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義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議(第2回)議事概要

1.日時

令和2年11月24日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館13階 13F2・3会議室

3.議題

  1. 令和2年度 義務教育9年間を見通した指導体制に関する調査研究について
  2. 義務教育9年間を見通した指導体制の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

喜名委員、齊藤委員、貞広委員(Web参加)、鈴木委員(Web参加)、高木委員、村田委員(Web参加)

文部科学省

蝦名大臣官房審議官(初等中等教育局担当)、森友財務課課長、南野初等中等教育局企画官、能見財務課課長補佐、田島教育課程課課長補佐、松岡教育制度改革室室長補佐、松下財務課教職員配置計画専門官、丹羽教育人材政策課専門官

5.議事要旨

1. 開会
【髙木座長】

  •  定刻になりましたので、ただいまから第2回義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議を開催させていただきます。本日はお忙しい中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
  • 本日の会議につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ウェブ会議システムを併用した開催とさせていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、ご発言のとき以外はマイクをオフにしていただくようお願い致します。委員の皆様にはご不便をおかけすることがあるかと存じますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。また、会議の模様は報道関係者の皆様及び一般の皆様に向けて、ウェブ会議システム上で配信しておりますので、ご承知おき下さい。
  • それでは初めに、事務局より配付資料の確認をお願い致します。

【能見財務課課長補佐】

  • 初等中等教育局財務課の能見でございます。本日の配付資料ですが、お手元の議事次第の「配付資料」にありますとおり、資料が1から3まで、参考資料が1から6までとなっております。不備等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。よろしくお願い致します。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。本日の議題でございますが、まず、義務教育9年間を見通した指導体制に関する調査研究について経過報告をいただき、調査研究の今後の進め方について、委員の皆様からご意見をいただき、後半の議論につなげていきたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。


2. 議題(1)令和2年度 義務教育9年間を見通した指導体制に関する調査研究について
(1) 文献調査について

  • それでは早速、PwCコンサルティング合同会社より、本調査研究の経過報告をいただきますが、大部にわたりますので、前半の文献調査と後半の先進事例調査に分けて進めることと致します。まず、前半の文献調査部分について、ご説明をいただきたいと思います。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • 髙木座長、ありがとうございます。義務教育9か年を見通した指導体制に関する調査研究の事務局を務めておりますPwCコンサルティング合同会社の林からご説明をさせていただきたいと思います。
  • それでは、お手元に【資料1-1】「調査研究経過報告」をご準備いただけますでしょうか。先ほど、座長からご案内がありましたとおり、前半で文献調査、後半で先進事例調査について経過報告をさせていただきたいと存じます。
  • 3ページの調査研究の全体設計についてですが、前回の検討会議のときにご案内させていただいたとおり、最終的に教科担任制を政策として導入していく上でのエビデンスの整理及び当該制度の導入、運営のポイントを取りまとめていくことを大きなゴールとしており、そのためのインプットとして国内外の文献調査と地方公共団体の先進事例の調査の2つの調査を現在進めております。
  • まず、文献調査の方をお話させていただきます。7ページにおいては、国内外の文献調査の目的を整理させていただいております。一つは、教科担任制に関して言及のある論文・レポートを抽出し、7ページ下部にございます調査事項1から4にありますポイントごとに記載内容を整理することです。もう一つは、教科担任制を既に導入している地方公共団体を対象としてヒアリング調査を進めていくに当たり、ヒアリングの項目を考える上でのインプットとして、文献の記載事項を理解することでございます。
  • 8ページは、調査の進め方として、候補文献の選定、絞り込み、文献内容の整理という流れを記載させていただいております。
  • 9ページには、情報整理の方法を記載させていただいております。後ほど、国内の文献で、教科担任制について述べられた事例及び研究成果について、整理した結果をご報告させていただきたいと思いますが、それの前段階として、先ほど申し上げた1から4のポイントに対して、どのような目線で情報を整理していったかを記載してございます。大事なポイントですので、一つずつご説明させていただきます。まず1番目ですが、教科担任制導入の意義及び効果について、例えば児童や保護者などへのアンケートやインタビュー結果など、なるべく定量的に、場合によっては定性的な根拠を持って述べられた箇所を中心に抽出しております。2番目に、対象学年・対象教科とその背景・考え方でございますが、こちらは記載のとおり、教科担任制の導入対象とする教科及び学年の背景・考え方について述べられた箇所を抽出しております。3番目の学校規模や地理的条件に応じた工夫、ここは小規模校の教科担任制導入に係る課題や工夫、取組事例について述べられた箇所を中心に抽出しております。4番目の教科担任制導入を進める上での課題・コストですが、ここについては課題・コストに加えて、課題解決のための方策、論文においては案として記載されているものもあったため、方策案を含むものについて、記載のあった箇所を中心に抽出しております。それぞれ4点の文献調査の結果につきましては、この後詳しくご説明をさせていただきます。
  • 10ページ、11ページについては、文献調査の実施に当たり、弊社で確認した国内文献の一覧でございます。左側には、文献名、発行主体・著者を記載しておりまして、右側には、①から④、さらにそれを細かく分類した観点に対して、それぞれの論文がどのようなポイントで触れられているものかを整理させていただいております。以上が、国内の文献調査の進め方のお話でございました。
  • 13ページ以降では、文献調査の結果をご説明させていただきたいと思います。13ページは1点目、教科担任制導入の意義及び効果についてでございます。【】で記載しておりますとおり、4点、授業の質の向上、学習内容の理解度・定着度の向上、多面的な児童理解、教員の負担軽減、小中の円滑な接続、といった観点で情報を整理してございます。例えば、一番上の授業の質の向上、学習内容の理解度・定着度の向上のところにつきましては、児童を対象とした意識調査において、教科担任の授業の方が分かりやすかったというような肯定的な結果が確認されたり、国語の点数の向上が見られたというような、定量的なエビデンスを持った記述も確認されたところでございます。一方で、下から2つ目、教員の負担軽減については、授業の準備、成績評価等における業務量の削減に言及する文献は存在したものの、定量的にその効果が説明されている記載は、今回調査対象とした文献においては確認ができませんでした。観点によって、論文中、言及されている内容や量に違いが見られたところでございます。
  • 続きまして、14ページは2点目、対象学年・対象教科とその背景・考え方でございます。今回、確認致しました文献においては、全ての学年、全ての教科について、何らかの言及をされていたことが確認できております。そのうち特定の学年・教科を対象とする背景・考え方に関して述べられている記載内容を抜粋して記載しております。例えば対象学年につきまして、身体的な成長や自己肯定感の低下等の精神的な変化が著しいことに鑑み、小学校高学年代、具体的には4年生から5年生にかけて、児童への指導の仕方を変化させたほうが良いのではないかという記述がありました。また、小学校年代において、一部の教科での専科指導、交換授業等を実施し、徐々に対象学年、教科を拡大していくと、より教科担任制が導入しやすくなるということで、導入の仕方についての言及があった論文もございました。
  • 続いて対象教科についてでございます。算数・理科については、教科の専門性・系統性の高さから、専門の教員が授業を実施するほうが良い、国語については、教科担任が指導を担当することで、単元の学習を通じて、どのような力を身につけさせようとしているかなどを、教員が具体的に児童に示せるという利点があるという記載もあった一方で、学級経営の基礎となっていること、授業時数が多く全ての学習の基礎であること、教材に道徳的な意味合いがあることなどから、学級担任において、「国語の指導を担当したい」という意向がある、というような記載もございました。以降、時間の都合で、全教科についてのご紹介は割愛させていただきたいと思いますが、そのほか社会、家庭科、体育、図画工作についての言及を確認したところでございます。
  • 続きまして、15ページは3点目、学校規模や地理的条件に応じた工夫についてでございます。こちらの観点と致しましては3つ、1つ目が小規模校散在地域における学校運営・指導体制の工夫の事例、2つ目に、遠隔・オンライン教育活用の事例、3つ目にその他、小規模校における小中連携の課題・効果、この3つの観点で整理をさせていただきました。例えばその他の箇条書きの一番下のところでございますが、小規模校における小中連携の効果として、学校間の関わりが出来、地域全体で児童を育てる意識が醸成されたこと等について言及されている論文もございました。一方で、遠隔・オンライン教育活用については、今回弊社で確認を致しました文献内では、その具体的な事例等の言及は確認できなかったところでございます。
  • 続きまして、16ページは、4点目、教科担任制導入を進める上での課題・コストについてでございます。大きく3つの観点で整理をさせて頂いております。1つ目は教員養成・免許・採用・研修、いかに教員の専門性を確保していくかという観点、2つ目に、カリキュラム編成(教科横断的な視点等)、3つ目に、学校運営のマネジメント、ヒト・モノ・カネをいかに効果的に組合せ、運営をしていくか、以上の3つの観点でございます。例えば、カリキュラムの編成の箇条書きの2つ目ですが、教科担任制導入に当たって重要な課題である時間割編成の問題を解決するに当たっては、カリキュラムコーディネーターという役割を導入することも一案であるというような記載があったり、学校運営マネジメントの箇条書きの上から2つ目ですが、自らの学級を持ちたいと思っている教科担任がモチベーションを維持できるような仕組みづくり、環境整備が必要である、というように具体的に課題解決の方策について言及したレポートも確認できた次第でございます。
  • 以上、国内の取組についての文献上で、確認ができた記載内容をサマリとしてご説明させて頂きました。時間の都合上、本日は触れることが出来ないのですが、今、ご紹介を差し上げた文献の記載内容について、より詳細に記載したものも別冊として準備をしておりますので、適宜ご参照いただけたらと思います。
  • 最後に、17ページ、本章でご意見いただきたい事項として、2点記載させていただいております。1つ目、本日は国内の取組について述べられた文献のみのご紹介でございましたが、現在並行して、国外の取組について文献調査を進めております。確認しておくべき文献等、ご存じのことがありましたら、ぜひアドバイスいただけたらと存じます。2点目としては、報告書等への纏め方についてでございます。今回は、文献上述べられていること、ファクトを淡々と整理する形で、情報をまとめさせていただいております。今後、報告書上で取りまとめをしていく上で、もちろんこの後のヒアリングの結果を踏まえてのことではありますが、何かこの文献調査で確認できたことの情報の取扱いの仕方など、留意すべき事項があればぜひアドバイスをいただけたらと存じます。
  • 以上でございます。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。【資料1-1】「調査研究経過報告」の17ページのところにございます観点を中心に、委員の皆様から、ご意見、疑問点をいただけると大変幸いでございます。

【喜名委員】

  • 喜名でございます。発表をありがとうございました。文献調査の価値は大変あるんだろうなと思いますけれども、この文献調査の中には出てこないところがかなりあるように思います。それは、経験的にも推測されることかと思うのですが、先進的に、もしくは実験的に教科担任制を導入されているところにおいては、担当する教師の指導力、いわゆる資質能力の高さが担保されているように思います。その辺の記述があったのかをお伺いしたいです。
  • また、学級担任の良さもあるかと思っております。文献の中には出てこない概念かもしれませんけれども、例えばカリキュラムマネジメントを考えると、学級担任が受け持った方が良い場合もあるのかもしれないというように思います。
  • もう一つお伺いしたいのは、子供たちの学び方と教師の教え方のギャップのようなものが、実は小学校でもあるのではないかと思っております。そのリスクを減らす意味でも、多くの教員が指導に当たったほうがいいという考え方もあると思います。低学年では、多くの教員が指導に当たることが良いのかどうかは検討する必要があるとは思うのですが、子供たちの学び方と教師の教え方のギャップについて、どのような記述があったのかをお伺いしたいと思います。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。今の喜名委員から質問につきまして、PwCコンサルティング合同会社よりご説明をお願い致します。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • ご質問いただきありがとうございます。PwCコンサルティング合同会社の小林と申します。ご質問頂きました3つの点についてご回答致します。
  • 1点目の教師側の指導力の担保に関しては、ご指摘のとおり文献内に記述の少なかった部分でございます。今後、地方自治体へのヒアリングにおいて、調査を実施させて頂ければと思っております。
  • 2点目、学級担任の良さにつきましては、やはり児童理解というところで、1人の児童を1人の教員が見ることのできる時間が学級担任のほうが長く、そのことが児童の生活指導にもつながることを指摘している先行文献が多くございました。
  • 3点目、子供の学び方と教え方のギャップについてでございますが、別紙【資料1-2】「調査研究経過報告【別添資料】」において、具体的に言及されている箇所をご紹介致します。8ページ目になりますが、小中の円滑な接続の効果について、山口の小学校において小学校1年生から教科担任制を導入している小学校と学級担任制の小学校において、小学校6年生を対象として、中学校入学に当たっての授業や先生についての不安感や期待等をアンケート調査した論文の記載内容を紹介しております。内容としては、教科担任制を導入していた小学校の方が、中学校に進学した際の学習に対する不安、教員に対する不安が軽減されているという調査結果が出ておりました。先行文献中、小学校で教科担任制を導入し教科ごとに別々の先生から授業を受けることが、中学校での教科担任制の授業への不安を減らすことにつながるといったことが言及されておりましたので、先ほど、喜名教員にご指摘いただいた部分、子供の学び方と教え方のギャップが、教科担任制の導入によって解消される面もあると言って良いと思われます。
  • 以上でございます。

【齊藤委員】

  • 齊藤でございます。調査研究についてありがとうございました。一つお尋ねいたします。中学校が、小中連携あるいは小学校高学年に向けた教科担任制というものを取り組んでいる事例がなかなかないのかもしれませんが、そういった事例について情報をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • ご質問いただきありがとうございます。ご指摘の通りでございまして、中学校の教員が小学校の児童を教えに行く、いわゆる中学校から小学校への乗り入れ授業というのは、論文中、あまり事例としては見られなかったように思います。地方公共団体へのヒアリングでもこの部分をヒアリングしていければと思っております。

【髙木座長】

  • 文献調査の対象としているレポート、報告書の発行日を見ますと、割と古いものが多いと思います。今、中学校の英語の教員が小学校へ行って指導する事例もかなり増えてきていますので、その辺りの事例が、先進事例調査等で恐らく出てくるのではないかなと思っております。

【鈴木委員】

  • 調査の中で、教員の負担低減、ICTを活用した遠隔教育については、記載が見られなかったというお話がございましたが、先ほどご紹介いただいた文献調査の対象としているレポート、報告書の発行日を見ますと、最近のものばかりではなく少し前のものも多いのかなという気が致します。
  • 本県でも、教員の多忙化解消については、平成29年度から協議会などを設置して、課題解決に向けて取り組んでおります。また、ICTを活用した遠隔教育についても、特に近年のGIGAスクール構想と相まって出てきた背景があると思います。ぜひ、これから先進事例調査を実施する際に、その2点も重点的に訊いて頂けると有難いと思いました。
  • 以上です。

【村田委員】

  • 先進的な事例を色々とご紹介いただきましたが、教科担任制を導入する際の課題も抽出しないといけないと思っています。また、先ほど鈴木委員も言われていましたが、オンラインでの教育を実施するに当たって、例えば小規模校と大規模校とのつながりの中で見えてくる課題もあると思うので、そのような点も先進事例調査で聞き取りをお願いしたいと思っています。
  • 以上です。


(2) 先進事例調査について
【髙木座長】

  • 委員の皆様、ありがとうございました。続きまして、先進事例調査のご説明をお願い致します。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • それでは、PwCコンサルティング合同会社林からご説明させていただきます。文献調査について、委員の皆様から様々なご意見を頂戴致しまして、誠にありがとうございました。正にご指摘のとおりでございまして、大学や研究機関で取りまとめられているレポートが古いものですと10年以上前のものも多く、なかなか鮮度の高い情報が得られていないところがございます。この後、先進事例調査においてヒアリングを進めていく中では、より鮮度の高い情報を得ていくと共に、定量的なエビデンス確認、より具体的な背景や事例の確認に努めていきたいと考えているところでございます。
  • 今から先進事例調査の経過報告をさせていただきますが、ヒアリング調査において深掘るべき点、情報を得る観点等のアドバイスを頂戴したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
  • 【資料1-1】「調査研究経過報告」の20ページ、地方教育行政機関を対象とした先進事例調査につきまして、前回の検討会議後、文部科学省とも改めて協議を致しまして、大きく3つのステップで事例調査を組み立てました。まず、A「基礎調査」、「報告書・レポート調査」でございます。文部科学省との協議の結果、全都道府県、政令指定都市を対象として教科担任制の取組状況の実態を調査することと致しました。基礎調査については、既に完了しておりますので、本日、結果をご説明させていただきます。同時に、各自治体から提出頂きました報告書・レポートについても、中身を確認させていただいております。現在、調査中なのがB「書面調査」、これから実施をするのがC「ヒアリング調査」でございますが、基礎調査を踏まえ調査対象を絞り込み、全部で15程度の地方公共団体に対して実施する予定です。B「書面調査」は、C「ヒアリング調査」をより深く実施するための準備としての位置づけになっております。
  • 21ページは、基礎礎査の実施概要でございます。各地域で実施されている教科担任制に係る取組状況を把握することを目的としまして、全都道府県、政令指定都市の教育委員会、67団体にご協力をいただき、調査を致しました。メールで調査票を送付、収集するという形で既に実施済みでございます。
  • 22ページは、基礎調査で使用致しました質問項目の一覧でございます。実際の調査票は別添の【参考資料1】「調査研究 基礎調査票」をご確認いただければと存じます。(1)においては、教科担任制を都道府県として推進しているかどうか、いつから推進しているか、推進していないところについては今後推進の予定があるか、それから、推進しているところについては、どのような指導形態、連携範囲で推進しているかといった事項について、まずは都道府県としての取組推進の姿勢をお伺いしております。(2)においては、域内市区町村における取組について、教科担任制を積極的に推進している域内の市区町村、当該自治体においての導入時期、実施形態、対象学年・教科といったことを確認しております。(3)においては、教科担任制の実施状況・成果・課題等について取りまとめた報告書・レポートのご提出を依頼致しました。
  • 23ページも同じく、基礎調査の質問項目ですが、政令指定都市向けの質問のご紹介でございます。22ページの都道府県用の質問項目と中身に大きな違いはございませんので、説明は割愛させていただきます。
  • 24ページは、書面/ヒアリング調査の実施概要についてでございます。目的としましては、先進的な取組の調査を通じて、具体的な教育効果や運営のポイントを明らかにし、その要点をとりまとめることで、教科担任制を導入する上でのエビデンスの整理を図ることと記載しております。主な調査はあくまでヒアリング調査になるのですが、ヒアリング項目が多いため、事前に聞きたい内容を書面調査としてお伺いしてご回答頂きまして、そちらの結果を基にさらにヒアリングにて深掘りする方法で、進めさせていただこうと考えているところでございます。書面調査は今月末で一旦締め切らせていただき、ヒアリング調査については、2020年12月から2021年1月を目途に実施していきたいと考えているところでございます。
  • 25ページは、書面/ヒアリング調査対象の自治体候補でございます。先ほどご説明致しました基礎調査にご回答いただいた自治体の中で、小学校における教科担任制の取組実績がある団体で、かつ、教科担任制の効果や課題について詳細に記されたレポート・報告書のご提供があった団体を抽出し、さらに、教科担任制の指導形態や連携範囲・対象教科・学年のバランスを考慮した結果を表に記載致しました、11道県16市町を対象団体の候補とさせて頂いております。現在、調査へのご協力をご了承いただくため、メールでのご案内等を進めさせていただいているところでございます。候補団体については、日々動きがある状況でございまして、兵庫県様については、11月20日にご回答をいただきまして、小野市と姫路市の2市に打診させていただく形で現在調整を進めているところでございます。
  • 26ページについては、書面/ヒアリング調査の市区町村向けの項目、27ページについては、政令指定都市向けの項目を記載しております。時間の都合上、全てを説明することは出来ないのですが、取組の背景や内容に加えて、報告書を取りまとめていくに当たりまして、教科担任制の導入や運営のポイント、ヒト・モノ・カネに関しての具体的な工夫、成果についての定量的なエビデンスを深く聞いていくことを主眼とし、質問項目を組み立てております。前回の検討会議の際、専科教員のバックグラウンドについて過去の調査の中でも触れられていないところなので、今回の調査研究においてヒアリング出来ると良いというアドバイスを喜名委員から頂戴いたしました。これについては、26ページの(2)取組の推進内容の【5】の中で、可能な限り把握、整理分析していくことを考えてございます。また、同じく前回の検討会議の中で、貞広委員から頂きました、ゼロ地点のデータを収集できると良いのではないかというご指摘に関しましても、この書面/ヒアリング調査を通じて、まずは地域特性の類似した自治体を特定した上で、自治体への協力要請、必要な基礎データの収集整理が可能かどうかを、検討させていただきたいと考えているところでございます。
  • 27ページは同じような内容になりますので、説明を割愛させていただきます。
  • 29ページからは、基礎調査の結果をご説明させていただきます。29ページには、結果のサマリを記載しております。一つ一つのデータについて、後続のページでご案内をさせていただきますけれども、大きなところとしまして、都道府県については31団体、政令指定都市については15団体が教科担任制推進をしており、そのうち都道府県については、域下で積極的に教科担任制を推進している市区町村名として62団体の推薦がございました。スライド中、黄色く枠囲みをしているところが幾つかございますが、基礎調査の結果を踏まえて、どの自治体にさらに深掘りのヒアリングをさせていただくか、考える際に着目した箇所でございます。
  • それでは、30ページ以降で一つ一つの結果について確認させていただきたいと思います。まず30ページですが、教科担任制を貴県または貴市として推進していますかという質問について、繰り返しになりますが、都道府県においては全47団体の内31団体、政令指定都市においては全20団体の内15団体が推進しているという回答でございました。
  • 31ページは、いつから教科担任制を推進していますかという質問でございます。いずれにおいても直近5年間で開始しましたというところが最も多い結果でしたが、政令指定都市においては8割、市区町村においては約9割に当たる団体が、この10年間での取組ということで、教科担任制の導入は、新しい取組であるであるということが言えるのではないかと思います。31ページの下部、教科担任制の取組を開始された背景や狙いを補足して下さいという自由記述欄の回答結果ですが、背景としましては、「学園制加配が新設されたため教科担任制を推進」、「中央教育審議会における議論を受けて教科担任制を推進」、「教育大綱に掲げ教科担任制を推進」といった記載が見受けらました。また、狙いについては、「学力向上を図るため」、「専門性を生かし、きめ細やかな質の高い学習指導を充実させるため」、「教員の負担軽減のため」、「中1ギャップの解消・中学校への円滑な接続のため」といった回答が主に見られたところでございます。
  • 32ページは、現在、教科担任制を推進していない自治体に対して、今後推進の予定はありますかという質問でございます。都道府県においては、16団体中4団体が今後推進する予定と回答しています。政令指定都市については、今後推進する予定という回答が見当たらず、5団体中4団体が、「未定・検討中」とご回答頂いております。また、教科担任制導入の背景と同じく、「中央教育審議会における議論等を踏まえ、教科担任制の推進に向けて検討中」という自由記述も見られました。
  • 33ページは、教科担任制を推進している自治体に対して、どの指導形態において教科担任制を推進していますかということを、複数回答可でお伺いをした質問でございます。市区町村については、約90%に当たる団体が特定教科における教科担任制にチェックを入れてくださっています。一方で、約5%、3団体でしたけれども、完全教科担任制を推進していますとのご回答も確認できました。政令指定都市についても傾向は同じで、約9割が、特定教科における教科担任制を推進しているとのご回答でございました。
  • 34ページは、どの連携範囲において教科担任制を推進していますかという質問を、複数回答可でお伺いをした結果でございます。市区町村においては約6割に当たる40団体が単一小学校内での推進、それから、複数小学校間、中学校区内での小中連携というものも約3割の団体の回答が確認されました。政令指定都市においても同じ傾向が見られまして、約9割の団体が単一小学校内での推進とご回答をいただいております。
  • 35ページは、教科担任制の対象学年・対象教科について教えて下さいという質問でございました。こちらは、都道府県として推進している学年・教科ということなので、回答数自体が少なくなっております。各学校の中で独自に行っている取組というのは、この結果からは除外されているという前提で結果をご覧いただけたらと思います。市区町村については、学年はほとんどが小学校高学年を対象としていて、音楽と外国語については、小学校中学年において推進していますと回答した団体が3つございました。教科につきましては、生活科以外の科目が対象となっておりまして、特に小学校高学年では外国語、理科、算数の順番で推進している団体が多いという結果になりました。政令指定都市につきましては、対象学年は小学校高学年のみで、教科については生活科以外の科目が対象となっております。以上が、基礎調査の部分の結果のご報告でございました。
  • 以上の文献調査、基礎調査の結果を踏まえまして、この後、来月、再来月でヒアリング調査を進めてまいります。繰り返しになりますが、より鮮度の高い情報、定量的なエビデンス、具体的な事例の確認というところを主眼に調査内容を組み立てていきたいと考えております。
  • 37ページにございます、1から4のそれぞれの観点の中で、特にヒアリング調査において深掘りたいポイントを列挙しておりますが、先ほど皆様にご指摘いただいたところと重なる内容がほとんどですので、詳細のご説明は割愛をさせていただきたいと思います。
  • 38ページでございますが、ヒアリング調査において、当方からご説明差し上げたところ以外にも確認しておくべきポイント、重点的に深堀っていくポイントがないか、皆様から、さらにアドバイスいただけたらと思います。
  • 以上でございます。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。それでは、これから意見交換、質疑等を行ってまいりたいと思います。特に、37ページ、38ページについて、委員の皆様のご意見を頂きたいと思います。

【喜名委員】

  • 発表ありがとうございました。33ページについて、完全教科担任制は具体的にどのような指導形態を指しているのかを伺いたいです。それから、都道府県では25団体が完全教科担任制を推進し、市区町村では3団体が完全教科担任制を推進しているとなっていますが、この部分の解釈の方法をご教示下さい。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • ご質問ありがとうございます。PwCコンサルティング合同会社の三瓶と申します。
  • いただいたご質問について、まず、完全教科担任制についてですが、4ページをご覧いただければと思います。こちらのページは、前回の検討会議で出させていただいた資料になりまして、指導形態による分類をさせていただいております。その中で完全教科担任制を、「全教科について専科指導をしている形態」と定義させて頂いておりまして、こちらの定義を基に調査をさせて頂いております。
  • 2点目のご質問についてですが、33ページにおいて、色が見づらく大変恐縮ではあるのですが、都道府県については、完全教科担任制を推進している団体は無く、ご指摘頂きました25団体は、特定教科において教科担任制を導入している団体数でございます。

【喜名委員】

  • ありがとうございます。見誤っており失礼致しました。市区町村において、完全教科担任制を実施しているのが3団体、特定の教科で導入しているのが54団体ありますが、専科の教員の数をどう担保しているのかを伺えればと存じます。例えば、東京都は、定数の中に音楽と図工が入っておりますし、その他でも、英語加配が進んでいたり、あと、都道府県単位で独自に教員採用して、その教員を専科に当てているということもあると思います。また、完全教科担任制という指導形態においても、交換授業のみを実施している可能性もあるので、専科の教員を確保した上で実施しているのか等についても調べられていればご教示頂きたく思います。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • ご質問ありがとうございます。結論から申しますと、ご質問頂きました事項については、今のところ調査できてない状況でございまして、書面/ヒアリング調査において、確認していきたいというように思っております。どの自治体で、あるいはどのような形態の教科担任制を導入しているところが加配を活用しているのかといった詳細については、現状分からないのですが、今回の基礎調査の結果において、教科担任制を始めた背景としては、「加配が始まったから」というご意見もございますし、報告書を見ても非常勤の講師などを採用しているケースもございました。実際にどのように教員を確保して教科担任制を運用しているかについては、今後、調査を進めていきたいと思っております。

【髙木座長】

  • 今の喜名教員のご指摘は大変重要なところだと考えます。例えば、東京の場合、音楽とか図工の教員数については、定数として、既に予算の中にきちんと組み込まれております。今後、定数以外で教員数を確保するための予算の確保ということは、非常に大事な点になってきますので、その辺りを調査において明らかにしていただけると良いと考えます。それから、交換授業を実施するに当たっては、目的や、教員の授業時数の問題がありますが、例えば、小学校の書写などにおいて、教員の授業時数をやりくりするところで出てきている例も多いと思います。その辺りも具体的に提案していただけますと、この会議でこれから行おうとする予算措置についての方向性が見えやすくなってきますので、調査をお願いしたいと思います。

【貞広委員】

  • 丁寧なご説明をいただきましてありがとうございます。今の喜名委員のご発言と、髙木座長のご発言と関連するのですが、資料中、31ページに学園制加配という文言が出てきています。座長がお話しくださったように、どのような追加的な条件整備があれば、教科担任制を実施出来て、系統的な学びを保障できるのかということを検討するのも検討会議の目的かと思います。その点で、現状実施されている条件整備の最たるものは学園制加配かと考えております。記憶が定かではないのですが、中央教育審議会の特別部会の資料で、今年、学園制加配を用いて全国で200名ぐらいを加配する、ということを述べている資料を拝見した記憶がございます。もし、実際にその加配が配置されているのであれば、文部科学省へのご質問となりますが、どの学校にどのような形で配置をされ、活用されているのかを把握しているのかを伺えればと思います。場合によっては、この学園制加配を受けている学校にピンポイントでリサーチを実施して頂いて、本当にそれがどれぐらい効果的だったのかを調査することも出来るのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
  • 以上でございます。

【松下財務課専門官】

  • 学園制加配ですけれども、今年が取組の初年度でして、現在、200名程度措置しております。どの学校で活用されているかは把握しておりますので、その学校に対して追加的に調査することは可能であると考えております。

【貞広委員】

  • 追加での質問なのですが、教科担任制を実施する小学校に教員が加配されるのだと思いますが、加配される教員は中学校の免許も持っている必要があるといった条件はあるのでしょうか。なぜ伺うかというと、どのような教科担任制を想定するかということに連動してくると考えるからです。中央教育審議会の初等中等教育分科会などで議論されていたときは、働き方改革の観点では小学校の中で時間を融通してということ、系統的な学びの保障の観点では、中学校の免許を持っている教員が小学校で教科担任をするということが想定されていたかと思っております。委員の方によっても違っていると思うのですが、そのあたりの活用の仕方も含めて、学園制加配の効果がどれぐらいあったのかという効果検証という意味でも、この加配がどのような実態にあって、どれぐらいインパクトを持っているかというのは何らかの形で把握していただきたいと思っております。
  • 以上です。

【松下財務課専門官】

  • 学園制加配は、基本的には小学校2校以上の中学校区でいわゆる学園という形を取って、教科担任制を進めるところに対して加配をするというものでして、教員を中学校に配置する、小学校に配置するといったところまで、厳密に縛っているものではありません。また、先ほど申し上げましたが、初年度ということもありまして、なかなか詳しい部分の実態把握がまだできていない状況ですので、ご指摘を踏まえて、学園制加配についてのデータもしっかり取りながら、どのような活用がされているかを把握していきたいと考えております。

【喜名委員】

  • 少し関連する事項として、ティーム・ティーチングに係る加配が今年度、来年度予算においてもですが、一部専科制の導入に使用して良いという形になっているかと思います。今年度の実績についてご教示下さい。

【松下財務課専門官】

  • 今年度はティーム・ティーチングに係る2,000人の加配を専科指導に振り替えましたが、その分の加配については、概ね自治体からの申請によって配分しております。従来から、指導方法工夫改善加配で専科指導に使っていた部分が、確か1,000人程度あったと思いますが、そういった意味では、今回の発展的見直しによって活用が進んできていると考えております。

【髙木座長】

  • ただいまの喜名委員からのご質問は、大変重要な点と思います。前回の資料に記載がございますので、ぜひその辺りご確認頂くと良いと思います。

【鈴木委員】

  • 他の委員の皆様と重なる部分が多いかと思いますが、コメントさせて頂きます。前回の検討会において、全国の調査結果と比べ、群馬県では教科担任制が進んでいることをお話したかと思いますが、その背景には、指導方法工夫改善加配定数を活用しながら進めてきた部分があると思っております。単なる交換授業だけだと、なかなか教科担任制は進まない現状があるかと思いますので、先ほどのお話にありましたとおり、定数の中で専科教員を活用しているのか、また、なんらかの加配があって、それを活用しながら教科担任制を推進しているのか、確認をしていただきたいと思っております。実感としては、加配による、教員の多忙化解消の観点もないと、教科担任制はなかなか進まないだろうと思っているところでございます。
  • 以上です。

【村田委員】

  • 加配の関係がやはり大きくなっているというように感じています。兵庫県の場合も、いただいている加配枠の中で教科担任を実施する部分と少人数授業を実施する部分は分けております。また、教科担任制を実施するに当たって、何かうまみがないと、なかなか現場の教員が対応しにくい部分もあり、兵庫県の場合は、少人数授業と組合せる形で教科担任制を導入しておりますが、一方で国の専科制度が導入されていくに当たっては、教員の負担を考えると、現場では、やはり担任とそれぞれの専科教員の持ちコマ数というバランスというものが一番問題にされてきます。そうした状況で、加配枠の中で、各教員の持ちコマ数等をコーディネートする役、チームマネージャーのような人がいれば、より教科担任制の導入が進んでいくのかなという気がしています。
  • 以上です。

【齊藤委員】

  • 教科担任制について、皆様からお話を伺っていて、中学校の立場でお話をさせていただきます。教科担任制の導入によって、学習面での効果が非常に向上するということは言われています。一方で、教科担任を担当する教員は、その教科の指導のみをやっていれば良いということではなくて、もちろんそれぞれの学校の校務にも当たらなければいけないということで、現在、様々な加配を策として講じてくださっていることと思います。この辺り、加配教員の校務分掌についての視点を加えていただけるとありがたいと思います。
  • 以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。校務分掌は、学校の規模とも関係が大きいところでございまして、例えば、大規模な学校だと1人の教員が1つの校務を担当すれば済むところ、小規模な学校だと1人でいくつもの校務を担当する必要があります。授業外のところでも色々な業務がありますので、そのようなところも含めてこれからどうしていったらいいか、考えていければ良いかなと思いました。皆様、どうもご意見ありがとうございました。


3. 議題(2)義務教育9年間を見通した指導体制の在り方について
【髙木座長】

  • まず、10月7日に開催された前回の検討会議においてご報告いただきました中央教育審議会初等中等教育分科会の中間まとめについて、中央教育審議会において関係団体ヒアリングが実施されておりますので、小学校高学年からの教科担任制導入に関するご意見の概要をご報告いただきたいと思います。義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に係る論点メモ(案)のご説明と併せて事務局からお願い致します。

【能見財務課課長補佐】

  • それでは事務局より、お手元の【資料2】「中央教育審議会初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリング等における主なご意見(概要)」と【資料3】「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に係る論点メモ(案)」を中心にご説明をさせていただきたいと思います。
  • まず、【資料2】「中央教育審議会初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリング等における主なご意見(概要)」につきましては、去る10月15日から29日にかけまして、中央教育審議会初等中等分科会の方で中間まとめに関する関係団体ヒアリングが行われており、その関係団体ヒアリングにおける、小学校高学年からの教科担任制導入に関連するご意見の概要をまとめたものになります。
  • まず「1.教科担任制導入の趣旨・ねらいについて」というところでは、1つ目の○ですけれども、教科担任制のメリットは何と言っても専門性を持った教員が指導すると授業の質の向上が図られること、現場で運用しやすい工夫を期待しているというご意見がございます。
  • それから、1つ飛びまして3つ目の○ですが、「一部教科分担制」にすることで、1.効率の良い教材研究、2.授業準備にかかる負担感の削減、3.複数教員による組織的な保護者対応、4.年休の容易な取得等の効果が見込まれるというご意見がございます。
  • 次の○では、全国連合小学校長会からご意見いただいており、追って喜名委員よりご紹介いただけるかと思っております。
  • 次に、「2.専科指導の対象教科について」ですけれども、1つ目の○の末尾になりますが、専科指導の制度構築のもと対象とする教科については各学校で判断されるべきというご意見がございます。
  • 次の○では、対象教科として外国語・理科・算数が例示されていますが、各学校規模や地域で実態が異なり、国語・図画工作・音楽・体育なども対象教科に入れるのか、対象を限定しないということも考えられるのではないかというご意見でございます。これに関連しまして、【資料3】「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に係る論点メモ(案)」をご覧いただきたいと思いますが、2ページの一番下のところになります。
  • 「2.専科指導の対象教科の考え方」における、四角の中に【中央教育審議会での整理】ということで、基本的な考え方をお示ししておりますけれども、この基本的な考え方の2つ目の●のところでございます。既存の教職員定数において、学校規模に応じて音楽、図画工作、家庭、体育を中心とした専科指導を実施することが考慮されていることや、地域の実情に応じて多様な実践が行われている現状を踏まえ、これらの点について引き続き配慮することに加えて、新たに専科指導の対象とすべき教科を検討するという基本的考え方のもとで、例えばということで外国語・理科・算数をお示ししてきたという経緯がありますことを再度確認していただければと存じます。
  • それでは、【資料2】「中央教育審議会初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリング等における主なご意見(概要)」のほうにお戻りいただきまして、2ページ目にまいりますけれども、1つ目の○、中程からでございます。自分の勤務校では、クラス担任ができるだけ多く授業を見るようにするため、授業時間の多い国語、社会、算数を必ず担任が教えることとしており、そうすると、学級担任が毎日3~4時間は子供たちと接することができ、児童を総合的に把握しながら家庭とも連絡を取って指導できているので、教科担任と学級担任のバランスを考える必要があるといったご意見もいただいております。
  • 次に「3.教員の専門性について」でございますが、3つ目の○になります。教員の両免許取得については、小中学校の人事交流による教員の経験は非常に貴重であり、それ以上に、大学において両免許取得のための基礎学習が非常に大事であるということです。県によっては、教員採用試験によって両免許取得者についての優遇措置を講じて、質の高い教員確保を図っているところもあり、免許取得のための教職課程の見直しが必要ではないかというご意見でございます。
  • 一番下の○では、複数の学校種の教員免許状を持っているということが大切になってくると考えており、教職大学院で学修することが隣接した校種の免許状を取得できることにつながっていくなど、プラスで学部に通うのではなく、教職大学院の学修だけで他校種の免許状がある程度取得できるような仕組みについて検討してもらいたいといったようなご意見もいただいております。
  • 3ページ目にまいりまして、「4.指導体制の在り方について」でございます。まず、小見出しで(定数改善)としておりますけれども、2つ目の○をご覧いただければと存じます。交換授業方式では、持ちコマ数の軽減にはならないため、専科教員の増員が必要であるというご意見でございます。
  • それから中程、6つ目の○の末尾をご覧いただければと思いますけれども、教科担任制導入に向けた議論の前提として、教科担任制ができる教員の加配を図らなければならないというご意見でございます。
  • 下から2つ目の○をご覧いただければと思いますが、現行の教員配置のままで教科担任制を導入した場合、教員1人当たりの授業時数の増加につながるため教員配置の増加を講じてもらいたい、特に外国語についてということで、優先して専科教員の全国配置をすべきというご意見でございます。
  • 次に、4ページ目にまいりまして、小見出しの2つ目、(教員配置の工夫等)というところでございます。
  • 1つ目の○、地域の実情に応じた導入ができるよう、柔軟な制度設計に努めてもらいたいというご意見でございます。
  • 次の○ですけれども、担当する教科の免許外の教員を教科担任として配置せざるを得ないような学校の実情もあるため、それを解消していくような方策を考えていく必要があるというご意見でございます。
  • 次の○でございますが、各小学校に専科指導ができる教員が加配されることが望ましいが、それが難しければ、小規模校のグループをつくって普通校を担当する教員を加配する方法や、中学校に加配された教員がその校区の小学校において教科担当する方法などが考えられるというご意見をいただいております。
  • 次の小見出し、(小・中学校の連携等)というところで、1つ目の○をご覧いただければと思います。中間まとめにおいては、小中連携を促進する必要性について記述があるが、現場からの声としては、特に中学校の教諭から負担が増すのではといった心配する声が寄せられており、学校規模・地理的条件に着目した環境の違いという視点を大切にした制度設計をお願いしたいというご意見でございます。
  • 最後5ページ目にまいりまして、「5.その他」の2つ目の○をご覧いただければと思います。対象となる教科や開始学年、発達段階への対応など、配置する県や市町の実態に応じた教科担任制の導入が望ましいというご意見でございます。
  • 次の○でございますが、中山間地などの小規模校では課題も多いため、導入に当たっては拙速に進めることなく、地域の実情を十分理解した上で慎重に、段階的に行ってもらいたいといったご意見も頂戴しております。
  • それから、次の6ページでございますけれども、中央教育審議会初等中等教育分科会におけます関係団体ヒアリングと前後しまして、10月16日、中央教育審議会総会のほうに中間まとめが報告されており、その際のご意見も参考でつけております。
  • 1つ目の○の中程にございますけれども、小学校高学年で全ての教科を担任が指導する状態は本当に限界が来ていると考えるというご意見でございます。
  • 2つ目の○ですけれども、教科担任の中では授業の交換、専科教員の配置、それから同じ学区で中学校の教員が小学校高学年の教科を指導するといったことも効果的であると考えられ、学校規模によってこの制度をうまく利用しながらシステムをつくっていく必要があると思うが、学校努力だけでできるわけではなく、教員の配置を早急に行う必要があるというご意見でございます。
  • 3つ目の○ですけれども、学校規模や学校間の距離的条件などによって、教科担任制のパターンができるのではないかと思うので、その事例や例示をまとめていただきたい、また教員数の少ない学校においては、提携する学校等を決めてオンライン授業などを組むといったようなことも可能ではないかといったご意見を頂戴しております。
  • それでは、続きまして、【資料3】「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に係る論点メモ(案)」でございます。
  • 今回、前回から加筆を致しました部分を青字にしておりますけれども、まず各項目におきまして、前回の検討会議にていただきましたご意見の要点、ポイントと考えられるものについて記述を整理してございます。
  • 2ページ目、教科担任制の導入の考え方の部分ですけれども、前回の検討会議での議論と致しましては、系統的な学びの充実を図る観点を重視するか、働き方改革の観点を重視するかによって、対象教科などの考え方が変わってくるのではないかというご意見を頂戴しております。
  • それから、短期的な取組の中で有効な取組を抽出し、横展開していく上で、どういった形態を長期的な国の標準として制度設計していくか実証すべきといったご意見もございました。
  • それから次に、「2.専科指導の対象教科の考え方」ですけれども、3ページ目の下段のほうから、専門性の担保方策についての論点を記載しております。3ページ目の下から2つ目の○で、「例えば」ということで、専科教員が当該教科の中学校免許状を保有することを要件とすることについてどのように考えるか、そして、次の○ですけれども、専門性を有する人材確保のため、中学校と連携した効果的な指導体制の在り方を検討する必要があるのではないかという論点を当初よりお示しをしておりました。
  • これに関連しましては、4ページ目、冒頭ですけれども、前回の検討会議におきましては、理科や算数について、中学校免許状を保有する教員による専科指導を構想する場合には、採用等の教員確保が課題となるといったご指摘を頂戴しております。
  • この議論、まさに本日検討を深めていただければと考えておりますけれども、その参考と致しまして、当初より英語専科の加配措置における要件をお示ししております。このほか資料4ページの中程以下において、今回参考事例を追加してございます。
  • 一つは、小学校専科指導担当教員について、自治体における独自の要件設定です。これは全国に対して、電話において確認をさせていただいたところでございますけれども、1つ目でございますが、担当教科の中学校または高等学校の免許状を有していることという要件設定がなされており、該当対象教科につきましては、自治体により様々でございますけれども、こういった要件を課している実例がございます。
  • それから、2つ目ですけれども、担当する教科に関して中学校での指導経験が5年以上であることという要件を付加している、大阪市のような事例もございました。
  • これに関連しましては、【参考資料4】「隣接学校の教員免許状所有状況」について、平成28年度のデータをお示ししております。全国を見渡しますと、相応のばらつきが見られるという実態も踏まえて、検討を進める必要があるかなと考えてございます。
  • 【資料3】「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に係る論点メモ(案)」の4ページにお戻りいただきまして、この隣接学校等の免許状を保有していることという要件以外にも、例えば中程ですけど、栃木県におきましては、地域連携推進教員の配置に当たりまして、社会教育主事有資格者の教員を積極的に活用しているといった事例ですとか、それから、司書教諭の場合ということで記述を追加しております。司書教諭の場合、大学その他の教育機関が文部科学大臣の委嘱を受けて行う司書教諭講習というのがございますが、この司書教諭講習を修了した者でなければならないということです。こういった講習によって専門性を担保しているような例もございますので、ご参考として整理させていただいております。
  • それから5ページ目、「3.教職員配置の在り方」についてですけれども、前回の検討会議におきまして、学校間の距離などの地域特性とも関連するため、学校規模のみに依拠して教員の配置基準を設定することは難しく、自治体にある程度の選択の余地を認めることが必要ではないかといったご意見を頂戴しております。
  • こういった前回での議論も踏まえて、本日検討を深めていただければありがたいというように考えております。事務局からは以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。続きまして、ただいま事務局よりお話がございましたが、中央教育審議会初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリングに関しまして、全国連合小学校長会会長でもいらっしゃいます喜名委員よりご発言、ご意見の表明をお願い致します。

【喜名委員】

  • それでは、中央教育審議会初等中等教育分科会「中間まとめ」への意見ということで申し上げたことを中心にお話ししたいと思います。
  • そもそも中央教育審議会初等中等教育分科会等でも、この教科担任制のねらいについては議論されておりました。教科担任制のねらいについては、今回の論点メモ(案)にも2点書かれているかというように思いますが、教科指導の専門性を持った教員によるきめ細かな指導により、授業の質の向上を図り、子供たち一人一人の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図ること、これが1点目でございます。
  • 2点目が、教員の持ちコマ数の軽減や授業準備の効率化により学校教育活動の充実や、教員の負担軽減にも資するものであるということでありました。今回の初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリングにおいても、この学校における働き方改革の推進の視点から申し上げたところでございます。
  • この場ですので、この教科担任制の導入について、いくつか大事な点を申し上げます。本日お示しされました論点メモ(案)の中にも整理されているところでありますけれども、1点目は学校規模にかかわらず、全ての子供がこの恩恵に浴することができるようにしなければならないというように思っています。論点メモ(案)の【検討事項(3)】に当たるところであると思います。
  • そして、冒頭申し上げましたように教員の持ちコマ数の軽減に資するものでなければいけないということです。
  • それから実はもう既に現行のこの義務標準法の中で、教科担任制のようなものが行われていますし、少人数学級の実現もされているところがございます。そういうものを妨げないということも必要ではないかなと思っています。
  • それから、小学校高学年は全部教科担任制にしなければいけないという縛りをかけるべきではないというように思います。それは学級数とか学級担任の状況によって変わってくることがあるからです。
  • それから5点目は、議論が深まってきたように思われる、30人学級についてであります。この中で教員の必要数を計算するうえで、加配定数のことが数字として挙げられております。これとは別だという話を前回伺ったところですけれども、改めてこのことについても確認しなければならないと思います。
  • この前提ということで考えなければならないと思うことはあと3点ございます。今回中央教育審議会の中でも対象教科が示されたわけですけれども、それが加配の人数というわけではないというように思いますので、その加配をする際に人数をどうしていくのかということも考えなければならず、それは学校規模によってということもあるのかもしれません。
  • 学校規模が小さければ2校を1つで考え、1人の教員が担当するということも考えられます。また、初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリングの中でも多くの団体から話が出ていましたけれども、対象教科の縛りをどうするのかということであります。英語・理科・算数それぞれに意味があるというところはそのとおりであります。論点メモ(案)の【検討事項(1)】に関わるところでありますけれども、ただ小学校英語専科指導のための加配措置における専科教員の要件がかなり厳しいということがあって、なかなか進まなかったということもあります。この辺りの難しさもあるし、また前回の検討会議でも話したかもしれませんが、対象教科における専科教員の要件をどのように担保していくのかということがあるというように思います。
  • もう一つ、最後に論点メモ(案)の【検討事項(2)】に関係して、担当する専科教員の専門性の要件と同時に中学校免許状を持っているかどうかということがあるというように思います。このことについては、中学校免許状は必須ではないというように考えています。中学校の免許状を持っているということで、その教科の系統性とかそういうものは十分理解はされているということがあると思いますけれども、中学校の免許を持っているから小学校の高学年を指導ができるかということはまた別なので、初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリングの中にも出ていますけども、両校種の免許状併有というのが望ましいというように思っているところです。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。続きまして、中学校のほうの齊藤委員より、中学校でのお立場からの関連ご発言、ご意見をお願い致します。

【齊藤委員】

  • 齊藤でございます。よろしくお願い致します。
  • まず、今回様々な議論がされている中で、中学校の現場では、学校における働き方改革の推進やGIGAスクール構想の前倒し、来年度からの新学習指導要領の全面実施などの課題に直面しております。
  • ただ、今回の新型コロナウイルス感染症の諸対応に取り組むことで、子供たちの健康と安全を十分に確保するという視点から、今まで当たり前とされてきた学校現場の取組を見直す契機ともなっております。
  • 今回この会議に参加をさせていただきまして、義務教育9年間をともに担う小学校との連携を一層充実させることを通じて、義務教育9年間の教育的な成果を高めることができるように、これからお時間をいただいてお話をさせていただきます。
  • まず初めに、中学校の教員を小学校の教育活動に積極的に活用させるということをご提案したいと思います。これは義務教育を担う小学校、中学校の多くが公立の学校であるということ、そして、学校においては設置された地域に根ざした教育活動を展開することが、私たち校長の学校経営方針の柱の一つになっています。地元の小中学校の教職員が連携して、子供たちへの教育活動を展開されていることに、地域の方々からは安心感を持っていただいていると自負しております。さらに、中学校の教員を小学校高学年の授業等に関わらせることは、各教科等の指導はもとより、諸活動において従来よりも高い専門性が担保されることが期待できます。
  • 令和元年度の児童生徒に関する問題行動等の調査結果において、小学校における暴力行為の発生件数が増加しているなど、児童の問題行動や不登校等、生活指導上の諸課題への対応において、中学校の教員が持つ実践を児童の指導に活用できる機会も多々あることが期待できます。
  • さらに、小学校から中学校への進学に際して、既知の教員がいることで児童が抱える不安等、いわゆる中1ギャップの軽減や解消につながることも期待できます。
  • その一方で、中学校の教員が小学校において児童に授業を展開することを通じて、子供たちの考えを引き出したり、言語活動を取り入れたりする際の丁寧な指導と教材開発、教室環境の整備等に直接触れる機会にもなり、両方の校種における教員の資質と意識の向上という相乗効果が生まれ、それが子供たちに還元されることが期待できます。また、対象となる教科については例示されている外国語、理科、算数のほかについても、今後検討が進められるよう希望致します。
  • ただ、私が申し上げていることが実現されるには、予算あるいは人材の確保等、現行の法制度では難しいことが含まれていることも承知しております。ICTにかかる機材の活用やハイブリッドに係る指導の展開についても、限られた範囲であればまずやってみようで始められることでやっても、全国規模ではなかなかそうはいかないと存じます。しかし、現場の実態や思いを伝える立場としてもう少し発言をさせていただきます。
  • 今後、義務教育9年間における教育活動を充実させるためには、現行の制度と比較して、校種ごとに定められている学級数に応じた教員の配置定数を増やすこと、学年ごとに定められた学級を構成する児童生徒数の上限を文部科学大臣の発言に沿った設定とすること、中学校における教科ごとに定められた教員の持ちコマ数を軽減すること、オンライン指導を普及拡大すること、ICT教育を推進させるための環境整備を一層推進すること、中学・高等学校の教員免許取得者が、小学校において専科等担当教員として教科指導が可能になるよう制度を整備すること、そして最後に部活動や地域の健全育成活動等を通じて、勉強だけでなくスポーツ・文化的な活動においても、小学校と中学校との交流が促進される仕組みづくりを確立することが必要と考えております。
  • 既に他の会議等で検討されている内容も含まれますが、それらが適正に取りまとめられ、より良い制度が整うように、今後もこの検討会議において意見を述べさせていただきたいと存じます。
  • また、昨今の文部科学大臣の教育における諸制度改革について並々ならぬご発言を報道等で拝見し、文部科学省としての取組を拝察しますと、現場の校長として、個々の教員は、あらゆる場面でこれからの諸改革に対応できるよう、資質向上を推し進めなければならないと考えます。このことについては、校長としての力の発揮しどころだと、気持ちが引き締まる思いがしております。私からは以上です。ありがとうございました。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。それでは、これから残りの時間で、お二人のご意見、さらには前半ご議論をいただきました調査研究の進捗状況も含めまして、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について議論を深めてまいりたいと思います。
  • 論点メモを踏まえまして、自由にご発言いただければと思いますが、専科指導の専門性の担保に係る論点などについても、ご意見をいただければと思います。
  • それでは、委員の皆さん、ご意見のほう、よろしくお願い致します。それでは、喜名委員、お願い致します。

【喜名委員】

  • 先程の座長からもお話がありましたけれども、小中連携についてご議論をされ、実践していこうという話になったとき、中学校の英語教員や数学教員が小学校に来て授業していただけるという機会がたくさんありました。小学校高学年、特に6年生にとってはとても良い機会になりました。中学校ではこういう勉強をするとか、中学校ではこういう教え方をするという、いわゆる中1ギャップをなくしていくという意味では、大変よかったというふうに思いますし、専門性の高い教員に教えてもらうということはこういうことであるということも感じたところであります。
  • そういう意味で、先程、中学校免許状を持っているからということもありましたけれども、中学校の免許や、両校種の免許状併有がやはり望ましいということはもちろんだと思いますけれども、小学校の発達段階とか、特に小学校の場合個人差がかなり大きくなるところで、どのように専門性の高い指導していくというのは、別な意味の専門性が求められるということがあるのではないかというように思います。
  • また、東京都の場合は音楽と図工の場合は、小学校免許状を持ってない場合がかなりございます。中学校免許状のみ、中学校・高等学校の免許状だけで、その専科指導をするということももちろんできるので、そういう方向もあるということも考えているところです。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。それでは、齊藤委員、お願いします。

【齊藤委員】

  • 先程、論点メモ(案)等にも記載されていますが、教科の専門性を担保するということ、中学校の免許状を保有することを要件にすることについてお話がありましたが、中学校側の立場としては中学校免許を持っていれば良いということではなく、当然、現場で生徒指導等の経験も踏まえて、小学校の教科担任として受け持ってもらうことがあると思います。
  • したがって、人材の確保等も含めて新規採用の教員を小学校の教科担任に充てるとか、あるいは負担が大きいために講師を充当するということではなくて、やはり一定の経験、ノウハウを身につけた教員を教科担任制のもとで、小学校の高学年の子供たちには、高い専門性を発揮させて授業を展開することが前提と考えております。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。今のお二人のご意見で私が感じているところありまして、小学校と中学校とで教育文化がかなり違うということです。例えば中学校ですと、教科担任の教員は中学1年、中学2年、中学3年で持ち上がりながら、割と3年間見通すことが多いですが、小学校の場合ですと学級担任が1年生から6年生まで持ち上がるということは、今日ほとんどなくなっています。低学年の教員は結構低学年だけで、行ったり来たりとか、5、6年生の教員は5、6年生だけであるということです。しかし、学習指導要領が今般また改定されていますが、それを見ると、小学1年生から算数の場合でも、理科の場合でも系統化がされています。例えば中学校の関数は、小学2年生の表とグラフから始まっていますが、そういったことも内容的な見通しをきちんと押さえて指導していくということもやはり考えていく必要があるだろうと思います。
  • そういったときに教科担任制が、どのように機能するかということも含めて考える必要があるだろうというようには思っております。
  • それでは、他のご意見が、もしございましたらお願いしたいのですが、鈴木委員、お願い致します。

【鈴木委員】

  • 群馬県でも、前回の検討会議において、例えば、1学年1学級の小規模中学校だと、外国語を全部担当しても週12時間であり、他に兼務として、小学校の5、6年が1学級の学校であれば教科担任できるのではないかと申し上げた記憶があります。しかし、今、委員からお話があったように、例えばそれが初任の教員だとすると、1週間に5種類の教材研究をしなくてはならなくなってしまいますので、やはり一定程度の経験がある中学校の教員が小学校で教えるというような配慮が必要になってくるのではないかとに思います。持ち授業数を軽減するということだけでなく、教材研究の部分からも、小中連携をする際に、どのように教員を配置していったら良いのか、考えていくことが必要になってくると思われます。
  • また、小中学校の両校種の免許状を持っているほうが良いというご意見に関わって、資料2「初等中等教育分科会「中間まとめ」関係団体ヒアリング等における主な意見」の、2ページの「3.教員の専門性について」の最後のほうでに、「教職大学院で学修することが隣接した校種の免許を取得できることにつながっていくなど」という記載がありました。現場で働きながら、中学校の教員が小学校の免許を取ったり、小学校の教員が中学校の免許を取ったりすることがしやすくなるような、そうした仕組みがあると良いと思っているところです。
  • あともう一点、対象教科が外国語、算数、理科というような名前が出ているわけですけれども、群馬県の場合だと基礎定数内だと音楽専科、理科専科が多いという話を前回の検討会議でもさせていただきました。しかし、例えば体育なども子供たちの安全・安心を確保しながら、運動が苦手な子供たちに、できた喜びを味わわせていくということも踏まえると、かなり専門性が必要ではないかと思っています。
  • 基礎定数外のところで何の教科を加配していくかとなったときには、あまり教科を限定的にしないで、その地域の実態に合わせるような考慮もしていただけると大変ありがたいと思っております。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。貞広委員、お願いします。

【貞広委員】

  • ありがとうございます。論点メモ(案)のご説明も、喜名委員、齊藤委員からのご指摘も、まさに大変重要な点をついていると思います。その上で、これは義務教育9年間の学びを保障する体制を考えるという会議であるということで、今のご説明の中から、再度ということでPwCコンサルティングに、収集したデータをどのような観点から重点的に分析をするかということについてお願いがございます。
  • 今の全体のお話を伺っていて、私は3つのことがとても重要であるというように思いました。収集するデータはご提案いただいたデータで良いですが、どのような点に重点的にフォーカスして分析をするかということです。一つは、中学校を含めた基礎定数内の教員の再配置や活用によってできていることを明らかにすること、またはどのような再配置の方法でどこまでできているのかということを明確にしていただくということです。
  • もう一点は、基礎定数内の教員の再配置では済まず、何らかの加配の活用でないとできないこと、また逆に言うと何らかの加配があればできることは何かを明らかにすること、これが2点目です。
  • もう一点は、地域の実情に応じてどの程度の自由度が必要なのかということや、その自由度のバリエーションを明らかにすることです。選択肢と言ってもいいかと思いますが、この3つにぜひ重点的にフォーカスを当てて、分析をしていただきたいと思います。もちろん必要なだけ加配できれば一番それが良いですけれども、30人学級の実現と並行して行われていることを考えますと、そんなに打ち出の小槌のように出てくるとは思えませんので、基礎定数内の教員の再配置でできることと、加配でなければできないこと、更にどんな自由度を持てばできるのかということの3点をしっかりと同定していないと、地に足がついた議論ができないと考えています。加配が欲しいです、人が欲しいですという議論だけでは説明がつかない部分がありますし、今後の制度設計にも十分に資さないというところがあろうかと危惧しますので、3つの観点について、ぜひ分析をお願いしたいと思います。
  • また、2点目の両校種の免許状の件ですけれども、私、実は教職大学院のスタッフとして籍を置いており、大きな工夫ではなくても、教職大学院で両校種の免許状を取るというようなことは十分可能性があると思います。今も両校種の免許状ではなくても上級免許状への上進は多くの方がやっていらっしゃいます。中学校の教員が小学校の二種免許状だったものを一種免許状にするというのは、教職大学院で多くの大学院生がやっていることだと思いますので、この辺りはそんなに大きく制度の改正を行わなくても、工夫できるところじゃないかなというように思いました。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。村田委員、お願い致します。

【村田委員】

  • 9年間の学びがすごく大事だと思っています。小学校と中学校の教員がともに教科のことについて話すことや、生徒指導面に対しても中学校の教員が例えば小学校で勤務すると、今、特に小学校で暴力行為が増えている中で中学校の生徒指導に関するノウハウというのは、ある意味効果があると感じています。
  • ただ一方で、単純に小学5、6年を中学校的にするという考え方になるのはいけないというようには思っています。小学校は小学校なりのよさというのがあるので、小学校の教員になりたくてなった教員、小学校も中学校の免許状を持っているけど、中学校のよさで中学校になった教員はいらっしゃると思いますので、それぞれのよさというものがうまく活かされるような体制というのは必要だと思っています。
  • そのためには、本当に中学校の教員が小学校で勤務する際、どのような課題があるのか、体制的な問題と意識の問題もあるかもしれないですが、その辺、全国の各学校がどのように感じられているのかということを、調査研究の聞き取りでもお願いしたいというように思っています。
  • 一方で、今回外国語教育の専科指導が導入されたことで感じたのは、やはり専門性が高い教員に外国語を教えていただくと、小学5、6年生の子供たちはすごく楽しく学んでいたり、あるいは教科に対しても興味を持っていたりしており、それが学びの意欲にもつながっていることから、免許状というか専門性の担保は重要であるというのは改めて認識しているところです。
  • 今、現実的に外国語の免許を持っている小学校の教員が少ないから、余計にそのように感じているという思いもあります。算数とか理科に関しては、基本的には小学校の教員もノウハウをお持ちなので、今後もそれらの教科を専科にするときに、いかに中学校まで学びがつながる専門性を担保するかということは、課題になってくるというようには感じています。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。一通り委員の先生方からはご意見を頂戴しておりますが、もう少し時間もございますので、今までのご意見をお聞きになりながら、さらなるご意見ございましたらお願いしたいですが、いかがでございましょうか。
  • PwCコンサルティングのほうから、何か今聞いておくべきことはございますか。

【PwCコンサルティング合同会社】

  • ありがとうございます。先程、貞広委員よりご意見いただきました分析の観点3つですとか、村田委員からからいただきました、小学校から中学校に教員が入ってくるときの課題についてですとか、クリアにご指摘いただきましてありがとうございます。
  • 他にももしそのような観点で、近いところではこれからのヒアリングで抜け漏れなく聞いておくべきところ、それから、最終的に3月末までの間で報告書に取りまとめていくときの分析の観点についてご意見いただけることがありましたらお願い致します。

【髙木座長】

  • 委員の皆様、いかがでございましょうか。鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】

  • 調査に直接は関係ないかもしれないですけれども、小規模校で遠隔教育といいますか、オンライン教育で教科担任制を実施したら良いのではないかというお話がありました。仮にA校とB校がオンラインで授業をやっていくときに、A校にいる教員がB校の子供たちにも授業をしていくとすると、A校の子供たちはA校の教員が目の前にいるので良いのですが、B校の教員のどなたかは、そのクラスの子供たちを見ることになると思うので、その辺の仕組みといいますか、もしそうした取組例があればヒアリングしていただけると良いと思います。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。それでは、齊藤委員、お願いします。

【齊藤委員】

  • それでは、この教科担任制の実践について、PwCコンサルティングの調査のほうで、例えば校内で教科担任制を実践する様々な事例を挙げていただきました。先程、私から意見を述べさせていただいた中で、中学校の教員の活用についてお願いをしたところです。小学校の教員が9年間を見通した指導体制ということで、学習に特化して教科担任制を望んでいるということだとは思いますけれども、やはり問題行動等の面もありますので、学習以外にも何か中学校教員に対し期待するものがあれば、それについてもお話を伺えれば、中学校の教員として対応できると思っております。以上です。

【髙木座長】

  • ありがとうございました。今までで出ていない視点がございまして、それはどういうことかというと、今小学校では、新しい学習指導要領に関して、どのように学ぶかということを非常に大事にしております。教科担当ではなくて全ての教科でラーニング・トゥ・ラーンという言い方になります。学び方です。主体的・対話的で深い学びを含めて言っています。私が参画している小学校において単学級ですけれどもうまくいっていて、その小学校の指導があるからこそ中学校において、子供たちが自分たちからここが分からないから、教えて下さいといった交流をし、中学校の教育に小学校の成果が出ているという事例もありますので、もしそういう事例があったら、小学校で学んだことが中学校においてどういうふうに発展したり生かされたりしていくかということも、調査の一つの中に入ると、その辺りが見られるというように思います。子供たちは、段階的に育っていますので、そういった視点も一つ入れていただきたいなというように思います。そろそろ時間も迫ってまいりましたが、いかがでございましょうか、よろしいでしょうか。
  • 調査研究のほうも大体今日はPwCコンサルティングのほうは大丈夫でしょうか。視点がいくつも出てきていますので、そういった視点整理をお願いしたいと思います。
  • それでは、先程、喜名委員からお話がありました30人学級の定数の問題と、義務教育9年間を見通した指導体制の在り方に関することで、森友財務課長より、お話をいただきたいと思います。お願い致します。

【森友財務課長】

  • ありがとうございます。財務課の森友と申します。
  • 先程、喜名先生からご質問いただきました、現行の少人数指導あるいは専科指導などのために加配が行われているものでございますけれども、現在概算要求で事項要求として、まさに折衝している少人数学級の実現のために、そちらが使われることがあるのかどうかというご質問だと思いますけれども、我々と致しましては、もとよりそういった現状の少人数指導等の加配を削減することなく、今回要求している少人数学級を実現したいという考えで、まさに折衝しているところでございますので、よろしくお願い致します。


4. 閉会
【髙木座長】

  • それでは、少し時間が早いようですが、事務局からよろしいでしょうか。本日はこの辺りにしたいと思います。
  • 本日は様々なご意見をいただきまして、ありがとうございます。本検討会議の次回開催につきましては、追って事務局からご連絡を致します。
  • それでは、本日予定しました議事は全て終了しましたので、少々早いですが、これで閉会と致します。ありがとうございました。

 

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