高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議(第2回)議事録

1.日時

令和3年6月14日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. ヒアリング(1.額田委員、2.山本委員)
  2. 高等学校における日本語指導の制度化の必要性等について

4.議事録

【佐藤座長】 それでは、 定刻より1分半ほど前ですけれども、始めてよろしいでしょうか。ただいまから高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議、第2回を開催いたします。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
本日も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、オンラインでの会議開催に御協力いただいております。
また、本日、ユーチューブ配信によって傍聴を受け付けておりますが、冒頭から公開とさせていただいています。
初回でお願いしましたように、発言されるとき以外はマイクのボタンをオフにしていただければと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、まず、本日の出席委員の紹介と、配付資料、議事の確認に移ります。事務局からお願いいたします。
【小林専門官】
本日御出席の委員の皆様ですけれども、座長のほかに、オチャンテ委員、高橋委員、角田委員、額田委員、山本委員、浜田委員でございます。
【小林専門官】 配付資料と議事の確認でございます。本日の配付資料につきましては、事前にお送りいたしました議事次第のとおりですけれども、もしも何か足りないものなどあればおっしゃっていただければと思います。
また、参考資料1としまして、この会議の設置要綱を配付させていただいております。また、参考資料2といたしまして、前回の第1回会議でお認めいただいた会議の運営規則をお配りしておりますので、御承知おきください。
また、本日の議事につきましては、額田委員、山本委員から、高等学校における日本語指導等の取組について御発表を頂きます。その後、高等学校における日本語指導の制度化の必要性等について御議論いただく予定としております。よろしくお願いいたします。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。
本日、小林さんからお話しいただきましたように、額田委員と山本委員から、それぞれ取組の概要について、15分ずつ御説明を頂きたいと思います。その後、お二人への質問の時間を取らせていただきます。最初に、額田委員から御発表をお願いします。資料2ですね。
【額田委員】 それでは、よろしくお願いします。神奈川県立座間総合高等学校校長の額田豊一です。これから、神奈川県立A高等学校における日本語支援の取組について御報告いたします。
神奈川県には、日本語支援が必要な生徒を対象とした入学者選抜があります。それが在県外国人等特別募集と呼ばれるものです。一般募集とは別枠で選抜が行われます。
A高校の令和3年度入学者選抜では、一般募集が228名に対し、在県外国人等特別募集枠は10名でした。一般募集の選抜が、英語、国語、数学、理科、社会の5教科の学力検査と面接によって行われるのに対し、特別募集は、英語、国語、数学の3教科の学力検査と面接で選抜が行われます。学力検査は、一般募集と同じ問題ですが、問題はルビつきです。
この特別募集の志願資格は、一般的な志願資格のほか、外国籍を有する人、又は日本国籍を取得して3年以内の人で、いずれの場合も、入国後の在留期間が3年以内の人となっています。令和4年度の入学者選抜からは、3年以内が6年以内に緩和される予定です。
この特別募集は、現在、県立と横浜市立の13校で実施され、計145名の募集定員となっています。令和4年度からは県立5校が新たにこれに加わる予定です。
この表は、A高校に、在県外国人特別募集枠で入学した生徒の出身国です。ここの網かけがしてある部分は、もう卒業してしまった生徒たちです。現役の子たちがこの3か年です。出身国が年々多様化しているのが分かります。
次に、在県外国人等特別募集で入学した生徒への支援の大まかな流れを御説明します。2月に入学者選抜が行われます。2月末又は3月初めに合格発表が行われます。その後、合格した生徒たちが所属していた中学校やフリースクール等への聞き取り調査を行います。聞き取る内容は、現在の日本語力、日本語の学習歴、各教科の学習状況などです。学習状況については、個別対応授業であったかどうか、どのような支援がなされていたか。本人の理解度や学習意欲などを聞き取ります。
3月初旬から中旬に、プレイスメントテストを行います。合格者に対して、各教科で、その教科に関わる日本語能力を把握するとともに、個別対応授業が必要かどうかの判定をします。生徒本人の希望ではなく、教科で判断します。
プレイスメントテストの内容は、日本語力判断テスト、日本語による作文、教科ごとの個別対応授業判定です。教科ごとの判定では、小テストや教科書を見せて理解度を図るといったことが行われます。
4月の入学時には、多文化教育カードを提出してもらい、国籍・在留資格等の把握をします。入学直後には、歓迎会なども用意されています。年度当初に在県外国人生徒支援会議を行います。この会議は年間、何度か行われることになります。この会議は、在県外国人生徒への支援の中心に位置づけられています。在県クラスの担任、在県支援を所掌する未来企画グループ、学習支援グループ、キャリア支援グループ、生活支援グループ、多文化教育コーディネーターで構成され、学習、生活、キャリア面における支援等を話し合います。
入学後、間もなく日本語補習が始まります。日本語講師、学習支援員、常勤教員で補習を実施します。週3回、放課後1時間半程度で、学習習慣をつけることも目的の一つです。
この後、3年生だったら三者面談、6月ですね。1・2年生も三者面談、通訳を入れて行います。7月と12月には日本語能力試験。A高校では、独自の行事として国際フェスタというものを行い、ここでは在県生徒によるプレゼンや落語、スピーチなども行われます。
これは先ほど説明しました、中学校やフリースクール等への聞き取り調査の内容です。日本語能力、話す、聞く、書く、会話とか文章ですね。それから、日本語の学習歴、中学校等での各教科の対応、こういったものを聞き取ります。
これがプレイスメントテストの内容です。先ほど御説明したように、日本語力判断テスト、日本語による作文、教科ごとの判定ですね。こういったものを行っていきます。これが多文化教育カードです。国籍や在留資格の確認を行います。これが在県支援会議の要綱です。このようにして、A高校ではいろいろなサポートが実施されています。個別授業、日本語学習、補習、通訳、夏期講習など、多文化教育コーディネーターや日本語の講師のお力をかりながら取り組んでいます。
続いて、個別対応授業について御説明します。「取り出し授業」と呼ぶこともあります。プレイスメントテストによって、個々の生徒について、個別対応授業を行う。個別対応授業で様子を見る。一斉授業で様子を見る。一斉授業でやっていく。こういった対応をしています。年度途中で、一斉授業から個別対応授業、個別対応授業から一斉授業への変更もあり得ます。
個別対応授業を実施している科目です。1年次、2年次では、相当数の科目で実施されています。中には、日本語の理解度によって複数展開している科目もあります。令和2年度に実施された個別対応授業の一覧と日本語指導に関わる配慮や工夫です。ルビ振りややさしい言葉遣い、ビジュアルな教材の工夫など、各教科で工夫して取り組んでいます。
個々の生徒の日本語能力によって、個別対応の状況は変わります。この生徒は、個別対応を実施している全てで個別対応授業です。この生徒は、ある程度日本語能力があるので、個別対応は少なくなります。
定期試験と評価についてです。定期試験は、同室同問題でルビつき。同室で一部差し替え問題。同室別問題。別室別問題というような対応です。
評価については、一般生徒と同一の授業を受けている場合は、同一問題を実施し、同一基準で評価します。ただし、学習への取組もしっかり考慮します。一般生徒と同一の授業を受けていても、教科担当者が同一形式の問題が実施困難であると判断した場合、外国人生徒の日本語能力や知識に合わせた形式や内容の問題を実施することができます。また、同一基準で評価することが困難である場合、学習への取組を考慮し、別基準で評価することができます。個別対応授業をしている科目では、各教科で設定した到達目標に照らし合わせ、学習への取組を考慮して評価します。
日本語学習についてです。国語科教員と専門の日本講師による授業や、補習、学習支援員による放課後補習など、多くの学習機会が設けられています。2年次3年次では、日本語I日本語II、日本語III、日本語上級という選択科目が設置されています。一つの目安ですが、卒業時までに、日本語能力検定N1、N2の取得が目標です。
進路についてです。語学力を生かしたいと国際関係の分野を希望する生徒、親の仕事を手伝うために、経済・経営の分野を希望する生徒、自身の興味から情報の分野を希望する生徒など様々で、総合型選抜、推薦入試などを使って、大学や専門学校への進学を希望する生徒が多いようです。卒業時に進路先が未定の生徒や、日本でアルバイトをする生徒、日本ではなく、母国に戻って、大学進学を目指す生徒もいます。在留資格が家族滞在の生徒は、そのままでは正規の就職ができません。また、日本学生支援機構の奨学金が受けられないといった不利な点が多く、配慮が必要です。ただし、令和3年3月25日、法務省通知により一定の救済措置がつくられました。
最後に、外部機関との連携です。まずは多文化共生教育ネットワークかながわ、ME-netと呼んでいます。県教育委員会と協働し、外国につながる生徒の支援をしているNPO団体です。このNPO団体が推薦し、派遣されるのが多文化教育コーディネーターです。A高校でも外国につながる生徒へのサポートを行っています。先ほどの在県外国人生徒支援会議、これにも参加し、中心的な役割を果たしてくれています。
また、多文化教育コーディネーターが派遣されている高校は、日本語を母語としない生徒支援者派遣事業の対象となっており、これらによって、日本語の補習、学習支援、進路支援が実現しています。
駆け足の報告になりましたが、これで終了します。ありがとうございました。
【佐藤座長】 額田委員、ありがとうございました。大変丁寧な対応をされているということが今の報告でよく理解できました。ありがとうございました。
続きまして、山本委員から発表をお願いします。資料3ですね。では、山本委員、よろしくお願いします。
【山本委員】 よろしくお願いします。三重県の県立高等学校における日本語指導の在り方について報告をさせていただきます。私は、三重県教育委員会事務局高校教育課指導主事の山本です。よろしくお願いします。
まず三重県は、特に日本語指導が必要な外国人児童生徒が大変多い県と言われておりまして、ここ10年ぐらいで、ずっと増え続けているような状況にあります。直近の令和3年度5月ですと、日本語指導が必要な外国人生徒の数は288名、言語数は17言語になります。平成24年からすると1.6倍になっております。
このような中で、三重県教育委員会の取組として、人材の配置ですとか、入試制度の工夫ですとか、いろんなことがあるんですけども、一つずつ紹介させていただきます。
まず人材の配置について、三重県教育委員会では、外国人生徒を支援するために、まず外国人支援専門員という母語で生徒を支援する者を雇用しております。現在は、スペイン語話者の者が1名、ポルトガル語話者が2名、フィリピン語が2名の5名になっております。特に、外国人生徒の多い学校に配置しておりまして、要望がありましたら、県内の57校、どこでも出張していけるような体制になっております。
これらのものについては、生徒への母語による学習支援、授業の中に入って、ちょっと理解が難しいときに母語を足したりですとか、又は、保護者のガイダンスのときに通訳を担当したりですとか、又は、学校が出す各種文書の翻訳を担当しております。
勤務日数は、年間で180日、夏休みなどは生徒がおりませんので、特に長期休業中を除いた必要な期間に180日働けるようにしております。また、日本人で、日本語指導アドバイザーというものを1名雇用しております。この者は、母語ではなくて、日本語による日本語の学習の支援ということで、生徒の教材を作成したりですとか、授業の中に入って、生徒の日本語指導を補助したりですとか、又は、日本人の教職員を対象とした日本語指導の研修なども担当します。日本語指導が必要な外国人生徒が多く在籍する高校、1校に配置しておりまして、曜日ごとに分けて、ほか2校にも行っております。この者も年間180日勤務することになっています。
それから三重県教育委員会では入試制度について、海外帰国生徒・外国人生徒等に係る特別枠の入学者選抜を行っています。平成25年から実施しておりまして、入国してから6年以内の者が対象になります。
この募集定員としましては、原則として5名なんですけれども、特に地域によって、外国人の居住の状況とかが違いますので、一部の高校では10名以内としております。本年度については、現在検討中でして、また、少し内容が変わる可能性があります。
検査内容としては、作文。母語か日本語の作文になりますが、学校の判断でどのような作文にするかというのを決めます。それから、面接指導を行います。
それから、本年度から、この4月から日本語学習クラブというのをスタートしました。この日本語学習クラブというのは、県立学校で学ぶ日本語指導が必要な外国人生徒が日本語力を身につけて、基本的には就職して、社会でやっていけるような形の日本語能力を身につけるということと、それから、キャリア教育も兼ねておりますので、きちんとした仕事について頑張っていこうというような意欲を高められるような講演会ですとか、あとは日本の文化について学ぶような場も持つようにということで計画しています。
内容については、普通の日本語学習に係る講義のときもありますし、ついこの間の6月11日ですと、社会で活躍している外国人の先輩の話を聞くというコンセプトで、高校でどんなふうに頑張ったか、就職をするためには何をしておかなければいけないのかというような話と質疑応答をしました。最終的には、めどとしては、日本語能力試験N3相当の日本語能力を身につけさせたいということを思っておりますが、生徒によってはもっとN2、N1を目指せる生徒もいますし、まだ全然N3にも届かないという生徒もおりますので、この間まで能力チェックをしていまして、その能力チェックの結果を見て、コンテンツを考えていくというようなことです。
委託事業でして、三重県国際交流財団と協力して事業を進めておるんですけれども、三重県国際交流財団が作成した高校生向けの日本語学習教材を使って取り組んでおります。今までも日本語学習教材は、国際交流財団から提供してもらえるものがあったんですけれども、なかなか高校生向けのものというのが少なかったので、このたび高校生向けの就職活動に役立つような内容の教材を開発してもらいまして、それを使って生徒は学んでおります。
この間、地域で学ぶ外国人の先輩の話を聞くというのをやったんですけれども、そのときには、オンラインなどで、三重県各地に散らばる外国人生徒も参加できるような形を取っています。今後は、防災とか、時期に合わせて年中行事ですとか、そんなことを説明したり、ちょっと楽しい、勉強ばかりではなくてということで、外国人の生徒同士のネットワークをつくるというような目的もありますので、少し楽しいものも取り入れていきたいと思っています。
スケジュールなんですけども、放課後に1時間程度、大体3時50分から4時50分までで、30回やりたいと思っています。ある一つの学校に拠点を置いて、放課後にその指定した教室に集まって勉強するんですけれども、実施校以外の生徒については、そのときの様子を毎回、撮影、録画して、少し見やすいように録画を編集したものを、グーグルクラスルームに日本語学習クラブの教室を立ち上げていますので、そこにアップして、自学自習を進められるようにですとか、一部の学校ではその動画を授業の中で活用してもらっていたりすることもあります。
講師については、国際交流財団が派遣する講師なんですけれども、三重県なので、三重大の先生ですとか、又は地域で日本語を教えている講師の方ですとか、そのときによって、いろんな講師を派遣してもらって、生徒がいろんな日本人と交流できるような機会になっています。
教員への支援として、この日本語学習クラブというのは、目的は、生徒が日本語を放課後に、学年とかクラスを超えて、また、国籍を超えて学ぶ場をつくるということなんですけれども、来年度以降、ずっと予算が続くということも限りませんので、教員研修も兼ねております。日本語学習クラブで使っている教材の使い方ですとか、そういうものを学ぶ教員研修会を本年度4回開催したいと思っております。
また今後、こういう委託事業がなくなったときにも、そのときのノウハウを生かして、学校で日本語指導担当の教員が教材を活用したりですとか、指導法を参考にしながら授業を進めていく、また、個別指導を進めていくということを考えています。
今、撮りためている動画については、少し編集などの手間はあるんですけれども、オンデマンドで10分ぐらいで、生徒がちょっと勉強してということを積み重ねられるように、50分とか1時間のものを撮りためて、アップしても、なかなか1人で見るというのは大変なので、教材の何ページでこんな説明でということを、セットにして、10分ぐらいのものをたくさんつくっていくことをしております。これをアーカイブ化して、来年度以降も活用したいなと思っています。
保護者への支援としましては、通訳・翻訳、今年ですと17言語ありますので、全ての言語を支援員で賄うのは無理ですので、母語の通訳・翻訳に係る経費を支援しております。これは年に2回、希望を聞いて、要望のある学校に予算を令達するということをしております。また、中3生が高校に入るに当たって参考になるように、「高校進学ガイドブック」というのを発行しておりまして、ホームページにアップしておるんですけれども、日本語のルビつきと、それから、10か国語の資料を提供しております。
また、中学校との連携ということで、市町教育委員会と連携して、日本語指導とか、外国籍の生徒のバックグラウンドですとか、中学校でどのような勉強をしてきたのかというようなことの記録を学習者カルテという文章の形でやり取りするということを県主導でやっております。
これは市町教育委員会から中学校にあらかじめカルテを送っておいてもらって、関係県立高校から依頼があった場合には、そのカルテを提供してもらうということで、中学校の担当者の方には大変手間は取らせるんですけれども、口頭による内部文書の引継ぎで、均一の情報が高校の中でも共有できるようにということで取り組んでおります。
また、キャリア教育としまして、進学、就職についての外国人生徒専用のセミナーですとか、講話ですとか、そういうものも実施しております。できるだけ正社員になれるようにとか、就職に向けてこんなことをやっておいた方がいいというようなことが分かるようにということで、早い時期に、1年生、2年生、3年生、それぞれに向けて実施しております。
それから、外国人生徒支援のための情報交換会。学校によってはすごくたくさんの外国籍生徒が在籍していて、指導のノウハウが蓄積されているところもありますが、年に数名、入学してくるという高校では、逆にノウハウが蓄積されませんので、県内のそういう学校の担当教員が集まって交流できる場、情報交換をできる場というのを設けています。
新型コロナウイルスが発生してからはオンラインですけれども、そこでお互いにどんなふうに進路指導しているのか、生徒指導しているとか、成績のつけ方はどうかというようなことを共有しています。
中学校の連携としましては、私たち、三重県教育委員会高校教育課から市町教育委員会に出向いて、情報交換をするということと、それから、カルテの引継ぎについての依頼をするというようなことと、それから、中学校の情報などをそこで聞き取ってくるというようなことを毎年12月頃にしております。
各校におきましては、先ほどの御発表にもありましたが、取り出し授業を行うということ、それから、日本語学習に係る学校設定科目を設置するということ。それから、ティーム・ティーチングの授業を多く取り入れるということ。それから、少し前までは、JSLカリキュラムの研究をしておりましたので、今はそれを普及する段階になっておりまして、JSLカリキュラムの考え方を取り入れた授業の実践を行う。それから、保護者宛(あ)て文書ですとか、入試問題にルビを振るということ、それから、母語への翻訳、多言語での情報提供をするというようなこと。それから、外国人生徒向けの入学者説明会など、説明会のときに通訳をつけて、いろんな国籍の保護者の方が学校の教育活動について理解できるようにするというようなことに取り組んでおります。
以上です。ありがとうございます。
【佐藤座長】 山本委員、ありがとうございました。
額田委員と山本委員から発表していただきましたけれども、この後、時間を取りまして、お二人の発表について、質疑の時間とさせていただきます。いろんなことを盛りだくさんやっておられますので、順番にとらわれずにお願いします。どなたでも結構です。発言のある方は挙手ボタンを押していただければ、私の方から指名させていただきますので、いかがですか。
どうぞ。では、浜田委員からお願いします。
【浜田委員】 すみません。とても細かいところまで配慮の行き届いた実践の御報告で、とてもすばらしいことが実際現場で行われているんだなと思って感動しながら伺っていました。こういった取組が本当にたくさんの都道府県で行われるようになればいいなと思うんですけれども、私自身も伺っていて、まだよく頭が整理できていないところがあるので、細かいことですけれども、伺いたいと思います。
山本委員と額田委員と両方にお伺いをしたいんですけれども、どちらも生徒さんの課題に合わせて、取り出しの授業をされているということだったんですけれども、その取り出しの授業は、どなたがどんな形でされているのかということを教えていただきたいということと、それから、山本委員のお話の中で、今は国際交流財団からの講師派遣を受けているけれども、それが教師への研修にもなっているということが非常に印象深かったんですけれども、実際に例えばそれがどんな形で生かされているかみたいなところで、少し具体的なお話が伺えればと思いました。
同じ観点で、額田委員についても、例えばA校で日本語指導が必要な生徒さんに関わられた方が、他校に行かれたときに、それが、その枠ではないけれども、ある程度日本語に課題のある生徒というのはどこにでもいるんじゃないかと思うんですけれども、そういった生徒さんとか、あるいは、日本語は大丈夫だけれども、外国ルーツであって、アイデンティティーの揺らぎの課題がある生徒さんとか、そういった他校に転勤されたときにA校での経験が生かされるみたいなことはあるんでしょうか。
すみません。その2点について、お二人の委員の先生にお伺いしたいと思います。
【佐藤座長】 それでは、額田委員から、取り出し指導の担当の場合と、それからA校で担当された先生が他校に異動していったときに、一体それがどのように生かされているのか、その関連性はどうなっているかということだと思いますので、よろしくお願いします。
【額田委員】 先ほど、取り出し授業、個別対応授業の一覧表をお見せしましたので、非常にたくさんの科目で、たくさんの取り出し授業が行われているというのを御理解いただけたと思います。基本的には、各教科の常勤の教員で取り出し授業を行います。一部、非常勤講師が入っているところもありますが、各教科で誰が持つのかということを相談して決めているということです。
そうした中で、各教科の担当者、取り出し授業を初めて持つという場合もありますが、相談しながらやっていって、外国人に対する支援の授業ということの経験というのがだんだん積み重ねられていくと、かえって、担当者の方が本当に喜びを感じながらやっているというところが見えています。私もこの4月から何回か取り出し授業を見にいきましたが、本当に、少人数ですけれども、生徒たちと先生たちが本当にアットホームな感じでやっているというところです。
ただ、当然、生徒たちの理解度がどれくらいかというのを手探り状態で始めますので、それは生徒たちの方がよく分かっていて、分からないものは分からないとはっきりと言えるだけの少人数でやれるというところがいいところだと思います。
2点目ですけれども、このA高校でも、この在県外国人の指導を担当した教員というのが過去にたくさんいます。神奈川県の場合は、どの県立高校に行っても、外国につながりのある生徒がいますので、その経験は生かされていると考えています。
以上です。
【佐藤座長】 では、山本委員からお願いできますか。
【山本委員】 よろしくお願いします。まず取り出し授業なんですけども、取り出し授業の担当者は、実は、私も教育委員会に来る前には、日本語指導が必要な生徒が特に多い学校に勤務しておったんですけれども、10年以上前には、非常勤の先生などに取り出しの子を担当してもらって、学校にいる教員が通常のクラスを担当するということが一般的ではあったんですけれども、だんだん外国人生徒指導に対する理解が深まるにつれて、最近ではやっぱり日本語指導が必要な外国人生徒というのは、特に生徒の背景とかいろんなことを理解してやるということで、生徒のことをよく知っている者が担当することが主流になっているんだというようなことを、管理職と話をしたところでした。なので、現在は担任ですとか、教科指導を長くその学校で担当している者が指導していると聞いております。
また、教員研修についてなんですけれども、例えば、今年スタートした日本語学習クラブの取組ですと、グーグルクラスルームでクラブを開いて、教員も生徒も自由に会員になれますので、生徒はもちろんそこで、自分で動画を見て勉強するんですけども、教員も、例えばうちの学校ではこの内容だったら難しいから、こんな内容だったらないだろうかというような相談も来たりするので、教員もその学習動画を見て、教材を二次活用したりですとか学んだりということはしてもらっているようです。
以上です。
【佐藤座長】 浜田委員、よろしいですか。
【浜田委員】 はい。ありがとうございました。
【佐藤座長】 では、違う質問があればお願いします。
それでは、高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 山本委員、額田委員、どうもありがとうございました。私の方から3点ばかり質問させていただきたいんですけども、最初は、やっぱり高校の入り口というところで、まだまだ全国的にはやっぱり高校の入り口のところがなかなか狭き門になっているので、高校に入ってくる子供たちが少ない現状はあると思うんですけども、三重県にお尋ねしたいんですけども、入試の科目の中に、面接と、それから、作文というのがあったんですけど、この作文と面接というところで言うと、ほかの県でも参考になるかとは思うんですけど、ただ、合格判定の基準というのをどういうふうに定めていらっしゃるのかが分からないと、生徒がどのぐらいの学力というか、どのくらいの日本語力、作文力、英語力を求められるかというところがなかなか分からない部分があるんじゃないかなと思うんですね。その辺をどういうふうにクリアにされているのかということが1つ。
それからあと、2つ目の質問ですけれども、入学後の日本語の授業ですね。これは額田委員、山本委員にもお聞きしたいんですけど、日本語の授業を担当する講師というか、先生の免許というのを、教員免許を必要としているのか、それとも、何か学校単位で特別な任用の仕組みをつくっているのか。この辺をどういうふうにやられているかということが2つ目です。
それから、3つ目に、三重県の方では母語としての外国人支援専門員という方を置いていると思うんですけど、そういう方たちの何か条件というか、どういう形で選定されているのか。それからあと、学校の中で、母語のサポートという部分と母語での教育、授業も含めた母語との教育というところはどういうふうに取り組んでおられるのかということを三重県。それから、座間総合高校の方では、母語の語学授業があって、その延長上に国際フェスタがあると。私も見学に何度か行ったんですけども、そういうシチュエーションだと思うんですけど、言語の授業と、生徒の母語の扱いというか、どういうふうに母語を活用されているかということを是非お聞きしたいと思います。
3点、すみません。お願いします。
【佐藤座長】 ありがとうございました。最初に、三重県の山本委員からでしょうかね。入り口で合格の判定基準、これは公表しているのかどうかよく分かりませんけれども、お答えできる範囲でお願いできますか。
【山本委員】 合格の判定自体は各校が行っているので、一般論でこうじゃないかというようなところなんですけども、三重県の入試の基準として、面接とか作文を設けているのは、例えば私が前に勤めていた学校ですと、当時は母語でも書いてもかまわなかったんですけども、多分メッセージとしては、入学するまでに少しでも日本語の勉強をしてほしいなということもあって、母語でもいいんだけれども、母語の入試というのはどうなのかというようなこととか、内容も通訳、翻訳の方を通してしか確認できないのでということで、日本語の勉強についてのモチベーションを上げるという意味で、日本語の方がいいんじゃないかみたいな話を同僚としたことはありました。
面接とか作文以外に、例えば英語とか、言語、英語だと外国語なので、基本的には日本語が理解できなくても、みんな同条件なので、そういうものを課したりですとか、学校独自の試験をつくってやっている学校もあります。
というようなことで、意欲とかそういう面と、それから、学力の面と、両方見られるようにというようなことで、日本語指導が必要な子たちの中で判定を行うというようなことではないかと思います。
入試については、各校に詳しく聞いたわけではないんですけども、そんなところかなと思っています。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
それでは、お二方にお願いできますか。入学、採用する日本語の担当する先生の免許状であるとか、あるいは、採用する際の仕組みがどうなっているかということです。まず山本委員、その後、額田委員からお願いします。
【山本委員】 日本語の授業を担当する者は、基本的には、授業を担当する者はみんな教員免許は持っておるんですけれども、日本語の専門の指導者というのはおりませんので、そのとき、日本語の学校設定科目の担当者になった教員ということで、教科に関係なく、担当になった者が勉強していくというような、ちょっと苦しいところがあります。
毎回、特にノウハウが蓄積されていない学校で、パッとこう、外国人生徒で日本語を教えなきゃいけないというようなときには、やっぱりそういう悩みの相談ですとかということは教育委員会にも寄せられます。なので、そこを補う目的で、日本語指導アドバイザーというものを雇用して、その者を派遣したりですとか、財団と協力をして、教員研修を行って、大学の先生などから助言を頂いたりということをしています。
今年度ですと、日本語学習クラブの一環として、授業に10回程度、大学の先生に入ってもらって、やっている様子を見てもらって、指導改善の助言を得て、改善したものをもう1回見せてというようなことを10回繰り返すという取組をしています。
【佐藤座長】 ついでながら、日本語指導アドバイザーは、どういう人ですか。
【山本委員】 日本語指導アドバイザーは、ハローワークに求人を出すんですけれども、日本語指導の経験がある人でという条件を出して、応募してもらった人の中から面接などをしてきてもらうというようなことになっています。なので、応募してくれた人の中で、高校生の日本語指導に一番適しているんじゃないかという人を選ぶことになりますので、必ずしも、外国人支援員もそうですけど、全部の条件をいつも満たす人が見つかるとも限らないんですけれども、今はいい人が見つかって、3校で日本語指導のサポートをしてもらっています。
【佐藤座長】 はい。では、額田委員から回答いただいた後に、高橋委員から質問があれば、続けてお願いします。
まず額田委員からお願いできますか。
【額田委員】 日本語の先生については、これは非常勤の先生です。日本語の指導の経験がある方をお願いしています。現在2名おりますけれども、この2名の方と、それから、多文化教育コーディネーター、ME-netから派遣されている方も、この日本語指導に当たってくださっています。日本語という教科はありませんので、必ずしも教員免許ということでは特に考えていません。ただ、たまたま今、日本語を中心的に教えている先生は教員免許を持っています。
【佐藤座長】 高橋委員、今のお二方の回答で、続けて質問したいことがありますか。どうぞ。
【高橋委員】 そうすると、日本語の先生はあれですよね。特別非常勤に任命しているということですね。それからあと、母語についてもちょっと。
【佐藤座長】 母語はこれから伺いますが。
【高橋委員】 すみません。
【佐藤座長】 額田委員、高橋委員からあったように、特別非常勤といった制度ですか。
【額田委員】 はい。特別非常勤という形で扱っております。
【佐藤座長】 ありがとうございます。
それでは、母語の話を、山本委員と額田委員からそれぞれお答えいただければと思います。
【山本委員】 各校の教育課程表を眺めますと、母語の学校設定科目を設定している高校は複数あります。ですが、自分の経験としては、例えば以前勤めていた学校で、スペイン語、ポルトガル語という授業科目を置いていたことはあるんですけれども、講師を安定的に見つけるというのが非常に難しいということで、また、優先順位としては、日本語能力の向上、日本語で活躍して頑張っていこうということであれば、日本語指導の方にあるというようなことで、ちょっと母語での科目ということでの学習指導というのは、日本語指導に比べるとそんなに力を入れて学校に指導しているわけではありません。
【佐藤座長】 ありがとうございます。
それでは、額田委員からお願いします。
【額田委員】 このA高校は、もともと国際理解教育ということを売りにしている学校で、在県外国人の枠もありますが、留学生を積極的に受け入れるというようなことも行っています。また、アメリカに姉妹校訪問に出かけるなどということも行っている学校です。教育課程の中に第2外国語というのが設定されていまして、フランス語、スペイン語、中国語、ハングルという4か国の授業があります。実際、自分の母語の授業を取っていく生徒もいますが、一般の日本人の生徒たちも第2外国語を受講しており、国際フェスタというイベントがありますので、その授業の発表を国際フェスタに向けてやっていったりということで、日本の生徒たちと、もともとそれを母語としている生徒たちが協力し合うという姿がよく見られます。
ただし、全ての母語があるわけではありませんので、やはりこの母語保障というのが今後の一つの課題かなと考えています。
【佐藤座長】 高橋委員、後ほど何かあれば、また別にお願いします。ありがとうございました。
では、オチャンテ委員、お願いします。
【オチャンテ委員】 お二人に質問なんです。まず、今までいろいろな支援が行われているんですけど、特別措置で入学した生徒を対象にしているんですよね。では、そうでない、外国にルーツのある子供たちに何か、例えば選択としてそういう授業にも参加できるのか、又はどういった支援を行われているのか。いつも私の地域で例を挙げているんですけど、来て間もない、例えばまだ2年目とか3年目でも、特別措置を設けている学校が近くにはない。伊賀市内にはなくて、そうすると、前期選抜とか、小論文と面接だけで入学する若者が最近増えているんです。でも、まだ来日2年目とか3年目なんですよね。でも、一般で受けているんです。
そうすると、そういった子供たちにはどういった支援が行われているのかというのが大きな課題にはなっているのかなと思っています。そういった取組がされているのかということをまず教えていただきたいです。
2つ目、額田委員に質問なんですけど、7月と12月に日本語能力試験が行われている、支援として書いてあったんですけど、それは授業の一環として行われているのか、希望者だけ受けるのかということも教えていただきたいんです。最近、三重のある一つの高校でも、外国語としての日本語の授業があって、そこに日本語能力試験を受けようというような取組がある。今年からか、去年からかはっきりしていないんですけど、例えば中国語とかいろんな言語はあるんですけど、選択科目として日本語の勉強をして、N2を目指そうとか、N1を目指そうというような取組もされているので、神奈川県の場合はどんな取組なのかなというのが気になりました。
もう一つ、国際フェスタが行われているということなんですけど、ほかの高校では、例えば大阪だと民族学級という取組もあるんですけど、国際フェスタはA高校だけの取組ですか。それともそういった特別措置のある学校は、全てそういった国際フェスタを行われているのか。あと、これも三重県の取組の中で、山本委員にも聞きたいんですけど、高校生同士の交流会、そういったルーツを持つ高校生の交流会があるのか。例えば神奈川県在住の高校生の交流会が行われているかどうかとか、あれば教えていただきたいです。
もう一つの山本委員に質問なんですけど、中学校の先生との連携を行うようなことは書いてあって、7校というのがあったんですけど、その7校というのは、特別措置を設けられている学校となるということですよね。そうでない学校の場合、例えば特別措置を設けられてないけれど、外国籍の子供たちも多い高校もあると思うんですけど、そういったところでの取組はどうなっているのかということも教えていただきたいです。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。一つ一つ回答していただきましょうか。
【オチャンテ委員】 そうですね。
【佐藤座長】 特別措置で入学した生徒を対象にしているんだけれども、そうじゃない一般枠で入学した生徒への支援がどうなっているかということを、それぞれ、山本委員と額田委員の方から、最初の質問ですね。
では、山本委員からお願いできますか。
【山本委員】 学校によっていろいろ考え方はあると思うんですけども、基本的には特別枠というのは、入り口のところで、来日してから6年以内の生徒についても高校入学のチャンスが広がるようにということで、入学した後は、枠か枠じゃないかということに関係なく、全員、必要な手当てをしていくということが基本だと思うので、例えば、ある学校だと、取り出し授業の生徒を誰にするかということは、入試の成績や入試の成績としてあるものの、1回のテストで測ったことが全てではないので、もう1回テストをし直して、本当に取り出しが必要な子を選別し直すというようなことですとか、日本語学習クラブの取組ですと、例えば、極端に言えば、日本語に全く問題のない外国人生徒であっても、友達を求めている場合もありますし、誰でも来てもいいことにはなっています。ただ、全員にレベルを合わせるのは無理なので、N3を目指すというのはコンセプトはありますよということは言っていて。
余談なんですけども、私がこの間、日本語学習クラブに参加したときに、一緒にペアワークをした生徒は、やっぱり外国人生徒ということでまとめられるんだけども、自分の母語じゃない生徒だったら、外国人であろうと、日本人であろうとやっぱり何をしゃべっているのか分からないということとか、クラブに来て、違う学科の生徒とちょっと友達になりに来ているというようなことを言っている子もいたので、特に枠ということにこだわらずに、進学のセミナーですとか、クラブですとか、取り出し授業というのは、チャンスがあるということです。
【佐藤座長】 では、額田委員にもお願いできますか。
【【額田委員】 現在の神奈川県の特別枠は、日本に来て3年以内という制約があります。現行の制度でいうと、6年以内の子たちは、つまり、3年から6年の間の子たちはどうするかというと、海外からの移住者等を保護者とする志願者の受検方法申請という方法があります。海外から親が日本に来て、まだまだ日本語能力が低いので、同じ受検では対応できないということで、例えば試験時間の延長、これは1.5倍まで認められます。試験問題へのルビ振り、あるいは、面接のときに易しい日本語で質問してください。こういう対応を取って、入学してくる生徒たちもいます。
A高校では、この海外からの移住者等を保護者とする志願者の受験方法を使って入った生徒についても、プレイスメントテストを同じように受けてもらっています。必要であるならば、この生徒たちも取り出しの対象にしますが、今年度に関しては、対象にした生徒が結構日本語能力があったので、取り出し授業の対象にはなっていません。この特別枠の生徒たちだけを何とかするということではありません。いいでしょうか。
【佐藤座長】 それでは、2つ目と3つ目は額田委員への質問なので、続けてお答えいただけますか。日本語能力試験は、希望者だけなのか、それとも授業の一環なのかということと、国際フェスタ、ほかでもやっているのかどうかという、この2つですけれども、よろしくお願いします。
【額田委員】 まず後ろからいきます。国際フェスタは、このA高校の独自行事です。だから、ほかの学校で似たような行事をやっているところがあるかもしれませんけれども、これはA高校の一つの特徴、特色行事ということになっています。
それから、日本語能力試験ですけれども、昨年は7月、コロナの影響で中止になりました。12月は実施されましたが、ただ、12月の実施のときに突然受験料が上がりました。なんと6,500円に上がってしまいました。この受験自体に経済的負担が大きいということで、必ず全員受験しなさいということはなかなか言えません。ただ、受験をする生徒に対しては、日本語の先生たちを含めて、みんなで補習を行うということをしています。
【佐藤座長】 ありがとうございます。それでは、これは山本委員でしたね。特別措置を設けている学校とそうでない学校での高校生同士の交流会はあるのかどうかという質問だったと思うんですけど、よろしくお願いします。
【山本委員】 部活動とか以外で、特に、フェスタみたいな形での外国人生徒の交流の場というのはなかなかないんですけども、日本語学習クラブについては、例えばライブ配信をするときですと、いろんな学校の生徒が集まるということはあります。
【佐藤座長】 ありがとうございました。それでは、角田委員お願いします。
【角田委員】 ありがとうございます。大変勉強になりました。幾つか御質問したいと思います。
まず入試ですけれども、座間総合高校さんの方では、特別枠にも合格しなかった生徒はいるのでしょうか。あるいは、もしいた場合には、そういう生徒はどのような高校に行くのでしょうか。お二方にお聞きしたいのですが、海外からダイレクトで来た受験生がいた場合には、どのような対応をしているのでしょうか。日本語の支援が特に必要だと思いますが、何かそういう御配慮があるのでしょうか。
次に評価についてです。座間総合高校さんでは定期試験について、様々な4種類の評価方法で工夫されているということで、大変勉強になりましたけれども、このような評価方法は、他校でも、特にこの特別枠入試の高校はどこもそのような評価方法を行っているのでしょうか。伺いたいと思います。
それから、3つ目、学校組織について伺いたいと思います。このような取組をするに当たりまして、分掌とか委員会、あるいは管理職のリーダーシップも含めまして、何か特別な体制というものを学校で取っているのかどうかということを伺いたいと思います。
それから、4つ目、この間、新型コロナの対応で、日本語支援の必要な生徒と保護者が、学校からのお知らせを理解することができずに大変だったということを聞いております。例えば各学校さんにはホームページがあると思いますけど、そのようなところで、易しい日本語や、あるいは多言語対応によって、新型コロナ禍における重要な学校からのお知らせ、情報提供等について、あるいは学習の支援等について対応がなされているのかどうか。
そして、次にキャリア教育についてですが、それぞれの高校で進路指導についてもお話がありましたけれども、母語やコミュニケーション能力を生かした進路支援、進路指導というものは何か行われていて、成果が出ているのかどうかお尋ねします。
最後に、日本人生徒に対して、このような外国につながる生徒たちの受入れについて、何か多文化共生等の教育がなされているのか。長くなりましたが、以上、お尋ねしたいと思います。ありがとうございます。
【佐藤座長】 それでは、額田委員の方から。特別枠に合格しなかった生徒の進路をもし把握されているのであればお願いします。
【額田委員】 神奈川県の特別募集ですが、神奈川県の入試は、最初に願書を出します。出したところが、例えば特別募集の定員に対して、志願者が多過ぎてオーバーしてしまう。これが1回見えます。そうすると、志願変更ができます。つまり、比較的入りやすいところに移ることが1回だけできます。ですから、ゼロではありませんけれども、不合格になるというケースというのは極めて少ないというところです。
【佐藤座長】 額田委員、ついでに、このダイレクトで来た生徒への対応について、お答えいただけますか。
【額田委員】 ダイレクトに来た生徒に対しても対応はできます。その場合は、在留資格であるとか、あるいは日本での滞在歴ですね。こういったものを丁寧に聞き取ります。このノウハウは、基本的には、管理職が、在留資格とか在留年数ですね。ここの確認を行いますので、管理職から管理職に、このノウハウを引き継いでいます。
【佐藤座長】 では、次は、評価の4つの視点、これは他校でもやっているのかどうかという御質問ですけども、額田委員、いかがでしょうか。
【額田委員】 ここについては、各校でそれぞれ取決めをしてやっていると思います。やはり同じことを、いわゆる一般の生徒と同じ授業できないわけですから、当然それぞれの学校で工夫して、評価方法を考えていると思います。ただ、全ての県立高校で統一して、こうしているということではありません。
【佐藤座長】 ありがとうございます。続けて申し訳ございませが、学校組織として特別な対応組織をつくっているかどうかということですけれども、いかがですか。
【額田委員】 このA高校では、6つのグループ、校務を分担している6つのグループのうち、未来企画グループというのが、この在県のことを所掌しているグループです。ここが中心になって、在県外国人支援会議という、これは多文化教育コーディネーターの支援も受けながらやっていくのですが、全校を挙げた組織という形で取り組んでいます。
【佐藤座長】 では、次は、コロナの対応で、保護者への情報発信などで、易しい日本語等の措置をやっているかどうかということですが、いかがでしょうか。
【額田委員】 基本的には、保護者向けの文書については、全てルビ振りで対応しています。ただ、それ以上の易しい日本語にするというところまではやり切れていません。
【佐藤座長】 では、続けて、額田委員からお願いします。進路支援などで、母語も踏まえたキャリア支援をしているのかどうかという御質問だったんですけど、これはどうでしょうか。
【額田委員】 大学を希望する生徒も中には結構いますので、英語力がある生徒が意外と多いんですね。この英語力を生かして大学に行くという生徒は毎年、少なからずいます。そういう支援も行われています。
【佐藤座長】 最後です。日本人生徒への多文化共生の取組のようなことがあれば教えてくださいということです。
【額田委員】 もともと在県外国人の枠が、1年次、2年次、3年次で30人ですね。こういうことが長年続いていますので、この枠以外で入学してきている生徒も大体70名から80名。つまり、外国につながりのある生徒が全校の7人に1人ぐらいいるというのが現状です。よく言っているのですが、いながらにして国際感覚を磨ける学校であるということです。国際フェスタなどもそうなのですが、今、コロナなのでなかなかできませんが、留学生なども積極的に受け入れている学校ですので、常に、外国につながりがある人たちとの交流をしながら学校生活を送るという、そんな雰囲気の学校です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
それでは、山本委員に4つほどありますので、お答えいただければと思います。ダイレクトで来た生徒への対応はいかがでしょうか。
【山本委員】 入試については、高校入試に間に合う生徒については、一旦、自分の居住地域の中学校に所属して、そこから入試を受けるということになりますし、途中の場合ですと編入試験がありますので、高校に生徒の状況を聞いて対応するというようなことで、県教育委員会も協力してやります。
【佐藤座長】 では、2つ目が、学校の体制ですね。校務分掌とか委員会といった分掌があるのかどうかということです。
【山本委員】 外国人生徒が増えるにつれて、各校に外国人生徒支援の担当教員が置かれるようになって、委員会なども開かれているように思います。少しずつ学校によってやり方は違いますが、職員で情報を共有して、次の生徒の情報をどうしようかとか、取り出し授業からそろそろもう必要ないとか、まだ駄目だろうというのは、そういうような協議をしていると聞いております。
【佐藤座長】 ありがとうございました。それでは、コロナの対応で何か情報発信上の工夫がされているかどうか。これはいかがですか。
【山本委員】 これまでは、コロナ前までは、文書の作り方ですとか、翻訳、通訳をどんなときにつけるかということは学校に任せておったんですけれども、コロナの重要な情報で、明日までにこういうふうにということがあるときには、かなり教育委員会もお手伝いして、外国人支援専門員から複数言語で翻訳したものを発信したりですとか、英語ですとこちらで引き受けたりというようなこともあります。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
次は、進路支援の中で、母語を加味したようなものもやっているかという話ですけれども、これはいかがですか。
【山本委員】 そうですね、進路指導については、会社の意向とかでなかなか全ての生徒のニーズを満たしたり、長所を生かしたような就職というのは難しいんですが、実は県で雇用している外国人専門員なども、例えばそういう支援を受けてきた生徒の中で、意欲があって、日本語と母語に割と長(た)けた生徒を雇用したりということはよくあります。今、雇用している者も、学校から紹介を受けて、生徒の様子なので、生徒と割と年齢が近くて、支援がどんなものかというのを知っているような人たちがなってくれています。
【佐藤座長】 ありがとうございます。最後です。日本人生徒への多文化共生の取組があればということですが、いかがでしょうか。
【山本委員】 日本人生徒と外国人生徒と、高校にいるとみんな高校生なので、イベントはいろんなことをしていまして、どの国籍の生徒であっても参加できるようなイベントをたくさん持って、日々、日頃から交流できるようにということを心がけています。
【佐藤座長】 ありがとうございました。お二人の発表、非常に充実したものでした。まだまだ質問があると思いますけれども、ここまでとさせていただきます。額田委員、山本委員、御発表資料、準備等、御協力いただきまして、ありがとうございました。
続きましては、今日の議題2です。「高等学校における日本語指導の制度化の必要性」に移っていきたいと思います。この資料3、主な検討事項及び論点のうち、1、高等学校における日本語指導の制度化の必要性等について、これから議論を頂きたいと思いますが、その議論に先立ちまして、事務局、関係資料を準備していますので、まずその説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【小林専門官】 資料1といたしまして、前回会議で委員の皆様から頂いた意見をまとめさせていただきました。まとめ方といたしましては、配付資料のうち、資料4「主な検討事項及び論点」、こちらでお示しをしたカテゴリーごとに分けるような形を取らせていただいています。本日、この後、御議論いただく1、高等学校における日本語指導の制度化の必要性等のところでは、前回会議では、制度化に当たって配慮すべき事項として御意見いただいていますので、そちらを記載しております。
この後の2、高等学校における日本語指導の制度化の在り方のところでは、例えば教育課程上の位置づけについてですとか、また、日本語指導の対象とする生徒について、指導の内容について、単位認定、学習評価について、全日制・定時制・通信制の課程ごとの制度設計に違いについてなどの御意見を頂いています。
また、3、高等学校における日本語指導の制度化に当たっての充実方策につきましては、学校における体制整備についてということで御意見を頂いております。前回、こういった御意見を頂いておりますので、これも踏まえて、この後御議論いただければと思います。
また、参考資料3といたしまして、前回の会議で私から御説明をさせていただきました、外国人児童生徒等の教育に関する現状と課題についての資料をお配りさせていただいております。
また、参考資料4につきましては、令和元年度に行われた有識者会議の議論の報告書の、高校生のところの抜粋でございます。こちらも本日の議論の参考としていただければと思います。
参考資料5につきましては、文部科学省が今年度、東京学芸大学に委託して実施している事業の概要資料になります。文部科学省の委託事業「高等学校における日本語指導体制整備事業」を、今年度と来年度の2年間の契約で、東京学芸大学に委託して実施しております。この事業の最終的な目的といたしましては、高校での日本語指導を充実したものにするために、日本語指導等の体制を各学校で構築するための手引と、また、各高校で日本語指導を実際に授業として実施するためのカリキュラムづくりのガイドライン、この2点を作成していただくという内容になっています。
令和3年度は参考資料5にあるとおり、調査を主にやっていただきまして、実際に、高等学校で、日本語の指導ですとか、外国人生徒の教育についてどういったことが取り組まれているのかということを把握します。
具体的には、質問紙調査と、また、高校に対するヒアリング調査を行って、そこで得られた結果を分析、整理し、先ほど申し上げた体制整備の手引とカリキュラム編成のためのガイドライン作成につなげていく予定となっています。参考資料5の一番下に、細長い四角囲みで、令和4年度の取組概要(予定)とありますけれども、令和3年度の調査結果を踏まえまして、令和4年度いっぱいをかけて、指導体制整備の手引とカリキュラムづくりのガイドラインを開発していくこととなっています。
参考資料5の2枚目につきましては、今年度の主な取組の計画等を示しております。質問紙調査やヒアリング調査で把握された内容につきましては、この2ページ目の表の一番下に成果公開等とありますけれども、事業に基づいてウェブサイトを開設し、ウェブサイトの中で、取組事例の御紹介ですとか、調査結果の御紹介などを行う予定となっております。こういった事業を今年度と来年度に行っておりますので、こちらも本日の議論の参考としていただけると大変有り難いと思います。
【佐藤座長】 ありがとうございました。まず資料のこれまでの主な意見の中で、1番の高等学校における日本語指導の制度化の必要性等について、集中的な議論をしたいと思います。ただ全て関連しますので、どこでも結構ですのでご意見をお願いします。また、実現できそうな意見も出していただいた方がいいと思いますので、どうぞ、お願いします。
そして、最後に示していただいた東京学芸大学の委託事業の中で、体制整備の手引きとカリキュラム作成のガイドラインが出ています。「特別の教育課程」の制度化が、具体的にどうやって実践するかという指針を持たないとなかなか実質化しませんので、令和4年の報告を待った上で、この制度設計が進んでいくといいと思います。歩調が合わせられるといいなと思った次第です。
いずれにしても、どなたからでも結構ですので、御意見いただければと思います。いかがでしょうか。
例えば、主な意見のところで、1番目の「日本語指導が必要な生徒にとって、取り出し授業を受ける時間は一部であり、学校でのほとんどの時間を他の生徒ともに授業を受けたり活動したりしている。そのような状況で、日本語指導が必要な生徒が孤立せず、他の生徒と一緒に学ぶ環境づくりが重要」と書かれていますけれども、全くそのとおりだと思います。小中の「特別の教育課程」の制度化の議論でも、この意見は強く出ました。「取り出しか、在籍学級での指導か」を対立的に捉えるのではなく、両方を視野に入れることが大事です。ただ、「特別の教育課程」が制度化されれば「取り出し指導」がきちんとできるようになることも事実です。「特別の教育課程」で取り出しだけで行うということではなく、多様な形態を取るということも当然考えられるわけです。そのようなことも含めて意見をお願いします。どこからでも結構ですので、いかがですか。
では、高橋委員からお願いします。
【高橋委員】 お願いします。もしかすると、ちょっと話が、方向がずれるかもしれないんですけども、やはりこういった、いわゆる外国人生徒、外国にルーツのある生徒たち、子供たちを日本社会で今後どういうふうに育てていくのかという視点がないと、日本語ができないから、学校の中で受け入れることが困難であるとか、やはりなかなか日本人とうまくなじめないからというような、消極的なというか、そういうような状態像を持っている現場が多いんじゃないかなと思うんですね。
むしろ、こういった人材がこれからどんどん増えていくわけですから、こういった人材をどう教育のところで伸ばしていくのか、社会に輩出していくのかという観点に立ったときに、もちろん日本語というのもあるんですけども、やはり推進力になるのは母語だと思うんですね。母語の力と日本語の力、両方を伸ばすことによって、彼らはやっぱりこれから社会でバイリンガル人材として育っていく、活躍できる人材だという視点に立ったときに、逆に、高校段階から落としていくとすると、やはり高校段階できちんと、小中で母語の確立を求めるのは難しい側面もあるんですね。本当は必要だとは思うんですけども、でも、むしろ高校という、自由度が高くなったり、それから、アイデンティティーの形成、自分の進路選択、そういったところを幅広く考えると、彼らがどういう教育によって、日本社会でどういう人材として、日本社会が育てていくのかという観点に立ったときに、やはり日本語は特に重要だとは思うんですけども、同時にやっぱり母語の力を伸ばすということも重要だし、そこによって、ある意味、日本人とのいい交流、刺激を受けるような教育が目指せるんじゃないかなと。そういう視点に立って、やっぱりどういう教育をしていった方がいいかということを是非考えたいなと思っています。
【佐藤座長】 ありがとうございました。おっしゃるとおりで、高橋委員もご参加いただいた2016年の有識者会議だったと思いますが、そこでも、日本社会で生きていく市民としてどう育てていくのか、多文化共生、それから、グローバル人材として外国人が持っているよさをどう生かしていくのかということが打ち出されましたので当然それを踏まえることは共通理解が得られると思います。
こうした理念のもとで日本語指導をどう位置付けるかということだと思います。また、母語の重要性については最近、複言語主義という考え方が出てきていますので、そうした視点も踏まえて制度設計するということでこの点についても共通理解できると思います。文科省自身もそうした視点を打ち出していますので、そうした視点で、この制度設計に当たるということは大変いいと思います。
それを踏まえた上で、具体的にどんな制度設計するかというところに焦点を当てていきたいと思います。どなたでも結構です。オチャンテ委員お願いします。
【オチャンテ委員】 ありがとうございます。直接つながっている点であるかどうか分からないんですけど、いつも気にはなっているところで、日本語指導を対象としている生徒とか、これはどなた、どういうふうにして対象を決めているのか。判断は今、学校長とか、そういった日本語指導担当の先生とかみんなで様々な観点からとされていると思うんですけど、やっぱりその先生の判断によって、見方によって、本来であればもっと指導が必要なのに、もう会話ができるから(指導がなくても)うまくいくでしょうというようなことも中にはあると思うので、やっぱりそういうときには日本語の教育を専門としている、それこそ県とか市のコーディネーターが一緒に行って、一緒に考えるようなシステムがあればなといつも思うんです。どうしても、校長先生又は担当の先生の判断によって、本当はもっと必要とされている子たちが、支援の対象外になってしまうようなことも中にはあると思うので、今後、もしそういうことも可能であれば、そういったコーディネーターの方が中に入って、一緒に併せて判断するようなシステムもあればなといつも思っています。
あとはやはり、先ほど高橋先生がおっしゃったように、キャリア教育を含めた日本語の指導ということも考えなければならないんですね。その中ではやはり母語、継承語というのは、どこかで触れるのが重要で、学ぶ時間というのがもちろんいろいろ学校によっては違うと思うんですけど、でも、先ほどの話では国際フェスタとかそういった交流会、文化を通して、自分の持っている力を恥ずかしがることなく、前に出せるような取組も必要なのかなと思います。その中でやっぱりそういった交流会、例えば高校生だったら、高校生同士の交流会、外国にルーツのある、そういったつながりのある高校生同士でお互い励まし合うような環境も必要なのかなといつも思うんです。マイノリティー状態のままに学校の中にあって、やはり日本語ができないことで、どうしても成績が上がらないとか様々なプレッシャーの中で、彼らが毎日、日常生活を送っているので、年に1回、2回か数回の中で、そういった交流会を併せてみんなで、同じような状況でも一生懸命頑張っている仲間がいるんだよということも、そういう取組も必要なのかなと思います。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。判断基準はなかなか難しいですが、プレイスメントだけではなくて、具体的に指導に結びつけるための評価基準は何かというのは大事ですよね。高校入学後にどのように指導していくかという視点での評価が大事だと思います。
それから、キャリアの話は「特別の教育課程」の中での日本語の授業の中に、教科に結びつくための日本語と同時に、社会、職業に結びつくような日本語を入れていくのも一つの案ですが、この点については今後議論していければと思います。
では、浜田委員、お願いします。
【浜田委員】 浜田です。ありがとうございます。前回お休みしておりましたので、的外れかもしれませんが、先ほど、「これまでの主な意見」の1の一番初めの項目について、佐藤座長がおっしゃった、取り出しの「特別の教育課程」としての授業と、それから、在籍学級での授業との関連性ということなんですけれども、取り出しの授業でしっかり日本語の力を身につけるということと同時に、やはり在籍の学級で、ほかの生徒と一緒に学んでいくということもとても大事なんじゃないかなと思っているんですね。
ただ、そういうふうに考えた場合に、これは多分、今の学習指導要領の方向性とも重なってくるだろうと思うんですけれども、いわゆる知識注入型の授業ではなくて、主体的・対話的に学んでいくという環境をやはり授業全体としてつくっていくということがすごく大事かなと思っています。その中で、日本語指導が必要な生徒の日本語能力自身も磨かれてくると思いますし、その交流の中で学んでいくということで、より日本語を学ぶモチベーションにもなっていくだろうと思いますし、それから、先ほども話題になっていたように、いろんな考え方、いろんな背景の生徒たちがお互いに交流をし合いながら、普通の授業が多文化共生教育になっていくという方向性が、一般の授業の中でもできるようなことがメッセージとして発信できないかなということをひとつ考えています。
それからもう1点、これも先ほど、オチャンテ委員と、それから、今の佐藤座長のまとめにも重なることなんですけれども、高校での日本語指導の方向性をどういったところに持っていくかということで、前回の御報告にも、それから、今回の御報告にも、一般の社会人の方ですね。国際交流協会の方とか、それから、NPOの方に指導を受けて、その中で日本語能力試験に合格するということを一つの目標として、生徒さんたちは頑張っておられるというような御報告があったんですけれども、恐らく目に見える目標としては、日本語能力試験ということだと思うんですけれども、高校生にとって、日本語能力試験の合格ということは、もちろんキャリアに、履歴書に書けるということでの意味合いもあるんですけれども、でも、実際に社会人の方との交流の中で起こっていることは、その中でいろんな人たちと触れ合いながら、あるいは社会人の先輩としてのそういう人たちのいろんな考え方などにも触れ合いながら、先ほどおっしゃったようなキャリア教育としての日本語指導というのが行われているというところがとても貴重なんじゃないかなと思うんですね。ですので、そういう高校での日本語指導の在り方というところについても、この中で提言ができるといいかなと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。制度化の必要性に関わる点についてお話をしていただきました。取り出しプラス在籍で、その在籍での学び、それが高校の特性を生かす形で制度設計ができればいいなと思います。
多様なものをうまく取りこみながら制度設計をしていくということだと思います。それから、高校ならではの取り出しの日本語指導をどのように進めるかもしっかり議論していく必要があると思います。浜田委員の意見は1番目に関わって、とても大事な視点だったと思いますので生かしていきたいなと思います。
ほかにいかがですか。角田委員、お願いします。
【角田委員】 ありがとうございます。先ほど入試の方で、来日5~6年というような枠で、特別な入試を行っている県があります。他方で、ダイレクト受験と呼ばれる、ほとんど日本語が分からない受験生もいます。どのように取り組めばいいのか。制度設計するのはとても難しいと思うのですけれども、私は、例えば夜間中学がこの間、見直しをされてきましたけれども、たとえばいまある夜間定時制高校などを活用して、日本語教育など補完的な教育を短期集中でダイレクト受験などの高校生に提供するというのも、いいのではないか。
また、来日5~6年の生徒たちは、在籍の高校の中で授業を工夫していく必要があります。「取り出し」授業も、神奈川では、1年生はほぼ取り出し、個別対応授業ができているようですけれども、全国的には必ずしもそういうふうな体制が取れてない高校もあります。例えば、東京都立高校ですと、国語科とか、あるいは地歴・公民科など一部の教科・科目しか「取り出し」授業が実施できておりません。「取り出し」授業をなるべく多くの教科・科目で実施できるような、そんな工夫も必要なのかなと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 今の角田委員に、逆に質問させていただきます。補完するというのは、例えば集中的に指導するような、拠点校に通う、つまり、他校通級を認めるというイメージでしょうか。それとは違うことでしょうか。
今、提案していただいたのは、補完する、何かを新たにつくるということでしょうか。例えば拠点校があって、その拠点校で、対象で来た子供たちが集中的に3か月なら3か月通うといったイメージでしょうか。それは「特別の教育課程」の制度を運用する際に他校通級を認めるいうことか、それとも、何か新たな枠ということでしょうか。
【角田委員】 両方です。
【佐藤座長】 では新しいというのは、例えばどういうようなイメージでしょうか。
【角田委員】 ありがとうございます。例えば昼間の全日制高校に通っている生徒は、在籍は昼間の高校にあっても、例えば夜間高校や夜間中学、そのようなところで、夜、勉強するということもできますし、あるいは夏休みなどの長期休業中を活用することも可能です。今ある教育機関を活用して、補完的に集中的にできないだろうかと思いました。
【佐藤座長】 ありがとうございました。要するに、そういう補完的なところをつくったらどうかという御提案ですよね。
【角田委員】 はい高校は学校で編成できる教育課程が義務教育に比べて弾力的ですので、日本語指導の必要な生徒が、高校に在籍しながら、例えば夜間中学、夜間高校だけにとどまらず、専門学校や大学など他の教育機関に行って日本語などを勉強することができる、そういう教育環境を用意するということも可能性としてあるのではないかと思いました。
【佐藤座長】 分かりました。具体的にそれが制度設計として可能なのかどうかについて検討の余地があるかもしれませんけれども、面白い御指摘だと思います。
ほかはいかがですか。どうでしょうか。高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】 今の角田委員のお話とちょっと関連あるんですけども、いわゆるダイレクト入試、ダイレクトで入ってくる生徒の場合、比較的、半年前に来る生徒が多いんですね。神奈川県の場合もそうなんですけれども、大体ほかの国の年度の終了が6月とか7月に来るので、早いところはもうちょっと早かったりするんですけども、実は高校入試までの間の半年間に、やっぱりどういうふうに入試に向けて勉強するかということでできてきたのが、私どもの団体、NPOでもやっているフリースクールですね。先ほど額田委員の御報告にもありましたけど、フリースクールというところ、東京にもありますし、千葉にもありますし、そういったフリースクールというところが入学前の生徒の支援をしているんですけども、やはりどうしても学費を集めないとやっていけないとか、助成金をもらわないとやっていけないとかという状況があって、今のような、例えば、本当にダイレクトに来た生徒を支援する仕組みとしては、そういう入学前の日本語支援のところに何らか、うまく助成金制度で支援するような仕組みがあると大分違ってくるんじゃないかなと思うんです。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。ほか、いかがですか。
では、まず山本委員からお願いします。
【山本委員】 高校で、日本語指導の教育課程上に何か置くとして、例えば普通科だと割と自由に置きやすいかなと思うんですけど、専門高校とかで、専門の単位を何単位か取らなきゃいけないものが決まっていて、必履修科目も決まっていてとすると、あんまり、それ以外のところとなると、そんなに柔軟にはできないのかなと思っているんです。それも日本語指導が必要ということで仕方ないのかもしれないですけども、その高校としての特色ある学びとのバランスというのはちょっと難しいなと思って聞いておりました。
また、取り出し授業というのは本当に、この間、クラブのときに、生徒に聞き取りをしたら、間違えてもいいというような環境で学ぶのが面白いとすごく感じられたというような声が聞かれた一方で、母語が同じ子たちが集まったりすると、意外に母語でずっと話してしまって、日本語に接する機会はないんだよみたいなことを言っている生徒もいて、どんなクラスのサイズで、どんな生徒たちと一緒に学ぶというのが一番いいのかというのは、一つのやり方ではないんだなと思って、生徒の声を聞いていました。取り留めないですが。
【佐藤座長】 いえ、ありがとうございました。そうですよね。専門高校だと、卒業の専門の修得単位数が決まっていて、そうすると、そこにどうやって入れ込むかというのは確かに難しいですね。
そして、浜田委員からもお話しいただきましたが、取り出しだけではなくて、在籍の中で、お互いに学び合いながら習得していくということもあります。高校では、探究が強く打ち出されていますので、探究をうまく日本語教育の学びに取り入れながら、日本語を習得していけるような仕組みもできていくと思いますので、必ずしも取り出しだけということではならないかもしれません。ただ、全く日本語がゼロに近いような子供たちは、取り出しでせざるを得ないのかもしれません。生徒日本語力によって、どういうふうにして、これを変えていくのかというのを考えていくことは大事だと思います。
どうぞ、オチャンテ委員。
【オチャンテ委員】 ありがとうございます。先ほどの話とちょっとつながっている部分があります。どんな子供たち、どんな日本語能力のレベルであっても、やっぱり配慮が要る、配慮が必要ということで、授業内でできるような、例えばルビを振るとか、言葉遣いのバリエーションを幾つか持つとか、そういうことは必ずできると思うので、そういったことを教員の研修のときには、はっきりやらないといけないところかなと思うんです。
あと、話が少し変わるんですけど、日本語の授業とかデータもそういった外国籍の多い高校と、そうでない高校で、また、地域によって変わると思うんですけど、でも、例えば、最近は、オンライン授業とかそういったものが割としやすくなってはきているので、例えばそういった、A高校で、一生懸命、様々な活動、様々な授業、取組があって、それがB高校にはないけれど、オンラインでもその授業が選択として受けることが、取れることができるような取組も可能なのかということも。可能であれば、同じ市、同じ県で、A高校ではこういった日本語の指導が、担当の先生、専門の先生がいて、そこでB高校の生徒がオンラインで授業を受けるとかそういうこともできると思うし、先ほど出た話の語学でも、ポルトガル語の先生、そういった人材がいないということも恐らく、似ていると思うんですけど、そういったオンラインでも語学の授業もできるんじゃないかなと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。本当にそうですよね。オンラインがこれだけ一般化してくると、いろんな可能性が出てきます。特に母語に対する支援例えば三重県でも17言語ということですので、オンラインをうまく活用すれば、多様な母語に対応できますので、これは可能性としては非常に高まります。ありがとうございました。
では、浜田委員、お願いします。
【浜田委員】 浜田です。ありがとうございます。これは、皆さん御存じのように、外国人の子供に係る有識者会議のたびに問題になっているのは、やっぱり担当される先生の養成ということだと思うんですね。小中の「特別の教育課程」についても、担当者がいないということでなかなか広まらないという現状がある中で、やっぱり高校でも同じような課題があるんじゃないかなということを一番心配しているところです。
具体的にどうという正解は、今、全くないんですけれども、例えば、今年度の教員採用試験では、日本語教育の専門教育を受けた人に加点をするという制度を始めているところもありますので、そういった制度をより多くの都道府県で、今後していただきたいというようなこともメッセージとして発信したいと思いますし、それから、そういった日本語教師の資格を持っている方に、例えば特別非常勤講師として入っていただくということもありますし、既に幾つかの高校でされているように、やはり高校生のことをよく知っておられる、高校の先生に日本語指導にも当たっていただく。教科につながる日本語の指導も行っていただくというようなことはやっぱり目指していくべきだと思います。例えば高校の免許を取れる課程を持っている大学で、例えばどれぐらいの、どんな内容のことをどれぐらい勉強すると、高校生の日本語指導ができるかみたいな、モデルみたいなものを一定程度示すと、そういったものをやってみようかという教職課程を持っている大学も増えてくるんじゃないかなと思っています。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。おっしゃるとおりですよね。小学校、中学校で、「特別の教育課程」で日本語指導を行なっている学校は6割ぐらいですね。残り4割はやっていませんが、その理由として一番多く上がっているのは担当する先生がいないということです。これは養成、採用、研修をどうやって一体化して、うまく結びつけていくのかということにも関わってきます。浜田委員のお話は教員の採用時に日本語指導、日本語教育に関わって、何かやっていれば加点するということです。こうしたことはここでも主張していきたいと思います。教員養成大学だけでなく高等学校の教員は開放制の一般大学が圧倒的に多いんですよね。一般大学でも日本語教育や外国人生徒に関わる科目の設置などを是非やっていただければいいと思います。また、昨年出した有識者会議では日本語教師の資格を持っている人たちに対して、特別免許状で採用するように提案していますので、そういう現在の枠の中でできることと新しく提案することと入れ込みながら、提案していきたいと思います。
ありがとうございます。それでは、高橋委員、お願いできますか。
【高橋委員】 今日の発表で、三重県の教育委員会のところであったのが非常に参考になったんですけども、一つの制度設計の案として、中学校での特別な教育課程、そして、個別指導計画を作成してやっていくようなところがかなり積極的に高校につながる仕組みというのがまず一つ、何か考えられないかなと思います。
もう正に教育委員会が主導してやっているということはすごくすばらしいモデルになるかなと思うんですね。そこから、やはり高校の日本語教育も一番大事なのは1年生の段階なんですね。2年、3年になれば、当然教科も難しくなってくるので、いかに1年生の段階で、日本語というものがうまく中学校から高校での日本語指導につながるかというところで、多くの学校が授業の中に組み入れたり、組み入れるのが難しかった場合は放課後支援をしたりということで、やっぱり1年生の段階でも日本語というところを重視されていると思うんですね。ですから、それはむしろ中学校からのそういった情報が仕組みとして上がっていくことによって、高校側もスムーズにそういった生徒の支援というのが必要だということを制度設計できるんじゃないかと思うんですね。
逆に高校側としては、そういうことを中学校に、中学校段階でも日本語教育も非常に重要なので、中学校できちんとした日本語、「特別の教育課程」をやることによって、高校でも日本語につながるよというような橋渡し、仕組みみたいなものを、是非この制度設計の中で何かこう、提言することができないかなと思っています。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。資料1に指導の内容で、中学校において特別な教育課程による日本語の指導を受けてきた生徒について、高校とつないでいく仕組みということがあります。今日は三重県から非常に貴重な報告をいただきました。これは教育委員会がやっているのがいいことだと思います。これは参考にしたいなと思いますので、また新たに必要であれば情報提供していただければと思います。
額田委員、いかがでございますか。
【額田委員】 今日いろいろ御意見を伺っていて、現場の感覚としては、先ほどの発表でもありましたが、日本語の支援が必要な生徒への取組としては、取り出し授業のボリュームが必要だと思いました。先ほどA高校の例をお見せしましたが、あれだけの時間数の取り出しをやるというのは大変なことなんですね。教員定数的な問題にもなってくるんですけれども、そこら辺の制度設計ができたら有り難いなと思います。
【佐藤座長】 小中の場合、最大280時間を提案していますので、それがもし高校に準じるのであれば、どのぐらいの単位数になるのかというのは、一つの目安にはなると思います。それで足りるのかどうかなど、この後、深めていければと思います。280時間は、当時特別支援などの実践も踏まえて、提案されました。子供たちの日本語力を伸ばしていくために280時間程度としているわけですが、高校ではどうするかをここで議論をしていきたいと思います。今日、額田委員の発表からもしっかりと時間をとらないといけないというのはよく分かりました。
角田委員、どうぞ。
【角田委員】 ありがとうございます。ダイレクト受験など、日本語学習の機会がまったくなかった生徒につきましては、例えば夜間中学は今、地域によっては8割が外国人の生徒であると聞いています。夜間高校も同じような傾向があります。ということは、夜間中学と夜間高校、最近、中高一貫の学校教育がありますけれども、日本語教育などの面でも、そういう夜間中学や夜間高校というのをもっと活用して、これまで日本語学習の機会がなかった生徒にはそのような教育を一貫して、計画的に提供していくことはどうでしょう。夜間高校だと4年間、夜間中学校3年で、計7年間の教育期間というのはとても有効だと思いますので、検討していただければと思います。
以上です。
【佐藤座長】 とてもいい案だと思います。ただ、夜間中学は三十何校でしたか。全ての都道府県に、1校つくろうということで動いていますが、現状ではまだ少ないですね。今後、新たに整備されれば連携というのは可能かもしれません。例えば三重県は夜間中学はありますか。
【山本委員】 検討中です。
【佐藤座長】 そうすると、先にやれるところからやるということは提案できるかもしれません。夜間中学と高等学校の中高一貫というような可能性も考えられます。しかし、これは制度上の検討も必要だと思います。御提案はとても面白いと思いますし、できればいいなと思いますけれども、それをどのようにすればできるかを検討してみる必要があります。
ほかはいかがでしょうか。あと七、八分ありますので、もう一方、二方、御意見を伺えますけど、どうですか。この制度設計に関わって、あるいはほかでも結構ですので、どうでしょうか。
額田委員、どうぞお願いします。
【額田委員】 A高校の例を今日はお話ししましたけれども、例えば、ME-netから派遣されている多文化教育コーディネーターであるとか、あるいは日本語の先生であるとか、こういう、いわゆる学校の中の常勤ではない方たちの存在というのが非常に今、大きくなっているんですね。そのように、今、いろんなところで議論されていますけれども、常勤の教員だけでやりきっていこうということではなくて、もっと様々な支援、必要な力を持った方たちを学校の中に取り入れて、学校の教育力を高めていくという、そういうような形が是非取れるといいかと思います。
多文化教育コーディネーターの方などは、NPOから派遣されていますけれども、かなり柔軟に動いてくださっていますし、なかなか教員ではできないようなことも担ってくださっています。是非そういう方向ができたらうれしいと思います。
【佐藤座長】 ありがとうございました。おっしゃるとおりで、1回目のときに高橋委員から、多文化コーディネーターという制度をつくっていったらどうかという提案も頂いていますし、非常に大きな役割を担っているということは分かりますので、是非検討していく必要があると思います。おっしゃるように、「チーム学校」というのが一番いいと思います。
ただ、一つ、忘れてはいけないのは、日本語指導を特別の教育課程でやるということは、学校がきちっと責任を持つということ、その上で「チーム学校」という体制をどうつくるかということだと思います。2014年でしたか、「特別の教育課程」ができる前までは、ともすると学校が外部にお願いしてしまって、学校が責任を持てないということもままありましたので、やっぱり学校がきちっと責任を持ってやるんだということを前提にして考えていく必要があります。そのためにどういう体制づくりが必要なのか、その中で多文化コーディネーターをどう配置していくのかという議論が必要だと思います。
最後、もう一方ぐらいいかがですか。何か御意見があれば伺いますが。よろしいですか。
それでは、今日は、額田委員と山本委員から御発表いただきました。大変参考になりました。額田委員の報告にあった先進的な取り組み事例は、私たちがこれから考えていく上で非常に参考になったと思います。それから、三重県の方も、子供の数が多い、生徒の数が多い中で、いろんな試みをされていて、高橋委員からも御指摘あった中高のつなぎというのが非常に参考になりましたので、制度設計に必要な視点だと思いました。
この後、皆さんまだ言い足りないこともあろうかと思います。是非メールなどで御意見をお寄せいただければと思いますけれども、その辺も含めて、事務局にお返しします。いかがでしょうか。小林さん、もし皆さんから御意見いただくなら、いつ頃まででよろしいでしょうか。この後、この会議はいつでしたか。
【小林専門官】 それでは、今後のスケジュールも含めまして、事務局から御説明させていただきます。
【佐藤座長】 お願いします。
【小林専門官】 次回会議につきましては、7月19日を予定しております。本日、御発言なかったけれども、意見ということで、メールなどでお寄せいただく際は、可能であれば、次の会議の1週間前ぐらいまでにいただけると大変有り難いです。
【佐藤座長】 すみません。次回の会議はいつでしたか。
【小林専門官】 7月19日です。
【佐藤座長】 7月19日ですね。ちょっと時間が空(あ)きますので。では、今、メールはいつ頃までとおっしゃいましたか。
【小林専門官】 7月19日の1週間前ですので、7月12日ぐらいまでにメール等いただければと思います。
【佐藤座長】 ありがとうございました。高等学校の制度設計をするとき、考えなければいけない点が多々あります。この後中身の話になってまいりますので、今日出していただいた論点、それから、今日発表いただいたものも含めて、事務局で論点を整理していただいた上で、次回の議論に移っていきたいと思います。
本日限られた時間の中で積極的に御発言いただきました。本日はここまでにしたいと思います。連絡事項はほかによろしいですか。
【小林専門官】 はい。大丈夫です。
【佐藤座長】 それでは、3分前ではございますけれども、2分ほど前に始めましたので、ちょうど時間でございます。次回、7月19日午前中と伺っています。また是非よろしくお願いします。では、本日の会議はこれにて閉会します。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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