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学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議(令和元年度)(第6回) 議事要旨

1.日時

令和元年10月11日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 中央合同庁舎第7号館 東館15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 関係団体からのヒアリング
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤委員、上沼委員、竹内委員、玉田委員、森田委員
【ヒアリング協力団体】
日本私立小学校連合会、一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター

文部科学省

松木児童生徒課生徒指導室長、伊藤児童生徒課専門官、打田男女共同参画共生社会学習・安全課専門官

5.議事要旨

※事務局より資料についての説明があった。
【座長】
日本私立小学校連合会より御説明お願いいたします。
【日本私立小学校連合会】
日本私立小学校連合会に加盟している小学校は現在193校ございます。5つの地区に分かれておりまして、北海道、東北、関東、東京、西日本、九州の5つで構成されております。それぞれの地区の会長が、日本私立小学校連合会の副会長になっております。
私の学校だけの話で皆様にお話しすることは難しいと思いましたので、神奈川の私立小学校に幾つか質問をしまして、答えを頂きました。その結果を基に、私立小学校の現場でどのような問題が起きているかといったことをお話しさせていただこうと思って参りました。
まず、学校における携帯電話の持込みを認めるべきかどうかですけれども、これは十数年前から私たちの会議で必ず議題になるものでありました。児童の安全を最優先課題として各校で検討を重ねて今日に至っていますけれども、現在、神奈川には私立小学校は31校ありますけれども、この私からのアンケートにすぐに答えていただいた学校を集計してみますと、携帯電話、スマホの持込みを許可しているという学校は31校中21校でございます。それから、許可していないとはっきりおっしゃっている学校も3校ありました。ただ、この3校の中には、保護者からの申出があれば許可する場合もあるということで、全くだめということではなさそうでした。
続きまして、この21校の携帯電話の持込みを認めている学校についてですけれども、どれくらいの児童が所持しているかということを聞いたところ、このような表にまとめることができました。やはり70%以上80%未満、この辺から90%以上が多く、ほぼ多くの子供が持っていると。
皆さんも御存じのように、防犯ベル、イコール、キッズ携帯、イコール、スマホ、携帯のような状況になっているということでありますので、かなり多くの子供たちが持込みをしているという現状です。
次の資料に行きます。持込みを許可してきた背景ですけれども、私立小学校に通学する児童が登下校に要する時間は、平均的に約1時間と私は思っております。自宅が近くても、いろいろな交通手段を使うことによって時間が掛かってしまうということもあります。そういう子供たちのことを考えますと、保護者からは、電車の事故とか、そういう場合の連絡をとり合える環境を用意したいということは、切実な声だったと思います。
特に、ここに書きましたけれども、2011年の震災を契機に、大きく環境が変わったと考えております。ここにも書きましたけれども、この震災を機に、私立小学校の生徒募集が大変になった時期がありました。やはり少し離れたところには通学させたくないという保護者のお気持ちが働いて、多くの学校が募集活動に困難を来していたということがありました。
学校としましても、子供たちの安全のためにできることというのも限られておりますので、やはり今回のような携帯電話、そういった手段を使うということに頼っていくことは仕方がないことかと考えて、禁止については、もう選択肢はほとんどなくなってきたという状況だと思っております。
持込みを認めてほしいという保護者の要望ですけれども、これはもう皆様御存じのとおりですが、携帯電話に備わっているいろいろな機能がございますので、GPS機能をはじめといたしまして、とにかく子供の所在が分かることが必要だということです。
現在、保護者のうち、多くの方が仕事を持っていらっしゃって、児童が学校を出る時間にはほとんどおうちにいらっしゃらないということ、仕事場にいるということが多いわけでありまして、そういうときの子供たちの安全の確保を考えますと、連絡手段ですね。やはり持たせたいと思う方が多いということが挙げられると思っております。
その次の資料ですが、保護者の要望を考慮しつつ、学校では、どういうことをやっているかということですけれども、多くの学校で登下校の確認がメールで配信できるシステムをかなり取り入れております。学校に入った段階で児童が、自分が持っているカードのようなものを認識させることによって保護者にメールが行く、又は校舎内に設置されている、床下に埋め込まれているようなセンサーの上を通過すると保護者にメールが配信できるというようなことで、子供が学校へ無事に到着した、これから帰るというようなことをサービスとして行っている学校が、かなり多くなってまいりました。
それから、保護者への一斉メール配信というのは、もうどこでもやっていると思いますけれども、何かあったときに、すぐに保護者に知らせることができるというようなことも行っておりまして、学校でできることはそういうことなのかなという気がしております。
鉄道会社によっては、改札を出た際のメール配信サービスを実施しているところもありまして、これは私学に通っている子供たちにとっては大変ありがたいシステムだと思っています。ただ、まだ一部の鉄道会社は実施していないというところもありまして、私どもとしましては、いろいろな鉄道会社が理解を示していただいて、是非実施していただきたいと思っているところです。
それから、携帯電話の持込みを認めている場合のルールということで、これはいろいろな学校のルールを羅列的に書いたものですので、この幾つかを学校で取り入れているということだと思います。
携帯はキッズ携帯のみにしているという学校が幾つかありました。ただ、キッズ携帯も、どんどん機種が変わってきて、機能が増えてきて、スマホとほとんど変わらなくなってきているということもありまして、その辺の管理が難しいという声も聞かれています。
スマホは禁止している学校もありました。届出制、許可制は、ほとんどの学校で行っています。
学校では電源を切る。これはほとんどですけれども、ただ電源を切ると保護者に通報されてしまって、何か事件が起きたのではないかということになってしまう携帯もあり、うっかり切れないという話も聞いたことがあります。
担任に預けるという学校もありますけれども、これは個人情報の関係で、かなり問題もあるかと思っておりまして、難しいと思います。
緊急のとき以外は使用しない。この緊急のときについては、いろいろな判断が出てきてしまうことですけれども、後でまたお話しさせていただきます。
メール機能は使わないとか、Webサイトにはつながらない、フィルタリングも含めてですけれども。カメラ・ゲーム禁止、キャラクター禁止、メールの使用不可、電車の中での通話禁止。
それから、人に貸さないというあたりもポイントだと思うのですけれども、子供たちからしてみると、人に貸してしまって何かが起きるということも実際にあるようです。
宿泊行事には持たせないとか、保護者の都合で使わない。
ある学校は、許可を申請する保護者は携帯電話に関する講習会に出席すると、これを義務化しているところもありました。ただ、欠席される方もいるという話がありましたので、どれくらい有効なのか分かりません。
携帯電話の持込みを認めることによる負の影響ということでテーマが提示されていたのですけれども、通常では使用していけない場所。この通常では使用していけない場所というのは、私たちから見ると、どこだろうということがありますけれども。先ほどありました、緊急時以外は使わないという約束の下に子供たちに携帯を持たせているということからいきますと、例えば交通機関内、車両内、ホーム、通学路、これは使わないことは学校、家庭間の約束事になっているのですけれども、なかなかこれがうまくいかない。むしろ保護者の方から、どんどんメールが入ってきてしまうということもあるようです。
ここに書きましたけれども、保護者の中に非常時のみという認識がなくて、日常的に使用するのが当然だと思っているということがありました。
携帯電話に付いている、スマホもそうですけれども、カメラ機能につきましては、子供たちも、やっぱり触りたくなる、操作したくなるので、この辺のブレーキがなかなか利かなくなることもあるようです。友達の携帯電話を利用して、成り済ましメールを送るという問題も出ていたという話も聞いています。
神奈川県警からの話で聞いたことですけれども、やはり学校の中で盗撮事件も起きるというようなこと。盗撮に関しては、本当にネット上の話とも関わってきますので、学校だけで解決できずに、警察が入ってしまうようなこともあるということでした。
メールや、それから、いわゆるSNS等での問題というのは、各学校、どこでもたくさん起きているのではないかと思っております。
最後になりますが、このように便利な機械をたくさん作り、子供たちの世界の中にどんどん流し込んでいっている。ゲームも含めてですけれども、子供たちにストップと言っても、なかなかこれは止まらない。大人が子供たちに負の影響を押し付けていると言っても、それは言い過ぎではないのではないかなと考えております。だからこそ、上手な使い方を、親も、子供たちも、していくようにしなければいけない。禁止については、なかなか問題の根本的な解決にはならないだろうとは思っております。
学校の中で携帯を使いたくなる子は、小学校の場合、ほとんどいません。むしろ、そういうものがない学校生活を子供たちは楽しんでいるように思います。学校から一歩外に出ますと、メールであるとか、LINEであるとか、そういったものを気にしなければいけない世界に入っていってしまう。私は、学校が子供たちにとって、唯一そういうものから解放される、安心できる場所なのかなと思うこともあります。
保護者と子供たちの日常の会話が、例えば、今日は4時に学校を出るねと約束をするとか、今日は何時に帰ってくるねという、その朝の一つの会話があれば、スマホを使って、メールを使って、保護者と子供が連絡をとり合う必要もなくなってしまうのではないか、もう少し家庭と学校、そして子供と親の関係を良好にしていけば、そういう負担が減るのではないかなと思うところがあります。
【座長】
続きまして、電気安全環境研究所電磁界情報センターから、よろしくお願いします。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
学校で携帯電話を使うべきかどうかという以前に、まず携帯電話が安全であるか。つまり、携帯電話というのは電波を発信しますので、その電波による健康影響はないのかを資料に基づいて説明いたします。
まず、電磁波というのは非常に幅広くて、家電製品とか電力設備から発生する低周波電磁界、IH調理で使うような中間周波電磁界、携帯電話で使用される電波などの高周波電磁界、さらには赤外線、可視光線、紫外線、エックス線、ガンマ線を含んでいますが、大きく分けると、専門用語では電離放射線と非電離放射線に分けられます。
電離放射線というのは、エックス線、ガンマ線の様に遺伝子を傷つけるような強いエネルギーを持っている電磁波。非電離放射線は、そのようなエネルギーを持っていない電磁波で、その中の一つとして携帯電話が使用している電波があると御理解ください。
それでは携帯電話で使用される高周波電磁界の生体影響を説明します。影響は短期的影響と長期的影響の二つに分けて説明します。
まず短期的影響は科学的にはっきりしており、携帯電話で使用される電波の生体へのばく露影響は、熱作用が主です。この熱作用が非常に大きい場合は、望ましくない生体影響が出てきますが、その影響をもたらす最低のばく露レベルを閾値と言います。総務省では、「電波防護指針」として、この閾値に対して十分な安全率、学童を含む一般環境では50倍の安全率を設けた電波のばく露レベルをばく露防護の指針値として採用し、電波法により国民を防護しています。
電波のばく露環境について、全身ばく露と局所ばく露の二つの状況を考慮しています。全身ばく露は基地局とか放送塔から発信される電波に全身がほぼ均等にばく露される状況ですが、今日は個人が使用する携帯電話端末の安全性ですので、全身ばく露の説明は割愛します。局所的なばく露は、体の一部だけ電波ばく露が集中する状況です。例えば、携帯電話の様に耳に当てて使用する場合に、携帯電話の送信アンテナからの電波は主として頭部をばく露します。この様な場合は体への不均一なばく露であり、頭部といった局所的なばく露影響に対する配慮が求められます。頭部で熱的負荷に弱いのは眼球の水晶体で、猿の実験ではその温度が41℃以上になると白内障を招くことが確認されています。生体組織に吸収された熱エネルギー量は、体重1㎏当たり何ワットのエネルギーが吸収されるかを表す比吸収率という単位を用いますが、10グラム平均で体重1㎏当たり100から138ワット吸収すると白内障が起こります。そこで、先ほどの説明のように、白内障を起こす100から138ワットに対する50倍の安全率、つまり、体重1㎏当たり2ワットというのが、携帯電話から吸収されるエネルギーの最大許容量ということになります。
法律により、この許容量を超える携帯電話は認証されません。携帯電話端末の市場調査では比吸収率が平均0.7ワット、最大でも1.6ワットであることが報告されています。
以上、携帯電話からの電波ばく露影響は、熱的な影響だけが科学的に確認されています。総務省は、携帯電話端末などの局所的なばく露影響では、白内障を防止する必要があるので、その閾値に50倍の安全率を設けて、これを電波防護指針に反映し、国民の安全を守っていると言えます。
さて、次に長期的な話もさせていただかなければなりません。低レベルの電波ばく露の長期的な影響は、科学的には確立されていませんが、その可能性を追究する必要があります。
WHOは、1996年に国際電磁界プロジェクトを発足させまして、現在も、電磁界のリスク評価をやっています。2011年に、IARCという発がんハザード評価を行うWHOの専門機関が、携帯電話からの電波ばく露と脳腫瘍の関連について、発がん性があるかもしれない、「2B」というハザード評価をしております。
ハザード評価というのは、リスク評価ではなく、携帯電話からの電波ばく露が脳腫瘍を招く潜在的な原因かどうかを定性的に評価しています。
IARCのハザード評価に対するWHOの見解は、2014年の「携帯電話」に関するファクトシートに取りまとめられています。お手元の資料に、その原文を添付しましたが、「何らかの健康影響はあるのでしょうか」という設問に対して、「今日まで携帯電話使用を原因とする、いかなる健康影響も確立されていません」と記載されています。
仮に、携帯電話からの電波ばく露と脳腫瘍との間に因果関係があるとすると、携帯電話の普及によって脳腫瘍の罹患率が上昇するはずです。各国の国民が使っておりますので、国レベルで徐々に脳腫瘍の罹患率統計が経年的に上昇するか見極めることが必要です。
例えばスウェーデンでは、1987年に携帯電話が導入された後の脳腫瘍の罹患率ですが、年齢では罹患率に明らかな差がありますが、年齢別に見た経年的な増加はありません。今日のテーマは学童ですが、10歳から24歳のティーンエージャーを含む若年層の脳腫瘍の罹患率の経年変化をお示しします。携帯電話導入以後に罹患率の上昇は観察されません。
これはオランダの研究で、5歳から19歳の子供たちの脳腫瘍について比較しております。携帯電話の普及率と男の子と女の子の脳腫瘍の罹患率ですが、経年的に増加していません。
総務省でも電波の安全性を担保するために生体電磁環境研究を行っており、生体電磁環境に関する検討会を設けております。平成27年に第一次報告書を出しておりますが、その中で、脳腫瘍に関係する長期的な影響の可能性については、その存在を示す確かな科学的証拠は発見されていないと報告されています。
国際的には、先のWHOによる健康リスク評価が最も注目されていますが、電波のリスク評価は2020年に行う予定ですが、もう少し時間が掛かるかもしれません。
2015年に欧州委員会──EUの政府機関ですが──が取りまとめたSCENIHR報告書というのがあります。そこでは、長期的な影響については以下のように記載されています。疫学研究は小児がんを含むその他の悪性疾患について、リスクは上昇していない。生殖及び発育の影響に関しても影響はない。子供の発達と行動学的問題については、影響の証拠は弱い。妊娠中の母親の携帯使用に関連する胎児への影響は、電波ばく露のレベルが胎児では非常に低いので、影響は起こりそうもないなどと取りまとめられています。
電波の安全性に関しては、総務省が国民に向けたパンフレットを作っております。WHOでは、そのファクトシートを発表していますが、電磁界情報センターでは、WHOの許可を得た上で和訳してファクトシート集として印刷・配布しております。ファクトシート集の1ページから3ページに携帯電話についてWHOの見解が記載されています。
WHOの国際電磁界プロジェクトのホームページに記載された内容についても、WHOの許可を得た上で、全文を和訳して、電磁界情報センターのホームページに掲載していますので、WHOの見解を読むことができます。この中では、「健康影響の要約」として「WHOは近年実施した科学論文の詳細なレビューに基づき、現在の証拠からは低レベルの電磁界ばく露(つまり、日本でいえば電波防護指針で定める一般環境ということと理解していただければいいと思います)で、健康への影響があることは確認できないと結論づけました」と記載されており、現在までのリスク評価の結果に対するWHOの明確なメッセージがここに集約されていると理解されます。
以上、携帯電話の電波ばく露の健康影響については、余り心配する程の状況ではないことがご理解できたと思います。しかし、別の視点から見ると携帯電話を長時間使用することの行動面への配慮は必要であろうと考えています。
これはオランダのコホート研究ですが、睡眠障害について、7歳児の事例を紹介しています。スライド上段は携帯電話の使用に関する結果を示しています。5歳のときに1週間の使用回数が3回以上、1回から2回、1回未満と、全然使わないの4グループに分けて比較していますが、全然使わない子供に比べて1週間に3回以上使っていると、睡眠時間や夜間の覚醒、あるいは睡眠時の随伴症が統計的に有意に増加すると報告されています。一方、下段はコードレスフォンの使用状況を示しています。コードレスフォンは固定電話の子機を意味しています。携帯電話もコードレスフォンも、ともに電波を発信していますが、固定電話の子機の場合には、睡眠への影響は観察されていません。携帯電話の使用だけに睡眠障害が起こることに対する著者らの見解は、7歳児の睡眠の質を損なうものは電波ばく露であるという仮説は支持されなかったが、携帯電話の使用に関連する他の要因である可能性は残ったと述べています。具体的には、真夜中まで携帯電話を使用することはあっても、固定電話の子機を真夜中使うことは余り考えられませんので、そのような行動面が結果的に睡眠への影響をもたらしているのではないかと考えられます。参考のために報告いたしました。
お手元の配布資料には、先ほどのWHOのファクトシート、「携帯電話」に関する英文と日本文がありますので、必要に応じてごらんいただければと思います。
【座長】
国立病院機構久里浜医療センターから御説明をお願いいたします。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
今日は、インターネットとその依存的な使用、特にスマートフォンについて、依存的な視点から、お話をさせていただければと思います。
まず、久里浜医療センターの簡単な紹介ですけれども、もともとはアルコール依存症の治療を行っているのですけれども、最近、2011年から院長の指導の下、インターネット依存の診療を行っております。今でもたくさんインターネット依存の方、そしてゲーム障害、ゲームの依存的な使用をされる方を診療しております。
まず文献的な考察からですけれども、小中学生のインターネット利用率が上のグラフです。ほとんどの方がインターネットを何らかの形で利用しております。下はインターネットの利用時間ですけれども、5時間以上の非常に長い方も少なからずいらっしゃる。平日に5時間以上となると、学校から帰ってきて、ほとんどの時間ネット漬けという状態かと思います。
こちら、ネットの利用率とスマホの所有率です。自分専用のスマホをどれくらい持っているかということですが、こちら母数がスマホを使っている人において、小学生35%、中学生78%、高校生99%となっております。これだけ見ると、そうかなと思いますが、全体における、スマホを使っていない方々も含めて計算してみると、小学生で12.5%、中学生で48.9%、高校生で92.8%。小学生の報告は少ないので、余り存じ上げないですが、中学生の報告では大体、自分専用のスマホの保有率が、5割から7割というところで、持っている人は多いけれども、一部持っていない方もいらっしゃるのではないかという感じです。高校生になると、大体クラスに持っていない人が、1人か2人という計算になるかなと思います。
依存症ですけれども、私たちはアルコールの依存だとか、ギャンブル依存、スマホ、ネットの依存を診ているのですけれども、なかなか依存は厄介な病態です。逃れることが難しいという場合があります。
こちらがそれをシェーマにしたものですけれども、例えば普通の気分が振り出しだとします。いらいら、鬱、ストレスでもいいのですけれども。人間、普通の気分であっても、ストレスがあっても、快楽を求めようとします。ストレス解消だといってネットやゲームをします。これは医学用語で正の強化と言われるのですけれども、快楽を求めるために、依存物であるネットやゲームをするというようなことです。これをやり過ぎて依存症になるということですけれども、ネットやゲームは、いつでも手軽に簡単に快楽が得られるので、ついやり過ぎてしまうというプロセスになります。ほかの遊びとかであれば、例えば夜が来たら遊べなくなるとか、疲れているときはできないとか、いろいろな制約があるのですけれども、とにかくスマートフォンだとか、ネット、ゲームというのは、制約が少ないので、ついついやり過ぎてしまうということになります。やり過ぎると依存症になります。
やり過ぎってどれくらいなのかということなのですが、これもまた個人差が非常にあり過ぎて、個人によって快楽の得方も違いますし、楽しいゲーム、楽しいアプリ、出会いがどうだとか、そういったような条件がかなり違い、個人の資質にもよりますが、やり過ぎがどれくらいなのかというのは、よく分かっておりません。
ただし、その人にとって、やり過ぎると、今度はネットやゲームをしていないときに不快になってくる。負の強化と言うのですけれども、これが出てきます。負の強化、ストレスだということで、やっていないときにはストレスになってきます。それによって、またネットやゲームに走りがちということになります。
このやり過ぎにストップを掛けている非常に重要なところが学校での時間。学校で数時間から七、八時間ぐらい、ネット、ゲームと離れることになる、少なくとも中学生までは離れることになるので、このやり過ぎに強力にストップを掛けているのが学校の時間というところになるかと思います。
実際、久里浜医療センターにいらっしゃる方、ネットやゲームに依存して学校に行けなくなるという方もいらっしゃるのですけれども、学校に何らかの要因で行かなくなって、ネット、ゲーム漬けになってしまって、依存的になったという方も多くいらっしゃいます。
ということで、幸い、学校の時間というのは、このネットやゲームのやり過ぎに強力なストップを掛けてくれている非常にありがたい存在なのかなと思います。
この依存症ですけれども、やり過ぎのラインがどのぐらいなのかというのは分からない。子供たちが、やり過ぎると、負の強化で、だんだん不快になってきて依存症になってくるというところも、ほとんどのお子さんが、十分に理解していないと思います。親御さんは、何となく分かっていると思いますけれども。
ということで、依存症的に見ると、大人でさえ、この依存のループにはまると、スマホだけでなく、アルコール、ドラッグ、いろいろあるのですけれども、依存のループにはまるとなかなか逃れられない。お子さんであれば、なおさら逃れられないかと思います。実際、逃れられない方々が、たくさん久里浜医療センターにいらっしゃっております。
どのぐらい依存的な方がいらっしゃるかということですけど、こちら、自記式のインターネット依存度テストというスクリーニングテストによるものです。自記式なので、本当のところはどうなのかというのはよく分からないところもあるのですけど、一応、指標になるかと思います。
一般的に、このインターネット依存度テスト、70点以上が依存疑いということですけれども、中学生数%、高校生5%ぐらいという結果になっております。
ネットの依存度とデバイス別のインターネットの平均利用時間です。先ほどの中学生の調査、高校生の調査ですけれども、依存度が高いほどネットの利用時間が長いですけれども、特にスマートフォンの利用時間が、非常に依存度に相関して延びやすいといったことが言えるかと思います。
こちらは発達障害であるADHD傾向とスマホの依存度ということですけれども、インターネット依存度、依存度テスト50点以上ということで、問題使用レベル、依存度の一歩手前ぐらいのレベルですけれども、ADHD傾向が少ない方、真ん中ぐらい、ADHD傾向が高い方、ADHD傾向の度合いに比例してネットの依存度が高くなる。これは、いろんな報告でも言われておりまして、この注意欠如多動性障害の傾向とネット依存の傾向というのは非常に相関していると言われております。発達障害の方は、ネットだとかゲームの依存にも非常に密接な関連があると報告されております。
ネットの依存度と進級率について、学業成績は医学的なものとは関係ないのですけれども、ネットの依存度が下から上にかけて高くなってくると。それにつれて進級失敗率というのが高くなっていると報告されております。
海外の調査でも、ネットの依存度と学業成績は深く相関していると報告されております。
ネットの依存度と精神状態です。左の方からネットの依存度が低い、真ん中、高いと言われておりますけれども、ネットの依存度が高ければ高いほど、精神状態が悪くなっている。この報告では、ネットの依存度とネットの利用時間というのは書いていません。ネットの利用時間の記載はないですけれども、多分、ネットの依存度が高ければ高いほど利用時間が長い。楽しいインターネットをたくさんやっているはずだけれども、不快な気分が増しているというのが依存の本質なのかと。不快な気分が増すので、ますますネットやゲームをやりがちになるというものだと思います。
こちらは睡眠障害です。夜間の睡眠時間がより短くなって、睡眠の質が悪くなるというのが関連していると言われております。
各電子デバイスの利用とネット依存の相関ということですけれども、多変量解析をすると、スマートフォンについて関連があったと言われております。
他の報告でも、いろいろなインターネットデバイスの中で、スマートフォンは特に依存と関連、相関が高いと報告されております。
スマートフォンはいろいろな機能がありまして、もちろん学校での生活の安全のためには、電話だとか、GPS機能、メッセンジャーというのは望ましい機能ですし、学習に役に立つ機能というのもあります。ところが、学習と関係ない、依存に関連するような機能もたくさんあると思います。
最後の資料を見ていただければと思います。スマートフォンを学校に持込むことが可能になることによって、今のところでも、もちろん友達同士で遊んでいたり、塾に行ったり、習い事に行ったりすると、スマホを持っている子供と持っていない子供というのはあると思いますが、学校でも持込みを認めると、2種類の誘惑というところですけれども、他の子は、例えばスマホだとかをいじっているのを見て、欲しくなるというお子さんも多くなると考えられます。
例えば、一番下に酒の絵が描いてありますけれども、おいしそうにお酒を飲んでいる方を見ると、酒好きの方であれば飲みたくなるというのと似ていると思います。
その次のページです。「自分専用のスマホを持っている」生徒において、もし学校でのスマホ所有が可能になったときに考えられる問題点ということですけれども、スマホを持っている生徒にとって、ということです。手元にスマホがあると、授業中でも触りたくなってしまうというお子さんは少なからずいらっしゃるかと思います。
子供は大人よりも一般的に誘惑に弱くて衝動性が高いです。そのため、大人でも時々触りたくなる方もいらっしゃると思うのですけれども、例えば、それが運転中だとかに問題になったりする方はいらっしゃるのですけれども、お子さんであれば、なおさらなのかなと思います。
先ほどおっしゃっていたと思いますが、学校は本当にインターネットから1日数時間から七、八時間離れることができる貴重な場所です。それが失われることによって、生徒たちのインターネットの依存度が高まるという可能性は考えられるかと思います。
休み時間だとか、学校の先生の目が行き届かないということがしばしばあると思いますが、スマホ利用が可能になってしまうと考えると、学生間のコミュニケーションの時間だとか、そういう機会が失われてしまうのではないかと思います。若しくは、スマートフォンを介したコミュニケーションが主になってしまうと考えられます。これは医学的な問題ではないのかもしれないですけれども、スマホの管理の問題だとかが生じてきて、スマホを持っていない生徒は持っている生徒のスマホを触りたくなるという可能性は高いのではないかと考えられます。
次が「自分専用のスマホを持っていない」生徒においてということですけれども、学校では、他の生徒がスマホを触っているのを見ると、スマホを持っていない生徒は、自分にも欲しくなってしまうのではないかと思います。
スマホが欲しくなった生徒。今でさえ親に圧力を掛けて、スマホが欲しい欲しいって言い続けている生徒もまれではないと思うのですけれども、より親御さんに圧力を掛けるのではないかと思います。
スマホを持っている、持っていない生徒間で格差ができてしまうということも考えられると思います。
自分専用のスマホを持っていない生徒、特に中学生以降では、保護者が何らかの意図を持ってということで、依存性の心配、例えば発達障害の傾向があるだとか、いろいろな心配をして持たせていないという可能性があると思います。
結果的にスマホを持つことが余り適切ではない生徒もスマホを持つことにつながり得る可能性があるのではないかと。依存の問題も拡大してしまうという可能性があるのではないかと懸念されます。
【座長】
それでは、これまでの3団体の発表につきまして、御質問等ございましたら挙手をお願いいたします。
【委員】
私学の子供たちはかなり通学に時間が掛かるというような理由で、ほとんどの子供がスマホを持っているというお話を聞いたところです。その上で学校では電源を切り担任に預けるところが多いという御説明もあったところですが、持ち込んだ後、どのような形で管理をしているのか、管理の方法を教えていただけたらと思います。
【日本私立小学校連合会】
この電源を切り担任に預けるというのは、私がアンケートをとった中で、多分2校ぐらいしかなかったと思います。あとは個人の責任で管理する、ランドセルに入れておくというのがほとんど多かったような気がします。
私の学校も、そういうふうにしています。時々授業中にバイブレーションの音が響くということはありますけれども、めったにないことではありますが、余り子供たちも、そういうのは気にしなくなってはきていると思います。
大体の場合は、個人の責任で管理するということが主ではないでしょうか。
【委員】
個人の責任で管理ということですが、例えば施錠できるロッカーがある学校が多いんでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
小学校に関しては、施錠できるロッカーはほとんどないと思います。私の学園の中高になりますと、個人で鍵を掛けているということは聞きますけれども、小学校は、そこまではやっていませんし、やる必要はないかなと。私の学校はロッカーにふたもありません。
【委員】
そうすると中学生には鍵の掛かるロッカーもあるわけで、個人の責任として年下の小学生の方に、より重い責任が掛かってくるということになってくる。例えば盗難に遭ったりとか、いたずらされたりとか、そういったところも含めて、小学生の子供たちに重いものが背負わされていると考えられるわけで、ちょっと心配になったのですけれども、その辺いかがでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
何か起これば、そういうことは大変だと思います。そうならないように日常的に子供たちを教育していかなければいけないと思いますけれども、学校として、持込みを認める場合に、もうそれ以上、方法はないと私は思っております。ですから、何か起きたら、それは大変だろうとは思います。今まで、そういうことは、小学校では起きていない。だから起きないというわけではないんです。先生が心配されることはよく分かります。
【委員】
もう一点だけいいですか。今まで、子供たちへの指導や、保護者の理解も得た上で、今のような状況が保たれており、それはよいことだと思うのですけれども、一方で、今、先生がおっしゃったみたいに、何かあったときに対処できるような仕組みを作っておく必要もあるかと思います。改善策があったら教えていただけたらと思うのですが。
【日本私立小学校連合会】
特にないです。この状態を保っていきたいと思います。
【委員】
学校の中では携帯以外のことをしたがるというか、そのあたりがすごく心に響いて、そういう時間を確保しなければいけないというのを思ったのですけれども、今の引き続きの議論で、今、学校に持ってきているのが、大分増えてきています。
私の知り合いも、小学校の場合は届出制で認めているという状況で、一緒です。最初は本当に数人だったのが、どんどん増えてきて、今、過半数が届出制で持ってきていて、鍵もないところに子供たちがたくさん置いていて、30人ぐらい、届出制であるということです。体育の時間とかには、30台あるとすると、300万円ぐらいのものが中にある。これはさすがにということになって、担任が自分の机の上に確保したと。自分の机に300万があるのも、これもどうかという形になってきて、今までは本当に数台だったのでよかったものの、今後は、本当に額も多いし、盗難とか、それからいろいろな可能性もあるので、やっぱり何らかの対策を考えていかなければいけないのではないかと思います。
というのが、私も経年で、ある地域の携帯電話の所持を調べているのですけれども、小学校1年生の方が小学校2年生よりも所持率が高い地域が増えています。なぜかと1年生のお母さんに聞くと、お父さん、お母さん、両方、電話を持っておられないので、家に家電がないから、子供にも持たさざるを得ないのだということで、下から増えてきているような現状もある。中学校のように、みんな持ってきているから鍵をというのは分かるのですけれども、小学生でも、このままでは難しいのではないかという先生の声も非常に増えているので、そのあたり、どのようにお考えか。非常に難しい局面だと、聞いていて思いましたので、御見解をお聞きしたいのですが。
【日本私立小学校連合会】
私の学校は、お金は基本的に持ってこないということになっているのですけれども、お財布といいますか、そういったものは朝集めます。携帯電話に関しては集めていないのですけれども、そういったものは集めています。
今、低学年の方が多いというお話がありましたけれども、ランドセルにしっかりと固定されています。余り取り外しが頻繁に起こるわけではないので、昔の、要するに非常ベルというか防犯ブザーの延長線のようになっていて、子供たちも、高級な電話という意識が余りないような感じでいます。
【日本私立小学校連合会】
ただ、おっしゃるように、教室の中に、金額として何百万というものが放置されているような状況というのは、言われればそうだなと思います。そうしますと、個人のロッカーをきちんと一つずつ、鍵が掛かるロッカーを作るべきなのかという話にはなってしまうかもしれないですけれども、この辺、難しいところだと思います。
【委員】
今聞いていて、携帯電話を固定していることによって盗難等のリスクが減るというのであれば、その知恵をみんなで共有したらいいので、その固定しなさいという指示を先生、学校として、やっておられるのでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
特にしていません。もう一つは、多くの子供が持っているので、誰もが持っている一つの道具です。ですから、珍しくも何ともない。だから、他の子が持っているものが別に欲しいとも思わないというレベルのことはあるのではないかと思います。
ほとんどがスマホというわけではないので。小さい子供たちは、やっぱりキッズ携帯が多いと思います。他の子が見て欲しがるようなものでは余りなくなっていると私は思っています。
【委員】
先ほど同じことで、やっぱり持てない子がかなり欲しがるのではないかという御意見が、真っ向から反対なんですけど、そのあたりはどうでしょうか。一般論で構わないので、お願いします。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
患者さんは大体中高生ぐらいですけれども、親御さんが余り持たせたくなかったけれども、やっぱり子供が欲しい欲しいと言って買ってしまっただとか、あとは中古屋さんだとかに行って、中古のスマホを買ってしまったとか、ゲーム機を買ってしまったということはよくあることなので。キッズ携帯だと、そういう話は全く聞かないですけれども、スマホとなると、そういったことも出てくる、欲しがってしまうということも出てくるのではないのか。
私たちはゲーム障害の重症な方しか診ていないので、一般の方はそうでもないのかもしれないですけれども、そういう可能性はあるのではないのかとは思っております。
【委員】
どちらがどうというのではないのですけれども、やっぱりこれからは、小学生の、特に低学年層の保護者が、当然のように自分がスマホを持っているので、子供にもスマホを持たせるだろう。その扱いというのは、やっぱり新しいスマホネーティブ2世が、これから上がってくると思いますので、そのあたりの、今、先行的に小学校で持たせている例というのは、公立でもこれから低学年で増えてくるかもしれませんけれども、固定をしているのが多いとかいう知見があったので、非常に参考になりました。
【座長】
これまで、いろいろな小学校内の持込みの場面、局面が、ここで話題になりました。今日は学校行事の宿泊という、これ、今までになかったお話でございます。これは持たせないというのは、今、この調査の31校、このうち、どれぐらいの比率で、こういうルールを持っていらっしゃるんですか。
【日本私立小学校連合会】
この学校宿泊行事に持たせないと書いてくださった学校は1校でした。
【座長】
1校だけですか。
【日本私立小学校連合会】
はい。私の学校は、宿泊行事のときは、各自に封筒を1枚ずつ渡しまして、行きのバスの中で定期券、スマホ、携帯、それを全部預かって。一人一人名前が書いてある封筒を用意しておきまして、それに、その場で封をしてもらう、帰りまで預かるということをしています。
やっぱり宿泊を伴う行事になりますと、自由に持っていると、家にいるのと同じ状態。夜中にずっと遊ぶということは当然予想されますし、親との連絡をとり合う子も、もしかしたら出てくるかもしれないですし。子供が自分の携帯を見られないから安心して預けようという気持ちになれるようにして、こちらで預かって、帰りまで管理しているという形にしています。
【座長】
年間、そう頻度のあるものではございませんけれども、懸念されるのは、迷子等の場合に、どう対応していくのかと。つまり、団体で、その学校だけでやるならばいいのですが、いろいろなところへ行きますと、いろいろな学校が入ってきて、それで迷子になる。あるいは宿泊が、いろいろな山中に及ぶというようなこと。小学校では体力が関係しますので、少ないかもしれませんが。そういうことに備えるということはないわけですか。
【日本私立小学校連合会】
基本的に集団での行動になりまして、例えばグループごとにいろいろなところへ行くとか、他の団体と一緒になるとかということはほとんどないので、余りそういうことは心配したことはありません。
【委員】
まず、31校のうち許可しているのは21校で、許可していないのが3校ということだと、7校ぐらいお返事がないということですか。許可でも不許可でもない7校ぐらいの学校での扱いが知りたいです。
【日本私立小学校連合会】
このお話を受けたのが、まだ10日ぐらい前でした。局長からお話を頂いてすぐ加盟校31校にメールで、こういうのに答えていただきたいと。二、三日でお返事下さいと言ったものですから、間に合わなかったところもあったと思います。
あと、その31校の中には、養護学校とか、そういったものもありまして、ふだんスマホとか携帯電話をほとんど使用しないという学校もあったと思いますので。
返事が欲しかったと思う学校は、あと2校ほどあったのですけれども、そこから来なかったというのが残念でした。
【委員】
今回、初めてそういうアンケートをとられたということでしょうか。経年的な傾向が分かるようであったら、伺いたいと思ったのですが。要するに、だんだん許可率が上がっているのか、それとも横ばいなのか等の、全然、感覚的なものでいいのですけれども。
【日本私立小学校連合会】
先ほど申し上げたように、震災をきっかけにして、爆発的にこれを持たせる親が増えたとは認識しています。その前は学校で、我々がいろいろな学校の先生と集まっても、あなたの学校はどうですか、という話が話題になりました。うちは持たせています、持たせていませんというのが話題になったのですけれども、あの後は、もう持たせているのが当たり前のようになってしまったので、どうですかという話も話題にもならなくなりました。
それぞれの学校でどんなルールを決めているかとか、そういう話題はありますけれども、持たせるか持たせないかについては、ほとんどもう検討はなくなりました。
【座長】
続けて、今の御質問に関連して。例えば今のような、持たせる持たせない、流布して、普及してまいりますと、そういう形になりますが、当初の震災の後、理事会等はどうでしたでしょうか。そのときの判断としては。
つまり、震災以降は、これがないと募集状況が非常に悪くなってきているので、それに対する影響力を少し考慮しながら、やはり全体として持たせる方向に行こうというような議論が、文科省からは原則禁止だとか、いろいろなルールが出ておりますが、あえて理事会等で、そういう御議論があったというような経緯はございますか。
【日本私立小学校連合会】
各学校の、例えば児童募集の戦略の一つに、そういったものを入れるということは全くなかったと思います。やはり保護者の声、それから私たちができる安全への配慮というところの間に、ちょうど、その携帯電話、スマホというものが存在していたということだと思いますし、こちらとしても、一方的に禁止できるものでもなく、そういう世界だったと思います。
【委員】
確認ですけど、今回の大阪の携帯電話の処理を認めるのも、地震があって、非常に心配したお父さん、お母さん方が持っていかせてほしい。同じような経緯だと思うので、今話を聞いていると、子供たちの安全、命を考えると、通学のときに持たせるのは、これはもうやむを得ないという現状が、私学の場合は電車に乗ったりするので、特にある。
しかし、学校の中での扱いについて、やっぱり学校によってかなり幅がある。担任の先生が預かっていたり、子供に持たせていたり。そこの部分について、やはり今議論が分かれ出しているという感じでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
預かるということについては、しっかりとした方法が確立できれば、きちんとやった方がいいのだろうと思いますけれども。例えば具体的に、スマホ40台を入れておくケースを用意するのかとか。こちらで預かるということ自体に、やっぱり若干抵抗があります。保護者も多分そういうことを言う方もいらっしゃると思います。
【委員】
例えば宿泊行事のときに、封筒に入れてというようなことも必要かなという人もいると思います。例えば大阪のある学校は、携帯電話を入れるケースを40人分、2万円で買って、それを職員室に持っていって、職員室でロッカーに入れるということまでされているところがあります。一方、子供たちに自己責任でやらせるというのも難しいと思います。そのあたりが非常に今、難しい状況で、これからいろいろなところが考えていかなければいけないというのですけれども、現段階で、先生としては、やっぱり子供が自由に持っていて、固定をするのは難しいという見解でしょうか。
【日本私立小学校連合会】
考えていかなければいけないことだとは、今日お話をしていて思いました。
あと、宿泊行事で預かるということについては、宿に泊まると、必ずお布団のカバーの中に忘れ物があります。もうそうなってしまうと見付かりません。子供たちの持ち物が、後で学校の方に届くことはあるのですけれども、必ず届くとは限りません。つまり、日常と違った環境の中で生活するときに、きちんとそういったものは管理できないというお子さんもいらっしゃるので、そういった面でも預かって、帰りにきちんと返すということは必要であると思っています。
【委員】
話が変わるのですが、私は電磁波の影響に非常に興味がございまして、それについてお伺いしたいのですが。長期的な健康被害についてはお話をしていただいたのですが、情報モラルの研修の際にば、私たち大人は、大人になってから、スマホなどの機器を持つようになったのですが、これから先、幼少期から電磁波を発する機器を持っている人たちの健康レベルが、本当に30年後、40年後、50年後に、今の私たちの健康レベルと変わらないかどうかというところが非常に大きな問題だと思います。そのため体に密着させることの危険や、ブルーライトの影響で睡眠に影響のある人たちも多いという健康上問題が浮上しています。お話しする中で、7ページのところに日本におけるサーの値が、2ワット、10グラム当たりというこの値については適切なのでしょうか。先ほどスウェーデンのグラフを拝見したのですが、スウェーデンだと、日本の2分の1以下の厳しい基準なのかと見受けられます。ヨーロッパは厳しくて、日本は割と、そこのところの値が高いのではないかということを、いろいろなところで伺ったりしているのですが。こちらのスウェーデンの値と日本の値の違いについての御研究等がありましたら、教えていただきたいと思います。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
携帯電話の規制に関しては、スウェーデンでも日本と同じです。恐らく、間違った情報が入力されていると思います。
【委員】
日本では、経年的に同じような調査はされているのでしょうか。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
今年度から総務省の研究費で、携帯電話で使用する電波ばく露の子供たちへの健康影響に関する前向きのコホート研究については始まったばかりです。世界的には、過去10年ぐらい前から、モビキッズというプロジェクトがあります。様々な健康影響について調べていますが、特に影響はなかったという結論です。
携帯電話と子供たちの脳腫瘍の関係については、北欧を中心としたセファロという疫学プロジェクトでも、影響は確認されていないと報告されています。
もう少し調査対象の年齢幅を広くとっていますが、30年間ぐらいフォローアップするCOSMOSという前向きのコホート研究プロジェクトがあります。これは25~30万人ぐらいを想定したコホート研究で、既に始まって約10年になりますが、去年あたりから少しずつ、調査報告が出されています。あくまで予備的な調査報告ですが、健康影響があるという報告はされていません。
【委員】
所持の仕方についてということで、その電磁波というのが、例えば寝るときに、すぐに出ないといけないからといって枕元に置いて寝ていたりとか、心臓が近くにある胸ポケットに入れていたりする方が多いかと思いますが、その所持の仕方と電磁波への影響は、体に密着させて持っていることによって何らかの影響がある可能性は考えられるのでしょうか。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
二つに分けて考えなければならないかと思うのですが、心臓ペースメーカーや、除細動器を付けている方の場合は、携帯電話からの電波発信に伴って誤作動することがあります。総務省の調査では、携帯電話端末と体内埋め込み式の医療機器との離隔距離が3センチ以内になると誤作動が起こる場合があると報告されています。なお、国際的には15センチが離隔距離として採用されているので、日本でも15センチ以上離すというように発表しています。
もう一つは、携帯電話を寝るときにも身に付ける場合です。携帯電話は、待ち受け画面でも微弱な電波を発信しています。したがって、その健康影響ということも配慮しなければならないのですが、出力が非常に小さいので胸ポケットの中に入れても、枕元に置いても、電波ばく露の影響はないと思います。一方、行動面で携帯電話をいつもそばに置いていることは、余り良いことではないと思います。電話やSNSなどの受信時の通知音や振動で目が醒めるかもしれません。画面を見てSNSを返信し、通話もすると思います。その結果として、睡眠が中断されるなど睡眠障害なども起こります。さらには、端末画面のブルーライトの輝度が高いために、メラトニンという睡眠サイクルに関連する松果体ホルモンの分泌が抑制される可能性も否定できません。
【委員】
先ほどあったように、携帯電話をランドセルの胸のところに固定すると、小さいうちから、心臓にずっと密着している形になると思うのですが、それは特に問題ないのでしょうか。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
問題ないと思います。WHOから電磁波ばく露に関するコーショナリー政策に関する見解を紹介します。念のために電磁波全般に関する用心の方策として、いろいろ方法を紹介していますが、電磁波の健康影響がどうしても心配な人は、携帯電話で通話するときには頭から離すような、いわゆるハンズフリーキットを使うことを紹介しています。ただし、これらの方法については、国が公衆衛生上の理由で勧告することはありません。どうしても心配ということであれば、個人のリスク認知が高ければ、個人的に選択されたらどうでしょうかとも述べています。
【委員】
例えば入口にセンサー等があって、子供たちが通過すると、自動で学校に来たとか、登校した、又は下校時のときには学校を出たというメールが保護者にも届くようなシステムも私学ではよく使われていると思うのですけれども、ある意味、子供と保護者との安全確認としては、十分と思えるところもあるのですが、やっぱりこれだけでは不十分という御意見、あるいはスマホにしてほしいという御意見はあるのでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
学校に到着しました、今学校を出ましたというお知らせと、その後、子供がどこにいるのかということに関しては、全く別の問題とは思っております。
ですから、あとは学校と、それから先ほど申し上げましたように、交通機関、鉄道会社が運営しているものと合わせれば、まず要らないと思います。
ただ、保護者が自分の都合で子供に連絡をとりたい、結局そういうところがあります。ですから、電車事故で1時間、2時間遅れるということもたまにあるので、そういうときは分かるのですけれども、子供から連絡をとることもあるし、保護者の都合で連絡してくることもある。本来要らないような連絡が、やっぱり多くなってしまう。それは逆にスマホ、携帯があるから、そういうことが起きるのであって、なければ全く必要のないものだろうとは思います。
【委員】
そうすると、センサーの他に登下校途中の情報も入れば、スマホでなければいけないという理由はないのでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
キッズ携帯を指定している学校の先生方から言わせますと、学校に持ってくるのはキッズ携帯、自宅にあるのはスマホと、二つ持つことになるそうです。ですから、その辺について家庭としてどうなのかということは分かりませんけれども、キッズ携帯は、もう防犯ブザーの延長としか考えられないような、そういう段階になっているのではないでしょうか。
【委員】
私学については、子供が登下校のときに交通機関を使う可能性が非常に高いので、必要性が高い。一方で、公立の学校だと、交通機関を使う部分は大分少なくなってくるわけなので、通学路等が中心になってくる。そうすると、センター等の最低限の連絡がとれるのであれば、大きな問題がないと考えられるということでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
ただ、公立学校においても、基本的には保護者が申請すれば、みんな持たせるという方向には今なっているようなので、その辺は多分、同じような感覚になっているのではないでしょうか。
公園に遊びに来る子供も大体、携帯を持って遊びに来ているようです。
【委員】
そうなってきたときに、多くの子供が登下校のときに道端で連絡をしているというような状況も予想されます。使わないというルールを決めているかと思うのですけれども、このあたりは、保護者、地域の理解と協力なくてはできない部分であると感じております。こういったところで使っている状況が生じることにつながってきてしまっているのかなと感じたところです。
【日本私立小学校連合会】
子供たちは、中学生になったら通学路で使ってもいいのですかと質問する子もいますし、電車の中で高校生になったらゲームしていいのですかと聞く子もいます。周りの中学生以上、大人も含めて、ほとんどの方が携帯電話、スマホを見ている中で、子供だけがルールを守ろうと必死になっている姿は、けなげだなと思いますけれども。
【委員】
非常に本質的な部分だと思うのですけれども、社会の中の子供たちなので、親やお兄さんがやっている中で、何で私たちだけがって時代が、これからどんどん来ると思います。だから、それを見据えて私たちは考えていかざるを得ないだろうと思いました。
登下校の安全と言われると、公立の学校で、私の周りの人たちも、やっぱり許可制で持っていっている学校が多いです。そうなってくると、許可制で持ってくる学校がどんどん増えてきて、私学だと、許可制で持ってきてもトラブルというのは余りないというのですけど、全体として、教室にある中でのトラブル、盗難とか、それから盗撮とかについては余り把握してられないのでしょうか。
【日本私立小学校連合会】
学校の中では、ほとんど聞いたことがありません。スマホを出して何かしたという話を聞いたことは余りないです。ただ、記憶にあるのは、一人、ある男の子が先生にお叱りを受けて、後でおうちに連絡が行きそうだというときに、こっそりトイレの中から先にお母さんに、学校で今日こんなことがあったと報告をしたという話は聞いたことがありますけれども、その程度です。
【委員】
いろいろな子供がいるので、私学の状況と公立の状況がどう違うか、まだ議論が必要だと思いますが、とても参考になりました。
別の質問となりますが、私の周りで、小学校でネットに依存する子が増えているということがあって、ある自治体と一緒に、小学生に対するネット依存教材を今作成していて調べたのですけれども、厚生労働省の調査で、中学生のネット依存率が、2012年には6%だったところ18年には12%ぐらいまで増えたというのを見たことがあって、同じ調査について小学校の5、6年生を対象として今年6月に行いました。そうしたら、暫定値ですけれども、11%ぐらいがネット依存の可能性があると出てきて、衝撃を受けて。先生がおっしゃるように、下からネット依存というのが広がっていっているというのを感じて、低年齢の子供たちへの依存についてどう考えているかというのが一つ聞きたいこと。
それともう一つ、ADHDの子にネット依存の子が多いということがあって、私、実は特別支援学校の先生方とも関わりがあるのですけれども、彼らは1回こだわり出すとすごくこだわってしまって、マインクラフトをやり出して、そこからどんどんこだわりを持ってやり出してしまう子とかが、増えているのではないかと。
そのADHDの子とスマホへの依存の問題、それから低年齢の問題。最終的には学校の中に持ってくるとすると、携帯電話を目にすることが危険ではないかという子もあったので、その3点についてお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
まず低年齢からのネット依存ということですけれども、やはり低年齢から習慣的にインターネット、ゲームだとかを触っていると、その後、ネット依存になるリスクというのは、私たちの研究の方で、まだ論文化されていないですけれども、実は関連しているという数値は出ております。最近のお子さん、より低年齢からネットだとか、ゲームだとかをやっているので、今後、やっぱりネット依存の方、ゲーム依存の方のリスクというのは、どんどん広がっていくのではないかと思います。
二つ目の質問についてですが、ADHDの特性自体が、ネット依存と非常に関連しているような診断基準で、まず衝動性だとかがあって我慢強くないという基準があるのですけれども、ネットだとかゲームをやめるときに、我慢しなくてはいけないけれども我慢が利かないといったところも関連していますし、あとはADHDの方には不注意があるので、例えば小学校で宿題を忘れただとか、約束を忘れただとか、あとは、だらしなくしているだとか、よくそういったようなことがあるので、一般社会では結構不適応を起こしやすいのですけれども、ネットだとかゲームの世界では、不注意だとか衝動性って余り問題にならない。例えばネット上で暴言を吐くだとかということはしばしばあるのでしょうけれど、余り問題にならないということで、非常に親和性が高いのではないかという仮説があります。
【委員】
子供たち全体が学校に携帯電話を持っていくことによって、学校にはADHDの子もいれば、小学生のような小さい子とかもいて、その子たちが見ていることにより、ああいうことをしたいとか、こういうことをしたいとかがより増えて、ネット依存の子が増えてしまうと、社会として非常に大きな影響があると思います。一概にはなかなか言えないと思うのですけれども、専門家として、なかなかお話聞く機会がないので、どんなふうに思っておられるかというのを聞かせていただきたいなと思います。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
大人より子供の方が、やはり、いろいろな影響というのを受けやすいと思います。例えばゲームだとかでも、子供たちの中で人気になったりだとかすると、あの子がやっているから欲しいだとか。スマホも多分、同じような展開になるのではないかと思います。
学校での管理について、例えば登下校中だとかは結構管理するのが難しいのではないかと思います。スマホだとかを持っている影響というのは、他の子にも受けやすいのかな。親御さんだとかが、この子はちょっと持たせたくないなという子とかも、楽しそうに他の子がスマホだとかを使っているのを見ると欲しくなってしまうのではないかという影響は考えられると思います。
もちろん安全面というのは非常に大切だと思うのですけれども。スマホの依存的な使用って、スマホを持ってすぐ依存的な使用になるのではなくて、ある程度使ってから依存的な使用という問題が出てきます。
あとは、依存というのはみんなそうですけれども、依存がシビアになってくると、今度、引きこもってしまいます。引きこもると、もう統計にも出てこないですし、あとは担任の先生だとかは、その状況だとか、ある程度つかめるかもしれないですけど、全体からは見えなくなってしまうので、安全面の問題というのは、子供を持つ親御さんだとか、先生たちにとって非常に重要だと思うのですけれども、依存リスクということに関しても、ちょっと頭の中に入れておいていただくとありがたいとは思います。
【委員】
薬物乱用の子、要するに依存ですよね、薬物依存の人にはADHDの方が多いというのが、ネットでも、今までの研究データの中で、かなり出ています。
それと、イギリスではゲーム依存とか、イギリスの成人男性ではADHDの症状が高いというような研究データを見たことがあります。直接は関係しませんけれども、学校に携帯電話持っていくということで、子供たちは目にしてしまう傾向とかがあって、特に学校にはいろいろな子がいて、発達障害の子もいれば、いろいろな子がいます。だから、そういうところで、今おっしゃったようなリスクとかを十分分かりながら、やっていかなければいけないと思っているのですけれども、そういう認識で正しいでしょうか。もし、さらに何かあれば教えていただきたいのですが。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
薬物乱用、あとはアルコールだとか、依存症って、発達障害の影響、特にADHDだとかの影響を非常に受けやすいです。ネット依存、ゲーム障害だとかもADHDとの関連が非常に強くて、特にお子さんの場合、発達障害の影響が大人よりも非常に色濃く出るので、やはりネットだとかゲームの使用障害というのは、発達障害のあるお子さんへの影響が非常に大きいと思います。
社会としてということですけど、大人たちはスマホを使うのをやめるというのは難しい話かとは思うのですけれども、子供さんだと、やっぱり依存の影響というのは非常に大きく出やすかったりするので。大人であれば、ネットだとかスマホの依存的な使用になっても、仕事に来ないという方はまれなのですが、お子さんの場合は、学校に行かなくなってしまうということもあり得ます。
例えばアルコールだとか、たばこの問題とかも、やはり未成年は禁止されている。禁止が妥当かどうかというのは分からないのですけれども。アルコール、たばこは妥当なのですけれども、スマホだとかゲームの使用を未成年者については禁止するというのが妥当かどうか分からないのですけど、やっぱり依存的なリスクだとか、健康問題だとかは大人より出やすいので、何らかの保護的な措置というのはあった方がいいのではないかとは思っております。
【委員】
やはり自分がすごく依存しているものが、教室で授業受けているときも身近にあると、多分、依存傾向のある子供たちだったら、そわそわして授業にも集中できなくなるのではないかと思いました。ということになると、もし持ち込みを許可する場合は、やはり、その子たちの使用を遮断するためには、別のところに帰るまで隔離をするか、別の方法で、自分の身近なところから離しておかないといけないと思われます。学校にいる間が、そういう機器から解放される唯一のチャンスだとしたら、どのような方法を講じることが必要になると思われますか。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
よく僕は患者さんにはお話しするのですけれども、おなかの減っている子供の目の前においしそうなケーキがあるのと、全然ケーキがないのと、どっちが楽でしょうか。おいしそうなケーキがあるけど、もちろん食べてはいけないということなのですけれども。と聞くと、もちろんケーキがない方が楽だと言うと思います。
興味のない子供であれば、スマホを別に持っていようが、持ってなかろうが、関係ないと思うのですけれども、やりたいゲームがあるけれども、その手元にあるという状況って、おなかの減っている子供とおいしそうなケーキの関係と同じなのではないのかなと。授業にちょっと集中できなくなるぐらいだったらいいのかもしれないですけれども、逸脱してしまう可能性があるお子さんだとかもいらっしゃるので。
あとは、推測ですけれども、私立の学校の場合だと、当然、余り逸脱した行動をすると退学になるかもしれないと、お子さんも思っているかもしれないですけど、公立だと、そういうわけにはいかないので、その辺は差し引いて考えた方がよいかとは思います。
【委員】
あともう一点あるのは、小学校の子供たちが学校にいる間にスマホのことを全く考えないだろうということで、これについては多分、学校運営がスマホの魅力にも勝っているのだと思います。全部が全部、そういう優秀な学校ばかりでもないので、例えばワールドカップのラグビーに依存している中学生は授業中でも見たくなったり、オリンピックがあったら、それに依存している子は見たくなったりするとか、いろいろと局地的なトラブルも、やっぱり想像できると思います。
だから、学校の運営が非常に上手くいっているときは、学校でスマホを見たいと思う子はいないけれども、そうでないような状況であるとか、そうでない子供がいる場合も、公立の学校ではたくさんあると思うので、そういう意味でいうと、少し考える必要もあると思ったのですが。
批判するつもりも全然ないのですけど、日本の子供たち、特に公立の子供たちを含めて考えている非常に重要な局面だと思うので、その辺について、率直に、言える範囲でお願いします。
【日本私立小学校連合会】
本来、子供は仲間と遊ぶのが大好きなわけです。せっかく仲間がいるときに、自分でスマホの世界に入り込みたいと思うことの方が、私は不自然だと思っています。学校って、そうやって楽しいものだろうと思っていますので。ですから、それは公立、私立を問わず、子供たちってみんなそうなのかなと。
学校から一歩離れてしまうと、集団から個の世界に入ってしまいます。この一人の世界に入ったときに、自分でどういうことをしたらいいかについて分からなくなってしまうのが今の子供たちなのだろうと。結局、身近にあるゲームを使って遊ぶ、そういうことに走ってしまう。
最初は驚いたのですけれども、帰りに子供たちが階段を下りてくるときに、こんな会話をしていたのが耳に入ったことがあります。今夜7時半ね、8時ねと言いながら帰っていく子供たちがいました。何の話だろうかと思いましたら、8時にゲームをしようということです。要するに、ネットを介したゲームをお互いに一緒にやって遊ぶということ。夜7時半、8時といえば、家族団らんのための一番いい時間なのにと思うのですけれども、実際そういうふうになってしまう。学校にいるときは全くそんなことはしたいとも思わないのだけれども、家に帰ると、そうなってしまうと。要するに、学校以外での生活に、やっぱり子供たちをゲームに走らせてしまう何かがあるのではないかという気はいたしております。
それから、もう一つ私が気になっているのは、新しい学習指導要領に伴う教科書改訂において、教科書のあちらこちらにQRコードが付いています。QRコードは、スマホやタブレットで読み取れば、学校の先生のような説明をしてくれるところもあれば、ちょっとしたアドバイスをくれるようなものがたくさんあります。そうすると、それを見ることが家での学習であるとか学校での学習で当たり前になってしまったとすると、もうそれは、家では個人のそういう機器を使うでしょうけれども、学校ではどうするのか。学校でも個人の機器を使わせるところはないと思いますけれども、そういう教科書が、もうそういうスマホやタブレットを使うことが前提となっているようなものに、だんだん変わってきていると。文科省が許可しているわけですけれども、果たしてこの辺はどうなのだろうと。デジタル教科書と言いますけれども、なかなかそういうところは。もう子供たちがそういう機器を使うことを前提にしたものを一方では作っているということも、少し心配なことだと思っています。
【座長】
基本的なことですけれども、最初に短期的影響と、それから長期的影響と。この短期的影響というのは、研究によっていろいろと期間はございましょうけれども、どれぐらいが想定されているのか。それが1点。
それと同時に、この短期的影響の、ある意味では累積性と言われるものといいますか、何かその短期的影響が蓄積されたり累積されたりしていく、そういう部分が非常に懸念されますので、恐らくコホート研究の観点で、いろいろな提案が出ていると思うのですが、その短期的影響の中でも、そういう累積性の高そうな、あるいはコホート研究が必要な状況にあるような状態といいますか、これはどういうぐあいに今、位置付けられているのでしょうか。そのあたりについて、まず区分と、それからコホートの関係についてよろしくお願いします。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
短期的な影響について、時間軸上でどの程度を短期と言うかということですが、携帯電話の電波ばく露に関しては、熱作用を考慮する必要があります。6分間で熱的平衡状況が類推できますので、これを時定数として指標にしています。
短期的な影響が反復されこれが長期に及ぶ場合はどうかということですが、電波という熱源が無くなれば元の状態に戻りますので、蓄積を考慮する必要はありません。例えば太陽光に断続的に当たると、体内の熱吸収も断続的に変化し皮膚温(体温)も上下しますが、太陽光が隠れると人間の体温調節機能によって皮膚温(体温)は太陽光に当たる前の元の温度に戻ります。
電離放射線と非電離放射線の決定的な違いは、電離放射線、つまりエックス線とかガンマ線は、体の深部まで侵入し遺伝子を傷つけるという電離作用があり、その作用は蓄積すると考えてリスク管理をしてますが、電波は、非電離放射線で、そのようなエネルギーはありません。そういう蓄積効果については考える必要はなく、熱的な短期的な影響を考慮してリスク管理をすれば良いと思います。
【座長】
エックス線だとかそういうものとは、また性格が違う。
【一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター】
違います。エックス線などの電離放射線ですと、例えば、放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量として平時で年間1ミリシーベルトという数値があります。これが仮に月間1ミリシーベルトであれば、年間12ミリシーベルトに相当します。作用が蓄積するという考えがリスク管理値に反映しています。一方、例えば先ほどお示しした比吸収率という電波ばく露の生体指標がありますが、蓄積することはないので、1年間に比吸収率をどの程度にしなければならないという考えはありません。
電波ばく露については、熱的影響だけしか確認されていませんので、熱がある範囲以上にならないように管理すれば、これが何度繰り返しても問題ないと思います。
しかし、何故弱い電波の長期的な影響が懸念されているかということですが、これは、アメリカの携帯会社で携帯電話の性能をチェックする人が脳腫瘍になったため、労働災害として携帯電話の電波が原因であると訴えた事がきっかけと伺っています。確かに、頭の近傍に電波を発信させるような機器が一般に普及したのは携帯電話が初めてなので、健康リスク評価を行う必要がある訳です。
科学では、全く無害という証明は非常に難しいわけですが、これまでの膨大な研究データの蓄積から類推すると、低レベルの電波ばく露の健康影響はまずはないだろう、仮にあったとしても大したことないと思います。
【座長】
先ほどネット依存に関連して、薬物だとか、アルコール依存だとか、ある意味では身体依存といいますか、こういうものが中心の領域と、それからネット依存のようなもの、あるいはギャンブル依存もそうですが、身体依存というよりも、むしろ精神的というか、社会的というか、こういう依存と、全く性格、メカニズムが違うような側面がある。
極端な例になりますと、例えばアル中のような身体依存の場合でも、ダブルバインドといいますか、「お父さん、アルコールはだめだよ」と言っていても、「まあ、あなたの仕事はきついからね」と言いながらだめだよという、このダブルバインドの状況に陥って、それで依存症の人も、なかなかそこから抜け切れない。このダブルバインドの状況というのが、恐らく、このネット依存というものに関しては非常に大きいだろうと。
むしろ社会で、大人も使い、いろいろな人たちが使っている。その状況の中で、あえて依存症と言わなきゃいけない。その問題があるからこそ、厳しい状況にあるのだろうし、非常に悩みどころだと考えられるのですが。大体、状況はよく分かる。許容的な状況というのは周りにたくさんありますので。だから、幾ら禁止だと言っていても、その許容的な状況の中にはまりながら、言う方も、それからする方も、ダブルバインドの状況の中に、現代人は置かれているのだろうと思っておりますが、これについて精神面でのメカニズムの上で何かありますでしょうか。そういう精神的、社会的依存症と言われるものとの大きな違いというのは何かございますか。あるいは類似性といいますか。話がよく重なって出てきますので、ひょっとしたら類似性もあるのかと思っていますので、いかがでしょうか。あるいは、そういう御研究については、ちょっとないものねだりかなという気もしますが、いかがでしょうか。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
脳科学には余り詳しくないのですけれども、基本的に依存って、薬物の依存でも、アルコールでも、行為の依存、ギャンブルだとか、ゲームだとか、ネット、非常に類似しています。薬物の場合だと、例えばコカインだとか、覚醒剤だとかの場合だと、脳から快楽関連のドーパミンだとかいう物質を強引にひねり出すような感じです。ゲームだとかギャンブルとかだと、楽しい活動というか、快楽を得られるような活動によって快楽関連のドーパミンだとかをひねり出すということで、基本的にそんなに変わらない。どうやって快楽関連の脳内物質をひねり出すかというだけなので、余り変わりないのですけど。もちろん薬物で強引にひねり出す方が、依存性が高いとは思います。
依存の特徴ですけれども、例えば、大人がアルコールだとか、ギャンブルだとかを適度にやっているうちは、快楽をもたらして非常にいいのですけれども、それをやり過ぎるといけない。でも、やり過ぎといっても、どこがやり過ぎなのかが分からなくて。例えばアルコールと人間の付き合いって、もう数千年以上になるのですけれども、どのぐらいの量がその人にとって適量かというのは、数千年間飲んでいても分かりません。ゲームだとか、ネットだとか、どんどん発達してきているので、これも、どのぐらいの量が適量かというのは分からないのですけれども。
快楽をもたらすので、ストレス解消だといってやるのですが、そのうち、やっていないときは不快になってきて、負の強化になってきて、だんだん依存的になってきて、止まらなくなるというものです。
そのため、先ほどの仕事がつらいからということで、短期的にはお酒を飲んで快楽を得るというプロセスですし、やり過ぎなければいいのですけれども、ボーダーラインがないのだけれども、やり過ぎると依存症になってしまって、今度は、お酒がないといても立ってもいられなくなってしまうので、仕事どころでなくなってしまう。ゲーム、ネットの場合だと、ネット、ゲームをやっていないと、いても立ってもいられなくなるほどではないのだけれども、しんどくなってきて他のことができなくなる。学業が、学校がということになってしまうのが依存症です。
あと、大人の依存と子供の依存とで決定的に違うのは、大人だと、依存症になってしまって、例えば仕事に行けなくなってしまうと食べれなくなってしまうので、実際にはクリアしてしまう方もいらっしゃるのですけれども。仕事に行ける程度に何とかお酒と付き合おうとなるのですけれども、児童の場合は、何もかも投げ出してしまうと、家にこもって、ネット、ゲームをしていると。それを保護者さんは支えなくてはいけないので、自己責任ではありません。その辺については、ネット依存の方で久里浜にいらっしゃる方でも、非常に治療に難渋するところなのですが。アルコールの場合だと、もう具合が悪くなってどうしようもないでしょう、仕事ができないでしょう、じゃあ治療しましょうということになるのですけれども、ネット依存の場合は、とりあえずの生活は保護者が確保するし、あとは具合が悪くなるわけではないので、ずっとできてしまいます。そのため、未成年者特有の依存症の問題というのもあるのではないかと。
ただ、大人たちみんながやっていると子供たちもやりたくなるし、その辺がちょっと社会的な問題でもあるとは思っています。
【委員】
今年の2月にWHOがゲーム障害を認定しましたよね。保険適用が、もうすぐできるということで、今の話と結び付けると非常におもしろくて。
私はネット依存には三つあると思っていまして、SNS依存、ゲーム依存、それから動画を見ている、動画をずっと見続ける依存者というか、三つあると思うのですが、そのうちWHOは、ゲーム障害というのを病気に認定した。これ、非常に意味があると思いまして。さっきの話で、公立中学の子は「8時に荒野行動をしよう」と言うのですが、私学の子は「5時に荒野行動をしよう」と言うわけです。学校から帰ったら、すぐに荒野行動とか、フォートナイトとかをしようかなと言いながら家に帰って、それぞれの家でネットを使ってゲームをします。
今まさに私たちの周りで一番深刻なのは小学生のゲーム問題で、WHOも、やっぱりゲームが深刻だということになっていて、ちょうど今、そういうような問題が社会的にも問題になりつつあるような状況にある中で、携帯電話の学校への持込みについて考えているところなので、非常に大きなターニングポイントになるのではないかと、話を聞いていて思いました。
一方で私は、ネット断食キャンプというか、オフラインキャンプというのを4年ぐらいやっているのですけれども、当初は、やっぱりSNSに依存する高校生の女の子がたくさんいました。それが、小学校の男の子がゲームをやめられないとなってきて、依存で心配になっている子は、どんどんゲームに、どんどん低年齢にというような印象を感じているのですけれども、そのあたりはどうでしょうか。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
確かに私たちも外来でよく診るのは、ゲームが圧倒的に多いのですけれども、ゲームをしながらSNSとか、あと動画もゲーム実況の動画、そのほか、おもしろい動画を見ていたりだとかするのですけど。おっしゃるように、SNSとゲームと動画というのは一番、依存性が高いのではないかという3本だと思います。
その中で、ゲームの危険というのが一番多く出ているので、ゲーム障害ということでWHOの方で認定されたという流れになっています。やっぱりゲームって一番、没入しやすかったりするので、非常に問題になりやすいのかな。SNSだと、相手だとかもあるので。
あと、女の子の場合とかだと、余り暴力に訴えて、とことんやる方って、そんなにいらっしゃらないです。あとはコミュニケーション能力だとかも高かったりするので、学校だとか、そんなに大変なことになりにくいのですけれども、男の子のゲームって、本当に結構大変なことになりやすいということで、非常に世の中的には、特に小学生を含めた青少年、ネット依存の問題、ゲーム依存の問題というのは大きくなってきていると思います。
今の学校って、ネット、ゲームから離れられる、本当に聖域なので、聖域は何とか死守してもらいたいというのが私たちの意見です。
でも、その一方で、安全を確保しなくてはいけないというのも、そうだと思います。
【委員】
現在、ネット依存が問題にはなっていますが、動画にしても、ゲームにしても、SNSは別ですけど、過去もあったわけではないですか。それがなぜ、今、ネット依存がクローズアップされるのかというのが不思議だと思っています。ネット依存とは言っても、要するにSNSとゲームと動画が一つのデバイスになっているために、そのデバイスから離れることに対する不安がネット依存になっているのではと思ったりもするのですが、そういう傾向ということではないのでしょうか。
【独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター】
今問題になっているのは、例えば昭和の時代だとか、平成初期の時代というのは、統計調査というのはほとんど見ていないので知り得ないところがあるのですけれども、インターネットの技術の普及と非常に相関しているのではないのかなと思います。インターネットというもの自体が、相互に瞬時に大量の情報をやりとりできるので、無限性があるものです。
それまでの、例えば昭和の時代のテレビだとか、電話だとか、あとは電子ゲーム機だとかいうのは有限なもので、例えばドラゴンクエストだとか、そういう名前を出していいのか分からないですけれども、多分、40時間とか60時間ぐらいでクリアできたので、試験前だとかにはまったりしなければ、1週間、2週間ぐらい夜更かしして、それでおしまいだったと思います。通信手段だとかも限られていたので、例えば長電話だとかも問題だったと思うのですけれども、親御さんが注意したりだとかして、それまでだったと思います。
ところが、インターネットの時代になると、無限性が出てきて、とことん楽しめてしまう。飽きずに、ずっと楽しめてしまうという要素があって、これは依存に非常に関わってきます。例えば、たばこだとか、アルコールだとかも、飽きずに楽しめるようなものです。同じような銘柄の酒、たばこをずっとやり続けるので。そのため、インターネットとの絡みというのは非常に大きいのではないのかなと。時代的に、そういうものなのかなと。制約のあるものであれば、そんなに問題にならなかっただろうとは思います。
【座長】
それでは、以上をもちまして、今年度第6回の会議を閉会させていただきます。

―― 了 ――

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