デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループ(第2回)議事録

1.日時

令和3年9月3日(金曜日)14時30分~16時30分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室 ※Web会議での開催

3.議題

  1. デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様等について
  2. その他

4.出席者

委員

大関委員、片山委員、加藤主査代理、下山委員、東原主査、渡部委員、榊原オブザーバー、白鳥オブザーバー、長谷川オブザーバー、三村オブザーバー

文部科学省

塩見大臣官房学習基盤審議官、板倉情報教育・外国語教育課長、中川初等中等教育局視学委員、神山教科書課長、度會教科書課長補佐、高見教科書課教科書企画官、安彦デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチームリーダー、佐藤デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチームサブリーダー、中居デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチーム専門官、松本デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチーム専門官

5.議事録

デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関する
ワーキンググループ(第2回)

令和3年9月3日



【東原主査】 ただいまからデジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループの第2回会議を開催させていただきます。
本日もお忙しい中,御出席くださいまして誠にありがとうございます。今回も新型コロナウイルスの感染状況を踏まえまして,ウェブ会議方式としております。
本日の議題は2件ございます。一つ目が「デジタル教科書の導入・管理に関する統一されることが望ましい仕様について」,二つ目が「デジタル教科書の使用に関係し,備えることが望ましい機能や操作性について」です。これらにつきまして,皆様に御議論をいただく予定です。
それでは,事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【度會課長補佐】 事務局でございます。議事次第を御覧いただければと思いますが,本日の資料は資料1から6,そして参考資料が1と2でございます。過不足等ございましたら事務局まで御連絡いただければと思います。
以上でございます。
【東原主査】 今回は,まず事務局より報告事項があるとのことです。資料1について御説明をお願いいたします。
【度會課長補佐】 事務局でございます。こちら,来年度概算要求をいたしました学習者用デジタル教科書普及促進事業の概要でございます。来年度に向けて約57億円の要求をさせていただいております。
背景及び課題といたしましては,GIGAスクール構想により1人1台端末環境が整備される中,ICTを最大限に活用しつつ,学習環境を改善し,学校教育の質を高めていくために,令和6年度をデジタル教科書の本格的な導入の最初の契機と捉えまして,その活用を一層推進していく必要があると考えているところでございます。
そして,教科書制度の見直しを含むデジタル教科書の今後の在り方につきましては,教育上の効果や健康面への影響も含めた全国的な実証研究の成果等を踏まえつつ,さらには財政負担も考慮しながら,今後詳細に検討する必要があると考えております。今申し上げたことは,今年6月に取りまとめましたデジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議の第一次報告でも言及されているところでございます。
また,骨太の方針や成長戦略においても,デジタル教科書の普及促進や現行制度の在り方、デジタル教材との連携の検討を求められているところでございます。このようなことを踏まえまして,引き続き,児童生徒の学びの充実や障害等による学習上の困難の低減に資するよう,学校現場におけるデジタル教科書の導入を促進してまいりたいと考えております。
来年度,概算要求をさせていただきました事業の内容といたしましては,大きく5点ございます。まず一つ目が,学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業でございます。こちらは今年度も実施させていただいており,全国約4割の小中学校等を対象に,デジタル教科書を1教科分配布させていただいているものでございますが,来年度に向けては,まだ要求段階ではございますけれども,小中学校等を対象といたしまして,1教科分のデジタル教科書を提供し普及促進を図り,また,特に効果の期待される特別な配慮が必要な児童生徒につきましては,必要な全員が利用できるようにしたいと考えております。
また,今年度に生じた課題の改善状況や全国的な提供に当たって生じる新たな課題などにつきましても,教科書発行者様において報告を求めたいと思っております。
具体的な対象の学校種や学年につきましては,原則国・公・私立の小学校5・6年生,中学校全学年の全員を対象にしたいと考えております。また,小学校段階の重点校においては,一部でございますけれども,1年生から4年生も対象にしたいと考えております。さらに,特別支援学校の小学部・中学部の全学年,また特別支援学級も全て対象にしてまいりたいと考えております。
以上が1点目でございます。
2点目は,学習者用デジタル教科書のクラウド配信等の設計に関する検証事業でございまして,こちらにつきましては,今年度,クラウド配信に係るフィージビリティ検証事業をやらせていただいておりますけれども,それの後継に当たるものと考えております。そこで,今年度に引き続きまして,デジタル教科書のクラウド配信による円滑な導入・使用を担保するため,本格的な導入に当たって必要な,学校における通信環境等を引き続き検証してまいりたいと考えております。加えまして,本格的な導入を見据えて,デジタル教科書に必要な機能や配信環境等を新たに開発・実装することも考えてまいりたいと思っております。
3点目は,デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業でございまして,こちらも引き続き実施させていただきたいと考えているものでございます。今年度に引き続きまして,実証研究校での詳細な調査による,デジタル教科書の使用による効果・影響の検証と,先ほど申し上げました①の大規模に実施させていただく事業と連携いたしまして,全国でアンケート調査を行ってまいりたいと考えております。こういった学校の先生や児童生徒に対する多くのデータを基に,効果の検証や傾向・課題等の分析を行ってまいりたいと考えております。
また新たに,将来的な活用の在り方も考えていかなければならないと考えているところでございますが,デジタル教材等との連携や学習eポータルの活用も含めて,教育上の効果について分析を行ってまいりたいと考えております。また,地域の学力調査と連携したデジタル教科書の教育上の効果の分析も今年度実施させていただく予定ではありますけれども,その規模も拡充してまいりたいと考えているところでございます。
続きまして,4点目と5点目は両方とも新規で考えているものでございます。まず,④は,デジタル教科書を活用した教師の指導力向上事業といたしまして,発達の段階や教科の特性に応じた,デジタル教科書を活用した効果的な指導法を研究・実践し,学校の先生の研修等に資する発信を行ってまいりたいと考えております。
最後,⑤は,デジタル化に対応した教科書制度の見直しに向けた調査研究事業といたしまして,現行の教科書の検定・採択・供給の制度について,昨今の社会のデジタル化に対応した見直しを行うための仕組みの調査・設計や調達支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
説明は以上でございます。
【東原主査】 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明につきまして,確認しておきたい点がございます方は,挙手ボタンをお願いいたします。
ありがとうございます。それでは,今のところ手が挙がっておりませんので,議題に進めさせていただきます。一つ目の議題である「デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様について」,資料2から5に沿って事務局から御説明をお願いいたします。
【度會課長補佐】 事務局でございます。
今,主査からお話がありましたとおり,一つ目の議題に「統一されることが望ましい仕様」を挙げさせていただいておりますが,いわゆるCSVフォーマットを統一していくことについて,資料2から5を用いて御説明いたします。
まず,資料2に関しまして,実際にデジタル教科書を学校現場に導入していく際に,生徒の情報等を登録していく必要がございますが,その現状の流れを図示化したものでございます。現状,情報登録の際の課題といたしまして,例えば学校においては,まず一つ目の作業として,教科書発行者様ごとにテンプレートを作成します。発行者ごとにというのがポイントで,学校は発行者ごとにテンプレートを作成・送付するという課題がございます。実際,各社の登録フォーマットなどが異なるので手続が煩雑という声をお聞きします。また,フォーマットを用いた登録を行う環境にも課題があるという声も伺っております。
また,登録後,先ほど申し上げました一つ目の作業であるCSVフォーマットを用いた情報登録とは別に,各ユーザーとライセンスの紐付け,つまりこの子はどのデジタル教科書を使うのかという紐付けを行う作業が必要となります。つまり二段階あるというイメージでございます。
流れといたしまして,まず黒色の矢印は会社と,例えば教育委員会において契約を結ぶことを示しております。デジタル教科書使用に係る契約は,今,この資料上は「教育委員会と」となっていますけれども,もちろん学校と直接契約がなされる場合もあると認識しております。
その契約の後,クラウドの図から上に伸びています緑色の矢印は,その会社様のほうからライセンスの証明書や,作業のための管理者のIDのような紐付けIDが発行されて教育委員会に行くことを表しております。そして教育委員会からそれぞれ該当する学校にその情報が行き,その後,先ほど申し上げた二つの作業を行います。一つ目に,必要な情報をフォーマットに記載して各社にアップロードをするという作業,二つ目に,実際にその情報を基に,ユーザーとどこのデジタル教科書を使うのかというライセンスの紐付けを行うという作業が必要になります。これらは,現状デジタル教科書を使用し始める前に必要な作業でございます。
次のページに書かせていただいたのは,フォーマットが標準化された場合のイメージでございます。先ほど申し上げました現状を踏まえて,フォーマットを標準化していきたいと考えており,デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様,CSVについて,登録項目を標準化したCSVフォーマットを国のほうで決定して学校に提供することで,学校では,標準化したCSVフォーマットを1回作成して,これを管理するだけで,複数のビューア(教科書発行)会社様への登録が可能となるようにしたいと考えています。
一枚目と同じような図でございますが,先ほどの図と大きく違うのは,作業①の青色の矢印で,各社ごとにテンプレートを作成していたところを,一つ作成すればどの社に対しても使用することができる点でございます。
資料3をお願いいたします。
このような考えについて,CSVフォーマットの在り方も含めて,デジタル教科書に標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性などについて,発行者様や,ビューアの事業者様に関してヒアリングを行わせていただきました。その意見を資料に沿って、御紹介させていただきます。
まず,1.(1)の最初,統一化に対する各事業者様の意見として,二つ目以降ですけれども,「標準化したCSVフォーマットの導入について前向きに対応する」や,「自社の登録事項は最小限度にとどまっているので,必須標準項目の部分は全て案に含まれており,紐付けするなど対応は容易である」という意見,また,「標準化に向けてやるべきことと課題がクリアになった。令和6年度の本格的な導入に向けて簡便にする方向性には同意」,「自社の負担が高まっているのでCSVフォーマットの導入を検討中」といった御意見をいただきました。こういった意見をいただいた会社様の中には,実際に会社様のほうで必要数のアカウント発行とライセンスの紐付けを完了した状態で納品している会社様もございます。実際にフォーマットを導入するかについては,フォーマットの様式が定まれば,それに従うことになるといった御意見がございました。
続いて,今後の方向性の部分ですけれども,一つ目から,「標準化するためにはシステム変更が必要であるが,軽微な改修で対応可能」という御意見や,「今後,段階を経て実現するのであろうが,その場合,複数回のシステム改修を要することとなるので,それは避けたい。各事業者に協力いただける範囲を調整・特定し,一度に変更するべきではないか」という御意見,「ID発行等の作業を事業者で行うことで学校の負担が減るプラスの側面もあると捉えているが,標準化も必要と考えている」という御意見,また,「標準化したCSVフォーマットを実装する際,各事業者はシステムが正常に動くようにテストや設備投資を行う必要がある」といった御意見がございました。
一方,「令和4年度に向けてシステム改修を行うことは難しい。現場のニーズ把握の時間も鑑みると,一定の時間が必要ではないか」といった御意見や「最終的な将来像を示しつつ,今後対応を要する事項についてビューア事業者や出版社の協力を得ることが必要。将来像が明確でない状態で,過渡期の標準化に対応することは難しいのではないか」といった御意見がございました。
続いて現場の状況でございますけれども,「登録作業の主体は,教育委員会であったり,学校であったりと自治体で様々」ですとか,「情報登録は,同じ作業の繰り返しや類似するファイルへの複数回の入力作業が煩雑であるとの意見がある」ですとか,「CSVフォーマットとは何か,エクセルが必要なのかといった質問を受けることがある」といった御意見がございました。
続いて,CSVの登録項目自体について,「今後,修正するデータや新たに追加したい項目がないとは限らないから,将来の変更の可能性を考慮に入れて項目を追加できるようにすることが大切」という御意見や,「登録項目の標準化をしないとユーザーの利便性も高まらない。標準化項目の範囲は,極力削減することがよいが,項目が限定されることで,例えばサービス向上に向けた各事業者の創意工夫に抵触しないような取扱いにしてほしい」という御意見,「現在のCSVフォーマットにおいて各事業者が必要とする登録項目には,事業者との関係で必須となる項目と,学校現場のニーズを想定した上で設定している項目がある。後者の学校現場のニーズを想定した上で設定している項目は,各事業者との関係では不要である」といった御意見,さらに,「標準化すべきCSVフォーマットの登録項目を精査すべき」という御意見や,「各事業者のシステム改修の手間を最小限にするとともに,将来を見据えて登録項目は最小限にするという考え方もある」という御意見,最後に,「『処理種別』の項目について,オペレーションの切り分けが現場で混乱せずに適切に行われるかが課題。特に,操作主体が学校,教育委員会と多様なので一層注意が必要」といった御意見がございました。
個別の論点といたしまして,CSVフォーマットのエクスポート機能について,「特定の事業者のみに係る情報を修正などした場合,管理画面からエクスポートをしても,当該事業者以外の事業者の情報については省略されてしまう。各事業者に係る情報をそれぞれ修正した後,それらの情報を統合するソフトを作らないと,完全な更新されたCSVファイルは完成しないだろう」という御意見や,「エクスポートに関するオペレーションについては,各事業者の状況や考えを把握した上で検討することがよいのではないか」という御意見がございました。
続いて,ユーザーの識別のところで,「ユーザーを一貫して識別するキーが必要であるところ,当該キーとなる項目を決める必要がある」といった御意見や,CSVフォーマットのマスターデータの管理について,こちらも「標準化したCSVフォーマットデータのマスターの管理ルールも決めるべきではないか」という御意見,また表示名の取扱いについて,「氏名は不要にしている。ニックネームも登録されないケースがあり,その場合,IDをニックネームとしている」という御意見や,「氏名を把握する必要性は薄い。学校側で本名を登録する場合もあるが,その例は極めて少ないと認識している」という御意見がございました。
そして,登録作業に関する周知でございますけれども,「現場からは,ユーザー登録の要否,ライセンス証明書は何かというそもそもの質問が多数寄せられている。ユーザー登録の概念やその必要性について分かりやすくアナウンスするなど,ユーザーの理解を得ることが必要」といった御意見がございます。
(2)ユーザーとライセンスの紐付けの簡素化に関しまして、これは,例えば先ほど私,資料2で申し上げた作業が,二つあると申し上げましたが,その①と②を簡素化できないかということに対する御意見でございます。「学校名,学年,教科,人数が判明していれば,自動的な紐付けは技術的には可能であると考えられる」ですとか,「事業者による自動的な紐付け後,教育現場の先生による最終的な確認作業はやはり必要になる」といった御意見がございました。例えば,高校の選択科目を想定した場合に,クラス内で地理と歴史を,選択している生徒がそれぞれ20人いた場合に,どの個人と,どの教科の紐付けを行うかは不明であるのでなかなか難しいということです。
また,特定の,ある特別の配慮を必要とする児童生徒に対するものが考えられますけれども,教科書の下学年利用ということも考えられますので,そういった場合になかなか難しいのではないかといった御意見がございました。
続いて,資料4をお願いします。こちらは,今年度,デジタル教科書を全国4割の学校に配布させていただいている事業を通じて,教科書発行者様に対して,学校へのデジタル教科書の導入に係る課題に関して,断定的にその課題というものを聞いたものを御紹介いたします。
一つ目からですけれども,「ユーザー設定作業が学校現場では慣れない作業となったため,問合せなどから作業が難航している様子がうかがえた。ユーザー設定のための統一フォーマットができればよいのではないか」,「デジタル教科書へのログイン,利用のための登録について,操作が難しいとする学校がある。各教科等のデジタル教科書使用のための方法を,各社でできるだけそろえるとよいのではないか」,「初期設定では,各学校で児童生徒分のユーザー情報登録を実施いただく必要があるが,CSVファイルでの登録としたため,ファイルのデータ作成が現場の先生には難しいようだった」,「ビューアごとに導入方法が微妙に異なる上に,学習者用についても教科の教員がアカウントの設定をしようとするため,ビューア単位でアカウントがばらばらになる」,「アカウント登録方法などが出版社により様々であるため,学校現場で困惑がある。また,端末の種類の違い,自治体・学校のセキュリティにより登録のできない環境が出てしまう。登録作業について,教育委員会で行ったり,ICT支援員などを活用したりして行うことも考えられるのではないか」,「セットアップについては,利用者登録とシリアルコード割当てなど作業があるが,デジタルが不慣れな先生方にとっては,使用開始までのハードルが非常に高い印象を持たれてしまった」,「現状,端末整備,ネットワーク整備から日が浅かったり,整備途上だったりする中であるため,初めての導入設定作業となった学校が多数あった。しかし,デジタル教科書の使用にはどのような設定が必要になるのか,それほど専門知識がなくてもできるのだということを体験できる有益な機会になっている。まだデジタル教科書を使用したことのない学校やより多くの先生方に,使用する機会を広げていくことが有益だと考える」,「児童生徒のIDの作成ルール,管理ルール,履歴データの管理ルール等が,学校や自治体によって異なるため,複数の問合せ対応等を行った。国において,児童生徒のIDや履歴データの管理に関して,一定の方向性が示されるとよいと考える」といった御意見をいただいたところでございます。
一旦,資料2に戻っていただきまして,資料2の2ページ目をお願いします。今お伝えしましたのは,フォーマットを統一化していきたいということで,その在り方についていろいろ御意見を伺って,御紹介させていただいたものでございます。では,CSVフォーマットにはどのような項目があるのかや,必要なのか,標準化したCSVフォーマット導入に当たってのポイントは何かということを御説明してまいります。この資料上,下の部分,標準化CSVフォーマット案とさせていただきましたけれども,例えば,考えられる項目として,標準項目,必須のもの,任意のものがあると思いますけれども,学校等において,必ず入力を要する標準項目というのが必須標準項目と捉えております。また,学校等において必ずしも入力を要しない任意の項目もあると考えています。また,会社様独自の項目,使用する対象の教科書の発行者ごとに独自に入力を要する項目,こちらは各社独自項目とさせていただいております。
今三つの項目を申し上げましたけれども,この資料上の青枠の下に※2とありますけれども,こちらはCSVフォーマットのイメージ図で,こちらに必須標準項目や,任意標準項目,各社独自項目をこのようなイメージで配列させていただいております。
標準化したCSVフォーマット導入に当たってのポイントや検討課題といたしまして,標準化後,学習者用デジタル教科書の導入・管理に向け,登録項目を標準化したフォーマットを文部科学省において決定いたしまして,学校等に提供していくことを考えております。また,その登録項目は,必要に応じて更新を実施していくことになると考えております。その際,各社様の独自項目があれば,追加については,各社様がその項目名と具体例を文科省に提示していただいて,相談いただいて調整を行っていくことになるのではないかと考えております。
続きまして,標準化に係る検討の方向性といたしましては,各事業者様の改修コストにも配慮しつつ,学校現場の利便性を向上させる柔軟な標準化を実施してまいりたいと。すなわち,事業者様における標準化CSVフォーマットのファイルの取り込み処理について,各事業者様との関係において必要のない項目は,「エラー」とならないようにして,取り込み対象としないことによって実現することがよいのではないかと考えております。それでもなお,必要な項目というのはやはり備えるべきであるところでございますので,必須標準項目や任意標準項目は,必要最小限の範囲とすることが適当ではないかと考えております。そこで,必須標準項目として考えられるのは,学校や事業者として,情報登録や管理等のために最低限必要とする項目ですとか,今後の教育システム全体の望ましい姿を考えたときに必要となるなどの観点から必須と考えられる項目が考えられます。
また,今後のこととしまして,今後の検討・調整において各事業者様においては,仮に現状備えていない項目があったとしても,当該項目について,処理したり,機能したりするように対応することはどうかと考えておるところでございます。
続いて,任意標準項目についてですけれども,こちらは学校において必ずしも入力を要しない項目ではありますが,項目として考えられるのが,学校における情報管理等において,学校側として必要と考えられる項目などを考えております。ですが,任意標準項目というのが,学校において必ずしも入力を要しない項目であることに鑑みると,今後,調整過程で変わっていくかもしれないところ,各事業者のシステムに応じて処理することや,機能する項目なのか否かについて,学校等が入力する際にフォーマット上に明示することはどうか,もしくは入力する際に,フォーマット上に限らずそれがちゃんと分かるようにしておくことが必要ではないかと考えているところでございます。
続いて,資料5に関しまして,今し方,フォーマットの項目について申し上げましたが,こちら,ビューア会社様に対して,フォーマットをいろいろとお聞きして作成させていただいた比較表でございます。この表の見方といたしましては,まず表の上の部分に分類を示しています。登録が必要な項目である必須標準項目,登録が任意の項目である任意標準項目、最後は各社ごとに独自に入力を要する項目となっております。
その下に,それぞれの項目に該当すると考えられる項目を記載しております。表の一番左の列に振ってある数字の,四つ目のところで,例えば必須標準項目であれば,処理種別や文科省の学校コード,利用者区分,ログインID,パスワード,表示名,学年,入学年西暦がございます。この表上における分類は,各社独自項目は除きますけれども,我々事務局において,主査である東原先生や主査代理である加藤先生と相談させていただいて考えたものでございます。これが完成形ではございませんが,こうではないかと考えたものに対して,各ビューア会社様に,会社との関係で情報登録・管理のために必ず入力を要する項目であれば「二重丸」,会社との関係では不要だけれども,学校の情報管理に資するために入力を要する項目であれば「三角」,そもそも設定なんてしていないという項目であれば「不要」というように御記入いただき,それを取りまとめたものがこの比較表でございます。
この前提の下,必須標準項目から見ていくと,例えばログインIDとパスワードは全て二重丸がついております。ですので,例えば,これはこのまま必須標準項目と捉えられるのではないかと考えられるところ,一方で,表示名,ニックネームは三角になっており,これはともすれば,任意標準項目に移行できるのではないかということも考えられます。
他方で,例えば一番左の処理種別や学校コードは,現状,どの会社様においても不要となっております。こういったものについて不要のままとするのか,それとも今後の教育システム全体の姿を考えていったときに,必要になるのではないかといったところを検討していくことができればと考えております。
続いて,真ん中の任意標準項目ですけれども,任意でありながら,任意であるのでというのもあるかもしれませんけれども,例えば姓・名のところは全ての会社様において,現状設定はしていないというところなので,これは本当に不要ではないかとも考えられます。残りの,例えば,クラスやシングルサインオン用のID,メールアドレス――シングルサインオン用のIDはちょっと特殊でして,今後事が進んでいけば必要になってくると考えられますけれども,こちらの項目については,任意のままでもいいかもしれないと考えられます。
最後,各社ごとに入力を要する独自項目でございますけれども,こちらは各社様の考えに基づいて設けている項目であるところ,フォーマットの統一に向けて,そもそもこれは必要であるという項目や,調整すればこれは不要かもしれないといったところも含めて,調整,検討をしていきたいと考えているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
【東原主査】 それでは,今の事務局の説明を踏まえ,CSVにおいて必要と考えられる登録項目や必須・任意の在り方,それを検討するに当たっての観点や留意点,また使い勝手の観点から,実際に学校現場から指摘されている声などについて,皆様の御意見をいただければと思います。
片山委員,お願いいたします。
【片山委員】 御説明ありがとうございました。大変分かりやすく,ありがとうございました。最後の表からお話いたします。今までのお話をお聞きする限りにおいては,CSVにするということは一部難しい事業者様もあるかもしれないですけれども,これはもうやらないと前に進まないというか,早めに決めるしかないだろうというふうに思って聞いていました。
必須か任意かと,各社独自項目のこの三つについて,ログインIDとパスワードは間違いなく要るのだろうと思います。また任意については,どうしてもというものはなさそうだと思います。ただ,シングルサインオンについては要るようになってくるのではないかということはございますが,各社独自にジェンダーは不要でしょうし,ほかのところを見ても絶対かというと,そうでもなさそうだというふうに思います。教育委員会や学校でこれらを入力して一覧にするためには,できる限り項目を絞っていただいて,任意のものや各社独自のものがほぼゼロになるような形で,標準の最低限だけに絞っていただくということにしていただけるとありがたいと聞いていて思いました。
私であれば,ログインIDとパスワードと,それとあとシングルサインオン,この三つをむしろ必須にしてしまって,それだけ3項目という形くらいにすると何か大きな問題が出てくるのかという辺りを詳しい方に教えていただけるとありがたいです。
以上です。
【東原主査】 ありがとうございました。
片山委員より,思い切って少なく三つぐらいにしてしまったらどうかという御意見がございました。これに関して三村オブザーバー,お願いいたします。
【三村オブザーバー】 今,御質問いただきました極力少なくするというところですけれども,それができれば確かに一番望ましいと思っております。ただ,この各社独自項目の中で二重丸としているものに関しましては,そのビューア会社のシステムの制御上必要としている項目もありますので,こういったものはやはり残さなければならないと思います。ほかの会社がなかったとしても,その会社としては必須のものが今二重丸となっていると思いますので,こういったものは残していく必要があると思います。それ以外の各社不要となっているものに関しては落としていくことができるのではないかと感じた次第です。
【東原主査】 ありがとうございました。
長谷川オブザーバー,お願いします。
【長谷川オブザーバー】 片山委員の,3項目ぐらいの必須項目に限ってはということについて,技術的な観点では問題ないとは思いますが,例えば学校の現場で,ID,パスワードで入力をしてログインした後,表示名として使われている名前を生徒さんが見て,自身が正しくログインしているということを確認するというような,そのような利便性で,現場は比較的必要とされているのではないかと思った次第です。
以上です。
【東原主査】 ありがとうございました。むしろユーザーのほうからのニーズに応えている部分もあるというお話かもしれませんが,片山先生,何かございますか。
【片山委員】 ありがとうございます。とてもそうかなと思いながら聞いておりましたが,もしそうだとすると,学校種コードのところに二重丸が二つありますが,これは必須項目にございます利用者区分とかなり項目が似通っているので,むしろこれも必須として,合わせた形で入れて残すということも考えられると思います。あるいは名前のところは,私もユーザーサイドからすると要るのかというところははっきりと分かりませんが,これも振り仮名と漢字など,例えば,この「文科太郎」が平仮名と漢字と両方要るということはなしにするというように,できる限り絞って,国でこうだというふうにしてしまうと良いと思います。自治体としても,狭い範囲に絞ってもらうと,その中で結構行けますし,比較表をこのように明示されてくると,絞ることが妥当だというふうに思いますので,そこは国の基準をなるべくシンプルにしていったほうが,結局迷わないでうまくできるだろうと思ってお聞きしました。ありがとうございました。
【東原主査】 ありがとうございました。
大関委員,よろしくお願いいたします。
【大関委員】 東原主査,ここで先ほどおっしゃったのは,検討するに当たっての観点と,それから学校現場からの声などで聞いているものがあればというこの二つということでよろしかったでしょうか。
【東原主査】 今ここで話題にしていただくものは,先ほど事務局から御説明いただいた全体ということで結構でございます。
【大関委員】 分かりました。では,私は,先ほど事務局から説明がございました教科書発行者とビューア会社のヒアリングの場に教科書協会の立場としても同席させていただきましたので,そのときの雰囲気などを含めて,感じたことなどをお話しさせていただきたいと思います。
まず,CSVの共通化とかいろいろな標準化に関して,総論として反対している発行者,開発会社はなかったと理解しておりまして,第1回で示されたとおり,令和6年の本格導入に向けて,できることを少しでもこのワーキングでという方針に関しては,全関係者が同じ方向を向いているようであると理解しております。
その上で,今後検討するに当たっての観点として私が感じておりますところは,まず一つに,誰のための標準化かというところを大事にしたほうがよいと思っております。当然のことながら,また,先ほどまでの資料にありましたとおり,一つは学習者,児童生徒,先生,実際に使っていただく方のための標準化であり,二つ目は管理者,学校の先生や教育委員会の方,あるいはその委託先の業者,ICT支援員の方などにとって便利になるということです。これが一番の目的で標準化をしていると思っております。
そのため,基本的にヒアリングの場で多かったのは,もう少し彼らが困っていることを把握した上でどこをどう標準化するか,あるいは標準化するに当たっても,この方向でよいかというところのやり取りを丁寧にして令和6年を迎えるということがよいのではという意見もあったように思っており,私もそのような方向がよいと思っております。
このワーキンググループは2年間ありますので,少しこの辺りの現場の困り事やニーズの把握をし,それから対応方法がこれでよいのかというところを少し丁寧にやりながら,できることを少しでも行うということがよいと,限られた開発資源を充てる以上,そのようにやっていく必要があると思っております。
本日御説明いただいた資料は,発行者や開発会社が間接的に聞いたことや,作っている側,あるいは発行者側の立場から,この辺りを標準化するとよいのではという意見は多くありますが,実際の困り事というところに関しては間接的なところも多いと思うので,今後この辺りをどのように吸い上げていくかが大切です。先ほど,来年度の実証事業の話もありましたので,その辺りをうまく活用できないかというようなことを思っております。
2点目は,デジタル教科書に閉じた標準化にならず,GIGAスクール構想で整備された端末の中で使う様々なものも横に見ながら標準化をしていくということです。それを横に見ながら,デジタル教科書として何を標準化していくかというのを考えたほうがよいのかなというところでございます。
皆様,御存じのとおり,GIGAスクール構想で整備されたタブレット端末,ノートパソコンでは,デジタル教科書だけを使っているのではなく,OS標準のアプリケーションや,いろいろな教材と組み合わせて使っております。また,このユーザー登録に関しても,デジタル教科書だけでなく,そういった教材でも同じようなことがあるでしょうし,資料2にもありましたとおり,校務のシステムなどでも名簿とかID管理などは行っておりますので,それらを横に見ながら,共通の世界の中でこうなのでデジタル教科書のCSVはこうあると良いというようなところまで考えて,それが実際現場の求めているものになっているかというところが進め方として必要になってくると思っております。
第1回のワーキングでも,東原主査が,一般の技術の進化から取り残されないようにというバランスがなかなか難しく,それを意識しながらここのワーキングで決められる範囲を決めていくという話もあったと思いますので,そのようなデジタル教科書以外の世界も見ながら,このCSVの在り方などを考えていく必要があると思っております。
それから,3点目は少し大まかな話ですが,標準化の進め方として,標準化できそうなことをやるのか,標準化したほうがよいことをやるのかといった話もございました。もちろん二極的な話ではないのですけれども,標準化したほうがよいこと,求められていることを見極めた中で,その中で標準化できそうなことを考えていくという話の順番が,優先度をつけて対応していく中ではよいと思っております。
それから,特に大きな話としては,4点目です。管理の面で,IDやパスワードの在り方に関しては,特に国のほうの動きでこれまでにも話が出ておりますが,今までと同じように,自治体や学校のほうでIDを振ってというようなことになるのか,それともユニバーサルIDのような教育用のIDが付与されて,転校しても持ち回るようになるのか,それから学習eポータルのときのIDというのはどういうものかといった,様々な国の施策もあるでしょうから,そのようなところも含めて,IDとはこういう感じになりそうなのでCSVもこうなっていくみたいな大きな動きも見ていったほうがよいというところでございます。
後半,CSVの,御用意いただいたフォーマットの観点として感じたことを幾つか,今までの総論的な話と重複している部分もありますが,述べさせていただきます。
まず,CSVのフォーマットについて,今片山委員からも御意見をいただいて,なるほど,それが教育委員会や現場の求めている,できるだけ項目を少なくということなのだろうとよく分かりましたが,一方で,表示名があったほうが良いという学校の人もいるのではないかというようなところもございます。実際にこの統一フォーマットを案として示して,例えばこれが現在行われている全国の様々なIDの運用になじむかというところを,調査する方法があるか分かりませんが,求めていることになっているかを見られると,やり方としては丁寧でよいと思います。
例えば今,標準項目の話題になっておりますが,標準項目の中でも,ログインのIDというところが,資料5ですと,文字数で8から254となっていますが,私が聞いたところ,とある自治体では,それまでのソフトで7文字でIDを付与してもう既に運用しているので,7文字を受け付けてほしいというような御意見もございましたし,半角英数字を,必須かどうかというのはこの資料から分からないですが,半角の英字を必須にされると,低学年の子供が入力が難しいと考えられるので数字だけにしてほしいですとか,片や,その辺りはセキュリティ上の問題があるので英数字を必須にしてほしいとか,様々な実際の運用が始まっているという実態があります。もちろん,全部そろえられるところはなかなか難しいかなと思いますが,実際の運用とこの案を照らし合わせて,逆に困った状態にならないかというところは見たほうがよいと学校の問合せから感じられているところでございます。
それから,先ほど話したとおりですが,校務のCSVとかほかのソフトでCSVを使っているのかなど私も十全には把握しておりませんが,その辺りと横並びで見た中で,使い勝手のいいものというのも,もしかして観点としてあるのかなと思います。また,国の動きによってこのIDとか,文部科学省学校コードの取扱いなども決めていくところもあるかなと思います。
それからあとは,実装上の話として,資料の中にもありましたが,性能要件を満たすために何行までというところを決めたほうがいいとか,令和4年はちょっと間に合わないという意見があるというようなこともございましたので,基本的にはこれらの学校のニーズなどを見ながら,令和6年に向けて丁寧に仕様を決めていって標準化を目指していくというところが進め方としてよいのかなと思っております。
その中で,ここは文科省さんの事業の話なのでどこまでというのはあるのですが,これまでの実証事業ですとかそういったところで,実態に合っているかというようなところの御意見を伺ったりという進め方ができると一番よいのかなと思います。その上で,学校現場からの声のところでもあるのですが,私も今年度,普及促進事業で学校に使っていただく中で,いろいろな問合せを導入段階でいただきました。大きく二つに分けられたと思います。そもそも,ユーザーの登録ということや,それに対するライセンスの紐付けという概念が分からない,あるいは資料にもありましたが,CSVというデータ形式を扱ったことがない,そういったそもそものところが分からないのでというようなところがあってつまずいておられるという方も少なからずいらっしゃったように思っております。
それから二つ目は,具体的な方法のところでの戸惑いというか,そういった技術的なところというのでしょうか,今話題にしているようなところに関してもあったと思います。この辺りは少し,どこまでというところはあるのですけれども,今後は丁寧に,そもそもこういうものでありますとか,今までよくあった問合せとか,つまずきやすいことはこうですとか,あるいは,場合によっては各社さんのそれぞれの特徴はこうですということがうまく伝わると,そもそものところでのつまずきは一定程度少なくなって,来年度以降,うまく使っていただくようなところもあるので,長い目でCSVを標準化しつつ,その辺りのところをうまくガイドして,学校現場の方にこのような運用を周知するとともに,課題を吸い上げていくという進め方だとよいのかなと思っているところでございます。
以上です。
【東原主査】 どうもありがとうございました。
渡部委員,お願いいたします。
【渡部委員】 私のほうからお話しさせていただきたいのは,今回御提案いただきました標準化されたCSVフォーマット導入提案ということで,たしか前回に,この辺りについては,今年の秋に実現させたいというようなお話もあったかなというふうに記憶しております。そうなりますと,優先的に早く取り組むべきことなのであれば,先ほど片山委員がおっしゃったような,できるだけシンプル,かつビューアの皆様も御負担のない形でまずは取り組むということがあるのかなというふうに聞いて思った次第です。
ただ,令和6年からというのも一つ意見の中で出ておりましたけれども,少しその次の改定に向けてという取組であれば,逆にいろいろな可能性ですとか,いろいろなニーズを調査しながら取り組んでいっていただくのがいいのかなと思って聞いておりました。
先ほど大関委員からもございましたけれども,タブレット自体はデジタル教科書以外にも,デジタル教材ですとか,校務支援の関係ですとか様々なものを搭載して,そういったものの管理というのも出てくると思いますので,教材の立場からしましても,こういったCSVフォーマットの統一規格が図られることは望ましいというふうに思っておりますし,将来的には,その辺りの形ができましたら,教材側としても共有させていただいて,参考にさせていただけるとありがたいとも思っておりますし,先ほどのお話のように,もう少し検討していく時間的なものがあるのであれば,教材側としてのこういった部分についての意見・要望が出せる機会があるのであれば,させていただきたいというふうに聞いておりました。
以上になります。
【東原主査】 ありがとうございました。
【加藤主査代理】 二つ,よろしいでしょうか。
【東原主査】 お願いいたします。
【加藤主査代理】 どれぐらいの期間を考えて仕様を策定していくかということについて,今年はまだ使っていない学校があり,使っている学校の中でも1学年か2学年で1教科という感じで,それがどのくらいのペースで増えていくかは分かりませんが,今後30倍,40倍でユーザーが増えていくと思います。増え切ってしまってから更新するよりも,早めに更新したほうがよいのではないかと思います。もちろん,いろいろな教材などを見据えて仕様をきっちりと作っていくことも大事だと思いますが,どこを目指すかというのを決めないと,どれぐらいの期間かというのも見失いそうだなという気もしました。
また,これを作るときに私も参加させてもらって,東原先生,文科省の方とも話をしていたのですが,エクスポートに関する説明は,この段階ではよろしいですか。
【東原主査】 そうですね,先ほどの資料だけだと少し分かりにくいかもしれないので加藤先生から解説をお願いします。
【加藤主査代理】 項目を絞る,もしくは広げることを考えるときに,登録のやり方が関係してきます.現状は,ユーザーをCSVで登録した後,各システムの中で,例えば名前が間違っていたから直すとか,中で直せるインタフェースがあります。そこで直した場合,CSVファイルも更新するために,エクスポート機能があります。ただ,その機能を今後用意するか用意しないかという点,先ほどの各社独自項目や将来拡張の項目を考えたとき,それが自分のところで関係ないから取り込まないというやり方をおそらくしていくと思いますが,その場合,エクスポート機能を作ってしまうと,もとの全ての項目が入っているCSVファイルを読み込ませてエクスポートすると項目が減ったCSVファイルができてしまいます。
つまり,エクスポート機能によって,データ欠損が起きてしまうということが起きます。よって,もしこの標準化で,最小限のものにとどめて作った場合は良いのですが,たくさんいろいろな項目を各社がどんどん入れていった場合は,エクスポート機能が危険になってしまいます.必ずCSVデータがマスターで,何か変更したいときには必ずCSVのほうをいじって,それをシステムに読み込むというモデルがよいのではないかと思っています。
今日の話の中からうまく引き出すことができなくて申し訳なかったですが,エクスポート機能を使うモデルのほうが学校もしくは教育委員会にとって楽なのか,CSVを管理して読み込ませるほうがよいのかという点を議論に入れていく必要があるのかなと思っています。
以上です。
【東原主査】 どうもありがとうございました。大関さん,お願いいたします。
【大関委員】 大関です。今,最後,加藤先生がおっしゃっていたエクスポートのところですが,参考までにというところで,学校の方から聞いていた事例をお話ししますと,中学校などは専科の先生が御担当しておりまして,専科の先生が,教科ごとにユーザーの登録をするというようなことがございました。例えば英語の先生が最初に,自分の担当している英語の,例えば1年生のユーザーを登録したとします。その後,数学の先生が,自分の数学の2年生を登録しようとします。そのときは,私が聞いているところでは,エクスポート機能が活用され,実際,今あるものを一旦エクスポートした上で,そこに付け足す形で登録をしたという運用を聞いております。
これも資料にありましたとおり,何らかのアナウンスでそれをよしとするのか,そうではなく,今の場合は,学校の中でCSVのマスターファイルがあるということを全教員の人が知っておいていただいて,英語の先生が作ったCSVがマスターファイルとして,次に数学の先生が使うときにというようなことの運用を徹底できればよいというような解決策ももちろんあると思いますが,たまたま聞いた事例がございましたので,今の話を参考までにさせていただきました。
【東原主査】 ありがとうございました。それでは,これにつきましては,今,貴重な御意見を多方面からいただき,またこれを決定していくプロセスにつきましても御意見をいただきましたので,それらを参考にさせていただき,事務局と正副主査のほうで次にお諮りできるような案に持っていけるようにまた検討をしていきたいと思います
それでは,この後,思いつかれたことや,細かいところについてございましたら,いつものとおりメール等で事務局のほうに御意見をお知らせいただければ大変ありがたいです。
では,ここまでのことは一区切りとさせていただきまして,次の議題に行きます。二つ目の議題でございます「デジタル教科書の使用に関係し,備えることが望ましい機能や操作性について」,資料3に沿って事務局から御説明をお願いいたします。
【度會課長補佐】 事務局でございます。資料3の6ページをお願いします。
こちらもビューア会社様や教科書発行者様にヒアリングさせていただいて出た意見を取りまとめさせていただいたものです。これは現時点のものです。例えばですけれども,機能や操作性等の標準化に対する意見については,「前向きに考えている。機能や操作性等の標準化は,各事業者のサービスだけではなくユーザー全体の利益に資するものである」だとか,「機能や操作性の標準化について,できるところから協力していく」だとか,「実際,並び順(表示場所)とかについては教科等の特性もある。また,例えば,あるビューア会社様だけれども,そのビューアは使用者ごとにカスタマイズできるようにしており,それもよいのではないか」という御意見がございました。
続いて,機能や操作性について,プラス面・マイナス面を含めた学校現場の御意見ということで,特別支援教育の充実の観点からは,例えば「音声読み上げに関する表示はスピーカーに統一してほしい」,「配色の組合せだとか,選び方や文字フォントの表示の優先順位が事業者においてばらばらであることは困る」,「デザインがそろっているとよい」だとか,あとは,「どのボタンを押したら何が起きるのか分からない」との意見だとか,「仕様がばらばらであると大変との意見や,機能・デザイン・並び順の標準化の要望がある」という御意見がございました。
一方で,「学校現場において,異なるビューアを上手に使い分けているところもある」だとか,「低学年でも思ったより機能や操作性が使いやすいとの意見もあったり」という御意見もいただきました。
標準化したほうがよいと考えられる機能や操作性のところですが,「アイコンのデザインを標準化することは比較的容易であろう。色や大きさをそろえることは難しいけれども,形をそろえることができるのではないか。例えば『ペン』の統一的なデザインを示すことができれば,表示場所が各事業者においてばらばらでも利便性が向上する」だとか,「アイコンの標準化は機能・操作性等の標準化において分かりやすい。文科省が具体的なデザインの標準を作る等標準化しやすく,それを希望する」といった意見がございました。
また、「落としどころを見つけるという意味でも,アイコンの標準化は妥協というよりも妥当かつ実用的な落としどころと考える」だとか,「表示の場所が異なっていても,デザインが標準化すれば使いやすくなり,学校現場も受け入れやすいのではないか」。「配色の標準化は支障ないであろう。一方で,デザインの標準化は全体のデザインとの統一性の関係で問題が生じる場合がある」。「配色のセットや文字フォントの表示の優先順位はそれなりに高く,標準化する余地はある」といった御意見がございました。
最後に,標準化の検討プロセスにおいて考慮すべきことについては,「標準化は現場のメリットになるとの観点が大切であり,学校現場が望むものを作る必要があることから,手をつけやすいかではなく,現場に届けられることを前提に現場のニーズを踏まえたものを検討するべきである」だとか,「専門家の意見,学校現場の意見などサービス提供者以外の意見及び諸外国の動向を考慮に入れた上で検討すべき。多種多様な意見を集めることで,ユーザーにとって利益が大きいものとなるのではないか」,「どの程度まで標準化するかのイメージが必要。例えば,特別支援の機能については,アイコンの標準化のみならず,読み上げのユーザーインターフェースまで標準化することが考えられるところ,その標準化までは対応が難しい」,「現実的なところを踏まえて対応することとなるのではないか」といった御意見がございました。
また,「今後,デジタル教科書の使用数が増え,学校現場に浸透することを踏まえ,各事業者ビューアごとの差がどの程度不便かを確認する必要がある。例えば,実証事業の対象校――この対象校は,基本的には一つの教科においてデジタル教科書を用いています。一つの教科というところがポイントですけれども,そういうところ以外で,自治体独自でデジタル教科書を購入している学校や,フィージビリティ検証事業の参加校の使用状況などから,本質的に不便な部分が明確になると思うので,もう少し様子を見る必要があるのではないか」といった御意見がございました。
以上でございますが,ビューアの機能や操作性に関しては,参考資料1というものもお配りさせていただいておりますが,こちらは前回,第1回,7月15日の会議の資料5でございまして,どのような項目があったかなというところを見返していただく際に御活用いただければと思います。
以上でございます。
【東原主査】 ありがとうございました。それでは,今の事務局の説明を踏まえ,標準化することができると考えられる機能や操作性は何か,もしくはそれを検討するに当たっての観点や留意点,また使い勝手の観点から実際に学校現場から指摘されている声などについて皆様の御意見をいただければと思います。
なお,下山委員が先ほど参加くださいまして,どうもありがとうございます。もし,先ほどのCSVのほうで御意見がありましたら先に伺ったほうがいいかもしれないので,ここで割り込み的に時間を取りたいと思うのですが,いかがでしょうか。
【下山委員】 御配慮くださり,ありがとうございます。CSVのところ拝見させていただいて,先にいただいた意見とまた重なってはいけないと思っているんですけれども,特に事業者さんにも丁寧にヒアリングしていただいて,ありがとうございます。非常に各社さんのいろんな課題感とか,また特に各社さんでいろいろサービスの創意工夫をされているところに支障がないようにというところとか,確かに開発されている方々の支障にならないように考える必要はあるのですけれども,一方で,事業者さんそれぞれ,自社の製品をなるべく導入していただきたいというインセンティブが働いていると思いますので,その中で,どうしてもユーザー視点というか,本当に使われる児童生徒さんとか保護者さんのためにという観点で文科省もこちらのプロジェクトとしては考えていかなければいけないと思います。
そういったことで,例えばデータポータビリティの観点で,もし教科書会社を替える場合,またはビューアを替えるということも学校さんは検討されると思うので,そういったときに支障がないようにやはり互換性を持たせておく必要があると思います。意見の中には,登録のUIとか,その辺りの工夫で改善できるのではないかという意見もございましたが,やはりそれだけでは不十分で,ほかのシステムなりほかの教科書なりに置き換える,移行するときにも支障がないようにという観点は,やはりちゃんと文科省サイドのほうで考えなければいけないかなと思います。これはなかなか事業者さん側からは提案をしにくい,インセンティブの乗らないところだと思うので,ユーザー視点のところできちんと握るべきところは握っておいて,その上で,ただ,各社さんでも支障がないように導入をしていくというバランスを取っていければいいかなと考えております。
細かいところまでまだ御意見を精査できていないところはあるのですけれども,またCSVのフォーマットについては,これから項目定義書とか具体的なところは決めていく段階という理解でよろしいでしょうか。
【東原主査】 案というものは今,少しずつ明確といいますかね,形にはなってきておりますので,メール等で御意見をいただければと思いますし,場合によったら,私どもに直接お声を聞かせていただければという,そんな感じもいたします。どうぞよろしくお願いします。
【下山委員】 承知しました。
【東原主査】 突然CSVの話を振らせていただいて,すみませんでした。ありがとうございました。
【下山委員】 ありがとうございます。
【東原主査】 それでは皆様,先ほどのほうに戻しまして,二つ目の議題に関しまして御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。
渡部委員,お願いいたします。
【渡部委員】 ありがとうございます。少し先の話になるのかもしれないですけれども,デジタル教科書の使用に関して,標準化が望ましい機能のことでお話しさせていただきたいと思います。今後,デジタル教科書が,デジタル教材,その他様々なものと連携していくということが本格的になってくるとした場合に,その連携の仕方にもよりますが,例えば,デジタル教科書の画面上からデジタル教材へ画面上遷移するということも一つ考えられます。その際に,デジタル教科書の画面上で,遷移する前の段階でアイコンのようなものが求められてくるのではないかと思っております。
また,これについては,全てのデジタル教科書に登載されていくことが望ましく,標準化していくほうがよいのではないかと考えております。既にこういったことは御検討されているかもしれないですけれども,今後の検討というところに加えていっていただけると良いと思っております。このことによって,ここまではデジタル教科書であって,この先はデジタル教材だということがユーザー側でも明確にできるようになります。
あと,今から申し上げることはその先の話にはなりますけれども,前回のときにもお伝えしたとおり,デジタル教科書から連携した先の教材については,教科書発行者様以外のものも含めて多種多様な教材の中から教材が使用されるような,仕組みになるところも併せて踏まえた上で御検討いただけるといいかな。少し機能として,先の話かもしれませんが,私のほうからデジタル教材との連携を踏まえた上で一つ御提案させていただきました。
以上になります。
【東原主査】 どうもありがとうございました。
片山委員,お願いいたします。
【片山委員】 私はやはり管理面と,機能面というのは,現場のニーズという点で考えなければいけない違いが大きくあると思っていて,管理面はできるだけシンプルにする必要があると思います。そうしないと,完全供給の話がありましたけど,本当に4月の初めから提供していくというようなことがそもそも難しくなっていきますし,この前も言いましたが,教員のGIGA関係の業務が本当に尋常ならないようです。現場の方からヒアリングしていくと,多分,そのヒアリングした方によって結構できる方もいらっしゃいますが,どの人にもできるというレベルに落としていくと,既にこのGIGAの今の時点でもう限界を迎えていると考えております。さらに教科書が複数乗ってくるということで言うと,僕はもう耐えられないだろうなと思っているので,本当言うと,教員をそこの業務から離してしまって,今度,ICTの基盤となるようなセンターみたいのを,予算も概算要求が出ていますが,そういうところと事業者を中心としながら,教員には4月初めにはもう届くというか,使い始めて授業をやってくださいというところに落とし込んでいくのが本来であるというふうな思いです。
一方で,機能については,できるだけ子供ファーストで考えていかなきゃいけないので,子供にとって必要なものという視点に全て立って,技術的に可能である限りにおいては,そこに向かって全力で全社を挙げて,複数の事業者それぞれのがもちろんあるわけですけれども,そこを超えて,業界としてそこは頑張っていただくという覚悟が要るだろうというふうに強く思っています。
そのときに基準となる視点二つといたしまして,一つは,このいただいた御意見の中で,特別支援の観点があって,ここに本当に寄り添えさえすれば,全てのお子さんたちが救われていくわけですから,ここで上がってきているような声,ばらばらだと困るとか,そういうようなところにどこまで応えていくようなことをこの業界としてしていくのかということです。
それから,二つ目のアイコンの標準化とかデザインのところ,この前も議論になったと思いますが,デザイン面のところは,御意見によると,意外とできるのではないかという御意見が多く,全体のデザインとの統一性の関係でやっぱり問題があるところというのもあり,それも分かりますが,その会社の中でのデザインのトータル設計というところもある意味見直しつつ,まず子供ファーストで考えたときに,こういう配色でこういうデザインにしていくということが大事だというところだけでも,ここまで行けるというところだけでも出して,そこにどこまで乗せていくかというところが各社の競争になっていくというようなことを目指していくことが大事なんじゃないかなというふうに思っております。
以上です。
【東原主査】 ありがとうございました。
大関委員,お願いします。
【大関委員】 先ほどのCSVの話と同じスタンスですが,発行者のヒアリングなどで出ていた意見の補足的なものとして,総論的なことなどをお話しさせていただければと思います。
やはり出ていたのは,今片山委員からもあったとおり,ユーザーの,つまりは児童生徒の本質的な困り事,これが何かというところをきちんと見定めて,そこを使いやすいというスタンスがまず大事ではないかというようなところがあったと理解しております。
資料3の7ページに,学校現場が望むものというところがありまして,そのときに発行者の方の意見として,本質的な困り事が何かというのを見定める必要があるということが意見としてあって,それが心に残っております。今のところ,1学校1教科というようなことはございますが,フィージビリティ検証なども含め,複数の教科を使っていただいているところもございます。そういった中で,本質的な困り事というのをきちんと見ていくということがまずできれば,何をどのように標準化していくのが適正なのかというところは見えてこようというふうに思いますので,やはり現場で何が起きているかというのを少しきちんと見た上で課題を並べて,何をすべきかというような検討の順番がいいのかなというふうに,操作性のところについては思っております。
あとは,特別支援のところです。これは前回の第1回のワーキングのところでも,教科書協会のスタンスというか,今後できるところを話し合っていきたいと協会の中でも話しているという話をさせていただきました。ここはやはりデジタル教科書の大きなメリットでもあると思いますので,ここに関しても,できる限りというところは発行者として考えているところは皆同じかなと思っております。
あとは,現場の困り事というのを見る中で,先ほどのところでも少しお話しさせていただきましたが,デジタル教科書以外も使いますので,ほかのドリルソフトですとか,MicrosoftやGoogleなどのOSのソフトで何かを書いたり,デジタル教科書と似たような操作をする活動もあるでしょうから,それらを踏まえた上で,何をどう標準化していくのがデジタル教科書にとって子供たちが一番使いやすくなるのかというところを,現場で起きていることを見るときの視点としてあるとよいのかなと思っているところでございます。
以上です。
【東原主査】 ありがとうございます。下山委員,いかがでしょう。
【下山委員】 これまでの議論と大分重複するところもあるのですけれども,ある程度アイコンの統一性というか,特に教科書会社が替わるとか,ビューアが途中で替わるとか,あと転校されてきた方のこととかも考えると,やはり混乱がないようにできるだけ共通化できて,これまで見慣れたものがそのまま使えるような環境は整えたいというところです。恐らく,アイコンだったら機能というよりは,デザインやアイコン,色使いとかをある程度ガイドラインを示しつつ,ただ,強制するものではないというような形で示すことでその統一を図ることは可能なのではないかと思っておりまして,それに対しても,もし各社でより適するものがあるとか,あとは自社のもので,これで迷いなくちゃんと使えているという根拠をちゃんと示していただいたりすることでより改善を進めていくとか,統一されたものを一度作りつつ,また改善をしてより分かりやすいものにして,それがちゃんと共通して使えるようにしていくというような体制が取れるとベストだと思うところです。
以上となります。
【東原主査】 ありがとうございます。
加藤委員,いかがですか。
【加藤主査代理】 機能については,やはりどういうところで困っているかというのを調査するべきだと思うのですが,なかなか複数ビューアを使っている児童がいないのと,徹底的に使った後に出てくる問題が多分あると思います。使い始めのときというのは,表面的な使いづらさが出てくると思いますが,複数教科でたくさん使えば使うほど,慣れていくけれども微妙な違いが影響してくるという,操作の自動化の弊害が出てきそうな気がしています.そのようなことを考えると,よく使う機能,もしくは特別支援で必要な機能に関しては,大きく普及する前の段階で統一化を考えていくのも必要なのかなと思っています。
以上です。
【東原主査】 ありがとうございました。
今日,二つの話題で皆様方に御意見をいただいたわけですけれども,最初のほうの話題は少し進めたかなといいますか,早めに少し進んでいきそうな気配を感じたのと,二つ目のほうにつきましては,複数ビューアを使っている子供さんがあまりまだいないというような,そういうような根本的なところの課題が残っているような感じもありまして,どちらかというと,こちらのほうに時間をかけて検討していく必要があるかなというようなことを感じたところでございます。
これはまとめではなく,個人的な,委員1人としての感想でございますけれども,CSVにつきましては,各社のヒアリングの様子を伺いますと,やはり令和6年というのを目標にせざるを得ないのかなという感じがしています。しかし,フォーマットそのものは早めに出してほしいという感じもあります。ですので,現在困っている方の御意見等々,十分耳を傾けながら,システムの現在の様子も伺いながら,ある程度,片山先生がおっしゃるように,シンプルな形に近づけた上で,早くこうしたいんだというような案を固める方向に持っていって,その上で,それじゃ困るという,本当に困るのかどうかという御意見も伺いながら決めていくような感じのほうがむしろ良いのかなと考えております。操作性とこの管理・登録に関するところは,その決め方といいますか,プロセスも少し違っても良いのかなという感じを受けております。
いずれにしましても,今日いただいた御意見をしっかりともう一度振り返らせていただいて,今度は個人の立場ではなくて,主査という立場で事務局と,そして加藤委員と一緒になって,また次にお諮りできるようなものに情報を収集したり整理したりしていきます。
本日の会議は,皆様方の御協力により貴重な意見をいただき,最初の到着点に近いものにたどり着くことができまして,どうもありがとうございました。
それでは最後に,次回以降のスケジュールにつきまして,事務局より資料6に沿って説明をお願いいたします。
【度會課長補佐】 事務局でございます。次回のスケジュールでございますけれども,第3回は,来月,10月15日金曜日の15時から17時を予定しております。次回もウェブでの開催を予定しております。
以上でございます。
【東原主査】 ありがとうございました。それでは,本日はこれで閉会といたします。

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局教科書課