんと実行に移してやっていくことになるのかなと思っています。ですので、増やしていくということと、いなかったとしてもそこを指導していく形というものをきちっとつくっていくということを、システマチックにやっていくことができるようにしていきたいと考えています。
【坂越座長】  ありがとうございます。すみません、最初に養護の先生はちょっと待ってくださいみたいな言い方をしたんですけれども、養護の先生は、それぞれの御専門でいろいろ考えられるところがあるかと思うんですが、もし何かありましたら、どうぞ、お手を挙げてください。三木委員の手が挙がりました。お願いします。
【三木委員】   道教委の取組は、大変システマチックで本当にすばらしいと思います。
 北海道の特徴があるということはよく分かります、広域ですので。集まれないので、校内研修とか学校長のリーダーシップが求められるということです。このことは、令和の日本型答申でよく言われております。その意味で、校内研修や校長先生のリーダーシップが、こういう地域だからこそ求められと思います。そういう面から2点質問します。校長先生等の管理職研修や校内研修の充実という観点から、どのようになっているのかということが1つと、それから、学校保健室経営の観点から、学校経営への参画がございますが、養護教諭の管理職登用等の実態はどうなっていますでしょうか。
 同時に、キャリアパスの観点から、スクールヘルスリーダーとともに、健康教育推進リーダーの育成にも大変元気が出る形であると思います。
【坂越座長】  では、今村課長、よろしいですか。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  ありがとうございます。
 1点目の校内研修とか管理職研修のところは、ちょっと分けて話しますと、校内研修については、例えば、このコロナの関係であったりとかで各学校とか保護者に対しては資料を配付したり、パンフレットを配付したりしています。そうした中で、校内研修においてもそれを活用して、学校全体として保健対応していただきたいということは不断にやっているところであります。
 管理職研修のところはキャリアパスともちょっと重なりますけれども、先ほど私が申し上げたような生きる力のところの部分は、もう少し我々として議論を将来的にもしていきたいと思うんですけれども、健康のところがやっぱり生きる力を支えるものになっているんだということをしっかりと理解をしていただくようなことを、今後していく必要があるんだろうと考えています。今ももちろん管理職研修はやっていますけれども、そこが課題になってくるのかなと思っていて、より子供たちの力を育成していく上での果たす役割の大きさみたいなものの認識をきちっとしていただくように促していきたいと考えています。
 もう一つのキャリアパスは、先ほどもちょっとありましたけれども、主幹とかいうこともあります。実際に養護教諭を経験して校長になっている者も道立高校にはおります。栄養教諭で小中学校の先生になっているものもおります。ただ、それはキャリアパスとしてきちっと確立しているかどうかというのは、これは我々の将来の教職員育成の観点も含めた課題です。だから、教員にとっても、キャリアパスがあって、指導主事になって学校現場に行くとか、指導主事になって事務局に残るとか、現場で頑張っていくとかというのと同じように、養護教諭の先生方、栄養教諭の先生方、そうした複数のパスをつくっていくことが必要です。
 これだけ言うと、北海道教育委員会は課題だらけなんですけれども、そこのところは現実の問題として、そういうものは、教諭についても、養護教諭についても、栄養教諭についても実際にあるので、そこは取り組んでいかなきゃならないところだと、私としても認識をしていて、そこは課題でもあるというところです。他県では、そういうのをやっているところもありますよね。北海道としてもしっかりやっていかなければならないと思っています。そこの部分はちょっと取組が遅れているかなというふうに。ちょっと言い過ぎたかもしれません。
【坂越座長】  ありがとうございます。課題、課題とおっしゃいますけれども、でも、かなり先導的に行っておられるようにも理解をしました。
 もし、あと1つぐらい何か、今村課長にお尋ねしたいことがありましたらお受けしますが、いかがでしょう。よろしいですか。

【坂越座長】  それでは、今村課長、北海道教育庁の取組ということで、プレゼンテーションいただきました。本当にありがとうございます。
【北海道教育庁学校教育局健康・体育課 今村課長】  どうもありがとうございました。
【坂越座長】  では続きまして、今度は調布市立深大寺小学校の濵松校長先生から、栄養教諭の資質能力の向上の取組について御説明いただきたいと思います。では、濵松校長先生、よろしくお願いします。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  よろしくお願いいたします。お話をさせていただきます調布市立深大寺小学校長の濵松でございます。
 本日は、私の経験から現場の生の声を届けさせていただきます。したがいまして、法的なものであったり、あるいは学術的な話とは若干ずれるかもしれませんが、現場の温かさ、ぬくもり、緊急性、その辺りをお伝えできればと思います。また、時間の都合上、少し早口になりますが、お許しいただけたらと思います。
 初めに、話の概略についてお伝えをいたします。2ページを御覧ください。
 まず1つ目に、栄養教諭の未配置校と、栄養教諭が1人で複数担当している学校の状況についてお話をします。2つ目に、学校栄養職員の置かれている現状、状況についてお話をさせていただきます。これらのことを通して、栄養教諭がいかに重要な存在であるか、また栄養教諭に期待する役割について御理解いただきたいと思います。
 では、次のページを御覧ください。
 ここで言う学校ですけれども、これは、先ほど申し上げたとおり、栄養教諭の未配置校や、1人で複数の学校を担当している、そういった場合の実情です。このような学校の学級担任についてですが、食育を推進する子供の最前線に立つのが担任であります。しかし、どこの地域に行っても、食育に携わる方々が課題として挙げるのが、担任の食育に対する意識が高くないということなんです。これは、各教科の指導書の解説編がございますけれども、これを見たことがない、読んだことがないという教員はほとんどいないんじゃないかなと思いますけれども、食に関する解説編でもある食に関する指導の手引、これを読んだことがある担任は極めてまれではないかなと、実感として思っております。したがいまして、食育推進の大本となる食に関する全体計画や指導計画を作成するに当たって、内容をよく理解してつくっているのは、栄養教諭が1校に1人配置されている学校です。このような結果として、年間190回ある給食において、計画的に指導を行うのは難しい状況にあります。
 また、担任の生育歴に基づいて、クラスごとにローカルルールによって行われている給食指導、こういう場合もあります。さらには、社会科や総合的な学習の時間、あるいは特別活動の時間などにおいて、食育の視点を持った授業を計画的に行うことがあまりないのではないかというのも実情であります。さらに、食物アレルギーの面談は、どこも大変しっかりとやっています。しかし、偏食など、不登校や登校渋りの原因にもなりかねないような問題について、栄養教諭のいない学校では、個別相談が行われているという話を、私自身は個人的ですが、聞いたことがありません。
 続いて、次は、学校栄養職員の現状についてお話をします。3ページを御覧ください。よろしいでしょうか。
 学校栄養職員の置かれている状況というところです。学校栄養職員が、給食における指導法について、担任に対して指摘、指導するという話は、まず聞いたことがありません。これは、学校栄養職員は教育職ではないため、教育職である担任に遠慮しているからです。
 4ページを御覧ください。
 学校栄養職員は教育職ではないので、自ら担任に働きかけるような企画立案をする立場にありません。したがいまして、個別相談については、給食の食物アレルギーの面談は、先ほど申し上げたように責任感を強く持って取り組んでおりますが、一方で、児童への教育的指導としての側面が強い偏食の指導、これらについては積極的に行える、そういう状況にないようです。
 5ページ目を御覧ください。
 また、学校栄養職員は、学校の中において職員としての扱いのため、例えば、特別支援、あるいは登校渋りなどの生活指導上の問題、これらを共通理解する校内の会議、あるいは授業におけるICT活用法の研修等に参加していないケースが多いようです。このように児童に対する教育について、教員とのコミュニケーションは限られてしまいます。そもそも、学校栄養職員のデスクが職員室にあるのはまれで、ないとは言いませんが、児童について、常に担任と情報交換できる環境にないのが実態だと思います。
 6ページ目を御覧ください。
 ここで1つお断りをしておきます。これまで申し上げたのは、学校栄養職員の個人の意欲や能力の問題ではないということです。学校の食育をもっとよくしたいと考える学校栄養職員はたくさんいます。中には、学校栄養職員になってから栄養教諭の資格を取得したまま学校栄養職員を続けていたり、小学校の教員免許を取って学校栄養職員としての職務に役立てている方もいらっしゃいます。しかし、これらはあくまでも多大な時間と費用をいとわない個人の使命感と努力によるものであり、制度上保障されているものではありません。
 7ページ目を御覧ください。
 次は、栄養教諭ですが、栄養教諭が配置されている学校については、給食の時間の授業化が図られる環境が整っています。栄養教諭は教育職なので、教員としての校務分掌に位置付けられています。担任に、給食時間における問題点を指摘して、教育としての側面から改善を求めることもできます。したがいまして、登校渋りの原因の1つとなり得る、特に低学年等での食に関する好き嫌いのある児童への指導については、会議の場において、食に関する専門的な立場から積極的に意見を言うことができる環境にあります。また、栄養教諭がその専門性を発揮して、偏食を改善した数々の事例の背景には、栄養教諭が教育職であるという点があることは明らかだと思います。
 8ページを御覧ください。
 栄養教諭による数々の優れた授業実践についてです。御存じのとおり、数々の授業実践が行われていますが、時々栄養教諭の授業実践は、ともすると、家庭科の教員でも担当できるのではないか、担えるのではないかという声を聞くことがあります。私は、日々子供たちを見て、現場にいる校長として、この考えに違和感を覚えます。子供たちの学びを育ちに変えるには、授業で学んだ内容を確かめられる場や生かせる場が必要です。授業における食に関する学びは、食に関する授業である給食の授業時間と連動させることで生かされ、子供たちの育ちとなります。単元の指導計画や45分間の授業構成の段階から参加できる栄養教諭は、給食の献立と連動させ、授業に関連する食材の発注段階から、当日の給食メモ、情報提供まで、点と点を結んで線にすることができます。さらに、献立表や給食だよりを通して、家庭にも伝え、線を複数結んで面にして、児童の育ちをより確かに、より豊かにしていくことができるのです。現場の人間としては、このような複雑で緻密に連動している内容を、家庭科専科と献立を立てる者が連携を図りながら行うのは大変な困難であり、常に様々な対応を求められている現場では現実的ではありません。栄養教諭の中で組み立て、組み上げられ、操作できるからこそ可能になることだと私は思います。
 実際に、家庭科で地場の野菜を使って献立を考える学習がありました。前もって数回にわたり意図的に地場野菜を使った給食の献立を立て、それを提供し、子供が地場野菜を使った献立を考える基礎づくりから始まり、子供が作った献立をコンテスト化し、周年の記念献立として提供するという実践です。同時に、家庭への紹介、そしてICTを活用した全校への紹介映像なども作成している例もあり、子供はもちろん、地域関係者からも高く評価をされています。
 9ページを御覧ください。
 最後になりますが、個別の相談についてです。管理栄養士の資格を有し、さらに教育職でもある栄養教諭は、偏食や生活習慣病など、子供の抱える様々な問題について担任に助言をしたり、保護者に寄り添って問題を解決したりすることができます。これは、病院などにおける管理栄養士の業務に加えて、児童を普段からよく知る立場にある教員としての指導が可能であるということです。つまり医療と教育の双方から、児童と保護者と教員に毎日寄り添うことができるということです。
 一昨日、子供の頃オリンピックを目指して挫折してしまったという2人の記事が出ていました。子供のときにきちんと栄養について学ぶこと、学校生活という身近なところに専門の知識を持った人がいるということが大切であるという意見でした。アスリートを目指さないまでも、部活動と食事の関係について、あるいは体型、体格を、スタイルを気にして過度のダイエットなどを行う生徒が現実的にいる中学校に、普段から児童生徒をよく知る管理栄養士である栄養教諭が学校にいて、いつでも相談できる環境があることはとても大切だと思います。
 私からの説明は以上です。現場の校長として、栄養教諭がいてくれたらどれだけ食育が進むだろうなと考えております。以上です。
【坂越座長】  濵松校長先生、ありがとうございます。実際に学校の中のことがよく分かりました。また、今日の後半で、養護・栄養それぞれの先生方の職務内容、こんなことも話し合う予定なんですけれども、本当に何が求められるのかということに関しても、御助言いただいたかと思います。
 それでは、ほかの委員の皆さんからの御意見、御質問をいただきたいと思うんですけれども、今度は逆ですね、できるだけ養護関係の先生からお願いしたいと思います。どうぞ。小林委員の手が挙がりました。
【小林委員】  よろしくお願いします。
 まず基本的なところなんですが、校長先生の学校には栄養教諭は配置されてはいらっしゃらないんでしょうか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  配置されておりません。
【小林委員】  学校栄養職員さんも、すみません、調布市の給食の形態が分からないんですが、自校給食ではなく調理場形式ですか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  本市は自校給食で、全て小学校、中学校にも親子給食はありますけど、小学校で作っています。
【小林委員】  ということは、校長先生の学校には学校栄養職員さんはいらっしゃるということでよろしいんでしょうか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  はい、そのとおりです。
【小林委員】  ありがとうございます。
 私が勤務ている地域も、栄養教諭が全校には配置されておりません。そのときに、大分前から子供の肥満であるとか健康課題を解決するために、私たちは、やはり学校栄養職員さんとも連携をしながら肥満指導等を行ってきて、本市では十分効果的な指導を学校栄養職員さんがしてくださっております。
 そこで、栄養教諭さんと学校栄養職員さんの職の違いというのは、よく分かっているんですが、やはり栄養教諭さん、学校栄養職員さんの門性を生かすというところは、やはり学校栄養職員だから参画できないのではなくて、そういうところは学校長のリーダーシップの下に、どなたかがうまくコーディネートして、チーム学校として取り組むことが大事だと思います。多分濵松校長先生の学校では取り組んでいらっしゃるのかなと思うんですけども、そういう学校栄養職員さんを、うまく学校の子供の健康課題のところ、課題解決に生かす方法であるとか、給食時の指導も学校栄養職員さんが行かれているかなと思うんですけれども、その辺もう少し先生の学校の様子を教えていただけますとありがたいです。
【坂越座長】  いかがでしょうか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  本校は管理栄養士の資格を持っている学校栄養職員です。それは、栄養職員として採用されるに当たって、そこは関係ない条件なんですけれども、たまたまということです。きちんと勉強されていて積極的にそこに関わることが可能なので、それが成立しています。
 ただ、学校栄養職員が、例えば、栄養に関しては専門的な立場としても、先ほど申し上げたように、管理栄養士としての立場ではなく、ある意味、栄養について一般的な立場になってしまうのかもしれません。その辺りを考えると、私はラッキーだなと思っています。
 そういう職員に対して、ぜひそこに参加してほしいという話なんですけれども、それは学校長がリーダーシップを取るということは大前提だと思いますし、まず、保護者の方のニーズ、あるいは子供たちの様子、それを日々見ている担任との連携、そして養護教諭との連携、これは欠かすことができないので当然、それを大本で見て、何というんでしょう、組織をつくったり、対応を求めたりするのは学校長、管理職だと思います。こんな答えでよろしいでしょうか。
【小林委員】  ありがとうございます。
 やはり栄養教諭さんとか、私たち養護教諭もそうなんですけれども、そういうところの専門性を生かして、チーム学校で、子供たちの健康課題の解決に向けて、健康教育に効果的に参画できればよいかなと思いました。
 以上です。ありがとうございました。
【坂越座長】  ありがとうございます。
 そのほかに、どうぞ。三木委員、よろしく。その次に、長島委員、お願いしますね。
【三木委員】 学校の実態が、校長先生のお話から、よく伝わりました。
 そこで、先ほどの養護教諭と同じ質問です。校内研修とか地域の管理職研修等で、つまり養護教諭も栄養教諭も、管理職の理解が必要です。今後、組織的、チーム学校にしても、管理職が養護教諭や栄養教諭の職務理解は、これからの大きな課題だと思います。であればこそ、管理職の研修等に養護教諭や栄養教諭の人も参加することや、管理職研修の場に栄養教諭が参加し、食育はこうであるとか、養護教諭とは、学校保健はこうであるということを講義するというような場面が必要ではないかと今日のお話を伺って思いました。
 それから、校長先生のお話から、学校栄養職員では、うまくいかない現状をいろいろ伺いました。確かにそういうこともあると思いますけれども、令和の日本型の答申の48ページを見ますと、今後、学校栄養職員の栄養教諭への速やかな移行を図ることについて指摘されています。
今、学校栄養職員が、栄養教諭の仕事をどのようにやっているのかというのは大体分かっていると思います。例えば、食に関する全体計画の作成について、実際は学校栄養職員が立てていると思います。そういう面においても、それをサポートする教員や管理職の立場が、重要になると思います。
 それから、先ほど、小林委員もおっしゃっていましたが、食に関することは、栄養教諭のみならず、養護教諭も学級担任も関係します。例えばアレルギー対応の場合、養護教諭も関わっているので、栄養教諭は食に関するコーディネーターの役割が大切であると思います。また、校内研修とか養護教諭研修との連携があると思います。このような具体的なことについて、校長先生、いかがでしょうか。
【坂越座長】  教員や管理職が栄養教諭、栄養職員の職務を理解することですね。それともう一つ、校内研修や連携の質問がありましたけど、いかがでしょう。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  まず、最初の校内研修とか、研修の関係とか、そもそも管理職の問題ですね。よく言われるんですけど、私も食育のことは非常に重要だと思っていますし、それに取り組んでいます。何で私がこういうところに呼ばれたり、目立つのかというと、多分言われたことはしっかりやっているつもりなんですね。その辺りが、学校は日々大変な課題が、例えばコロナ1つとっても、移動教室に行くのに発熱した子がいたらどうするんだとか、濃厚接触者はどうするんだとか、日々日々そういう状況の中で、どうしても教員が点数をつけて返すテストとは違うジャンルの部分、例えば、食育がまさにそうなんですけど、そういうところになかなか目が向かない。それにどうやって目を向けるかという努力をする、その研修とか研鑽というのは非常に大事かなと思っています。
 私だって、食育のことしかやってないんじゃなくて、ICTもやりますし英語教育もやりますし、いろいろなことを調布市のオーダーをしっかりと受けて取り組んでいるつもりではいるんですけれども、その辺、差があるなというところは確かにあるのかなと思います。
 それと、栄養教諭に移行していくという話なんですけれども、これは行政的な話とか制度、免許の話なので、私はちょっとよく分かりませんが、ただ、私が教育、授業について、うちの学校の栄養職員の方は非常によくやってくれます。ただ、ここまでお願いしていいのかなというのは正直なところ時々思うことがあるんですね。彼自身も楽しみながらやってくれているんです。ただ、何というんでしょう、栄養教諭を中核としたと冊子がありましたけれども、あれを学校栄養職員の方しかいない学校だとして、栄養教諭と読み替えていいですよと言われても、教育職ではない彼ら彼女たちにそれを担わせるのはどうなんだろうというのは、正直ちょっと申し訳ないなと思っています。ただ、うちの場合に限って、あるいは幾つか私の知っている限りでは、楽しみながら生き生きとやってくださっていますので、それに甘えてはいけないなと思いつつ、そんな現実があります。
 それと、アレルギーの対応なんですけれども、これは別に学校栄養職員であるなしに関わらず、栄養教諭であろうと、あるいは養護教諭でも、もちろん全校体制で真剣に取り組んでいます。これについては、春に研修、この後、夏にも研修があります。年間3回、うちは研修をしていますけど、非常によくやってくれています。同じように、食育に対してこの研修が成り立つかというと、非常に難しいところはあるかなと思います。
 私が思うには、他市に呼ばれてお話をさせていただいたことがあるんですけど、学校の中で食育を担当する人と、栄養教諭や学校栄養職員がかぶっている場合があるんですね。これはちょっとよろしくないなと。何でかというと、さっきから申し上げているとおり、担任がやはり最前線として食育を担っていきますので、その担任の代表の方と栄養教諭、あるいは学校栄養職員、養護教諭等々が、いろいろな議論を重ねていくこと、担任側からの意見も含めてやっていくことが大切だと思いますので、こういう会議ができたらなと、研修ができたらなと思っています。
 すみません、答えになったでしょうか。以上です。
【坂越座長】  三木委員、よろしいですか。
【三木委員】  ありがとうございます。そういう意味で校長先生が食に関することのみならず、いろいろなことがあるのは大変だと承知しています。 例えば、市内の管理職の研修があるときに、実際に栄養教諭がそこでお話しするということも1つの案ではないかなと思います。実際、私も昔経験したことがあります。それ以来、管理職の先生に大変理解してもらったという経験があります。
【坂越座長】  この後、長島委員にお話をしていただいた後、もう1回、北海道の今村課長にもまた入っていただいて、この2つの事例発表を通して、全体的にまた御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まずは長島委員からどうぞ。
【長島委員】  校長先生にお伺いしたいということではなくて、私の意見になってしまうかと思うんですが、先ほど濵松校長先生がお話しいただきましたように、管理栄養士資格を持つ学校栄養職員が在籍しているということで、管理栄養士としての資格がありますから、健康課題に対応することはほぼほぼできる部分があると思います。しかしながら、おっしゃっていたように教育職ではありません、栄養教諭ではありません。ということは、教育活動における食教育の体系化、こういうことに対しての壮大なカリキュラムマネジメントは、やはり栄養教諭でなければできないと思うんですよね。栄養職員では限界がある。それでは、法的に位置付けられている食に関する指導等の実践に当たって不備になってくるということは、子供たちに不利益が生じることになりますので、その辺、やはり栄養教諭の在り方、資質能力というところで方向性を絞っていっていただきたいなと思います。よろしくお願いします。
【坂越座長】  濵松校長先生、何かコメントがありますか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  長島委員、ありがとうございます。全く同意見で、長島委員の意見とその部分はぴたっと一致しています。
 以上です。
【長島委員】  ありがとうございます。
【坂越座長】  お話を伺いながら、チームとして、栄養職員の方にも学校として取り組んでいくようなときに参加いただく、これはもう当然のことだと思うし、また、栄養教諭という職務ですよね、その中で責任、権限を持ってやること、この辺りの、ある意味の明確化が必要なのかなとも思ったりしますが、校長先生は当然それを意識されてやっておられるだろうとは思います。
 前半の北海道のお話も含めて、もし何か委員の皆様の方からさらに質問、御意見がありましたらお願いします。
 指名して申し訳ないですけど、たまたま私の画面上、兵庫県の北中委員が映っていまして、北海道の例、兵庫県教委の例、別に比較してくださいという意味ではないですが、何かコメントをお願いしたいと思いますが、どうですか。
【北中委員】  兵庫県の北中でございます。
 大変参考になる情報提供等、それぞれいただいたのかなとは思っているんですけれども、その中で幾つか示されました情報提供の中で、本県の取組なんかもお伝えできればと思っております。
 それぞれの資質向上に向けての重要な1つに研修の充実ということが御提示されましたけれども、やはりそれは内容の充実であったり、あるいは研修機会の確保という点が、ポイントとしても挙げられるのかなと思っています。そういった意味におきまして、本県では指導主事が、それぞれ養護教諭、それから栄養教諭、この2名が指導主事として通常ラインにおりますので、現場から上がってきた教諭ですから現場の実態と教育行政的な面、いわゆる法的側面であったりとか、そういう部分をうまく必要なものを必要なタイミングで、必要な程度を常々考えて出させていただいているというところでございます。
 それから、それに際しましては、これは本県の、全国的にも珍しいタイプだと思うんですけれども、学校保健技師の先生、これは週に1回ですけれども、本県の本課の方にお越しいただいておりまして、いわゆるドクターの資格もおありで、ふだんは大学等での研究活動と併せまして、時間の隙間を縫って来ていただくようなシステムで、たしか全国で11府県市ぐらいしかまだといいますか、そういった恵まれた環境では、なかなか珍しい方だということはお聞きしているんですけれども、この先生が普段から、先ほど申し上げました栄養教諭、それから養護教諭の研修を、例えば年次研修に当たっての事前の資料のすり合わせの御助言をいただいたりとか、時にはスクールヘルスリーダーの会議、それから栄養教諭の年次研修以外も、そういう有識者会議等のアドバイザーとしても、いろいろ御貢献をいただきながら、非常に恵まれた形でやっているところがございます。
 それから、あとは、すみません、ちょっと長くなりまして、ICTの活用という部分があったと思うんですけれども、今これ本当に本県もこのコロナの影響も受けまして、これは全ての、例えば体育の教師であったり、栄養教諭、保健、ICTの活用をして、これは以前から申し上げておりますように、それぞれの個別に持たれている本当に高い専門性を、例えば共同調理場の栄養教諭が一部の学校に行って一部のクラスに話すという、非常にこれはもったいないということで、場合によっては、時に共同調理場のセンターから、いわゆる本当に幅広い範囲の中で、ただ、これは発達の段階によりますので、小学校低学年とか中学生、幅広い中で、いかに効率的な食育、食に関する指導を実施していくかという、その命題があるんですけれども、この辺りを充実させながら、いかに効率的に情報発信していくのかということに今、本県としても取り組んでいるところでございます。
 最後に、これも今村課長様の方から御指摘ございましたように、栄養教諭という大きい研修なんですけれども、これは年次研修におきましても我々、先ほど申し上げました指導主事とそれぞれ向かい合っておりますので、日程調整も含めまして、内容の調節も含めまして、同じ場で栄養教諭と養護教諭が共にアレルギーの研修をやったり、それを学校の中でどう広めていくのかという、向かい合って協議していきながら研修内容を決められているという、参考までなんですが、それでもまだまだ足らない部分はあるんですが、こういったような実態で取り組ませていただいているということを、少し長くなりましたけれども御報告させていただきます。
【坂越座長】  北中委員、本当にありがとうございます。
 中村委員、もし何かございましたら御発言を。中村委員、いかがでしょう。いいですか。
【中村委員】  濵松校長先生から学校現場での食育について、子供たちへの想いのこもったお取組について、わかり易く簡略化された内容のご説明がありました、ありがとうございます。このことについて、お話させていただきます。
 ご説明された資料の前半部分は、学校栄養職員の方々の職務や立ち位置についての詳細なご説明で、教諭の免状を取得されていないということは、非常に職務などが狭くなってしまっていることがよく分かりました。更にご説明を総合して伺いますと、私は深大寺小学校さんのチームとしての「食育」は特別の事例という印象を持ちました。同校では子供たちの心身の健康を育むための「食育」に対する校長先生の深いご理解と想いそして行動力、これを基に学校全体が一つのチームとしてしっかり取り組まれることにより、管理栄養士の資格もあるご本人の特段の使命感と努力による取組が効果的に機能されている特例ではないかと思いました。このことは6ページに校長先生が、「あくまでも多大な時間と費用もいとわない個人の使命感と努力」と、赤フォントで書いておられることからも推察できます。
しかし濵松校長先生の資料やお話全体から伝わってくるのは、やはり一貫して、栄養教諭の資格を取得されて、専門性の高い重責を伴う教諭としての職位をしっかり踏まえた「食に関する指導」を、教室・校内・家庭・地域で実施されることが、本来の姿であり、子供たちの心身の健康を目標とした「食育」のあり方であると、拝聴しながら改めて強く感じました。
【坂越座長】  濵松校長先生、よろしいですか。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  中村委員の、普段書かれているものとか、情報もたくさんある中で、私もまさにそう思っていますが、大前提として食育の大切さ、これをしっかりと、文部科学省だけではなくて、社会全体でムーブメントとして現場までしっかり伝わるような、そういうふうにしていただけると、管理職もそこに目が行くでしょうし、私自身も食に対してのすばらしさ、大切さ、重要性、この辺りを痛いほど理解している者の1人なんですね。ですから、食育の大切さということをしっかりと伝えていただく中で、その次に出てくるものがある。ただ、ここには、この後、委員の皆さんがお話ししてくださると思うんですけど、制度的な問題だとか、いろいろな配置の問題だとか、行政的な問題がありますので、現場としてはその辺はよく分からないですけれども、食育が進むことは大切だよなというのは叫びでもあります。
【坂越座長】  ありがとうございます。
 2つの事例報告、協議については、この辺りにしたいと思います。北海道教育委員会の今村課長、調布市立深大寺小学校の濵松校長先生、今日は本当にお忙しい中、プレゼンテーションいただきましてありがとうございます。
【調布市立深大寺小学校 濵松校長】  ありがとうございました。失礼いたします。
【坂越座長】  それでは、次の議題に移ろうと思います。
 これまでの議論を踏まえて、この協力者会議の議論の整理に向けて意見交換をしていきたいと思います。
 のたたき台といいますか、参考として、事務局の方から、先に議論の整理のイメージ案をお届けしていると思います。まず、事務局の方から、この資料に基づいて説明をお願いして、委員の皆様方の方からは、この資料の説明に関しての御意見をいただきたいと思います。
 それでは、事務局、お願いします。
【事務局】  まず、事務局の説明の前に、先ほど冒頭申し上げました、7月の人事異動で健康教育・食育課長として南野が着任してございますので、一言御挨拶申し上げます。
【南野課長】  皆さん、こんにちは。7月1日付けで、三木の後任としまして健康教育・食育課長を拝命いたしました南野と申します。
 坂越座長をはじめ委員の皆様、また、退出されてしまったかもしれませんけれども、本日は北海道の今村課長、また深大寺小学校の濵松校長先生、本日はありがとうございました。
 私、健康教育課は2度目の勤務になりますので、また皆さん方の現場の状況であるとか、御意見を踏まえまして、しっかり取り組んでまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
【事務局】  それでは、私の方から資料の説明をさせていただきます。
 資料3の方をお手元に御用意いただきたいんですけれども、今回事前に資料をお送りしておりましたので、ポイントに絞って御説明をさせていただきます。
 この議論の整理につきましては、これまでの議論を基に、養護教諭や栄養教諭をめぐる課題を中心に整理しているものでございます。今回第3回の後、来月開催させていただく第4回でも再度議論したいと考えてございますので、よろしくお願いいたします。
 今回資料3は、議論用に事務局の方でイメージ案として作成させていただいたものでございます。作成に当たっては、養護教諭とか栄養教諭の当事者目線だけではなくて、教育委員会や学校、また社会一般からの視点を意識して作成したつもりでございます。このため、委員の皆様の視点から見ると状況が異なるという話があるかもしれないんですけれども、座長からもありましたが、この養護教諭と栄養教諭の双方を取り扱うという会議の性質上、なるべく共通する課題については可能な限りまとめて記載をさせていただいてございます。
 なお、検討の経緯・背景、要は初めにのところと、一番最後の今後の検討に向けてというところにつきましては、この第3回における議論を踏まえて、第4回までに文章化をさせていただきます。
 あと、内容についてですけれども、1ページ目、検討の経緯・背景についてのところで申し上げますと、一番下のひし形のところですけれども、この議論の整理としては、教職一般に通じた課題を俯瞰する形というわけではなくて、要点を絞った形で整理してはどうかということを考えてございます。
 2ページ目以降が、養護教諭、栄養教諭を取り巻く現状についてということで、法的位置付け、養成、採用、任用・配置、こういう項目ごとに整理をさせていただいてございます。
 法的位置付けのところで申し上げますと、表1のところで、※1に書かせていただいておりますけれども、免許法の附則第14項の方で、養護教諭が、教諭または講師として保健の授業を行うことができるとされている旨を書かせていただいてございます。
 そのほか、養成、採用、任用・配置のところについては、適宜御覧いただければと考えてございます。
 5ページ目以降が、この議論の整理の中身に入る部分でございますけれども、3の課題及び解決に向けた方向性についてというところで、(1)から(4)というものを書いてございますが、そこのコメントにも入れさせていただいておりますけれども、この(1)から(4)の文言自体は、本日の議論を踏まえた上でではございますけれども、もう少しメッセージ性のあるものを考えてもいいのかなとは考えてございます。
 最初(1)について、求められる役割、職務の範囲の明確化と書かせていただいてございます。この部分については文言のとおりでございますけれども、資質能力の向上そのものというわけではございませんが、そのための前提として不可欠なものとして考えてございます。これは、ここの項目に限った話ではないんですけれども、先ほどのヒアリングの中でもございましたが、個々の養護教諭の先生であるとか、栄養教諭の先生を見ると、課題として指摘するのはおかしいという部分はあるかと思います。ただ、この議論の整理の中では、個々の先生を見るのではなくて、養護教諭や栄養教諭について、子供の心身の健康を守るためのシステムとして捉えた場合にどういった課題があるのかという観点で考えていくものでございます。
 (1)から(4)、それぞれそうなんですけれども、6ページ目の後半のところに、考えられる検討の方向性というものを書かせていただいてございます。この考えられる検討の方向性のところで、こういった点が考えられないかという問題提起であるとか、課題の解決の方策の一案として書かせていただいているものでございます。
 ここで、6ページの一番最後のひし形のところですが、先ほどの中でもございましたけれども、栄養教諭であれば、学校栄養職員との関係に気をつけて、求められる役割を整理すべきではないかといったことでございますとか、養護教諭であれば、先ほど申し上げた教諭や講師としての職務、保健主事、また衛生管理者といった職務との整理をつける必要があるのではないかと考えてございます。
 7ページ目の方で、栄養教諭については、任用や配置、また採用に係る課題についても触れさせていただいてございます。
 駆け足になりますが、(2)、8ページ目でございます。前回第2回の会議でも話がありましたけれども、今般の法改正によって、資質向上に関する指標と研修計画のほかに、研修等に関する記録というものが導入されることになりますので、そういったものを踏まえながら、研修サイクルの実質化が今後なされていくものと考えてございます。その中で、この(2)のところでは、指標、特に養護教諭や栄養教諭に関しては、どうしてもほかの教諭の先生方とは指標について、本来であれば専門性をもっと反映したものとなるようにと考えてございます。それをどのように具体化していくか、こういったことに関連して、課題と考えられる検討の方向性を記載してございます。
 10ページ目の(3)につきましては研修の話でございます。ここでは、いろいろ書かせていただいておるんですけれども、先ほど校内研修体制の構築でございますとか、養護教諭や栄養教諭のキャリアパスの確立、また、時間的ゆとりの確保であったり、ICTの積極的な導入、また、11ページ目の1つ目のひし形のところで、教育委員会の主導によって資質能力の向上のための継続的、組織的な体制の構築、また、次のひし形の方で、さらにそれを発展させて、業務上の連携、協働であるとか、そういった効果的、効率的な推進体制という新たな展開も見込めるのではないかということを記載してございます。
 最後、12ページ目の(4)でございますけれども、ICTの活用については2段階に分けて記載をさせていただいてございます。考えられる検討の方向性のところで、まず、下から2つ目のひし形のところで、今のICT環境、もちろんそれが十分とは思いませんけれども、今のICT環境の中でも十分できることがあるのではないか、そういったことを進めた上で、その次の3つ目のひし形であるとか、次のページのひし形の方で、さらに高度な活用方策を考えていくべきではないか、そういうトーンで書かせていただいてございます。
 14ページ目、今後の検討に向けてというところですけれども、議論の整理につきましては今回、また次回の議論を踏まえた上で取りまとめてはどうかと考えてございます。その上で、秋以降については少し議論をブレークダウンさせて、養護教諭とか栄養教諭の個々の業務でございますとか、もしくはICTの活用方策について、場合によっては養護教諭と栄養教諭を少し分けて議論することもあり得るのかなとは考えてございます。
 少し長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
【坂越座長】  ありがとうございます。基本的に、これまでのこの会の議論をよく整理して、まとめてくださっているんじゃないかと思います。
 このイメージ案なんですけれども、今日これからと、それから次回、これを基に議論をしていただいた上で、議論の整理という形で公表できるようなもの、そういう形にしたいという方向でございます。
 これから、いろいろ御意見をいただきたいんですけど、少し区分けして、最初に現状について、その次に課題解決の中でも職務と指標を一くくりにして、それから研修とICTを一くくりにして、御意見をいただければと思います。
 まず、取り巻く現状、これは本当にいろいろ細かいことを突っ込んでいくと、いっぱいでてきそうです。別に資料データが付くようですので、もしこの取り巻く現状ということで、この2ページ、3ページ、4ページ、この記載の中で、特にここはもう1つ補わなきゃいけないとか、これはどうなのというのがあったら、ちょっと今、出していただきたいんですけど、いかがでしょうか。
 大体必要なことは踏まえられているということでよろしいでしょうか。もちろんまた後で見ていただいて、お気付きだったらメールででも事務局の方に出していただければ結構ですので、よろしくお願いします。いいですか。画面でうなずいてくださると心強いです。
 それでは、5ページになりますが、課題及び解決に向けた方向性ということで、御意見をいただくのは、まず前半の求められる役割、職務、これを明確化すること、それから、それと連動すると思うんですけど、資質向上指標、この辺りについて御意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構です。よろしくお願いします。挙手ボタンを挙げてください。まず、鈴木委員の手が挙がりました。よろしく
【鈴木委員】  鈴木です。よろしくお願いします。
 5ページ目の(1)の求められる役割のところから、最後の丸なので、6ページ目の中ぐらいに当たるところなのですけれども、考えられる検討の方向性の前の丸ですね。栄養教諭について、平成17年の制度導入以降、各地域において任用、配置が進んでいるが、近年その増加傾向が鈍化しつつあるとともに、顕著な地域格差が見られるようになっている。その後の文章なのですが、その要因は必ずしも明らかでないものの、少なくとも栄養教諭の任用、配置による効果等が認知されなければ、任用、配置が進んでいない地域において今後状況が劇的に改善することは期待されないことが想定されるという文章が、私には理解ができなくなってしまって、最初の、その要因が必ずしも明らかではないものの、少なくとも栄養教諭の任用、配置における効果等が認知されれば、ある程度の期待がされるのではないかという文章なのか、それとも、認知されたとしても期待薄いという文章なのか、どちらなのかが私は何度読んでも理解ができなくて、その方向性はどちらなのかを教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【坂越座長】  事務局、どうぞ。
【事務局】  ありがとうございます。
 先ほど御指摘いただいた記述のところでございますけれども、認知されたとしても、改善するかもしれないし、しないかもしれない。それは十分条件ではないと思っています。ただ、改善させるためには、少なくとも認知されることが絶対条件だよねというふうに考えております。
【鈴木委員】  大変申し訳ないですが、私、この文書だとそうは伝わらない気がしてならないのです。私だけであればこの文章のままでいいのですけれども。あとは委員長の先生にお任せしますが、私は理解できませんでした。
【坂越座長】  すみません、別に事務局の意図がどうこうというわけではないのですが、これはやっぱり否定形で、否定形で受けて書いているから、逆に言えば、今言われたように認知されれば改善することも期待されるというのが普通の言い方じゃないですかね。でも、まあ、ちょっとこれは検討してください。
【事務局】  はい、事務局の方で考えさせていただきます。基本的には前後をひっくり返すのかなと思っています。改善するためには最低条件として認知されることが必要だよということなのかなと考えてございます。また、作文した上で照会させていただきます。
【坂越座長】  よろしく。
 長島委員の手が挙がっています。どうぞ。
【長島委員】  全く同感です。私もここのところはずっと引っかかっていました。この表現方法は非常に栄養教諭にとって冷たいというか、やっぱりこういうふうに否定形で、期待されないことが想定されるという書き方ではなくて、どうしたら期待される方向に向くかという表現方法に書き直していただきたいと思います。よろしくお願いします。
【坂越座長】  それは事務局で検討いただきます。
 そのほか何か。三木委員の手が挙がりました。よろしく。
【三木委員】  ありがとうございます。
 5ページですね。養護教諭と栄養教諭の職務の範囲という表現で、役割を押さえていることは、とても分かりやすいと思います。なぜならば、職務の範囲ということになると、つまり、役割をぽんと言うよりも、これが職務の範囲だという表現は分かりやすいと思いました。
 それで、①ですが、職務の中には学校を代表して医療機関等の連絡調整を行う業務も含まれていると書いています。それぞれの役割が、いわゆる調整とか連絡も含まれているとの解釈でいいと思いますが、同時に、教職員間の連携をコーディネートすることが求められているという記述は、それぞれの職務自体も連携調整が必要であり、全体の調整でも必要という捉え方でいいでしょうか。
【坂越座長】  事務局どうぞ。
【事務局】  繰り返し事務局からになってすいません。この議論の整理の中では、役割と職務と業務という3つの言葉を、あえて使い分けて書かせいただいております。役割とか職務の範囲というときには、個々の仕事が業務と考えておりますけれども、それ自体を指すのではなくて、業務の集合体として範囲を示すのが職務の範囲だと。
 三木委員がおっしゃった連絡とか調整というのは個々の業務として、この言葉の中には個々の業務として書かせていただいているので、最初の方の、学校を代表して医療機関等の関係機関との連絡調整を行う業務も含まれているがというのは、この連絡調整を伴う業務が保健管理であったり、もしくは保健教育、健康相談、いろいろなところに連携調整を行う業務は入ってくると思うんです。ここはそういうことを意味していて、一番最後の、全校的な推進体制の中核としてコーディネートすることが求められているというのも、表の中に書いてある職務を遂行するに当たっては全校的なコーディネートする業務が入っているよと言っているだけにしてございます。
 説明になってないかもしれませんが、御理解いただけますでしょうか。
【三木委員】  今、事務局のおっしゃっていることは理解できました。中教審等でいろいろな専門家との連携調整とか、コーディネーター的役割が必要ですということも、ここに含んでいるという捉え方でいいでしょうか。
【事務局】  もちろん役割という意味で、コーディネートする役割というのはあると思いますので、それは含んでいると思います。
【三木委員】  ありがとうございました。
【坂越座長】  ほかにいかがでしょう。
 資質向上指標に関して、これまでにも、いわゆるコアカリというのが話題になっているんですけれども、引き続き検討する、あるいは既に協議会の方でつくられているようなものを参照するというのか参酌するというのか、そのようなこともあり得るという書きぶりになっています。まずはこんなところでいいでしょうか。三木委員、どうぞ。
【三木委員】  この書きぶりについては理解しました。
 それで、やはり保健師や看護師を基礎資格とするという学校教育職員免許法、別表2の基礎資格のことだと思います。養護教諭の場合、基礎資格、教育系、保健師、看護師始め、各養成機関等様々です。そこでのいわゆる指標のこと、養成カリキュラムのこと、コアカリキュラムとかが話題になっていました。今後各大学と関係者間において検討するというような書き方をしていただければと思います。この報告書のたたき台、提示案を見て、私はそう思いました。
【坂越座長】  ありがとうございます。
 もし、この部分に関してもほかに何か追加がございましたら、また後で意見を出してください。
 一応、次のくくりですね、(3)の研修、そして(4)ICT、この辺りについての御意見をいただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。
 ちょっと文脈が違うかもしれないですが、さっきのいろいろなやり取りの中で、管理職の先生の研修にも、食育なり、あるいは養護の大事さをちゃんと取り入れてほしいなどということはここで書くべきことではないのかな。どうなんでしょう。
【事務局】  事務局からよろしいでしょうか。
 校長先生だったり管理職になる方々に、食育であったり、もしくは養護に対する理解が必要というのは間違いないと思っております。ただ、あまり書き過ぎると校長先生の資質能力の向上になってしまうので、この議論の整理の中では、校長なりの管理職が養護教諭や栄養教諭の役割を理解することが不可欠だと。その上で、全校的な組織マネジメントをするべきだというトーンで書かせていただいているつもりではございます。
【坂越座長】  分かりました。ありがとうございます。
 委員の皆様、いかがでしょう。ほかに何かお気付きがありましたらお願いします。長島委員、お願いします。
【長島委員】  長島です。
 10ページの(3)実効性のある研修機会の確保の①のところですけれども、養護教諭や栄養教諭について、本人の積極的な実行を促していくとともにという書きぶりになっていて、あくまでも本人の姿勢とか必要性に委ねられているような書き方になっているのですが、ここはやっぱり学校現場の中で子供を個別に把握して、課題にそれぞれ対応していく立場からは、自己に委ねられるだけではなくて、職種に委ねられるだけでもなくて、きちんと位置付けも必要かと思います。法的には教育公務員特例法には位置付けがないということではありますが、受けなければならないような形に、他者からの働きかけ、つまり、「管理職から」あるいは、「教育委員会から」の働きかけというか、そういうものも必要ではないでしょうか。何か本人の積極的な受講を促していくという、ここら辺りの表現をどう解釈したらいいんでしょうか。
【坂越座長】  いかがですか。それでは、事務局お願いします。
【事務局】  長島委員の御指摘について、まず(3)のところでも、そういう管理職からの受講勧奨という話を入れるのは差し支えないかと思ってございます。
 私の方で書いていたのは、今、長島委員がおっしゃった管理職の立場からの受講勧奨といったようなものについては、どちらかというと、8ページ目、(2)の方で、今、長島委員が、教育公務員特例法の対象ではないというふうにおっしゃいましたけれども、実は、養護教諭、栄養教諭も教特法の対象な部分はかなりあって、前回会議でもありましたけれども、この指標とか教員研修計画とか、またその研修等に関する記録というのは養護教員や栄養教諭も当然対象になるんですね。現在それに基づいてではないですけれども、研修履歴を活用した、対話に基づく受講奨励に関するガイドラインの策定に向けて議論しているところでして、当然この中には養護や栄養も入っているという理解に立っております。なので、(2)の方に入れておったんですけれども、もし長島委員の御意見を踏まえるようであれば、(3)の方にもそういった趣旨の記載を併せて入れることは可能でございます。
【長島委員】  ありがとうございました。
【坂越座長】  ありがとうございます。長島委員が指摘された部分は、こういうことが大事で、そして、その下の方で、校長等の管理職のマネジメントという形で対応策が挙がっているという、そんな組立てにはなっていると思います。
 そのほかいかがでしょうか、お願いします。貞廣委員、お願いします。
【貞廣委員】  遅参いたしまして失礼いたしました。千葉大学の貞廣です。
 今、長島委員がおっしゃったことと事務局が御説明くださったことを、さらに補足させていただきたいと思います。私、いわゆるガイドラインと言われるものの策定に関わる委員会の委員を私はしております。ここでは、ガイドラインとか、受講勧奨とは言っているんですけれども、そのベースにあるのは、専門家たる教職員が主体的に学び、学びの自由度が確保されることにあります。強制的にあなたたち学びなさいではなくて、専門性を基にして、自ら省察して、必要なものを自主的、主体的に学ぶ。専門家だからこそ、そのように学んでくださいというのがこのガイドラインの出発点です。従って、そのフィロソフィーを反映すると、学びなさいではなく、やはり主体的に学ぶことがベースになると思うんです。ガイドラインも、ここをすごく強く意識して書いてくださっているので、その点を強調して欲しいと思います。
 ただ、主体性を発揮するものだけでなく、そもそも学ばなければいけないものもありまので、恐らくその塩梅が難しくて、こういう書き分けになっているんだと思います。私は全く門外漢ですが、やはり専門家たる養護教諭、栄養教諭の方々には、自ら学びを発見して主体的に学んでいくという学びのサイクルをぜひ確立していただきたいと思いますので、どこかに主体的に学ぶという文言を入れていただいた方がいいかなと思いました。
 以上です。
【坂越座長】  ありがとうございます。積極的な受講を促すというか、むしろ自ら主体的に研修参加というか、自己成長を図るというニュアンスが出ればいいとは思うんですけどね。
 そのほか、何かありますでしょうか。
 研修について、これまでの論議の中でも、一人職なのでなかなか抜けにくいとか、ネットワークが取りにくいとか、そんな課題も挙がっていましたが、今日のイメージ案の中で、ちゃんと業務を整理して研修に参加するようにとか、そういうことも入れてもらっているので、そこはいいのかなと思います。それから、さらにはICTの活用ですよね。その辺りもよろしいかと思います。
 ほかに何か御意見ありましたら、お願いします。
 いっぱいご意見が出るかと思いましたが、皆さん、何か、ああ、こんな感じかなというイメージで受け止めておられるのでしょうか。この点が重要ということでも、もちろん構いませんので、お願いします。
 三木委員、お願いします。
【三木委員】  時間がもったいないと思うので発言したいと思います。
 育成指標等々に関して、各県の足並みがそろっていないという指摘があります。先ほどの北海道の課長さんの発表や調布市の発表にも、いわゆる育成指標制度が始まってから結構年がたっているのですが、それらとの関連には触れられていません。どうなっているのか気なっています。
 育成指標は、活用してこそ意味があると思うので、それぞれの行政の研修もそうだし、個々の養護教諭も、育成指標について今後理解し、自分がどのキャリアステージの中でどのような資質が必要であるかを認識する必要があると思います。現在、各県で育成指標を書き直していると聞いておりますので、養成、採用、研修それぞれの段階で、どのような活用とつながりを持てるかということが今後大事になってくると思います。
【坂越座長】  ありがとうございます。そうですね、8ページの辺りに書いてくれているところではありますが。
 またこれは、今の御意見をどんなふうに落とし込むのか、一応大学も参画して、こういう職務の専門性を反映した指標を考えるとか、それがひいては、大学での養成教育に反映されるとか、そういうことは一応読めるかなとは思うんですけれども。
 前半、後半分けましたけど、全体を通して、どこでも構いません、御意見がありましたらお願いします。
 お声が上がらないようなので、一応委員の皆様は、このイメージ案、たたき台は、それはそれとして、まずはよかろうというふうに解釈してよろしいですか。
 今日お越しいただいている委員の皆様、それぞれ1回ぐらいずつはご発言いただけましたか……。ごめんなさい、中村委員、どうぞ御発言ください。
【中村委員】  中村でございます。
 先ほど10ページの下から2番目のひし形について、長島委員と貞廣委員から御意見が出ておりましたけれども、こちらには物理的な時間的ゆとりを確保することが重要であると記載されておりまして、この意味は、確保できていないから確保しないといけないという意味でしょうか。あるいは、日々の業務が忙しくて、こういうところに参加できるゆとりがないという意味合いも含まれているということでしょうか。
【坂越座長】  いかがですか。
【事務局】  今、中村委員がおっしゃっていただいたのは、全てが全ての養護教諭、栄養教諭が、そういった考えを持っているとまでは確証を持って言えませんけれども、養護教諭や栄養教諭の先生方が、研修もしくは研修に限らずでしょうけれども、自分の資質能力の向上に割く時間がないという御指摘は、この会議でも何度か御意見をいただいたように認識してございますので、その趣旨で書かせていただきました。
【中村委員】  そうすると、改善が要るという意味合いと取らせていただいていいわけですか。
【事務局】  全体としてなのか、個々の養護教諭、栄養教諭を見てなのかという話になるとまた少し考えるところはあると思うんですけれども、少なくとも時間がなくて研修に参加できない養護教諭や栄養教諭がいるという御指摘をいただいている以上は、それは少なくともその場面を見れば改善が必要なんだろうと考えております。
【中村委員】  分かりました、ありがとうございます。
【坂越座長】  ということです。
 そのほかに、お願いします。
【鈴木委員】  鈴木です。
 まだ意見が、頭の中でよくまとまってなくて。なぜかというと、調布市の校長先生の話を今日伺ったので、この資料3にどのようにしてほしいかというのではなく、私は大学で管理栄養士を養成しています。栄養教諭の課程も持っていて、栄養教諭も養成し、資格を出しています。卒業生は、確かに管理栄養士であり、栄養教諭として大学を卒業させているので、採用上、学校栄養職員としての職務しかできなくても、栄養教諭としての職務をやらせようと思えば、しっかり教えていますからやれるのです。
 やれるからやらせるという問題ではなくて、私は、学教栄養職員なのだけれども、例えば書道の上級者であったり、すごい書道の腕前を持っていたりしても、書道の先生ができるのかといったら、それは違うでしょうというのと同じように、学校栄養職員は学校栄養職員としての職務を全うすべきであって、教諭としてやれるからやらせるというのは、違うと思います。目の前に栄養の問題を抱えている子供がいたら、指導したくなるのは当たり前なんですよ。それは、管理栄養士としての職業倫理上そうなるのです。
 だけれども、私は、校長先生の話を聞いていて、とても複雑で、やれる人材があるからやってもらうという考えになってしまったら、もう栄養教諭は成り立たなくて、学校栄養職員が栄養教諭としての役割を果たして、何か失敗したときに、その職場で職務上の権限がないのに栄養教諭の職務を行った場合に、校長先生の指示の下でやっていらっしゃるから、全面的に校長先生が責任を取られるのだろうと考えます。それにしても子供たちに影響を及ぼす職務に対して、お願いベースでやるというのはやっぱりちょっと、私としては本当に複雑な思いで、この会議の前半を聞いていました。
 私は、栄養教諭の資質能力の検討なので、学校栄養職員については今までのこの会議で全く言及はしませんでした。一切学校栄養職員という言葉は出しませんでした。なぜなら、栄養教諭の職務を明確にすべきだと思ったからです。とても複雑な気持ちになりましたので、ここに何か書き込んでいただくべきかどうかというのを今後、時間を置いて考えさせていただければなと。
 研修に関しても、学校を卒業する時点での栄養教諭として必要なところは大学で一生懸命教えますが、その後に補強・増強しなくてはいけない栄養教諭としての研修はその時点で実施しなくてはいけないので、学校栄養職員で栄養教諭の資格を持っているからといって、栄養教諭の代わりを務めさせることについても、とても気になりました。
 これは今日のプレゼンを見てですので、資料の書き込みについてはお話しできませんが、坂越座長をはじめ委員の皆様方には、複雑な思いでいることを表現したいと思います。ありがとうございます。
【坂越座長】  いえいえ、発言いただいてありがとうございます。
 基本的には、今日の深大寺の校長先生のお話は一つの事例という形で、この会議としては受け止めていいと思います。ですから、栄養職員のことについて、特に我々は発言するものではなく、専門職としての栄養教諭の職務、業務、役割、これをきっちり押さえていくと。逆にそれが、文章には書き込まないけれども、栄養職員の方との違いが明確化されることにもなると理解をしています。
 事務局、どうぞ。ごめんなさい、北中委員、次に発言を。
【事務局】  恐らく北中委員も同じことをおっしゃるのかもしれませんけど、今、鈴木委員の話の中で、恐らく行き着くところは、採用の話に行き着くのかなと思っております。
 学校栄養職員としての採用と、あと、栄養教諭としての採用が、各都道府県教育委員会で行われているんですけれども、これが別々に分けられている状況となっています。ただ、この議論の整理で申し上げたかったのは、栄養教諭が果たすべき役割というのを整理した上で、ではその整理された役割を果たすために、栄養教諭だったり、学校栄養職員だったりの採用がうまく機能しているかということを、ちゃんともう1回考えた方がいいんじゃないのかという趣旨で、7ページ目の2つ目のひし形のところで問題提起だけ、まずさせていただいております。この部分について、どこまで書き込むかということについては、この夏の段階なのか、もっと先なのかという話は分かりませんけれども、もう少し議論をお願いできればなとは考えでございます。
 以上です。
【坂越座長】  北中委員、お願いします。
【北中委員】  申し訳ありません。今、事務局に御説明いただいたのは、本当に本県でもそのとおりです。ちなみに兵庫県は、栄養職員の方からの任用替えというのが既に進んでおりますので、本県の中では栄養教諭と、いわゆる調理員さんの住み分けになっているのが1点ということです。
 あともう1点、ちょっとお伝えをしたかったのが、今、鈴木委員からの御指摘を受けて、ちょっと気になっていたのが、5ページのところなんですけれども、求められる役割の明確化のところで、それぞれ表を2つ、栄養教諭と養護教諭が書かれています。結論から申し上げますと、ここに注釈というのをつけていただければ。ほかの表1とか表2のような形みたいに注釈があればなと思いましたのが、ちょっと細かいんですけど、令和2年7月17日付けで文科の方から出されていますけれども、教職員等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則の参考の例があったと思うんですけれども、この中では、あくまでも最終的に学校における職務の内容については、関係法令を踏まえて服務監督者の教育委員会が定めるものだというようなことで、若干幅というのが確かにあるのかなという部分での、ここの注釈の必要性みたいなことをちょっとお聞きしたかったので、あわせて、ちょっと御質問なんですけれども、よろしくお願いします。
【坂越座長】  事務局、もし今何かコメントできることがあればお願いします。
【事務局】  今、北中委員がおっしゃっていただいたように、具体的に各地域における養護教諭や栄養教諭の職務の範囲というのは、各服務監督権者の規則によって定められることになっております。その意味で、ここの養護教諭や栄養教諭の表に整理はさせていただいておりますけれども、服務監督権者によっては違った書き方になることはもちろん想定されてございます。その意味で、北中委員の趣旨をどう表すか。少し修文の方を私の方で考えさせていただきます。これが一般的なんだけど具体的には服務監督権者が定めるんだよとか、少し言い方を考えさせていただきます。
【坂越座長】  その辺りは事務局の方でちょっと検討をお願いしたいと思います。
 そのほか何かございますでしょうか。三木委員。
【三木委員】  ありがとうございます。
 最初、事務局からの御説明で、あと、座長からのお話だったかと思うんだけど、いわゆる学校とか学校関係者、養護教諭、栄養教諭の勤務関係者はもとより、社会一般にそれぞれの職が分かるような書きぶりにしましたというお話がございました。その視点からこの報告書ができるとすれば、こういう書き方なんだろうなと思っております。
 私どもは専門職として、その世界で生きてきた者については、こういう書き方、こういう専門性が生かせるということは理解できます。しかし、社会一般に理解していただくためには、この現状と課題を明確にしていく必要があると思いました。そして、今後の検討に向けてということについて、これは検討中と14ページに書いてありますので、そこにどう書き込むか大変楽しみにしています。それぞれの職がきちんと学校保健活動なり食に関する指導の中に、この資質向上で目指すものが生きてくる可能性があると思って、ずっとこの報告書を見てまいりました。
 そういう意味で、今後の4番にどう書き込むかということが大変重要になるんだろうと思っております。そこにこの委員会がどういう議論をするのかということかと思っておりました。そういう意味では今後議論が、今の課題を私どもが委員としてどうここで捉えるのかということだと思います。
 それで、例えば5ページに、前回の職務のイメージ図、ちょっと工夫されているような気もいたしました。この辺につきましても、座長も、この中で意見があれば事務局にというお話がありましたので、またじっくりここを見せていただいて、建設的な意見交流ができればと強く思っております。
【坂越座長】  何か三木委員に、今日の会を締めていただいたような感じですけれども、事務局にはプレッシャーがかかりました。
 また、いろいろ委員の意見を伺いながら取りまとめ、そして、今後の検討に向けてという辺りをどういうふうに表現していくのか、またいろいろ協議をいただきたいと思います。
 今52分で、予定の12時よりはちょっと早いんですけれども、委員の皆様から、いろいろ御意見をいただきましたので、今日のところはこれぐらいにしたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
【坂越座長】  それでは、事務局からの連絡事項等がありましたらお願いします。
【事務局】  事務局でございます。
 本日は様々な御意見を頂戴してありがとうございました。
 ちなみに申し上げておきますと、今後の検討に向けてというところは、終わりにぐらいのイメージでしか考えておりませんでした。この会議の議論の整理で申し上げるべきこと、また、年末の報告書で申し上げるべきこと、さらには、この会議だけで全てが解決できるとは思っていませんので、この会議の役割としてどこまで言うか、それをさらに次の検討にどうつなげていくかという問題として受け止めておりますので、それをうまく表現できればなと考えてございます。
 次回の会議についてでございますけれども、現在のところは、8月29日の15時から予定してございます。近くなりましたらまた改めて御案内をさせていただきます。
 また、本日の議事概要につきましては、事務局で作成した後に、委員の皆様にメールでお送りして御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【坂越座長】  ありがとうございます。
 では、以上で第3回の養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議を閉会といたします。委員の皆様、どうもありがとうございました。事務局も御苦労さまでした。また、よろしくお願いします。

―― 了 ――


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