GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第7回)議事録

1.日時

令和4年10月17日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. 令和5年度概算要求について
  2. データ連携の方向性について (デジタル庁 国民向けサービスグループ教育班)
  3. データ連携の先進自治体よりヒアリング (東京都渋谷区教育委員会)
  4. 自由討議
  5. その他

4.配付資料

5.出席者

委員

石井委員、石田委員、井上委員、今井委員、清野委員、小﨑委員、執行委員、妹尾委員、髙橋邦夫委員、高橋純座長代理、鶴田委員、中村めぐみ委員、福原委員、藤村委員、堀田座長、水谷委員、山口委員

文部科学省

村尾 財務課長、武藤 学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、伊藤 学校デジタル化プロジェクトチーム専門官、菅谷 財務課専門官

6.議事録

GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第7回)

令和4年10月17日

 
 
【堀田座長】  定刻になりましたので、只今より、GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議の第7回会議を開催いたします。前回に引き続きオンライン開催とし、事前に登録のあったメディアや一般の方にも御視聴いただいております。
 議事に入る前に、ウェブ会議の留意事項及び資料について少しだけ確認します。まず、御発言は挙手機能でお知らせいただき、お名前をおっしゃった上で御発言ください。御発言後はミュートにしてください。
 本日の資料は、資料1から資料3-2までと参考資料になっております。会議に関して、あるいは資料に関して御不明な点がございましたら、事務局にチャットや電話等でお知らせいただければと思います。
 本日の出欠ですけれども、中村義和委員と渡部委員が御欠席でございます。また、小﨑委員は遅れて御参加と伺っております。
 では、議事に入る前に、今日の大まかな流れ、あるいは議題を少し確認してまいります。
 議題が4つあります。議題1では、8月末の概算要求事項について、事務局より御説明をいただきます。議題2では、デジタル庁が1月に出した「教育データ利活用ロードマップ」、その後も御検討は進んでいると思いますが、私たちが8月に出した中間まとめ、このことと関係の深い部分につきまして、デジタル庁から、デジタル庁におけるデータ連携に関する取組の現状も含めて、15分程度で御説明をいただく予定です。この議題1と議題2、合わせて質疑応答等の時間が15分ほど設ける予定になっております。
 続いて、議題3ですけれども、議題3では、教育データの連携に先進的に取り組んでいる東京都渋谷区の教育委員会より15分程度で御発表いただくとともに、その後、データ連携基盤の構築を担当された日本マイクロソフト株式会社より10分ほどの補足説明をいただくということになっております。その後、また質疑、意見交換の時間といたしまして、最後に、議題4として、自由討議を予定しております。
 それでは、議題1から早速参りたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。
【武藤リーダー】  失礼します。学校デジタル化プロジェクトチームリーダーの武藤です。お手元の資料1をベースに、概算要求について御説明をしたいと思います。
 まず1つ目が、次世代の校務デジタル化推進実証事業ということで、まさに8月の最後の前回の会議でおまとめいただいた中間まとめをベースに概算要求をしております。令和5年度要求・要望額10億円(新規)ということで、背景・課題として、統合型校務システムの整備率は上昇しておりますが、校務効率化に大きく寄与してまいりましたけれども、ほとんどがネットワーク分離による自組織内設置型運用でございまして、校務用端末は職員室に固定されているため、今、GIGA時代・クラウド時代の教育DXに適合しなくなっている、こういうまさにおまとめいただいた問題意識の下に、大きく7点課題を整理、まさにこれは中間まとめと同様の内容でございます。
 こういった課題を解決するために、事業内容、中ほど以降ですけれども、民間事業者を活用しつつ、教育委員会・学校現場の共通理解を得ながら以下を実施するということで、教育データ標準化に関する政府全体の検討状況、今日また御説明ありますけれども、あるいは、教育行政調査システムのデジタル化、こういったことの状況を踏まえながら、3年程度かけて次世代の校務のデジタル化モデルの実証研究を全国各地で実施して、事業終了後5年後を目途に全国レベルでのシステム入替えを目指してはどうかということであります。
 あわせて、この実証研究の進捗状況も踏まえながら、校務の棚卸・標準化、この中にデジタル化すべきものの峻別、通知表を含む帳票類の共通化、あるいは、汎用クラウドサービスとの役割整理、まさにこの会議で御議論いただいたようなことですね。こういったことも踏まえて、毎年度アジャイル方式で「DXガイドライン」を策定したり、あるいは、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を改訂する、こういう内容でございます。
 1枚おめくりいただいて、2つ目の資料が、教育DXを支える基盤的ツールの整備・活用ということで、総合教育政策局のほうで要求をしているものであります。これも同様に10億円となっておりますが、背景・課題として、教育データの利活用の促進、これは基盤となるルールとツールの整備が重要であるということでございます。これまでツールの整備をそれぞれの主体がバラバラに取り組んでおりまして、必要な知見や成果が散在しているということで、全国共通で整備が必要なツールについては、文部科学省で整備を行う必要があるということでございます。
 また、共通ルールを整備して、様々なシステムを相互連携、あるいは、一体的に運用して、効果的な分析・研究をすることで、政策実践を改善する仕組みを構築することが必要だと。
 こういう課題認識の下に、大きく3つでございますが、文部科学省のCBTシステム(MEXCBT)の改善と活用の推進を行うために必要な経費、2つ目に、文部科学省WEB調査システム(EduSurvey)の開発と活用促進。これは3つ目の丸のところにありますように、令和4年度、約30の調査をトライアルでやっておりますけれども、更にこのシステムの利便性の向上などを行いまして、令和5年度は約100の調査で実施したいと考えているものでございます。
 このことによって、1つ丸が戻りますけれども、学校現場や教育委員会からも調査結果の自動集計、あるいは、即時的な可視化・分析、いろいろニーズは高うございますので、これを更に推し進めていきたいということでございます。
 (3)です。教育データの利活用の推進ということで、利活用に不可欠なデータ標準化の推進、活用促進のための仕組みの構築、あるいは、MEXCBTの解答結果等を活用したデータの分析、安全・安心の確保に向けた個人情報保護、こういった教育データ利活用に当たって留意すべき点を整理いたしたいと思います。あわせて、ウェブ上の学習コンテンツの充実・活用促進、あるいは、生涯学習分野の学習履歴のデジタル化、こういったことに関する調査研究も行って、教育現場へのフィードバック、あるいは、新たな知見の創出を図りたいと、こういったことでございます。
 以上2点、大きく本検討会議の議事に関わる概算要求の状況として御報告いたしました。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 今お話しいただきました概算要求についてですけれども、概算要求事項はいろいろたくさんあるわけですけれども、校務の情報化に深く関わると思われるものを2つ御紹介いただきました。MEXCBTにしても、調査システムEduSurveyにしても、今までは手でやっていたことを、手でやったほうがいいことも残るとしても、大体の部分を合理的にデジタル化して、データをうまく活かせるような形にして、先生たちの働き方を少しでも支援していこうと、それの先導的なモデルの実証研究を行って、校務を情報化するとこれぐらい楽になるよ、そのためにはこんな仕組みが要るよというようなことを明らかにしていくという、ちょっと大がかりな話ですが、これは全国どの自治体でも、うまく校務の情報化が移行して、楽になるようにしていこうという大きな流れだと理解しております。
 続いて、国レベルでどういうふうにサービス等の検討がされているのかにつきまして、デジタル庁の国民向けサービスグループ教育班の丹羽参事官補佐より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【丹羽参事官補佐】  ありがとうございます。デジタル庁の丹羽と申します。
 では、資料のほうをお願いしてもよろしいでしょうか。冒頭座長から御紹介いただいたとおり、教育データ利活用ロードマップというものを、デジタル庁と文部科学省と総務省と経済産業省、この4省庁で策定させていただきまして、それ以降の取組として、データ連携の方向性ということで、本日御紹介させていただきたいと思います。
 次のページをお願いいたします。ロードマップのポイントということで、こちらはおさらいになるんですけれども、デジタルトランスフォーメーションという、デジタル化によって教育の価値観、価値基準、在り方、制度というものが変わっていく、その前の段階を我々のスコープとして、デジタライゼーションというICTをフル活用して、学習者主体の教育へ転換させるような環境整備に取り組んでいきたいと思い、このロードマップを策定させていただいております。
 次のページをお願いいたします。具体的に申し上げると、短期・中期・長期ということで、長期のほうが最終的に真に「個別最適な学び」と書かせていただいているんですけれども、データが蓄積されて、蓄積されたデータによって、個別具体的で個々に応じた学びを実現していくと。そのために、我々、必要だと思っているのが、今取り組み中の中期のところなんですけれども、赤で囲わせていただいているように、GIGAスクール構想のおかげで学習者が端末を日常的に使うようになっていて、これが教育データ利活用のためのログ収集が可能になっていくと。ただ、このログ収集自体が、内容・活動情報を含めて一定粒度で標準化されていって、学校・自治体間でうまくデータが連携されていくような方向にならないといけないと思っております。
 次のページをお願いいたします。そうした中で、後ほど御紹介させていただくんですけれども、校務支援システムというのは、教育分野における学習系のシステムと接続の結節点であるとか、教育分野に限らず、福祉系とか医療系という分野との連携に当たっても重要なシステムとなっておると理解しておりまして、そういった中で、校務支援システム自体が帳票類の標準化が進んでいなかったり、あとは、学習系とのデータ連携が困難であったりとか、教育行政系に留まらず、福祉系との連携が前提となっていない等、こういう前提に立って、本専門家会議で御議論いただいていることは、デジタル庁としてもすごくありがたいことだと思っております。校務支援システムの取組が標準化されていくということ自体は重要だと認識しております。また、こうしたデータが集まって、かつ、活用できるようなインターフェース自体も我々は必要だと思っておりまして、そのことも議論いただいたり、あとは、本日この資料の中には書かせていただいていないんですけれども、デジタル庁の重点計画という政府全体の閣議決定文書の中でも、クラウド・バイ・デフォルトの原則ということで、クラウド化していく方向性に則って本専門家会議でも御議論いただいていることは、すごくありがたいことだと思っております。
 次のページをお願いいたします。こうしたデータ連携ができる、たまる・つながるということが、ノーマークの児童生徒の早期発見や、きめ細かな指導に活かせたり、あとは、施策の効果分析・改善というところにつながっていくという活用の方法ですとか、次のページをお願いいたします。
 あとは、行政機関の立場から、プッシュ型の支援につなぐとか、そもそも新しい知見を活用して学習指導要領の改訂に活かしたり、優良事例を横展開し改善したり、このデータ自体がよりよく活用されていくような環境に持っていくことが重要だと思っております。
 次のページをお願いいたします。ここからが今回御説明したい本題になるんですけれども、1つは、校務系と学習系のデータ連携についてということで御説明させていただきたいと思います。
 次のページをお願いいたします。こちらは文部科学省の教育データ利活用の有識者会議で御議論いただいている資料を拝借して、こちらのページに添付させていただいているんですけれども、教育情報システムの全体像ということで、左のほうは、首長部局で持っているような住民記録システムや児童手当システム、生活保護システムというグレーのシステムがあるんですけれども、そこから右のほうへ行って、色つきのところで、赤枠で囲われているところが、教育情報システムの全体像ということで描いていただいているんですが、この中で学齢簿システム、その右の校務支援システムは青字になっていまして、更にその右が学習eポータルという形で、この3つが教育情報システムの中の結節点にあり、かつ、核となるようなシステムだと我々は認識しております。
 次のページをお願いいたします。教育データ利活用ロードマップの中でも、そうしたことを認識しながら、学齢簿や、校務支援システムとか、学習eポータルというものが、優先順位をつけながら随時標準化を行っていくという方向感の下で、文部科学省とか、総務省、経済産業省のところで頭合わせをさせていただいて、我々は取組を進めさせていただいております。
 次のページをお願いいたします。
 ここは情報の御参考ということで添付させていただいております。
 次のページをお願いいたします。これが今回の実証事業の取組なんですけれども、左の青いところが校務支援システム、真ん中のところが学習支援システム、更に、学習支援システムにつながる学習アプリというもので、先ほど学齢簿システムについては、デジタル庁のほうで20基幹業務標準化ということで、ガバメントクラウドにシステムを載せて標準化を進めていく取組自体は既に進んでいるんですけれども、それ以外の標準化とか、クラウド化とか、各システムをつなぐ技術規格を実証して、ちゃんとつないで、ちゃんと情報がたまって、その情報が活用できるのかどうかというところを、我々は今年度実証事業を行おうと思っております。
 簡単に御紹介させていただきますと、この校務支援システムというところから青の線で学習支援システムにつながるものが、OneRosterというものになっておりまして、これが児童生徒の主体情報、お名前とか、御出身とか、生年月日のような記録自体を技術規格として学習支援システムのほうにつなげると。これをすると何がいいかということですけれども、年度更新ということで、1年生に入ってきた新入生の学生さんとか、あと、進学などの学年変更なんかによって支援システムの情報を入れ替えたりするときに、個々の児童生徒さんの情報を先生が入力するのはかなり手間だということで、ここが規格上スムーズにいくことで先生の御負担がなくなると。
 あとは、学習支援システムと学習アプリケーションなんですけれども、学習支援システムは一種箱だと御認識いただければいいと思うんですが、シングルサインオンとか、管理するだけで、中のアプリケーション自体は色んなものを活用できるという仕組みを目指しておりまして、そうした色んなアプリケーションがシームレスにつながるような規格として、LTI標準という形でつないでいくことを実証しようと思っています。
 更に、その先に、学習支援システムからシングルサインオンで入って学習アプリケーションの中で、児童生徒が一つ一つアプリケーションを操作いただく中で、xAPI標準で活動履歴、誰が、何を、どんな活動をして、それがいつ行われたかというのを蓄積していくことで、この蓄積されたデータで子供たちの学習傾向の分析に活かしたりという形で、児童生徒の学習管理とか分析という形に活かしていく。
 こんな校務支援システム、学習支援システム、学習アプリケーションの間をつなぐ技術規格を、今年度、各々ベンダーさんがいらっしゃるんですけれども、事業者さんに御参画いただいて、校務支援システムであれば10事業者程度、学習支援システムであれば10事業者程度、学習アプリケーションであれば30事業者程度に御参画いただいて、取組を進めていきたいと思っております。
 次のページをお願いいたします。続きまして、教育分野に閉じずに、保育とか、福祉とか、医療等の分野横断的にデータ連携する取組についてでございます。
 次のページをお願いいたします。こちら、こどもに関する情報・データ連携副大臣プロジェクトチームを、これまた文部科学省、厚生労働省、内閣府と一緒に副大臣級で議論を進めまして、その中の議論の整理を踏まえて、7自治体で実証事業を今年度6月以降から順次進めさせていただいているという状況になっております。
 次のページをお願いいたします。本日は1つの自治体さんを例に御紹介したいなと思っているんですけれども、広島県・府中町さんの取組ということで、こどもに関する情報・データ連携って、そもそも何を目的にしているかというところなんですが、貧困とか、虐待とか、不登校という困難を抱えているお子さんを、日常的に学校の先生の目だけではなかなかすくい上げられないというところを、データを連携させることで、その予兆を感じ取って、この子は注意しておいたほうがいいよなという、予防的な措置をデータの仕組みを使ってうまくできないかということを考えて、取組を進めさせていただいております。
 この広島県・府中町さんの取組なんですけれども、左のところに連携元システムということで、首長部局のシステムであれば、住基システムとか、生活保護のような家庭の状況を把握するシステム、健康管理の状況、健診を受けられているかどうかが把握できるシステムや、虐待相談や通告の状況が分かる首長部局システムに加えて、校務支援システムを連携させていくことで、学校内外の状況を、データを分析して組み合わせて、真ん中のデータ連携システムを、個人情報になりますので、適切な範囲の中で御確認いただいた上で、プッシュ型の支援につなげていく、こういうような取組をしている状況になっております。
 次のページをお願いいたします。ここからAs-Is/To-Beということで、今の現状を改めてこちらでマッピングしたものがこの資料になるんですけれども、左上のほうで学校現場ということで、教職員の方々が、1.Aのところなんですが、日々の状況・予兆の気づきみたいなものがあれば、それを右側の福祉現場に繋いで、電話とか訪問とかによって確認するための最初の情報として伝えていくんですけれども、やっぱりここはなかなか連携がうまくいかなかったり、ちょっと遅れてしまうことによって、後々の対応策の決定や、支援の接続というところに支障を来してしまうと。ここをうまくデータで組み合わせるというのが、次のページになるんですけれども、お願いいたします。
 To-Beということで、データ連携システムというところに、真ん中の学校現場とか右側の福祉現場のシステムを連携させることで、随時情報が入ってきて、その情報をうまく組み合わせていくことによって、真ん中下のところの分析・判定、2.Aのところになるんですけれども、連携したデータをシステムで確認することで、一々情報を共有せずとも、そこで自動的に情報が回ってくると。そうした内容を基に、福祉現場の方々が人の目で見て判断して、この子たちはどうなのかというふうな対応策を決定していくと。ここがスムーズに素早く連携していくということが、このデータ連携の肝だと思っておりまして、その中でも、校務支援システムというところが中核的なシステムとして欠かせないと。教職員の方々が日々の子供たちの状況などを記録して、この校務支援システム等をうまく活用していくことが重要ではないかと考えております。
 次のページをお願いいたします。これは御参考までにということで、ユースケースとして、こんな取組がありますということを資料としてつけさせていただいております。
 次のページをお願いいたします。これは他の7団体の取組を一覧表にまとめさせていただいたものなんですけれども、真ん中あたりに教育部局系が持っている校務系情報ということで、他の7団体さんも、医療機関で取り組まれているところ以外は、この校務支援システムを核に据えて取組を進められているので、やはり校務支援システムの重要性というものがあるのかなと思っております。
 次のページをお願いいたします。最後になるんですけれども、冒頭御紹介させていただいたように、こどもに関する情報・データ連携副大臣プロジェクトチームの中で論点整理を6月にまとめさせていただいておりまして、その中で2点ほど、この実証事業に取り組む中でも明らかになってきた課題という意味で御紹介させていただきたいなと思っておりまして、特に、教育分野に閉じずに、医療とか福祉の分野と連携する取組についてなんですけれども、データ連携をするに当たって、有用性の高いデータというのは精査していかないといけないと。要は、情報を入れて、それが間違った情報ではないということを前提にデータ連携がされて、うまく活用させていくことが重要になっていくと思っておりまして、そういった意味においては、なるべく学校現場における負担がなく、簡素にかつ迅速に適切な情報が入るという仕組み自体が整っていくことが重要かなと思っております。
 もう1点なんですけれども、この校務支援システムというのは、どちらかというと、首長部局と離れて、教育部局系のほうで設置されていることが多くて、これが首長部局と連携させるというデータ連携の取組を進めていくに当たって、やはり統一的なIDと申しますか、子供たち、児童生徒を把握するということが必要になってくるんですけれども、その際に、首長部局であれば団体内統合宛名番号というのを活用しているんですが、そういったものが校務支援システムのほうに入っていなかったりすると、一番最初の連携をするに当たって、最初に名寄せをするなどという障害が生じてきてしまうので、データ連携を行うことを前提に考えてシステムを整備していくのであれば、そういった色んなシステムとの連携がしやすいような設計というのも、1つ議論としてあり得るのかなと思っております。
 早口でいろいろと御紹介させていただきましたが、後ほど御質問とか御意見等ございましたら、いただけましたら幸いでございます。
 デジタル庁からは以上となります。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 今、丹羽参事官補佐より御説明いただきましたが、先ほどの概算要求と絡めてお伝えすると、今出ている画面の真ん中あたりの校務支援システム、私たちはこの辺を議論しているわけです。ただ、この会議では、旧来からの校務支援システムの機能の議論をするわけではないと、これはこの会議の初回からお伝えしているとおりですけど、これからの校務のDXを考えたときに、これをどのように拡張し、他の色んなデータと連携するかということをちゃんと議論しましょうということですね。
 右側の学習eポータルの下にぶら下がっているような、これはいわゆる学習系ネットワークと言われるところに今まではあったわけですが、これが校務系のネットワークと一緒になっていくわけですよね。そして、クラウド上で活用されて、学習のさまざまなログをどのように校務支援システムと連結させるかという辺りの議論がされているというのが今のお話にありました。
 同時に、校務支援システムの場合は、左側の役所が持っているさまざまな仕組み、これが役所内の課の連携等でデータ連携がうまくいくと、総合的に判断し、子供たちを支援することができるようになるという話なわけです。この校務支援システム、つまり、左と右の間をつなぐような役になっているので、今までの機能だけでは恐らく難しいし、今までの機能の中の一部は、もはや広く利用されているクラウドツールで簡便にできるので、真にこの校務支援システムに持たなければいけない機能というのは何なのかという議論が、私たちの議論として今までやられてきたわけです。
 というわけで、今、話を整理しましたけれども、今10月で、あと何か月かでまとめていかないといけない、そういうタイミングに私たちは今あります。今日は、まず、この議題1と議題2で、御提案いただいた資料を基に、質疑あるいは御意見を頂戴いただければと思います。
 この後、議題3、議題4と進んでまいりますので、時間は十分ではありませんけれども、皆さんから挙手ボタンいただいて御発言いただければと思うところでございます。どなたか、いかがでしょうか。
 では、まず妹尾委員、参りましょう。どうぞ。
【妹尾委員】  ありがとうございます。おはようございます。お世話になります。妹尾です。文部科学省さんに1点、2点と、あと、デジタル庁さんにも1点、お伺いしたいと思います。
 1つ目は、文部科学省さんの予算案の中での実証事業についてなんですけれども、多分、これまでも校務の情報化の関係で、色んなモデル事業系はあったと思うんですが、もちろん、うまくいった点もあれば、例えば、なかなか広がらないだとか、色んな課題だとか問題もあったと思うので、別に僕は財務省の役人でも何でもないんですけれども、何か財務省に言われそうだなと思うんですが、これまでの反省とか検証をどこまでやっているのかとか、そういうことも踏まえたモデル事業を是非展開していただかないと、また同じ失敗を繰り返すとなってはいけないと思うので。行政組織って、今までのものがうまくいかなかったというようなことってなかなか言わないと思うんですけれども、実際、その課題はいっぱいあると思うので、御案内のとおりですけれども、その辺をどういう予定なのかというのを聞きたいなというのが1つです。そこをお願いします。
 あと、デジタル庁さんのことについては、18ページ目の今やられている実証事業についてなんですけれども、僕の理解が追いついていなくて恐縮なんですが、例えば、18ページを見ますと、様々な既存の部署が分散的に持っているシステムだとかデータを連携させていこうという発想で、もちろん、この趣旨だとか必要性というのは恐らくあるんだろうなとは思っているんですけれども、まだちょっとぴんとこないのは、これらのデータをうまく照合させたり、見られるようにすることで、本当に元々の狙いである、例えば、ケアが必要な子供とかの早期発見につながるとか、リスクの発見につながるかと言われると、本当にそうなのかなというのがよく分からないので、分かる範囲で教えてください。
 例えば、この福岡市でも、どこでもいいんですけれども、見ますと、生活保護だとか、就学援助だとか、色んなデータはありますけれども、これ、前年の所得とかで得た直近の状況ではないので、こういうものを見たところで、例えば、学校の教員なりに本当に何に役に立つのかなというのがいま一つ見えてこなかったりとか、色んな相談の一覧だとかいうのは結構新しめのデータだと思うので、いいかもしれませんけれども、結局、相談を受けた後の話なので、元々のノーマークだった子たちの発見だとかに、本当にこういった事業でつながるのかなというのがよく分からなかったので、また教えてください。お願いいたします。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、まず答えていただきます。文部科学省事務局から、武藤リーダー、お願いします。
【武藤リーダー】  武藤です。妹尾先生、どうもありがとうございます。
 全く御指摘の通りでして、やっぱりこれまでの検証をしっかり活かしてやりたいと、非常に強い決意で考えておりますし、この会議でも、まさにこれまでの様々な課題を一定程度整理していただいたものがこの概算要求の資料にもありますけれども、これから先、また、まさに年内あるいは年度内に向けて御議論いただくので、その辺は、まさに遠慮なしにというか、忖度なしに様々な課題について御指摘いただいて、私どものほうでもそれを整理したいと思っております。
 まず、それが基本スタンスで、その上で、このペーパーに戻れば、これまでの統合型校務支援システムというのは7割ちょっとまで来ていて、大きく寄与したというふうには思っております。その上で課題が整理されているわけですけれど、例えば、このデータ連携について言うと、学習系で膨大なデータが生成しつつあるとか、教育行政もデータ化されつつあるとか、この辺りというのはまさに新しい動きだと思っていて、これが過去の校務支援システムはおかしかったというよりは、新しい動きに応じてこれから改善をしていかなければいけないというような事柄ではないかと思っています。
 一方、例えば、③のような、あるいは、⑤のようなデータの引渡しができていない、あるいは、自治体でシステムが大きく異なる、例えば、このデータの引渡しができていないということで言えば、APPLICのほうの様々な取組によって、一定程度標準化の枠組はできているわけですが、これが不徹底だったということがあると。そして、その背景に過剰なカスタマイズがあったのではないかという御指摘は、この会議でもいただいておりましたし、あるいは、⑤で言えば、いわゆる共同調達の推進なんかは、実証研究等々でやってまいりました。やってまいりましたが、ここは率直に申し上げて、私どもとしても、その実証研究の成果も踏まえつつ、更に押していくと。指導と助言と援助の行政、ここに課題があったのだろうと思っております。
 それから、⑥なんかは、まさにこれは最近の話だと思うので、これから課題を解消していきましょうということですとか、⑦は、いわゆる児童生徒ダッシュボードというのは一部の校務システムでありましたが、それが行政向け等々、あるいは、学校全体で見えるようになっていなかったというのは、これはもう率直に課題だと思っていて、次に向けてしっかりやっていきたいと思いますし、あとは、事業内容のところの共通理解を得ながらというふうに書いております。この辺も非常に大事だろうと思っているので、妹尾委員はじめ、委員の先生方の御指摘なんかも踏まえながら、私たちも慎重かつ積極的に検討していきたいと思います。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 デジタル庁、丹羽参事官補佐、いかがでしょうか。
【丹羽参事官補佐】  ありがとうございます。妹尾委員、御質問いただき、ありがとうございます。
 御質問に端的にお答えするとなると、今まさにこの取組の有用性については、実証の中で検証していくということを我々の中でもやってきたいと思っているというのが実情でございますというのを先にお答えさせていただいた上で、先ほど例に挙げていただいたようなデータ連携というもので、例えば、生活保護や就学援助というのは、それは家庭状況とか、片親だったりというところで、家庭内における貧困の状況みたいなもののリスクを把握するという部分で使えるのかなとか、あとは、相談一覧は御指摘ごもっともなんですけれども、一度相談を受けて、結局児童保護をせずに、そのまま一旦様子見をしていたんだけれども、その後というケースもございますので、そうした意味で、相談一覧というもの自体も、ノーマークだったというか、一旦はマークから外れてしまった子供たちをもう一回把握していくことに使えたりとか、あとは、健診情報なんかも我々は使えるかなと思っておりまして、3か月とか1歳6か月健診という形で、健診をお子さんに受けていただくことを御家庭でやられているところがあればいいんですけれども、そういったことをやっていないということになると、もしかしたらネグレクトの可能性があるのではないかなど、色んな複合的な要素を予兆的に結びつけることによって、子供たちからなるべく目を離さないということで、取組を進めていければいいなと思っております。
 以上となります。
【堀田座長】  よろしいですか、妹尾委員。
【妹尾委員】  ありがとうございます。応援しております。
【堀田座長】  いろんなところが個別にやってきたことを、どうやって相互に把握して、トータルに連携していくかということの難しさを今検討しているわけですけれども、そのことを精力的にやっていきたいというのが、先ほどの武藤リーダーのお話でございました。
 この後、6人の方に御指名差し上げて、そこまでとさせていただきたいと思います。
 次は石井一二三委員、その次は今井委員、次は山口委員、福原委員、藤村委員、執行委員の順番でいきたいと思います。時間の関係もありますので、手短にお願いいたします。
 石井委員、どうぞ。
【石井委員】  石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず令和5年度の予算の概算要求ですが、これまではハード面を整備していくというところが強い内容であったところから、だんだんに整備したものをどのように活用していくかというところにつなげる。そして、デジタル化というところも重要だというところをしっかり具体的に内容を書きながら説明を加えているということで、文部科学省の本気度というのは伝わってくる、担当者にとっては、やらなければいけないことがしっかり見えるような概算要求となっており、私も予算の担当ですので、こちらをしっかり見て、現在予算要求を作成しているところです。
 また、データの共有というところでは、本市では、校務支援システム名簿情報にGoogleのIDを追加登録するというひと工夫をしたことで、転出入等の管理が容易となり更に学習のeポータルに至るまで全てシングルサインオンが可能、かつ、データ活用や連携が図れるような準備が整ってきております。
 ただ、本庁部局、市長部局とのやり取りというところでは、例えば、要保護世帯の状況について、モバイルルーターの貸出し時に、要保護世帯の情報が必要なとき、教育委員会内で完結することなく、他の課から情報収集をする必要があり、情報を手に入れるまで時間がかかりました。早急に対応してあげなければいけないという内容についても、同じ市役所内でありながら、すごい遠回りをしてそのデータにたどり着くということを今まで行ってきていました。そのような内容が最近増えてきている中、是非データ連携をして、すぐに情報が入手できる環境を整備することが必要だと思っております。
 これまでのお話しを受けて、次の段階として、現在教育委員会で管理している番号Google ID等に加え、子供たちの生活の様子、保護者の状況、健康に関すること等、どのような番号で管理していけばいいのかというところも考えていかなければならないと感じております。
 ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、続いて、今井委員、お願いいたします。
【今井委員】  岐阜大学の今井と申します。よろしくお願いします。
 システムのデータ連携について、これからも新しくいろいろなデータが出てくることに対してどのような対応を行うかはイメージできますが、これまでの古いデータとの後方互換性の部分についても一緒に議論していく必要があると思います。どんどん新しいシステムが作られると、古いシステムのデータは使えなくなり、新しいシステムに対応するためにデータの再作成を行わなければいけないという状況にならないようにするために、どこがどのように担当されているのかをお伺いしたいと思います。
【堀田座長】  今のは文部科学省への質問と考えていいですか。
【今井委員】  すみません。どこが担当されるのかが分からなかったのですが、文部科学省ですかね。
【堀田座長】  では、伊藤専門官にお答えいただきましょう。お願いします。
【伊藤専門官】  文部科学省でございます。
 データの後方互換性、過去のデータを今後どのように活かしていくかという御指摘かと思います。
 ここは非常に難しい問題なのかなと思っていて、1つは、校務支援システムにストレージされていたデータというのは、データのまま引き継がれることもあれば、そのシステムが公開された際に、データベースとして引き継がれるというよりは、一度紙の帳票として出力されて、それを原本として保管するというふうな形で引き継がれることもあると聞いてございます。ですので、そういった対応をされた自治体様においては、データが新しいシステムに引き継がれるというよりは、紙のデータが原本として残るというふうな形になりますので、まず、そもそも紙で残ったデータの利活用をするためのデータのエクスチェンジという作業が必要になってくるのかなというところが非常に多いのではないかなと思いますので、そこも今後の課題になるのかなとは、個人的には考えてございます。
 全ての疑問にお答えできていたかどうか分かりませんけれども、現時点でのお答えとさせていただければと思います。
【堀田座長】  という現実があるということでした。
【今井委員】  分かりました。それでは頑張って取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  紙に一旦戻したら、またデータ再入力するわけで、そこにミスなどが出てくるわけで、データの形で引き継ぎたいわけですけど、校務支援システムを入れ替えたときに、前のデータが次のシステムに引き渡せないみたいな仕様になっていたら困るので、データの形式も含めた項目の標準化をしっかりしていきましょうというのが、このところずっと議論されていることでございます。これはもちろん事業者の方々も御協力いただけることかと思っております。
 次、山口委員は発言取消しと聞いています。福原委員、お願いいたします。
【福原委員】  よろしくお願いいたします。
 高校の学校の現場から、お聞きしたいんですけれども、こういうようなデータを統合していくということには賛成です。しかし、あまりに多くのデータが学校の現場の教員のところに下りてきても、今、教員がそれを全部処理するだけの時間とリソースが残っているかというと、現場を預かる校長としては非常に疑問に思っています。
 本当に学校がどういうことを知りたくて、支援をしたい子を見つけたときに、どういうデータを知りたいのかというのを、その学校とか、現場とか、小中高特別支援の先生方からよく聞き取った上で、そういうデータが浮き上がってくるようなシステム、文部科学省さん、デジタル庁さんが作って、こんなにありますよと出していただくのではなくて、本当に必要なものがどこなのかというのを精査して、そういうものが浮き出てくるようなシステムになるといいかなと思っています。
 学校には、これ以上たくさんデータとか、細かい成績をつけるとか、細かいことがいっぱいになってくると、先生方は少し苦しいかなと、現場を預かる者としては思っています。意見です。
 以上です。
【堀田座長】  現場の声をありがとうございました。
 今のようなことがあるので、先行的に実証事業が一度走るわけですね。こういうデータが欲しい、こういうデータは無理に要らないということを含めた現場の声を、是非現場から上げていただきたいと思います。小中学校と高等学校はまた違うと思いますので、是非高校からもよろしくお願いいたしたいと思います。
 では、藤村委員、お願いいたします。
【藤村委員】  ありがとうございます。鳴門教育大学の藤村です。
 私のほうは、文部科学省さんに2点、それから、デジタル庁さんに1点、少し御意見申し上げたいと思います。
 まず、文部科学省さんのほうですけれども、非常にすばらしい概算要求で、私のほうは、この成果を大変期待しております。本当にありがとうございました。
 まず、その中で、今、現場でというお話ありましたけれども、現場の先生に落としていくときに1点留意していただきたいのが、これまでもスマートスクール等でこういうデータを提示するというのをやってきたのですけれども、データをそのまま示しても、先生方がどう受け止めていいか分からないというお話をたくさん伺いました。
 そこで、先ほども福原委員からお話あったように、見やすい形というダッシュボードの設計がとても大事なのと、これまでできていただきたかったのは、リコメンド、お薦めという形で提示していくことがとても大事かと思っております。
 2点目は、そのリコメンドをするためにということなのですが、一人一人にきめ細やかな指導をしていくときに、こういう子供に対してこういう支援はすごく効果があったよとか、こういう支援はあまり効果はなかったよといった、教師の支援の記録と、その効果に対する評価がセットでデータとして取れるようにしないとできないと考えています。それがアシストログという考え方なのですけれども、これまでスタディログ、学習履歴と、それから、生活健康系のライフログについては十分取れて、効果もあったんですけれども、今後はアシストログの取り方、活かし方というのを検討していただけるとありがたいなと思いました。
 次、3点目、デジタル庁さんに少し伺いたいのですが、データ連携の肝は、実は、誰のデータなのかを特定するためのID連携ということがあるかと思います。既に学習系と校務系の間では、私がICT CONNECT21の校務系・学習系情報連携サブワーキングでしっかりとした標準化を行ってまいりました。UUIDで、こうやれば、校務支援システムも学習eポータルも学習の様々なツールズもうまく連携できるとやったのですが、如何せん、デジタル庁さんは、行政系のデータまで含んで連携ということをお考えいただいていますので、そこは私たちも非常に大事だと思っています。
 ただ、そのときに宛名情報があれば、宛名番号があればと、先ほど御提案でした。ところが、宛名番号は、一般の市民に対しては、多分自治体ごとに持っているのでしょうが、今回は自治体をまたがって移動してもデータ連携できるようにと考えていますので、その宛名情報というのが本当に一意になるのかどうかということと、子供について宛名情報を持っていない自治体さんもたくさんありますので、その辺どうお考えなのか、ちょっと御教示いただければと思いました。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。
【堀田座長】  では、まず2点目を答えてもらいます。
 では、これは桐生課長のほうからお願いいたします。
【桐生教育DX推進室長】  教育DX推進室、桐生です。
 藤村委員からお問合せありましたアシストログの話ですが、今、我々のほうで教育データの標準化を進めております。教育データ標準は3つに大きく分類されて、主体情報と内容情報と活動情報に分かれておりますけれども、そのうちの活動情報、「誰が」、「何を」、「どうした」のうちの「どうした」の部分を、生徒の学習情報と生活情報、教員の指導情報の3つに大きく分けて提示していくことが必要だろうと考えております。
 これは教育データ利活用の有識者会議でも、藤村委員からもお話ありまして、先生の指導情報が、恐らくアシストログにあたるだろうと思いますが、こちらの検証や検討を始めておりまして、この中で、どのように提示していくかまた御議論させていただければと思っております。
【堀田座長】  ありがとうございました。よろしいですかね。
 では、最後になりますが、執行委員、お願いいたします。
【執行委員】  執行です。よろしくお願いします。
 デジタル庁の資料の中にあった教育、保育、福祉、医療関係とのデータ連携について、期待すること、今後の可能性について少しお話しさせていただきたいと思います。
 学校現場で様々な関係機関から、例えば、虐待に関することとか、医療に関することとかで、学校の生活状況どうですかということで、よくお問合せをいただくことがあります。その内容によっては、例えば、集まって会議をしましょうとか、ケース会議を行いましょうとか、そのたびに、ケースバイケースなんですけれども、集まって会議をして、1人の子供に対して2時間とか、3時間とか、時間を取って協議をします。よくあるのが、それが、例えば、医師の関係者の方は集まれないから、教員の勤務時間外に集めましょうなど。
 何が言いたいかというと、そういうことが頻繁にあることによって、本来の業務であるところがどうしても縮小されているということを考えると、簡単に言うと、そういった出欠状況とか、学校での生活状況とか、データが本当に連携して、他の関係機関に情報提供できるようなところになっていくのであれば、わざわざ学校のほうで、副校長やら校長やら教員やらが対応しなくても、そのデータを一目で目視できれば、その辺の連携ももっとスムーズにいくのかなと思って、期待したいなと思っておるところです。
 もう1点だけなんですけれども、ロードマップのほうでしたか、資料の8ページのところで、これ、誤解のないようにしていきたいなとは思うんですけれども、子供たちの学習ログとか様々なデータが明らかになっていくことで、極めて個別の最適な学びというのは充実していくだろうなとは思っています。
 ただ、学校のところの役割として、個別最適な学びと児童生徒の一人一人の指導に加えて、やはり学校でしかできない個人の特徴を活かした共同的な学びや、学校でやるべき学びのスタイルとか、そういったことも含めて、トータルで目的を、何のために個人のデータを明らかにしていくのか、そういったものを1つの資料としていくのかということを持っていかないと。
 だから、全て個別化していくというふうなニュアンスに私はどうしても感じてしまうところがあったので、そのところは確認なんですが、指摘させていただきました。
 以上でございます。
【堀田座長】  丹羽参事官補佐、何かありますか。
【丹羽参事官補佐】  ありがとうございます。
 最後お話しいただいたところ、まさに我々も思っていまして、個別最適ばかりを今回特徴を強調させてお話しさせていただきましたけれども、個別最適な学びと協働的な学びで、児童生徒自身が主体的に学んで、お互いいろいろディスカッションを繰り返していくというのは、デジタルの取組の中でも重要だと思っておりますので、そういった仕組みを活用しながら、学校の中でしか学べないこと、学校の中でなくても一定程度よさそうなものというのを積み上げていきながら、デジタル化を進めていければいいかなと思っています。
 あと、もう1点、先ほど藤村委員からも御質問いただいていたかなと思っておりまして、識別子というか、宛名の話で、この場でお答えさせていただきますけれども。御指摘ごもっともでございまして、今、データ連携の取組をさせていただいているのは、自治体内に閉じる取組なので、ひとまずそれを団体内統合宛名番号という形で識別して、首長部局と教育部局、自治体内におけるデータ連携という取組を進めていきたいなと思っているんですが、それが自治体間になったときに、どういったIDでとか、どういった宛名でその児童生徒を特定するかというのは、まさに難しい問題だなと思っておりまして。例えば、ガバクラの議論の中では、自治体間の連携のところは、団体内統合宛名番号とはまた別のIDを振って、自治体の転居とかの移動のときに振られるような仕組みもございますので、そういったところの議論と並行して今後検討していきたいなということで、宿題として承らせていただければと思います。ありがとうございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 皆さん、御意見ありがとうございました。
 最後の執行委員の御発言は、学校として、もちろん、子供たちのためになるのであれば、さまざまな機関と連携して必要なミーティング等を行うことは行うべきことなんだけれども、情報が連携して、事前にしっかりと把握できるようにしておかないと、早々と会うことが優先されてしまい、それが他の業務の時間に食い込み支障を来す可能性もあると。それぞれの子供たちのことを考えながらも、働きやすい、あるいは、連携しやすいように、本当に会わなければいけないときに会えるためにも、その前の段階でのデータ連携が非常に重要だという御指摘かと思います。
 私たちは、それを、この校務の情報化の会議だけでなく、教育データの利活用の会議でもずっと議論してきているわけですけど、石井委員もおっしゃったように、役所内の課ごとのある意味縦割り的な情報共有の難しさや、さらに自治体間となると、丹羽参事官補佐がおっしゃいましたけど、そこら辺の壁が実は結構な課題になっています。個人情報のことを考えて、そういうふうになっていたわけですが、個人情報保護法も、今度の4月からは新しく全面適用になりますので、今、変わるいいタイミングに来ているのかなと思っております。
 少し前が押してしまいました。すみません。これから議題3に参ります。
 議題3につきましては、渋谷区教育委員会の教育DX政策推進特命部長の篠原様より御発表をお願いいたします。
 篠原様、お待たせしました。よろしくお願いいたします。
【篠原発表者】  よろしくお願いいたします。それでは、御説明させていただきます。
 渋谷区教育委員会事務局教育DX政策推進特命部長の篠原と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 本日は、渋谷区における教育データ連携の取組について御説明をさせていただきます。
 次のページをお願いします。まず、本区では、教育データの連携・利活用の目的として、子供一人一人の幸せ(Well-Being)の実現を掲げ、更に、それを実現するために、教員の子供理解に基づいた指導・支援と子供たちの学校満足度の向上を目標として掲げています。そして、それを実現するための手段として、1つは、これまでの取組、左側の部分ですが、教師の視点から、生活の記録(ライフログ)等を活用し、児童生徒の興味・関心や悩みを丁寧に見取り、個々の状況を踏まえた指導・支援につなげていくための仕組みを構築し、もう一つは、右側、これからの取組として、現在、子供の視点からスタディログを活用した仕組みづくりを検討しているところでございます。
 次のページをお願いします。次に、これまでの取組に関して御説明させていただきます。
 昨今、子供たちの置かれている環境や一人一人の思いや願いは多様化しています。これまで以上に教員は、子供たちとの1on1の時間をいかに創出し、いかに濃密なものにしていくかといったことが求められています。
 一方で、これまで学級経営や生活指導は、教員の長年の経験と勘によって行われてきました。ただ、子供たちの心の動き、人間関係など、それに気づき、声かけをして支援につなげていくというこれらの経験や感覚は、若手教員に伝えることが難しいということがあります。
 これらの課題に対応するためには、一つに、教員の限られた時間の中で子供たちと接する時間を十分に確保したり、一人一人の子供たちにふさわしい学びの環境を用意する時間を確保したりできるよう、教員の働き方改革、負担軽減に資するための仕組みづくりが必要であるということ、二つに、そこで創出された限られた時間をより濃密なものとするために、教員の経験値にかかわらず、より高度な指導・支援につながる仕組みづくりが必要であると考えています。
 そして、これらを実現する一つの手段として、本区では、教育データを連携させたダッシュボードを構築しました。これまで学校が個別に紙ベースまたはデータで把握していた複数の情報を、ダッシュボードとして可視化することで、情報の把握・整理・分析を容易なものとし、校務の効率化を図るとともに、データの複合的な組合せによって、多面的な視点で気づきを得たり、課題をより明確に把握することができるようにし、教員の経験と勘により実現してきた高度な気づきや支援、指導を、教員の経験値にかかわらず実現していくことを狙いとしています。
 次のページをお願いします。では、具体的にどのようなデータを活用しているかですが、大きく、児童生徒情報と学習評価データとし、この後御説明するダッシュボードでは、児童生徒情報を中心に活用しています。画面のとおりですが、タブレット操作ログ等の定量的なデータに加えて、HyperQUテストといって、児童生徒の満足度や意欲、学級集団の状態等、アンケートによる測定をしたデータ、更に、区独自の学校生活アンケートのデータも加えています。
 この学校生活アンケートは、ダッシュボード構築に合わせて、新たに実施しているものです。質問として、「学校で楽しく過ごしているか」、「からかわれたり、ばかにされたりすることがあるか」などの21項目を回答するものです。
 次のページをお願いします。次に、ダッシュボードの内容について御説明させていただきます。
 シートは、大きく学校全体、クラス単位、個人単位の3つに分かれています。
 まず学校全体を俯瞰するシートです。ここでは傾向分類やアンケートの推移等からクラスの変化を見て、クラス運営などに活かすことを念頭に置いています。
 上段の傾向分類は、学校生活アンケートの結果を基に、子供たちをAIでクラスター分類し、その分類を言語化したものです。その下の棒グラフは、傾向の推移、中央のグラフは、クラスごとの傾向です。下段の棒グラフは、学校生活アンケートのうち、「学校で楽しく過ごしているか」との質問に対する回答の推移、右側はクラス単位の結果です。
 例えば、矢印の3年1組の傾向分類及びアンケートの結果を見ますと、いずれも他のクラスと異なる分布となっていることが分かります。この場合、教員は、他のクラスと同じ感覚でクラス運営を行ってしまうと、適切なクラス運営にならない可能性も考えられ、学校長やクラス担任は、このクラスには少し注意が必要かなといった気づきが得られるかと思います。
 次のページをお願いします。こちらがクラス状況シートです。このシートでは、データを複合的に組み合わせることによって、多面的な視点で気づきを得たり、課題をより明確に把握することができます。また、各グラフ・表で気になった回答や子供がいた場合に、それぞれをクリックすると、当該児童生徒のみの情報が表示される作りとなっています。
 例えば、下段中央のアンケート結果で、「学校で楽しく過ごしている」のうち、「全くそう思わない」を表すオレンジのグラフ、矢印の箇所でございますけれども、ここを選択すると、それを回答した子供たちの氏名が表に表示されます。そのうち特定の子供を選択すると、その子供の情報のみの欠席・遅刻・保健室情報・困り事の有無等が表示されます。
 活用イメージといたしましては、例えば、下段左側の矢印、遅刻回数が多い生徒が気になる場合、その生徒を選択し、次に、その右側のアンケート回答を確認します。そうすると、回答は、「学校を楽しく過ごしていない」、「からかい、冷やかし、無視されている」、「困り事がある」と回答していると。更に、右上のHyperQUテストの結果を見ると、画面のとおり、横軸の被侵害得点が高く、縦軸の承認得点も低いことが見受けられること、更に、過去からの変化では、より支援が必要な要支援群に移動していることなど、こうした気づきにより、次の個人シートでこの生徒をもっと深掘りしてみようといった流れが想定されます。
 次のページをお願いします。こちらは個人状況シートです。上段のレーダーチャートは、アンケートの各回答を前回と比較して表示しています。また、中央に近いほど、注意が必要な結果を表しています。
 この資料であれば、「学校で楽しく過ごしているか」との問いに、前回6月には「少しそう思う」が、今回7月には「全く思わない」と変化、「仲のよいクラスであるか」は、「どちらとも言えない」から「全く思わない」と変化、「無視されることはあるか」に対しては、「どちらとも言えない」と回答し、いずれも中央に寄っています。6月から7月のアンケートの間に何かあったのではという気づきにつながります。
 更に、下段の危険キーワード検索では、マスキングしておりますが、7月9日、11日にいじめ等の検索を多くしている履歴があります。更に、その左側を見ますと、7月7日、9日、12日には、欠席と保健室来室記録があり、この間に何かあったのではということになります。
 一方、上段中央のアンケートの表中では、「先生に話したいことがあるか」との問いに、「ない」と回答し、レーダーチャートの「学校に相談できる大人がいるか」では、「どちらとも言えない」と回答しています。この場合、この子供に何か悩みがあったとしても、自らSOSを発信することは少なく、むしろ積極的に教員が声かけをしていく必要があると考えることができます。
 このようにして、個々の教員の経験や勘に加えて、日常、普通に子供と接しているだけでは把握しにくい子供の思いや気持ちの変化を客観的なデータとして可視化することにより、子供理解をより深めた支援につなげていくことができるのではと考えております。
 次のページをお願いします。次に、実際にダッシュボードを活用した教員の感想を何点か御紹介させていただきます。
 情報が容易に把握でき、学年での共通理解が図られること、経験や、教員同士の長時間の情報交換により行われていたものが時間短縮につながることといった、教員の負担軽減や効率化の観点からの意見。
 また、生み出された時間で話をじっくりと聞けること、初動対応や先手を打った指導・助言・声かけが可能であることなどの、指導・支援の充実の観点からの意見がありました。
 概ね私どもが期待していた活用や効果が得られているのではと思っております。
 次のページをお願いします。次に、ダッシュボードを構成するデータ利活用基盤の構成図です。大きく3つの構成要素から成ります。
 左側は、ICT基盤のデータセンターで、パソコン操作ログ、ウェブアクセスログが集約され、各データは右上のクラウドサービスへ日次で自動転送しています。青の四角は、ダッシュボードの中核機能が提供されるマイクロソフトのクラウドサービス、Azureです。データセンターとクラウドサービスを接続するための中継機能やデータの格納、加工処理、機械学習等の機能が提供されるものです。赤の四角では、Microsoft Formsで取得した学校生活アンケートの情報をOffice 365に格納し、PowerBIレポート機能により、ダッシュボードが閲覧できるようになっています。
 この基盤構築に当たりましては、拡張性と柔軟性の確保を基本的な考え方としています。パッケージ化されたシステムの場合、連携データの追加、可視化レポートの追加、見せ方の変更等、一般的にその都度委託をしてコストをかける必要があります。しかし、将来的にデータ連携の取組を拡張させていく上では、コストや機動性の面で課題があります。そこで、これらの追加等に関して、内製でも対応できるよう、グラフィカルユーザインターフェース、GUIベースのBIツールを取り入れ、高度なプログラミングコードの知識がなくても対応できる仕組みにしております。また、汎用的なBIツールであるPowerBIの活用により、取得したデータを様々な方法で分析・加工・グラフ化できるような柔軟性を確保しています。
 次のページをお願いします。次に、こうした取組を進めるに際して直面した課題とその対応、更に、それを踏まえたときに考えられる望ましい姿について、データ連携という観点から整理をしています。
 課題としては、大きく4点、1点目は、クラウド・オンプレミス環境を問わず、データ連携には校務等のシステム提供事業者からデータ出力の協力を得る必要がありますが、その協力が得られない場合があり得ることです。
 本区では、データ連携に際して、人の手を介さず、かつ、開発コストを抑えるため、直接システムベンダーのデータベースからデータを抽出する方式、API連携等を予定しておりました。APIとは、異なるソフトウェアとソフトウェアをつなぐインターフェースです。システムベンダーがAPIという手段によってシステム同士の連携に必要な機能を提供してくれれば、自治体側は大きなリソースを割くことなく、連携の仕組みを構築することができます。しかしながら、開発工数がかかること、データ構造を提示できないなどの理由から、システムベンダー側の協力を得られない場合があり得ることです。
 そこで、今後の望ましい姿としては、システム提供事業者から、Azure Service等の汎用的なシステムに連携可能なAPIが提供され、これにより、低コストでのデータ連携を可能にしていくことが挙げられます。
 2点目の課題は、校務等の情報がオンプレミスに存在するため、クラウド上の基盤との連携機能の開発コストが発生することです。
 渋谷区では、今後のデータ連携の拡張を視野に入れ、データ連携機能(中継サーバ等)を構築しています。
 ただし、一定のコストが生じる課題があることから、望ましい姿としては、オンプレミスベースでの校務支援システムではなく、クラウド環境を前提とし、データ連携のためのAPIが当初より実装された校務支援システムの提供が望ましいと考えています。
 3点目は、学力・学習状況調査等のデータが連携しやすい形式で提供されること、4点目は、学習ログの充実を図るためのCBTの促進を挙げております。
 次のページをお願いします。なお、こうした一連の取組の前提となる考え方が、スモールスタート・逐次改善です。ダッシュボードによる可視化の内容と活用実践、システムの構築も含めて、スモールスタートとスモールサクセス、改善等を積み重ねながら、利活用の拡張・発展を念頭に置いたものとしています。
 次のページをお願いします。このスライドからは、別の視点からのデータ連携の事例について少し触れさせていただきます。
 本区では、パソコンの操作時間、アプリケーションの利用時間等の情報に、学年・クラス・出席番号・日付・時間・アプリケーションの種類等の情報を連携させ、多様な観点でタブレットの利用状況を確認しています。ツールとしては、マイクロソフトが提供する汎用的なクラウドツール、PowerBIを活用し、学校単位の1日当たりのタブレット利用時間や、クラス単位のデジタル教科書・ソフトウェア等の利用状況を可視化したレポートを作成し、指導主事等による学校・教員への指導・支援に活かしております。
 次のページをお願いします。例えば、上段のA校では、マイクロソフトのコミュニケーションツール、Teamsの活用が多いこと、B校では、Teamsの活用は限定的で、学習系アプリの利用が多いことが分かります。更に、クラス単位の状況まで把握をした上で、教育委員会としては、B校にA校の実践事例を共有することや、授業を観察しながら重点的に支援していくといった対応を図ることができます。
 次のページをお願いします。また、学習者用デジタル教科書の活用につきましても、学校、学年、クラス、教科ごとの実態を把握した上で、指導主事は授業を観察し、それぞれの学級により適した指導・助言を行っております。
 次のページをお願いします。最後となりますけれども、一連の取組を通した本区の考えをまとめとして記載しております。
 1点目は、データ連携の拡張性・柔軟性を確保するためには、クラウド環境の下、PowerBI等の汎用的なBIツールを活用して構築することが望ましいと考えられることです。
 2点目は、データ連携の観点から望ましい校務支援システムとして、クラウド版校務支援システムを前提とし、アクセス制御による対策が実装され、かつ、データ抽出機能(API)が実装された校務支援システムが望ましいと考えられることです。
 ここでクラウド版校務支援システムと申し上げましたが、クラウドサービスとしては、一般的に、IaaS型、PaaS型、SaaS型が挙げられます。このうち、本区としては、コストの観点から、SaaS型での提供が望ましいと考えております。
 資料としてはおつけしてございませんが、それぞれの違いを少し触れさせていただきますと、まずIaaS型では、サーバやデータベース機能等のインフラの構築と、それを運用・管理する工程が必要となります。この場合、オンプレミスと比較してもコストメリットが小さく、むしろ高額になる可能性もあり得ると考えています。
 次に、PaaS型。インフラの構築は不要とはなるものの、データベースやwebサーバ機能の設定が必要となります。
 これに対して、SaaS型では、これらの構築・設定は必要なく、校務支援システムを利用するために必要な設定さえ行えば利用可能になると考えられ、導入コストの低減が期待できます。このような低コストが期待できるSaaS型の校務支援システムを前提とし、かつ、システム間の連携を容易にし、よりデータ連携しやすい環境となるAPIが実装された校務支援システムが望ましいと考えています。
 3点目は、前者2点の視点とは異なりますが、PowerBIを活用した学校・教員への支援から得られたものとして、学習の場面でICT活用がなかなか進まない学校・教員においても、日常的に校務で汎用のクラウドツールを使っていくことにより、これらツールを抵抗なく学習の場面でも取り入れていく傾向が見られます。すなわち、校務における汎用のクラウドツール活用は、学習の場面での教員のICTの積極活用にもつながるということです。
 以上が御説明となります。本日の御説明につきましては、主にデータ連携の観点からの御説明となりましたが、とりわけ今後の校務支援システムの在り方に関しては、教員の働き方改革、負担軽減などの視点はもとより、行政運営の観点からは、やはり相応のコストを要するICT環境をいかに持続可能なものにしていくのかという視点も非常に重要だと考えております。
 そのためには、ユーザーのサービス品質確保は当然のこと、経済合理性も考慮し、汎用クラウドツールと重複する機能の精査や、SaaS型校務支援システムの導入などを検討し、よりコスト低減につながる環境整備が必要だと考えています。こうした環境整備はICT教育の持続可能な発展となり、ひいては子供たちのWell-Beingの実現につながるものと考えてございます。
 御説明は以上でございます。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 続きまして、日本マイクロソフト株式会社様より補足の説明をお願いいたします。
【阪口発表者】  マイクロソフト、阪口と申します。説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 渋谷区様、大変すばらしい内容で、今、私のほうも聞いておりましたけれども、それをどのように作っていったのか、考えていったのかということで、私のほうは補足資料を若干作らせていただいております。
 宝の有効活用という形で書いておりますけれども、データからの資産を出すことということは、本当にこういったところで皆さんは深くお考えになられて、また、効果を出すのに悩まれているということで、私たちのほうにたくさんの御相談をいただくことが多いです。
 難しくしている1つの要因としては、たくさんのデータソース、データのもとがある中で、たくさんのデータの種類があると。私たちは、こういった種類は大きく3つに分かれると思っていて、数値主体で、機械学習とかに食わせるのがとても簡単なもの、もしくは、数値にはなりにくく、その都度取らなければいけないアンケートのようなデータ、それから、日頃取っていることを意識しない、誰と誰が会話しているとか、こういうデータ、こんなものが、やりたいことに応じて選んで使っていかなければいけない、もしくは、何かしらの知見を得て分析しなければいけないと。
 この際に、データでは必ず2つの軸で考えていく必要が出てきます。1つは、時間軸がすごく重要になる。先ほどの渋谷区様でも、前回と今回で何が違うのかというのが、示唆を出す上でとても大きな重要なトリガーとなるというのが1点と、もう一つは、今日の議論で今さら言うまでもないかもしれませんが、人に寄せていくと。一人一人、個人一つのIDというか、名寄せをしていかなければいけないという形。それがないと、時間軸でどのようなデータを見て、そこにどんな相関があって、結果的にこれは良いものなのか、悪いものなのか、データは移しただけでは価値を生まず、データを見た結果、先生が新しい動きを誘発するということに使わなければいけないという形で、この選別に苦労されておられるのではないかなと思っています。
 その選別をするときに、データの網羅性と申しますか、例えば、こちらの場合は、成績を上げたいとか、全国学力とか、MEXCBTのデータをより高いものにしたいと分析するときに、この部分だけを分析してもなかなか示唆が出にくいというサンプルのお話でございます。
 実際にこういうことを検討されている自治体さんもいらっしゃるわけですけれども、何故ここだけで分析しても意味がないかというと、テストをしたデータというのは、当日のその学生さん、児童さんの状態であって、当日どうこうしたところで結果は変わらないということになるからです。何が言いたいかというと、テストに至る前に、日頃の努力の内容、人間関係、それから、主体性がどう関係したかという組合せでテストの結果が変わると。指導するという場合は、この全国のデータを見て、高い低い、どういう状態かを掛け合わせると同時に、その子がプラス10点するためにはどうすればいいのか、主体性が足りないのか、人間関係が悪いのか、日頃のデータが悪いのか、そういったところを見ていかなければいけないということ。その後の体験に利用するためには、資料の例ですと3つの部分、これ以外にもきっとあると思います。そういったものがないと、どうしてもデータ分析というのは、データの羅列になってしまう可能性が高いと思っています。
 この部分は後ほど配付資料のほうで御覧いただけたらと思いますが、サンプルとして、こういうものがあるのではないかという形で載せております。
 難しくしている点は、これが様々なシステムに横断的に、かつ、数値であったり、人が解釈を入れなければ分からないものであったり、はたまた、取ろうと意識していないもの、人と人が誰と話をしている、「いいね」があった、認められている、認められていない、そういったものがいろんなデータに入っているところが更に難しくしていると考えています。
 この辺りの回答は、後ほど今回やったことの中でまとめておりますので話すとしまして、まず最初に、一人一つのIDに名寄せの部分でお話します。今日も前のお話しで、別のIDを振るという言葉もあったと思いますが、重要なのは、私、阪口の例で、資料中『阪口aaa』という仕組み、『阪口bbb』が別人として分析では捉えられてしまうので、一つ、阪口であるという情報をしっかりと寄せていかなければいけないという形が、分析においてはとても重要になります。
 人間では、これは簡単に、これとこれは同じだよねと解釈しながら、頭の中で解釈できるんですけれども、機械は、残念ながら、ちょっとでも名前が変われば別人扱いにしてしまいますので、ここはとても重要な部分になってまいります。
 もちろん、先ほどお話ありました検索とか、いろんなところでデータを探すというところにもお役に立ってくるわけなんですけれども、加えて、もう一つ、実は重要なファクターがあって、それは何かというと、これからいろんなこと、いろんなデータを取りたい、それから、時代が変われば、いろんなツールを導入されると思います。その際に、データ分析にお役に立てるのはもちろんなんですが、加えて、IDに紐づいた行動の監視、もしくは、アクセス制限をしっかりするという形で、セキュリティ、つまりは、ゼロトラストのセキュリティの世界にも行きやすくなるという形で。今回は、これは主眼ではないので、あくまで参考情報として載せておりますが、セキュリティ的にもプラスになるし、分析にも寄与するという形で、是非一ID、UUIDなのか、個別IDなのか、ログインIDなのか、様々な形で統一化が進めば大変いいのかなと思っております。
 私のほうでも、こちら、校務の情報化に関わる論点整理のほう、中間のまとめとかも拝見させていただいておりまして、データが分断されていたり、そもそも活用が前提になっていなかったり、これからクラウドがたくさん入ってくるよねとか、データのハブ環境を作るだけでちょっとお金が大変かなとか、様々な御意見があるのは拝見しております。
 その中で、100%ではないかもしれませんが、多くの懸念は、恐らくシステムで解決できる、テクノロジーで解決できるのかなと思っております。そちらよりもむしろ難しいのは、今取っていないデータ、教育で取り難いアナログデータですね。人が関わる部分でアナログという言葉を使っていますけれども、人の重要性がとても強い分野でありますので、製造とか流通とかであれば簡単にデータにできてしまうものが、教育ではデータの取得がとても難しい部分が存在する傾向にあると思います。
 そういったものをどうやって取るかのほうがむしろ難しいと考えていて、通常のデータの場合、例えば、データは一つにまとめる仕組みが既にあったり、データの形が違えども、データを吸い上げるときに変換し、格納した後でも変換するという仕組みがあったり、オンプレミスでもクラウドでも両方ともデータを吸い上げるような仕組みがあったり、どのクラウドベンダーのものでも極力接続性を担保できる仕組みがあったり、もしデータの分析とかデータの受渡しの基盤がなければ、Googleさんの仕組み、マイクロソフトの仕組みをデータとして受渡しのサポートする仕組みがあると。こういうものをうまく使うことによって、極力懸念を抑えつつ、費用も抑えつつ、データの統合化ができるのではないかと考えている次第でございます。
 この辺りは最後のほうで少し触れるとしまして、一番重要なのは、まずデータの収集からスタートすると、私の経験上、あまりよろしい結果にならないかなということを少し懸念しています。
 今あるデータから示唆を出すというときに一番怖いのは、データが足りなくて間違った示唆が出てしまうということになります。それよりも、今回の渋谷区様のように、何のためにデータを集めるのか、このデータに関係するものが何なのかを仮説として立て、この仮説が正しいかどうかを導き出すがためにデータを探していくという作業が重要と考えています。簡単に言うと、人の検討には、因果関係が入っているので、存在するデータから相関関係を出すよりも、データに足りない現状では、人よりもAIのほうがまだ劣っている部分は多分にあると思いますので、そういう意味では、外れにくいデータの羅列が見つかると。その上で、一回ダッシュボードを作って、また人が足りる足りないというのを見て、問題をまた考えつつ、新しい仮説とデータを集めていくと。このサイクルができることによって、データの分析、もしくは、BIというところは成功に至る可能性が高いのではないかと考えています。
 データの収集と連携というところが今回目玉でございますので、データは吸い上げるとき、条件に合わなければ吸い上げないというルールをつけたり、例えば、吸い上げてしまったとしても、欠損を自動的に排他というような仕組みがあったり、データは基本的に取ったまま使うということにこだわる必要もありません。そのまま使うこともありますけれども、後で変形したり、後で加工したりということができるようなものがテクノロジー化で作られていますので、多少汚いデータが入ってきても問題がないというように考えています。テクノロジーの仕組みで吸収することが可能です。それよりも、足りないデータはないかとか、むしろこれは何のために取っているのか。そちらの方に人力を使う方がいいと考えます。
 あまりデータを全部集めると先生の負荷が高くなるというお話も今日あったと思いますが、その通りだと思っていまして、渋谷区様のほうでは、12、13のデータを取っていく形になっておると思いますけれども、校務としては、最初はたくさんあったと思うんですね。その中からあえて絞って、一番効果的なものを必要最低限、スモールスタートでできるという形で進めたというのが、多分一番うまくいっている結果なのかなと思っています。
 私、教育に来る前は製造とかもずっと担当していましたけれども……。
【堀田座長】  すみません。そろそろまとめていただけますでしょうか。お時間の関係がございます。
【阪口発表者】  失礼しました。
 システムがたくさん変わってくるときに、取れるデータは統一化されていないことが多いです。通信等々は、OPC UAとかの規格で統合されていますが、こういったデータを抽出して加工して格納するという仕組みは、ETLとして定義されておりますので、こういったものをうまく使うことによって、データの収集は容易になると考えています。
 とは言いながらも、データの問題意識とかを考えていくと、とても大変という形もあると思いますので、クラス運営で、まずここから始めてみるという仕組みとかは、そもそも標準的製品についているものがたくさんあると思いますので、そういう標準的な製品に特化しているBIをうまく活用しながら、データに慣れ親しみ、先生がそれを拡張していくという視点、そして、最終的には、渋谷区様のように、自治体・行政で見られるような視点、こういった形でステップアップしてデータを活用していくという方法もございます。
 この部分は、渋谷区様のほうで詳細をお話ししていただきましたので、軽く触れますと、基本的には、PaaS、SaaSで作る、いろんな操作はノンコードのGUIで作ったものは二次活用できるという形をすることで、コストをどんどん抑えることができる。そして、データを吸い上げる最中と、吸い上げた後でも加工ができるので、気にせずどんどん吸い上げるということをされていただければよろしいかと思っています。
 まとめでございます。
 一人一IDの推奨というところと、活用したいデータの前後が重要でございます。この前後があるだけで、先ほどいただきましたレコメンドにもつながってまいります。それから、受渡しの制御は、ETLという機能とRPA等々を使って実現できるかなと。GIGAのフル活用をしていただければと思っています。
 この部分、データの環境自体は、御披露等々は渋谷区さんと一緒にお話ししなければいけないんですけれども、あまりかからないというか、億とかはかからない機能でございます。是非、まずスモールスタートでやってみるということでチャレンジいただければよろしいのかなという形で、私のほうの今日のまとめでございました。
 少し時間を超過しました。失礼しました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 この後、御質問等をいただきたいと思います。議題3について、渋谷区さんとマイクロソフトさんへの御質問や御討議いただいた後が、自由討議になります。途中で、全体の話にしましょうと私のほうで申し上げますので、その前までは、この渋谷区さんのお取組とマイクロソフトさんの御説明について意見交換をさせていただければと思います。また、挙手ボタンをいただいた方から御指名させていただきますので、残り時間も限られておりますので、皆さん、御協力をよろしくお願いいたします。
 では、福原委員、参りましょう。
【福原委員】  渋谷区さんの発表ありがとうございました。詳細なデータを、これは誰が、例えば、学校の管理職、それから、指導主事の先生方が分析しているのか、学校の教員がこれを見ているのか、なかなか見る時間がないと思うんですが、それはどのように活用されているのか、その1点だけ教えてください。
【堀田座長】  では、篠原部長、お願いします。
【篠原発表者】  まず、こちらのダッシュボードでございますけれども、閲覧権限としては、当該校の校長、副校長、教員としております。教員は担任に限定することなく、当該校の全ての教員が閲覧できるような形としてございます。
 この趣旨といたしましては、学校のケースによっては、教育管理職、学校の担任だけではなくて、やはり学校全体がチームとして取り組む場合もあり得ると考えています。何かしらの課題があれば、担任だけではなくて、学校長や学年主任、その他の教員でも気づくような体制作りが必要であるとのことから、こうした対応としております。
【福原委員】  ありがとうございます。
 どれぐらい活用があったかというのは、まだ取られていないでしょうか。今後、またその活用の状況が発表いただけるような機会があれば、是非聞きたいと思っています。よろしくお願いします。
【堀田座長】  篠原部長、現在の利用の状況みたいなことで、差し支えない範囲でお願いできますか。
【篠原発表者】  これまで私どもも、学校に展開するに当たって、まずは、どの先生も、全ての先生が必ず一度は触ってみてください、触れてみてくださいというところからスタートしているというところがあります。
 昨今の活用状況で申し上げれば、概ね半分以上の教員はこれを普段使いしているような状況と認識してございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 なかなか学校現場は忙しいので、こういうのを見る時間はないと言いながら、有用なものであれば、これが指導に役立つと御理解されれば、うまく使われるということに。今、途中かなと思いますけれども。ありがとうございました。
 この後、清野委員、水谷委員、そして、妹尾委員、中村めぐみ委員、この順番で参りたいと思います。
 清野委員、お願いします。
【清野委員】  足立区立東綾瀬中学校校長、清野です。
 渋谷区の御発表、どうもありがとうございました。私は、まさに校務情報化の果実というのはこういうものなんだなと改めて思いました。忙しい先生たちのために時間を生み出すということに留まらず、エビデンスに基づく指導改善、それから、授業の改善に、こういったデータはこうやって使えるのではないかという、私、本当に勇気づけられるような、大変すばらしい発表だなと思いました。どうもありがとうございました。
 その中で、1つだけ質問なんですけれども、先ほど個人情報シート、俯瞰シート、クラス状況シートなどというものがございましたけれども、これはフォーマットを作る中で、いろいろ工夫されたことなんかがもしあれば、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  篠原部長、お願いします。
【篠原発表者】  私どもでは、最初に何のためにこの教育データを活用していくのかという目的をまず明確にすることから始めました。そして、そのために、どういったデータが必要で、どのような見せ方が必要なのかということをどんどん掘り下げるような形で検討してきたというところがございます。
 そういった中で、議論としても、まずは学校全体の傾向というものを把握していく必要があるだろうと。その次、各担任の指導・支援につなげていくためには、クラス全体の状況というものを把握していく必要があるだろうと。クラス全体の状況を把握することによって、そこからまた更に支援等が必要な子供が明確になってくることがあるだろうということから、それぞれ3つのシートが必要になると考えました。
 さらに、それぞれの見せ方については、内部での議論もありましたし、現場の学校長とも、いろいろとこの辺の見せ方については十分協議をしながら進めてきたというところがございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 それでは、水谷委員、お願いいたします。
【水谷委員】  よろしくお願いいたします。
 ここまでの二人の御質問と似たようなところはありますが、特に管理職、それから、一般の教員の方、それぞれに対して、こういうのを活用するために、どのような手立てをされていたのか。まだ現在進行形で、今いろいろなことをやられている途中だと思うんですが、入口としてどのようなことをやられたのかなということをお聞かせいただければと思います。お願いいたします。
【堀田座長】  篠原部長、お願いします。
【篠原発表者】  まず先ほど申し上げましたように、この取組が、いかに現場の先生たちに腹落ちをしてもらえるかというところを意識しました。そのためのメッセージとしては、先ほど申し上げたような形で、「まずは触れてみてください。とにかく特段の難しい操作は必要ありませんので、とにかく触れてみてください。それによって何か気づくことがあれば、引き続き使ってみてください」というところから、まず学校に対しては周知を行いました。
 その上で、学校長に対しては、実際にこのダッシュボードを活用してもらう研修を行ってございます。
 更に、また今月には、学校長の研修として、実際にこの間、このダッシュボードを活用してどういった事例が導き出されたか、どういった活用事例があったかということを、それぞれ各校の校長先生から御発表いただく研修を予定しており、まずはマネジメント層である学校長に理解をしてもらう、その上で、現場の先生方にも理解をしていってもらう、活用していただくというような流れで進めているところです。
【堀田座長】  ありがとうございました。
【水谷委員】  ありがとうございました。
【堀田座長】  では、妹尾委員、お願いいたします。
【妹尾委員】  ありがとうございます。
 本当に、まさにおっしゃるとおり、宝の有効活用ということだと思います。今までも、個々の調査だとか、いろんなデータはあったわけだけれども、個々に眺めるだけで、それらがつながっていなかったとか、連携させていなかったということだと思うので、非常に大事な取組だなと思いました。
 その上で、篠原さんに2点教えていただきたい、コメントも込みで、2点質問したいんですけれども。
 1点は、こういったデータのダッシュボード等ができることで、先生方にとって負担軽減したこととか、やらなくなったこととか、薄くなったことというのももっと注目してほしいなという、意見かつ質問です。
 というのは、例えば、渋谷区さんでやっているかどうか分かりませんが、中学校等では、生活ノートとかで交換日記みたいな感じで生徒の悩みを把握するみたいなことをやっていて、そのノート点検だとかコメント書きで結構空きコマが埋まっていたり、あるいは、宿題だとかノート等の点検を小学校の先生、中学校の先生は結構な時間をかけているのは、やっぱり学習状況だとか、それを把握したいということですけれども。この諸々のデータなりダッシュボードが出ることで、もちろんノート点検等がゼロになるとは限りませんけれども、もっと薄くしてもいいのではないかとか、優先度を落としていいのではないかといったようなことも同時に言っていかないと、データを見る暇ないよという話になったりとか、どっちもやれる人はほんの一部の人みたいな感じになってしまうと思うので、やはりメリハリをつけていくというメッセージを区教委としてももっと出していくほうが僕はよろしいのではないかなと思っていますが、その辺も、関連することであれば、また教えてくださいというのが1点目です。
 2点目は、渋谷区さんに限らないことではありますけれども、あるいは、文部科学省の今後の実証事業に対するコメントも込みですけれども、こういったデータの連携なり利活用というのは、光の面もあるけれども、陰というか、要は、功罪があるんだろうなとは思っていて。1つは、いろいろ便利な反面、教員のステレオタイプだとか思い込みを強化してしまうだとか、或いは、こういうデータがあるから、やっぱりこの子はこれで駄目なんだとか、或いは、家庭環境がしんどいからこうなんだみたいな、誤って使っていくと、変に子供の無気力感とか自己肯定感の低さを助長してしまうような、それは本人が仮に意図していなくても、そのデータの補強があることで、いろんなバイアスが補強されてしまってというふうな、データ利活用の負の側面もあるのではないか。その辺りもしっかり検証なり把握をしていくことが大事ではないかなと思っていますが、その辺はいかがでしょうか。
 以上です。
【堀田座長】  篠原部長、お願いしてよろしいでしょうか。
【篠原発表者】  2点の御質問をいただきました。
 まず1点目のその他の業務との減り張りという点でございますが、まさに妹尾委員のおっしゃる通りだと認識してございます。
 私ども、スモールスタートという形で、こうしたダッシュボードを構築してきました。ただ、これからの取組というところでは、やはりこれまで学校が日常的に行っていた業務を、いかにシステムに置き換えていくか、もしくは、そのやり方そのものを見直していくか、そうしたことを含めた形での、DXを進めていかなくてはいけない。それに寄与するためのダッシュボードに今後拡張させていきたいと考えているところでございます。
 2点目の、いわゆる負の部分というところでございます。今回、私どもがダッシュボードを学校に展開するに当たりまして、教員に対しては、データは子供たちの一つの側面のみを可視化したものであって、決めつけることはせずに、あくまで子供たちの理解を深めるための参考情報であること、あくまでも子供たちとの対話を引き続き重視すること、これを強く教員に伝えております。こうしたメッセージは引き続き継続して、今後の研修などの機会を通じて伝えていく、しっかりと浸透させていく必要があると考えてございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 それでは、中村委員、その後は、全体の議論にしたいと思います。中村委員、どうぞ。
【中村(め)委員】  中村でございます。
 篠原様、ありがとうございました。つくば市のほうでも同じような取組をさせていただいておりますが、本当にこのようなすばらしいダッシュボードにはまだまだ届かないところです。
 そこで、私も実際1点困っているところがあります。実際に先生方に見ていただいて、活用してほしいと思っているところなんですが、これだけ高機能なダッシュボードを先生方にお渡しすると、「わあ、すごい」と言うんですね。「こういうのがあると便利ですね」とは言うんですが、「中村先生、これ、どうやって見たらいいんですか」というようなことを言われてしまいます。
 つまり、これを学校さんのほうで、実際に今、もう毎時間、半分以上の先生方が御活用されている、すごいなと思うところなんですけれども。見るに当たって、データの見方である研修といったものをどのくらい費やされたのか、もしくは、どういう研修をされているのかというところだけ1点伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  篠原部長、お願いいたします。
【篠原発表者】  活用という部分では、このダッシュボードを学校に展開するに当たり、ある程度活用のシーンというのを想定して、それを紙芝居のように資料にして学校に伝えています。各ダッシュボードのデータを見ると、このような傾向があって、このような見方をすることによって、こうしたことが分かりますよ、ということを、ストーリー仕立ての資料として展開しています。
 また、私も驚いたところとして、特段研修などは行わずとも、むしろ学校側のほうで、先生方がそれを自由に使うことによって、その際いかに使いやすいかということは重要になりますが、先ほど教員の感想の中にもありましたとおり、例えば、個人面談で活用しているような事例、校内のいじめ対策委員会で活用しているような事例、そうした事例が自然発生的に生まれてきています。そうした事例をきちんと吸い上げて、それを各校に共有していくことで、活用促進を図っていきたいと思っております。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 それでは、篠原様、本当にありがとうございました。マイクロソフト、阪口様、本当にありがとうございました。
 この後は、今の議題3のみならず、議題1、議題2も含めて、皆さんの御意見、トータルに御意見いただきたいと思います。私どものこの会議体は、校務の情報化のこれからを、GIGAスクール環境の下で子供たちが端末を持って、学習ログがどんどんたまっていく、そういう時代の校務の情報化の在り方について、何か結論を出すというよりも、これからの方向感を打ち出すというのがこの会議体のミッションでございますので、そういう観点から御意見いただければと思います。残り時間入るまで皆さんにお聞きしていきたいと思います。
 今、藤村委員、水谷委員、髙橋邦夫委員が挙げていらっしゃいますので、まずはこの順番でお話をいただきたいと思います。藤村委員からお願いいたします。
【藤村委員】  ありがとうございます。
 まさにGIGAスクール環境下になって、とてもたくさんのデータが取れるようになったというのが非常に大きな点だと考えていますが、実は、今、渋谷区さんのように、非常にいい効果的な教育データの利活用をされようとしているところが直面している問題というのはございます。
 それは何かというと、保護者の同意がどこまで必要なのだろうとか、それから、市民の皆様がこういうデータの利活用に関して本当に御理解いただくために、どうしたらいいのかというようなことでございます。したがって、進めようとしたけれどもブレーキをかけられてしまってうまくいかないとか、そういったお話も聞きます。
 そこで、今、教育データの利活用に関する有識者会議でも検討されていますが、そういった教育データを活用するときのQ&Aと総論をお作りいただいていて、私は大変期待しています。すばらしい取組だと思います。
 次の段階で、もし可能であれば、このガイドラインに則っていればやっても大丈夫ですよ、公教育データはこういうものですと、これは保護者に対しては説明で済みます、同意書までは要りませんとか、ここから先は個別の同意書は恐らく必要でしょうとか、そんなようなものが今後検討されるといいのかなと思っている次第です。
 また、可能であれば、渋谷区さん、そこをどのような工夫をされてクリアしたのかも教えていただければありがたいと思いました。
 以上でございます。
【堀田座長】  全体のというふうに考えておりますが、今、渋谷区さん、名前が出ましたので、篠原部長、よろしいですか、ちょっとだけ。
【篠原発表者】  今、藤村委員がおっしゃられたことが、まさにこれから教育データを活用していく上で非常に重要なポイントになってくると考えてございます。
 私ども、この教育データ、ダッシュボードを展開するに当たりまして、その目的、理念というものをきちんと子供や保護者に伝えて、それを共有し、理解を得ながら進めていくということに意識を置き進めてきたというところがございます。
 当初より私どもとしては、GIGAスクールが始まった段階から、将来的にはデータの利活用を図っていくということは念頭に置いておりましたので、その時点から保護者・子供たちには、利用履歴の収集・管理というものを教育委員会としては行っていくということを伝えてまいりました。
 その上で、更に今回、この取組に併せて、より入念的な対応といたしまして、保護者・児童生徒への周知を行い、ダッシュボードで取り扱う内容も含めて、児童生徒へのきめ細かな指導・対応や支援に活かすことを目的として利活用すること、児童生徒のプライバシー保護に十分留意し、目的外利用は行わない旨、これを保護者・子供たちにも周知をし、共有をしながら進めているところでございます。
【藤村委員】  ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、残り時間の関係もありますので、今挙手いただいている方までとさせていただきます。この後、水谷委員にお話しいただき、髙橋邦夫委員、石井一二三委員、中村めぐみ委員、最後に高橋座長代理、ここまでとさせていただこうと思います。
 では、水谷委員、お願いいたします。
【水谷委員】  本日もありがとうございました。
 これまでの議論の中でもありましたが、今までの校務支援システムは、どちらかというと、結果をまとめて印刷して残すことで負担軽減を図るシステムだったと思います。本日伺ったこと、それから、これまで自分も発言してきましたが、校内で情報共有が日常的にできていれば、その部分はGIGA環境を使って、実質的なことができます。
 本日ご紹介があったことは、要するに、現状の様子を把握して日々の支援をするシステムということで、少し役割が変わっていることを明確に打ち出していくことで、現場の先生方に伝わりやすいだろうと思います。
 ただ、本日も話がありましたが、あくまでも支援するシステムで、最後にあった判断するシステムではないというところも、重要なところではないかと思います。
 とにかく、こうなると、日常が分かるデータをいかに、今あるものだけではなくて、集めるかということが重要です。ただ、GIGAスクール環境を活用すれば、簡単に子供たちからフォームでアンケートを取ることができるわけで、日々の授業で、こんなことを聞いてみようということの蓄積で、結構いろいろなデータを集めることができます。これまでならイメージでしか分からなかったことが、普通の先生でも分かるようにデータを集められるようになってきたということを、本校の様子を見ても分かります。そのような素朴な授業でのちょっとした、こんなデータを集めてみたいということの積み重ねも、こういったところに反映できると、より良いものになっていくのではないかなということを感じながら、本日参加させていただきました。
 校務支援システムの在り方が少し変わっていくというところを明確にすることで、より伝わりやすくなるのではないかということをお話ししたつもりです。
 ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 校務支援システムと言ってしまうと、今までのものをイメージしてしまう可能性がありますね。そういう意味では、これから校務DXに向けて、私たちは頑張っていくのかなと思っております。
 髙橋邦夫委員、お願いいたします。
【髙橋(邦)委員】  髙橋です。よろしくお願いいたします。
 本日の会議がすごく良かったと思ったのは、前回まではシステムを入れたらどうなるかという議論だったけれども、渋谷区やマイクロソフト社の話を聞いて、システムを入れてデータが蓄積されていくとどういうことができるか、それを見せていただけたと思います。
 私は4年前にスマートスクール実証で渋谷区に二度ほどお邪魔しましたが、4年前からこれまでのデータが蓄積されるとこういうことができるという実践を発表頂いたことで、これから校務支援に取り組み始める教育委員会にとっても、いいものを見せていただいたと思っています。
 今日全体を通して強く感じたことは、前半にも後半にも出ていましたが、ID認証してどうデータを結びつけていくかが大事だということです。教育現場の場合には、コスト的な問題から共有IDというのは避けられないと思っています。例えば、マイクロソフト365は、一人一IDになれば様々なことができるけれども、予算の関係等で、複数人が同じIDを使うことが出てきてしまうと思います。
 そういった環境下においても本人確認というか、個々人を認識するために、渋谷区の資料の中に入っていました、多要素認証を使うことによって、共通IDだけど髙橋がログインしていることが分かる仕組みを、ゼロトラストの議論を進める中で、押さえていきたいと思っております。
 そして、この会議体としては、将来的な認証基盤、デジタル庁がこれから国全体の認証基盤を作っていくけれども、その国全体の認証基盤と、学校における認証基盤、これをどう統合していくか。前半のほうでは、共通宛名なのか、統合宛名なのかといった話もありましたけれども、これからまだ残りの時間ありますので、文部科学省と認証基盤はどうすべきなのか、IDはどうすべきなのかということも、検討させていただければと思っております。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、石井委員、お願いいたします。
【石井委員】  石井でございます。よろしくお願いいたします。
 校務支援システム導入時には、先生方はデータをどんどん入力していくということが大事なことで、それを過ぎると、だんだんにそのデータは、担任だけではなくて、ほかの先生方も、掃除で見た子供の様子、そして、委員会で見た子供の様子を打ち込んでいきましょうということで、データ共有が図られていったなと感じておりました。
 そして、その後、今度はGIGAがスタートして、クラウドを使うことの良さ、データ共有って大事だな、便利だなということで先生方は実感されてきていると思います。
 本市のようにちょっと活用が進んでいるという自治体では、現在そのような状況だと思うのですが、そこから、今進んでいるような議論が学校現場でスムーズに渋谷区さんのように活用されていくためには、教員研修が重要だと感じました。
 GIGAで学んだことを今度はまた校務に戻していく、クラウドやデータを利用していくことの便利さ、または、他のシステムと連携していくことの便利さというところについても、先生方、そして管理者となる教育委員会も一緒に学んでいく必要があると思っております。
 来年度の本市の研修でも、学校DX、校務のDX、そして、教育データの利活用というところを、先生方にもお伝えしていきながら、システムの導入の検討と、両方一緒に進めていかなければならないと感じておりました。「いざデータ連携をしましたよ。」と言われても、先生方はそこから勉強というのではやはり難しいかなと感じておりますので、研修のほうもしっかり進めていく必要があると感じております。
 ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、中村委員、お願いいたします。
【中村(め)委員】  中村でございます。本日はありがとうございました。
 私のほうからは、予算という観点でお話しさせていただきたいと思います。お願いになるかもしれません。
 まずは、GIGA1年目は、本当にGIGAスクール構想の環境を整えるという部分で、私ども自治体も必死に予算をつけてまいりました。それが1年経ちまして、今度はデータ利活用ダッシュボードというところにフェーズが変わってまいりました。
 そうしますと、実はライセンス1人当たりというフォームの仕方になっていたりとか、ダッシュボードを構築するに当たっても、費用であるとかということに、どんどんGIGAスクール構想をきっかけに、それが今、未来に向かっている姿であればあるほど、予算というのは次から次に私どもも検討しかなくてはいけないというフェーズにございます。
 そういった中で、ここの今議論されているところまで至るには、私どももまだまだスモールステップで進まなくてはならないところがあります。つまり、校務支援システムもオンプレミスであったり、まだいろんな仕様のフォームがあったりします。それをステップアップする、本当に小さなステップアップにもお金がかかるということもありますので、是非その辺りも、今見せていただいているすばらしい世界に行くためにも、予算という部分も包括的に支援のほうも含めて、こちらでも議論させていただいたり、支援いただければいいなと思っているところです。すみません。お願いベースになります。
 以上となります。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 言いにくいことかもしれませんけど、非常に重要なことを言っていただいたと思います。国が自治体への予算支援をどうするかみたいな話もあるということと同時に、次々に進んでいくために、それがいいものであればいずれ予算は確保できると思うんだけど、あらかじめ確保しておかないと、1年先送りになるみたいな話になる、どんどん時間が経ってしまうということについて、あらかじめ、これからこういう方向になるよということを早めに国が見せておくということの重要性を今のお言葉から感じました。
 では、最後になりますが、高橋座長代理、お願いいたします。
【高橋(純)座長代理】  ありがとうございました。
 私からは、2点コメントさせていただきたいと思います。
 1つは、今日、私、お話を聞いて、考え方として、しっかり取り組まなければいけないことがあるんだなと思いました。デジタル庁の御提案、その後の執行委員のコメントは、これまで校務の情報化というと、効率化、効果みたいなことを求めてきたわけなんですが、校務の業務フローが変更されていくんだと、統合されていく可能性があるんだと、そういうお話だったなと思います。子供の打合せの件も、こういうデータがあれば業務フローが変わる可能性があるということで、そういったことが、私にとっては根本的な業務改善になると。なので、このデータを使うことで業務が増えるというような考え方よりも、むしろこれによってどう業務フローを統合したり変更したりして、本質的な業務の流れにしていくのかということを考えていくんだなと思いました。
 そういうふうにして考えていくと、渋谷区の篠原部長のお話を聞くと、事前に計画や仮説ももちろんお立てだと思いますが、やりながらいろいろ変更して修正していくというアジャイルな考え方で取り組まれていると。この辺りが僕は非常に重要なポイントなんだなと学びました。
 2つ目は、データの取扱いだと思います。デジタル庁の御提案は、これまで我々、学校でなかなか目にしなかったようなデータを結合していくというようなお話だったと思いますが、校務の観点で考えれば、まだ校務のデータはごく一部しかシステム化されていないなと思います。かなり多くのデータがデジタル化され、共有フォルダには入っていると思うんですが、今システムに乗っているのは定型業務で、良構造と言ったらいいんでしょうか、そういったデータのものばかりで、共有フォルダとかには、ある意味、不定型業務で、不良構造なデータのものがたくさんあると。こういったデータをしっかり掘り起こしていくということが重要で、このことに関しては、既にデジタル化・共有化されていますので、改めて保護者合意があるのかないのかということも含めて、こちらの活用のほうがハードルが低いのではないのか、むしろ先生方の日常に直接寄与するのではないかなと思いましたので、夢のあるお話もいっぱいお聞かせいただきましたが、現実足元を見ると、まだまだ取り組むべき校務の情報化というのがあるんだなと感じました。
 私からは以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 そろそろお時間近づいていますので、最後に武藤リーダーに何か一言お願いいたします。
【武藤リーダー】  担当課長の武藤です。
 今日は本当に様々な貴重な御意見、また、御発表いただきましてありがとうございます。
 このテーマ、すごく大きくて、いろんなところに論点、多岐にわたる部分があると思っています。例えば、先ほどの認証基盤であったり、IDであったり、あるいは、陰の部分とか、QAの話とか、いろんなところが多分関わってくると思っていて、そこで2つ思うのは、私どもの担当の学校デジタル化プロジェクトチームだけではなくて、例えば、教育DX推進室だったり、あるいは、働き方改革だったら、うちの初等中等教育局の中の財務課もありますし、デジタル庁等々の関係省庁もございます。ここの連携とかをこれまで以上に密にして、この会議に臨んでいきたいと思いますのと、それから、全体の見取図というか、その中で、この会議、この辺りを中心にというところも、もう少し分かりやすくしたり、あるいは、この会議の中心ミッションはこうなんだけれども、その中で、ほかの関係の会議とか関係の省庁に、こういう点を留意していただきたいというところもあるんだと思うんですね。その辺も含めて、全体の見取図をはっきりと、もう少し明確にしたいなと思いました。
 どうぞ、先生方、引き続きよろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございます。
 今日も時間は限られておりましたので、もし十分に御発言いただけなかった委員の先生におかれましては、事務局までメール等で御意見いただければと思います。
 本日の議事をここまでとするに当たりまして、次回等について、事務局から御連絡をお願いいたします。
【伊藤専門官】  事務局の伊藤でございます。本日もありがとうございました。
 次回、第8回以降の会議日程に関しましては、また追って御連絡とさせていただければと思います。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 では、皆さん、月曜の午前中から本当にありがとうございました。
 それでは、今日の会議はここまでといたします。どうもお疲れさまでございました。

 
―― 了 ――

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