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外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議(第1回) 議事録

1.日時

令和元年6月27日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省 旧文部庁舎2階 文化庁特別会議室

3.議題

  1. 運営規則の決定について
  2. 外国人児童生徒等の教育に関する現状について
  3. 検討事項について
  4. その他

4.議事録

【林調査官】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議(第1回)を開催させていただきます。
 本日はお忙しいところをお集まりいただき、まことにありがとうございます。日本語指導調査官の林でございます。本日、冒頭の議事進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、カメラの撮影ですけれども、カメラの撮影は、冒頭、頭撮りのみとさせていただきます。終了のタイミングは、またお声を掛けさせていただきます。
 それでは、開会に当たり、塩見社会教育振興総括官より御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

【塩見総括官】
 皆様、おはようございます。文部科学省の総合教育政策局の社会教育振興総括官をさせていただいております塩見と申します。皆様にはお忙しい中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
 皆様にはもう改めて申し上げるまでもないことでございますが、我が国におきまして近年、外国人の子供たちの数が大きく増加しておりますし、また今後更に増加していくことが見込まれていくという状況にございます。外国人の子供たちが日本での生活の基礎を身に付けて、それぞれの能力を伸ばして、充実した人生を送ることができるようにするためには、適切な教育の機会が確保されるということが不可欠だと考えておりますし、また、このことは共生社会の実現という観点からも大変重要なことだと考えております。
 そのために、文部科学省としましては、この後詳しい説明がまた別途あると思いますけれども、外国人の児童生徒の教育の充実に向けまして、日本語指導が必要な児童生徒のための「特別の教育課程」というものの制度化に取り組みましたり、あるいは、昨年12月に取りまとめられました「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に基づきまして、教員定数の着実な改善ですとか、あるいは日本語指導補助者や母語支援員の学校への派遣の支援といったことを進めてきております。また、本年1月には、省内に浮島副大臣をトップとする検討チームを設置いたしまして、全国的な就学状況の把握など、新たに取り組むべき施策を今月取りまとめたところでございます。
 このように、外国人児童生徒の教育につきましては、これまで国としても取組を進めるとともに、各地域や学校におきましても大変大きな努力が重ねられてきたところと考えておりますけれども、まだまだ課題が山積しておりまして、さらなる取組を早急に、より力強く進めていく必要があると考えております。
 本有識者会議につきましては、このような問題意識の下に設置させていただいたところでございまして、今後、外国人児童生徒等に対する教育の現状と課題というものをしっかりと分析いただき、その充実を図っていくための御提言を頂ければと考えております。おおむね月1回程度開催させていただきまして、議論を深めていただいた上で、年内を目途に一定の方向性を取りまとめていただくという方向で考えさせていただいております。
 また、この4月に文部科学大臣から中央教育審議会に対しまして諮問を行いました。その諮問の中におきましては、外国人児童生徒等への教育の在り方についても含めて、新しい時代の初等中等教育の在り方を議論いただきたいということでお願いをしているところでございます。
 事務局としましては、この有識者会議における検討の成果を中央教育審議会における議論にも適切に反映させていただきながら検討いただけるように、連携を図っていきたいと考えております。外国人児童生徒の教育の充実を図るということは、単に外国人の子供たちの利益になるだけでなく、我が国の教育の在り方そのものにもよい影響を与え、また我が国社会をより多様で豊かなものにしていく上で大変重要なことと考えております。
 委員の皆様には、これまでの御経験を踏まえまして、忌たんのない御意見や具体的な御提案などを頂きまして、是非この有識者会議を盛り上げていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【林調査官】
 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 内田千春委員でいらっしゃいます。

【内田委員】
 よろしくお願いします。

【林調査官】
 オチャンテ村井ロサメルセデス委員でいらっしゃいます。

【オチャンテ委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 櫻井敬子委員でいらっしゃいます。

【櫻井委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 佐藤郡衛委員でいらっしゃいます。

【佐藤委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 佐藤委員におかれましては本会議の座長に御就任いただきます。
 高橋清樹委員でいらっしゃいます。

【高橋委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 田中宝紀委員でいらっしゃいます。

【田中委員】
 よろしくお願いします。

【林調査官】
 藤巻秀樹委員でいらっしゃいます。

【藤巻委員】
 よろしくお願いします。

【林調査官】
 古沢由紀子委員でいらっしゃいます。

【古沢委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 村松好子委員でいらっしゃいます。

【村松委員】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 また、本日は御欠席ですが、浜田麻里委員、松尾知明委員に御就任いただいております。浜田委員には本会議の副座長に御就任いただきます。
 次に、オブザーバーの方を御紹介いたします。
 出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課矢野法務専門官でございます。

【矢野法務省法務専門官】
 よろしくお願いいたします。

【林調査官】
 最後に、事務局の出席者を御紹介します。
 塩見社会教育振興総括官でございます。

【塩見総括官】
 どうぞよろしくお願いいたします。

【林調査官】
 三好男女共同参画共生社会学習・安全課長でございます。

【三好課長】
 よろしくお願いします。

【林調査官】
 御紹介は以上でございます。
 続きまして、配付資料、議事の確認等に移ります。
 本日の配付資料は、議事次第のとおりでございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けいただければと存じます。
 本日の議事につきましては、本会議の最初に運営規則の決定を行っていただいた後、外国人児童生徒等教育の現状と課題について事務局より御説明をいたします。その後、各委員より御挨拶、御自身の行っていらっしゃる取組の紹介や、後ほど御説明いたしますけれども、資料5の検討事項に関する御意見等を頂ければと存じます。
 それでは、カメラの撮影はここまでになります。これ以降はカメラの撮影は御遠慮ください。
 これより先の議事進行につきましては、佐藤座長にお願いできればと存じます。佐藤座長、よろしくお願い申し上げます。

【佐藤座長】
 座長に就任させていただきました佐藤でございます。どうぞよろしくお願いします。
 有識者会議は、平成26年~28年にも開いております。屋上屋を重ねるのではなくて、より更にその課題を明確化し、できるだけ実現可能なアクションプランにまで持っていけるような議論にしたいと思いますので、是非よろしくお願いします。
 早速ですけれども、議事に入りたいと思います。まず議題1、運営規則の決定等についてであります。本会議の運営規則について、事務局において案を作成いただきましたので、事務局からまず御説明をお願いいたします。

【林調査官】
 資料2に沿って御説明します。外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議運営規則の案でございます。本日の会議につきましては、冒頭より公開とさせていただいておりますけれども、議事録の取扱い等の詳細な事項もございますので、運営規則として作成させていただいております。では、資料2をごらんいただければと思います。
 まず、会議の公開でございます。会議は、公開して行うということにしております。ただし、個人情報を含む事項を扱う場合その他正当な理由により非公開とすることが適当と認める場合は、事務局は、会議の合意を得て非公開とすることができるということにしております。
 続いて、会議の傍聴でございますけれども、登録を受けた者――登録傍聴人は、事務局が、会議の合意を得て登録傍聴人が会議を撮影し、録画し、又は録音することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他正当な理由があると認める場合を除き、会議を撮影し、録画し、又は録音することができるとしております。
 第3条でございます。会議資料の公開でございますけれども、会議において配付した資料は、公開するということにしております。これも、ただし、個人情報を含む事項を含む場合その他正当な理由により非公開とすることが適当と認める場合は、事務局は、会議の合意を得て資料の全部又は一部を非公開とすることができるとしております。
 続いて、議事録の公開でございます。事務局は、会議の議事録を作成し、これを公開しなければいけない。ただし、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他正当な理由があると認める場合には、事務局は、会議の合意を得て当該議事録の全部又は一部を非公開とすることができるとしております。
 雑則として、この規則に定めるもののほか、会議の議事の手続その他会議の運営に関し必要な事項は、事務局が会議に諮って定めるということにしております。
 説明は以上です。

【佐藤座長】
 今、この会議の運営規則について、案を御提案いただきました。会議の公開、会議の傍聴、会議資料の公開、議事録の公開でございます。今この資料2を読み上げていただきましたけれども、このように進めたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 (「異議なし」の声あり)

【佐藤座長】
 ありがとうございます。それでは、このような形で会議を進めたいと思います。
 それでは続いて、議題2、検討事項等について移っていきたいと思います。まず、事務局より外国人児童生徒等の教育に関する現状について、御説明をお願いしたいと思います。

【林調査官】
 資料3に沿って説明させていただきます。このポンチ絵のある「外国人児童生徒等の教育に関する現状について」の資料3に沿って説明させていただきます。もう有識者の皆様はよく御案内のとおりだと思いますけれども、改めて説明させていただきます。
 1枚めくっていただいて、外国人児童生徒等の教育の現状ということで、資料3ページ、右下の方にちょっと小さくページ数が書いてありますけれども、3ページ目をごらんください。
 公立学校における日本語指導が必要な児童生徒数ということで、これは平成28年の数字になりますけれども、外国籍、日本国籍を合わせて約4万4,000人、10年前と比べて1.7倍に増えているというのが現状でございます。
 次のページ、4ページです。こちらについては、外国籍・日本国籍の学校種別の人数が載っています。ごらんいただければと思います。
 5ページ目、こちらが外国籍の児童生徒の学校種別在籍状況(都道府県別)ですけれども、愛知県、神奈川県、東京都、静岡県、大阪府が多いということになっています。
 次に6ページ、こちらが日本国籍の児童生徒の在籍状況(都道府県別)ですけれども、こちらもやはり愛知県、神奈川県、東京都、大阪府が多いということになっています。
 続いて、スライド7ページですけれども、外国人児童生徒の状況というところで、日本語指導が必要な児童生徒の話している母語が多様化しているというのが1番。2番としては、集住化・散在化の傾向が見られるということになっております。
 続いて、8ページですけれども、その日本語指導が必要な児童生徒のうち、例えば教科の補習等、特別な指導を受けている児童生徒がどれくらいいるかということですが、左側のグラフを見ていただくと、青のグラフが外国籍、赤が日本国籍ですけれども、特別な指導を受けている児童生徒が76.9%と74.3%ということになっています。そのうち、「特別の教育課程」による指導を受けている生徒というのが右側のグラフになりますけれども、外国籍で42.6%、日本国籍で38.8%という状況でございます。
 次の9ページ目が、その「特別の教育課程」の編成・実施についてでございますけれども、平成26年4月から「特別の教育課程」を編成・実施することができるようになっております。
 続いて、10ページです。10ページは、教員の基礎定数化ですけれども、日本語指導が必要な児童生徒への教員の基礎定数化ということで、平成29年に法律を一部改正しまして、10年間を掛けて計画的に18人に1人、先生を配置するということで今進めております。
 続いて、日本語指導の充実ということで、スライドの12ページですけれども、これは、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(概要)ですけれども、政府全体の取組でございます。予算は、右上にございますが、総額211億円ということで、外国人児童生徒の関係は、右の上、(4)に入ってございます。
 次のページ、13ページですけれども、こちらが文部科学省の我々が持っている予算ですけれども、今年度、5億400万円ということで予算を計上してやっているところでございます。
 ちょっと飛んで15ページ。この5億400万円のうち約4億1000万円が、帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業でございまして、15ページがその補助のメニューでございます。自治体がこういったメニューに取り組む際に、我々が3分の1の補助を出しているというものでございます。
 続いて、17ページです。これは委託事業ですけれども、外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修のためのモデルプログラムというのも開発していまして、これは3年計画でやっているのですが、本年度が最終年度となっていまして、今後はこれらモデルプログラムの普及というところに一つ課題があると考えております。
 次に18ページですけれども、こちらはポータルサイトも運営していまして、「かねたねっと」というものでございます。これは、自治体等が作っている教材等が検索できるような「かすたねっと」というものも運営しております。これも、機能の強化等も含めてこれから充実を図っていきたいということを考えております。
 その次はちょっとスライドはないのですけれども、次のページが「外国人児童生徒等の受入れの手引き」ということで、平成23年度に策定しましたものを本年の3月に改訂いたしました。
 改訂のポイントとしては、最新のデータの反映とか、制度改正等のアップデート、あとは先進的な自治体の取組なども載せております。こちらについては、文科省のホームページからもダウンロードできますし、明石書店から800円プラス税金で864円で販売しておりますので、是非購入していただければと思っております。
 次が、就学機会の確保・就学継続支援ということで、もう皆様御存じのとおりですけれども、外国人の子供の公立義務諸学校への受入れについては、国際規約とか児童の権利に関する条約を踏まえて今受け入れているという状況でございます。
 続いて、22ページですけれども、本年の3月15日に「外国人の児童生徒の就学の促進及び就学状況の把握等について」ということで、就学案内の徹底とか、就学状況の把握について促すための通知を都道府県・指定都市及びそれぞれの教育委員会宛てに発送しているところでございます。
 23ページですけれども、外国人の子供の就学状況等調査についてということで、これは今回初めて全国的な調査を今実施しているという状況でございます。5月16日付で全国に調査を発出しまして、6月14日締めにはしているところなんですが、まだ一部出てきていないところもあるので、今後早急にこのあたりを取りまとめて、公表に向けて今準備を進めているということでございます。調査の内容については、現時点で教育委員会が把握している就学状況とか、就学の把握・促進のための取組などについて、今、回答を求めているというところでございます。
 次のページは、スライドにページ数がありませんけれども、「高等学校における受入れ」ということで、高校の入学者選抜において何らかの配慮を行っている自治体の取組例でございますけれども、一番上が、外国人の特別枠を設定しているところが14都道府県ある。2つ目が、外国人児童生徒に対する試験教科の軽減が11府県、外国人児童生徒に対する学科試験を全て免除しているところが3道県あるというところでございます。
 次に25ページですけれども、これは、文科省が隔年で実施している「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の中で、今回、平成30年度の調査で初めて高校生等の中退・進路状況について調査をしました。これの速報値でございます。
 1つ目が中途退学率ですけれども、日本語指導が必要な高校生等が9.6%に対して全高校生等が1.3%。
 2番の進路状況についてですが、大学の進学率では、日本語指導が必要な高校生等が42.2%に対して全高校生等が71.1%。就職者における非正規就職率ですけれども、日本語指導が必要な高校生等が40%に対して全高校生等が4.3%。進学も就職もしていない者の率としては、日本語指導が必要な高校生等が18.2%、全高校生等が6.7%という状況でございます。
 次のページで、この結果を踏まえて、今年度から新たに外国人高校生等に対する包括支援環境整備事業をスタートしています。これは、先ほどのきめ細かな支援事業の中の一つのメニューとして実施していますけれども、日本語指導が必要な外国人高校生に対して、日本語指導はもちろんなんですけれども、進路や進学の相談、あとは生活支援や心理のサポート、放課後の居場所づくりなどを、学校だけではなくて、地域のNPO法人等、関係機関と連携して包括的に支援していくといった取組に対して支援するという事業を今年度からスタートしています。今年度については、6自治体がこの取組を実施するということで、行っております。
 次、27ページ、最近の動向です。28ページに行きまして、まず、先ほどもございましたが、外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チーム、座長が浮島副大臣ですけれども、報告が6月17日に取りまとめられております。
 2つ目が、中教審の諮問です。「増加する外国人児童生徒等への教育の在り方」ということで諮問がされていまして、この諮問に対しては、この有識者会議において集中的・機動的に審議していくということになっております。
 続いて、日本語指導アドバイザリーボードの設置ということで、これは5月29日に設置しました。これはちょっと後ほどまた説明をします。
 次、29ページですけれども、こちらが浮島副大臣の検討チームの報告の概要でございます。真ん中辺の緑の部分が外国人児童生徒の関係になりまして、「学校におけるきめ細かな指導体制の更なる充実」ということで、学校における教員・支援員等の充実、教員の資質能力の向上、進学・キャリア支援の充実、障害のある外国人の子供への支援、地域との連携・協働を通じた教育機会の確保と共生ということで、外国人の子供の就学状況の把握及び就学促進、夜間中学の設置促進等・教育活動の充実、異文化理解や多文化共生の考え方に基づく教育の充実ということで盛り込まれております。
 次のページが中教審への諮問ですけれども、31ページの方をごらんください。中央教育審議会において審議をお願いしたい事項の3つ目に、増加する外国人児童生徒等への教育の在り方というのがございます。1つ目の○が、外国人児童生徒等の就学機会の確保、教育相談等の包括的支援の在り方、公立学校における外国人児童生徒等に対する指導体制の確保、3つ目が、日本の生活や文化に関する教育、母語の指導、異文化理解や多文化共生の考え方に基づく教育の在り方ということで諮問を受けております。これについては、先ほども申し上げましたけれども、この有識者会議の方で審議を深めていきたいと思っております。
 最後のページですけれども、5月29日に、日本語指導アドバイザリーボードを文科省に設置いたしました。文科省への指導・助言はもちろんなんですけれども、地方公共団体が実施する日本語指導の指導者養成のための研修などにこのアドバイザーの方を派遣して、自治体への支援をしていただくということとなっております。この有識者会議の佐藤先生、浜田先生もこちらのアドバイザーのメンバーになっていただいております。
 説明は以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。膨大な資料を説明していただきましたけれども、何か分からないところ等、御質問があれば受けたいと思いますが、どうでしょうか。議論の中で深めていきますか。よろしいですか。
 よろしいですか。はい、分かりました。
 これが一番基礎資料になるんだろうと思いますので、是非これをベースにしながら議論を重ねていきたいと思います。

【林調査官】
 次は、ファイルにとじて、机の上に置いておくようにします。

【佐藤座長】
 そうですか。毎回参照していただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、きょうは第1回目の会議ですので、いろいろと論点を出していただくというのが狙いになりますので、各委員の方々より自己紹介を兼ねて、御自分の実践などの紹介もお願いしたいと思います。その際、資料5をちょっとごらんいただきたいんですけれども……。

【林調査官】
 先生、説明させていただいてよろしいですか、資料5を先に。

【佐藤座長】
 そうですね。資料5の方をよろしくお願いします。申し訳ありません。資料5の方をお願いします。

【林調査官】
 済みません、先に資料5について説明をさせていただきます。
 資料5は、先ほどもありましたけれども、中教審の諮問、あとは浮島副大臣の検討チームの報告等々を踏まえまして、我々の方で、この有識者会議における主な検討事項ということで案を作成させていただいております。全部で4つ大きく柱があります。1つ目が、公立学校における外国人児童生徒等に対する指導体制の確保・充実、指導力の向上ということで、(1)、指導体制の確保・充実。これまでも集住地域・散在地域の支援の在り方については、前回の有識者会議等々でもいろいろ御提言いただいたところですけれども、改めて、拠点校又は集中支援、特に「初期指導教室、プレス等の在り方を含む」と書いてありますけれども、是非御検討いただければと思っております。また、先ほども、なかなか取組が進んでいない「特別の教育課程」の普及方策についても御検討いただければと思っています。それと、多言語翻訳システムとか遠隔教育も含めて、ICTの活用についても御議論いただければと思っています。
 (2)が指導力の向上ということで、教員、支援員等の資質能力向上のための方策ということで、先ほども、今モデルプログラムの開発をしていると申し上げましたけれども、それの普及も含めた教員の資質向上のための方策について、また日本語能力の測定方法と指導への生かし方、障害のある子供への対応、教材の充実などについて御議論いただければと思っています。
 2つ目が、外国人児童生徒等の就学・進学機会の確保ですけれども、今現在調査中ではございますが、就学前段階の支援の在り方とか、就学状況の把握に向けた方策、就学促進のための制度的・運用的方策の在り方、外国人生徒の高校進学の促進方策について御議論いただければと思っております。
 3つ目が、日本の生活や文化に関する教育、母語の指導、異文化理解や多文化共生の考え方に基づく教育の在り方ということで、ここでは地域資源の活用の在り方とか、日本人児童生徒を含めた指導の在り方について御議論いただければと思っております。
 4つ目が、全部の項目に関係するのかなと思いますけれども、関係機関・支援団体・企業等との連携ということで、連携体制の構築に向けた方策とか、保護者への対応における連携などについて御議論いただければと思っております。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。この資料5を踏まえながら、これにとらわれることもありませんので、自由に御意見を頂ければと思います。ただ、基本は資料5の柱を軸にして議論を重ねていきたいと思います。これから、1時間半弱ありますので、皆さんから是非自由に意見を頂ければと思います。名簿順でいきたいと思います。では、内田委員の方から、そうですね。1人長くても10分ぐらいにとどめていただければと思います。まずは自由に御発言ください。お願いします。

【内田委員】
 ありがとうございます。内田という名字のために最初にお話しすることになりますがよろしくお願いします。
 私は、東洋大学のライフデザイン学部生活支援学科子供支援学専攻というところで保育者養成をしております。もともとは保育者です。日本で保育者をしたあと、アメリカで日本人のお子さんたちを外国人として外国で困った立場にいる側になって保育をしていました。いろいろなお子さんを受け持つことになりアメリカで余りに困ったので、勉強しなければいけなくなりまして、大学院に行きました。そのまま、そうすると多文化保育・多文化教育についてきちんと考えなければと思い養成する側に回りたいと思いまして、あちらで少し大学で教員養成をする学科で働いてから日本に戻ってまいりました。
 もともと岐阜県の出身ですので、帰国したときは中部地方に戻っております。ですから、愛知県で少し日本の現状について勉強させていただきながら、日本の状況に合わせた多文化保育とはどういうものだろう、それから保育者養成はどのようにしていったらいいんだろうということを考えながら、帰ってきてからもう10年以上たってしまいましたけれども、そういう経歴を持っている人間です。
 そういう問題意識ですので、自分の地元でも、もう90年代からブラジル系の方たちが自分の高校があった町に急に増えていて、こんなに外国の方が日本に増えていたんだと驚き、何が起きているんだろうと学びながら保育者・小学校教員養成をしてきました。そのうちにプレスクール事業というものが愛知県で始められていて、それを何回か見学しているうちに、自分の地元の岐阜県大垣市というところですることになるからと言われて、では見学に行かなくてはと立ち上げからちょっと研究させていただいています。
 ですから、専門領域としてはプレスクールに関して、それから養成の中でどのように多文化保育とか、今のこの検討事項で言いますと、3番にあたります。日本人児童生徒を含めた指導の在り方で、保育の現場というのは、多分、今回文科省で調査をしていただいても、数字が出てこないことがありまして、というのは、保育所・幼稚園・こども園というトリプルで就学前のお子さんたちを見ておりますから、文科省だけではないので、なかなか調査が難しかったり、認可外とか、外国の子たちは結構母語の方たちの保育施設にいたりとか、またその枠の外で保育されていることも多いので、なかなか実態がつかみにくいというところがまず一つあるかと思います。
 また同時に、日本のお子さんたちも、多文化共生社会に向けて、初めてそこで自分の家族と違う人たちに出会っていく場なんですけれども、そのことに加えて、言葉が違う、文化が違うという人たちに出会っていく場です。その初めの体験、出会いの体験をどのように持っていくかということは結構大切なことではないかなと思っています。
 ところが、先ほども養成・研修モデルプログラムというのが出てきましたけれども、教員養成の中では、幼稚園教諭・保育士養成のところは、例えばほかの教育免許はほぼ全部4年生大学以上になっていますけれども、まだ半分ほどは短大や専門学校等で養成をしています。そういったところとか、待遇も小学校以上の方と、差ができております。そうした中で、どう養成プログラムに組み入れていくかが課題です。あと、ジェンダーの問題もあります。女性が主の職場になっているので、子供のことを大切に思う方ほど一旦職場を離れたりということもありまして、そのノウハウがなかなか積み重なっていかないという課題も持っているのかなと思っています。だから、そこをどうするかというのが2つ目です。
 3つ目は、就学前の子たちは、小学校以上の義務教育では日本語教育と言われるのですけれども、(乳幼児期は)言語発達をしている段階ですので、最近、複言語発達という言い方をしているのですが、バイリンガルとは限らず、(言語を)3つも4つも体験していく子供もいます。その中で、どの言語でも、しっかりとした言語発達をしていないがために、それが認知発達に影響を及ぼして、それで小学校学齢期以降の教育を受けるときの課題に結び付いていってしまうという事例が、もうどこでもみられます。地域にいらっしゃる方は皆さん御存じのことで、私が言うまでのこともないのかもしれないんですけれども、そういったことが起きています。
 そうすると、多分小学校の低学年まで同様の発達状況だと思うんですけれども、発達的に考えると、大きい子たちの日本語能力を高めるという発想とはちょっと違った発想で、母語保持というだけではなく言語発達・認知発達をどうしっかり支えるかという発想が必要になると考えております。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。3つほど議論の柱を提案していただきました。まずは、なかなか実態がつかみにくい、これをどうするかという話ですよね。それから2つ目が、保育者養成のノウハウがなかなか蓄積されていかないので、この保育者養成、特に乳幼児期の保育者養成をどうしていくのかということ。それから3つ目が、幼児期の言語発達の問題をどう考えていくのかという問題提起だったと思いますけれども、とても大事な話で、この幼児期の支援をどのように入れていくかを皆さんでシェアしていきたいと思います。ありがとうございました。
 では、次はオチャンテさんでよろしいですか。では、お願いします。

【オチャンテ委員】
 皆さん、初めまして。オチャンテ村井ロサメルセデスと申します。日系ペルー人です。とても長い名前で、普通の人であれば多分省略する人が多いけれども、私はあえて全て使っています。両親が大切に付けてくださった名前なので、それを隠すことではなく、誇りとして使っていきたいので、いつも子供たちにもそう伝えています。
 私は、15歳のときに日本に来ました。96年の12月です。両親の出稼ぎで、両親は先に1991年のときに日本に来て、多くの出稼ぎ労働者と同じような形で1、2年ぐらい働いて自分たちの国に戻るというような計画は作るけれども、それがなかなか達成できず、2年、3年、5年とかして、それまでに子供たちと離れ離れに生活し、5年間たった後、日本での基盤も少し整って、日本人の友達もできて、それで子供たちを日本に連れてきたんです。それは私と兄と弟の3人兄弟なんですけれども、15歳で中学3年生の3学期に入学しました。ほぼ日本語が分からない状態で、日本の学校、義務教育の3年生に入学はするけれども、やはり言葉ができないということで、当時は、地元は三重県の伊賀市なんですが、もう既に日本語の学校、取り出し授業というような取組もなされていて、もうずっとそこで2か月、平仮名・片仮名・漢字を覚えるような形で、入試を受験しました。ただ、私は言葉ができなかったけれども、入試を認められて高校に進学することができたということは、私がすごくいつも「日本語が分からないから、もう1年間勉強しなさい」と言われていたら、多分私はもう挫折して、親と同じような労働で工場で働いていたのかもしれないけれども、日本語は分からなくても、勉強する意思を大切にして、それで認められたことで私は今ここにいるんだなといつも思います。なので、定時制高校に進学をしました。そして、4年間働きながら勉強して、その後大学、大学院に進むことができました。
 なので、私の全ては、このチャンスを与えられたことなんです。たまたま、恐らくそこに理解がある校長先生がいてとか、たまたまいろいろな人に支えられて自分がいるんだなと思うんです。ただ、たまたまラッキーとか、恵まれていたからではなく、全ての子供たちに同じチャンスを与える日本になってほしいなと、いつも、それはすごく私の一番の願いなんです。私より日本語ができる子たちで、高校の入試を認められなかったとか、そういう子供たちもたくさん見てきました。既に漢字も書けるし、私は漢字はそんなに書けなかったけれども、日本語力も私以上に持っているのに、定時制高校の入試でさえ何回か受けても駄目だったというような子供たちもたくさん見てきたので、その入試を認められることでその子にいろいろなチャンスを与えられるんです。だから、私は、特に2番目の進学機会の確保ということにすごく力を入れていきたいなと思っています。
 どんどん小学校での日本語の指導とかは少しずつ、自分のときに比べると大分よくはなってきているものの、やはり学校に適応できずとか、高校には入学はするけれども、中途退学するとか、経済的な理由で進学ができない子たちはいまだに残念ながらいます。まず、全ての子供たちが進学できることを確保する。
 そして、高校に入学してから、ではもう長年日本にいるから指導が要らないと放っておかれるようなケースも見てきたので、高校での日本語の指導というのは、義務教育と同じような時間の確保とかも大事にしなければならないですし、その子供たちは、私もそうなんですけれども、もう自分たちの国には帰らないんです。私が去年ペルーに帰ったときに、本当にバスに迷って、冗談なんですけれども、すぐに、「もう自分はペルー人ではないな、ここではもう生活できないんだな」という思いがすごくありました。もう全て日本での基盤も整っているし、向こうに帰っても一から全てやらないといけないので、私と同じように子供たちもきっとそうなんだなと思います。日本は自分たちの国になっているんです。もう帰ることは、旅行ではあるかもしれないけれども、帰るところ、戻るところは日本なんです。なので、そういう子供たちが日本人の子供たちと同じように、就学の機会とかを確保して、自分の夢に向かって歩むような支援というのを私たちが大事にしなければならないかなといつも思っています。
 社会に出て、社会の一員となるための日本語の指導とか支援、学習の機会、そして大学に行くためには、経済的な理由で大学に行けないとか、私の場合は定時制高校だったので、そこでためたお金で大学に行けたのですけれども、もちろん両親の支援もありました。でも、両親も非正規の雇用なので、非常に不安定な立場にあって、なかなか貯金できるような状態でもなかったので、そういう子供たちもたくさんいます。例えば大学入試の在り方とか、国公立のそういう外国人の子供たちの枠を広げるとか、今、大学は少しずつ増えてはきているけれども、まだ少ないんです。なので、そういうことも訴えるようなことも今後もしていきたいですね。
 ごめんなさい、10分たったかどうか分からないんですけれども。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。御自分で今までの歩みを振り返りながら、高校進学の促進、それから定住者としてこれから日本の中で生きていく市民としてどういう教育を提供できるか、経済的な支援も含めて、どのように進めるかというお話を頂いたと思います。ありがとうございます。これも大事な話なので、是非、後の議論で深めていきたいと思います。
 では、櫻井委員、お願いできますでしょうか。

【櫻井委員】
 よろしくお願いいたします。浜松市教育委員会の教育総合支援センターで外国人支援グループ長をしております。
 私のいる教育総合支援センターなんですけれども、実は外国人支援グループのほかに、発達支援グループ――特別支援に関わるグループ、それから相談グループ――不登校に関わるグループが一緒になっておりまして、外国の子供たちでも、特別支援に関わる子供たち、それから不登校になってしまう子供たちがいるものですから、その3つのグループが、学校から、それから保護者からの相談が来たときにすぐに対応できるということで、3年前から教育総合支援センターができました。そして、その3年前から私が、外国人支援グループ長ということでここに配属になっております。
 私なんですけれども、実は平成16年から7年間、日本語指導加配ということで、学校で外国の子供たちに接していました。それまでは普通の学級担任をしておりましたので、日本語指導加配になったときというのは、何をしたらいいんだろうと。まず、子供たちの置かれている状況はもちろん分からないし、何を教えれば子供たちが獲得できていくのかというところが全く分かっておらず、それでもやっていくうちにだんだん、外国の子供たちに教えるということは一般の日本の子供たちに教えることと変わらないなということを感じまして、ほかの日本の子供たちでも、体の不自由な子、それから認知するときになかなか厳しい子などがいるんですけれども、それと同じように、日本語がなかなか厳しいという子供たちがどのようにすれば学校の中で自立した学習ができるかということを考えるということは、個に配慮した教育をするということでは余り変わりないなということで、子供たちに接していくうちに、おもしろみを感じて7年間続けていたということがあります。
 その後なんですけれども、教務主任、教頭職を経て、現在のこの教育総合支援センターに来たということになります。
 浜松市には、外国の子供たちが1,800人ほどおりまして、そのうち、日本国籍も含めてですけれども、1,359人の子供たちに日本語指導が必要という調査結果が学校から出ております。そのような子供たちに対して私たちとしては、子供たちが在籍学級で学習に参加できるという日本語を身に付けるということ、自立した学習ができるようにするということ、それから夢や希望を持って学習をして、将来は自分の強みを生かしたことで社会に貢献できるような、そんな子供にしていきたいなと思って、支援者を派遣したり、それから体制を整えたりということをしております。
 昨年、日本語指導体制を整えまして、浜松市は実は南北に80キロありまして、とても広い市なんですけれども、その中に学校数146校あります。そのうち120校に外国の子供たちが在籍しております。昨年度、日本語指導体制を整えまして、どこの地域の学校にいても、どこの地域の学校に子供たちがやってきても、初期日本語指導、それから初期適応指導、この2つについては平等に支援ができるように体制を整えました。
 ただ、日本語の基礎指導をしていただけではなかなか子供たちが学習に参加できる力というのはついていかなくて、やはり教科指導が必要だと考えております。教科指導をするためには、日本語指導加配と言われる先生が必要なんですけれども、なかなかその先生というのが十分に配置できていないということや、それから「特別の教育課程」を実施している子供たち18人に1人ということで教員が配置されるようになったわけなんですけれども、そのように制度はあったとしても、先生の側に、日本語指導をやってみたい、外国の子供たちに接した指導をしてみたいと考える先生がなかなか今いないというのが現状で、その先生たちのモチベーションが上がるような何か仕掛けが必要だなと考えております。それは、私たちの教育総合支援センターだけではなかなか難しいものですから、今いる先生たちにスキルを磨いてもらうということで、教員対象の研修なども年間9回実施しておりますし、それから、一般の教員の日本語指導加配だけではなかなか教科指導というところで充実させることができないので、浜松市として教科指導員という制度を昨年より作りまして、教員免許を持っている人が外国の子供たちを必要に応じて取り出しをして、教科と日本語を統合した学習をするということをしております。ただ、そういう人たちも、なかなか慣れない中でやっているので、何をしたらいいのかというところが分からないというような状況があります。
 教員もそうなんですけれども、在籍学級にいる子供たちと同じ内容をやると考えている方がとても多くて、でもそれだと、なかなか外国の子供たちは、もうスタート時点に差があるところでスタートしている、日本語が母語ではないというところでスタートしているので、なかなか厳しい状況なんですけれども、先生たちの考えを変える、発想の転換をするというところが難しいなと感じてやっています。
 それから、今1,800人在籍しているのですけれども、30か国から来ておりますので、多言語に対応することもなかなか難しいなということ、それからバイリンガルの支援者も採用しておりますけれども、学校の内容が分かり、子供たちが好きで、子供たちに支援をしようと思う方がなかなか採用できないというような現状があります。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。浜松は、積極的にこの施策を進めていただいておりますけれども、受入れ体制の問題で印象的だったのが、日本語指導を担当する先生のモチベーションをどうやってあげられるかという点です。日本語指導を担当する先生はともすると経験年数の浅い先生であったり、あるいは1年ごとに交代してしまったりするためにこの日本語指導、特に教科指導に結び付けるための日本語指導をどう進めるかは重要な課題です。そのモチベーションをどう上げるかについて議論を深めていきたいなと思います。
 あと、多言語に対応できないというのは、これだけ数が多くなってくると、なかなか自治体だけでは難しいかもしれませんので、この辺も含めて、また議論を深めていければと思います。ありがとうございました。
 それでは、高橋委員、お願いします。

【高橋委員】
 高橋と申します。神奈川県で活動しています。2年前ですか、こちらの有識者会議に参加させていただきましたが、そのときは神奈川県立の橋本高校というところの教員をしていました。ちょうど外国籍の子供の担当もしていました。もう今は退職しています。そのときからも、今回の肩書の一つでもある、NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわの方に関わって、もう25年になりますが、そちらの方の活動はずっと続けております。
 現在は、高校の教員を退職して、厚生労働省が主管している地域若者サポートステーションというところで仕事をさせてもらっています。地域若者サポートステーションというのは、最近話題のひきこもりの方等への就労支援という活動ですが、もちろん日本人のひきこもりの方も対応していますけれども、外国につながる若者たちのひきこもりとか、就労の困難ということで、相談に来るケースがあります。なかなか相談に行く場所もないというのが実態なので、私がサポートステーションにいると、たまたま知り合いを通じてとかで本人が相談にくるケースがあります。相談機能というのは人のつながりなんだなと実感しているところです。
 その中で、外国につながる子供や若者の教育支援のNPOとして、特に中学校以降、高校進学、高校の中での支援、それから高校以降の支援というのを継続して実施しています。私自身にとっても、対象の子供の年齢がライフワークの中でどんどん上に上がっていくんですけれども、普通は、小学校のときにどうするかとか、中学校のときにどうするかという、下から、年齢の低いところから見がちなんですけれども、私自身はどうしてもゴールから見るということが必要ではないかなと思っています。今、日本の社会で、こういった外国につながる若者が果たしてちゃんと自己実現、社会参加、そういうことをできるような状況にあるのかどうか、そのようにしていけるのかどうか、そうしていかなければいけないのではないかということを強く思っています。そうでないと、今まで例えば小学校とか中学校でやっていることがどのように生かされるかということが見えないと、社会全体としても、そういった子供たちへの支援というのは見えてこないと思います。
 多様性というのは一つのキーワードになるかなと思っています。例えば、ちょっと例に挙げると今スポーツ界では、外国につながる若者の多様性というのがすごく生かされて、それはもう日本人のスポーツ選手も含めて切磋琢磨して力を発揮して能力を高めていると思います。なぜスポーツ界なのかというところは考えないといけないと思います。それは、学校教育の中で日本語教育とか、そういう教育分野のところの定着がまだまだ十分でないために、ほかの分野でなかなかそういった多様性、いろいろな外国につながる子供たちが活躍できる、企業の活躍とか、大学とか、あとは教員ですが、教員の世界で活躍するとかという多様性がなかなかできていないのは、実は日本語能力とか日本語の定着とかという教育の根幹のところがまだまだ十分でないからなのではないかなと思います。スポーツは、そういった意味では、余り日本語によらなくても本人の能力で活躍できる場という感じがしてならないです。
 それで、多様性ということから言うと、教育界の現場から私は外へ出て、今、教育の支援の中をいろいろ外部から見ていますが、今先生たち自身が多様性ということを理解したり、関わったりする環境では非常になくなってきていると思います。これはもう社会全体が、どんどん人間関係が狭まっている中で、ひきこもり等も、子供たちもそうですが、実は先生方も社会の中での人間関係が狭まって、いろいろな人間、いろいろな考え方、いろいろな価値観、そういう多様性みたいなことを感じる機会がどんどん少なくなってきていると思います。先生たち自身が、多様性と言われている外国につながる子供がぽんと来たときに、どう対応していいかわからないのだと。多様性ということは、頭や言葉では分かっているかもしれないけれども、実際は本当に多様性というものが理解できるようなシチュエーションになっていないのではないかなと思います。先ほど櫻井先生がおっしゃったみたいに、先生方一人一人が、外国の子がいたら、どうやって指導したらいいか、考えていらして、それは日本語の先生だけがやるべきことだ、とは思っていない先生というのが結構いらっしゃいます。特に教科指導の先生方も、どのように指導したらいいかということを考えていらっしゃるんですが、でもやり方が分からない、という状況だと思います。
 今、神奈川で行う研修でよく出てくるのは、「やさしい日本語」とか、教科の中で日本語をどのように分かりやすくして、又はいろいろな教科の中身を絞り込んで、そこをどのように子供たちが理解できるようなやり方にするかという、JSLカリキュラムの部分になるかと思いますけれども、そういったことをいろいろ聞いてきてくださる先生方が多いです。そういった意味だと、先生一人一人自身が多様性の理解や受入れとか、日本語の指導法の取得とか、そういうことが必要で、それがひいては社会にもつながっていくようなことになるのではないかなと思います。先生の多様性理解や受入れがないと、子供も多様性がないまま育っていってしまい、どんどん多様性がない社会が出来上がってしまう危惧を非常に抱いています。
 神奈川県では、教育委員会とも協働で協力してやっていただいているので、非常にいろいろな活動ができています。例えば、高校で今私たちは26校に多文化教育コーディネーターというコーディネーターを派遣しています。学校側と協議して、コーディネーターは何をやるものと初めから決めるのではなくて、コーディネーターはあくまでも学校の中で、どういう取組が必要かとか、どういうことが必要か、基本は先生方が何をしていきたいのかに対してアドバイスするというやり方でやっています。また今、定時制高校は、不登校の経験のある子供たちが多いんですが、外国につながる子供もすごく多いので、私どもは定時制高校6校で校内居場所カフェというのを実施しています。最近話題の子ども食堂の学校版、若者版だと思っていただければと思います。校内居場所カフェでは、スタッフに大学生が入っていますが、多文化の大学生の先輩が来たりして、いろいろな関わりを広げるということで活動しています。そういった活動を通じて、子供たちが誰かに話をしたい、相談したい、悩みを聞いてほしい、そういった入り口から子供の人間関係というのはできてくるのかなと思って、定時制高校でいろいろな活動をしています。
 そう考えると、自治体間格差というか、散在地域とか集住地域との格差というのをどうなくしていくかが、一番大きな課題となると思います。さっきオチャンテさんもおっしゃったんですが、全ての子供が同じようにというところを考えると、国が自治体に「やってよね」と言うだけだと駄目だと思います。実際にどのように具体化して、どういう仕組みを作って、自治体の中でそういう取り組みどう実現していくかを考えなくては。自治体の人たちも多分いろいろな思いがあったり、気持ちがあったりするので、そういうところとうまく擦り合わせてほしいと思います。例えば今回ワンストップ総合相談センターというのが外国人人材支援でできましたが、自治体側はどう思っているかというと、お金は付けてくれたけれども、どうやっていいか分からないというか、相談のノウハウもないし、ただ窓口を作って「相談にいらっしゃい。言語も用意しますよ」というぐらいしかできない状態で、今実際動いているのが37自治体と聞いているんですが、間違いだったら修正してください。100自治体という予算化でしたけれども、実際は自治体が悪く言うと丸投げされて、どうやっていいか分からない状況にあるのではないかと思います。だから、その辺をうまく国と自治体との関係性とか、自治体とNPOの関係性の中で、きちんとした仕組みと実効性のある何か取り組みを行い、根付かせる方策を是非考えていただければと思います。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。いろいろ問題提起を頂きましたので、是非これから深めていきたいと思います。確かに若者をゴールから後押しする方向性というのは、必要になってきているんでしょうね。さらに、教員の養成研修の中での教師の多様性をどう養成していくかも課題です。神奈川県のNPOの事例などにも注目していけば、先ほどの自治体の中で、具体的に予算は付けたけれども、どうしていいか分からないという問題も解消できるかもしれません。この場で、どうしたらそれを具体化できるかを議論していければと思います。
 この資料5の中にないようなお話も今出てまいりましたので、必要であれば、これに加えていければと思います。ありがとうございました。
 それでは、田中委員の方からお願いできますか。

【田中委員】
 NPO法人青少年自立援助センターの田中といいます。当法人は、東京の福生市というところに拠点を構えていまして、もともとは高橋さんが今携わっておられるような若者の自立就労支援を主たる柱として1999年から活動している法人なんですけれども、2010年から定住外国人の子供の支援の事業を興しまして、私はそこの責任者をしています。東京の福生市という西の端っこにあるところなんですけれども、都内の23区外全域からの受入れ実績がありますし、一部、埼玉県西部、神奈川県西部からも通ってくるような子供たちもいます。おととしは、千葉県からも片道2時間半以上掛けて電車に揺られて通ってきたような子供・若者もいまして、日本語教育の場が本当に限られているという実態を支援現場で目の当たりにしてきたというところです。
 私たちの支援の現場は、実は定住外国人の子供の就学支援事業、いわゆる虹の架け橋事業を受託するところから活動をスタートしまして、2015年にその事業が終わった段階で、支援を完全に有料化して、原則月謝を頂いてサービスを提供するというような形で運営しています。年間約120名の6歳から30代の子供・若者が福生の教室で学んでいまして、これまでに750名程度、35か国ぐらいから受入れをしています。本当に地域的にも何も支援がない、あるいは支援があるのだけれども十分ではないという状況にあったりとか、学校さんの方に受け入れ体制がないがために就学ができないというような子供たちも少なくなく、朝は9時から夜は7時まで何かしらのクラスが運営されていまして、日本語能力や学校教科の基礎学力に応じたカリキュラムを学習支援の場として提供しているというようなところです。
 2013年からは、法人内に地域若者サポートステーションを4か所で運営しており、そこと内部連携しながら、海外にルーツを持つ若者の自立就労支援に取り組む一方で、東京の福生市まで通ってこられないけれども、学校に行くことができないので、学びの場が必要だというような全国の子供・若者に支援を提供することを目指して、2016年度から遠隔教育による日本語教育機会を拡大していくためのプロジェクトを実施しています。いわゆるスカイプ英会話のような要領で、リアルタイムにオンラインで、福生にありますスクールとつなぎながら専門家による日本語指導を各地から受講できるようなことをチャレンジしてきました。山口県とか広島県とか九州地方の方もいますし、東北から受講している方もいますし、今はグアテマラから8月に来日するのでということで受講している海外ルーツの子供もいます。ITを上手に活用することで、公教育の場では十分に学ぶことができない子供・若者に対する支援を迅速に提供していく。今不足している支援機会を最大限スピーディーに拡充していくということに引き続きチャレンジしているところです。意外とうまくいっているというのが実感でして、オンラインでつながっていても、比較的学ぶことはできているというのが、この2年半ぐらい実施してきた上での感想です。
 例えば、東北の豪雪地帯に暮らしているような海外ルーツのお子さんの場合、雪が降ってしまうと、地域の支援がなくなってしまったりとか、バスに乗って拠点となっている拠点校までアクセスすることが難しかったりとか、東京都内であっても、西多摩地域などはかなりのんびりしたところですので、保護者が車で送り迎えしないと通級の指導が受けられなかったりというようなこともありますので、そうした移動に関わる制約みたいな部分もICTを使うことである程度は取り除くことができるのではないかなと今のところは思っています。
 一方ではその限界なども既に感じていまして、端的に言うと、方言が子供に教えられないとか、あるいは高校進学を目指している子供・若者の場合、その地域に特化した入試対策の指導あるいは情報提供というものが必要になるのですけれども、そういったものを東京から伝えることがなかなか難しかったりとか、あとは小中学生ぐらいだと、地元の子供だけが知っている秘密のお店みたいなところとか、駄菓子屋とか、そういった情報を地域情報として届けられないのが遠隔教育の限界だなと思っています。なので、あくまでも次善の策として、教育機会の拡大が十分でない時期に、人手不足もありますし、そうしたものを一時的にでもカバーしていくというような点においては有効なのではないかなとは思っているところです。
 そういう意味で、学校につながっていても十分に学べない、あるいは学校につながる手前にいる、あるいは既卒者として15歳以上で来日して、単独で自力で高校進学を目指さなくてはならないような若者、学ぶ場がないというような若者に対して、セーフティーネットとしての学びの機会として、ICTの活用を何らかの形で推進していければと思っています。
 それから、日常的に現場を運営していく傍らで、海外にルーツを持つ子供たちをより適切に支えられる人が増えてほしいということもありましして、全国各地で講演会などでお話をさせていただいています。ボランティアの方も、学校の先生方も、場合によっては日本語指導や海外にルーツを持つ子供の支援に対して不正確な理解をしていることもまだまだ多いなと思っています。例えば、子供なので、1対1でないと支援ができない、あるいは母語が話せる人でないとサポートできない、そういった誤解、場面においては誤解となってしまうような事態によって学びの機会が妨げられているという状況も多数見受けられますので、子供たちを支える皆さんにいかに、十分な知識というか、正しい理解を持っていただくかというようなことも含めて、情報発信というものを心掛けたりしています。
 それから、うちの支援の現場の中には、日本語ができない子供だけでなく、日本で生まれ育ったけれども、学習言語が十分に発達していない、あるいは日本の学校の中になじむことができずになかなかきちんと学べていないというような子供たちがいるのですけれども、日本語の壁を取り除いた後に残っている、いじめとか差別といった心の壁をどう取り除くかという部分に最近は非常に関心を持っていまして、すごく子供たちは頑張って日本語を習得するのですけれども、その上で学校にようやく行けるようになっても、名前が片仮名であるとか、肌の色が違うとか、そういったところでどうしてもいじめを経験する子供の割合が非常に高いのではないかなと思っています。ホスト社会の子供である日本人の子供の寛容性というか、多様性に対する感度をいかに磨いていくかというような部分に取り組んでいかないと、幾らこっちが頑張って支援をして子供を学校に押し出しても、学校から排除されて戻ってきてしまうという現実もあります。今そういった意味で、諸先生方もおっしゃっていましたが、ダイバーシティ教育のような部分をどのように推進していくかということが非常に重要になってきているのではないかなと思っています。
 さらに、もう一つの関心事は、外国人の方々に対して使える資源は恐らく日本社会の中で限られているだろうということです。青天井で予算を要求できるのでしたらいいんですけれども、そうではない。さらに、ボランティア団体さんなども含めて、民間支援者の方々の高齢化が進んでいます。今後も外国人の方が増えていく地域というのは、基本的には地域の担い手が不足している地域であって、支援人材自体も不足しているという認識でいます。学校の先生方が全てを担えればそれにこしたことはないんですけれども、学校の先生だけでは対応し切れない部分、地域であるからこそやらなくてはならない部分というものもあると思いますので、近接領域あるいは企業さん等の地域資源といかにつながっていくかという連携体制の構築にも関心を持っています。多様な領域と掛け算でいわゆるコレクティブ・インパクトの発想で連携していくことで、社会資源をすべからく多文化化、多文化に配慮された資源にしていけば、新たに全てを外国人の子供のために特化して設けなくても、ある程度地域の力で対応ができる部分もあるのではないか。
 例えば、多文化に配慮された子ども食堂とか、あるいは困窮世帯の子供のための学習支援の場の中で、いかにこうした海外ルーツの子供たちを支援していくか。そうした場にぱっと1台タブレットを置いて、遠隔で広域対応ができるような日本語の先生が基礎的な日本語をサポートする。日本語のサポートが終わったら、学習支援を行っている担当者の方がJSL的な発想をもってサポートをしていくというような連携などもできるのではないかなと思っています。あるいは、例えば民間資源を使うのであれば、日本語教師を配置した学習塾とか、そういった発想もあり得るのかなと思っていまして、広く社会の中でいかに体制を構築していくか。いわゆる外国人支援関係者だけではない、幅広く連携をしていくような視点で体制構築をしていくことが重要なのではないかなということを今強く思っています。
 現場を日々見ながら、10年間この領域に携わっていますけれども、ほとんど変化がないこと。子供たち自身が適切な支援がない中で、時間を止められないので、どんどん機会を失っていることというのは、非常に心を痛める日々です。一刻も早く社会の中で体制整備をしていくために、社会全体で子供たちを支えていけるようにするために、是非ここの場で仕組みを作る、実効性のある枠組みを提示するというようなことに皆様と取り組んでいけたらいいなと思っています。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。田中さんはなかなか発信力がすばらしくて、ネットでも発信しています。報告にもあったように遠隔教育が子供の就学機会を保障する一つの大きなツールになるんだろうと思います。さらに、今回、指導力の向上ということで、専門性を持った人材育成に焦点を当てられています。しかし、実際にはボランティアに支えられていますので、そのボランティアをどう育成するかという観点も忘れることができないという問題提起だったと思います。さらに、ボランティアの方々の高齢化が進んでいます。これをどうするかということ。そのためには、ボランティアの人材育成、地域における人材育成というものをもっと多様な視点から考えていく必要性があるのではないかというお話でした。非常に参考になる意見だと思いますので、是非これも深めていければと思いました。ありがとうございます。
 それでは、藤巻委員、お願いできますか。

【藤巻委員】
 北海道教育大学の藤巻といいます。私は、もともと日本経済新聞というところにいまして、大阪の社会部で在日韓国人問題を取材したり、パリ支局長を務めた際にはイスラム系移民の二世・三世の社会統合問題をフォローしたりしました。ただ、本格的に外国人問題に興味を持ったのは、2005年の人口減少社会の取材の時です。この年に日本の人口が初めて減るということがあって、新聞各紙はみんな人口減少企画というのをやったのですけれども、私は、人口が減るといっても、地方はもうとっくに人口は減っているので、地方を回れば日本の未来が見えるんだろうということで、地方を回りました。1人で20回ぐらい連載をやったんですけれども、今話題になっている今治ではタオルの産業に中国人の技能実習生が従事しており、東北の農村へ行きますとフィリピンとか中国から外国人のお嫁さんが来ていた。それから東海地方・北関東では日系南米人の方々がたくさん働いていた。要するに、人口が減る社会というのは外国人が増える社会だということを15年ぐらい前に実感したんです。
 今日まさにそういう状況が訪れていると思いますけれども、それがきっかけになって、外国人集住地域、愛知県豊田市の保見団地というところに1か月住み込み取材をやったり、東京の新大久保に1か月住み込み取材をしたりしました。その外国人児童の問題でいうと、愛知県豊田市の保見団地には、学校に行かない不就学・不登校の子がたくさんいるわけです。団地の中でうろうろしていて、ブラジル人学校へ行っているかというと行っていない子もいて、いわゆるダブル・リミテッドになっている子供がいる。その不就学・不登校の子を就学させるためのNPOで、私は1か月間取材をしながら、ボランティアで日本語教育のお手伝いみたいなことをやりましたけれども、学習意欲がない子供たち、そういう子供たちをどう学校に行かせるのか、就学させるのか、継続させるのかという問題は非常に深刻だと思いました。
 東京の新大久保では、大久保小学校というところに行ったんですけれども、アジアから来る子供たちがいじめに遭ったりして自分の国の文化に劣等感を持つということがあった。自尊感情というものを大事にしなければいけないということで、そこの先生が一生懸命、日本語国際学級の教室に中国や韓国、タイの写真や地図、本、服飾雑貨など、その国の文化を象徴するものを置いて、日本の子供たちにも中国や韓国、タイの文化に関心を持ってもらうようにしていた。そうしないと、中国や韓国から来た子供たちが自分たちの文化に対して否定的になってしまう。外国人児童教育の中で、いかに自尊感情というものが大事かということを知りました。
 それから、新潟県の南魚沼市というところへ行ったんです。ここは外国人のお嫁さんが多いんですけれども、ここでは、日本人と外国人のお嫁さんの子供は日本語には問題ないんですけれども、本国から外国人のお嫁さんが連れてくる子供というのがいて、この子供たちは日本語ができないんです。日本語教室があって、ボランティアの人たちが一生懸命支えていたり、あと学校では、日本語支援員という形で、中国に住んだ経験のある商社マンの奥さんが中国から来た子供たちの指導に当たっていたりしていましたが、かなり不十分な状況でした。外国から来ている連れ子の子供たちというのは、いろいろな問題、心の問題を抱えているので、日本語教育というよりも、人生相談的な全面的な支援といいますか、そういうサポートをしなければいけないということで、それをボランティアに近いような支援員の人が担っていて、非常に疲れているというような状況を目の当たりにしました。
 今、在職している北海道教育大学函館校がある函館市は、典型的な外国人散在地域です。ここでもボランティア頼みの日本語教育が行われていて、小中学校に日本語専門教員はいなくて、ボランティアの人たちが学校に行って教えているような状況です。ただ、北海道教育大学には日本語教員養成プログラムというものがあるんです。入学すると、外国人の子供の教育に、あるいは多文化共生とか、そういうことに非常に若者が関心を持つのですけれども、卒業する頃になると、もうそういう勉強をしなくなったり、あるいはプログラムをせっかく履修しても、日本語教員になるという人はほとんどいないのです。なぜいないかというと、安定した就職先がないということです。たまに日本語学校などに就職する学生がいるのですけれども、いわゆる世間で言う出稼ぎ留学生というのがいっぱい来ていて、日本語学校で教えても、学生が居眠りしている、まともに授業を聞かないというので嫌になって、辞めてしまう。だから、今、日本語教育の人材が不足していると言われているんですけれども、日本語教育をやりたいという若者はいっぱいいるんです。ところが、安定した就職先というものがない。今、日本語教育推進法が成立し、入管法改正に伴い策定された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」でも、日本語教員のスキルを上げるということが言われていますが、そのスキルを上げて資格をしっかりとしたものにするということも大事なんですけれども、同時に安定して働ける職場を作っていくということも大事だと思います。
 それから前回の有識者会議でも提案したのですが、教員免許の問題です。学校で日本語教員になるには、英語とか国語の教員免許を取って、更に日本語教員養成プログラムを履修し、資格を取らなければいけない。これは非常に負担が重い。それを解決するには「日本語」という教員免許を作ればいい。そして、その取得のために外国人児童教育に必要な多文化共生や人権について勉強させたらどうか。先ほど、学校の先生が外国人教育にモチベーションがないという指摘がありましたが、外国人の支援とか、多文化共生、そういうことに興味を持つ学生が日本語教員になって公立学校で教えるという姿が僕は理想的だと思うので、そういうことも今後の検討課題にしたらどうかと思います。
 それから、北海道教育大学で地域プロジェクトという授業があるんです。これは今、全国でいろいろなところでやっていると思うんですけれども、地域の課題をフィールドワークで学習するという授業なんですけれども、そこで私は、「外国人の目線で函館の国際化を考えよう」というプロジェクトを立ち上げて、学生に参加させています。最初にやったのは、外国人への聞き取り調査です。函館に住んでいる外国人は1,000人ぐらいいるんですけれども、1,000人全部はできなかったんですけれども、120人ぐらいにインタビューをして、外国人が今何を考え、どう思っているのかということを学生に調査させたんです。それを調査報告書にまとめて、市長に提出して、市長と懇談をしたんです。そういう中で、函館の多文化共生を推進するために何が必要かということで、2つの事業を始めました。
 一つは、技能実習生と日本人市民の交流会です。技能実習生の人がどんどん今増えているんですけれども、そういう人たちが函館の水産加工を支えているということは、市民は知らないんです。そういうことを知ってもらうと同時に、実習生というのは非常に孤立した世界に生きているので、市民と接触することで地域の一員として受け入れられているんだという意識を持ってもらう。そうしたことを目的にしています。
 もう一つが、これは今回のテーマの一つにもなっている異文化理解や多文化共生の考え方に基づく教育の在り方というところと関係すると思うんですけれども、外国人市民を講師にした初等教育の場での異文化理解講座の開催です。函館に住んでいる外国人にインタビュー調査をしたら、「自分の文化を発信したい」という声が強かった。「そういう場がない」と。それから外国人から「函館の人から嫌な思いをさせられた」とか、「特別視された」とか、「偏見を感じた」とか、そういう声が上がった。そこで、幼い頃から外国人と触れ合えば、異文化に興味を持ち、差別や偏見もなくなるだろうと考え、異文化理解講座の開催を思いついたのです。これは、教育大学の附属小学校で3回、フランス人とかベトナム人とか韓国人の人にやってもらったんですけれども、非常に好評で、子供たちも「外国人が怖いと思っていたけれども、きょうの話を聞いて非常に身近に感じた」とか、「ベトナムに行ってみたい」とか、「フランスに関心を持った」とか、そういうアンケート結果が出て、小学校の先生からも非常に好評だったんです。これを是非公立小学校に広げたいと思って、教育委員会とずっと協議をしているんですけれども、教育委員会の関心は英語教育なんです。来年から英語教育が本格的に始まるということで、それで頭がいっぱいで、とても異文化理解講座どころではないということだったんです。では異文化理解講座と英語教育をドッキングしたらどうかということで、最近、教育委員会にも非常に熱心な先生が出てきて、7月11日ですけれども、初めて公立小学校で異文化理解講座を開くことになった。オーストラリアから来たアジア系の人が子供たちの前で授業をします。
 こうした試みが全国の公立小学校に広がっていけばいいと僕は思っています。先ほど心の壁という指摘がありましたけれども、外国人の子供の教育の支援だけでは不十分で、日本人の子供たちが外国人を尊重し、異文化に興味を持つという体制を作っていかないと、いじめの問題も消えていかないのではないか。同時に、日本人に対する異文化理解・多文化共生教育も必要だと感じております。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。資格の問題とか、新しい異文化理解の教育の発想とか、重要なことを御提案いただきましたので、これもまた議論を深めていければと思います。
 それでは、古沢委員、お願いできますか。

【古沢委員】
 古沢と申します。よろしくお願いいたします。読売新聞の編集委員として、教育を主に担当しております。藤巻先生は先輩でいらっしゃるということで、皆様の各地の現場のお話は大変参考になりました。
 外国人教育については、私としては、最近では横浜の小学校などを見学させていただいた経験がありまして、非常に多くの地域から子供たちを受け入れている学校で、10か国にわたるということで、先生方はかなり、横浜市は手厚く支援をしているところだとは思うんですけれども、現実はというと、日本語教育というのは全く初めての教員の方たちが奮闘しているという実態を目の当たりにしました。一方で、子供たちは非常に向学心があって、日本語で教えることでこのように早く習得していくんだなということで非常にびっくりしたんですが、もちろん彼らの言語をサポートする方、ボランティアの方のサポートは欠かせないと思いました。
 それと、都内では、先ほどからお話が出ている高校進学に支援をしているNPOというのも訪問したことがありまして、強い向学心がありながら、義務教育年齢を超えているということとか、あるいは日本語の壁で就学機会がない、高校進学が難しいという実態を目の当たりにしまして、皆さん、非常に一生懸命勉強しているのだけれども、なかなか、先ほどお話があったように、高校に合格できないということは非常に問題だと思いまして、文科省の調査結果がこちらに出ておりますけれども、もっと多くの都県などで今子供の数が減っているという状況もありますし、受入れについて検討していただきたいと思っていたところです。
 散在地域というのも増えているのももう一つ課題かと思うんですけれども、今、都市部でも、対応できないということで就学を断られることもしばしばあるとお聞きしています。一つ理由としては、まだ教職員の研修とか教育の機会が非常に少ないのかなと思いまして、もちろん現職の教員の方々にもそういった教育に触れる機会を拡充することは大切ですが、教員養成課程でも、今もお話がありましたが、そういった教育を充実していただいて、ほぼ全て、先生を目指す方が一定のそういった日本語指導とか外国人生徒の教育について何らかの教育プログラムを受けられるような仕組みも検討していただきたいと思います。
 私個人については、以前にアメリカのロサンゼルスで取材していた経験がありまして、そちらで移民の子供たち、外国人の子供たちへの学校や社会での支援というのもかいま見た経験がございます。そういう観点も踏まえて、いろいろと勉強し、考えていきたいと思います。
 以上です。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。また幾つか提案を頂きましたので、これも深めていければと思います。
 最後、村松委員、お願いします。

【村松委員】
 失礼いたします。兵庫県教育委員会の村松でございます。私は、兵庫県の教育行政の立場で、少し取組と、それから現状からの課題等についてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、兵庫県ですけれども、外国人児童生徒に関わるいろいろな事業に関しては、人権教育課が担当しております。恐らく、人権教育課が担当している県は全国でも珍しいかと思います。
 では人権教育課がなぜ担当したかと申しますと、阪神・淡路大震災、来年で25年目になりますけれども、これを発端としております。当時外国人の方たちが被災されても、言葉が分からない、支援も受けられないという状況がありました。そこで、多文化共生の施策を行うことが県の方針になりました。それを受けまして、県教育委員会は平成12年8月に「外国人児童生徒にかかわる教育指針」というものを策定いたしまして、子供たちの自己実現を図るという外国人児童生徒の支援をスタートしております。
 そのために、まずは子供たちが学校に通えること、そして学校に通ってからは、先ほどいじめ等々のお話もございましたけれども、学校に早期適応できること、心の支援をしていくことを目的として、兵庫県としまして、現在政令市である神戸を除く40市町に対して、県教育委員会が母語支援者であります「子ども多文化共生サポーター」を派遣しております。なお、神戸市は、県と連携しながら同じ事業を実施していただいております。県費で派遣しておりますので、この事業は全国でも珍しい事業ではないかなと思っております。
 そしてもう1点は、「子ども多文化共生センター」の運営です。兵庫県は御存じのとおり、散在地域に当たりますので、一つ一つの市町が外国人の子供のための教育相談窓口を持つということはなかなか難しゅうございます。そこで、県が教育相談窓口を開設し、教育相談を受けたり、就学の案内をしたりしております。
 また、先ほど申し上げましたとおり、子供たちが学校に来てからこそ支援が始まるということでございますので、兵庫県では、国が平成18年度に調査をされました就学状況調査を毎年実施しております。県だからこそできる調査体制が整えられているかなと思います。外国人の子供たちがいないかどうか、県立学校を始め、国立学校、私立学校、外国人学校にも調査の協力を依頼し、その後、市町教育委員会に本当に御苦労を掛けていのですが、個別訪問をしていただくなど、不就学が生じない、不就学が生じた際には支援につなげられるような体制を整えていただいております。これは本当に定着している大事な調査だと思っております。
 話は変わりますが、兵庫県は散在地域でありますので、外国人の方たちが増えるという波は実感としてはまだありません。そう言いつつ、昨年度の調査では、兵庫県でも日本語指導が必要な外国人の児童生徒は1,000人を超えました。まだまだ他府県に比べたら少ない数ではございます。先ほど国の調査の報告にございましたが、「必要な支援を受けていない」児童生徒が何%かございます。必要なのに、なぜ受けていないのか。あるいはその受けていない子供たちは、学校の中に1人、2人というケースもございますので、何とか学級で教えられる状況にあるのか。まだこの実態をきちんと把握できていない。子供たちの日本語のレベルを把握するために今、DLAの活用の推進をしておりますけれども、それが日本語指導の子供たちが在籍している状況調査に反映させることは難しい。先生方が、本当に支援が必要かどうかの把握をどうしていくのかという課題も残っておりますし、必要であった場合に、子供に教えられる人材の確保ができているのかということも課題もあります。これは散在地域だけでもなくて、どこでもそうなのかもしれませんが、初めて受け入れる学校あるいは久しぶりに受け入れる学校というのは、ノウハウの蓄積がされておりません。また、残念ながらなかなか管理職の意識がこの子供たちの支援までいっていないという、残念な状況もございますので、体制の整備というところでは、課題がございます。
 その一方、初めて指導する先生方には、学校での日本語指導は、文字指導、国語指導であるというイメージのままではないか、と感じることもあります。子供たちに必要なのは、日本語はもちろんでございますが、学習内容の理解でございます。学習内容を定着させて、在籍学級で友達とともに学ぶ場に戻すということ、そのことがすなわち進路を確保していくことにつながりますので、これは学校の使命ではないのか、思っています。日本語はツールであり、子供たちが自ら考え、発信していけるような、そういう力を付けていってやりたいというのが私どもの気持ちであります。
 さて、今回、主な検討事項に「指導体制の確保・継続」を挙げていただいております。学習指導要領に今回総則の方で子供たちの支援について明記していただいたので、本当に大きな一歩を踏み出せていると思うのですが、努力というところで止まっていないか。支援体制も整っておりませんし、自分たちの技術・ノウハウも十分ではないという現状では、努力にとどまる、あるいは、難しいという意識にとらわれてしまわないか、という心配があります。
 あと、「指導力の向上」という部分でございますが、これは児童生徒の学ぶ権利に関することですので、とても意識しているところですが、市町教育委員会の格差はあると思っておりますので、県教育委員会がやっていかなければならないと思っております。
 それから、先ほど申し上げました日本語能力測定方法の指導への生かし方。この点についても、今、測定を行っていただいているものの、それを実際の指導に生かしていくためには、まだ研修が必要だと思っています。
 また、「障害のある子供への対応」というところですが、ここは実態としては、先生方が指導力を付けていくというようなレベルよりも前の段階。子供たちにしてみれば、日本語が分からない中で教室でじっと座ることは苦痛があります。その苦痛もあり、授業中に立って歩くとかというようなことになるかと思うのですが、そこを教員がどのように理解するか。実際に日本語が分かってきたら、子供たちは落ちついて学習に参加できる。そこまで教師、学校の方が我慢できないで、障害のある子供というようなレッテルを貼ってしまっていないかという課題もあるかと思っています。
 それから、研修と教師の働き方の関係です。私も学校訪問の機会に現状を聞いておりますが、働き方の改革の観点から申しますと、今、先生方に研修を課すこと、新たなことを学んでいただくのは厳しい状況にあるといことが伝わってまいります。
 では兵庫県としては何ができるか。日本語指導、母語支援、在籍学級でどの時期にどのような支援をしていくか、そういう見通しが持てたらいいのではないかということで、マニュアルを作っていこう。初めて担当する先生方でも、まずは1か月の支援の参考となるようなマニュアルがあればいいのかなと、現在検討しているところでございます。
 それから、私が個人的に特別支援の研修会に参加して得たことがあります。ICTの活用、先ほど、遠隔教育等での活用の御紹介がありましたけれども、ICTそのものを子供たちが使えないかということです。日本語が分からない、書けない、読めないだけであって、もしかすると、ICTを活用すると、子供たちの負担軽減になるのではないかと思うのです。子供たちは限られた時間で学習をしていかなければなりません。その短い時間で知識を増やして、その知識を使って考えて、自分の考えを第三者に伝えることができるということが大きな目標でございます。
 例えば、教室での試験のときに、子供自身がICTを使うということ、例えば読み上げの教材、これは特別支援教育の方ではもうされているようなことでございますけれども、そのようなものを使うことによって子供の負担も減る、そして教師の負担も減るというようなことができないかな、学びの負担軽減としての一つの方法として使うことができないのかなというところを考えているところです。
 私個人としては、自分が外国籍の子供を担任したときには何一つ支援をしてやれなかったという本当に苦い思い出がございます。そういう子供が一人でも減るようにしていけたらということで、また考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。県としての取組について御提案いただきましたので、これも議論ができればなと思いました。
 最後に私が、座長というよりも、個人的な意見を少しお話しさせていただきたいと思います。私もこの教育に携わってもう30年になりますが、全く変わっていない部分と大きく変わってきた部分と、両方あるなというのが実感です。変わらない部分を変えていくために少し政策にも関与してきました。外国人の子供の「ようこそ日本の学校へ」という手引書に始まり、JSLカリキュラムの開発の責任者もさせていただき、そしてそこから「特別の教育課程」の制度改革、更に「受入れの手引き」の作成に携わってまいりました。
 いま何が必要か改めて考えると第一は、実態把握が非常に遅れているので実態把握が必要だという点です。診断のないままに治療しているようなもので、外国人の子供が国民ではないために実態把握が十分ではなかった。今回文科省が本格的な実態把握に乗り出していますので、非常に期待したいと思っております。
 学力の問題、例えばOECDなどは、PISAの学力のテスト結果を公表しているんです。全国学力調査の外国人の子供の結果なども可能であれば公表してほしいと思います。データをきちんと集積していくこととそれを公表していくことが必要だということを実感しています。実態が分かれば、それに対してどう対応していけばいいのかが分かりますので、これから必要だと思います。今まで、ともすると自治体任せにしてきたという部分はあるんです。これも、最前線に立つ自治体ですから、やらざるを得ないということだったんです。しかし、国でも外国人の子供たちの実態把握をする必要があると考えています。
 2つ目は、JSLカリキュラムなど、支援の対象を義務教育段階にとどめてきました。これでいいのかどうかということ、内田さんの話もありましたが就学前の子供の問題をどうしていくのかということと、あるいは高橋さんの話にありましたけれども、高卒後の話をどうしていくのかという点です。外国人の子供たちを日本の市民として受け入れるとすれば、体系性のある支援を行っていく必要があります。そのためには外国人の教育の基本指針みたいなものを作るべきだろうと思っています。これは個人的な意見です。
 3つ目は体制整備です。きょうはいろいろな話が出て参考になりました。私自身も、地域間格差をどう是正するかという高橋さんがおっしゃったことに非常に同感です。更にICTを活用すれば、田中さんがおっしゃったように格差の是正につながるように感じました。
 4つ目は教師の研修・養成に関してです。JSLカリキュラムを開発しましたが最初は評判がよくなかったんです。なぜかというと、カリキュラムのツールを作ったからです。魔法の玉手箱を作ったわけではないので、使うには研修が必要でした。しかも、日本語指導には、初期指導から日本語の基礎の指導、4つの技能別の指導、それから教科指導と日本語指導の統合を目指したJSLカリキュラムというように体系性を持ったプログラム、いわばコースデザインが必要なんです。これがないと、結局どこかにとどまってしまって、うまくつながっていかないということがあります。このことは、カリキュラムデザインとよく言われていますけれども、日本語指導のカリキュラムデザインが必要です。
 そのためにも教師の研修が必要です。特に、中堅教員が必要です。若い未経験の先生が来ても、中堅教員がいれば指導できる。中堅教員が必要だということをいろいろな学校で聞きますので、是非これは考えていく必要性があるかなと思います。国でも今年度から全国研修で中堅教員に焦点を当てた研修を行っています。
 それから教員養成の話ですけれども、私も藤巻委員と同感でして、最終的には日本語という教員免許資格が必要だろうと思っています。ただ、かなりハードルが高いんです。小学校教員養成課程では、日本語に強い教員を養成したいということで、コースを作ればいい話です。これは教員養成系大学でやっているところもあります。問題は中高の教員養成なんです。極めてハードルが高いんですが、最終的にはこういう方向性がいいだろうと考えています。
 その前段としては、例えば司書教諭のような資格付与というのがあると思うんです。夏休みに一定期間の研修・講習を受ければ、それぞれの教科をベースにしながらもその資格が付与できるということがありますので、そうした検討も必要だと思います。
 5つ目は連携という点です。きょうはいろいろないいお話がいっぱい出ました。私は虹の架け橋事業にも関わっておりまして、虹の架け橋事業の成果として一つ言えることは、自治体と学校を結ぶ中間支援組織、いわゆるNPOの役割が非常に大きかったということです。自治体に任せるのではなくて、こうした中間支援組織に対する支援とか、そういう人材育成というものが必要なのではないかと思います。例えば福祉とつなぐとか、医療とつなぐといっても、学校が直接つなぐというのは、働き方改革の問題もありますので、非常に難しい問題があるので、そういうコーディネート的な役割を果たすというのもその中間支援組織の役割ではないかと思っています。きょうは高橋委員と田中委員の方からもそんな話を伺いました。この辺のところをうまく議論として深めていけばいいなと思いました。
 6つ目は日本の子供たちに対する教育をどうしていくのかということです。多文化共生というのは、理念的過ぎますので、具体的にどうするのかということと、人権を柱にした多文化共生の教育をどう進めていくのかということをより具体的に提言していく必要性があるのではないかなという感じがしております。以上話をしたことは、あくまでも個人的な意見ですけれども、みなさんとこれから議論を進めていければいいかなと思っております。
 みなさんの話を伺い1つ提案があります。ただ、これは事務局とも相談していないんですが是非それぞれのところで今やっておられるようなことを次回以降に可能であれば伺っていきたいと思いました。わずか10分とか15分の間ではなかなか伺えませんでしたので、浜松市の取組、兵庫県の取組、高橋委員田中委員のところはNPOの取組について是非伺ってみたいなというのが実感でございます。
 この点についてはまた後で事務局の方と相談して整理してみたいと思います。時間が迫ってまいりました。きょうはまず皆さんの御意見を伺うということで、これを基にして、どういう柱立てをしていくのか、あるいは具体化していくのかということを事務局の方で少し整理していただいて、次回に提案していただきたいと思います。また、発言し尽くせなかった御意見もあろうかと思いますので、メール等で御意見を頂ければと思いますが、それについては、後で事務局の方からいつまでということをお知らせいただければと思います。
 では、本日は、限られた時間ですけれども、積極的に発言いただきまして、ありがとうございました。
 時間になりましたので、最後に事務局より連絡事項があればお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【林調査官】
 ありがとうございました。ヒアリングについては、また佐藤座長、あとは有識者の委員の先生方と相談しながら、次回以降、また進めていきたいと思っています。
 それと、先ほどもちょっと話が出たのですが、今回の会議の基礎資料は、次回、ファイルにとじてそれぞれ置いておきますので、毎回、前回の会議資料をお持ちいただくということは必要ございませんので、よろしくお願いします。
 それと、資料6をごらんいただければと思います。次回、今後のスケジュールでございます。第2回目を7月30日火曜日13時から15時、第3回目を8月28日水曜日の10時から12時を予定しております。皆さん、お忙しいと思いますので、是非この場でスケジュールの確保をお願いできればと思います。
 それと、本日配付した配付資料につきましては、そのままお席に置いておいていただければ、後ほど郵送させていただきますので、よろしくお願いします。また、きょうの発言で、もうちょっといろいろ御意見などがあるということであれば、日本語指導係、日本語指導の方にメールで頂ければと思います。1週間ぐらいをめどにいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【佐藤座長】
 ありがとうございました。それでは、もし御意見があれば、1週間ぐらいで、皆さんのメールの連絡用で発信しておりますメールアドレスのところにお寄せいただければということでございます。よろしくお願いしたいと思います。
 あと、スケジュールの方はよろしくお願いしたいと思います。7月30日、8月28日という2回が予定されておりますので、月1回ぐらいのペースだと伺っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、ほぼ定刻で終えることができました。どうも御協力ありがとうございます。本日の会議はこれにて閉会したいと思います。ありがとうございました。

―― 了 ――

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