「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議(第6回)議事録

1.日時

令和4年2月21日(月曜日)15時00分から17時00分

2.議事録

【荒瀬座長】  皆さん、こんにちは。荒瀬でございます。定刻となりましたので、ただいまから第6回「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。御多忙の中、本日も御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 今日の会議も、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、ウェブ会議システム(Zoom)による開催とさせていただいております。傍聴者の方につきましては、YouTubeで御視聴いただいております。
 では、本日の会議の開催方式、配付資料等につきまして、森下室長からよろしくお願いいたします。
【森下初等中等教育局参事官(高等学校担当)付高等学校改革推進室長】  ありがとうございます。事務局でございます。本日の会議開催方式ですが、今、座長からおっしゃっていただいたとおり、Zoomによる開催とさせていただいてございます。ウェブ会議システムを併用して御議論いただく観点からお願いしたい事項、毎度で大変恐縮でございますが、御発言に当たりまして、インターネット上でも聞き取りやすいよう、はっきり御発言をいただくということ、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただく、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただく、あとは、御発言に当たりましては「手を挙げる」ボタンを押していただきまして、御発言の後は「手を下ろす」ボタンを押していただく、こうした配慮をいただきたく存じます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日の配付資料でございます。議事次第にございますように、資料1から2までと参考資料1から5までを御用意してございます。事前に委員の皆様にはメールでお送りをしているところでございます。
 また、会議の中で説明する際には画面上に表示をいたしますので、よろしくお願いいたします。御不明な点がございましたらお申しつけください。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。
 続いて、本日の会議の内容についての説明と、今後のこの会議の検討の進め方につきましてお願いをいたします。
【森下室長】  事務局でございます。本日の会議でございますが、2件ヒアリングを予定してございます。1件目が東京都教育庁(教育委員会)の方々と、もう一つは広域通信制高校の一つでございますN高等学校様からのヒアリングを予定してございます。
 東京都教育庁(教育委員会)様からは、不登校経験者や中途退学経験者を受け入れている定時制の高校である、チャレンジスクールにおける取組を御発表いただく予定でございます。
 チャレンジスクールは定時制高校でございますので、通信制高校ではないわけでございますが、ここまでの議論で御指摘ありましたとおり、今日の定時制高校のニーズと重複する部分があるということで、今後の通信制高校の議論にも資するのではないかということで今日お時間をいただいた次第でございます。
 また、N高等学校様からは、前回のクラーク記念国際高校様と同様に、学校における取組を御発表いただく予定となってございます。
 本日は、以上2件のヒアリングを予定してございますので、よろしくお願いいたします。
 ここで、議事に先立ちまして、事務局より1点、資料の御紹介をさせていただきたく思います。参考資料1、全国私立学校審議会連合会から頂いた要望書についてでございます。全国私立学校審議会連合会、全審連と略すそうですが、各都道府県の私学所管部局が、例えば、認可であるとか指導をする場合に、諮問機関として各都道府県には私立学校審議会が置かれてございます。この私学審議会による連合会として、各都道府県の私学審議会相互の情報共有などを行っている任意団体でございます。
 所轄庁の認可などに携わっているということで、今般、ヒアリングをお願いしようとしたところ、本日は御都合がつかないということで、代わりに頂いたものが参考資料1でございます。ヒアリングにつきましては、次回お願いしようと考えておりますので、本日、私から簡単に紹介をさせていただけたらと思います。
 参考資料1でございます。「広域通信制高校に関する問題の改善について(要望)」ということで御提言を頂いてございます。表裏1枚、2ページのものでございますが、1ページ目、広域通信制高校の現状ということで、勤労青年に教育機会を提供するものから、不登校や中退経験者など、役割、ニーズが大きく変化をしているということ、設置基準が弾力的であるために大規模な学校が登場したり、中には不適切な運営を行っている学校が出てきていること、こういった現状について分析した上で、下段でございますが、問題点といたしまして、全日制のような通学コースの実態があるということ、設置認可を受けていないサテライト施設につきまして様々な実情があるということ。これにつきましては、ここでもこれまで議論があったとおり、所轄庁の目が必ずしも行き届いていないのではないかということ、こうしたことについて問題点として指摘をいただいてございます。
 その上で、2ページ目でございますけれども、要望事項として3点御提言をいただいているところでございます。恐縮ながらかいつまんでお話をしますと、1つは、こうした問題を都道府県任せではなくて、国が主体的な立場で問題解決を図っていってほしいということ。2つ目が、サテライトであるか通信制高校の実情として、例えば収容定員の上限を定めたり、サテライト施設の基準をつくったりということで、国や所轄庁がこうした通信制高校の質を保証できるようにするべきこと。3つ目でございますけれども、通信制高校のこうした柔軟なやり方、学習方法というものが、公教育としてふさわしいのかどうかという観点から、全日制、定時制も含めて、それぞれの制度の目的、意義、そういったものを吟味するとともに、株式会社立の通信制高校の意義につきましても併せて検討してほしい、という要望でございます。
 以上の内容につきましては、次回、全審連にお越しいただこうと思っておりますので、直接お話を伺えたらというふうに考えている次第でございます。
 事務局からは以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今も繰り返しおっしゃっていましたように、全国私立学校審議会連合会(全審連)につきましては、次回、来ていただいて、直接やり取りをさせていただくということでありますので、また御質問や御意見等ございましたら、その際にお願いするということでよろしくお願いいたしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入りたいと思います。前回同様、今回もヒアリングということでありますが、まずは東京都教育庁(教育委員会)様からヒアリングを行いたいと思います。
 今日は、お聞きしますと、都立高校の入試の日でありまして、御多忙の中、ヒアリングをお引受けいただきました。都教委の皆さん、ありがとうございます。
 御説明のほうは、教育改革推進担当部長の佐藤様からいただくということとしております。なお、都立高校改革推進担当課長の清水様と、課長代理の浅沼様にも御出席いただいております。まず、20分程度で御発表をいただいて、その後、20分程度、質疑応答の時間を設けたいというふうに考えております。
 それでは、佐藤様、よろしくお願いいたします。
【佐藤氏】  それでは、皆様、こんにちは。教育改革推進担当部長をしております佐藤と申します。本日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 チャレンジスクールは、小中学校において能力・適性を十分に生かし切れなかった生徒が、自分の目標を見つけ、チャレンジする学校でございます。
 本日の内容につきまして、初めに、都立高校の種類を説明させていただいて、チャレンジスクールの設置の背景などを説明し、チャレンジスクールにおいてどのような教育が行われているのか、そして、今どのような現状なのかというところを説明させていただきます。
 それでは、初めに、都立高校の種類ですが、こちらは全日制のスライドになりますが、全体で申しますと、全日制が173課程、定時制が54課程、通信制が3課程、中等教育学校が5校、そして附属中学校が5校ということになります。
 こちら全日制については、普通科、専門学科、そして総合学科とございまして、様々なタイプの学校を置かせていただいています。
 こちらが定時制・通信制のスライドになりますが、定時制では、夜間定時制の高校、それから、5番目として昼夜間定時制の高校、そして、チャレンジスクールとなりますが、昼夜間定時制高校とチャレンジスクールは非常に似ているところがあります。どちらとも、1部、2部、3部、3つの時間帯から、生徒が自分のスタイルに合わせて登校するという形式になっております。
 続きまして、チャレンジスクールの設置の背景としまして、平成8年頃の都立高校の置かれている状況がございます。その頃の都立高校の課題としましては、生徒の多様化への対応。生徒の能力や適性、興味・関心、進路希望が多様化していました。
 2つ目としまして、社会経済の進展への対応。この頃、国際化や情報化、少子高齢化などの社会の変化に対応する必要や、生涯学習社会への対応もございまして、さらに4点目としまして、少子化による生徒数の減少への対応がございました。
 平成9年3月の中学校の卒業生から平成23年の3月の間で、約2万1,000人の中学生の卒業者の減少に伴い、学校の小規模化、そして学校の活力が下がってしまうという背景がございました。その中で、都立高校の規模と配置を適正化する中で新しいタイプの学校を配置していくところになりました。
 特にチャレンジスクールにつきましては、生徒の多様化、社会の変化に対応すべく、総合学科やチャレンジスクール、新しいタイプの学校を設置してきたということになります。
 これらの学校の設置は、計画を立てて実施をしてまいりました。これが都立高校改革推進計画になりまして、第1期が平成9年から平成18年の間です。こちらは先ほどの生徒数の減少、多様化に対応するために、適正規模を進めながら個性化・特色化を進めてまいりました。その主な取組の中でチャレンジスクールの設置がございました。
 そして、緑のところになりますが、こちらが第2期、現行計画になりますが、第2期の計画は平成24年から令和3年度、今年度がこの計画期間の最終年度になります。主な取組として3点示させていただいております。
 令和4年度、来年度開校するところでは小台橋高校があり、荒川商業高校を母体として、チャレンジスクールに変えてまいります。
 立川高校に創造理数科を設置してまいります。この2校はこれから入試を行うというところでございます。
 そして、立川国際中等教育学校に附属小学校も、令和4年度からの開校になってまいります。
 それでは、チャレンジスクールの設置についてです。こちらの東京都の地図の黄色の部分、こちらが先ほどの第1期において計画されたチャレンジスクール5校になります。
 右上のオレンジのところ、こちらが令和4年度開校の小台橋高校で、9クラス規模、左下に令和7年度開校予定で、立川地区に6クラス規模のチャレンジスクールを設置予定でございます。
 続きまして、チャレンジスクールの教育についての説明です。特徴的なところとしまして、昼夜間の3部制、単位制の総合学科になりまして、午前中に登校する生徒、午後の時間に登校する生徒、そして給食を挟んで夜間部に登校する生徒となります。それぞれの、1部生、2部生、3部生、選択可能な部分の科目を選択することで、3年間で卒業することもできます。学級定員は30名。入学者選抜につきましては、調査書は求めず、志願申告書と作文、面接により行います。
 続きまして、チャレンジスクールにおける教育です。例の一つは大江戸高校の教育課程、二つ目は稔ヶ丘高校の教育課程となっております。
 この中で、大江戸高校の1年生のときの生活実践、それから、地域理解、そして3年生の総合研究、そして4年生のテーマ研究がチャレンジスクールならではの科目であり、自らの進路や、それから自分自身のこと、人との関わりについて考えたり、あるいは集団社会との関わりを勉強したりしていくことになります。
 そして、下段の稔ヶ丘高校の特徴的なところとして、コーピングという科目が1年生の19番目のコマのところにございます。そして3年次のキャリアサクセス、4年次のキャリアサクセス、こちらも人間関係や社会貢献、職業観、勤労観について学んでいく科目です。総合学科の産業社会と人間を設置しています。
 次に、先ほどの上段の大江戸高校のチャレンジスクールの特徴である系列でございます。
 この大江戸高校には、生活・福祉系列、そして情報・ビジネス系列、伝統・文化系列、この3つの系列を設けています。生徒が自分の将来を考える上で身につけていきたい資質・能力、これをこれらの科目を学習することによって身につけ、就職をする生徒もおりますが、もう少し勉強したいという生徒は専門学校、そして大学への進学に結びつけていくことになります。系列以外のところでも、わかる国語、わかる英語、わかる数学など、基礎・基本を重視した科目も設置しています。
 そして、系列についてもう少し見ていきますと、チャレンジスクールが左側、縦に並んでおりますけれども、それぞれの学校において生徒に身につけてもらいたい科目をグループごとに分けて設置をしております。全ての学校が3つの系列から成っているところでございまして、例えば世田谷泉高校は、製作・技術とありますけれども、こちらは母体校が烏山工業高校でしたので、機械系の科目を系列の中で入れています。そして、稔ヶ丘、小台橋、これは母体校が商業高校でございましたので情報系の科目、ビジネス系の科目、これを設置しております。
 特徴的なところとして、アートやデザインに興味を示す生徒が多いことから、そちらの科目を設置して将来のことを考えていく。あわせて、小台橋、稔ヶ丘、立川においては、人文・自然関係の科目を置いて、大学での勉強も見据えたカリキュラムを編成しています。
 続きまして、チャレンジスクールにおける教育の特徴的なところとして、相談機能の強化がございます。スクールカウンセラーを都教育委員会から学校に派遣をしており、平成25年から全校で配置を始めました。全校といいますと、例えば全日制と定時制で両方の課程を持つ学校は1人しか配置されず、それですと相談機能が十分果たせないだろうというところで、平成28年から全ての課程に配置をすることにしました。全ての課程ですから、全日制と定時制が併置されている学校では2名になります。
 いじめ、不登校などの未然防止、そして校内の教育相談体制の充実のために配置をしております。この中で、特に(2)ですけれども、カウンセリングに関する教職員や保護者への助言や援助も含まれてございます。
 近年、事件や事故に巻き込まれてしまう生徒さんもいることから、心のケアが非常に重要となってまいります。先生方に対してもケアが必要な場面があり、そういったところをお願いするケースがございます。
 カウンセラーの方には、年間38日間、来ていただく形になっており、夏休みを除くと大体週1回ペースで各校に見えるということになります。学校は、校長先生をはじめとして、分掌の中に位置付ける形をとり、カウンセラーの方の情報を、生活指導部、教育相談部、教務部、そして学年で共有しながら生徒に対してフォローをしていく体制をとっています。
 もう一つが、ユーススクールソーシャルワーカー、こちらを配置する事業も取り組んでございます。福祉や就労の専門家を、不登校、中途退学に対応する学校に継続的に派遣していこうというもので、こちら我々のほうでは自立支援チームと呼ばれるチームを派遣しております。
 派遣のタイプは、ブルーの部分とオレンジの部分の二つがあります。継続派遣校40校に重点的に派遣するもので、不登校、中途退学者が多い学校にユースソーシャルワーカーを派遣します。こちらにチャレンジスクールが含まれています。そして右側のほうが、要請に応じたYSWの派遣で、特に困難なケースが発生した場合に、スポット的に派遣するものです。
 こちらのスライドは校内の相談体制の例で、中学校の段階の情報を入学段階で引き取りまして、そして教育支援委員会でどのように対応するか検討します。右側のところは、本人から、あるいは保護者から、担任の先生の勧め、あるいは養護教諭が情報をキャッチし、この生徒は相談体制を構築することが望ましいというところから、下の段にございます担任、スクールカウンセラー、特別支援教育心理士、フレンドシップアドバイザー、こちらは大学院生になりますが、相談しやすい大学生にも相談に乗ってもらう、そういう体制をとっています。
 こちらのスライドは、今申し上げましたスクールカウンセラー、YSWの事業のまとめでございます。
 少し資料を持ってまいりました。こちらは相談機能の強化というところで、どのような効果が現れているかを中途退学率で見たものです。一番上のグラフが定時制課程で夜間定時制課程、チャレンジスクール、昼夜間定時制が交ざったものでございます。
 その下の3.6%からスタートするものが専門高校、そしてブルーが普通科、その下が総合学科高校となります。
 平成25年のところが、先ほどのスクールカウンセラー全校配置の年で、そこを境に減少傾向が現れています。さらに平成28年のところからは、自立支援チームの派遣と、それからスクールカウンセラーを全課程での配置をしていることから、若干29年は上がっておりますけれども、さらに減少傾向が見てとれるところでございます。
 そして次のスライドで、コーピングメソッドという取組を紹介したいと思います。特徴として3点書かれているとおりです。人間関係におけるストレスにうまく対処し、生徒が自分の力で諸課題に対応し、解決していく力を身につけてもらいたいという科目です。
 この科目は早稲田大学の教授の先生方に御指導いただき共同開発したプログラムで、情動、認知、行動という3本の柱に導入して、総合の単位を加えて実施をするものです。
 例えば、左側の黒板のところでございますけれども、持ってくるものを忘れてしまった場合、どのようにその事実を自分の意思で提案するのかということを、ケースを示しながら、みんなで考えて、対応方法を学ぶもの、そしてグリーンのところは、会話がなかなか弾まないケースにおいて、どちらの会話が弾むのかを2つの例を示しながら、一人一人考えてもらう取組です。
 次のスライドは、特徴的な取組の2つ目になりますが、こちらは、数学、英語の授業時数をあえて確保する教育課程を組んでいるものです。こちらも稔ヶ丘高校になりますが、1年生の国語は4単位、数学Ⅰも4単位、英語についても4単位設置をしています。この学校は、英語、数学が分かることがとても大事だという考えの下、国語、数学、英語の単位数を多くとっております。
 不登校の経験の生徒は、小学校3年位からの積み上げができていないケースが多く、特に数学については、1問1問、問数を精査して、最小限の問数で生徒にしっかりと考えてもらいながら、分かるように丁寧に教えているところでして、生徒の数学嫌いが減った、数学が嫌いでなくなったという声が届いております。
 相談機能以外の取組として、特にこの学校においては、基礎・基本の重視をしながら、相談機能を加えながら取り組んでいるケースかなと思い紹介をさせていただきました。
 もう一つ、取組について説明をさせていただくと、構成的グループエンカウンター、こちらは、小学校、中学校の段階において先生方が得意な取組かと思いますが、高校の先生方については、そこまでのスキルが身についていないこともあります。定時制課程の生徒は、入学当初に生徒同士の理解が進まないまま、学校へ通うことが縁遠くなってしまい、それが原因で退学するケース、進路変更するケースがございます。1年生の初期の段階、4月、5月あたりに人間関係づくりができるような、そういった手法を教えていく取組を都教委と行っています。
 講師の先生を派遣する事業ですけれども、先生方にも校内でそのスキルを高めるべく、エンカウンターの連絡会を年1回行っております。こちらは先生方が研修している様子で、人間関係づくりの一つとして、紙を折ってどれだけ高く積み上げられるかということをグループの中で取り組んでいただいて、そこで感じたことを校内に持ち帰り、さらに校内研修において人間関係づくりのポイントの部分を学校全体で共有し、そして定時制課程の生徒に教えていく取組も行っています。
 最後に、「チャレンジスクールの今」としまして、少し資料を紹介させていただきます。こちらは入学選抜の倍率の状況でございまして、一番上がチャレンジスクール、2つ目が普通科、そして一番下の赤が夜間定時制です。チャレンジスクールの倍率のところを見ていただきますと、平成22年のところでは2.31倍、設置されたのが平成12年から19年で6校の開校でございましたが、普通科を上回る倍率で生徒が集まっておりました。チャレンジスクールで勉強してもらったほうがいい生徒が入れない状況がありましたので、平成25年のところで、4クラスほどチャレンジスクールの規模を増やしています。さらに、平成30年のところでも3クラスの学級増を行っています。
 それと、平成28年のところ、こちらはスクールカウンセラーの全校配置、自立支援チームの配置が行われた年度で、チャレンジスクールに入ってくる生徒について、細かく指導ができるような体制を取らせていただいたところです。
 現在は、チャレンジスクールの倍率が1.22倍ですので、これぐらいの倍率で推移していくのがいいのかなということを感じているところでございます。
 そして次の資料が、中途退学率と不登校出現率の推移の中で、こちらのシートは、不登校の出現率になります。28年度のところがスクールカウンセラーの全校配置のところで、チャレンジスクールは一番上のグラフになります。各学校とも、7割から9割の生徒が不登校経験者です。その中で、最終的にチャレンジスクールのところでは、令和2年度で言いますと27.18%の生徒が不登校になっているというところはございます。夜間定時制の生徒につきましては、およそ9%で、この27%ほどをどのようにしていくのかは、引き続き考えていかなければならないと感じているところです。
 続きまして、中途退学率についてです。チャレンジスクールは真ん中のオレンジのグラフです。中途退学率は、夜間定時制のスコアよりも若干低いスコアの状況でございます。
 最後のスライドになりますが、卒業生の進路実績の推移でございますが、左側のオレンジが大学、短大、その隣の薄いグリーンが専門学校、そして、ブルーが就職、そして、右側のグレーがその他というところでございまして、大学、短大のところで見ていただくと、29.7%から32.9%に増、専門学校につきましても26.9%から31.9%と増、そして、その他のが、30.6%から23.8%、若干減ってはおりますが、進路がなかなか定まらない生徒は24%です。
 スライドは以上です。
チャレンジスクールの幾つかの指標を見ながら、どのような策がとれるかをチャレンジスクールの校長先生方と話を進めつつ、できることを1つずつやっているという状況でございます。
 途中、説明が不十分だったところがあったかもしれませんが、説明としては以上でございます。ありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。大変丁寧に御説明いただきました。
 ただいま御説明の内容につきまして、まず、御質問がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 森田先生、どうぞお願いいたします。
【森田委員】  よろしくお願いいたします。私、早稲田大学の森田と申します。
 まずは、説明本当にありがとうございました。とてもよく分かりました。まず、お話の中で述べられていた、学びの質保証について質問させていただきます。今現在、在籍しておられる生徒さんの記録は、学校内でシェアをされ、毎年担当の先生に引き継がれるようになっているのかどうか、ご説明ください。
 次に、コロナ禍で、生徒さんたちがどのように学んでおられたのか、もう少し状況を御説明いただけますと幸いです。特に、先生方がICTを活用されていたのかどうか、先生方のモチベーションはどうだったのかなどをお聞かせいただければ幸いです。
 以上、よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。日永委員、岩本委員、それから青木委員も手をお挙げですが、順にお答えいただくほうがいいですかね。佐藤部長、今の御質問にお願いいたします。
【佐藤氏】  生徒の状況につきましては、相談の部分で言いますと、支援委員会というのがございまして、そこのところで週1回、少なくとも週1回の割合で、先ほどの生活指導部の先生、それから相談部の先生、学年の先生、これに副校長先生が加わり多く関わり、状況をシェアする。もっと言うと、それは学年ごとに動いていきますけれども、全校レベルでも、この生徒はこういった発言をしていますよ、今日気になったこと、家で何かあったようですということがシェアできるような体制を各学校ともつくっていると聞いております。
 それと、感染症が広がって、生徒の学びをどう保障していくかというところにつきましては、各学校とも登校できない時期、最初のうちは紙で送っていましたが、体制が整ったところで配信をする、あるいはオンラインで授業を展開しております。
 ただ、なかなか通信環境が整わない御家庭には学校のほうから端末を貸与します。貸与する際にWi-Fiのルーターも併せて教育委員会のほうから、ある限りになりますけれども、それをセットで使っていただくような体制、逆に、学校のほうが落ち着くよという生徒につきましては、学校のPCルームにおいでという声をかけながら対応しているところでございます。
 登校しなくてもパソコンの画面で授業に参加できるという環境ですので、中には、いつもよりも積極的に発言する生徒もいたよという声も聞かれました。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。森田先生、よろしいでしょうか。
【森田委員】  ありがとうございました。
【荒瀬座長】  では、日永委員、岩本委員、青木委員の順にお願いいたします。
 日永委員、どうぞ。
【日永座長代理】  山梨大学の日永でございます。非常に細かく丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございます。
 幾つか絞ってうかがわせていただきたいと思います。1つはスライドの11枚目、チャレンジスクールのカリキュラムの基本が示される中で、自分が所属する部に加えて、他の部の選択ができると御説明がありました。そこでは、隣接している時間帯の2単位時間分ぐらいを選択できるというふうに見えるんですが、これ以外に隣接しない部の授業が選択できるのかどうか。もし、2単位時間分を超えた場合、何か上限みたいなものが設けられているのかを教えていただきたいと思います。2つ目は、応募倍率の低下に関しては、専ら学級数の増加によるものだと理解をしておいてよろしいのかという点です。よろしくお願いいたします。
【佐藤氏】  最初のほうの質問でございます、選択可能な範囲だけの履修を認めるかどうかというところにつきましては、基本的に、3年間の勉強で卒業単位に結びつくかどうかというところが大きくなってくると思います。大体在校時間は6コマの時間帯が適量だろうという範囲の下、各学校とも生に指導をしております。
 ただ、それを超えて、僕は午前中の生徒だけれども、8コマ目を受けたいよという生徒がおれば、ここは推測ですけれども、そこは学校で柔軟に対応しているのではないかなと思っています。
 生徒の学びたいという姿勢について、チャレンジスクール各校とも非常に柔軟に生徒に寄り添いながら対応しているという現状がございますので、そこの部分については恐らく、おおむね2コマの範囲で、プラスアルファのところは相談しながら、本当に大丈夫ということを確認しながら対応しているという理解です。
 それと入選倍率のところでございますが、倍率の部分でなかなか入ってこれる生徒が入れない状況を何とかしていただきたいというのは、中学校側からも聞いているところでしたので、そこの枠を広げる、間口を広げるというのが1つ。ただ、昨今、倍率が下がっている部分につきましては、どういう状況なのかと、もう少し分析をする必要があるのかなと思っております。いかがでしょうか。
【日永座長代理】  分かりました。ありがとうございました。最初の質問については、本人の意欲を認めつつも、先ほど森田委員のお話にもありましたけれども、単位を実質化していくという意味では、あまり多過ぎるのもどうなのかな、とちょっと思ったものですから伺わせていただきました。ありがとうございました。
【佐藤氏】  ちょっと付け加えて申し上げますと、途中で卒業前に進路を変えていく生徒もおります。その中には、外で単位をしっかり取って、中でも単位が取れて卒業単位数に満ちましたので、私はこれをもって、卒業式の前ですけれども自分の進路に向かっていきますという生徒も相当数いるというところは付け加えさせていただきます。
【荒瀬座長】  よろしいでしょうか。
【日永座長代理】  ありがとうございます。
【荒瀬座長】  では、岩本委員お願いいたします。
【岩本委員】  ありがとうございました。岩本です。簡単に2つ御質問させていただけたらと思います。
 1つ目が、自立支援チームに関してです。途中のグラフで、自立支援チームを入れてから中途退学率が下がっていくようなグラフなんかもあったかと思うんですけれども、この自立支援チームについて、具体的にどういうチームで、どういったことを具体的に取り組んでいるのか、それでこういった成果になっているというところをもう少しだけ御紹介いただけたらなというのが1点目です。
 2点目は、今日のこのチャレンジスクールの御発表の御知見等を、どう通信制高校に生かしていけるのか、といったところで、お考えがあればというものです。少し補足というか付け加えますと、例えば東京都のほうでも通信制高校は3校あるということで、例えば通信制高校で実際どういう課題が今までも今もあって、そこに例えばチャレンジスクールなどで取り組んでいる知見で、こういうふうに今後生かしていきたいとか、もしくはこういった取組を今までやってきて、通信制のこういった課題も改善に向かっているとか、そういったところを含めて、もしお考えだとか、今までのところで何か今後の令和の時代の通信制の在り方に資する御知見があればお伺いできたらというのが大きく2点です。
【佐藤氏】  自立支援チームのところの説明になりますけれども、入学する生徒が、中学校や小学校時代に友達との関係で友達に会うのが怖いとか、それから先生方との関係で非常につらい思いをして、もう学校行きたくないとか、それから、精神的な面で少し病気があるとか、また、家庭の中でも介護をしなければいけない、それから、家になかなか居にくい、そういった背景を持った生徒は、相談だけでは対応し切れない部分もあります。その根っことなっているところを何とか外していく作業が必要です。その意味で、就労、特に福祉の部分で知見を持っている方に入っていただいて、このケースは児相に相談する、そして生徒の負荷をより軽くするとか、あるいは、この場合には医療につなげていったほうがいい、このケースはもう少し学校の中で対応できるでしょう、そういったことをジャッジするために、継続的に派遣することで、不登校の部分を外していく、そういった目的で自立支援チームというものを構成しております。
 これ実は、東京都内を3つのエリアに分けまして、それぞれ3つに9人のユースソーシャルワーカーを配置しております。その9人がチームになって、先ほどの40校の中の3分の1になりますけれども、3分の1の学校を定期的に訪問しながら、生徒の根っことなっているものを外していくことになります。ですので、スクールカウンセラーの事業と、ユースソーシャルワーカーのこの事業をうまく組み合わせると、ほぼ毎日、専門家の方が学校にいる状況になっていると感じております。
 それと、通信制のお話になりますが、通信制はそもそも、学校へ登校できないけれども、自分のペースでしっかり勉強したいという趣旨でございましたけれども、通信制に通う生徒も多様化しているところでございまして、対面で登校できない生徒が在籍しているというところはチャレンジスクールと似た部分がございます。もしかすると、チャレンジスクールよりも、なかなか人とは会いにくいけれども勉強は何とかしたい、という生徒がいます。
 これは私の個人的な意見の部分があるということを御了解いただいた上でですが、ある校長先生は、とにかく登校してもらわないと始まらない。でも、登校できない生徒にどうやって寄り添うのかというところが大事なところなんだとおっしゃっていました。ですので、チャレンジスクールと通信制、通信制は自分でビデオとか配信を受けて、それでレポートを出しますけれども、チャレンジスクールにおいてもそういったことの可能性が広がることで、先ほどの不登校が結果的に直らなかった生徒についても、ここを足がかりにして学校のほうに登校できるような環境になれば、その生徒の可能性が広がってくるのではないかなというふうには感じております。
【岩本委員】  どうもありがとうございます。
【荒瀬座長】  よろしいでしょうか。
【岩本委員】  はい。
【荒瀬座長】  それでは、青木委員、お願いいたします。
【青木委員】  青木です。ありがとうございます。佐藤様、本日は御報告ありがとうございました。
 私は1点、まず伺いたいと思います。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに関する取組と、それからその効果、御報告がございました。チャレンジスクールにおきましては、そういった専門的なスタッフの1人当たりの受持ち生徒数はどのぐらいなんでしょうか。あるいは全日制と比較した場合に、スクールカウンセラー等々のいわば利用率のようなものは、こちらのチャレンジスクールではどのような率なんでしょうか。細かい数字というよりは、多いか少ないかぐらいをいただければと思います。
 さらに重ねてなんですが、こういう昨今の感染状況ですので、オンラインの面談のようなものは行われていますでしょうか。スクールカウンセラー等と生徒の面談がオンラインで行われているか、この辺りについて伺えればと思います。
【佐藤氏】  まず、全日制課程の生徒の相談の部分と、それからチャレンジスクールの生徒のスクールカウンセラー、YSWへの相談の度合いを比べますと、これ細かい数字は今ないんですけれども、抱えている生徒の背景からしますと、チャレンジスクールのほうが多いことは想定されます。やはり登校できないという部分について、実は保護者の方も登校できない部分について非常に悩みを持たれている現状がありますので、保護者の方もスクールカウンセラーに相談したいという気持ちがあると聞いており、また、不登校の出現率などを見ても、そういったことが言えるのかなというところは感じるところでございます。
 それと、オンラインによる面談をスクールカウンセラーの方がやるかといにつきましては、これは恐らく、そこまでまだ進んでいないのではないかと思います。これ私の想像ですけれども、担任の先生がオンラインで、学校に登校できない生徒に対して声かけをしながら体制を取ります。恐らく電話で連絡を取るというケースが多いと思うんですけれども、電話ではなくて今日はオンラインで会いませんか、というところは話として出てくるかなと思っております。
 直接の数字にはならないんですけれども、先ほどの継続派遣校40校の合計で、チャレンジスクール以外の学校も含まれますが、40校で年間としまして1万1,000件ほど、ユースソーシャルワーカーが伺って対応しているということになります。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。青木先生、よろしいでしょうか。
【青木委員】  はい。どうもありがとうございました。一人一人の生徒に専門スタッフが手をかけているということがよく分かりました。ありがとうございます。
【荒瀬座長】  では、原口先生、どうぞお願いいたします。
【原口委員】  横浜修悠館高校、原口でございます。本日は御説明ありがとうございました。
 24ページにあります入学者選抜の応募倍率ですけれども、中学校側から倍率を何とかしてほしいと、入りたい生徒が入れるようにしてほしいという声があるということは、現場感覚で感想を申し上げますとすばらしいことだと思います。1.22倍も倍率が出ていること自体、本当にすごいなと思います。そのニーズが高いというのは、十分に丁寧な指導の成果だと感じました。
 25ページの、中途退学者と不登校出現率の推移の中の不登校出現率ですけれども、チャレンジスクールが、令和2年度27.18%、そして、夜間定時が8.62%、この出現率の差というのをどのような理由だとお考えでしょうか、教えていただけましたら幸いです。よろしくお願いします。
【佐藤氏】  チャレンジスクールに入ってくる生徒の7割から9割が不登校を経験している。生徒に対して学習面、それから相談面でフォローをしつつも、最終的に、少し申し訳ない話になりますが、3割弱の生徒については、なかなかその根っこの部分を取り除くことができなかった、というところになるのかなと思っております。
 一方、夜間定時制に通う生徒、こちらは生徒がなかなか少なくなっている状況ですけれども、夜間定時制に通う生徒につきましては、学校が、適切な表現ではないかもしれませんが、仲間との居場所、それから、先生との交流、そして、勉強してその次のステップに進むところがありますので、入ってくる生徒の部分が異なることから、27.8と、およそ9%の数字になっているのかなと考えております。
【原口委員】  ありがとうございます。倍率が全然違いますので、多分1クラス当たりの生徒数も随分違うかと思うんです。夜間定時制のほうは1クラス当たりとても少ない人数で、それこそ小規模なアットホームな教育をされているのではないかと推測するのですが、そういう部分もありますでしょうか。
【佐藤氏】  夜間定時制に通う生徒は、今、生徒募集は各学校とも苦労しているところですけれども、苦労されている分、生徒に対する目配せといいますか、あるいは生徒の悩みを拾いながら、あるいは、個々に勉強の度合いに応じた課題の提示などができる状態ですし、進路指導も細かくできますよということは学校のほうからいただいているところであります。
【原口委員】  ありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】  よろしいでしょうか。
 もう1人、篠原先生でしたか、手を挙げていらっしゃったのは。
【篠原委員】  ありがとうございます。今の原口先生の質問と同様で、すごく丁寧になさっている中で、中途で退学されるような方たちのもし傾向が分かればということでお伺いしたかったんですが、今のお答えで大丈夫かなと思っております。ありがとうございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいですか。私からちょっとお尋ねしたいことがありまして、2つあるんですけれども、1つは、都立高校の中でチャレンジスクール、通信制、定時制、そういう大きく3つに分けるとすると、こういうその学校を設置していく、ないしは維持していくというときに、どういったその観点、例えばデータ的にこういうデータがあるからこんなふうにしているといったことがおありだと思うんですけれども、そのことについてお尋ねをしたいのが1つ。もう一つは、今のお話でチャレンジスクールと夜間定時制についても少し違いがあるというふうなことを承ったわけですけれども、同じ都立高校だからということで簡単ではないとは思うんですが、生徒の異動についてはお考えになっていらっしゃるのか、あるいはそういったことはもう全く無理だということなんでしょうか、その辺りもお教えいただけるとありがたいです。
【佐藤氏】  初めに、設置の部分につきましては、私どものほうでは文部科学省の問題行動調査のデータの中で、不登校、それから中途退学のデータについては注視をしておりまして、その都度、出てきたデータに対して、どの部分で厚みがあるのかということを分析しております。
 どうしても学校に行けない生徒がいる場合に、その部分をどうしたらいいのかということを考えたのが、恐らく我々の先代たちだったのかなと思っておりまして、平成9年の頃、生徒が多様化するタイミングにおいて、また、中学3年生の生徒数が減少する中で、どのように新しいタイプの学校を設置したらいいのかということを考えた中の一つの策がチャレンジスクールだったのかなと感じてございます。
 それと、学校の中で生徒が異動する、恐らく転学のことをおっしゃったのかなと思っているんですけれども。
【荒瀬座長】  そうです。はい。
【佐藤氏】  こちらのほうは、転編入制度は都立高校の中でございますので、その中で、自分が次の学期から別の学校に行きたいという希望があれば、その道はございます。ただ、中学校3年生のときに受験した学校を卒業するケースがまだまだ多いと思いますし、むしろ、その学校で続かなくなった生徒が、次、自分はどこで勉強していくのかな、学びをどうつなげていくのかなというところを、そのときの高校の担任の先生が助言していくケースが多いのかなと思います。
【荒瀬座長】  ということは、実際にその転学の制度があって、それを利用している生徒さんは必ずしも多くないということでしょうか。
【佐藤氏】  私の認識では多くないと思っております。ただ、制度としてはございます。
【荒瀬座長】  なるほど。学校によって、同じ学校の中で別の課程を併置していると異動がしやすいけれども、学校が替わるということで、恐らく今おっしゃったように、そういう希望を出す生徒さんが少ないのかなと思うんですけれども、そういったことを進めていって、最終的に高等学校で身につけるべき力の基本的なものを身につけて社会に出ていくとか、あるいは進学していくといった方向については、今、議論になっているとか、あるいは今後検討していくとかいったようなことはないでしょうか。
【佐藤氏】  環境を変えていきたい生徒については、担任の先生が、私たちのA高校ではなくてC高校において勉強するほうが友達関係についても1回リセットされますし、望ましいのではないかという指導はございます。
【荒瀬座長】  分かりました。ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。吾妻先生、どうぞ。
【吾妻委員】  すいません、ちょっと遅いタイミングで申し訳ない。今、ちょっと荒瀬先生の御質問を伺っていて、ちょっと私も1点伺いたくなりまして、発言させていただきたいと思います。東海大望星高校の吾妻と申します。
 先ほど、いろいろ不登校生徒等についての支援の中での御発言の中でもありましたが、例えば入学したばかりの生徒で、支援が必要な場合に、通信制の学校との学外併修を行うとか、あるいは上級生になって進路を意識した形での、学外併修をするとか、そういった方策もあるのではないかなと思っているのですが、先生の個人的な見解でも結構ですがいかがお考えなのかということだけお聞かせいただければと思いまして、御質問させていただきました。
【佐藤氏】  通信制課程につきましては、今、新宿山吹、それから一橋、砂川とございます。それぞれ、1部、2部、3部の定時制と通信が設置されておりまして、1部、2部、3部の生徒が、通信の部分を学校外の学習で単位を取りに行くというケースはございます。
 ただ、それ以外の定時制に通う生徒が、そこの山吹なり、あるいは砂川なりに取りに行くというケースは、多くはないのではないかなと思います。非常に少ないのではないかなと思います。
【吾妻委員】  分かりました。ありがとうございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。少し時間を延長していろいろと御質問にお答えいただきました。本当にお忙しい中、ありがとうございました。では、これで都教委の佐藤部長にお尋ねする時間を終了したいと思います。本当にありがとうございました。
【佐藤氏】  どうもありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いします。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。
【佐藤氏】  分かりました。ありがとうございました。失礼いたします。
【荒瀬座長】  それでは続きまして、大変申し訳ありません、お待たせいたしました。N高等学校からのヒアリングを行いたいと思います。
 本日はお忙しい中、角川ドワンゴ学園専務理事でいらっしゃるN高等学校校長の奥平様と、理事でありN高校の校長補佐をなさっていらっしゃいます鳩様から御説明をいただくことにいたします。また、菊地様、沼沢様にも御出席をいただいているということでございます。
 皆様、本日はありがとうございます。まず御説明を20分程度いただいて、その後、御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【奥平氏】  改めまして、よろしくお願いいたします。N高校の学校長をしております奥平でございます。よろしくお願いいたします。
【鳩氏】  鳩でございます。よろしくお願いいたします。
【奥平氏】  それでは、画面共有をさせていただきまして、それでは、N高等学校の概要の説明からさせていただきます。
 法人名、学校法人で運営しております。角川ドワンゴ学園というところで、本校は沖縄県の伊計島というところにあります。伊計島といいましても、道路が、橋がつながっておりますので、那覇空港からバスで、もしくは車で来れるところでございます。
 2016年の4月に開校させていただきまして、この3月で丸6年を迎えるというところでございます。
 これは言うまでもなく単位制、通信制の広域ということで、全国から生徒が今おりまして、現在、昨年5月の学校基本調査の数字で1万7,019名という生徒が在籍をしていただいております。
 この学校は、もともとうるま市立の小中学校という、公立の小中学校の跡地を利用させていただいて2016年4月に開校しております。こういう形で、後ほどお話しますけれども、この場所に卒業までに一度はスクーリングという形で来て、地域の方々と協働しながら、様々な学習をしていくという形で学校を運営させていただいております。
 少し細かいところになりますけれども、もうこれも先生方に言うまでもないんですが、スクーリングのいわゆる通信制の基本としまして、映像学習等とレポートというものを中心に学習をしております。
 当校の特に映像学習ですけれども、非常に短い時間、5分から10分ぐらいの映像授業というものを1くくりにしております。というのは、やっぱり、生徒たちのいわゆる集中度といいますか、1つの映像を見る集中度というものは、50分とか1時間とかという形ではなかなか継続しませんので、短い単位で、もちろんこれは教科、単元によって5分から10分程度という形になっていますけれども、短い単位で切りまして、それを複数チャプターを見た後、確認テストというものを受けます。これは映像を見ないと答えられないという問題を複数問入れております。その確認テストに合格しなければ、これはもう一度映像を見て、さらに再提出をしていくという形になっております。
 一度目の映像につきましては、例えば早送りをするとか、そういうことは一切できません。全て同じ時間見ないといけませんし、最近、何かどこかでありました、複数の画面を立ち上げて見るということも、これもシステム的にそういうこともできないように制御しております。
 そういうものを受けまして、映像学習確認テストというものを、これは履修科目とかによりまして、この回数等は異なりますけれども、これを複数回受けていく、そして教科ごとの必要回数を終えた段階で質問をするというところも、そういうシステムを設けておりますし、最終的にそれで1つのレポートを完成していくという形になります。
 ですから、レポートに行き着くまでに相当数の映像学習、確認テストというものを繰り返しやらないとレポートには行き着かないという形になっております。
 レポートも30点未満の場合は不合格となりまして、これは、もう一度また映像学習を見ながら復習の上、再提出をしていただくようになります。もちろん、復習の場合は映像を早送りしたり、必要なところだけ見るというような形も、もう二度目はそういったシステムの制御が外されますので、ポイントの復習というものができるようにシステムを設計しております。そういう形でレポートの合格者は次の単元の映像学習に進んで、今度また同じことを繰り返していくという形になります。
 そして、レポートに合格しますと、当然そのレポートに対して解答解説と、教科の教員からのフィードバックのコメントと併せて子供たちに返していくという形になります。この辺り、いわゆる通信制の本来の形である郵送という形ではなくて、これもオンライン上で返していきますので、確実にそれが手元に残り、復習というものをできるという形に組み立てております。これが我々の通信制による、いわゆる教科学習の基本となるレポートの仕組みでございます。
 そして、それをさらに少し詳しく述べますと、特に映像学習につきましては、検定教科書の教科書会社が作成した教科書ベースのものと、それよりもレベルを少し上げたといいますか、オリジナル版というものを2つ配信をさせていただいております。もちろん基本は教科書に従って学習をしていくという教科書ベースのインターネット講座ですけれども、もう一歩進んだ学習をするという場合は、当学園のいわゆるオリジナル版を試聴することもできるというふうになっております。
 そういったものに関して、質問はどうするのかということで、リアルタイムではありませんので、質問の場合は、各生徒が全部マイページというものを持っています。マイページというのは、いわゆる管理画面になりますので、例えばレポートを今どこまでやっているかとか、そういったものの学習の進捗を管理できる画面を持っております。その中で、そのマイページを通じて、教科的な疑問点なんかを質問できるというふうになっております。ですから、生徒たちは自分のページを見ることによって、どの教科が、どのレポートが何日に出されていて、今どうなっているのか、過去の成績がどうだったかをしっかりと確認できるようになっております。この情報はもちろん、我々教職員も共有して確認をするという形になっております。
 なお、開校のときはこれはなかったんですけれども、非常に保護者様からの、今の学習の状況はどうでしょうかという御質問もたくさんいただきましたので、実は保護者様用のマイページというものも御提供しております。子供の画面を見るというのは、子供が非常に嫌がりますので、保護者様は保護者専用のページを立ち上げて、保護者の方が、保護者専用のいわゆるパスワードで、今の我が子の学習の進捗状況を確認できる、こういうものも立ち上げさせていただいております。
 今申しましたように、基本的にはいわゆるICTを活用して様々なデータ管理をしているんですけれども、いわゆる学習指導要領上、リアルなスクーリングというものも規定されておりますので、我々は、先ほど申しました沖縄の伊計本校、もしくは、学則上定められました面接指導施設、全国にこれはございますので、その施設でしっかりと履修科目の授業や特別活動を行っております。
 特に、我々としては、ぜひとも卒業まで一度は沖縄伊計本校に行こうということにしております。当然ここでは教科学習もしますけれども、地元の自治会の方々と一緒になりまして、農作業の体験とか、いわゆる協働的な学習、地域の方々と一緒に文化とか産業に触れていくという機会を、教科学習の時間とは別に設けています。これが開校以来、N高校の特色であります。写真は全て、これは沖縄の伊計本校の様子を写しているものだと思います。原則、今2年生で沖縄に行くという形をとらせていただいています。
 若干、去年からコロナ禍ですので、なかなか完全実施というのはできていませんけれども、その中でも人数を減らしたりして、今も小さい単位で沖縄の伊計本校のスクーリングも継続してやらせていただいております。
 それから、昨年度の4月から、新たにVRを使った学習というものも取り入れさせていただきました。いわゆるバーチャルな空間です。ですから、実際にあったら触れないようなものを実際に目の前で見たり、実験を行ったり、歴史的な建造物を目の前で見たりといいますか、これはもう本当に、これからもっともっとコンテンツは増やしていくつもりではあるんですけれども、そういったバーチャルリアリティーを活用した学習というものも取り入れております。
 これは、バーチャルリアリティー、VRの機器を使わなくても、しっかりと単位の学習はできる、先ほどの映像学習はそのまま残しております。映像学習にプラスアルファで、VRを使った講座も受けられるという形で運営をさせていただいております。
 それからもう一つ新しく、最近は英会話のトレーニングです。実際の英会話の学習というのは、なかなか教室の中でリアリティーを出すというのは難しいところがありますので、そういったところは、スマート・チューターという高校生向けの英会話の講座を設けまして、まさに外国の人たちとリアリティーな中で英語、英会話力を学べるというものも生徒たちには提供をさせていただいております。
 こういう形で、単に映像だけではなくて、さらに一歩進んで、よりリアリティーがある教室空間というものを再現できないかなということで、新たなものに年々取組ませていただいているという現状でございます。
 今までは、全てオンライン、ネット上のお話をさせていただきましたけれども、N高校はネット上だけの活動かというとそうではなくて、いわゆるリアルな活動というものも非常に大事にさせていただいています。オンラインの学習、オンラインの学びができるということは、つまり、リアルな活動域がもう無限に広がるということを我々は考えていますので、よりリアルなところ、通常の全日制ではなかなか体験できないような活動を我々は提供させていただきます。
 特に職業体験、これは一般的に今は中学生でもやっているところが多いんですけれども、我々は本当に全国の、いわゆる職人さんの家に住み込んで、まさにその体験を、24時間体験をするというようなプログラムもさせていただいています。これはもう、全国のたくさんの地方自治体と組ませていただきまして、数多くのプログラムをやらせていただいています。例えば刀づくり、本当に刀を火の中から、鉄を叩いて刀をつくっていくという作業から、もちろん酪農体験とか、いわゆる船大工の体験とか、珍しいとこでいうと東北のマタギの体験といいますか、そういったもの、ふだんでは絶対に触れられない職業というものに触れる機会、その中で多くの人がその産業に関わっているんだという、実際に目で見るという機会を持っております。
 そのほかスタディツアーということで、ここでは企業とか社会課題の現場を訪れて、まさに直接、社会課題の現場を見ることによって、単に教科書の中とか映像授業では得られないような実体験をさせていただいて、世の中の課題を見つけて、その課題を解決するための学習をみんなでやるというような作業をやっております。
 それから、留学プログラム。留学といいますと、これは一般的にどの高校、どの学校さんでもやっておられると思うんですけれども、当校の場合は先ほど言いましたように、オンラインの学習ができますので、通常の全日制でしたら夏季休暇とかの長期の休みに行くということができるかもしれませんけれども、当校の場合はもう、いつでも行ける。つまりオンラインの環境があれば学習の継続はできるわけですので、いつでも、その地域にとって最適な時期に例えば留学をするということも可能でございます。
 ここに書いてありますように、スタンフォードとかオックスフォードにも、他の学校さんと協働してサマースクールとかにも参加をしております。残念ながら、去年やここ一、二年はコロナ禍の中でオンラインでの開催となりましたけれども、そういった課外学習としてのプログラムも多数用意しておりますので、単に英、数、国、理、社、保健体育、家庭、美術の教科学習だけではなくて、オンラインだからこそ、時間を有効に使って様々な活動に挑戦をしていかせたいなと、こう考えております。
 そのほかにも、当然オンラインですので、オンライン上での課外学習というものもたくさん用意しています。課外学習という形で、あえて課外と書かせていただいていますのは、英、数、国、理、社、保健体育、家庭、美術という、高等学校の卒業資格を取るための、いわゆる教育課程の中における単位物ではこれはありません。教育課程外に置いていますので、受講する、しないは本人の自由意志でございます。また、幾つ受けてもいいし、少し挑戦してみて、ちょっと違ったなと思ったら、また新たなものにも挑戦してもいいと、こういうものを我々の中で課外学習と呼ばせていただいています。
 もちろん、最も多い進学に関しては、大学受験の対策授業も映像で出させていただいています。学校が終わった後、塾に行っての映像授業を受けることなく、地域によっては塾がないというところもありますので、我々はもう全国どこからでも、1つの統一された大学受験のコンテンツを受けることができます。
 また、これはプログラミングということで、これからの未来に向けて1つの必要な素養と言われていますプログラミング学習も、これも教育課程外に置いていますので、実践的に、我々の母体は角川ドワンゴでございますので、ドワンゴで本当にプログラミングをなりわいとしている、それを仕事としているメンバーが、今、使われている技術ってこうだよということを教えてくれます。あとはウェブデザイナーとか、動画クリエーターとか、様々なITを活用した技術というものを課外学習として置かせていただいています。
 課外学習とすることによって、本当に専門家の方に実際の実利的に教えていただくことができるということで、あえて教育課程外にこういった教育をしております。
 そのほか機械学習とか、特に数学、理科、科学系などにも我々は力を入れているということでございます。
 これは本当に在籍期間中、幾つ受けても1つの授業料の中で受けてもらうことができます。これは決して別料金を取る、オプションという形ではありません。授業料の中で受けていただくことができるというふうになっております。
 そのほか、様々なネット上の部活というものを設けています。ネット上の部活といいながら、発表会はリアルでやったり、そういった大会はリアルな大会、eスポーツでも大会はリアルな場所であったりしています。政治部、投資部とか、通常、なかなか高校の部活としては、何かすごいなというイメージをたくさん持たれるんですけれども、我々、特に高校教育においては、社会接続の中、つまり、社会の本当の活動の中で学んでいくものが多いのではないか、このように考えていますので、できるだけほんまもんに触れさせたい、ということで活動させていただいています。
 政治も、別に何かに偏った政治ではありませんので、例えば党首の方々、全ての党、自民党から共産党の党首全部に来ていただきまして、子供たち向けにいわゆる講義をしていただいたり、投資部においては、本当にお金を動かして投資というものを体験するということをやっております。
 そういった形で、本物に触れていくという活動、これは場所を選ばない、時と場所を選ばず学びを続けられるというオンライン上の学習の利点を生かした活動となっております。
 そして文化祭とかイベントというものも非常に大事にしております。文化祭は千葉県の幕張メッセを全施設貸し切ったニコニコ超会議というのを毎年やらせていただいておりました。これは、母体の角川ドワンゴがやったイベントなんですけれども、その中でリアルなブースをN高校用につくりまして、生徒たちが実際に実行委員になりまして、文化祭というものをリアルにやっております。これもコロナ禍で昨年、一昨年はできませんでしたけれども、その前は、生徒、保護者入れて5,000名ぐらいがこの会場に来てくれて様々な活動をしてくれました。
 そのほか、ネット遠足という、ネット上での遠足って何なのかと思われるかもしれませんけれども、いわゆるネット上で先生と子供たちがチームを組んで冒険の旅に出ていくという、ドラゴンクエストというゲーム会社さんにも協力を得まして、ネット遠足。旗を立てたり制服を着たりしていますけれども、非常に楽しくやっております。
 それから、こういった発表会、いわゆる先ほど言いました社会課題とか発表会というものも大事にしております。
 あと、ネット運動会です。ネット遠足に続くネット上での運動会ということで、本当に、北は北海道の子から南は沖縄の子という以上に、北は北海道から南はオーストラリアの子などが、世界中からネット運動会に参加をしてくれたりしております。
 そういった形で、オンラインを学習だけに関わらず、学校そのものの再現にこのネットというものを活用できないかなということで、今、日々、取り組ませていただいております。
 先ほどのN予備校のコンテンツも、今年度でもう200コンテンツを超えました。毎年毎年新しいものをつくらせていただいていまして、200を超えましたので、子供たちが、これならやれるな、これをやってみたいなというものを提供できる、これも個別最適化という点では、オンラインの良さではないかなと、このように考えております。まだまだ未完成の域もありますけれども、こういう形で、オンライン上で高校再現を目指すというところを目標に日々活動させていただいております。
 非常にちょっと急ぎ足で、荒っぽい説明になったかもしれませんけども、本日の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。
 それでは、皆さん、どうぞ、また、お手を挙げていただいて。森田先生、どうぞ。
【森田委員】  早稲田大学の森田と申します。発表ありがとうございました。非常にすばらしい活動をされているということで、これからの通信制高校の一つのモデルかなと思って聞かせていただいておりました。
 早速ですが、私から大きく2つ質問がございます。1つは、先ほど最後に奥平校長が言及されましたけれども、個別最適な学びを実現できるという点が、今のインターネットを活用した学びの利点だと思っております。そこで、どのような履歴を残されて、どのように学習に役立てているのかということをお聞きしたいと思っております。
 例えば、先ほど某大学で問題が発生したことに言及していただきましたとおり、学習管理システムなどに映像の視聴ログが残っているのだと思いますけれども、2回目以降の視聴も記録しているのか、添削課題についてはどのように記録しているのか、VR環境での活動やコンテンツ視聴についても記録しているのか、スマート・チューター、これは多分外部に委託しているのだと思いますが、教師は関わっているのか、またどのように記録しているのか、N予備校の200のコンテンツについては、どう履修してどのように達成しているのか、それを記録しているのか、記録しているとしたらどう役立てているのかを聞かせてください。
 2点目は、リアルな活動の学びということでお話しくださいましたが、これは、いわゆるサテライト施設で実施されているのかどうか、もしサテライト施設で実施されている場合には、その運用は誰が責任者として関わっているのか、教員免許を持った方なのかどうか教えてください。もしアルバイト等がいる場合にはどのような方でどのような育成を行っているのか。そして、例えば第三者評価等で、その質保証をどのように行っているのか、この辺りを聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】  よろしいですか。お願いいたします。
【鳩氏】  では、1つ目の学習の記録でございますけれども、いわゆる単位取得のための、我々必修授業と呼んでいるんですけれども、これは、いつ、どの動画を見て、確認テストの成績がどうで、レポートの成績がどうで、どういうふうに答えて、どういうふうに正解だったのか間違ったのかというのは全部記録は取っております。
 課外学習のほう、先ほど200以上あるコンテンツというふうに申しましたけれども、これを利用しているという履歴は取っているんですけれども、それによっての学習は、何かその記録する形というのはまだ落としてはいないです。やっぱり単位取得のための必修学習のほうをしっかりと、どの生徒がどの科目をいつやって、どういう状況でどこに苦手があるのかというのはもちろん取っているんですけれども、課外学習のほうはそこまでは連動していないです。
 ただし、当該生徒がどういう課外学習に興味があってどういうものを受けているかというのは教員は見れますので、それを見ながら、こういう授業をさらに受けてみたらとか、こういうイベントに参加してみたらという、その興味関心を捉える材料として、さらに将来につながる学びをやってもらっているという感じです。
【奥平氏】  リアルな活動に関しましては、今言いましたように、当然ながら単位取得に関わるもの、スクーリングだとかいわゆる試験に関しては、当然ながら本校、または認可を得た面接指導施設となると思います。そのほかの課外学習というのは、当然、その学習の内容ごとに場所が変わったりしますので、特段、どこどこの指定の場所ということはないんですけれども、いわゆる単位ものと単位外、いわゆる教育課程外のものというのをしっかりと一線を引いて活動していると。その指導に当たる人間というのは、当然、教育課程の中における単位取得に関するものは、当然我々の直接雇用の教員が行います。例えば札幌の面接指導会場がある、新潟の面接指導会場がある、この場合でも我々の、例えば沖縄の教員とか、東京にいる教員が出張で行って直接指導して、また帰ってきます。ですから、現地の方で1名か2名はひょっとしたら非常勤の方はいらっしゃるかもしれませんけれども、ほとんどは直接の専任教員が移動して各会場で授業をして帰ってきます。
 課外学習に関しては、先ほど言いましたように、それぞれのプロの方が、これは単位に関係ないというところで、プロの方に特別講師に来ていただいて指導をしているという活動でございます。
【森田委員】  ありがとうございました。ちょっと分からなかったのは、例えば東京の中に例えばN高さんの会場があるんですけれども、それは面接指導施設ではなく、課外活動を行うための、何か場として機能しているという意味でよろしいでしょうか。
【鳩氏】  我々の連携施設の中には、オプションの通学コースのキャンパスがあります。通学コースは、いわゆる必修授業、単位に関わる取得の学習をするものではなくて、我々が独自に開発したプロジェクトNという、アウトプットを中心とした、いわゆる課外学習をやっている施設がキャンパスという形であります。そのキャンパスが、学則上、沖縄県のほうに申請しまして、面接指導施設として認められている施設もあります。
 そのほかにスクーリングだけを行う専用のキャンパスが、東京と大阪と、それから名古屋と福岡にあります。これはもちろん沖縄県の認可を得て、学則上定められている施設です。先ほど申しましたスクーリング専用にするキャンパスに、我々の直接雇用する教員免許を有する教員がおります。校長の指揮命令下にある教員がおります。それで、例えば札幌でスクーリング会場をやる場合は、その教員たちが出張してスクーリングをやってくるというような感じです。
 通学コースのキャンパスは、もちろん学園直接雇用の教職員でして、でも、教員免許を必ずしも持っていなくてもいいという形にしています。というのは、単位の学習に関わるものではないので、全然別な、オリジナルカリキュラムをやるものですから、そういう者たちは、ふだん通学コースプロパーのキャンパスにはいるという感じです。
【奥平氏】  だから、通学コースの教職員が例えばスクーリングをするとか、テスト運営をするとか、採点をするということは一切、我々のところは一線を引いています。いわゆる単位、高校に関わる根幹に関わる単位ものについては、いわゆるN高校直轄の教師、私の指揮下にある教師がそれぞれ行って全てやるという形です。そこはなかなかこう、外から見ますと分かりづらい内部の線になりますので、分かりづらい点だったと思います。ありがとうございます。
【森田委員】  いえいえ。丁寧に御説明いただきましてありがとうございました。
【荒瀬座長】  では、今、時乗委員、岩本委員、大河原委員が手をお挙げです。ちょっと時間の関係で、大河原委員までと一旦させていただきます。
 では、時乗委員、お願いいたします。
【時乗委員】  山手学院の時乗です。よろしくお願いします。
 本日、N高校さんの発表を伺っていて、何となく私の印象の中には、ネットの高校という刷り込みがすごくあったんですけれども、実はリアルな学びの場もとても大切にされている、そういう教育活動を行われているのだなという印象を持ちました。
 そこで、大きく分けて3点ほどお伺いします。まず1点目は、私は以前、この会議で、オンライン上の活動を主とする通信制高校のイメージとして、インプットの部分をオンラインで行って、そしてアウトプットの部分をリアルな場でやると、このオンラインとリアルをうまく融合化させていくことが大切なのではないかということを話させていただきました。特に、探究的な活動をやっているときには、両者の一体的な運用というのがとても大切になると思っていますが、このオンラインの扱い、そしてリアルとの関係、この辺をオンラインとリアルの関係をどのような形で考えられているのかということを教えていただきたいというのが1点目です。
 2点目は、今の森田先生の質問の中にも関係しますが、実は4月から連携施設での施設的なハードルが上がってきます。個人的には、あまりハードルを高くしてしまって、生徒の大切な学びの場を逆に失ってしまうというのはいかがなものかという印象も持っています。また、当然その連携施設の教育の質を上げるためには、そこで教える人の育成をどうするのかというところも大きなポイントになるのではないかなと思っています。N高さんはいろいろな形で連携施設を持っていらっしゃるので、連携施設での教育の質を上げるために何か特に工夫されているようなことがあれば、それを教えてください。
 そして最後、3点目ですけれども、先ほど冒頭、在籍者の数が1万7,000を超えるというようなお話がありましたが、こういった多くの在籍者をいろんな形で支援していくためには、当然オンラインを使ったいろいろな方法を駆使されているのだろうと思いますが、それ以上に、リアルな部分でのつながりをどうつくっていくのか、例えば先生方が組織になって生徒に対応していくとか、オンラインの道具とリアルな道具を一緒になって使っていくとか、いろんな工夫がされていると思いますが、そういった1万7,000名にも及ぶ生徒さんと学校の関係者がどういう形でコンタクトを取って、そして指導に当たられているのか、そういったところを併せて聞かせていただければありがたいと思います。
 以上です。
【奥平氏】  ありがとうございます。1つ目の御質問の、オンラインはインプット、リアルはアウトプットというのは、私は個人的にもそのようには、それが一番いいと思っています。やっぱりインプット、教科学習的にするとやっぱり人それぞれ違いがあります。1つのことを学ぶのにもやっぱり時間的な差もあります。それが今、同じ教室空間では、人に比べて自分は遅いという形で、教科に対する遅れも出ている1つの要因だと考えています。
 反転学習などという話も今ありますし、基礎的なところはインプットをまずした上で、教室に行ったら、みんなでそれを集約させて何か1つのものをつくり上げていくとなれば、教室の空間も、もう一度新しい教室空間になるのではないかなと、我々はそのように考えています。
 ですから、我々は、インプット学習はまさにネットの高校なんです。先に言いますと、通学コースはどっちかというと、アウトプットする場所というふうに考えていただいたら、我々の区分けは一番分かりやすいのかなと思っています。おっしゃるとおりだと思っています。
 それから、連携施設の場合は、これも我々から言うと、やはりハード的な問題、ハード的に上げる、どうしてもいわゆる認可要件というのは、学校というのはハードというものが当然ながら中心にされると思いますけれども、やっぱり我々は教員だと思っています。それは時乗先生がおっしゃったとおりだと思います。教員こそが、やっぱり教育の質を担保する。幾ら立派な理科実験室があっても、そこを指導する教員がどうなのかという問題というのは、定量的に測れないものがあるかもしれません。ですから、我々は、教員というものをしっかりやろうということで、先ほど言いましたように、札幌であろうが新潟であろうが全ての面接指導会場には我々の直接の教員が出向いて、直接、ふだんから子供たちを見ている先生が指導しています。これは質の一面だと思うんですけれども、そういう形で、むしろ人に焦点を当てていただけたらと思っています。単純に物をそろえたらというと、これは正直なところ、財政的問題も含めて、特に我々通信制というのは財政的問題も抱えていますので、なかなか本校並みの会場を全国に持つというのは不可能に近いと思っていますので、ぜひ人的な部分での質の保証というところを御検討いただけたらありがたいなと思っております。
 それから3つ目の在籍者に対する支援する方法ですけれども、我々はこの4月からまた新たな方法で、教師の役割を大きく2つに分けました。それは、担任業務を中心とするいわゆるメンター業務をする要員と、それからスクーリングとか、まさに授業をしっかりやっていこうということで、授業を中心にするメンバーということで大きな分担をしていきます。メンターも、1人の教師が1人の生徒じゃなくて、チームで子供たちを見ていくという形を今回からとっていこうということで今動いております。
 また、そのほかにも、例えば留学関係だったら留学の専門チームが当学園にはあります。先ほどの職業体験でしたら、職業体験だけを企画して運営していく部隊があります。ネット上のコミュニケーションを取るには、コミュニケーションをつかさどる部隊というのがまたあります。つまり、1人の生徒の学校活動に対して、様々な担当者が子供たちに接点をとっていくと、こういう形を当学園はとっておりますので、これは生徒が1万7,000名、2万人、3万人になろうが、恐らく同じような形を我々は引いていけるのかなと、こう考えております。
 何か補足ありますか。
【鳩氏】  3つ目の御質問なんですけれども、まず、生徒の学習状況とか、趣味趣向、望み、それをまず、データ化して共有できるということが1つ目です。それから、データ化して共有して、それを扱う、分業制にするということを、先ほど校長も申しましたけれども、専門チームに任せるところは任せて、教員がやるべきところを、全部教員の負担にはしないで、教員が持つべきところをしっかりと分ける、分業を積極的に進めるということです。しかも、その教員の動きさえも、我々はチームティーチングでやっておりますので、1人の教員しかその生徒の状況を知らないということではなくて、その教員が例えば何か病気とかした場合でも、そのチームになっている、今、6人1チームで動かしているんですけれども、6人のほかの教員がカバーできるという感じです。データ化、分業、チーム制、こういったところで全体的に今、向かっているという状況です。
【奥平氏】  端的に言えば、私がこの目の前のパソコンで奥平博一っていうデータを引っ張れば、どういう先生が今日、こういう内容の電話をしたというところまで記録が全部残っています。ですから、メンバーを継続してその子の面倒を見れるという状態です。ICTの、いわゆる教員側の活用を進めているというところでございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。
 ちょっと時間が押してまいりましたので、あとお二人の御質問、端的によろしくお願いいたします。
 岩本委員、どうぞ。
【岩本委員】  岩本です。よろしくお願いします。
 大きく2点です。1点目が、先ほど教育の質のところで、教員という話があったかと思うので、それに関してです。1万7,000人ぐらい、2万人弱の生徒さんいらっしゃる中で、教員数というのがどのくらいになっているのか。生徒の人数に対して、実際に教員免許を持たれてやっている教員数というのはどのくらいで、質を担保する上で何人ぐらいが必要だという感覚なのか、が1点目です。
 2点目が、生徒の社会的自立に向けてというところです。特に、データでもしあればと思ったのが、中途退学率だとか、あとは進学でも就職でもない進路未決定者の割合だとか、場合によっては就職した後の離職率みたいなところ、1年間でとか3年でとか、もし数字が分かっていれば、どのくらいの子たちがちゃんと自立をしていて、なかなかそこまでいかなかった生徒は一体どのぐらいの割合で出るんだろうか、というところが2点目の定量的なところです。
 もう一つは定性的なところで、データでいろいろ見られていく中で、そういう生徒たちも誰1人取り残さずに社会的自立に向かっていくために、今までやられてきて、こういう取組が中途退学を防ぐなとか、ちゃんと就職して、その先も続いていける、そういった力をつけるというところに大切だな、など、やられてきて見えてきた、生徒も取り残さずにしていく効果的な方法だとか、場合によっては、合う生徒、合わない生徒というのがデータの中でも見えてきているのかもしれないと思う中で、こういった生徒はこういった学びに合うんだけど、こういった生徒はやっぱり、ここでは合わないのかもしれない、のような、何かもし定性的なところで見えてきていることがあれば教えていただけたらと思います。
 以上です。
【鳩氏】  ありがとうございます。まず、1つ目なんですけども、教員数は、先ほどの5月1日現在で1万7,019名に対して、学校基本調査で164名です。さらに、我々、例えば課外学習に携わる職員とか、その他、課外学習も含めた教育活動に携わる教職員が134名おります。教員免許を有する教員は164名なんですけれども、それ以外には134名ぐらい。1万7,000に対して300名ぐらいで教育活動に携わっています。
 教員免許を有する教員としては164名。これは沖縄県に基準がありまして、教員配置の人数基準がありますので、それに従ってやっているというところです。今のところは、それで対応できる、沖縄県の基準で対応できるんじゃないかなというふうに思っております。
 それから、退学率等ですけれども、2020年度で申しますと、退学者数は1.28%ぐらいです。生徒数の中の1.28%で、転学率は0.5%ぐらいで、休学率が2%ぐらいです。だから、退学、転学、休学合わせても4%弱ぐらいです。4%未満ということで抑えられているかなというふうに思っています。
 それから、進路の実績なんですけれども、いわゆる我々の進路の考え方というのは、大学進学、それから専門学校進学、それから、自ら浪人するということを決めた生徒も進路実績として解釈をしています。それから、留学、就職。アルバイトをやるんだという生徒も、進路実績として解釈しています。というふうに見ますと、今言ったカテゴリーの中で、卒業生のうち87.34%ぐらいが進路というか、次のやることというのを決めることができておりまして、未定が12.15%、その他が0.51%になります。
 これは学校基本調査の進路状況調査とはちょっと異なるんですけれども、我々の解釈としては、我々の解釈というか、浪人する場合も、アルバイトでもう少しやっていくんだという場合も、進路実績として解釈しておりますので、87.34%が一応、卒業生の中では次の進路を決めているというような状況です。
【奥平氏】  先生がおっしゃる社会的自立というのをどういう定義をするかという問題、これはいろいろあると思います。ただ、当校の場合、本当に小学校、中学校、例えば全然学校に行けていなかった、全く家から出ていなかった。でも、ようやくN高に入って2年生の春から近くのローソンでアルバイトするようになったんですよって喜ばれるお母さんもいらっしゃる。そういうものも含めて考えてくると、なかなかこれは難しい。それぞれの子供たちの絶対的な成長度合いというのは、なかなかこう、測れるものじゃないですけれども、我々はそういうところも一つ一つやっぱり大事にしていって、学習だけが個別最適化ではなくて、やっぱりそういう社会、おっしゃったとおり社会自立もやっぱり個別に見ていく必要があるのかなと。そういう点でも、こういったオンラインで見ることによって、一人一人を逆に丁寧に見ていくことができるというのが私の実感ではあります。
 ただ、最終的には社会自立、おっしゃるとおりだと思いますので、そこに向けてどう、教育の質を高めていくかということについては課題だと思っています。
 残念ながら、まだ追っ掛けて、3年後の子供たちとか、4年後どうなったかまでは正直できていません。でも、今日いただいたあれは本当に我々も大事だと思っていますので、そういうところにも取り組んでいきたいなと思っています。
【鳩氏】  大学、専門、就職、留学で65%強あります。浪人するって決めた生徒が10%強で、アルバイトするという生徒が10%強で大体87%という感じになります。
【岩本委員】  丁寧にどうもありがとうございます。
【荒瀬座長】  岩本さん、いいですか。
 では、時間の関係がありますので、大河原委員に移っていただきたいと思います。大河原委員、お願いいたします。
【大河原委員】  ありがとうございます。弁護士の大河原と申します。すばらしい取組の御紹介をしていただきまして誠にありがとうございます。
 私からは2点、手短に質問をさせていただこうと思っていましたが、1点目の御質問につきましては、今、時乗委員、それから岩本委員の御質問で大体解消させていただきました。私も、1万7,000人を超える生徒さんが在籍されているということで、それ自体は全く問題ないと思うんですが、その生徒さん皆さんをどうケアしていっているのかというところが非常に気になっていたところでして、先ほどのお二人の委員の先生方の御質問の回答で、データ化とか分業とかチーム制を敷いてきめ細やかに対応していっているというお話を伺って、よく分かりましたので、その点はよろしいかと思っております。
 2点目なんですけれども、こちら先ほどの御説明の中で、基本的には沖縄県の基準が適用される、沖縄県が所轄庁ということだと思うんですが、お話があったように東京とか大阪にも施設をお持ちでいらっしゃるというところがあって、その中で沖縄県の基準が全てにおいて適用されることに関して、何かデメリットをお感じのことはあるか、あるいは沖縄県の基準が適用されることで、逆にこういったメリットがあるといったことがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
【鳩氏】  ありがとうございます。沖縄県の基準は割合としっかりされている基準だと思います。教員配置の人数基準、それから面接指導施設の面積基準、それから、こういう施設を設けなさいという基準が割合としっかりされているほうだと我々は考えておりまして、また、指導もしっかりやってくださっておりますので、そういう基準がない県から比べますと、いろんな基準があってそれを守らなきゃいけないなという気持ちはあるものの、逆にしっかりと担保してくれているんだなというふうな思いもありますので、特段そのやりづらさというのは今のところはないですし、沖縄県さんもしっかりと指導してくれていますので、それに従って、質をしっかり担保してやっていこうというふうに考えております。
【大河原委員】  ありがとうございます。私からは以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。時間をうまく私が配分できなくて申し訳ありませんでした。N高等学校の奥平校長先生、それから鳩校長補佐、本当にありがとうございました。菊地様、沼沢様もありがとうございました。今日は本当にいろいろと御説明いただき、かつ、また、丁寧に質問にもお答えいただきまして感謝申し上げます。では、どうぞ御退席いただければと思います。ありがとうございました。
【奥平氏】  どうも皆様、ありがとうございました。
【鳩氏】  ありがとうございました。
【荒瀬座長】  委員の皆さんの中には、まだ御質問もあったかと思うんですけれども、ちょっと時間の関係で大変失礼をいたしました。申し訳ありません。
 あと、ちょっと事務局のほうから御説明いただく点がございますので、森下室長、お願いいたします。
【森下室長】  恐れ入ります、事務局でございます。今日も2つヒアリングに対応いただきましてありがとうございました。残りの時間で、今後の議論に向けてお話をさせていただきたいと思います。
 今回6回目ということで、ここまで6回にわたって関係者からヒアリングであるとか、皆さんの意見交換をしていただいてきたところでございます。次回、まだ全審連のヒアリングが残っておるわけでございますけれども、そろそろ最終的なまとめに向けて少しずつ議論を進めていただこうと考えている次第でございます。
 今日、時間の都合がございますので投影しませんけれども、今日お配りの資料のうち、参考資料2は、前々回一度お配りした、その時点までの論点を少し整理したものをもう一度お配りしているのと、今回新しくつくった資料で参考資料3というものがございまして、これは、これまで各回配付してきた前回の意見を時系列順に並べていたものを今回、各意見交換の内容ごとに、テーマごとに並べ替えてみたものでございます。見出しだけでございますけれども、まず、通信制高校の現状や課題について様々な指摘をいただいて、役割が制度発足当初から変わってきたこと、それに伴いまして、伴走型の支援が必要なのではないかという話。実際には数が多くて、そこについてどこまで対応できるかというような意見交換があったかと思います。
 次に、それらを踏まえて通信制高校の教育の質の保証についてどう考えるか、設置基準の在り方であるとかICTの活用の仕方、今日も話題になりましたが、サテライト施設の質の保証の在り方、あとは自己評価、第三者評価の考え方、こういったものについても御指摘をいただいてまいりました。
 最後に、所轄庁の在り方につきましても、サテライト施設を中心に、所轄庁の自分の域内以外にも関係する施設があるというところで、どういう形で質を保証するべきかというような議論をいただいてきたところでございます。
 このように、既に広範に御議論いただいてございますので、今日までの会議のところで、少し事務局にお時間をいただきまして、素案を少しまとめるような時間を賜れればというふうに思ってございます。そうしたものを次回かその次ぐらいまでにはお示しをいたしますので、それをたたき台にして、夏にかけて議論を深めていただきたいと考えている次第でございます。
 現時点でお気づきがあれば、また会議の後でも事務局まで別途御提案いただければ、次回以降の会議で御報告をさせていただきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今日は時間の関係で、今の説明及び資料に関しまして議論をすることができませんが、どうぞ委員の皆様、お読みいただいて、御意見があれば事務局のほうに御連絡を賜れればというふうに思っています。よろしくお願いいたします。
 次回は、ヒアリングも1件ありますけれども、議論をする時間をたくさんとれる予定でありますので、次回、いよいよまとめに向けて検討を重ねてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
 次回以降の日程につきまして、森下室長、お願いいたします。
【森下室長】  ありがとうございます。事務局でございます。次回、第7回の会議になりますけれども、全審連のヒアリングの後、取りまとめに向けた意見交換、協議をお願いしたいと考えてございます。意見交換につきましては、その後も進めていきたいと考えてございます。
 日程につきましては、座長と御相談の上、追ってお示しをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。
 今日も委員の皆様、全員御出席いただきましてありがとうございました。次回以降、いよいよまとめに入りますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。ありがとうございました。
【森下室長】  ありがとうございました。
 
―― 了 ――

(初等中等教育局参事官(高等学校担当)付)