特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議(第2回)議事録

1.日時

令和3年11月25日(木曜日)10時30分~12時30分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催

3.議題

  1. 特別支援学校教諭免許状及びその教職課程コアカリキュラムの在り方について
  2. 特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループの設置について
  3. 特別支援教育を担う質の高い教職員集団の在り方に関する教育委員会及び大学からのヒアリング実施について
  4. その他

4.出席者

委員

加治佐座長、森副座長、安藤委員、市川委員、喜多委員、木舩委員、田中委員、濵田委員、樋口委員

文部科学省

淵上初等中等教育審議官,山田特別支援教育課長,小林特別支援教育課特別支援教育企画官,分藤初等中等教育局視学官,嶋田特別支援教育課課長補佐,宇野特別支援教育課課長補佐

オブザーバー

宍戸オブザーバー

5.議事要旨

【加治佐座長】それでは、どうも皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第2回特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議を開催いたします。委員の皆様には、大変御多用の中にもかかわらず、御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
本日も現下の情勢を踏まえまして、ウェブ会議システムを活用しての開催とさせていただきます。
初めに、本日の会議の進め方及び配付資料について、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【小林特別支援教育企画官】ありがとうございます。事務局の特別支援教育課の小林でございます。
まず、会議の進め方について確認をいたします。本日もウェブ会議システムを活用しますことから、御発言に当たっては、聞き取りやすいように、いつも以上にはっきり、ゆっくりと御発言をお願いします。御発言の際はお名前をおっしゃっていただきたいこと、御発言時以外はマイクをオフにしていただきたいこと、御発言に当たっては「手を挙げる」のボタンを押していただきたいことについて、御協力をお願いいたします。
また、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言の際は「手を挙げる」ボタンを押していただき、指名のあった方のみ御発言をお願いします。また、カメラについては、御発言時以外も含めて、会議中はオンにしていただきますようお願いします。
この会議の模様については、報道関係者と一般の方向けにライブ配信をしております。本日の配付資料については、議事次第に記載のとおりでして、資料1から6まで、参考資料は1と2がございます。
最後に、本日の委員の御出欠状況については、坂越委員と宮﨑委員が御欠席、そして木舩委員は途中から御出席予定です。坂越委員から資料3として、本日の議事の1に関する御意見を頂戴しております。
事務局からは以上です。
【加治佐座長】小林さん、よろしいですか。
【小林特別支援教育企画官】はい。
【加治佐座長】最後のほうが聞き取れませんでしたけれども、多分大丈夫かなと思います。坂越委員が御欠席ということですね。資料3として、御意見を出されているということですね。
それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。議事次第を御覧ください。3点あります。
まず、議事の1ですが、資料1として、前回いただいた検討事項に関する意見を整理しております。それを踏まえて、資料2として、「特別支援学校教諭免許状及びその教職課程コアカリキュラムの在り方について」を用意しております。資料2に基づいて、事務局から説明を行い、委員の皆様から御意見を伺いたいと思います。これが本日のメインのテーマかなと思います。
特別支援学校教諭免許状に係る科目の単位取得方法については、教育職員免許法施行規則第7条に、第1欄から第4欄にわたって定められております。それに基づいて、本日の会議では、コアカリキュラムの目的、方向性及びそれらに関する事務局案について意見交換を行い、基本的な方針をまとめたいと考えております。
続きまして、その上で、コアカリキュラムでは第2欄の「特別支援教育領域に関する科目」を中心に、障害種ごとに異なる目標を定める必要があります。この部分については、各領域に関する高い専門性が求められますので、障害種ごとの有識者から成るワーキンググループを設置し、本日の会議でまとめる基本方針を踏まえて、具体案の検討をワーキンググループにお願いしたいと考えております。
このため、議事の2では、特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループの設置について、事務局より説明を行っていただきます。
続いて、議事の3ですが、本検討会議の検討事項は、既に御案内のように、主に2つあります。1つが、特別支援学校教諭免許状及びその教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討です。2つ目は、特別支援教育を担う質の高い教職員集団の在り方についてであります。特別支援教育を担う教師の養成、採用、研修やキャリアパス、管理職養成に係る推進方策を議論し、来年3月までに報告書をまとめることが、本会議のもう一つの目標となっております。
そこで、この検討を有意義に進めるために、来月の第3回会議では、教育委員会及び大学からのヒアリングを行いたいと考えております。こちらについて、後ほど事務局から説明を行っていただきます。
それでは、まず議事の1です。議事の1について説明を行っていただきますが、先ほど申し上げました資料2になるわけですが、資料2が非常に大部な内容になっております。それで、これは皆さんお読みで御存じのとおりですけれども、総論の部分と、検討課題が1から5まであります。まず、総論と1ですね。これが一つの説明事項。次に、2の検討事項、発達障害ですけれども、これですね。そして、残りの3、4、5ですね。この3つに分けて説明を行っていただき、それぞれについて意見交換や質問を受けたいと思います。そして、最後に全体をまとめて、また質疑ができればいいかなと考えております。
それでは、まずは資料2の1から19ページ、総論と検討課題1の自立活動の位置づけにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【分藤初等中等教育局視学官】委員の皆様、おはようございます。視学官の分藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料2を御準備ください。
2ページを御覧ください。これは有識者会議報告の整理ということで、「養成」の下、1ポツ目ですけれども、教師の養成機関である大学が果たすべき役割は大きいこと、教師の養成等の充実を図ることが重要であること、特別支援学校の幼児児童生徒への指導や、特別支援学校がセンター的機能を果たす上で最低限必要な資質や専門性を教職課程で得られるようにする必要があるということで、特別支援学校学習指導要領等を根拠にした、知的障害者である子どもに対する教育を行う特別支援学校の各教科等、自立活動、重複障害者等に関する教育課程の取扱いや発達障害を位置づけること、その際、現在の総単位数の中で検討を進めることという宿題をいただいております。
次の3ページを御覧ください。本日は、教職員免許法及び同施行規則に基づきまして、全国全ての大学の教職課程で共通的に履修すべき資質・能力を示した特別支援学校教諭一種免許状を想定した教職課程コアカリキュラムを作成することにつきまして、次の4点の位置づけと、その教授内容に関する方向性について、事務局案を御提案させていただきます。
次の4ページを御覧ください。これは教育職員免許法施行規則第7条、特別支援学校教諭の普通免許状の授与を受ける場合の科目と単位の修得方法です。
下の備考1を御覧ください。第1欄に掲げる科目は、特別支援学校の教育に係る教育の理念、教育に関する歴史及び思想、社会的、制度的または経営的事項を含むものとするという科目になっています。
備考2、第2欄に掲げる科目の単位の修得方法は、授与を受けようとする免許状に定められることとなる特別支援教育領域のイとして、視覚障害者又は聴覚障害者の領域の心理、生理及び病理に関する科目と教育課程及び指導法に関する科目、ロとして、知的障害者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域に関する心理、生理及び病理の目と教育課程及び指導法の科目となっています。
備考3、第3欄に掲げる科目は、第2欄のイ又はロで授与を受けようとする領域以外の障害と、その他の障害に関する事項を含む科目となっています。基本的には、この第7条の構造を踏まえてコアカリキュラムの作成を行い、先の4点の位置づけなどの方向性について整理をさせていただきます。
次の5ページを御覧ください。コアカリキュラムにつきましては先行して、小学校等の基礎免の教職課程コアカリキュラムが作成されています。よって、特別支援学校教諭免許状の教職課程コアカリキュラムも、基礎免の教職課程コアカリキュラムと同様の、次の目的で作成したいと考えております。特に1点目にありますように、教職課程コアカリキュラムは、全国全ての大学の教職課程で共通的に習得すべき資質能力を示すものであるという点につきましては、コアカリキュラムを作成する際に、科目間、障害領域間で、やるべきこと、押さえるべきことは何なのか、全体の構造の中での整合性を検証するという観点からも、常に意識してコアカリキュラム作成に挑む大切なポイントであると考えております。
次の6ページを御覧ください。これは令和3年8月4日、教員養成部会決定された最新の基礎免における教職課程コアカリキュラムの目次です。特別支援学校のコアカリキュラム作成の際、基礎免のコアカリキュラムの構成などを参考にすることといたします。
次の7ページを御覧ください。特別支援学校のコアカリキュラムの作成の際、基礎免の教職課程コアカリキュラムと同様、各科目に含まれる事項に対しまして、全体目標、一般目標、到達目標を設定する構造のほか、基礎免の目標との系統に留意することといたします。
次の8ページを御覧ください。これは、現行大学の特別支援学校教諭免許状の教職課程における科目間の教授内容に関する概観図でございます。本有識者会議の大学の先生方や、そこから紹介をいただいた現場の大学の先生方へのインタビューなどを行いまして、事務局で作成をさせていただきました。特別支援学校コアカリキュラム作成の際には、各欄の教授内容の関連にも十分留意する必要があるということで、進めていきたいと思います。
例えば、第1欄の科目は、全学生が特別支援学校の教育に関する本質的な構造構成を理解し、それをもって第2欄の科目において、授与を受けようとする免許状の領域を選択した学生が、1欄を踏まえながら、それぞれの障害特性等に即して実態把握や教育課程及び指導法について具体的な教育の在り方を構想する方法を身につける。
また、第3欄の科目におきましては、第2欄で授与を受けようとする免許状の領域を選択した学生が、それ以外の領域に関する事項や、その他の障害に関する事項についても理解し、それらを踏まえて具体的な教育の在り方を構想する方法を身につける。そして、第4欄の科目として、教育実習を通して、大学で学んだ専門的な知識・理論・技術等を実地に即して体験的・総合的に理解して、特別支援学校の指導場面で実践するための基礎を習得する。このような欄の間のつながりや内容の発展を考慮した目標設定を心がけていく必要があります。
次の9ページをご覧ください。これは、第1回の会議の資料4、安藤委員からありました科目開設上の課題の一つです。特別支援学校のコアカリキュラム作成の際には、こういった大学の現状を踏まえ、作成の目的にも示したように、「一部の大学ではやれる」のではなくて、全国の教職課程で共通的に教授できる範囲の内容で、ミニマムエッセンシャルとすることに留意していく必要があると考えております。
こういった総論を踏まえまして、10ページから、まず1つ目の検討課題、自立活動の位置づけについて御提案をさせていただきます。そもそも自立活動とはということで、四角囲みに示しております。障害のある子供の場合には、その障害によって、生活上又は学習上において様々なつまずきや困難が生じることから、子供一人一人の障害の状態等を踏まえた困難さを改善・克服するための指導が必要となってまいります。そのため、特別支援学校においては、小・中学校等と同様の各教科などに加えて、自立活動の領域を設定しまして、それらを指導することによって人間として調和のとれた育成を目指しております。
具体的には、自立活動の内容としましては、健康の保持、心理的な安定、人間関係の形成、環境の把握やコミュニケーションなど、6区分27項目で構成されています。
次の11ページを御覧ください。これは令和元年12月12日、課程認定委員会決定の「教職課程認定申請の手引き」の特別支援学校教諭免許状に係る審査の考え方の抜粋資料でございます。
四角囲みの1つ目の、第1欄の特別支援教育の基礎理論に関する科目についてのシラバスの考え方の(2)の中に、「自立活動」を概観する内容を含めることが必要であるということ。また、第2欄と第3欄の教育課程及び指導法に関する科目のシラバスの考え方の中にも、「自立活動」の内容を含めることが必要であるという考え方が記されております。
次の12ページを御覧ください。第1回の会議の資料4、安藤委員の資料から、第1欄における自立活動の取扱いに関する調査結果を見ますと、第1欄では、制度的事項において教育課程上の自立活動を概観する教授内容を取り扱っている傾向にあるということが分かります。
次の13ページを御覧ください。同様に、第2欄における自立活動の取扱いに関する調査結果のポイントとしましては、第2欄では、自立活動を指導の実際にまで踏み込んで教授している傾向にあることが分かります。
なお、赤囲みの視覚障害の米印ですけれども、自立活動というキーワードはありませんでしたが、さらに詳細を調べますと、先ほどの6つの区分から実際に取り扱っている自立活動の具体的な内容が示されておりましたので、それぞれの障害領域で自立活動の指導の実際が展開されているということが分かっております。
次の14ページを御覧ください。11ページで御説明しました課程認定申請の手引に示す「自立活動を概観する内容」と、「自立活動の内容」に関する教授内容の整理としては、第1欄の科目におきまして、解説で申せば、自立活動の変遷、自立活動の意義と指導の基本、総則における共通事項としての自立活動というのが第1欄で取り扱われ、そして第2欄の科目では、解説で申せば、それぞれの障害領域における実態を踏まえた自立活動の個別の指導計画の作成と内容の取扱いを通して、具体的な指導の在り方を構想する方法を身に付けることが第2欄で取り扱われ、こういった欄の間の関係性を大切にしながら、コアカリキュラムにおける自立活動の目標設定をする方向でどうかと事務局としては考えております。
次の15ページを御覧ください。検討事項1の御提案ですけれども、コアカリキュラムへの自立活動の位置づけとして、第1欄の「制度的事項」に含まれる「自立活動を概観する内容」として、自立活動の本質的な構造構成を理解する程度、第2欄の教育課程及び指導法において、「教育課程」に含まれる「自立活動の内容」として、当該領域の具体的な実態を想定した個別の指導計画の作成と、それに基づく指導の在り方を理解する程度の目標の関連を図って設定していったらどうかと思っております。
次の16ページを御覧ください。自立活動の位置付けに関連する課題について御提案いたします。
次の17ページを御覧ください。第1欄における「社会的、制度的又は経営的事項」の取扱いに関する調査結果のポイントでございますけれども、多くの大学で、第1欄の最低修得単位数2単位の修得を前提とした開設状況にあります。「社会的、制度的又は経営的事項」に属すキーワードは、第1欄全体の77%を占めて、制度的事項60.1%の割合が高く、社会的、経営的事項の順になっております。
一番下の表ですけれども、赤囲みしております制度的事項に自立活動を位置づけて、確実に教授してほしい内容として、コアカリキュラムを作成するに当たりましては、次の18ページ目を御覧ください。
これは、基礎免のコアカリキュラムの「社会的、制度的又は経営的事項」の取扱いです。この構造を参考にした場合、赤囲みのように、基礎免では「いずれかを習得し」とありますけれども、「いずれかを習得し」ではなく、自立活動を含む制度的事項は必ず習得してほしいので、次の19ページに事務局の案として示しておりますが、第1欄に含めることが必要な「社会的、制度的又は経営的事項」のうち、制度的事項は習得するものとして、それ以外の2つの事項を含んでシラバスを編成する場合も可能とするとして、注釈を入れることとしてはどうかと提案をいたします。
以上、駆け足でしたけれども、1番目の議事についての御説明を終わります。
【加治佐座長】ありがとうございました。
それでは、ただいま総論部分と1の検討課題の自立活動を御説明いただきましたが、御意見、御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。意見がある場合は「手を挙げる」ボタンを押してください。
安藤委員、よろしくお願いします。
【安藤委員】なければ、私から一言、御意見を申し上げたいと思います。改めて、安藤でございます。御提案ありがとうございました。提案に沿ってお話をさせていただきたいと思っております。
まず1点目の総論について、これは今回の会議の趣旨を考えた場合に、いかに各欄の全体を構造化して見せるかということがポイントであったと思いますし、さらに、各欄の整合をどう図るかということが大きなポイントであると私は理解しております。しかもこれは、これまでの自立活動の改訂等を踏まえた構成になっていること、そういう観点から私はお話を伺いました。そういう観点から申し上げると、今回お示しいただいた14ページの図において、私自身が押さえていたポイントについて、一定の説明がなされていると了解しております。
続いて、自立活動に関わることでございます。自立活動に関しては、今回、1欄の中で取り上げるということを御提案いただいたわけですけれども、これまでも備考の規定に基づいて、自立活動については取り上げられてきたという経過はあると思うんですけれども、残念ながら、大学によって取り上げ方が異なっていたという実態があろうかと思います。そういう中で今回、制度的事項を習得するとして、これと関連あるところで自立活動が取り上げられるということは、明示的に示す、明示すると、自立活動を1欄の中で内容として取り上げるという意味では、非常に私は意味があると思っております。先ほど提案がありました、大学によって取り上げ方が異なるということを避けるという意味では、非常に重要であろうと思います。
以上、2点でございます。
ただ、一つ懸念していたことに関しては、備考1にございますように、理念、それから歴史、思想、そして「社会的、制度的又は経営的事項」について取り上げるということですけれども、調査の結果が引用されていましたが、調査の結果をどう解釈するかによって、多少捉え方は変わると思うんですけれども、現在多くの大学で、1欄を担当される先生方の研究の分野においては、どうしても特別支援教育全体の中で、社会的とか経営的事項に関わる領域を専門とされる先生が少ないということもあると思うんですね。ですので、結果的に、取り上げやすい事項に多くの内容が挙がっているということもあろうかと思います。
そういった視点から捉えたときに、今回の「制度的」を習得し、かつ、ほかに「社会的」「経営的」のものも選んで取り上げるんだよという示し方というのは、偏りはありつつも、必ず選択肢の中でいずれかが取り上げられるという意味では、より分かりやすくなったのかなと思います。
ほかに、それぞれの取り上げ方、時数の問題等ありますけれども、これはまた別な機会にお話をさせていただきます。以上でございます。
【加治佐座長】ありがとうございました。よく分かりました。
いかがですか。それでは、ほかにはよろしいですかね。また後のほうで……。
【市川委員】すみません。市川ですが、手を挙げているんですが。
【加治佐座長】そうですか。じゃ、市川先生、どうぞ。
【市川委員】全国特別支援学校長会の市川でございます。質問というか、少し理解をするために教えていただきたいんですが、検討課題1の2の「社会的、制度的又は経営的事項」の取扱いについて、制度的事項を習得するものとするということで、3つのうちから1つを選んだということの理由は、第1欄の授業の単位数が2単位であるので、2単位の中では教え切れないということで絞ったということだと思うんですが、そのことを教えていただくとともに、絞った中で、今、安藤先生のお話にもあったんですが、自立活動自体は、確かに制度の部分のことから自立活動をやっていかなくちゃいけないんですけれども、制度を生み出しているもとというのは、1番の社会的事項の変化なわけで、社会的事項とか子どもの生活の変化とか、いろいろな近年の教育政策の動向があるから制度が変わっていくわけです。
ですから、これを切り離すということはなかなか難しいんじゃないかなということが疑問点と、もう1個は、自立活動については、自立活動の時間の指導と、学校全体の教育活動の中で行われるという指導がありますので、そうなると、学校経営の仕組みというか、学校全体の教育課程をどう考えるかということも切り離せないので、制度の事項は習得するものとして、3つ以上を含むというのは、実際問題、3つとも含まれるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
【加治佐座長】分かりました。事務局で回答いただけますか。
【分藤初等中等教育局視学官】分藤です。ありがとうございました。
まず、ミニマムエッセンシャルでコアカリキュラムをつくっていくとしたときに、制度的事項と社会的事項や経営的事項の現場のシラバスの取り上げ方として、多くの大学が制度的事項というのはしっかりと取り上げられております。先ほど市川先生がおっしゃった社会的な情勢などは、特別支援学校を取り巻く教育の理念あたりと関連づけて、制度的事項と一緒に教授がなされているという現状があります。
よって、コアカリキュラムとしてしっかり取り扱ってほしいという表の見せ方、発信の仕方としては、制度的事項については取り組んでほしいというコアカリキュラムの目標の設定の仕方ではどうかと考えております。もちろん、社会的事項や経営的事項について、大学の、先ほど安藤先生もおっしゃいましたけれども、教授する先生方の専門性や、教授する先生方の確保の側面から、そこを大事に扱っていきたいということであれば、それは目標として取り扱ってもよろしいと思いますが、コアカリとしてミニマムでつくっていくときにどうかという視点から、先ほどの御提案をさせていただきました。
まず1点目で、いかがでしょうか。
【加治佐座長】はい。続けて2点目の回答をお願いします。
どうですかね。2点目についても回答になっているんですかね。それでよろしいですかね。
【分藤初等中等教育局視学官】基礎免との関連を踏まえて、1欄の中に、スライド番号8枚目ですけれども、自立活動と各教科等の関連を踏まえた指導あたりは、2欄の教育課程及び指導法の中で、自立活動としての目標をつくっていく中で、関連づいた自立活動の指導についての理解が図られているかという具体の目標で出てくるのではないかと思います。
市川先生の御質問についてと、うちの事務局の提案としては、そういったものを含めて、2欄の、自立活動をまず含める事項として設定することを了承いただいた上で、具体的な有識者会議での今後のコアカリを作成した全体の試案の中で、各委員にお示ししていき、御意見をまた頂戴したいと、事務局では考えています。
【加治佐座長】分かりました。
【山田特別支援教育課長】すみません。特別支援教育課長の山田でございます。
【加治佐座長】どうぞ。
【山田特別支援教育課長】今、分藤から御説明申し上げたとおりなんですけれども、一つだけ補足をさせていただきますと、コアカリですから、ミニマムエッセンシャルということで、資料3でいただいている御意見でも書かれておりますけれども、どう切り詰めた上で、各大学の自主性を出していくか、大変重要なところでございまして、スライド4枚目の免許法施行規則の7条の備考の1を御覧いただくと、結構この1の書き方がややこしくて分かりにくいのですけれども、まず、理念と歴史と思想は必ずやらなきゃいけないよという形になっています。これは「並びに」というのと「及び」でつながれていて、そういう形になっているのですが、最後の「社会的、制度的又は経営的事項を含む」というのは、社会的なものか、制度的なものか、経営的事項、どれかを含めばいいよと。これは「又は」でつながれているという形になっている。
コアカリでお示しするときには、国としてお示しするもので何が大事かということで、先ほど市川先生がおっしゃったとおりでいろいろな関係があるので、それらをくっつけながら、実際の授業は実施されると思うのですけれども、基礎免じゃなくて、特別支援学校の教諭の免許状なので、自立活動がこうやって教育課程に位置づけられているのですよということぐらいは、第1欄の中で取り扱っていただきたいなというのが我々の案だということです。
ただ、もちろん、先ほどもおっしゃったとおり2単位しかないので、突っ込んだ具体的な内容は、それぞれ2欄の中で定められる領域の中で勉強してもらうということでいかがかということでございます。
すみません。補足でございます。
【加治佐座長】ありがとうございました。
それでは、市川先生、何か御意見あれば、後のほうでまたお願いします。
それで、現在のところ、喜多委員の手が挙がっていましたけれども、今は出ておりませんが、よろしいですか。後でよろしいですかね。
それでは、時間の関係、進行の関係もありますので、また御意見は後でいただくとして、次の検討課題、20ページから24ページの発達障害の位置づけについて、分藤視学官、説明をお願いいたします。
【分藤初等中等教育局視学官】お手元の資料の21ページを御覧ください。施行規則第7条、備考3の第3欄に掲げる科目に、その他の障害というのがあります。その他の障害に関しては、「教職課程認定申請の手引き」において、下の四角囲みですけれども、「当該領域には」ということで、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害に関する内容を含むと、その他の障害に発達障害が含まれる領域として示されております。
次の22ページ目を御覧ください。第3欄における発達障害の取扱いに関する調査結果のポイントとしましては、そういった申請手引を踏まえて、各大学では、右下の赤い線を引いておりますように、発達障害の科目を教授しているというのが98.8%と、ほとんどの調査大学では開設しているということが分かりました。
次の23ページを御覧ください。第3欄に発達障害を位置付ける必要性につきましては、1つ誤植がありまして、一番左上の青色で「第3欄」の科目とありますが、正しくは「第1欄」になりますので、訂正をお願いします。失礼いたしました。
第1欄の科目の制度的事項を中心として、特別支援教育に関するセンター的役割ということで、学校教育法の第74条であるとか、特別支援学校における特別支援教育コーディネーターの機能が総則に示されておりますところを根拠にして、カテゴリー分析してありますけれども、大学の中では特別支援教育への転換ということで、センター的機能や特別支援教育コーディネーターで助言・援助をする対象として、小・中学校、高校等の発達障害の理解ということが非常に大事になるということで、第3欄の領域の一つとして発達障害を位置づけておられるということが分かりましたので、コアカリキュラムにおいては、第3欄で発達障害の目標設定をする方向でどうかと考えました。
次の24ページを御覧ください。コアカリキュラムとしての発達障害の位置づけの事務局案ですけれども、第3欄の科目に含まれる事項として心理、生理及び病理と、教育課程及び指導法に、それぞれ発達障害領域に関する目標を設定してはどうかということを御提案します。特に、第3欄の教育課程・指導法の事項について、コアカリキュラムの列の2ポツ目に書いてありますけれども、第2欄でも自立活動の内容が含まれていきますので、第3欄の発達障害領域においても、同様に教育課程において自立活動の内容に関する目標を具体的に設定していくという方向でいかがかということを御提案させていただきます。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございました。
それでは、この部分についてはいかがでしょうか。市川委員、手が挙がっておりますかね。お願いします。
【市川委員】度々すみません。全国特別支援学校長会の市川でございます。教えていただきたいんですが、検討課題2の発達障害の位置づけの項目の2番目なんですが、第3欄については、中心となる領域以外の障害ということで、発達障害を加える。そこまでは理解しました。「幼児、児童の心理、生理及び」も分かりました。自立活動も分かりました。
問題は、発達障害領域に関する幼児、児童、生徒の教育課程というのは何を表しているんでしょうか。私の理解では、発達障害の教育課程というと何なのかなと思います。後半の指導法の目標の設定については分かりました。ここの教育課程は、何の教育課程を意味しているのかを教えていただければと思います。
以上です。
【加治佐座長】分藤視学官、いかがですか。
【分藤初等中等教育局視学官】御質問ありがとうございます。小・中学校等の教育課程に特別な教育課程が組めるということを理解するということです。
【市川委員】それは特別支援学校の準ずる教育課程とどのように違うんですか。
【分藤初等中等教育局視学官】小・中学校、高校の通級指導教室を利用する子供は、所属する通常の学級の当該学年の各教科等の指導に加えて、自立活動の指導を展開する通級による指導、いわゆる特別の教育課程が組めるということであるとか、特別支援学級を学びの場とする子供は、自閉症学級などについて基本は小学校等の当該学年の各教科等の指導を展開し、自立活動の指導を加えた特別の教育課程を組めますので、特別支援学校の教諭免許状を取得する学生には、第3欄の発達障害領域の教育課程のところでセンター的機能を発揮していく上で、特別の教育課程が組める小・中学校の通級や特別支援学級の教育課程についても、少し理解を深めておかないといけないと思っております。
【市川委員】市川です。度々すみません。教育課程のことについて理解はしました。
発達障害領域に関しては、少し限られるような気がします。通級の指導の教育課程は発達障害だけではなくなってきますから、小学校の特別の教育課程もそれではなくなってきますので、おっしゃることでいえば、小・中学校における特別の教育課程についてとかいう言葉が、なるほどなと思いました。通級指導も含めてになりますでしょうか。
中身は理解しました。ありがとうございます。
【加治佐座長】また今後、生かしていきたいと思います。
ほかにはいかがですか。
樋口委員、それから喜多委員ですね。時間の関係で、ここではお二人に限りたいと思います。じゃ、樋口委員からお願いします。
【樋口委員】ありがとうございます。松本大学の樋口です。
今の発達障害領域に関する内容が、特別支援学校のセンター的機能との関わりで第3欄に位置づいてくるというところについては、すっきりすると思いますというか、ここで扱うしかないだろうなと思います。
発達障害は最近非常によく使われる言葉で、場合によっては大変使いやすいんですけれども、非常に多くの障害種を含む概念でして、センター的機能ということになりますと、恐らく小・中学校、高校等に在籍する、かつてLD、ADHD、高機能自閉症等と言われていた概念のお子さんたち、知的な遅れのあまりない発達障害を、多分意味すると思いますので、この先、知的障害の特別支援学校にたくさん在籍している、前回もお話ししましたけれども、ASDの位置づけと、第3欄にある発達障害と、それ以外でも扱わなければいけない発達障害に属する障害との区分けといいますか、どっちつかずにならないように位置づけるということが、すごく大切なんじゃないかなと思っています。
以上です。
【加治佐座長】また今後に生かしていただきたいと思います。
それでは、喜多委員、お願いします。
【喜多委員】全国特別支援学級・通級指導教室の喜多と申します。お世話になります。
これは特別支援学校の免許状なので、今の自立活動であるとか発達障害の位置づけは、そのとおりだなと思いますし、自立活動が学習指導要領にしっかり沿いながら、大学の段階でしっかり学べることは、すごく大事だなと感じています。
特別支援学級・通級指導教室の関係で申し上げさせていただくと、特別支援学級や通級による指導の教員の専門性の担保というところでは、学校の免許状がまずはベースになってくるかなと思うんです。それを少し想定しながら、こういった発達障害のところにもきちんと位置づけていただけるとありがたいなと感じます。
あわせてなんですけれども、教員になりながらで免許法の認定講習を6単位、通級に関わる内容を学校の免許状の中から取り上げて、学んでいけばいいよということが今回できるわけですけれども、そういったことも踏まえながら、内容をかなりイメージしながら、内容を精査していただけるとありがたいなと思っています。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございます。またそういう御意見もワーキング等で生かしていただければと思います。
それでは、よろしいですね。また後で御意見をお願いいたします。
続きまして、残りですね。検討課題の3、4、5ですね。5がまとめみたいにというか、あるいは全体整理になりますが、25から40ページになりますね。分藤視学官、説明をお願いいたします。
【分藤初等中等教育局視学官】検討課題3です。25ページを御覧ください。知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科等の位置づけということでございます。
次の26ページを御覧ください。学校教育法施行規則の126条から第128条の第2項におきまして、知的障害者である児童生徒を教育する場合の各教科等の構成、位置付けがなされております。小・中学校と同様、準ずる教育課程で扱う教科とはまた別途、知的障害者用の教科があるということでございます。
次の27ページを御覧ください。知的障害者である児童生徒のための各教科等の特長といたしまして、各教科の目標及び内容を、学年ではなく段階別に示しております。段階の考え方としまして、発達期における知的機能の障害が、同一学年であっても個人差が大きくて、学力や学習状況も異なるからでございます。そのため、小学部3段階、中学部2段階、高等部2段階と段階を設けて示すことで、一人一人の児童生徒の実態等に即して教科等の指導内容を精選して、効果的な指導ができるようにしているというところでございます。
あわせて、インクルーシブ教育システムの推進によりまして、障害のある子供たちの学びの場の柔軟な選択を踏まえまして、幼稚園、小・中学校、高等学校の教育課程との連続性を重視した新しい学習指導要領の改訂となっております。主な改訂の要点としましては、小・中学校、高等学校と同様に、育成を目指す資質・能力の3つの柱に基づいて整理をしております。また、今改訂から、初めて観点別学習状況の評価の導入ということで、3観点による評価をするということで整理をさせていただいております。
次の28ページを御覧ください。第2欄における知的障害の各教科等の取扱いに関する調査結果のポイントとしましては、第2欄で、知的障害のある子供のための各教科を指導の実際まで踏み込んで教授しているという傾向にございます。特に知的障害の領域で取り扱っているということが、よく分かります。
次の29ページを御覧ください。知的障害のある児童生徒のための各教科等の位置づけに関する整理の案でございます。第1欄の科目の中で、教育の内容として、特別支援学校には知的障害のある児童生徒のための教科があるということを、学生全員に理解してほしいと思いました。また、それを踏まえて、特に第2欄の科目において知的障害領域を選択して学ぶ学生には、今回新しく知的障害のある児童生徒のための教科の構成等が変わりましたので、まずは知的領域の免許を取得する学生には、しっかりと各教科等の内容を理解していただいて、さらに知的障害の状態等を踏まえて授業を構想する教授内容をしっかり学んでほしいと思っております。そのように第1欄と第2欄の関連の中で位置づけて、コアカリキュラムにおける目標設定をする方向でどうかと考えました。
次の30ページを御覧ください。コアカリキュラムへの知的障害者のある児童生徒のための各教科等の位置づけの事務局案でございますけれども、第1欄のところで制度的事項に含まれる教科の種類として、本質的な構造構成を理解する程度を設定し、具体的には、第2欄の知的障害領域の教育課程に含まれる知的障害のある児童生徒のための教科に関する目標を、具体的に設定していったらどうかと事務局としては考えました。
続きまして、検討事項4の重複障害者等に関する教育課程の取扱いの位置づけを、引き続き説明させてもらいます。
32ページ目を御覧ください。特別支援学校固有の特別の教育課程編成についての規定が総則の第8節に、「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」ということで位置付いております。含まれる規定は、大きく4つに分かれております。
まず1つ目は、障害の状態により特に必要がある場合ということで、6つの規定があります。
「(1)各教科等の一部を取り扱わないことができる。」とは、例えば、視覚障害のある子供に理科の内容を教えるとしたときに、見る、観察というところが非常に困難になってきますが、光を音に変換できる感光器などの補助具を用いたり、また、肢体不自由の子供たちの体育のボール運動や球技などの学習で、様々な変更や調整をしたとしても、なかなか学習の一部が難しい子供たちがおります。そういった子供たちには、その内容を一部取り扱わないことができるといったことが規定されています。(2)は、当該学年よりも前の各学年、例えば、6年生であれば5年生あるいは4年生の内容を主に取り扱ってよいなど、そういった規定が6つ並んでいます。
また、今回の小・中学校と特別支援学校の連続性の中で、2は、知的障害者である児童生徒の場合の規定として新しく設けられたものでございますけれども、知的障害の状態が比較的軽度な子供もおられますので、特別支援学校の例えば小学部は、2行目にあります3段階が一番上の段階になりますが、そこの各教科の内容を習得し目標を達成している者は、さらに小学校に示されている目標・内容の一部を取り入れられるという接続規定があったりとか、次の33ページ目ですけれども、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱のある子供たちの中で、知的障害を併せ有する者については、先ほどお話ししました知的障害のある子供のための各教科に替えて指導していいといった規定であったりします。さらに、重複障害のうち、障害の状態により特に必要がある場合には、発達の諸側面に不均衡が非常に大きく出て、調和的発達の基盤を培う必要がある子供たちに対して、各教科を自立活動に替えて、自立活動を主として指導を行うことがでる規定もあります。このように実態に応じて弾力的な教育課程を編成できることについて、その取扱いごとに9項目に分けて示した規定でございます。
次の34ページを御覧ください。第1欄におけるこの規定に関する調査結果のポイントでございますが、第1欄では、制度的事項において特別支援学校の教育課程の制度として、この「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」の規定を概観する程度に取り扱われているということが分かりました。
次の35ページを御覧ください。第3欄におけるその他の障害の中に、重複障害が課程認定の申請の手引の中に領域として含まれていることが示されています。第3欄の重複障害領域の中で具体的に「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」の各規定をどのように考えて教育課程を編成し、重複障害教育を進めていけばいいのかなど、教授内容として取り扱われているという傾向も分かりました。
次の36ページを御覧ください。「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」に関する教授内容の整理の案としましては、第1欄の科目でそもそも取り扱われていた関連した基礎的要素についての理解を位置付けて、それを踏まえて、第3欄に重複障害領域を位置付けて、その中で具体的な規定を理解し、実際に運用を考察するような教授内容の関連を大切にしながら、コアカリキュラムの目標設定をする方向でどうかと考えました。
次の37ページを御覧ください。コアカリキュラムに対する「重複障害者等の教育課程に関する取扱い」の事務局案として、第1欄の「制度的事項」に含まれる特別支援学校における教育課程の特例についての基礎的要素を理解する程度に目標を設定し、さらに第3欄では、第2欄で授与を受けようとしている免許領域において、併せ有する主たる障害を想定しながら、この規定の取扱いの適用を考察するといった程度の目標を設定していったらどうかと事務局では思っております。
最後になりますが、38ページを御覧ください。検討課題に対する基本的な方向性の案、及び障害領域の専門的な検討の必要性ということで、これまでお話ししたコアカリキュラムの方向性に関する事務局案の内容をまとめた表になっております。特に第2欄の黄色の反転部分と、次の40ページの第3欄の発達障害領域に関することについては、専門性の高い有識者によるワーキングを設置して検討していくという方向でいかがかという御提案も含めて、御審議のほどよろしくお願いします。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございました。
それでは、3から5に限って、まずは御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
森委員、それから喜多委員、市川委員ですね。それでお三方、まず森委員からお願いします。
【森委員】すみません。ありがとうございます。知的障害の教育課程のところなんですけれども、本当に御説明にありましたように、段階論で進めていくということは非常に大きな要点だと思っておりまして、ただ、コアカリキュラムの30ページの第2欄の一番下のところで、目標・内容を理解して実態を踏まえて想定していくということを、目標の内容として掲げているんですけれども、前回のときにも私は申し上げたんですが、教科の系統性といいますか、言語の発達だとか、そういう流れをしっかりと捉えることが大事じゃないかと思っておりまして、中学部であっても小学部に遡ったりできるとか、先ほどの準ずるところを活用することもできるというような一連の流れというのを、しっかりとつかまえることが必要かと思いますので、この辺りが目標の内容理解というのと、何か段階的、系統的に捉えるという目標の内容が入ればいいなと考えたところです。
実際の学習指導要領でも、国語の領域は言葉をイメージとしてというところから、思いを出す、考える道具としていく、そしてその考えをしっかりまとめるということで、小学部から中学部へ段階論がつながっていると思いますので、そういうことが理解してもらえたらと思います。
以上です。
【加治佐座長】生かしていただきたいと思います。
それでは、喜多委員、お願いします。
【喜多委員】全特協の喜多です。お世話になります。
知的障害に関わる特別支援学校の各教科等の整理、すごくいいなと思います。各教科の取扱いと併せてなんですけれども、各教科等を合わせた指導に、各教科の指導は教科別の指導で非常に関連性が強いかなと思いますので、各教科だけを取り扱うのではなくて、合わせた指導の中で、どう取り扱っていくのかというのも、ぜひ検討いただければありがたいと思います。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございます。またこちらも生かしてください。
それでは、市川委員、お願いします。
【市川委員】全国特別支援学校長会の市川でございます。
説明はよく分かりました。おっしゃるように、全ての特別支援学校までは言いませんが、知的障害の子どものための教育課程があることを理解することは、とても大切だと思います。
それと、重複障害のお子さんのことでいうと、自立活動を主とした教育課程があることというのも大切なことだと思うんですが、制度上どうしようもないんですけれども、こういう知的障害のある子どもさんの教育課程の取扱いについてとか、重複障害に関する取扱いについてということを理解していくと、教育課程が3つあるということの結論に行くんですね。
分藤先生の話の中でも、そういう教育課程があるということを理解してほしいということは、私もすごくよく分かります。それが分かるような内容のところでも、そういう言葉を文科省さんは使いにくいのかもしれませんよね。一般に言えば、自立活動を主とした教育課程とか、知的代替の教育課程という言い方なので、なかなか使いにくいんですけれども、具体的に言うと、そういう教育課程を理解するというほうが分かりやすいのかなということは、1点思ったところです。
もう1点が、先ほどの知的障害を合わせた指導のこともそうですし、もう1個は、教科の連続性について、今度の学習指導要領の大きなテーマで、共通教材等も入ってきておりますので、そこら辺も知的障害の教育課程においては、しっかり中身に入れていってほしいなと思います。
以上です。
【加治佐座長】またこちらも、今後の議論で生かしていただきたいと思います。
それでは、資料2全体を通じまして、総論と1から5までの課題、特に最後の39・40ページで、どういう区分けにしてコアカリキュラムをつくっていくかということが明確に示されておりますので、こういうことも含めた御意見をいただければと思いますが、いかがですかね。
それでは、今、4人の方が挙がっていますが、喜多委員と市川委員は引き続きということですかね。分かりました。それでは、まず安藤委員、樋口委員、それから喜多委員、市川委員。市川委員は下ろしましたね。まず安藤先生からお願いします。
【安藤委員】すみません。最後のところで、私の方の確認などさせていただければと思います。
まず1点目ですけれども、今回御提案いただいたのは、いわゆる総合免許としての一種免許についてのコアカリということですね。特別支援学校の教員を目指す者の養成についてというところに主眼があるという理解をしています。ただ一方で、今日、市川委員からも出ましたように、認定講習等で特別支援学級や通級の担当の先生方が特別支援学校の免許を取得いただくということを前提にしていることを考えるときに、認定講習等において、いわゆる二種免の意義を踏まえた中身の構成とか、その充実ということにおいても、この一種免での考え方が基本的には適用されるという理解でよろしいかということが1点目でございます。
それから、これは2点目でございますが、今後ワーキングが立ち上がって具体的な議論がなされていくという前提でございます。今回、私自身がこの会議に出席する中で、一応、自分自身もこれまで養成の立場で授業を持っていたときに、例えば第1欄の現行の2単位の中で、新たに加わったこれらの内容をどのように構成したら、15コマの授業ができるのかというのは、かなり難しい面もあるだろうなと。理念として、考え方として、今回の提案は非常に分かりやすいということを先ほど申し上げましたけれども、一方で、大学で第1欄を担当し、しかも2単位の中で、これらをどう教授するか、どう構成するかというのは、非常に困難な面も出てくるのではないかなと思っております。
そういったときに、今後、例えば規則の改正などで、各欄の範囲の見直しなど、これも早晩検討しなきゃならないことではないかなと思っているんですけれども、これまで、これが改正される以前は4単位だったわけですから、それが2単位に減ったという経過を考えても、今後この単位についてどのような見通しがあるのか、なかなか答えにくいところではあると思うんですけれども、2点について質問というか、確認をさせていただきました。
【加治佐座長】それでは、非常に重要な御質問だと思いますが、分藤視学官、そしてほかの事務局の方々、2点の回答をお願いします。まず1点目。
【山田特別支援教育課長】特別支援教育課長の山田でございます。ありがとうございました。大変重要な御指摘だと思います。
まず、認定講習ですとか、二種免ですとか、6単位の場合があるのですよね。運用としては多分、1単位・3単位・2単位ぐらいで認定講習は取っているところが多いと思いますが、そういう事情はございますけれども、基礎免のところのコアカリキュラムの考え方も参考にさせていただいて、今回は実際に大学で一種免を取ることを念頭に置きまして、コアカリキュラムを作成していただきたいというのが我々の考え方でございまして、それをぎゅっと縮めて認定講習だとか、特に二種免だとかいうことになりますと、単位を絞っていただくのですが、その粒を消さない範囲でぎゅっと絞っていただきたいなと思っております。
あと、2点目、単位の見直しについて、これも永遠の議論だと我々も思っておりますけれども、例えば運用で今、認定講習で1単位・3単位・2単位とかでやっているものを、この単位のバランスを崩して第2欄の科目とか第3欄の科目とかを本当に取れるのだろうかという、バランスの議論も出てこようと思います。今、お願いを申し上げたいのは、現在の単位数を前提として、その中でコアカリキュラムというのをどのように考えていただくかというのを、ぜひ今回御議論いただき、実際にそのコアカリキュラムを使っていただいて、その後、「やっぱりこのバランスはおかしいよね」ということになったならば、また改めて御議論いただく。そういう流れかなと考えております。よろしくお願いいたします。
【加治佐座長】分かりました。それでは、どうぞ。
【分藤初等中等教育局視学官】今、課長の申したとおりでございますけれども、今回、特別支援学校教諭免許状の施行規則第7条は、小・中学校、高校と違う表のつくりとなっていて、小・中学校等は「科目に含める事項」というのがそもそも規則に整理されており、私たちの第7条は、そこの科目に含める事項は何なのかということを今回整理し、それに基づいてコアカリキュラムを作成していくということで、内容をしっかりと明示していくという作業を優先させました。そこで各科目に含まれる事項に対するコアカリキュラム全体を通して、喜多委員など先ほどおっしゃいましたけれども、第1欄とか、第3欄の発達障害とか、どこからどこまでを特別支援学校コアカリキュラムの目標の水準とし、基礎免の目標水準との関連の中で設定していくかというところは、ワーキングも含めて、しっかりと整理をさせていただきたいと思っております。
補足でした。以上です。
【加治佐座長】では、樋口委員、お願いします。
【樋口委員】お願いします。先ほどの発達障害の位置づけと関係するんですけれども、第3欄がセンター的機能を意識した発達障害の扱いであれば、実際に知的障害を併せ有する子どもたちのほとんどといいますか、知的障害の特別支援学校にいるわけですね。たしか以前、校長会の調査だったと思いますけれども、知的障害の特別支援学校に、自閉症を併せ有するお子さんというのは、半数ぐらいは在籍しているという結果があったと思います。
重複障害ということにするのか、知的障害の特別支援学校に半数は自閉症を重複するお子さんがいるということを考えると、知的障害の教育課程と指導法の辺りに、括弧づきでもいいと思いますので、自閉症についての理解、指導といったところをどこかに位置づけておかないと、それは第3欄ですよね、知的障害ですかねということで、結局、学ばずに現場に行って、知的障害の特別支援学校ですと、1学級の半数以上が自閉症を重複しているということもありますので、どこかに位置づける必要はあると思っています。
以上です。
【加治佐座長】今後検討する際に、そこは問題になるような気もするんですが、分藤さん、今の御意見についていかがですか。
【分藤初等中等教育局視学官】ありがとうございます。第2欄は視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の領域となっていて、第2欄で知的障害を取ったときに、第3欄で知的障害以外の領域、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱及び、その他の障害ということで、発達障害に含まれる自閉症を重複障害として位置付けて享受することができるように、方向性としてはなっております。
知的障害の第2欄の学びを、先ほど樋口委員がおっしゃったように、自閉症を併せ有するというところで、第3欄の自閉症に関する心理、生理及び病理に関する実態をしっかりと理解していただいた上で、知的障害と自閉症を併せ有する実態の子供に対する教育課程や指導法について関連付けて整理していたところでございますが、ワーキングの中で、いかに関連付けて整理し、示していくかは、少し検討が必要と、御意見を踏まえて思ったところであります。
【加治佐座長】かりました。
それでは、喜多委員、お願いします。
【喜多委員】全特協の喜多です。度々すみません。先ほどの話とつながる部分が1点と、もう1点は、また別の観点からお話をします。
特別支援学級と通級指導教室のコアカリキュラムとは何なんだろうというのを、特別支援学校の免許状の今回の提案をお伺いしながら、すごく考えました。ぜひ、ワーキングの中でも結構なんですけれども、特別の教育課程、特別支援学級と通級指導教室のコアカリキュラムはどういうものなのかというのを明らかにしていただけるとありがたいかなと感じます。基礎免の中で取り扱ってもいいと思うんですけれども、この免許状を取ることによって、その特別支援学級や通級指導教室の専門性は担保されていますので、ぜひそこら辺の検討をお願いしたいのが1点です。
2点目は、インクルーシブ教育を進めていく上ですごく大事なのが、交流及び共同学習だと思っています。学級でも教室でも、あるいは学校でも、もちろんそこは大事にされているんですけれども、その部分がすごく抜け落ちている印象があるんですが、どこかで触れることがあるんでしょうか。これは質問です。お願いします。
【加治佐座長】1点目は、特別支援学校の教員免許のコアカリをつくるわけで、それで特別支援学級とか通級による指導を担当する教師に求められる資質能力もカバーできるということでいいかなと思いますが、ちょっと違いもあるのかもしれませんが、2点目の共同学習をどう盛り込むかということですが、こちらについてはいかがですか。
【分藤初等中等教育局視学官】ありがとうございます。1点目につきましては、小学校等の基礎免のコアカリキュラムの含める事項にも1ページ、(1)と(2)でコアカリキュラムに示されており、その到達目標には、通級による指導の教育課程の位置づけと、自立活動についてまで明文化されておりますし、特別支援学級については、特別な教育課程についての到達目標というのが立てられております。
私たちも、基礎免コアカリ1単位以上の通級の自立活動と特別支援学級の教育課程がどのように扱われているのか、現場の大学の先生にもインタビューさせてもらいましたけれども、特別支援学校のコアカリの方向性で言えば第1欄のようなところを幅広く取り扱っているような現状もうかがえました。よって、特別支援学校のコアカリで、例えば、第2欄や第3欄の自立活動で具体的に個別の指導計画をどうやってつくっていけばいいかという実践的なところまで目標を設定していけば、認定講習も含めて、特別支援学校のコアカリキュラムのどこを取っていけば、特学や通級の先生たちが基礎免のコアカリを軸にして、さらに発展的に学べるのかという関係性について、ぜひ検討を進めていきたいと思っておりますし、逆にそれを考えていくことが、基礎免のコアカリで特別な支援を必要とする子供の目標の設定に対する提言にもつなかっていくもの考えています。
2点目ですけれども、特別支援学校におけるセンター的役割、重複障害者等に関する教育課程の取扱い、交流及び共同学習、個別の教育支援計画、個別の指導計画など、特別支援学校でこれまでも、これからも大事にしていかなければならないキーワードが多々あると思いますので、それをどう目標に、どこに位置づけていくか、御意見を踏まえて検討していきたいと思います。
長くなりました。以上です。
【加治佐座長】それでは、田中委員、お願いします。
【田中委員】帝京平成大学の田中でございます。要望ということになろうかと思いますけれども、私は先ほど喜多先生がおっしゃられたことを大変重要な視点だと思っておりまして、それはどういうことかというと、自立活動のことなんですね。自立活動は、特別支援学校の5領域において、それぞれの障害種ごとの専門性が最もよく現れる部分だと考えています。
先ほど、自立活動における指導と、関する自立活動、つまり、学校教育全体の中で扱うべきことということでお話を分けていただきましたけれども、そのことが最も如実に出る部分は何かと考えたときに、私は学生の指導の中で、指導案を書かせて模擬授業を行わせるということをさせているわけですけれども、そのときに、指導案を見たときに、それがどの障害の指導案なのかということが一目で見て分からないといけないと。それはどういうことかというと、各教科の指導においても、それぞれの障害種別の自立活動としての評価の観点であるとか留意事項ということが、指導の中に示されているという必要があるんだろうと思います。
それから、知的障害のことに関して言えば、特設の自立活動を設定していない学校がまだたくさんあると理解していますので、そういうことであれば余計に、各教科等において、自立活動の視点はどうなっているのかということがはっきりと明示されている必要があるんだろうと思います。このことは、ぜひどこかの形で強く申し上げておきたいなと。何かそういったことを考えてほしいなと思っているところです。
もう1点は、重複障害のある子ども、重度重複障害のある児童生徒については、自立活動を主とした教育課程を編成ということになるわけですけれども、先生方御承知のように、自立活動の2つの側面の2点目ですよね。つまり、人間としての基本的な行動を遂行するために必要な技能を身につけていくんだという部分について、これはもしかしたら学習指導要領解説等で、もうちょっと深く書き込みをしていただくことによって、この辺りがはっきり理解されるのかなとも思います。
いずれにしても、自立活動は大事な視点だと思いますので、御検討いただければと思います。以上です。
【加治佐座長】ありがとうございます。今後の検討の中で、あるいは作成の中で生かしていただきたいと思います。
それでは、あとお二人挙がっています。木舩委員、市川委員ですね。木舩委員からお願いできますか。
【木舩委員】九州産業大学の木舩でございます。ありがとうございます。
1点は、検討課題3の重複障害者等の教育課程に関する取扱いにつきまして、感想とお願いをいたします。その前に、まず全体的な事務局提案ということにつきましては、様々な制約の中でここまで丁寧にまとめていただいたことに、本当に感謝申し上げております。基本的に、この方向で行っていただければと思います。
私は肢体不自由教育を専門としておりますので、重複障害者等の教育課程に関する取扱いについて、1点、これからワーキングあたりで検討していただきたいなと思うことについて申し述べます。37番目のスライドなんですけれども、コアカリキュラムに対する重複障害者等の教育課程に関する取扱いの事務局(案)というところで、重複障害者等の教育課程については、第7条でいう第1欄と第3欄でコアカリキュラムに記載するとなっておりまして、第2欄ということについては触れられていません。
これにつきましては、これでよろしいと思うんですけれども、御存じのとおり、肢体不自由特別支援学校における重複障害学級在籍率が非常に高い、80%あたりを超えているという状況から、私自身、肢体不自由の教育の授業の中では、重複障害者等の教育課程については、取り上げて教えていると。これを理解していただくことが、肢体不自由特別支援学校で勤務する先生方には必要であろうということで、第2欄の中でも取り上げております。
もちろん、第1欄で、37ページに書かれておりますように、基礎的要素を理解する程度には、ある程度学習してきているわけですけれども、それを肢体不自由特別支援学校の中で実際的に運用していくためには、第2欄の授業の中でもこれを取り上げてきております。ということで、第2欄に取り上げてほしいとコアカリキュラムで申し上げるつもりはございません。ミニマムエッセンスということで、この案で結構だと思いますけれども、ワーキンググループの中で、肢体不自由特別支援学校の重複障害学級在籍率が非常に高いということも念頭に置きながら、コアカリキュラムの議論をしていただけると非常にありがたいなというお願いでございます。
以上でございます。
【加治佐座長】分かりました。ありがとうございました。またそういうことも、ぜひ留意していただきたいと思います。
それでは、市川委員、お願いいたします。
【市川委員】市川でございます。度々すみません。先ほどの樋口先生のお話のところを、分藤先生のお話を聞いていて思ったんですが、知的障害の教科を第2欄で、自閉症については第3欄の科目で取るということなんですけれども、先ほどもその前の話で、通級指導だとか、特別支援学級(自閉症及び情緒障害学級)のことを考えると、第3欄は、自閉症の立場でいうと分けるべきではないと思っているんですが、知的障害のない発達障害の方たちをイメージしているのかなと思ったんですね。
知的障害がある自閉症の方というのは、特別支援学校の自閉症の学校にはかなり多いので、ここら辺の整理というのは慎重に進めていただきたいなという樋口先生のお話のことを思いました。
あと、先ほど肢体不自由のお話もありましたが、知的障害の特別支援学校というのは、知的障害・肢体不自由を併せ有している方もいらっしゃいますし、そこら辺の重複ということもあるので、うまく整理をしていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
【加治佐座長】分かりました。また御意見を生かしていただきたいと思います。
それでは、あと濵田委員から手が挙がっているんですが、ほかの方はもうよろしいですか。
それでは、資料2につきましては、濵田委員を最後にいたしたいと思います。濵田委員、どうぞよろしくお願いします。
【濵田委員】よろしくお願いします。東京学芸大学の濵田です。この資料をずっと作っていただいて、本当に御苦労だなと感じました。ありがとうございました。ミニマムエッセンシャルでいくというところなんかも、そのとおりだと思います。
その中で、皆さんからも出ていたことにも関わりますけれども、資料の14ページで第2欄のところ、指導計画あるいは実態把握から指導をという辺りのことが14ページの辺りで出たかと思うんですけれども、そこには個別の指導計画だけではなくて、支援計画という辺りもきちんと位置づけていただくことが大事かなと感じます。発達段階ごとの課題をきちんと踏まえるとか、あるいは、生涯発達の視点を持つということなんかは、ミニマムエッセンシャルの中に含まれることなんじゃないかと思うんですよね。そういうことをどこに位置づけるかということを議論できればと思います。
それから、第2点目ですけれども、これはいろいろな委員の方からも出ていますが、自閉症というか、発達障害の扱いをどう考えるかというのは、大きな問題かと思います。基本的には、いわゆる5障害を第2欄で扱って、その他の障害を第3欄で扱うと。大学教員もそのことを分かって、一応、授業づくりはしていますけれども、木舩先生もおっしゃったかと思いますが、実際、僕は聴覚障害の専門ですけれども、聴覚障害の中で、第2欄の科目の中で具体的な内容のところでは、重複障害のこと、特に発達障害を併せ持つ子どもたちの聴覚障害の子どもたちのことなんかを、積極的に捉えて授業をしたりということも出てきております。
ですので、第2欄に発達障害を入れろというのは、なかなか今から難しいところですけれども、ワーキングの中で今後、いろいろな在り方なんかを丁寧に議論いただければということが大事かなと感じました。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございます。分かりました。またぜひワーキングの議論の中でも生かしていただければと思います。
それでは、どうもたくさんの御意見、ありがとうございました。本当にいろいろ理解も深まったかなと思います。
コアカリキュラムの在り方ですけれども、本日の御意見を踏まえまして、森副座長、事務局と相談の上、私のほうで調整させていただきます。また、本日、大きな基本的な方向性としては定まりましたので、議事の2に関連することですけれども、今後設置されるワーキンググループに示す案は、今日のものがもちろん基本になるわけですけれども、私に一任をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、事務局と相談して、調整した案につきましては、追ってまた皆様に送付させていただきたいと思います。
それでは、これは議事の1にも関わることですが、議事の2につきまして、特別支援学校教諭の教職課程コアカリキュラムに関するワーキンググループの設置について、事務局より説明をお願いいたします。
【小林特別支援教育企画官】ありがとうございます。資料4を御覧ください。ワーキンググループの設置について、特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議において決定いただくための案として、御用意しております。
検討事項、1としまして述べておりますとおり、教職免許法施行規則に規定する特別支援教育に関する特別支援学校教諭の教職課程の各科目に含めることが必要な事項のうち、主に特別支援教育領域に関する科目の第2欄と、免許状に定められる特別支援教育領域以外の領域に関する科目の第3欄について、全体目標、一般目標、到達目標などについて、専門的な検討を行っていただくものです。
2の実施方法ですけれども、ワーキンググループは、以下の6つの障害種別のサブワーキンググループによって構成するとしております。具体的には、2ページ目と3ページ目を御覧いただければと思います。別紙にございますとおり、サブワーキンググループには、教職課程を持っている大学の先生方、そして現場を熟知されている学校や教育委員会の方々を候補に挙げております。
上のお二人でございますけれども、6つのサブワーキンググループ全体を総括いただくために、本検討会議の安藤委員と樋口委員に入っていただきまして、お二人とも特別支援学校教諭免許状の教職課程において、実際教壇に立っていらっしゃるということで、このワーキンググループにも分属いただき、そして、加治佐先生と御相談をさせていただきまして、安藤先生には主査、樋口先生には副主査として、具体的には検討会議で出た方針や御意見などを踏まえて、コアカリキュラムの素案について検討が進むように御調整をいただきたい。そして、検討事項が生じた場合には、本検討会議に諮るなどして進めていただきたいと考えております。
御説明は以上でございます。本ワーキンググループの設置について、御審議をお願いいたします。
【加治佐座長】どうもありがとうございました。
いかがでしょうか。6グループですね。このように設けるということです。
よろしいですか。特に御質問、御意見はございませんか。
それでは、これでワーキングのほうをどうぞよろしくお願いいたします。
それでは続きまして、今度は議事の3ですね。特別支援教育を担う質の高い教職員集団の在り方に関する教育委員会及び大学からのヒアリング実施について、事務局から説明をお願いいたします。
【山田特別支援教育課長】特別支援教育課長でございます。資料5を御覧ください。
これまでもスケジュールのイメージは、今日も資料6におつけしておりますけれども、お示ししておりましたが、加治佐座長から冒頭お話がありましたように、コアカリキュラムとその他の資質向上政策、キャリアパス等々を含めて、進めていきたいなと考えております。
コアカリキュラムの議論は、先ほどお認めいただきましたように、ワーキングでこれから具体的な第2欄・第3欄科目を中心に、議論をしていただく。それと並行して、先生方にお集まりいただいているこの親会議で、ヒアリング等々を実施して、並行してキャリアパスだとか、その他の資質向上政策について御議論いただいてはどうかと考えております。
イメージとしては、例えば次回、12月20日に先生方のお時間を頂戴したいと思っておりますけれども、大体会議全体で2時間半ぐらいとか、2時間をちょっと超えるぐらいお願いいたしまして、その中で30分ずつぐらい、例えば10分、15分説明していただいて、残りの15分とか20分とかを意見交換にするという形で4団体ぐらいお呼びして、実際にいい取組をしていたり、課題をお持ちの自治体だったり養成機関にお越しいただいて、先生方と意見交換をしていただいてはどうかと考えてございます。
ここに挙げておりますのは、例えば都道府県教育委員会、これは任命権者という立場もございますし、認定講習も実施されている。市町村教育委員会は、実際に小・中学校を設置しているお立場としてということもあろうかと思います。養成機関としての大学ということも、候補としては考えられると思います。場合によっては、具体の個別の特別支援学校だったり、あるいは特色のある特別支援学級・通級を実施されている学校をお呼びするということもあるかもしれませんが、例としては、この3つのカテゴリーをお示ししております。
イメージといたしましては、特別支援学校について、例えば都道府県教育委員会を呼んだ場合というのが1でございます。特別支援学校の教師について、大学との連携でございますとか、教育実習も含めてどうするかとか、あとは学校への採用・配置、人事交流。2つ目の丸のところで、域内の小・中学校との関係、任命権者としての関係も含めて、どういう支援あるいは認定講習という体制をつくっているのか。
2といたしまして、例えば市町村の教育委員会をお呼びした場合には、小・中学校で特別支援学級とか通級を担当されている先生について、キャリアパス、初任のときにどうしているのかとか、認定講習をどう受けてもらっているのかとか、人事交流をどうしているのかということをお話しいただいて、意見交換をするということがあり得るかなと思っております。
最後、例えば大学をお招きしてお話を聞くという場合には、教職課程についていらっしゃる、特に特別支援学校教諭の免許状の取得に係る教職課程の先生方の教員の確保についてであったりとか、あるいは、基礎免の中における1単位の実施の仕方、教育実習の在り方、これは基礎免の部分ともかぶってくるところもあるかもしれませんけれども。あるいは、最後の視覚・聴覚の免許状の取得、これはかなり大学数が限られているので、地方によっては難しい部分もあるのですけれども、そういったところをどう工夫されているかということでしたり、研修について、どう関係機関と連携して取り組んでいるかということが、イメージとしてはあり得るかなと思っております。
コアカリと並行して、こういう議論をしていただく。これは大変大事なものだと思っておりまして、特別支援学校あるいは特別支援学級・通級の先生たちを、どう質を上げていくかというのが、この会議の議論です。
事務局というか、私としては、特別支援学級を考えたときに、本当に学校で、特別支援学級に合った人が置かれているのだろうかと。ちゃんと経験を積んだら、本当はいい特別支援学級の先生になれる人が置かれているのだろうかということ。そういった人が置かれているのだと、そういう人は校長先生になったり、教育委員会の幹部になっているのだろうかと。そういう特別支援教育を、かなり今、人数も増えているものですので、どんどん教育の、学校の真ん中に持っていきたいなと我々としては考えておりまして、そういったことを、こういう表彰の仕方をしている、こういう任命の仕方をしている、こういう研修の仕方をしているというのをいろいろ聞き出して、我々からも先生方の答申、提言の中で、いろいろなアイデアを盛り込んでいただきたいなと思っています。
それを我々のほうで通知し、場合によっては、ちゃんとできていますかといって毎年調査をするとか、そういった形で進めていくということができないかなと思っておりまして、そのキックオフとしてヒアリングを実施して、具体には今日、先生方に御意見をいただいて、それに基づいて、どの団体がいいかなということを考えまして、お呼びして、先生方と意見交換をするという流れにしたいと思っていますけれども、いろいろな特別支援学校、特別支援学級・通級を真ん中にするための提言の第一歩として、こういうことをさせていただきたいなと事務局としては考えている次第でございます。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございました。
今、山田課長に御説明いただきました。御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思いますが、具体的には、ヒアリング候補先は今、事務局で精査しているところです。特徴的な取組を行っているような、ヒアリング候補先となるような自治体や大学がございましたら、御意見を伺えればと思いますが、いかがでしょうか。
教員養成大学・学部において、特別支援教育の占めるウエートというのは、かなり高くなってきています。そういうこともありまして、特別支援教育を専攻する入学者が非常に増えていると思います。そして、教職大学院でも、いわゆるコーディネーターといったミドルリーダーを志望される方が入学しています。さらに、特別支援学校独自の経営管理の問題もありますので、特別支援学校の先生を特別支援学校の校長にするために、教職大学院に派遣するというケースもあると思います。ですから、そういった大学や教育委員会の方々から御意見いただけると、また非常にいいのかなと思います。
何か皆様のほうで、特にこういうことを聞いたらいいとか、あるいは、こういうところがあると。
森先生、どうぞ。
【森委員】恐れ入ります。滋賀県教育委員会、森です。
今さらながらなんですけれども、ヒアリング、いろいろお聞きしたいことがあるなと思いつつ、ふと通級指導に関して、高等学校の通級の指導の担当をどう養成するかというのも、非常に頭の悩ましいことでして、もちろん、特別支援学校の教員を、どちらも担当することができるような仕組みにはなってきていますし、本県でも校種間交流のような形でしている場合もあるんですけれども、この辺り、県の教育委員会だったら特別支援学校、そして市町のほうだったら小・中学校と決め切らずに、もう少し幅広に聞ける自治体さん等がいらっしゃったらありがたいなと思いました。お願い事項です。
以上です。
【加治佐座長】高校の通級指導と特別支援学校の関係ですかね。都道府県教委は特別支援学校設置義務がありますけれども、市町村も、村はないのかな、市で特別支援学校を持っているところはありますよね。もちろん、小・中学校もそうですけれども。
山田課長、何か御意見ございますか。
【山田特別支援教育課長】今、具体的にどこの自治体さんにお願いするということを決めているわけではないので、今の森先生の御意見も含めて、県をお呼びする場合には、通級については、正直な話、がーっと広がっているという状況ではないので、皆さん恐る恐る始めていらっしゃるところだろうと思いますので、そういった話も、県をお呼びする場合にはお聞きしたいと思いますし、この場で、オープンな場で具体の自治体名とか大学名とかを挙げられるのは、ちょっと生々しいので、もし先生方、ここはいいから呼んでみたらみたいな御提案があったら、この会議終了後、メールでも何でも結構ですので、事務局にお寄せいただければありがたいと思います。ありがとうございます。
【加治佐座長】それでは、そのようにお願いいたします。皆さんから事務局に、いろいろないい事例といいますか、いい教育委員会やいい大学がありましたら、御紹介いただきたいと思います。事務局でそれらを踏まえて、ヒアリングのセットをよろしくお願いしたいと思います。
それでは、本日の主な議題は以上です。よろしいでしょうか。
それでは、次回の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
【小林特別支援教育企画官】ありがとうございます。資料6の検討スケジュールを御覧ください。
次回の第3回の会議は、12月20日に開催をさせていただきます。年末でお忙しいところ、大変恐れ入りますけれども、御協力のほど、引き続きよろしくお願いいたします。
また、1月以降につきましても、現在、日程調整をさせていただいております。こちらについても御協力をよろしくお願いいたします。
以上です。
【加治佐座長】ありがとうございました。スケジュールのほう、よろしく確認してください。
それでは、本日の議事はこれまでとなりますが、最後に、本検討会議のオブザーバーであられます国立特別支援教育総合研究所の宍戸理事長から、本日の意見交換について、一言述べていただければと思います。宍戸理事長、どうぞよろしくお願いします。
【宍戸オブザーバー】お世話になります。オブザーバーとして参加をさせていただいております特総研の宍戸といいます。いよいよコアカリキュラムの具体的な作成に入るということで、今日はワーキンググループの設置も認められたということで、これから大変だろうなと思いました。
少し私なりに気がついたことを述べさせていただきたいと思いますが、一つは、ワーキングを行うに当たって、恐らく安藤先生から養成課程のある大学に調査をされて、その結果が報告されました。前回、それから今日も話題になりました。現状としては幾つか指摘があったんですけれども、恐らく課題のようなことも把握しておられるんじゃないかなと思いますので、ワーキングで議論する際には、その課題の部分、具体的な提案もしていただいて、こういう課題があるからコアカリキュラムをつくりたいんだ、どのようにつくる必要があるんだということを考えていただけるといいのかなと思いました。
それから、もう1点は、どうしても、これも入れたい、あれも入れたいということになると思うんですけれども、単位という一つの時間の量の中で、限られた時間枠の中ですので、どのように盛り込むか。今日も話題になっていましたけれども、ミニマムエッセンシャル、ミニマムエッセンスということで、最小限なくてはならないことは何かということを、ぜひ議論していただいて、整理していただけるといいなと思いました。
ワーキングをするに当たっては、6つのグループを進行していく、取りまとめるということで、調査官の先生方の御苦労が多いかなと思いますけれども、調査官の先生方同士の共通理解を十分進めていただいて、ある意味、障害種別間の意向が共通して案としてまとまるような形で出していただけると、本会議のほうも助かるのではないかなということを考えながら聞かせていただきました。
また、本会議のほうではヒアリングもあるということですので、さらに勉強させていただきたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
【加治佐座長】どうも宍戸理事長、ありがとうございました。
それでは、少しだけ早いんですが、今日はこれで閉会といたしたいと思います。本日は御出席を賜りまして、本当にありがとうございました。また12月20日、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。これで失礼いたします。

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文部科学省初等中等教育局特別支援教育課企画調査係・指導係

(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課企画調査係・指導係)