GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第10回)議事録

1.日時

令和5年1月20日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. GIGA スクール構想の下での校務の情報化について(最終まとめ)(素案)
  2. その他

4.配付資料

5.出席者

委員

石井委員、石田委員、井上委員、今井委員、清野委員、小﨑委員、執行委員、妹尾委員、髙橋邦夫委員、高橋純座長代理、鶴田委員、中村義和委員、福原委員、藤村委員、堀田座長、水谷委員、山口委員、渡部委員

文部科学省

寺門 大臣官房学習基盤審議官、武藤 学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、伊藤 学校デジタル化プロジェクトチーム専門官、菅谷 財務課専門官

6.議事録

GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第10回)

令和5年1月20日

 
 
【堀田座長】  皆さん、おはようございます。
 定刻になりましたので、ただいまより、GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議の第10回を開催いたします。本日もお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 議事進行に係ります留意事項等につきましては、資料1を御覧いただきまして、御不明な点等ありましたら、事務局にチャットやお電話でお知らせおきください。
 それでは、早速、今日の議題に入りたいと思います。議題の1でございます。
 今日のこの議題はこれだけですが、このGIGAスクール構想の下での校務の情報化について、私ども10回にわたり検討を重ねているところでございます。今日は最終まとめの素案が出ております。本日の会議に向けまして、昨年8月に中間まとめをしました。
 それを基にその後の御議論、あるいはヒアリングで得られた知見なども踏まえまして、事務局とも相談しながら最終まとめの素案というのを私どものほうで作りました。
 今日はそこのことにつきまして、まず、事務局より御説明をしていただこうと思います。では、武藤リーダー、よろしくお願いします。
【武藤リーダー】  おはようございます。学校デジタル化プロジェクトチームの武藤でございます。資料2-1に基づいて御説明します。
 GIGAスクール構想の下での校務の情報化について(最終まとめ)(素案)ということでございます。1枚めくっていただきますと、目次が出てまいります。大きく「はじめに」、それから現在の校務情報化の課題、そして次世代の校務情報化のイメージ、そして、今後取り組むべき施策と大きく4段構成になっていて、若干の参考資料がついていると、こういう全体構成になります。
 この参考資料に加えて、資料2-2ということで、参考資料集というのはちょっと別についております。これはこの最終まとめ案に出てくる、例えば中央教育審議会答申ですとかあるいは統合型校務支援システム、あるいは個別の事業ですとか一つ一つについてもちろん注は入れているんですけれども、これに加えてそれぞれ一つずつ、あるいは2つ、3つ、イメージ図等々をつけているものでございます。本日、この説明は割愛いたします。
 それでは、御説明に入ります。まず、1つ目が2ページの、「はじめに~令和の日本型学校教育を支える校務DXに向けて~」というところでございます。
 GIGAスクール構想で、1人1台端末等々整備が進められる中で、令和3年1月ですけれども、中央教育審議会の「令和の日本型学校教育答申」、ここではICTを個別最適、協働的な学びの充実に必要不可欠なツールということで位置づけるだけでなくて、教師の長時間勤務を解消して、働き方改革を実現する上でも極めて大きな役割を果たし得るものと、このように位置づけております。
 この時点で、これまでの施策を見ていきますと、2018年から2022年でICTの環境整備5か年計画で地方財政措置がなされる中で、統合型の校務支援システムの整備率が年々上昇して、校務の効率化に大きく寄与してまいりましたけれども、何分その自前のサーバで設置をして閉域網で稼働させている、端末も職員室に固定をされているということで、今のGIGAスクール時代の教育DXあるいは働き方改革の流れに適合しない部分が出ているんだと、こういうことでございます。
 こうした中で、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改訂等で、クラウドサービスの利活用を前提としたネットワークを目指す方向性も打ち出してまいりましたけれども、残念ながら本格的にこれを検討する教育委員会は一部にとどまっている。その一方で、教育データの連携あるいは利活用、こうしたものをめぐる政府全体の検討も進行していて、自治体の目線で見るとどんなふうに校務DXを進めていけばよいか分かりにくくなっているのではないか、こういう現状認識でございます。おおむね中身としては、8月の中間まとめの内容を踏襲しております。
 それを受けて、令和の日本型学校教育を支える基盤としての校務DXの在り方について、現状と課題を2章で整理し、かつデジタル庁だったり中央教育審議会のいろいろな、あるいは有識者会議だったりの検討の方向性と整合する形で、3章で具体的なビジョン、それから4章で講じるべき施策を整備する、そういう必要があると。その際、これまでの紙ベースの校務を単にデジタルに置き換えるのではなくて、業務フローの見直し、あるいはデータ連携による様々な各種指導や学校経営の高度化だったり、こういったデジタルトランスフォーメーションにつながるような、こういう方向性も併せて示す必要があって、こうした取組は、教職を目指す学生たちに対して、教育現場を旧態依然としたものにしないという強いメッセージになると、こういう強い御意見も先生からございましたので、この前文の一番目立つところにこのあたりを入れてございます。
 1枚めくっていただいて、まず2章、現在の校務情報化の課題ということで、大きく9点整理をしております。
 4ページ以降一つ一つ行きますが、基本的には8月の中間まとめの内容を踏襲しておりますので、タイトルだけおさらいをしたいと思います。
 1番目でまず自宅(テレワーク)やあるいは出張先での校務処理ができず、ワークライフバランスの改善が困難であるということです。これを整理しております。1点付け加わっているのが2つ目の黒丸ですけれども、テレワークだけじゃなくて、あるいは出張先だけではなくてそれ以前の問題として、教室をはじめとして校内で柔軟な校務処理ができないんだということを付け加えております。
 まず、それがあって、その上でもちろん自宅もできない、出張先もできないんだよと、こういう整理に少し変更しております。
 それから2つ目です。汎用のクラウドツールと統合型校務支援システムの一部機能との整理が必要になっている。
 そして3つ目、教育委員会ごとにシステムが大きく異なり、人事異動の際の負担が大きい。
 5ページに参りまして、校務支援システムの導入コストが高く、小規模な自治体の教育委員会で導入が進んでいない。帳票類の標準が道半ばである。学習系データ、校務系データの連携が困難である。
 6ページに参りまして、教育行政系・福祉系データとの連携が困難である。8番目ですけれども、ほとんどの自治体で学校データを教育行政向けに可視化するインターフェースがない。9番目として、校務支援システムが災害対策の不十分な自前サーバに設置されているので、大規模災害によって業務の継続性が損なわれる危険性が高いと、こういう内容を前回のものを踏襲して整理をしています。前回の中間まとめのときは、どうするのかという方向性もここに書いていたんですが、それについては次のページ以降、7ページ以降で、次世代の校務DXのイメージの中で整理をしております。
 具体的には8ページでございます。次世代の校務DXの方向性ということで、2ポツで整理した課題を踏まえて、以下のような事柄を実現する必要があるんだということで、大きく働き方改革、データ連携、そしてレジリエンスということですが、まず1つ目として、働き方改革ですけれども、校務システムのクラウド化と教職員用端末の一台化を組み合わせることで、ロケーションフリーで校務系・学習系システムに接続可能な環境を整備して、柔軟で安全な働き方を実現するということ。
 それから、汎用クラウドツールの積極的な活用により、教職員あるいは校内外の学校関係者、教育委員会職員の負担軽減、それから、コミュニケーションの迅速化や活性化を可能とするということ。
 データ連携に参りまして、校務・学習系システムに円滑に接続することによって、それぞれが持っているデータを低コストで、かつリアルタイムで連携させることを可能にする。そういうことが可能になることを踏まえまして、各種データをダッシュボード機能で統合的に可視化をして、学校経営や学習指導や、あるいは教育政策の高度化を図ることを可能とする。そして、主要なシステムをクラウド化することによって、大規模災害等に際して業務の継続性を確保することを可能とすると。
 こういうことを可能にしていくためには、その下のように、ネットワークの統合やクラウド化やダッシュボードを作ったり、あるいはセキュリティを確保したりということが必要だということで、次のページ以降、そういったことも含めて整理をしております。
 9ページを御覧ください。まず、校務系・学習系ネットワークの統合ということでございます。少し割愛をしますが、いろいろな課題があるというのが1つ目の丸、2つ目の丸にございますけれども、そういう課題を解決するためには校務系向けシステムを従来のように閉域機能で運用するのではなく、いわゆるゼロトラストの考え方に基づいて、アクセス制御によるセキュリティ対策を十分講じた上で、校務系・学習系ネットワークの統合を進める必要があると、こういう基本的な考え方をこの(2)のところで述べておりまして、下の図の中で、閉域網・オンプレミスで運用することによる課題と、それからネットワーク分離による課題と、それぞれ整理しておりますが、重複するところも多いので、ここは割愛をいたします。
 10ページ、(3)です。次世代の校務DXにおいて校務支援システムに期待される役割。要は全体として、次世代校務DXがある中で、その中で校務支援システムに期待される役割ということで整理をしておりますけれども、(2)で述べたネットワークの統合と、それから汎用のクラウドツールの活用を前提にいたしますと、次世代の校務支援システムは、パブリッククラウド上での運用を前提にして、教務・保健・学籍等に関する機能を中核として、その他の機能は校務支援システムとは独立したクラウドツールが担うと、こういう役割分担の下で、両者が必要に応じて柔軟に連携することが望ましいのではないかと、こういう考え方でございます。
 この点、いろいろと御意見があったところなので、少し注を入れておりますけれども、校務支援システム事業者が、自社の校務支援システムとの連携を見据えて、クラウドツールを開発するということは当然あるわけですけれども、これもここではその他のクラウドツールと整理をしております。
 全体として言うと様々なツールが日進月歩で進化をしております。また、教職員間だけではなくて、幅広いスタッフや関係者とのコミュニケーションにも活用し得るということからすると、教育委員会あるいは学校がコストとベネフィットを勘案して、自由に最適なツールを選択して、組み合わせられる環境が必要であると、こういう考え方をここで整理をしております。
 その際、※2にありますように、複数のソフトウエアあるいは機器を安定して連携・稼働させるためには相性もございますので、調達に当たってしっかりこれは専門家の意見を取り入れたり、あるいは企画調達で調達したり、これはいろんなところで見ていると相性が悪い調達をしているところが結構あるものですから、これは確認的にこのような注も入れているところでございます。
 2つ目の黒丸です。また、次世代の校務支援システムは、今後ますます重要となるデータ連携・利活用のハブとして、以下のような役割を果たすことが求められるということで、出席状況あるいは保健室の利用状況、日々の子供たちの生活情報を収集する基盤としての役割が必要だろうと。
 また、首長部局が運用する各種システムとデータ連携を行う上での窓口としての役割。これは先々医療とか福祉とのデータ連携もこれから期待をされてくるわけですけども、例えば福祉の受給状況、これは非常に機微度が高い情報とデータ連携を行うには、やはり同じように成績情報と機微度の高い情報を扱う校務支援システムに窓口機能を持たせるのが現実的ではないかと、こういう考え方に基づいて整理をしております。この辺りほぼほぼ注を除けば、中間まとめの内容を踏襲しております。その下のイメージ図も、先日お目にかけた資料でございます。
 11ページに参ります。データ連携基盤(ダッシュボード)の創出ということで、これもこの前、前回の会議でお配りして、御議論いただいた資料をベースに書いております。
 まず、ダッシュボードとはということを整理した上で、学校教育の現状ということで、一部の校務支援システムで個人ダッシュボードとか、あるいは学級ダッシュボードが実装されておりますけれども、基本的にはこれらは校務系データを対象にするものなので、学習系データと連携可能なものが存在しないのではないかということ。
 その一方で、学校ダッシュボードですとか、あるいは教育委員会ダッシュボードが現状存在しないと。これはイギリスとか、あるいはアメリカとかでは一般的なんですけれども、国内ではまだ存在しないということでございます。
 そして、ダッシュボード構築の意義というのが12ページに参りますけれども、学校が児童生徒の一日の大半を過ごす場所であるということ。子どもデータの中でも、とりわけ多くのデータが蓄積されていると。しかしながら、いろんなところに情報が散在をしているんだということを踏まえて、各種ダッシュボード機能の実装によって、これらの散在しているデータが分かりやすい形で統合的に参照可能になることによりまして、経験とか勘だけではなくて、もちろんそこも重要ですけれども、それだけではなくてデータを参考にしながらきめ細かな指導だったり、学校経営判断の迅速化、適正化、あるいは学校経営指導の効率化、さらには資源配分の最適化、こういったものにつなげることが期待されるとしております。
 それから、デジタル社会の実現の重点計画、閣議決定でございます。ここで支援が必要なこどもを早期発見して支援するということで、教育・福祉・医療のデータ連携の仕組みの実装が求められているという中で、校務DXの一環として、こうしたダッシュボード機能を標準実装することには大きな意義があるということで、これも前回同様の表記でございます。
 また、ダッシュボードによるデータ収集・可視化と、適切な閲覧権限の設定によりまして、教育委員会-学校-保護者の間での情報共有が格段に充実することが期待される。ここは付け加えております。例えばですけれども、学校の日々の状況を教育委員会がダッシュボードを通じて把握をする。緊急時にプッシュ型の支援を行う。まさに前ページで渋谷区がやっておられるようなものも一つ参考にしておりますけれども、こういうことも考えられますし、それから、ダッシュボードの一部を仮に保護者が閲覧可能なものにすれば、保護者が児童生徒の日々の学びの状況を把握したり、あるいは保護者面談等々、学校との対話がより有益で効果的なものになることが想定されるんじゃないか。こんなことも追記しております。
 次のページ、すいません、急ぎ足で恐縮ですが、次のページに参ります。13ページですけれども、ダッシュボードの構築方法、ここは基本的に前回の記述を踏襲しております。これは様々なパターンがあって、校務支援システムの一機能あるいは学習eポータルの一機能、あるいはBIツールを用いて実装する、いろいろあるけれども、大事なことはこういった機能が校務DXの一環として実装されることであると、構築の場所についてはいろんな形があっていいんではないか、ただ、いずれの形態を取るにしても、データを蓄積しているシステムとダッシュボードを備えたシステムの間で、API連携等で、スムーズにデータ連携できるようにすることが重要であるという考え方です。
 加えて、今回追記しておりますのは、ダッシュボードの構築に当たっては最初から完成形を目指すのではなく、これは渋谷区の御発表にもありましたけども、例えば、学習指導の場面では可視化が必要と考えられるデータを選別する、そして、そのデータを利活用した学習指導を実践してみる、そして、その指導の成果や感触を確認したり共有したり、そして、これを踏まえて可視化するデータを付け加えたり、あるいはやめてみたり、こういう一連のサイクルを継続して、アジャイル的に見直し続けることで、よりよいダッシュボードを目指すことが望ましいのではないか、こんな考え方を追記してございます。
 14ページに参りまして、次世代の校務DXにおける情報セキュリティの確保ということでございます。
 校務系・学習系システムをパブリッククラウド上で運用して、次世代DXを実現するに際しては、情報セキュリティの確保がこれまで以上に重要となるということで、このことを検討するに当たって、「何を」「何から」、また、「どのように」守るかについて、コスト、ベネフィットを総合的に勘案して検討する必要がある。前回、高岡市ですとかあるいは梅嶋先生の御発表なんかもございましたけども、それを受けた本検討会での御意見を踏まえて、ここを大幅に追記しております。
 このうち「何を」「何から」の観点でいきますと、学校が取り扱う様々な情報資産について流出や改ざんや棄損があった場合、影響度に応じて分類する、そして想定される脅威を整理することが必要になる。
 また、「どのように」という観点からは一切の情報アクセスを信頼せずゼロトラスト、そして、権限を持つ利用者からの適正アクセスか常に確認する、アクセス制御でございますが、こういうことで不正アクセスを防止する必要がある。そのためには情報へのアクセス権限を利用者ごとに適切に設定をする。そしてアクセスの真正性、通信の安全性、そして端末・サーバの安全性、こういった観点から端末とクラウドサービスを提供するサーバとの間の通信を暗号化して、認証により利用者のアクセスの適正さを常に確認しなければならない。その際、特に機微度の高い情報ですとか複数の児童生徒に関する情報の集合体というか、こういったものについては、高いセキュリティを確保する必要がある。そして、自治体で種々のクラウドサービスを採用するに当たっては、システムの開発・提供者に加えまして、そもそもそのデータを保管するクラウド事業者自体が不適切にセキュリティを確保していることを確認することも必要であると、こういう考え方を示しております。
 ※4のところで確認作業について少し書いてありますけども、これ一つ一つを自治体の関係者がやるのはなかなか厳しいところがありますので、第三者認証の確認が有効であるという考え方を示しております。
 これらについてちょっと文字だけではということもありますので、次のページ以降で参考資料ということで整理をしております。
 15ページ、これが多分今回初めて見ていただく資料でございますが、前回のヒアリング等を踏まえてかつ最初の2行にありますように、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインハンドブック、これは昨年の3月に改訂をしておりますけれども、これを基に作ってみたものでございます。いろいろ書いてあるんですが、結局、最終的には情報資産の具体的な分類とか、想定される脅威の整理というのは最終的には個々の自治体で実施する必要がございますけれども、まずは最初の整理ということで、まず一番左側で「何を」の観点、それからその下に「何から」の観点、そして、一番右側に「どのように」の観点ということで、幾つかボックスが整理してあります。
 まず、「何を」の観点でいくと重要性の分類がⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳとございます。教職員とか児童生徒の生命・財産・プライバシー等に重大な影響を及ぼす、あるいは学校運営に重大な影響を及ぼす、軽微な影響を及ぼす、ほとんど影響がないということで、例えば校務系システムで扱う情報資産については、人事とか入試とか、あるいは情報システム自体の仕様書、この辺りはⅠとして整理をして、これは教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの整理を踏襲してございます。
 2つ目として、重大な影響を及ぼすというところに、学籍、成績、指導関係、進路、健康、個人情報等々のものがここに位置づけられておりますし、右側を見ていただくと学習系の中でも認証関係の情報、ID、パスワード、この辺りはⅡに位置づけられております。
 Ⅲとして軽微なというところでいくと個別の氏名だったり卒業アルバムだったり、あるいは、その横に学校運営関係の授業用教材とか学習記録/レポートとかいろいろなものが位置づけられていて、そして想定される脅威との関係、想定される脅威は一番左下のほうにあります「何から」といって、人為的な脅威と自然災害が大きくあるわけですけれども、例えば悪意のある他者、脆弱性のある機器・ソフトウエア、この辺りは情報資産の窃取・改ざんを目的とした標的型の攻撃、あるいは悪意のある関係者、残念ながらということですけれども、関係者というのも一応想定をしておかなきゃいけないということで、情報資産の不正な閲覧や改ざんを目的とした不正アクセス、それから関係者の過失というものも大きいわけでございます。例えばUSBメモリも含めてそういう媒体を紛失するとか、こういったもの。あるいは自然災害でサーバの棄損とデータが消失するといったいろいろな脅威が考えられるわけですけども、右の上の緑のほうに行くと、こういった想定される脅威との関係ということで、ⅠとⅡについては必要十分な対策を講じる、そして、軽微な影響のⅢについては、想定される脅威について、コスト、ベネフィットを勘案しつつ対策を講じると、アクセス権限でいけば一番上のⅠのところは、真に必要なものに限定をする、そして、Ⅱについては教職員に限定する、それからⅢについては、教職員であれば広くアクセス権限を付与して差し支えない、そして、Ⅳのほとんど影響ないというところであれば、校外の第三者も含めてアクセス可能として差し支えないと、こんな大きくざっくりとした整理をさせていただいております。
 ここについてもこういうこと、ああいうことがあれば、もう少しこれを精密にしていきたいと思います。
 次に、参りまして16ページでございます。いわゆるゼロトラストセキュリティに関する要素技術ということでございまして、これはもう既にお配りしている資料を少しだけ改編いたしました。大きく1は変わりませんが、2ということで通信の安全性の要素技術というのを一つ項目立てして、通信経路そのものの暗号化、2-1ですけども、これを付け加えております。
 また、3ですけれども、端末・サーバの安全性に関する要素技術ということで、特にその端末のほうはこれまで書いてあったんですが、サーバの安全性の観点を付け加えております。例えば3-5のIDS/IPS、事前に定義した不正アクセスパターンとマッチングすることで、サーバやクラウドへの不正アクセスを検知あるいは遮断する技術ですとか、あるいは3-6で、インターネットとつながっているサーバへの外部からの攻撃を検知して防御する機能ですとか、こういったものを付け加えて整理をし直してございます。
 もう一枚おめくりいただいて17ページに参ります。このアクセス制御を前提としたネットワークにおける情報セキュリティの確保ということで、これも前回お示ししたものを若干付け加えております。
 1つ目の黒丸の2行目ですけども、前のページで示したセキュリティ技術を複数組み合わせることが適当である。そして、それに加えて今回技術的対策だけではなくて、利用者のリテラシーも高める必要があるんだというのを追記してございます。そして、最低でも何が必要かということでいきますと、これも前回こういう記述はあったわけですけども、1-1、1-3、それから2-1、ここを付け加えております。2-2、そして3-1、MDM、アンチウイルス、データ暗号化、3-5、IDS/IPS、ここを付け加えておりますが、こういったところでセキュリティを確保することが求められるということを整理しておりまして、ここに必ずしも入らないところは、前回同様、注で整理をしているとこんな状況でございます。
 18ページ、急ぎ足で恐縮ですが、参りまして、次世代の校務DXを支えるICT環境イメージということで、これも基本的には前回までお出しして、大きな御意見がなかった資料でございますけれども、1点、この教育委員会、一番下の18ページとあるところの上に四角囲みというか、点線で書いてありますけれども、この図の枠ですが、それぞれの主体が関係し得るシステムの領域を示しただけなので、例えば教育委員会だったら全部教育委員会がやらなきゃいけない、そういう趣旨ではないということで、これは小﨑委員の前回の御意見を踏まえて、注を入れたというところでございます。
 19ページ、20ページを御覧ください。これらを受けて今後取り組むべき施策ということで大きく5点整理しております。20ページ(1)、まずはモデルケースの創出ということでございます。
 次世代の校務DXの実現に当たっては、現行システムを大きく変える必要があるということで、文部科学省において、先進的な取組を希望する自治体と意欲的な民間企業が連携をして、紙ベースでの業務フローの見直しを含むモデルケースの創出に取り組む実証研究を実施する。それと緩やかなロードマップ、これは後ほど出てまいりますけれども、各自治体と事業者への丁寧な情報提供とモデルチェンジの働きかけを行うべきであるということ。
 それから、こうしたモデルケースの創出あるいは普及に当たって、できる限り共同調達を促進すべきだという考え方。
 2つ目として、DXガイドライン、仮称と書いてございますけれども、このモデルケースの創出と並行して関係団体、これは事業者も含めて丁寧なコミュニケーションを行いながら、このシステムの過剰なカスタマイズの抑制の観点で帳票類の標準化や押印の廃止、こういったことをやっていく必要があるんじゃないか。それから、校務支援システムで扱うべき業務とクラウドツールで実施可能な業務の整理、これは一定程度ここでやっておりますけれども、追加があればこういうところでもう少し具体的に書いていくということでございます。
 また、校務DX推進における関係者間の役割分担の整理とか、あるいはICTの利活用を前提とした執務環境の整備というような観点もこの検討会議でお出しをいただきました。こういったことを推進するDXガイドライン(仮称)を策定して、これはアジャイル方式でアップデートをしていくんだということでございます。
 これ、なかなか日進月歩とかいろいろ進んでまいりますので、一回作ったらしばらく放置するんじゃなくて、次々と改訂していくということでございます。
 また、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインについても、これはこれまでも改訂してきておりますけれども、この会議での議論あるいはモデルケースの創出過程で判明した問題を踏まえて、こちらもアジャイル方式でアップデートするという考え方でございます。この辺りは8月のまとめを基本的には踏襲しております。
 21ページに参りまして、過渡的な取組ということでここも非常に重要なところでございます。といいますのは、現時点ではネットワーク分離でネットワーク環境を作ったり、あるいは自前サーバを前提として校務支援システム調達・運用している、あるいは特に直近でこうした調達を行ったところにおいては、契約期間もございますのでなかなかすぐには次世代というわけにいかないというところがもう当然出てくるんだろうと思います。
 こういう自治体におきましても、様々な次世代に向けた取組を注視しながら、後ほど出てくるロードマップを踏まえて、環境整備をぜひやっていただきたいということでございます。
 そしてこの自治体においては過渡的な取組、それから、教職員の負担軽減、コストダウンの観点で、例えば汎用クラウドツールというのを積極的に活用していくんだ、あるいは民間企業向けのクラウドツール、これもいろんなものが出ております。あるいは保護者への連絡、情報交換でクラウドツールを使うとか、その際に帳票類とか業務というのをいろいろと国の検討状況や先進事例を踏まえながら、ぜひ並行して見直していくんだとか、こういったことをぜひ力強く進めていきたい。そういう取組が次世代の校務DXを円滑に進める上でも重要な足場かけになるのではないか。こんな考え方で基本的には8月のまとめを踏襲してございます。
 22ページに参りまして、校務の情報化に向けた財政支援の在り方、これは今回新しく追記しているところでございます。校務の情報化に向けた財政支援としては、従前から冒頭も申し上げた5か年計画で地方財政措置が講じられてまいりました。これに基づいて統合型の校務支援システムの導入が進められてまいりました。
 今、次世代の校務DXをやっていくためには財政支援も当然必要になる、こういった御意見、この検討会議でも複数ございました。当然必要になるわけですけれども、次世代の校務DXのモデルケースがこれからは実証研究によって作っていく部分も大きいということがございますし、また、これは別の会議でございますが、「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議」、これは12月に開催をしておりますけれども、ここの議論に基づいて、短期的にはこの5か年計画の計画期間を2年間延長することになっております。既に事務連絡で各市町村、あるいは都道府県教育委員会には連絡をしてございますけれども、こういうことになっています。
 そしてこの会議では、新たなICT環境整備方針の策定ということで、令和7年度に向けて検討を進めるということにされているところでございます。
 前置きが長くなっているんですけれども、これを踏まえまして、中期的には今回この報告書で御提言をいただく見込みになっているネットワークの統合、それから、校務支援システムのクラウド化、これらを前提とした指導者用端末の一台化、さらにはダッシュボード機能と様々な新しい要素も出てまいりますので、これらにどのような財政支援が必要かという観点も総合的に勘案して、次の令和7年度からの次期計画においては、次世代の校務DXを相応の投資対象として位置付けるための検討を行うべきであると、こういう整理にしております。
 最後23ページ、ロードマップが何度か出てまいりましたけれども、整理をしております。最初に、文部科学省が行ってこれは既にお目にかけている調査ですが、統合型校務支援システムの導入と公開の予定時期が中ほどにある表の1のようになっております。見ていただくと令和7年度で17.5%がシステムをリプレースする。令和8年度が17.6、令和9年度は11.9というこんな感じで、毎年度毎年度、年によってばらつきはありますけれども、10%ちょっとから20%ぐらいの感じでいくわけでございます。
 元の文章、2つ目の黒丸に戻っていただきまして、この調査を基にして校務支援システムの導入・更改に当たっては、2年程度準備期間が必要であるということですとか、あるいは2つ目ですけれども、校務システムの契約期間が一般的に大体5年程度であることが多いと。こういう仮定を加えますと例えば令和7年度、令和8年度にシステムの更改を予定する自治体、どんな感じでスケジュールをやっていくのかといえば表の2のような感じになると。表2ということで書いてございます。令和4年度は専門家会議の検討なわけですけれども、おおよそ令和5年度で様々合意形成したり仕様を作ったり、あるいは予算要求したりして、令和6年度に調達契約して、システム設計、構築、そして試験運用、令和7年度から次世代システムと、同じような形で1年ずれて令和8年度の導入・更改の自治体のスケジュールも書いております。同じような感じでだんだんに続いていくというイメージを取りあえず示しているわけですけれども、ただ、これは3つ目の黒丸にありますように、あくまでも上記の仮定に基づくものでございます。既に共同調達の枠組みがある都道府県もたくさんございます。合意形成はそういう場合はスムーズに図られるんだろうということが想定されますし、小回りの利く小規模自治体の場合は、クラウド基盤の調達あるいはシステム構築が不要になるSaas型のシステムを導入する場合、これらはより短い準備期間で済むことが考えられると思っております。なので、現時点でこれはもう担当者に聞いただけの数字でございますから、現時点での予定時期にかかわらずそれぞれの自治体で次世代の校務DXに向けた環境整備を可能な限り前倒しで実現する方策を検討することが期待されると、こんな整理にしております。
 残り参考資料につきましては、アウトプット・アウトカムのイメージだったり、あるいはダッシュボード機能の充実・実装の期待される効果だったりということで、既にお目にかけた資料をここに掲載しているものでございます。
 長くなりましたけど、以上でございます。
【堀田座長】  御説明ありがとうございました。それでは、これより意見交換に入りたいと思います。
 今、大体10時半をちょっと過ぎたぐらいのお時間ですけども、本日の案件はこれ1点ですので、たくさん御意見をそれぞれのお立場からいただければと思います。今日いただいた御意見を基にこの素案を作り直しまして、それで最終まとめの案として次回の会議にお諮りしようというところでございますので、今日できるだけたくさん御意見を出していただいたほうがいいかなと思っております。発言のときは挙手機能を押していただいて、それでこちらから御指名させていただくという形でいつものようにやりたいと思います。
 時間配分ですけど、あっち行ったりこっち行ったりしないように一応章立て、これは4章構成ですが、章立てに従いまして時間配分をしてあります。資料1の下のほうに一応目安の時間が書いてあります。これはあくまで目安ですけども、まずは1章と2章について、つまり、根本的な考え方と現状の課題について意見交換し、次に、3章の次世代の校務DXのイメージについて意見交換をし、最後に今後取り組むべき施策、もちろん過渡的な取組も含めてですが、そこについて御意見の交換をしたいと思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それではまず、第1章のところから参りたいと思います。今、私のところで見えているのは妹尾委員です。妹尾委員が挙手いただいていますので、まず、妹尾委員にお話しいただきたいと思います。ほかに第1章で御意見ある方は積極的に挙手いただければと思います。
 では、妹尾委員、お願いいたします。
【妹尾委員】  おはようございます。お世話になります。資料、どうもありがとうございます。
 私からは4点ほど申し上げたいと思います。今日、途中で退席するので恐縮ですが、1点目なんですけれども、4ページ目のテレワークができないだとかUSBメモリの紛失の話だとか、これも大事だと思うんですけれども、前も申し上げましたように、今のこの校務の情報化で教員の働き方改革の観点で言うと、やはり残業の「見えない化」が随分横行しているということが問題かなと思います。つまり教職員の健康管理のモニタリングからも外れていますし、自宅残業等でたくさんやっているというところがありますので、情報流出という観点だけじゃなくて健康管理の観点からもまだまだ課題があるというところはもう少し強調されてもいいかもしれません。ちょっと言い出すと問題がたくさんあるので、どれかに絞らないといけないと思うんですけれども、そこは申し添えたいと思います。
 あと2点目は、これはもう大分前に申し上げた繰り返しになって恐縮ですが、今の校務支援システムが果たして本当にユーザーフレンドリーなのかという点は、もう少し問題意識が高まってもいいのかなと思います。一瞬だけですけれども、画面共有させていただければと思うんですけれども、こちら見えていますでしょうか。これはある、僕のふるさとの徳島県でこの間見せてもらったんですけれども、校務支援システムを使いこなすためのマニュアルがこれだけファイルがたくさん書類があって、一ファイル当たり200ページ前後ぐらいあって、かなり慣れている方であっても大変だという話だったんですよね。
 これはあくまでも一例で、ほかがどうなのかというのはあれですけれども、藤村委員も前に御報告がありましたように結構慣れている先生にとっては扱いやすいというのはそのとおりなんですが、逆に言うと、慣れるまでに時間がかかり過ぎるというのは今の労働環境、勤務環境を考えるとかなりしんどい。あるいは今のテクノロジーの進展を考えると、まだまだフレンドリーとは言えないのではないかと思いますので、これなぜなのかというのはまた考えないといけないんですけども、競争原理がまだ働いているかとかいろんな観点があるでしょうけれども、少しこの辺りの校務支援システムより使いこなせやすいようなものにしていくと。単に研修せよとかじゃなくて、提供側がもっと歩み寄るということをもっと強調していただきたい。これは今後の施策も含めて、モデルケース等もそういうところも意識していただきたいというのが2点目です。
 あと3点目は、以前例えば三島市だったかなと思いますけども、修繕業務の話とかもありましたし、最初は全国教頭会等の報告もありましたように、まだまだ校務系で紙ベースのものとかエクセルとかエクセルに毛が生えたぐらいのものだとか、あるいはシステム化されているものだとかいろいろばらばらだったりして、例えば教育委員会と学校との文書だとか、いろんな業務のやり取りで非効率だったり、余計に時間がかかってしまっている。お互いに、学校側の特に教頭とか事務職員さんとかあるいは教育委員会職員にとっても非常に手間がかかっている実態があると。
 これをやはりBPRするなりして、業務の見直しだとか手続の見直し自体をしながらDXも図っていくと。この辺りをもう少し強調しないと、幾らいろんなことやっても肝腎の今学校現場で最も足りない時間というリソースが増えませんので、これはぜひまた強調していただきたいなというのが3点目です。
 すいません、長くなってあと1点だけ短く申し上げますが、もう一つ、学習系と校務系の融合とか連携にも関係すると思うんですけれども、先生たちの知見だとかナレッジが十分共有されていないという問題も指摘したいと思います。例えば校内研修だとか授業研究会だとか公開研究会、全国あちこちでされていますけれども、ほとんどやっておしまいで、何もと言ったら悪いですけれども、ほとんどほかの学校だとかにも共有されていません。全国100万人ぐらい教職員いますけれども、例えば一人一個アイデアが出れば100万アイデアが出るわけですけれども、そういうのはほとんど誰も一覧できないし、見られないという状況だと思います。一部民間のSNSはありますけれども、そういったナレッジマネジメントだとか教職員の知恵をどんどん学校経営だとか授業改善だとか校務の効率だとか、いろんなところにもっと生かしやすい世の中に作っていくということもぜひ考えていただきたいなと思っております。
 以上です。よろしくお願いします。
【堀田座長】  ありがとうございました。いずれも非常に重要な御指摘だと思います。
 私どもこの校務の情報化、校務DXを進めようと思っている最大の理由は、先生たちによりよい働き方を提供したいという、そこがありますので、そういう意味では今いただきましたところは少しでも盛り込みたいと思います。特に紙をデジタルにしているだけではないかとかいうあたりも、それだけじゃなくて本当はそもそも「そのチェックは要るのか」とか、その辺りから見直さなきゃいけない。つまり業務の見直しが伴わないと単に紙をデジタルにしただけとなると、かえって煩雑になるおそれもありますよね。
 そういう意味で、あとは校内研修の公開共有なんていうのも、結構できることだと思うんですけど、慣習としてされてこなかったということだけかもしれないわけですね。そういう意味で、非常に貴重な御意見をいただきました。大きな流れとしてそういう流れがある中での校務DX、校務支援システムの話をしているということをうまく表せればと思っております。
 続きまして、藤村委員、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【藤村委員】  ありがとうございます。藤村でございます。
 私のほうで、今まさに妹尾委員と同じ思いだなと思いながら聞いていたところなんですけども、あれこれあったものですから、文章のほうにまとめさせていただきました。もしよろしければ共有していただいてもよろしいでしょうか。
【堀田座長】  今共有します。
【藤村委員】  ありがとうございます。資料3のほうに、この中で今まさに妹尾委員おっしゃっていただいたような部分、私も同様に感じていたものですから、どこかに追記していただきたいと思います。多分、今言ったように1章の部分に関わるところが多いと思うのですが、やはり校務支援システムの整備というのがスタートでしかないという意識が非常に弱いのかなと考えています。そこがゴールだと思って、「入れたら楽になる」というのは大いに誤解だと思っています。
 ですから、それを有効活用した業務改善というのは、今、座長がおっしゃったように負担の軽減というのもありますし、同時にただ負担軽減するだけでは駄目で、よりよい教育を行うための教育改善なんだと、2つの視点で目的を設定していただきたいと思います。要は導入した後、非常にいい事例がありまして、大阪市さんだとか新潟県上越市さんなんかは、校務支援システム等の業務ごとの有効活用、知恵を共有する仕組みを取っています。
 DXの概念の大事なものの一つに、経験を基にした属人知から、こういうシステムを有効活用して集合知にするのだというのが本当に大事で、そのための組織を設定されたというのがこの大阪市や上越市の上手なところなのかなと思っています。そこの中で、職種ごとの有効活用方法を検討すると同時に、グッドプラクティスを共有する、そういう部会を設定されているということです。システム入れておしまいではなくて、その有効活用を目指して組織化もする。そして、それらの成果を、大阪市は校務支援システムをSKIPと呼ぶのですけども、「SKIPだより」という電子だよりによって共有したり、それからナレッジマネジメントのような知恵の電子掲示板的な、SNS的なものがあれば、職種ごとに「そこを見に行くとグッドプラクティスがいっぱい載っている」みたいな、そういう導入の効果を最大化することが必要なので、これをどこかで触れていただきたいと考えています。
 また、まさに座長もおっしゃったように校務支援システムの整備に際し、不要な業務を徹底して見直すということが大事だと考えています。また、電子化による効率化と同時に、負担軽減を考えていただきたいと思います。現在は、要らない業務が多過ぎると正直思っています。さらに言うと、韓国は2000年代初頭から校務支援システムを入れており、そもそも紙の帳票はほとんどありません。全て電子化しているので職員室にファイル棚がないのです。ぜひ日本の学校もたくさんのファイル棚に囲まれた職員室から、そのような効率化を図って、ファイル棚がない状態にしてほしいと考えています。そして、さらに負担軽減効果の測定もぜひ行っていただきたいと思っています。例えば、大阪市では年間200時間以上楽になっていますし、北海道の江別市なんかは年間100時間以上も楽になっています。すると、次回更新時に、「これは非常に大事だよね」ってきちんと予算も取れますので、そういう御配慮をお願いしたいと思っています。
 あと、パブリッククラウドに、校務支援システム等を構築するということの意味についても触れていただきたいと考えています。これは県域を越えた、本当に全国的な共同調達によるコスト低減を図ることも可能になるのではないかなと考えています。このことは、従来小規模自治体にとっては非常にコスト高でしたし、私学とか国立学校だと一校単位なので、すごくコストがかかっていました。それら小規模自治体や、私学・国立学校への朗報になり、導入支援・導入促進にもなると考えています。
 それと、さらにそれを進めた考え方にもぜひ触れさせていただきたいと思っていまして、私は、ガバメントクラウドの修学支援システムの座長もやっていますけども、それは申込書をぽんと出せばそれで使えるようになっています。したがって、みんなで同じものを使うという発想ですので、ガバメントクラウドや自治体クラウドのように、自治体を超えた標準仕様に則ったパブリッククラウド上の校務支援システムの提供をぜひしていただいて、専門知識を有する人材がいない小規模自治体、これまで仕様書を作ることができないから買えないみたいな、そういう話があったのですけども、そういったところでも申込書一つで調達することができるようになるということがあってもいいのではないかと考えています。
 実は、これを既にやっている「北海道公立学校校務支援システム」は、仕様書なしで、申込書で共同調達できる仕掛けとなっており、ぜひそれが全国版になればうれしいなと思っています。
 また、気をつけていただきたい部分として、校務系データの標準化によって、将来は自治体をまたいだ転校とか進学処理、これを電子的に行えるようになってほしいと考えています。紙の在学証明書を転出先の学校へ持っていってもらって、さらに転入学通知書を転出元の学校へ郵送し、その後指導要録のコピーを郵送する手続は、この情報化の時代にナンセンスだと思いますので、ぜひやっていただきたい。韓国ではもう2000年代初頭からそういうふうにやっていますので、ぜひお願いしたいと思います。
 あともう一つ、標準化が必要と思うのが異なるベンダー間の校務支援システムで、更新するときに「データが移行できない」、もしくは「データ移行させるのは別料金です」と言われるという問題があります。それでは駄目で、校務データの標準化と仕様書の標準化をちゃんとやって、仕様書の方に既に導入している校務ベンダーさんと、これから更新しようとする新規導入のベンダーさんとの間でのデータ移行業務を義務づける記述をきちんと仕様書に入れておくとか、そもそも校務支援システムの標準としてそれが容易にできるものをちゃんと用意するとかといったことをお願いできればと思いました。大変長くなって申し訳ありませんが、この辺をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。たくさんの御意見をいただいておりまして、わざわざ文章にしていただきまして大変助かります。どこまで組み込めるかは審議の計画としての最終まとめとなりますので、こちらでも工夫してまいりたいと思います。
 それでは、この後ですが、今井委員、福原委員、石井委員の順番で御発言をいただこうと思います。まだ、2章以降もございますので、手短にお願いできればと思うところでございます。では、今井委員、お願いします。
【今井委員】  すいません、私、2章だったので。
【堀田座長】  分かりました。では後ほど、また挙手をし直していただければと思います。お願いします。福原委員、お願いいたします。
【福原委員】  おはようございます。ありがとうございます。
 この場でお伝えしていいのかどうかちょっと分からないんですが、やはり学校としては小中高、それから大学までのここの連携の部分、データ連携の部分もぜひ入れていただけると、やはり入学選抜の先ほど今、藤村委員からもあったそういうデータのやり取りですとか中学校からの高校へのデータ、小学校から中学校へのデータとか、そういったところというのは各県、それから市区町村という形で連携がしやすい、いち早く進められるところがあればそういうところも進んでいただけると、全体的な底上げもできるかなと感じています。ぜひよろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。これは福原委員が、これまでも何度かおっしゃっていただいていたことでございますので、校務支援そのものではないにしても非常に重要な観点かと思いますので、そのように書き込みたいと思います。ありがとうございました。
 では、石井委員、お願いいたします。
【石井委員】  石井でございます。よろしくお願いいたします。
 校務の情報化というタイトルで進めてくる中で、一番にやっぱり校務支援システムをどうすればいいのかなということを各自治体で考えると思うんですけれども、その中で今「はじめに」の中に、1つ目がGIGAスクール構想のこと、そして、2点目が整備の5か年計画のこと、そして3点目に、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインのことが書いてあるんですけれども、実は各市町村から様々問合せいただくときに、それぞれ係が違うと、導入する課も違うというところで、皆さん、御自分の担当のところを一生懸命やっているんだけれども、横の連携がないために、どうしても校務DXに進んでいけないと。校務のデジタル化はできたけど、DXという視点では弱いというところがあるなと思って、他市町村さんの御相談も受けておるという今現状です。
 その中で、ここの中にこの3点が書かれることで、この3つをしっかり取り組んでいかないと校務DXには進まないんだよというところが最初に定義づけられているというところが非常に重要だなということと、デジタル化じゃなくてDXだよというところもこの中に示されているということ、大変重要な視点がまとめられているなと思っておりました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。1章への意見はここまでとさせていただきたいと思います。今、最後に石井委員がおっしゃっていただいたことに、私も座長として付け加えたいと思うんです。何度か申し上げましたが、この専門家会議のタイトルは「GIGAスクール構想の下での」というのがついているということですね。
 このことの意味は、子供たちに1人1台の端末が配られ、学習ログが集まってくる時代の校務の在り方、あるいはGIGAスクール構想でデフォルトということになっているこのクラウド、クラウドツール、クラウドデータ、そういうものの環境の下での校務を考えたときに、例えばネットワーク統合でありますとかセキュリティポリシーでありますとか、あるいは教員の働き方をちゃんと考えた上で学習指導をどう高度化していくか、保護者との連携をどういうふうにやっていくか、あるいは教育委員会からの学校経営支援をどうやっていくかみたいなことをトータルに考えていくという話でございまして、そうすると個別の事象は当然、役所では担当課が違うということが起こりますが、これをトータルソリューションとしてどうやっていくのかということが議論になります。とりわけ授業というフロントエンドの活動に対して、どちらかというとバックヤードである校務をどうしていくのかということを今丁寧に議論してきたというところでございまして、そういう打ち出し、課が違うからできないとか一生懸命やっていればいいとかいう話ではないよということがうまく伝わるようにしてまいりたいと思います。大変貴重な御意見ありがとうございました。
 それでは、2章に参ります。2章は現在の課題ということになります。現在の課題として9つ挙がっておりますので、これについて書きぶりは中間まとめの頃からある程度は見ていただいておりますけど、もっとここを強調したほうがいいんじゃないかとかということがあるかもしれません。よろしくお願いします。
 では、まず今井委員、先ほど失礼しました。どうぞお願いします。
【今井委員】  失礼いたしました。岐阜大学の今井です。よろしくお願いします。
 今、堀田座長がおっしゃったことにつながると思いますが、一番最初の課題の部分が先生の業務内の話ではなく、業務外の話から始まるのに疑問があります。やはり業務の改善がメインに来るべきだと思います。GIGAスクールが始まり、子供たちの学習情報が手軽に扱えるようになったけれど、その手軽に扱える量が膨大になり、なかなか先生たちの利用が促進できない状況にある。これが校務の情報化で解決できるのではないかと思います。やはり一番最初の課題の部分は、子供たちのデータがどのように今教育現場では生み出されているのか。それに対して教員あるいはそのほかの関係者が、その情報を活用したいが、活用できない現状にあるというところから始めていただくのが良いのではないか。課題の一番目は課題の方向づけとして大切になるので、それを中心に議論をしていただいたほうがいいのかと思います。
 できれば、ワークライフバランスはすごく重要ですが、自宅とか出張先での校務処理というのを前面に出すのは、先生たちにずっと24時間働きなさいというメッセージを送っているような状態になってしまうので、削除していただきたいなというのが感想になります。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。ほかの方もぜひ挙手いただければと思います。挙手が出るまで一言申し上げますと、今の今井委員のおっしゃったことはよく分かりますので、こちらも配慮したいと思います。一方で、教員の働き方が過酷であって、それが理由で様々な課題が生じているというのは文部科学省的には非常に重要なマターでございまして、そこからスタートしているという話でもあります。
 もちろん今のテレワークのことについては、テレワークをむやみに推奨するという話ではなくて、そういうことがいろいろ柔軟にできることによって働きやすくなって、いろんな事情を抱えている状況でもうまく働けるよと書きたいんですけど、そのことがうまく伝わらないまだ書き方になっているのかなということかと思います。これは先生たちをしんどくさせようと思ってやっていることではなくて、むしろ楽にと言ったらちょっと語弊がありますけど、適切な範囲で労働しやすくなっていただくためにやっていることですので、この書きぶりをうまく調整したいと思います。これはいろんな課との調整が必要になりますので、工夫して書きたいと思います。
 では、この後、小﨑委員、井上委員、石井委員の順番で参ります。小﨑委員、お願いいたします。
【小﨑委員】  奈良教育大学、小﨑です。
 先ほどの妹尾委員の全体的な説明というのも聞きながらですが、この9つの観点というのは、自治体、学校単位で見たときに、うち、これはもう大丈夫だよねとか、いや、うちはもうちょっと深刻だよねとか、やっぱり差異があると思います。なので、これ全部が共通の課題で「これをクリアしないとだめだ」ということではないと思うので、この並び方とか内容として、私はこれでいいと思いました。
 それでいいんですが、ここのことについては道半ばになっているとか、連携が困難になっているとか、そういうことは、よくよく自治体の人とかとしゃべってみたりしたら、それぞれ原因が違います。これは教育委員会の中で課題になるよねということとか、学校の先生たちの中でこの話が止まるんだよねとか、自治体を超えて同じシステムを使っていても、担当者が集まってしゃべると、それぞれ観点が違うということがよくありますので、そこはちょっと意識したもの、これも課題です、これも課題です、これも課題です、なんだけど、それぞれの自治体によって違うということを前提にして、こういう視点については見落とさないでやっていったらいいんじゃないかなという示し方が必要かなと思いました。もうちょっと踏み込んで話しますと、話が前向きに進んでいくとどんどん細かい話になっていってしまって、これも大丈夫なのか、あれも大丈夫なのかとなってくる。結局、セキュリティのこともそうですが、どんどんブレーキがかかってくるんです。せっかくいいことをしたいと思う前向きな気持ちなんだけど、行き過ぎた指摘とか心配とかというあたりで、話が「じゃあもうやめておこうか」ということになって、結局の話が潰れていったりとか進まないということがすごくたくさんあるのが現実です。担当者間では「文部科学省とかがこう言っているよね」というのをよく聞くので、このまとめで、明確にこういうふうなことが示されているよね、とか、この課題の原因はこういうことが原因で、だからこうなっているということもあるみたいですね、という、なぜそうなっちゃっているのかというようなことが少しでも感じられるような内容が含まれていたら、「みんなでやろう」って言っているんだからやりましょうとか、「大丈夫って言っているから、うちはこういう工夫してやってみよう」という議論を後押しできたらいいなと思います。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。ぜひどのようにつまずきがちなのかという、その文章の書き方を何かうまく事務局に伝えていただければと思うところでございます。ありがとうございました。
 井上委員、お願いします。
【井上委員】  JMCの井上でございます。よろしくお願いいたします。
 非常に分かりやすく端的に、膨大な資料をうまくまとめていただいてありがたいと思っております。まず、ここのところでいくと⑤ですか、帳票類の標準化が道半ばというのがあるんです。
 私が所属しているAPPLICで進めさせていただいているところあるんですけども、今の文部科学省さんが出されている情報化の手引きの一つ前の情報化の手引きのときに、APPLICが指導要録の電子化等を進めているので、それに期待すると書いていただきました。これは非常にありがたいことなんですけど、裏を返すと文部科学省ではやらないよと、民間でやってくれと読み取れてしまって、事実上そういうふうになっています。
 ここの標準化に関しても、実はこの後に出てくるところで、DXのところで、ガイドラインを作りましょうという話はあるんですけども、文部科学省のほうで標準帳票を出すというのはどこにも書かれていないんです。文部科学省としては標準帳票を出すつもりはないと理解していいのかなと思っているんですけど、そこのところを見解として伺っておきたいなと思っております。
 それと⑥ですけれども、これは学習系と校務系との連携が困難というのが、ここで書かれているのは事実なんですが、もう一つ、踏み込んで書いていただきたいなと思っているのは、我々校務ベンダー側としては、学習系のデータを受け取る側になるわけなんですけれども、もちろん生徒情報、氏名だとか出すのもありますけど、受け取るほうが多いので、まだ学習系データの標準化が進んでいるかというとそうではないんです。やっぱり学習系データも標準化をした上での取組で初めて意味があるので、学習系データの標準化をぜひ進めてほしいというのも一つ、ここに書いていただければありがたいなと思います。
 それとその次の⑦、行政系・福祉系データとの連携が困難というのがありますが、これは先ほど妹尾委員ですとか藤村委員のほうから出てきたところも同じになるんですけども、実は教育委員会事務システムというのがあるわけですが、教育委員会の事務システムと学校の校務支援システムとの連携が取れているかというと必ずしもそうではないわけですよね。校務が学校の中のほうを標準化しましょうとしても、実は教育委員会のほうも標準化して進めていかないとなかなかうまく進まない。ただ、ガバメントクラウドで標準化しようとしているのは主立った行政業務であって、教育委員会の事務のほうではそれはあまり考えられていないわけですよね。ですから、ここに併せて教育委員会自身も標準化を進める検討が必要じゃないかということが少し書かれるとありがたいなと思っております。
 それと先ほど帳票のところに戻ると、どうしても学校とお話をさせていただくと今やっている業務を電子化したいみたいな話になるので、業務の見直し、それは先ほどから藤村委員ですとか妹尾委員がおっしゃっているようなところにかかってくるんですが、やっぱり業務の見直しというのはどこかに書いていただくとありがたいなと思っております。
 私のほうは以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。帳票等につきましては、これは少しずつ進んでいると思うんですけども、学校教育法施行規則に書いてあることは国ができるけど、それ以外の自治体にやってもらわなきゃいけないこともいろいろあるというあたりですが、事務局、お願いします。
【武藤リーダー】  事務局です。学校デジタル化PTの武藤です。
 今の井上委員の国として、標準的な帳票を出すつもりがないのかの確認ということで、非常にビッククエスチョンだと思います。ショートアンサーは、今ここでどうこうというのは言えないというのがショートアンサーなんですが、ただ今、堀田座長からあったように、国のほうで決めているもの以外のところを今井上委員おっしゃっているんだと思うんです。それがあまりにもばらばらで、ということだと思うんです。
 ここはやっぱり国として決めていない以上、地方自治の話になってくるということはあると思うので、仮に何かここに一石投じるのであれば、国が音頭を取りつつ自治体あるいはいろんな関係者と議論して、そして合意をして、合意した結果がまとまっているんだみたいなことは、少なくとも理論上はあり得るんだろうと思います。
 ですのでこういうことについても井上委員のみならず、ほかの委員の方も含めていろいろと御意見をいただいて、それを踏まえて、私たちはどんなことが行政的に可能なのかというのは、しっかり重要なことなので検討してまいりたいなと思っています。ぜひほかの委員の方の御意見も頂戴したいと思うところでございます。
【井上委員】  すいません、井上です。
 今、武藤リーダーから御回答いただいたんですけども、私が一番言いたかったのはそこではなくて、国が定めている法定帳票というか、いわゆる公簿ですね。あの公簿で標準というのは一つもないんです。参考様式が出ているのがごく僅かなんです。だから標準化すごい難しいわけで、公簿じゃない帳票のことはもうしようがないと思って我々理解できているんですけど、公簿であるもの自体が標準化できていない、そこが一番の問題だと思って、そこはちょっと誤解のないようにお願いをしたいと思います。
【武藤リーダー】  分かりました、すいません、思い切り誤解してしまってすいません。そこも含めてどのようにしていくかというのを、恐らくやっぱり合意を取りながらやっていくということに多分なるんだろうと思うんです。これ一個一個の帳票の話なので、なのでそこも含めてどのように進めていくべきなのか、ぜひいろいろと御議論いただきたいなと思いますし、ここが大きなネックであることは今回この課題の中の⑤と、まさに委員の方の合意の中で位置づけていただいていますから、大きな課題であることも間違いないので、ぜひ御議論をいただきたい、それを受けて私たちも考えたいと思います。ありがとうございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。では、次に石井委員、お願いいたします。
【石井委員】  石井でございます。よろしくお願いします。
 こちら先ほどの小﨑委員からもありましたが、①から⑨、これが自治体だったり学校としてのチェックリストになっていくんじゃないかなと思っていました。この校務DX推進のためのチェックリストとしても使っていけるような視点で、どうしていけばいいのかなということで先ほど今井委員からも御指摘があった一番最初のところで、やっぱりこのワークライフバランス、非常に大事なんですけれども、それよりもやっぱり大事なのは、1つ目の丸の「職員室に固定された校務用端末からのアクセスを前提として運用している」、これが課題になってくるのかなというところで、課題が明確に見えるような書きぶりにしていく必要があるかなと思っていました。
 じゃあ、そうするためにどうしたらいいのかなというところなんですが、例えば文末をそろえていくということで、指摘があるとか、困難であるとか、必要があるとか、この書きぶりで段階をある程度、こういう現状ですよ、だからこういう必要がありますよというような書き方をすることで、ここはやっぱりしっかり力を入れていかなきゃいけないんだなというところが見えるのかなと思っております。
 今、指摘もあるとか指摘があると、様々文末のところを注目しましたらと書かれているようですので、ここを整理するともう少し伝えたいことが明確に伝わっていくのかなと思っておりました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。これ、先ほどの小﨑委員の意見もそうなんですけど、実際に自治体の教育委員会の現場で働いていらっしゃる方のいろんな工夫を、私たちがこういう資料を作るときに十分に踏まえ切れていないということかなと思いますので、ぜひ具体的に何か代案というか、そういう辺りを後で結構なんですけど、メール等でいただくと、そう書けるかどうかはまた調整ですけども、ありがたいかなと思います。
 鶴田委員、挙げていらっしゃいましたけど、いいですかね。
【鶴田委員】  すいません、どこで話そうかと思いながら次のほうがふさわしいかと思ったので。
【堀田座長】  そうですか、分かりました、じゃあ後ほどまた。
 では、執行委員、お願いいたします。
【執行委員】  よろしくお願いします。
 現在の校務情報化の課題について、9点でまとめていただいていることはこれまで議論されていることということで、おおよそのカテゴリーはいいのかなと思って、このように整理していただいてありがたいなと思っています。
 それでこの順序性なんですけれども、何かこの順序、どうしてもこの①番、②番というこの順番で表していると、優先順位的にこれが一番大きいだろうというところで表しているのかなと目が行きがちなんですが、この辺あたり何か事務局のほうで根拠というか、まとめた整理された順番というのは、何か意図というのはあるんでしょうか。それを聞いた上で、伺った上でお話をまたさせていただけたらと思います。
【堀田座長】  では、事務局、お願いいたします。
【武藤リーダー】  武藤です。ありがとうございます。
 非常に強い意図というほどでもないんですけれど、やっぱり校務の情報化というのが今一番先生方の関心事である働き方改革に強く効いてくるんだというところ、これを強調したいという気持ちはございました。
 データ連携、これも極めて重要なんですけれど、やっぱりその次かなという気持ちもあったり、あるいは大規模災害もすごく大事なんですけど、明日来るのかと言われると少し遠い話なので、一番身近なところをまず立てて、そこでこれは大事だよねと思っていただきやすいのかなという淡い気持ちはあって、このようにしたものでございます。
【執行委員】  ありがとうございます。学校現場じゃない方たちは、多分ここのところがとても引っかかるんだとは思うんですけれども、私は身近に教職員と接していて、いや、これは家でできるといいんですけどねということをおっしゃる方が少なからずいるということは現実的にあるので、何か周りの方が心配する以上に、別に逆に言うと効率よく校務の処理をやりたいと思っているという部分は合致できるので、この表現が誤解を招くかどうかというのはあるかもしれないですけど、むしろこういうふうに書いていただけるほうがいいのかなとほかの方の御意見を伺って思いました。
 それでその働き方改革で、いわゆる残業的な時間がなかなか減らないというところの理由は、実は本当はその話をすると長くなるんですが、別のところに私は日々接していてあるように受け取っています。
 一つお話をさせていただくと、例えばコロナ禍でいろいろなものがスクラップされて、割と効率よく業務が整理されてきた一時期あったはずなんですけれども、やっぱりそれがある程度落ち着いてきて、子供たちに充実した教育活動をやろうという願いや思いが高まってくると、当然プラスアルファでこんなこともやってみたい、あんなこともやってみたいと前のものをスクラップしないままに新しいものをどんどんビルドしていくという、教員特質の性格的なものがどうしても出てくる部分があります。
 教職員はやっぱり授業をしたり研究をしたり研修をしたり、子供が成長していくための時間に関しては負担感がないし、むしろそういった面の時間の充実というものに対して、何かいわゆる時間を区切って、5時になったから終わりということではなくて、やっぱり日々の研究、研修で子供たちにいい授業をやりたいという思いがあれば、当然そこにプラスアルファの自分たちの自己研さん的なものというのはあると思います。
 やっぱりその負担に感じている一番というのは、逆に校務が効率化することによって、いろんなところから様々にこれだったら簡単に調査データを作りますよねとか、簡単にアンケート回答できますよねとか、簡単に報告書できますよねという形で、先ほど午前中見ただけで一気に教職員に対しての校務支援システムのメールが20通とか二十何通とかばっと来るわけです。
 それを一個一個チェックして担当者がその報告書を作ったり、何々を作ったりというところに、やっぱり時間とそれが何かしら自分たちにとっては負担だと感じている傾向があるので、やっぱりその業務を効率化してこういった情報化にしていくというところとともに、やっぱりそういったものを作ることのそもそも論として、必要性って何のためにやっているのかというところを、やっぱり学校は学校で整理していかなきゃいけないのかなと思っています。そうしなければ本末転倒って言ったらおかしいんですけど、結局校務支援システムが入ったときの教職員が校務を効率よくできるから入れていくのが妥当であろうといった、そういったことを推し進められたと思うんですけども、結果的にそれがシステムが100%入れている自治体が、残業時間が特段に減っているかというとそうではない実態があると思うんです。
 なので、これから教育のDX化を進めていく中でも、何を大事にしていくのかと学校自身が自律的に考えていかなきゃいけないと思いますし、その上で、今まで作っていたもので無駄があるものはこういった効率化をしていくものを、やっぱり利用していけたらいいかなと思ってお話を伺っていたところです。
 以上です。
【堀田座長】  現場代表の力強い御意見をいただきまして、ほっとしました、ありがとうございました。
 では、最後に山口委員に御発言いただきたいと思います。山口委員、お願いいたします。
【山口委員】  短くさせていただきます。
 今の方の意見とかなり近いですが、やっぱり学校現場のことを考えると、この①のロケーションフリーになっていくということで働き方がいろいろ工夫できるという観点はとても分かりやすいです。そうなればいろいろ工夫できるねという、学校現場で考えやすい内容なので、ここはぜひ私は一番最初にあってもいいと考えています。よろしくお願いします。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 ほかにどうしてもこの2章で申し上げたいという方はいらっしゃいますか。よろしいですかね。また、3章以降で御発言いただければと思います。
 私、今のお話を聞きながら、座長として事務局にお願いしたいこともありますので少しコメントしておきますけど、まず、働き方改革の観点に関するもの4つを一番前に持ってきたことは、武藤リーダーおっしゃったとおりですけども、私の意向でもあります。これはやっぱり一番今クリティカルに初等中等教育の現場に、一番大変な状況にあるのは現場の先生でございまして、これをいろいろな形で縛ってしまっていて、これは国も地方行政も同様です。また、先ほど執行委員もおっしゃいましたけど、校長先生たちにはやっぱりどうしても横並び意識とか同調圧力みたいなのもあります。あと先生たちはやっぱり熱意があるので、熱意があるがために業務を減らさない形になって苦しくなってしまっているということがあります。
 そういう働き方をもっと教師ならではのやりがいが前に出るような形で、うまく働き方を改革していくというのは大きな国としてのミッションでございまして、そのことを考えたときにデータ連携はもちろん大事です、学習指導の高度化もちろん大事なんだけれども、そういうことより前にこの校務のDXというのは働き方改革と強く関連させて進めていくことで先生たちが働きやすくなり、学校現場に余裕ができ、また、新しい人材が登用されやすくなるという、こういう大きな考え方があってのことでございます。
 そのときに結構論点になるのは、やっぱり校務支援システムが学校でしか使えないから学校にいなきゃいけないとか、あるいは教室でできないからとか、先ほど山口委員もおっしゃいましたけど、ロケーションフリーになっていないことが邪魔していることがいろいろあります。
 さらに、ロケーションフリーであらゆるところからあらゆるデータにアクセスしていいかとか、あるいはあらゆるデータを書き直していいかということについてやっぱり課題はありますので、それをどこまでどういうふうにというところで、その情報のレイティングが必要なわけですけど、こういうようなことについて私どもはちゃんと考えて、そんなにきっちりでは情報については、いろんなところから参照できたりするようにできたほうが先生たちはより働きやすくなり、かつ、よりその指導が適切にしやすくなるということかと思います。
 今はまだネットワークも分離されていて、端末も違う端末をやらなきゃいけないみたいなことがあったりするので、やたらと結局、先生たちが残業して、職員室にいなければならない時間が増え、みんないるものだからなかなか帰りにくいみたいなことが生じてしまっているわけで、その辺を何とかしたいというのが一番のところでございます。
 ですから、校務DXというのは働き方改革と背中合わせとして、いろいろ議論しているところです。私は教育データのほうの座長もやっていますし、あと、デジタル教科書とかそっち側も座長をやっていますけど、そちらから流れてくるデータをどういうふうに効率よく校務に取り入れていくのかということも非常に重要な観点ですが、あえての今こういうふうにしているという強い思いがございますということをお伝えしておきます。
 それでは、第3章、今のことを踏まえてですけど、次世代の校務DXをどういうふうなイメージにするか、これがなかなか伝わりにくいところだというのは承知した上で、今(1)から(6)まで挙げているところでございます。これにつきまして皆さんの御意見、あるいはもっとこう書いたほうがいい強弱みたいなことについて、御意見いただければと思うところでございます。
 では、まず、石井委員から参ります。よろしくお願いします。
【石井委員】  よろしくお願いします。石井です。
 8ページのところなんですけれども、働き方改革の観点の①、校務支援システムのクラウド化と教職員の端末の一台化、ここはもう一番最初に目に入りまして、財政説明のときに、すごくやっぱりここをコストダウンすることができますよということと、つなげられるかなと。そうすると次の②のところでは、汎用クラウドツールの積極的な活用、この①から⑤までの出だしのところが非常に大事な観点が示されているなと思っておりましたので、この①から⑤の観点に合わせて、後ろの(2)からのところも書いていってもいいのかなと思えるような、すばらしい最初のまとめ方だなと思っておりました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。それでは、この後、小﨑委員、水谷委員、髙橋邦夫委員の順番で参ります。
 小﨑委員、お願いします。
【小﨑委員】  ここは先ほど福原委員がおっしゃっていたこととも関係するんですが、校務というところで絞った場合、学習のということじゃないとか考えたときに、先生たちが扱っているデータというのが主体になったとき、一番、奈良県の場合で動いたのは高校入試なんですよね。小中、中学校で積み上げてきたことを高校に渡しますよと、ここにもう膨大な労力とデジタルから紙で印刷して紙で渡したのをまた打ち直すという、そういう労力を注いでいますよねというときに皆さんがうなずいて、そこをデジタルからデジタルで直接渡せたらいいですよねということで、一気に統合型の校務支援システム、中学校も要るよね、高校も要るよね、そもそもその前段階で小中の連携で小学校から要るよねという話になったということを見ると、やっぱりここはさっきの課題とは違って、データ連携というのがすごく強く出ていてもいいと感じました。
 それでそのデータ連携は何のためというと、今の話のように確実に業務改善につながっていますよねと。ここで、さっき執行委員がおっしゃっていたみたいに教師の特質があるので、あれもこれもやったらいいよねということになったときに捨てなさい、やめなさいと言ってもやめられないんです。もう今までのいいことということはあるから、そこは本来的な目指すところとしては、いや、新しいやり方があったりデータ連携することで、今までばらばらにやっていたことが一回で済みますよねとか、これを新しくやることで今まで3つばらばらで考えていたことが一つで連携できますよねという示し方でやめるとか捨てるとか減らすではなくて、そういうことが改善できますよねというようなイメージが湧くのがすごく大事かなと思いました。
 感想です。以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 この中学から高校、高校から大学ももっとそうですけど、設置者が違う、法人が違うところのデータのやり取りというのは非常に難しくて、奈良県の場合は県域でドメインを作っており、共同調達をやったのでできるようになっている部分は非常に多くあると聞いています。これはスケールメリットでもあるし、やっぱりこの都道府県教育委員会の手腕というか、市町村を県域で連携させていく手腕というか、そこによるものが大きいかなと思います。そういうようなこともうまく書き込んでいければと思っております。ありがとうございました。
 では、水谷委員、お願いいたします。
【水谷委員】  水谷です。よろしくお願いをいたします。4章までまたがるような話になりますが、お許しください。
 やはり前にもお話ししましたが、新しい校務DXということで、これが公表されると、何か新しいことが始まるので、出てくるまで待とうや、何か違うものが始まるなというイメージで受け止められることがあると思います。
 でも、よく読んでみるとそうではなくて、今あるものから順番にいろいろなことをアジャイルして進めることができると読み取れるわけで、上手にまとめていただいていると思います。さらにですが、ゴールの形だけでなく、今こういうことからやれるということがよく伝わるともっといいのではないかと思います。
 自分から報告させて頂きましたが、働き方改革の観点の②の部分ですが、本市の場合も従来の校務支援システムを使いながら②を全面的に取り入れるだけで大きく変わってきています。このような例もあるので、こんなことができますよというイメージを出し、それが時短になり働き方改革になり、さらにそこから授業改善が進んでいると伝えていくことと思います。結局、先生たちが使っている校務支援システムのコミュニケーションツールは先生しか使えないので、授業では使えないわけですが、実際授業では、ほとんどコミュニケーションツールのように端末を使っているので、そういうことがこの観点②のことだけでもできますよというイメージがあるといいかと思います。
 もう一つは先ほどの執行委員の話がありましたが、ダッシュボードと言われてもなかなか通じないわけで、一番簡単なのは調査をかけられなくても、調査元で分かるようになるということがあり、ダッシュボードがきちんとできるようになれば。調査しなくても分かるようになるようにデータが1か所に集まっていて、調査も変わっていくというような説明があるといいかと思います。このように、ぱっと見て分からない言葉については、どのように変わるかというようなイメージをこの中に入れていくことが大事ではないかと思います。
 また、校務系のデータは何かということは分かりますが、学習系のデータをどう集めるかについては、授業のシステムが完全に変わってきていますので、これから何を集められるかは本当に未知の部分だと思います。ですので、順番に取り組みながら、こんなデータも集まっているね、これをちょっと使ってみようかといったことを進め、校務系とは別の進め方になるのではないかと思いました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。どこからやっていくかといったときにそのクラウドツールを校務でうまく使うと、そこでコミュニケーション的に便利になるいろんなことが、最終的には先生たちの授業のアイデアにつながるというのは、これは水谷委員が以前もおっしゃったことですけども、非常によい方法だと。つまり、校務がDXされ、そういう中で仕事をするということがOJTになっていて、授業への着想につながるんだという、これこそがGIGAスクール環境で私たちがやらなきゃいけない校務のDXの考え方の一つかと思いますので、それをもうちょっと強く打ち出せるようにできればと思っております。
 それを妨げそうなのがいろんな意味でのネットワークのセキュリティあたりです。そういうことをきっとおっしゃるんじゃないかと思って、今、前振りしました。髙橋邦夫委員、お願いいたします。
【髙橋(邦)委員】  ありがとうございます。まさにネットワークセキュリティの話をさせていただこうと思っていたところでございます。
 その前提としてこの資料の第3章、前回から大きく変わって、すごくよくなったと思っています。3章の(1)にこれまでの課題が出てきて、それを解決するためにネットワークの統合を含めて様々な施策を打ったらどうですかという持っていき方になっていますから、読み手が理解しやすくなったと思っております。
 セキュリティについても前回の資料を批判する気はないですけれども、いきなりゼロトラストが出てきたものが、今回は3-3でセキュリティについて触れた上で、「何を」「何から」「どのように」守るかということ、この視点が入ったことがとても大事だと思います。
 その中で、今回15スライド目(図の1)が付け加わったことも非常に注目すべきと思っています。これはセキュリティポリシーガイドラインで一例として重要性分類でⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと分けて、校務系の情報はこれがⅠに当たるみたいな形で作ったものでして、学校現場の先生方からの声を聞いて反映したものではなかったことあって、あくまで一つのたたき台で出しております。
 先ほど武藤リーダーからお話があったように、これは個々の自治体、個々の教育委員会が自分たちにとってこの情報はどの程度の重要性があって、この情報は校務系で扱うべきなのか、学習系で扱うべきなのか、そういった議論をしていただくことで初めてポリシーが有効性を持っていくと思っています。ガイドラインの改定の中で見直しはしていきたいと思っておりますけども、一方で、個々の自治体で自分たちがしっかりと「何を」「何から」「どのように」守るかということを検討していただく、これが一番大事なことと思っています。
 ですので、ガイドラインにあるからそれに従わなければいけないと思考停止をするのではなくて、自分たちの情報をどうしたら有効になおかつ安全に使えるか。そのような視点で個々の教育委員会がこれを読んでいただけるようになると、非常によくなるなと感じたところでございます。
 
【堀田座長】  ありがとうございます。心強い意見をありがとうございます。
 それでは、鶴田委員、最後にしたいと思います。お願いします。
【鶴田委員】  失礼します。先ほどの課題のところで言うべきかちょっと迷ったというところなんですけども、課題のところの③番のところで、教育委員会ごとにシステムが大きく異なり、人事異動の際の負担が大きいという項目がありました。私、県の教育委員会の立場ですので、非常にここを注目して見ておりました。
 このことを踏まえて、そして3章の次世代校務DXのイメージというところに入ったときに、あまりそのニュアンスをちょっと感じられなかったというところがあります。つまりこの第3章の校務DXのイメージというタイトルを見たときに、どんな校務DXの世界があるのかというところがちょっと薄いような気がして、どちらかというとシステムがこういう形であるという、システムやネットワークはこういった要件であるということが中心的に述べられているなと思いました。
 もし例えば、国としてこの③の課題を受けて、県でやっぱり同一のシステムをという姿を描くということであれば、このDXイメージの中に入ってくるでしょうし、小﨑委員が言われたような中高の連携のところもイメージとして入ってくるのかなと、それを支えるシステムイメージということになるのかなと思いました。
 ですので、ここのタイトルとその書かれていることで若干違和感を感じたというか、こういったDXをされた世界が待っていますよということが、若干その異動のところではちょっと薄いような気がしたので述べさせてもらいました。
 すいません、以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。ちょっと期待させ過ぎな書き方になっているのかもしれません。これは国の役割をいろいろ考えたときに、国がどこまで言っていいのかというのは地方自治の今日、非常に難しいところがありますので、調整をしながら、今、鶴田委員の主張というか趣旨はよく分かりましたので、確かに3章のタイトルと中身はちょっと大きさが違う可能性はありますので、そこは見直してまいりたいと思います。
 では、次、第4章、これに残り時間を充てたいと思います。第4章、今後取り組むべき施策のところでございます。これは取り組めるかどうかは予算の問題とかもありますし、あるいは国が取り組むかどうかだけでなく、各自治体があるいは各学校で取り組んでいただかなきゃいけないこともございます。これについて、ここに書けることと書けないことあるかもしれませんけど、できれば書いてあったほうが今後の課題としてこういうふうに挙げられておりますよ、うちの自治体でもやりませんかみたいにやりやすいかもしれないという意味で、ぜひ書き込めるような御意見をいただければと思うところでございます。
 特に過渡的な取組というのが21ページにありますけど、ここはまず現状の中でもできることはこうなんじゃないか、あるいは学校のレベルで、校長の判断で結構できることとしてこういうことがあるんじゃないか。さっきの帳票の話なんか、井上委員から出た件は、長年検討していてまだここだと考えれば、なかなか難しくてすぐにはできないのかもしれないんだけど、過渡的な取組としてはすぐここからできることはあるんじゃないかみたいなことが書き込めるエリアもありますので、ぜひそういう観点から御意見をいただければと思います。
 では、残り時間、入る範囲でお話しいただきたいと思いますので、挙手をお願いできればと思います。
 つなぎ的に私、話しますが、先ほど髙橋邦夫委員がおっしゃったセキュリティポリシーありきみたいな、それで思考停止みたいな話は非常にしんどい現実がありまして、こういう決まりだからこうしなきゃいけないみたいにみんなルールに従うことが目的化してしまっているところもあります。そもそも先生たちが生き生きと子供たちに対応するために、バックヤードである校務をどう改善していくかという話で、それがやりやすくなるようにするためにどのようにセキュリティポリシーを工夫して、自治体ごとに作るかという話なのに、逆になっているというところですね。この辺は本当に非常に大きな課題だと思うんですが、少なくともこの文章に、私たちが出す最終まとめに今のようにセキュリティポリシーをただ守ってそっちから考えなさいみたいにならないように、うまくメッセージを出せればと思います。
 4人手が挙がりましたので、石井委員、小﨑委員、中村義和委員、水谷委員の順番で御指名いたします。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】  よろしくお願いします。石井です。
 21ページのところをお話しさせていただきます。過渡的な取組ということで、もう既に今までの教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを守って整備した自治体に対してのすごく配慮というところを感じる一部になっているなと思っております。
 次の「しかし、こうした自治体においても」というところは非常に大事なところだなと思っているんですが、取上げ的には小さいのかなみたいな、すぐにできる取組みたいな形で項立てしてでもここはできますよと。今の現状で諦めないでくださいというところを伝えていきながら、ここを大きく取り上げてもいいのかなと思って見ておりました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございます。なるほどと思いました。
 では、小﨑委員、お願いいたします。
【小﨑委員】  校務に関するデータの扱い、学習系の部分であっても同様ですが、クラウドの利用が可能になってきたことによって、いろいろなデータの扱い方が変わってきていると思います。かなり前から井上委員とか藤村委員とかとは、会うたびにいろいろな話になるのですが、そもそもこういうことをやっていきたいと思ったときに、データ連携があればという話が多いんです。また、先ほど藤村委員がおっしゃったように、そもそもこれってなぜ県でやらないといけないんですかね、何々市はお金を持っているからできるんだよねとか、そういう話になりがちで、せっかくのいい事例がうまく広がらないというんですかね、結局、うちはうちは、という話にすごくなっていってしまっている現実があったので、やっぱりここは、4章でとは限らないんですけども、広域、とにかくできるだけ、小さい自治体同士、隣の県ともまずはつながりを持つ、いろいろ話もしてみる、標準化について考えてみる、という場づくりなんかも大事ですよね、というメッセージが大切ではないかと思いました。さらに、こういう部分に関しては、国で標準的なものを示すことによって解決するじゃないのということがあると思いますので、今からはこうしてくださいとか、これを決めないとだめだとか、そういう縛り的なメッセージではなくて、広域でものを考えることで、物事が進みませんかと思うわけです。
 それは、教育委員会とか、学校だけじゃなくて、何かをしようと思ったときに自治体のルールでうちの自治体はそれは駄目ですと、夢が消えていく現実があったりしますので、そういうことも考えたときには、やっぱり自治体の中での日頃からの連携とか、そこは、最初の妹尾委員がおっしゃっていたようなこともあって、やっぱり教育全体の改善がありきで、時間がないと言うんだったら教える時間数を減らしてもいいんじゃないのという議論なんかが出てきたりとか、デジタル化で解決するのではないかという話はもちろん、みんなで考える、もしくは今はばらばらで考えていることだけど実は一つでいいんじゃないのか、必要以上のルールで縛って尻込みしているところを一緒に手を組むことでやってみようよ、というようなニュアンスで、とにかくつながりましょうと、大きいところでどんどんこうやっていきましょう、それは広域でやっていくべきですよねというメッセージが入っていればいいのかなと思いました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。この広域連携については、人口減少社会においては非常に重要な観点だと私は思っております。何かうまく組み込みたいと思います。ありがとうございました。
 中村義和委員、お願いいたします。
【中村(義)委員】  ICT CONNECT 21の中村でございます。ロードマップに関連して発言いたします。
 次世代の校務DXの実際の導入では、それぞれの自治体は多分手探りで準備を進めていくことが多くあると思います。GIGAありき、それからクラウドツールとの連携、セキュリティ重要性の分類や様々な要素技術が利用されていく、さらに共同調達と、課題は何でどのように対応したらよいかなど検討項目は非常に多いので、それぞれの現場で導入検討に多くの時間がかかると思います。
 これを効率的に進め、また校務DXをスムーズに実現するために、導入業者とかサービス提供者、保護者といった方たちも含めて関わってくる多くのステークホルダーが行うべきことを特に時期や責任を含めて整理して、パターン化したテンプレートを整理することが大切と感じました。誰が何をいつどのように準備して実行していくかを学校環境に合わせて幾つか、2年程度のスパンのテンプレートを先行自治体や実証事業などから作り上げられれば、校務DXがより効率的に成功裏に進んでいくと思います。
 私からは以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。では、続きまして、水谷委員、お願いいたします。
【水谷委員】  お願いいたします。先ほども少し述べましたが、今後取り組むべき施策なので、これは国がやるべきことがほとんどだと思いますが、中には自治体としてや学校がという部分も混在をしていると思います。
 どうしても学校には関係ないなと校長たちに思われてしまうと、せっかくのことが通じないので、やはり学校としてできることや、自治体単位でできることということを、もちろんこの中にすべて込められているのですが、ちょっと特出ししていただいて、何かメッセージ性が高まるようになるといいなと思います。
 ただ、それは校務DXガイドラインなど別のもので扱うことになるかもしれませんが、少なくともこのまとめの中に、現場に直接こういったことができるよというような働きかけがあると、より伝わるのではないかと感じました。中身の問題ではないです。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。水谷委員、逆質問ですいませんけど、それは具体的に言うと、どれを現場ですぐできるんじゃないのって書いたらいいでしょうか。
【水谷委員】  そうですね。本市でやっているようなことであれば、市と学校が組めば十分できることだと現状でも思いますので、そういうことを先にやりながら、こういうシステムを考えていくようなことを具体的に示すことで、メッセージ性が高まるのではないかと思います。
【堀田座長】  ありがとうございました。助かります。
 それでは、今3人、残り挙げていらっしゃいますので、この後、石井委員にまずしゃべっていただいて、藤村委員、最後に座長代理の高橋委員にお願いしたいと思います。
 では、石井委員、お願いします。
【石井委員】  よろしくお願いします。石井です。
 今の水谷委員とも関連するんですけれども、先生方がこのシステムの更新、今一生懸命委員会で考えていけば子供たちと先生方との距離というのが離れていってしまうのかなというところを心配しています。ダッシュボードをつけました、何をつけました、整備はぴかぴかにしたんですけれども、果たして使う先生たちが学校DX、校務DXというところに視線がいっているのかなというところが1点心配になってきているところです。
 本市でも来年度、学校DX研修講座みたいな形で少しずつデータ利活用だったり、学校の働き方を変えていきましょうというところをお伝えしていくというふうに計画していますので、このシステムが実現するために、先生方をそこまである程度DXの入り口にお連れするみたいなそういうようなことも、先ほどの水谷委員と同じなんですが、このガイドラインに示されたほうがいいのか、この中に示されたほうがいいのかちょっと何とも言えないんですけれども、研修の充実みたいな形でも取り入れていく必要もあるのかなと思っておりました。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。では、藤村委員、お願いいたします。
【藤村委員】  まず最初にこれまでの議論を、よくここまで分かりやすく構造的にまとめていただけたと強く感心していまして、武藤リーダーはじめ学校デジタル化プロジェクトチームの整理に本当に心から御礼申し上げたいと思います。
 せっかくここまですばらしいので、私が最近感じているのは各自治体、特に地方に行ったときに、こんな検討を行われていることすら知らないという問題がございます。最近その情報伝達の仕方というのを考えると、プッシュ型のサービスをしてもいいのではないかと考えています。「見に来てください」ではなく、例えば「このようにまとめましたので、この旨、現場のほうで周知してください」ということを都道府県教委にまず言って、県教委から確実に各市町村自治体にも情報が行くような、そんなことをお考えいただくといいのかなと考えていた次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございます。大事なところだと思います。
 では、高橋座長代理、お願いいたします。
【高橋(純)座長代理】  高橋でございます。本当にこの部会、会に出させていただいて、本当にいろいろ積極的に学ぶことが僕もできて、本当にDXの時代なんだなと思っています。
 それでこの会議はやはり座長の堀田委員がおっしゃったとおり、タイトルにGIGAがあるということと、中身でDXという言葉がキーワードになっているというのが、会議体としての非常に大きな特徴だなと思っております。
 その一方で、諸外国から比べれば10年、20年の単位で我が国は遅れている上に、地域間で非常に温度差や予算の差がある中で、さらに標準化等言われたりもしながら、一つのドキュメントをまとめる苦しさというのが今日もいっぱいあったなと思います。これは伝わらないという意見を伺っても、あの地域だと伝わるのになとか何かやっぱり思うことがありますので、非常にこれはまとめても伝えていくというところが難しいかなと思っております。
 DXに関しては、先ほど鶴田委員からもイメージみたいなものを書いたらいいんじゃないのかとか伝えるべきじゃないのかというそのようなお話があったように思いますけれども、さらに石井委員からもDXが大事ということは部署がまたがっているので、こういうことを最初に書いたことがよかったという御発言あったと思います。
 僕は基本的にDXというのは、手順がなくなったり、手順が省略されたり統合されたりする。つまりそれは部署がなくなっていったりすることを意味するんだと考えておりますので、部署の中でのデジタル化ということを考えている範囲では、やはりDXというのは起こり得ない。もう少し一段、二段高い視点で、なぜこういう業務があるのかということを見ていかなきゃいけないのかなと思っております。
 また執行委員から、コロナで仕事が大分精選されてきたというようなお話もあったと思います。私自身も、今校務情報化に限らず、現場ではかなり仕事を減らしていく取組が行われている中で、さらに、この校務支援システムで減らしていくということを考えると、やはり先ほどもDXと申し上げましたけど、もうその特定の部署や仕事がなくなる可能性も踏まえて、高い視点から見ていくんだと。だから、むしろ現場のその方の1つ上、2つ上ぐらいの方に高い視点から考えていただかないといけないということで、これまでの業務改善の手法とは少し違うんだなと感じております。
 その際に、私は山口委員がおっしゃったのが、ロケーションフリーで、現場で工夫ができるというお話があったと思います。この工夫というキーワード、非常に重要だと思います。DXを進めるに当たって、やはり高い視点とはいえそこは工夫があるわけで、ロケーションがフリーになることでたくさんの工夫を生み出す余地が僕は生まれるんだと思います。その結果として、在宅勤務ができるようになったりするわけで、その例として在宅勤務と書いて、在宅勤務しろと言っているわけではないと思います。その辺の工夫を生み出す自由としてのロケーションフリー。結果として、職員室の自席以外にいろんな場所でもお仕事ができるようになって、そういったことが繰り返されることで、ある手順やある業務やある部署も消えていくみたいな、そういった工夫が起こるんだなと感じました。
 その際、ロケーションフリーという場所の制限、もう一つの制限のほうで、セキュリティ周りで髙橋邦夫委員からルールがというお話ありましたけども、こういう場所やルールがもう少し柔軟になっていくことで、非常に大きな業務改善、DXが進んでいくんじゃないかと感じました。
 まず第一歩で、この報告書を見てみると、最後の23ページの図4のここが一番分かりやすいですから、令和7年に一番早い自治体で次世代システムが稼働するんだと。そこまで何も改善しない話に捉えられそうだと思いますけれども、僕はやはり今回この会議がGIGAという頭文字がついているとおり、先ほど堀田座長はGIGAスクール構想でたくさんのデータが、子供のデータが取れるということがあったと思いますし、世界最先端のクラウドツールが子供全てに渡って、先生も全て使えるような環境になっているわけですから、そういうGIGAスクール構想で整った環境を先生のほうも業務でフル活用していくということが重要で、それが強いては授業にもGIGAスクール構想でそろえた端末を生かした授業にもいい影響を及ぼすと。これは水谷委員がおっしゃったことのとおりだなと思います。
 私、非常にGIGAスクール構想で整えられた新しいクラウド、汎用のクラウドシステムが非常にいろいろな制限を受けて、十二分に発揮できないような状況で、だから仕事がプラスアルファで増えていっているようにみえている、こういうような現実を考えますと文部科学省で示している教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン等では、そういう制限はないことになっておりますので、その辺り、このDX、令和7年度から次期システムを動かすとしても、その前のルールを設計したり、ルールを改定したり、それを周知したりする、そしてGIGAの環境を作っていくということは、今すぐにでも始めなきゃいけない重要なことだなと思っています。
 そうやって、ロケーションフリーとかそういうことに慣れていきますと、きっとスマートフォンとかそういうものを先生も1人1台ずつ持って、いろんな働き方、いろんな仕事の仕方になっていくかなと、文部科学省の方々も今スマートフォンとノートパソコンをどこでも使えるのをお持ちですから、いずれそういうようなものが学校の先生たちの周りにも普及していくような、そういうような慣れや雰囲気を作っていければななんていうふうに思ったところです。
 先生方の議論を聞いて、長くしゃべってしまいました。以上としたいと思います。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 それでは、今日はここまでにしたいと思うんですが、最後に私、座長として一言だけ。私たちがこの今回最終まとめを出す際に、一番大事にしたいのは先生方の気持ちでございます。先生たちが働きやすくなる、子供たちのために全力を尽くすことがしやすくなるためにこれをやりたいと思っています。そういう観点では、そのためにいろいろ実現しようと思っているのに、やたらと細かいレギュレーションを作ってしまって現場を苦しめたりしてしまうということが今まで繰り返されているので、この辺りをもうちょっと自由にし、そして今風のと言ったらいいでしょうか、民間等であるいは社会や家庭で普通に使われているクラウドシステムをもっと学校でうまく使えるようにすることで、先生たちが働きやすくなるという、これを実現したいと考えておりますので、そういう前提で、この話をうまく整理していきたいと思います。
 そして、それは中央教育審議会等で議論されている働き方改革です。これは今単純に早く帰れみたいな時短の話にばかり結びつけられがちですけど、そうではなくてもっと質、働き方の質の話につなげていければと思うところでございます。本日はたくさんの御意見をいただきまして、全部で22件の御意見がありました。本当にありがとうございます。
 それでこの意見を踏まえて、次回は最終まとめの取りまとめに向けた議論ができればと考えております。ちょっと事務局が大変かなと今思っているところですが、私と座長代理の高橋委員、何度も文部科学省に来てこれを一緒に作っておりますので、そういうようなことを、下ごしらえをした上で、場合によっては皆さんに事前に何か照会するかもしれませんが、そういう形で次回最終まとめを取りまとめられればと思っております。
 そこまで至ることができれば、その後に中央教育審議会の初等中等教育分科会等で何らかの御報告を、私も委員でございますのでしたいと考えているところでございます。
 また本日、十分に御意見、御発言いただけなかった、あるいは具体例をぜひ欲しいわけですけれども、そういう文例も含めてそういうようなことについてはぜひ現場の声を聞かせていただきたいということになりますので、ぜひ事務局まで割と早めにメールで御意見等をいただければと思います。もし今日の藤村委員のようにまとまった文書で何か御提出いただけるような場合には、資料として採用して掲載するということ、公開するということをしたいと思いますので、そういうふうになさる場合はそういうふうにお願いしたいと思います。
 少し時間は早いですけども、皆さん、たくさん御意見いただきましたので、本日の会議はこれまでとしたいと思います。どうも皆さん、御協力ありがとうございました。
 

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