令和2年度 第2回「がん教育」に関する懇談会 議事要旨

1.日時

令和3年2月9日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 東館 11F 省議室

3.議題

  1. 「がん教育推進のための教材」「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」「指導参考資料」改訂版について

4.出席者

委員

  儀賀理暁委員、助友裕子委員、中川恵一委員、野口直美委員
  林和彦委員、前川育委員、丸山洋生委員、吉野恵美子委員
 

文部科学省

  鰐淵大臣政務官、瀧本初等中等教育局長、
     蝦名初等中等教育局担当大臣官房審議官
     三木健康教育・食育課長、堀江健康教育・食育課課長補佐
     横嶋健康教育・食育課健康教育調査官、ほか関係官

5.議事要旨

1、議事

(1)「がん教育推進のための教材」「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」「指導参考資料」改訂版 について
 
事務局から「第1回懇談会議事要旨」の説明

【委員からの御意見】
・このガイドラインは全国の何千という外部講師の活動に多大な影響を与えるので、議事要旨では各委員の意見を正確に表現していただきたい。
・素案段階で納得のいかない記述があった。公平、公正な議事要旨の作成をしてほしい。

【文部科学省から】
・今後は議事要旨作成時の確認を徹底する。

① 「がん教育推進のための教材」について
  
【事務局からの説明】
検討委員会での協議や委員からの意見を踏まえて修正点についての説明。

【委員からの御意見】
「9がん患者への理解と共生(1)」について
○「子供の立場に立った相談体制の整備」から、「相談も含めた支援体制の整備」とした方がよいのではないか。

「8がん患者の「生活の質」(2)」について
○求められるがん患者の「生活の質」の文章で、1段落目と2段落目に言っていることが同じように感じる。最後の文章は患者さんにとっては厳しい表現かと思われるので、なくてもよいのではないか。
○患者の立場としては深く入りすぎていて、まさに今がん患者の人にはつらい表現に感じる。

「1がんという病気(2)」について
○「がんには原因のわかっていないものや~リスクを減らすことができます。」の一文が長いので、途中で切ったほうが読みやすいのではないか。

「2我が国におけるがんの現状(2)」について
○日本の中で疫学的にがん患者が増えている原因だということを言ってはいるが、わかりにくいので、うまく盛り込めればよい。
○検討会で長生きをすることが悪いことのように考えられるのではないかという議論があった。
○「1がんという病気(1)がんとは」についてというところで、年と共に、という表現から読み取ってもよいのではないか。
○「2我が国におけるがんの現状(1)」のところに、「死亡原因の1位となっています。これは人口の高齢化と関連しています。」という文章があってもよいのかと思う。

「4がんの予防(3)」について
○「ウイルスの感染が原因となるがんには、ワクチンの接種により」と書かれているが、この記述については検討が必要かと思う。
○文章としては「ウイルスの感染が原因となるがんには」、だけでよいのでは。
○子宮頸がんワクチンについての情報は、委員提案の厚生労働省のリーフレットを掲載する方向で進める。(事務局)
○子宮頸がんのワクチンのリーフレットを載せるならば肝臓がんのことしか書いていないので子宮頸がんことも記載されたらどうか。

② 【外部講師を用いたがん教育ガイドライン】について

【事務局からの説明】
検討委員会での協議や委員からの意見を踏まえて修正点についての説明。

【委員からの御意見】
○化学療法、放射線療法、手術療法について、教材とガイドラインの用語を統一したほうがよい。
○用語解説の「がん患者・経験者」の項目の「特に入念な準備等が必要だ」を「入念な準備と適切な事後の対応が必要だ」としてはどうか。
○用語解説の「がん患者・経験者」の項目の「協力をお願いできる」に違和感がある。やわらかい感じがよいのではないかと思う。
○参考資料の資料1は、平成27年2月検討会の報告書で示されている内容であるが、ガイドラインが更新されたということだけで十分なのか。
○前回議論のあった、ガイドラインという名称や位置付けについて、また資格あるいは認定制ではないということの明記について、検討した結果、変更しないという結論になったのか。
○検討会でも議論され「外部講師を活用したガイドライン」という整理をした。(事務局)
○出典は、原典もしっかり明記する、ということを統一したほうがよいと思う。
○配慮が必要な事項のところで、「把握している教職員(学校)が個別に検討したうえで、適切な対応を行う」のほうが、意味として通じるのではないか。
○研修に関してはこのガイドラインでほとんどふれられていない。そこは、質問が非常に多いところなのでどこかに加えていただきたいと思う。一つの柱がないと色々な方向に走り出す可能性がある。
○趣旨などを「はじめに」のところで、思いを記述することで使いやすくなるのではないか。色々な捉え違いがないかと思うので、丁寧に言葉を選んで「はじめに」で宣言していただきたい。
○研修について一部の人しか知らないので、たくさんの人がそういう機会があるということをわかるようにしてもらいたい。
○「依頼された外部講師のために」の「指導上の留意点」は、「授業をする上での留意点」がよい。
○「はじめに」のところや(2)外部講師のところに、外部講師がなぜ必要か、どういう役割を担うのかということを、きっちり言葉を選んで文章を練り上げていくのが大切なのかなと思う。色々な大人が生きていることを子供達に示すことが結果として、何か画一的な研修や認可とかそういうものではないということを示すことができるのではないかと思う。
○3ページの第3期のがん対策推進基本計画に外部講師の方の意義が含められている。この内容を2ページのどこかに少し転記というか、これをベースに文章を作ってもらうのはどうか。

③ 【指導参考資料】について

【事務局からの説明】
検討委員会での協議や委員からの意見を踏まえて修正点についての説明。

【委員からの御意見】
○「がんにかかる」「がんになる」という表現をどちらかに統一したほうがよいのではないか。
○正確には「がんに罹患する」。だが、一般的には「なる」と使うのかもしれない。
○教員達は言葉の使い方に気を使っていると思うので文科省のほうから指定をいただいたほうが現場の人間はやりやすい。
○がんの場合は「なる」という言葉が使われるが、コロナはかかると言う。「なる」のは正確には細胞である。私ががんになるのではなくて私の細胞が、がんになる。
○がんという病気の事を話す時は「罹患」、人の事を話す時は「なる」という使い分けをすればよいのではないか。
○モジュール5のスライド5について、いわゆる局所のがんという病変が局所を深掘りしてどんどん大きくなってくる図と、ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳが誤って解釈されている。表現の仕方を工夫するか別のスライドにするほうがよい。
○専門的には深達度といってがんが深くなってくるのとステージと同じ序列にしているので、その両方を一緒に表示するのは無理がある。
○モジュール5の4のがんの顔つきのイラストは、生徒から「がんは怖い」というイメージを持つ恐れがあるので、修正したほうがよい。
○モジュール1の10、がんの原因のところは難しく、不明だけではなく偶発的な理由も結構ある。強いて言うならば提案1がよいのではないか。
○「95%の人が治る」というのは言い過ぎだが、早期がんであれば9割と言うのはよいと思う。あるいは「多く」とか「ほとんど」という言葉を使うのが良いかもしれない。
○例えば図表の表記、フォントが全部統一されていない部分があるので、学校現場として見やすい、統一された、成果物であればありがたい。
○子供が理解できるような教材、教員が分かりやすい指導書、そして外部講師となりうる方が、がん教育に積極的に携わって頂けるような、そのような思いがすごく詰まったもの。子供達や教員も様々なので、色々な捉え方をされると思う。そうなった時に教育委員会という立場としては、これらの教材やガイドラインをいかに必要である子供達や外部講師の方に伝えていくのかが重要な任務だと考える。
○外部講師の方々に対して、研修を受けないと、という負担を被せるのは違うと思う。学校側はお願いをする立場にあるので、わざわざ学校に足をお運び頂く中で何某かの資格であると思わせるのは、私も違うかと思う。教員がもっとがんのことを勉強しなくては、という資料にしたいと考えている。生徒も見る、外部講師も先生方も見る、学校の先生方もこの教材を使って研修もできる、というようになるとよい。
○「がんになる」「がんにかかる」という表記について、小学校の体育の解説書は「かかりやすくなる」と書かれている。恐らくこれは感染症が多かった時代からの継続もあるかと思うので、ぜひ「がん」が入ったことにより、保健科教育も方向転換していくと思うので、次回の改訂の時に調査官の先生に御尽力いただければと思う。

(2)その他
特になし

 

お問合せ先

初等中等教育局健康教育・食育課

がん教育推進係
電話番号:03-6734-2931

(初等中等教育局健康教育・食育課)