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幼児教育の実践の質向上に関する検討会(第6回) 議事録

1.日時

令和元年10月23日(水曜日) 15時30分~17時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 幼児教育の質の向上について
  2. 委員からの発表
  3. 国立教育政策研究所幼児教育研究センターからの発表
  4. 意見交換
  5. その他

4.出席者

委員

無藤座長、神長副座長、東委員、新山委員、遠藤委員、古賀委員、佐々木委員、岡林委員 

文部科学省

蛯名審議官(初等中等教育局担当)、森友幼児教育課長、西平企画官、河合幼児教育調査官、高橋専門官、堀川専門官

オブザーバー

内閣府子ども・子育て本部参事官付(認定こども園担当)八田参事官、厚生労働省子ども家庭局保育課大月企画官

5.議事録

【無藤座長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまより、幼児教育の実践の質向上に関する検討会(第6回)を開会いたします。第5回より大分間が空きましたけれども、改めて、お忙しい中御参集いただきましてありがとうございました。
 今回、報道機関等から写真撮影の御希望を頂いているそうでありますので、議事に入るまでの間、これを許可することといたしました。撮影を希望される方は、どうぞ今お願いいたします。
 本日の議事に入ります前に、前回以降で、委員の交代に伴う新たな委員の任命がございました。事務局より御紹介をお願いいたします。


【髙橋専門官】  それでは、新たに本検討会に御就任いただきました委員を御紹介いたします。
 高知県教育委員会事務局幼保支援課専門企画員、岡林律子委員でいらっしゃいます。


【岡林委員】  こんにちは。岡林と申します。どうぞよろしくお願いします。


【髙橋専門官】  なお、事務局側の出席者につきましては、時間の都合上大変恐縮でございますが、座席表をもって代えさせていただければと存じます。


【無藤座長】  ありがとうございました。
 続きまして、本日の資料につきまして、事務局より、御説明、確認をお願いいたします。


【髙橋専門官】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に加えまして、本日は資料1から5まで、参考資料1から3までございます。過不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。


【無藤座長】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 写真撮影はここまでとさせていただきます。
 それでは議事に入りたいと思います。前回会議から少々日程が空いておりますので、これまでの5回にわたる議論を基に、事務局の方で論点メモを作成していただいてございます。今後の本検討会での議論のベースになるものと考えてございますので、まず、事務局からその内容につきまして御説明いただきます。その上で意見交換を行いたいと思います。その後に、本日は遠藤委員、それから渡邊国立教育政策研究所幼児教育センター長より、それぞれ御発表をお願いしてございますので、その後、意見交換を行いたいと思います。

 それではまず、事務局より御説明をお願いいたします。


【髙橋専門官】  それでは、資料2について御覧ください。なお、本日は参考資料3として、幼児教育の現状でありますとかデータ的なものも配付をさせていただいてございます。参考にしていただければと存じます。
 先ほど座長からもありましたとおり、前回会議から少々日程が空いてしまったこともございますので、これまでの5回にわたる御議論を基に、改めて事務局の方で論点メモという形で整理をさせていただいてございます。
 また、本日、参考資料1と2の方にも付けさせていただいておりますが、現在、中央教育審議会で、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」という諮問に関する審議が行われております。今回、幼児教育も含めた初等中等教育全体を包括する諮問内容となっており、具体的には、初等中等教育分科会の下に、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会が設置され、横断的な議論が行われております。同諮問においては、幼児教育の質の向上、これも諮問事項の一つとして掲げられており、今後、今回の論点メモの内容をベースとして、特別部会の方へ事務局より経過報告をさせていただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料2の1ページ目を御覧ください。まず、現状でございますけれども、御案内のとおりではございますが、近年、幼児教育の分野の政策は大きな変化を見せております。平成27年度からの子ども・子育て支援新制度の施行、本年10月1日からは、3歳から5歳までの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化する、幼児教育・保育の無償化がスタートしております。
 一方で、教育内容面については、平成30年度より新幼稚園教育要領が実施され、新たな要領に基づいた実践が現場でなされている段階にあります。幼児教育分野への公的な投資がますます大きくなっている中、同時にそれに見合うだけの質の高い教育を提供できているのかという幼児教育の質の向上を求める声が、ますます強くなってきている状況にあると言えるかと存じます。
 こういった背景を踏まえ、今回これまで御議論いただいてきた御意見について、5つの柱立てに沿って整理をさせていただいております。
 そうしましたら、2ページ目を御覧ください。まず、1ポツでございますけれども、幼児教育の内容・方法の改善・充実になります。全体の構成として、四角囲みの中に主な論点、その下に、これまで頂戴していた主な御意見を記載させていただいております。時間も限られておりますので、主な論点を中心に簡単に説明をさせていただければと存じます。
 まずこちらについては、新幼稚園教育要領などの実施に当たって、効果的な指導方法や教材研究等についてどのように考えるのか。また、どのようにその内容を教職員一人一人が理解し、実践に反映させていくのかという論点。次に、幼小接続についてですけれども、その推進についてどのような方策が考えられるのか。公立幼稚園だけでなく、私立幼稚園、さらには保育所、認定こども園と小学校との連携強化、接続の推進をどのように図っていくのか。幼児教育現場における先端技術の活用について、どのような方策が考えられるのか。障害のある幼児、外国につながる幼児といった特別な配慮を必要とする幼児への支援について。これはまた今後、次回以降に御議論いただければと考えているところではありますが、どのような方策が考えられるのか。こういった論点を挙げさせていただいております。
 次に、4ページ目を御覧ください。2ポツということで、幼児教育を担う人材の確保・資質及び専門性の向上になります。こちらについては、これまでも本検討会で大きく取り上げていただいたところでございますけれども、若年離職者が多い中、高い専門性を有する教職員を育成・確保するためには、どのような工夫が考えられるのか。教職員の資質向上のため、キャリアステージごとの効果的な研修の実施・普及の在り方について、どのように考えるのか。預かり保育や子育ての支援などの教育課程外の活動への対応が増加する中、教職員の保育の専門性向上のために、どのような工夫が考えられるのか。幼稚園教諭の上級免許状の取得促進であったりですとか、専門性向上のための方策について、どのように考えるのか。こういった論点を掲げてございます。
 次に、6ページ目を御覧ください。3ポツ、幼児教育の質の評価の促進になります。こちらについてもこれまで御議論をいただいてきたところですが、まず、公開保育や学校評価を通じた園の運営改善・発展を図り、教育の質向上に向けたPDCAサイクルを構築していくためには、どのような工夫が考えられるのか。自己評価の実施、これはもちろんのことですけれども、学校関係者評価、第三者評価の普及促進に向けて、どのような方策が考えられるのか。幼児教育の質の評価に関する手法の在り方について、どのように考えるのか。また、その成果の普及についてどのような工夫が考えられるのか。こういった論点を掲げてございます。
 続きまして、7ページ目を御覧ください。家庭・地域における幼児教育の支援になります。こちらについては、家庭や地域において幅広く幼児教育の理解を深めるためには、どのような工夫が必要か。預かり保育や子育ての支援の在り方をどのように捉えるのか。経済的困窮や虐待など、様々な問題を抱える家庭への支援の観点から、福祉機関をはじめとした関係機関との連携強化について、どのように考えるのか。こういった論点を掲げております。
 最後に8ページ目を御覧ください。5ポツ、幼児教育を推進するための体制の構築になります。こちらについては、この後、本日御発表いただく内容にも関係するところですし、これまでも御議論いただいてきたところですが、まず最初に、国公私の別、施設類型の垣根を超えた地域の幼児教育の質向上のために、地方公共団体ではどのような推進体制を構築することが考えられるのか。幼児教育の担当部局一元化の在り方、幼児教育センターの設置など、幼児教育に関する一元的な施策の企画・実施の在り方について、どのように考えるのか。幼児教育の専門性を有し、指導・助言を行う指導主事であったり、幼児教育アドバイザーなどの育成・配置の在り方について、どのように考えるのか。国における幼児教育に関する調査研究拠点の役割について、どのように考えるのか。こういった論点を掲げてございます。
 主に論点の部分について駆け足での御説明となってしまいましたけれども、加えまして、これまで過去5回の検討会の中で頂戴している主な御意見については、今回それぞれの柱ごとに記載をさせていただいているところでございます。
 事務局から説明は以上になります。よろしくお願いいたします。


【無藤座長】  ありがとうございました。これまで過去5回の会議でございますけれども、そこでの主な意見について、それぞれの柱ごとに整理し、記載していただいたわけでございます。当然これまでの議論の整理ということですから、きょうを含めて今後の議論がさらに追加されていくだろうと思いますが、きょうの段階で追加の御意見、あるいは御質問などがあれば、今お願いしたいと思います。いかがでしょうか。どの部分からでも結構です。多分中教審の初中分科会への報告は、細かいところまでは今回はしないのではないかとは思います。余りそこであったりなかったりで、我々が縛られるわけでもないとは思います。いかがですか。どうぞ。


【東委員】  失礼します。美晴幼稚園の東でございます。公益財団全日本私立幼稚園幼児教育研究機構の理事の立場でもありますので、私立幼稚園団体の動きと併せて、少し御報告申し上げたいと思います。
 今、事務局の方で論点を5点整理していただきましたけれども、実は昨年11月に、全日本私立幼稚園連合会並びに我々の研究機構で機関決定をしまして、チャレンジ・ビジョンという7つのアクションを立てまして、行動に移っているところであります。10年先を目途に、その中間点の5年先を中間目標として、5つのアクションを、数値目標を立てて実践しているわけですけれども、ほぼほぼこの5点と重複する形で、論点というか、行動のアクションプログラムの整理をさせていただいております。
 後ほど詳細な議論のときにもお話しできればと思いますけれども、例えば幼稚園教諭の上進制につきましては、文部科学省の委託費の事業にも予算化をいただき、当年度実施していただいているところでありますけれども、例えば7件で既に実施を見ているんですが、予備調査の段階から幼稚園教諭の二種免許取得者の上進制の意識が非常に高くて、全て賄い切れないような状況にあるということがあります。
 教員の自立性を伴ったキャリアアップをしていきたいという要求と重ね合わせて、幼児教育の質の向上のための体制整備が、様々な機関でだんだんと着実にやられているんじゃないかという印象を持っているところであります。
 以上であります。


【無藤座長】  ありがとうございました。全日本私立幼稚園連合会の動きと密接につながりがあるということは励まされるところであります。ほかにはいかがですか。特段今なければ、いつでも追加で御発言いただいて結構です。
 事務局からの説明にありましたけれども、現在、中央教育審議会におきまして、初等中等教育分科会の下に、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を設置して、各諮問事項について横断的な議論をなさっているそうであります。そして本検討会の中では、東委員がその委員を兼ねていらっしゃいます。今回の論点メモをベースとして、先ほども申し上げたように、次回の特別部会は多分今週かと思いますけれども、事務局より御報告をしていただきたいと思います。
 それでは、資料2についてはここまでということで、続きまして、遠藤委員より御発表ということでよろしいですか。
 遠藤委員につきましては、昨年度、文部科学省が3年間、委託事業としてお願いしておりますが、幼児教育の推進体制構築事業というものの成果につきまして、センター長をお務めになってございます、東京大学教育学研究科附属発達保育実践政策学センターにおける委託研究の内容を中心に、御報告をお願いしたいと思います。
 それでは、15分程度ということですのでよろしくお願いします。


【遠藤委員】  皆さん、こんにちは。遠藤と申します。私からは「幼児教育に関する自治体の体制」ということで、文科省の方で平成28年度から30年度に行われました幼児教育の推進体制構築事業、それに関連して私どもは、全国の自治体に対して平成30年度、昨年には、比較的規模の大きい調査を行わせていただきました。その調査結果の一部につきまして、本日は御発表させていただきたいと思います。
 ちょっとこのあたりは時間の関係もあって、言わずもがなと思いますので、少し割愛させていただきます。
 幼児教育センター、アドバイザーの必要性に関しては、いろんな形で議論がされているわけですが、昨今、人の一生涯にわたる心身の健康であったり、ウエルビーイングの獲得ということにおいて、乳幼児期における認知・非認知の基盤形成が非常に重要だということが声高に叫ばれている。そういう中で、保育・幼児教育の質の向上というのが大きな課題として掲げられているわけでございますが、日本の現況においては、保育の量の拡大ということは確実に進んでいると言えるにしても、その質ということに関して言うと、なかなかそれが追い付いていないのではないか、その質の確保は追い付いていないという状況の中で、質の向上をどういうふうに図っていくか、それから幼児教育は当然のことながら日本では義務教育ではないために、都道府県による園や市町村への指導助言や支援が不十分であり、非常にそこにばらつきもあるということがございます。さらには、私立幼稚園に対する自治体からの指導助言や支援が、いろんな事情で難しいということがある。
 そういう中で、日本全体における幼児教育の質の向上、あるいは全体的な底上げということを目指して、幼児教育センターやアドバイザーというものを設置することに大きい意義があるのではないか、そういうことが言われて、それが実際に、文科省で幼児教育の推進体制構築事業という形で進められてきたのだと思います。私どもはこれに関連した調査研究、その成果を定量的・定性的に検証するということをやってまいりました。
 調査の方法といたしましては、基本的には質問紙調査ということでございまして、その質問紙を全国の1,785自治体全てに悉皆的に送らせていただきました。結果的にはその半数以上、52.2%の回答率がございまして、その中で幼児教育センター、あるいは幼児教育アドバイザーを設置、配置することが、実際にどういう成果、効果を上げる可能性があるのか、その一端が少し見えてきたところがございますので、そのことについてお話をさせていただきたいと思います。
 私どもは平成28年度にも文科省から委託という形で研究を行わせていただき、全国の自治体に質問紙調査を送付してデータを得て、そのときにはそこにありますように、センターの設置が43ということだったんですが、今回の平成30年度の調査では、それが50と少し数値が変わっているところがございます。
 幼児教育センターがどこに設置されているかということでございますが、基本はやはり教育委員会の中に設置されていることが多い。大体6割の自治体で、教育委員会の中に幼児教育センターが設置されているということがございます。ただ、そのまま部署の変更などがなしに設置されている場合と、その中でも新たな組織という形で設置されている場合、いろんなケースがあることも分かってまいりました。
 そしてその各自治体が幼児教育センターを設置した理由ということなんですが、1つはやはりそこにございますように、研修・調査研究機能の強化、それから公私、施設類型を超えた、例えば研修などの取組の推進、そういったことを狙いとしてセンターが設置されているということがあるようでございます。
 逆にそれを設置していない自治体は、なぜ設置しないかということに関して、やはり予算等の見通しが立たないことが一つの大きい理由になっているのでございますが、しかしその一方で、現行の体制で十分に対応できていると考えている自治体が4割程度あるということが分かってまいりました。
 それから幼児教育センターの取組の対象としては、特定の施設形態に偏ることなく、様々な施設形態に対してそれがなされていることが見えてまいりました。
 それから、じゃ、この幼児教育センターの設置の効果を、自治体幼児教育担当者がどのように認識しているかということに関してなんですが、これは5段階評定で、平均値の値が高くなれば高くなるほど、基本的にはそういうふうに認識しているということを意味しているんですが、例えばそのセンターを設置したことによって、こっち側にあります幼保小連携の推進というのが進んでいるのではないか、それから保育者への研修・相談業務ということが効果を上げてきているのではないか、そういったところで効果を認識しているということがあるようでございました。
 ただ一方で課題として挙げられているものとしては、やはり様々な事業を推進していく上で、ちょっと予算面で苦しいところがあるということ、それから各施設の取組状況に差があるというのは、具体的に言うと、私立園にアプローチすることがなかなか難しいと感じているところがどうも多いようだということが見えてまいりました。
 それから、これは幼児教育センターの施設類型ごとの課題ということでございまして、例えば施設の独自性や建学の精神を尊重する必要がある。これは特に、やはり私立園というところにおいてはそれぞれの施設の独自色があり、そしてまた、建学にそれぞれ異なったもともとの方針がある、そういうものをどれだけ尊重した形でアプローチすることができるか、そういったところに一つは難しさを感じている。この所掌外の施設に対して関係部署との調整が難しいということに関しても、実は特にやはり私立園に関しては、そこにうまく助言などを行うことが、様々な部局との調整なども含め、非常に困難を伴う場合がある、そんなことが見えてまいりました。
 それで、じゃ、この幼児教育センターを設置したことによって、具体的にどういう効果が見えたかということなんですが、これは平成28年度の調査と、今回、平成30年度の調査の2回のデータに基づいて、一つ見えてきたこととして申し上げます。上の方の平成28年度の段階で基本的にはまだセンターを設置していなかったけれども、しかしその後、平成30年度までにセンターを設置した自治体に関して言うと、平成30年度、いまだセンターが設置されていないところに比べまして、この公私、公立、私立合同の研修回数というのがかなり確実に増えている。統計的には有意ではないんですけれども、平均で言いますと、年度において8回ぐらい増えているという効果が認められました。
 今度は平成30年度のデータの中での比較なんですが、センターを持っていない自治体とセンターを設けている自治体において、どういう違いがあるかというデータになっております。こちらは、センターを持っている自治体とない自治体で、保育者間の交流の機会がどれぐらいあるか。センターを持っているところはこれが100%ということで、かなり数値が高いということでございます。
 それから、センターを設けているところで、幼保小接続を見通した教育課程の編成に取り組んでいるところが、やはりパーセンテージが高いとなっております。
 それからこちらは人事異動ということに関してなんですが、やはりセンターを有している自治体において、その人事異動というもののパーセンテージが高くなっております。
 さらには、これは先ほどのデータとまたちょっと違う角度のもので、要するに30年度の中の比較なんですが、センターを設けていないところと設けているところで、この幼保小合同研修の回数のパーセンテージが、基本的にはやはり非常に高くなっているということがあります。結局センターを設けているところにおいては、この幼保小合同研修がなされる中で、先ほど申し上げた、こういった保育者間の交流の機会というのも確実に増えていると読み取ることができるかなという気がいたします。
 ちょっとこの辺をまとめますと、センター設置数というのは平成28年度から微増、それほど増えているということではないんですが、若干増えている状況ではございます。
 それから、教育委員会にその幼児教育センターを置いている自治体が6割強あるということでございます。
 それから、研修・調査機能の強化や公私・施設類型を超えた取組の促進のために設置する自治体が多い。一方で、現行の体制で十分対応できていると自治体も4割あって、これが実際はどういう認識の下で十分に対応できているという判断に至ったかというあたりは、今後また調査する必要があるのかなと感じていたりもします。
 あと、幼児教育センターは公私・施設類型を問わず、取組の対象としているということで、幅広くいろいろな形態の園を対象としていることが見えてまいりました。
 それで成果認識ということに関しては、先ほどの繰り返しなんですが、幼保小の連携ができつつあるのではないか。それから保育者に対しての研修をしっかりと企画し、実施するということが、ある程度できているんではないか。
 一方で課題としては、私立園に対する支援というのをしたいけれども、なかなか難しいところがあると感じている自治体がどうも多いようだということが見えてまいりました。
 それから先ほどのことなんですが、公私合同研修の実施回数の増加、これは確実に言えそうだということと、あとは幼保小連携に取り組む傾向。センターを設けることによって、接続や連携に向けた取組が実際に進んでいる可能性がある。そんなところが見えてきたところでございます。
 次に、幼児教育アドバイザーの配置の現状・成果ということでございますが、これが平成28年度調査と平成30年度調査の基本的な統計値となっております。常勤、非常勤ごとにまとめさせていただきました。
 それで、どんな方が幼児教育アドバイザーになっているかということなんですが、圧倒的に多いのは、公立幼稚園出身の退職園長のような先生方であったり、あるいは公立保育所出身の先生方であったり、それから小学校の校長先生や、あるいは教員をされていた先生が比較的、その幼児教育アドバイザーになっていることが多いことが見えてまいりました。
 それから訪問対象。これも幅広く特定のところ、形態に偏らず、いろんな園に対して訪問をしていることが見えてきたところでございます。
 それから、訪問頻度ということの統計値なんですが、どういったところをより多く訪問するかというと、やはり公立幼稚園、あるいは公立認可保育所、それから小学校、ここはどうしても比較的訪問回数としては多くなってしまい、逆に私立園などに関しては訪問回数が少ないという実態が見えております。
 それから、これが効果認識ということなんですが、自治体幼児教育担当者の効果認識に関して言うと、アドバイザーを派遣することにおいて、園長先生以外の保育者の質の向上が図れているんではないか。それから園内研修機会の確保・質の向上ということがある程度できているんではないか。このあたりの数値が比較的高いと見て取ることができます。
 それから、こちらが課題ということなんですが、基本的にやはり施設側からの研修・相談・助言のニーズというものが少ないこと。要するに、手を挙げて基本的にアドバイスを受ける件数がまだまだ少ないあたりが、一つ悩みの種になっているということ。それから、これは先ほどのデータともつながるんですが、施設の独自性や建学の精神を尊重する必要性があるということで、アドバイスをする際に、そうした独自性、独自色を考慮しなければいけないところに、少し難しさを感じる場合があるということが見えております。
 それから、この幼児教育アドバイザーに対してどれぐらい研修がなされているかということなんですが、基本的には半数ぐらいのところで研修が行われていないという実態が見えてまいりましたということで、この辺が一つ大きい課題としてあるのではないかと思われます。
 それから、幼児教育アドバイザーに求める資質・能力といたしましては、多岐にわたって様々な資質・能力を求めているんですが、基本的にはやはりこの幼児教育や保育技術に関する専門的な資質・能力というところに対する期待、それが多いようでございます。あるいは保護者や地域対応に関する資質・能力。一方で、もう一つはやっぱりこの特別支援というところに関するニーズというのが、実は結構高いのかなと見て取ることができます。
 次に、今までお話ししたことは自治体対象の調査研究だったんですが、今度は昨年の10月に行いました、幼児教育施設117園に対して送付させていただいた質問紙調査の結果の概要ということについて、簡単に申し上げたいと思います。
 結果的には87園から御回答いただいたということなんですけれども、そこで施設長、園長先生などが幼児教育アドバイザーを派遣してもらったことにおいて、どんなふうに認識しているかということ。特にやはりそのアドバイザーを派遣していただいたというところで、特別な支援を必要とする子供の対応に関する助言を頂けている、そこに関しての認識というのが、比較的数値としては高い。それから園内研修への参加及び指導・助言ということに関して、アドバイザーから助言を実質的に頂いているという認識が多いということでございます。
 実は、今度は現場の保育者さんの認識ということなんですが、特にこれは施設長と余り変わるところがございません。特別な支援ということと、あとは園内研修に関して助言をもらえていると考えている割合が高いということでございます。
 効果認識ということに関しましては、施設長の先生方は、園のよい取組を認め、後押ししてくれる、アドバイザーは園の自主性を尊重してくれるというところで、比較的それを肯定する数値の部分が高くなっています。一方で、アドバイザーの支援内容は多様である、アドバイザーを受け入れることで多忙化にはつながっていないというところでの評定の値が低くなっているということは、支援内容は多様ではなくて、少し偏りがあるんじゃないかとか、あるいはアドバイザーを受け入れることが、少し多忙化につながっているところがあると感じている、そういうことを意味しているのかなという気がいたします。
 保育者の認識といたしましては、基本的にアドバイザーの資質・能力に不安はないとか、あるいはアドバイザーの支援内容は明確である、このあたりが比較的評定の値が高くなっております。
 ただ一方で、スケジュール調整はスムーズかとか、訪問要請の方法は明確であるかというところの数値がかなり低くなっています。実はこれは手続的なところで、実際にその助言を受けることに当たって、アドバイザーとの間でスケジュールをすり合わせていくところが、実は非常に難しいと感じている場合が多いということと同時に、どういうふうに園のニーズを伝えて助言を引き出すか、そこの部分の手続がよく分からないというか、そこに対してちょっとハードルを感じている場合がどうも多そうだ、そういうことが見えてまいりました。
 それから、効果をどういうふうに認識しているかというところで、これは幼稚園と保育所の差ということなんですが、例えば支援内容が明確であるとか、あるいは自主性が尊重されているとか、あるいは園の課題や方向性が明確化されている、それを肯定的に受け止めるのは、保育所に比べて幼稚園の値の方が概して高くなっている。
 一方で、幼児教育アドバイザーの資質・能力への不安というのは、保育所の方で幼稚園よりも高くなっているということでございます。概して幼稚園の方が、そのアドバイザーを肯定的に評価している、逆に保育所の方が若干アドバイザーに対して不安に感じているところが多いような、そんなところが見えております。
 それから、この幼児教育アドバイザーによる訪問というところで、特に効果にどういう要因が関係しているかということ、ちょっとこれは重回帰分析の分析結果を、もうそのまま提示させていただいているものなんですが、下線を引いているところでございます。例えば園の自主性の尊重というところが高く評定されている場合に、アドバイザーの訪問回数がどれぐらい関係しているかということなんですけれども、実は訪問回数というよりも、1回当たりどれぐらいの数のアドバイザーが来てくれるか、こちらの方が効果の認識というところには、もうどうも深く関わっているようだ。こちらの方が園の自主性の尊重というところでの効果。
 それからこちらが園のよい取組の認定・後押し。それをしてもらっていることに関して、実は1回当たりの訪問人数が多い場合に、そういうふうにしてもらっているとか、あるいは自主性を尊重してもらっていると感じることがより多いようだ。余り訪問回数ということではなくて、1回当たりの訪問人数、要するに、チームでアドバイスを受けることができた場合に、言ってみれば少し満足度が高く、そして効果ということを認識しているところがあるんじゃないか、そんなことが見えてまいりました。
 さらには、受託自治体へ幾つかヒアリングをさせていただいたんですけれども、そういう中で、幼児教育アドバイザーとして、保幼小以外の校種の教員経験者であったり、特別支援学校の先生、ソーシャルワーカーとか、臨床発達心理士・言語聴覚士など、様々な専門性を有した人材配置を行っている自治体がある。そして、実はそういう異なる専門性を持ったアドバイザーがチームで訪問している場合に、現実的には非常に効果があると認識されている場合があるということ。さらには、複数のアドバイザーでの訪問や専門職との訪問というのは、アドバイザー同士の学び合いや情報共有の機会となるということが、そのヒアリングの結果、見えてきたところでございます。
 幼児教育アドバイザーの採用源の多角化というところ、これがもしかしたら一つポイントになる部分があるのかなとということと、あとはやっぱりこの複数人での訪問というのが、実はかなり有効なところがあるんじゃないか、そんなことが一つ言えそうなところでございます。
 と同時に、各幼児教育施設の課題に適したアドバイザーを派遣できるかというマッチングの問題というところが、一つ大きい課題としてあって、ニーズに応じた本当に専門性を持ったアドバイザーが来てくれて、現実的にやはりニーズにかなった助言が得られるかどうか、このマッチングに関しては、実はこのあたりが、幼児教育センターの方のむしろコーディネートの課題ということになるんだと思うんですが、そのあたりに一つ問題がありそうだということは見えてまいりました。
 ということで、この辺はまとめなんですが、幼児教育アドバイザーの現状ということで、配置数は平成28年度と比較して、余り大きな変化はない。でも、もしかしたら非常勤から常勤へアドバイザーが移行しているところが多いかなということを見て取ることができました。アドバイザーは公立保育園・保育所の出身者が大半で、雇用形態は賃金が7割ということ。あとは公私・施設類型問わず訪問しているけれども、しかし公立幼稚園、公立認可保育所、小学校への訪問がやはりどうしても多くなりがちであるということ。あとは、自治体担当者は私立園における支援を課題として認識している。それから、幼児教育アドバイザーへの研修を行っていない自治体が約半数あるということ。幼児教育アドバイザーには幅広い資質・能力が求められているということです。
 さらにこれは逆ということなんですが、課題というところで申し上げますと、幼稚園、保育所といった施設類型によって、アドバイザーの訪問スケジュールに違いが見られないというのは何かというと、特に保育所においては、多分時間のすり合わせというところが非常に重要になるんですけれども、その訪問スケジュールの柔軟性がうまく具現されていないことが比較的多いことが見えたところでございます。
 あとは、アドバイザーが機能するためには、幼児教育施設側のアドバイザーの受け入れのなれということで、実は受け入れる側は、結構やっぱり心理的な負担と、ハードルをかなり感じているところがあるようでございまして、これが実際は、要するに1回の助言で終わってしまう、1回の訪問で終わってしまうところが、それなりの数あるわけです。一方でやっぱりそれが2回、3回、多いところだと1年間に10回以上、そういう形で訪問や助言をもらっているような園もある。そういう中で、特に1回目において、どういう形でそのアドバイザーを受け入れるか、そのあたりへの配慮というのが、実はすごく重要なんじゃないか、そんなことも少し見えてきたところでございます。
 と同時に、必ずしも同じ施設類型出身のアドバイザーによる訪問が有効であるとも限らない、そんなことも見えてまいりました。
 あと、この辺の成果認識は先ほど申し上げたとおりということになるわけですけれども、先ほどの繰り返しなんですが、やはりこの幼児教育アドバイザーの採用源、様々な専門性を持ったアドバイザーをどういうふうに確保することができるかと同時に、そうした異なる専門性を持ったアドバイザーが、チームとして訪問することに、どうも意味があるようだというところで、そういう体制をどういうふうに築くことができるか、そんなことが一つ今後の課題になるのかなという気がいたしております。
 これはもう繰り返しなんですが、幼児教育アドバイザーに関して見えてきたことです。自治体への取組の効果としては、センターを設けることによって公私合同研修が増加した、それから幼保小連携に向けた様々な活動が推進された、こういうことが一つ成果として言えるところ。それから幼児教育アドバイザーを配置したことによって、これは実は公立幼稚園の方が、効果認識は保育所よりも高いという結果になっているんですが、様々な専門性と複数人での訪問を行う場合に、実際にそれが効果を上げている可能性がある、そんなことが見えてきたところでございます。
 それで、少し時間が長くなってしまっているんですが、今後の幼児教育センターやアドバイザーへの提言として言えることは、実はやはりこういう調査を行っていますと、幼児教育アドバイザーを配置して派遣しているということは、割合確実に進んできていると考えられるところがあるんですが、じゃ、その幼児教育アドバイザーをどういうふうにうまく活用するか、そこのコーディネートというところが必ずしも適切にできていないんじゃないか。
 いわゆるそれぞれの地域のニーズをどういうふうに掘り起こし、そして分析し、そしてそのニーズに応じた、どういった専門性を持ったアドバイザーを配置する、あるいはどういった専門性を持ったアドバイザーをチームとして派遣するか、そういったところを検討し、コーディネートして、あるいはオーガナイズしていく役割を、今後やはりこの幼児教育センターというところが果たしていく必要性があるんじゃないかということです。
 そして雇用に関して言うと、多様な専門性を持った人材を確保する。これはそれぞれの地域によって難しいところもあるんだとは思うんですが、できるだけその専門性の偏りのないというところが、一つ重要なんではないかという気がいたします。
 それから養成というところで言うと、アドバイザー育成、特に倫理ということです。アドバイスを行うというところへの倫理的な配慮、あるいはアドバイザーに求められる心構えであったりとか、あるいは各自治体での養成研修体制の整備、この養成に関わるようなところをどういうふうに今後進めていけるか。
 それから派遣というところで、園のニーズとアドバイザーの専門性・訪問時間のマッチングというところに、実は特に大きい課題がある。特に保育所に関して言うと、特にこの訪問時間のマッチングというのは、かなり大きい課題になっているような、そういうところが見えてまいりました。
 それから職能成長というところで言うと、アドバイザー同士の学び合いの機会の整備(カンファレンス)、こういったものをどういうふうに実現していくことができるか。実はそれを実現することができることが、結果的にはアドバイザーの資質の向上にもつながるところがあるということでございまして、そういったところを今回の調査結果に基づいて、一つ提言させていただくところでございます。
 ちょっと長くなってしまいましたが、私の発表はここまでとさせていただきたいと思います。御清聴、どうもありがとうございました。



【無藤座長】  御発表ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御発表につきまして、御意見、御質問等があればお願いいたします。いろいろ幼児教育センターなどに関わりのある方もいらっしゃると思います。いかがでしょうか。どなたからでもお願いいたします。どうぞ。


【古賀委員】  御発表ありがとうございました。京都教育大学の古賀です。
 ちょっと質問を幾つかと意見を幾つかお願いしたいと思いますが、質問で先にお聞きしたいことは、10ページのところで、遠藤先生からも、さらに調査が必要かというようなことが出ていたかと思いますけれども、現行の体制で十分対応できていると回答した自治体の中の施設種の構成等、何か特徴があるようでしたら教えていただきたい。10ページの幼児教育センターを設置しない理由のところで、現行の体制で十分対応できていると回答した自治体の中の施設種別構成に、何か特徴があったかどうか、もしお分かりになりましたら。


【遠藤委員】  特にほかの自治体とそれほど大きい違いはございませんでした。少なくとも集団で分析をする限りにおいては、それほどの違いはございませんでした。


【古賀委員】  ありがとうございます。もう一点質問ですが、ちょっと私の理解が不足しているんですが、24ページのところで、訪問頻度なんですけれども、これは各園に何回という回答になっているんでしょうか。


【遠藤委員】  はい。そういうことです。


【古賀委員】  そうすると、地域型保育事業所と認可外保育所が少なくなっているのは、その数自体が少ない。


【遠藤委員】  そこにございますけれども、全く訪問しなかった色が、半年に1回、年に1回といったところをグラフ化したものでございますので。基本的にはやはり、全般的に訪問はされているんですけれども、どうしても公立園というところが比較的多くなっているというのは、別の言い方をすると、公立園の方が要するに手を挙げることが多いというか、必要だということで、訪問を求めることが多い、そういうことを意味しているんだと思います。


【古賀委員】  ありがとうございました。あとは意見なんですけれども、訪問スケジュールの調整について、困難が多いということだったんですが、これはICT等の活用で、ウエブ上で、例えばアドバイザーの専門別にスケジュール調整ができるようなシステム構築ができればよいのではないかと思ったことが1点と、それから、チームでアドバイザーが訪問することについての効果があるのではないかというのは非常に示唆的で、どのような専門性の組み合わせで訪問することに効果があるのかといったことが、さらに知れたらとは思いました。
 それから、ニーズの掘り起こし段階というものと、そこから先の自主的な研修要請段階というのがあるのではないかと思いましたので、センターの側から伺うということで調整する段階が終わった先の訪問スケジュールの調整の在り方を、2段階で考える必要があるのかなと思ったことと、もう一つは、無償化との関係で、やっぱりセンターの設置数自体が少ないことが、かなり地域の格差につながっているのではないか、これは何とか解消する方策はないのだろうかと思いました。
 ありがとうございました。以上です。


【無藤座長】  ありがとうございます。何かありますか。とりあえずはいいですか。


【遠藤委員】  特にヒアリングの結果として、いろんな自治体に実はその実態について御意見を伺ったりしたんですけれども、保育所に関して言うと、例えば午前中だけで終わらせるような工夫をしているところは、保育所への訪問というのも、実はすごく数としては多かったりするんです。
 ですから、幼稚園と同じように一日中とか3時までとかという拘束時間がやっぱり長くなると、どうしても保育所はなかなか受け入れられないということがあるようで、しかしそれを例えば半日でいいとか、あるいは1日の数時間というところで、むしろ数を増やしていくという体制を組んでいる自治体は、比較的うまく、保育所も含めて訪問ができているということが、一つ浮かび上がってきたところでございますので、そこはちょっと補足させていただきたいと思います。


【無藤座長】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。


【佐々木委員】  鳴門教育大学附属幼稚園、佐々木です。
 27ページの幼児教育アドバイザーへの研修で、研修を行っていないのが49%ということに関係してなんですが、私どもの徳島県でも、以前この制度をやり始めたときには、引退している所長さんや園長先生なので、新しい教育制度等のことについては、今からまた勉強するのかなみたいな発言もあったりしました。
 実際現場から出る、この子の対応をどうしたらいいですかとかいうような、経験値で十分答えられるようなことはそれで十分なのですが、新しい幼児教育の方向性とか、開かれた教育課程やら、カリキュラム・マネジメントやら、様々な新しい知見をいかにアドバイザーの先生にも知っていただいて、現場の即時的な要望だけじゃなくて、全体の教育をよくしていこうかということについて、自分たちも苦労しているところです。
 我が県では育成指標のようなものを基に、徳島県全体がどういう保育者を養成したいんだということも含めて、言ったら失礼ですが、無理やり研修をするような方略に出てきておりますし、やっぱりそういうことについての意識を高めるようなことも必要かなというのを、自分も実感しております。
 以上です。


【無藤座長】  ありがとうございます。ほかに。どうぞ。


【東委員】  美晴幼稚園の東です。
 私立幼稚園の園長でありますので、今回の結果と、それから課題が、非常に一つ一つ納得というか、現状を反映しているなという認識を持って拝聴していました。特に重要なのは、各園のニーズに寄り添うようなアドバイザーの派遣が実現できているかどうかが非常に大きなことで、多分事前調査とかヒアリングとかいう、階層的なアドバイザーの介入の仕方がないと、手も挙げづらいし、その園とか保育者や園長の困り事とミスマッチを起こしてしまうのが、まさに調査結果に出てきた点だと考えています。
 それと複数で訪問することの意味の一つは、やはり何が課題なのかということが十分認識されていない場合に、多様な専門性を持った方に入っていただくことで、自覚ができることがあると思うんです。それとマッチしたときに、具体的にどういうアドバイスを求めるのかとか、内々のケースにつなげるかということが結びついて、つながっていきますので、その辺も非常に現場の声を反映されたような結果になっていると考えます。
 それともう一つ、大きな課題になってくると思うんですけれども、合理的な配慮や教育的な支援が必要な子供たちへの保育については、どこの園も非常に困っていますし、課題に捉えていると思うんです。そうすると、アドバイザーの一つの介入の方略というか、切り口として、やはりそこから入っていくことによって、保育内容だとか保育の仕方の問題にも派生していくことがあると思うんです。
 最初にもお話ししましたけど、階層的な介入の仕方だとか、現場ニーズに応じた専門性を持ったアドバイザーを派遣するということも、重要性を再度認識した次第です。御報告ありがとうございました。


【無藤座長】  ありがとうございます。ほかにございますか。どうぞ。


【岡林委員】  高知県教育委員会幼保支援課の岡林です。
 御発表ありがとうございました。高知県もアドバイザーを40名ほど、今年も委嘱しておりますけれども、やはりチームとなってアドバイザーが複数で園を訪問すると、アドバイザー同士の安心につながり、また園にとっても多様な助言を頂けるということで、非常に好評を得ております。特に新たにアドバイザーになられた方には、ペアで一緒に訪問していただくことで、アドバイザー同士も学び合いになるというところが、非常に効果が高いかと思いました。
 また、アドバイザーが小学校へ訪問することが、24ページのグラフにもありましたけれども、高知県では、幼保支援アドバイザーには、小学校に行っていただくということがありません。元校長先生である保幼小連携アドバイザーを2名雇っておりますので、その方には小学校へ訪問していただいておりますが、幼保支援アドバイザーを小学校へ派遣したり介入したりする方法やその内容についてはこれから学ばなければならないところだと、興味深く聞かせていただきました。


【無藤座長】  ありがとうございます。ほかに。どうぞ。


【新山委員】  全国国公立幼稚園・こども園長会の新山です。
 遠藤先生、ありがとうございました。全体を通じて、この幼児教育センター・アドバイザーを全国にしっかり増やしてほしいということをいろいろなところでお願いしている中で、あっ、これしか増えていないんだと。正直なところ、50かと。国の幼児教育に対して、もっとお金も使って、全ての子供たちに質の高い幼児教育をと言って無償化にしていることを、こういうところにどう反映させていったらいいのかなと改めて感じました。現時点では、まだまだ全然そこに行っていないんじゃないかなということを痛感させていただきました。
 それから、幼児教育センター、アドバイザーに関しては、遠藤先生のお示していただいた資料の中にもいろいろなところで出てくるんですけど、我々国公立幼稚園が一番指導も受けていますし、多分指導する側、実際にアドバイザーなどをしてくださっている先生方も、国公立のOBの方たちがかなりだと思っております。その中で、今、全国の自治体で、財政上の理由などから統廃合の動きが出てきていたり、こども園にして、もう民間に委託してしまおうという動きがあちこちで起こり始めていたりすることを、とても危惧しています。
 といいますのは、そのことで、まずは国公立で幼児教育の理論も実践もしっかりとやっていく人たちが、育っていく場が失われてしまう、そういう場がなくなってしまう。もちろん私立幼稚園でも保育園でも、しっかりとした保育をされているところはたくさんありますけれども、きょう先生が出していただいた資料を見ても、やっぱり国立や公立の先生方がきちんと勉強しながら、幼児教育の本質をしっかり守っていってくれるというのが、数字としても出てきています。
 ただ財政的な負担が大きいということは、確かに人件費は高くなりますので。ということで国公立がなくなってしまうと、まずは現状を支えていく人もいなくなる。それから、将来的に指導的な役割を担うべき人を育てていくところが全くなくなってしまう。東京都の中で23区のうち、ある区が10年ほど前に公立幼稚園をなくしてしまいました。何年かたってから、都の園長会の方に、幼児教育のアドバイザーをしてくれる先生はどなたかいませんかと、募集のチラシを持っていらっしゃるということが、その後続いています。結局地域の幼児教育の質を担保するために、質を上げていくために、自分のところでそういうことをしてくれる先生を育てることを放棄してしまうことにやりかねない。
 財政上の理由からかもしれませんけれども、そういうことが日本全国のあちこちで起こってしまうと、その地域全体の幼児教育の質が確保できないと思っています。公立幼稚園は自分たちの園だけが残りたいと思っているわけではなく、公立園が核として残っていかなければならないと考えているのです。そういう意味で、今回の無償化の財源のことですとか、全体的に幼児教育に関する子ども・子育て支援新制度の趣旨に則った財政的な措置が、国立や公立などをしっかり残していくことにも寄与してほしい、言ってほしいと、とても強く、きょうの資料を見ていただいて改めて痛感したところです。


【無藤座長】  ありがとうございました。じゃ、そろそろこの議論はここまでなんですけど、私もちょっとだけ申し上げたいんですが、私も主に県レベルですけれども、幼児教育センターの設立とか助言役を大分幾つもしております。
 また、実を言えば本年度、この4月から幾つか新しく作ったところも多いと思いますけれど、それを見ていると、当たり前なんですが、県といっても、例えば面積の広さというのは様々だとか、あるいは保育所が多いか、幼稚園が多いか、認定こども園かということでも大分違うので、それぞれの特徴とか工夫というものを、今後の課題としては出せないかというのが1つなんです。
 それから、アドバイザーが園訪問するという場合に、アドバイザーといっても、県のセンターに直接属している人と、実を言うと市町の方にアドバイザーがそちらのお金でいる場合とか、いろいろありまして、県所属の人が全ての園を訪問するということは物理的に不可能なので、その辺のところで、ある県ではカスケード方式と呼ぶんですけど、滝です。ですから、県、市、園というレベルで少しずつを広げていくということで、むしろ私は最近は、県の人間が直接園を訪問することはある限度を設けて、やたら行かないで、代わりに行く人を市なり、町なり、近くで養成することをやった方がいいと思います。
 3番目は、私は研修をもっと増やすということは非常に大事だと思っているんですけれど、実を言うといろんな幼稚園団体、保育所団体など、公立でも私立でもたくさんの研修をやっています。それらともうちょっと接合とか連携とか集約をしていくと、全部センターで新しくやらなくてもできることはたくさんあると思うんです。そういう情報交換とか相互参加とかということをやるだけでも大分違うので、少しずつそういうことは始まっていると思います。
 最後に、どの県に行っても必ず要望されるのは、安定した予算措置をしてほしいということで、国が全部面倒を見るという趣旨のものではないでしょうけれど、国がある程度の安定財源として出した中で、県や市も、じゃ、やろうとなってくれるかなという期待であります。
 じゃ、済みません、まだあると思いますが、ここまでにして、次の議題に行きたいと思います。
 既に渡邊センター長においでいただいておりますので、御発表いただきたいと思いますけれど、国立教育政策研究所の幼児教育研究センターは平成28年4月に発足でありますが、幼児教育に関する国の調査研究拠点として、各種プロジェクト研究に取り組まれているということで、その取組についてを整理して発表していただくということでよろしくお願いいたします。


【渡邊センター長】  ただいま御紹介にあずかりました、国立教育政策研究所で幼児教育研究センター長を務めております渡邊恵子と申します。本日は、当センターの活動について御説明する機会を設けていただきましてありがとうございます。
 最初に、当センターの設置の背景について御説明したいと思います。当センターは、今御紹介にありましたように、平成28年4月設立でございますが、その背景といたしましては、海外において幼児教育研究に対する関心が高まり、また、国内の幼児教育政策、特に無償化に関する議論が進展する中で、幼児教育の重要性やその質に関して、エビデンスに基づく政策立案の必要性が高まったことを受けて設置されました。具体的にはここに挙げました文部科学省の検討会議において、平成28年3月、幼児教育に関する国の調査研究拠点の整備が必要という報告書がまとめられましたことを受けて、設置されております。
 文部科学省の検討会議の報告書を踏まえて、当センターに求められる役割と活動をお示ししたのがこのスライドです。幼児教育に関する国の調査研究拠点として、幼児教育に関する調査研究を行うとともに、既に幼児教育に関する調査研究を様々に行っておられる大学や地方自治体などと研究ネットワークを構築し、それらの研究成果の普及に努めることとされております。
 当研究所における幼児教育研究センターの位置付けについてはこのスライドの右側、組織などについては左側を御覧ください。当研究所内のセンターとしては比較的小さい組織のため、十分には対応できていない面もありますが、本検討会の座長の無藤先生、副座長の神長先生には、上席フェローとして常日頃御指導いただいておりますことに、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 本日御紹介する当センターの活動の概要は、このスライドにお示しした4点になります。
 まず1つ目、プロジェクト研究でございます。幼児教育研究センター発足後、最初に成果を公表したプロジェクト研究が、幼小接続期の育ち・学びと幼児教育の質に関する研究です。この資料は成果報告書の柱立てを示したもので、その内容は大きく2つに分けられます。1つは、国際的にも重要な時期として注目されている幼小接続期、主に5歳児後半から1年生前半を対象に、幼小接続期カリキュラムの実態を分析するとともに、いわゆる非認知的能力と呼ばれたり、社会情動的スキルとも呼ばれるものを、育ち・学びを支える力と名付けまして、それを捉える手法を検討しました。
 もう一つは、幼児教育の質に焦点を当て、海外における主要な評価指標の概説と、その日本における活用可能性、さらには日本の幼児教育に適した評価指標案の検討を行ったものです。
 本日はその内容の一部分をかいつまんで御説明します。まず、第1部の育ち・学びを支える力を捉える手法の検討についてですが、こちらの研究では、社会情動的スキルを育ち・学びを支える力と名付け、それを捉えるために質問紙調査を行いました。質問紙調査の内容は、スライドの上半分に書いてあるとおりでございます。
 質問紙調査の結果から、好奇心、自己主張、粘り強さ、自己調整、協同性の5因子を、育ち・学びを支える力としまして、学び・生活の力、こちらも5つ、読み書き、言葉、数、分類、生活習慣ですけれども、その関係などを分析いたしました。
 また、幼稚園と小学校の2時点を縦断的に調査した結果を基に、育ち・学びを支える力の5歳児から1年生への影響も分析しております。
 分析結果も簡単に御報告しますけれども、幼稚園の保護者、小学校の保護者、小学校教師のモデルでは、好奇心が学び・生活の力に影響していて、興味関心や試行錯誤、工夫、振り返りなどが学びの基礎となっていることがうかがわれました。
 小学校保護者と小学校教師のモデルでは、集中して諦めずに挑戦し、最後まで取り組む粘り強さも、学び・生活の力に影響していることが示唆されました。
 このことをイメージ図としてお示ししたのが、このスライドと次のスライドの2枚になります。時間の関係で詳しくは御説明できませんが、2つだけ補足しておきますと、このスライドで協同性から生活習慣を指している薄い水色の矢印は、やや弱いものの負の影響が見られたことを示しています。この理由の検討は今後の課題としております。また、5歳児では好奇心が学びの力を支えていることが伺えたことに、特に注目をしております。
 こちらは小学校1年生に関するイメージですけれども、1年生では好奇心に加えて、粘り強さや協同性も、学びや生活の力を支えていることが示されたと考えております。
 駆け足で恐縮ですけれども、次に、5歳児から1年生への影響についてです。幼稚園のときの好奇心、自己主張、自己調整の高さは、小学校入学後のそれぞれの高さを予測するとともに、幼稚園の好奇心と自己調整が小学校の粘り強さに、幼稚園の自己主張と自己調整が小学校の協同性に影響していることも見られました。
 このような分析結果を踏まえまして、後ほど御説明いたします、現在実施中のプロジェクト研究では、より長い期間、子供たちの育ちと学びを調査することにより、育ち・学びを支える力を一層丁寧に捉えたいと考えております。
 次に、プロジェクト研究のもう一つの柱であります、幼児教育の質に関する研究について御紹介します。幼児教育の質に関しては様々な分類が議論されておりますけれども、当センターのプロジェクト研究では大まかに、構造の質、プロセスの質、子供の育ちと学びの姿の質と捉えて研究を進めました。
 幼児教育の質に着目した理由としましては、国内外における質の評価への関心の高まりが挙げられます。例えばアメリカを中心に、ECERSと呼ばれている質スケールが、1980年の初版発行以降、アメリカ国内や英語圏の国々のみならず、翻訳されて各国で用いられているような状況もございます。さらにSSTEWと呼ばれております、2015年にイギリスで刊行された2歳から5歳の保育の質を測定する尺度もございます。この2つは日本語にも翻訳されて、紹介されております。
 このほかにも質評価スケールと言われるものが海外では多数開発されていること、日本でも、自己評価チェックリストとか評価ツールの開発が行われ始めていることなどを踏まえて、私どもとしても整理、分析をしました。この成果報告書の時点のまとめといたしましては、質評価スケールの活用には意義が認められる一方で、日本の幼児教育の特徴を踏まえた質評価スケールの考案に向けては、慎重な検討が必要な点もあるだろうということでまとめております。
 以上、御説明してきた過去のプロジェクト研究の成果と課題を踏まえ、幼児期からの育ち・学びや幼児教育のプロセスの質に関する研究をさらに深めるべく、一昨年度からまた新たなプロジェクト研究に取り組んでおります。
 研究目的は、幼児期から児童期にかけて、同じ幼児・児童を継続的に調査することにより、幼児期から児童期への教育の意義、幼児期の教育・保育の質がその後の育ちと学びに与える影響などについて基礎的な知見を得ること、具体的には、今まで申し上げてきた育ち・学びを支える力を捉えることですとか、幼児教育におけるプロセスの質の評価とその活用の在り方について探究することです。
 所外の多くの先生方、きょうここに御出席の先生方にも常日頃御指導いただいて、研究メンバーを構成して進めております。
 簡単な概要ですけれども、初年度は地方自治体、国立大学附属幼稚園などの協力を得まして、以下のような調査を実施しております。約90園の幼稚園、保育所、認定こども園の御協力を得まして、3歳児(約2,500名)を対象とし、その保育者と保護者に対して質問紙調査等を実施しております。
 若干の協力園においては、それに加えて3歳児を対象に認知的スキル及び社会情動的スキルに関する面接調査を実施するとともに、3歳児クラスを対象に幼児教育におけるプロセスの質評価を試行的に実施しております。
 2年目は4歳児、3年目の今年度は5歳児を対象に同様の調査を実施しておりまして、小学校2年生まで継続的に調査を実施したいと考えております。
 このほかにも当研究所では、幼児期の教育に関連したプロジェクト研究を実施しております。このスライドではその概要をお示ししました。1つ目に挙げた研究につきましては、本検討会の委員でおられる遠藤先生に大変御尽力いただいたと聞いております。
 本日御紹介する本センターの活動の2つ目が、OECDの国際幼児教育・保育従事者調査です。日本も、内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省が参加を決定され、当研究所が国内の調査実施機関となっております。これはOECDが初めて幼児教育・保育施設の保育者に関して行う国際調査でして、昨年度、本調査を実施しました。当センターが国内実施機関として、3府省の御協力を得つつ、全国の幼稚園、保育所、認定こども園から216園を対象に調査を実施しております。保育者の実践の内容や勤務環境、研修の状況などについて国際比較可能なデータを収集し、政策形成に寄与することを目指しております。
 時間の関係で詳しい説明は省かせていただきますけれども、続く2枚のスライドに具体的な内容を書いております。
 3点目でございますけれども、研究成果の普及に関わるWebサイトの充実です。幼児教育研究センターのWebサイトは、ここにお示ししたような形です。当研究所のトップページにバナーも設けておりまして、そちらからも和文と英文にアクセスしていただけるようになっております。
 当センターや当研究所の活動や研究成果はもちろんですが、それだけではなく、様々な研究情報、あるいは行政情報を集約して、幼児教育に関わる行政や団体の方々、園長、所長、保育者の方々が、何かお困りのときには、まずは当センターのWebサイトで情報を探してみようと思っていただけるようなWebサイトの構築を目指しております。自治体の幼児教育センターのWebサイトですとか、自治体で作成されている幼小接続カリキュラムなどへのリンクも充実していきたいと考えまして、随時更新をしているところでございます。
 最後に4点目、研究ネットワークの構築について御紹介します。スライドにあるような様々な機関、団体、園との間で研究ネットワークを構築していくことが、当センターの役割とされております。これまでにも様々な研究機関、民間シンクタンクと情報交換を行わせていただいたり、自治体や関係団体における研修に呼んでいただいたりなど、様々な形でネットワークを広げてきました。
 先ほど御紹介しました、今実施しておりますプロジェクト研究においても、幼児教育センターや幼児教育アドバイザーを置く自治体、あるいは幼小接続カリキュラムに積極的に取り組んでおられる自治体などの御協力を得て、調査研究を進めているところでございます。
 以上、駆け足でございましたが、当センターの研究や事業の御紹介をさせていただきました。まだまだ不十分な点もあると思いますが、少しずつ充実に努めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


【無藤座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表につきまして、御質問、御意見などがあればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 さっきの幼児教育センターの話で言えば、国研のところから幼児教育センターに飛べるようになっていますよね。あれは別に網羅的でもないんですかというか、何か網羅してやるようなそういうことなのか、たまたまなのかがよく分からないです。


【渡邊センター長】  ありがとうございます。私どもはできるだけ網羅的にしたいと思っておりますが、幼児教育センターを各自治体がお作りになったときに、国研に報告いただけるツールがあるわけでもございませんので、ここで今度できるよということを情報として教えていただいたときに、Webサイトを見付けて、こちらからリンクを貼ってよろしいですかとお願いする形で、ある意味一つ一つ進めております。


【無藤座長】  そうですね。まだ幼児教育センター連合会があるわけでもないですものね。なるほど。
 ほかにいかがですか。どうぞ。


【新山委員】  ありがとうございました。今の話を聞いていて、我々は全国組織がありますので、例えば各都道府県の会長さんとかに、自分の自治体で幼児教育センターができたとかという情報が入ったら、すぐにでも幼児教育センターの方に連絡をして、ネットワークがつながってくださいということをお願いすることはできますので、それはさせていただこうと思います。ありがとうございます。
 それから、今、一番最後の方の話の中に、幼小の接続カリキュラムの話が出てきました。今、幼児教育に関心が高まってきて、幼小の接続が大事だということをしっかりと認識してくださって、あちこちの自治体で、先ほどの話の中で出た幼児教育センターですとか教育委員会で、アプローチカリキュラムとかスタートカリキュラムなどを作ってくださっています。そのことは、とてもありがたいことだと思っています。
 ただ、カリキュラムを作れば事は済んだみたいな形に、ちょっとなりかけてはいないかなということを危惧しています。幼児教育は一人一人の子供たちに寄り添って進めていくものです。カリキュラムを作れば誰でもいい保育ができますよ、などということでは全くないので、どんなカリキュラムを作ったとしても、それを使って子供たちとの行動的な関係をしっかりと積み重ねながら、実践を通して我々が学びながら、子供たちに返していくことを忘れてはいけないということを、今、僕はいろいろなところで、自分たちの仲間には伝えていったり、それから機関誌の中でそういうことを大事にしながら、来年度の企画を考えたりしているところです。
 是非、研究所のセンターの御発信の中でも、形を作ることで終わらないように、実践を大事にしてほしいということを、どこかで伝えていただけるとうれしいなと思います。


【無藤座長】  ありがとうございます。ほかにはいかがですか。どうぞ。


【岡林委員】  高知県も保幼小の接続期については、今年度からプロジェクトチームを立ち上げ、取組をさらに深めていきたいと思っているところです。これから県全体の保幼小の教職員の先生方に、報告にありました接続期の育ちや学びについて知っていただきながら、お互いの教育・保育の重要性を御理解いただくためには、非常に参考になる報告資料だと思って見せていただきました。今後、各現場の先生方に寄り添った形で、こういった報告資料も活用しながら、理解を深めていきたいと考えているところです。


【無藤座長】  ありがとうございました。ほかに。


【佐々木委員】  本園の研究発表会が11月9日にあるのですが、例年と比べて各県市の保育アドバイザーさんの御参加がすごく多いのが印象的です。もちろんその方たちは来賓でお呼びするんですが、センターを通じて、そういう研究発表会の情報とか、養成、育成に関わる内容とか、インフォメーションも含めてやると、全国的なアドバイザーさんの研修も展開できるかななんて思って、これから活用させていただきたいと感じました。


【無藤座長】  ありがとうございました。ほかにありますか。どうぞ。


【古賀委員】  御発表ありがとうございました。私もプロジェクト研究に少し関わらせていただいているところで感じていることを、少しお話しさせていただけたらと思います。
 非常に重要な研究で、幼児教育の質を図るであるとか、それからそれがどのような育ちに関わっているのかを研究するということは、これまでなかなか難しかったところで、センターのというか、非常に重要な取組としてなされているところだと思うんですけれども、ただこれは相当膨大な労力が掛かっているということが、私も関わらせていただいて感じているところで、これを例えば無償化の質の評価であるとか、そういったシステムにどうつなげていくのかということを今後考えていくに当たっては、かなり慎重な検討が必要なのではないかと感じているところです。
 例えばイギリスのケースがよく取り上げられるかと思うんですけれども、質のモニタリングであるとか成果の検証というのは、その国の無償化に至る経緯であるとか文化的な背景というものが、非常に密接に関連しているところでありまして、厚労省の保育所の保育の質の検討会の方でも出ていることですけれども、その国の文化の中で、どのような経緯、背景があって、例えば日本の無償化の検討というのはどのように進み、それで求められている成果とはどのようなものなのかということと、絡んでいくものだろうと思っています。
 ですので、本検討会でこれから検討しなければならない無償化の成果はどのようなものになるのかということを、慎重に検討していくことと、今回プロジェクト研究でなさっている取組の中で出てきている、日本の幼児教育の特徴を踏まえた質評価、スケールの考案ということが、さらなる検討が必要であり、そこがまさに重要なところなのではないかと考えているところでして、例えば待機児童の問題であるとか、認可外であるとか、そういった質のばらつきに対してどのようなアプローチが必要であるのかとか、それから早期離職の問題が先ほども出てきていたかと思いますけれども、安定的な養成と定着の問題というのが日本の課題であるとしたら、それに対してどのようなシステムを構築していくのがよいのか、評価の在り方はどういうものが可能なのかということを、総合的に考えていく必要があるとすると、やはり先ほどの遠藤先生の御発表の中にもあった、幼児教育センターやアドバイザーとの絡みをどういうふうに整理して、さらに追加的な内容というものを検討していくべきなのかということを考えさせていただきました。どうもありがとうございました。


【無藤座長】  ありがとうございました。
 時間になりましたが、とりあえずはよろしいですか。


【渡邊センター長】  頂いた御意見を踏まえて、また今後考えていきたいと思っておりますが、質評価スケールについては、今のところプロセスの質というところに重点を当てた研究を進めておりまして、そういう意味では構造の質のようなものに関しては、基本的には法令の範囲で規定されている部分も大きいと思っておりますので、どこに焦点を当てているかということで申し上げると、私どもの今のところの研究というのは、クラスにおけるプロセスの質に限定した中での研究にとどまっているということは申し上げておきたいと思いました。ありがとうございました。


【無藤座長】  ありがとうございました。これは余計なことですけれど、日本にも幼児教育のナショナルセンターがあると海外の人に言うと、よかったと言うわけですが、中身を言うとなかなか、聞き間違いかと思われる。要するにアジア圏で見ると規模が1桁小さいんです。大体どの国も数十人の研究者でやっておりますから。
 国立教育政策研究所の内情も、私はある程度承知しておりますので、何とかしろとは言えないんですけど、しかし何とかしてほしいなというのが、ここで言ってもしようがないんですけれども感想です。
 それでは、今のことについてはここまでとさせていただきたいと思います。
 もう時間ですので、最後に事務局から、今後のスケジュールについての御連絡をお願いいたします。


【髙橋専門官】  資料5を御覧ください。1枚紙でございます。次回は11月26日の火曜日、15時から16時半を予定してございます。詳細につきましては、追って御連絡をさせていただきます。


【無藤座長】  ありがとうございました。
 以上をもちまして、幼児教育の実践の質向上に関する検討会(第6回)を終了させていただきます。本日はありがとうございました。


―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局幼児教育課