主権者教育推進会議(第19回) 議事録

1.日時

令和3年3月31日(水曜日)

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議事録

【篠原座長】  皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第19回主権者教育推進会議を開催いたします。今日、藤原次官が後ほどお見えになるので、うまく手交できれば今日が最後の会議になります。よろしくお願い申し上げます。
 本日の会議は、新型コロナ感染症対応の観点から、また、いつものように対面会議とウェブ会議を組み合わせた方式にて開催することとします。ウェブ会議での御参加は清水委員となります。また、小原委員、近藤委員、松川委員が御欠席です。11人中8名の委員が御出席されています。御多忙の中、御参加いただき、ありがとうございます。
 なお、本会議につきましては、報道関係者より会議の撮影及び録音の申し出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは、本日の配付資料について、事務局から説明、確認をお願いいたします。
【石田学校教育官】  本日もよろしくお願いいたします。座長から御紹介いただきましたように、本日も、新型コロナウイルス感染症対策のため、委員の皆様方につきましては対面会議とウェブ会議とを組み合わせた方式にて開催させていただきます。会場にいらっしゃる委員の皆様におかれましては、御発言に当たりましてはインターネットでも聞き取りやすいよう、ゆっくり、はっきり御発言いただく、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。また、ウェブで御参加の清水委員におかれましては、御発言以外はマイクをお切りいただく、御発言に当たりましては手を挙げるボタンを押していただくよう、お願い申し上げます。
 それでは資料の確認を申し上げます。議事次第を御確認ください。配付資料は、議事次第にございますとおり、資料1と資料2、そして最終報告取りまとめに当たっての座長見解をお配りしております。本資料は、前回2月の会議においていただいた御意見、並びに会議終了後に改めて修正案をお送りして委員の皆様方からいただいた御意見の二度にわたる御意見を踏まえて座長と御相談し、修正した最終報告案ということで、資料1、資料2をお配りしてございます。具体的には、資料1、分厚くなってございますけれども、こちらはいただいた御意見を反映し、参考資料までつけたものでございます。資料2につきましては、中間報告からの主な充実箇所に下線を引いたものとなってございます。またさらに、最終報告取りまとめに当たっての座長見解をお配りしてございます。あわせて、委員の皆様方の机上には主権者教育推進会議のこれまでの会議資料をドッチファイルでお配りしております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。
 以上でございます。
【篠原座長】  ありがとうございます。
 資料は、大丈夫ですか。特に抜けているものはありませんね。大丈夫なようなので、それでは本題に入りたいと思います。
 今、事務局から御説明があったように、皆様方の修正意見をできるだけ反映すべく努力したつもりでございます。おおむね反映することができているのではないかと思いますけれども、全部を反映というのは全体の流れの中で難しかったものですから、そこのところは御不満がおありかもしれませんけど、御了承いただきたいと思います。
 それと、皆さんにお配りした案の一番最後の白丸で、選挙について、将来は投票の義務化も考えていいのではないかという白丸があったんですけども、これはかなりの委員の方から異論、反論がございましたので、ここは削除いたしまして、これを切り出して、皆さんのお手元にある私の座長見解という形でお示しをさせていただきました。それ以外の修正箇所については事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石田学校教育官】  それでは、お手元の資料2に基づきまして御説明申し上げます。先ほど配付資料の確認を際にも申し上げましたとおり、資料2は、中間報告から加わった主な箇所に下線を引いた資料となってございます。またあわせて、申し上げましたとおり、この資料は、前回、2月19日の主権者教育推進会議におきまして、委員の皆様方からいただいた御意見を踏まえて、改めて座長と御相談の上、修正案を作成いたしまして、本日の会議前に、事前に一度、委員の皆様方にお送りし、意見照会をお願いしました。その事前にお送りした修正案に対していただいた御意見を反映したものがこちらの資料2になっております。本日は、事前にお送りした修正案について、委員の皆様方からいただいた御意見を踏まえて修正した箇所のうち主なものを御説明申し上げます。
 まず、7ページをお開きいただけますでしょうか。7ページ「主権者教育をめぐる課題と今後の推進方策」というところでございますが、一つ目の○の三行目、18歳の投票率並びに19歳、20歳の投票率について、当初の水準から、都度、低下する結果になっている旨の追記をしてございます。こちらは神津委員からの御指摘を踏まえてございます。
 さらにそこから四行下、「投票という行為は主権者としての権利の行使の一つであり、主権者教育の出口(成果)としての側面を有している」としてございます。こちらは小原委員の御指摘を踏まえたものでございます。
 続いて9ページを御覧いただければと思います。9ページ、各学校段階における取組、初等、中等教育における取組の充実でございます。
 一つ目の○の二行目ですが、小中学校における指導の充実に際して学校における働き方改革の観点を踏まえる旨、追記をしてございます。こちらは神津委員からの御指摘を踏まえたものでございます。あわせまして、同じページの下段の脚注に、近年の動向として関連する中央教育審議会の答申を紹介する形をとってございます。
 続きまして、少し飛びまして15ページを御覧いただければと思います。15ページは、大学段階の取組に関わってでございますが、一つ目の○の三行目です。こちらは小原委員からの御指摘を踏まえまして、ともすれば主権者教育の取組は高等学校までの教育を中心に行われがちであるが、大学段階においてもその成果をつなぐことが重要である旨の修正を行ってございます。
 続きまして、1ページおめくりいただきまして16ページを御覧いただければと思います。こちらは教師の養成・研修というところに関わる部分でございます。一つ目の○の一行目の後ろから、教師の養成・研修に関わりまして、「教師が意欲をもって実践に臨んでいくために」と、その目的を追記してございます。こちらは神津委員からの御指摘を踏まえたものでございます。
 また、17ページを御覧いただければと思います。家庭・地域における取組の充実というところでございますけれども、二つ目の○の三行目から四行目にかけてでございます。こちらは清水委員の御指摘を踏まえておりまして、家庭教育における主権者教育の重要性について、保護者に対し普及啓発する際に家庭教育の自主性を尊重する旨を追記してございます。
 続きまして19ページでございます。二つ目の○、多様な主体による連携・協働の推進というところに関わるところでございます。こちらは神津委員からの御指摘を踏まえておりまして、社会対話の重要性ということを書き込んではどうかということで、「地域における社会対話を担う様々な主体相互の連携・協働により」と追記をしてございます。
 最後に一番後ろの22ページを御覧いただければと思います。一番下の○の一行目でございます。投票という行為は主権者としての権利の行使の一つということを書き加えてございますけれども、これは先ほど御説明申し上げました、小原委員からの御指摘を受けた7ページの修正と平仄をとって修正してございます。
 事務局からの御説明は以上でございます。
【篠原座長】  ありがとうございます。今、事務局からも報告がありましたように、一応皆様方の御意見は、取り入れられる限り取り入れて修正をしたつもりでございますけれども、なおその上で、この最終報告案について、何か特段の御意見がもしあればお伺いをいたしたいと思います。皆様、よろしいでしょうか。
 では、特に御意見がないようなので、この報告書を最終報告とさせていただき、後ほど藤原次官がここに到着されますので、手交したいと思っております。
 その間に、後で私もちょっと御挨拶させていただきたいと思いますけれども、先ほど言いましたように本日が最後の会議になりますので、各委員から2年8カ月にわたってやってきたこの会議を振り返っての御感想や、あるいは今後に期待することなどについてお話いただきたいと思います。これは、お一人ずつ御発言いただこうと思います。
 まず、植草委員、どうぞ。
【植草委員】  おはようございます。植草でございます。今日は最後の会議ということで、一言、感想めいたことをお話しさせてください。
 まず、座長はじめ委員の皆様方には大変お世話になりました。ありがとうございました。また、文科省の関係の方々は本当に御苦労されたかというふうに思います。いろいろありがとうございました。私自身、大変、勉強になりました。
 今回の主権者教育の会議に参加させていただいたことで、例えば、今とても進んでいます教育改革、例えば設置者が異なる学校間の連携ですとか、あと地域とか、また、NPO等の外部機関、さらには行政機関との連携、こういったものが学校では進んでいるわけですけれども、まさに主権者教育というのはこういうものを抜きには絶対考えられないというか、今、進んでいる教育改革のまさにエッセンスが入り込んだ教育になるのではないかなと思っています。そしてやっぱり子供たちに、政治が人ごとではなく自分事だということ、それと正解がない課題に対して取り組んでいくこと、その辺を子供たちに気付かせていく非常に重要な教育になるかと思います。
 この会議に参加させていただいたことを本当に光栄に思いますし、また私ごとですが、昨年からまた一教諭として教壇に戻っています。新年度からは高校3年生の政治・経済を担当するわけですけども、そういう中で、今回、様々な形で手に入れた様々な事象を実践に移していきたいと思っております。
 本当にありがとうございました。以上です。
【篠原座長】  どうもありがとうございました。
 続きまして、神津委員、よろしくお願いします。
【神津委員】  大変ありがとうございました。何と言っても篠原座長の議事さばきと、それから田村座長代理には、節目のところで私にとって勉強になるコメントをいただきました。そのことも含めて全ての委員の皆さんに感謝申し上げます。
 また、事務局の皆さんに大変御苦労いただいて、先ほど御紹介いただいたように、直前になって、幾つか意見を取り込んでいただきました。もっと早く気がつけばよかったのですが、大変御苦労をおかけしました。改めて感謝申し上げます。
 やはり、この最終報告でも述べられているように、実践が大事だと思いますし、取り込んでいただいた「社会対話」についても色々な側面があると思います。私どもにとっては、政労使といった意味での社会への貢献ということも大いにあると思っています。中村委員と私は途中からこの推進会議に入れていただいたわけですが、今、中村委員の属する経済同友会と連合とで主権者教育についてシンポジウムができないか、といった御相談もしております。篠原座長にも登壇いただきたいということで、今、計画を始めているところですので、自分たちも、まさに主体的に、一生懸命、この最終報告の内容の実現に向けて汗をかいていきたいと思っております。本当にありがとうございました。
【篠原座長】  どうもありがとうございます。続きまして小玉委員、よろしくお願いします。
【小玉委員】  小玉です。どうもありがとうございました。
 今回の最終報告案で、一つこれまでの文部科学省の政策より一歩踏み込んでいるというふうに考えているのは、これは座長のイニシアチブもあって盛り込まれたんですけれども、ドイツをはじめとする諸外国で行われている政治教育においては、中立原則について、いわゆる政治そのものを避けるのではなくて、対立や論点そのものと向き合うということで、政治的な当事者も含め論争的な問題に向かうことを前面に出した政治教育を推進しているところがあります。それをかなり意識した内容が盛り込まれておりまして、2015年、平成27年の通知で、18歳選挙権によって大きく方向性が変わった日本の主権者教育の具体的なあり方を、具体的には11ページから12ページぐらいのところで、ドイツやイギリスのシティズンシップ教育や政治教育の母体となっている政治教育センターのようなものを、日本でも、第三者機関やNPOを活用しながら事実上それに近い形のものを位置づけられないかという提言が盛り込まれております。これによって現場の先生方が、政治教育や主権者教育に対して萎縮せず取り組む環境を整えることが可能になるのではないかと思っております。ここのところはかなり今回の報告案の歴史的な部分として評価いただけるのではないかと考えております。
 ちょうど昨日ですか、再来年度から使用される予定の高等学校の教科書が発表されたことが報道等で話題になっておりますけれども、タイミング的にはそこを狙ったわけではなくて、結果的にコロナで遅れたということなんですけれども、しかしながら結果的にそういう高等学校の新学習指導要領に基づく教科書の公表と合わせる形でこの提言が発表されることになったのは、非常にいいタイミングだったというふうに考えております。ぜひ現場の先生方、あるいは生徒が、前向きに主権者教育、政治教育に取り組めるような環境の整備に私どもも心がけていければというふうに思っております。
 折しも今、諸外国でも、例えば香港やミャンマー等に見られるように、民主主義を求めて立ち上がっていく運動、しかしながらそれが十分に貫徹できないような国が現状ある中で、権利や民主主義というものは、実際に主権者が行動し、勝ち取っていくものだという観点を肝に銘じながら、ぜひ主権者教育に取り組んでいきたいと考えております。どうもありがとうございました。
【篠原座長】  どうもありがとうございます。では、佃委員よろしくお願いします。
【佃委員】  この委員会で皆様の議論に加えさせていただきまして、私自身も大変勉強になりました。ありがとうございました。大変立派な最終報告案であると、非常に誇りに思っております。
 この中で、主権者教育を受けた子供たちが投票に行こうと考えて、そして実際に行くようにきちんとした動機づけを与えて、そういう気持ちにきちんとさせるというのがこの教育の出口、ディプロマ・ポリシーであるということを先ほど座長がおっしゃいました。これは、目的が大変クリアであると考えます。
 もう一つの問題は、投票に行く際に、個々の問題について、全体像を俯瞰的に見て論点整理をして、自分の考え方を整理して、それを投票に結びつけるかという点です。これは、主権者教育というよりも、むしろ教育そのものの問題であると、各委員の方々の議論を通じて感じました。これについては、今後とも教育全体の問題として、みんなが考えていかなければいけない問題であると考えております。
 大変立派な報告書をありがとうございました。
【篠原座長】  どうもありがとうございます。
 では、続きまして、中村委員、よろしくお願いします。
【中村委員】  中村でございます。先ほど神津委員からも御紹介があったように、途中から参加をさせていただいております。というのは、一昨年、経済同友会の政治改革委員会で当時の小林代表が、2045年のあるべき姿を担当する委員会として政治改革を位置づけられたということで、非常に期間の長い課題をいただきました。
 それでいろいろ検討していく中で、政治、行政にプレッシャーを与えられるのは主権者だよねという結論になり、主権者教育をやろうと。そういう中で、文科省からも一回、同友会に来ていただいて講演していただきました。
 そうしたら、そのお返しというわけではないんですけど、第5回の当委員会に呼ばれまして、経済同友会がどういう動きをしているかを発表させていただきました。
 その後、ぜひこの会議にも参加しろということで参加をさせていただいて、大変勉強になりました。田村座長代理の学校にもお伺いしたり、幾つかの現場にも伺ったりすることができました。そういう部分では、思っている以上に進んでいるところは進んでいるなと。ただ、足立区のときにも聞いたんですけど、「ここまで進んでいる学校は平均値ですか」と言ったら、「いや、特別です」と。これが平均値になることが大事なんだろうなと思っております。
 そして先ほど2045年ということで、2045年に主権者の中心となるのは今の小中学生であると。そこからの教育をしっかり継続的にやっていくことの大切さをぜひ訴えたいということと、当時、英国のEU離脱の問題、トランプ大統領の出現、フェイクニュースとファクトという情報が非常に入り乱れて世の中を取り巻いている中では、自己を確立し、判断力や批判力、いわゆる政治的リテラシーが絶対必要だよね、子供たちにそういうことを与えていく必要があると。
 それには、片方ではエフィカシー――自分が参加したことによってこういう結果が得られたという効力感も必要だよねといった論議をしきりにしておりました。
 この委員会に参加をして非常に私自身も勉強になりましたし、今後も経済同友会としても主権者教育をもう少し探究したいということで進んでおります。事あるごとに文科省の方々に来ていただいて講演していただいたりして、官民でそういうものがどんどんどんどん醸成されていけばいいなと思っております。今後ともよろしくお願いをしたいと思います。本当にいい勉強になりました。ありがとうございました。
【篠原座長】  こちらこそ、ありがとうございました。
 それでは、あとはウェブ参加の清水委員、よろしくお願いします。
【清水委員】  日本PTAの清水です。私は昨年10月からこの主権者教育推進会議に参加をさせていただきまして、約半年間というところでございました。半年間ではありましたけれども、大変お世話になりました。ありがとうございました。
 今回のこの最終報告書の、先ほども御報告ありましたように17ページのところですが、家庭、地域における取組の充実というところで、「家庭教育の自主性を尊重しつつ」という文言を盛り込んでいただきまして、本当にありがとうございました。国や地方公共団体が家庭教育支援を行うことが明確になったのではないかなと思います。
 この家庭教育に関わる部局の強化等々について言及もされておりますけれども、行政組織の見直しにかかわらず、家庭教育支援の充実強化を、まずは当然ですね、文部科学省のほうでぜひお願いをしたいと考えております。
 この会議体で議論することではないのかもしれませんけれども、行政組織を見直すということであれば、学校教育において幼児期から大学まで一貫して質の確保や条件設備に責任を持って行っていただける、なおかつ学校・地域・家庭の連携が十分にできる、そのような組織にしていただきたいと思います。
 以上、意見も含めて、感想でございます。本当に半年間大変お世話になりました。ありがとうございました。
【篠原座長】  どうもありがとうございます。
 それでは最後に、田村座長代理からよろしくお願いします。
【田村座長代理】  本当に早いもので、2年にわたる時間がこの会議にかけられたわけですけれども、この会議に参加させていただいて、このような最終報告をまとめさせていただいたこと、それに協力できたことを非常に誇りに思っているというか、本当によかったなという感じを持っているのが今の実感でございます。
 今、日本は国を挙げて、教育の改革が――探求の時間という表現がありますけれども、行われているわけですが、その中核にあるのが、実は主権者教育だと私は考えておりました。最終報告案を読ませていただくと、その考えの下にこの議論が展開したなと実感いたしております。そういった最終報告に参加できたことを誇りに思っているところでございまして、座長を中心とした委員の皆様方の御指導、御協力、また、文科省事務局の大変な御協力にも、ここで感謝を申し上げさせていただきたいと思っております。
 ただ、文科省のこの最終報告は、私は学校の現場にいるのでわかるのですが、間違いなく大きな影響を学校の現場に及ぼすんですね。ですから、非常に改革そのものが今、進行しているなかで、いろんなハレーションを起こさないように慎重に、できるだけ問題を起こさないようにという最終報告にしておかないと、現場から全然違ったところで反発をされても困るので。その点を現場にいる人間の立場として座長に申し上げたりしたこともあって、それが今回の最終報告にちゃんと反映されておりますので、よかったなというのが今の率直な感想でございます。
 座長は本当に御苦労されて、そばにいてその辺はよく理解させていただいているつもりです。今後も、この最終報告からいろんなことが起きてくると思いますので、それをぜひいろんな形で、委員の皆様方も全員含めて、この最終報告の考え方に沿って日本の改革が進んでいくといいなと、感謝とともに、そんな感想をもっております。今後もよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
【篠原座長】  どうもありがとうございます。日本の改革ということですから、ぜひこれが寄与できればいいなと思います。
 藤原次官が御到着されました。私から御挨拶をして、それから手交に移らせていただきたいと思います。
 各委員におかれましては、本当に長きにわたりこの会議にお付き合いをいただきまして、本当にありがとうございました。2年8か月。新型コロナの関係で会議を開催できない時期もありましたし、神津委員や中村委員、あるいは清水委員には途中から参加という形で、非常に御不便、不自由、不規則な形で参加いただいたんですけれども、ずっとその後、熱心に議論に参加をしていただいて本当にありがとうございました。
 それから事務局にも、私のいろんな要求に非常に誠実に対応していただいて、これも心から感謝を申し上げたいと思います。私はやや強引に何ごとも進める癖がございます。そういうところがございますけども、それにもめげず対応し、お付き合いをいただいたことを感謝いたします。
 先ほど「大変長くなった」ということを申し上げましたが、この間、海外視察や国内視察、ヒアリングも相当丁寧に重ねたつもりでございます。今までも主権者教育に関わるいろいろな会議があったと思いますけれども、そういう意味では、大体やり尽くしたぐらいやったのではないかなという感じを私は持っております。
 ただ一つ残念なのは、最後、先ほども申し上げましたけども、投票の義務化のところについて、私は前回の会議で諮ったつもりだったんです。そのときにはほとんど反論がなかったように記憶しているんですね。それが、「意見修正がありますか」と言ったら、どっと反論が来ました。ぜひ、ああいうときには会議の場でまず発言をしていただきたいなと。そうするとこちらも、取りまとめについてはこういうふうにしなきゃいかんなという一つの心構えができるので。そういうことについてちょっと私も違和感があるんですけども、非常に反対が多かったんで、座長見解という形で別立てにさせていただくことになりました。
 今後については、先ほど小玉委員からもお話があったんですけども、民主主義というものは、日本は勝ち取ったという意識が国民の間にあまりないんじゃないかと。つまり、戦後与えられた民主主義みたいなところがあって、それを能動的な民主主義にどう変えていくのかがこれから大きなポイントになると私は思います。そういう意味でこの主権者教育というのは、それの一つの原動力に、うまくやればなるのではないかなと思っています。
 それから、結局最後は選挙に、主権者の意識、意思の行使というのは収束していくわけですけれども、そういう意味では、今後とも文科省と総務省でよく連携をして進めていただきたいと思います。今回はたまたま文科省という場をお借りして主権者教育の会議をずっと展開してきましたけれども、私の頭の中には、これは文科省にとどまらず総務省とタッグを組む、あるいは政府全体、もっと言えば社会総がかり、こういうような少し大きめの視野でできるだけ展開をしたいと思っています。そして、そういうつもりでやってきたと、私自身は自負しています。
 ただ、なかなか主権者教育というと、何か漠然と受け止める方も結構いらっしゃるんですよね。だから、そこをうまくこの最終報告書を踏まえて、具体的に各教育現場に落とし込んでいただきたいなと思います。これは私からもお願いでございます。
 本当に長い間充実した議論をやらせていただきまして、私自身も、かなり疲れるぐらい、どっぷりこれに浸かったという印象でございます。あとは皆さん方や世の中の批判に耐えていかなければいかんところもあると思いますけども、ぜひこれを基に日本の主権者教育がどんどん推進されていくことを心から願って、私の挨拶とさせていただきます。本当に関係者の皆さん、ありがとうございました。
【石田学校教育官】  それでは事務局を代表しまして、藤原事務次官より御挨拶を申し上げます。
【藤原事務次官】  事務次官の藤原でございます。遅参して申し訳ございません。
 この度、この会議の報告書が取りまとめられたということに当たりまして、事務局を代表しまして私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 この会議は先ほど座長からもお話がありましたとおり、平成30年8月から約2年8か月という長きにわたるロングランということでございまして、本当に委員の皆様方、お疲れさまでございました。
 とりわけ、篠原座長、田村座長代理におかれましては、その取りまとめにあたりまして、いろいろと御苦労いただきまして、本当にありがとうございました。本日、こういった形で最終報告を取りまとめいただいたことにつきまして、心から感謝申し上げたいと思います。
 たまたま今年は、これから都議選があったり、あるいは年内に必ず衆議院の総選挙もあったりするという選挙イヤーでありまして、そういった環境下で主権者教育というのは非常に大事な役割を果たす、つまり脚光を浴びるということだと思いますので、本日こういう形で取りまとめをしていただいたということは本当にありがたいなと思っている次第でございます。
 文部科学省といたしましては、この会議で取りまとめられた御提言は非常に多岐にわたり御示唆に富む内容でございますので、できれば早い段階でそれぞれについての工程表みたいなものをまとめまして、いつまでに何をやっていくかをしっかりと文部科学省としてまとめて施策を推進する、その中核となるのがこの報告書になるんじゃないかということでありますので、しっかりと引き続き対応させていただくことをお約束いたしまして、私からの御挨拶といたします。本当にありがとうございました。


(篠原座長から藤原事務次官に最終報告を手交)


【篠原座長】  これをもちまして、本日の会議を閉じさせていただきます。何回も繰り返しますけども、本当に長い間、お付き合いをいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。
 事務次官から、先ほど工程表をつくるというお話がございましたけれども、ぜひこれを具体的に現場に落とし込む、総務省や政府の中でも協力しながらと思います。
 これは文科省の主権者教育というより、政府の主権者教育のという頭で、我々は議論させていただいたつもりなので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、長い間本当にありがとうございました。本日はこれで閉会とさせていただきます。


―― 了 ――
 

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