高校生等への修学支援に関する協力者会議(第5回) 議事録

1.日時

平成29年9月25日(月曜日)13時00分から15時00分

2.場所

文部科学省 5F5会議室

3.議題

  1. 前回の指摘事項について
  2. 都道府県への高校生等への修学支援に関するアンケート集計結果
  3. これまで出てきた論点の整理
  4. その他

4.出席者

委員

大橋弘委員,小河光治委員,小川正人委員,小林雅之委員,柴田悠委員,末冨芳委員,濱中淳子委員(敬称略・五十音順)

文部科学省

下間康行大臣官房審議官,塩田剛志高校修学支援室長

5.議事録

【小川座長】  ただいまから、第5回高校生等への修学支援に関する協力者会議を始めます。本日もお忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。
 今回も柴田委員にはウエブにて御参加いただいております。よろしくお願いします。
【柴田委員】  よろしくお願いいたします。
【小川座長】  また、前回に続きまして委託研究を担当されている岩田先生にも御出席いただいております。岩田先生につきましては委員と同格で、質問、御意見があれば、御遠慮なさらず御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
【岩田教授】  よろしくお願いします。
【小川座長】  それでは最初に、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【塩田室長】  配付資料でございます。お手元の議事次第のとおり、資料1-1から資料3、また参考資料として1枚紙を配付していますので、不足等ございましたら事務局までお知らせいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川座長】  資料確認よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入りたいと思います。最初は、前回までの指摘事項と、それに関係する資料について説明をお願いいたします。
【塩田室長】  それでは、資料1-1です。これは毎回、前回の御議論を踏まえて加筆していっている部分です。下線部分です。
 (1)の、支援の拡充が必要な場合、優先順位の高い支援は何かというところで、給付金の支給対象範囲を拡大すべきではないかというような御意見を頂きましたので、記載しております。また、(2)の情報ギャップ問題でございますけれども、中学校の進路指導段階から支援制度リスト等の作成、このようなものをしっかりと作り、接続をすべきではないかというような御意見を頂きましたので、記載しております。また、ページをめくっていただきまして、所得基準についてですが、所得基準の在り方につきまして、世帯事情のきめ細かい斟酌が必要ではないかというような御意見を記載しております。また、その他のところで、奨学給付金の目的外使用を防ぐために、代理受領という言葉が適切かどうかは別といたしまして、学校が一旦受け取るような仕組みを検討すべきではないかと、このような御意見を頂いたところであります。
 それとともに、資料1-2でありますが、関連する資料、データ等を御用意しております。
 ページめくっていただきまして、これは以前御提示した資料が平成27年度版でしたので、28年度版の数字でもう一度、書いております。ちなみに、前回のときに所得制限のために受給していない者、これに幾らぐらい費用が掛かるのか、仮にこれを所得制限なしにすると幾らぐらい費用が掛かるのかというような議論がありましたが、記載しておりますように、私立、公立合わせて、足し算すると大体79万5,000人ぐらいが対象になっておりまして、それに11万8,800円を掛けると900億を超える数字が出てくると、このようなことでございます。
 続きまして3ページ以降は、以前も出した資料ですが、これも27年度の数字を使って出していたので、28年度の数字を使って出し直しております。1年ぐらいなので、基本的には大きな変更はないかと思いますが、これが一応最新のデータということで、3ページ以降続いております。
 6ページですが、公立に通う生徒と私立に通う生徒で、私立に通う生徒の方が就学支援金の受給率が高い県があり、以前、山形県にヒアリングをさせていただきましたが、最新のデータでもこういった、下の方に出っ張っている県は私立に通う生徒の方が受給率が高いと、このような状況です。
 続きまして、8ページです。高等学校の入学状況ということで、例えば公立の全日制を見ていただければと思います。入学志願者、bのところですが、95万、実際の入学者が71万ということで、実際入学した志願者の割合ということで、大体75%の方が公立を志願して実際に入学できていると、逆に言うと25%ぐらいの方は公立には行けなかったと。このような状況があるということです、私立に通う高校生の授業料支援の、ある意味公共性といいますか、そういったことを説明する際に、こういった数字が使えるのかなということで、前回の議論に関しまして付けております。
 次のページ以降は厚生労働省の、生活保護基準を今見直されているということで、それに関連する資料を抜粋して付けているものであります。
 11ページにスケジュールを記載しております。29年の11月から12月頃に報告書を取りまとめるということで、年内の報告の取りまとめを考えられているということのようです。12ページで、例えば有子世帯の扶助・加算の検証の視点ということで、真ん中に就学・就労とありますけれども、子供の学習費調査等を用いて、真ん中の分析・評価というところですが、例えば一般有子世帯と被保護有子世帯について子供の就学状況に差があるかと、このような問題意識を書かれていて、さらに右の矢印に進みまして、生活保護制度において保障する学習費用の範囲、水準をどう考えるかと、このような整理ペーパーを作って御検討されているということです。ページめくっていただきまして13ページ、14ページと、厚生労働省の検討資料を配付しております。14ページの参考2のところで、一般の高校生のアルバイト収入金額とか、このようなデータも掲載されております。
 ページめくっていただきまして15ページで、これは前回の議論と関連するところですが、一番左の教育・生活の支援というところで、丸の4つ目、子供の学習塾等費用の収入認定除外というところで書いておりますように、こういったアルバイト収入を学習塾等の費用に充てる場合には収入認定から除外ということでございまして、前回の会議で、こういった収入を得ても除外されないというような問題点が御指摘あったかと思います。あのときにも御指摘あったかと思いますが、厚労省としてはこのような方針を出しているものの、現場の方にはなかなか伝わっていない現状がもしかしたらあるのかもしれないということでございます。
 資料1-2の御説明は以上です。
【小川座長】  ありがとうございます。今の資料1-1と1-2に関わって、御質問があれば受けたいと思います。議論については、これまでどおり最後に、時間をまとめてとりたいと思いますので、議論はその際に行いたいと思います。質問や確認があれば、よろしくお願いします。
 では小林委員、どうぞ。
【小林委員】  最初の部分ですが、2ページ目で、所得制限をなくした場合に900億ぐらいになるというお話があったように思いますが、これはどのような基準で出したものかということです。というのは、全体でも130億ぐらいだと思うのですが、今までの予算の規模というのは。900億になる。
【塩田室長】  それは奨学給付金ではないかと思います。
【小林委員】  奨学給付金が130億。
【塩田室長】  就学支援金は3,600億です。
【小林委員】  3,600億ですか。それで、残りの4分の1ぐらいに出すと900億ぐらいになったという計算でしょうか。
【塩田室長】  はい。
【小林委員】  分かりました。ありがとうございます。
【小川座長】  ほかにいかがでしょうか。
 では、どうぞ。
【末冨委員】  いろいろ御対応いただいて、ありがとうございます。1-1の1ページ目ですけれども、部活費だけではなくて、就学に要する経費でいうと優先度高いのが、教科書費、教材費などの方が教育課程を履修する上では優先度が高くなりますので、それの明記もできればお願いしたいかなということです。ただ、部活費を付け加えていただいたのは大変うれしいことだと思っております。
 以上です。
【小川座長】  よろしくお願いします。
【塩田室長】  はい。
【小川座長】  では私の方からも、教えてほしいのですが、前回たしか末冨委員の方から質問が出て、15ページのところで生活保護受給者に対する教育・生活の支援に関わっての配慮ということで、厚生労働省が、生活保護世帯の高校生等の奨学金、アルバイト収入を学習塾等の費用に充てる場合にはということで挙げていますし、あと経済的支援のところでも大学等の進学費用の収入認定除外ということで、高校生のアルバイト収入のうち、本人の高校卒業後の大学等の進学に掛かる経費に充てられる場合には収入認定から除外ということで、「充てられる場合」という条件付きですよね。これは、手続的には、その本人というか家庭から申請をして、福祉事務所等で了解を得るというようなものでしょうか。その「充てられる場合」という、これはどういう手続でその辺は確認されるのでしょうか。
【塩田室長】  具体的な手続の確認まではできておりません。調べておきます。
【小川座長】  小河委員の方がよく御存じですか。
【小河委員】  これが、実はまさに現場というか、ケースワーカー判断になるのですよね。例えば私どもは、入学・新生活応援給付金という制度があって、これは最初に自立更生計画書というのを書いていただくということで、ケースワーカーの方にきちんと確認をとって、これは収入認定になりませんよということになるので、今までそういうケースがないのですが、それと同様に、おそらくケース・バイ・ケースというか、それぞれのケースごとに、これはお一人一人の収入状況を判断しながらするというところで、その辺のところがどの辺までなのか、かなり幅広に認めていただけるところがあれば、結構そうではないところがあったりというようなことはあるのかなと思います。
【小川座長】  なるほど。じゃあ数年前から実施されているけれども、その辺はやはり自治体とかケースワーカーの状況で、かなり幅広に運用の仕方が違っているというと理解して宜しいのでしょうか。
【小河委員】  そうなっている可能性があります。
【小川座長】  運用実態が違ってくるということですかね。分かりました。
 ほかに確認とか質問があれば。よろしいでしょうか。柴田委員、よろしいですか。
【柴田委員】  大丈夫です。ありがとうございます。
【小川座長】  では、なければ、資料1-1、資料1-2はこれで終了させていただきます。議論はまた後でしたいと思います。
 それでは次に、都道府県です。特に私学担当へのアンケート調査の結果がまとまったようですので、その点、資料2-1と資料2-2について事務局から説明をお願いします。
【塩田室長】  それでは、御説明させていただきます。まず資料2-1です。
 前回の会議のときに関係団体のアンケート結果の御説明をしたと思いますけれども、今回は47都道府県に出したアンケートの結果です。
 まず、1番の現行制度による効果・影響というところで、就学支援金の制度見直しをしたと、それで所得制限を設けた捻出財源によって加算拡充等をしたと。これについてどう評価するかということにつきまして、記載しておりますように肯定的評価をしたのは33の自治体でありました。肯定的評価の理由としては、前回と同様でございますが、経済的負担の軽減ですとか進路選択の幅の拡大、中退者の減少、また自治体独自の支援の拡充につながったと、このような理由が挙げられております。
 次に、肯定的評価と否定的評価ともに併せて書いていただいた自治体は9あります。肯定的評価は先ほどと同じですが、否定的な理由といたしましては、所得制限の導入によりまして手続的な負担が増えたということが挙げられております。
 ページをめくっていただきまして、否定的な評価のみを記載した自治体というのが3つありました。否定的な理由といたしましては、やはり制度の複雑化や事務手続の増大、負担増といったことが挙げられているというような現状でございます。
 続きまして、2の今後の方向性というところで、(1)では、就学支援金の充実の方向性として次のいずれの優先度が高いと考えますかということで、1が、いわゆる2.5倍の加算を受けている層への加算拡充、2が2倍加算、3が1.5倍加算、4が基準額を得ているところの加算拡充、5が所得制限の緩和又は撤廃と、こういったことでアンケートをとったところ、ごらんいただきますと、1、2といった低所得層への加算拡充と、こういった要望が一番多かったというような結果でございます。
 続きまして、(2)の高校生等奨学給付金の充実の方向性ということで、これは、御存じのように第1子と第2子の単価が分けられておりまして、第1子単価が第2子以降の単価に比べて低いというような現状があるということでございますけれども、1が第1子単価の支給額引き上げ、2が第2子以降の単価の引き上げ、3が第2子以降の定義見直しによる範囲拡大と。第2子といいながら、15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合ということで、かなり限定的に運用されておりますので、そこの範囲拡大というのが3。4が、今は非課税世帯のみですけれども、もう少し層を広げるべきだというのが4でして、ごらんいただきますと分かるように、1の第1子単価支給額の引き上げというのが一番声としては大きかったということでして、続きまして3、又は4というようなところが声が大きかったということであります。
 続きまして、ページをめくっていただきまして、4ページをご覧ください。(3)で、就学支援金や給付金の制度につきまして見直すべきと考える課題、要望があれば教えてくださいということでありますが、まず、就学支援金関係ということでは、修業年限や所得制限等の上限見直しということで、修業年限超過部分や単位超過部分についても対象とすべきであると、このような声があったということです。また、4つ目のポツですけれども、不公平感を是正する観点からも所得制限をなくして一律支給にすべきだというような声もあったということです。
 続きまして都道府県格差ということで、都道府県の上乗せ支援によって格差が生じているので統一的にすべきだと。次は、公私間格差ということで、公私間格差のさらなる是正が必要であると。加算額というところでは、私立高校における加算額の拡充をすべきだというような御指摘。また、支給基準でありますけれども、ふるさと納税等、制度の趣旨とは異なる控除による影響を受けないような基準にするべきだと、また最新の世帯所得に合わせた基準や所得区分の見直しを行うべきではないかと、このような御指摘があります。
 続きまして、高校生等奨学給付金についての御意見ですが、支給単価というところでは、1子と2子以降の支給額の差を解消すべき、つまり、先ほどのアンケートにありましたけれども、1子単価の増ということになるかと思いますが、そのような声があったということです。
 5ページに移りまして、在校地での支給。これは後ほどまた詳しく御説明いたしますけれども、奨学給付金は在住地主義という、住んでいる自治体から支給される制度になっておりますので、給付金と支援金が異なっていると。就学支援金の方は在校地、通っている高校で、奨学給付金は在住地ということで、制度がねじれている状況でして、給付金についても在校地で支給すべきではないかと、このような御指摘がございました。地方負担については事務費も含め全額交付すべき、これは、奨学給付金につきましては3分の1国庫負担で、都道府県事業という位置付けになっておりますので、国から事務費は出していないということでして、事務費も含めて、これはもう3分の1補助と言わずに、全額国庫補助してほしいというような御指摘だと思います。また、入学金等の負担支援ということで、入学金を補助対象としてはどうか、支給時期の前倒し等を検討してはどうかというような声があったということです。
 1つ飛びまして、(4)です。これは所得判定の方法ですが、何回も出てきているので御承知かと思いますが、現在は市町村民税所得割額を用いておりますけれども、枠の3行目に書いてございますように、海外在住保護者の所得が把握できない、年少扶養控除の廃止等で家族構成を考慮する機能が低下しているといった問題点があると。所得割を用いることについてどう思いますかということで、見直しの在り方といたしましては、これまでやってきたことでもあるので、現行を基本とした見直しをすべきだというような声もありますが、一方で、扶養関係を考慮できる方法を検討すべきだという声、また、ページめくっていただきまして6ページですが、これは所得割額ではなくて、住民税を掛ける、割合を掛ける前の課税標準額などを基準とする方法を検討すべきではないかといったような声もあると。また一方で、所得制限撤廃等、抜本的な改革が必要だというような声もあったということでございます。現実の収入との不一致ということでは、同じですが、住宅ローン、ふるさと納税などの税額控除によって不公平が生じているのではないかと、このような御指摘があったということです。
 続きまして、3の自由記述ですが、例えば周知・広報というところでは、生徒、保護者により分かりやすい制度とすることが必要であろうと、またマイナンバーへの対応ということでは、都道府県が準備期間を十分に確保できるように、計画的に情報提供をしてほしい。多子世帯対応ということで、世帯の子供の数による教育費負担に大きな差があることに配慮して、支援金、給付金をセットで見直し、検討することが必要と、このような御指摘を頂きました。
 これが概要ですが、資料2-2で、都道府県から実際に頂いたアンケートそのもの、アンケート結果そのものをお付けしていますので、お時間があるときにごらんいただければと思います。
 続けて、資料2-3と2-4もここで御説明したいと思うのですが、資料2-3が各都道府県の上乗せ支援の部分についてまとめた資料でして、2-3の1枚目に大体、各都道府県でどれぐらいの上乗せ支援をしているのか、さらには右側の方で施設整備費とか入学料、また修業年限の上限等を超過した場合の支援、こういったような取組をされているかというのを一覧表にしたのが1枚目です。ごらんいただけますように、特に年収250万円程度のこういったところは、概ねどの都道府県でも御支援を上乗せされているということですが、350万になってくると少しばらつきが見えてくると、このような状況です。
 ページをめくっていただきまして、2ページ、青い部分が都道府県で上乗せされているところですが、右の方に在住地・在校地の要件とございますけれども、これは県によって要件が異なっており、例えば北海道ですと、通う学校が道内にあるということが要件にされていますが、04番の宮城県では、通う学校が県内かつ生徒・保護者が県内在住とか、どういった者に出すかという要件がそれぞれ県によって要件が違ってきていると、このような現状があります。
 次に資料2-4をご覧ください。これも都道府県に、先ほど御説明したアンケートとは別のタイミングで調査したアンケートです。在住地主義と在校地主義と書いておりますが、先ほど御説明した奨学給付金と就学支援金のずれが生じていて、資料2-4の最初のところに書いてございますように、27年の地方からの提案等に関する対応方針ということで、これは愛知県から御意見頂きまして、給付金を在校地主義にしてはどうかというような御提案を頂いておりまして、その在校地主義にすることについてどう思うかというのを各都道府県にアンケート調査した結果ということです。回答の方法としては、1、2、3、4を選んでいただくということで、在校地、在住地がそれぞれの制度で分かれていても現状どおりでいいというのが1で、2が、どちらも在校地主義に統一すべきではないかということでございます。
 結局どういった結果だったかというのが、最後のページにあります。これは公立を担当している部署と私立を担当している部署それぞれに聞いているので、若干ずれが出ておりますけれども、1、2とも概ね同数程度選ばれており、意見が拮抗しているという状況でございます。2の在校地主義に統一すべきではないかということは、恐らく支給漏れとか事務手続の合理化とか、そういった意味では、在校地に統一するのがいいというのがある一方で、納税の観点で、他県の高校に進学した場合に、納税をしていない人に対しても、受け入れている都道府県は支給しなければいけないと。これは、先ほど申し上げましたように3分の1しか国庫負担は行っておりませんので、3分の2が地方負担という制度でございますので、そういったところで、自県で納税していない生徒、保護者に対して県費を負担することは望ましくないのではないかと、こういったような声があり、意見としては拮抗していると、このような状況が見られました。
 説明は以上です。
【小川座長】  ありがとうございます。非常に貴重な資料だと思います。
 では、今の資料2-1から2-4まで、質問とか確認があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。これに関わる議論はまた後で一括して議論しますので、その際によろしくお願いします。
 柴田委員、ありますでしょうか。
【柴田委員】  大丈夫です。ありがとうございます。
【小川座長】  ほかの委員、いかがでしょうか。
 末冨委員、どうぞ。
【末冨委員】  2-1の確認ですが、これは私立学校所管部署がどのように考えているかということですよね。
【塩田室長】  はい。アンケート調査は、私立学校所管部署に対して行っております。
【末冨委員】  ありがとうございます。
【小川座長】  岩田委員、どうぞ。
【岩田教授】  部外者ながら1点だけ確認させていただきたいのですが、資料2-4についてですが、1と2について、県外から来ている人が多いところと、出ていくのが多いところによって、この数字は変わってきますか。東京都も1だと言っているので、たくさん入ってくるところが嫌がっているのかなという気もするのですが、ただ愛知のように、やっぱり入ってくるところは2でいいと言っていますよね。この辺り、何か傾向はあるものですか。
【塩田室長】  そのような視点で分類分けして考えていなかったのですが、御指摘どおり、当然、受け入れ生徒が多いところは、先生御指摘のような御意見が強いのではないかと思います。もう少し分析いたします。
【小川座長】  ほかにどうですか。
 1と2が分かれているようですけれども、4をよく読んでみると、やはり全額国庫負担という形にすれば在校地主義の方がいいみたいなのも結構4の中にあるので、結局財源の問題が絡むと、かなり状況が違ってくるというふうにも読めるアンケート結果かなと思いますので、その辺も少し、この制度の論点の1つになるのかもしれません。
 ほかに何か確認したいことは。
【大橋委員】  資料2-3ですが、これは非常に貴重だとは思うのですが、先ほど在校地、在住地の要件が違うところがありますというふうな御指摘が紹介の中でありましたが、これをどう見ていいのかというところです。かなりこれ、随分まちまちですし、例えば総額でどのくらい各県出しているかとか、そういうものというのは分かったりするのでしょうか、独自で。
【塩田室長】   各県が総額でどれぐらい授業料支援に出されているかということですか。
【大橋委員】  支援制度についてですが。
【塩田室長】  予算規模は、現時点では把握できておりません。
【小川座長】  調べれば分かりますよね。
【塩田室長】  恐らく。
【小川座長】  それはデータで出た方がいいですか。
【大橋委員】  いや、皆さんの御意見だと思いますけれども。
【小川座長】  3ですね。総額、恐らく調べれば分かるはずなので。
【塩田室長】  分かりました。
【小川座長】  もしもお手数でなければ、また次回ということで、よろしいですか。
【大橋委員】  全然、強く言うものではございません。
【小川座長】  よろしいでしょうか。
 では、なければ、資料2関係の質問についてはこれで終わらせていただきたいと思います。
 次に本日の本題になりますけれども、これまで出てきた論点の整理です。それを踏まえて意見交換をしていきたいと思います。では最初に、事務局の方から説明をお願いします。
【塩田室長】  それでは、説明させていただきます。これまで資料1-1のような形で論点を列挙してまいりましたけれども、いろいろなデータや御意見がたくさん出てまいりましたので、議論を整理して、議論の進捗を図る上で資料3というものを事務局の方で作成してみましたので、説明させていただきます。
 まず1で、高等学校等就学支援金関係ということです。(1)で、制度見直しを踏まえた支援対象や支給額の在り方であります。
 まず、現状等、これも何度も御説明したことですけれども、所得制限を導入しまして財源を捻出し、私立授業料について加算措置を拡充するとともに、奨学給付金を創設したということでございます。現状として約8割を支援対象としているという状況です。公私間格差という意味でいうと、ここに記載していますように、私立高校の平均授業料と就学支援金との差額というのはこれぐらいまであります。公立につきましては11万8,800円でカバーできておりますので、公立に行く場合は、所得制限を受けない場合については、授業料は要らないのですが、私立についてはこのような状況です。さらに、私立高校につきましては施設整備費が平均で約17万円、入学金が16万円掛かるという状況です。国の支援に加えまして、都道府県の独自支援があるという状況です。
 また、入学定員全体に占める私立の割合というのは、平成19年が33%だったのが、28年は33.2%という状況です。また、低所得世帯の学校選択の幅が拡大したのではないかという御意見がありまして、データ的に見ると、2倍加算層、大体250万から350万の層では、比率でいうと22年が4%だったのが、8.9%まで上がっているということです。前回御指摘があった、都の調査では、私立高校に進学した理由として、困窮層の半数以上が公立高校の入試に合格しなかったというようなことを挙げていると、経済的理由による中退者数というのは公私ともに減少してきています。都道府県・団体アンケートで、充実の方向性として優先度が高いのは、2.5倍加算層や2倍加算層についての加算拡充であるというような現状です。
 ヒアリング等における主な意見といたしましては、特に初年度納付金における公私の差が大きい、私立の支援水準を引き上げてほしい、私立については学納金、施設整備費も含めた形で国が支援すべきと。また、普遍主義的制度とするため所得制限の撤廃を検討すべきと。これについては米印で記載しております、制度のこれまでの経緯ですが、旧制度下では所得制限はなかったと。このときの考え方としましては、進学率が98、99%になっておりますので、国民的な教育機関となっていて、その教育効果は広く社会に還元されるべきものだということで、教育費を社会全体で負担していこうというような考え方。また、いろいろと国際規約等、こういったものを踏まえまして所得制限は設けないというのが民主党政権下での制度設計ですけれども、新制度、自公政権になってからは、厳しい財政状況の下で、限られた財源を有効活用するといった観点で所得制限を設けたということであります。
 このような状況を踏まえまして、支援の拡充が必要な場合は優先順位の高い支援は一体何なのかと、このようなことを考えていく必要があるかというふうに考えております。
 続きまして、2ページです。(2)国と自治体の役割分担、役割分担についても考える必要があるという御指摘を頂きました。まず現状を書いております。就学支援金事業というのは全額国庫で見ておりますけれども、都道府県が低所得者層を中心に上乗せをやっていると。施設整備費とか入学金を支援しているところもあるということです。一方で、奨学給付金事業、これにつきましては都道府県が実施する事業に国が補助する事業という形で、3分の1国庫補助というような状況です。また貸与制の奨学金事業については学生支援機構から都道府県に既に移管されているということでして、奨学給付金といっても、言い方を変えると給付型の奨学金というような形ですので、奨学金につきましては都道府県が実施する事業に今はなっているような形です。
 続きまして都道府県の独自支援については、先ほど御説明したように、支給要件の違いがあると。よって、他県の高校に進学する場合には、その上乗せ分が支給されないといった場合がどうしても出てしまうということです。都道府県・団体アンケートにおいて、国の施策として充実の方向性として優先度が高いのは低所得層への加算拡充であったということであります。
 ヒアリングにおける主な意見といたしましては、自治体の財政状況は厳しく、独自支援をこれ以上上乗せすることが難しい、国の支援を増額してほしいですとか、都道府県格差があるので、国の基準額をさらに上げてほしい、このような御意見があったところです。ただ、国と都道府県の支援が一体となって負担軽減をしていくと、こういった方向性は間違いないだろうと思うのですが、国に求められる役割は何なのかというようなことを考える必要があるかと思っております。
 続きまして、(3)所得の判定方法でございます。現状は市町村民税所得割額を用いて、全国一律の基準で判定していると、住宅ローン、ふるさと納税等の税額控除があって、不公平が生じているという声があると。また、家族構成を考慮する機能が低下しているのではないか、また海外保護者についてはなかなか判定が難しいというような問題があると。
 ヒアリング等における主な意見としましては、判断基準を課税所得にすると。こうすれば税額控除の影響を排除できますので、課税所得にするというような御意見があった一方で、混乱を避ける観点から現行制度を基本とすべきというような声もあります。また16歳未満の子供についての教育費負担、年少扶養控除がなくなっておりまして、控除がされないので、そういったことをできるような基準にすべきではないか。多子世帯には、収入基準だけでなくて、各家庭の事情に寄り添った基準も必要ではないか。あとは、海外保護者につきましては公平になるように、また地域の所得差ですとか物価調整等の反映が必要ではいないか。最後に、マイナンバー制度に対応した事務処理システム導入の際に、このようなことはどうかというような御意見です。
 論点としては、課税所得金額に変更することの是非ですとか、家族構成等をより勘案できる基準にすることが可能なのか、また海外在住の場合の所得把握方法等を挙げております。
 ページをめくっていただきまして、(4)支給期間等の上限。これはいろいろなアンケートにも出てまいります支給期間が36月、これは法律で決まっている話ではあります。さらには単位数に応じて授業料を定める場合には74単位上限ということになっております。この考え方といたしましては、所定の年限で卒業される方との均衡の観点ですとか、留年した者などに対して無制限に公費を支出し続けることがないようにと、このようなことを考えてのものです。一方で、上限を超過した者に対する支援を行う都道府県もあります。また、高校を中退して、改めて高校等で学び直す者に対しましては補助事業を国が立ち上げて行っている現状があります。
 このような現状を踏まえて、超過部分についても国の支援対象とすべきかどうかと、このようなことが考えるべき論点だと考えております。
 (5)事務負担の軽減、その他ということです。現状等といたしまして、所得制限の導入によりまして保護者や職員の作業量が増大していると、国からは事務費を交付していると。また、3番目にありますように、マイナンバーに対応した事務処理システムというのを導入する予定でありまして、これが導入されましたら、課税証明書を含む関係書類の提出が3年間で4回必要だったところ、原則として、マイナンバーカードの写しを含む関係書類を1回提出するのみとなり、かなり軽減されると。また、職員もいろいろと確認作業がありましたけれども、これも自動判定が可能になりますので、事務負担の軽減に資することが期待されます。
 ヒアリング等における主な意見としては、システム導入に当たって、都道府県の実情に合わせた柔軟なシステムにすべきですとか、不備が多いので、分かりやすい制度にすべき、また書類作成がなかなか難しい御家庭へのサポートが必要ではないか、そういった場合にはスクールソーシャルワーカーとの連携やQ&Aの作成。また、なかなか制度の認知度が低いという御指摘もございましたので、制度の周知が必要ではないかということで、論点といたしましては、事務処理システムをきちんと使い勝手のいいものにするということと、困難な家庭へのサポートやQ&Aの作成等を検討すべきではないかということを挙げております。
 続いて4ページ、2の奨学給付金関係です。こちらは授業料以外の支援ということですが、まず現状といたしましては、生活保護受給世帯及び非課税世帯の高校生に限って、授業料以外の教育費を負担していると。予算の積算上は教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費等、こういったものを費目として予算積算上は考えてやっていると。現状では、1子と2子以降の単価が支給額に差があるということ、また第2子以降ということでも少し限定的な運用をしているということです。都道府県・団体アンケートにおきまして優先度が高いというふうに言われたのが、第1子の支給額の引き上げということです。
 ヒアリング等における主な意見ということでは、第1子と第2子の差をなくすべき、第2子以降の対象範囲を拡大すべき、また入学時の費用や通学費に対する支援、もう少し所得制限の緩和をして対象範囲を拡大すべき、学校が代理受領するような方式の検討と、このような御意見を頂いているところでして、優先度が高い支援は何なのかというような御議論が必要かと思っております。
 (2)が情報ギャップ問題ということでありまして、現状では在住地主義、在校地主義と分かれていると。そのために、2つ目の丸ですが、県外の学校へ進学する場合、周知等が困難になっている現状があるということです。
 ヒアリング等における主な意見といたしましては、中学から高校へ進学する際の市町村から都道府県への所管の変化や、都道府県をまたぐ生徒移動に対しましてどうやって連携を図るか。また、進路指導段階からの支援制度リスト等の作成が必要ではないか、県外の高校に通学する生徒への周知が課題なので、全額国庫負担として在校地主義にしてはどうかというような声もあるということです。
 続きまして5ページですが、これも事務負担の軽減、その他ということで、これは就学支援金とかなり同じようなことが書いておりまして、1点違うのは、支援金の方はマイナンバーシステムに対応した事務処理を作りますが、奨学給付金の方は残念ながらそういったものがないという状況ですので、ない中でも事務処理がより効率化できるような支援を今後考えていく必要があるということです。
 説明は以上です。
【小川座長】  ありがとうございます。それでは、議論に1時間程度時間をとってありますので、この資料3の、事務局でまとめていただいた主な論点について、議論の整理の各項目に沿って、今までも議論してきていたわけですけれども、さらに具体的に、もう少し詰めていただいて、可能であればこの会議としての各項目の論点に関わる見直しの方向性について、何らかのこの会議としての方向性を出していければと思いますので、よろしくお願いします。
 今、事務局から説明あったように、各項目の最後の方に矢印があって、例えば1ページであれば、最後に「支援の拡充が必要な場合、優先順位の高い支援は何か」という矢印が付いている点については、事務局の方から、1の(1)の中の、ほかにもいろいろな議論や論点があるわけですけれども、その中でも特にこの矢印が付いているところは、この検討会議で詰めて、何らかのこの会議としての方向性をある程度出していただければ幸いだという、そういう要望付きの文章ですので、その辺も留意いただいて、これから議論を進めていただければと思います。
 一括して全部というと、論点や議論が散漫になりますので、最初は項目ごとに区分けをして議論を進めさせていただきたいと思います。
 最初は就学支援金の(1)、つまり支援対象とか支給額の在り方。支援の拡充が必要な場合、優先順位の高い支援は何かということに関わっては、2ページ目の(2)、そういう見直しの中で国が特に対応すべきものは何かという、国に求められる役割というのは当然関わってきますので、最初、就学支援金の(1)と(2)に関わって少し時間をとって、皆さんから御意見を伺いたいと思います。それが終わったら、次の(3)所得の判定方法云々ということで、順次、項目ごとに意見を出していただいて、時間があれば、また全体に関わって議論をお伺いする形にしたいと思います。では最初に、1ページと2ページの上の(2)に関わって、御意見、御質問もあれば出していただいて構いません。どなたからでも構いません、いかがでしょうか。
 末冨委員、どうぞ。
【末冨委員】  普遍主義的な制度に戻すかどうかというのが一番大きい論点ですけれども、そうでなくても違和感があるのが、所得910万円を上回ると、私立高校への都道府県の独自の積み増し含めて、いろいろと支援が途切れています。これを国としてどう判断するかなというときに、やはり現行の制度を見直した場合には、限りある財政の枠の中で、確かに低所得層に上積みしていくのはいいことなのですが、日本中の高校生を持っている家庭を910万円のように単純な区切り方をしてよいのですかということです。910万円過ぎれば高校生に何の支援もしなくていいのですかというのは本質的に違和感があるところでして、特に子供を大事にする国であれば、他の先進国でもやはり、例えば若者手当ですとか子ども手当も手厚いですし、そのときに、たとえ少額でもいいので何がしか、やはり高校で学ぶことについてのインセンティブを付けていくべきなのではないかなと個人的には考えるわけです。
 本当は普遍主義が私は理想だと思っていますが、高校生を持つ世帯を単純に910万円で区切って、それ以降は何の支援もしなくていいでいいんでしょうかというのは少し思うのですが。
【小川座長】  それは問題提起ですね。
【末冨委員】  はい。
【小川座長】  なかなか難しい問題だと思いますけれども、ほかにいかがでしょうか。
 事務局の方から求められている1ページの一番下の支援の拡充が必要な場合、優先順位の高い支援は何かというような、この問いというのは、恐らく充当可能な財源規模がどの程度かを考えることによって、その辺の優先順位度云々というのは、影響してくることもあるかと思いますけれども、そういうことも含めつつ何かございましたら、いかがでしょうか。
【小河委員】  小河です。今、末冨委員がおっしゃられたことは本当に、ある意味では理想的というか、そのとおりだと思いますが、今回調査の結果でも各都道府県によってのばらつきがものすごくあるというところを考えると、子供はどこに住むかということを選べないような状況ですので、やはり国の支援をいかに拡充するか。仮に、なかなかその普遍的なものに行かなかった場合にも、ここでは2倍あるいは2.5倍の層への加算の拡充というところが最も多いと思いますけれども、より、この1.5倍のところでも年収目安350万から600万しかないところですから、こういうあたり。今、大学等は無償化というような議論も一方である中で、高校の、この600万を切るような世帯も相当、これで子供が何人かいるとなったら大変だということを考えると、やはりこのあたりぐらいまでは国がしっかりとした支援をしていくということは、方向性としては大切なのではないかなというふうに私は思います。
【小川座長】  ありがとうございます。ほかにいかがですか。
 末冨委員、どうぞ。
【末冨委員】  先ほどは問題提起ということで、こういう見直しのオフィシャルの場で必ず言っておかなければならないことなので、絶対に忘れてほしくないのですが、ただ、それとは別に現実論として、資料2-3、図表も含めて大変丁寧なお取りまとめいただいたと思います。非常によくできた資料なのですが、逆に言うと、これを見て思うのは、本当に私立高校生の支援制度がすごいばらつきがあるわけですよね。特に、都道府県によって事情は違いますけれども、前回も申し上げたとおりで、きょうも資料を出していただきましたが、東京都調査の場合には25%は公立受けても行けないから私立に行っていて、自治体調査では、安いから公立に行きたくて、落ちたから私立に行きますという層が貧困層ほど多いわけです。ですから、こういった切迫度が高い支援については確かに優先度が高いですし、ベースラインは国が支えていかないと、とりわけ出遅れている自治体についてはキャッチアップが難しいだろうなと考えます。
【小川座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。今、末冨委員と小河委員はほぼ同じような、大体600万ぐらいまでのところの、この資料2-3を見ると250万ぐらいまではかなり全国的にいろいろな取組がありますけど、右の方に行って600万ぐらいまで行くとだんだんばらつきが大きくなるという、その辺のところのばらつきはやはりきちんと国のサポートによって、全国ミニマムな支援内容にしていくということは緊急性の高いものではないかというような、お二人からの御意見だったと思いますけれども、ほかにいかがでしょうか。
 柴田委員、何かございますか、この点に関わって。
【柴田委員】  そうですね、なかなか難しいところで、先ほど財源がないとなかなか議論を進めにくいというお話がありましたが、この検討の中で財源そのものを増やしていくという論点を入れても――入れるのは難しいのかもしれないですけれども、やはり財源がないと現実的な議論ができないのであれば、ではどうやって財源を作っていくべきかという、そういう要望を文科省の方から積極的に出すというのも必要なのではないかなというような気はしまして、例えば、貧困層中心ですけれども、高校生への支援であれば、こういう財源、税の制度であれば、理念的に非常に適合していて、国民の理解も得やすいのではないかとか、どういう税を使えば、あるいは税以外でも国債だとか社会保険だとか、いろいろなアイデアが今出ていますけれども、どういった制度であれば理念が一致していて、そして国民の理解も得やすいので積極的に議論ができるのではないかというような、財源をどう増やすかという議論をしてもいいのかなと思った次第です。ここには入っていなかったのですが、財源に縛られるのであれば、その財源そのものを増やす提言というのもどこかで入れてもいいのかなというところです。
 以上です。
【小川座長】  ありがとうございました。最後の報告書のまとめのところは、今、柴田委員から出たような議論というのはどういうふうに組み込むのか、組み込まないのか。
【塩田室長】  基本的には、この委員会のミッションが制度の検証ということなので、どういった形で財源を確保すべきかというところまではなかなか言いづらいところはあるかと思います。ただ、1点あるとすれば、今の議論と逆になりますけれども、例えば所得制限を厳しくすると財源は出てくるのですね、この制度の中で。だから制度の中でのやりくりというのはあるのかもしれないですけど、税金をさらに取ってという、そこまでの議論というのはなかなか。在り方としてはあると思うのですが、この限られた時間の中でそこまでやっていくのは難しいのではないかと、今の時点ではそのように思います。
【小川座長】  分かりました。なかなかその辺は微妙ですけれども、この会議の方向性として、何らかの支援の拡充の優先順位を、ある程度方向性を出したとしても、それに関わるような財源というのは必ず付いて回るものですので、それをどう書き込むかというのは少し工夫が必要かと思います。
【塩田室長】  おっしゃるとおりだと思います。
【小川座長】  ほかにはいかがでしょうか。
 大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  特段具体的な数字のどうこうはないのですが、多分、今回研究をします調査において知らなければいけない点として、恐らく、支援金であれば、その支援額、まず傾斜が付いているわけですが、最低の所得に合うところの高さがあって、あと傾斜があって、裾切りがあるという姿になっているのですが、本当は一番高いところで所得制限なくのっぺりいければいいのですけが、結局裾切りをせざるを得ないというときに、この高さが一体、下がったり上がったりすると何が起こるのかいうところが実はあまりよく分かっていないのではないかと思うのと、その傾斜の高さが結局裾切りと結び付いていると思いますが、傾斜をどうする、急にしたり緩やかにすると何が起こるのかというところの感覚を皆さんで共有していないと、恐らく抽象的な議論で終わるのではないかという感じがするので、それで調査が重要だという話になるのだと思います。またあと裾切り910万が少し広がるか、狭めると、どのくらい、何が起こるのかというところは多分調査の中で明らかになるのだろうと思っているのですが、制度の仕組みについては、それしかないのではないかと思います。
【小川座長】  そういう実証データと優先順位の議論というのは当然絡んでくるわけですけれども。
 小林委員、どうぞ。
【小林委員】  今の大橋委員の御質問についてですけれど、これは給付型奨学金と所得連動型奨学金返還制度のとき高等教育の方ではかなり議論した問題で、シミュレーションをやりまして、負担率を考えていくことができます。当然所得に応じて負担率が変わってきますから、それに子供の数を入れてやれば、大体その傾斜といいますか、それをどう変えたらどうなるかというのは大体計算できますから、それをやれば少し、負担感みたいな感覚が出てくると思います。あとそれに子供の数とかを入れていけば大体のことは出るのではないかと思います。
 それで、私が御質問したいのは、ここの基本的な考え方がよく私も理解できていないのではないかと思うのですけれど、先ほどのお二人の委員の意見を聞いていますと、都道府県間で格差があるということは望ましくないというのが大前提になっているというお考えですね。それは小川座長の方からも、ミニマムだという言い方をされましたけど、高等教育の場合には当然そういう都道府県間で格差があるのは望ましくないいう議論からスタートするのですが、この高校の場合に同じことなのか。しかし現実にはものすごい都道府県間で差があるということ、どこを埋めるのかという議論をこれからすればいいという、そういう前提でよろしいのでしょうか。
【小川座長】  そうですね。
【小林委員】  分かりました。
【小川座長】  ほかにいかがでしょうか。
【末冨委員】  もう一つやはり確認事項が、授業料の支援ですけれども、ヒアリングでも出てきましたし、恐らく保護者調査でも出てくるのではないかと思いますが、初年度納付金の高さがとりわけ加算層については厳しいので、その支援を拡大すべきかどうか。特に私立高校の方は確かに高いので、そのあたりの原則をどう考えるかという、カバーするのが授業料なのか、入学時点からの教育の機会均等を図っていくのかによって、少し考え方が違うかなと思います。あるいは給付金の方に入学金分を、より充実していくという考え方もあるのですが、入学した後の授業料プラス入学時のハードルを下げていくという話にするかどうかというようなことです。
【小川座長】  ありがとうございます。それも1つの検討というか、詰めるべき課題かと思います。
 ほかにいかがですか。なければ、本日の資料3の各項目について、より詰めるべき論点を一通り議論し、また全体に返っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【濱中委員】  よろしいですか。
この時間の議論の焦点がどこに定められているのか少し確認させていただきたいのです。というのは、この会議としての方向性という小川座長の御提案はごもっともだと思うのですけれども、方向性を考えるための糸口を私たちはほとんど共有していないように思うのです。今後、その糸口となるエビデンスは、これから岩田先生中心になされる委託事業でいろいろ抽出され、それをもとに、委託調査のメンバーのあいだで、ひいてはこの会議で議論していくものだと理解していたのですが、どうなのでしょうか。今、委員の先生方がお話しされている内容を聞いていますと、こういう論点が抜けているとか、価値観のロジックの確認とかそのような点が中心になっているようにも思えるのですが、今のこの時間はそういうことを考えればいいという理解でよろしいですか。
【小川座長】  今まで議論されてきている論点に幾つかについては、本当にきちんとしたデータ、エビデンスがなければ、この会議としての基本的な方向性をエビデンスに基づいて確認するということはなかなか難しいので、最終的にはこの場で出てきたいろいろな議論をデータと突き合わせて、それでもってきちんと確認していくということはやるべきことだと私は思うのですが、ただ、エビデンスが出てこなくても、ここのところはもう少しこの会議として、こういう方向性で考えていっていいのではないかとか、あと、調査に直接関わらないような項目も幾つかありますので、それについては少し詰めてもいいかなと思っています。そういう点ではかなり議論が混在してくると思っているのですが、よろしいでしょうか。
【濱中委員】  分かりました。
【小川座長】  では、2ページの下の所得の判定方法のところについて、少し皆さんから御意見を伺いたいと思っています。特に事務局の方とすれば、今まで判定基準についてはいろいろな税額控除等の問題もあってということで、所得割額ではなくて課税所得金額にすべきではないかという議論がヒアリングの中でも出てきていますし、あと2ページの最後に書いているような、そのほかの家族構成の問題とか海外在住の場合云々というような、この辺のところをどういう方向で考えればいいのだろうかということを事務局としても、本会議の方向性についてお伺いしたいというようなことですので、その点も含めて意見をお聞かせいただければと思います。いかがでしょうか。
 末冨委員、どうぞ。
【末冨委員】  私も別に所得の専門家ではないのであれですけれども、課税所得金額に変更する方がふるさと納税などの控除の影響が少なくなるのではないかということだったのですが、技術的にはマイナンバー認定以降を考えれば可能なのですが、やはり現場の負担をどう考えるかということがございます。毎年毎年、前にも申し上げましたが、いろんな制度の変更が積み重なり、かつ、この基準を大胆に変更していくことになる可能性は高いので、なるべくシンプルかつ分かりやすいシステムになるのかどうかというところが焦点のような気もしますが。
【小川座長】  その辺のところはどうですか。事務局としての意向は、平成31年4月からマイナンバーの導入が入るので、もうこのマイナンバーの導入に合わせてこの辺のところは、変えるのだったら変えたいという意向ですよね。
【塩田室長】  はい、おっしゃるとおりです。
【小川座長】  今、末冨委員がおっしゃったように、変える際には、その辺のところはかなり事務的には、より簡略化できるというふうな見通しを持ってのこういう方向性なのでしょうか。
【塩田室長】  マイナンバーに対応した事務処理システムができますと、保護者はマイナンバーカードの写しを出せばいいだけになってまいりますので、それを出せば。あとは自治体の方も、自動的に判定されるという形になりますので、そう大きな手間にはならないのではないかとは思っているのですけれども、変えることが。
【小川座長】  いかがでしょうか。大橋先生は財政の専門家ですから。
【大橋委員】  専門じゃないですけど、相対的に見れば近いのかもしれませんが、ただ、公平性とかの観点でいうと、ヒアリングしたときのこの御指摘は正しいのかなという感じはいたします。財政の知見に基づいていませんけど、そんな感じかと。ありがとうございます。
【小川座長】  分かりました。ほかにいかがでしょうか。
 柴田委員、この件に関わっては何かございますか。
【柴田委員】  大丈夫です。ありがとうございます。
【小川座長】  ほぼこの資料3で示唆されている方向性については、この会議としては異論はなという御意向かと思いますけれども。
【柴田委員】  すみません、1点確認なのですが、5ページ目のところも今議論しても大丈夫なのでしょうか。給付金の方の話は、まだこれからですかね。
【小川座長】  ええ、そうですね。給付金については後で時間をとります。
【柴田委員】  分かりました。お待ちしております。
【小川座長】  分かりました。課税所得金額に変更することについては余り本会議として異論はないですし、ヒアリング等でそういう方向性のご意見が多く出ていたように思います。あと、家族構成等の配慮についても可能な方向ですべきだというふうな御議論はこれまでにもあったような気がします。ただ、最後の海外在住等の場合の所得把握、この件については、この会議では余り議論はしていませんし、またそれに関わるようなデータとか、委員の中にはそういうふうな専門的な方がいらっしゃらないので、会議としてその辺の議論をこれ以上深めるというのはかなり難しいように思います。
【塩田室長】  これにつきましては、もう少し私ども材料を集めた上で、また御相談したいと思います。
【小川座長】  よろしくお願いします。
 小林委員、どうぞ。
【小林委員】  この方向で私も賛成ですけれど、これも前に出たと思いますが、日本学生支援機構の方の認定所得というのは少し違っていまして、もう少し、例えば在学中の兄弟姉妹とかそういうことにウエートを置きますので、これはまたシステムの変更になって、非常に大きな問題になりますが、前から、きょうだいがたくさんいる場合どうするかという問題も出ていますので、それは将来の課題としてそういうことも検討できるようなシステムを考えるというのを少し、今すぐではなく将来の課題として入れていただければと思いますが。
【小川座長】  なるほど。分かりました。
 それでは、3ページの支給期間等の上限についてはいかがでしょうか。これも議論が出ていたものですけれども。
 小河委員、どうぞ。
【小河委員】  まさにこの超過部分についても対象と是非していただきたいというのが私の願いです。前職のあしなが育英会にいたときにも、あしながの奨学金なんかも本来であれば、留年してしまった場合とかそういうときには出ないということなのですが、しかしながら実際のところは、それぞれの事情で奨学金の貸与期間、3年ではなくて4年とか、事情によってはもう1年延ばすというようなことも、そういう配慮もしておりました。都道府県もそういうようなことで、独自にそういう判断をして、その部分上乗せをされているというように思います。
 実際、高校を中退してしまった人の学び直しに関しては、今まさに授業料支援を実施しているということで、もう少しお金が続く、これがあるのであれば、まだ学校続けられるという状況を、ここでぶちっと切ってしまうと、もう来年からは授業料をそれぞれ自分の負担で、学びを続けなければいけないということが、より中退せざるを得なくなってしまうような状況に陥ってしまうことになるということにもつながりかねないかと思いますし、先ほど申しましたように過去の経験の中でも、そういう子にこそ、単に怠けているという事情だけではなくて、様々な事情でどうしても留年せざるを得なかったというようなことも出てくることが、実際は多かったというような経験が私もありますし、そういう意味でも、是非超過部分についても支援の対象とすべき方向でしていただければというふうに思っております。
【小川座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 小河委員に聞きたいのですが、今、都道府県の方が先行して、上限を超過した者に対する支援を行っていますよね。そのときは何か該当要件みたいなのは定められているのでしょうか。
【小河委員】  都道府県の場合は、私はよく存じ上げませんけれども、ただ、例えばあしなが育英会でやっていたときには、必ず御本人から申告をしてもらって、是非1年間さらに継続をしてくださいという願いをもって、だから単に誰でもいいというような条件ではなくて、そういう願いを出してもらうことによって、最終的にはそれを判断して、支援延長と、貸与延長というような手続をとっていたというようなことなので、心配されるみたいに、誰も彼もみんなそのままずっと出していいというものでもないかと思いますが、例えばそういうようなことで事情、理解をするということは大切かなと思います。
【小川座長】  文科省の方で、こういう上限を超過した者に対する支援を行っている都道府県で、どういう要件とか手続で行っているかについて何か情報収集とか調査をされておりますか。
【塩田室長】  すみません、現時点ではそこまで詳しく調べていないので、また改めて。
【小川座長】  そうですか。
 小林委員、どうぞ。
【小林委員】  それに関連してなんですけれど、休学中の授業料の扱いはどのようになっているかということですが、国公立大学の場合には休学中の授業料は取らないのですが、私立大学の場合には全く授業料の扱いというのはばらばらで、全額負担から全く徴収していないところまで様々です。公立高校の場合には、多分同じように徴収していないのではないかと思いますが、私立の場合どうなっているかということ、もし御存じであれば教えていただきたい。
【小川座長】  分かりますか。
【塩田室長】  すみません、今は分かりかねます。
【小川座長】  恐らく支給期間等の上限の問題は、先行してやっている都道府県の手続とか要件、あと今お話あった休学中の、例えば授業料の徴収があるのかないのかというデータ、これはこの議論に関わった重要なデータというか資料になりますので、申し訳ありませんが事務局の方で調べていただければと思います。
【塩田室長】  はい。
【小河委員】  1点補足で、多分休学中だと、私立は分かりませんが、要らないという。ただ留年の場合、全て、3年間学校にいた上に、もう1年行かなければいけない。実際休学はしないので。
【小林委員】  留年はそうです。
【小河委員】  留年してしまうと、結局その部分というのはどうしてもプラス1年とか2年となってしまう可能性があるということで、その部分に対してということかなというふうに思っております。
【小川座長】  ほかにいかがでしょうか。
 末冨委員、どうぞ。
【末冨委員】  私も支給期間上乗せは高校の場合必要かなと思っていまして、単純に単位主義をとっておらず、学年主義と併用ですよね。という場合には恐らく12か月単位を基本に延長していくと思うのですが、やはり上限をどこまで延ばしますかということは課題で、大体やはり単位を取り残して、あと1年という場合が多いので、単純にプラス1年にするかどうかという、このあたりも各都道府県の制度運用がどのあたりにラインを置いているかを参考にしながら決めていく方がいいかと。するのであればプラス12か月かと、あと1年というケースは現場では多いので、あと1年を認めてあげたいとは思っています。
【小川座長】  ありがとうございます。ほかにいかがですか。支給期間等の上限ということに関わってはよろしいでしょうか。
 なければ、次の(5)の事務負担の軽減、その他に関わって、何か確認しておくべきこと、詰めるべきことへ進めます。
【末冨委員】  すみません、この件に関わって言っておかなければいけないことがありまして、スクールソーシャルワーカーの中高連携してくださいというのを申し上げていると思いますが、高校のスクールソーシャルワーカーも国としての予算措置の人員をもう少し多くしてもらえないですかね。今年の概算要求でも、高校スクールソーシャルワーカーの概算要求分47人になっていて、各都道府県に1人は、少な過ぎませんかね。
 もう一つが、その47人は恐らく公立高校対象なのです。できればですが、私立高校分についても、これは各都道府県の政策にはなるのですが、私立高校でのスクールソーシャルワーカー配置なり、あるいは個人的に思っていますのが、私立高校でスクールソーシャルワーカー配置するとかなり財政負担になるので、例えばですが、県に所属している高校スクールソーシャルワーカーを私立校に派遣できる、私学は何がしかの応分負担をするような、どの校種に行ってもきちんと、経済的に厳しいとか家庭に課題を抱える子が支援を受けられる仕組みの整備というのを国として唱導されるべきではないでしょうか。義務教育段階はスクールソーシャルワーカー配置、ものすごく充実しているのに対して、高校の47人というのを昨年度の概算要求でも見て私もがっかりして、今年も見てがっかりしたところなので、何とか今後充実していただけると、高校の現場としても非常に助かるところは多いのではないかというふうに思いますし、何よりも生徒や保護者への支援が届きやすくなると思います。
【小川座長】  確かにそうですね。ほかにいかがですか。ここはいいですか。先ほどマイナンバーの話も出てきていましたので、よろしいですか。
 では、少し急いで、次の4ページの高校の奨学給付金関係。資料3では論点(1)(2)(3)というふうに出ていますので、ここは一括して御意見を伺いたいと思います。
4ページ、5ページに関わって何か確認ないしは御意見等があれば、出していただければと思います。いかがでしょうか。
 小河委員、どうぞ。
【小河委員】  今回詳しい資料を出して、2-4の資料も拝読させていただきまして、それぞれ都道府県、私も素朴な疑問として、なぜ在住地か、在校地なのかということは非常に疑問を持っていましたけれども、それぞれの事情がよく分かって、本当にありがたかったと思います。先ほど岩田先生からお話もありましたように、これはやはり国がそもそも3分の1の補助というところからこういう状況が出ているということですから、やはりそもそもの、まず国がしっかりと財源の措置をするということがあれば、こういうねじれたような状況ではなくて、全て、例えば在校地ということで合わせることができるのかなということで、コンセンサスを得られる、各都道府県の方々も得られるのかなというふうに思います。何より私、日頃そういう大変な御家庭のお子さんとか保護者の方々と接していると、やはりこの辺、手続、先ほど言ったようにいろいろな手続がややこしくなっていることこそ大変だと思いますので、そういった意味でも、まずは国の補助をしっかりとしていただいた上で、できる限り、在校地で全部合わせていただくというようなことが必要になってくるのかなというふうに思っております。
 それからあと、2点目には、今回これはそもそも1番目の、2-1のところにあります生活保護受給世帯、非課税世帯ということ対象で、この対象に関しても範囲を、こちらに関してもどうするかという問題も1つあるかなというように思います。できる限りこれも、上にももちろん上げていただくことがいいかと思いますが、例えば非課税世帯の中で、特にひとり親の、非婚のひとり親世帯に関しては、ここの議論と少し違うところではあるのですが、実は、本来非課税になる方でも、寡婦控除が受けられないがために、要するに非課税にならないということで、こういった制度が全て使えないということで、実は私どもの給付金制度も非課税世帯というように枠をしてしまっていまして、そのことで実際にクレームというか、保護者の方から対象にならないですよねというお声も頂きました。これはそもそもの寡婦控除を認めていただくというようなところの税制改革の問題ではあるのですが、実際厚労省の方が今回、保育料に関してはみなしの寡婦控除ということで、今回一歩前進で、そのような国統一の見解を出したと、そういう決定をされるというようなこともありましたので、そのあたりも含めて、小さなところかもしれませんけれども、この範囲、せめてやはり、そういう非婚世帯で、本来非課税になるべきですがならないところにも、みなし寡婦控除の適用だとか、そういった部分についても是非、配慮する必要があるのかなというふうに思っております。
 以上です。
【小川座長】  ありがとうございます。事務局に少し確認ですけれども、今、奨学給付金で国が3分の1補助事業やっていますよね。国が今出している総額は、大体150億ぐらいでしたか。
【塩田室長】  136億。
【小川座長】  来年度の予算要求が150ぐらい…、155ですね。
【塩田室長】  概算要求、言い値ベースということで。
【小川座長】  そうですか。3分の2負担やっても、あと300弱ですね。大した額じゃないと言えば額じゃないと思いますけど、一応それくらいの額だということを少し意識して、今、小河委員がおっしゃったような、在住地主義になっているのは今の国庫負担のねじれのところだと思いますので、少しその辺のところも頭に入れながら、検討したいと思います。
 岩田委員、どうぞ。
【岩田教授】  済みません、国がなるべく出した方がいいとは思いますけれども、仮にそれが無理であるとすると、ずっとこの論点を見ていたのですが、在住地主義をとると事務負担が増えるのと、それから対象者を網羅するのが難しいというのが片方の論点ですよね。それで在校主義をとると、要するに税金を払っていない人に対してなぜ補助しなければいけないかというのが論点になっていると思います。
 それで、これは全く的外れなことを言うかもしれないですけれども、基本的には在校地主義でやって、それで他県から来た人には、出身県にその支出分を請求するというのは財政上無理なのですか。この問題は、1つは、在校県の給付額が非常に高い場合に、出身県がそれを嫌がるかどうかという問題はあるかと思うのですけれども、それと併せて、給付額の高い県へ行った方が得だという人がいっぱい行ったりすると、これは問題だと思うのですが、ただ、両方の折衷案としては、そういうアイデアがあり得るのかなというのと、これはもう一つの問題として、同じ高校に通う高校生同士で差があるのがいいのか、それとも同じ地方出身者で、あの人はたくさんもらっているという方が問題なのかということにも関わるかと思うのですが、こういうことは財政上不可能でしょうか、やはり。
 1つのアイデアです。失礼いたしました。
【小川座長】  何かありますか。
【塩田室長】  御指摘ごもっともで、そういったことが可能かどうか、若しくはそういった前例があるかどうかというような、まだ私ども勉強できていないので、もう少し調べてみたいと思います。
【小川座長】  どうぞ。
【大橋委員】  できればいい案だと思いますが、前例が分からない。
【小川座長】  検討の論点ということで、引き取らせてください。
【岩田教授】  すみません、余計なことを申し上げました。
【小川座長】  いえいえ。ほかにいかがでしょうか。
【末冨委員】  そもそも第1子は、なぜこんなに金額が低いのでしょうか。改善された後でも第2子との間に五、六万の差がありますけど、これはどういう原則に基づいてのそういう算定になるのですか。
【塩田室長】  最初始めるときに予算の制約があり、こうならざるを得なかったという。
【末冨委員】  要するに第1子が多いから、その確率が高いので、そこを一番下げるという発想ということですかね。
【塩田室長】  建前としては、必要最低限な額を第1子としてお支払いし、第2子としてもう少し上乗せするということなのですが、当時、捻出財源に当然限りが、所得制限を設けて捻出した財源の中でやるという、そういった中で対応可能な数字というのも当然、財政上の問題としてあるわけでありまして、そういったもろもろの調整結果として今のようになっていると。ただ、第1子が足りないというのは私どもも認識しているので、年々第1子の増要求をして、少しずつではありますけれども増やしていっていると、こんな状況です。
【小川座長】  柴田委員、今、奨学給付金のところの議論に入っていますので、先ほど何か発言があったようなので、よろしくお願いします。
【柴田委員】  ありがとうございます。では、(3)の部分も言っても大丈夫でしょうか、事務負担の軽減の部分。
【小川座長】  どうぞ。
【柴田委員】  ここでマイナンバーのことが書いていませんが、もし、制度上というか技術上可能であれば、ここでもマイナンバーの活用というのを御検討いただければと思うのですけれども。その1点のみとなります、意見としては。ありがとうございます。
【小川座長】  事務局、これは、給付金のところはマイナンバーの適用が難しいという、さっきの説明でしたよね。
【塩田室長】  はい。御指摘ごもっともですが、とりあえず現状では、まずは就学支援金のシステム構築をやっている状況で、現時点では給付金の方はスコープに入っていないということですが、ただ、おっしゃるとおり、これにも使えるとよりよいのは本当に御指摘どおりなので、どこまでシステム上できるのかというのをもう少し勉強してみたいと思います。
【小川座長】  検討課題ということですね。不可能ということではなくて。
【塩田室長】  分からないです、そこまで。
【小川座長】  やってみないと分からないですか。
【塩田室長】  はい。
【小川座長】  そういうことのようです。
【柴田委員】  分かりました。ありがとうございます。
【小川座長】  ほかにいかがでしょうか、給付金関係。先ほどの支援金と共通するような問題もありますけれども、ほかに何かございますか。
【末冨委員】  2点あるのですが、やはり第1子と第2子については基本的に支給額の差をなくすべきという意見を、強く推奨しますけれども、もう一つ、やはり授業料以外の支援については、その範囲の考え方をどうするかということと、多分前回私も問題提起してしまいましたが、奨学給付金を受給しながらなお不足する世帯は用途外充当だろうという話はしていました。代理受給という言い方がいいかどうか分かりませんが、これは単純に学校に代理受給させるかどうか、それともやはりできれば、先ほど申し上げた国庫負担のスクールソーシャルワーカーの増員と関連して、家計状況のアセスメントをしないと、単純に学校不信を招くだけという懸念も大きいですね。なので、一律、上から、代理受領が本当に困窮世帯の支援になるかどうかは別問題で、やはり丁寧な家計のアセスメントと表裏一体で行われるべきではないかなと思うのです。ただ原則として、滞納状況を把握しながら、代理受給とすべき場合には代理受給としていくようなことを浸透させていくことは悪いことではないかなと思います。
 話を元に戻すと、どこまでカバーするかというときに、入学時費用って全員掛かりますよね。ところが通学費補助は掛かる生徒と掛からない生徒と差が大きいので、現行も都道府県による支援差は大きいですが、通学費補助が一律国の役割として望ましいかどうかは、検討要課題だと思います。これは前提として、例えばですが給付金もかなり充実される見通しがあることと、それから、できれば私立高校についてのベースラインの補助を充実していくところで、恐らく都道府県には多少の余剰財源が生まれてくるときに、その余剰財源を高校生の、各県の実情に合った通学費補助のような形に振り向けて、水路付けるような政策スキームもあった方がいいかなというふうには考えますので、国として一律措置になじむかどうかというときに、入学費はどの地域でも掛かる、ただ通学費については地域や生徒差が大きいということで、やはり都道府県の役割の部分が大きいようにも私は考えております。
【小川座長】  なるほど。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 では、なければ、また資料3全体に関わって、何か言い忘れたこととか確認しておくことがございましたら、どなたからでもどうぞ。
 岩田委員、どうぞ。
【岩田教授】  今の点に関連して末冨先生にお伺いしたいのですが、前に、私立に行っている生徒は、公立に入学できず、仕方なくという人が多いとおっしゃっていましたよね。それで、そのとき1つ重要なのは、どういう公立高校を受けたかということだと思うのです。どういうことかというと、多分経済的に苦しい家庭の人というのは、学力的に非常に無理でも、なるべく交通費が掛からないところの公立高校を受けて、それで仕方なく私立へ行かざるを得ないとすると、例えば交通費補助を経済的に苦しい人にあげることによって、そういう人たちが公立へ行けるようになる可能性があるのではないかと思います。そうすると交通費の問題というのは、経済的に苦しい人にとってある意味、進路選択の幅を広げてあげるために非常に重要だというふうに考えるわけですけれども、何かそこら辺データがあるかどうかというのと、印象でも構わないのですが、どうお考えになりますか。
【末冨委員】  おっしゃることは、ごもっともだと思います。例えばなんですけれども、この所得制限ありの形ですが、通学費補助が上限何円まで受けられますという制度自体は学校選択を自由にしていくとは思うのですが、問題が大きいのは、都市部では交通費は比較的安いのに対して、地方部の交通費の高さ、公共交通機関も含めて高いところの差をどう考えていくかということなのですね。特に沖縄は高いという、前回調査をお出しした沖縄の公共交通機関は比較的高いですが、そういったことを考えると、地域に固有の事情もあります。あるいは、高校の統廃合によって長距離を通学せざるを得ない生徒が多い地域も、特に地方中心に多くなってきておりますので、それと都市部の事情なんかを同じように考えるべきかどうかは本当に悩ましいです。ただ、考え方としては、今おっしゃったようにベースラインの補助、通学費について国が入れていくというのは、学校選択の自由を保障する、自由というか、適切な学校選択を保障するというロジックの下でなら成り立つなというのは、今御指摘いただいて、確かにおっしゃるとおりだと思います。なので、ロジックの立て方次第です、適切な進路保障をしていくという視点に立てば、国庫としての補助は可能だと存じます。
【小川座長】  それに対して岩田委員、何かございますか。
【岩田教授】  ありがとうございました。
【小川座長】  いいですか。全体に関わって何かまだ、言い残しておいたこととか確認しておきたいことがあれば、いかがでしょうか。
 大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  就学支援金に関して、国と都道府県が支援を一体としてやっていくんだというふうなことについては、実態がそうであるし、よろしいのかなとは思うのですが、ただ、今後の制度を考えていく上で、先ほど資料2-3に頂いたように、かなり都道府県で差があると。どこに合わせていくのかと、あるいは一番高いところに合わせるのか、あるいは担税力のある都道府県には若干負担してもらうのか、実はその議論はあるのかなというように思います。当然都道府県間の競争のようなところの色彩はすごくあるのかなと思っていて、またこれが、もしかすると所得差とか、あるいは物価調整の役割を果たしているという議論も可能だと思いますけれど、ここは現状のまま、都道府県は自由にやってください、国は出しますというふうな形で厚めにできない中で、どうやって都道府県を巻き込んで全体の制度を仕上げていくのかというのは、当然論点としてあるのかなというように思います。
 以上です。
【小川座長】  それは本当に重要な論点かと思います。
【濱中委員】  就学支援金と奨学給付金の両方について言えるかと思うのですが、ともに「普遍主義で展開することができないという前提の上での議論」というものが有する吸引力があまりにも大きいように感じます。普遍主義ではなく、本当に必要なところにきめ細やかに配付するにはどうすればいいのか。そのために何をさらに議論すべきなのか。今日の議論であがった通学費などはいい事例だと思うのですが、いずれにしてもこうした問題は具体的な論点として設定しやすく、イメージもわきやすいため、議論は深まりやすいと思います。しかしだからこそ、シンプルに普遍主義を取り入れた場合の議論もしっかりとやらなくてはいけないように思うのです。恐らく、普遍主義が採用されない最大の理由は、財政上の理由もあるのでしょうが、同時に本来なら要らない富裕層に対しても給付されるというところが多くの人に受け入れられない点にあるかと思います。ただ、たとえば普遍主義的なシステムにすれば、それだけ事務のコストは一気に減ります。さらにいえば、財政の専門家、社会保障の専門家たちのなかにも、シンプルな普遍主義を支持する方も少なくないはずです。それだけの合理的な理由があるということです。こうしたことを考えると、シンプルにすると、何がどれほど問題なのかという点について整理しておく必要があると思います。 なので、これは岩田先生へのお願いにもなりますが、調査が本格化し、現状の問題点というのはどんどんクリアになっていくかと思います。ただ一方で、もう一つの選択をしたときに何が起きるかということを、限られた予算の委託調査だとは思いますが、そういったことも検討していかないと、普遍主義をベースにした議論は豊かになっていきません。シンプルな制度を目指すべきという意見は、自治体から上がってきているはずですので、その点からしてもこの部分の視点というのは絶対忘れてはいけないような気がします。よろしくお願いいたします。
【小川座長】  ここの会議としても、濱中さんの今のご発言、そして、末冨さんがずっと問題提起されている普遍主義の問題を全く触れないということはできないと思うのですが、しかし、この会議でどこまでその問題に踏み込んで議論していいのかというのは正直私も少し悩んでいるところです。本会議に要請されている検討課題との関係もありますので、事務局と今後、相談させて頂きたいと思います。
【塩田室長】  年内に中間報告的なものを一度お出ししていただければと思っています。
【小川座長】  少し事務局とその辺は詰めさせてください。よろしくお願いします。
 ほかに。小林委員、どうぞ。
【小林委員】  今の点に関連して言えば、私の方はもともと高等教育しか分かっていないので、高校のことというのは余り分かっていないというのは何回も質問しているとおりですが、この報告書は、一義的には就学支援金の効果とその検証ということですが、やはり就学支援金、これだけ国の予算を膨大に使っているわけですから、それがどういう意義があるかということをもう1回問うというのも必要だと思うのです。ここで合意ができるかどうかは別の問題として、そもそも就学支援金はどういう考え方で始まり、なぜこういうものが必要になってきたのかという話をどこかでやはりしておく必要があると思います。それは報告書の、多分前書きの方に、前書きというか最初の段階で、設立経緯とかそういうことを入れていただいてやらないと、なぜ効果の検証が必要かということだけになると、非常に現実的なことだけになってしまいますから、その辺は少し報告書の最終的なものに入れていただければと思います。
【小川座長】  ありがとうございました。検討してみたいと思います。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【小林委員】  もう一ついいですか。
【小川座長】  はい、どうぞ。
【小林委員】  また分かっていないので聞きますが、4ページ目の情報ギャップ問題の頭の現状等のところ、最初です。「奨学給付金事業は、都道府県が実施する事業に国が補助する事業であり、一部の都道府県から自県で納税していない生徒・保護者に県費を負担することは適切ではないという意見があった」ということで、これは確かにこういう意見があったというような記憶がありますが、これはそもそも就学支援金と違いまして、奨学給付金の場合には非課税世帯ですね。ということは、元々、所得税は少なくとも納めていないわけですね。住民税は納めているということでしょうか。
【塩田室長】  確かにそこは。すみません、住民税までどうかというのは、もう少し実態を調べてみないと。
【末冨委員】  固定資産税がなしで。
【小河委員】  これって住民税の非課税世帯。
【末冨委員】  住民税非課税世帯なので、住民税は非課税で、固定資産税とか。
【小林委員】   固定資産税って、だけど固定資産税納めていないからというロジックは、少しおかしくないですか。
【末冨委員】  そうですね。
【小林委員】  だから住民税非課税だったら、それで県に納めていないというのは理屈として通らないのではないですか。
【塩田室長】  そうですね。
【小川座長】  少し調べてもらいましょう。
【小林委員】  調べてもらいましょう。
【小川座長】  次回、いろいろ宿題を事務局の方にお願いして大変かと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 ほかにいかがですか。
【小河委員】  今の予算の話とか、全体のところでいうと、この就学支援金のボリュームというのが物すごく多くて、先ほど言ったように、こちらの2番以降の高校等奨学給付金の方は、さっき132億とか150億、金額にしては非常に少ない。しかしながら、私まさに高校の給付型奨学金が導入されたということは非常に大きな意味があるということで、それが恐らく大学の給付型の奨学金にもつながってきたというような経緯もあるのかなというように思っておりまして、そういう意味では、この高校の、あまり今議論もされていないというか、最近もいろいろなところでテーマにもなっていないというか、そういうのも周知度が非常に低いというところもあるのかもしれませんけれども、高校に関しての給付型の奨学金というのがいかに重要な役割をしたか。これは検証という意味でも、こちらの方の検証も、それまでなかったものがあるということになったので、どうなのかというところ。今回これも調査の中でしていただくことだと思いますが、一方で大切なことだと思いますし、こちらの方もやはり忘れずに、さらに拡充させていくことをお願いします。
 先ほど第1子と第2子のお話がありましたけど、そもそも、第1子が物すごく金額少なくて、月額にすると3,000円か4,000円ぐらいしかなかったような記憶をしておりますが、それがようやく第2子に今近付いてきているところで、これは本当に文科省の皆さんはじめ、いろいろな方々が努力をされてこういうふうになって、今見直して、第1子と第2子の格差をなくそうというところまで来ていただいているのかなということは、とても感謝を申し上げることですし、そういう意味でも、是非こちらの方の拡充ということについても、評価と、それから今後どういうふうにこれを拡充させていくかということも是非重要なポイントとして置いていただければなというふうに強く思っております。
【小川座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 最後、柴田委員の方で何か、全体に関わって御意見あれば。
【柴田委員】   理念的なことになってしまいますけれども、末冨委員からも繰り返しあるかと思いますが、やはり理想としては普遍主義の方が、より多く、分断を生まないということですよね、恩恵を受けている人と受けていない人の間で。ただ実際的には、より効果的な、経済効果だとかそういったところで見ますと、貧困層への投資というのが恐らく、一般的によく言われますけれども、貧困層への投資が一番投資効果が高いのではないか、つまり教育がもたらす将来の就労の能力だとか、そういったところへの投資効果としては高いのではないかというところがあるので、優先順位を決めるという視点からいきますと、どうしても貧困層優先になってしまうのかなというのはありますが、理念的には普遍主義を目指すべきというのが基本的な理念、考え方としては私が持っているところでして、そうなると、ではどこまで増やせるのかというのは、結局財源の規模に応じてしまいますので、そういったところで財源の話が出てきてしまうと。ただ、そこまで行くと今回の会議の範疇からは外れてしまうというところがあって、なかなか難しいところではあります。ですので、優先順位をしっかり定めていくというのが、今回の会議の重要なところなのかなとは思っております。
 少し漠然とした話ですが、補足といいますか、私からの意見の補足としてお伝えいたしました。ありがとうございます。
【小川座長】  ありがとうございました。今の点も含めて少し、普遍主義の問題についても報告書のところで、やはり何らかの形で言及しながら、この就学支援制度ないしは給付金制度の意味みたいなことはきちんと確認しておくというふうなことは記述していいのではないかという御意見もありましたので、その辺は今後事務局と相談しながら、年内にまとめる中間まとめのイメージを作ってみたいと思います。
最後、では岩田委員の方からお願いします。
【岩田教授】  奨学給付金の対象が非課税世帯であるにもかかわらず、「一部の都道府県から自県で納税していない生徒・保護者に県費を負担することは適切ではないという意見があった」という小林先生の話について、ずっと今考えていたのですが、多分こういうロジックだと思います。低所得家庭へ奨学給付金を出すというのは、ある意味では福祉政策だとしたら、何で他県の福祉政策の費用をうちが持たなければいけないということが言いたいのではないかというふうに思いますけれども。
【小林委員】  それはですね、先ほど座長からあったように、この制度自体がそもそも何のためにあるかという話に関わっているわけで、もう一つ出てきた論点として、たしか私の記憶では、最初は授業料不徴収という話から来たのではないかと思っています。つまり諸外国でほとんどもう高校は授業料徴収していないと。ところが我が国ではこれを徴収しているから、徴収しないようにしましょうと、そこから話が来ているのです。ですから、これは別に教育負担とか福祉政策とかとは、大きくいえば関係ありますけど、直接は関係ない議論だと思います。ですからそのあたりも整理しないと、今完全に、議論の上では教育負担の軽減とか福祉の話になっていますので、その辺の元々の理念から考える必要があると思いますが、その辺を含めて、座長に是非お願いしたいと思います。
【岩田教授】  先生、すみません、1点だけ確認ですけれども、奨学給付金の方も同じロジックから出てきたということでよろしいですか。今、多分議論になっており、都道府県も問題にしているのは奨学給付金、低所得者層への話ですよね。
【小林委員】  すみません、私が申し上げたのは就学支援金の話で、奨学給付金は全く別のロジックです。
【小川座長】  ありがとうございます。
 なければ、きょう用意した議題は全てこれで終わりになりますので、閉会したいと思いますけれども、次回の会議の通知をお願いいたします。
【塩田室長】  次回は、10月31日火曜日10時から、場所は文部科学省5階5F1会議室を予定しております。委員の皆様におかれましては、お時間の確保、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【小川座長】  10月31日午前10時からということですが、よろしくお願いします。
 それでは、きょうの会議をこれで終わります。ありがとうございました。

―― 了 ――

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