「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議(第8回)議事録

1.日時

令和4年10月17日(月曜日)13時00分から15時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 教育委員会の機能強化・活性化のための方策等について
  2. 教育委員会と首長部局との効果的な連携の在り方について(ヒアリング等)
  3. その他

4.議事録

【清原座長】  皆様こんにちは。ちょうど午後1時になりましたので、開会させていただきます。
 本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。ただいまから「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議第8回を開催いたします。
 本日は報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をオンラインにて配信しておりますので、どうぞ御承知おきください。
 それでは皆様、本日もよろしくお願いいたします。
 まず、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【伊藤初等中等教育企画課課長補佐】  お手元の議事次第を御覧いただければと思います。配付資料一覧でございますが、資料1といたしまして、教育委員会の機能強化・活性化のための方策についての今後の論点案を用意してございます。また、資料2といたしまして、今回のヒアリングで行います北海道紋別市の発表資料を御用意しております。また、参考資料1から4をおつけしておりまして、参考資料4につきましては、前回までの御意見について記載をしております。その他の資料については修正等ございません。よろしくお願いいたします。
【清原座長】  ありがとうございます。それでは皆様、資料をお手元に置きながら、会議に参加をよろしくお願いいたします。
 それでは早速議事に入ります。本日の議事は、1、教育委員会の機能強化・活性化のための方策について、そして議題の2は、教育委員会と首長部局との効果的な連携の在り方等について、ヒアリング等を含んで行います。3点目、その他、でございます。
 それでは、教育委員会の機能強化・活性化のための方策については、これまで多くの事例についてヒアリングを行い、委員の皆様と意見交換をしてまいりました。そのヒアリングや皆様との意見交換を踏まえまして、事務局において論点案を用意していただきました。まずはこの論点案を基に、皆様とさらに議論を深めていきたいと思います。そして、前半そのようにさせていただきました後に、教育委員会と首長部局との効果的な連携の在り方について、北海道紋別市教育委員会堀籠教育長に総合教育会議等の取組についてヒアリングをさせていただく予定です。
 それでは早速、前半の議題の1、教育委員会の機能強化と活性化のための方策について事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いいたします。
【伊藤初等中等教育企画課課長補佐】  それでは、お手元の資料1を御覧いただければと思います。
 まず、1ページ目でございます。教育委員会の機能強化・活性化に向けた論点といたしまして、議論の位置づけを分かりやすくする観点から、まず、二重の枠囲みの中に問題意識を記載させていただいております。
 教育委員会は首長からの独立が確保されている反面、意識的に取り組まなければ自前主義に陥ったり教育行政が閉鎖的になってしまうおそれもあるところで、外部に開かれた教育行政を展開していき個別最適な学び・協働的な学びを実現するために、以下のような取組を意識的に行っていく必要があるのではないかということで記載をさせていただいております。
 1つ目が教育行政への多様な人材の参画といたしまして、教育委員会事務局の機能強化、2つ目が教育委員会のチェック機能の実質化ということで、教育委員会会議の活性化でございます。
 もう1つ、総合教育会議等を通じた首長・他部局との連携についても記載をしております。この論点についてはこの会議では別の議題として位置づけられておりますので、次回以降、議論を予定しております。
 このページが今回論点案の概観になりまして、次のページから個別に説明をさせていただければと思います。
 2ページ目でございますが、まず、教育行政への多様な人材の参画ということで、教育委員会事務局の機能強化について御説明をしたいと思います。
 1つ目でございます。職員の資質・能力の向上についてですが、事務局職員には教育行政に関する知見が求められますけれども、教育課題も日々多様化・複雑化しており、自身の学びをアップデートしていく姿勢が大変重要と考えられます。例えば教職大学院など大学・大学院での学び直しの機会を積極的に提供したり、学校に派遣をして教育現場での経験を積む機会を積極的に提供する、こういったことが重要ではないかといったことを記載しております。
 また、その下でございます。職員を対象とした各種研修についても、個別最適な学び・協働的な学びが実現でき時代に即した内容となるように、意識的にアップデートを図る必要があるのではないかといったことも記載をしております。
 また、その下でございます。一般行政職出身者と教員出身者の連携についてでございますが、1つ目のポツでございます。以前この会議でも文部科学省の調査結果について御説明をした機会がございましたが、一般行政職については予算関係業務とか事務処理等の事務的な業務、教員出身者は学校訪問や教育課程等の教育活動に係る業務に従事する傾向が見られております。
 各部局の職員配置につきましては、個別の教育課題の性質・内容とか施策の方向性、個々の職員の能力等に応じて適切に判断される必要がございますけれども、特に教員出身者が教育課程や学校への指導等に関する業務以外の事務処理等に労力を多く割かれることがないように、必要に応じて業務内容や分担を整理することが必要ではないかといったことを書かせていただいております。
 その下でございます。これも「例えば」と書いておりますが、専ら教員出身者が従事する傾向にある指導系の部署においても、人材の多様性を確保していく観点から、全ての業務を教員出身者に委ねるのではなく、首長部局や一般行政職の職員が一定の業務に従事することとか、外部の専門家を参画させることにより専門性を担保しつつバランスのとれた行政運営を実現できるのではないかといった問題意識を書かせていただいております。
 次のページでございます。引き続き事務局の機能強化についてですが、教育行政職についてでございます。前回京都市さんにヒアリングを行いましたけれども、専ら教育委員会事務局でキャリアを過ごす教育行政職の採用が行われている自治体が存在しておりまして、文部科学省の調査結果を参考で書かせていただいておりますが、都道府県・指定都市が16自治体、市区町村で5自治体、このような取組を行っていることが分かっております。今後、各自治体の教育行政を支えるキーパーソンとして、このような採用の在り方を広く周知していくことが考えられるのではないかといったことを書かせていただいております。
 3つ目の丸でございますが、その際の留意点といたしまして、教育行政職については、大きく教育委員会事務局を移動するゼネラリストとしての役割、教育分野のスペシャリストとしての役割、こういったものが考えられますけれども、自治体の規模や抱える課題によって、必要となる専門性の度合い、育成方針やキャリアパスも異なってくるため、十分に調整しつつ、実態に即した仕組みを検討する必要があるのではないかといったことも書かせていただいております。
 4ページ目でございます。外部人材の積極的な登用についてですが、教育委員会事務局におきましても外部人材の活用・登用は重要であると考えられますので、専門的な課題解決とかデータ分析・活用等の様々な面でこういった外部人材を活用することが想定されますが、そのメリットや留意点等についても分かりやすく周知していくことが必要ではないかといったことを書かせていただいております。
 また、その下でございますが、教育委員会と他部局、他の関係機関をつなぐコーディネート機能も今後ますます重要となるのではないかといった問題意識に触れております。
 また、外部人材に加えまして、関係機関との連携についても、その下、記載をしております。様々な資源やノウハウを有する大学、研究機関、社会教育施設、民間企業等の関係機関と積極的に連携していくことが重要ではないかといったところで、また、連携協定の締結などに取り組まれているところではございますけれども、このような関係機関との協力がもたらす効果などについても分かりやすく示していくことが必要ではないかということを書かせていただいております。
 最後の丸でございます。これは児童生徒への対応の文脈で、これまでも取り組まれていることかと思いますけれども、困難を抱える児童生徒への支援の観点からは、福祉部局などの首長部局のほか、警察や児童相談所等の関係機関、医療機関、地域との連携も、より一層力を入れて取り組んでいくことが重要ではないかといったことを記載しております。
 これまでが教育委員会事務局の機能強化についてでございますが、5ページ目からは教育委員会会議の活性化について御説明をしたいと思います。
 まず、教育委員会会議の実質化でございますが、教育委員会会議は単なる教育委員会事務局の追認機関ではなくて、チェック機能をより一層実質化していくことが重要であるといった問題意識を書かせていただいております。
 そのためには教育委員会会議の議論が活発になるような取組を積極的に行うことが求められておりますけれども、以下のような取組を十分に行う必要があるのではないかといったことを書かせていただいておりまして、まず1つ目が、委員の提案に基づく議題の設定、2つ目が、会議開催前の事前の資料配布や事前勉強会の開催、3つ目が、会議前後の自由討議の機会の確保、4つ目が、地域や学校関係者などとの意見交換会の開催、5つ目が、移動型の教育委員会会議の実施、こういった取組を書かせていただいております。
 また、教育委員が遠隔でも教育委員会会議に参画できるように、オンライン会議システムなどの積極的な活用を図ることも重要ではないかといったことも記載をしております。
 最後、6ページ目でございます。教育長・教育委員の資質・能力の向上についてでございます。
 まず、1つ目の丸でございますが、教育委員は教育行政の単なるアドバイザーではなく、意思決定に対する責任を有しておりますので、そのチェック機能の観点からは教育委員の資質・能力の向上は極めて重要と考えられるところでございまして、教育委員の勉強会や研修会の実施・開催、教育委員向けの学校訪問の機会の確保、あとは他自治体の視察などの機会を積極的に確保していくことが必要ではないか。また、本会議でも関連する問題意識をいただいておりますけれども、特に、教育委員が十分に活躍できるためには、自らが教育委員会においてどういった権限を有するのかなどについて十分な情報を把握していることが重要であり、こういった点について改めて整理する必要があるのではないかといったことも記載をしております。
 その下につきましては、教育長の選任についてでございますが、特に教育長の選任に当たっては、外部人材とのマッチングを検討することも一つの方策として考えられるのではないかといったことを記載しております。
 また、最後の丸でございます。これも関連する問題意識を本会議でもいただいておりますが、教育長には様々なバックグラウンドの者が選任され得るところでございますが、新たに教育長を選任する際には、これまでの職歴や経験が教育行政の抱える課題にどのように生かされるかを十分に考慮していく必要があるのではないかといった問題意識を記載させていただいております。
 米印で、特に考えられる留意事項を記載しています。行政職出身者については行政運営に関する能力が相対的に高いところでございますが、教育委員会を経験していない場合には、学校現場や教育行政に関する経験や知識が不足している可能性もありますが、他方で、教員出身者につきましては、学校現場に関する知見が深く、学校現場との円滑なコミュニケーションが期待される一方で、行政運営に関する経験や知識が不足している可能性もあるといったことを一般論として書かせていただいております。
 7ページ以降は参考資料でございます。適宜御参照いただければと思いますが、まず、7ページにつきましては、文部科学省の調査で一般行政職出身者・教員出身者の職務分担についてお調べをしておりますので、その内容について掲載をしてございます。
 10ページ目でございますが、こちらが教育委員会会議の運営上の工夫などについてでございまして、これもこちらが行っている調査で出た結果を掲載しております。(1)が教育委員会会議の運営上の工夫、(2)が活発に議論できるような取組の工夫でございまして、全体的な傾向としては、市町村の取組について、都道府県や指定都市に比べてやや低調な傾向が表れているのではないかなと考えております。
 11ページでございます。これは教育委員の研修の結果についてでございます。都道府県教育委員会が市区町村の教育委員会の教育委員を対象として行った研修について、全市町村を対象とした回数が0.5回、一部市町村を対象とした回数が1.0回となっております。また、教育委員が1人以上参加した研修会の回数でございますが、都道府県・指定都市は3.7回、市町村が1.0回となっております。このデータが令和2年度となっておりまして、この前取ったのが平成30年度でございます。コロナの影響で恐らく研修が中止になったりということで、少し回数が減っていると、そういったことが表れているのかなと思います。
 最後、12ページでございますが、文部科学省で、教育長・教育委員の研修に関する取組等を行っておりまして、1つ目が、新任の教育長・教育委員向けの資料の作成・周知でございます。こういった資料、教育長や教育委員に求められる役割とか、服務、留意事項、研修機会などについてまとめた資料を作成しておりまして、これを周知しております。また、関係団体とも連携して、教育長や教育委員向けの研修の機会も確保しております。
 以上、駆け足でございますが、資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【清原座長】  ありがとうございます。伊藤課長補佐には、これまで私たちがヒアリングを受け意見交換をしてきたことを踏まえまして、資料1として教育委員会の機能強化・活性化のための方策について今後の論点案をまとめていただき、今、御説明をいただいたところです。
 これから質疑応答・意見交換に入りたいと思いますが、冒頭一つ御紹介させていただきたいことがございます。と申しますのは、先週10月13日に中央教育審議会の教育振興基本計画特別部会が開催されました。その中で次期教育振興基本計画の基本的方針として、1、日本型ウエルビーイングの向上、共生社会の実現に向けた教育の推進、2、グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成、3、地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進、4、教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、そして5として計画の実効性確保のための基盤整備・対話というのが提案され、基本的方針としてはおおむねこの5つの方針に基づいて、今後各論に入ることになりました。
 そこで、今日も御出席の岩本委員が大事な発言をしてくださいました。それは、こうした基本的な方針に基づいて、これから各論を検討し、計画を策定していくわけだけれども、それをきちんと推進していくには何よりも地方教育行政が極めて重要であると御指摘いただきました。また、私もこの調査研究協力者会議での検討があることを御紹介いたしまして、その中で、教育委員会、そして首長部局のさらなる連携が極めて有効であるという発言をさせていただきましたので、そのことを冒頭御紹介し、そして本日の意見交換に移りたいと思います。
 今回は、ただいま御説明をいただきましたように、まず「教育行政への多様な人材の参画」という部分と、2番目として「教育委員会のチェック機能の実質化」という、2つの論点がございます。そこで、資料1の1ページから4ページまでと5ページ、6ページと2つに分けて、皆様から御意見をいただきたいと思います。
 それでは、まず最初に、「教育行政への多様な人材の参画」について、御質問や御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。いつものように「挙手ボタン」を押していただくか、画面上で挙手していただければ、私から指名をさせていただきます。どなたからでもどうぞ。
 ありがとうございます。それでは戸ヶ﨑委員、よろしくお願いいたします。
【戸ヶ﨑座長代理】  私から、まずは、このたび、それぞれの論点ごとに、委員の皆様の発言内容や、またヒアリング等を適切に整理し、大変見やすくまとめていただいた事務局の皆様方に感謝申し上げたいと思います。せっかくこのようにまとめていただいているので、書いてある内容というよりも、先々どこかのタイミングでお話し申し上げなくてはいけないと思っていたので、大きく2点ほど、この先の、活用という視点から意見を申し上げたいと思います。
 1点目は、せっかくこのようにまとめていただいた報告書ですので、ぜひそこに魂を込めるというか、訴求力のある報告書にしていただけるとありがたいなということです。
まず、今回まとめていただいている様々な提言の内容を、今後、全国に展開していくことになるわけですが、そもそも今回のまとめや報告書が出来上がった後、それが多くの自治体において本当に活用され、実践に移されていくのかというところに危惧を持っていることからの視点であります。
 これまでは多くの様々な事例集のように、グッドプラクティスの結果だけが示されるものが一般的にあったわけですが、それだけをやっていたのでは画餅に帰してしまうのは明らかです。これまでの事例集のように優良事例の結果を示すのがメインになってしまうと、それはあの自治体だからできるのだろうと思われてしまい、政策波及は今後期待できません。
 そこで、今回の報告書で取り上げていくであろう事例等については、ぜひ自治体が取組を進めてきた背景やプロセス等も可能な限り取り入れたり、さらにはレイアウトの工夫などによって検索性を高めたりするなど、まとめ方の工夫をしていくことも必要ではないでしょうか。個人的には、なかなか難しいかもしれませんが、失敗談等も入れ込まれているといいのではないかと思います。いずれにしても、教育委員会に対して訴求力の高い、そういう報告書になるようにしてほしいというのが1点目です。
 2点目は、周知方法や活用の工夫についてです。この報告書が教育委員会の事務局止まりにならないように、まずは首長や教育委員の方々にもぜひ目を通して理解してもらうことが非常に重要だと思っています。実際に活用されるまでを視野に入れて報告書を作成するとともに、活用されるために何かしらの意図的な「仕掛け」が必要だと思います。
 例えば、方策として今後考えられるのは、全国市町村教育委員会連合会や全国の都市や市町村の教育委員会協議会などで、本会議の報告書を行政説明等で説明していただいたり、また、この報告書を基に作成した教育委員会の取組状況に関するチェックリスト等を作成し、協議・研修したりする機会を設けることも考えられます。
 また、日頃から教育委員会として問題意識、課題意識を持っているのであればいいのですが、旧態依然とした現状に満足してしまっているような教育委員会こそが問題ではないでしょうか。困ったところは、概して困っていないところなわけです。先ほどのような場で、事務局だけではなく教育委員の方々が、他の自治体の教育委員との意見交換等をすることを通して、政策波及をどんどん促していく仕掛けも考えられます。
 また、調査研究協力者のここにいらっしゃる皆様方におかれましても、先ほど座長からもありましたが、ぜひ、いろいろなところでPRしていただいたり、各地域で行われる研修会や講演等の機会があれば、意図的にテーマとして扱っていただいたり、また、積極的にアウトリーチしていただくなど、このような議論の様々な自治体への波及に努めていくことも大切だと思います。
 さらに、これは文科省にぜひお願いですが、論点に掲げられた事項について、会議の取りまとめを踏まえ、どのような取組がそれぞれ実施されたのかも含めて、各教育委員会の取組状況について、今後は積極的にフォローアップしていく必要があると思います。せっかく開かれているわけですから、本会議の成果を把握する観点からも重要だと思いました。
 長くなりましたが、以上です。
【清原座長】  戸ヶ﨑委員、ありがとうございます。実は偶然でございますが、今回の会議の打合せをいたしましたときに、伊藤課長補佐と私と豊田さんと、このようにまとめていくに当たっては今後どのように訴求していくかということも考えていかなければいけませんねという問題意識をちょうど確認したところで、戸ヶ﨑委員がおっしゃっているように、これからまとめていくときに、どのような場で訴求し公表していくかということも踏まえた分かりやすい、また読みやすい報告書、提言にまとめていければなと思っています。
 そして、特に教育長の皆様がお集まりになるときだけではなくて、教育委員の皆様に届くようにしたいということを話し合ったところですし、幸いにもこの会議には全国市長会社会文教委員長の吉田市長さんがいらっしゃいますので、御協力いただいて、全国市長会の社会文教委員会の場でも、それこそ吉田市長さんに報告していただいても説得力があるかなと思っているぐらいでございまして、とにかく教育行政の地方での在り方について、ぜひ訴求力を意識しながら皆様と御一緒に今後も取り組んでいきたいと思います。積極的な問題提起を、どうもありがとうございます。
 それでは、ほかの委員の皆様いかがでしょうか。
 それでは、村上委員お願いいたします。
【村上委員】  事務局の皆様、どうも議論の取りまとめ、ありがとうございました。私からは、この前半部分については1点だけコメントがあります。
 後半の教育委員会のチェック機能の強化にも含まれるのかもしれませんが、私個人の問題意識としては、教育委員会の対応に関しては、むしろ小規模自治体よりも大規模自治体のほうがマスコミなどでいじめ問題の対応などが問題になるケースが多くて、これはなぜだろうというのが個人的には非常に不思議なところです。大規模自治体のほうがそうした対応が難しいところがあるのか、都市部であるとか管理している学校の数が多いとかそういう事情なのか、あるいは小規模自治体でもそういうのはあるんだけれども単に表に出ていないだけなのかは私もよく分からないところではあるんですけれども、2014年の改革のきっかけになったいじめ問題の対応を考えた場合に、特に大規模自治体の事務局の機能強化は小規模自治体と同様に重要であろうと思います。
 そのときに、以前意見発表でも申し上げましたが、県や国が、場合によっては市町村教育委員会事務局のチェック機能というと言い過ぎかもしれませんが、支援機能、支援とか、あるいは場合によってはチェック機能を果たすことを、機能強化の中に含めてもいいのではないかと思いました。
 より具体的に言うと、例えばいじめ対応のときに、現在はいじめ防止対策推進法で同じ自治体の中の首長部局などが再調査を行うことになっていますけれども、場合によっては例えば都道府県の教育委員会あるいは文部科学省、あるいは知事部局とかこども家庭庁もあるかもしれませんが、そうしたところに常設の第三者機関を置いて、市町村教育委員会単独では対応し切れない場合に、機能強化の一環として、そうした県や国の第三者機関が支援あるいは調査に入るという枠組みがあってもよいのではないかと思います。
 そうしたことを考えましたので、多様というところがキーワードになると思うんですけれども、多様な人材といったときに、事務局内部にそうした多様な人材を取り込むだけではなくて、場合によっては国とか都道府県教育委員会など多様な主体が積極的に参画するという機能強化の視点があってもよいのではないかと個人的には考えました。
 大規模自治体のガバナンスを考えなければいけないというのが趣旨です。以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。地方教育行政といっても、自治体の規模という視点も重要であるし、例えば具体的な事例として、いじめ対応であるならば、必ずしも自治体の首長部局あるいは教育委員会の多様な人材だけではなくて、国や県の多様な主体との連携も視野に入れてはどうかという御提案をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、青木委員、続いて藤迫委員お願いします。
【青木委員】  ありがとうございます。青木でございます。おまとめありがとうございました。私からは教育委員さんお一人お一人の研修についてお話ししたいと思います。
 合議制の行政委員会ということは十分承知した上で、それを構成する一人一人の委員の役割が大事だと考えます。その点において、現時点での教育委員さん向けの研修はもう少し改善する余地があるのではないかと考えております。
 具体的に改善の方向をお示しします。研修の実質化としましては、ICTを使ってオンデマンドでお一人お一人に研修をお届けできるようなことができればいいなと思います。そうすると、そこには当然、クイズを組み込んで一定の点数を越えないと終わらないぐらいの履修履歴が確保できるのがいいと思います。なぜそんなことを言うかといいますと、私のような大学教員は今、そういうFDを盛んにやっていまして、あれは結構印象に残るんですよねということもあります。
 要は、教育委員の権限を含めて、何ができるのかということが十分伝わってないように思います。例えばそれに動画で模擬教育委員会というようなロールプレーをお示しすることがあれば、具体的に教育委員会を構成する御自身で何ができるのかということが御理解いただけるのではないかなと思います。行動につながる研修が何より大事だと考えます。
 以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。教育委員の皆様の研修について、特にICTを活用したオンデマンドの活用を進めるということで、とりわけ教育委員さんが自らの権限というもの、役割というものを確認する方向性が重要ではないかという積極的な御提案をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、藤迫委員お願いいたします。
【藤迫委員】  ありがとうございます。私から、気がついた点というか、2点ありまして、まず1点は、多様な人材の参画ということですが、私もよその教育委員会事務局の中はあまりよく見たことがないので分からないんですが、私のところの例を出すと、まず、昔は、我々、課とか室が最小の単位になるんですけれども、課・室の単位で、この室は教師出身者の島だと。これは行政職の島だと。島ごとに分かれていたわけですね。それが一歩進んで、行政職の職員と教員とが交じる必要があるということで、次のステップは交じったんですよ。
 ただ、交じっても、その島の中でどうなっているかというと、行政職は一般的な庶務部分を持って、教員出身者がいろいろな現場に出ていきやすいような環境整備、そういう交じり方。それは駄目だということになって、今どうなっているかというと、島の中には両方の職員がいて、お互いに議論のできる組合せで島を設置している。そういうことが必要なのかなと思っています。
 先ほどもいじめの話が出てきましたけれども、いじめ、特に児童生徒の指導をする教員側としては、子どもたちに寄り添って早くに解決したいということで、少し周りが見えない部分がありますけれども、一方、行政職は、いや待てよと。これを第三者に説明するのであれば、こういう手続を踏んでこのようにいかないと説明できないよという、それぞれの特徴を持った職員同士が議論してかみ合うことで物事がうまくいくということなので、連携する、交じるという体制をとるにしても、それぞれ議論できるような室にしていかなければならないんじゃないかなというのが、まず1点です。
 もう1点は、今、話ありました研修ですけれども、まさにコロナで唯一というほど良くなったのは、オンラインで会議ができるとか、オンラインで研修できる、オンデマンドでできるというようなことなので、それを最大限に生かして、教育委員さんの研修もそうですし、教職員、事務局の職員の研修もそうですけれども、あまり時代の流れに流されない基本的なことは、もうアーカイブ的にうちは残していこうとしているんですね。残していって、いつでも見たい時に、振り返えられるようにしていこうと。いやいや、もうそんな、ICTとか、もう時代の流れにすごく影響がでるものについてはスピーディーに変えていくけれども、取りあえずいつでもどこでも自分が見たいときに見れるような研修は、今は構築できるんじゃないかなと思っています。
 2点です。
【清原座長】  ありがとうございます。職員の構成の中で、所掌の範囲というところで縛られないように、異なる分掌の職員とも交流する、連携することが望ましいということです。そういう職場の仕掛けが重要であるとおっしゃったことと、何よりもオンラインのメリットを生かしつつ、それこそ、不易流行ではないんですが、変わるものもあれば、変わらないものもあると。その辺りのことについて、きちんと目配り、気配りをした研修が必要という御提案でした。ありがとうございます。
 それでは、小﨑委員、お願いいたします。
【小﨑委員】  よろしくお願いいたします。奈良教育大学の小﨑です。今回のまとめの中身を見せていただいて、非常に今までの議論も筋が整理できていましたので、大分御苦労されただろうなと思いながら拝見しました。事務局の方、ありがとうございます。
 私は、県の教育委員会が長かったので、知事部局の教育担当課とはすごくいろいろなやり取りをさせていただく機会が多かったんです。助けてもらうことが非常に多くて、そこで感じたことですけれども、それぞれが別々で進んでいくときは、お互いが持っている得意なところで勝負しながら話を持ち寄ると、すごくうまくいくということです。一緒に何かをするときは、今度は逆に、自分はこれが弱いんだとかいう弱みのところを相手に委ねながら、要するに助けながら一緒にやると、物事がスムーズに進むという経験が多かったんです。だから、こういう場合はこうしたらよいではなく、こうしたらこうなったよねという事例を、具体的に講演をしたりお話をしたりする段階でエピソードとして挙げていけると、いろいろなことが進むんじゃないかなと感じていました。
 もう一つ。大きい規模のところがと小さい規模のところという横並びでの大小であればいいんですけれども、県と市町村とか、そもそもの組織の包含関係になってきたときには、どうしても流れが大きいほうから小さいほうへいくことを強く感じていたんですけれども、奈良でやったときなんかは、逆に、大きいところはとにかく下支えに回る。小さいところのほうが機動力もあるし、思い切ったこともたくさん取り組んでおられるので、それを全体に引っ張ってきてみんなに広げて、もう思い切ったことをやってくださいとしました。組織の大きいところが全体を見て小さいところを支えると、物事が回り出した経験をしましたので、頑張っている小さなところが浮かないようにする流れがまず要るかなと感じました。
 あと外部人材のことも、制度として新しく持ち込んだばかりのときには、それなりに時間もかけて丁寧にいかないと、誰だこれ、みたいな違和感はあるんですけれども、それが徐々に理解されていくととても頼られるようになるんです。やっていることが正しいかったらすっと受け入れられるということではなくて、寄り添いながら一緒に考えることによって信頼関係もできていって、少しずつ広がっていくことになっていくので、外部人材の方を採用するときは、単にこういう例でこのようにやっているところがありますよだけじゃなくて、それが、先ほど戸ヶ﨑教育長がおっしゃったのと同じことになるんですけれども、そのことが結局どうなったのかということもセットで示せると、安心するんじゃないかなと感じました。
 あと、風通しがすごく大事だなと組織では特に思いましたので、実際は、すぐ隣の係とうまいこといかなかったり、身近なところほどハードルが高いような感じがしていて、むしろ遠くの人たちとは仲よく話ができるんだけれども、身近になればなるほど、いろいろな意味で知っているからこそ言わないで終わらせてしまうこともするので、そういうところは外部の人が積極的に関わって、こうですよね、このように見えていますよということを話すだけでも安心して物事が進んでいくので、ぜひここは積極的に外部との連携なんかをしていただけたらと思います。以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。分担と協力だけではなくて、小さな自治体の取組を尊重して生かしていく、また波及していくと。村上委員は、むしろ大きな自治体のほうに難しさがあると問題提起していただきましたし、戸ヶ﨑委員は、もちろん成功例も有用だろうけれども、失敗例というか、あるいは、進めようとして課題があり、それをどう対処していたかということも重要な共有情報ではないかということと、今、小﨑委員が言われたことが連携し合ってきているのではないかなと受け止めました。
 それでは、前半のテーマについてですが、岩本委員、どうぞ御発言ください。
【岩本委員】  大きく2点あります。1つは、この取りまとめの論点のところを見させていただいて、非常に分かりやすいなと思ったんですけれども、その前段に、令和の時代の地方教育行政のありたい姿みたいなものがもう少しあってもいいのかなと思いました。
 つまり、どういう教育行政であるべきなのか、ありたいのか、そのために教育行政には多様な人材の参画が必要だったり、教育委員会のチェック機能をさらに実質化していく必要があるとか、首長他部局との連携もみたいな、その姿みたいなのが、今までも社会に開かれた教育行政でとか、一つ一つの学校により個別最適に指導もできるようにとか、そこにいる職員も働きがいを持って、かつプロフェッショナリティーも併せて持てるような組織だとか、いろいろな議論の中で出てきていたかと思うんですけれども、そこら辺が姿としてより見た人たちが見えると、そこに向かっていくのか、向かいたい、そのためにこれをやっていく必要があるんだとなっていくかと思いますので、何かそういったものがあるといいなと思っています。
 私たちも今、教育委員会事務局のルーブリックみたいなものなんかも作ったりとかして活用していて、今、自分たちは首長部局との連携・協働においてはどの段階なのかとか、自分たちで自己チェックできて、もうちょっとこの項目をうちの教育委員会としては高めていきたいとかという、現状と自分たちの目指したいレベルとか姿を、自分たちでPDCAを回していけるような、何かそういったのなんかもあると、すごく教育委員会としても、この組織をどうしていくのかというのを考えやすくなっていくのは、やっていて感じているので、何かそういった目指したい姿を見える化していくのは一つ大事ではないかというのが1点目です。
 2点目は、その実質化に向けてのPDCAとか評価をしていく機能の充実も大事ではないかと思います。例えば、今、自分たちの教育行政がどうなのかと。こういった姿に対してとか目指したい姿に対して、今どういう状況だろうか、できているところ、できていないところとか含めてですね。それを例えば教育委員さんたちも組織を評価していく、首長部局側からも評価をしていくとか、設置されている学校の学校長が教育委員会に対してとかですね。今、360度評価とかありますけれども、組織開発的な視点で見ても、この組織に関わるステークホルダーが、この組織がよりその機能を発揮していくために、できている部分とか、より改善をしていったほうがいいのではないかと思う点とかを、定期的によりよくしていくためにPDCAを回していく。当然、企業でもそうですけれども、組織の中にいる人間も、この組織の風土とか状態を常に評価しながら、さらによりよくしていくという、そういった形で持続的な実質化や機能強化が回り続けるような、組織が生きた状態でより進化をし続けるような仕組みが、私が見ている限りだと、教育委員会という組織に対しては仕組みが少ないような形に見えますので、そういったところも今後の論点としては、絵に描いた餅にしないためのPDCAの仕組み、仕掛けというところも議論があってもいいのかなと思います。
 以上です。
【清原座長】  岩本委員、ありがとうございます。私たちの組織の名前は「『令和の日本型学校教育』を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議」ですから、今、岩本委員が御指摘のように、それでは、「令和の日本型学校教育」を推進するときの、「令和の日本型学校教育」として私たちメンバーが認識して達成しようと思っていることを遠慮なく、まず前段に表明してはどうかと。それは今までも皆様よく言われることですが、「個別最適な学習」と「協働型の学習」の充実もありますが、さらに「地域において児童生徒が一人の人間として尊重されて、他者と連携をしながら一人一人の自己肯定感を高めていくという、そういうような学校教育あるいは地域の教育の姿を目指していくために、地方教育行政がこうあるべきである」と。そういうことを、今後の今日の資料1の前段にということです。後半には、そういうことを進めていくときに、PDCAサイクルを回して、より各教育委員会が、あるいは首長部局が、あるいはステークホルダーが、どのような実践をしていくことで持続可能となるか、停滞しないで持続可能に、よりその目標を達成していくようなプロセスをたどることができるかという仕組みについても提案をしていきましょうという、今日の資料1の前と後をより充実させようという提案をいただいたと思います。ありがとうございます。それでよろしいですかね。冒頭御紹介しましたが、岩本委員も私も、次期教育振興基本計画特別部会の委員として、計画を本当に実現していくには地方教育行政の充実が必要であることを強く提案できるのではないかなと改めて確認しました。
 それでは、前半の質疑応答・意見についてはこの辺りにいたしまして、続いて、5ページ以降の「教育委員会のチェック機能の実質化」の観点から、さらに御意見がありましたら。今までもその観点からの御意見を関連して皆様から表明していただいておりますが、さらに5ページ、6ページ辺りで、実質化について御意見をいただければと思います。
 それでは、戸ヶ﨑委員お願いいたします。
【戸ヶ﨑座長代理】  ここでも大きく2点ほど、特に5ページの教育委員会の会議の活性化という視点で意見を申し上げます。
1点目は、会議に限らず、教育委員会自体の活性化という視点では、外を知ることは非常に重要なことで、今後はこれまで以上にそれぞれの自治体の教育委員会同士の横のつながりが担保されることが必要ではないかと思っています。近隣の自治体同士でも分かっていないという現状がありますので、ぜひ積極的に横のつながりを持たせることが大事なのではないでしょうか。
 本市では、自分たちが外を見るだけではなく、外からもどんどん見てもらうことが大事だと考え、定例教育委員会においても、積極的に視察や、傍聴を受け入れています。ほかの自治体の教育委員の方々が視察にみえるときには、教育委員同士が積極的に意見交換をすることで、それぞれが問題意識や新たな気づきが生まれてくると思っています。このことについては何も遠方である必要はなく、例えば教育事務所管内の市町村や近隣市町でもよいわけで、そういった外の風を感じることで、何らかの教育委員会内の機能強化や教育委員会間の連携強化に少しでもつながることができると思っています。
 2点目は、教育委員会会議の議論の活発化についてです。これについては書いてあるとおり、議事や報告の追認に終始しないこと、また、それぞれの教育委員が主体性を発揮して発言しやすい環境づくりに努めることに尽きると思っています。以前にも紹介させていただき、資料にも掲載していただいておりますが、本市の教育委員会会議では、平成27年、教育委員会制度が改正されてから、例外なく、毎回、教育委員提案をいただいてきました。その際に、提案の内容は報道とか書物からの提案ではなく、可能な限り本市の学校の実態を直視した課題等の提案をいただきたいということで話をしてきました。実は本日も午前中はそうだったのですが、教育委員さんたちには、学校が授業を公開する際には、ほぼ毎回該当校に来校し、実際に授業を参観いただいています。このことによって、事務局が会議で説明する際には、教育委員さんが学校の実態を見ているわけですから、小手先の説明ではなく、具体的に分かりやすく本質に沿った説明を心掛けなければならず、真剣な議論が行われることになります。また、これらによって会議の時間そのものは導入前とは比べ物にならないぐらいに延びて、やたら延びればいいというものではありませんが、大変活発になってきています。
 また、資料の5ページの記載のほかにも、定例教育委員会の開始前には、必ずプレの教育委員会を実施したり、意図的に傍聴人を入れることで、公開に力を入れたりもしております。さらに、教育委員の皆さんはあくまでも教育委員会事務局の上司だという意識を事務局が持つことで、事務局が知っていて教育委員さんが知らないことがないようにし、仮に事務局で結論が出ていないことであったとしても、事前に教育委員に報告して、ともに知恵を出し合うことが必然的にできていると思います。
 以上です。
【清原座長】  戸ヶ﨑委員、実践に基づく御提案ありがとうございました。本当に外を知ることでうちを知るということでしょうし、また、本当に会議の実質化についての創意工夫はいろいろな形であり得ることも御示唆いただきました。ありがとうございます。
 それでは、青木委員、続いて村上委員でお願いします。
【青木委員】  ありがとうございます。先ほどは取りまとめの全体のことに関わって、いかに伝えるかということで、教育委員さんの研修についてお話しいたしました。では、例えば教育委員さんの研修で、どんな中身が必要かということに絞ってお話ししたいと思います。
 私としましては、この論点、教育委員のチェック機能に関しては、国としての情報収集を提案したいと思います。具体的に申し上げますと、地教行法の25条と26条がありますが、教育長への委任、あるいは25条と関連すれば専決規定が各自治体で定められているわけですが、少し調べてみても結構バリエーションがあることが分かります。ということは、それぞれの教育委員会で、何が教育長に委任されて何が教育委員会に留保されているのかが比較的ばらつきがあるわけで、自分のところの立ち位置を知るには、自分のところの規定だけではなくて、よその自治体のことも知らなきゃいけないと。こういうことは、国が積極的に調べて情報整理をして公開していくことがあり得べきことではないかなと思います。地教行法の26条の点検評価についても同様のことが言えると思います。
 さらに、これに関わって、会議の規則も実はいろいろなバリエーションがあると思います。委員のお一人である戸ヶ﨑先生が教育長をなさっている戸田市では、恐らくいち早くだと思うんですが、会議規則にオンラインでの会議の開催がもう盛り込まれています。そういったようなことを通じてチェック機能は充実していくんだと思います。会議規則に関連すると、議案の提出や動議の出し方についてもバリエーションがあるはずですので、何がどこまでできるのかということを教育委員さん御自身が御自覚できるような情報の集約と提供が国には求められているのではないかと思いまして、発言いたしました。
 以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。今、青木委員が御提起されました地教行法の25条・26条に関する調査等について、今、何らかの情報とか、あるいは対応についての考え方とかについて発言できる文部科学省の方、いらっしゃいますか。いかがですか。会議規則等について、実態把握についてのこれまでの調査とか、あるいは今後そうした可能性とかについてですが、どなたかいかがですか。
 伊藤課長補佐、お願いいたします。
【伊藤初等中等教育企画課課長補佐】  失礼いたします。御意見ありがとうございました。25条の事務の委任等につきましては、現状、文部科学省で行っている調査では、こういった取組については特に把握はしていなかったかと思います。26条の点検評価につきましては、これについては文部科学省で調査を行い、把握していたと思います。今後の調査項目といいますか、何を調べるかについては、また改めて検討してみたいと思います。
【清原座長】  ありがとうございます。それでは、今までの調査の中で、25条関係、26条関係で調べている可能性があるものについて、もし今後、今日でなくて結構ですので、情報が共有できましたら、今の青木委員の問題提起に対して私たちとしてさらに深めることができると思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
【伊藤初等中等教育企画課課長補佐】  整理してみたいと思います。
【清原座長】  ありがとうございます。
 それでは、続けて村上委員、そしてその後、小﨑委員でお願いいたします。
【村上委員】  私から1点申し上げます。端的に言うと、教育委員会会議の活性化はもちろん重要なことですが、これは1980年代からずっと言われてきて、いろいろなところで提言されて、なかなかうまくいかないところがあり、もう少し新しい視点があってもいいんじゃないかということを申し上げたいと思います。
 それは何かというと、教育委員会事務局ではなくて教育委員の機能強化、英語で言うとエンパワーメントというほうがふさわしいと思うんですけれども、教育委員のエンパワーメントとか教育委員の支援という視点があってもいいんじゃないかなと思いました。合議体の教育委員会として見ることももちろんあるんですけれども、個々の教育委員をいかにしてエンパワーメントするか、あるいはそれをどう支援するかという視点が、もう少し具体的な提言も含めてあってもいいんじゃないかなと思いました。
 旧文部省、文科省は、以前は教育委員が積極的に関与することに関して少し腰が引けていて、教育長を中心に運営することを良しとしていた感じがあるので、逐条解説なんか見てもそういうニュアンスが出ているんですけれども、2014年の逐条解説、現行法の逐条解説なんかを見ると、もう少し教育委員の関与を積極的に見ていると思います。教育委員の教育長に対する指揮監督権がなくなったところとも関係はあると思います。この辺りは堀野課長や藤原局長のほうがお詳しいと思うんですけれども、文科省も、教育委員のエンパワーメントとか機能強化というところは、以前に比べると肯定的に見るようになったと理解をしています。
 ですので、教育委員の機能強化、あるいは支援、エンパワーメントといった視点、具体的には、以前にも出てきましたが、例えば施策の内容だけではなくて、法制度、とくに地教行法の権限をきちんと理解してもらうといった、ルールメーキングに関してのことを教育委員さんにちゃんと理解してもらう。あるいは、私が以前、意見表明のときに申し上げた、例えば外部に相談できるような窓口を設けるとか、オンラインとかオンデマンドの研修教材を充実させるとか、そうしたことが具体的には考えられると思います。教育委員会会議の活性化は、ずっと言い古されてきた論点ではあるので、この会議ではもう少し教育委員のエンパワーメント、支援といった視点も重視してもいいんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。「エンパワーメント」という大変重要なキーワードをいただきました。教育委員の皆様がのびのびとその個性を発揮してよりよい活動ができるように条件整備をすることは極めて重要なポイントだと私も認識しております。ありがとうございます。
 それでは、小﨑委員お願いいたします。
【小﨑委員】  私、教育委員会という会議自体にはそんなにたくさん出たわけではありませんが、テーマによってオブザーバーで出たりとか、中身によって、こういうことについてはたくさんの人に聞いてほしいからということで参加したりとかがあります。そういう会議に出ていて思っていたこととして、教育委員会の会議の中自体で出ていることと、それから終わってからお疲れさまでしたと言ってからの話の中で出てきている、どちらかといえば本音というよりも自由に闊達にお話しされていることと少し齟齬があるなあと感じています。それは悪いことではないんですけれども、教育委員さんたちが、すごい工夫もされていて、多様な方を選んで、たくさん意見をいただこうということで選んでいるんだけれども、会議の場になると、その中で、遠慮するわけではなくて、時間の問題とか、先ほど青木委員がおっしゃったように、学んだり、人の説明を聞いている時間が長くて、結局、ご自身の考えを言ったり、ほかの人との交流をする時間のウエイトがないがために、発言できていないというようなニュアンスが多かったんです。
 ということは、考えてみたら、先ほど青木委員のおっしゃっていることはそのとおりだなと思ったんですけれども、学んだりインプットする時間は個別に与えてもらったほうがいいのではないか、それぞれお仕事も持っているし、立場もあるので、それでさせてもらうことによってそこがクリアできたら、交流する時間が増える。直接会う時間が増えることがコロナのことで見えたので、これからは、本当にインプット、アウトプット、交流のウエイトを考えたときに、できるだけオンデマンドも積極的に活用して、学んで知る時間を各自で確保してくださいと言った上で、集まったときには闊達に意見を述べ合ってもらうと。そのときに、同じ教育委員さんだけがそろっていると、いつもの場のいつもの話になりがちなので、もちろんそういう閉じられた場も必要ですし、逆に、この話題は異質ないろいろな人たちが入ったようなたくさんの場も必要だと感じます。それが教育総合会議につながっていったりするのかもしれないですけれども、いろいろな人がいる場での発言となると、これまた幅が広がるし、刺激も受けるしということなので、もしかすると、定例教育委員会と言って毎回月1回、月2回とずっとやっていきながらお客さんを呼んでということよりも、定例はこれ、臨時はこうと、教育委員さんたちこそが多様な方と触れ合って、その場で発言できて、その中で自由に言えるというか、そのような仕組みができたらいいのかなというのを感じましたので、オンデマンドと組み合わせたら新たな可能性も出てくるだろうと思いました。以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。これまでの各委員の御発言を小﨑委員が集約していただいたような感じがいたします。何よりも教育委員さんとして、もちろん権限であるとか役割とか、そういうことを学ぶにしても、それはオンデマンドで自由な時間にしていただいて、会議のときにはより交流し、発信し、御意見を表明していただくと。また、戸ヶ﨑委員が言われましたように、他自治体の教育委員会の方が視察に来られたり、自らが視察に行ったりするときに、他の自治体の教育委員さんや、あるいは専門家の皆様とオープンマインドで意見交換することの中で触発されることもあるでしょうし、今、小﨑委員が言っていただいたようなことによって、教育委員会のチェック機能という部分だけではなくて、教育委員会の皆様のアイデンティティーというか、それぞれの役割認識と自己実現と、そして教育への貢献がいい循環になっていくように受け止めました。
 このテーマでございます「教育委員会のチェック機能の実質化」の観点から、ほかに皆様から御意見ありませんか。
 それでは、また戻っていただいて結構ですので、今日は大変御多用の中、北海道紋別市教育委員会の堀籠教育長に来ていただいておりますので、議案の2に移りたいと思います。議題の2は、「教育委員会と首長部局との効果的な連携の在り方等」についてでございます。
 紋別市教育委員会の堀籠教育長、御準備はよろしいでしょうか。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。15分程度で御説明いただければ幸いです。よろしくお願いします。【紋別市教育委員会(堀籠様)】  北海道紋別市教育委員会教育長の堀籠と申します。どうぞよろしくお願いします。本日は、総合教育会議と教育委員会会議に関する北海道紋別市の取組について発表させていただきます。
 初めに、紋別市の概要でございますが、紋別市は北海道のオホーツク海の沿岸のほぼ真ん中にある町でございます。人口は先月末現在で2万773人で、面積は830平方キロメートルと、人口は非常に少ないですが、面積の広い町になっております。義務教育としましては、市内に小学校が6校と中学校が3校あります。子供たちの数は1,192名になっております。北海道は14の振興局に分かれており、紋別市の所属しておりますオホーツク振興局につきましても、これは18の市町村があり、こちらも大変広い中に人口が少ないということで、紋別市も人口が少なくて広い土地にあるんですが、紋別市の周辺の町に対しても、面積が広い中に少ない人口があるという地域性になっております。
 紋別市では、住民に開かれた教育行政を目指すことを目標としまして、総合教育会議とか教育委員会会議等の取組を進めております。取組を始めました動機というか、問題意識についてでございますが、平成27年に施行されました地教行法の改正の目指す方向、こちらの改正の目的について、地域住民の意向を十分に反映された教育行政が行われているのか、不十分ではないかと考えたのが発端となっております。
 この法律の改正についてお聞きしているところでは、教育委員会制度の課題として指摘されていた次の点の解決を目指したと聞いております。まず1点目が、権限と責任の所在が不明確であること。それから2点目として、地域住民の意向を十分反映していないのではないかということ。3点目は、教育委員会の審議等が形骸化しているのではないかということ。4点目、迅速さや機動性に欠けるのではないかということです。
 この課題のうち、1点目の権限と責任、それから4点目の迅速さや機動性の課題については、教育委員長と教育長を一体化しました新教育長の設置によって解決が図られまして、2点目の地域住民の意向反映の課題については、市町村長、首長が教育長を直接指名することとか、それから総合教育会議などで関与を強めることで解決を図るという方法が進められたと聞いております。
 地域住民の意向反映の解決方策である総合教育会議の開催回数ですが、文部科学省でも毎年公表されておりますが、全国的には回数が減少しているとお聞きしております。さらに、先ほど言いました教育委員会の審議が形骸化しているところにも、十分な改善が図られていないのではないかと考えております。これらの課題については、現状の会議、そうした取組に工夫をすることで住民に教育行政に理解を進めまして、住民の意向といったものを取り入れる機会を増やすことで改善が期待できるものと考えて、取組を進めたところでございます。
 紋別市教育委員会事務局、人口2万人程度、子供たちが1,200人程度の町の教育委員会の組織ですけれども、職員の総数は現在33名となっております。紋別市は、ほかの多くの小規模自治体と同様、教育委員会事務局の職員は首長部局との人事交流で行われております。教育委員会は市でいろいろ行政分野を持っている中でも多忙な部署の一つであると言われておりまして、市では職員の欠員が出ないように十分配慮されているところでありますが、突発的な欠員は常時心配されるという状況でございます。紋別市では、市町村長部局への移行が可能であるスポーツや生涯学習、文化などの部門も、教育委員会で所管している状況でございます。
 市町村長の権限である総合教育会議ですが、こちらは首長の部局で持たれている担当と教育委員会でされているほうと、いろいろあるかと思うんですけれども、紋別市では教育委員会の学務課の庶務係で補助執行として行っております。学務課の職員は一番多くて12名おりますけれども、庶務係の職員は3名でありまして、総合教育会議と教育委員会の会議に関する事務については、庶務係長が1人で他の業務を行いながら担当しておりまして、他の職員が手伝うことは、人数や業務量からしても現状では困難な状況となっております。
 次に、紋別市市役所の組織を御紹介いたします。職員総数は254名となっております。人口の割にして人数が多いか少ないか分からないんですが、最近は中途の退職者が多い状況になっておりまして、常時欠員が生じている状態になっております。年1回の採用試験では十分な人材が得られない状況が続いておりますので、毎年のように追加の採用試験をしておりますけれども、欠員が生じる状況が慢性化しておるところでございます。
 総合教育会議に関する事務は紋別市や教育委員会がやっているんですが、首長がやられているところでは、総務担当とか政策担当、それから私立の学校があるところは私学行政なんかを担当されているところがあるかと思うんですが、紋別市ではそういった分掌もそれほど大きくありませんので、先ほど言いましたとおり、総合教育会議の事務も教育委員会の学務課庶務係で行っていることになっております。
 総合教育会議、教育委員会会議を開催するに当たって、どういった方向で考えていくかというところで整理したものでございます。まず、会議を市の教育施策の広報とか普及の場と考えていきたいと考えています。また、承認というか、追認主体の会議から、議論主体にできれば広報、広く知らしめるための会議にできると考えました。最後に、一般市民から教育への声が上がらない、無関心というか、無批判という状況は教育環境の悪化を招くのではないかと考え、こうした会議の開催の工夫を行ったところでございます。
 紋別市総合教育会議の具体的な策でございます。紋別市では、総合教育会議の開催は基本的に毎月行うこととしております。総合教育会議は公開されておりますので、こうしたところとか報道等によって市民からの教育活動への関心を引いて意見をもらう環境を整えることで、よりよい教育行政を目指したいと考えています。
 この会議については、教育委員が参加しやすいように、教育委員会の定例会を月1回行っておりますが、その後の時間に総合教育会議を設定しております。紋別市教育委員会の会議はあまり長い時間ではなく、1時間程度で現状終了しておりますが、教育委員の会議の終了の後には、教育委員と教育委員会事務局の幹部職員との間の情報交換の時間を設けまして、その後に総合教育会議を行っているところです。総合教育会議の会場は、教育委員会と首長部局が離れている自治体が結構多いんですが、紋別市は幸いにして近接しておりますので、建物は別ですけれども徒歩1分程度ですので、こういった時間設定で教育委員会会議の後に総合教育会議ができる形になっています。
 総合教育会議には首長部局の参加をいただいておりまして、大抵は総務部局で担当されている職員ですが、テーマによっては福祉の部局とか市民活動の部局の職員の出席も願っております。また、テーマによっては、例えば不登校をテーマにしたときには、適応指導教室の指導員とかスクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカー、それから中・高生の居場所づくりの団体の代表が参加して、生の声を聞かせていただいていることになっております。今後もテーマによっては学識経験者の参加を図っていきたいと考えております。
 こちらは令和2年から取り組んでおり、月1回という基本ですが、スケジュールの都合等により、月1回はできておりません。見ていただいたとおり、令和2年が7回、令和3年は8回、令和4年は3回という形になっております。テーマは御覧いただきたいと思います。記録については、こちらに書かれているとおり、全てのやり取りをホームページで公開しております。会議の会場については、下の写真のとおり市長の応接室で行っておりまして、応接テーブルの周りに市長や教育委員が集まりまして、その周りに傍聴者とか説明員が来る形になっております。
 この中で、総合教育会議の議論が発端となりまして、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの増員が図られたり、市民に開かれた教育行政であるという評価をいただいているところでございます。間接的な評価としましては、実際は起こってはいないんですが、いじめの重大事態の予防にもなっているのではないかと考えております。
 続きまして、出張教育委員会についてでございます。まだ、教育委員会もなかなか議論が活発化しないということもありましたので、傍聴者は来ていただけないので、傍聴者が来ていただけないんだったらこちらから行こうということで考えたところです。他の方策、例えば休日や夜間の開催とかインターネットの中継等も考えていたんですが、お仕事や職員の勤務時間の関係とか、インターネットの中継はなかなか機材の関係もありまして、現状ではまだできていないところであります。
 出張教育委員会の実施では、わざわざ教育委員会の建物に足を運ぶよりは、地元の学校でしたら非常に足を運んでもらいやすいということで、それから、地元の学校であれば、いろいろ町内会とか学校を通じて住民の傍聴を直接呼びかけることができるとか、それから、市町教育委員会を行った後には教育委員と住民との直接の意見交換の場を設けているところでございます。
 出張教育委員会につきましては年に2回程度行っておりますが、こちらのやり取りにつきましても全てホームページで公開しています。写真で若干小さいんですが、こちらが出張教育委員会で、学校の体育館でやっているんですけれども、体育館に教育委員と教育長が座りまして、後方に説明員と地域住民の方が座っていただく形になっています。
 最後に、教育委員の研修にも力を入れております。各種研修会の参加ということで、北海道教育委員会とか文部科学省の主催する教育委員会の研修にも参加しており、写真で紹介させていただいておりますのが、非常に参考になりました、令和2年2月に埼玉県の戸田市の教育委員会を視察させていただきまして、こちらが非常に教育委員の皆様にも戸田市の取組が参考になり、教育委員の知識向上とか意欲の向上が図られたのではないかと考えております。総合教育会議とか教育委員会会議の活性化には、こうした教育委員に十分な情報や知識を伝えて意欲を向上させる仕組みが必要ではないかと考えているところでございます。
 以上で、雑駁ではございますけれども、総合教育会議及び教育委員会会議に関する北海道紋別市教育委員会の取組を発表させていただきました。どうもありがとうございました。
【清原座長】  堀籠教育長、大変御丁寧な御説明、ありがとうございます。昨年8月号の『教育委員会月報』で、「シリーズ地方発・我が教育委員会の取組」の中で、住民に開かれた教育行政を目指す取組として、総合教育会議及び教育委員会会議等での実践を報告されていらっしゃいます。本日も、出張教育委員会会議とか、待つのではなく外に出ていくという取組、また、本会議の委員であります戸田市の戸ヶ﨑教育長とも既に交流をされているということで、御説明ありがとうございます。
 それでは、皆様から御質問をいただきたいと思います。どなたからでも「挙手ボタン」を押してください。
 それでは、戸ヶ﨑委員からお願いいたします。
【戸ヶ﨑座長代理】  何度も申し訳ございません。まず、堀籠教育長様、大変御無沙汰しております。本日はありがとうございました。私から、また大きく2点ほど申し上げます。
 1点目は、先ほどの紋別市の事例で、令和3年度においては合計で7回、総合教育会議を開催されているということで、この回数については各自治体の考え方や実態等によって判断されるところだろうと思いますが、少なくともこれだけの回数を行うこと自体は高く評価されるべきで、大変意義があることだろうと考えております。
 ここからは私の意見ということで、総合教育会議は、教育委員会と首長部局との連携はもちろんのことですが、首長部局が事務局になることも重要であると思います。教育委員会が事務局になると、一般的に運営が円滑に進むことが多いと思います。しかし、首長部局が主体となって、市としての重要事項について議題として提案されることは、ある意味、教育委員会にとって見ると、新たな視点を取り入れる機会でもあり、大きな刺激になると思います。例えば本市では首長部局が事務局になり、先日「市民防災」について教育委員さんと議論を行いました。市としては重要なテーマですが、こういった提案はなかなか教育委員会側からは出てこないものと思われます。運営そのものは大変ですが、ときには事務局が交代することがあってもいいのかと思っています。
 それから2点目に、先ほどの9ページの出張教育委員会についてで、教育委員会の機能強化・活性化に当たって、紋別市の出張教育委員会のような取組については、「透明性の確保」という点からも大変よい取組で、本市も早速できたらいいなと思っていました。
 このことに関して意見を申し上げますと、教育委員会会議の現状に関する調査、これは令和2年度間ですが、全国の市区町村の約7割の教育委員会会議が、実は年間の傍聴者が0人という結果が出ています。また、議事録の公表についても、簡単な議事録概要にとどまっている市町村と、そもそも公開してない市町村と合わせて計算してみると、半分以上になっています。傍聴者の有無や議事録の公表の有無だけで教育委員会の透明性が確保できていると判断できるものではありませんが、ある意味、地教行法第14条の規定について、これは明らかに誠実に対応しているとは言い難いのではないでしょうか。厳しい言い方ですが、住民から関心を持たれていないということで、大きな課題であるのかと感じました。
 最後に、首長部局との連携という部分でお話を伺いながら思ったのは、現状の文科省、都道府県教育委員会、市町村、また校長、それから校長会、学校といったピラミッドの組織で下に下ろすという演繹的な発想を根本打破する視点も重要と考えています。こういう組織があると、教育村の社会というのはなかなか心を開かず、首長部局との連携は進まないんじゃないかなと私は思っています。それぞれのアクターが同心円状につながって、ある意味、義務教育の在り方そのものとか教育委員会の在り方そのものとか、こういったものの政策的な方向性を共有しながらどんどん最適値を求めていくとやっていかないと、縦の行政をやっている間は、こういうものが広がっていかない。アジャイルガバナンスなんていうことを最近政府で言われていますけれども、そういう発想で、同じ土俵の中で同心円状に広がる組織にしていかないといけないんじゃないかなと強く思っています。
 最後、余計なことを言いましたけれども、以上です。
【清原座長】  戸ヶ﨑委員、ありがとうございます。
 堀籠教育長さん、今のコメントをお聞きになって、何か御発言があればどうぞ。
【紋別市教育委員会(堀籠様)】  どうもありがとうございます。2点いただいたんですけれども、事務局を教育委員会が行っているところと首長が行っているところが分かれているのは承知しております。スタート時点で担当した部署から変えるという発想はなかったので、交代するというのは非常に面白い考えだと思いました。多分、首長部局からお話ししたいテーマもあるだろうということで、非常に参考になったところです。
 2点目のところの市民に開かれた形ですけれども、紋別もほとんど傍聴はいなかったんですが、これでいいのかと考えておりました。先ほど言ったんですが、教育委員会や総合教育会議の事務を担当する職員は1人しかおらず、ほかの仕事をしながら準備からまとめまでおこなっております。ICTの発達により議事録の作成が、アプリを活用して自動でできるようになったので、後日議事録を公開することで、後から市民に内容を知ってもらうため、記録の公開を大切にしていきたいなと考えております。
 以上でございます。
【清原座長】  どうもありがとうございます。本当に回数だけではなくて、傍聴者がいるとか、あるいは総合教育会議ならではのテーマを教育委員会も首長部局もともに協議するという、ただ単に首長と教育長教育委員の会議というだけではなくて、教育委員会と首長部局の連携を進める趣旨は、住民に開かれた教育行政をするためだということが伝わってまいりました。ありがとうございます。
 そのほか、委員の皆様、御質問あるいはコメント、いかがでしょうか。どなたからでもどうぞ。
 それでは、藤迫委員、お願いいたします。
【藤迫委員】  発表ありがとうございました。私も一応教育委員会の中で教育長をしていますので、何か発言をすべきかなと思っています。
 まず、驚いたのは、総合教育会議の開催の数ですよね。すごくしっかりやられているなということで、我々の市の例で言うと、教育大綱の進捗状況、あるいはその年度の大きなテーマ、今でしたら例えば部活動の地域移行とか、大阪の場合は支援教育の在り方とかという大きなテーマについて、最大、今年度はめちゃくちゃやったなといっても4回ぐらいですので、非常にこれには驚いております。
 また、事例で出されている出張教育委員会も、以前にもこの会議でも発表させてもらいましたけれども、私どももチャレンジしまして、出張教育委員会プラス、タウンミーティング的なことをやるという取組をしたんですよね。今回は西部で定例会議を開いて傍聴に来てもらって、会議が終わった後には意見交換会をその地域の住民としようということで、1年半ぐらいやったんですが、なかなか、「やろう」という思いと実態が合わないもので、なかなか我慢し切れなくて2年を待たずにやめてしまったという失敗談が我々にありますので、こうして実際に出張で教育委員会をやられているのはすごいなという、継続していくべきものなのかなと思っています。
 それと教育委員会の活性化は僕も永遠のテーマで、もうこれはどうしたらいいのかなというのは正直答えがないんですよね。私らの場合は、これも前も言いましたけれども、毎週1回2時間、協議会という名の下の勉強会をやっているんです。その中では、その時機に応じたテーマと次回の定例会の案件についても何度も議論するので、その場ではすごく活発な意見が出るんですよね。いい議論だなと思うんですが、こと当日、教育委員会になってしまうと、これは多分、各教育委員さんが、この会議での自分らの発言がどう見えているのかな、何かまずいことを言ってしまわないかなという、何かそういう感覚にとらわれるので、協議会の中ではあれだけ活発な議論、「こんなんおかしいやないか」ぐらいの勢いで、「こんなん駄目だよ」とか言っている割には、定例会では何かきれいな言葉で終わってしまうという、そこは何とか打破したいんですが、これは私も一緒にこの会議に出ていますけれども、皆さんの意見を聞きながら、全国のよい事例を見ながら、一つ思ったのは、戸田教育長と尾崎教育長のところに、ぜひ機会を見て一度行かせてもらいたいと思いますので、またそのときはよろしくお願いいたします。
 以上です。
【清原座長】  藤迫委員、ありがとうございます。大変大事な御発言だと思うんですね。例えば出張教育委員会をやってみたけれども、なかなか運営が難しくて、狙いや趣旨は間違っていなかったと思うけれども、継続に困難があったこと。それから、協議会のときには委員の皆様が忌憚なく率直に意見交換できるのに、正式な会議のときにはなかなかそのようにはいかないということです。透明性高く開かれた教育委員会会議をされていらしたとしても、傍聴者のいない会議とは違ってしまうということですが、いかがでしょう、堀籠教育長。藤迫委員も教育長でいらっしゃるので、教育長同士として、今、率直に実践を話していただきましたが、何か反応があればよろしくお願いいたします。
【紋別市教育委員会(堀籠様)】  ありがとうございます。出張教育委員会、紋別もまだそれほど回数をやっているわけではないのですが、まだ続いているのは、資料の中にも書かせていただいたんですけれども、市街地が広くて、それぞれの集落ごとの特殊性、それぞれの地域ごとの事情があり、行くたびにその地域の話が出るので、ある程度そこでのお話が出るところがあるのかもしれないです。私どもの地域性が、広い地域に集落があるので、それである程度ローテーションで回っていくところがあるかもしれません。
 あと、教育委員会の議論の中でも、それほど活発な議論があるわけではないのですが、一度、総合教育会議の議論で、子供たち個人の話も出ると思って非公開開催としたときには非常に活発な議論が出てそのときには発議しまして、これは非公開としましたが大切な議論なので、記録だけは公表したことがあって、公表だと皆さん話しづらいのかもしれないと感じたところでございます。
 以上です。
【清原座長】  ありがとうございます。実は私は、三鷹市長在任中に、総合教育会議の会議室に三鷹市議会の全員協議会室をお借りして、その会議室で一貫して開催させていただいてきたんですね。事務局は当時の教育長と協議して三鷹市の企画部に置かせてもらって、教育委員さんとシナリオなきざっくばらんな総合教育会議をさせていただいたんですが、全員協議会室をお借りしたせいだけではないと思うのですが、毎回、議員さんが何人か総合教育会議を傍聴されまして、もちろん必ずしもそのことを根拠にした一般質問とかが多くあったわけではないんですけれども、堀籠教育長さん、総合教育会議や教育委員会会議は公開しているとなると、議員さんも傍聴されていらっしゃるんでしょうか。そして御関心は教育委員会会議あるいは総合教育会議に向かれているでしょうか。自治体というのは二元代表制なので、市民代表の一方である議員さんにも総合教育会議や教育委員会会議関心を持っていただくことは重要だと思うんですが。すみません、私も質問させていただきたくなって質問してしまいましたが、堀籠教育長、議会の反応はいかがでしょうか。
【紋別市教育委員会(堀籠様)】  ありがとうございます。議員の方は今まで総合教育会議は傍聴にいらしたことはないんですが、実は出張教育委員会のときには傍聴に来ていただいて、発言いただいたことがあります。地域の代表という御意識があるのか、地元の学校でやられたときには傍聴いただきまして、そこで発言をいただいたことはございます。
【清原座長】  ありがとうございます。いろいろな方々に総合教育会議も関心を持っていただいたほうがいいので、今後総合教育会議も、議員さん、幅広い市民の皆様、特に保護者の皆様や子育て中の皆様に関心をいただいたらいいなとも思いました。
 さて、来年の4月からはこども家庭庁が創立されて、特にいじめについては教育委員会と首長部局の連携もより充実していくという方向性も示されておりますので、そういう観点からも、総合教育会議にさらなる首長部局と教育委員会の連携のテーマが増えていくのかなと思います。
 さて、もう少し時間ございますが、皆様からさらに堀籠教育長に御質問やコメント、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】  どうも御発表ありがとうございました。私、そういう視点があるのかと思ったのが、会議自体を承認から議論の場、そして広報としての機会と捉えるというのが私にとっては新しい発想でしたので、そこに関しての質問になるんですけれども、主に2つあって、広報としての機能を考えたときに、特にどういう人たちにどういうものを伝えていきたいというので、広報的機能をこの会議の中でも持たせたいというのがあるのかというところ、併せて、何か広報としてちゃんと広く行政の普及とかにつながっていっているなというところを見ていくに当たって、目安というか、指標というか、傍聴者数なのか、何かそういったところで見ているようなところがもしあればというのが一つです。
 2つ目が、広報としての会議機能を考えたときに、先ほど出張の話もありましたけれども、特にこういう工夫が機能したとか、それによって議論がより多くの人に、もしくは届けたい人たちにちゃんと伝わっていくようになったとかという具体的な工夫とか、特に効果が見られたようなポイントみたいなのがもしほかにもありましたら、補足で教えていただけたらと思います。
【清原座長】  ありがとうございます。教育委員会会議とか総合教育会議を、教育に関する住民の皆様への関心喚起のための広報機能を念頭に置きながら改革を進められていらっしゃるわけですが、今の岩本委員の御質問に、堀籠委員、お答えいただけると幸いです。よろしくお願いします。
【紋別市教育委員会(堀籠様)】  どうもありがとうございます。議論の会議にするところ、その前に広報というところですけれども、教育委員の会議もそうですし、総合教育会議も、市民の傍聴がいつでも可能な民主主義としての担保があるんですけれども、絶対的に言いますと、紋別は、地元にも報道機関がありますが、報道機関の傍聴があって、そちらでできるだけ市民の皆さんとか住民の皆さんが関心を持ちやすい不登校とか、学力の問題、体力の問題とかというテーマをしていますので、教育委員会の場だけではなくて、そちらを報道機関で、こういったことが市で話し合われているということで取り上げていただいております。そちらの報道機関の取上げ方というところを、ある程度指標というか、こちらを、話題についてはある程度、報道機関を通じて市民の方が関心を私どもの施策について伝えられたというところで考えているところでございます。
 特にこれまで施策であったのは、こちらに書いてあるのはスクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーの増員ですけれども、一番は、学力に対する施策についてこうしたところで話をするとか、市の平均の点数の公表をするところで、これは逆に何をやっているんだという批判もあるような形ではあるんですけれども、それでしたら何らかの対策を打つというところで、逆に批判もありつつも、それを追い風にして予算的なものとか施策的なものを打てるという形で、私どもが抱えている課題について、そういった積極的にプッシュすることによって、逆に何かの展開ができないかということで、活用を図っているところでございます。
【清原座長】  ありがとうございます。
 岩本委員、どうぞ。いかがですか。
【岩本委員】  ありがとうございます。住民の方たちが興味関心を持たれるようなテーマとかをしっかりと扱うところもポイントだなと改めて理解できました。ありがとうございます。
【清原座長】  そうですね。しかも報道機関に報道していただくと、教育委員会や市の広報以上に広い範囲に到達するでしょうから、パブリシティと言われる取組ですが、そのことも大変大きなヒントになると思います。ありがとうございます。
 それでは、堀野課長、どうぞ御発言ください。
【堀野初等中等教育企画課長】  すみません、質問ではなくコメントですけれども、今日の議論全般を通じまして、教育委員のエンパワーメントという議論も出ました。ちょうど平成26年改正を担当した後、全国、全市町村まで条例改正があるので、説明会に来てくれというのがすごく依頼が殺到して、半年ぐらいで21の都道府県に行って、その中には市町村の教育委員を集めた会議なんかも結構ありました。当時は、文科省主催でやっていたのは都道府県と指定都市の新任の教育委員の研修だけがあって、市町村の教育委員さんにとっては、自分の立ち位置が分からない、それを知る研修の機会もないということで、ぜひ市町村もやってくれという声が随分あって、その後、予算化をいたしまして、今、形は変わっているかもしれませんけれども、市町村の教育委員も参加できる研修が行われております。
 平成26年当時は、それまで教育委員会を廃止するのかどうかという議論があった後の改正なので、教育委員さん方の関心自体も高くて、教育委員会制度を残して強化していこうという以上、そこでどう振る舞ったらいいのかということに対する教育委員の先生方の関心も結構高かった。そういうタイミングで、皆さんは審議会の委員のようなアドバイザーのような方ではなくて、首長さんと並んでいる執行機関として法律に書かれている責任者ですからという話をよくして回っておりました。そういう意味では、そういう時代の熱はだんだんと薄れていくんでしょうけれども、しっかりまた説明していかなきゃいけないかなと思います。
 公開の問題が出ていましたけれども、執行機関として議会のチェックというのは首長さんと同様にあるわけですけれども、選挙の洗礼ほどのチェックはない。ガバナンスの考え方からすると、意思決定が適切に行われているのかというのを権限で正式に担保できないとすると、それは公開によって担保していくのが一つの手法だということもあります。先ほどの、どこまで公開して、本番ではあまり意見言わないというのがありましたけれども、ある程度どう伝えていくか、どんな議論が行われているかというのをどう見せるかということも、地域住民の信頼を得ていく上で重要だと思います。
 それから首長さんとの関係は、総合教育会議ですけれども、今度、我々事務局の方を相手に話をするときには、事務局の皆さんにとって知事や市町村長は絶対的な上司で、なかなか物が言いづらいかもしれないけれども、教育委員さんは地元の名士であって、知事や市町村長さんと、ある意味対等でお話しできる人ですよと。ですので、そういう人たちにいろいろな教育委員会の思いを直接伝えていただくというのはすごく有効なチャネルなので、そういう観点からも使ってほしいという話をしておりました。そういう意味で、今日の紋別市の例にありましたように、首長さんと密接な会話をしていることが予算化とか新しい政策につながっていくのは非常に好事例だなと思って伺わせていただきました。
 また、こういったことを今回さらに御議論いただいて、どうやってこの提言をまとめて広めていくかということを一緒に考えていければと思います。コメントでした。どうもありがとうございました。
【清原座長】  堀野課長、ありがとうございました。堀野課長には今、紋別市の堀籠教育長にも実践をお話ししていただき、委員の皆様からも実践を通した本日のテーマについての御発言を、事務局というよりも、教育委員会あるいは教育委員の皆様のエンパワーメントに取り組んでこられた実践を通してポイントをまとめていただきました。私たちとしても、ぜひ地方教育行政の中で、住民本位であること、そして教育委員さんが首長と対等にしっかりと責任を果たしていく立場にあることを伝えていくためには、文部科学省の取組も不可欠でございますので、それぞれの立場で、よりよき地方教育行政の向上と、そして教育委員さんのエンパワーメントのために提案をしていきたいということを再確認させていただきました。力強いおまとめ、ありがとうございます。
 そのほか、文部科学省の皆様の中で御発言ありませんか。いかがでしょう。もう少し時間ありますが、いかがですか。大丈夫ですか。
 それでは、安彦審議官、お願いいたします。
【安彦大臣官房審議官】  お世話になっております。審議官の安彦です。非常に御議論をいただいたこと、ありがとうございます。私もこれまでいろいろと関わってきた中で、教育委員会の多様な人材の参画、特に事務局ですと、研修生の受入れということで、実務研修生は文部科学省でもたくさんこれまで受け入れておりまして、そういった人事の交流を通して、学校現場にまた戻ってから、もしくは教育委員会の中に戻ってから、いろいろな話を聞けると非常に横のネットワークとしてありがたいと思っておりますし、そういった機会をこれからも引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 先ほどの教育委員の方々との研修会にも私も何度も参加させていただいているんですが、様々な背景を持った方々のいろいろな思いとか知識、そういったものが共有されるというのは、非常に皆さん方が一気にそういったいろいろな情報を共有できる場が非常に有効だなというのを実際やっていて感じましたので、そういう対話的な学びの機会も、これからしっかりと引き続きやっていきたいと思いますので、そういった取組を文科省としてもしっかりとやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【清原座長】  安彦審議官、ありがとうございます。私も教育委員を務めている友人から、今、安彦審議官が言われましたように、「教育委員をさせていただくことで重い責任を担っているんだけれども、ほかの教育委員の皆様が本当にすばらしいそれぞれの専門性や視点を持っていらっしゃるので、教育委員をしながら、学びながら、その御恩返しをまた児童生徒や住民の皆様にしているのよ」、と笑顔で言っていた発言を思い出しました。
 それでは、本庄市の吉田市長、御発言どうぞ。
【吉田委員】  本日は大変お疲れさまでございます。私は首長の責務として、市町村、特に基礎自治体は、出発点が学校を自前で運営するところが出発点だったわけですよね。もちろんそれは国として子供たちにきちんと教育を義務教育としてやっていくことは大前提としてあるわけですが、受皿としての自治体の規模というところで始まったのは、私は基礎自治体だと思っております。
 これは人材育成ということから考えると、市町村行政はもちろん多種多様なことを今、担っているわけでございますけれども、一丁目一番地は、私は義務教育だろうと、このように思っているところでございまして、今回改めてこのような形で教育委員会の活性化を大きくテーマとして取り上げたということは、今、日本も大変な時代に入ってきております。将来に向けたそれぞれの個性を生かした自己実現と同時に、世のため後のために、この日本という国を、あるいは世界をきちんと背負っていく人材をつくっていかなければいけない。それは地方行政が実は大きな担い手だということを改めてこの世の中に認知をしていただくという意味で意義があるんだろうなと考えているところでございますので、先ほど清原さんから、これは全国市長会でしっかりと吉田が言っていくんだとおっしゃっていただきましたけれども、そのようなつもりでおりますので、ぜひ私も自分の町での教育委員の委員会の活性化に取り組んでいる1人として、全国的に教育委員さんみんなで学んでいく機会をもっと、教育委員さんも学んでいきましょうよと。同時に首長部局も教育委員会部局も一緒になって総合教育会議で学ぶことができるので、改めて基礎自治体の役割は義務教育をよくしていくことだよなという意識づけに、私はなっていると感じているところでございます。
 以上、コメントでございました。
【清原座長】  ありがとうございます。吉田市長、市長のお一人として、しっかりと公教育に責任をとることこそ責務の一つだということを確認していただき、心強く思います。ありがとうございます。
 岩本委員、一言よろしいですか。
【岩本委員】  いえ、今の吉田市長のコメントに拍手をしただけです。
【清原座長】  吉田市長、拍手をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、そろそろ予定の時間になりました。本日は、北海道紋別市教育委員会の堀籠康行教育長には、お忙しい中、御報告いただき、また私たちとの意見交換に御参画いただき、ありがとうございます。
 また、委員の皆様におかれましては、本日の地方教育行政の充実のための教育委員会の活性化、そして人材の多様化、さらには、教育委員会会議や総合教育会議の活性化を通した、地方教育行政のさらなる向上に向けた積極的な意見交換に御参画いただき、感謝申し上げます。
 それでは、本日の議題はこれで閉じたいと思います。また皆様の本日の意見交換を含めて、事務局におかれては資料の充実を図っていただくこととなっております。
 それでは、事務局から連絡事項があれば、よろしくお願いいたします。
【伊藤初等中等教育企画課課長補佐】  本日も活発な御議論、ありがとうございました。次回の検討会につきましては、11月14日月曜日13時から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【清原座長】  ありがとうございます。今日はおかげさまで、委員の皆様だけではなくて、堀野課長、そして安彦審議官にも御発言をいただきました。次回は水田戦略官にも御発言をお願いいたします。
 何よりも私たちは総力を挙げて地方教育行政の充実のために前進していきたいと思います。寒暖の差が激しい日が続いております。何よりも皆様御自愛いただきまして、また次回も元気にさらなる意見交換を深化させていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、皆様、お元気で。閉会です。

―― 了 ――

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