特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループ(第3回)議事録

1.日時

令和4年3月8日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催

3.議題

  1. 各障害領域のコアカリキュラムについて
  2. 特別支援教育関係教員養成大学に向けた周知等について
  3. その他

4.出席者

委員

安藤委員、樋口委員、小林委員、澤委員、葉石委員、一木委員、丹羽委員、花熊委員

文部科学省

山田特別支援教育課長,小林特別支援教育課特別支援教育企画官,分藤初等中等教育局視学官、嶋田特別支援教育課課長補佐,菅野特別支援教育調査官、森田特別支援教育調査官、加藤典子特別支援教育調査官、加藤宏昭特別支援教育調査官、深草特別支援教育調査官、堀之内特別支援教育調査官、齊藤特別支援教育課指導係長

5.議事要旨

【安藤主査】  皆様、おはようございます。定刻となりました。ただいまから特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループ(以下「ワーキンググループ」)第3回を開催させていただきます。
 皆様、御多用の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 初めに、本日の会議の進め方及び配付資料について、事務局から御説明をお願いいたします。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】  事務局の特別支援教育課の嶋田でございます。私のほうから会議の進め方等について御説明させていただきます。
 本日もウェブ会議システムを活用しますので、御発言に当たっては、いつも以上にはっきり、ゆっくりと御発言いただきますようお願いいたします。そして、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言の際は手を挙げるボタンを押していただき、指名のあった方のみ御発言をお願いいたします。
 また、カメラについては、御発言時以外も含めて会議中はオンにしていただきますようにお願いいたします。
 続いて、本日の出欠状況でございますが、各障害種のサブワーキンググループより、代表の委員皆様全員に御出席いただいております。
 最後に本日の配付資料でございますが、議事次第にお示ししておりますように、資料1-1、資料1-2、資料2、あと参考資料1から6をお送りさせていただいております。不足がありましたら、事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 資料の議事次第を御覧ください。本日は前回に引き続き、「特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラム(案)」について協議します。
 2月に開催しました第2回目において、各サブワーキンググループの検討状況を御報告いただき、また、全体で調整が必要な事項などを確認いたしました。第2回目の後、各サブワーキンググループにおいて、あるいは事務局を通じてさらに検討を進めていただきましたので、本日御報告をいただきます。
 なお、本ワーキンググループは本日が最終回となり、今月15日に開催予定の特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議(以下「検討会議」)において、私からワーキンググループの検討結果として、コアカリキュラム素案等を御報告することになります。
 本日、時間の許す範囲で御議論いただき、本ワーキンググループとしてのコアカリキュラム案をまとめたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、前回、カリキュラムの周知についても御意見を頂戴しました。本日後半は、このことについても御議論をいただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料1-1、1-2を御準備ください。
 まず、前回のワーキンググループにおいて御意見をいただき、要検討となっていた事項について、その調整状況を、また、第1欄及び第3欄の重複障害について、前回から修正がなされている箇所について、事務局より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】  それでは、嶋田のほうから御説明させていただきたいと思います。
 まず、資料1-2を御覧いただければと思います。この後、資料1-1を活用して御説明させていただきますが、まずは全体の方向性をこの資料で御確認いただければと思っているところでございます。この資料は前回のワーキンググループ等で全体の検討事項としていただいた御意見等についての対応状況を御説明した資料となっているところでございます。
 それでは、資料1-2の1ページ目を御覧いただければと思います。1ポツの「心理、生理及び病理」を御覧いただければと思います。まずは、到達目標2)の「行動観察」についてでございます。
 発達障害サブワーキンググループから、子供の作品など行動面以外の様子からも子供の特性を把握することが大切であることから「観察」にしているとの御意見があり、その御意見を踏まえ、全障害種同様の修正を行っているところでございます。
 同じ箇所でございますが、視覚障害サブワーキンググループのほうから、認知の特性を知識として理解するだけではなく、そのことを把握する方法も含め、障害の特性を理解していくことをしっかり伝えるため、「把握することを理解している」ということにしてはどうかとの御意見がございました。この御意見を踏まえ、全障害種同様の修正を行っているところでございます。
 この下の到達目標3)の「関係機関」についてでございますが、前回のワーキンググループでの御議論も踏まえ、改めて各サブワーキンググループに持ち帰っていただき、御議論いただきました。御議論いただいた結果を踏まえ、障害種ごとに対象となる関係機関が異なる方向で整理させていただいたところでございます。整理した結果は資料にお示ししているとおりとなります。
 資料1-2の2枚目を御覧ください。教育課程及び指導法の教育課程の(2)の到達目標、1)の「各教科等」の「等」についてでございます。お示しさせていただいているとおり、通知等で別途補足をつける方向での対応を行うことで整理させていただきました。また、この箇所以外の各教科等についても、事務局にてコアカリキュラム作成の考え方を含めて、今回の整理で問題ないか改めて確認を行ったところでございます。
 次に、教育課程及び指導法の指導法(1)の到達目標2)の「(コンピューター等の)情報機器」についてでございますが、病弱サブワーキンググループからの、幅広く捉えるため「ICT」と記載しているといった御意見等も踏まえ、全障害種同様の文言修正を行っているところでございます。
 次に、このページの最後の記載内容でございますが、検討会議の議論の中で、各教科等と自立活動と関連が触れられていたことや、事務局のほうで改めて確認する中で、自立活動の指導法についても特別支援学校学習指導要領等に規定されていることから、特別支援教育における核となる部分であることも踏まえ、到達目標に、発達の段階等に応じた自立活動の効果的な指導法について理解し、「各教科等と自立活動の指導との関連を踏まえた学習指導案を作成することができるとともに」という内容で修正させていただいているところでございます。
 また、同様の趣旨の御意見は、一部のサブワーキンググループからもいただいていたところでございます。
 続きまして、資料1-2の3ページ目を御覧いただければと思います。
 発達障害者に関する教育の領域についてでございますが、前回のワーキンググループにおいて、発達障害に含まれる障害が3つの障害しか示されていないが、発達障害者支援法との関係を考えた場合に問題ないのかといった御趣旨の意見をいただいているところでございます。このことについて、この資料では修正の方向性が説明しにくいことから、この後、資料1-1を御説明する際に改めて御確認いただければと思います。
 それでは、資料1-2の説明は以上となります。最後の4ページ目は、次の議題の際に御説明させていただきます。
 引き続き、資料1-1を御覧いただければと思います。
 まず、表紙でございますが、先ほど御説明した前回の御指摘を踏まえて修正したものに加え、法令の教職課程コアカリキュラム(以下「基礎免コアカリキュラム」)との整合性や教育職員免許法主管部局との調整等を踏まえ、前回のワーキンググループから何か所か修正しておりますので、御説明させていただきます。
 まず、タイトルでございますが、基礎免コアカリキュラムとの混同を避ける関係から、「特別支援学校教諭免許状コアカリキュラム」と修正させていただいているところでございます。
 続きまして、資料1-1の2ページ目を御覧ください。この資料の2段落目のところに、「本コアカリキュラム構成は」から始まっている文章があるかと思いますが、この「本コアカリキュラムの構成は」から4行目のところになお書きを追加させていただいているところでございます。これは基礎免コアカリでも記載されております目標数が、大学の授業科目の単位数等を縛るものではないといった内容をこちらの方にも記載させていただいているところでございます。
 また、親会議である検討会議の第2回において、教育課程コアカリキュラムの性質上、重複障害については第3欄に明記する方向で事務局と既に整理しているところであるが、この整理の考え方は大学で実施される実際の授業を制限するものではないと御説明させていただいているところでございまして、この趣旨を踏まえまして、実際の授業において、別の欄の教育内容を関連づけて扱うことを制限しているものではないといった内容をなお書きで追加させていただいているところでございます。
 次の「また、」以降でございますが、教育実践演習についても触れているところでございます。多くの大学でその教育内容に基づき、独自の多様な形態による授業等が実施されていることや、基礎免コアカリキュラムにおける教育実習の目標を参照することができることから、新たに作成する必要はないと判断したことを明記させていただいているところでございます。
 続きまして、資料1-1の5ページ目をおめくりいただければと思います。第1欄の特別支援教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想のコアカリキュラムでございますが、この資料につきまして、教育職員免許法を主管する部署との整理の中で、(2)の歴史と(3)の思想の到達目標について、全体目標や一般目標と並べたときに内容が薄まっているのではないかとの指摘もあり、安藤主査や樋口副主査とも御相談させていただき、内容の充実を図ったところでございます。
 続きまして、8ページ目を御覧いただければと思います。これから、第2欄の全体的な内容の御説明をさせていただきます。
 まず、心理、生理及び病理の科目名でございます。法令との整合性が取れていないことから、法令と合わせる形で、「心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理」という科目名に修正させていただいているところでございます。
 また、科目名が心理、生理及び病理となっているにもかかわらず、特に目標から明確に病理面が読み取れないということから、全体目標、一般目標、到達目標に「病理面」という用語を追加してより分かりやすくなるように工夫させていただいているところでございます。
 また、既に先ほど資料1-2で御説明させていただいておりますが、到達目標2)の「行動観察」でございますが、こちらは「観察」という形で修正させていただいているところでございます。
 また、視覚障害者の方では前回どおりの資料となっておりますが、他の障害種では、「特性を理解している」を「特性を把握することを理解している」と一律に修正させていただいているところでございます。
 次に、9ページ目を御覧いただければと思います。教育課程及び指導法でございます。こちらの科目名につきましても、法令との整合性を図る観点から、「心身に障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程及び指導法」という形で名称を修正させていただいております。
 また、教育課程及び指導法につきましては、2ページで示していることから、科目名の後に、教育課程の場合は「教育課程」、指導法の場合は「指導法」と明記させていただいているところでございます。
 このページの(2)の到達目標4)を御覧いただければと思います。こちらにつきましては、「個別の指導計画の実施状況の評価と改善を、教育課程の評価と改善につなげることを」ということで、「を」という言葉が続くということから、日本語が少し変であるということで、今回このような形で修正させていただいているところでございます。
 続きまして、資料の10ページを御覧いただければと思います。先ほど御説明したとおり、科目名を修正しているところでございます。
 次に全体目標でございますが、前回のワーキンググループでは、「授業設計について理解する」で設定しておりましたが、基礎免コアカリキュラムの各教科の指導法では「全体目標が授業設計を行う方法を身に付ける」で設定されており、基礎免コアカリキュラムと関連した修正をしているところでございます。一般目標も同様の理由から修正しているところでございます。
 次に、資料1-2で御説明しておりますように、一般目標及び到達目標5)において、自立活動の指導との関連について、記載を追記させていただいているところでございます。また、到達目標4)の「情報機器」におきましても、「ICT」に修正させていただいているところでございます。
 なお、これまで御説明した内容につきましては、他の障害種に関する教育の領域でも同様の修正を行っているところでございます。
 続きまして、飛びますが、資料の23ページを御覧いただければと思います。第3欄の免許状に定められることとなる特別支援教育領域以外の領域に関する科目のところでございます。
 前回の資料では、1種免許状の授業を受けようとする場合の例といった表などを記載しておりましたが、整理する中で、コアカリに記載する内容ではないのかといったことや、脚注で示しておりました内容が日本語的に分かりにくい内容になっていることから、表を削除するとともに、脚注の内容を簡潔にさせていただいているところでございまして、第3欄で第2欄の障害種を扱う場合には第2欄のコアカリキュラムを参照するといった内容に修正させていただいているところでございます。
 続きまして、資料の24ページを御覧いただければと思います。先の資料1-2の3ページの際に御説明は省かせていただきました、発達障害の整理でございます。
 こちらにつきましては、全体目標では発達障害の内容を特定せずに、「発達障害」とだけ明記させていただき、一般目標以下において、発達障害のうち、このコアカリキュラムでは、学習障害、注意欠陥多動性障害、自閉症を扱っていることが読み取れるような形に修正させていただいたところでございます。
 最後に資料の25ページを御覧いただければと思います。教育職員免許法所管部署などと整理する中で、特別支援学校教諭免許状のコアカリキュラムで、通級や特別支援学級について触れる趣旨を明確にする方がいいのではないかという話がございましたので、今回、特別支援学校のセンター的機能について書き込むように修正させていただいたところでございまして、こちらの方は全体目標、一般目標にその旨を追記させていただいているところでございます。
 なお、既に御承知のこととは存じますが、2月24日に行われました親会議の検討会議においては、本コアカリキュラムについて特に意見等はなかったところでございます。
 私からの資料の説明は以上となります。
 安藤主査、樋口副主査の方で補足等があれば、ぜひよろしくお願いいたします。
【安藤主査】  特に私の方はございませんけれども、樋口委員、何かございますでしょうか。
【樋口副主査】 私もありません。
【安藤主査】  ありがとうございました。
 それで、今、嶋田補佐から御説明いただいたんですけど、時々ちょっと音声が籠もるような感じになってございました。進行上、場合によっては一旦止めていただいて、もう一度繰り返し御説明いただくようなこともあるのかなと思います。
 それでは、確認をさせていただいた上で、引き続き議論に入りたいと思います。
 質疑応答などについては、第2欄等を各サブワーキンググループの代表の委員から御説明いただいた後で、全体まとめて時間を取りたいと思います。
 それでは、各サブワーキンググループから御報告をいただきたいと思います。資料に合わせて、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、発達障害の順番でお願いいたします。
 なお、時間が限られておりますので、お一人5分程度を目安にしていただき、特に前回ワーキンググループにおいて検討中とされていた箇所のその後の検討状況と、先ほど事務局より御説明いただいた全体調整とは異なる部分で、前回から修正された箇所の2つを中心に御報告いただければと思います。
 それでは、順番として、視覚障害サブワーキンググループからお願いいたします。
【小林委員】  視覚障害サブワーキンググループの小林です。どうぞよろしくお願いいたします。
 視覚障害サブワーキンググループでは、先ほど説明をいただいた内容以外、特に全体調整として、議論して変更した点はございません。
 ただ、少し議論として出てきたのが、また、この後の話だと思うのが、「各教科等」というのが学習指導要領で示す「各教科等」と内容が異なるという点で、大丈夫かなという側面がございました。特に資料1-1の9ページ目の教育課程及び指導法(-教育課程-)の到達目標の1点目ですけれども、「各教科等の教育の内容を選定し、組織し、それに必要な授業時数を定めて編成する」で、ここでいう各教科等の授業時数というのは標準時数があり、それから、自立活動に関しては個に応じてということで考え方が違うところを、自立活動の必要な時数の当て方等に対して少しもやもやとしてしまうのではないだろうかという点が指摘されておりました。
 それから、10ページ目の教育課程及び指導法(-指導法-)の視覚障害領域の到達目標の4点目のICTですけれども、ICTになったことは全く問題とはしていませんが、根拠として学習指導要領を見たときに、「情報機器等」というものが「ICT」に、ここだけ学習指導要領と文言が変わっているということで、今後、各大学はコンピューター等の「情報機器」というのは「ICT」と解釈していいのかという辺りが話題として取り上げられました。
 以上です。
【安藤主査】 ありがとうございます。
 では、引き続き、聴覚障害サブワーキンググループからお願いいたします。
【澤委員】  澤と申します。よろしくお願いいたします。
 聴覚のほうでは、前回、「心理、生理及び病理」のところで、「心理、生理及び病理」という言葉の並びとして、「病理、生理及び心理」というような並びにしていたんですけれども、それを他の障害種と合わせた修正にしているというところです。文言の書き方としては、他の障害種と統一性を取るというふうに修正しております。
 それからもう1点は、同じく資料1-1の11ページ目の心理、生理及び病理の到達目標3のところの「関係機関」のところですが、これもミニマムコアを意識して、「福祉機関、労働機関」という言葉を外して、「家庭や医療機関」という形で修正を行いました。
 ただ、先ほどの御報告を聞いておりますと、この点については、各障害種によって異なった記述になっているということですので、再考の余地があるのであれば、「福祉機関、労働機関」を加えることも考えてもいいのかなと、その修正が可能なのかどうかというところは確認させていただければと思います。
 また、それが難しいということであれば、これは後ほど議論になるかと思うんですけれども、関係機関の取扱いについて少し柔軟性を持たせるような、そういった大学への通知とか、補足というような形で付け加えてはどうかということが議論されました。
 それから、教育課程及び指導法については、大きな変更はございません。
 以上です。ありがとうございます。
【安藤主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、知的障害からお願いいたします。
【葉石委員】  知的障害領域の埼玉大学の葉石と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど事務局から説明のあった部分については、特段、こちらの領域の方から変更をするような議論というのは特に行われませんでした。
 ただ、資料1-1の14ページ目の心理、生理及び病理の到達目標の3)、「家庭や医療機関との連携の重要性について理解している」の部分ですが、資料に十分反映させることが出来ず申し訳なかったんですけれども、直前まで議論をしておりまして、この「連携」というものは、内容としては、障害の状態や心理特性の把握の上での連携と、指導支援の充実のための連携という2側面があるというふうに考えられると。こういった辺り、学習指導要領や障害のある子供の教育支援の手引の方から読み取れると思いますが、この心理、生理及び病理に関して取り扱うべき事柄というのは素直に考えれば、状態や特性を把握するための連携ということなのではないかと考えました。
 職業生活等を見通して、「労働」という文言を入れたらというようなことも、先ほど聴覚障害領域のほうから話があったように議論されたところではありますが、知的障害の領域としては、ここの部分に関して、指導支援の充実ということではなくて、ここは最低限の内容として、状態や特性把握の手段としての連携というところを明確にした方がいいだろうと考えました。そのため、この到達目標の3)を削除しまして、文言を2)と合わせて統合したいと考えております。
 その文言の案ですけれども、文字になった資料がなく申し訳ないんですが、2)と3)を合わせまして、「家庭や医療機関との連携や観察、検査を通して、知的障害のある幼児、児童又は生徒一人一人の知的障害の状態や適応行動の困難さ及び認知の特性を把握することを理解している」というふうにしたいと考えております。
 あとは、15ページ目の教育課程及び指導法(-教育課程-)です。全体の修正ということではなく、知的障害領域に関するところでの修正なんですけれども、(2)の教育課程の編成とカリキュラム・マネジメントの一般目標のところです。「学びの連続性」という言葉を使っていたところなんですが、2行目の後半にありますように、ここは知的障害領域の内容というところに話を明確に絞って、「各学部や各段階のつながりを踏まえた」という文言にいたしております。
 それから関連して、到達目標の1)ですけれども、こちらもやはり1行目の後半、「育成すべき資質・能力で整理された」という言葉を補いながら、2行目の後半の「各学部や各段階のつながりの観点から理解している」というふうに文言を替えました。
 知的障害の領域からは以上になります。
【安藤主査】  ありがとうございました。
 それでは、肢体不自由の領域からお願いいたします。
【一木委員】  失礼いたします。福岡教育大学の一木と申します。よろしくお願いいたします。
 では、まず17ページ目の心理、生理及び病理です。こちらにつきましては、特に修正はございません。
 それから、続きまして18ページ目の教育課程及び指導法(-教育課程-)です。こちらについても、特に修正はないかと思います。
 この後の議論になるかと思いますが、先ほどの御説明で、(2)の到達目標の1)、「各教科等」の「等」に自立活動は含まれないという説明があったかと思います。こちら、教育課程編成に関わる到達目標かなと私自身は理解したところで、その際に自立活動を含めない形でいいのかどうか、この後また御教示いただければと思います。
 続きまして、19ページ目の教育課程及び指導法(-指導法-)です。前回の肢体不自由のサブワーキンググループでは、指導法のコアカリキュラムについて議論が重ねられました。特別支援学校の免許状取得に関わる課題の一番大きなものを挙げたら、それは自立活動の指導法科目が存在しないことであり、前回、自立活動については、第1欄、第2欄の科目で対応していくんだという御説明を改めていただいたところです。そう考えますと、第2欄で自立活動の授業設計に関わる内容を明確に位置づけるということ、また、その学習を経て教育実習に送り出すということが重要だと、そんな意見が交わされました。
 今回御提示していただいている案ではなくて、前回の肢体不自由サブワーキンググループの際に提示された資料について申し上げますと、1)が各教科となっておりました。それに対応する形で、2)で自立活動について新たに起こすということが一つの案として考えられるんじゃないかということ、また、2)として起こすということが難しいということであれば、4)に授業設計に関する記載が前回あったところですけれども、各教科及び自立活動の授業設計、学習指導案の作成というような文言にしてはどうかということが意見として挙がっておりました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございました。
 では、続きまして、病弱(身体虚弱)の領域からお願いいたします。
【丹羽委員】  よろしくお願いいたします。
 サブワーキンググループのほうでは何点か出てきましたので、それを追ってお話をさせていただきたいと思います。
 まず、「病気の状態」という記載がありましたけれども、病気の状態だけではなく、「病気や障害の状態」という形で統一させていただくということで、サブワーキンググループの方では意見がまとまりましたので、そのような表記の形にさせていただいております。
 というのは、病気と障害というのは結構分けにくいところでもありますし、特に病名、疾患名が障害という名称がついていることもありますので、なかなか分けにくいところがありますので、ここら辺は「病気や障害の状態」という形にさせていただいたところでございます。
 また、20ページ目の心理、生理及び病理の箇所に関しましては、到達目標の下に、前回の説明の折には、米印を入れて、病弱(身体虚弱)についての説明を加えさせていただきたいということについて検討中ですというふうにお話をさせてだきましたけども、最終的にサブワーキンググループの中で話し合った結果、これは混乱を来すので削除するということで、米印で説明を入れることについてはなくなりましたので、改めてここで示させていただきたいと思っております。
 また、到達目標3)の関係機関との連携の中で、病弱のほうは、もといた前籍校との関係もとても重要ですので、「学校間の」と入れさせていただくとともに、「福祉及び保健機関」とも入れさせていただいております。これは病弱の子供たちの話をするときに、小児慢性特定疾病という、いわゆる児童福祉法に基づく様々な施策がどうしても必要になってきます。小児慢性特定疾病の事業は、基本的には病気の研究と、それから医療費の補助というふうな福祉関係とかが関連してくるところでございますので、これを分けることができないということで、こういうような形で「保健」や「福祉」という言葉を入れさせていただいております。ですので、心理、生理及び病理のところにこれはどうしても必要なんだということで入れさせていただいておりますので、ほかの障害疾病とはちょっと異なりますけども、こういうふうな形で必要なんだということで入れさせていただいたことを改めて話をさせていただきたいなと思っています。
 4つ目、22ページ目の教育課程及び指導法(-指導法-)のICT関係の表記のことです。現在、様々な形でICTを活用していただいていますけれども、今、ここで話をしていますように、テレビ会議システムとか、それからSNSとか、メールとか、様々なコミュニケーションツールを現実的に活用しております。ですので、機器というふうに言われると、機器だけなのか、機器が先に来るのかという話がありますので、そこら辺につきましてはコミュニケーションということがとても重要だ、特にこういうふうな様々なコミュニケーションツールを使って遠隔地の方々とつながっているんだということを意識するためにはICTという名称がいいだろうということで、改めてICTというふうな形で書かせていただいているところです。
 これについては、全体を統一していただいているので、多くの方々も理解していただけるかなと思うんです。ただ、ICTという名称が一般的には使われるんですけれども、IとTの間にC(コミュニケーション)が入っているということが分かりにくい点がありますので、ICTについてインフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーの省略形だということが分かるようなものをどこかに書いていただけると、コミュニケーションが重要なんだということがもうちょっと強調できるかなと思いますので、そこら辺については全体を通して考えていただけたらありがたいなと思っています。
 私の方から以上です。よろしくお願いいたします。
【安藤主査】  ありがとうございました。
 それでは、最後になりますけれども、発達障害の領域からお願いいたします。
【花熊委員】  花熊でございます。
 それでは、発達障害サブワーキンググループから報告させていただきます。前回の本ワーキンググループ会議で協議された内容を基にサブワーキンググループで再度検討をさせていただきましたが、検討結果のうち、発達障害とその具体的な障害種名の表記については、先ほどの御説明いただきましたとおり、全体目標では発達障害、そして、一般目標と到達目標では、学習障害、注意欠陥多動性障害、自閉症というふうに表記をいたしております。それはもう先ほどの説明のとおりですので、ここではそれ以外の点を少し御説明させていただきます。
 まず、資料1-1、24ページの心理、生理及び病理の事項では、第1に、各障害者ともに、「病理面、心理面、生理面」という言葉を入れるということになりましたので、全体目標、一般目標では、「脳機能及び心理面や生理面の特徴」となっておりました文言を「脳機能に関する病理面及び心理面や生理面の特徴」というふうに、それから、到達目標の1)でも、「脳機能を理解している」という文言を「脳機能に関する病理面を理解している」と修正をしました。
 それから、心理、生理及び病理の事項の2つ目としまして、一般目標及び到達目標4)の連携の重要性の部分に「労働機関」を加えて、「家庭や医療、福祉及び労働機関との連携の重要性について理解する」というふうにいたしております。この心理、生理及び病理の事項に「労働機関」を加えることについては、前回の会議でもいろいろ御意見があったわけですけれども、発達障害の場合、1つは、本人の特性と周囲の環境の相互作用によって非常に状態が形成されていくということから、やはりICFの障害の社会モデルの観点というのが非常に重要だろうということ。それから、2つ目は、発達障害児者の場合、スキルの問題以上に自己理解の問題ということが非常に顕著で、社会的自立に向けた心理面の発達ということを支援者が視野に入れていくということが不可欠ではないかということ。それから、3つ目は、到達目標3)につながるいろいろな作業能力検査や職業適性検査などの就労アセスメントということも重要だという、この3点から労働機関との連携を入れる必要があるというのが委員全員の意見でございました。
 今回、関係機関については障害種ごとに判断するということになりましたので、発達障害の方としてはこの形でお願いいたしたいと思います。
 それから、次に、25ページの教育課程及び指導法の教育課程の事項では、全体目標及び一般目標に、特別支援学校のセンター的機能ということを入れて強調するようにしております。
 それから、一般目標の文言を、前回御報告したのとはかなり変えまして、「通常の学級の教育課程を基盤として、通級による指導や特別支援学級における特別の教育課程が有する意義を理解するとともに、特別支援教育のセンターとしての助言又は援助の役割を果たす必要性について理解する」というふうな表現にいたしました。
 そのことに関連しまして、到達目標のところが、前回の報告では1)と2)がございましたが、少し一般目標の文言を変えたことで、1)、2)を1つにまとめてもいいのではないかということで、2)は削除しまして、1)だけというふうに一本化いたしております。
 その他、全体で統一されました形式とか文言については、形式、文言をそれに合わせておりますので、この形で一応まとめたということでございます。
 発達障害の方からは以上でございます。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 それでは、ただいま事務局及び各障害種サブワーキンググループからいただいた御報告内容、また、それを踏まえた現在のカリキュラム案資料1-1について質疑応答及び議論の時間を25分ほど設けたいと思います。
 それでは、ただいま御意見のある方を挙手ボタンで求めたいと思います。各障害種サブワーキンググループ、事務局からの御説明に対して改めて質問をなさりたいというところから始めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 葉石委員のほうからお願いいたします。
【葉石委員】  これは障害領域ごとに決めることにしたということなので、私があえて言うことではないかもしれないんですけれども、コアカリキュラムの中の「連携」という言葉の中身が領域ごとに違っているというようなことが混乱のもとになるのではないかと思います。
 知的障害の領域では、この連携に関しては、状態の把握、心理特性の把握の手段としての連携というふうなところに絞ったことが分かるように変えたわけですけれども、他のところは、支援の中身の充実だとかいったことを含めての連携という言葉にしています。要は領域によって考え方がちょっと違うということでよろしいんですかということを確認したいです。
【安藤主査】  先ほど葉石委員のほうから連携に関して考え方が2つあるということを御説明いただいて、知的障害領域ではこういう考え方に依拠して記述を見直すことが大事じゃないかという問題提起があったわけです。このことについて改めて、今、葉石委員から御説明いただいたわけですけれども、他の領域ではこのことについてどういうふうにお考えになったのか、少しその辺のところをお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 澤委員、お願いします。
【澤委員】  今、葉石先生からも御指摘があったんですけれども、聴覚障害の領域でも、「福祉労働」という言葉を当初入れていたわけですが、今回削除させていただきました。削除した理由というのは、やはりミニマムコアというところ、全体的な統一を取るということを前提として考えていたというのが一番大きな理由で、特に教育現場の委員の先生方とか、あと、聴覚障害の場合にも発達障害の場合と同様に、やはり対人認識とか自己理解、障害認識といった心理的な側面って非常に重要になってきますので、そういうところというのは、やはり福祉とか労働とすごく関係性が深いということです。ですので、今回外したわけですけれども、ここに再考の余地があるのかということが1つお伺いしたいことです。
 でも、障害間での統一を図るということであるならば、聴覚の障害としては、ここで言うところの連携とか、関係機関の取扱いということについて、少し柔軟性を持たせるような補足なり、大学への説明というものを加えていただきたいというのが希望です。変更が可能か否かというところまで含めて御議論いただければと思います。
 あと、もう1点よろしいでしょうか。
【安藤主査】  どうぞお願いします。
【澤委員】  これは純粋な質問なんですけれども、先ほどの「各教科等」というところで補足を加えるというような説明があったんですけれども、具体的にその補足というのはどういう形で入るのかということが一つです。
 あと、「各教科等」という言葉で全体的に統一されているんですけれども、これは幼児が入っていますので、特別支援学校幼稚部教育要領の方を踏まえたときに「各教科等」の示す意味、これを幼児に対応させたときにどういうような文言になるのか、あるいは「各教科等」で統一するのであれば、幼稚園の教育というものも踏まえた補足的な文言というのを加える必要があるんじゃないかなというのが私の考え方です。
 御回答いただければと思います。以上です。
【安藤主査】  それでは、他に関係することも含めて、ございますでしょうか。
 小林委員のほうからお願いいたします。
【小林委員】  視覚障害サブワーキンググループの小林です。
 先ほどの心理、生理及び病理の家庭や医療機関との連携ということに関してですけれども、視覚障害サブワーキンググループでは、あくまでも心理、生理及び病理というような科目の中で考えるという立場ですので、知的障害サブワーキンググループと同じようなスタンスで進んできたところがございます。ですから、それを考えると、もしかすると知的障害なりと文言を合わせる必要があるのかと考えています。さらに、全ての大学ではありませんが、生理、病理の担当を眼科医等にお願いしていたりする場合に、福祉労働といった内容を、コアカリキュラムに示されている内容だからとお願いできるものだろうかというようなところも含めて、シンプルに家庭や医療との連携が望ましいのではないかという話がございました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 丹羽委員からもお願いします。
【丹羽委員】  よろしくお願いいたします。
 病弱ですけれども、病弱に関しましては、御承知のように、入院中の子供たちのことがありますので、入院中の子供たちにつきましては、日々、毎日看護スタッフの方々と一緒に連携をやったり、体調について確認を取ったりしていますし、それから、個々の子供については、医療関係者が一堂に集まるようなカンファレンスにも実際中に一緒に入って、一員として参加するということもありますので、医療関係者と一緒に話をするということが結構メインで行われます。ですので、「連携」という意味合いがそれぞれの障害種別によって違うのはやっぱり障害の特性によって入り方が異なってくるので、「連携」についての違いを統一させることってかなり難しいんじゃないかなと思っていますので、それぞれのサブワーキンググループの意向を尊重していただいて、これを踏まえていただけたらありがたいなと思っております。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。他いかがですかね。
 今日、それぞれ御報告いただいた中で、幾つかポイントとなるような話が今また改めて出てきたかなと思っております。
 まずここまでで、事務局からこのことについて御説明、あるいは御回答ってありますかね。特にないですかね。
 それぞれのサブワーキンググループからのお話を伺うと、要するに障害領域のそれぞれの特性をどう反映させるかということが優先的な議論になったと。しかし、全体としての、コアカリキュラムの統一とか整合性という観点からこういうふうに自分たちは押さえたと。その対応の仕方や、議論の方向に若干違いがあったように私自身感じたんです。もうこの段階に来ておりますので、確認するところは確認した上で、その後の対応についてある程度お示しするのがいいのかなと、今、伺っていて思ったんですけれども。
 葉石委員。
【葉石委員】  ここは事務局のほうに確認したいところなんですけれども、「連携」という言葉を使っていて、障害領域によってそこに含める中身が違うというようなことがあって構わないのか。これは課程認定の作業にも影響する内容だと思いますので、そこはきちんと確認したほうがいいかなと思います。
 実は我々も、先ほど2側面あると言ったうちの指導支援上の連携の大事さというのを軽視しているわけではなくて、そこは教育課程及び指導法の指導法の事項の内容に入れたほうがいいんじゃないかというふうなことで検討いたしました。ただ、ここは主に教科に関する内容なので、ちょっとそれを関係機関との連携に基づく指導支援というところは入れようがないということで、それについては、ただ、基礎理論のほうで制度経営的な中身のところに連携というところがありますので、そこでやってもらうということかなと解釈しまして、心理、生理及び病理に関しては、主に特性、障害の状態の把握というところが明確になるように、まさにミニマムコアの部分を明確にするようにまとめたというふうなことになっております。
【安藤主査】  ありがとうございます。いかがですかね。今、葉石委員から事務局へ確認をしたいということでございますので、何かこのことについてございますか。
 どうぞ。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】  嶋田でございます。葉石委員からお話がありましたように、ここにおきましては、あくまでも障害の状態の特性を捉えるための連携機関としての関係する機関を挙げていただくという形になるかと思います。ただ、先ほど障害の特性によってそこが異なってくるので統一は難しいのではないかという丹羽委員からの御発言もありましたが、事務局としても関係する機関を統一していくというのはなかなか難しいのかなと考えているところでございます。
 あと先ほど御発言いただきました「各教科等」の「等」についてどのような形で周知するのかというお話でございますが、今後コアカリキュラムを策定した後に、こちらのほうから各関係機関等に通知を行う際の通知文書の中で触れさせていただければと考えているところでございます。
 私の方からの説明は以上でございます。
【安藤主査】  ありがとうございます。いかがでしょうか、今の御説明に対して何か。よろしいでしょうか。
【分藤初等中等教育局視学官】  初等中等教育局視学官の分藤です。
【安藤主査】  どうぞ。
【分藤初等中等教育局視学官】  資料1-1の2ページ目を御覧いただきたいと思います。、「本コアカリキュラムの構成は、先行する基礎免コアカリキュラムに倣い、教職課程の各欄の科目に含めることが必要な事項について、当該事項を履修することによって学生が修得する資質能力を『全体目標』、全体目標を内容のまとまり毎に分化させた『一般目標』、学生が一般目標に到達するために達成すべき個々の規準を『到達目標』として表すものとした。」ということで、基礎免コアカリキュラムに倣ってこのように目標を捉えてつくっていただきました。
 その上で、今話題になっております、例えば8ページ目の視覚障害領域では、具体的に一般目標では家庭や医療機関との関係機関との連携ということで、ここをそろえるとしたときに、家庭や医療機関という関係機関との連携と一般目標にしたときに、先ほどの目標の関係性でいえば到達目標はさらに具体的にということで、やはり示していくことが大事になってくるのではないかと思います。
 先ほど、関係機関の示し方の横並びという話がありましたけども、なかなか一般目標と到達目標の関係性を踏まえれば、やはり少し具体に到達目標は示していくのがいいのかなと。しかしその範囲をどこまでするのかというところに御苦労をいただきまして、ミニマムコアということで、具体に到達目標を各障害種提示していただいているのかなというふうに理解しました。
 発達障害についての説明を聞かせてもらっても、心理、生理及び病理を理解するために連携すべき関係機関というふうに聞こえましたので、知的障害サブワーキンググループの葉石委員がおっしゃったように指導支援のための連携という説明では聞こえてこなかったんですけども、この辺を共通理解の上で設定された目標をなおそろえていく、そういう作業自体が難しいのかもしれないなと、感想ですけども、そういうふうに思いました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございました。とても大切なポイントで、このことについて十分ここで確認してみるべきところなんでしょうけれども、しかし、残念ながら十分な時間と、確認ができる状況ではないというふうに考えているんですが。
 一木委員、お願いいたします。
【一木委員】  時間が押しているところ申し訳ありません。
 今話題になっております関係機関との連携についてなんですけれども、教職科目との関係で申し上げれば、教職科目の中に教職の意義及び教員の役割、職務内容に関する科目がございます。この中で学校が内外の専門家と連携、分担するということ、これをしっかり理解するということが掲げられている。これを学んだ上で特別支援学校教諭のコアカリキュラムに何を盛り込むかということで考えると、本日葉石委員にお話しいただきましたように、連携の目的というものを明確に記しておくということがすっきりするなというふうに、私自身は受け止めたところですというのが1点です。
 それから、、この場でなく後ほど、よろしければお読みいただければと思いますが、教育課程及び指導法(-指導法-)に関するコアカリキュラムの中で今回、「自立活動の効果的な指導方法」という言葉が出てきています。この「効果的な指導方法」というのが、具体的には何を指すと読み取ってもらえるといいのかなと、私自身ちょっとイメージ湧かなかったところです。それから「学習指導案を作成」と出てきます。この学習指導案について自立活動も含まれるのかどうかと、この2点を教えていただければと思います。
 以上です。
【安藤主査】  具体的にお尋ねの件、いかがでしょうか。
【菅野特別支援教育調査官】  特別支援教育調査官の菅野でございます。最後の自立活動の指導案についてでございますけれども、自立活動、もしくは各教科になれば自立活動と関連を図りながらということで、当然その辺の取扱いについては各大学において行われるものというふうに理解をしております。
 それから、指導方法につきましては、こちらとしましては特定の指導法についてを示唆しているものではないということを改めて確認だけはさせていただきたいと思っております。
 以上となります。
【安藤主査】  ほか、いかがですかね。
 そろそろ当初予定していた時間が近づいておりますけど、いかがでしょうか。
 樋口委員。
【樋口副主査】  お願いします。連携をどう受け止めるかということについてなんですけれど、先ほど丹羽委員がおっしゃった、カンファレンスには必ず先ほど挙げたような関係機関が参加しているということについても、実際には指導につながる情報と、それから子供の障害等の状態を把握するための話合いが同時に行われるものがカンファレンスだと思いますので、ここのところはあくまでも心理、生理及び病理のところで障害の状況等の把握に関する連携なんだと言ってしまっても良いのではないかと思うんですけれど、丹羽委員、いかがですかね。
【丹羽委員】  どうもありがとうございます。実際に子供の病気の状態を把握するということの有用性をここで話をしているのであって、指導方法についてあまりカンファレンスで細かいところまで話はしないんですけども、だけどここはもう子供の日々の変化とか病状の変化とかをやっぱりこう把握するためには連携が必要だよということで、心理、整理及び病理のところに入れておかないといけないというふうな押さえでいっていただけたらありがたいなと思っております。
【安藤主査】  葉石委員、どうぞ。
【葉石委員】  手短に済ませます。誠に申し訳ないんですけれども、支援上、あるいはカンファレンスのような場面で状態把握とそれから指導支援の充実の中身を考える、両面が入ってくるというのは、これは当然なんですけれども、今これ、コアカリキュラムとして議論しているのは授業担当者が何を担うかという話だったと思いますので、そこのところはあまり一緒にしてしまうと心理、生理及び病理を担当する人への負担というものが大きくなるというところを懸念しているところです。
【安藤主査】  ありがとうございます。ほか、いかがですか。
 当初予定した時間になりますので、大変恐縮ですけども一旦ここで議論は閉じさせていただこうと思います。ただいまの御意見、御議論を踏まえて教育職員免許法の所管課とも調整しながら、私と事務局とで3月15日の検討会議の報告に向けて調整させていただきたいと思います。この点、私に御一任いただければと思いますけども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【安藤主査】  ありがとうございます。そうさせていただきます。検討結果については事務局を通じて報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、次に議事2、特別支援教育関係教員養成大学に向けた周知等に入りたいと思います。このことについて事務局より御説明をお願いいたします。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】  それでは、嶋田から資料について御説明させていただきます。
 まず、先ほどの資料1-2の最後のページを見ていただければと思います。前回の本ワーキンググループで議論いただいた内容について記載しているところでございます。前回の会議では「コアカリキュラムの取り扱いについて」として、特に第1欄の自立活動、第3欄の重複障害について、欄間の教授内容の関係が分かるようになっているとよいといった御意見をいただいているところでございます。
 また、「コアカリキュラムの目標等の記載に対する補足」といたしまして、全体の1つ目の丸でございますが、既に先ほど方向性をお伝えしているところではございますが、「各教科等」についてその範囲を通知等で明確にしてはどうかといった御意見や、あと知的障害のところの1つ目の丸、コアカリキュラムの目標等の記載に対する補足の全体の中では3つ目の丸となりますが、特別支援学校、知的障害において自閉症の割合が多いことから、通知等において自閉症について漏れなく扱ってもらえるような記載を入れてはどうかといった御意見をいただいたところでございます。
 それでは、資料2を御覧いただければと思います。
 この資料2でございますが、前回、ワーキンググループにおいて安藤主査から御提案いただいた資料につきまして、前回の会議で委員から御意見をいただいているところでしたので、それらの御意見を踏まえ、安藤主査の方でさらに精選していただいたものを事務局に御提出いただき、先に御説明させていただきましたが、前回のワーキンググループで特に自立活動と重複障害について欄間の教授内容の関係が分かるものがあればいいとの御意見も踏まえまして、事務局で掲示する事項を整理するとともに、資料の活用方法を追記するなど、体裁等を整理させていただいたものとなっているところでございます。
 資料のタイトルといたしましては、「欄間で関連する事項についての取扱いの例」とさせていただいておりまして、1枚目は自立活動、2枚目は重複障害等に関する教育課程を取り扱う内容とさせていただいているところでございます。
 この資料の活用方法でございますが、資料の上段に、本資料の活用の仕方として四角囲みで丸1から丸3をお示しさせていただいているところでございます。
 まず、丸1といたしまして特別支援学校教諭のコアカリキュラムにおいて欄間で関連する事項に着目するとさせていただいているところでございまして、今回はこの1枚目の資料でございますが、自立活動に着目させていただき、欄間で関連する到達目標をそれぞれピックアップさせていただいているところでございます。例えば、第1欄におきましては、社会的、制度的または経営的事項の(1-2)の制度的事項のところの到達目標2)につきまして記載させていただき、それに関連する第2欄の内容といたしまして、教育課程及び指導法の教育課程の事項(2)の到達目標3)、知的障害の場合は5)の到達目標を記載させていただくとともに、教育課程及び指導方法の指導法の事項(1)の到達目標4)と、視覚障害におきましては5)の到達目標を入れさせていただいているところでございます。
 次に、丸2といたしまして、この事項に対し各欄で扱う範囲についてイメージするとさせていただいておりまして、到達目標から想定する範囲といたしまして、今回第1欄におきましては赤字で示させていただいております自立活動の基礎、また第2欄でございますが、こちらも赤字で示させていただいております自立活動の指導の展開とさせていただき、それぞれその下に取り扱う内容を記載しておりまして、自立活動の基礎につきましては3つ示させていただいておりまして、A-1といたしまして「自立活動の変遷、意義と指導の基本」、A-2といたしまして「総則における位置付け、目標及び内容」、A-3といたしまして「個別の指導計画の作成の基本的な考え方、作成手順」と示させていただいているところでございます。
 続きまして「自立活動の指導の展開」でございますが、a-1といたしまして「個別の指導計画の作成の実際」、a-2といたしまして「自立活動の効果的な指導方法の実際」、a-3といたしまして「自立活動の時間における指導と各教科等との関連」、a-4といたしまして「自立活動の授業の計画・実施・評価・改善の展開」とさせていただいているところでございます。
 最後に丸3でございますが、1と2の整理を踏まえまして、実際のシラバス等を作成する際に反映していただければというふうに考えているところでございます。
 また、参考といたしまして、米印で「基礎」及び「展開」の考え方について、それぞれ明記させていただいているところでございます。
 続きまして、資料2の2枚目です。
 欄間で関連する事項といたしましては、「重複障害者等に関する教育課程」となっているところでございます。資料としての活用の仕方の考え方は先の自立活動と同じになりますので、こちらについて説明は省かせていただきますが、今回お示ししております2枚目の資料ではそれぞれの欄間に向かう矢印が2種類あるかと思います。これは1枚目も同様でございますが、第1欄から第2欄の流れ、第1欄から第3欄の流れにつきましては第1欄が基礎的な内容を扱い、第2欄では教育課程の実際、また第3欄では重複障害者等に関する教育課程の編成の実際となることから、実際の事業としての流れは一方向かと考え、この矢印を使用させていただいているところでございます。
 一方、第2欄と第3欄につきましては、実際の授業では相互に関係しながら授業が行われると考えておりますので、双方向の矢印とさせていただいているところでございます。重複障害に関する本コアカリキュラムの考え方につきましてはさきにも御説明させていただいておりますが、以前の検討会議の第2回において、教育課程は、コアカリキュラムの性質上、重複障害については第3欄に明記する方向で事務局として整理したところであるが、この整理の考え方は大学で実施される実際の授業を制限するものではないと御説明しており、このことから以上のような整理をさせていただいているところでございます。なお、資料につきましては、本コアカリキュラムの通知を行う際に添付する方向で現在考えているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。安藤主査、樋口副主査から補足をしていただければと思います。
【安藤主査】  ありがとうございました。では、私から若干の補足をさせていただこうと思います。
 資料2に関しては私が、私的な案として、自分が授業者として、欄間の関係を押さえるとすればどういうものが必要なのかという観点からまとめたものです。これはコアカリキュラムそのものをユーザーとして大学あるいは関係する組織が活用するときに、こういうものを一つ考えておくことが必要なのではないかということに基づいたものです。
 ただ今回、これを大学等への周知等、あるいは組織や先生方のお声の周知等と考えた時に、より分かりやすく明確に示す必要があるだろうということで、私が作成した試案に基づき事務局と進めて、今、嶋田課長補佐から御説明いただいたように、比較的ポイントがどこにあるのか分かりやすくしていただきました。こういう経過も踏まえまして、資料1-2と併せて先生方に改めて御意見等いただきたいと思っております。
 それでは、各サブワーキンググループにおいても追加すべき周知事項などを改めて確認いただいていますので、そのことについて御報告をいただきます。また視覚障害から順に、今度はそれぞれ2分程度で御報告をいただければと思います。
 それでは、視覚障害サブワーキンググループからお願いいたします。
【小林委員】  視覚障害サブワーキンググループの小林です。新たに周知でお願いした内容はございませんでしたけれども、どの委員もちょっとすっきりしていないのが、学習指導要領の総則において「各教科等」というのは自立活動が含まれている、ただしこのコアカリキュラムにおいて「各教科等」には自立活動は含まれないという点が、同じ用語を用いていても、場面によって解釈が変わるというのが本当に望ましいのかというのは、ずっともやもやしてまいりました。違う表現、ワーキンググループの中で議論されたものではありませんが、例えばコアカリキュラムでは、「各」を取って「教科等」にして自立活動は含まれないとか、または、「各教科など」の平仮名を使うなり、表現を少し変えないと後々これは大混乱になるのではないのかなというようなところを懸念しております。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。周知のことについては何か話題ありましたか。
【小林委員】  いいえ、特にはございませんでした。すみません、コアカリキュラムの中身に集中しておりました。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 それでは続いて、聴覚障害サブワーキンググループ、お願いいたします。
【澤委員】  先ほどの議論を蒸し返してしまうようなんですけれども、聴覚障害領域で、関係機関のところで労働福祉というところを外したというところがあったわけですけれども、その点について私の考えた文案としては、例えば、心身に障害のある幼児、児童または生徒の心理、生理及び病理の理解、障害の状態等の把握の全体目標に挙げた関係機関の取扱いについては、幼児、児童または生徒の年齢や発達段階に応じて連携が必要となる期間を取り上げることとし、一般目標、到達目標に挙げた期間に限定するものではないとし、そこで到達目標として挙げた期間以外の期間を取り上げるということについての制限をある程度緩くしたほうがいいんじゃないか。これは大学それぞれの授業の中で考えればいいと言えばそれまでかもしれませんけれども、心理、生理及び病理のところで関係機関を扱ったときに、やはり福祉、労働というところはじゃあどこに置くんだろうかと、重要じゃないのかという話にもなってくるので、何とか福祉、労働というところを位置付けるような文言というのが欲しいなというのが一つです。
 あと、これは私個人の考えですけれども、先ほどの「各教科等」、質問をさせていただきましたけども、聾学校、やっぱり幼稚部というのはかなりメインとしてあるわけで、幼稚部を想定したときに「各教科等」といった言葉がどういう言葉に置き換わるのか、どう対応するのかというところは補足として加えたほうがいいのではないかというふうに考えました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございました。では、続いて知的障害サブワーキンググループからお願いします。
【葉石委員】  通知に関して特に細かく突っ込んで議論をしたということは今回なかったんですけれども、先ほど説明していただいた資料のところを見ますと、少し前回話したことと異なるところがちょっとあるかと思いましたので、細かい点なんですが補足しておきます。
 単に通知で自閉症に触れるというのではなくて、障害のある子供の教育支援の手引というものに誘導するように通知をして、そこを見ていくと併存症・合併症のところに自閉症というのが具体的に挙げられているので、自閉症を扱えばいいんだというふうに理解してもらうという、そのような内容です。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 それでは、続いて肢体不自由サブワーキンググループ、お願いします。
【一木委員】  失礼いたします。通知につきましては特に加えるということについて意見はございませんでした。その一つの理由になるか分かりませんが、実際はコアカリキュラム対照表を文部科学省に提出し、課程認定を受けるということになろうかと。その辺りを考えたときに、果たして通知というのが継続的にどれほどの実行力というものを伴うのかなと、そんな話題になったところです。
 それから、先ほども申し上げましたが、今回新たに補足としてという御説明があった「等」について。教育課程及び指導法の教育課程の事項に関する到達目標の箇所ですが、特に自立活動が含まれないということについて御教示いただければと思います。
 それから最後です。先ほど資料2で欄間の関連について御説明いただきました。改めてその説明を受けまして、先ほど発言いたしました教育課程及び指導法の指導法の事項のコアカリキュラムですけれども、自立活動の指導の展開に対応する箇所が到達目標の4)ですが、書くのであれば、障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた自立活動の授業設計の考え方について理解し、各教科等と自立活動の学習指導案を作成することができるとともに授業改善の視点を身につけていると、こう書かれているとこちらの欄間はそうだよなというふうに理解が進むのではないかなと思いながら伺っておりました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 では、全体を一度伺っておきましょう。それでは病弱(身体虚弱)サブワーキンググループ、お願いします。
【丹羽委員】  どうもありがとうございます。では病弱から話をさせていただきます。通知に関しましては、重複障害者等の動向についての取扱いについて、やはり注意必要だなという話が出ておりましたので、書いていただいているところで結構でございます。ありがとうございます。この辺りでしっかりと押さえておいていただけたらなと思っています。
 サブワーキンググループでは、ちょっと出なかったんですが、気になっていることが1点あります。というのは、今日参加されている方は御承知のとおり、ICD-11が2月11日に正式にWHOで発効しました。これで、国際的にICD-11で話を進めていくことになっております。日本語訳がまだちょっと混乱しているところがあるもので、厚生労働省においては日本語訳が今後進んでいくとは思うんですけれども、私たちが話をしている、例えば自閉者や注意欠陥性多動性障害、ここら辺は疾患名で話をしているのか、もしくは障害種で話をしているのか結構混乱しているところがあるなと思っています。話を聞いていても疾患名で話をしているところと障害種で話をしているところが結構混乱していて、特に私たち、病気の子供たちの話をするときに物すごく多様な疾患名が出てきますので、なかなかこのずれがもう一つ分かりにくいところがありますので、今後きっと厚生労働省でもいろいろと検討されているとは思うんですけども、そのような情報に関しましてはできるだけ適切な情報を発信していただけたらと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【安藤主査】  
 では、引き続き、発達障害サブワーキンググループ、お願いします。
【花熊委員】  発達障害のほうは、実はこのコアカリキュラムをいろいろ検討する中で、通知ということについて、かなりいろいろ意見が出ました。
 その中で、重要なことだけを申しておきますと、やはり心理、生理及び病理の事項では、やはり、発達障害の場合、特性理解の上ではアセスメントが非常に重要であるということを強調しておきたいというのが、まず、1つ目でございます。
 それから、2つ目、教育課程及び指導法の教育課程の事項については、発達障害の子供たちの場合、通常の学級をベースに、いろいろな特別な支援も受けていくという状況が多いですので、やはり通常の教育課程と、特別な教育課程との連続性ということ、このことをしっかり理解していただくというための通知が必要ではないか。
 ですので、あくまで通常の教育課程と特別な教育課程が別個のものとか、あるいは発達障害があるんだから、個別的な指導みたいなものに特化し過ぎないというような、やっぱり、そういったことの通知が必要ではないかということ。
 最後に、教育課程及び指導法の指導法の事項のところでは、今、教育課程のところでも申したのと同じことなんですが、やはり通常の学級と、そういう特別な教育課程を行う教室、あるいは学級の両者において、学習環境の整備、例えば教室環境の整備といったことからICT活用というところまで、いろいろな学習環境を整備していく必要があるだろうと。
 こういったところを、やはり、ぜひ通知でしっかりお伝えいただきたいという意見でございました。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。
 それぞれサブワーキンググループから検討状況について御報告をいただいたところです。
 それでは、事務局から説明ありました資料2について、改めて質疑応答および検討、あるいは周知等に関する追加の御意見等をお受けする時間を設けたいと思います。20分程度と考えております。
 改めて、御質問、御意見のある方は挙手ボタンでお知らせをいただければと思います。いかがでしょうか。
 あるいは、事務局のほうで先ほどの御意見等を踏まえた補足の説明も含めてもよろしいかと思うんですけど。
【菅野特別支援教育調査官】  失礼いたします。特別支援教育調査官の菅野でございます。
【安藤主査】  菅野調査官、よろしくお願いします。
【菅野特別支援教育調査官】  先ほどの各教科等というところでの通知ということから、まず、お話をさせていただきたいと思っております。
 各サブワーキンググループのほうにおいて、これまで各教科等において、いろいろな議論が進められてきている中で、途中、それぞれの各サブワーキンググループの中において、各教科等につきましては、その説明をしてきたところではございますけれども、改めて、こちらとしての確認をさせていただきます。
 この各教科等の「等」につきましては、当然、学年、学部ごとの教育の内容を前提としておりまして、小学部、中学部、高等部について、それぞれの対応になりますので、これらについては、通知等において示していくことが、一つ方向性として、確認をこれまでしてきたところでございます。
 一方、自立活動におきましては、教科の並びとして、当然、総授業時数として考えれば取り扱っていくこととはなりますけれども、自立活動の特徴としまして、それぞれ個々の指導目標を踏まえて選定されていき、あわせて、授業時数等においても適切に定めるものとしておることから、今回、ここのところにつきましては、例えば小学校であれば学校教育法施行規則の51条の別表、そのとおりには当然ならないわけでございますけれども、それらを踏まえつつ、示している時数と、時数として示していない自立活動との関連の中で、事務局として整理をしてきたという経過がございます。
 そういうことで、今のところはこのような整理をしているということで、御説明させていただきます。
【安藤主査】  ありがとうございました。委員からいかがでしょうか。ございませんか。
 澤委員、お願いします。
【澤委員】  繰り返しになってしまうんですけれども、今のところで、幼稚部というのをやはり、きちんと位置づけていただきたいと思います。これは必ず入れてほしいなという要望です。
【安藤主査】  小林委員、お願いします。
【小林委員】  失礼します。今の御説明は十分理解しているつもりですが、繰り返しになりますが、学習指導要領の中で、各教科等という場合には自立活動が含まれていて、このコアカリキュラムでは含まれていないという、そこの部分が、視覚障害サブワーキンググループではやっぱり何かもやもやしている、このまま進めていってしまっていいのかなという、そこの部分への回答はございませんでしたので、念押しです。どうぞよろしくお願いいたします。
【安藤主査】  ありがとうございます。一木委員、お願いします。
【一木委員】  失礼いたします。この文言、編成というのは教育課程の編成と理解しています。そう考えますと、自立活動が入らないということの説明、私自身ちょっと十分に咀嚼できなかったところです。
 以上です。
【安藤主査】  澤委員。
【澤委員】  すみません、これも繰り返しになってしまうんですが、やはり関係機関のところ、柔軟性を持たせるというか、コアはコアとして扱うと、ただ、そうではなくて、コアはコアとして扱うにしても、それ以外の機関ということについても、それを妨げるものではないと、そこまで書く必要はないのかもしれませんけれども、そういう解釈の仕方というものを、ぜひ明示していただきたいなと思います。
 以上です。
【安藤主査】  ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
【分藤初等中等教育局視学官】  分藤です。
【安藤主査】  どうぞ、お願いします。
【分藤初等中等教育局視学官】  ありがとうございます。資料1-2の2ページ目の一番上ですけれども、委員の先生方から様々な御指摘と御懸念をいただきまして、教育課程及び指導法の教育課程の事項(2)の到達目標の1)には、当然、自立活動が含まれて教育課程を編成するということは、そのとおりだろうなと思いました。
 よって、提案なんですが、幼稚部のお話もありましたので、幼稚部の5領域と自立活動をそこに加え、また、小、中、高等部の各教科等の記述の並びに自立活動が落ちていますので、そこに自立活動を加えますが、、先ほど特別支援教育調査官の菅野が説明しましたように、教科については、学年段階、また、知的障害の教科については、小学部、中学部、高等部の各段階から、いわゆる教育の内容を選定していく。
 ただ、そこになじみにくいのが自立活動であり、自立活動は個に応じて指導目標の設定、区分から内容を選定して具体的な指導内容を構成していくというつくりになっており、そこだけ異なるところについて、ただし書で、そのような趣旨を加えていけば解決していくのかと思い、お話を聞かせてもらった話ですが、そういった点で、いかがかなと思います。御意見いただければと思います。
【安藤主査】  ありがとうございます。では、丹羽委員。
【丹羽委員】  今、分藤視学官の方から話していただいたような方向でまとめていただけると、教育課程上の編成について説明する立場としては非常にありがたいと思います。
 一応、自立活動を含むんですよという話をした上で、ただし書でしっかりと、この箇所については例外的に話をしているんですよということが分かるような書き方をしていただけたらと思いますので、分藤視学官の言っていただいた意見でまとめていただけると、私はとてもありがたいなと思っております。
 以上です。
【安藤主査】  ほか、いかがですか。
 では、事務局からも補足的な説明、あるいは今後について、一つ提案があったと私も考えております。
 時間のこともございまして、誠に申し訳ないんですけれども、ここで1つ目の議題と併せて、様々な御意見、御議論をいただきましたことを踏まえて、先ほども申し上げたとおり、私と事務局で検討会議への報告に向けて調整させていただこうと思います。
 この点、御了解いただいて御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【安藤主査】  葉石委員、何かあれば。
【葉石委員】  先ほど各教科等に自立活動を含めるということであれば、その連携の具体的な中身としての、先ほど私が申し上げた2つの指導、支援の充実に関する連携というのは、そちらの内容として取り上げ得るんじゃないかと思いますので、その辺を含めて御検討をいただければと思います。
 以上です。
【安藤主査】  では、このことについて御一任いただくということで、御了解いただいたということにさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、私と事務局とで相談させていただきます。検討結果につきましては、先ほどと同様、事務局を通して報告させていただこうと思います。ありがとうございました。
 それでは、本ワーキンググループとしての検討は以上となります。
 極めて限られた時間の中での議論となりましたが、サブワーキンググループにおける検討を含めて、皆様の御協力、御尽力に対して心より感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 最後に、本ワーキンググループの主査、副主査を務めました私と樋口委員から一言御挨拶を申し上げます。
 まず、樋口副主査からお願いいたします。
【樋口副主査】  よろしくお願いいたします。私、副主査という立場でしたが、あまりお力になれず、大変申し訳ありませんでした。
 ただ、これから、これができてから、いかに大学の教育現場で、実際の小学校、中学校、特別支援学校で、特別支援教育の中心となる教師を育成していくのかというところが勝負になっていくと思います。
 私、アスペルガー症候群のある青年に運転の仕方を教えようということで、何回か教えているんですが、やっぱり教えるときに、基になる基本がしっかりしていないと自分自身は教えられないなということを常に思いながら、教えています。
 教員にとって、よいドライバーじゃないですけれども、よい教師になるための基礎をしっかり大学で、特別支援教育に関して教えるための基になるのが、このコアカリキュラムだと思いますので、これから、しっかり理念を伝えていくということが、ここに関わった我々の責務になっていくのかなと思っています。
 どうぞ、今後ともよろしくお願いしたいと思います。私から以上です。
【安藤主査】  ありがとうございました。それでは、私からも一言、御挨拶を申し上げたいと思います。
 このたびの特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関わる検討は、教育職員免許法施行規則第7条関係にフォーカスした短期集中型の議論でございました。そのような中で、関係の先生方、御専門の先生方の御参加を得たサブワーキンググループおよび障害種横断的なワーキンググループでの検討では、貴重な御意見をいただきコアカリキュラム案の作成に今日至るというふうになりました。この場をおかりして、改めて委員の皆様、そして、事務局の皆様に御礼を申し上げたいと思います。
 今、樋口副主査からもございましたように、今後、一定の手続を経て養成大学へ周知することとなりますが、委員の先生方には、養成大学におけるコアカリキュラムの活用、改善について、引き続きユーザーのお立場から御検討いただきますようお願い申し上げます。
 特別支援学校教諭免許状に求められる専門性の議論は、まさに緒に就いたところでありまして、コアカリキュラムは、継続的な検討を経て、学生の効果的な学び、ひいては子供たちの主体的な学びへと結実するものと考えております。
 今後の議論の発展を期待して、一言御挨拶とさせていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、今後の流れについて、事務局より御説明をお願いいたします。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】  委員の皆様方、本日は誠にありがとうございました。本日頂戴いたしました御意見につきましては、先ほど安藤主査から御説明があったとおり、事務局と安藤主査の方で対応させていただき、御相談させていただいた結果を、またお伝えさせていただければと考えております。
 そして、今後の予定でございますが、来週の3月15日に開催されます検討会議において、安藤主査より、当ワーキンググループの検討結果について御報告させていただく流れとなっておりますので、安藤主査におきましては、どうぞよろしくお願いいたします。
 その後、検討会議で御議論いただいた後、パブリックコメントを経て、今年の7月頃までに、コアカリキュラムの取りまとめと関係者への周知等を予定しているところでございます。
 事務連絡は以上となりますが、最後に当課課長の山田より一言御挨拶を申し上げます。
【山田特別支援教育課長】  特別支援教育課長の山田です。
 先生方、大変短い時間で、大変難しい課題に取り組んでいただきまして、また、いろいろ御不満あると思います。そもそも基礎理論が2単位でいいわけないだろうとか、知的障害の第2欄が4単位でいいわけないだろうとか、しかも、大学ごとにいろいろな取り組み方をなさっている、それは我々が全然否定するべきところじゃないんですが、しかも、障害種で状況が違う、そういった中で、委員の先生方が、ここは障害種ごとで違っていいだろう、あるいはここは統一してやったほうがいいだろうとかということを極めて適切に御議論をいただきまして、こんなに難しい課題に、いろいろ御不満はお持ちだろうとは思いますけれども、その中でも形をおつくりいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
 今、嶋田から御報告申し上げましたけれども、15日の検討会議で報告する本コアカリキュラムについては、特別支援教育に関わる教師のまとめの極めて大きな養成部分の柱になります。養成後、採用後の教員の充実策と併せて、このコアカリキュラムで教師の充実というのが、やっとスタートできるものだと思っておりまして、この難題に、お忙しい中、短い時間で取り組んでくださったことは必ず成果として表れるというふうに期待しております。
 また、その後、その成果を踏まえて、さらにどうステップアップしていくかということも常に考え続けていかないといけないなと思いながら御意見を拝聴しておりました。また、これから安藤主査、樋口副主査と相談しながら3月15日の検討会議に臨みますし、パブリックコメントでいただいた意見も踏まえて、各大学に適切な周知を、先生方の意見を踏まえて、していきたいと思っております。
 これまで本当にどうもありがとうございました。
【安藤主査】  それでは、本ワーキンググループは、これで閉会といたします。皆様、本当にありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

文部科学省初等中等教育局特別支援教育課指導係

(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課指導係)