「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」有識者会議(第1回)議事要旨

1.日時

令和3年10月5日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」の調査内容、実施方法等について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)市川委員、上野委員、大関委員、河野委員、土屋委員、笛木委員、宮﨑委員、宮本委員
(特別協力者)笹森特別協力者、井上特別協力者、伊藤特別協力者、海津特別協力者、柘植特別協力者

文部科学省

伯井初等中等教育局長、淵上大臣官房審議官、分藤視学官、小林特別支援教育企画官、嶋田特別支援教育課課長補佐、加藤典子特別支援教育調査官、加藤宏昭特別支援教育調査官

5.議事要旨

(1)伯井初等中等教育局長の挨拶の後、会議開始。
(2)宮﨑委員が座長に、宮本委員が副座長に選任された。
(3)会議運営規則について資料2のとおり了承された。
(4)各出席者より発言の後、議題に基づき討議を行った。主な発言等は次のとおり。

【委員】医療の方では中々こういった資料は作れないので本調査は非常に重要。行動面に関わる項目は国際的な基準を使用しているので、データとしても非常に貴重。
【委員】この調査は3回目だが、特にこの10年、本調査の実施によって教師、保護者の特別支援教育に対する理解がかなり進んだということが言える。児童生徒の相談が早期から、行われるようになってくるなど、特別支援教育全体が底上げされた。
【委員】小学校の現場では、校内委員会などで児童を把握する際LDI-Rを参考にする例が多い。よって、児童の困難さの状況に係る項目について、小学校は前回調査と変更しないとの提案は適切と認識。
【委員】調査の実施者について、高校(中学校も)は教科担任制であり、「読む、書く、計算する、推論する」という項目においては、国語や数学の教科担任でないと回答しにくい可能性がある。実態に応じて、学級担任のみではなく、教科担任も加わって、調査に回答いただけるようにした方が良いのではないか。
→【座長】前回もそうできるスキームだったかと思う。調査実施の際はそのように読めるようにしておいてほしい。
【委員】抽出について、高校は学校という単位ではなく、学科ベースで抽出するのがよいだろう。結果的に600校になるかもしれないが、意味合いとしては学校を単位として600学科を抽出するというもの。また、高校は今回が初めてということで、1学年の抽出人数が小中学校の倍となってしまうが、正確な推計値を出すために学校に協力をお願いしたい。
【委員】中学校の肌感覚としては発達障害の可能性のある生徒、少し困難な部分のある生徒の割合は増えてきている。全日本中学校長会の調査で、この生徒たちへの支援としてどんなことをしているか確認したところ、8割以上が担任の個人的対応であった。発達障害の可能性のある生徒、困難な部分のある生徒の割合が増えているのであれば、それに対する学校への人的・設備的な対応を増やして、特別支援教育の一層の充実を図っていくべきであり、それにつなげられる調査であると認識している。
【委員】学習面の「推論する」に関する項目が算数的な推論の内容に寄っている。結果の説明の際に、コメントを付すなり、補足を入れたほうが良い。
→【委員】アメリカ(DSM-5)で定義をする際に、計算力などとそれ以外の算数的能力とし、推論を数学的な推論として定義付けているので、日本のこれまでの感覚から少し違和感のある部分もあるが、世界的な定義を踏まえ、調査していくのだろう。
【委員】本調査は診断・判断ではなく、どういう支援を必要としている子供たちがどれくらいいるのかを教育的目線で調査しているものであり、結果を支援にどう生かしていくかが大事な部分となる。手引なりガイドラインなりの作成まで発展させていければ良い。
【委員】行動面で困難のある子供たちへの対応は、教師だけでは対応が困難である。チームとして対応することを考えていく必要があり、そのチームの中での個々の役割が明確にされれば更に良くなると思慮する。
【委員】高校は義務教育修了者の99%が進学する。しかし、進学先の高校は多様に分岐している。私立や高専などへ高い知能のある発達障害のある子供たちが進学している可能性もある。
【委員】知的障害に対する考え方だが、定義上、自閉症では知的障害の領域の子供も含んでいる。過去の議論にもあったが、今回、発達障害と知的障害をどう関連付けるのかというのも、重要な視点である。
【特別協力者】支援状況の項目で、通級による指導を過去に受けていたか問うているが、これはどこまで遡って確認する必要があるのか。
→【事務局】担任等が調査時点で把握している限りで良い。本調査のためにあえて遡って調べてほしいという趣旨のものではない。
【委員】通級に自校通級と他校通級があるが、把握しなくて良いのか。
→【事務局】本調査とは別に通級による指導の実態を調査する予定である。そちらで、実施形態等を詳細に調査したい。
【委員】支援状況の項目に「外部の専門家」という文言がある。都道府県によっては、職員として雇用している場合もあるため、「外部」という言い方について少し検討する必要がある。
【委員】学習面の「計算する」(中学・高校生用)の新項目25番。+-からπ√まである。例示のレベル感がバラバラで回答者が迷うのではないか。対象となる学校現場で回答者に分かりやすい表現にするべきである。

(5)いただいた御意見を踏まえた修正作業について、座長・副座長に一任することについて、委員に了承された。
(6)閉会

お問合せ先

文部科学省初等中等教育局特別支援教育課支援総括係