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学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議(令和元年度)(第7回) 議事要旨

1.日時

令和元年11月13日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 中央合同庁舎第7号館 東館15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 関係団体からのヒアリング
  2. その他

4.出席者

委員

上沼委員、竹内委員、玉田委員、森田委員
【ヒアリング協力団体】
日本PTA全国協議会 安心ネットづくり促進協議会

文部科学省

蝦名審議官(初等中等教育局担当)、大濱児童生徒課長、松木児童生徒課生徒指導室長、伊藤児童生徒課専門官、打田男女共同参画共生社会学習・安全課専門官、小林情報教育・外国語教育課情報教育振興室長補佐

5.議事要旨

※事務局より資料についての説明があった。
【座長】 日本PTA全国協議会から、御説明をお願いいたします。
【日本PTA全国協議会】 日本PTAといたしまして、全国64の協議会にアンケートといいますか、調査を依頼いたしまして取りまとめたのは、学校における携帯電話の取扱い等について、まず持ち込みについての議論をしているのか、それから、持ち込みを認めるべきか、そして持ち込みについて議論をしていると回答された協議会に対しても、同じように認めるべきか、認めないべきかというところを問いかけました。
1つの回答の方向性としては、まず学校の管理負担を考えると、機器が高価であるといったこと等も踏まえて、持ち込みを認めるのはなかなか難しいのではないかという意見がありました。それから、子供たちによるSNS等の利用によって、個人情報の漏えいや画像の流出、いじめ等のトラブルにつながるおそれも高くなるのではないか。それから、所有者群と非所有者群に分離してしまって、その間に格差が発生してしまうことも考えられる。何よりも保護者からのニーズといいますか、声も今のところそれほど大きくないということから、余り積極的な意見は少なかったというところです。
まず、学校における携帯電話の持ち込みについて議論しているかどうかについても、64のうち44協議会から回答があったのですけれども、していると回答があったのは7協議会、残りがしていないというところです。そして、学校における持ち込みを認めるべきかという点について、22の協議会のうち、積極的に認めるべきと回答したのは3協議会。残りの19については、認めるべきではないという回答でした。
また、私も、前々回の資料を見させていただいた中で、学校の中での管理はしっかりしている、とありました。特に支援学校には、携帯を持ち込んでもらう必要性もあるということでしたけれども、公立の小・中学校の中においては今のところニーズも低いですし、学校の中で管理ができたとしても、登下校中の使用についてまではなかなか学校の先生方も指導が及ばない部分もあるかと思われますし、これについては家庭の指導も重要な部分になってくるかと思うのですが、一般の家庭においても、保護者の理解やリテラシーというのがそこまで進んでいるのかどうかというのは、少し疑問に感じる部分もあります。
児童生徒の方に目を向けましても、児童生徒がちゃんとルールを守って使えるのかといったことを考えたときに、守ってもらえる児童生徒もたくさんいるかとは思うのですが、ルール違反をする者も必ず出てくると思われます。このあたり、保護者の理解、リテラシー、そして児童生徒の理解、リテラシーがもうちょっと成熟してこないと、現段階では公立小・中学校で学校への持ち込みを認めることは難しいのではないかと考えます。
災害とか不審者対策としての安否確認等の目的で持たせる必要があるという意見も理解できるところはありますけれども、公立小・中学校では、通学エリアは基本的に徒歩圏内。多少遠くても、自転車では少なくとも通える範囲。電車通学しているような子はほぼいらっしゃらないという状況で、通学、登下校の時間帯も、高校みたいに夜遅くに帰ってくる、朝早くの人気のない時間帯に登下校するということも少ないことを考えると、そのニーズも低くなっているのではないかなと思います。
ただ、あくまで今の段階の話であって、かつて携帯を子供に持たす、持たさないという議論があったことを考えると、現在では持っているのが当たり前で、子供たちが遅かれ早かれ持つものだから、どのように使わせるかが大事なのではないかという議論に移ってきていることを考えますと、将来的には学校への携帯電話の持ち込みも当たり前になるということも予想されます。そのときのために、今必要ないからじゃあ終わりではなくて、その時期がまたいずれ来るだろうということを予測して議論を継続していくことは必要なのではないかと考えます。
日本PTAとしては、以上がおおよその全国の意見でもありまして、私としましても、そのように考えているところでございます。
【座長】 続きまして、安心ネットづくり促進協議会より御説明をお願いいたします。
【安心ネットづくり促進協議会】 お手元の資料に従いまして、お話をさせていただきたいと思いますが、まず資料と一緒に添付させていただきました、リーフレットをご覧ください。安心ネットづくり促進協議会は、オモテ面にありますように、利用者、教育関係者、業界の事業者、今日の会議にも御出席いただいている日P、あるいは高P、幼P、そして各種関連団体などと連携しながら、子供たち、ひいては日本国民全体の安全なインターネット利用環境作りをお手伝いするための協議会です。
安心協には、設立当初より「普及啓発広報」と、「調査研究」の2つの委員会があります。
今回は私どもが長年取り組んでまいりました普及啓発の現場からということで、実際に見聞きしたこと、あるいは先生方、PTAの方たちから伺った現状やトラブルなどをベースにまとめ、具体例としてお持ちいたしました。
まず初めに、『持ち込み許可により生じた問題』です。これは、公立の小学校で起きたことが元になっています。ひとり親家庭がたまたま多い地区であったこともあり、保護者から「子供の安全のために携帯電話を持たせたい」という御要望が多く寄せられたので、学校の教職員と保護者とで幾度も話し合いを重ねた上で持ち込みを許可することになった。ところが、授業中、休み時間を問わず着信音が鳴る、マナーモードになっている携帯電話からもバイブ音が聞こえてくるような状態で、そのほとんどが保護者からの連絡だったとのこと。着信音やバイブ音が授業の妨げとなるだけでなく、校内では使用禁止にもかかわらず、気になって操作する児童も出てきた。その結果、保護者会で実情をお話しし、持ち込み許可を一時保留して再検討することになったそうです。
この経験を話してくれた校長先生は、「子供の安全を考えて連絡手段として持たせたい」という理由にウソはないものの、持っているということが「いつでも子供に連絡できる」という“保護者の甘え”につながってしまったのではないかとおっしゃっていました。携帯電話のなかった時代は、朝家を出る前に、その日伝えておきたいことを全部きちっと伝えてから行ってらっしゃいと送り出していたにもかかわらず、今は、伝えておきたいことを登校前には言わず、思いついた段階で連絡するという感覚の保護者が多くなっているのではないか。そんなことも踏まえて、「その日伝えておくべきことは登校前に」と「緊急性のない連絡はしないように」の2つを心がけて欲しいということと、「急用があれば“学校に”電話をしてください。小・中学校では、職員がすぐに対応しますから」ということを伝え、保護者に意識してもらうことが大切。スマホや携帯電話、インターネット等のリテラシー云々よりも前に、保護者にはまず、小・中学校に通う子供の保護者としての今の時代におけるモラルやマナーをご理解いただき、それを守っていただくことが、持ち込み許可の前提になるのではないかということでした。
いろいろなところでお話を伺ってみると、急用の定義はまちまちで、忘れ物を急用と考える保護者もいて、「持っていってあげようか」という連絡が届くという声も多く聞かれましたので、このあたりを保護者に徹底していただく必要がありそうだということが、見えてきています。
2つ目は、持ち込み許可によりトラブルが回避できた例。これは私立の女子中学校で起きたことです。カバンの中にしまっておいた携帯電話が、移動教室の時間になくなっていた。すぐ担任の先生に相談したところ、職員室で共有し、携帯電話紛失の件は、各担任より全校の生徒に伝えられ、見つかったら知らせてほしいと周知した。中・高一貫校のため、中・高生全員がなくなったことを知っている状態になった。その日の夜、紛失した携帯電話から、アドレス帳にあった先輩、友達、後輩宛てに嫌がらせのメールが届いた。ただ、紛失が周知の事実だったために、「これをするために盗んだの?」となり、携帯電話の持ち主の行為ではないと判断されてトラブルには至らなかった。結局、嫌がらせメールが何の意味もなかったからか、後日、移動教室から戻ったときに携帯電話はカバンの中に戻されていたとのこと。これで、外部の侵入者による盗難ではなかったとことが確定したわけです。
実は、この学校は前年度まで持ち込みが禁止で、たまたま持ち込みを許可した年に起きたトラブルでした。先生に相談できたことが何よりもよかったと、副校長先生がおっしゃっていました。もしも禁止のままだったら、内緒で持ち込んだものなので、なくなったと相談できず、もっと深刻なトラブルになっていたはずです。このことから、内緒で持ち込まれることの危険性、危うさを痛感したとおっしゃっていました。先生は、犯人探しはせず、状況説明をすると共に「うちの学校の生徒がこんなことを起こしでは困ります」ということを伝える臨時全校集会を開いたということでした。大事にならずに本当によかったというコメントを頂戴しています。
3つ目は、公立中学校で起きた持ち込んだことにより発生したいたずらについてです。これは安心協の普及啓発活動というよりも、私自身が文部科学省の委託事業として行っている中・高生対象のSNS相談にアドバイザーや相談体制作りのコンサルタントとして携わっております関係で耳にした生の声で、今時の子供ならではのトラブルです。
ある日、携帯電話にロックがかかっていることに気づいた。それは移動教室があった日で、携帯電話は先ほどのケースと同様にカバンにしまってあった。携帯電話の中身をこっそり見ようとしたのか、イタズラなのかはわからないものの、誰かが当てずっぽうに間違ったパスワードを何度も繰り返し入力したために、不正アクセスとみなされロックがかかってしまったらしい。誰がやったかは全く分からない。ロック解除のためには携帯電話を初期化しなければならず、保存してあったデータ等が全て失われてしまった。それも今回が初めてではなく、これまで幾度か同じようなことがあった。先生に相談をしてみたが、リテラシーがそれほど高くない先生で、何が起きているのか分からなかったことから、SNS相談に相談してきたというケースです。
資料には記載していませんが、これはiPhoneで起きたケースです。iPhoneの場合、パスワードを間違えても一定回数は再入力できますが、規定の回数を上回ってしまうとロックされてしまうセーフティ機能があります。この機能は、連続で間違えた後、一定時間が経過したらもう1回パスワード入力がでるようになっていて、持ち主ではない人が間違ったのであれば、後で当人の手で正しいパスワードを入力することにより、一時ロックが解除できる仕組みなのです。が、それも間違えてしまうと完全にロックされてしまい、利用を再開するために初期化するしかなくなってしまいます。もし、このことを知っていてわざとやったのだとしたら、いじめや嫌がらせの可能性もでてきます。
本件は、ネット関係の相談だったことから私が直接担当させてもらいましたが、真の目的が分からないので、不正アクセスという視点から対応をさせていただきました。情報を担当している先生だったら分かるはずなので、私が送ったコメントを見せながら相談してみてはと伝えました。できれば、全校集会等の時間を使って不正アクセスのことについて先生から話してもらい、注意を促すほうがいいこともアドバイスしました。その理由は、大きな病院とか企業のサーバーなどにアクセスすることだけが不正アクセスだと思っている子供たちも多いからです。他人のスマホのID、パスワードを勝手に取得することや、改ざんするようなことも不正アクセス禁止法違反になりうる。このことを教育現場でちゃんと学ばせないと、いつまでたってもなくならない問題であろう現状を垣間見た気がしました。
余談ですが、SNS相談では、先生が好きになったのでLINEの連絡先を知りたいが、どうしたらいいかというような相談も少なくありません。塾の先生、学校の先生、顧問の先生、大好きな先生のLINEを個人的に知りたいという相談が寄せられるということは、先日報道されたケースのように、生徒と先生の間のLINEによるセクハラやパワハラのトラブルが起こる可能性も否めません。SNS相談の現状から、こういったことも考えていかなければいけないと感じましたので、補足してお伝えしておきます。
さて、持ち込み不可にした場合の懸念事項ですが、持ち込みがどうしても必要な場合の許可は届出が前提かどうかということを検討しなければなりません。子供が保護者にも黙ってこっそり持ち込むケースや、「本当はだめだけど、今日は用事があるから持っていきなさい」と、保護者がルール違反を促してしまうケースも多々見かけます。本来持ち込みを許可していない場合、内緒で持ち込むと、何らかのトラブルが起きても相談ができないという問題が発生します。また、持ち込みが発覚してルール違反で一時的に没収するルールの学校もあるでしょう。その間の連絡手段がなくなって困るというケースだけでなく、保護者が「2週間も没収されて半月使えなかったので、基本料金の半額を支払ってほしい」と学校に請求してきたケース、没収していたものを返却するから取りに来てほしいと電話したところ、「不便なので新しいものを買ったからそちらは処分してください」と保護者に言われたケースなどもあります。保護者のリテラシー云々の以前の問題だと思えることがいっぱい起きているのが現状です。
さらに、没収している期間に連絡ができずトラブルに巻き込まれてしまった場合、没収していた側である学校の責任は、没収期間中に破損、紛失、盗難等が起きてしまった場合はどうするのかなど、持ち込み不可にした場合に検討しなければいけないことは、まだまだいっぱいあるのですが、私どもが普及啓発活動を行ってきた中で、実際に肌で感じたものがこれぐらいありますということです。
許可にした場合の懸念事項もいっぱいあります。電源を常にオフにしておくと、電源を入れないと連絡することができず、とても緊急事態には間に合いません。誘拐犯や不審者が近寄って来た場合、もたもた電源をオンにしていたら連れ去られてしまいます。逆に、それを踏まえて電源をオンにしておくと、先ほど日Pの方からの御説明にもあったように、ついつい使いたくなるでしょうから、通学途中の歩きスマホ禁止のルールは不可欠かもしれません。そうなると、校内は電源オフというルールを定めれば、いつ、どのタイミングでオンオフを切りかえるかという問題も生じます。最近は、多くのフィルタリングソフトやタイムマネジメントのソフト、あるいはスマホ本体の機能で、学校の中にいる時間だけゲームやSNS等が使えない設定にするような機能もありますので、設定の工夫をすることで対応できる可能性もあるでしょう。
また、校内での保管場所をどうするのかも大きな課題です。先ほどの例のように、移動教室の間に何かがあるということが多いようなので、カバンにしまっておくのであれば、移動教室の際は教室を施錠する方法も考えられます。預かるとしたら、誰がどのタイミングで集めて保管をするのか。下駄箱や廊下に鍵をかけられるようなロッカーを用意する方法もありますが、鍵をなくしてしまうケースもあるらしく、これもいろいろ考えなければいけない課題かなと思っております。
あと、これは私の個人的な意見ですが、授業中の操作を抑止するには、カバンや机の中にしまっておくよりも、机の上に出しておくのが一番ではないかと思うのです。出しておけば、隠れて手元で操作することはできません。授業で使うというBYOD(Bring Your Own Device)も今後の学校の中では考えられていくと思いますので、机の上にある充電装置は役立つはずです。そして、警察での免許更新時講習の最中にスマホを操作したら出ていくように叱られるのと同様、授業中に鳴ったら止めろと言える、使ったらだめだと言えますから、見える化しておく方がいいという考え方があってもいいのではないでしょうか。
次に、校内での使用は原則禁止とすべきかどうか。校内での使用が原則禁止で、それが徹底して守られれば、勝手に校内でいじめが起きるとか、校内で変な動画が流れされるとか、変な動画が撮影されるとか、いじめの写真が撮られるとか、そういったトラブルは、一切起きないはずだと考えています。破損・紛失・盗難への対策や、緊急災害時の携帯電話の扱いをどうするかも重要です。そして最後に、忘れてはいけないのは、学校には持たせない家庭、あるいは個人端末を持っていない子への配慮をどうするか。これも大きな課題だと思います。
とにかく保護者と子供がともに持ち込みルールを守れるかどうかを試す試用期間を設けることが大切です。最初に決めたルールで一気に進めるのではなく、試しにやってみて、だめなら再検討をするために一時的に持ち込みを凍結する、これを繰り返し、みんなで試行錯誤をしながらゴールに向かうという考え方もできるのではないかと思っております。
ところで、安心協の調査研究活動として1年前に行ったアンケート調査があります。抜粋させていただいたものを資料にしていますのでご覧ください。まずはフィルタリング等のツールの利用率についてです。小・中学生の子供にフィルタリングを設定せずに使わせている保護者が、法律が改正された今も全体の2割前後いることがわかります。ガラケーの時代から起きていることですが、フィルタリング等の利用制限をしていない携帯電話は友達に使われてしまうことも多く、制限のかかっている子がかかっていない友達のスマホを借りて使ったために高額請求に至ってしまうケースがあります。こういったことも考慮しながら見ると、この2割前後が大きな問題だということが見えてきています。
次のデータは、フィルタリングを利用していない理由。これは前ページの調査で利用していないと答えた保護者の方のみに聞いたものです。この中にある、「SNSを利用できなくて困る」というのは保護者の認識不足、今はフィルタリングの下でSNSを利用することもできます。もっと心配なのは、数字はさほど多くないにしても、「フィルタリングの設定がとにかく面倒で手間がかかって嫌だ」と思っている保護者です。こういった声が多いことは、全国携帯電話販売代理店協会さんからも聞いています。ちょっと意外だったのは、子供がフィルタリングを使うことを嫌がるからという答えが圧倒的に少ないこと。この調査を行うまでは、子供に言われて仕方なく外した保護者が多いと思われていましたが、実は子供が嫌がっているからというより、大人が利用しないことへの言い訳をいろいろ並べているのが現状のようです。フィルタリング利用率が頭打ち状態なのは、子供のスマホ利用に支障があると思っていることと、設定やカスタマイズ機能への情報・認識不足、不安・手間が大きな要因になっていると分かります。
次の資料はお手持ちの資料にはありませんが、主要コンテンツとフィルタリング基準の比較一覧です。1年前の情報ですので、各省庁も、事業者も、さまざまな努力をしてくださっていることから改善されている点は多々あると思いますが、フィルタリングやペアレンタルコントロールのツールによって、制限できる・できないがばらばらなのです。「これでは、保護者の人たちも設定するのが大変だ」というマイナスな捉え方と、「本当にしっかり理解できている保護者であれば、自分の子供や家庭の事情に合った基準のツールを選ぶことができる」というプラスの捉え方の両方ができます。どれも全く同じだったら、選択の余地がなくなってしまいます。
最後に。本件についての安心協の役割は、持ち込み端末の共通の設定について、PTA・学校・教育委員会等と一緒に取り組んでいくことではないかと考えています。具体的には、保護者に対する情報提供および啓発と、実際に設定をやってみる場の提供です。フィルタリングほか、学齢ごとにある程度統一した端末の設定を検討し、設定のための保護者説明会を行い、端末を持ってきてもらって実際にその場で設定を行う。保護者説明会に参加できない場合は、近隣の販売店等で同じようなことができる環境を整える。持ち込めるのは、保護者による学校ごとの共通設定ができた端末とし、設定ができたら判子でも押してもらう。設定をやった携帯電話以外は持ち込めない。その設定以外で使わせたいなら、保護者が帰宅後に毎回コントロールを解除するか、あるいはもう1台端末を別にご用意くださいと。要は、「学校に持ち込んでいいのは決められた設定になっている携帯電話だけ」ということです。こういったことを行うことにより、これまでなかなか実現できなかったペアレンタルコントロールやフィルタリングの周知徹底が、全国の小・中学生の保護者にできるようになる。今まで10年かかってできなかったことが、これをきっかけにできるのではないかと考えております。
とは言え、これを先生方にやっていただくのは大変なご負担がかかりますし、先生の伝え方によって勘違いが起きるといけません。そこで、OS事業者、携帯電話会社、MVNO委員会の方々、あるいは全携協、全相協、及びeネットキャラバンなど、全国にいらっしゃる講師の方々や所属団体の協力を仰いで、保護者説明会や店舗確認などに関するサポート体制を検討することが、連携体制のある安心協ならできることだと思っております。そして、それに必要なリーフレット類の作成。例えば、OSごとの説明書とか、啓発教育用の資料、学齢別のテキストや、指導案のコンテンツ制作を、事業者と有識者の協力を得ながら行うということが、私たちの役割ではないかと考えております。
【委員】 安心協さんの御説明ですけれども、資料にありましたトラブルというのはよく起こり得ることなのかなと思います。その上で、2点質問ですけれども、紙面による届出の必要性について、どのようにお考えになるのか。2点目が、先ほども学校の事例でございましたけれども、紛失などのトラブルの際に、学校の責任が問われる場合もあるかと思うのですが、学校を守れる制度はないのか。現状と今後の見通し、こういったところについて教えていただければと思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 まず、紙面による届出は、必要か不要かというよりも、資料の最後にご説明したように、持ち込める端末の設定を決めて、説明を聞き設定を行ったのであれば許可をする方法がいいのではないかと考えます。届出を出したら持ってきていいのではなく、設定や使い方をきちんと守るのだったら持ってきていいということです。また、単なる届出ではなく持ち込み許可に関する誓約書を書かせる学校もあるようですが、違反したら退学などの極端な対応になる可能性もあり、書面にこだわらない方がいいのではないかと思います。
ルールを守って使うことを持ち込みの条件とできるのであれば、紙はあってもなくてもいいのです。それを徹底する方が、紙の提出よりもさらに重要だと考えております。
もう1点、紛失、盗難については、まず1台で10万円前後するような機器を子供に持ち込ませること自体を、保護者がどうとらえているかということですね。学校での紛失や盗難に対する保険、持ち込んだときや預かる際に壊さないためのクッション性のある入れ物など、世の中にはいろいろな対策グッズがありますが、それを使うかどうかよりも前に、子供の心理や行動を考慮することが大切です。ちょっとしたいたずらで傘の骨が折られるようなことはあると思いますが、同じように携帯電話が壊されてしまったら、あるいは自分で壊したのに保護者に叱られないよう友達が壊したととっさに嘘をついてしまったら、黙って借りて持ち帰ってしまったら。そういった起きるかもしれないことを子供の心理や行動から想像しつつ、その取り扱いについて御家庭と学校とできちっと話し合いをして決めておくことが必要になるでしょう。
誰の責任だということを後で蒸し返したりしないように、保険とか入れ物も含め検討し、例えばその入れ物が必要であれば、PTAの予算で出せるのかどうかなど、細かいところまで決めておくのです。生徒、保護者、教職員、必要であれば地域の教育委員会の方々等も含めて納得がいくまで話し合い、環境やニーズが変わればまた再検討するような形で遂行していくのがベストではないかと思います。
【委員】 次にPTA協議会の方にお聞きしたいと思います。先ほどお話の中では、現時点で調査したところ、ニーズは少ないのではないか。一方で、今後持たす、持たせないではなく、どのように使用させていくか、こういった観点を踏まえて、今後引き続き議論が必要ではないかという御説明でした。
その上で、仮に緊急時の連絡を目的として持ち込みを実施する場合、次の3点について、感触をお聞かせいただければと思います。緊急時の連絡を目的として持ち込み可とした場合、まず1つ目、登下校時のトラブルの観点がございます。登下校時のトラブルについて、保護者が責任を持つのか、あるいは学校が責任を持つのか、その辺の御感触についてお聞かせいただければと思います。
2点目が、学校に持ち込んだ際の管理の観点になります。学校に持ち込んだ際に、子供の自己管理とするのがいいのか、あるいは学校に預かってもらうのがいいのか、その辺の御感触についてお聞かせいただければと思います。
3点目が、学校での紛失や破損時の責任についてです。学校での紛失や破損、こういった問題が発生した場合に、先ほどの2点目と重なるところがありますが、学校に責任があるのか、あるいは責任を持つという署名をしたならば、保護者が責任を持つとした方がいいのか、その辺の御感触をお聞かせいただければと思います。
【日本PTA全国協議会】 まず1点目、登下校時のトラブルに関する責任の所在ということですけれども、原則学校の中で起こったことについては、学校の管理下にあるところですので、学校の先生方の責任を問われる部分というのもあるかとは思うのですが、登下校時というのは、基本的にはそこでのトラブルというのは、スマホを落したりとかそういうことですかね。そこについて学校に責任を問うというのは、酷ではないかと思います。ですので、特に中学校1年生や小学校の高学年ぐらいの子だとそういうこともあり得るということを考えれば、やっぱり子供に高価な機器を毎日持たすというのは不安であるならば、やめておいた方がいいと思います。
それから、2点目、学校へ持ち込んだ場合の管理について、子供に管理させるのか、学校が預かったりするのかというところですが、これはそれぞれの学校の事情によって判断していただくしかないと思います。こういう言い方が適当かは別として、学校、地域によっては子供の学力水準、生活水準が多少なりとも違ってくるという部分はありますので、その中で、どっちかに統一するというのは非常に難しいと考えます。
それから、3点目、学校内での紛失、破損に関する責任の所在についてですけれども、これはどのような状況で紛失、破損が起こったかによって大分違ってくるのではないかなと思います。学校が管理するにしても子供が管理するにしても、適切な管理がされていたという中で、紛失、破損が起こった場合に、学校と家庭のどっちかが責任をとりなさいと一方的に決めておくというのは難しいと思います。
最初に紙を提出して、もしなくなったら学校は責任を一切持ちませんよというのも、学校側がちゃんと適切に管理できていなかったら、責任をとらないということはあり得ないと思いますので、そこもあらかじめどちらかに決めておくというのは、むしろ適切ではないと思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 子供の安全を鑑み、防犯ブザーやキッズ携帯をかけておけるフックのようなものがついているランドセルが、全国どこに行っても売っている時代になりました。でも、万が一の際、子供がブザーの紐を引っ張る前に、ランドセルを放り投げられて誘拐されたら意味がありません。安心協でお引き受けしている全国各地での講演会でも、位置情報をせっかくオンにしておいたのに、子供がオフにしてしまって困っているという相談を受けた地域がありました。これは教育委員会の方から伺った話ですが、パソコンの画面で位置情報をずっと追いかけていて、ちょっとでも寄り道をすると玄関先に仁王立ちで待ちかまえ「一体どこに寄ったの」と怒るお母さんがいるのだそうです。余りにうるさいので、子供は電源をオフにしてしまうとのこと。「それはお母さんの問題ですね。そんなに心配なら、パソコンなんて見ていないで迎えに行けばいい、オフにされたら居場所がわからなくてよけい危険になります」と伝えてもらえるよう話をしました。位置情報に関しては保護者によって感覚がまちまちで、位置が分かるとなったら、気になって仕方がなくなるケースもあり得るわけです。
そのため、携帯電話を持たせたときの保護者の在り方というか、気を付けないと持たせたことが危険につながることもあるということを、知っていてほしいのです。例えば携帯電話を公園に置いて遊んでいて、そのまま忘れて友達の家に行ってしまったけれど、保護者は公園で遊んでいると思ったとします。そのときに地震でも起き、急いで向かった公園には携帯だけが置いてあって誰もいない、どこにいるのかも分からない、連絡もとれないとなると、安心だと思ったものが、かえって大きな不安の材料になってしまうのです。
そういうことを考えますと、子供のための持ち方と、保護者のための持たせ方とを周知徹底することが大切です。緊急災害時に、携帯電話を持っていることが足手まといになったり、勘違いを起こさせてしまったり、持っているから安心だと思ったら危険だったりということが生じないとも限らない。これは現場の声からもとてもよく分かっていることですので、何らかの形にして、いつでも読み返せるようなものとして、それも長い文章ではなくぱっと見て思い出せるようなものを作って配布できるといいと思います。各地域や学校で、それぞれゼロから決めて実行しなさいというのはかなり難しいと思うので、これをベースにして地域とか学校で保護者と検討した上でアレンジして使ってくださいというようなものを、こういった検討会を通じて用意するのがベストかなと思っています。
携帯からの情報を信じ過ぎないということと、あともう一つは、緊急災害時に連絡がつかなかったら持たせた意味がないので、何か起きたときに電池の残量が確保できているように、無駄な使い方をしないように徹底させること。これによって、登下校時の歩きスマホ等むやみに使うということが減るかもしれません。学校での充電は禁止にすることで、より電池の無駄遣いが減るかもしれません。現場でまだまだアナログな学校の運営にしか慣れていらっしゃらない先生方にとっては、そういったいろいろな状況から条件を導き出して、具体的な方法を示して差し上げることが、一番いい方向に進むのではないかと思います。それは緊急災害時でも同じだと思っております。
【日本PTA全国協議会】 登下校時のトラブルについては、私、ちょっと勘違いしていた部分があったようなので。トラブルというのは、子供が何か落したりとか云々ではなくて、事件、事故に巻き込まれたりとか、災害があったようなときということで捉えますと、先ほどおっしゃっていただいたように、携帯を持たせているから安心だとかそういうレベルではなくて、そもそもそういう不審者があらわれやすいところ、人気の少ないところというのは各地域にもちろんありますし、この間の大雨ではないですけど、川のそばであったりとか、ここは危険だと常日頃から言われている場所というのはあると思うのですが、そういったところに子供が入り込まないように指導するというのは、スマホとか携帯云々以前の問題だと思います。そこをしっかり我々PTAの保護者としても、地域でつながって力を合わせて子供を見守る体制というのは作っていかなければならない部分ではあろうかと思いますが、それはまたスマホ、携帯電話の問題とはまた別次元の話だと思います。
【委員】 携帯の問題については、私もいろいろなところを回っていて地域差を感じているのですが、まずはPTA全国協議会の方に御質問させてください。今、64協議会中44協議会に回答いただいて、検討されているというのが7であるとか、認めるべきだというところが3団体あったというお話を伺ったのですが、これについては、どうなのでしょうか。私が見ている感覚では、先日、東京都の杉並区の小学校で研修をしたのですが、杉並区だと、「持ち込まれる場合は先生に伝えてください」、「ランドセルから絶対出さないように」という指示をしているようです。埼玉のちょっと奥地の方では、先生たちは携帯なんか持ち込みを許可されたら本当に困るというような感覚でした。それぞれの都心であったり、郊外であったりと状況は違うのですが、アンケート結果では、そういった地域による違いというものはございますでしょうか。
【日本PTA全国協議会】 地域差、要は都市部であるか、郊外の地域であるかというところかと思うのですが、逆に認める方向で意見を頂いているのが宮崎県、佐賀県、あるいは仙台市で、都市部であるからとか、郊外の地域が多い学校であるといった差については、それほど認められないのかなとは思います。
ただ、それぞれの協議会の会長の御意見も入っているので、会長がどこの地域にお住まいかというところまでは確認していないので、一概にどっちかに偏りがあるというところまでは、調査できていないかと思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 都市部か郊外かという差ももちろんあると思いますが、周辺環境などの差も大きいようです。例えば、通学路にクマが出るのでキッズケータイを市内全域の小学校の生徒に持たせ、クマが出たという情報が入った際は緊急通報を一斉配信するという実証実験を行った地域もあります。ちなみに、その地域のお子さんたちは、中学校に行く頃になって「そろそろスマホにかえてほしい」という声が挙がりましたが、みんなが同じものを持っていたこともあってか、小学生の間の学校持ち込み携帯電話はキッズケータイで問題は生じませんでした。
ですから、地域差というのは、地域の事情の差ではないかなと思います。クマが出るとか、川が氾濫するとか、地域独特の事情があるようなところは、何らかの連絡ツールを持たせたいと思うはずです。特にクマが出るような地域では、子供たちの通学範囲が2キロ、4キロというところもあって、迎えに行くにしても、どこまで迎えに行っていいのか分かりません。それよりも、通報が入ったら、この避難所に行くようにと学校で徹底する方が安全かもしれません。田舎だからニーズが低いということではないと考えます。
もう一つ、先生の感覚やリテラシーの差の問題があります。今お話ししたような例のように、うちの学校では登下校時に持っていたら安全面からこんないいこともありそうですねとか、こういう危険が回避できるかもしれませんねといった、具体的なことを想像するための情報や実例をご存知ない先生方は、「学校に携帯電話を持ち込むなどとんでもない」とおっしゃいます。ですが、先程のような実例をいくつかお話しすると理解を示され、ルールを提示して持たせるということも1つの案としてはありかもしれませんねというように考えが柔軟に変わる先生もいらっしゃいます。地域差というよりは、環境差と、先生方の持っている具体的な感覚とかリテラシーとか情報の差の方が大きいのではないかなと感じています。
【委員】 今の続きの意見ですけれども、クマが出る話は非常によく分かりやすいし、私も息子の登下校中にクマが出るのなら是非持たせたいなと思うのですが、ちょっと振り返ってみると、今回の携帯電話の問題は大阪に端を発していると思うのですが、きっかけは大阪府北部地震、クマではなくて地震です。そこの地域の方々が、それだったら携帯を持たせてもらわないと困ると、これはまだ非常によく分かる議論で。さらにこの前、川崎で下校中の小学生が悲しい事件に巻き込まれましたよね。と考えると、クマではなくて、災害とか事件、事故とかがあって、それがあるから、登下校中が心配だというのがこの問題の大きなスタートラインだと思います。
今の問題は、大阪でも、よく見ると「登下校に関して一部解除する」ということです。だから、クマは分かる、非常に分かる。地震、それから事故というときに、私はもともと中学校の教員なのでいろいろな考えが、携帯についてはありますし、分かりますし、学校で反対しているような先生方の気持ちもよく分かります。ただ、もしもクマじゃなくて地震や事故というときに、親心としてスマホとか携帯をというのがあるときにどうなのかなと思います。特に今回は、最初のきっかけを考えると、保護者の方の御意見がやっぱり大きかったらしいです。そのあたり、特に登下校について、どう思われますか。
【日本PTA全国協議会】 登下校時の災害発生時に、子供と連絡をすぐにとりたいという保護者の気持ちは、私も同じ保護者ですので非常によく分かるのですが、やっぱり先ほども申し上げましたけれども、では携帯を子供に持たせたら安心かというと、そういうことではないと思います。クマにしても、不審者にしても、災害にしても、まずそういった異常事態が発生した場合に、それを保護者に知らせる方が効果も高いのではないかな、子供に持たせるよりも。それを受け取った保護者が、異常事態が発生したときに、ちゃんと地域に出て、子供たちを見守る体制ができているかどうかという問題ではないかと思います。それがPTAの目指す方向でもあると考えています。
【安心ネットづくり促進協議会】 登下校時に災害が起きた場合、携帯電話を持たせていたら、スマホを持っていたら、倒れてきた壁の下敷きにならないのかといえば、そんなことはありません。持たせておくと保護者が安心できる、ということはありますが、安全とは別の問題なのです。既に成人していますが、私も2人の子供の保護者ですので、お気持ちはよく分かります。でも、持っていてくれれば、何かのときにこちら側から連絡ができて安心だと感じているだけだということを認識し、落ちついていろいろ考えていただきたいと思っています。
先ほどお話ししたクマの例は、とても分かりやすいいい例だと思っていて、クマが出たら一斉に通報が入るのと同じように、例えばここ数日、護送中に犯人が逃げたケースや不審者が子供を襲ったケースが報じられていますが、そういったことが地域で起きたときに、緊急通報をきちっと配信できるような仕組みが学校や地域にあるのか、受信する設定が携帯電話にされているのかと考えてみてください。不審者が出た、川が氾濫した、地震が起きた、避難場所はここです、というような緊急連絡を送受信するための仕組みや設定は、安全のためには不可欠なのです。
今回の台風19号のときに、SNSで緊急の通知を配信する方法を整備していない自治体がまだあったということが露呈して、正直びっくりしました。そういった連絡体制が整っていないところでは、連絡ツールを持ち歩いていたとしても意味がありません。緊急災害及び犯罪に巻き込まれる可能性等が出てきた場合には、持っている携帯電話に緊急連絡をちゃんと送れる、そういう体制作りを地域とともにやっていくことが前提とならなければ、子供たちに持たせる意味が半減してしまうだけでなく、かえって現場の混乱を生むことにもなりかねないのではないかと考えています。
【委員】 まずPTAの方に伺いたいのですけれども、恐らくこの問題は、みんなが持っていきたいと思っているかという話ではなくて、持っていきたいという親がいるときに、それを許可していいかどうかという話なのではないかと思います。つまり持ち込みを認めないということが、持っていかせたいという人に対して積極的な禁止を求める趣旨なのかというのがポイントなのではないかと思っております。そういう意味で、おっしゃっている御意見は、自分は要らないという趣旨なのか、持っていきたいという人に持ってこさせるなという趣旨なのか、どちらなのかという点についてニュアンスとして分かれば教えていただきたいと思います。
【日本PTA全国協議会】 前々回の支援学校の生徒については、持っていく必要性があると。その必要性、妥当性が認められるという中で、それは当然認めるべきだと思いますけれども、漠然と不安だから持たせたい、子供が持っていきたいと言っているから持っていっていいよねという話になると、それはちょっと違うのではないかと思います。先ほど来出ていますけれども、非常に高価な機器であるということ。それを持っていって、何かがあったとき、盗難、紛失、あるいは先ほどパスワードの話もありましたが、そういったことがあったとき、誰が責任を持つのかという話に必ずなっていく。そうなると、トラブルがどんどん深刻化していくということを思えば、そこはみんな統一して持っていかないでおこうというように線を引かざるを得ないのかなと考えます。
ですので、個別でどうしてもこの子はちょっと持たせておかないといけないという事情があるかというところで判断をしていく必要があると思います。
【委員】 学校でのトラブルとか紛失のトラブルの可能性については、ずっと議論の対象にはなっています。おっしゃっているご意見は、紛失等のトラブルの可能性も承知しており、自分で責任をとるので、うちの子は登下校時の安全手段として持たせたいという親御さんがいるときに、それでも持たせるべきではないということでしょうか。
【日本PTA全国協議会】 それはもう個別に学校と家庭の話し合いの中で決めていただく必要があるのかなと。それで、それが学校としてほかの保護者に納得してもらえるのかという部分だと思います。
【委員】 ほかの保護者に納得してもらうというのは、どういうことでしょうか。
【日本PTA全国協議会】 学校と、全部自分で責任をとるから持たせたいという保護者の話については、そこでしか分からないけれども、ほかの保護者から見たら、あの子は持ってきているのに、何でうちの子は持たせることができないのかという話になる可能性があると思います。そのときに、ちゃんと説明ができるか。この子はこういう事情で、例えば家が遠方にあって、途中クマが出るかもしれないというような事情があるから、それは保護者からの申し出と了解のもとに、特別に個別に許可をしているということが説明できるかどうかではないでしょうか。
【委員】 今のお話だと、あくまでも本人が責任をとると言っているだけでは足りなくて、よそのご家庭のお子さんの事情まで考慮して、携帯電話を持ち込ませるかどうかを考える必要がある、逆にいうと、持ち込みには、ほかの保護者の納得が要るということになりますか。
【日本PTA全国協議会】 基本は、原則は持ち込まないというところですよね。
【委員】 あともう1点、先ほどの登下校時のトラブルの話がちょっと気になっています。今回のお話は、登下校時の安全手段の1つとして、携帯電話を持つことを認めるかどうかという話だと思います。先ほど何か震災か事故でも起こったら、それを保護者に伝えて、保護者が迎えなどに行った方がいいというご説明でしたがその前提として、保護者に状況を伝える責任が学校にあるという話になりますか。
【日本PTA全国協議会】 その辺については、私が責任はどこにあるべきだということを申し上げる立場ではないとは思うのですが、私の住んでいる市の一部郊外では、クマが出る地域が確かにありまして、その場合には、市教委の方から、緊急メールを登録していたら、そこに自動的に入るようになっています。そういうものがあったときには、もちろんお勤めに出ている御家庭もありますでしょうけれども、動ける方というのは、通学路に出て見守りをしていただいているというような状況が実際にはあります。
【委員】 私が調べた限りでは、登下校時に何かが起こっても保護者の責任として議論されていたのですが、ただ、確かに登下校時についての保険は学校の方でかけているということからすれば、学校にも一定の責任があるという考え方もできるため、多分登下校の際は、保護者と学校の責任がオーバーラップしているように思います。そこが多分はっきりしないと、この問題をどうするのかがなかなか決まらないのではないか、と思って、お聞きしました。
登下校の安全を図る責任というのが、主体的に学校にあるのか、保護者にあるのかというので言うと、今の保護者の感覚だとどっちにあると思っていらっしゃる感じなのでしょうか。
【日本PTA全国協議会】 これも多分いろいろな意見があるとは思いますけれども、基本的に学校の先生に何でもかんでも押しつけるような形というのは好ましくないと思います。ですので、今、教職員の働き方改革も進めておられるところだと思いますが、その中では、やっぱり保護者ができるところは保護者がちゃんとやっていこう。学力向上であったり、情操教育であったり、学校でしかできないものは学校の先生方にしっかりとやっていただけるような環境を作っていこうという動きの中では、登下校時における通学路の安全については、保護者がやっぱりしっかりと見ていく必要があるのではないかと。ただ、100%保護者に責任がある、100%学校に責任があるというような線引きは妥当ではないと思います。
【座長】 ちょっと今の論点、非常に大事なところだと思います。先ほどからお伺いしていますと、これまでの議論もそうですが、登下校時の責任が保護者にあるのか、学校にあるのか。このロジックの中に迷い込んでくる。現実的にどこまで可能かどうかというのはありますが、一つの答えは、親の不安とかそういうものがある中で、安全を図る1つの手段として携帯は存在するのですが、クマ、災害、地震にしろ、何にしろ、児童を守る安全対策というものを、総合的にどれだけ各省庁や地域として構築できるのか。あるいは、そういう試みをしようとするところがあるのか。
つまり、責任問題ではなくて、現実にはそういう安全を守る体制と言われるものがあって、なおかつそれで不足するなら携帯に頼ってみようかなというほどの安全体制を、我々の社会がどれだけ地域社会の中で構築していけるかどうかという議論が、もう一つあると思います。今日、非常にいいヒントを頂いたと思います。それについて、何かそういう試みだとか、あるいはそういう動きだとか、あるいは安心ネットづくり促進協議会そのものがそういう体制を作ろうと、恐らくこれから試みられていかれるだろうと思いますが、この携帯持ち込みに関する問題の発端は、まず安全安心というところから来て、それにどう応えるのか。あるいは、学校に何ができるのかというところで議論が終わっている。ここに課題があるだろうと思います。
我々の社会がどれだけ子供のために、あるいは地域の人たちのために、それだけの安全体制を地域社会の中で構築できるかどうか。ここが一番の大きな鍵になっているだろう。それをどう進めていくのか。これはもちろんPTAも含め、あるいは教育委員会も含め、みんなそれぞれの地域社会を構成している関連機関といいますか、そういうものが総合的に展開していくというのは、1つの在り方だろうと思うし、これからの社会にとってますます重要になってくると思います。災害はもっと増えてくるだろうし、その中に人災もありますけれども。そういうこれからの我々の社会が迎える条件といいますか、災害状況というものにどう備えるかという、その1つとして、この携帯の持ち込みに関する問題というのは、押さえておく必要があるだろうと思っていますが、いかがでしょうか。
【安心ネットづくり促進協議会】 そのとおりだと思っています。学校の中で起きる問題は、学校の中で使わせなければいいだけの話ですが、登下校時の問題はやはり大きいですね。ここ最近の調査データではないのですが、自治体においてツイッター等による緊急災害の情報発信体制があるところは、市町村レベルではまだまだ少ない印象です。地域のことは地域でないと分からないことも多いので、都道府県がどんなにやろうとしてもカバーしきれない部分がいっぱいあるはずなのに。
今から30年ほど前に、ふるさと創生事業で1億円を各市区町村に交付されたことがありました。あのときに、その1億円をいろいろな設備に投資し、残ったお金で家庭に置く小さな音声端末を買ってシニア層のいる家庭に配置した村があったそうです。その村は今回の台風19号の際、その端末があったため、緊急の連絡をし、避難所への誘導をしたことにより、小さなお子さんから歩くのが大変なお年寄りまで、全員が無事避難できたとのこと。こんなことが起きることを想定して端末を設置したわけではないけれども、結果、役に立ったという実例もあることから、単に親が子供と連絡がつくかどうかではなく、緊急を知らせる連絡がどれだけ人々に届くかが重要だと痛感しました。
シニア層の住むご家庭に連絡が届いたら、登下校中で近くにいる児童・生徒を一緒に誘導していただくことも可能だと思います。安心協で携わっている高校生向けのセミナーでは、万が一あなたたちが緊急連絡をキャッチした際、近くに老人ホームなどの施設があったら助けに行くみたいなことも、スマホを常に持ち歩いている高校生の1つの重要な役割かもしれないよという話をしています。小・中学校の保護者向けのときは、その地域の緊急災害メールをご紹介しつつ、登録用QRコードを表示してみるのですが、家族全員の携帯電話に登録しているかどうかを伺ってみるとほとんど手が挙がらないのが現状です。
ですから、仕組みを作ることも大事ですが、仕組みができたら、地域の人たちが地域ごとの安全のために必要な連絡を受信できる環境を整えることが不可欠です。担当部署にいるのがデジタルへの苦手感の強い人たちばかりでなかなか進まないとか、予算がないとか、少ない予算で実現できる方法をアドバイスしてくれる人がいないとか、なかなか体制が整わない市区町村にはいろいろな事情があるのだろうと思います。が、大きな自然災害が連続で起きていることを考え、そんな悠長なことを言っていられる状態ではないということを痛感されているだろうこのタイミングに、緊急連絡をとれる仕組みや体制作りを進めていただくと同時に、地域の避難場所、あるいは通学路における緊急避難場所やSOSシールが張ってあるような施設・店舗・家が緊急災害情報を入手し、近くにいる子供たちを正しく誘導してもらうための体制を整えていただければと思います。また、日中保護者が家にいないご家庭は、地域の緊急連絡を受信できるようにした携帯電話を子供に持たせ、登下校の時間だけ電源オンにするなどの工夫も必要です。こういったことを、学校やご家庭だけでなく、もっと大きな枠組みで検討しなければならないと思います。それができるのは、台風の影響等が色濃く残っている今だからこそ。いい機会だと私自身も思いますし、安心協の方向性としても、そういった面での啓発活動を今後とも続けていきたいと思っております。
【座長】 非常に今、機運が整ってきている状況にあるだろうと思いますので、是非ともいろいろと御協力いただいて、そういう体制作りをやっていかれたらと思っております。
【委員】 今の御意見、とても参考になりました。まさに事件とか事故が起きている今だからこそ、小学校の低学年にGPSの小さいものを持たせている自治体も出てきています。それでみんなで把握しようと。だから、何かこの機運でできればと思っております。1個400円ぐらいでできたりとか、どんどん価格が下がっているし、そのような方法も1つあると思いました。
もう一つの議論として、今まで日本では、小・中学生は原則禁止、高校生について、学校では使用禁止というようになっていたのですが、今の原則禁止というのがどうかという議論だと思います。どういうことかというと、原則的には持っていってはいけないけれども、特別な事情があれば、例えばクマが出るとか、そういうときは、例外的に校長が認めていいと。今までもそうでした。ただ、これで今、大阪がそれを書いたことでどういうことが起こったかというと、原則禁止で校長と相談をして、認めたところは学校が預かることになりました。だから、担任の先生の机の上にあったり、校長が預かったりとか。私の知り合いは、特別な事情があって認めざるを得ないので、例えば30個の携帯があったら300万円分あるわけです。担任の先生が悲鳴を上げているという事例が一方であります。
大阪では、今度は原則禁止から許可にしたので、許可にすると、学校が預かるのではなくて、学校が預かるとトラブルがあるので、自分で持っておきなさいということで、学校に持ってくる場合は、保護者が子供のカバンの中に持たせないという形でやってきました。だから、原則禁止から許可になるところに、どこが管理するかということが大きな流れとしてあるんです。学校は保険があるにしてもなかなか持ち込めないとか。
お聞きしたいのは、原則禁止を貫くとして、そのままやっぱり学校の校長なりが預かるのであれば、それを預かるための大きな金庫とかが要るでしょうし、子供に持たせるようになると、いろいろなルールも要るでしょうし、そこの対案として、フィルタリングと言われたのですが、非常にそれもいいかなと思いますが、そのあたりの原則禁止とか、許可制とかについての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
【日本PTA全国協議会】 そもそも原則禁止の中で、特別に許可を出しますという場合は、先ほどありましたけれども、保護者の責任のもとに、子供に管理させる。
【委員】 今までは、持ってきたら校長と相談して、学校が預かっていました。それがこれを機にやっていくと、今度は子供が持っていくとなるような動きがあるのですけれどもというような話です。
【日本PTA全国協議会】 子供に持たすというのは、原則禁止の中でという話ですよね。
【委員】 もう1回説明します。今までは原則禁止の許可制で、許可する場合は学校長と保護者が話し合って、学校が預かっていました。それが、もし許可制になった場合は、流れの中で、子供自身が持つということもこれから考えられるわけです。いろいろな意味があって、学校が預かるにしても、各クラス30個、学校全体で200個あれば2,000万円分ですか。それを学校が管理するのは無理なので、子供が持たなければいけないということにもなっていく。何かの形で、いつかそういう選択が求められるのですが、そのあたり、なかなか答えは難しいと思うのですけれども、どのように思われるか。私も迷っているところですが、御意見があれば、保護者の立場からお聞かせいただきたいです。
【日本PTA全国協議会】 その規模になってくると、学校側に何かあったときに責任を持ってねというのは、やっぱり酷なのかなと思います。保護者なり、親の責任で子供に持たすわけなので、携帯、スマホを未成年に持たすということは。そこの管理も含めての責任ではないかなと。
【委員】 それは話し合いですね。
【日本PTA全国協議会】 はい、そういうように思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 例えばですが、カバンの中にしまっておいて、移動教室のときに持っていかれるとか、いたずらされるというケースがあると考えると、それをしてはいけないのはもちろん大前提ですが、携帯電話は小さいので、忍び込んでカバンの中から出してもポケットに入れられる大きさだからそういうことが起きるのであって、もしも例えば、ランドセルのファスナーのところに南京錠でもついていて、それをあけなければカバンの中から持ち出せないのだったら、きっとランドセルごと盗んでいたずらする子はいないと思います。だから、持っているのであれば、もちろん教室に鍵をかけるというのは大前提かもしれませんが、外からの侵入者というケースも、前にありましたよね。そういうこともあるので、教室に鍵をかけるのはもちろんですが、携帯電話の大きさではない、もっと大きなものに、その子しかあけられないような、単純な南京錠でもいいですが、ランドセルに防犯ブザーがつくフックがついたように、何かそういう工夫がついたランドセルが、もしも解禁になった場合は多分できると思います。というか、業界団体としても作っていただかないといけないと思います。何かそういう、持っていたずらができない大きさにする工夫というのが、最初にできることではないかなと思っています。
【委員】 あともう1点だけ、学校に持っていくときに、フィルタリングをかけることが条件、これは非常にいいなと思うのですけれども、例えば、どういう設定とか、どういう仕組みをマストにすればいいかという考えをお聞きしたいです。
【安心ネットづくり促進協議会】 難しいですね。先ほど、フィルタリングが緩い子の携帯電話を友達が使いたがりトラブルが起きているというお話をしましたが、今、小学校の教職員や10歳前後の子供を抱える保護者の間で問題になっていることの1つに、バトルロイヤル系のゲーム「フォートナイト」があります。小学生はまだまだ対象年齢に達していないゲームなのですが、家のテレビやパソコンでお父さんやお兄さんがやっていて一緒にやらせてもらった経験のある子が、話題にしたり友達を家に招いて遊ばせてあげたりすると、周囲の子もやりたいと思ってしまい、自分のスマホを持ったときにアプリを導入してしまうのではないかと思われます。つい先日も、「3年生くらいからの児童の間でフォートナイトがはやっていて、保護者も教職員も困っているのですが、どう指導したらいいでしょうか」という相談を、地方の小学校の生活指導の先生から受けました。
フィルタリングはもちろんですが、こういうことがあるので、レーティングについても正しい知識を持ってもらう必要がありそうです。誰かのスマホに話題のゲームがもしも入っていたら、それをやりたい子は、帰りの道中で電源を入れてみんなで集まって遊び始めてしまう可能性があります。ですから、子供たちが学校に持ち込む携帯電話の中に導入していいゲームも、年齢に適したものでなければいけないし、学校にいる間や登下校時間は、ゲームをできない設定にしておくことも重要です。
要するに、ゲームは家でということを原則にするわけです。SNSは、連絡ツールとして登下校の時間に必要になるかもしれませんが、ゲームは全く必要ありません。ですから、朝家を出てから家に帰ってくるまでの時間は、ゲームができない時間として設定にするような工夫が、年齢に合ったフィルタリングを設定することと同じように必要だと考えるべきでしょう。最低限必要な連絡ツールに関しては、学校にいる時間を除き常に使えるようにしておくのがベストです。緊急時、子供たちを安全な場所に誘導するのは先生の役割であり、地震が起きたからといって学校に電話をするような必要がないのと同様、子供のスマホに連絡する必要もないはずですから。だから、学校内にいる時間はSNSのみを、登下校時も含めた時間でゲームを、時間制限することを前提とした上で、年齢に合ったフィルタリングの利用や、学校ごとの統一したルールに従うこと、あたりでしょうか。さらに追加するなら、携帯電話、スマートフォンにある緊急通報を押すと110番にかかるので、保護者の携帯電話や自宅につながる緊急連絡アイコンを作り、ホーム画面に貼りつけておくこともお勧めしたいところです。これは、高校生であっても使えると思うので、その重要性を広めていきたいなと思っているところです。
年齢や学年に合わせた共通設定と、コンテンツごとの時間制限、緊急通報先のホーム画面へのアイコン登録、このあたりを最低限できたらいいなと考えています。
【委員】 要するに、学校持ち込み設定みたいなのをみんなで考えて、それを啓発するということですね。
【安心ネットづくり促進協議会】 そうです。設定さえ決めれば、あとは設定方法などの具体的なことは、例えばeキャラの講師などに協力してもらって、AndroidとiPhoneとに分かれてレクチャーする機会を設ければいいと考えます。今の保護者はリテラシーがそれほど低くないと思っています。設定などはやってみないから分からないだけで、画面を見つつ一緒にやりながら、その場で子供の携帯電話を設定できる場があれば、持たせたいと考えている保護者ほど来てくれると思います。これまで、持たせたい、使わせたい、と思っている保護者ほどセミナーに来ないという悩みがあったので、持たせたい保護者が来て一生懸命設定してくれて、保護者全体の意識が上がり、今までできなかったことが実現できる有効な手段でもあるように思います。
【委員】 要するに、承諾書とかではなくて、何かを聞いて設定することを条件にするということですね。
【安心ネットづくり促進協議会】 そうです。「ちゃんと設定したよ」という判子が条件ですね。
【委員】 学校の先生が鍵つきのカバンにスマホを40個入れて職員室まで持っていくものを、トンボが3万円で売り出したら売れているらしいです。そういう企業努力をしてもらったり、ランドセルにそういうものを入れたりするという方法もあります。
【委員】 携帯電話だけではなくて、今までお金の話だって同じ問題だったわけだから、それだったら要するに、お金が入っている貴重品も全部本人で管理できますよと。本人で管理できるというのはちょっと違うけれども、無防備なものではなく管理できますよというのは。要するに、親の責任だと言うのだったら、親の責任がとれる仕組みが要るかなと思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 ただ、例えば3桁のダイヤル式ロックにするのなら、誕生日は絶対にやめよう、というような話とかもしなければいけないですけど。
【委員】 やっぱりこれから、今言ったようにいろいろな貴重品であるとか、どんどん増えていくと思います。個人向けのICTのiPadを持とうとか。だから、今まで学校というのは、そういう貴重品とかはない前提で進んできたのですけれども、高校にはそういうものがあるので鍵付きのロッカーがあるのですけど、急には無理ですが、そういう子供たちに鍵付きのロッカーを持たすとか、その辺のことはどうかとか。
あと、年齢認証ですよね。携帯電話の年齢認証が分かれば、かなりフィルタリングもかけやすいとか、そのあたりを議論しなければいけないと思うのですが。
【安心ネットづくり促進協議会】 貴重品に関しては、給食費がなくなったとか、私たちが子供の頃からあったようなトラブルはいまだになくなりません。先ほど3桁のダイヤル式ロックと言いましたが、それも「ランドセルのパスワードだ」という教育ができるのではないかと思います。この3桁なり4桁の数字に関しては、誕生日はだめだよ、家の番地はだめだよ、他人に分からない番号にしようねということを小学校1年生のときから教えていくというのは、セキュリティに関する英才教育にもなって、その後のパスワードとかパスコードの管理にもちゃんとつながっていくはずです。
鍵付きのロッカーであっても同様で、鍵というものに対するリテラシーが小さい頃から学べる分かりやすいツールではないかなと思います。日本人は、玄関を開けっ放しにして隣にお醤油を借りに行くような暮らしを長年してきたので、なかなかセキュリティに関しての教育は難しいですが、こんなことから始めてみるといいのかなと思います。
みんながちゃんと守れるようなルールを、教育的な面も考えながら作っていくといいでしょう。今はまだ大きな問題は生じていませんが、キャッシュレスの時代になって、子供のお小遣いを電子マネーであげるような家も実は出てきているという現状の中、スマホ本体が高価なものであるというだけではなく、そこに保護者のカードに紐付いたお小遣い決済システムが入っているとなると、今までとは違うトラブルも起きる可能性があるわけです。持たせたいという保護者に対して、そういうことに関する啓発の場を設け、理解してもらわなくてはいけないですし、自分たちが高校生、大学生の頃の使い方の延長線上で今の子供を考えている保護者に対し、時代が違うことを認識してもらうことが大切です。子供たちに対しても、スマホはゲーム機のようなおもちゃではなく、こんなに大事な情報や大事なツールが入っていて、こんな高価なものなのだということを意識させなければなりません。例えば、電子マネーを勝手に使ったら、それは窃盗と一緒だとか、そういった新しい教育が必要になります。それが情報教育の中の1つとしてプログラミングとセットで学校現場に入っていくと、日本人の低かった危機管理意識とかセキュリティというものが、高校生ぐらいになったとき、とても高くなっているのではないかと考えます。
教科書を今日明日で変えるということは難しいでしょうけれども、電子教科書になれば副読本的なものはデジタルで送れるわけですし、今お話ししたような新しい形の情報教育として取り組んでいくというのが理想的かなと思っています。
【委員】 通学のためのというところには、私の中では納得できないものがあるのですが、今お話を聞きながら、情報教育、今、問題になっているプログラミングというのと関連して、段取りを考えて、ちゃんと安全性、セキュリティの教育もし、ICT活用として機器活用をプラスできるのだったら悪くないというところと、新しい決済システムについての金融教育も、学校教育の中でどうやっていくかというところと関わってくるように思われます。そのような教育を行うチャンスなのではないかと、自分の中では腑に落ちました。
先ほどのランドセルの問題に戻るのですが、ランドセルの問題になると、今度は防犯です。子供の安全を守ろうと思って持たせているものが、もしかしたら10万円以上のもので、親のキャッシュカードに紐付いたものということになると、非常に高いものを子供はランドセルに縛りつけて持って歩くことになり、子供ごと持っていかれるという危険性があります。ランドセルの外側からだと取られたりするかもしれない。でも、緊急のため所持するのであれば、すぐに取り出せるところに所持しなければならない。そこをどういう仕組みでやるか。業者の方にどういう仕様のものが適切だと御案内されるのだとしたら、どういう形状のものがよいか、という点が難しいのかも知れません。この点については、どのように思われますか。
【安心ネットづくり促進協議会】 難しいですね。おっしゃるように、多分外側から取れるようにしておかないと、何かあったときに、さっきのロックではないですけど、だから学校の帰りには、ロックを外して帰るということをさせないと、緊急のときにロック外して、中から取り出して。まずカバンの中からしか取れないと、カバンをあけてロックを外してファスナーをあけて携帯を取り出して、ということになるので、それよりは外側からリュックにもお財布を入れる外ポケットがあるように、外側からのファスナーか何かで、その先にロックがかかっていて、学校から帰るときはみんなロックを外していこうという形で帰るのが本当はいいのか。それとも、この辺から本当は帰りだけぶら下げて帰るのがいいのか。ぶら下げて帰るというのも1つの手です。キーチェーンではないですけど、シリコンゴムのチェーンみたいなもので。私、子供たちが2人とも私立の小学校に行ったので電車通学をしていたのですが、全員が制服のベルト通しみたいなところから、定期券をそこにつなげるという持ち方をしていました。
今、携帯電話やスマートフォンが盗まれるかもしれないというリスクは大人でも全く一緒で、秋葉原の交差点で入れ違ったときに、外国人がぶつかってスマホをとっていった話が何年も前にありましたけれども、やっぱり売れるものなので。だから、紐付いていることがとても大事だと。
カバンのポケット内にチェーンでつないでから中に入れておいて、学校にいるときは携帯電話ポケットにロックをかけておき、学校から帰るときはロックを外してチェーンを伸ばしてポケットの中に携帯電話を入れておくとか、何かそういう工夫で対応できるのではないかなと。そんなに極端に改造しなくてもいけそうな気がするのですが。
【委員】 いろいろな考えがあるのは分かるのですが、あんまり微に入り細に入ると、話が大変になってしまうので一旦置いておいて・・・。少なくとも学校の中で、鍵があるものは必要だという話に今のところは焦点を絞って、行き帰りの話はまた別の話として考えた方がよいように思います。あと、親のクレジットカードに紐付けたものに関して言えば、子供に一体幾らのものを持たせるのか、つまり、お金をどのくらい持たせるのか、という話なので、上限ぐらいは必ず設ける必要があるというのを最初に教育はしておかないといけないという話だとは思います。
その辺は、もし親に対するアプローチができるのであれば、そのときに話しましょうという前提でいいのかなとは思っているのですけれども。
【日本PTA全国協議会】 議論を戻してしまうのかもしれないのですが、今、話がもう子供たちが学校に持っていく前提の話になっているような気がするのですけれども、PTAとして、全国に調査をした結果として、基本的に今の段階では学習には必要のないものだよねという意見が大勢です。
トータルで見て、いろいろな要素があると思います。登下校中の話であったりとか、学校の中での話であったり、家庭での話とか。トータルで見たときに、メリットよりデメリットの方が大きいのではないかなという意見がほとんどです。ですので、今の保護者の理解度、リテラシーの度合い、子供たちの学校へ何で持っていくのかといったことに関する理解とか、小・中学生レベルのリテラシーを考えると、今の段階で学校に持っていく必要はないのではないかなと思います。そういう要望についても、今のところ保護者の中から大きな高まりというのか、声というのは出てきていないのが現状だというのが、調査した結果なのかなと捉えています。
ですので、今の持っていくことありきの議論というのは、若干違和感があるところです。ただ、冒頭にも申し上げたように、将来的にはやっぱり学習に必要だという時代が来て、そうなってきたら当然子供たちに持たせる必要もあるでしょうと。それは誰が与えるのか、行政が与えるのか、保護者で負担して与えるのか。そうなってきたときに、誰に責任があるのかというところで、初めてそういう議論が起こってくるのではないかなと考えたりもしていたところです。
【委員】 御懸念の点は分かっていて、学習に必要か必要でないかということについては、必要でないことは、現在の議論の前提となっています。その意味では、登下校のときが検討対象になっています。それとは別に、今お話が出ているのは、もし学校に持っていくことを仮に特別に認めた場合でも、それは親の責任で行わなくてはいけないのではないだろうか、という議論になっていたので、親の責任を負担するということであれば鍵は必須だという話になっていた、ということなので。前提としている、という話ではないとは思います。
あと、デメリットの方が多過ぎるという点に関して言うと、メリット、デメリットに関しては、要するに、持ち込みに伴って起こるデメリットなのか、携帯電話というツールそのもののデメリットなのかという切り分けが要るかなと思っています。例えば、既に起こっているSNSの問題とかは、学校に持ち込むか持ち込まないかにかかわらず起きているものなので、その辺を整理することが必要かなとは思っています。御懸念の点については、一応理解はしていると思います。
【日本PTA全国協議会】 ただ、通学路の安全安心を理由として、許可しますというのは違うのではないかというのが、多分全国の意見です。
【委員】 とてもよく意見も分かりますし、そういう声がたくさんあるのは私ももちろん知っておりますし、そこについて何か言うつもりはないのですが、例えば大阪は認めた上で、あとは最終的には1年かけて、各自治体で考えてくださいという方向を出したわけです。どうなるかなと思ったら、去年の9月の段階で、読売新聞だったかが調べた結果、今、2つの自治体が許可をした、2つの自治体が許可をしなかった。地域の方々の意見とか、いろいろなことを総合して、2対2です。あとの残りは今、検討中です。だから、今4つの自治体のうちの2つが認めているので、今持って行かせていいというところがないというのも難しいところがあるので、もしそうなったときのために、私たちは何を考えておかなければいけないとか、鍵をどうしたらいいかということも考えておかなければいけないということで、私自身が持っていくことについて賛成とか反対とか、そこはまた全く違うところなので。
例えば、登下校の問題でも、歩きスマホで死ぬ子が出てくることもありますので、いろいろな懸念は私も理解しているつもりですけれども、いろいろなことを踏まえて議論しておかないと、こんなの考えていなかったではだめなので、多様な意見をお聞きしているということですので、よろしくお願いします。
【日本PTA全国協議会】 分かりました。
【安心ネットづくり促進協議会】 携帯電話の所持が禁止ということについて最初に取り組んだ石川県の野々市の場合ですが、当時、すごいなと思ったのは、子供に携帯電話を持たせないかわりに、塾とのホットラインを作るなどのインフラ整備をし、登下校時の大人による見守りも強化をした上で実施したということ。かれこれ10年近く前のことです。持たせないと決めたら、持たせないで大丈夫だと保護者を安心させてあげられる環境が必要だし、逆に安心できる仕組みがあれば、持たせた際にも有効的に使えると思っています。
全く別の視点でのお話ですが、運動会のときに、校内でのスマホ利用が禁止されている学校の生徒が、先生と大激論になったケースもありました。校内では使用禁止だから写真を撮ってはいけないとなると、私たちの思い出を記録に残せないと生徒が抗議したのです。先生は「写真を撮りたいならカメラを持参するように」と言ったそうですが、今のデジタルカメラはスマホと何も変わらず、転送したりネットにアップしたりすることも可能。「スマホの撮影がダメという意味がわからない」と反発した一部の生徒が「うちの学校は、スマホの校内使用が禁止の上に、運動会や修学旅行での撮影も禁止されている。こんな学校、入学しないほうがいい」と学校情報が掲載されているSNSに書き込んでしまい、大騒ぎになったということがありました。
スマホの持ち込み許可に際し、学校で使わないというのは大前提であるけれど、学校行事など特別なイベントのときにどう扱うかというのもしっかり決めておかないと、そういった問題が起きる可能性があるということです。スマホの持ち込みは許可されているのに、同じ機能を持つカメラだったらいいという理由は通じません。ですが、このあたりがよくわかっていない学校の先生も多いと思います。だから、いろいろなケースを想定して細かいところまで決めておかないと、生徒たちは納得がいかないし、保護者もルールを守れないというような現状が生じる可能性は大いにあるなと思いました。
【座長】 今日いろいろと貴重な御意見、両団体から頂きました。やはり感じましたのは、状況から見た場合の詳細な扱い、あるいはソフトの問題、あるいは許可のやり方、これを先生が御存じないと。ここがやっぱり非常に大きい。それと同時に、調査のデータを読むときには、必ず対象者がどういう方か、つまり母集団がどういう方かが重要。先ほどから、PTAの方からいろいろと御意見をいただいたと。恐らく役員に聞かれたのだろうと。この役員の方々のリテラシー、あるいはこういう細々とした状況に対する知識、あるいはそういう経験というようなものが、この議論をこなすだけの方々ではない方が、非常に多く役員に就いていらっしゃる。
この両者、学校と、それからPTAにしても、今日の1つの流れとしては、ペアレントコントロールをどうするか。と同時に、私はティーチャーズコントロールをどうするかという問題があるだろうと思うわけです。この2つをうまく組み合わせながら、両団体の御協力を頂きつつ、両方のリテラシーと、それから、現実感覚ですよね、これは。まさにルールだとか責任だとか、抽象的なものではなくて、全国一律ではなくて、地域ごとにみんな違ってくる。その地域ごとに違う状況の中で、これをどう位置付けていくかという議論も一方で必要だし、それをこなすだけの知識と経験についても、それを扱う責任にある立場の方々が、イエス、あるいはノーという形で、確信とまではいかないけれども、手応えのある答えを出せるほどには必要となってくる。こういう体制も、これから必要になってくるだろう。
なかなか難しい面はございますけれども、俗に言うペアレントコントロールだとか、ティーチャーズコントロールとは違った角度から、もう一度この問題を見直していく必要があるのではないかということを、今日お話を聞いていて思ったんですが、御両者、いかがでございましょうか。両方相寄りながら挙げていただくということもありだろうと思うのですが。
【日本PTA全国協議会】 もちろんみんな今の段階では、保護者が要らないと言っているから議論しなくていいということを申し上げているつもりはないので、その辺はしっかりと議論はして、考えていかなければならないのかなと思いますけれども。ただ、私も含めて、それほど今のテクノロジーなり、スマホの性能云々というのも決して使いこなせてはいない年代なので、すぐにこれを全部理解して、こうしましょう、ああしましょうということは難しいのかなとは正直感じています。ですので、またその辺、各専門の先生方の御意見、御指導を頂きながら、少しずつでも来るべき時代に備えて進めていけたらなと思います。
【安心ネットづくり促進協議会】 おっしゃるとおりです。先生方と保護者、子供たち、そして地域がこの問題に取り組むと、今までできなかったことができるかもしれないと、私は考えています。安心協でもいつも話すのですが、ネットが登場したおかげで、アナログな時代には見えてこなかったことが、露呈してきているような気がすると。だとしたら、ネットをきっかけにすれば、今抱えているさまざまな問題や課題を、プラスのベクトルに変えられるのではないかと思っています。
そのためには、地域のアドバイザーを育てるお手伝いをしたり、コンサルティングに入らせていただいたりというようなことも必要かもしれません。そうなると個々の自治体ではなく、文科省とか都道府県教委などの大きな予算の中で、工夫をしなければいけない可能性も生じてくると思いますが、自治体にコンサルに入らせていただいたとしたら、その地域に1人でも一緒に取り組んでくれる人がいれば、その人にある程度お任せし、遠隔でアドバイスをしながら育てていくという方法もできそうです。地域の現状をよく分かっていて、肌感もちゃんと知っている人を、地域のICTアドバイザーとして育てることを、これからはやっていく必要があり、それができれば、時代に合わせて適応力のある理想的な仕組みができてくるのではないかなと期待しています。
【座長】 今、お二人にお話を向けたのですが、むしろ責任を感じているのは私どもでございまして、1つの手引き書と言われるようなものを作りたい。ただ、それは抽象的な議論ではなくて、今日いろいろと頂いたような、もっと具体的な詳細なものを、できるかどうかは分かりませんが、それを目指しながらやっていく必要があるだろうなと。原則禁止だとか、原則持ち込み許可だとか、そういうレベルの話は大体皆さん方御存じのレベルであって、それはどういう状況の中で、どうやってそれを克服していくのか。先ほどおっしゃったように、届出制みたいなものをどういう具合に現状に合わせて、具体的に作って、子供たちに許可を与えるかとか、いろいろな仕組みがございます。
そういうものをしっかりと我々も押さえながら、それをまた1つの教材としていただきながら、今のリテラシーを全体的に上げていただき、地域ごとの状況の中で、あわせてそれをまたかみ砕いていただくという体制ができれば非常にいいかなと思いまして、お二方に最後に意見を向けてみたのですが。これは私がずっと今日のお話を聞きながら、重たいなと思いながら、責任を痛感している次第です。何とかそれに応えるように、委員の方々、あるいは事務方にも、ひとつ御尽力いただきたいと思っております。
それでは、以上をもちまして、今年度第7回の会議を閉会させていただきます。

―― 了 ――

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