資料3 高等学校通信教育の質の確保・向上に関する論点メモ(案)

高等学校通信教育の質の確保・向上に関する論点メモ(案)

《総論》

1 多様な教育ニーズを持つ生徒の受け皿となっている通信制高等学校の 今日的な役割、在り方等をどのように考えるか
- 不登校や中途退学経験者、特別な支援を要する生徒、経済的な困難を抱える生徒など多様な課題を抱えた生徒が多く集まり、生徒間の学習意欲や学力の差も大きい
- 海外在住者、特定の職業分野等に関する知識・技能等を重点的に学ぶことを希望する生徒、スポーツや文化活動等に特に力を入れている生徒も受け入れている

2 通信制高等学校の「通学コース」の役割やあり方等について、どのように考えるか
※ 通学コースの運営・利用実態、目的・意義やカリキュラムの特徴等についての調査結果を踏まえて検討

《学校の管理運営》

3 学校の管理運営については、ガイドラインの周知や所轄庁による指導監督、国による点検調査等を通じて、設置者・学校による改善の取組も一部見えつつあるが、十分とは言い難い。法令に則った適切な学校運営が行われるよう、今後、更にどのような手立てを講じることが必要か

4 連携施設との適切な協力・連携関係の確保等の観点から、広域通信制高校の学則記載事項等についてどのように考えるか
- 現行法令上は、連携施設のうち協力校のみが学則記載事項となっているが、例えば、面接指導が行われる施設については学則記載事項とすることなどが考えられるか
- 面接指導が行われる連携施設(及び自校のサテライト施設)について、一部の所轄庁においては学則記載事項とした上で、具体的な要件等を設定している
- 多数のサテライト施設を展開する一方で十分な教員を確保できてず、教育の質の維持・向上の上で問題が生じているケースもあるのではないか

《教育課程の編成・実施等》

5 添削指導や面接指導等の質の向上、学習支援の充実等をどのように推進するか
- これまでの実態調査や点検調査では、添削が正誤の採点のみとなっている学校が見受けられた
- 添削指導、面接指導を中心とする通信制高等学校において、どのように「主体的・対話的で深い学び」の視点からの教育の改善を行っていくか(対面による指導時間が限られる通信制課程においては、全日制・定時制課程とは異なる工夫が必要ではないか)
- 生徒に対する日常的な学習支援の充実をどのように図っていくべきか
- ICTの効果的な活用な在り方

6 多様なメディアを利用した学習による面接指導時間数の減免について、生徒の計画的・継続的な学習を促す等の観点から、現在の運用をどう評価し、今後、どのように改善を図っていくか
※ 面接指導の単位時間数の減免の取扱いの実態について調査結果を踏まえて検討
- 「計画的かつ継続的に行われる」学習であることを担保できていない学校が相当数あると考えられるが、どのように改善を促していくか
- 「成果が満足できると認められる」かどうかについて十分な確認が行われていない学校があるが、どのように改善を促していくか
- 個々の生徒の状況に関わらず一律に10分の8減免とする取扱いについて、どのように考えるか

7 総合的な学習の時間について、目標及び内容等を踏まえて、添削指導、面接指導等が適切に行われることをどのように担保するか
- これまでの点検調査では、添削指導が実施されていないなどの課題が見受けられたが、どのように改善を促していくか

8 学校設定教科に属する科目について、「高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分考慮」し、添削指導、面接指導等が適切に行われることをどのように担保するか
- これまでの点検調査では、学校設定教科に属する科目について、年間指導計画等が適切に定められていない、添削指導回数が少ないなどの課題が見受けられたが、どのように改善を促していくか

9 様々な困難を抱える生徒の社会的、職業的な自立を支援する等の観点から、生徒指導や教育相談、進路指導、就労支援等の充実をどのように図っていくか
- 「多様な学習を支援する高等学校の推進事業」において、外部機関との連携・ネットワークづくり、課題を抱える生徒への支援、キャリア教育の充実等について、学校における調査研究を実施

10 通信制高等学校の教育の質の向上を図るため、どのような教員研修が必要か

《通信制高等学校に対する指導監督、評価等》

11 国による集中点検期間の終了後も見据えて、各所轄庁・設置者において、ガイドライン等に基づいて適切な指導監督が行われるよう、どのような施策を講じることが必要か
- 所轄庁によっては、高等学校教育に知識・経験を有する職員が配置されていないなど、指導監督体制にバラツキが見られる
- 点検調査を通じて得られた知見・ノウハウ等を、所轄庁等と共有することが必要 ではないか
- 特に広域通信制高等学校のサポート施設等に関する情報を集約、共有することは できないか(また、例えば、遠隔地のサポート施設に通う生徒に係る生徒指導上の重大事案が発生した際などに、自治体間で何らかの協力等は可能か)
- 情報の集約等に当たっては、文部科学省のイニシアティブが必要

12 特に広域通信制高等学校について、第三者による評価や、その評価結果の情報発信をどのように推進するか

13 広域通信制高等学校に対する経常費補助の在り方をどう考えるか(法令違反等が明らかになった場合など)

《その他》

14 通信制高等学校の仕組みや特徴等に関する十分な理解の下で、中学校における進路指導や、高等学校における転入学等に係る指導や助言が適切に行われるようにするために、どのような取組が必要か
- 通信制高等学校の仕組みや特徴、入学や転入学等を検討するにあたって留意すべき事項等について、分かりやすい情報提供が必要ではないか

(初等中等教育局参事官(高等学校担当)付)