GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第11回)議事録

1.日時

令和5年2月24日(金曜日)16時00分~17時15分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. GIGAスクール構想の下での校務DXについて(最終まとめ)(案)
  2. その他

4.配付資料

5.出席者

委員

石井委員、石田委員、井上委員、今井委員、清野委員、小﨑委員、執行委員、妹尾委員、髙橋邦夫委員、高橋純座長代理、中村めぐみ委員、中村義和委員、藤村委員、堀田座長、水谷委員、山口委員

文部科学省

寺門 大臣官房学習基盤審議官、武藤 学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、伊藤 学校デジタル化プロジェクトチーム専門官、菅谷 校務改善専門官

6.議事録

GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第11回)

令和5年2月24日

 
 
【堀田座長】  皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまよりGIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議の第11回会議を開催いたします。
 今日は、私は文部科学省に伺えませんで、仙台から参加しております。
 議事進行に係る留意事項等につきましては、資料1にも整理してございます。いつものとおりですが、御不明な点等ございましたら、事務局にチャットや電話でお知らせいただければと思います。
 本日、議題はたった1つでございます。早速、この議題1に参りますが、本日の議題は、「GIGAスクール構想の下での校務DXについて(最終まとめ)(案)」でございます。本日の会議に向けまして、前回までの会議でもずっと議論してきましたが、前回の会議において御議論いただいた素案に対する御意見、あるいは、会議後にいただいた御意見、さまざまな御調整を事務局にて精力的にやっていただきまして、委員の皆様の御意見を可能な限り吸収したところでございます。私、座長としても何度も確認をしてございます。
 本日、それが最終まとめ(案)として準備されております。これから、事務局にこの最終まとめ(案)について説明をいただいた後に、皆様から御意見をいただくという形にさせていただきます。
 それでは、まず、事務局より御説明をお願いいたします。
【武藤リーダー】  学校デジタル化プロジェクトチームの武藤でございます。よろしくお願いいたします。
 資料、まず、前回から修正したところを中心に簡潔に御説明したいと思います。まず、タイトルです。タイトルそのものを「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」、元は「校務情報化」と言っておりましたけれども、内容を踏まえて「DX」と言うが適切であろうということで、タイトルも修正しております。
 目次を見ていただくと、大きく、「はじめに」、それから2の「現在の校務情報化の課題」、そして「次世代の校務DXの推進に向けた取組」、「今後取り組むべき施策」、参考資料と、この大きな構成は同様でございます。これから、具体的に1つ1つについて申し上げます。
 2ページを御覧ください。「はじめに」ということで、令和日本型学校教育を支える校務DXに向けて。ここはほぼほぼ前回と同じ内容になっておりますけれども、ページの一番下のところの青く括ってあるところ、その下段です。下半分です。これまでの紙ベースの校務を単にデジタルに置き換える「Digitization」ではなく、業務フロー自体の見直し、つまり「Digitalization」、それから、データ連携による学習指導・学校経営の高度化「Digital transformation」につながる方向性を併せて示す必要がある。こういうデジタル化の3段階に即した形で内容を修正しております。
 あわせて、こうした取組が、教職を目指す学生だけではなくて、社会人も含めて書きました。社会人等に対して教育現場を旧態依然としたものにしないという強いメッセージになる、教師の魅力向上に資すると、こういう表記に変えてございます。
 1枚おめくりいただいて、第2章、現在の校務情報化の課題ということで、まず、1から9までそれぞれの課題を端的に書いた上で、4ページ以降ですけれども、1つ1つの課題を整理している。この整理の仕方は前回同様ですが、特に、①校務処理の多くが職員室に限定され、柔軟に働くことが困難だと、この項目について、前回の御議論の中で、持ち帰りを促進するように見えないような、そういう配慮が必要だということになったかと思います。そのことを踏まえまして、記述の修正を結構大幅にやっております。
 読みますと、1つ目の黒丸で、職員室に固定された校務用端末からのアクセスを前提として運用しているというふうに言った上で、このため教室をはじめ校内各所で業務を行う教職員は、場所の制約を受け、柔軟に校務を処理できない、感染症の拡大等の出勤が制限されるような緊急時に校務を継続することも困難である、また、軽微な校務処理のために長期休業中も原則出勤する必要があるなど、ライフスタイルに応じたテレワークなど、柔軟な働き方が求められている現状にそぐわなくなっている。こういう記載に変更しております。
 さらに、このような環境が、教職員によるUSBメモリ等の校外への持ち出しによる情報漏えいリスクの要因ともなっているということ、それから、これは委員からの御意見で、持ち帰り仕事の実態を確認できないので、長時間労働の抑止につながる健康管理ですとか勤務時間管理が困難であると、こういう記載も付け加えておりまして、これら以上を踏まえると、適切な勤務時間管理等を前提とした校務のロケーションフリー化が求められる。こんな内容に変更しております。
 それから、②汎用のクラウドツールと校務支援システムの一部機能との整理。ここはほぼほぼ同様の記載でございますけれども、2つ目の黒丸の最後から2つ目の行、セキュリティポリシーがクラウド活用に対応していない自治体が存在するというのを、委員の御意見を踏まえて追記してございます。
 1枚先に進んでいただいて、5ページになります。③教育委員会ごとにシステムが大きく異なり、人事異動の際の負担が多い。ここもほぼ一緒ですけれども、2つ目の黒丸で、「業務フロー(校務処理の手続等)に対応するための負担が大きい」という記載も加えております。
 また、④もほぼ一緒ですけれども、最後の黒丸、「小規模自治体にとっては導入に関する事務手続(仕様の策定や調達広告等)の負担も大きい」と、この一文を付け加えております。
 ⑤はほぼ修正なし。
 そして、6ページに参りまして、⑥学習系データと校務系データとの連携が困難。このくだりの中で、委員の御意見で3行目、データを生かした教育の高度化も困難であるとあったわけですが、ここはもう少し具体例を入れたほうがいいだろうということで、「支援を要する児童・生徒の早期発見・支援等」というのを括弧で入れておりますのに加えて、※印として、「連携に当たっては、教育データの規格をそろえる標準化の進展も必要である」と、こんな内容を付け加えました。
 それから、8ページに飛んでいただきまして、第3章の次世代の校務DXの推進に向けた取組。これは扉になりますが、1枚おめくりいただいて、9ページに参ります。次世代の校務DXの方向性というくだりでございます。2ポツで、整理した課題を踏まえて、次世代の校務DXにおいては、共同調達の枠組みなどを有効に活用しつつ、全ての自治体において、以下のような事柄を実現する必要がある。共同調達というのを加えました。また、全ての自治体という表現をここで強めております。
 その中で、事柄として、働き方改革、データ連携、そしてレジリエンスということで、5つで整理されているのは前回同様でございます。
 その中で、これらの2つ目の黒丸になりますけれども、このうち①の汎用のクラウドツールの積極的な活用です。これは学校現場に普及したGIGA端末やネットワーク関係を十全に活用することで実現可能であるということを追記しております。
 実現可能だが、②から⑤を実現するためには、以下のような課題を解決する必要があると。ここ以降は前回と一緒でございまして、ネットワーク統合、クラウド化、ダッシュボードの創出、それからセキュリティの確保と、こういうのがそれぞれのページで詳細を記述すると、こういう格好になっているのも前回同様でございます。
 10ページのネットワーク統合は、ほぼ修正がないので飛ばさせていただいて、11ページに参ります。11ページ、次世代の校務DXにおいて校務支援システムに期待される役割というくだりになります。次世代のシステムは、パブリッククラウド上での運用を前提に、教務・保健・学籍等に関する機能を中核として、その他の機能はクラウドツールが担うという役割分担の下で、必要に応じて柔軟に連携するという考えを示していて、ここは前回同様ですけれども、※印の3というのを今回付け加えております。その他教育委員会が処理する事務、つまり、学籍管理とか就学援助、徴収金管理、さまざまそういうシステムもあります。これらのシステムと校務支援システムの連携の高度化も期待されると、こんな記載を付け加えてございます。
 次、12ページに参りまして、データ連携基盤(ダッシュボード)の創出ということでございます。ここで若干修正をしておりまして、例えば、②の学校教育分野における現状というところの最後の行です。各種デジタル教材等から生成される学習系データと連携可能なものはほとんど存在しないということで、記載の適正化を図っております。
 また、その次の黒丸、一方で、学校ダッシュボードやあるいは教育委員会ダッシュボードは現状存在しないというくだりがあるわけですけれども、その中に、2つ目の矢印の2行目です。学校支援や教職員のケア、そして、学校経営指導の効率化。こういう形で教育委員会ダッシュボードの内容、イメージをもう少し丁寧に記載してございます。
 次に、13ページに参りまして、ダッシュボード構築の意義、③というのがございます。ここもほぼほぼ一緒なんですけれども、2つ目の黒丸の3つ目の矢印のところに、教育委員会による学校支援や教職員ケアの充実ということで、1つ前のページと並びを整える形でここにも記載を追加してございます。
 それから、上から4つ目の黒丸、下から2つ目の黒丸ですけれども、ここは全く新しく付け加えております。働き方改革の観点からも、散在しているデータを統合的に俯瞰したり、職位や職務に応じて必要な情報を参照可能とすることによって、国の調査や教育委員会が行う調査等への回答に係る事務負担が軽減されることが期待されると、こういう内容を付け加えております。
 それから、14ページに参りまして、ダッシュボードの構築方法。ここもほぼ一緒の記載でございますが、最後の黒丸、「ダッシュボードの構築に当たっては」というくだりで、最後から2行目から付け加えております。また、利用者(教職員、管理職、教育委員会職員など)利用者が誰なのかを念頭に置いて設計することが必要であると。こういうところを先生方の御意見を踏まえて追記してございます。
 それから、15ページに参ります。次世代の校務DXにおける情報セキュリティの確保ということで、※印の1というのを追記しております。このセキュリティの確保に当たって、安全性のみを追求するのではなくて、利便性の確保の観点も踏まえる必要があるということ、また、教育情報セキュリティポリシーは、教職員が安心して生き生きと学習指導に取り組むことができる環境を実現するための手段であって、ポリシーの遵守が目的化することは厳に避けなければならない。こういう記載を追記してございます。
 それから、大分飛びまして、18ページ、図3というところに飛んでいただけますでしょうか。「アクセス制御を前提としたネットワークにおける情報セキュリティの確保(イメージ)」という資料でございます。これもほぼ一緒なんですけれども、左の中ほどにある凡例というところを御覧いただくと、どのような自治体においても導入が必須の要素技術、それから、諸要素を比較考慮する必要はあるが導入が望ましい要素技術、こういう書き方に、前回の書きぶりですと最低限必要とそうでないものという書き方をしておりましたが、技術の進展も日進月歩ですので、あまりはっきりと書くというよりは、このぐらいな感じでふわっとした書きぶりにしております。
 本文のほうに行くと、上から2つ目の黒丸です。教職員が使用するネットワークや端末はこうした情報データを扱うことから、多要素認証、SSO、通信経路の暗号化、ウェブフィルタリング、MDM、アンチウイルス、データ暗号化、ITS/IPSの導入によるセキュリティ確保はどのような自治体においても必須であるというふうにした上で、他方、上記以外の要素技術もセキュリティの向上に資するものであり、取り扱うデータの量を踏まえたセキュリティリスクと導入運用経費、それから、以下のような、いろいろ特徴が書いてあるんですが、そういう諸要素を比較考慮する必要はあるが導入が望ましいんだと、こういう考え方をここで記載しております。
 それから、このページの一番下に、※の4というのも追記しております。出張先等で持ち運んで業務をするというところですけれども、例えば、重要性分類の高い情報については、閲覧可能な場所を学校等に限定することも考えられると、こういう注を付け加えております。
 それから、次のページ、19ページに参ります。次世代の校務DXを支えるICT環境のイメージ。ここもほぼ一緒なんですが、最初の黒丸の下に小さく明朝体で書いてあります。ICT環境の整備はスタートであってゴールではなく、次世代の校務DXによる業務改善や学びの質の向上が目的であることに留意すべきである。こういう文言を追記してございます。
 20ページから第4章ということで、今後取り組むべき施策が大きく(1)から(5)までにわたって記載がなされております。
 21ページに行っていただきまして、まず、最初の(1)、次世代の校務DXのモデルケースの創出というくだりであります。本体の4行は変わりませんけれども、その下に米印を幾つかつけております。米の1ですけれども、モデルケースの創出に当たっては、紙ベースでの業務フローの見直しや、校務支援システムのユーザビリティ、これは前回御指摘がございました。ユーザビリティの向上による教職員の負担軽減を目指すべきであり、実証地域における効果測定や効果の周知なども重要であるということ。また、出欠簿や学校日誌等システムから印刷して原本として保管する作業、そして、紙の出勤簿への押印、会議資料の印刷・配布、伝染病の報告を紙で行うことなど、こういう注をつけております。
 「こうした業務のデジタル化の一環として、転校・進学処理の電子化の推進も期待される」という文言を先生方の御意見を踏まえて追記してございます。
 また、その次の黒丸です。モデルケースの創出や今後の普及に当たっては、コスト面に加えて、小規模自治体における調達事務の負担軽減、それから、前回御指摘があった学校段階を超えたデータ連携、こういった観点を付け加えておりまして、そういう観点で、国としてもできる限り共同調達を促進すべきであるという内容に修正をしております。
 その際、※の4を追記しておりまして、普及時期における共同調達の実施に当たっては、小規模自治体のみならず、小規模調達イコール高コストとなりがちな国立学校とか、あるいは私立学校の設置者も参加可能なスキームとなることが望ましいと、こういう一文を追記してございます。
 また、(2)です。ガイドラインの策定の中で、前回御指摘があったような最初のチェックのところですけれども、都道府県単位での公募等の様式統一。押印の廃止に加えて、こういう文言を追記してございます。
 また、22ページ、過渡的な取組というところに移りたいと思います。これもほぼ一緒ですけれども、3つ目の黒丸で、過渡的な取組としてもこんなことを進めるべきであるというのを列挙しております。汎用のクラウドツールの活用、情報交換の励行や会議資料のペーパーレス化、スケジュール管理のオンライン化、民間企業向けクラウドツールの転用、そして、保護者への連絡・情報交換におけるクラウドツールの活用。この3つは前回もあったわけですが、これに加えて、④として、全ての教職員が①から③を十全に行えるようにするための校務用・指導用端末の整備。そして①から③を可能とするためのセキュリティポリシーの改訂と運用ルールの策定。そして、業務のペーパーレス化や押印廃止等を可能とする文書規則等の改訂。この辺りを追記したり修正したりしているところでございます。
 さらに、その次の黒丸ですが、こうした自治体の取組と歩調を合わせ、学校現場においても①から③を具体的に日々の業務で実現していくこと、そして、学校内部のルールや慣習の見直しによる業務のデジタル化・効率化等を図っていくべきである。こんな文言を追記してございます。
 次、ページをめくっていただいて、23ページ、24ページ辺りはほとんど変わらないんですが、24ページ、図4のこのロードマップのところの中ほど以降、表の2のスケジュール例というところ、R4で今回まさにこの専門家会議の検討があって、R5でモデルケースの開発と、こういうものと並行しながら、R7年度にシステムを更改する自治体は準備をしていっていただきたいと、こういう考え方が示されているわけですけれども、ここの表の中に赤い矢印で、過渡的な取組、先ほど申し上げたような、22ページに書いてあるような過渡的な取組は着実に実施してほしいというメッセージをこの赤い矢印で表現しているところでございます。
 主な変更点、以上のとおりでございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。詳細に御案内いただきました。今回、最終まとめ(案)の作成に当たりましては、先ほども申し上げましたけれども、委員の皆様には早い段階でお目通しいただきまして、その際に事務局に対していただいたさまざまな御意見があります。事務局のほうで、可能な限りこの案に盛り込んで表記を修正していただいてございます。
 ですので、ここから先の意見交換につきましては、細かく章ごとにトピックを区切らずに、全体を通してまだ修正が必要な、あるいは、言い足りなかったこと、あるいは御感想等についていただければと思います。その際はお名前と何ページのどの部分についての御意見なのかをおっしゃっていただくとありがたいです。
 また、さらに、この文書はこれでいいんだけれども、もし今後、校務DXに向けて中長期的な何か期待なり審議しなければいけない内容等がございましたら、それについても御発言いただければ、申し送っていきたいと考えております。
 それでは、意見が出尽くしたら今日はお開きとしたいと思いますので、早く手を挙げていただいた方から御指名差し上げたいと思います。ぜひ、御意見をよろしくお願いいたします。では、石井一二三委員、お願いいたします。
【石井委員】  石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ここまでのまとめ、本当にありがとうございます。学校がやるべきこと、教育委員会がやるべきこと、そして、大きく捉えて自治体がやるべきことということで、何をすればいいのかということが明確になったなと思っております。
 私が見逃したと思うのですが、12ページ2つ目の「教育委員会向けに」というところが、文章が多分うまく流れていないのかなと思いますので、最初の「教育委員会向けに」というところは削除していただければ思います。
 教育委員会についてですが、現状としては、今ここに書かれてある内容としては、整備のみをやっている教育委員会と指導主事が配置されて、このダッシュボード等は実装して、そこからさらに指導に入っていくことができる教育委員会とで、読み取りの仕方は違うのかなと思っております。指導主事がいない自治体であっても、こういうことが今後進められ、この後整備していかなければならないものは何なのかということが明確になったと思います。指導主事がいない自治体は、非常にすごいことが進むのだということも感じられるのではないかということを思い、ここまでしっかり書く必要があると思いました。非常にいいまとめになりました。どうもありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。事務局、何かありますか。
【伊藤専門官】  伊藤でございます。いただいた御指摘を反映させていただく方向で座長と相談させていただければと思います。
【堀田座長】  分かりました。ありがとうございます。
 指導主事が配置されていない自治体というのはかなりの割合でありまして、そういうところにもこの文言で届くのかどうかということについては、いま一度、私どもでも考えたいと思いますが。具体的に書きたい一方で、技術は進展しますし、予算は限界がありますし、補助がつけられるという明確な見通しがあるわけでもないので、そういう意味で、非常に書き方が難しいあんばいのところがございます。石井委員、いつもありがとうございます。
 では、藤村委員、お願いいたします。
【武藤リーダー】  堀田先生、ちょっとだけ失礼します。ごめんなさい。事務局の武藤です。
【藤村委員】  どうぞ。いいですよ、先。
【堀田座長】  どうぞ。
【武藤リーダー】  失礼します。恐らく今のところ、共同調達で、1つ1つの自治体に指導主事がいなくても、そのエリア全体で学校を支えていくというところも大事かなと思っていて、そういう視点でもう少し分かりやすくなる記載がもしできるのであれば、堀田先生とも相談で検討できればなというふうに思いました。
 すいません。以上です。
【堀田座長】  ありがとうございます。この会議体でも、共同調達、特に都道府県教育委員会のお役目が非常にこれから大事になるよねという話が出ておりますので、ぜひ、その辺りもうまく反映させたいと思います。
 藤村委員、失礼いたしました。どうぞお願いします。
【藤村委員】  いいえ、とんでもありません。実は今、武藤リーダーがお話ししていただいたこと、私も感じて、ぜひお話ししようと思ったことを言っていただきまして、ありがとうございました。また、堀田座長はじめ、武藤リーダー、伊藤様などを中心に、これだけ分かりやすくまとめてくれたことに御礼申し上げます。
 1点目です。特によかったと思うのは、20%を切る状況になってきている未整備のところに対して、今言ったような共同調達というのを明確に打ち出していただいて、それで何とか入る見込みがついた。特にクラウドの場合、ぜひ強調したいのが、従来は県域共同調達だったんですが、県域ですらなくていいと。全国規模のガバメントクラウド同様、全く関係なく共同調達できるというようなのがクラウドの良さだと思うのです。したがって、その部分もちゃんと触れていただいたのはいいと思いますし、今話題になっている指導主事がいないところのためには、互いに学び合うような組織だとかフォローするような情報を提供するようなことが、今後必要なのではないかというのを感じましたので、1つお話しさせていただきました。
 2点目です。2点目は12ページなんですけれども、こちらのところで、学校教育分野における現状ということと、その一方でということで示していただいたのは大変分かりやすいと思いました。このダッシュボードのイメージがなかなかできないという教育委員会も多いものですから、私がよく聞かれるのは、身近なところで見に行けるところないですかという質問があります。
 そこで、②の1つ目の黒丸の下に、小さな文字で事例として括弧書きの中に東京都渋谷区の例が出ていますけれども、西日本の方だと、大阪市が渋谷区と同時に同じ文部科学省事業でやりましたので、そういうのを示しておくと、参考に見に行けるということで教育委員会の方も役に立つのかなと思いましたので、そこを書いていただきたいと思いました。「ほとんど」を付け足していただいて、「存在しない」から、実は存在するから見に行ってということが可能になるようになるかと思いました。
 3点目です。3点目が18ページで、アクセス制御を前提としたネットワークによる情報セキュリティの確保について解説していただきまして、大変わかりやすくなったと思います。1点気になったのが、2つ目の黒丸の下の小さい字の部分です。これは何かというと、1行目のところで「取り扱うデータ量を踏まえたセキュリティリスクと」と書いてあるんですけれども、実はセキュリティの話は、データ量に係かかわらず、重要情報は1個でも漏れては駄目なわけで、ちょっとここが誤解を招くかなと思って見ておりました。
 したがって、「重要度とリスク」みたいな書き方をしていただくとか、あとは、「発生頻度」とかというような書き方をするのがリスク分析的には好ましいのかなと思ったので、申し上げさせていただきました。
 それから、原案では、まだ未成立の技術でみたいなニュアンスで書かれていた部分は、この濃いオレンジと薄いオレンジというような形でしていただいて、これは実装が必要ですよ、これは抜いていいですよというような曖昧な推奨に以前見えていたのが、いずれも実装することが望ましいというニュアンスに変わったことは非常によかったというふうに思います。どうもありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。もう繰り返しませんが、一番最初におっしゃった県域ですらなくてもいいという話は、まさにそれこそクラウドのメリットだと思いますし、つい最近も、東京都では小さい島しょ部、島が南のほうに幾つかありますけれども、みんな小さいんですよね。そういうところが一度に連携して、ついこの間、校務支援システムを入れたというのが公表されていましたけれども、そういうような連携、どういうグルーピングかというのは、いろいろな形が在り方としてあるのだなというふうに思いました。ありがとうございました。
 井上委員、お願いいたします。
【井上委員】  JMCの井上でございます。今回、まとめていただいて本当にありがとうございます。我々が言った細かいところまで拾っていただいて、本当にいい内容になったなというふうに思っております。
 これからお話しすることは、ここに追加すべきなのか、今後の課題とすることかというのは、座長と文部科学省で検討いただければいいかと思うんですが、このシステムを作る側で、使う側はあまり意識しなくてもいいのですが、作る側でかなり意識しなきゃいけないことで、少し聞いていただきたいなというふうに思っております。
 全国でユニークな学習者ID、これが必要だと思っております。コンピュータで情報処理する場合、また、1人の個人データを扱う場合に、大抵IDをつけて、それで情報を紐づけするというのが基本に考えられます。校務支援システムの中では、任意に振って当然管理しているわけです。また、教育委員会様によっては、このIDを振って管理されています。これがダッシュボードになると、ダッシュボードはいろいろなところとまた連携をしなきゃいけなくなります。また、それぞれのシステムはシステムで、別のIDを全部持って管理をされています。それをまとめるにはこのIDとこのIDが合っていますよねとかいうのを必ず行う必要があります。
 これは数が増えれば増えるほど手間になってきますし、この辺を考えると、小、中、高、大、または専門学校、全部連携するときに、1人の児童生徒が動くときには必ずIDを持って動ければ、ほかの情報をそのまま引っ張っていけるみたいな形を考えることができるようになりますので、今後のことを考えると、せっかくこのDXの話が出ましたので、ぜひ学習者IDの検討を、ここに入れるべきなのか今後の課題とすべきなのかは分かりませんが、ぜひ入れていただきたいなというふうに思っております。
 1つの例としてですが、高知県は、小学校入学のときにIDを県として、これは各自治体にルールを決めて作っていただいているんだと思いますが、振られて、そのIDは小、中、高と全部連携して持って上がれるようにもう既に県として作られていらっしゃいます。
 ですから、私どもの希望とすれば、今、帳票も都道府県単位で統一と形の記載がされておりますので、都道府県単位でIDを統一するという表記を入れていただくとか、検討いただければありがたい。それで、もしそこに都道府県IDがつけば、全国ユニークなIDになるのではないかというようなことが考えられますので、そういうルールに関して国が示すであったりとか、そのようなことをぜひ検討するなり、一文でも今後必要だとかというのがあれば、より進むのではないかなというふうに思っております。
 そこのところぜひ御検討いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。私、教育データの利活用に関する有識者会議の座長もやっていますけれども、今の話は常に出てくる話でございまして、そことあとは、PHRみたいな健康情報でも同じことが話題になりますし、そのことと例えばマイナンバーをどうつなげるかみたいな、いや、まだ早いんじゃないかとかいろいろな意見が出ます。
 この辺は国全体として、文部科学省だけでない範囲でのいろいろな調整ごとになりますので、どこまで書けるかはちょっと預からせていただきますが、その趣旨は大変よく理解できるところでございますので。特にシステムを作る側の人たちが非常に便利に作ろうと思ってなかなか乗り越えられないそういうところだと思いますので、配慮した書きぶりにしたいと思います。ありがとうございました。
 では、次は、清野委員、行きましょうか。お願いします。
【清野委員】  よろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。堀田座長様をはじめ、学校現場の実態を踏まえて議論を進めていただきましたので、本当にありがたいなと思っております。大変力強い思いを致しました。
 1点なんですけれども、この報告の趣旨をぜひ我々学校現場の校長や、あるいは、都道府県レベルだけではなくて、区市町村までしっかり伝わるような、そういった工夫をぜひお願いしたいと思います。こういった取組が始まりますと、区市町村は一生懸命お金をかけて、厳しい財政状況の中で環境を整備したのに、学校は全然使わない、何事だという話になったり、あるいは、学校からすると、また新しいものが降ってきたということで負担感ばかり感じてしまったりする。
 この議論に参加させていただいている者からすると、これだけ学校のことを考えてくれて、やっていただいたというのは分かるんですけれども、文字だけ見ているとなかなかそれが伝わらず、これまでと同じように学校が負担感だけを感じるという、そういうような状況をちょっと危惧しておりますので、どういう形がいいのか、説明会というのは変な話かもしれませんが、ぜひこの趣旨が伝われば、学校の先生方も本当に勇気づけられるのかなと思いますので、ぜひ何とかその辺りをお願いできればと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。大変貴重な御意見で、実は私、今日この前に、中央教育審議会の教育振興基本計画部会に出ていたんですけれども、そこでも、今後5年間のいろいろな計画をもっと現場に届けるための周知徹底みたいなのを何か工夫できないかみたいな話がありました。全く同様だと思います。特にこの校務DXは先生方の働き方改革にダイレクトに関係していきますので、市町村に向けて、文部科学省も都道府県までじゃなくて市町村まで行くような浸透のさせ方をうまく工夫いただければとお願いするところでございます。どうもありがとうございました。
 では、水谷委員、お願いいたします。
【水谷委員】  お願いいたします。今の清野委員の話にも少しつながる部分がありますが、本当におまとめいただきましてありがとうございました。自分もいろいろな意見を申し上げましたが、いろいろなところに散りばめて入れていただきまして、本当にありがとうございます。
 これをいかに分かりやすく伝えていくか、理解していただくかということで、特に、まず取り組むことがきちんと書かれていますが、そこに目が行くように何とかできないかと思います。文書上はこれでいいのですが、これからの周知の方法として、まずこれができますよというところが分かりやすくなると、ハードルが下がるのではないかと思っております。
 ただ、これからやることについては、汎用クラウドを使ってやれることで、実を言うと、これが一番伝わらないのは、学校ではなくて教育委員会事務局なのです。教育委員会事務局は、それぞれの市町村のいろいろなルールがあってクラウドが使えない環境が多く、実際にこういうことができることを知らなかったり、ありがたいということが分かっていなかったりということが多いので、ぜひこの後、展開というか、ガイドラインやいろいろな方法で伝えられると思いますが、多分一番伝わらないのはそこで、そこが規制してしまうと学校は使えないという状況になるので、ここにこれからぜひ注力をしていただけるとありがたいと思います。
 それが動き出すと、小規模自治体は、ほとんど校務支援システムがなく手作業でやっているのですが、つい最近も、とある離島へ行って様子を見ながらお話をしてきましたが、いまだに表計算ですかというところだったのです。でも、クラウドを使ってこういうことができますよ、少人数でもこういうことはできますよという話をしてきました。そこまですることないけれども、それならやってみようかというような反応がありました。そのような感じで、小規模自治体で、共同調達に向かう前に、少しでもこのまずやることが伝わるようになるといいのではと感じております。
 もう一点ですが、ダッシュボードのことについて丁寧に解説していただきまして、ありがとうございます。これは今まであまり伝わってなかった部分で、よく分からないということがありますが、このような使い方と、そして、先ほどもお話がありましたが、既に動き出しているところの例を見ることで少しでも進むとのメッセージが伝わると思いますので、この部分、載せていただきまして本当にありがとうございます。
 以上です。いろいろありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。では、妹尾委員、お願いいたします。
【妹尾委員】  よろしくお願いします。まとめていただいて、どうも皆さん、ありがとうございます。
 僕のほうからは、先ほどの石井委員と水谷委員の話とも関係すると思うんですけれども、やはり教育委員会の役割がすごく問われているというか、教育委員会のお仕事とか役割がアップデートしていくというのが、今回の大きなメッセージの1つなんじゃないかなと思います。
 従来は、校務支援システムの導入の予算取りだけでもすごく苦労されてきたと思いますし、整備だけでも手いっぱい、本当に教育委員会の人も学校以上にともすれば忙しい中、頑張っていただいているというのは僕も多少なりとも理解しているつもりです。でも、整備だけでも大変なんだよねという気持ちは分かりつつも、それだけでは満足していられないなというのが分かる今回の報告になったのかなと思います。
 具体的に5つほどに分解して申し上げたいと思います。これは何か文言で入れてくださいということじゃないんですけれども、また、よかったら、今後のより説明とか膨らませるときにまた考えていただければというメッセージです。
 1つ目は、12ページとか13ページに、僕もコメントをお出ししたんですけれども、学校の経営指導だけではなくて、学校の支援とか教職員のケアがもっと大事じゃないかということを入れていただきました。これは大事かなと思っていて、よく、指導主事という言葉もそうですけれども、あるいは、管理指導主事とかもそうですが、教育委員会の役割というのは、学校をとにかくちゃんと管理して指導するんだということで、これも一面では正しいんですけれども、例えば、働き方改革であれば、ちゃんと進んでいるかみたいなのを管理したり、ちゃんとお尻に火をつけるというか、そういう役割だという方もいらっしゃると思います。
 でも、それだけじゃなくて、例えば、ストレスチェックの結果とかもそうですけれども、そういうのも利用して教職員のケアだとかにもっとつなげていくといいますか、教職員のウェルビーイングを高めていく組織の1つが教育委員会事務局であるということをぜひ強調したいなというのが1つ目です。
 あと、2つ目は、首長部局との連携・協働が教育委員会のアップデートとして大事だというメッセージかなと思っていまして、6ページ辺りもそうですけれども、特に学校の福祉的な役割が大きくなっていますので、就学援助なんかもそうですが、申請を待つだけの姿勢だけでは支援を取りこぼしてしまう御家庭も多いということだと思いますから、ぜひ、教育委員会の役割として、もちろん、教育委員会の内部だけでも大変なのにというお気持ちだとは思いますけれども、ぜひ首長部局とのデータとか人材との連携・協働というのをもっともっと前のめりで考えていただきたいなというのが2番目です。
 3番目は、経験と勘からの脱却ということかなと思います。ダッシュボードの話もそうですけれども、いろいろな散在しているデータ等を見て、教育委員会の政策とか学校支援に生かしていくという役割がより求められるというメッセージかなと思います。今までは、校長経験者だとか授業がうまいという意味で、そういう経験に依拠していた指導とか助言だったと思うんですけれども、もちろんそれも大事ですが、それだけではないよという、データも基づいて話をしていけるよというふうになればいいかなと思っています。
 4番目なんですけれども、1番目に言ったことと重なるんですが、ぜひ学校とか教職員の困り感に寄り添う、伴走する教育委員会であってほしいなと思っています。僕も何度も言いましたように、校務支援システムを導入してよかったんだけど、重くてなかなか動かないとか、あるいは、結構煩雑な手続がまだ残っているので、電子化したとしても十分な業務改善につながってないとか、現場で気づいていることがいっぱいあるんですよね。そういうのをどんどん拾っていただいて、改善につなげていただくというのが教育委員会の役割としてあるかなと思います。
 長くなってすいません。最後、5番目、教育委員会の役割として、1つの自治体だけで頑張り過ぎなくていいよというメッセージかなと思います。先ほどの共同調達もそうですし、クラウドの活動もそうですけれども、いいものがあればどんどん使っていこうという、自分たちで整備してカスタマイズしてという発想から、自前主義から脱却をしていくということも重要な今回のメッセージだったんじゃないかなと思います。
 こういった5つの視点を大事にしていただいて、教育委員会も大変でしょうけれども、期待しておりますのが僕からのメッセージです。
 最後、ごめんなさい、もう一点だけ。学校とか教育委員会に言いたいのは、今までは、要するに、トラブルとか事故が怖いのでということで、どんどん挑戦できない学校、教育委員会が増えてきたのではないかと思います。情報漏えいが起きたらどうしよう、何かあったときに教育委員会はちゃんと管理しているのかということが議会とか世間から問われるということで、どんどんセキュリティを厳しくしていって利活用が進まない、そういった流れがあったんだと思います。
 だから、これは教育委員会だけじゃないですけれども、周りの我々市民もそうだと思います。メディアもそうだと思いますが、教育委員会や学校の挑戦とか試行錯誤を応援していけるような環境等を、施策でもどうしていくかというのが課題かなというふうに思っています。
 すいません。長くなりましたが、以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。いずれも納得する意見でございました。
 今、妹尾委員がおっしゃったことで、ちょっと思うことがあるんですけれども、確かに、教育委員会は調達して入れましたと、明日からこれ使ってください、おしまいとまでは言わないけれども、研修したらもうあとはみたいなところもあるかなと思うんですよね。忙しいですから。本当にそれで校務が改善されているのかとか、先生たちが使いにくさを感じているところはどこで、それを評価してさらに修正する活動をしているのかとかいうところの追い込みがもしかしたら必要なのかなと思うので、これを教育委員会ごとにお任せしていると、ちゃんとそこまでやっている教育委員会と調達で終わっているところとがあるのかなと思うので。
 もしかしたら、何らかの指標とまで言わないにしても、そういうようなことをしているかということのチェックをしていくことが、働き方をさらに進めていくためにも大事なのかなと感じました。ありがとうございます、いつも。
 執行委員、行きましょう。お願いします。
【執行委員】  よろしくお願いします。GIGAスクール構想の下での校務DXについてということで、この校務DXというふうに変えてきたというところで、教育のDX化との関連とか、キーワードとして皆さんに認知されていくというところでも、このように変えていただいてよかったかなというふうに思います。
 先ほど来からたくさんの委員の方の御意見も伺いつつ、この報告書が非常に詳細にできていて、まとめを1つ1つ読み上げていくと、その趣旨だったり、何のためにこの校務のDX化が必要になってくるかということが、私たちは議論に参画しているので非常に分かるんですけれども、今後、この内容について、いかに行政だけではなくて学校も含めて分かりやすく提示していくかというふうになると、もうちょっとメッセージ性の強い見せ方というか、訴え方というのもあるのかなというふうに見ていて思いました。
 これを進めていく一番の目的というのは、子供たちが誰一人取り残されないで、それぞれのよさが生かされて伸ばされていく教育を推進していくということにあると思います。そのために、学校の教員がいろいろな校務の内容で必要な、「軽微な校務」という表現はちょっと気になるんですけれども、必要な校務を全てやりこなしている中で、なかなか子供たち1人ひとりに丁寧に携わりながら、学びのそれこそ伴走者として、共に子供の教育に携わっていくという時間を生み出すことが難しい中で、こういったDXを進めていき、なおかつ、子供のよりよい教育に進んでいくんだというところが、一番の目的みたいなところは別のところでもしかしたら議論されているかもしれないんですけれども、この委員会の中での見せ方としても、教員の働き方というのも、何のためにそれが必要なのかということも含めて、一番の目的、最上位の目的のところはもうちょっと明確に見えるというか、今後見せていくということも必要なのかなというふうに思って聞いておりました。
 いずれにしましても、このようにまとめていただき、学校の現場の意見等も引き上げてくださったことに心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。小﨑委員、お願いします。
【小﨑委員】  奈良教育大学の小﨑です。よろしくお願いします。
 内容に関しましては、教育委員会の立場からも学校の立場からも考えられているということがよく分かりましたので、非常によくまとめていただいたなということで、感謝申し上げます。ありがとうございます。
 私からは感覚的に2つありまして、1つは、この内容を誰が誰にどう伝えるのかというのを考えた場合に、やはり大きいウエイトになってくるのは教育委員会かなと思います。学校に伝えたり、先生方に伝えたり、その辺りのことについては、教育委員会に誰が伝えるときには、この紙に書いているから読んでおいてではないと思うので、その辺については、アプローチして関わっていくという体制なり見せ方なりということは非常に重要になってくると思います。
 そこで、課題になっているのがタイムラグだと思うんです。文部科学省から出て、情報の早い人は、学校の先生であれ教育委員会の指導主事であれ、ぱっとつかむんですけれども、そうでない人はそのままになっているので、極端なことを言えば、今でもGIGAスクール構想の整備といえば、パソコンの1人1台の整備ということは理解できているんだけど、ネットワークも整備したんですよねという話については、そうでしたっけと、こういうことになりますよね。
 そういうことを考えたりしたときに、伝わり方というのがものすごくスピード感が違っていて、それは自治体の規模が小さい大きいだけでもなく、情報に、そっちに関心持っているか持ってないかということもありますので、その辺についても意識をして、もしかするとタイムラグをなくすような、先ほど座長がおっしゃったような、発信と同時に学校の先生も見ることができたり、説明を直接動画で見ることができたりということがあれば、多少なりとも揺さぶりが出てくるのかなというふうに思いました。それが1つです。
 もう1つは、しっかりと、この中身もそうですけれども、自治体なり教育委員会なり学校はコミュニケーションを取り合うというんですかね、寄り添うとかしっかり対話しようというキーワードに結局集約されると思うんですが、私が感じている中では、なぜ伝わらないんだろうと最初思っていたことがたくさんあるんですけれども、実は、伝わらないのは理解できないんじゃなくて知らないんですよ。よくよく知れば物事がすごく進むということはたくさん経験してきたので、やっぱり結局は周知のところとか、これだけいい状態での中身がまとまっているということがあれば、私たちも含めて、いかにたくさんの人にちゃんと伝えるかということにしっかり力を注げば、必ずこれは学校も変わってくると思っていますので、非常に期待しています。どうもありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。こちらも大変貴重な御意見だと思います。ありがとうございました。伝え方というのはこれから非常に大きな課題になるかなと思います。伝えられて困るような話はあんまりなくて、むしろ喜ばしい話が多い内容じゃないかと思いますので、できるだけうまく伝えていくように頑張りたいと思います。
 中村義和委員、お願いいたします。
【中村(義)委員】  中村でございます。校務DXについて、皆様、おまとめいただきましてありがとうございます。これによって大きなかじ取りが行われていくと改めて思いました。
 おそらく、この指針に沿って多くの教育委員会は調達準備を進めていく形になると思いますが、ただ、数年にわたって整備されていくことを考えますと、課題は変わってきますし、新しい技術も出てきて、解決策も変わっていくと思います。特にセキュリティ対策などはかなりのスピードだと思いますので、そういったところで今回のまとめと少し差が出てくる可能性もありますので、どのようにそれを取り込んでいくのかといったところを考えていく必要があると改めて思いました。
 また、これらの背景の中で必要な解決策がなく先送りになっているとすれば、企業に働きかけ解決していくという仕組みを整備して、解決策のよりよいものを作り上げるということが併せて行えるとよいと思います。
 専門家会議の初めの頃に少しお話をしていた、ベースとなっているところに汎用クラウドサービスを使っていくというのがあり、これはとても大切で、皆さんがこれを普通に使える状況になっていくことが大切です。ただこのクラウドサービスも、日々とは言わないですが、大きく使い方が変わってきているところもあります。そうすると、先生たちにその変化に慣れて言っていただくことができるような丁寧な働きかけ、仕組みが必要かと思います。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございます。最後の話はとても大事な話だと思いました。ありがとうございます。
 今井委員、お願いいたします。
【今井委員】  岐阜大学教育学部の今井と申します。よろしくお願いします。
 今回、最終のまとめを拝見させていただきまして、非常に細かくいろいろなことが盛り込まれ、よく読めばしっかり理解できる内容になっており、皆さん、堀田座長をはじめ、文部科学省の担当者の皆さんが一生懸命考え、まとめられたことが伝わり、感動いたしました。
 ほかの委員の皆様も言われていましたが、これらの内容を今後いかに啓蒙していくかについて、私なりに考えた点を話させていただきます。
 私たちは議論に参加しているので、いろいろな専門用語等々もすぐ分かりますが、この報告書をぱっと見たときに、特に初めてこうした校務支援の部署に入った先生たちが見たときに、すごく拒絶反応を起こすのではないかということを非常に危惧しております。もし、それを解決するお金があるのであれば、課題ごとに、この報告書に書いてある対策を講ずれば、どのような未来像が描けるかを、1分程度の動画を作って示していくとよいのではないかと思います。
 文章を見て、専門用語があると、それだけ見たくないという声を私の周りではよく聞きます。報告書を見ると、4ページ目からオンプレミスという言葉があり、よく見ればそれがどういうことなのかは分かりますが、今まで接したことがない言葉が出てくると、それだけでせっかく良いことが書かれていても読んでもらえなくなるのではないかと思います。
 例えば、将来像の1枚の絵を見せてあげて、この部分は報告書の何ページに書かれているよというように、報告書のみでは理解しがたい先生方に対し、全体像を見せ、その全体像をもとに必要に応じて細かい部分を読み込んでいけるような、そういった広報をしていただくと非常に分かりやすくなるのではないかなと思います。
 これは今やるべきなのか、今後やるべきなのかは分からないですが、できればそういったものを至急整えていただいて、報告書に興味を持った人がそちらのほうを見て、「あ、こういうことなのか」という理解ができる、そういったタイミングで作っていただけるといいかなと思います。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。これはもしかしたら文部科学省だけじゃなくて、私たち大学人がいろいろやらなきゃいけないことかもしれないなと思いました。ありがとうございました。
 挙手いただいている方はここまでなんですが、ほかに御意見ある方、ぜひ御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。髙橋邦夫委員、お願いいたします。
【髙橋(邦)委員】  すばらしい報告が出来上がっているので、特に意見を言うことはないと思っていましたけれども、最後に一言言わせていただきます。
 まず、今回の改訂の中でとても気に入っているのは、15スライド目に前回私がお話しした、セキュリティポリシーはガイドラインに準じることだけが全てじゃない、堀田座長からこれを入れろという指示が出たと聞いておりますが、ガイドラインを守ることが全てではなくて、教育委員会がそれぞれにどうしたらいいかを考えていただくということが大事かなと思っております。
 同様に22スライド目には学校現場の話が出ています。22スライドに、①から⑥については教育委員会(自治体)が行うが、その下にこれらについては各学校でも考えるようにという一文が加わりました。我々セキュリティ対策では基本方針と対策基準と実施手順という3段構成でルールを作るよう言っていますが、まさにこれは実施手順に当たるものと思っております。
 セキュリティポリシーガイドラインは対策基準で終わってしまっていますが、それを受けて、各学校には自分たちでどう守るかを考えるということが大事だと思っていますので、この22スライド目にそういった一文が載ったことも非常に大きな意義がある。ほかの委員も言っていましたが、教育委員会だけに報告書を伝えるのではなく、各学校の方にも読んでいただかなければいけないと思っております。
 最後に2点お話しさせていただきます。1つは、これから先の話として大事なのは、総務省が今年3月に地方自治体情報セキュリティポリシーガイドラインの改訂を予定しております。その中身を見ると、まだネットワーク分離の方針を続けるということです。首長部局が今後もまだネットワークを統合していかないとなると、なぜ学校側、教育委員会はそれが許されるのかという疑問が、特に財政部局あたりから出てくると思います。
 セキュリティツールを取り入れるためには予算が必要です。そこに対する理解を得るためにも、総務省にも働きかけが必要と思っています。これは私の役割かと思っていますので、文部科学省学校デジタル化PTの方々と調整を図りながら、総務省ガイドラインにも足並みをそろえてもらう仕組みを作るべきと思っています。
 最後は、セキュリティの話ではありませんが、私はこれまでスマートスクール構想の実証にも加わっておりましたから、ダッシュボードの価値というのはよく分かっております。ダッシュボードは全体を見える化して、なおかつ、そこからブレイクダウンしていくことによって細部までたどり着くことができる非常にいいツールだと感じていますが、やはりこちらも首長部局にそのよさが分かっていただかないと、予算化はできないと思っております。
 私は今、自治体側のDXも進めていますが、その上でも、ダッシュボードが自治体側にも使っていただけるような仕組み、学校のデータなども首長部局から見られる仕組み、こういったものに発展していくと、ダッシュボード導入の予算が財政部門から得られると考えました。
 取り留めもない話でしたが、いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。髙橋邦夫委員には情報セキュリティの専門家としてかなり細かいことまでいろいろ御指摘、御指導いただきまして、ありがとうございました。
 最後にお話いただいた首長部局のところは、ややもすると、学校教育は今すごい勢いで変わり始めていて、そして、そのことがこれからの学校教育の在り方としていろいろ議論になりますけれども、教育界、教育村にいる人はそれを知っていますが、そうでない人には、学校というものは自分たちが通った時代の学校をイメージしているかもしれないわけで、その辺りへの教育改革のアピールをどうやっていくかというのは、1つの大きな課題かもしれないと思いました。
 ネットワーク分離の話等はまた今後大きな課題になると思いますので、これからもいろいろ御指導いただければと思います。ありがとうございました。
 では、高橋座長代理。ここまでといたしましょうか。高橋座長代理、お願いします。
【高橋(純)座長代理】  高橋です。ありがとうございました。私から3点ぐらいお話しさせていただければというふうに思います。
 タイトルが校務DXというふうになりましたので、デジタル技術を使って、従来の常識が常識じゃないみたいなことがどんどん起こってくるんだろうなというふうに思っています。なので、大きな目標とか目的とか理念というのがすごく僕は大事になるなというふうに思っています。なので、実は改善しようと思っている問題とか課題は、そういう手続そのものが不要だったんじゃないのかみたいなことがDXだというふうに思っております。
 例えば、最近のファストフード店とかの注文の仕方とかを見ると、実はレジは要らなかったんじゃないのかとかということが非常に重要で、じゃあ何でレジの改善ばっかり考えていたのか。お客様の時間を大切にしたいとか、そういう大きな理念からものを考えてなかったんだなというふうに思います。
 そういった意味では、15ページ等でも、教職員1人ひとりが安心して生き生きと働いて学習指導していく、こういった理念が書かれ始めていることや、教育の理念や目標はほかにもきちんと法律やその他で明記されておりますので、そういったことをしっかりレビュー、フォローしながら、従来と変わらない重要な観点からしっかり新しいDXを進めていくんだなというふうに感じたところです。これが1つ目です。
 2つ目は、本会議の報告書が実現するために、どこがボトルネックなのかというふうに私も常に考えております。地方の首長部局、教育委員会、地域の研究会とか地域の有力な先生やグループみたいなところ、学校の管理職の先生、教諭の先生、この5つぐらいの関係者が複雑に絡み合って、GIGAスクール構想等もいろいろ解決が難しい問題がたくさん起こっているなというふうに思っています。
 ただ、今回の校務の話は、教育委員会、僕はそれもありますけれども、首長部局の影響というのが大きいなというふうに思っております。教育委員会はICTに関して、首長部局の専門の方にお尋ねすることが多くて、そうなってくると、役所の仕事の仕方という、先ほど総務省と出ましたけれども、総務省の仕事の仕方ということに縛られがちかなと思います。基本的に、自席で、自分の席で仕事をするのが基本と言ったら失礼かもしれませんけれども、そういう役所の仕事の仕方と、小学校みたいに、朝は何とか席に着いているけれども、その後、教室に戻って戻れない人たちの仕事の仕方というのはもともと全然違いますから、そういった意味で、セキュリティの考え方とかも随分変わってくるというふうに思いますし、セキュリティ担当者というのは、とにかく情報を守れば自分の仕事をしたことになりますけれども、利用者がどんなに不便でもあまり関係ない。
 これは本当に地方の市役所の人に私が言われたことですけれども、不便でもいいじゃないかということなんですが、その不便は何かというと、先生にUSBメモリを使うことを強いたりするわけです。なくしたら処分されるほど貴重な情報を先生の判断で勝手に扱わせるようなことをして、セキュリティ担当者の責任の範囲は安全にするみたいなことが起こって、担当者と利用者それぞれの利益がかみ合わないようなことが起こっていますので、そういった意味で、それぞれの利益が一体で1つの方向に向けるような組織運営、企画の仕方みたいなことが僕は欲しいなというふうに思っています。
 最後、3点目は、この会議体がGIGAスクールの下でというふうになっておりますので、このGIGAスクール構想の標準仕様書にある、汎用のクラウドツールを校務でも使うんだというふうにしっかり明記されたということが非常に僕は画期的なことだというふうに思っております。先生がGIGAスクール構想と同じ環境で事務作業、校務作業をすれば、操作に慣れますし、その結果、研修も少なくて、自信を持って授業にも使えるようになりますし、こういったツールは世界標準のソフトウエアですから、子供も先生も慣れていくということはとても僕は意味があるかなというふうに思っています。
 汎用のクラウドツールを使うということが示されたわけですが、そういったときのセキュリティのお話でしょうが、例えば18ページなどは、こういったものの実現にも、汎用のクラウドツール一連の機能の中で、最近できるようになっている機能、あるいは、その延長上でできるようになっているような機能というのが多く見受けられますので、18ページにあるような情報セキュリティ対策を導入するんだけど、必ずしも購入するとは限らない。いずれかの方法で実現するということが重要で、そのようなことでコストをしっかり低減させたり、汎用なやり方でなるべく安価に日本全国に広めていくということが大事じゃないかなというふうに思っています。
 私からは以上になります。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。この専門家会議のタイトル、何で「GIGAスクール構想の下での」というのがついているのかというのは、この会議を立ち上げる文部科学省の思想がここに出ているんだと思います。GIGAスクール構想は義務教育段階の児童・生徒の情報端末の整備が中心でしたが、先生方はその予算の範囲ではないんだけれども、それと同じ環境を推奨するというのは地財措置等でいろいろやられてきているわけで、そういうふうに考えてやりましょうねという考え方がここににじみ出ていて、それを受けて、私たちは最終まとめを今しているということになります。
 挙手一通りいただいたつもりですが、どうしてもここで言っておきたいことがある人いますか。よろしいですか。
 最終まとめ(案)につきまして、今日、多数御意見をいただいたわけでございますけれども、大きな修正というのは特になくて、あとは、盛り込めるかどうかというところは多少調整が必要かと思いますが、そういうことを私と事務局、頑張って調整はするということにさせていただきまして、この最終まとめの修正等につきましては、座長の私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【堀田座長】  皆さん、ありがとうございます。それでは、修正につきましてお預かりさせていただきまして、後日、事務局と調整した後に公表させていただきます。もしかしたら、皆様にも御相談差し上げることがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。また、最終まとめにつきましては、中教審の初等中等教育分科会に御報告できればというふうに考えております。ありがとうございました。
 最後になりますが、事務局から一言ございますでしょうか。寺門学習基盤審議官、ぜひ一言お願いいたします。
【寺門学習基盤審議官】  学習基盤審議官の寺門でございます。今日ここに至るまで、11回の会合、本当にありがとうございました。堀田座長、高橋座長代理をはじめ委員皆様方、最後の最後まで、大変熱心な御議論を賜りまして、本当にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 先ほど堀田座長からもお話がございましたが、この検討会の名称、この名称が最終的に「校務DX」に変わった。これ1件取っても、私、長いだけですが役所におりますが、なかなか検討会の最初始まったネーミングが、成果物が変わるというのはないことでございます。これはまさに、ひとえに皆様方の熱心な御尽力の賜物であり、思想が表れているというのは、堀田座長がおっしゃったとおりだと思います。GIGAスクール構想下での学校のDXの在り方について、大変重要なお考えをお示しいただきました。
 加えて、働き方改革が問題になっている中、その点についても大きな方向性を示してくださいましたし、また、4月にこども家庭庁が発足いたします。データ連携の在り方が大変重要でございますけれども、これについても大きな指針をお示しいただいたと思ってございます。
 今後につきましては、まず、文部科学省がしっかりと受け止めまして、今日もお話がございました、コミュニケーションの在り方を十分伝えるとありますけれども、継続的な形で教育委員会をはじめ関係者の方々に伴走型のコミットメントをしていくということが大変重要だと思ってございます。その上で施策の実現を図っていかないとと思っているところでございます。
 また、直接的には関係が薄うございますけれども、堀田座長はじめ各所で委員の皆様方には御審議賜っておりますが、今日の御議論にもありましたけれども、校務DXまたGIGAを考えるということは、令和の日本の学校にあっては教育そのものを考えることでございますので、中央教育審議会は新しい期を迎えますけれども、効率的な御審議の体制と申しますか、先生方の負担をなるべく軽減する形でそういったものを考えていかなければならないと改めて考えてございます。
 引き続き、委員の皆様方の御教導賜ることを重ねてお願い申し上げまして、言葉が足りませんけれども、御礼の御挨拶となります。本当に長い間ありがとうございました。引き続き、お願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。過分なお言葉をいただいたと思っております。ありがとうございます。
 最後に、座長の私から一言申し上げたいと思います。今回のこの専門家会議、皆さんの御協力でここまで来たわけですけれども、先生方を働きやすくするんだということを第一に置きました。校務支援システムや学校のネットワーク環境は便利になるために入れているわけなんですけれども、かえって先生方を働きにくくしている事例があるということです。
 先生方に対して、これから、さらに令和の日本型学校教育において高度な学習指導を要求することになっていきます。多様な児童・生徒への対応もお願いしております。それである以上、校務DXで少しでも働きやすくするということは最重要な命題だと私のほうで考えております。
 それで、皆さんに御協力いただいて、こういうふうに成果がまとまったわけですけれども、懸念が幾つかありまして、例えば、1つは、先ほど高橋座長代理がおっしゃったことにも関係するのかなと思いますけれども、せっかくのクラウドの時代の便利なツールが、先生方に利便性があまり伝わってないということがあります。この理由は、クラウドの新しい機能を使いましょうと出すわけですけれども、それに対する警戒心が結構自治体側にあって、いろいろなものを使うのを禁止したり制約をかけてしまったりしがちなんですよね。その結果、クラウドって結局あんまり変わらないなとか使いにくいなとかそういうふうになってしまって、せっかくのよさが伝わってない。
 新しい考え方、新しいテクノロジーといったらいいでしょうか、多くの民間でも普通に使われているようなテクノロジーを学校現場にちゃんと適用できれば、先生方は随分働きやすくなるはずなんですけれども、そこがなかなか動けてない現実があります。
 今回、国として今日のような方針を出すわけですが、ここは自治体の設置者の整備の仕方で、あるいは、運用の仕方で決まる部分だと思います。ですので、区市町村の教育委員会あるいは自治体側が、先生たちの働き方の特徴を踏まえて、その先生たちをさらに働きやすくするようなそういう校務DXなんだということを理解いただいて、積極的に対応していただくということをお願いするようなキャンペーンみたいなことを国として積極的に打ち出していく必要があるんじゃないかと思っております。
 先ほど寺門審議官もおっしゃっていただきましたが、この専門家会議の名称にあるGIGAスクール構想というのは、クラウド前提の新しい学習環境を整備し、その上で、新しい基盤をもとに新しい学校教育を再構築していこうという、そういう考え方でございます。ですので、授業の場面だけでなく児童・生徒のさまざまな学校生活場面、あるいは、家庭等での学習、そういうようなところがいろいろな形でDXし始めているように思います。
 ぜひ先生方の校務についても、GIGAスクール構想のこの考え方で進めていくというような形で働きやすくしていくということを私たちは考え続けていきたいと思いますし、この会議体で全部結論を出せたわけではありませんので、テクノロジーはまたどんどん進んでいきますので、今後も、中央教育審議会等でこのことを視野に入れて御検討していただければと思うところでございます。
 最後に、御礼になりますが、この専門家会議は出席率も大変高く、しかも発言率も大変高く、いつも前向きな御意見を委員の皆様方にいただきました。そういう優れた委員の皆様のおかげで、よいまとめになったと思っております。委員の皆様に心より感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、少し早いですが、これこそ働き方改革ということで、本日の審議はここまでとさせていただきまして、GIGAスクール構想の下で校務の情報化の在り方に関する専門家会議、ここまでといたします。皆さん、長い間ありがとうございました。
 

―― 了 ――

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