特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループ(第1回)議事録

1.日時

令和3年12月16日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催

3.議題

  1. ワーキンググループの運営規則等について
  2. 特別支援教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方等に係る最近の主な提言及び今後の検討事項について
  3. 特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラム作成の基本的方向性と考え方について
  4. 第2欄のコアカリキュラム等の作成について
  5. その他

4.出席者

委員

安藤委員、樋口委員、青木委員、青柳委員、氏間委員、小林委員、山岸委員、鹿嶋委員、澤委員、武居委員、立入委員、村野委員、青山委員、門脇委員、古我知委員、葉石委員、橋本創一委員、一木委員、笠原委員、橋本典子委員、廣瀬委員、相川委員、滝川委員、丹羽委員、萩庭委員、岸野委員、齊藤委員、曽山委員、高橋委員、花熊委員

文部科学省

山田特別支援教育課長,小林特別支援教育課特別支援教育企画官,嶋田特別支援教育課課長補佐,菅野特別支援教育調査官、森田特別支援教育調査官、加藤典子特別支援教育調査官、加藤宏昭特別支援教育調査官、深草特別支援教育調査官、堀之内特別支援教育調査官、宇野特別支援教育課課長補佐、髙橋特別支援教育課企画調査係長、齊藤特別支援教育課指導係長

5.議事要旨

【安藤主査】本検討会議の立ち上げに必要な手続は終了いたしましたので、これより議事を公開いたします。
それでは、これ以降の議事を進行する前に、改めまして、主査として一言御挨拶をさせていただければと思います。
特別支援教育への転換による特別支援学校教諭免許制度が成立して、10年余りが経過しました。この間、インクルーシブ教育システムの構築、推進が図られ、小中学校等に学ぶ障害のある児童生徒が急増していることは周知のとおりです。このように特別支援教育の対象が量的に拡大する中、地域における特別支援教育の質をいかに確保するのか、センター的機能を担う特別支援学校の専門性をいかに育成するかが大きな課題となっております。
このたびの特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議及び検討会議の下に設置された本ワーキンググループは、特別支援学校教諭免許上の教職課程コアカリキュラムの在り方の検討と作成を通して、これら課題の解決に資するものと考えております。
限られた時間の中での検討、作成となりますが、日頃より養成、研修などに携わる各委員の御専門の立場から、あるべきコアカリキュラムについて御検討を賜りますようお願いいたします。
私からは以上でございます。続きまして、樋口副主査からも一言いただけますでしょうか。
【樋口副主査】松本大学教育学部の樋口と申します。皆様、よろしくお願いいたします。
副主査という重い役割をいただきまして、身の引き締まる思いでございます。私は、親会議のほうには、発達障害児教育の立場から意見を述べさせていただいております。発達障害という言葉は非常によく知られてきておりまして、便利な言葉だと思う反面、全体像を理解するのは、まだまだ現場の先生方にとっても、それから、これから教員になる学生たちにとっても、なかなか難しい言葉だと深く感じる次第です。
私、大学教員としての経験は短いのですが、教員養成の大学はここで3つ目となります。その経験を生かして、力を尽くしてまいりたいと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
【安藤主査】樋口副主査、ありがとうございました。
それでは、早速議事に入ります。次第にあります、議事の(2)からになります。特別支援教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方等に係る最近の主な提言及び今後の検討事項について、事務局から御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【山田特別支援教育課長】こんにちは。特別支援教育課長の山田でございます。今回、第1回のワーキンググループということで、大変お忙しい中、先生方お集まりいただきましてありがとうございます。今日、初顔合わせということもあるんですが、ちょっと事務局の背景の説明ですとか、コアカリキュラムはこういう方針で考えているんですけどみたいな説明が事務局から多くなってしまうところは、ちょっとお許しをいただければと思います。
私のほうからは資料の3に基づきまして、主に何でコアカリキュラムが必要なのかということについて、御説明を申し上げたいと思います。一言で申し上げると、いろんな大学でいろいろ教え方が違う。もちろん大学に養成をお願いしている上で当然なんですけれども、それでも最低限ここは押さえなくちゃいけないんじゃないかとかいうことは、共通認識としてお示しをしたほうがいいだろうという流れになってまいりましたので、今回ぜひ先生方にワーキンググループへ御意見を頂戴し、まとめていただきたいというところで、このワーキンググループを設置いただいたところでございます。
大きな背景から申し上げますと、今年の1月に「令和の日本型学校教育」ということで中教審の答申をいただきましたけれども、こういう中で、特別支援教育に限らず、全体の課題として、急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力というのは何だろうということを考えて、検討がなされたというところです。
様々な成果、課題が見られるんですけれども、姿としては、一番上にありますように、個別最適な学びということで、個に応じた指導を実施するということと、指導の個別化と学習の個性化です。丸の2番目、下のほうですけれども、協働的な学びということで、子供同士で、あるいは多様な人たちと協働しながら学ぶんですよということを具体的な内容としております。
子供の学び、具体に書かれているところでは、真ん中右ら辺に特別支援教育のことにも触れられておりまして、インクルーシブ教育、そのための条件整備、また一方で、通常の学級、通級、あるいは特別支援学級、特別支援学校といった、そういった連続性のある多様な学びの場の充実・整備ということも並行してやりましょうというふうに言われております。
時を同じくして、令和元年から、全国特別支援教育推進連盟理事長の宮﨑先生を主査として有識者会議を設けまして、特別支援教育の在り方についても御議論を頂戴しているところでございます。
その中でも、先ほど「令和の日本型学校教育」の答申のお話を申し上げましたけれども、この一番上のところの基本的な考え方に載っているのは、それと軌を一つにしたインクルーシブと、そのための条件整備といった内容を掲載し、進めていこうということになっておりまして、赤枠で左下に囲っておりますのが、親会議のときにも御説明しましたけれども、こういう専門性の向上というのが必要なんで、この有識者会議を開いていただいて御議論いただくんですということも、今年1月に同じく出していただいた報告の中で述べられています。
具体的に見ていきますと、それぞれの学校の教師の分類に基づいて御提言をいただいておりまして、まる1が全ての教師に求められる特別支援教育に関する専門性ということで、障害の特性に関する理解、特別支援教育に関する基本的な知識だったり体制の構築、管理職向けの研修といったことが求められる。まる2として、特別支援学級とか通級による指導を担当されている教師に求められる専門性ということで、通級学級に求められる専門性の修得、研修の充実とともに、下の2つの丸では、特別支援学校教職課程の一部単位の修得というのも有効ではないかということでしたり、一番下のところで、特別支援学校教諭免許状の取得に向けた免許法認定講習の活用というのも有効ではないかということを御提言いただいておりますので、今回のコアカリキュラムは、そういったものの土台にもなるというふうに御認識をしていただければと思います。
本論のところが一番下の特別支援学校の教師。免許状は、学校のための免許でございますので、この専門性って何だろうというところで、幅広い知識・技能とともに、複数障害が重複している児童生徒への対応ということと、ここで教員養成段階における内容の精選と、コアカリキュラムの策定が最低限の共通認識を持つためにも必要ですよねということが言われているところです。
「令和の日本型学校教育」の答申のほうでも、具体的に同様の指摘はされているというところでございまして、同じように1月に方向性が出されているということです。じゃあこれから何をしなきゃいけないかということで、有識者会議のときにもお話をしたんですが、宿題として我々が認識をしておりますのが、真ん中辺にまる1とあります、教職課程の内容を整理して、特別支援学校の指導要領を根拠とする内容、例えば自立活動でございますとか発達障害、こういうのを特別支援学校の教員養成課程に位置付けようねというのが【1】。
【2】が、先ほども申し上げた、コアカリキュラムを策定しましょうねということ。あとはその学習の成果を高めるような工夫、事例共有をしてはどうかということと、繰り返しになりますが【4】のところで、免許状の取得に要する単位を様々な形で活用するということができるのではないかというふうに述べられております。
ここで、もう先生方十分御存じかもしれませんが、免許制度、特別支援学校教諭の免許状の単位数等についておさらいをさせていただければと思います。欄の話がこれからコアカリキュラムを検討するに当たって大変よく出てきますので、御理解をいただければありがたいと思っています。
4欄に分かれていまして、第1欄というのが、基礎理論に関する科目と、特別支援教育一般の話です。これが一種免許状で言いますと2単位、漢数字で二と書いていますけれども、一種免許状で2単位要りますねということになる。それが1欄。これは主にワーキンググループの全体だったり、親会議で御議論いただくのが中心になると思います。
第2欄、ここは先生方に御議論いただく中心になろうと思いますけれども、特別支援教育領域に関する科目ということで、心身に障害のある幼児、児童、生徒の心理又は病理に関する科目ということと、欄が分かれまして、欄は同じですけどちょっと仕切りがありまして、心身に障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程または指導方法に関する科目、それを2つ合わせて一種免だと16単位ですよという世界になっております。
これはだから、聴覚の領域を定めようと思ったら、聴覚のことについて、心理、生理、病理と、教育課程及び指導法を取らなきゃいけないよということになっています。1つの免許状にいろんな領域を定めることもできることになっていて、全部をもちろん定めることもできるんですけど、その単位の内訳をどうしたらいいのというのが、その下の備考と字がいっぱいあるうちの二と書いてあるところに書いています。イ、ロ、それぞれ書かれていますけれども、すみません、小さい字で分かりにくくて大変恐縮なんですけど、備考二のイを御覧いただくと、視覚、聴覚の免許を取るときには、この2欄の科目のうち、一種免でいうと8単位必要ですよということが、このイに書いてあります。16単位全部で取らなくちゃいけないんだけど、資格の免許を取るんだったらそのうち8単位は、資格で取る必要があるからねと。聴覚も8単位だからねということがここに書かれています。
次のロのところでは、知・肢・病ですね。知的と肢体不自由、病弱については、それぞれ4単位ですと。視覚、聴覚の半分です。この16単位あるもののうち、4単位ずつは最低限取らなくちゃいけないようということになっているということが書かれております。これが第2欄。それぞれの定めようとする領域の内容が、やっぱり一番単位数としては多くて、ここを専門的にしっかりやってくださいね。心理、生理、病理もそうだし、教育課程と指導法もそうだしということで、充実した内容になっております。
第3欄は、定められることになる領域以外の領域。聴覚を定めようと思ったら、それ以外の視覚と、知的と、肢体と、病弱をやりましょうねというのが原則になっておりますけれども、ここは既に、実際には教えられているんですけれども、発達障害についても明記をしようじゃないかという方向で検討していただいておりまして、そのために発達のワーキンググループの先生方は、この3欄の中で、じゃあ何を発達障害として教えるべきかという、コアカリキュラムの御検討をいただきたいなというふうに思っているということです。
第4欄は、教育実習ということになっております。
さらに制度的には、今申し上げたのをすごく簡単にしたのが左側の表ですけれども、現職教員についてはさらに単位数が減って、3年以上経験をすれば、例えば、二種免のところを御覧いただければと思うんですけれども、真ん中ですけれども、幼・小・中・高の教員の普通免許状を持って、3年以上、幼・小・中・高で勤務をしたら、6単位で教職の特別支援学校教諭の免許状を取ることができるというふうになっていまして、今回つくっていただくコアカリキュラムは、一種免の分量を大体イメージしていただいておつくりいただきますが、それを参考にして、認定講習のときはそれをぎゅっと圧縮したものになるんだよというイメージをお持ちいただければと思います。あとは周辺状況の御説明でございますけれども、特別支援学校教諭の免許状を基本的には持ってくださいというのが法律の本則なんですけれども、附則で、当分の間は持たなくてもいいですとなっています。我々は取ってください、取ってくださいとお願いをしていて、大分現場の御努力もあって伸びてきたという状況でございます。
一方で、障害種の間でかなり差があるという状況です。知・肢・病はまとめて皆さん取っているという状況、これは学校数も多いですし、学べる教職課程も多いと思うんですけれども、こういう状況にある一方で、視覚と聴覚、特に聴覚のほうは、伸びてはいるんですけれども、まだちょっと知・肢・病には及ばないかなという状況にある。これは教職課程を取れる大学が極めて限られているということも理由の1つでございまして、どうそれを工夫して、遠くに行かなくても、視覚、聴覚の領域が定められるようにできるかというのも、親会議で御議論をいただいております。
いろんな会議を同時に回しておりましたが、これも今年の3月に出された「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」の中でも、先ほどの「令和の日本型教育」を支えるための教師に求められる基本的な資質・能力の検討が必要ではないかということが言われておりますし、これも参考でございますけれども、今の大臣指針、下に出典が書いてありますけれども、公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針を大臣が定めておりますが、その中で5番目として、特別な配慮を必要とする幼児、児童生徒への指導に関する事項というのも含まれているということです。これが周辺状況でございます。
次は、今我々が、親会議にお願いをしている検討事項の全体を、簡単に御紹介を申し上げます。3つありまして、特別支援教育を担う質の高い教職員集団の在り方と、2番目、コアカリキュラム。これは、まさにこのワーキンググループで扱っていただきますけど、1番はそれ以外の専門性向上に関する事項と思っていただければと思いますけれどもということで御議論をいただいております。
 その他のコアカリキュラム以外のことで何をやっているかというと、どう養成、採用で、いい人を採って伸ばすかということでして、例えば、特別支援学校の教師について言えば、自立活動とか発達障害を入れた新しいカリキュラムでしっかり養成をするということと、免許状の保有率を上げるということ。あとは免許状を保有してなくてもいいよという15項がありますけど、それを持たなくていいのはこういう場合だよねという限定をするということも御検討いただいたらどうか。あるいは特別支援学校等との人事交流の拡大、特別支援教育コーディネーターの在り方の見直しですとか、自立というようなことを特別支援学校の教師の育成の過程で検討していただきたいとお願いをしております。
次に、特別支援学級、通級の先生については、免許の取得の過程で自立活動等の単位を取ってもらえるとありがたいということですとか、なるべく経験を教育実習時とか介護等体験の時に積んでいただくということが大事じゃないかということが中書きに書かれておりますし、採用のときも、特別支援教育に関する単位とか経験を採用に反映するということを検討してくださいということを親会議にお願いをしております。
3番のところはキャリアパスということで、特別支援学級、通級の先生をどう採用した後、育てていくか。人事交流はどこにも出てきますけれども、人事交流の拡充だとか、教員育成指標にそれぞれ盛り込んでいただくということはどうでしょうかとか、あるいは、ここも前も出てきましたけれども、免許法認定講習を活用していただき、免許を持ってもらえるんだったらそれは持っていただくほうがありがたいということですとか、そういった状況を評価に反映できないかということ。あるいは、学校内で特別支援学級の先生と、通常級の先生が相乗りで教え合うみたいなことも有効かどうかというような御提案を申し上げております。
キャリアパスとして、特別支援教育コーディネーターというのをどう位置付けるかということとか、特別支援学級をあまり知らない管理職の先生も多いんで、教員育成指針に明記をするとか、選考に当たってそういった経験を配慮、留意するというようなことについてどうお考えですかということを、今、親会議に検討をお願いしております。
コアカリキュラムについては、この後、また詳しく御説明を申し上げますけれども、自立活動とか、何度も出てきますけれども、重複障害は位置付けようということと、それを踏まえた上で、最低限何が必要かということをワーキンググループで御議論くださいということをお願いしております。そのほか、先ほどちょっと申し上げましたけれども、大学で視覚、聴覚の免許が取りにくいと。それをどう地元で取りやすくするのかということも検討いただきたいというお願いを、コアカリキュラム以外ではしております。
コアカリキュラムも含めまして今後のスケジュールとしてお示ししているのは、今これが第1回ワーキンググループということで、真ん中に赤字で書いてありますけれども、12月16日で集まっていただきました。親会議は来週3回目が開かれますけれども、並行してワーキンググループでコアカリキュラムを詰めていただきたい。右下にサブワーキンググループと書いていますけれども、サブワーキンググループをそれぞれの障害種ごとで分かれていただいて、御議論をいただく。それを何回かやっていただいて、方式はいろいろやり方あると思うんです。実際に会われるグループもあるかもしれないし、メールでやろうというグループもあるかもしれないし。今日もこのワーキンググループの第1回が終わりましたら、分かれて先生方に最初、顔合わせをしていただければありがたいなと思っております。
その成果を第2回、2月15日、すみません、もう日程ははめていますけれども、各サブワーキンググループの代表の方にお集まりいただきまして、状況を持ち寄って、障害種間の凸凹がないかどうかということを、安藤先生、樋口先生を交えて御議論をいただいて、その修正の結果を第3回にさらに実施するというような流れで進められるとありがたいなと思っております。
なるべく早くこれを大学の関係者、あるいは免許認定講習を実施する都道府県の関係者にお知らせすることによって、なるべく早く反映をしてもらえるように、短い期間の検討になってしまい申し訳ございませんが、こういう形で進めていただけるとありがたいなというふうに考えております。
私からは以上です。
【安藤主査】ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がある方、挙手ボタンでお願いいたします。なお、時間が限られておりますので、お一人お二人になろうかと思います。いかがでしょうか。ございませんか。
それでは、次に移りたいと思います。次の議事(3)です。特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラム作成の基本的方向性と考え方についてに入ります。
事務局より御説明願います。
【小林特別支援教育課企画官】それでは、資料の4-1に基づきまして、御説明をさせていただきます。
親会議、今説明いたしましたとおり2回開催しまして、特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラム作成の基本的方向性と考え方をお示しいただいておりますので、これについて御説明をさせていただきます。
今、御説明ございましたけれども、これは有識者会議報告の整理ということで抜粋しております。養成の下の1ポツ目ですけれども、教師の養成機関である大学が果たすべき役割が大きいこと。教師の養成の充実を図ることが重要であることや、特別支援学校の幼児、児童生徒への指導や、特別支援学校がセンター的機能を果たす上で最低限必要な資質や専門性を教職課程で得られるようにする必要があるということで、特別支援学校学習指導要領等を根拠にした、知的障害である子供に対する教育を行う特別支援学校の各教科、自立活動、重複障害に関する教育課程の取扱いや発達障害を位置付けること。その際、現在の総単位数の中で検討を進めるという宿題をいただいております。
検討会議では、教育職員免許法と同施行規則に基づいて、全国全ての大学の教職課程で共通的に履修すべき資質・能力を示した特別支援学校教諭一種免許状を想定した教職課程コアカリキュラムを作成するということについて、次の4点の位置付けと、その教授内容に関する方向性について整理をしていただいております。
こちらは今、御説明がございましたけれども、教職免許法施行規則第7条の特別支援学校教諭の普通免許状の授業を受ける場合の科目と単位の修得方法でございます。構造については割愛いたしますけれども、検討会議の方向性として、この第7条の構造の範囲を踏まえてコアカリキュラムの作成を行い、整理をしていただきたいと考えております。
コアカリキュラムについては、先行して、小学校等の基礎免の教職課程コアカリキュラムが作成されております。検討会議の方向性としては、特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムの範囲において、基礎免の教職課程コアカリキュラムと同様に、全国全ての大学の特別支援学校教諭免許状の教職課程で共通的に修得すべき資質・能力の範囲とすることという目的で作成したいと考えております。
全国全ての大学の教職課程で共通的に修得すべき資質・能力を示すものであるという点については、コアカリキュラムを作成する際に、科目間や障害領域間でやるべきこと、押さえるべきことが何なのかについて、全体の構造の中での整合性を検証するという観点のほか、教育職員免許法施行規則第7条に関する科目に含まれる事項に対して、おおよその授業時数との関連を想定した対応可能な範囲の内容とすることについても常に意識をしていただいて、作成をお願いしたいと考えております。
こちらは親会議の第1回目の会議資料、安藤委員からの御説明があったものでして、科目開設上の課題の1つでございます。特別支援学校のコアカリキュラム作成の際には、ここにあるような大学の現状を踏まえて、作成の目的にもお示ししているように、一部の大学ではやれるということではなくて、全国の教職課程で共通的に享受できる範囲の内容で、ミニマムエッセンシャルとすることに留意していくことに御留意をお願いします。
こちらは令和3年8月4日に教員養成部会で決定された、最新の基礎免における教職課程コアカリキュラムの一部となっております。特別支援学校のコアカリキュラムの作成の際には、基礎免のコアカリキュラムの目標との系統にも御留意いただきたいと存じます。
特別支援学校のコアカリキュラムの作成の際に、基礎免の教職課程コアカリキュラムの構造と同様に、各科目に含まれる事項に対して、一番上にタイトル、全体目標、括弧数字、これらを内容のまとまりと呼び、その下位の項目として一般目標、到達目標を設定することにします。詳しくは後ほど御説明いたします。
これは基礎免のコアカリキュラムの目標水準を整理した表でございます。特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムの到達目標の表現についても、基本的には先行分野の基礎免の教職課程コアカリキュラムと同様の目標水準の範囲である、理解する程度を基本としたいと思います。
また、下の米印のところですが、理解する程度を踏まえつつ、例えば、「何々を理解し、教材研究に活用することができる」ですとか、「理解したことを踏まえて例示をすることができる」など、発展的な目標の設定になりそうな場合には、基礎免のコアカリキュラムの目標水準の範囲内としたいと思っております。
10ページです。特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムのうち、到達目標の表現については、先行分野の基礎免の教職課程コアカリキュラムで使用されている用語を参考にするなど、作成目的を踏まえて、共通的に修得すべき資質・能力を示す一般的な用語となっているかについて、精選を図るようにお願いします。
例えば1ポツ目ですが、「スイッチや視線入力装置、音声出力会話補助装置」を「入出力支援機器」とまとめて示すといったこと。あるいは、2ポツ目ですが、「方法」や「指導法」といった用語を見て、大学によって想起する内容やその前が異なるような曖昧な用語の使用について、「(授業設計の)方法を理解する」は「(授業設計の)手続を理解する」などと、意図が伝わる用語に置き換えるようにお願いをします。
また、3ポツ目ですが、「指導法」については、特別支援学校の教育において適用できると思われる方法、または方法の裏づけとなっている理論が多様に想定されるため、特定の方法論の表記は避けるとともに、全国全ての大学の教職課程で共通的に修得すべき資質・能力を示すというコアカリキュラム作成の目的を踏まえて、一般的な表現の工夫に努めるように御留意をお願いします。
4ポツ目ですが、「等」の使用については、学生が一般目標に到達するために達成すべき個々の基準を到達目標として表すものとすることから、できる限り達成してほしい目標を具体的に示すように努めるようお願いします。
5ポツ目ですが、ワーキンググループで検討事項が生じた場合には、担当調査官を通じて主査や副主査並びに事務局に適宜相談するようにお願いしています。
11ページ目です。これは現行大学の特別支援学校教諭免許状の教職課程における科目間の教授内容に関する概観図でございます。本有識者会議の大学の先生方や、そこから紹介をいただいた現場の大学の先生方へのインタビューを行いまして、事務局で作成をいたしました。
特別支援学校コアカリキュラム作成の際には、各欄の教授内容の関連にも十分な留意する必要があるということで、進めていただければと思います。
例えば、第1欄の科目は、全学生が、特別支援学校の教育に関する本質的な構造構成を理解し、それをもって第2欄の科目において、授与を受けようとする免許状の領域を選択した学生が、1欄を踏まえながら、それぞれの障害特性に即して、実態把握や教育課程及び指導法について具体的な教育の在り方を構想する方法を見につけること。また、第3欄の科目においては、第2欄で授与を受けようとする免許状の領域を選択した学生が、それ以外の領域に関する事項や、その他の障害に関する事項についても理解して、それらを踏まえて、具体的な教育の在り方を構想する方法を身につけること。そして、第4欄の科目として、教育実習を通して大学で学んだ専門的な知識・議論・技術を実地に即して体験的・総合的に理解して、特別支援学校の指導場面で実践するための基礎を修得する、このような欄の間のつながりや内容の発展を考慮した目標設定を心がけていく必要がございます。
これらの総論を踏まえて、12ページを御覧ください。まず、1点目の自立活動の位置付けについて、有識者会議での自立活動に関する教授内容の整理の方向性について御説明します。
令和元年12月の課程認定委員会決定の、教職課程認定申請の手引の特別支援学校教諭免許状に係る審査の考え方においては、第1欄の特別支援教育の基礎理論に関する科目についてのシラバスの考え方として、自立活動を概観する内容を含めることが必要とされています。また、第2欄と第3欄の教育課程及び指導法に関する科目のシラバスの考え方の中にも、自立活動の内容を含めることが必要であるという考え方が示されております。そこで検討会議では、教職課程認定申請の手引に示す、自立活動を概観する内容と自立活動の内容に関する教授内容の整理としては、第1欄の科目におきまして、自立活動の解説でいえば、自立活動の変遷、自立活動の意義と指導の基本、総則における共通事項としての自立活動というのが第1欄で取り扱われること。そして、第2欄の科目では、解説でいえば、それぞれの障害領域における実態を踏まえた自立活動の個別の指導計画の作成と内容の取扱いを通して、具体的な指導の在り方を構想する方法を身につけることが、第2欄で取り扱われること。そして、こういった欄の間の関係性を大切にしながら、コアカリキュラムにおける自立活動の目標設定をするという方向性が検討会議で示されております。
13ページを御覧ください。コアカリキュラムへの自立活動の位置付けとして、第1欄の「制度的事項」に含まれる「自立活動を概観する内容」として、自立活動の本質的な構造構成を理解する程度、第2欄の「教育課程」及び「指導法」において、「教育課程」に含まれる「自立活動」の内容として、当該領域の具体的な実態を想定した個別の指導計画の作成と、それに基づく指導の在り方を理解する程度の目標の関連を図って設定していただきたいと考えております。
14ページになります。これは検討会議で、第3欄に発達障害を位置付けることの必要性を整理した図でございます。施行規則第7条備考3欄の第3欄に掲げる科目に、その他の障害というのがございます。その他の障害に関しては、教職課程認定申請の手引においては、その他の障害には自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害に関する内容を含むとあり、その他の障害に発達障害が含まれる領域として示されております。このような申請の手引の内容を踏まえて、各大学では、発達障害の科目を第3欄で教授しているというのが、具体的には特殊教育学会の調査研究対象大学の98.8%は、発達障害を第3欄で解説しているということが分かっています。
また、このような状況は、第1欄の科目の制度的事項を中心として、特別支援教育に関するセンター的役割ということで、学校教育法の第74条であったり、特別支援学校における支援教育コーディネーターの機能が総則に示されているところを根拠にして、大学の中では特別支援教育への転換ということで、センター的機能や特別支援教育コーディネーターにより助言、援助をする対象として、小中学校、高校等の発達障害の理解ということが非常に大事になってくるということで、第3欄の領域の1つとして発達障害を位置付けるということも分かっております。
15ページを御覧ください。検討会議におけるコアカリキュラムとしての発達障害の位置付けの方向性ですが、第3欄の科目に含まれる事項として、心理、整理及び病理と、教育課程及び指導法の各事項に、それぞれ発達障害領域に関する目標を設定していくという方向となっております。その際、教育課程及び指導法の事項については、左下ですが、コアカリキュラムの2列目の2ポツのところですけれども、第3欄の発達障害領域においても、自立活動の内容に関する目標を具体的に設定していくという方向性になっておりますので、御留意いただければと思います。
16ページを御覧ください。これは検討会議で整理した、知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科等に関する位置付けを整理した図となっております。第1欄の科目の中で、教育の内容として、特別支援学校には知的障害のある児童生徒のための教科があるということを学生全員が理解すること。また、それを踏まえて、第2欄の科目における知的障害領域を選択して学ぶ学生には、今回新しく知的障害のある児童生徒のための教科の構成等が変わりましたので、まずは知的領域の免許を取得する学生には、しっかりと各教科等の内容を理解していただいて、さらに知的障害の状態等を踏まえて授業を構想する教授内容をしっかり学んでいくという方向性が示されております。
17ページを御覧ください。コアカリキュラムへの知的障害のある児童生徒のための各教科等の位置付けの検討会議の方向性でございます。第1欄で、「制度的事項」に含まれる「教科の種類」として、本質的な構造構成を理解する程度を設定して、具体的には、第2欄の知的障害領域の教育課程に含まれる知的障害のある児童生徒のための教科に関する目標を具体的に設定していくこととなっています。
18ページを御覧ください。続いて、重複障害者等に関する教育課程の取扱いに関する教授内容の整理については、先ほどの発達障害と同様、施行規則第7条備考3の第3欄に挙げられる科目のその他の障害としては、教職課程認定申請の手引において、重複障害が含まれる領域として示されております。
日本特殊教育学会の調査によれば、調査研究対象大学のほとんどが第3欄で重複障害の科目を開設し、第1欄では制度的事項において、特別支援学校の教育課程の制度として、この重複障害者等に関する教育課程の取扱いの規定を概観する程度に取り扱われております。そして、第3欄の重複障害領域の中で具体的に、重複障害者等に関する教育課程の取扱いの各規定をどのように考えて教育課程を編成して、重複障害教育を進めていけばいいのかなど、教授内容として取り扱われているという傾向も分かったところです。
19ページを御覧ください。検討会議の方向性としては、第1欄の制度的事項に含まれる、特別支援学校における教育課程の特例について、重複障害者等の教育課程に関する取扱いの基礎的要素を理解する程度に目標を設定して、さらに第3欄では、第2欄で授与を受けようとしている免許領域において併せ有する主たる障害を想定しながら、この規定の取扱いの適用を考察するといった程度の目標を設定していくことになっております。
20ページ、21ページを御覧ください。最後となりますが、これらのページは、これまでの説明を一覧にしたものでございます。これらが検討会議で決定したコアカリキュラム作成の方向性でございます。特に第2欄の黄色の反転部分と、第3欄の発達障害領域に関することについては、専門性の高い有識者によるワーキンググループを設置して検討していくという方向になりましたので、各ワーキンググループの委員の皆様方の御知見と御協力をいただきながら、特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムの完成に向けて進めてまいりたいと考えておりますので、どうか御協力よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】続きまして、資料4-2につきまして、私のほうから御説明させていただければと思います。
こちらの資料4-2でございますが、11月に開催されました検討会議第2回におきまして、委員の先生方からいただいた主な意見をまとめたものとなっているものでございます。
まず、1ポツの全体についてでございますが、委員の先生方のほうから、コアカリキュラムについてはミニマムエッセンシャルとすることを基本合意としておく必要があるといった意見や、2つ目の丸といたしまして、今回作成するコアカリキュラムと教職課程コアカリキュラムとの重複は避けつつ、関連を持たせる必要がある。各大学において実施されている指導内容を踏まえ、教職課程コアカリキュラムに続く内容を、今回のコアカリキュラムに盛り込む立てつけが望ましいといった意見をいただいております。
3つ目といたしまして、「令和の日本型教育」の答申におきまして、この内容を踏まえ、各障害種の専門事項に特化しすぎず、障害のある子供たちが生きていく支援をするためのコアカリキュラム策定という観点を共通認識として持った上で議論してほしいといった意見もいただいているところでございます。
2ポツ目といたしまして、自立活動の位置付けについてでございます。大学によって取り上げ方が異なるという事態があるので、自立活動を第1欄の中で明示することは非常に意味があるといった意見もいただいております。
3ポツといたしまして、発達障害の位置付けについてでございますが、特別支援学級や通級による指導教員の専門性の担保として、発達障害もきちんと位置付けていただきたいといった意見もいただいているところでございます。
次ページでございますが、4ポツといたしまして、知的障害特別支援学校の各教科等の位置付けについてということで、1つ目の丸でございますが、知的障害については、教科や領域を合わせた指導も、各教科等の指導と非常に関連性が強いので、各教科別の指導だけでなく、合わせた指導の取扱いも検討していただきたいといった意見や、2つ目の丸といたしまして、今回の学習指導要領の改訂のテーマである教科の連続性について、知的障害領域でもきちんと取り扱っていただきたいといった意見もいただいております。
3つ目の丸といたしまして、大学において、学習指導要領に基づき、各教科に踏み込んだ指導を行う必要があると。知的障害の特別支援学校の各教科等の位置付けについて、どこまでコアカリキュラムに記載するか、ワーキンググループで検討をお願いしたいといった意見もいただいているところでございます。
続きまして、5ポツといたしまして、重複障害者等に関する教育課程の取扱いの位置付けについてというのをいただいているところでございまして、1つ目の丸といたしまして、知的障害の特別支援学校では、知的障害と自閉症や肢体不自由を併せ有する児童生徒が多いので、重複障害の扱いについての第2欄と第3欄の整理については、ワーキンググループでも慎重に検討していただきたいといった意見や、2つ目の丸といたしまして、特別支援学校のセンター的機能との関わりを考えた場合、発達障害領域に関する内容は、第3欄に位置付けるしかないのではないか。その場合、第3欄で扱う発達障害は、知的障害の特別支援学校に多く在籍する発達障害(ASD)を併せ有する児童生徒とは異なるので、第2欄、第3欄のどちらかで何を扱うか整理する必要があるという意見もいただいております。
また、括弧書きでございますが、複数の先生のほうから、重複障害について第2欄でも扱うべきとの御意見をいただいてはおりますが、こちらの意見につきましては、第2欄については法令上、あくまでも免許状に定められることとなる当該領域に関する科目の内容を扱うこととなっていることから、教職課程コアカリキュラムの性質上、重複障害については第3欄に明記する方向で、事務局のほうで整理させていただきたいとさせていただいたところです。ただしこの整理の考え方につきましては、大学で実際に実施されている授業を制限するものではないというふうに考えているところでございます。
すみません、ちょっとパソコンのほうの調子が悪くて、画面上変な状況になっているかもしれませんが、御自身の資料のほうを見ていただければと思います。
最後、3ページでございます。6ポツといたしまして、その他として意見もいただいているところでございまして、1つ目の丸でございますが、免許法認定講習における活用も見据え、ワーキンググループの中で検討していただきたいという意見や、2つ目の丸といたしまして、免許法認定講習を活用して、特別支援学校教諭免許状取得を想定していることから、免許法認定講習の構成や充実については、今回作成のコアカリキュラムの考え方が基本的には適用されるべきであるといった意見もいただいております。
3つ目の丸といたしまして、児童生徒の実態把握を踏まえた指導を行うという観点から、個別の指導計画だけではなく、個別の教育支援計画もきちんとコアカリキュラムに位置付けることが重要であるといった意見や、4つ目の丸といたしまして、インクルーシブ教育を進めていく上で重要となる交流及び共同学習についても、どこかで扱っていただきたいといった意見もいただいているところでございます。
最後、括弧書きで書いておりますが、このほかといたしまして、知的障害領域については、定型発達について掘り下げて学ぶ必要があるとの御意見をいただいているところでございますが、こちらにつきましても、小・中・高等学校等の教職課程コアカリキュラムの中で、心身の発達の過程及び特徴の理解、発達を踏まえた指導についての基礎的な考え方の理解が一般目標として明記されており、ミニマムエッセンシャルの観点から、本コアカリキュラムには明記しない方向で事務局のほうとして整理させていただいたところでございます。ただし、こちらにつきましても、この整理の考え方は、大学で実際に実施されている授業を制限するものではないというふうに考えているところでございます。
4-2の説明は以上でございます。
【安藤主査】ただいま議題(3)については、この後、議題(4)の後にまとめて時間を取りたいと思いますので、菅野先生のほうから御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【菅野特別支援教育調査官】それでは、失礼いたします。調査官を代表しまして、先ほどの説明を踏まえ、そして検討会議で決定されてきました内容を踏まえまして、第2欄、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱のコアカリキュラムの作成における目標設定の手続や内容のまとまりの考え方、そして各ワーキンググループにおいて具体的に検討していただきたい内容について、これから説明をいたします。
資料5の2ページになりますけれども、まず「心理、生理及び病理」の作成についてでございます。先ほど説明のありました、特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムの基本的な方向性として、この黄色で示してありますように、このように方向性が示されました。確認になりますけれども、教育免許法施行規則第7条に示す教科及び教職に関する科目が右側に示されております。そして、真ん中の枠には、右の各科目に含めることが必要な事項として、心身に障害がある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理となっております。【6】につきましても同様でございますので、御覧いただきたいと思います。
これらの作成に当たって、下になりますけれども、留意点としましては、特別支援学校学習指導要領及びその解説、障害のある子供の教育支援の手引などを根拠とし、学生が共通的に理解すべき基礎的な事項の範囲となるように検討していくこと。
そして、第2欄及び第3欄の「心理、生理及び病理」と「教育課程及び指導法」の科目に含めることが必要な事項に含まれる内容のまとまりごとの目標設定に対し、特に「一般目標」と「到達目標」については、横断的な視点で整理をしていくことに努めること、これらを確認しながら、これから説明を聞いていただきたいと思います。
3枚目になります。事務局案1ということでございます。まず説明に入る前に、構成の確認をさせていただきます。まず、左側の大きな枠囲みでございますけれども、一番上にありますのが、先ほど言ったように、各科目に含めることが必要な事項として、タイトルとして一番上に示してあります。ここでは、心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理の理解及び障害の状態等の把握というタイトルになっております。
その下、括弧書きになっていますけども、赤で○○障害に関する領域、視覚障害に関する領域、聴覚障害に関する領域ということで、それぞれのワーキンググループのものが入ってくるということになっていきます。
それから、その次に全体目標、そして、その下に(1)と示してありますけれども、これが内容のまとまりというものでございます。内容のまとまり、そして一般目標、そして到達目標という形で、まず構成をしていく確認をさせていただきました。
続きまして、各ワーキンググループにおいて、どのようなことを進めて検討していっていただきたいかということでございます。この枠囲みの全体目標を御覧いただきたいと思うんですが、基本的には、赤い文字になっている箇所を、障害種のそれぞれの特徴であるとか、それぞれの障害種ごとに、この中に記さなければいけないことなどがそれぞれ違うことが想定されますので、この赤いところを、括弧書きになっているところを具体的に各ワーキンググループのほうで検討していただくということを想定しております。
全体目標を見ていただきますと、まず○○障害ですが、例えば視覚障害の幼児、児童又は生徒の、(起因疾患)となっておりますけれども、この辺も障害領域によっては、眼疾患というふうになるのか、あるいは知的障害を伴う主な疾患○○とか、そういうことも想定されるということで、そういうことを各ワーキンググループで検討していただくと。
それから、それらと心理面及び生理面の特徴並びにそれらの相互作用について理解し、幼児、児童又は生徒一人一人の、また括弧にいきますけれども、視知覚や認知の特性等を理解するとともにということで、これにつきましても、各障害領域において視知覚や認知の特性とか、あるいは、身体の動きや姿勢に関することなど、それぞれの領域において検討していただきたいというふうに考えております。その後になりますけれども、関係機関等との連携について理解すると、このようになっておりますけれども、こちらも同様に、医療との関係が強い領域、もしくは福祉等との関係が深いもの、それぞれあると思います。そのほか家庭であるとか、あるいは、所属先の在籍する学校、あるいは転学等で関係してくる学校なども含まれるのかなと想定されます。
 そのような形で、全体目標を各ワーキンググループのほうで検討していただきたいということでございます。それらをより具体的にしていくことになってきますけれども、一般目標を見ていただきたいんですけれども、全体目標と一般目標、それから到達目標については、一貫性を持って作成していただくということで、一般目標の最後のほうを見ていただきたいんですけども、例えば、先ほどの「関係機関等」というものの「等」をより具体にしていただいて、「家庭や医療機関との連携について理解する」ということで、一般目標の段階におきましては「等」を抜いていただく。そして、到達目標においても、ここには「等」とは示さずに、しっかりと具体的に示していただくことなどを想定しているところでございます。
 それでは、右側の枠を見ていただきたいんですが、まず目標設定の手続についてでございます。手続につきましては、具体的に到達目標をまず設定していくということを事務局として提案をさせていただきます。到達目標につきましては、先生方の皆様方のお手元にある参考資料4の「障害のある子供の教育支援の手引」となっております。その中にあります各障害の「3 ○○障害」、視覚障害、聴覚障害等になりますが、その障害の理解という部分と、それから、「ア、医学的側面からの把握」の(イ)、それから、「イ 心理学的、教育的側面からの把握」を根拠に作成するというふうにしていきたいと思っております。文末につきましては、検討会議で示されましたように、「理解している」ということを水準としながら検討していただきたいと思っております。
続きまして、一般目標の設定の考え方でございますけれども、先ほどの複数の到達目標を集約した形で一文にしていただき、文末を「理解する」と、このようにしていただきたい。これを基本とすると。なお、複数の文をつなげる場合におきましては、「何々について理解するとともに○○○」と、このような形で接続させていくことを基本としたいと思います。
それらをまとめまして、内容、まとまりの全てを一般目標の集約とし、全体目標を設定していくということを、この心理、生理及び病理の事務局案として提案をさせていただきます。
続けて説明します。4ページになりますけれども、こちらにつきましては、教育課程及び指導法の作成についてです。同じように、検討会議での基本的な方向性が示されましたので、真ん中の枠にありますように、右の各科目に含めることが必要な事項としましては、教育課程及び指導法ということになっている。それから、赤文字で示しておりますけれども、これは検討会議の方向性ということですので、先ほどの説明と重複しますので、割愛をさせていただきます。
下を御覧いただきたいんですが、今あります教職課程コアカリキュラムですが、これをまず参考にしてみました。その参考にしたところですが、教育課程及び指導法を、「教育課程」、それから「指導法」の事項に分けて、今ある、先行するコアカリキュラムは作成してありました。そして、「教育課程」を事項に含まれる内容として、1つ目、内容のまとまりとして、教育課程の編成の意義、2つ目として、教育課程の編成の方法、そして3つ目として、カリキュラム・マネジメントの内容、これらの内容のまとまりだということが分かりました。
 このような形でこれらを参考にしながら、次のページになりますけれども、5ページを御覧いただきたいと思います。
まず、事務局案2として、教育課程に関する内容のまとまりの考え方を説明させていただきます。今の枠を御覧いただきたいと思います。
まず、1つ目ですけれども、基礎免コアカリキュラムも参考に、1つ目、教育課程の編成の意義、それから、2として、教育課程の編成の方法とカリキュラム・マネジメントとしました。2つ目として、内容のまとまりごとの目標設定に当たっては、基礎免コアカリキュラムの学びを前提に、特別支援学校教育要領・学習指導要領に示されている内容を中心として、右にありますような内容として設定をしてみました。
この目標の設定の手続でございますけれども、まず、内容のまとまりとしての教育課程の編成の意義につきましては、上記2の総則第2節の1に、障害領域に関係なく、これらは共通的に示してありました。よって、「教育の基本と教育課程の役割」の内容でそれらは構成してあったということでございます。
それから、(2)教育課程の編成の方法とカリキュラム・マネジメントにつきましては、総則第2節の4、総則第3節の3に、これも障害領域に関係なく共通的に示してあった。そのところはカリキュラム・マネジメントの充実、それから、教育課程の編成における共通事項の内容で、今回、右にありますように、構成をさせていただいたということでございます。
したがいまして、この目標の設定の手続にありますように、基本的に共通的に示してある教育課程に関する内容でございますので、赤で示しました、それぞれの障害名を入れていっていただく形で、基本的にはこれらを事務局案として進めていきたいというふうに考えておりますが、(2)の教育課程の編成の方法とカリキュラム・マネジメントにつきましては、到達目標、2)を御覧いただきたいんですが、先ほどの検討会議等の意見等も踏まえまして、2)学習指導要領における知的障害の各教科の目標及び内容並びに全体構造を理解しているという到達目標につきましては、知的障害領域において付け加えていただいて、検討をしていただくということを想定しております。
したがいまして、知的障害以外の4領域におきましては、1、3、4、5ということになりまして、1から4ということで想定しております。このように、教育課程についてはお示ししたところです。
続きまして、分けて示してありました指導法につきまして、事務局案3として御説明をいたします。右側の内容のまとまりごとの考え方を御覧いただきたいと思います。1つ目、各科目に含まれることが必要な事項として、「指導法」とまずなっているということです。2つ目として、基礎免コアカリキュラムの「各教科の指導法」の内容のまとまりは、1つ目として、「当該教科の目標及び内容」と、2つ目、「当該教科の指導方法と授業設計」となっておりました。それから3つ目ですが、特別支援学校教育要領・学習指導要領の第2章第1節第1款の配慮事項につきましては、各障害領域における幼児、児童又は生徒の学習上の困難さに対する指導の工夫や手だてを明確にするための授業設計の工夫や、手だてを明確にするための授業設計に係る考え方が記載されています。4つ目として、上記3を踏まえまして、各教科の指導全般のうち、特に個に応じた指導上の配慮を規定するような内容のまとまりとして、今回構成をさせていただきました。
左側の枠を見ていただきたいんですけれども、まず、タイトルにつきましては御覧ください。全体目標についても見ていただきたいと思っております。
先ほど御説明しましたように、学習上の困難さに対する指導の工夫や手だて、授業設計に係る考え方との関連を踏まえ、内容のまとまりをこの各教科等の配慮事項として示させていただきました。
一般目標については御覧いただきたいんですが、各ワーキンググループにおきましては、この到達目標、「1)○○障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を踏まえて、各教科等の指導に必要な(配慮事項)について理解している」と、このような形で、(配慮事項)でございますけれども、これは各障害領域におきまして、5つから6つなどそれぞれの障害領域において示されている内容なんですけれども、この中に、例えば触覚を活用して内容を理解させるような配慮をしなければならないとか、あるいはコンピューター等の情報機器を有効に活用しながら内容を理解していくなど、それぞれの障害領域において配慮すべき、各教科等を学ぶ上、学習上の困難さに対する指導、これらを踏まえて、この中に書き込んでいただくということを想定しておりますが、それらの配慮事項の内容が、その配慮する目的が違う場合につきましては、今、1)で書いてありますけれども、1)に並列的に、例えば、触覚を活用すること、それからコンピューター等の情報機器を有効に活用することが、同じ目的の下、配慮するんだという整理になれば、(配慮事項)に並列で書いていただく。しかし、その目的が違えば、2)、あるいは3)として、多くても2つを加えていただく程度で、これらを各ワーキンググループで検討していただきたいというふうに事務局として考えたところでございます。
目標設定の手続につきましては、参考とすべき内容を示しておりますので、後ほど御覧いただきたいと思っております。
最後になりますけれども、目標設定における留意事項につきましては、先ほどの説明にありました内容と全く同じでございますので割愛をさせていただきますが、一番最後のポツだけ、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
ワーキンググループで検討事項が生じた場合には、担当調査官を通じて、主査及び副主査並びに事務局に適宜相談すること。例えばになりますけれども、到達目標の数がどうしても増えてしまうとか、そういうことが起きてしまうとか、あるいは内容のまとまりをこうしたいなど、検討事項として挙がった場合なんですが、すぐに検討事項として挙げるということではなく、先ほどコアカリキュラムであること、全国共通として押さえなきゃいけない内容にあることなど、先ほどの留意事項を網羅して見ていただいた上で、その上でもなおという場合につきましては、このような形で対応していただければというふうに考えております。
以上、作成に当たってについて説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
【安藤主査】御説明ありがとうございました。
これから質疑の時間を取りたいと思いますけれども、検討会議で議論がありましたことについて、検討会議に参加した委員の立場から、私と樋口副主査のほうから、議論の内容について少しお話をさせていただきたいと思います。
まず、私のほうからお話をさせていただきます。事務局から、本ワーキンググループの親会議での議論の経過を説明いただきました。私のほうからは、ここでは既に開催されました検討会議にて話題となりましたことについて、私なりに2つの議論を御紹介いたしたいと思っております。なお、話題抽出に当たっては、極力私見を交えないように努めましたが、若干逸脱した内容が混じることもあるかも分かりません。これについては、あらかじめ御理解いただければと思います。
まず1つ目は、どのような内容を盛り込むかに関する議論です。検討会議の各意見からは、共通して自立活動、教育課程、知的障害のある子供のための各教科等及び発達障害などの重要性が挙げられました。これは先ほど紹介いただいたとおりです。障害が重度、重複化する特別支援学校のみならず、小中学校などにおける特別支援教育においても共通して指摘されましたことは、個人的にはとても印象深いことでございました。さきの小学校等の学習指導要領の改訂により、関係規定が整備されたことが関与しているものと推察しております。
 次に、内容をどのように規定の枠に盛り込むのかに関する議論です。今回の議論の対象は、教育職員免許法施行規則第7条関連が主となります。特別支援学校教諭一種免許状は、同条規定により、各欄の必要単位数が明示されています。新たな内容をどの欄にどのように盛り込むか、各欄間、あるいは各科目間の内容をどう整合させるかに関わるものです。換言すれば、カリキュラムマップのように、全体の構造を視覚的にどう示せるかといった議論になることと思います。
以上の内容は、本ワーキンググループにおける主たる検討事項として取り上げられることになりました。冒頭の御挨拶でも申し上げましたが、本ワーキンググループ委員にあっては、各障害領域における御専門の立場から、これから検討事項に関する議論を重ね、教職課程コアカリキュラムの作成をいただければと考えております。
なお、その際に、既にこれも触れられておりますけれども、障害領域横断の視点や、大学独自の裁量も議論のポイントになるやに思います。併せて御留意いただければ幸いに存じます。
私からは、雑駁でございますが、以上でございます。
続きまして、樋口副主査のほうからも、一言お願いいたします。
【樋口副主査】松本大学の樋口です。私は、どちらかというと私見が中心になってしまうかもしれませんが、議論を通じて強く感じたことを2つ述べさせていただきたいと思います。
まず、現場の校長先生方が特別支援学校に若い先生たちを迎えたときに、どんな教師に学校の子供たちを任せたいのかという気持ちが非常に多く語られていたと思います。何といっても特別支援学校らしさですので、まさに学習指導要領をきちんと理解して、その内容、他の小学校や中学校とは違う特別支援学校らしさを身につけた教員を求めておられるなということを感じました。加えて、特別支援学校らしさの中には、センター的機能というものがありますので、これも非常に大切に感じておられるんだなということを、私も感じた次第です。
それから、先に安藤主査のほうからお話がありましたけれども、特別支援教育制度が始まって10年以上ということで、そもそも特殊教育から特別支援教育に変わった主な理由が、障害の重度化、重複化、多様化ということでしたので、やはり2欄と3欄の整理は非常に大切だという議論が多くあったように思います。
実際に、重複化、多様化というところで、免許制度自体が障害種別に構成されておりますので、各障害の専門性ということももちろんなんですけれども、重複、多様ということは、思いもよらないブレンドされた結果として、子供たちの困難がどのような形になっていくか、それに対しても、やはり臨機応変に対応できる教師の姿が求められていると思いました。やはり教育的ニーズに応じることのできる特別支援学校教諭というものが求められているのかなというふうに思いましたので、ぜひ現場の校長先生の声、つまりは障害のある子供たちの気持ちを大切に、教員養成をしていくというところが原点なのかなというふうに感じた次第です。
私からは以上です。
【安藤主査】ありがとうございました。
それでは、質疑に入りたいと思います。それで、実はこの後、16時45分からサブワーキンググループに分かれて顔合わせ等行っていただく予定ですので、40分くらいをめどに質疑を閉じたいと思っております。したがいまして、限られた時間ですので、先ほど議論を提案いただいた(3)と(4)を便宜的に分けて、特にワーキンググループの先生方については、(4)に関する関心が非常に高いかと思いますので、ちょっと時間を分けさせていただいて質疑に入りたいと思います。
それでは、議題(3)に関することで御質問ございますれば、挙手のボタンを押してください。一木委員、挙手していますので、じゃあ一木委員、よろしくお願いいたします。
【一木委員】ありがとうございます。失礼いたします。自立活動に絞って、2点申し上げます。
日本特殊教育学会でも免許等につきまして、この間、討議を重ねてきた経緯がございます。その中で、1欄で自立活動をしっかり扱うことの重要性が確認されるとともに、様々な広範囲なものを扱うことになっている1欄、単位の制約というものについても指摘が上がったところです。私自身も1欄を担当しておりますが、1欄というのは初年度に位置付けられることが多く、つい先日まで高校生だった人、小中学校の学習指導要領もまだよく理解してない状況の人にしっかり理解を促すという現状にありますので、今回の御提案は、単位数は現状のままというふうに見受けましたが、今後の検討の必要性につきまして、ぜひ共有いただければというのが1点です。
それから、もう1点ですが、養成課程のシラバスの現状といたしまして、先ほどお話がありましたが、課程認定の審査の基準に照らし、1欄の科目に自立活動を位置付けておられます。ただ、実際先ほど申し上げたように、広範囲に扱う関係上、15回の授業のうち1回、自立活動について触れているという大学も、恐らく少なくないかと思います。そのような中、今回、先ほどの資料の12ページに教授内容の整理をいただいておりましたが、例えば解説の2章から4章、このあたりをしっかり理解を促す程度で扱うということを想定しますと、相当の時間を要するのではないかというふうに思います。そういった中で、2単位の中ではあるんだけれども、自立活動に要する時間というものを何らかの形で明記するということも必要ではないかというふうに考えています。
例えば、情報通信技術を活用した教育の理論及び方法に関する科目が新設されましたが、この科目につきましては、1単位以上時数を確保しているということが確認されれば、他科目との併せて解説も可、あるいは教育実習の事前事後指導につきましても、教育実習の単位数の中で、1単位確保してくださいということが備考欄に示されているところです。実効性のあるコアカリキュラムとするために、時数について何らかの検討をお願いできればと思います。
以上です。
【安藤主査】それでは、事務局のほうから今の御指摘について、何か。
【山田特別支援教育課長】特別支援教育課長でございます。
御指摘、ごもっともだと思います。自立活動ももちろんそうですし、ほかのもの、例えば、よくいただくのは、知的が何で4単位なんだよと。視覚、聴覚が8単位で2欄科目としてあるのに、一番多くて教育課程も独特な知的が何で4単位なんだよとかいろいろ議論がありますし、自立活動が大切なことは、多分ここにいらっしゃる誰も否定なさらないということだと思います。
その上で、もちろん全体をどうしていくのかという議論も今後必要だとは思いますが、今回はコアカリキュラムなので、ある程度ばらけているものの中のミニマムエッセンシャルを決めていこうという議論でございますので泣く泣く、我々ももちろん追加したいものはいろいろあるんですけれども、コアということでまず絞ってやっていただいて、さらに単位数を絞った認定講習とかでの運用状況とかも見ながら、どういう運用が可能かというのは、その後、議論が必要かなとは思いますけれども、大枠については、大変申し訳ないですけれども、目標の中でどういうことを示すかというところで御議論をいただければ大変ありがたいなというふうに思っています。
これは自立活動以外にも同じようにお考えをお持ちの先生が多くいらっしゃろうと思いますけれども、今回、ミニマムエッセンシャルということで、断腸の思いで作業をしていただければ大変ありがたいなと思っています。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】自立活動の時間の設定についてでございますけれども、基本的に今回、コアカリキュラムを設定するに当たりまして、第1欄につきましては、特別支援学校の教育に関する理念とか、教育に関する歴史及び思想、また社会的、制度的、経営的事項などいろんなものを扱うという形になっておりますが、今回、自立活動につきまして、先ほど説明したように、制度的事項の中で扱うことを考えておりますので、今回、社会的、制度的、また経営的事項について網羅的に扱うのではなく、まずは自立活動が位置付けられる制度的事項についてはきちんと扱っていただきまして、社会的、経営的事項につきましては、大学の状況においてシラバスの編成をしていただくような形を考えているところでございます。
以上でございます。
【安藤主査】よろしいですかね。
先ほど御紹介いたしましたけど、特に議題(3)に限らず、(4)も含めていかがでしょうか。じゃあ丹羽委員、最後の質問とさせていただきます。この後のサブのワーキンググループのほうで、関連したことについてございましたら、そこでも御指摘いただければと思います。
では、丹羽委員よろしくお願いします。
【丹羽委員】それでは、よろしくお願いいたします。私のほうからは1点聞かせていただきたいのは、重複障害者等の教育課程の取扱いの特例に関することです。これは重複障害者の方々を対象としたものだけではなく、実は重複障害者以外の方々も対象とした項目がかなり入っております。例えば、教科の内容の一部を取り扱わないことができるとか、それから、下の学年の教科を指導できるというふうなこと。これは特別支援学校だけじゃなくて、特別支援学級でもこの規定を使っているんです。ですので、今回特別支援学校におきましても、特別な教育課程を編成した場合は、自立活動をしなかったらいけないということが出てきますよね。これはこの規定を使っているんですけれども、これが特別な教育課程かどうかということが分からなかったり、この項目を使っているということが分からないんですよね。そのために全体像の中で、重複障害として扱われてやると、これ、ほとんどの方々が実は学習せずにやってしまうということになりますので、これはかなり重要なところですので、ぜひとも第1欄で、重複障害者とちょっと別個に考えていただくようなことを考えていただけたらありがたいなと思います。
以上です。
【安藤主査】ありがとうございました。このことについて、事務局のほうから何かコメントございますか。御意見として出ておりますけれども。
【菅野特別支援教育調査官】失礼いたします。丹羽先生、ありがとうございます。菅野でございます。
先ほど、確認でございますけれども、丹羽先生のほうで、重複障害者等の教育課程の取扱いの1に特に示す場合、必要がある場合ということの1の枠の中のことを、1欄ということでの御意見ということで確認させてください。それでよかったですか。
【丹羽委員】はい。1欄入れておかないと、きっと全体の方々に関連することですし、特別支援学級の先生方にもとても重要なことになってくると思いますので、ぜひともそこら辺はちょっと検討していただけたらありがたいなと思っています。
【菅野特別支援教育調査官】承知いたしました。
資料4-1の18ページの概観図となっておりますけれども、第1欄の科目の下のほうに、教育課程に関する法制ということで、ここに重複障害者等の取扱い、総則第1章の第8節ということで示させていただいておりまして、今の御意見等も含めまして、その辺こちらのほうで進めさせていただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
【丹羽委員】よろしくお願いいたします。
【安藤主査】ありがとうございました。度々で申し訳ございません。予定した時間を過ぎておりますので、大変申し訳ございませんが、この辺で質問、質疑については切らせていただきたいと思います。
次回のワーキンググループ開催までに、各障害種において、それぞれコアカリキュラムの素案の検討をいただきたいと思います。第2回目のワーキンググループは、各障害種のサブワーキンググループから検討結果を御報告いただき、意見交換や調整等を行いたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次回の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】それでは、御説明させていただきます。次回につきましては、2月15日の15時からと考えているところでございまして、次回以降につきましては、ワーキンググループの参加者につきましては、各サブワーキンググループの代表の方を予定しているところでございます。お忙しい折、大変恐縮ではございますが、よろしくお願いしたいと思っているところでございます。
また、度々安藤先生のほうからお話がありましたが、この本会議終了後に、各サブワーキンググループでの初の顔合わせ等を行わせていただくための時間を設けたいと考えておりますので、サブワーキンググループに参加する委員の先生方におかれましては、今少しお時間をいただければというふうにお願いいたします。
【山田特別支援教育課長】退室しないほうがいいですね。退室しないでいただいて、このまま残っていただけるとありがたいです。
【嶋田特別支援教育課課長補佐】よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
【安藤主査】ありがとうございます。私のほうからも繰り返します。サブワーキンググループがございますので、ワーキンググループの委員の先生は、そのまま会議室へおとどまりくださいということです。
それでは、本日はこれで閉会といたします。本日は、大変お忙しいところ御出席を賜りありがとうございました。次回以降も引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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文部科学省初等中等教育局特別支援教育課指導係

(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課指導係)