高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議(第3回)議事録

1.日時

令和3年7月19日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. ヒアリング 高等学校における教育の基本的な考え方等
  2. 高等学校における日本語指導の制度化の在り方と充実方策について
  3. 高等学校における日本語指導の制度化に関する論点整理(案)について

4.議事録

【佐藤座長】 それでは、皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議、今日は3回目になりますけれども、開催したいと思います。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。今日も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、オンラインでの会議開催に御協力いただいております。また、本日はユーチューブ配信によって傍聴を受け付けておりますが、会議冒頭から公開とさせていただいております。委員の皆様には、発言されるとき以外はマイクのボタンをオフにしていただければと思います。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、本日の出席委員の紹介と事務局の異動の御案内、配付資料、議事の確認に移ります。事務局からお願いいたします。
【小林専門官】 本日も御出席いただきまして、ありがとうございます。国際教育課の小林です。
本日御出席の委員の皆様ですけれども、佐藤座長のほかに、オチャンテ委員、高橋委員、角田委員、額田委員、浜田委員、山本委員でございます。なお、浜田委員は、本務の御都合から、10時半頃に御退席される予定でございます。
続きまして、事務局に異動がございましたので、お知らせいたします。髙口審議官、北山国際教育課長が7月1日付で異動しまして、後任として、小松主任教育企画調整官が着任し、国際教育課長も併任することとなりました。一言、御挨拶をお願いいたします。
【小松課長】 7月より、前任の北山課長の後任となりました小松でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議ですけれども、日本語を母語としない子供たちの学びをどう保障していくか。少子高齢化が進展する日本社会の生産性、活力を維持するために外国の若者たちを招致するという政府の方針も踏まえてそういう人たちの将来の可能性をどうつくっていくか。さらには、この国で、母国のアイデンティティー、ルーツを大切にしながら活躍していきたい、そういう人たちへの配慮も必要だと思います。共生社会の視点から私たち日本社会の側も変わらなければならないとも思います。そのような視点も含め、これまで真摯に御議論いただいていることを感謝申し上げますとともに、引き続き御指導・御検討についてよろしくお願いいたします。
【小林専門官】 小松課長につきましては、この後、用務の都合により一旦退席しまして、再度、11時前後に参加させていただく予定です。御了承ください。
次に、配付資料と議事の確認等に移ります。
本日の配付資料は議事次第のとおりでございます。なお、資料1、これまでの主な御意見につきましては、第2回会議で頂いた意見を追加しております。また、資料2としまして本日のヒアリングの資料、資料3としまして前回と同じく主な検討事項及び論点の資料、資料4といたしまして、新たに、これまでの御議論を踏まえた論点整理案をお配りしております。参考資料は前回と同じ内容です。また、浜田委員から、本日の議題(2)に関しまして、御意見をまとめてくださったペーパーを頂いておりますので、そちらにつきましては、別途、皆様にメールでお送りさせていただきました。御確認いただければと思います。
次に、資料1について、今回、追記した部分について簡単に御説明させていただきますので、御覧いただければと思います。下線の部分が今回追加した前回の会議で頂いた主な御意見になります。
1.高等学校における日本語指導の制度化の必要性等で、日本語指導の制度化の目的とそれによって期待される効果としまして、外国人生徒等を、日本社会でどのように育てていくかという視点が必要であるとか、日本語の力とともに母語の力も伸ばして、バイリンガル人材育成とつなげていく、日本人生徒と刺激し合うような教育を目指すこともできるのではないかという御意見を頂いたので、それを追記しています。
次の制度化に当たって配慮すべき事項についてですけれども、日本語の特別の指導を制度化するに当たっては、具体的な実践の指針がないと実質化は難しいので、今、文部科学省の委託事業で実施している学校の体制整備の手引と日本語指導のカリキュラム作成のガイドラインの開発と制度化の実際のスタートと歩調をそろえられるとよいのではないかという御意見がありました。
また、外国人生徒がお互いに励まし合ったり、交流したり、自身の母語や母文化の力を発表したりできるような取組があるといいということや、一般の授業の中でも、様々な背景を持つ生徒が交流しながら、多文化共生の考え方に基づく取組ができるということをこの検討会議のメッセージとして発信できないかという御意見もありました。
次に、2.高等学校における日本語指導の制度化の在り方ですけれども、教育課程上の位置づけに分類されるかと思う御意見の中では、専門高校では、必履修教科・科目に加えて、更に専門教科・科目もあるので、日本語指導の実施と高校の特色ある学びのバランスを図る必要があるのではないかという御意見を頂きました。
日本語指導の対象とする生徒についてというところでは、日本語指導の対象とすることの判断に際しては、日本語教育の専門家や、自治体に配置されているコーディネーターも関わるような仕組みが必要ではないかという御意見を頂いています。
指導の実施形態については、夜間定時制高校において日本語の指導を集中的に実施して、全日制高校の生徒がそこに通って指導を受けるようなことも考えられる。その際には、オンラインを活用した遠隔による指導も含めて実施できるのではないかという御意見を頂いています。
指導時間と単位数については、小中学校における「特別の教育課程」編成・実施については、年間10単位時間から280単位時間までが標準となっていますので、例えば、280単位時間を高等学校に単位数に当てはめて考えてみるというのが一つの目安になるのではないかという御意見もありました。
指導に当たる教員等については、生徒のことをよく理解している高等学校の教師が日本語指導を担当して、教科等の授業の理解にもつなげていくようなことを目指すべきではないかという御意見を頂いています。
次に3.高等学校における日本語指導の制度化に当たっての充実方策というところで、学校における体制整備に類する内容です。中学校で実施された「特別の教育課程」による指導を含む日本語指導の内容について、また、その生徒が高校でも指導を受ける場合には積極的に高等学校に指導内容などをつなぐ仕組みが重要ですし、教育委員会が主導して取り組むことが望ましいという御意見を頂いています。
また、教科の取り出し授業や、少人数、習熟度別で教科の授業を行うことが非常に重要で、ある程度のボリュームで実施する必要があるけれども、やはり、どうしても指導する教員の確保が課題になってくるという御意見がありました。
また、高校の教師だけで指導をやり切るということではなく、外部の様々な支援を学校に取り入れて、学校の教育力を高めることが重要であるという御意見も頂いています。
教師等の専門性の向上の観点については、外国人生徒の日本語能力は非常に様々ですが、どのような生徒であっても配慮は必要ですし、教員研修においては、一般の授業の中で取り組める配慮、漢字にルビを振るとか、分かりやすい言葉遣いのバリエーションを持つなどについても取り扱ってほしいという御意見を頂いています。
また、教員採用試験において、日本語教育の専門教育を受けた者に対して、加点を行うという取組を始めた自治体があるので、このような取組をほかの都道府県でも実施してほしいというメッセージを発信したいという御意見を頂いています。
また、高等学校教諭免許状を取得できる大学において、どの程度の内容を学ぶと日本語の指導ができるかということのモデルを示すことにより、大学における日本語指導も含めた教員養成の取組も進むのではないかという御意見を頂いています。
その他としまして、例えば、教科の取り出し授業をやっている高校でその指導を生徒が受けたり、大学などで日本語を学んだり、そういったことを弾力的に行うことができるような教育環境が望ましいということとか、ロールモデルとの交流など、キャリア教育の観点から貴重な機会となることを含めた日本語指導の取組を提言できればという御意見とか、また、外国で中学校まで卒業して、日本の高校を受験するために来日するような生徒に対して、日本語の指導を行うNPOなどに対する支援の取組があるとよいということとか、夜間中学と外国人生徒が多く在籍する高校が連携して、中高一貫のような取組を行うことも考えられるのではないかという御意見を頂いています。
資料1の追加の御意見につきましては、以上でございます。
また、本日の議事につきましては、文部科学省初等中等教育局教育課程課と参事官付から、高等学校における教育の基本的な考え方について御説明頂く予定です。
その後、高等学校における日本語指導の制度化の在り方と充実方策及び論点整理案につきまして御議論いただく予定としています。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日は、初等中等教育局参事官付の酒井参事官補佐、教育課程課教育課程企画室の新見専門官から、合わせて20分程度、説明を頂きたいと思います。その後、御説明内容に関する質問の時間を取らせていただきます。
それでは、説明をよろしくお願いします。
【酒井補佐】 失礼いたします。初等中等教育局の高等学校担当参事官付の酒井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、私からは、高等学校教育制度の大きな制度の外枠、制度の概要について、御説明を差し上げたいと思います。資料2-1を御用意賜ればと存じます。
高等学校教育につきましては、もう御案内のことかと思いますが、義務教育ではないものの、既に中学校を卒業した生徒の99%が進学をするというところで、かなり義務教育的な役割を担っている状態が今の状況かと考えております。
それにより、高等学校には、多様な入学動機であるとか進路規模、学習経験など、様々な生徒が在籍している、現時点でもそういった状況になってございます。
高等学校教育制度でございますが、資料2-1の1.目的・目標とございますが、目的につきましては、高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とするといったものが目的とされたところでございます。これは学校教育法第50条に定めがあるものでございます。
高等学校に入学する生徒でございますが、先ほど中学校卒業生の99%が入学していると申し上げましたが、入学資格そのものは、学校教育法第57条において、高等学校に入学することのできる者は、中学校もしくはこれに準ずる学校もしくは義務教育学校を卒業した者もしくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とされているところでございます。そして、文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者につきましては、アスタリスクにございますように、外国において、学校教育における9年の課程を修了した者や、在外教育施設を修了した者等々が定められているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。3.入学者選抜といたしまして、中学校から送付された調査書その他必要な資料、学力検査の成績等を資料として行う入学者の選抜に基づいて、校長が許可するといったところが学校教育法第59条に定めがあるところであります。
また、高等学校には課程がございます。4ポツでございますけれども、高等学校には全日制、定時制、通信制の課程を置くことができるといったところが学校教育法の中に定めがあるところでございます。全日制につきましては、通常の時間帯において授業を行う課程、定時制につきましては、夜間その他特別な時間、時期において授業を行う課程、通信制については、通信、いわゆるインターネットを利用する場合もございますし、従来、もともとは郵送をベースにしてございますが、そういった意味での通信による教育を行う課程という3つの課程が定められているところであります。
5.学科でございます。高等学校には学科というものがございます。いわゆる普通教育を主とする普通科、専門教育を主とする専門学科、いわゆる農業科とか工業科とか商業科でございますけれども、さらには、普通教育、専門教育を選択履修を旨とする総合学科、この3つの学科によって構成されているところでございます。
次のスライドをお願いします。高等学校の修業年限、6ポツでございますけれども、全日制の課程については3年、定時制の課程、通信制の課程は3年以上というところで、従来が4年とされておりましたので、定時制、通信制の場合、現在、多くは3年でございますが、4年の課程もあるというところでございます。
7.卒業に必要な単位数・教育課程につきましては、全学科共通で74単位以上で各学校が定めるというところでございます。後ほど、教育課程については、教育課程課から御説明差し上げたいと存じます。
8.教科書であります。文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならないと定められているところであります。
次のページをお願いします。なぜ、こういった制度がつくられているかというところでございますが、資料の1つ目の丸の中ほどにありますキーワードといたしましては、「共通性の確保」と「多様性への対応」といったものが、高等学校教育を取り巻くこれまでの制度に関する基本的な考え方となってございます。これは、全ての高校生が社会で生きていくために必要となる力を共通して身につけられる「共通性の確保」といったものが意識をされています。また、高校卒業資格が大学入学に向けての資格が付与されるという側面あり、「共通性の確保」が意識されています。
ただ、一方で、この資料にもございますけれども、高校生は既に多様な入学動機や進路希望、学習経験など様々な背景を持つ生徒が在籍しているところでございます。そのため、生徒一人一人の特性等に応じた多様な可能性を伸ばすための「多様性への対応」、この2つの側面を車の両輪として制度設計していくといったものが基本的な考え方に立っているところでございまして、今申し上げました、様々な制度につきましては、「共通性の確保」と「多様性への対応」の2つの車の両輪をどうバランスを取るかという考え方の下で設定されているといったところでございます。
私からの制度の概要につきましての説明は以上でございます。
【新見専門官】 続きまして、私から高等学校の学習指導要領について御説明させていただきたいと思います。初等中等教育局教育課程課の新見と申します。本日はよろしくお願いいたします。
まず初めに、高等学校における日本語指導については、第1回、第2回の会議においても、例えば、日本語指導を教育課程上どう位置付けるのかが課題、必履修教科・科目との関係で位置付けが難しい、あるいは、日本語指導が必要な生徒が少数であるので、学校設定教科・科目を開設できないといった御意見を頂いたと承知しております。
私からは、本日、高等学校の学習指導要領の範囲内においても、様々な柔軟な取組が可能であることについて御説明を差し上げたいと思います。
スライドの2ページ目をお願いいたします。まず、高等学校学習指導要領の概要についてでございます。先生方、御承知かと思いますが、学習指導要領というのは、全国的に一定の教育水準を確保するとともに、実質的な教育の機会均等を保障するため、国が学校教育法施行規則に基づき定めている大綱的な基準です。学校種ごとに、それぞれの教科等の目標とか最低限教えるべき教育内容を定めており、これまで、概ね10年に1回ごとに改訂されてきております。
続きまして、2つ目の丸で、高等学習指導要領(平成30年告示)のポイントでございますが、ここに挙げられている4つが大きなポイントでございまして、「社会に開かれた教育課程」、「資質・能力」の3つの柱、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善、そして、「カリキュラム・マネジメント」の充実が挙げられております。
高等学校学習指導要領は、令和4年度の入学生から順次、年次進行で実施されることになります。
次のページをお願いします。3ページ、4ページにお示ししているのが、高等学校学習指導要領の各教科に共通する教科・科目の構成と標準単位数です。赤の下線が今回の改訂で科目構成に大幅な見直しがあった科目です。丸がついているところが全ての生徒に履修させる必履修科目となっております。
続いて、5ページをお願いします。高等学校における単位認定について、まず、卒業までに修得を要する単位について御説明を差し上げます。スライドの真ん中にあるイメージ例を御覧いただければと思いますけれども、まず、青で示しているところが、教育課程の編成・実施状況調査において、全日制の高等学校の過半数以上が、学校として卒業までに履修させる単位数を85単位から94単位に設定しております。次に、緑で示しているところですけれども、こちらは先ほども御説明がありましたとおり、学習指導要領において卒業までに修得を要する単位は74単位となっております。次に、黄色のところですけれども、その中で必履修教・科科目の単位数を最も少なくなるように履修した場合は35単位となっております。
学校の実態として、青と緑で示しているとおり、学校において卒業までに履修させる単位数と、学習指導要領で卒業までに修得を要する単位数には、一定の差がございます。また、緑と黄色で示しているとおり、学習指導要領における卒業までに修得を要する単位数と、必履修教科・科目についても、必履修教科・科目を35単位以上履修していれば、卒業までに修得を要する単位数については、学校設定教科・科目を含めるなど、柔軟な取扱いが可能になっております。
スライドの6ページをお願いします。高等学校における単位認定について、学校設定教科・科目について御説明します。学校設定教科・科目とは、生徒や学校、地域の実態や学科の特色等に応じ、特色のある教育課程の編成に資するよう置くことができるものでして、名称、目標、内容、単位数等については、各学校において定めるものとされております。下に参考としてお示ししておりますが、日本語指導に関する教科を設定した例や、教科「国語」の中に日本語に関する科目を設定した例などがあると承知しております。
7ページ目をお願いします。続いて、増単・減単についてです。各学校においては、生徒の実態等を考慮し、特に必要がある場合には、学習指導要領で定められている標準単位数を超えて単位数を増加させて配当したり、単位数の一部を減じたりすることが可能となっております。参考のAコース、Bコースと書いてあるところを御覧ください。必履修科目である数学Iの標準単位数は3単位、選択科目である数学IIの標準単位数は4単位となっておりますが、例えばBコースにおいて、学校設定科目「基礎数学」というものを1単位設定して、数学Iを1単位増加させて4単位に、数学IIも1単位増加させて5単位とすることで、数学の内容の充実を図ることなども考えられます。
続いて、2つ目の丸の学校間連携による単位認定について、学校間の協議により、自校の生徒が他校において履修・修得した科目の単位数を、生徒が在学する高等学校が定めた卒業に必要な単位数に加えることができます。
また、3つ目の丸について、大学や高等専門学校、専修学校、大学の公開講座あるいは公民館などの社会教育施設が開設する講座などにおける学習を自校の科目の履修とみなして、単位の修得を認めることも可能となっております。
8ページ目をお願いします。ここからは、生徒の発達を支える指導の充実について御説明します。まず1つ目が、個に応じた指導の充実です。四角囲みで学習指導要領の記載を示しておりますが、こちらにありますとおり、生徒が学習内容を確実に身につけることができるように、生徒や学校の実態に応じて、例えば、個別学習やグループ学習、繰り返し学習、習熟の程度に応じた学習、興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動などを取り入れて、指導方法の工夫や指導体制の改善により、個に応じた指導の充実を図ることとされております。
具体的には、下の例のところで示しているとおり、例えば、習熟度別の学習集団を設けて、週のうち一定時間を習熟度別指導に当てたり、特定の単元のみを習熟度別指導を行ったりすること。そして、ティーム・ティーチングや他の学校との連携協力、専門性を有する先生の参画・協力や学校外の専門家の参画・協力を得ることなどが考えられます。
9ページ目をお願いします。続いて、学習の遅れがちな生徒に対する指導の充実についてです。こちらも四角囲みで学習指導要領の記載を抜粋しております。学習の遅れがちな生徒などについては、各教科・科目等の選択、その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い、生徒の実態に応じて、例えば、義務教育段階の学習の確実な定着を図るための指導を適宜取り入れるなど、指導内容や指導方法を工夫することとされております。
指導に当たっての考え方にもお示ししておりますが、そのため、学習内容の習熟の程度を的確に把握すること、そして、学習の遅れがちな原因がどこにあるのか、その傾向はどの教科・科目において著しいのかなど実態を十分に把握すること、そして、増加単位、各教科・科目の内容の選択などの方法を活用して、生徒の実態に応じて適切な指導をすることが考えられます。
次に、スライドの10ページお願いします。海外から帰国した生徒への指導の充実についてです。こちらも四角囲みのところに学習指導要領の抜粋を置いておりますが、青字で書いているとおり、いわゆる外国につながる生徒の多くは、異文化における生活経験等を通して、我が国の社会とは異なる言語や生活習慣、行動様式を身につけておりますが、その実態というのは、それぞれの言語的・文化的背景、年齢、就学形態や教育内容・方法、さらには家庭の教育方針などによって様々ですので、これらの生徒への指導を行うに当たっては、外国での生活や異文化に触れた経験や、これらを通じて身につけた見方や考え方、感情や情緒、外国語の能力などの特性を、本人の各教科等の学習に生かすことができるよう配慮することが求められております。
続いて、最後の11ページ目でございますが、こちら、先生方は十分御承知のことかと思いますが、日本語の習得に困難のある生徒に対する日本語指導についてです。こちらも四角囲みで学習指導要領を抜粋しておりますが、青字にございますとおり、生徒が日本語を用いて学校生活を営むとともに、学習に取り組むことができるよう、一人一人の日本語の能力を的確に把握しつつ各教科等や日本語の指導の目標を明確に示し、きめ細かな指導を行うことが重要とされております。
指導内容や指導方法の工夫の例として、第1回、第2回のヒアリング等でも御発表いただいた内容と重なりがあるかもしれませんが、例えば、学校生活に必要な基礎的な日本語の習得のための指導、各教科の指導と学習のために必要な日本語の習得のための指導の統合に加えて、学校や教師の理解、体制整備、学校外の協力を得ることなどが考えられると考えております。
以上で学習指導要領に関する御説明とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
それでは、10分ほどですけれども、質疑応答の時間とさせていただきます。今、高等学校の制度の概要と学習指導要領について御説明いただきましたけれども、ここまでで何か質問がある方は挙手ボタンをお願いします。いかがですか。
私どもは、これから制度設計をしていく上で、特に学習指導要領の枠組みの中で考えていく必要性もありますので、ここで確認しておくべきことは何かありますでしょうか、どうですか。
高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】 高橋です。よろしくお願いします。
学習指導要領の改訂等も含めて、御説明ありがとうございました。幾つか質問させていただきたいんですけれども、先ほどの中で、海外から帰国した生徒というカテゴリーと、日本語が困難であるというカテゴリーが分かれているんですが、この辺が全国的に混じり合ってきていて、海外から帰国した生徒の記述の中身を見ると、ほとんど、いわゆる外国つながりの生徒に関しても当てはまる内容で、支援者の全国的なネットワークの中では、今、そういう分け方というのは合わないのではないかと。むしろ日本語指導が必要だというところが、日本国籍の方も入ってきたりしている中で、海外帰国というカテゴリーで、いわゆる日本人学校を卒業した人たちが日本に来たときに、結局、日本語は習得していることが前提で、枠がなくて、苦労するケースが結構あるんですね。だから、そういうところで言うと、日本語指導が必要な生徒のところに、帰国生徒なのか、外国籍の生徒なのかというところを、もうちょっと柔軟に考えていかないと、そこで分けられて適切な指導を受けられない子が現れてきているという実態がありますので、是非御配慮いただきたいというのが1点ですね。その辺、どうお考えかと。
それから、いわゆる外国人学校、外国学校卒業生の高校入学資格のところ、最初のところで説明がありましたけれども、学校教育法施行規則第95条等の解釈で自治体の判断が非常に分かれているということがあって、高校で学習する、中学校を卒業したと同等な学力を学校長が認めるという項目があるんですけれども、それが認められない自治体があったり、基本的には認めるという自治体もあったりということで、子供たち、生徒の立場に立ったときに、そういった差があることが、将来、日本の公立高校で学んで、大学なり、社会に参加しようという道を閉ざしていることがあって、あの辺の解釈を文部科学省でももうちょっと明確に提示して、もう少し柔軟な受入れ、高校での外国学校、極端に言えば、海外の学校と中学校課程を卒業したら受験できるのに、日本の外国学校を卒業したら受験できないみたいな、そういう変な状況になっているという御指摘も各支援団体からあるので、是非、そこも検討していただければと思います。そこは日本語教育とはちょっと違いますけど、入り口のところですね。
以上2点について、お話しさせていただきました。
【佐藤座長】 ありがとうございました。前者については、新見専門官から、もしお答えがあればお願いできますか。
【新見専門官】 御質問ありがとうございます。まず1点目、御質問いただいたところは、海外から帰国した生徒と、日本語の習得に困難のある生徒の指導というところかと承知しておりますが、確かに先生がおっしゃっていただいておりますとおり、海外から帰国した生徒として想定している生徒さんというのは、日本人だけれども海外から帰国した生徒、そして外国人の生徒、あと、両親のいずれかが外国籍など、そういった方々を想定しておりますが、日本語指導の対象としているのは、これらのうち、日本語の習得に困難がある生徒ということで分けております。高橋委員から御指摘いただいたとおり、ここは海外から帰国した生徒、外国人の生徒であるかで、明確に分けられるものではないと考えておりますし、その両方が混在するということもあるかと思いますので、実際の指導に当たっては、その両者を双方考えながら適切な指導を行っていただきたいと考えております。
以上でございます。
【佐藤座長】 ありがとうございました。2点目については、酒井補佐からお願いできますか。
【酒井補佐】 失礼します。御指摘ありがとうございます。2点目の御指摘、大変重要な課題だと思ってございます。いわゆる外国人学校を卒業してからの高校入学に関しましては、そういった御指摘もありますので、自治体間によって、その差が出ないというのは大変重要ですので、私どもも、例えばお問合せ等を受けたときには、その点、お示しさせていただいているところでございます。
一方、難しい問題は、いわゆる日本人の中学生が就学義務を果たさない形でインターナショナルスクールに通っている場合もございます。私どもとしては、外国人学校等を卒業後、高等学校への進学を希望する外国人生徒等に対してきちんと対応できるような方策を今後も進めさせていただきたいと思っています。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
若干補足しますと、1点目は、高橋委員の御指摘のとおりです。ただ、日本人学校に通っている子供たちは4分の1程度で、残りの4分の3は現地校やインターナショナル・スクールです。しかも、最近、国際結婚家庭の子供や永住者の子供が多くなって、日本語が不自由な子供たちもかなり多いということですので共通性はあります。と同時に、家庭内言語は日本語であったりもしますので区分けは必要だと思います。
2点目については、2020年3月の有識者会議でも、日本における外国人学校の卒業生の高校の受験資格については検討する方向で提言しています。これは国からそういう通知などが出れば、是正されていくと思います。自治体間の差があるということですので、どう周知徹底していくのかという議論が必要です。この有識者会議で5年程度での実施を求めていますので、是非期待したいと思います。
ちょうどお約束の40分ですので、ヒアリングについては、ここまでとさせていただきます。新見専門官、酒井補佐、御説明、資料の御準備等、御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、続きまして、議題(2)高等学校における日本語指導の制度化の在り方と充実方策及び論点整理に移っていきます。
前回の第2回会議では、資料3、主な検討事項及び論点のうち、高等学校における日本語指導の制度化の必要性について議論いただきました。
本日は、皆さん、今、資料がお手元にありますでしょうか、資料3を御覧いただきたいんですけれども、2の高等学校における日本語指導の制度化に制度化の在り方と、3の高等学校における日本語指導の制度化に当たっての充実方策について御議論いただきたいと思います。
御議論いただくに当たって、事務局と相談して、議論が進みやすいように、これまでの意見を踏まえて、資料4として論点整理、これはあくまでも案ですが、準備しました。本日、これをたたき台にして議論いただければと思いますので、まず事務局から、資料の説明をお願いします。
【小林専門官】 それでは、資料4につきまして、説明させていただきたいと思います。資料4につきまして、座長と御相談させていただき、今まで御意見いただいた内容を踏まえた上で、論点整理案とさせていただきました。
柱立てなどにつきましては、資料3でお示ししている主な検討事項と論点の柱立てに沿ってつくっています。
まず、1.高等学校における日本語指導の制度化の必要性等、(1)といたしまして、高等学校における日本語指導が必要な制度を取り巻く課題と日本語指導の制度化の必要性・期待される効果についてということでまとめております。
先ほども御説明がありましたとおり、高等学校につきましては、中学校卒業後98.8%の生徒が進学していまして、社会で生きていくために必要となる力を共通して身につける初等中等教育最後の教育機関でありまして、その教育を通じて、一人一人の生徒の進路に応じた多様な可能性を伸ばし、その後の高等教育機関等への進学や、社会での活動へと接続されていくことが期待されています。
また、高等学校に在籍している日本語指導が必要な生徒につきましては、平成30年度の調査結果では4,000人を超えていまして、10年前に比べると2.7倍増という状況になっています。
一方で、日本国内の公立高校の入学者選抜につきましては、かつては、「学校教育を受けるに足る資質と能力を判定して行う」という、いわゆる「適格者主義」の考え方が取られていました。ただ、この考え方につきましては、高等学校への進学率が高まるにつれて変遷していまして、平成11年の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」におきましては、後期中等教育機関、いわゆる高等学校への進学希望者を、高校全体で受け入れられるような適切な受験機会の提供や条件整備に努める必要があるという提言が行われています。
こういった経緯を踏まえまして、外国籍の生徒の高等学校進学については、これは先生方、よく御存じだと思いますけれども、教育委員会や学校において、進路指導や多言語の進学ガイダンスなどの取組を通じて進学促進が進められています。また、一部の教育委員会におかれては、公立高等学校の入学者選抜において、外国人生徒特別定員枠を設置することや、外国人生徒の受験に際して様々な配慮を行っている例もありまして、今後、高校に進学する日本語指導が必要な生徒は、更に増加すると予想されています。
ただ、一方で、同じく平成30年度の文部科学省の調査によりますと、日本語指導が必要な高校生等については、中退率の高さや、就職したとしても非正規での就職率が高い、大学等への進学率が低いなどの課題が明らかになっているところです。
また、日本語指導が必要な生徒と一くくりに表現していますが、義務教育段階の教育課程を海外で修了した後に日本の高校を受験して、日本語はできないけれども、母語でしっかりと教育を受けてきていますので、母語を基礎とした年齢相応の言語能力は育成されている生徒がいたり、又は幼少期に来日したり、日本で生まれ育って、小中学校でも日本語指導などの支援は受けているんですけれども、いろいろな要因があって、学習に必要な日本語の能力がまだ身についていない生徒など、日本語能力の状態とか生育環境などの背景が多様な生徒が含まれています。高校においては、学習内容が中学校よりも高度かつ複雑になることから、日本語指導が必要な生徒が各教科等の授業に主体的に参画できるようになるためには、個々の生徒の状況や、日本語の能力に応じたきめ細かな指導が求められるとしています。
このような課題に対応するために、ヒアリングさせていただいた内容にもありましたけれども、日本語指導が必要な生徒が多く在籍する高校では、日本語の学習に関する学校設定教科・科目を置いたり、教科の指導に際して日本語能力や習熟等に応じた少人数での、いわゆる取り出し指導とか取り出し授業と言われているような取組を実施されたり、非常に丁寧な指導に取り組まれています。また、日本語のレベル別に複数の学校設定教科・科目を開設されている高校も存在しています。
日本語に関するものも含めて、学校設定教科・科目については、先ほどの新見専門官の御説明にもありましたけれども、学校で目標や内容をあらかじめ設定して、それに必要な単位数を配当するものでして、学校設定教科・科目の目標・内容については、その教科・科目を履修する全ての生徒に共通なものとなります。ただ、個々の生徒の日本語能力の状態や背景などが多様であることを踏まえますと、目標・内容が一律に定めてられている学校設定教科・科目だけでは対応が困難な場合も考えられると思います。実際にヒアリングでもお伺いしましたけれど、学校設定教科・科目を設置して指導されている高校では、学校設定教科・科目での日本語の指導に加えて、始業前とか放課後などに日本語の学習の機会を設けて、個別の指導に取り組んでいらっしゃる状況があると伺いしております。
こうした課題もある状況や、令和3年1月の中教審答申で、高校における外国人生徒への指導の充実を図るため、「特別の教育課程」の適用を含め、取り出し方式による日本語指導の方法や制度的な在り方について検討を進めるべきという提言が行われたこと、また、小中学校では、児童生徒の日本語の能力や学習・生活面の状況などの実態を把握して、児童の目標を定め、その目標と指導内容を明記した個別の指導計画を作成して、「特別の教育課程」を編成して日本語指導を行うことが可能となっていることなどを踏まえまして、高校においても同様の制度を導入することを検討すべきではないかとしています。
「特別の教育課程」編成・実施を可能とすることにより、生徒の日本語の能力や様々な状況を把握した上で、個別の指導目標を設定し、当該生徒の状況に応じた、きめ細かな日本語指導を授業時間の中で取り組むことが可能となると考えられます。また、日本語に関する学校設定教科・科目を設定して指導されている高校においては、学校設定教科・科目で設定された目標に照らして行われる授業と「特別の教育課程」を編成して行う個別の指導と、指導の対象になる生徒の日本語の能力や状況に応じて、高等学校で指導の在り方を選択することが可能となりますので、選択の幅が広がることになり、より生徒に適した日本語指導が高等学校で行われるようになるということが非常に期待されるところでございます。
また、この制度を導入した場合の考え方ですけれども、高校で日本語指導の必要な生徒に対して、きめ細かな日本語指導を実施することにより、ひいては中途退学の防止ですとか、卒業後の進路選択が充実されるなどが期待されるところだと考えられます。
また、日本語指導が必要な生徒を、複数の言語や文化、価値観の下に生まれ育った経験を生かして、グローバルな視点を持って社会で活躍してもらえるような人材に育成するということも期待されるところだと思います。
また、こちらについても委員から御意見を頂いておりますけれども、高校での「特別の教育課程」による日本語指導を制度化する際には、本年1月の中教審答申で提言されているように、外国人の子供たちが、将来にわたって我が国に居住し、共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に、関連施策の制度設計を行う必要があるのではないかということも記載しております。
また、制度化に際しては、日本語指導が必要な生徒が、自己肯定感を高め、将来のキャリア、職業、生活などに夢や希望を持って学習を続けられることを目指して、日本語指導をはじめとした、きめ細かな指導を実施することを目的と考えことが重要ではないかということも記載しております。
(2)制度化に当たって配慮すべき事項についてですが、高校で「特別の教育課程」編成・実施を制度化する際には、制度の十分な周知期間を設けるとともに、制度の施行までに、高校が日本語指導を実践する際の指針となる資料を提供することも必要であることや、また、別室で個別の指導を受けることになりますので、生徒が孤立化することがないよう、ほかの生徒とともに学ぶ環境づくりへの配慮、高校の様々な教育活動の中で、多文化共生の考え方に基づく取組や、日本語指導が必要な生徒が、自身が持っている母語の力などを積極的に発揮できる場を設けるような取組を促進することが望ましいということ、日本語指導が必要な生徒の背景、日本語・保母の力などは多様ではありますが、いずれの生徒に対しても、日本社会で生きるために必要な学びの指導・支援が行われることが重要であるということを記載しています。
次に、2.高等学校における日本語指導の制度化の在り方、実際に制度にする際に、こういった内容で検討してはどうかという案を作成させていただいています。まず、高等学校における「特別の教育課程」編成・実施を制度化する場合には、小中学校の「特別の教育課程」の制度と同様に、生徒の日本語の能力に応じた日本語指導を一定時間、別室等で実施することを基本とし、一方で、高等学校における教育の特徴というのもありますので、そういったものを踏まえた上で、制度化に当たっては、これらの考え方を尊重した内容とすべきであるとしております。
まず、(1)教育課程上の位置づけについては、小中学校における「特別の教育課程」の取扱いを踏まえた内容とするべきではないか。
その際に、必履修教科・科目等との関係を考慮しつつ、生徒の日本語能力を踏まえた適切な教育課程の編成が可能となるような配慮を行うべきであるとしていまして、下の四角囲みの中に、参考として、小中学校の制度のポイントとなるところを抜粋して下線を引いています。小中学校の場合については、学校教育法施行規則第56条の2において、日本語の特別の指導については、「特別の教育課程」によることができるとしていまして、文部科学省告示で、小中学校の教育課程に加え、又はその一部に替えることができるという制度になっています。こういった小中学校の制度を参考としつつ、検討してはいかがかという内容にさせていただいています。
次に、(2)日本語指導の対象とする生徒について、こちらについても、小中学校で実施されている日本語指導との継続の観点を考慮しますと、高等学校における「特別の教育課程」編成・実施の対象については、小中学校における対象者の考え方と同様にすべきではないかという案としています。
また、高等学校で「特別の教育課程」編成・実施の対象とすることが適当であるという旨を判断するに当たっては、日本語指導に関する知見を有する方が参加して、多面的な観点から判断することが望ましいと思いますし、その際に、例えばDLAでお示ししているJSL評価参照枠を活用して、判断の参考とするようなことも考えられるのではないかということで案とさせていただいています。
ちなみに、四角囲みの参考情報で、小中学校ではどうかということですけど、学校教育法施行規則第56条の2において、日本語に通じない児童のうち、当該児童の日本語を理解し、使用する能力に応じた特別の指導を行う必要がある児童生徒で、この条の規定により「特別の教育課程」による教育を行うことが適当な児童生徒を対象としています。小中学校ではこのような制度になっています。
また、小中学校の日本語指導の制度ができた際の施行通知においては、日本語指導の対象とすることが適当な児童生徒の判断は学校長の責任の下で行うこと、その際に、日本語指導を担当する教員をはじめとする複数人により、児童生徒の実態を多面的な観点から把握・測定した結果を参考とすることとすることが望ましいとしています。対象者については、こういった内容を参考にしながら検討するのが適切ではないかという案にしています。
次に、(3)指導の内容についてです。「特別の教育課程」を編成して実施する指導につきましては、小中学校と同様に、生徒が日本語を用いて学校生活を営むとともに、日本語を用いて行われる各教科等の学習に取り組むことができることを目的とする指導と定義することが適当ではないかという案にさせていただいています。
なお、中学校で「特別の教育課程」による日本語指導を受けた生徒が高校でも指導の対象となる場合については、中学校での指導内容などを踏まえた上で、高校で日本語の「特別の教育課程」編成を行うことが重要であると、これは御意見を頂いていましたので、そのようにさせていただいています。
小中学校はどうなのかというところですけれども、小中学校における日本語指導の「特別の教育課程」編成について定めている告示において、先ほど申し上げたような指導の目的が明記されています。同じく小中学校の制度化の際の施行通知においては、日本語の能力に応じた特別の指導を受ける児童生徒の日本語の能力を高める指導のみならず、当該児童生徒の日本語の能力に応じて行う各教科等の指導も含む、これはJSLカリキュラムで、日本語指導と教科のつなぎを意識した指導をすることを念頭に置いての記載だと思いますが、そういった内容が書かれています。また、施行通知において、その場合の各教科等の指導内容は、当該児童生徒の在籍する学年の教育課程に必ずしもとらわれることなく、当該児童生徒の学習到達度に応じた適切な内容とすることということもあり、学年にとらわれず、特別な指導の中では、児童生徒の実態に応じた指導を行うということが書かれています。
次に、(4)指導の実施形態について、「特別の教育課程」による日本語の指導につきましては、指導を受ける生徒の在籍校で行われることが原則ではありますが、指導者の確保が困難な場合、又は近隣の高校で日本語指導が必要な生徒が多く在籍していて、非常にきめ細かな日本語指導を実施されているということなどがあれば、ほかの高校に行って日本語の指導を受けて、それを在籍校の教育課程内で行われたものとみなす仕組みが必要ではないかとしています。
こちらについては、四角囲みの中に小中学校の例を参考として書いていますけれど、小中学校でも、他の小学校、中学校で受けた日本語の授業を生徒の在籍校で受けた「特別の教育課程」による授業とみなすことができるものとしています。
次に、(5)指導時間・単位数についてということで、小中学校における「特別の教育課程」では、日本語指導の授業時数については、年間10単位時間から280単位時間までを標準とすることとされています。高校について日本語指導を実施する際の指導時間や単位数ですけれども、小中学校での授業時数の標準を一つの目安として検討することが考えられるのではないかと案として書かせていただいています。
四角囲みの中も、小中学校の告示で定めている授業時数の標準の部分を抜粋しています。
次に、(6)指導計画の作成についてですが、小中学校においては、児童生徒の日本語の能力、生活や学習の状況などの様々な観点から多面的な実態把握を行って、その内容に基づいて指導の目標と指導内容を明記した個別の指導計画の作成に努めることとされています。
高校においても、生徒の日本語能力等の実態を踏まえた個別の指導計画を作成することが適当ではないかという案にさせていただいています。先ほどもありましたが、中学校で「特別の教育課程」による指導を受けていた生徒が、高校でも指導の対象になる場合については、中学校から高校に生徒の個別の指導計画が引き継がれるような仕組みを検討することが重要であるという案としています。
四角囲みの中は、小中学校の「特別の教育課程」の制度を実施した際の施行通知の抜粋です。多面的な把握に基づいて、指導計画を作成して学習の評価を行うこと、指導計画の様式は各地域の実情に応じて定めるものとし、指導計画とその実績は学校設置者に提出することということを当時の施行通知では書いていますので、こちらも参考情報として明記しています。
次に、(7)単位認定、学習の評価についてです。小中学校では、「特別の教育課程」の編成の実施については、日本語の能力や生活・学習の状況、学習への姿勢・態度などの多面的な観点について総合的に把握して、学習評価を実施することとされています。こちらも、高等学校においても同様に、学習の評価を実施して、その結果に基づいて単位を修得したことを認定する必要があるのではないかという案にしています。
また、日本語の能力の変容の把握とか、個別の指導計画の見直しなどについては、JSL評価参照枠や、現在、文化審議会国語分科会で検討が進められている「日本語教育の参照枠」というものがありますけれども、こういったものの活用を検討することも重要ではないかという案にさせていただいています。
こちらの四角囲みの中は、小中学校の「特別の教育課程」の場合の学習の評価ですけれど、施行通知において、先ほど申し上げたような内容が書かれています。
もう一つの参考としまして、高等学校における単位の修得の認定について、高等学校学習指導要領の記載を抜粋して書いています。指導要領では、学校においては、生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し、その成果が教科及び科目の目標から見て満足できると認められる場合には、その各教科・科目について履修した単位を習得したことを認定しなければならないとされていますので、ここで日本語の「特別の教育課程」を編成した場合にも、同様の考え方に基づくのではないかという案にさせていただいています。
次に、(8)全日制・定時制・通信制の課程ごとの制度設計の違いについてです。こちらについては、全日制・定時制・通信制のいずれも、調査によると、日本語指導が必要な生徒が在籍していますので、どちらの課程でも「特別の教育課程」を導入する際には同様の制度が必要ではないかという案にしています。
また、いずれの課程でも、きめ細かな日本語指導を実施することが重要であることには変わりはないですが、それぞれの課程の特色を生かした教育を行うことを考慮して、「特別の教育課程」を編成することが望ましいという案とさせていただいています。
次に、(9)指導に当たる教員等についてですが、「特別の教育課程」を編成して行う日本語指導については、対象の生徒に対して別室等で日本語の授業を実施するものです。このため、指導を担当するのは高校の教師が適切であるという案にさせていただいています。
また、2つ目の丸では、日本語指導を担当する教師については、生徒一人一人の実態を把握した上で、指導計画の作成、また、実際の日本語の指導が求められますので、日本語指導に関する知識や経験を有する教師を担当に充てることが望ましいということを書いていますし、また、日本語教育に関する専門知識や児童生徒に対する日本語指導の経験を有する外部人材の方がいらっしゃる場合は、そういった方を活用することも有効であり、こういった外部人材と日本語指導を担当する教師が連携して指導に当たるような体制を積極的に構築すべきであるという内容にさせていただいています。
小中学校についても、四角囲みの中で書いているとおり、考え方は同じでして、「特別の教育課程」による日本語指導の指導者については、教員免許を有する教師とし、必要に応じてその指導を補助する方として日本語指導補助者とか母語支援員を配置することと施行通知で明記しています。
最後の3.高等学校における日本語指導の制度化に当たっての充実方策ということで、学校の体制整備と教育委員会の役割と国の役割の3つにカテゴライズして記載しています。(1)学校の体制整備等についてでは、日本語指導や外国人生徒支援の担当を校務分掌に位置づけて、組織的な指導体制づくりに取り組むことや、管理職や日本語指導が必要な生徒の指導に携わる教師が中心となって、教育委員会やNPOなどとも連携して、学校全体で指導体制を構築することが望ましいということ、また、NPOなどから派遣される外部人材の方や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど、学校の教育に携わっていらっしゃる専門職の方との連携にも留意すべきであること、日本語指導の実施に加えて、放課後の学習会の機会の確保や、ロールモデルとの出会いや、多文化共生の考え方に基づく取組を進めるなど、包括的に支援することが重要であるということを書いております。
次に、(2)教育委員会の役割についてでは、NPOや国際交流協会などと連携して、コーディネーターとなるような人材の派遣とか、日本語指導の支援を行う人材の派遣などを推進する必要があるということとか、また、日本語指導が必要な生徒が中学校で受けた指導の内容について、高校に引継ぎをするという取組を促進することが重要であるので、適切な引継ぎ体制を構築するために、中学校の設置者である市区町村教育委員会と都道府県教育委員会が連携すべきではないかという内容を書いています。
また、高校で日本語指導に携わる教師の専門性の向上のために、現職教師を対象とした研修の充実、実施が必要ということと、都道府県教育委員会においては、教員採用の際に、日本語指導に関する知識を持っている方を積極的に採用するようなことも期待されるということを書いています。
最後の(3)国の役割についてですけれども、高校で「特別の教育課程」編成・実施を制度化した場合には、各高校での指導体制づくりとか、日本語指導の授業づくりの取組が進むように、「高等学校における日本語指導体制整備事業」により指導資料を作成していますけれども、こういったものを作成して、教育委員会、学校に提供することが必要であるということを書いています。
また、高校での日本語指導体制整備や包括的な支援に取り組む教育委員会の支援ということで、補助事業「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」の活用を促進すべきであるということや、研修の充実のために、独立行政法人教職員支援機構が実施している研修や、文部科学省が派遣している「外国人児童生徒等教育アドバイザー」の活用促進なども必要であると書いております。
そのほかに、高等学校教諭免許状を取得できる課程を置く大学に対しまして、文部科学省の開発したモデルプログラムの提供や、アドバイザー派遣の活用を促すことなども非常に重要かと思いますので、こういった内容を書いています。また、先ほども御発言がありましたが、令和2年3月に取りまとめていただいた外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議の報告書において、日本語教師の学校での活用について提言が行われていますので、これについても検討を進める必要があるという内容を書いております。
以上でございます。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
今の事務局の説明も踏まえて、これから議論に移っていきます。
まず、2番目の高等学校における日本語指導の制度化の在り方、3ページから7ページにかけて、ここで中心にすべき議論ですので、委員の方々から御意見を頂きたいと思います。どなたからでも結構ですので、お願いします。
まず、高橋委員が挙手されていますので、では、高橋委員からお願いします。
【高橋委員】 浜田委員の意見の中にもあったんですけれども、「特別の教育課程」を高校で実施するという、すごく論点をまとめていただいて、非常に重要な観点で書いていただいているということで感謝したいと思うんですけれども、一方で、やっぱり高校独自の学校設定科目としての日本語とか、今ある日本語との関わりのところを、両輪というか、生徒に対して柔軟に対応するようなことをしっかり記述しないと、「特別の教育課程」がないと日本語指導ができないみたいな勘違いというか錯覚になったり、「特別の教育課程」がないと高校を受けられないのではないかということで、逆にブレーキがかかる可能性があって、予算的なものも含めてですけど、高校の中で「特別の教育課程」をやるとしたら、高校が取り組むように、何かうまい推進力がないと、実際、これは難しいねという話になって、人の問題とか予算の問題とかで、そういう子は高校では受けられないのではないかと、高校のそういった特性があるので、そういうことになりかねないのではないかという気がするんですね。ですから、もうちょっと柔軟に、今ある日本語の仕組みももっと取り入れながら、それから推進力となるような予算措置とか、それから、三重県の方に報告していただいたスーパーバイザー、やっぱり母語サポーターという仕組みも結構必要だと思うんですけど、そういった人的なところも国として積極的にやるよという流れがないと、高校段階ではなかなか難しいのでないかという気がするんですね。実際、そういう御意見も頂いているので、実際の推進力を伴うような大きな改革をしていかないと転機が生まれないのではないかなという気がするんですね。逆に言うと、そういう大きな流れをつくると、小中学校での先生方の意識も変わっていくと思います。神奈川でも、来年度の高校入試で、特別枠が3年から6年になったんですね。その影響でどうかといったら、小学校の先生方が、外国につながる子供たちの教育について、この制度をどう活用するかとか、将来どうするかとか、高校ってどういう支援体制があるんだろうかと、すごい関心を持っていらっしゃって、この間、県主催の小中学校国際教育担当者会議では、すごい質問が出たんですね。だから、そういう推進力になり得るような高校での取組が、是非必要ではないかなという気がします。意見も含めてですけど、よろしくお願いします。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
まずは皆さんの御意見を伺いたいと思いますので、ほかにいかがですか。
オチャンテ委員、どうぞ。
【オチャンテ委員】 桃山学院大学のオチャンテです。
私も高橋委員と同じ意見でありますが、まず、高校の様々な特色があることで、定時制で行われている事例と、様々な学科のある総合学科とかがあって、恐らく、既にいろいろな取組がされている高校があると思うんです。そういったモデル学校を具体的に示すことによって、これから日本語の授業をしなければならないと思っている高校の参考になるような、例えば、定時制ではこういうやり方をしているということを総合学科に紹介していても、行われている授業は全く異なるので実施するのは難しいと思います。具体的に同じような特色のある学科ではこういう日本語の取組がされている、既に各県ではそういった高校が増えてきて、三重県でもそうですし、今までヒアリングでも聞くことができたので、具体的な例を幾つか挙げていくのも、実際、これからしようと思っている方たちにとっては参考になるのではないかなと思いました。あともう一つ、先ほどの高等学校の学習指導要領にちょっと関係するんですけど、学習の遅れがちな生徒に対する指導の充実と書いてあったんですが、それも、外国籍の子供たちに当てはまる点ではあります。小中学校で日本語の指導を受ける機会が増えてきているが、日本語が分からないため、 学習の遅れが生じても、何とか一般入試で高校に入学することができた生徒たちが多いと思うんです。ですので、そういう子供たちにも、日本語の勉強、日本語の授業をしながら、学習面も併せて同時に見るような取組も必要になってくるのではないかなと思いました。もちろん、JSLカリキュラムを生かしていくのかということも検討しなければならないんですけど、学習内容の確実な定着を図るための指導も併せて考えていかなければならない。それこそ、学習についていくために、中途退学防止の一つにもつながるのではないかなと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。ほかにいかがですか。
では、角田委員、お願いします。
【角田委員】 1つは、義務制における「特別の教育課程」の評価がどうなっているのかというのが気になります。高校に「特別の教育課程」が導入されたときに、果たして、どの程度これが実現できるのかというのが気になります。小中学校の「特別の教育課程」の実施状況に関わるこれまでの評価というものを伺いたいです。とくに高等学校においては、教育委員会と学校の管理職の役割がとても大きいのですけれども、自治体や学校による取り組みの温度差をどのように解消するのか、この意味で「特別の教育課程」を実施するにあたり、日本語指導に必要な生徒に対して学校が生徒を取り残すことなく把握し、目標を立て、取り組むことができているのか、その成果はどうであったのかという意味で、学校評価という項目が今回のこの提案の中に含まれるとよいと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
まずは意見をお伺いして、その後、少し議論をしていきたいと思いますが、ほかにいかがでしょうか。
額田委員、お願いします。
【額田委員】 結構よく書き込まれているという印象を受けました。ここに書かれているような内容であれば、この間、ヒアリングで私が学校の取組についてお話をしましたけれども、それは大体これで網羅できると感じます。ただし、来年入ってくる生徒たちからまた教育課程が変わるのですけれども、問題は、ここにも書かれていますけれども、必履修科目をきちんと履修しないと高校というのは卒業できませんので、特に入学年度に実施する国語の授業、今は国語総合ですけれども、来年からは現代の国語ということになると思いますが、ここの部分、この「特別の教育課程」をどう統合できるかというところが、実際に教育課程を組んでいくときには一番必要な視点かなと感じています。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。とても大事な視点を提案していただきました。
ほかに。山本委員いかがでしょうか、お願いします。
【山本委員】 ありがとうございます。私も、この制度自体はとてもよいと思うし、外国人の生徒にとって有益であると思うんですけれども、例えば、内容を学校の特色に任せるとか、教育委員会で決めるとかということになると、不公平感とか、そういうものはあると思うので、また、逆に余り決めてしまうと運用がしにくくなるという面もあるとは思うんですけれども、第1回のときに評価についての課題が出たときにも、「特別の教育課程」によらない生徒と、例えば、高校であると、同じように指定校推薦を受けたり、就職とかをしていくということを考えると、絶対評価とはいうものの、余りに評価の仕方が違ったりすると、どちらの生徒にとっても不利益があったりする場合もあると思うし、ある程度、運用のルールとかが決まっている方が、特に最初は学校はやりやすいのかなと思っておりました。
【佐藤座長】 ありがとうございました。
今、一通りお伺いしましたけれども、高橋委員から、学校の設定科目と「特別の教育課程」との関連を明らかにする必要があるのではないかという意見がありました。今日、学習指導要領の説明の中にも、学校設定科目の話と、それから、標準単位数を超えて単位数を増加して配当したり、単位数の一部を減じたりすることが可能ということで、Aコース、Bコースという事例も挙げていただきました。これをどう明示するのか、あるいは大枠だけを示して学校裁量に任せるのか。ただ、今、山本委員がおっしゃったように、それだとばらばらになるのではないかという懸念もあります。制度設計の難しさということにも関わってくるんですが、これが1点ですね。
それから、推進力になる何かが必要なのではないか、これはもっともな話です。小中の場合は、できる規定にして、できるところから始めました。体制整備ができていなかっためです。高等学校の制度設計では、この推進力をどうするか、特にどのように予算措置をするのかというようなことについて問題提起していただきました。
それから、義務教育段階における評価についてどういう形でやられているかという、「特別の教育課程」全体の評価と、実際の「特別の教育課程」の実践における評価の問題、それと学校評価という、この3つのレベルがあると思うんですけれども、角田委員がおっしゃったのは、まず、義務教育全体でこれがどの程度やられているかという評価の問題でしょうか。
【角田委員】 はい、そうです。
【佐藤座長】 これは、事務局、小林さん、いかがですか。
これまでの調査では、「特別の教育課程」が実施されているのは外国籍と日本籍違いますけれども、4割ぐらいはやられていないという結果が出ていますよね。
【小林専門官】 「特別の教育課程」につきましては、日本語指導が必要とされている児童生徒のうち、実施状況は平成30年度で6割程度です。日本語指導が必要とされていても、「特別の教育課程」編成までは要らないという場合もあるかもしれませんし、又は予算的な面とか、指導者の確保とか、そういった面で、やりたくてもどうしてもできていないというところももちろんあるかもしれませんので、実施していない部分には、その2つの面が含まれるのかと思っています。
義務教育段階での「特別の教育課程」による日本語指導の評価ですけれども、評価自体をどうやっているのかという御質問でよろしいですか、角田先生。
【角田委員】 はい。
【小林専門官】 その点は、DLAもお示ししていて、DLAに基づく4技能の評価をした上で、日本語指導を受けていて、どのように日本語能力が変容してきたのかというのを折々に確認していただいて、必要であれば、個別の指導計画も見直すということを示しています。ただ、日本語能力の把握とか評価に関しては、もちろんDLA以外にも、いろいろな日本語能力の評価方法もつくられていますし、自治体によっては独自のものを作成されていたり、これはもちろんDLAを必ず使うということではありませんので、学校現場でいろいろ活用されているのかなとは思っているところです。
また、指導した内容や評価結果なども踏まえて、指導要録にその内容をきちんと明記してくださいということもおしめししていますので、小中学校で、日本語の「特別の教育課程」を編成して行われた指導内容等については、指導要録の中に記載されているものと理解しています。
学校評価については、今まで余り議論になっていなかったのかと思っていまして、もちろん、日本語指導が必要な児童生徒が非常に多い地域とか学校については、学校評価の中で、どのような指導体制を実施されているかとか、そういったところも重要な観点にはなってきているのかなと思うのですけれども、日本語指導と絡めての議論というのは、今まで余り明確に行ってはきていない状況です。
【角田委員】 分かりました。
【佐藤座長】 よろしいですか、角田委員。
ただ、評価については非常に大事な話ですので、この論点の中にどういう形で入れるかを検討していければと思います。浜田委員から、「特別の教育課程」の実施の対象の判断に現行のDLAを使うことは難しい、現行の測定ツールは高校生相当の例には対応していない。DLA評価参照枠は測定ツールと一体のものとして開発されており、評価参照枠を記すなら、高校生の測定ツールを開発する必要があるのではないかというお話を頂いています。DLAをここに入れ込んだ理由がありまして、中学との連携が必要だという議論になりました。そのときに、中学生に関して、DLAは基本的にはこれからの指導のために生徒の実態を評価するかということです。そこでこのDLAというのはあってもいいのではないかということになりました。問題は、高校生の評価ツールは現状ではないわけです。しかも、現行の様々な日本語教育の評価ツール、評価参照枠はかけ離れ過ぎているので、これをどうするかという浜田委員の問題提起、とても大事だと思います。必要だということは提案できますけれども、この会議では課題が重過ぎます。ただ、この評価ツールはとても大事だと思いますので、様々な高等学校で実施しているという話が山本委員や額田委員からもありました。これをどういう形で示すかについては、議論をする必要があるかもしれません。額田委員、評価ツールに関して何かありますか。
【額田委員】 評価ツールという、実際に入学のときにプレスメントテストというのを行うのですが、高橋委員のところでつくられているものを使っている学校が多いのですけれども、うちらは今、独自のものを使っています。ある程度ノウハウができてくれば、この評価というのはできると考えています。ですから、そのモデルを幾つか示していくということがいいのではないかと思います。
【佐藤座長】 分かりました。ありがとうございます。
そのほかに、オチャンテ委員からも、学校設定科目と「特別の教育課程」との関連ということがありましたので、ここについては、今回の提案をより具体化する必要があるかなという感じがしました。
山本委員から出ました教育委員会や学校に余りにも任せ過ぎると、ばらつきがあるのではないかという話もありましたので、この辺をどうバランスを取っていくかという難しさがあります。
今、一通り伺いましたけど、そのほか、何かございますか。
額田委員と山本委員からは、今回の素案は制度設計としては、ほぼよろしいのではないかという話がありました。ただ、額田委員からあった必履修科目との関連をどうするかということは大事な論点ですね。学習指導要領の解説にもありましたが、必履修科目は必ず取られなければいけないとなると、国語、新しく現代国語と日本語設定科目をどう組み合わせていくのか。最初に280時間という時間数を設定して、その上で必履修科目というのを履修させていくのかというような感じになるのかもしれません。とにかく必履修科目というのは必ず履修しなければいけない話ですので、この辺のところをどのようにしていくか、運用上でいくのか、それとも制度設計として最初から検討すべきことなのか、皆さんの意見はどうでしょうか、まず、額田委員、それはどうでしょうかね。
【額田委員】 例えば、現代の国語というのは来年からの国語の必履修になるのですけれども、日本語指導が必要な生徒たちにとって、現代の国語をそのままやるというのは、非常に厳しいのですね。だから、必履修ではあるのですけれども、例えば、現代の国語に代えて「特別の教育課程」の科目を実施して、それを現代の国語に代えることができる、必履修の、そういう規定があれば、すごく楽に運用できるのではないかと思います。
【佐藤座長】 もっともな話ですが、これは制度上の問題ですので、新見さんから、もし可能であれば、こういう理由あるいは事例があるのかどうか教えていただければと思います。つまり、必履修科目について例えば大学では読替え、つまり単位の読替えをやるわけです。単位を読み替えることによってそれを履修したことにするという、カリキュラム改訂を行うときに大学では頻繁にやるわけですけれども、高等学校でそういう事例があるのかどうか、お分かりの範囲で結構ですので教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
【新見専門官】 今、額田委員から御指摘いただいた件について、まず、高等学校では必履修教科を履修して、加えて、卒業に必要な単位数というのを修得して初めて卒業が認定されるというものなので、現行制度上においては、そういった読替えというのは難しいと思うんですけれども、それは今後の制度設計になるかとは思います。
補足的な話ですけれども、例えば、来年度から順次実施される新しい学習指導要領では、国語については、現代の国語と言語文化が必履修科目になっております。先ほど入学年次にやっていただいているとお伺いして、恐らく大学受験等との関係上、入学年次にやっていないと、その後の科目の履修は難しいということはあるかと思うんですけれども、必ずしも必履修教科・科目というのを入学年次でやる必要というのはなく、例えば、先ほど数学の例でもお示ししましたが、1年次、2年次で義務教育段階の復習的なものをしっかりとやって、数学Iを履修できるような基礎的な力を身につけた後に、数学Iを例えば3年次で履修するといったことも考えられます。数学の必履修科目はそれで満たしていることになるので、それ以上数学の科目を履修しなくても卒業ということも可能ですので、なかなか受験を考えると難しいところも運用としてあるのかと思いますけれども、制度上はそういったことも可能となっておりますので、御承知おきいただければと思います。
【佐藤座長】 ありがとうございました。大変参考になる意見でした。読替えは、現行の枠では難しいけれども、履修モデルをうまくつくっていけば、最初に「特別の教育課程」あるいは学校設定科目の日本語、その上で必履修科目を履修していくということは可能だということだったと思いますので、そんな理解でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。そうした制度設計は可能だということですので、これは現行の枠の中でも可能だということですので、そういう形で対応できるかなと思いました。
そのほか、いかがですか。単位数の話もありますよね。この辺のところ、いかがですかね。具体的に、また次回も皆さんの御意見を伺いますけれども、取りあえず、この2のところで、もう少し検討した方がよろしいのではないかということを具体的に提案していただければと思うんですけど、いかがでしょうか。
山本委員、お願いします。
【山本委員】 教育課程の制度設計のところですが、現行でも何年生にどの科目を置くこともできるというのはあるとは思うんですが、例えば、学校全体でこの「特別の教育課程」を平等にどの子にもするのであればそういうことはできると思うんですが、取り出してする場合には、やっぱり、ほかの生徒の教育課程があるので、現実的には、適用というのはかなり難しいと私は思いましたので、可能であれば、柔軟に読み替えることとか、どの程度までできるのかという検討が必要ではないかと思います。
あと、「特別の教育課程」で日本語を指導する場合に、今もある課題ですが、指導者が、本とかをこれから入手して指導しているような状況で、私が以前勤めていた学校でも、国語の代わりに一部日本語の指導をしてということをやっていましたが、私は外国語の指導主事で、問題集とか指導書とかを見ていると、内容としては、どちらかというと英語に近いようなことを教えているようなイメージを持っていて、指導の方法とか、何を扱って単位とするのかというところが、非常に担当者によるようなことになっているのが問題、難しさとしてあると思うのと、例えば英語である課題だと、文法とか、今後教えていくのか、それとも4技能とかをやっていくのかというような議論がありますが、日本語の指導ではどうなのかというようなことをずっと考えているようなことがありまして、そこら辺も何を扱うかという指針を示す必要があるかなと思っております。
【佐藤座長】 ありがとうございました。要するに、現行の枠の中でやっていると、個別性が高いのでかなり難しいという指摘ですね。現実的には読替えができるような制度設計を検討すべきではないかという御指摘だと思います。
それからもう一つは、具体的に何をやるか、指針について明確にする必要があるのではないかということだったと思います。
高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】 今の山本委員の御意見にちょっと近いところがあるんですけど、やはりこれからの案としては、すごくすばらしい案ができていると思うんですけれども、現実に日本語指導の担当になった教員の立場で考えると、これまでの自分の経験を踏まえてやっていくとか、外部人材を活用してやっていくという先生もいらっしゃると思いますが、やっぱり、どうしても教員の立場からすると、日本語指導を自分のやり方なり、そういうので大丈夫なのかなとか、これでいいのかとか、どういうやり方していいのかとか、特に高校って小中とは全然違って、高校段階での日本語教育って、将来を見据えた日本語とか、教科につながるような日本語とか、あとは母語も活用するようなところとの日本語とか、将来のキャリアの部分、特にキャリアを考えるための自己理解とか自己表現とか、様々、そういう要素が入ってくる日本語を3年間でどう身につけていくかというところが、多分、これからカリキュラムで、大学とかの研究で出てくるとは思うんですけど、そこを実際、現場の人がぱっともらって、すぐ実践できるかというと、なかなか難しいので、やっぱり推進力になるような、スーパーバイザー的な方が、それこそ都道府県に何人かずつ、1人とか2人とかいて、各学校に日本語の教育の在り方をどう進めたらいいかというアドバイスをするような仕組みをつくっていかないと、どうしても高校任せになってしまったり、そこのところに何か予算の措置ができないかとは思うんですね。補助事業でも何でも、スーパーバイザー的な日本語教育を、高校の場合、特にしっかり浸透させるためには、そういう仕組みが必要なのではないかなという気がするんです。でないと、いきなり教員が日本語やりなさいと言われても、多分、高校の免許は持っているけどできないみたいな、もちろん日本語というこれからの教科のところで、何年かたてばかなり改善していく部分はあるかと思うんですけど、今の段階では、これが実際うまく運用するためには、そこを補うのが必要ではないかなと思います。
以上です。
【佐藤座長】 今、高橋委員の指摘は、3番の高等学校における日本語指導の制度化に当たっての充実方策にも関わってきますので、1番と3番も含めて何か御意見があればお願いします。高橋委員のお話を伺いながら、8ページ目に載っている「外国人児童生徒等教育アドバイザー」がもう少しきめ細かく高等学校で活用できれば、現行の枠の中でできるかなと思いました。この辺のところを詳しく書き込むか、あるいは各都道府県に1人ないし2人ぐらいのアドバイザーを配置していくようなことも考えられるかもしれません。高橋委員の御指摘を伺いながら、8ページ目に記載されているようなところと関連付けて提案できるのではないかというようにも思いました。そのほかいかがでしょうか。1番、3番も両方合わせて結構ですので、ここ、一番少ないので、お願いできますか。
額田委員、お願いします。
【額田委員】 制度設計自体はこのような形でいいのですけれども、要するに、これはできる規定ですよね。やるかやらないかというのは、各教育委員会とか各学校が担うということになるのですけれども、制度設計をして、制度として普及させるために、やはり、各県に何校かずつモデル校のようなものを指定して、実際にこうやるんだよというものを見せていかないと、なかなか普及はしていかないと思います。
以上です。
【佐藤座長】 とても大事な指摘ですね。制度をつくってつくりっ放しというよりは、これをどう運用して周知するかというときに、アドバイザーであったり、それから、特定の学校、先進校のようなものも含めて、モデル事業として、浸透を図っていくという御提案を頂きましたけれども、ごもっともだと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがですか、1番、3番、背景も含めて、浜田委員から、1番目のところについては、今日、学校設定科目と、それから「特別の教育課程」の編成ですから、これの関連をどうするかという議論で、もっともな御指摘だと思いますので、今回の議論も踏まえながら検討していく必要性があるということと、教育委員会の役割として、文化庁で日本語教育の生活ではコーディネーターが設置されることになっているけれども、そことのすみ分けといいますか、役割の明確化をする必要があるのではないかという御提案を頂いています。そのほか、いかがですか。1番と3番を含めて何かあれば、どうでしょうか。
1番については、背景についてかなり詳しく書き込んでいただきまして、そして、これが制度化すると一体どういう効果があるのかということと、それから、制度化に当たっての配慮すべき事項ということに分けて記載されています。
3番については、学校の体制整備と教育委員会と国の役割について記載されています。皆さんの御意見を踏まえて書いてあります。モデル事業やアドバイザーの話もありましたけれども、ほかに何かありますでしょうか。
オチャンテ委員、どうぞ。
【オチャンテ委員】 すみません、直接つながっている話であるかどうか分からないんですけど、結構、現場にいる高校の先生から、日本語教師の資格は持っているけれど、今の高校では全くそれが生かされていないとか、外国とかによく行ったり、多文化共生とか異文化を理解している先生方とか、日本語教師の資格を持っている方たちの専門性を生かしながら、子供たちがそれによって様々ないい教育を得られると思うので、先生の配置校とか、どうしても転校して変わっていくと、それまでになされていたような活動がなくなったりするようなことをよく聞くんですね。高校も同じようなことがあると思うんですけど、そういった先生方が持っている資質、能力を生かせるようなことはできないのかなと、いつも思っているんです。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございました。そうですよね、小中学校などの場合には、日本語指導をしばらくすると、すぐに異動してしまう。そうすると、また一から新しい先生が担当しなければいけないので、いつまでたっても日本語指導が課題になってしまうということがあります。これは高等学校でも同じようなことがあるんでしょうね。比較的、高等学校の在職年数は長いかもしれませんけれども、小中と同じ状況ではないかと思います。そうすると、専門性を生かした人事配置をどうするかということになります。教育委員会にそういった専門性を生かすような人事配置をお願いするということは多分可能だと思いますけれども、なかなか専門性が担保できないということは、オチャンテ委員のおっしゃるとおりだと思っています。
もう一つ、8ページの最後のところに記載されていますが、いわゆる教員免許を持っていないが、日本語教師の資格を持っている人の登用です。今、国家資格化の議論が進んでいますが、日本語教師の学校への登用について、もう少し議論が深まってもいいかなという感じはしています。教科に関しては特別免許状は付与できるかもしれませんけれども、日本語が可能なのかどうかというところは少し議論があるかもしれません。そうした議論も必要かもしれませんね。オチャンテ委員のお話を少しどこかに入れられればいいかなと思いました。
ほか、いかがでしょうか。
残り僅かになってきましたけど、この際ですから、皆さんの意見がここに反映されていきますので、何かあれば。
どうでしょうか。あるいは言い足りないということがあれば。
では、高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】 今、佐藤座長からお話があった特別教師の免許状ですけれども、神奈川では実際に、学校長の判断というか、日本語教師を特別非常勤講師という形で採用しているケースはありますので、高校の場合、多分、学校長判断が大きいのではないかなと思うんですね。そこをもうちょっと積極的に取り入れるような形を、どうも学校によってそこが、神奈川県でも、いわゆる教員免許を持っていないと駄目だという学校と、日本語教師を特別非常勤講師として認めるみたいなところが二分されているような感じもあるので、そこはもっと積極的に活用してくださいというようなところがあってもいいかなという気がするんですけれども、額田委員にも、是非、その辺の考え方をお聞きしたいんですけど。
【佐藤座長】 では、額田委員、いかがでしょうか。
【額田委員】 本校で日本語を教えている非常勤講師ですけれども、神奈川県には特別非常勤という制度があります。つまり、各教科・科目に当たらない授業をやるとき、その分野の技能に秀でたものがあるということをもって、校長が教育委員会に申請を上げてというような制度です。本校は総合学科で、例えば農業なんかもやっていますので、農業の教員なども特別非常勤という形でお願いするということもあります。
【佐藤座長】 非常勤の場合には、全国各地でやられていると思いますけれども、特別免許状を与えた特別講師となると、まだ、実態はどうなのかというのは私自身も把握しておりません。特別非常勤講師でもいいですけれども、更に特別免許状を与えて講師として勤務するということが可能になるような仕掛けも必要かなと思います。学校現場を見ますと、余りにも多忙ですので、チーム学校という観点からいっても、こうした新しい人材も視野に入れつつ、制度設計していく必要があるかなという感じはしています。そんな意味で、8ページの最後のところは、少し議論が深まってもいいかなと感じています。
ほか、いかがでしょうか。
あともうお一人ぐらいは、お話を伺うことができます。
オチャンテ委員、どうぞ。
【オチャンテ委員】 日本語教育と少し離れるかもしれないんですけど、やはり、中途退学防止にも関係すると思うんですが、保護者との関係性というのは、やっぱり小中学校では、今まで見るとうまく連携されている部分はあるんですけど、高校になってくると、多くの子供たちは一般入試で受けていて、ある程度、日本語はできるようにはなってきているけれど、そういった必要性、通訳を取り入れることの必要性はないかなと思ってしまうような事例を見ているんです。しかし、問題があって退学とかになってしまうときに、保護者との関係をうまく築いていないから、いろいろな問題が発生すると思うんです。ですので、保護者との関係を保つためにも、やはり、間にも通訳の方とか、母語のサポーターの方とかの力も必要になってくるのではないかなと思うので、そういった必要性があるということもあわせて、どこかで取り入れることが可能であれば、取り入れていただきたいなと思いました。
以上です。
【佐藤座長】 ありがとうございます。
そうですよね、大学進学とか就職に当たっての保護者の意向というのは、高校生ではまだ強いと思いますので、保護者との関連について、運用上の話なのか、教育委員会、学校の体制整備のところなのか分かりませんけれども、是非、検討していければと思いました。
それでは、限られた時間でしたけれども、本日の議論は、ここまでにしたいと思います。皆さん、お読みになって御意見がありましたら、会議終了後、メール等で事務局にお寄せいただければと思います。いつまでなのかというのは、これから事務局からお話しいただきたいと思います。
それでは、これで第3回の会議を終えたいと思います。次回は、今日の議論を踏まえて、再度、事務局と相談して、取りまとめに向けた素案をお示しできればと思います。
それでは時間になりましたので、最後に事務局より、連絡事項があればお願いしたいと思います。
【小林専門官】 それでは、事務局から御連絡いたします。
次回の開催日時につきましては、資料5でお示ししていますとおり、8月30日月曜日の13時から15時を予定しております。また、今回と同じくオンラインで開催させていただく予定です。メール等で更に御意見をいただける場合は、8月23日月曜日まで、開催の1週間前までにいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【佐藤座長】 ありがとうございました。今日は、酒井補佐、新見専門官、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
それでは、今日の会議はここまでにして、閉会させていただきます。どうもありがとうございました。また、次回、よろしくお願いします。

―― 了 ――

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