GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議(第4回)議事録

1.日時

令和3年12月21日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

Web会議による開催

3.議題

  1. 関係分野のヒアリング(都道府県教育委員会の役割等に関すること)
  2. 端末の年度更新について
  3. その他

4.出席者

委員

國香委員、佐藤委員、佐和委員、柴田委員、高橋委員、中川委員、中村委員、東原座長、堀田座長代理、三井委員、山本委員

文部科学省

板倉学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、大塚情報教育振興室長補佐

オブザーバー

鳥取県教育センター GIGAスクール推進課 係長 岩﨑 有朋氏、長崎県教育庁 義務教育課 義務教育班 係長 鶴田 浩一氏

5.議事録

GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議(第4回) 

令和3年12月21日


【東原座長】 定刻となりましたので、ただいまから、「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議」の第4回を開催させていただきます。
また、本日の会議についても、前回に引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、Webexによる開催とし、事前に登録のあったメディア、一般の方にも御覧いただいております。
それでは、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
【大塚室長補佐】 本日の配付資料は議事次第のとおりとなっておりますが、御参加の委員におかれましては、不足等ございましたらチャット等で事務局にお申し付けいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【東原座長】 続きまして、10月1日付で、文部科学省での組織再編がございました。組織再編による新体制につきまして、学校デジタル化プロジェクトチームリーダーの板倉リーダーから御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【板倉リーダー】 ありがとうございます。板倉でございます。
GIGAスクール構想による児童生徒の1人1台端末の実現など、学校における情報環境が飛躍的に進展している中で、教育課程、指導方法、教科書など学校教育に関する制度や運用全般について、これまでにない変化をもたらしています。
そのため、学校におけるICTの活用については、情報教育を担当する課のみに閉じるものではなく、初等中等教育局を挙げて取り組む必要があることから、本年10月1日より、情報教育・外国語教育課を発展的に解消し、組織再編をしたところでございます。
具体的には、新たに修学支援・教材課が設けられました。端末などの情報環境整備に関する事務と通信費の支援と、将来的なBYODを見据えた場合に密接な関係を有する修学支援に関する事務を一体的に行うこととしております。また、10月1日に新たに学校デジタル化プロジェクトチームも設けられたところでございます。こちらに関しましては、初等中等教育局内の調整役として、広く学校のデジタル化に関わります。また、情報教育校務情報課セキュリティー対策、国の情報通信ネットワーク(SINET)等の実証、初等中等教育分野でのデータ利活用といったところでございます。また併せて、GIGA StuDX推進チームも、引き続き私のほうで担当させていただきます。
以上でございます。
【東原座長】 ありがとうございました。
それでは、ここから議題に移らせていただきます。本日は議題1として、関係する分野の有識者からヒアリングを行いたいと思います。まず、GIGAスクール構想の実現に向けて、都道府県としてどのようなことに取り組んでおられるか、役割や分担、都道府県として取り組む範囲、今後の教育の情報化への関わり方について御発表いただきます。
最初は、鳥取県教育センターGIGAスクール推進課係長の岩﨑有朋様にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岩﨑氏】 皆さん、こんにちは。鳥取県教育センターのGIGAスクール推進課の岩﨑と申します。今日はこのような機会をいただき、ありがとうございます。

まず、GIGAスクール構想の推進に係る鳥取県の取組を御紹介いたします。鳥取県は、小中高の12年間を連続した学びにするために、Googleのアカウントを全ての児童生徒、そして教職員に付与し、Google Workspaceを活用して、GIGAスクール構想を推進しているところです。実は数年前に、鳥取県の小中学校にC4thという校務支援システムを全ての市町村で導入しました。これについては、市町村の意見や壁もございましたが、それを乗り越えて県内で統一して校務支援システムを入れた効果というのがありました。それを踏まえてGIGAスクールについても、やはり県内で統一したほうがいいのではないかということで、教育委員会、県教委が19市町村それぞれに回って、統一することのメリットを御説明申し上げ、県で統一してGIGAスクール構想を進めていこうということになりました。
そこで鳥取県では、情報化推進計画に基づくアクションプランを立てました。この春からGIGAスクール推進課というものができましたが、それまでは情報教育課というようなものもなく、県内ではそれぞれの課が分担をしながら進めてきました。今年、GIGAスクール推進課は、そのリード役をしているというところですが、活用初期の今年、活用定着期は来年ということで、先生方、また児童生徒の活用がより日常化するような形で進めてまいりたいと考えています。そして、来年の4月からは、県立高校は全てBYADで、入学する生徒からChrome端末を買って入学するという予定にしております。
一斉にスタートしたGIGAスクール構想ですが、それでも県内の中で幾つか先進的な地域をつくる必要があるだろうということで、、小中の連続性も考えて、中学校区、小学校それぞれ複数で学んだ子たちが中学校に上がってくるこの4地域に推進地域として頑張っていただいています。そしてもう一つ、学びの創造先進校ということで、PBLを通した学びの創造を狙って1校支援をしているところです。
一方、高校です。高校については、BYADの実施校として今年度モデル的に3校進めています。コロナ禍もあり登校が難しいときも端末を使って授業を進めていくことで、高校の中での活用を進めるいいきっかけになり、この3校の事例が来年度県内全部に広がる予定です。
このようなモデル校については、学校訪問をして、授業公開をして、参観していただくということもなかなか難しいので、県内では様々な課が連携をしてオンライン授業配信というものを進めています。基本的に教室の前から、そして後から、もう一つは、ハンディカムのようなものを持って子供たちの間に入ってグループの話を聞くというような形で、このモデル校を中心に授業配信をし、学校の先生方は学校にいながら先進校の授業を見ていただくということをずっと続けてきました。
先ほど申し上げたガンマイク付のカメラで、グループでの発表なども、このように生徒の側に行って、グループで話し合っている様子やブースごとの発表も御覧いただいている先生方に届くように工夫をしているというところです。
今まで情報教育課というものはありませんでしたので、去年は各課からメンバーが集められて、チームとして鳥取県の教育を進めていこうということで動いてまいりました。今年は教育センターの中にGIGAスクール推進課ができましたが、このチーム体制というものは維持しながら、県全体、教育委員会全体で進めていくというイメージを持っています。
とかく縦割り行政で壁をつくろうとする意識も出るところではありますが、その壁を壊していき、横の風通しをよくして、それぞれの課で我々の県の子供を育てていくんだという意思を統一しながら、リードしながら進めているという具合です。
その中で、資料上具体的に黄色い文字のところがかなり力を入れて行っているところです。学校訪問型研修は、昨年から進めてまいりました。まだ1人1端末そろっていない状況の中で、教育センターに80台のChromebookと50台iPadをそろえ、モバイルルーターもセットで学校に持ち込んで、令和3年からこのような学習が始まりますということで学校丸ごと研修をするというものを繰り返してきました。これは今でもニーズがあり、来年の4月から始まる高校からのオーダーもあり、今日も1人高校にお邪魔して研修をしています。これが学校を支える1つになっているのではないかと思います。あとGIGAチャンネルというもので、先ほどのモデル推進地域モデル校の事例を、月1回3校ずつ御紹介しています。こういうふうにモデルの事例を先生方に見ていただくということ、そしてGoogle Workspaceの様々な操作というものもありますので、放課後ワンポイント・レッスン毎週火曜日、実はちょうど今日の夕方4時20分から4時40分までにも実施しますが、教育センターの指導主事が工夫をして先生方に分かりやすく伝えているというところがあります。そのほか、授業研究Weekというものもあります。あと、端末持ち帰りについても、市町村の担当者というのは実は1人2人と非常に少ない中で頑張っておられ、その中でも困り感もありますので、県の教育委員会も一緒に支援しながら持ち帰りの実証実験なども行っています。
次に、先ほど申し上げた学校訪問型研修です。ここでは、基本操作の研修はするのですが、何よりも学校の先生が一堂に会して研修するので、このとき我々講師陣は、あえてできるだけ教えないようにしています。分からない人は手を挙げてください。今、手を挙げておられる方困っておられますから、同僚、助けてください。この関係をふだんから続けてくださいとお願いをして研修を進めています。研修は1時間から1時間半ですが、それが終わったらまた元に戻ってしまうのではなくて、さっき教えてもらったことをちょっと研修の後でも一緒にやろうというような雰囲気も生まれるみたいで、このような研修をずっと続けているというところです。
これがGIGAチャンネルによって配信している様子です。様々な学校の先生が学校にいながら先進的な事例を見ることができます。このような活動をして、子供たちがこんな反応していますといった具体的な事例を、県内の多くの学校にオンラインによって届けることができますので、たくさんの先生に見ていただいていると思います。
先ほどのワンポイント・レッスンについては、ライブ配信をしています。2人の指導主事が中心となって打合せをし、カメラワークとかも考えながら、どのようにしたら見ておられる先生が使えるのかということを、毎週工夫をして伝えているところです。
ただ、この先生方も、放課後といってもなかなかお忙しいです。このワンポイント・レッスンさえも見ることができなかったとか、1回そのときには見たんだけれどもどうだったかなというときのために、全て録画して、それをサイトにアップして、いつでも鳥取県のドメインを持っている先生でしたらこの映像が見られるように配信をしています。
続いて、鳥取県もスタッフの数としては非常に少ないですので、様々な外部の支援、外部組織の活用をしています。特に鳥取県は、インテルと連携協定を結んでPBLの研修等について多大な支援をいただいています。あと、Googleとパートナー自治体プログラムでも連携をしており、ここでも教員研修にGoogleのスタッフを派遣していただくというようなことで、手厚くサポートをいただいております。
教員研修については、様々な方、県外の方に御支援いただいていて、今日御参加の柴田委員には学校CIOの研修で御講義をいただきましたし、信州大学の佐藤先生にも先進校の授業研究会で御支援いただいていて、来年もぜひ鳥取のほうでお話をいただきたい、とてもいい先生でしたというような学校の声が我々のほうまで届いているところです。
あとインフラ整備については、かなり困っているところで、島根大学のSINETと接続をして、島根大学の教員養成と鳥取県のエキスパート教員の映像配信等を組み合わせながら、島根大学とも一緒になって進めています。
続いて、県と市町村と学校との関係です。鳥取県の教育委員会が大切にしているのは、市町村教育委員会との連携です。月1回でオンライン定例会を行っています。市町村の教育委員会の実務担当の方は大体1人か2人です。小さな町になると、本当に幾つもの仕事を兼務しながらGIGAの担当もされていて、今でいうとMEXCBTの話が出てきたりとか、今度年度更新の話が出てきたりとか、非常にたくさんの課題を抱えておられるんです。そこで県教員と市町村の教育委員会とオンライン定例会で結んで困っていることを共有したり、こういう事例があるからこういうものをされてみませんかという提案をしたりしながら、我々教育委員会からすると県内の子供たち、市町村の方から見るとそれぞれ市町村の子供たちであると、両方共通するものですのでお互いの信頼関係をつくりながら進めていこうということでやっております。
また、市町村との関係で、県の教育委員会は行政連絡協議会という、各市町村の教育長さんとの協議というものも持っております。そこで、教育長レベルでの要望や質問などを受けて、それを実現できるように動いております。
あと校内ですが、校内は学校CIOがやはり推進の要だと思います。ここについては、全ての校長先生方に悉皆研修を受けていただきますし、あと情報化推進リーダーという者も悉皆研修を受けております。そして、1人にしないようにということがポイントだと思いますので、必ず複数の推進チームというものを校内でつくってくださいということもお願いをしております。また、県の研修だけではなく、市町村は市町村の課題に応じて独自の研修もされており、様々な研修を通して先生方の支援を市町村、また県全体でということで行っているところでございます。
そうしたときに、特に校内では、管理職、推進チーム、そしてそのほかの先生方と、この3つの立場がうまく横につながりながらやっていきましょうということで、教員研修、それぞれの立場の先生に合った研修を進めているところです。
次に、今後の情報化推進の関わり方ということです。GIGAスクールのスタートは同じでしたけれども、活用が進むにつれて少しずつ差が開いてきました。同じ校内でも差が開いていますし、また、地域の隣の小学校同士でも格差が開いてきて、先頭グループが見えなくなるぐらい差が開いているところも実際のところはあります。
そこで、教育委員会ではどのペースの人にも届く研修というものを進めてまいりました。研修といえば教育センターだけというのではなくて、様々な課が連携をしながら進めているところでございます。
なぜそういうことをするのかというと、やはり先生方の向こうに児童生徒がいるからです。先生方の力をつけるということは、その向こうの子供に届くからということで、誰も取り残したくないという思いで研修、授業を進めているところです。
これが最後になりますが、今後の推進に向けたリソースの分配です。例えば、GIGAスクール推進課は5人しかスタッフがおりません。そこで、企業のスタッフにも協力を頼んで、初歩的な基礎コースやスタートアップ研修は企業と連携を取っていきながら進めていく。大切なのは、いかにこれからの教育を研究して県内の先生に広めていくのかということが、教育委員会の1つ大きな役割だと思っています。来年度は、資料上赤部分などに対してリソースを分配して力を入れていこうと考えているところです。
以上で、鳥取県の発表を終わります。ありがとうございました。
【東原座長】 岩﨑先生、どうもありがとうございました。
続きまして、長崎県教育庁義務教育課事務教育班係長の鶴田浩一様にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【鶴田氏】 よろしくお願いします。長崎県教育庁義務教育課の鶴田と申します。本日は、貴重な機会をいただきありがとうございます。私から、長崎県の取組を紹介させています。
長崎県で取り組んできたことを、大きく3つの観点から整理しましたので、説明をいたします。
まず、少し長崎県の状況について御紹介をいたします。長崎県には21の市や町があります。村はありません。そして、小中学校は合わせて500校ということになります。対馬や五島列島といった離島部が多くありますので、長崎県の県域はほぼ九州本土と同じくらいになるということになります。先生方は広域で人事異動しますので、例えば、市町ごとに採用システムが異なっておりますと、異動のたびに新しいシステムを覚える必要があるということ、そして大きい市町は1つの市で100校以上の小中学校がありますけれども、小さい市町だと例えば3校程度ということになります。教育委員会の中にも、学校の中にも、ICTに詳しい人がいないということもあります。
ちょうどGIGAスクール構想が発表された当時、長崎県のほとんどの自治体では、1人1台の端末やクラウドツールの導入というものは未経験でした。ですので、何とかGIGAスクール構想を軌道に乗せるためにということで、県の教育委員会として行ってきたことを紹介します。
こちらが2年間で取り組んできたことの概要です。県の教育委員会の支援として、ちょっと便宜的に整理すると、環境整備に関わるものと、子供たちや先生の活用に関する支援、そして連携をしたり情報共有を促したりするという3つの側面に分けられるかと思いました。
ちょうど令和2年度から3年度にかけて、環境整備面での支援から、だんだん活用面への支援に移り変わってきたように思います。環境整備面での支援ですが、大きく3つに整理いたしました。
端末の共同調達、サブドメインの提供、そしてテナントの作成支援の3つです。端末の共同調達については、先ほど申したとおりできるだけ同じシステムを使ったほうがよいのではないかという提案もあるのですが、各市町においてそれぞれ既に整備してきた端末等もございますので、希望する市町はぜひ共同調達をいかがですかということで呼びかけたところ、12の市町が共同調達に乗られたということになります。また、教育用のドメインを持っておられない自治体もありましたので、県で作成したドメインのサブドメインを無償で提供するということを行いました。
また、これは民間事業者の協力を得ながらですけれども、導入したツールの基本設定をこのようにしてはどうですかというふうに提案をしたり、無償で設定をしたりするという支援を受けました。
このような環境整備の面の支援を行い、令和2年度の後半あたりから、今度は先生方の活用に関する支援というものを行ってきました。ここでは大きく4つに分けています。1つが先生方の理解や意識向上に関わるもの、もう一つがスキル向上に関するもの、そして各種ツールの提供、そして実践事例等の提供に関するものです。
まず、理解や意識向上に関するものとして、主に2つ掲載しています。1つは校内研修用の動画を提供いたしました。これは各学校での校内研修で使っていただけるように、動画を作成して提供したものです。GIGAスクール構想の背景や狙いについて説明をして、一旦その後、先生方から質問を受け付けてその質問に答える形で第2弾の動画を配信いたしました。また、オンラインセミナーというものも今年度開催しました。こちらはライブ配信で実施しましたが、GIGAスクール構想についての視野を広げるという意味で、遠隔オンライン教育、データ利活用による個別最適な学び、そしてGIGAを知るというふうにテーマをそれぞれ定めまして、県内外の方々から応援をいただいたところです。
また、この3日目については、保護者の方を対象として、GIGAスクール構想についての理解を深めていただいたり、あるいは、家庭における情報モラルはこのように指導するとよいですよということをお話しいただいたりしました。
続いて、技能向上に関わるものです。事業者の協力を得まして、クラウドツールのオンライン研修会というものを、市町の教育委員会向けに行いました。また、学校の先生方の中には、本当に初歩の初歩から分からないという先生方もいらっしゃいましたので、スキルアップ動画というものを作成して、先生方に提供いたしました。1本当たり5分くらいの動画にまとめて、それらをツールごとにまとめてサイトに掲載して提供をしています。現在40本ほどになりますが、いつでも見返せるという利点があろうと思っています。
また、地区別の研修会というものも実施をいたしました。こちらは市町で整備されたクラウドツールの活用研修ということで、希望する市町を訪問して実施しました。全部で21の市町のうち、19の市町から申込みがあって、それぞれ研修を行いました。
ここでは、長崎県としての到達ライン、令和3年度はICTが苦手な先生もここまではできるようになりましょうねという到達ラインを示すような操作研修を行いました。学校からは管理職の先生と、それから教員に来ていただいて、それらの研修内容を参加した人が学校で講師となれるようにパッケージ化して提供し、校内研修を実施していただくという形を取りました。
それから、ツールの提供に関するものです。ここでは2つ御紹介いたします。1つは、タイピング検定の提供としておりますが、それぞれの市町でタイピング能力の向上を目指した取組がなされております。県の教育委員会としては、県内共通の指標というものを設定して、各種資料を提供しました。ほかの市町でいうとどれくらいの子供たちがどれくらいのレベルなのかというのを、1つ串を通すような物差しをつくるということで提供したものになります。
それから、過去に行った長崎県学力調査の問題をGoogleフォームに落とし込んで、各学校や先生方で自由に使用できるように準備をいたしました。英語のリスニングなどの問題も収録をしているところです。
4点目は、実践・事例に関するものです。実践については、3点紹介いたします。まず、県の研究指定校、公募制ですが、県の研究指定校を設置するということ。そして、活用事例集を提供いたしました。ツールを使って、どういった学習が考えられるのかというものを、指導案、活用のまとめ、そしてそれらを解説した動画とともに提供をしているところです。
最後に、情報交流サイトの開設についてです。ここでは、これまでに紹介した様々なツールや研修用動画などを一元的に集約して発信するサイトになります。ここでは各学校からそれぞれ取り組んだ事例を登録していただき、例えば、関連するファイルなどもここで共有できるように構築をしているところです。現在、先行体験が終わり、改修を行っているところです。3学期には全部の学校で使っていただけるように準備を進めているところです。
最後に、連携や情報共有に関することです。推進協議会というものを持っております。もともとは統合型校務支援システムに対する推進協議会だったのですが、令和2年度からは、GIGAスクールに関する内容も、協議の中に入れております。大体年に2回ほど実施をしております。市町の教育委員会や学校の校長先生に出ていただいて、ほかの市町や学校の取組について情報共有を行っていたただいています。このように、クラウドのツールを使いながら、情報共有を行っています。市町の教育委員会と学校の校長先生方に、県のほうでアカウントを発行し、1年間を通じて情報共有ができる場を提供しています。
また、県の教育委員会としては、県の施策の説明や先進事例の提供等を行っています。こちらが昨年度から実施している事例の一覧になります。環境整備のほうからだんだん利活用に関する内容へと変化をしてきているところになります。これらの事例については録画をして、そして先ほどの推進サイトのほうに掲載し、いつでも見られるような状態にしているところでございます。
ちょっと駆け足になりましたが、長崎県で実施している取組について紹介をさせていただきました。以上になります。
【東原座長】 鶴田先生、どうもありがとうございました。
ただいま鳥取県及び長崎県の取組を御紹介いただきました。大変すばらしい試みをされているので、私もなるほどと思いながら聞かせていただきました。この会議といたしましては、さらに今から委員の方々に御質問をしていただいて、2つの県のお取組のことをより深く理解したいとともに、今後、都道府県としてどのように取り組んでいったらいいかというような方法も、後半に話を進めていければと思います。
それでは、まず最初に、御質問のほうから入らせていただければと思いますが、どちらの県への質問か、あるいは両方に同じ内容で質問してみたいかということが分かるように御発言いただけると大変助かります。
それでは、御発言を希望される方は手を挙げていただいて、こちらのほうから指名させていただきたいと思います。山本先生、お願いいたします。
【山本委員】 御発表ありがとうございました。私のほうからは、両県に対して質問が1点あります。鳥取県も長崎県も、特段、特別支援学校について言及はなかったかと思いますが、特別支援学校への対応も同様、あるいは小・中・高と連動して行っているという理解でよろしいでしょうか。
【東原座長】 それでは、両県に御質問があった場合には、先ほどの順次同じで、まず岩﨑先生から、そして鶴田先生というふうにお願いしたいと思います。
【岩﨑氏】 では、鳥取県のほうからお答えします。
鳥取県でも、特別支援学校の先生方にも受講していただく研修講座というのは設けております。また、特別支援学校それぞれの学校によって大きく特徴がありますので、それについては個別に支援をしていかないといけないとも考えております。
実は先ほどの映像の中にもお示しはしていましたが、教育センターに1年間長期研修生ということで、特別支援学校からも1年間、学校から離れて研究する先生に来ていただいていて、その先生が1つ学校の中での実践と研究とをつなげていくという大きな役割を持っておられます。そういう先生方の研究というのを、これから広めていくというようなところですし、あと、支援学校の子供たちが、自分たちの能力を補うためのICTという活用の仕方と、彼ら自身の学力をつけていくという活用の方法と、この2つがあると思うので、それについてはほかの学校種と比べて、より一層手厚くやっていかないといけないと思っています。これについては、特別支援教育課のスタッフも、他県との情報交換をしながら、各学校に情報提供をするように準備をしているところでございます。
鳥取県は以上です。
【東原座長】 ありがとうございます。
【鶴田氏】
長崎県も少し似たような状況かと思います。今回、義務教育課として発表したのでちょっと割愛させていただいたんですが、特別支援教育課というところがメインになって行っております。また、特別支援学校の先生方に向けた研修もございますし、協議会にも特別支援教育課にも来ていただいて、情報交換とか、あるいは使えるものは一緒に使っていくというような連携をしているところでございます。
以上でございます。
【東原座長】 ありがとうございます。
それでは、次に佐藤委員から御質問をお願いします。
【佐藤委員】 信州大学の佐藤です。本日はありがとうございました。
両県に対しての質問になります。両県とも多くの事例があって、そして、それが提供されているというところだったわけですけれども、現場の先生であるとか、様々な先生に実践事例をお見せしたりすると、なかなかそれが知られていないという状況が非常に多いというふうに捉えております。長崎県も鳥取県もそういった事例を提供されているわけですが、見てくれない先生、そういった方にどういったフォローアップを取り組んでいるかとか、あるいはその効果はどうなのかというところでお話をお聞きかせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【岩﨑氏】 御質問ありがとうございます。今いただいた内容というのは、鳥取県でも大きな課題でして、どんどん配信はするんですけれども、どれぐらいの先生が実際見ておられるんだろうかということ、言い方は的確かどうか分かりませんが視聴率というものもやはり調べていく必要があるかなと思っています。ただ、夏休みや冬休みなどの先生方も少し期間があるときには、学校の校内研修として、校内全員で見ていただくというような取組もされていますので、そういう場面でも使えるようなコンテンツ、つまり、ライブ配信するだけではなくて、必要なものは録画して、それをアップをして、学校で必要なときに皆さんで見ていただくというようなことをしていくしかないかなということと、あと校長会の連絡のときに、このようなものをアップしているのでぜひ御覧なってくださいということで、常にいろんなところから情報発信をしているところでございます。
以上です。
【鶴田氏】 失礼します。長崎県です。
同じように、校長会、教育長会、様々な場所で呼びかけるということ。それから、先ほど申しました地区別の研修会なのですが、これは各学校で事後研修をするのを必須にしておりまして、その中での報告というのも必須にしております。その中で、こういった取組についても紹介をしていただいているということでございます。長崎は3年間かけて、全ての小中学校を学校訪問するという取組をしておりますので、そこの中でも御紹介、活用についての御助言等もしておるところです。
以上です。
【佐藤委員】 ありがとうございました。
【東原座長】 ありがとうございました。
次、佐和先生、三井先生、柴田先生の順にいきたいと思います。佐和先生、お願いします。
【佐和委員】 ありがとうございました。柏市の佐和と申します。鳥取県の岩﨑先生に御質問させてください。
教育委員会で、GIGAを推進する情報担当というのはどこもいると思いますが、割と孤立してしまったり、いろんな業務を兼務していてなかなか思いどおり進めていけなかったりというところも多いと思います。そういう中で、GIGAスクール推進課というのを立ち上げて推進されているというのは、大変参考になるだろうと思います。
5名ほど職員がいらっしゃるということで、この5名の職員が様々工夫した取組であるとか、外部人材を使っているわけですけれども、どんな役割で、どんな分担があるのかということは、今年始まったばかりですから、恐らく考えながら、走りながら、やりながらというようなことも多々あると思います。この組織の運営というか取組の在り方、どう動いているかということについて、もう少し補足いただけたらありがたいです。
【岩﨑氏】 ありがとうございます。GIGAスクール推進課は課長1名、係長1名、指導主事が2名、そしてICT支援員が1名というような構成です。課長は昨年のGIGAスクール推進課ができる前、教育環境課の参事ということで、GIGAスクールの担当として中心となってやってこられた方が課長になられたので、背景というのをよく御存じで、その課長がより創造的に、我々が汗をかいていこうというふうに言われるので、みんながついていっているというところです。
指導主事は、小学校籍と高校籍の者がおります。私は中学校籍ですし、様々な校種がいますので、学校の様子というのを共有しながら、学校の研修には指導主事も出かけていきますし、ホームページなどのサイト管理も指導主事がやっています。あと私も学校の研修には出かけていって、知っている校長先生には係長と呼ばれずに、おい、ICT支援員ちょっと来いといって構われながら、学校のほうに伺っているところではございます。小さいながらも非常に細かく、チームワークのいい課で動いていると思います。
【佐和委員】 ありがとうございました。
【東原座長】 では、次は三井委員、お願いいたします。
【三井委員】 常葉大学の三井でございます。御発表ありがとうございました。
両県ともチーム体制で推進されている仕組みが大変参考になりました。また、ワンポイント・レッスンの動画ですとか、研修のパッケージ化を通じた横展開の取組などは、ほかの自治体でも参考にしやすいかと思います。
そこで、両県にお聞きしたいことがございます。操作研修等で基礎的なスキルを身につけた後は、やはり1人1台端末を活用してどのような授業をデザインしていくのかということが大事になってくるかと思いますし、現場の先生からも、こういった操作の仕方は分かったけれども、どうやって授業を設計していけばいいんだろうといった悩みをよく聞くようになりました。本日も、先進事例を紹介する等の取組をしているといったようなお話を少しいただきましたが、授業を組み立てる授業設計の点について、鳥取県や長崎県が行ってきた研修の中で効果的だったとお考えになるものや、今後こういったことを行っていきたいといったことがありましたら教えてください。よろしくお願いします。
【岩﨑氏】 では、鳥取県から御紹介いたします。今年度は、教員研修の中でレベルに分けた研修を提供しました。先ほどおっしゃっていたように、基本的な操作研修中心のものもあれば、ある1時間の中で実際にどのようにICTを使っていって授業を成立させるのかという研修、単元を通した研修、単元を通してどことどこにどのアプリとかを組み合わせていけばいいのかというちょっと広いスパンでの視野を持った上での研修というふうにレベルを分けて研修しています。
来年度も、先ほどのスライドでも見ていただきましたけど、基本的な研修については、Googleのスタッフにある程度お任せをして、我々教育センターの者が行う研修については、授業づくりのほうを、いかに教科の狙いを達成するためのICT活用にしていくのかという研修を来年度以降さらに増やしていく予定でおります。
以上です。
【鶴田氏】 失礼します。長崎県です。
長崎県も、単純な操作については、例えばキックスタートプログラムとか民間の事業者さんの研修にお任せしています。授業の中でどういうふうに活用していくのかということについては、先ほど申しました、市町をまたぐ、市町を訪問して行う地区別の研修会で、こういうふうにしていくと、こういったところでこういったことを使うとどうでしょうかという話をしたり、あとは先生方のイメージづくりという意味でいうと、今年度の頭のほうに出した活用事例集というもので少しイメージを持っていただいたりしています。
ただ、やっていて思うのは、1つのツールに対して先生方のアイデアでいろんな活用の仕方が生まれるんだなということを実感しています。先ほど申した情報交流サイトで、各学校からも実践を受けてもらってこんな使い方もできるんだよという横展開を図っているところです。
義務教育課としては、今年はとにかく慣れましょうねという1年に位置付けていて、次年度は定着、もっと活用を膨らませていくということをしていますので、次年度は各市町のリーダーに当たるような人を育成するような研修とか、先生方が使えるということだけじゃなくて、子供が使えるようになるためにということを仕掛けていこうと感じているところです。
以上でございます。
【東原座長】 ありがとうございます。
続きまして、柴田委員、お願いいたします。
【柴田委員】 本当にすばらしい、県がリーダーシップを取った取組で、とても参考になりました。ありがとうございました。
私がすごいと思ったのは、市町村の壁を越えて、県が1つのまとまった方向にリーダーシップを取っていることです。次の段階として、都道府県の壁を越えて、情報共有がもっと進むといいなと思っているんですけれども、こういった優れた事例とかは、全部他県の方にも見ることができるような仕組みになっているのか、お聞きしたいです。
【岩﨑氏】 鳥取県のほうは県のドメインで制限されていますので、見ていただくことはなかなか難しいかなと思います。生徒の写真とかもあったりもしますので、そういう部分をクリアして共有できる、例えばGoogleのフォーム集とかでしたら共有できるかもしれませんけれども、幾つかハードルはあるかなと思います。
ただ、今日も私のほうでも長崎県の事例をお聞きしながら、すごくヒントになるものがありましたので、今、柴田校長がおっしゃっていたようなことというのは広がっていくと日本全部が進むんじゃないかなというふうに強く思いました。ありがとうございます。
【鶴田氏】 失礼します。長崎県です。
長崎県は他県からも見られるものもありますし、少しクローズドにしている部分もあります。例えば、動画等も含む、地区別研修会でパッケージ化して先生方に提供したものとか、あるいは活用事例集みたいなものについてはオープンにしています。長崎県の教育センターのホームページに載せていますので、これはどなたでも見ていただけるようなものになっています。
以上です。
【柴田委員】 ありがとうございました。
【東原座長】 それでは、中川委員、そして堀田委員に質問、あるいは意見をいただきたいと思います。
まず、中川委員、お願いいたします。
【中川委員】 放送大学の中川です。ありがとうございました。
さすがにこういうところの委員会で御披露される2つの県だなということをまざまざと感じました。特に学校現場を支える取組がすばらしいということと、それから、事業者の協力をうまく得ているところが本当にすばらしいなと思いました。限られている人数、パフォーマンスですので、外部の力を借りるということはやはりこれから必須だなということを改めて思いました。
私のほうからちょっと裏の質問をさせていただきたいと思います。先ほど、岩﨑係長のところで、各課をつなぐと一言言われてたんですけれども、教育委員会内でいろんな課をやっぱりつないで引き込んでいくというのは、大事なんだけれども言うほど簡単なことではないと思うんです。それで、ぜひ両県に御苦労だとか、あるいはどういう工夫をされていろいろな課が自分事として腰を上げてくれるのか、その辺の工夫について、ぜひお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【岩﨑氏】 ありがとうございます。先ほど事例の中でも申し上げたように、チーム会議といって、各課の担当者が出てくる会議で顔を合わせて話ができるというところが1つベースにあると思います。そして、この夏、実はコロナで中止になってしまったんですが、GIGAスクールフェアということで、各課がいろんなテーマとかを持ち寄って県民に見ていただこうとするイベントも予定しておりました。これについては来年また実現したいと思いますが、例えば、小中学校課の方だけがイベントをするとか、特別支援教育課の方だけがイベントするというのではなくて、教育委員会を挙げて、みんなの課で持ち寄ってイベントをしようというようなところで結束も生まれると思います。
一方で、本当に業務がどんどん増えてくるので、どうしても心理的に仕事、これはこちらに渡したいという気持ちが見え隠れするところがあるんですが、そこは壁をつくろうとするところを片っ端から潰していき、コミュニケーションを取りながらやっていくということがやはり必要だと思いますので、特に教育委員会の中でも、オンライン会議を頻繁にやりながら、意思疎通を図っていくことが重要かと思います。
【鶴田氏】 失礼します。長崎県です。
長崎県も少し似たようなところがあるんですけど、ふだんから話をしたりとか、情報提供したりしているので、できることからまずやっていくみたいな感じでやっています。特に推進協議会とか、各課から来ていただくんですけど、やっぱり義務の学校はこんな感じで進んでいるんだというのが分かった後まで話があるので、まずは見ていただいて知ってもらうところかなという気もしています。
【中川委員】 どうもありがとうございました。ぜひこの話も、他県へ共有していただきたいなと思いました。ありがとうございました。
【堀田座長代理】 堀田でございます。両県に御質問をさせていただきます。
今回、鳥取県も長崎県も、このタイミングであんなに丁寧な現場支援をされているということに大変感心をいたします。一方で、県というのは義務教育においてはとりわけ難しい立場があり、学校の設置者は市町村なので、市町村でこそやっていただかないといけないことというのがあるのかなと思います。一方で、逆に県、これは任命権者としてのかもしれませんけど、都道府県こそやるべきこともあるように思います。
今日のこの議題は、都道府県教育委員会の役割のことですので、その観点からお尋ねしたいのですが、岩﨑先生、鶴田先生、いずれもやはりGIGAがスタートしたこのタイミングで、都道府県として行わなきゃいけないことは何かについて、どのようにお考えでしょうか。そのことが県内でどういうふうに議論されて、今回の取組になっているかみたいなことと、いやこれはどうしても市町村にやっていただかないといけないことで、都道府県では難しいですというものがあるか。さらには、今、GIGAが始まったばかりのある意味混乱期なので、これは本当は市町村なんだけど、代わって県が今やっていますということや、あるいはどっちでもいいからまずは県がやりましたみたいなことがあるかと思います。今後、持続可能になるためには、そういうふうに役割分担の考え方の共有が必要かと思っております。そういう観点から、御意見、お考えをお聞かせいただければと思います。
以上です。
【岩﨑氏】 ありがとうございます。鳥取県の場合には、Googleのアカウントを付与しているということもあり、県としてこのように進んでいきましょうということを示す必要があります。市町村のほうからも、そういう要望があります。例えば高校になれば市町村を越えて他地域、かなりの範囲で子供たちも進学していきますので、県内、ある程度方向性を定めるというのが県の役割だと考えております。
もう一つ、市町村の役割というのは、例えば、小中学校のアカウントの管理や、アプリをどうするのかというような運用については、ある程度市町村のほうに任せるということもお願いをしています。ただ、それも隣の町村でやはり差が大きくなり過ぎるといけませんので、どのような考えをしているのかというようなことを、情報担当、市町村の担当者と県の担当者とのオンライン会議等ですり合わせをしたりするようにしています。その中で、これは県から市町村に任せていいでしょうかというようなことの確認も合意を取りながら進めているところでございます。
そして、そういうことを少しずつやっていきながらも、逆に県としてまとめてほしいという市町村からの要望については、県のほうでリーダーシップを取りますということで進めているので、これについてはどうぞというようなことではなくて、ある程度合意形成を取りながらやっているというようなところです。
【鶴田氏】 失礼します。長崎県です。
市町の教育委員会は、基本的に学校の設置者となるので、例えば、学校に対する環境整備であるとか支援というのは一義的に必要になってくるんだろうと思います。ただ、市町によってはリソースが全く違うので、どうしても進めたいけどなかなか進められないとかという部分があろうと思います。例えば、授業はどういうふうにしてつくっていったらいいのかとか、設定はどうしたらいいのか、そういった横串を刺すような、市町間の間に串を通したりするということが非常に大事だなと感じています。
あとは、それぞれがばらばらにやるよりも県のほうで一括してやったほうがいいもの、例えば、研修用の動画をそれぞれの市町さんがつくるのは大変だから県のほうで一括してやりますよとか、学力調査問題の過去の分をデジタルに落とし込むのもそれぞれやっていたら大変だから県のほうで一括してやりますといったものは、県でやったほうがいいのかなと思っています。
すみません、回答になっているか分かりませんが、以上でございます。
【東原座長】 どうもありがとうございました。大変貴重な御意見とかを聞かせていただきました。考え方、最後に堀田先生から整理するような御質問をしていただきまして、どうもありがとうございました。
今の2つの県の話を伺っていますと、まだまだたくさんの都道府県のことを伺ってみたいなと、そんな気持ちにもさせていただきました。どうもありがとうございました。
それでは、次の話題に移らせていただきたいと思います。続きまして、新年度を前に端末等の準備に重要な課題となります、年度更新に向けた年度更新タスクリストについて、事務局より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【大塚室長補佐】 それでは、資料4-3を御覧ください。「GIGAスクール構想 年度更新タスクリスト」について御説明をさせていただきます。
GIGAスクール構想において、全国の小学校、中学校で1人1台端末の環境が整って、これから多くの教育委員会、学校で、初めての環境の中での年度更新を迎えることになります。更新作業等を円滑に行うために、アカウントのIDの更新や端末の更新、それからデータの取扱い、組織体制の整備などについて4項目に整理しまして、タスクリストとしてまとめたところでございます。
タスクリストの2ページ目を御覧いただきたいのですが、こちらのタスクリストの位置付けとしては、今年3月12日に出させていただいた本格運用時チェックリストとに関連する、文部科学省から各教育委員会、学校へのGIGA端末の運用に関するお知らせということになります。
こちらのタスクリストにつきましては、この後、皆さんにも御覧いただいた上で、本日の会議を終了した後に、また修正等あれば修正意見を踏まえたうえで、発出をさせていただきたいと思っております。教育委員会、学校のほうで、更新作業に準備等もありますので余裕を持って取り組んでいただきたいということで、この時期に出させていただくということでございます。
こちらのタスクリストの読み方、見方ですが、2ページを御覧ください。まず1つ目として確認すべきポイントを出しまして、で考えられる留意事項をまとめております。その下に管理主体ごとのタスクイメージ、教育委員会、学校について整理しています。
3ページ目を御覧ください。1つ目はアカウント(ID)の更新ということで、1つ目はアカウントの運用方針とマニュアルを作成し、運用する。2つ目は、利用している全てのシステムのアカウントをリストアップし、年度更新するものを管理者別に整理する。
続きまして、4ページ目を御覧ください。アカウント更新に関する作業項目を列挙し、作業者を割り当て、更新の全体スケジュールを作成する。4つ目でございますが、更新に必要な情報を収集する。5番目でございますが、アカウント運用方針に従って更新用データファイルを作成する。6番目です。更新用データファイルをアップロードし、反映させる。7番目でございます。アカウント運用方針に従って、転出入・進学・卒業する児童生徒のカウントの停止・削除等の作業を実施する。8個目です。アカウントのID、パスワードを、取扱いの注意事項とともに児童生徒に渡すということで、こちらのアカウントの更新につきまして、1から8項目について整理をしております。
続きまして、6ページ目を御覧ください。端末の更新ということで、こちらは6つ出させていただいておりますが、新年度の児童生徒数を把握し、端末等の配置等の計画を立てる。それから、2つ目として、転出入・進学・卒業する児童生徒の端末のデータ保存、移行の完了を確かめる。それから3つ目として、転出入・進学・卒業する児童生徒の端末を回収する。4つ目として、転出入・進学・卒業する児童生徒の端末を、新年度用の初期状態にする。5つ目で、端末管理台帳に使用者名等を登録、更新する。6つ目として、端末・附属品を貸し出す。
次に、大きな3つ目の項目として、データの取扱い。こちらは1項目から4項目で整理しております。1つ目は、データ(学習成果物等)の取扱いに関する方針を作成し、運用する。2つ目としまして、進級後も、児童生徒が自らの学習生活を参照できるようにする。3つ目としまして、転出入・進学する児童生徒の学習成果物を、方針に従って移行する。4つ目でございます。卒業する児童生徒の学習成果物を、方針に従って処理する。
続きまして、8ページ目を御覧ください。4つ目としての組織体制の整備でございます。こちらは3つの項目について記載しております。
1つ目が、年度更新の方針やスケジュールを定めるための組織体を構成する。2つ目として、年度更新に関する作業体制を整える。3つ目としまして、全ての教職員に対して、年度更新に関する基本的な考え方・手順を示しております。
こちらのタスクリストの作成に当たっては、座長の東原先生ほか、新潟市教育委員会の片山先生、鹿児島市立学校ICT推進センターの木田先生、喬木村教育委員会事務局の長坂先生、柏市教育委員会、西田先生、つくば市みどりの学園義務教育学校の毛利先生、相模原市教育委員会の渡邊先生、以上の先生方の御協力をいただいて作成しているところでございます。
なお、こちらのタスクリストにつきましては、基本的には文部科学省のクレジットで発出させていただくものでございます。ただ、あくまでこれはGIGAスクールの運用にも十分関わってくることでございますので、本日発出前に、まず委員の先生の皆さんにこちら御説明、御覧いただいた上で、気になる点等があれば、後ほど御意見等いただければと思います。
事務局のほうからは以上です。
【東原座長】 ただいまタスクリストの概要の御説明はいただいたんですけど、もう少し細かいところの御説明をいただけますでしょうか。事務局にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【事務局(窪田)】 失礼いたします。文部科学省でございます。
本タスクリスト、先ほど大塚のほうから細かい内容を全て申し上げさせていただきましたが、タスクリストの位置付けとして説明させていただきたいことがございます。
今回、複数の先生方に御確認、御相談させていただきながら、このタスクリストをつくらせていただいて、ある程度各自治体様、各学校様で共通としてやらなければならない項目として、まず大きく4つを挙げさせていただいたというところでございます。
1ページ目に投影させていただいております、下段の太字の部分でございます。こちらをぜひまず参考にしていただいて、皆様の作業の流れを整理していただきたいと思います。やはり自治体様、学校様、あとは関係されている事業者の都合等もあると思いますが、役割分担は、自治体ごとで若干変わってくるところではあると思っています。イメージがつきやすいように、各項目の中に教育委員会、学校という表現をさせていただいている部分がございます。例えば(1)①アカウント運用方針とマニュアルを作成し、運用する。今、教育委員会の役割として、アカウント運用マニュアルを作成し、学校に周知する。学校側ではマニュアルを参照し、ルールに従って運用する。このあたりはおおむね大きく変わるところではないと思いますが、後段に行くにつれて細かい作業が入ってまいります。そのあたりは、例えばアカウントを教育委員会様で発行しているもの、もしくは学校で管理しているものもあろうかと思います。このあたり、具体例をイメージつきやすいように書かせていただいたところでございますので、あとは実態に合わせて、工夫、御相談をしていただきたいという趣旨であるということを御理解いただければと思っております。
あともう一つ、タスクリストを作成している中で、非常に重要だということで話がありましたのが、今、投影させていただいている(1)③のところでございます。例えば、アカウントの更新作業の順序すらも前後決まっているものがあり、影響し得るものがあるということであるので、作業日時、作業内容、作業者、それと開始日、完了日、そのあたりの全体像をぜひ整理していただきたいということです。先生方との話の間でもよく上がった話題でございます。
最後もう一つ補足させていただきますと、先進的な自治体様、お取組されている自治体様はタスクリストがあってもなくても、スケジュール感を見通して取組を進めていただいていると思いますが、恐らく今回、1人1台端末の年度更新作業というのを初めてやられる自治体様が多いことは間違いないと思っております。この点、まず自治体様のほうで組織体制を組んでいただきながら、事業者様も当然巻き込んでいただきながら進めてさせていただきますが、手順だとか考え方、進め方に悩まれると思います。我々文科省のほうで、ICT活用教育アドバイザー事業というものをやらせていただいておりまして、今、こちらにお名前挙がっている先生方ですとか、ほかにも100名以上の先生方に、全国にリモートで、もしくは対面で、アドバイスさせていただく先生方が待機しておりますので、ここは文科省、もしくはこのURLのほうからアドバイザー派遣申請等をしていただいて、一緒に取組を進めていただければと思っております。
このほか、文科省内にGIGA StuDX推進チーム、GIGAスクール構想を進める上での特別チームを設置しておりますので、こちらの事例等の紹介含めて取組を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【東原座長】 ありがとうございました。

それでは、質問等をお受けします。タスクリストを見ていただきまして、御質問等、もし御意見があれば、この案というところのために多少修正もあるかもしれません。お気づきの点がございましたらお教えいただければと思います。
それでは、先ほどと同じように手を挙げていただきまして、指名させていただきます。よろしくお願いいたします。柴田委員、お願いします。
【柴田委員】 大変こういう資料があるといいなと思ったのが今回示されて、大変学校現場としてありがたいと思っています。
1つ、高校目線なんですけれども、教育委員会がやること、学校がやることという項目になっていますが、実は生徒自身が自分でやるべきことという視点もあってもいいのかなと思います。卒業間近になったときに、自分のポートフォリオとか、クラウドにたまったものを生涯学び続けるデータとして保管する作業を、生徒が自分でやると。中学生でもやっていくことが望ましいなと思うので、できれば教育委員会、学校というほかに、子供たちという、自分たちのやるべきことがリストアップされているといいなというふうに思いました。
感想です。以上です。
【東原座長】 ありがとうございます。今のは御意見ということでよろしいですね。
では、堀田委員、お願いいたします。
【堀田座長代理】 堀田です。私も意見になると思いますが、どうもこういうものを国が出すと、国がどこまでやるんだという話になると思うんです。つまり、このタスクリストのようなものは、先ほど窪田係長がおっしゃったように、個別具体になればなるほど、自治体や学校の状況によると思うので、国はあくまでこういう項目の例示をしているという形をきちっと説明すべきではないかと。先ほど係長は、役割分担を調整してください、自治体の実情に応じてというところを強調されましたけど、でも上のほうには、3行目あたりにタスクリストを用意しましたと。何か国が用意してあげるようにも読めるし、下から4行目、5行目あたりも、タスクリストとして次ページ以降に用意しましたと書いてある。こういうふうには書かないほうがよいかなと。いろんな自治体のこういう準備をいち早くヒアリングして、国としてちょっと整理して皆さんに例示していると。これを使って、しっかりとタスクリストを各自治体でつくって運用してほしいというメッセージを明確にしたほうがいいかと思いました。
以上です。
【東原座長】 ありがとうございました。
続いて、このタスクリストの作成に当たっても御努力くださいました、相模原市の渡邊委員から、相模原に関する事例を御紹介いただけるということでお願いしております。挙手もまだ高橋委員等々からございますけれども、先に相模原の事例を御紹介いただきまして、また後ほど質問と御意見いただければと思います。
では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
【渡邊委員】 よろしくお願いいたします。では、本市のほうから、1人1台端末の年度更新に関する取組について、本市は令和2度から令和3年度にかけて実際に行ったことと、今年の計画も併せてお話をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
まず相模原市の状況ですけれども、相模原市は小学校70校、中学校35校、義務教育学校1校の106校で、児童生徒数が大体5万1,000人ほどおります。Google Workspace for Educationを使っておりまして、昨年既に活用していただいておりましたので、3月から4月にかけて、この5万1,000人の子たちの年次更新が発生をしました。ですので、この経験を基に紹介をさせていただきます。
まず、年次更新を行うに当たり、その下準備としてアカウントの命名規則を市としてそろえておきました。先生と生徒それぞれ、いわゆる個別の番号プラスドメインとパスワードをランダムにして、Googleのアカウントについては小学校から中学校、もしくは卒業する際の移動以外は更新作業は特に必要ないということを設定することで、簡略化を図ることにしました。
2つ目に、ポータルのNECのOPEというものを我々は使っていますけれども、これについては、ここに書いてあるような命名規則にしましたが、これはシステム上、毎年更新作業が必要でした。結論から言いますと、Googleのほうはあまり更新に時間がかからない、労力がかからないように考えてやったのですけれども、OPEのほうがそことうまく整合が取れなくて、昨年度の更新は苦労したということがあります。
あとはもう一つ、子供たち自身に1人1台アカウントを配っていますので、子供たちにアカウントを管理するための知識・技能をきちんと身に付けてくださいというお願いを学校にしてきました。ここに書いてあるように、自分のユーザーIDやパスワードを知っていて、当然入力ができることはもちろん、これを人に使わせないとか、パスワードを人に教えないとか、あとは子供たちが自分で安全なパスワードを設定できるようにしていただくようにしました。
あとこれらを受けて、本市の場合には、今までも紹介させていただいたことがありますが、「さがみはらGIGAスクールハンドブック」というものをつくりまして、この中にガイドラインを定めました。このガイドラインの中では、教育委員会、学校、児童生徒及び各家庭の3つの区分ごとに、学習端末の管理、アカウントの管理、端末の情報セキュリティーの確保について定めています。さらにアカウント関係については、アカウントを使用する目的や方針、あとは管理するアカウントの範囲、そしてアカウント登録、修正、削除に関することなどについて、きちんと市としての方針を定めています。
また、これを受けて学校は、校内教職員による適切な運用をし、児童生徒及び各家庭のアカウントの管理については、学校側から家庭のほうに周知をしていただくようにお願いをしています。
これらを受けまして、相模原市の利用しているアカウントの管理者別の整理をしますとこのようになります。まず、教育委員会が管理しているのは、教職員、児童生徒のGoogleアカウントと、eポータルのOPEアカウントになります。この管理については、本市の場合には委託事業者がありますので、そこと打合せを行いながら、年次更新の実施を行います。
一方、この2つ以外のアカウントについては、5万1,000人もいますので、各学校で計画的に更新するようお願いをしております。学校が今現在管理しているのは、例えば、学習支援サービスでありますとか、デジタル教科書のアカウント、その他学校が利用している、各学校が必要に応じてこのようなサービスを使いたいということを教育委員会に申請して入れておりますので、それに関するアカウントです。あとはアカウントの管理ということで、教育委員会がGoogleアカウントで管理している属性、例えばクラスや番号等については、Google Classroomを活用して管理をお願いしますということをお願いしています。
学校につきましては、情報担当教諭やICT支援員の方と連携しながら、これらの管理、もしくは運用、そして年次更新を実施しています。最近はこれらのことについても、いわゆるICTをどのように管理するかということに関しての校務分掌等を設けている学校も増えてきました。、市内の学校を見ていると、そのほうがやはりよいかというふうに思っています。
では、本市の後年度の更新のスケジュール予定です。先ほど話しましたとおり、本市の場合は事業者と提携をしておりますので、そこと連携をしながら行っていること、学校で行ってもらうことについての予定をお話しします。今日ちょうど午前中、管理事業者と今年度のアカウント更新の打合せを行ったところです。その事業者との打合せの中で、方針が決まりましたら、その決定した方針について各学校のほうに通知をして、各学校のほうには、教育委員会のほうに提供していただきたい情報の準備だとか、各学校のほうで管理をするアカウントの洗い出しをしていただくということになります。
なお、中学校を卒業する生徒についてのデータは、本市では、卒業後3か月間、Googleのデータ移行サービスを活用して、自分で作成したGoogleのアカウントに移行ができるようになっています。進学した先がGoogleアカウントを使っていて、メールが使える状態であれば直接引継ぎも可能だとは思っていまして、その準備もということになります。
そして、今年に関しては、学校のほうに、各小学校を卒業する児童が、どこに進学するのか、市内から転出してしまうのか等の情報を提出してもらおうと考えています。昨年は、校務支援システムで子供たちのアカウント情報を進学先の中学校に引継ぎ、新入生の情報が全てそろった時点のものを中学校に出してもらうことにしたのですが、引継ぎの際のデータ設定の失敗という人的ミスでありますとか、苗字変更等によって進学先の特定が困難になってしまった子供が出てしまい、結局時間がかかりました。
さらに時間がかかったもう一つの理由として、先ほど話していたGoogleアカウントのみでしたら特に問題はなかったと思っているのですが、eポータルのOPEのアカウントが、システム更新上、卒業生を出し、次に2年生を3年生に上げ、1年生を2年生に上げ、というトコロテン方式での作業を全ておこなわないといけなかったため、結局、最終的に小学校1年生にアカウントを渡すという作業が想定よりも遅くなってしまいました。ですので、皆様の自治体で利用されているアカウントのシステムの仕組み、特に更新の仕組みについては考慮しながら、どのような手順で行うのか決めたほうがよいと思っています。
今年、考えている方法がうまくいけば、小学校を卒業する子たちがどのような状況になるか、の情報をしっかりと得られれば、中学校からは新規に入ってくる子どもを新たに追加をすればよいだけになるので、そのような方法で行おうと考えています。
あとは更新作業等の、いわゆる更新用のデータと学校からもらったデータとの整合については、本市の場合には更新業者と相談しながら、学校が入力しやすいフォーマットを決めていますので、いわゆる入力作業が発生するところで、こちらの想定しなかったようなこと、例えば黄色で書きましたけれども、データの英数字が全角で入っていて読めませんとか、そういうこともあったりしますので、このような部分にも気を遣いながら進められるといいのではないかと思っています。
今日の委託業者との会議では、最終的に新1年生に端末をアカウントとともに使えるようにしてあげたいよねという話はしてはいますけれども、実際にやってみないと分からないところはあると思っています。
端末更新のスケジュールについてですが、本年度はここに書いてあるとおりになります。本市の場合は、GoogleのChromebookを使っていますので、端末内のデータ、いわゆるプロファイルというのは、基本的にリセットをかけてしまう、要するに、こちらの管理側でリセットの命令を送って済ませようと思っています。各自治体の方々が使っている端末によっては、端末そのものの中に入っているデータを削除する等が必要だと思いますから、そういうところについては、それに従った計画も立てる必要があると思いますが、本市では、プロファイルのリセットで、それを解決しようと考えております。
あとは棚卸をどのようにやってもらうかということが、今1つ問題になっています。学校の端末は、Googleの管理コンソールで管理することができますので、各学校にある端末と配ったはずの端末が合っているかどうかを見た中で、各学校にどういうものを回収しますよということを伝えて進めようと思っています。昨年は回収の諸経費を予算化していなかったために、センターの職員が各学校回って回収をしたり、仕分をしたり、配付をするということを行いました。そのあたりの予算、学級増に伴う保管庫や周辺機器の増減等については、担当課が違ったりしますので、その問題解決に昨年はすごく時間がかかったことから、もし今後取り組まれる自治体は気をつけられるといいのかなとは思っております。
あと、本市のデータの更新についてです。データの更新については、基本は小1から中3までデータをそのまま持ち上がるというのが基本で、先ほどお話ししたとおり、Googleについては、中学校卒業までは基本的にそのまま、特に中学校に上がる際の学校の所属を変えればいいだけの作業、データがそのまま引き継がれます。ただ、各学校に委ねていますツール、例えばClassroom等の更新については、「GIGAスクールハンドブック」にも書きましたが、やることのリストを挙げてお願いしているところになります。
特に、Classroomをそれぞれ「生徒のストリームの書き込みをOFFにする」設定変更を行った後にアーカイブをするということが非常に重要かなと思っています。昨年はそれが行われなかったため、当初、そこに子供たちが入って自由に書き込み等を行っているけれども、先生は見ていないという状況が生まれたようなところがあったりしました。
あとは先ほど話をした、データの引継ぎについて、本市からの転出者についても同じようにしています。ただ、学習支援のサービスなどは、例えば小学校から中学校へ引き継げないものもあると伺っていますので、今後はこのあたりは業者と、メーカーとも話をしながら、解決していこうと思っております。
以上となります。どうもありがとうございました。
【東原座長】 どうもありがとうございました。経験しなければ分からない貴重な情報を提供していただけたと思います。ありがとうございます。
それでは、先ほどの続きで、質問等、あるいは御意見を伺おうと思いますけれども、今度はタスクリストに対する質問、御意見なのか、それとも、渡邊委員への御質問なのかが分かるようにしていただけるとありがたいです。
まず高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 高橋でございます。よろしくお願いいたします。
渡邊委員、ありがとうございました。渡邊委員のお話を聞いて、ますますタスクリストのことで質問しようと思ったことが明確になったと思います。
つまり、これは誰が更新作業を具体にすることを想定しているのかということが少し分かりにくいというか、その伝え方が難しいのかなと思いました。導入時に、こういう導入を支援してくださる会社にかなりやっていただいた地域では、やっぱり同様にお願いしないと難しいことがあるんじゃないのかとか、その際の予算であるとかもありますし、一方で、いまだに使われてない学校は、導入時の設定も学校に委ねられていて、したがって、いまだにきちんと動かないと。ですので、大事にしまっているというような学校もあるやに聞いております。この更新作業というものが、活用に比べて非常に専門的な技術や経験も要することを考えると、なかなか心配なところがあるということです。
具体的には、(4)の組織体制の整備というところに、やはり何らか技術的に詳しい方や、何らかの事業者みたいなものが想定されて書かれていたり、校内の体制についても、先進的な地域においては、こういうICT環境や技術的なことを担当する担当者と、実践を担当する実践担当者という感じで分けていたりする場合もありますので、なかなかこの辺りの(4)の書きぶりが、かなり重要になるんじゃないかなというような感触を持ちました。
以上です。
【東原座長】 事務局、何かございますか。
【事務局(窪田)】 失礼いたします。文科省でございます。高橋先生、ありがとうございます。
御指摘のとおり、組織体制の部分、書き方をすごく迷ったところでもございます。どんな人がやるかというのは先ほど申し上げたとおり、自治体によって様々です。一方で、技術面は確かに先生のおっしゃるとおり、委託事業者が基本的には入られたり、もしくはICT支援の先生が入られたりと思っています。それが(4)の②のところで、少し委託事業者等の調整みたいな形で踏まえたつもりではいるんですけれども、ちょっともう少し技術面が明確になるように考えてみたいと思います。ありがとうございます。
【東原座長】 それでは、次、山本委員、よろしくお願いいたします。
【山本委員】 ありがとうございました。相模原市の渡邊委員からのお話で、大分理解が深まったところなので、質問というか意見になってしまったのですが、あとまた情報提供という形で、特別支援学校の場合は、1つの学校の中に小学部、中学部、高等部というふうに全て入っておりますので、その中での移行作業という形になるかとは思うんですけれども、東京都の場合は、アカウントが端末にひもづいているということで、東京都はマイクロソフトの365を使用していますが、現実的には、例えば本校でも小学部から中学部に上がる際に大きな更新作業は必要ないというふうに、今、担当にも確認してきたところです。
各県ともそうだと思うんですが、特別支援は小中と同じ学校内で運用しているところが多く、そういった情報、状況があると思います。
また、将来的には今、都立も、都立の小学校が今年4月にオープンしますので、まだずっと先の話かと思いますが、そういう意味では市町村立ではなくて、都立の学校の中での小中のGIGAの移行とかいうのもあるのかなと思いました。
先ほどの渡邊委員のお話で、ぜひそういうふうに東京都もなってもらうといいかなと思ったのは、データの移行ですね。例えば、今も言ったように同じ学校内で小から中に上がったところで、小学部のデータはもう全部消えちゃったよみたいな話になってしまうと、子供たちのモチベーションも下がってしまうと思いますし、それはぜひ移行していただきたい。それが相模原市の例では、高校でもきちっと移行できる。移行期間をとって移行できるというのはすばらしいと思いました。また、柴田委員からもありましたように、そういう段階では、生徒がそういった自分のデータを管理するというところにも関わる。あるいは、高校を卒業する段階にちゃんとそれまでの学びのデータを生徒がアーカイブして自分のものにしていくという取組もとても大切だなと思いました。
すみません、ほとんど意見と情報提供でした。以上です。
【東原座長】 どうもありがとうございました。
次、中村委員、お願いいたします。
【中村委員】 つくば市の中村でございます。本日は、貴重なお話ありがとうございました。
つくば市として、このようなリストがあると再確認ができてとてもありがたいなと思う感想です。もう一つは意見です。
実は私どもも、このチェックリストをやっていた際に、個別具体の例示をかなり考えておりまして、例えば、「更新用データファイルをアップロードし」といった文言のところが、うちだとアップロードではなくてインポートだねという話を支援員としていて、もしかするとその辺が自治体によっては様々なんだろうなというのが感じたところです。ただアップロードという言葉も踏まえて、インポートということも包括的に言っているのかなと感じました。
もう一つは、先ほど渡邊委員からもあったお話で、私たちも今進めているところなんですが、このリストに入る前に、例えばアカウントを管理するベンダーさんとの更新協議はしましたか、更新に当たる打合せはしていますかとか、例えば、採択している支援システムの名簿更新作業については、企業さんと打合せをしましたか。それに係る役務、例えば予算等は確認をしましたかとかいうような投げかけ、問いかけがあると、そこをまずやらなきゃいけないんだなというような思いが出てくるかなと思います。
さらに複数のアカウント更新をしなきゃいけない場合に、何をどこから始めると効率的で失敗がないのかというのは、自治体が抱えているそれぞれの企業さんと連携して取り組んでいただかなくてはいけない部分なので、そういったところの方法を知らない、私たちも試行錯誤ですけれども、自治体の指導主事などに、そういった企業さん同士の横の連携等も図ってもらえるような投げかけが最初にあると、まずそこから始めればいいという促しにはなるかなと思ったところです。
感想になってしまいました。以上となります。
【東原座長】 どうもありがとうございました。
続きまして、中川委員、お願いいたします。
【中川委員】 放送大学の中川です。どうもありがとうございました。
まず、タスクリストなんですが、先ほど作成メンバーが御紹介されましたけど、さすがこの作成メンバーだなと思いました。本当に網羅をされて、すばらしい形でつくっていただいたなと思いますし、何よりもいいのが、やっぱりこのタイミングで出るということだと思うんです。ぎりぎりに出ますと、結局使えないということはありますので、このタイミングで出るということがすばらしいと思います。
私のほうから、これは意見か質問かという意味では要望になるかもしれないんですが、先ほどありましたように、やっぱり実態に応じてかなり違う話だと思うんですね。ですので、例えば、今日御紹介がありました相模原市の例もそうですけれども、幾つかの自治体の取組例が、このタイミングじゃなくてもいい、少し遅れてもいいので、複数の情報が行くことが重要じゃないかなと思いますので、幾つかの自治体例みたいな形で複数のものが出るといいなと考えています。これは要望としてお伝えします。
それから、1年後の話になるかもしれませんが、次の更新の検討のときに、何か失敗事例集みたいなそういうものがあって、こういうところにつまずくんだという情報が集まったものがあると非常に役に立つんじゃないかなというふうに個人的には思っています。これは少し長い目で検討いただければと思います。
以上です。
【東原座長】 ありがとうございました。今のほかの地域の事例等々を紹介するような機会のことでございますが、事務局のほう、文部科学省のほうでお願いします。
【事務局(窪田)】 中川先生、ありがとうございます。文科省の窪田でございます。
取組事例、御指摘いただいた内容をまさに今、準備させていただいております。この場をかりて宣伝ですが、明日少し説明するようなものもございますので、またホームページ等々で御紹介できるかと思っています。
失敗事例という表現はともかくでございますが、つまずきポイントだとかの整理、共有というのも非常に大事だと思っておりますので、そこは今後、取組事例の発信だとかを含めて、もし要素があれば入れていければと思っております。引き続き検討させていただきます。ありがとうございます。
【中川委員】 ありがとうございました。よろしくお願いします。
【東原座長】 どうもありがとうございました。
ほかには今、挙手ボタンは挙がってないかと思いますので、タスクリストの件、年度更新につきましては、以上とさせていただきたいと思います。
それでは、本日の主な内容は以上でございます。
最後に事務局より、学校現場での利活用状況の把握について、御報告をお願いいたします。
【大塚室長補佐】 それでは、資料4-5を御覧ください。高度情報技術の進展に応じた教育革新に関する研究ということで、実はこの会議、前回、前々回と、学校の利活用が今どういうふうな状況になっているかというのを調べようということで、調査項目リストをこの場に出して、皆さんに御意見いただいたところなのですが、実はこの資料4-5を見ていただきますと、国立教育政策研究所というところが令和元年度から令和4年度に、学校のICTの促進に関する調査研究というのを行っています。この中に、調査対象の教育委員会ということで、教育長、それから指導主事と、それから学校調査は学校のほうで答えることになっているんですが、学校設問肢というのを少し抜粋させていただいております。
例えば、「貴校に情報通信技術支援員は配置されていますか」とか、あるいは「貴校では現在、小学校5年生又は中学校2年生の授業において、以下のデジタル教材・ソフトウエア・アプリサービス等をどのぐらいの頻度で活用していますか。それぞれ当てはまるものを1つ選んでください」。それから、次のページにいきますと、「貴校では現在、小学校5年生又は中学2年生の教育において、以下のそれぞれの目的でICTを実際に活用していますか。実際に行っている活用の目的としてあてはまるものを全て選んでください」ですとか、あるいは利用しているアプリケーションサービスなんかについても聞いている、こういうような調査を国研で行っていることが分かりました。
これは学校の質問肢を一部抜粋したもので、これ以外にもアカウントの管理ですとか、あるいは情報モラル教育というのがどれぐらいの頻度で行われているのか、実際に行われている教科はどの教科が多いのかというものも設問の中に入っております。これも調査をもって、我々のほうも調査しようとしていたところなのですが、同じような調査が重ねて学校に行ってしまうと、学校の御負担を考えた場合適切ではないと思いまして、今回、利活用状況の把握に当たっては、この国研の調査をもって利活用の把握をさせていただきたいと思っております。
こちらの調査についてですが、12月10日までが調査期間で、既に締め切っているということで、小学校が693校、それから中学校が373校に一応依頼をかけまして、大体そこから5割から6割程度の回答があったということを、今、国立教育政策研究所のほうから聞いております。今後、集計作業に入るわけですが、集計については、単純集計が1月の中・下旬ぐらいに終わるのではないかということも担当の先生から聞いておりますので、今後、国立教育政策研究所ともよく相談、調整の上、次回以降の会議で、この辺の調査内容、結果等を御報告できたらということで、事務局から御報告させていただきたいと思います。
【東原座長】 ありがとうございました。本調査には、堀田委員がフェローとして携わっていらっしゃるということですので、コメントいただければと思います。
【堀田座長代理】 堀田でございます。私、国立教育政策研究所のフェローというのを拝命しておりまして、このプロジェクトにも関わっております。このプロジェクトは、国研が行う幾つかのプロジェクト研究のうちの1つで、4年間かけて行うわけですけど、要するに、ICTの整備のようなことが、例えば授業の改善とか、あるいは学習習慣の改善とか、そういうものにどのように影響を与えるかというのを政策研究として行おうというものです。
したがって、ICTを整備したら学力が上がったとか、そういう単純な話ではないということは自明で、そこでどのような活用が、どのような頻度で、どのぐらい行われ、それによってどの辺が先に変わり、どういうことが後で変わりみたいなこととか、あとそこに校長先生のリーダーシップとか、ミドルリーダーの活躍とか、あるいは教育長のビジョンとか、そういったことがどのように変数として関係するのかということを、教育社会学というか教育行政学というか、そういう観点から明らかにしようという研究の一部として、今回のICTの状況についての質問項目があるということです。
したがって、もし私たちがこの会議体で質問項目をつくろうとすると、もう少し細かいことをいろいろ聞きたくなるところですけれども、これは国が何度も似たような調査を現場にかけることになるため適切ではないという判断の下、この国研の調査で得られたことを今後この会議で報告してもらって、共有し、それを基にいろんな判断をしていくということが適切ではないかということになったと理解しております。
私のほうでもまた次回以降、何かお伝えできることがあればというふうに思います。本日プレスリリースされていますけど、国研はこの調査の結果も含めたシンポジウムを2月15日に行うということになりますので、御興味ある方はそちらを御参照されてはどうかと思います。
以上です。
【東原座長】 どうもありがとうございました。この件は、ここまででよろしいですか。
そういたしますと、今日の予定していたことは以上でございます。
では、次回の開催につきまして、事務局よりお願いいたします。
【大塚室長補佐】 次回は、年明けとなります。これまでの当会議計4回で得られた知見を踏まえ、取りまとめに向けた検討をさせていただくことになります。
日程については、事務局より追って御連絡させていただきます。よろしくお願いします。
【東原座長】 大体予定していた時間でもございますので、本日はこれで閉会といたします。皆様、本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。少し早いですけれども、よいお年をお迎えください。ありがとうございます。

―― 了 ――

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