学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成28年6月28日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省15階特別会議室

3.議題

  1. 学校図書館の整備充実について
  2. その他

4.議事録


【堀川座長】  皆様,こんにちは。定刻となりましたので,これより第6回,学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
  本日は,足元の悪い中,御参加いただきましてありがとうございます。この会議もあと1回か2回というところになりました。残された時間ぎりぎりまで皆様の御意見を伺いながら,少しでも,より充実した報告書にしたいと思います。審議をどうぞよろしくお願いいたします。
  本日は,前回までの論点整理(案)を基に「審議のまとめ」について審議を行いたいと思います。
  それでは,この議事進行に移る前に,事務局より何かありますでしょうか。
【友田児童生徒課指導調査係】  本日,小西委員,實吉委員,品川委員,三浦委員から欠席の旨の御連絡がございました。また,稲垣委員が公務のため遅れる旨の御連絡を頂いております。
  次に,本日の配付資料の確認をいたします。配付資料といたしまして,議事次第,資料1,参考資料1の3点を用意しております。また,委員に対する机上配付といたしまして座席表を用意しております。
  それでは,最後に座長にお諮りいたします。事務局に対して,本会議の撮影希望がありました。今回の撮影については,今時点のみ撮影可としたいと思いますが,よろしいでしょうか。
【堀川座長】  はい,よろしくお願いします。
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影希望の方については,今時点のみ撮影をお願いいたします。
  それでは,撮影はここまでとさせていただきます。
  事務局からは以上でございます。座長におかれましては,議事の進行をお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございます。
  それでは,議事の進行に入りたいと思います。
  本日の議事は,「学校図書館の整備充実について」ということで,「審議のまとめ(素案)」について審議を行いたいと思います。この後,事務局から説明を頂きますが,その前に第3回の会議でヒアリングをさせていただきました学校図書館問題研究会から意見を頂いておりますので,この場をかりて御報告したいと思います。事務局よりお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。参考資料1をごらんください。学校図書館問題研究会様の方から,これまでの論点整理(案),あるいは同(修正案)に対する意見を頂いておりますので,御説明いたします。
  1ページお開きいただきまして,論点整理(案)及び同(修正案)に対する意見ということでございます。
  まず,現状と課題,対応策の方向性についてですけれども,学校司書の働きがあってこそ司書教諭が十分な役割を果たすことができますという旨の御意見。学校司書については,その専門性が発揮できる雇用条件の改善や採用要件などについても併せて検討してくださいという御意見。また,対応策の方向性については,望ましい基準を作成するに当たっては,早急に答えを出すのではなく,大学や研究団体などと十分な協議を行い進めてくださいとの御意見です。また,その内容については,学校図書館の更なる充実や学校司書の専門性が保障されるものとしてくださいとの御意見。
  続いて,図書館資料についてですけれども,図書館資料については,教育課程に直結する資料とともに,児童・生徒の教養を育成するための様々な資料も必要ですとの御意見。選定基準は各学校の教育活動に合わせたものが必要です。新聞は複数配備が必要ですとの御意見。さらに,学校図書館の施設設備の充実も重要な課題ですという旨の御意見を頂いております。
  続いて,学校図書館の運営を支える専門的人材については,学校司書の専門性が確保されるよう,雇用条件の改善や一校一名の配置についても言及してくださいとの御意見。
  次のページですけれども,学校司書には,図書館情報学の知識が不可欠です。現段階では司書資格の取得を優先的に義務づけてくださいとの御意見。それから,ボランティアでは,学校図書館の運営・管理に関わることはできません。学校司書の要件として削除してくださいとの御意見。それから,学校司書の研修については,大学や研究団体や地方公共団体等と十分協議して,より豊かな研修プログラムを作成してくださいとの御意見。
学校図書館の運営については,学校司書が職員会議に参加するとともに,校内研究・研修にも参加することが必要です。また,評価の在り方については,様々な視点や長期的な視野に基づいて行われるべきですとの御意見。
  さらに,その他の論点につきましては,公共図書館と学校図書館のネットワークには,各学校にネットワークの担い手である学校司書が配置されることが欠かせませんとの御意見。民間業者との連携については,民間事業者への委託については,行うべきではありませんとの御意見を頂いておりますので,簡単ではございますが,御紹介させていただきます。
  以上です。
【堀川座長】  はい,ありがとうございました。
  それでは,続いて,前回までの論点整理も踏まえて,事務局において「審議のまとめ(素案)」を用意していただきましたので,御説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  それでは,続きまして,資料1を御説明させていただきたいと思います。
  前回までの中で論点整理について修正案も含めて御議論を頂きましたけれども,項目構成も含めて全体的な整理が必要ではないかという御意見を頂きましたので,「審議のまとめ」ということで素案を御用意させていただきました。この後,御議論をいただければというふうに思っております。
  まず,1ページ目,目次,大きな構成としては5つの柱立てをさせていただいております。まず,学校図書館に関する基本的な考え方を述べた上で,現状と課題,改善の方向性を述べ,その上で取組として3つ,学校図書館のガイドライン(仮称)というもの,それから,学校司書の資格・養成の在り方についてということで,こちらは作業部会を前回設置させていただきましたので,現在,作業部会の方で検討させていただいております。それから,5として,今後求められる取組について記載をさせていただいております。
  おめくりを頂きまして,2ページからが「はじめに」ということで,本調査研究協力者会議の設置に至る背景等を書かせていただいております。平成9年の学校図書館法の一部改正から12学級以上の学校に司書教諭が必置されることになったこと,それから13年には子供の読書活動の推進法,それから,17年には文字・活字文化振興法が成立をしております。また,予算の面では,第4次学校図書館図書整備5か年計画が平成24年度から開始されております。学校図書館の図書については,単年度200億円,5か年で約1,000億円,それから,新聞配備に要する経費として単年度15億円,5か年で75億の地方財政措置が講じられております。また,学校司書の配置に関する経費についても毎年度,約150億円の地方財政措置が講じられているところでございます。また,学校図書館法の一部改正が平成26年に行われ,その附則において,学校司書の資格・養成の在り方等についての検討ということが求められているという旨の記述です。また,近年の学校図書館に求められる役割として,調べ学習やNIE等々,言語活動や探究活動の場,あるいはアクティブ・ラーニングを支援していく役割が期待されている旨を記述しております。これらを踏まえまして,本協力者会議が設置され,これまで関係団体等からのヒアリングを実施するなど,開催してきたという旨でございます。
  3ページに入りますが,具体的内容で,1,学校図書館に関する基本的な考え方についてということで,学校図書館の位置付けとしての学校図書館法の規定,それから,前回,委員から御指摘を頂きました学校教育法の規定ということで,義務教育の目標として,読書に親しませること,あるいは,学力の3要素が30条第2項に規定されたこと等々も踏まえて,学校図書館は読書を通した豊かな心の育成とともに,確かな学力の育成の基盤となる重要な機能を有している旨を記載しております。
  また,その後,生涯にわたる学習の基盤形成にもつながるものであるということ,それから,学校図書館法において学校図書館に児童・生徒,教員の利用に関しての規定を書かせていただいた上で,学校図書館の役割として読書センター機能,それから,学習センター機能,情報センター機能を持っているということを書かせていただいております。
  3ページの最後からは,現在,中央教育審議会におきまして,次期学習指導要領に向けた審議が行われておりますけれども,その中で論点整理が示されております。論点整理の中では,4ページに参りますけれども,児童・生徒がどのように学ぶのかという点について,主体的・対話的な深い学びというアクティブ・ラーニングの3つの視点からの学習指導方法の改善ということが求められておりますけれども,学校図書館においては,図書館資料を有効に利活用すること,あるいは,問題発見・解決のための資料・情報の収集・提供・選択等を通じて授業内容を深め,より豊にするものであるということの重要性を書かせていただいております。
  また,さらには,情報化社会においては,従来の利用指導を更に進めて情報活用能力の育成が求められているというものであります。教科横断的な力を育成することが期待されているということであります。
  さらには,こういった学校図書館の機能を発揮するためには,専門的人材の配置,その資質能力の向上を図るとともに,図書館資料の充実の双方を図ることが重要であるという旨の記述。それから,小・中学校はもとより,高等学校や特別支援学校における図書館の整備・充実も重要な課題である旨の記載をしております。
  続いて5ページからです。5ページからは学校図書館の現状と課題,改善の方向性についてでございます。(1)が現状と課題ということで,前回,論点整理でも記載をしておりましたように,日常的に活用されている学校や地域もある一方で,十分でない学校,地域もあるなど,そういった格差が大きい旨の記述をしております。それから,その次が人材の面ですけれども,学校図書館が十分にその機能を発揮するためには,司書教諭と学校司書がそれぞれの役割,職務に基づき,協働して管理運営に当たることが重要であるという基本スタンスを書いてございます。
  それから,学校司書については配置率が増加してきておりますけれども,この点は地方公共団体がその必要性を強く認識しているということがうかがえるという一方で,学校司書の保有する資格等々については,それぞれ状況が異なっており,学校図書館法の附則を踏まえた検討,水準の確保が必要であるとしております。
  続いて,図書館資料の面です。学校図書館図書標準を達成している学校の割合も増加してきておりますけれども,小学校で6割,中学校が5割にとどまっているという観点,それから,適切な廃棄・更新を行うことが必要である旨の記述であります。さらには,アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善,あるいは,小学校における英語教育,特別支援教育等々,主権者教育の推進,こういった観点からも図書館資料の充実というものが必要であるという旨,記述してあります。
  さらには,新聞の配備につきましては,ここにありますように,配備している学校の割合が小・中学校で増加してきておりますけれども,新聞の配備,新聞の数については平均で小学校が1.3紙,中学校で1.7紙,高等学校では2.8紙ということになってございます。
  6ページに移りまして,(2)が改善の方向性であります。改善の方向性については,こういった学校図書館が学校教育にとって非常に重要な機能になっており,全国的な教育水準の維持・向上に向けて,学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう,改善を図っていく必要があるとしております。具体的には,以下の3つの取組を行うべきということで,1つは,学校図書館のガイドライン(仮称)を定める必要があるということで,その検討を3ポツに記載してございます。続いて,2点目が,学校図書館法の附則を踏まえた学校司書の資格・養成等の在り方についての検討を4ポツに記載したいと思っております。さらには,今後,国や教育委員会等において学校図書館の整備・充実に向けた一層の取組を求める必要があると考えており,今後求められる取組について5ポツとして記載してございます。
  7ページからが学校図書館のガイドラインの内容でございます。学校図書館のガイドラインにつきましては,ここに枠囲みで示してございますように,(1)から(7)までの整理をしてはどうかということを考えてございます。まず,1番目が,学校図書館の目的・機能についてであります。先ほどの学校図書館に関わる基本的な考え方をベースに記載をさせていただいてございます。
  (2)が学校図書館の運営についてであります。前回,委員からの御指摘の中で,まず運営から入るべきであるということで,こういった項目とさせていただいております。校長は学校図書館としての館長としての役割を担っており,校長のリーダーシップの下,学校は学校図書館の運営計画を定めることが望ましい。また,その運営は,同計画に基づき教職員の連携のもと,計画的・組織的になされることが望ましいということで,例えばということで,教育委員会が校長を学校図書館の館長として指名することも考えられるというこの前の御意見を踏まえた記載としてございます。また,校内組織を設けた上で,円滑な運営を図ることが望ましい旨の記載。
  それから,8ページに移りまして,学校図書館が可能な限り教職員や児童・生徒が最大限自由に利活用できるよう,また,学級になじめない子供の居場所となり得ることも踏まえ,児童・生徒の登校時から下校時までの開館に努めることが望ましいということです。また,長期休業日等にも学校図書館を開館し,児童・生徒に読書や学習の場を提供することも有効である旨の記載であります。また,学校図書館は,他の学校の図書館,それから公共図書館,最近では学校図書館支援センターもございますけれども,これら,博物館,公民館等と密接に連携を図り協力することが望ましいということであります。
  続いて,(3)学校図書館の利活用でございます。学校図書館は,児童・生徒の興味・関心等において自発的・主体的に読書を行う場であることが望ましい。このため,児童・生徒が落ち着いて読書を行うことができる安らぎのある環境に整えておくことが望ましいということでございます。
  続いて,学校は,学習指導要領等を踏まえ,各教科等において,学校図書館は計画的に利活用し,児童・生徒の学習活動や読書活動を充実することが必要であるということでございます。また,学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を指導するということの記述がしてございます。それから,学校図書館は児童・生徒の家庭など,学校外での読書活動を支援するため,図書等の館外貸出しを積極的に行うことが望ましい旨の記述であります。
  (4)が,学校図書館に携わる教職員等ということです。主な教職員としては,校長等の管理職,それから,司書教諭や一般の教員,学校司書の方々がいらっしゃり,その機能を十分発揮するために連携・協力し取り組むという旨の記述であります。校長は,学校経営方針,計画に学校図書館の利活用を盛り込み,その方針を明示し,学校図書館の運営・活用・評価に関してリーダーシップを発揮することが期待されます。学校図書館がその機能を十分に発揮するためには,司書教諭と学校司書がそれぞれの役割・職務に基づき,連携・協力をし,協働して運営に当たるということでございます。具体的な役割,職務につきましては,平成26年3月の文科省調査研究協力者会議の報告が参考になるというふうに考えてございます。
続いて9ページですけれども,司書教諭についての記載をさせていただいております。その下が,学校司書の職務についての記載をさせていただいてございます。その上で,学校司書がその役割を果たすとともに,学校図書館の利活用が教育課程の展開に寄与する形で進むようにするためには,学校司書が職員会議等に参加し,全体の状況も把握した上で職務に当たることも有効ということ。それから,地域のボランティアの方々の協力を得ることも有効であると記載してございます。
  続いて,(5)が図書館資料についてでございます。前回の御議論を踏まえまして,図書館資料の種類をまず記載した上で,学校図書館の図書館資料は児童・生徒の発達段階等を踏まえ,教育課程の展開に寄与するとともに,健全な教養の育成に資する資料構成とすることが望ましい旨の記載をしております。
  10ページです。選挙権年齢の引下げに伴い,児童・生徒が現実社会の諸課題について多面的・多角的に考察し,公正に判断する力を身につけることが一層重要になっており,新聞を教育に活用するために,前回御指摘を頂きました,複数紙の配備が必要である旨を記載しております。また,小学校英語等々も含めたデジタル教材等も充実が必要であるということ,それから,障害のある児童・生徒の支援の観点から,様々な形態の図書館資料も必要である。
  続いて,丸2が図書館資料の選定・提供でございます。まず,選定については,各学校において明文化された基準を定めるとともに,基準に沿った選定を行うことが望ましいということで,校内組織を整備し,学校組織として選定を行う旨の記述。それから,教育課程の展開という観点では,文学ばかりではなく,様々な分野の図書館資料の割合を高めていくことが必要である旨の記述。それから,学校図書館は,公共図書館や他の学校図書館からの相互貸借を行うとともに,インターネット等も活用して資料を収集・提供することも有効である。
  それから,続いて丸3が図書館資料の整理・配架であります。当然ですが,有効に利活用できるよう,原則としてNDCにより整理し,開架式により配架することが望ましいといった上で,目録の整備,あるいは蔵書のデータベース化等々を行うことが望ましい旨を記載しております。
  続いて11ページですけれども,館内サインや見出し等を設置するなど,児童・生徒が自ら資料を探すことができるように配慮・工夫すること,あるいは,季節や学習内容に応じた掲示・展示コーナーの設定等々も有効であるということ,それから,学校図書館に模型や実物,児童・生徒の作品等の学習成果物を掲示することも有効である。それから,児童・生徒が気軽に読書活動できるよう,各学級には学級文庫を設置することが有効であるということを記載しております。
  続いて,丸4が図書館資料の廃棄・更新であります。児童・生徒にとっては最新の正しい知識に触れる環境が適切であることから,図書館資料の廃棄の基準を定めるとともに,基準に沿った廃棄・更新を行うことが望ましい。また,貴重な資料については公共図書館への移管も考えられるということであります。
  続いて,12ページが学校図書館の施設についてでございます。施設につきましては,文部科学省の方で,学校施設整備指針を学校種別ごとに定めてございますので,こういった指針に沿って整備されることが望ましいということでございます。ここには小学校の例を抜粋しておりますけれども,総則の中で,情報環境の充実ですとか,施設のバリアフリー対応,こういったことを記載してございます。それから,図書室については,十分な広さの確保,それから,児童の活動範囲の中心的な位置に計画することが重要である旨,それから,学習・メディアセンターとしての位置付けも記載されてございます。
  13ページですけれども1学級相当以上の机及びいす配置する等々,学習センター機能,情報センター機能,読書センター機能を果たすよう設計するということも記載されてございます。
  続いて,最後は(7)学校図書館の評価についてでございます。学校図書館の評価については組織的に行い,評価結果に基づきPDCAサイクルの中で運営の改善を図ることが望ましいということと,評価に当たっては,コミュニティ・スクールの活用等,外部の視点を入れるとともに,評価結果は公表に努めることも重要である旨の記載をしております。また,評価の観点としては,図書館資料の状況,学校図書館の利活用の状況,児童・生徒の状況等について評価され,アウトプット,あるいはアウトカムの観点から評価が行われることが望ましい旨を記載しております。
  14ページは,現在,作業部会において検討中ですので,作業部会での検討がまとまり次第,ここに御報告させていただきます。
  最後が,15ページからの今後求められる取組についてでございます。国においては,先ほどの学校図書館のガイドラインを定めることが必要である旨の記載をしております。また,学校図書館のガイドラインの普及に向けて,国の施策等の説明等々,連絡協議会を企画・実施することが期待される。また,学校図書館に関する研修資料の作成も期待されるという旨を記載しております。
  教育委員会に求められる取組としては,このガイドラインを踏まえた施策の展開ということで,特に,まずは学校図書標準を達成していない学校については達成に向けた支援,それから廃棄・更新についての支援が必要であるということと,教育委員会においては,司書教諭の配置についてですけれども,12学級以上の学校に配置することはもちろんですが,11学級以下の学校における配置の推進にも積極的に取り組むことが望まれるということ。それから,学校司書の配置については,その職務が十分に果たせるよう,その充実に向けた取組とともに,学校司書の職務の特性から,継続的な勤務に基づく知識や経験の蓄積が求められることも踏まえ,その配置,支援を継続して行うことが期待されるということ。それから,研修の重要性,また校長等の管理職を対象とした学校図書館の重要性について理解を促進することが求められる。また,近年,公共図書館を学校図書館支援センターとして位置付ける事例もあり,公共図書館等との連携・協力により,様々な取組を進めていくことも機能の向上に役立つものと考えてございます。
  16ページですけれども,また,地方公共団体においては,学校司書を配置する方策として,公共図書館や民間業者から職員を派遣している事例もございます。学校図書館法に規定されている学校司書として想定されているものは,学校設置者が雇用する職員であるという点と,教職員が校長の指揮・監督下で勤務するのに対して,派遣職員は公共図書館長,あるいは派遣会社代表者の指揮・監督で勤務している。これらを踏まえて,派遣職員が学校図書館に適正に携わるには,契約内容を十分に検討し,学校等との事前の協議・調整等が十分に行われることが重要であると記載しております。
  なお,ここまでの記載というのは,主に公立学校を念頭に置いたものとなってございますけれども,国立,私立の学校においても,それぞれの設置者で取り組むこと,あるいは,教育委員会等との連携により,その学校図書館の充実に取り組むことが求められるという旨を記載してございます。
簡単ではございますけれども,以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございました。大変よくまとめてくださったと思って,感謝,感謝です。先ほど御説明がありましたように,前回までは論点整理という形でまとめてありました。それで,望ましい基準がその中に埋没していましたので,構成についても皆さんから御意見があったところですが,今回は,この協力者会議の審議のまとめという形で,こういうふうにすっきり5本の柱にしてくださっています。
  確認なんですが,「学校図書館の望ましい基準」と言っていましたが,今回は「ガイドライン」という名前に変わったということについて,確認のために説明をしていただけますでしょうか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  はい,済みません,3月におまとめいただきました論点整理(案)においては,「学校図書館のガイドライン」という記載をさせていただいておりましたけれども,その後,前回の会議のときに,いずれにしても仮称ですけれども,「望ましい基準」というふうに書かせていただきました。ちょっと,文科省の方でも検討したのですけれども,地方分権推進計画というものを政府全体として閣議決定をしておりまして,その中で,基準というものについては法令に基づき定めるということは,政府全体の地方分権への流れの中で閣議決定をされてございます。具体的には,自治事務に係る基準については,通達によらず,法律又はこれに基づく政令(省令・告示を含む)ということにおいて定めるということがなされておりますので,「基準」という言葉を使わずに「ガイドライン」ということにさせていただければというふうに思ってございます。
  以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。そうしますと,公共図書館の方は図書館法の中に「望ましい基準」という条項がありますので,それが出たと。学校図書館法にはそれがないから「基準」では出せないということなんですね。はい,ありがとうございます。
  それでは,この審議のまとめ(素案)について,御意見をちょうだいしていきたいと思います。前半の6ページまで,それも最初から行きましょうか。細かい文言一つ一つ,どういうところでも結構です。
  まず1ページはありますか。1ページはいいですね。
  2ページ,「はじめに」のところで何かお気が付かれた点はあるでしょうか。
  はい,佐藤委員さん。
【佐藤委員】  4ページのアクティブ・ラーニングの3つの視点についてですが,どなたが読まれるか分からないということを考えると,ここは主体的な学び,対話的な学び,深い学び,といったところはわかりやすくという点に御配慮いただければと思って見させていただきました。
【堀川座長】  はい,済みません,じゃあ,4ページまでのところで何でも結構です。今の3つの視点。いいでしょうか。ほかにはどうでしょうか。私もこの3つの視点がもっと具体的に出てくるといいなとは思っていましたけれども,ほかの委員さんはいかがでしょうか。4ページまでのところで御意見を伺えればと思います。
はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  1ページ目のところはないですかということだったのですけれども,3ページ目と1ページ目と関わるのですけれども,1が「学校図書館に関する基本的な考え方について」という項目になっています。これを「学校教育と学校図書館に関する基本的な考え方について」というふうになると,今のアクティブ・ラーニングなどの教育のことにも触れながら,そこで果たす学校図書館の役割が鮮明になるのではないかというふうに思いました。
【堀川座長】  なるほど,ありがとうございます。ほかの御意見を。
  はい,堀部委員さん。
【堀部委員】  今の加藤委員の関連で,私もその意見に賛成です。1ポツの白丸の1番目と2番目,特に2番目に学校教育法のことを入れられたというのはすごく有益だというふうに思います。であれば,ちょっと白丸の内容が,学校図書館法がらみの部分と学校教育法がらみの部分があるというところからすると,今の項目を生かすところであれば,学校教育法を先に出した後,学校図書館法の流れという方が,収まりがいいのかなというふうに思いました。
  それから,別の視点から,5つ目の白丸のところ,読書センター,学習センター,及び情報センターとしての機能という,いわゆる3つの機能というところで,今回,学習センターと情報センターの機能をあえて分けているというところが,前回の会議からの経過であります。これが書き分けられるかというところも一つあるのですけれども,書き分けるところに何か違いがあるのではないかという現場の気付きがあるということも,私も現場の声から実感したところがあるので,書き分けることが可能であるかというチャレンジをしていただければなと思います。
  それは,4ページに,今,アクティブ・ラーニングのところに,これからの目指す方向性というところで,キーワードが幾つかある中で,「課題解決」ですとか,「探究的な学習」という文言も納められるといいのかなというふうに2つ目は思いました。
  それから,3点目は,4ページの白丸の1つ目に,「学校図書館における従来の利用指導を更に進め,学校図書館の活用を通した……」というところで,この「従来の利用指導を更に進め」というのは,専門家というか,学校図書館に関わる人間については見えるのですけれども,その意図というのは,単に利用指導ではないというところは,もう少し何か説明をされるといいのかなということ。加えて,学校図書館の活用という部分は,単に建物,あるいは場所の活用というところにとどまる解釈でいくのか,もう少し広義に,学校図書館の機能を活用するというところまで踏み込んでいるというところを,あえて見えるようにするというような工夫をされると,これから目指す方向性が踏まえられるのではないかと思いました。
  以上です。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。
  はい,小瀬村委員さん。
【小瀬村委員】  今の堀部委員の後半の御意見に関連して,学校図書館の利活用に関しての文言が,4ページに挙げられています。後の方のページでまた利活用が出てくるのですが,ちょっと利活用に関して弱いなというところがあるので,利活用を検討した後で,ここをもう少し深めていただけたらと思っています。今ここで利活用まで話してしまうと,多分違う審議になってしまうので。
【堀川座長】  後でというのは,ガイドラインの方でしょうか。
【小瀬村委員】  そうですね,ガイドラインの方で全体的に学校図書館に関わる”人” ”もの” ”こと”に分けた場合には,図書館の資料と人材についてはかなり詳しくできていると思いますが,先ほど,利活用,要するに,学校図書館をどう活用していくかという点について,今まで議論に乗っていなかったということもありますけれども,利活用についてもう少し詳しくする必要があると思っています。
【堀川座長】  はい,じゃあ,それは7ページ以降のところでまた御意見を。
【小瀬村委員】  そうです。だから,ここにある文言がこれだけでは後で議論した場合に弱いのではないかなという思いです。
【堀川座長】  はい,そして,実際には,このガイドラインはガイドラインだけ独立してまた歩き出すことになりますので,ここのところをもっと厚めに書いていただきたいということですよね。
【小瀬村委員】  そうですね。
【堀川座長】  そうしたいですね。はい,それでは,ほかの委員さん,いかがですか。
  植松委員さん。
【植松委員】  学校図書館の整備・充実ということなのでこれでよろしいのかと思うんですが,全体として,教職員がサービス対象者である,主に児童・生徒に対してこういうものを与えるというような流れが強くて,例えば,児童・生徒がこういう図書館の運営に関与することで他に対してのサービス的な感覚を養うとか,そういう,利用者側としての児童・生徒というのがもう少し管理とかサービスとかに関与して,生徒と教職員とが作り上げていく学校図書館というふうなのが入った方がいいのではないかと思います。しかし,どこに書くのがよいのかなかなか難しいとも思います。
【堀川座長】  なるほど,確かにそうですね,児童・生徒の側(がわ)からの視点というか,何が育つかというか,入れたいですね,どういうように入れたらいいか,またお知恵を拝借したいところですが。
  はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  植松委員が言われたことと関係があるような気がするので発言します。児童・生徒や教職員が,自分が選んだ資料を使って自由に学ぶというところが図書館の大きな働きになると思うので,そういう,自分が選んだ資料を使って自由に学ぶ,それを自発的とか,主体的とか,思考を中心とした学びということに結び付けた記述があったらなあと思います。それは,教員においても,授業を作るというところで,同じように,資料を自由に使う,学問の自由というところと結び付いてくると思うので,そういうことがあったらいいなと希望します。
【堀川座長】  この基本的な考え方のところにこれを入れたいですね,はい。ほかの委員さん,いかがですか。
  それでは,一応この4ページまでは,また後に戻っていろいろ御意見を伺いたいと思います。
  それでは,5ページ,6ページあたりはいかがでしょうか。改善の方向性についてですね。
  稲垣委員さん。
【稲垣委員】  よろしいでしょうか。内容的に非常にまとまっていて網羅されていると思っています。本当に細かな点なのですが,2番の(1)で現状と課題,(2)で改善の方向性と括(くく)っていますが,(1)の中にも,単に事実としての現状,事実としての課題とともに,改善の方向性も含めて書かれていると思います。
  例えば,(1)の1つ目の丸は,「格差が大きい」という語尾で,これは抽象的で数字化するのが難しいけれど,現状認識が書かれているのかと思います。2つ目の丸は,「重要である」という語尾になっていて,じゃあ,現状や課題はどうなのかなというところが,ここには書かれていません。「重要である」という表現は,課題のようでもありますし,改善の視点を示しているようでもあります。
  非常に細かなところを見ていくと,(1)のそれぞれの項目が,事実としての現状をすっきり書いているのか,課題を書いているのか,方向性も含めて書いているのかというところを,もう少し整理した方が後々いいのかなというふうに思いました。
  例えば,6ページの一番上ですけれども,(1)の最後の丸では,新聞の数,とりわけ種類,小学校では1.3紙,中学校では1.7紙という事実だけがここには書かれています。この事実をどう捉えているのかという課題の認識や改善の方向性には触れられていません。これは10ページに行くと,「複数紙」ということで,今後の改善の具体的な方向性が示されています。
  長くなりましたが,2の現状と課題,改善の方向性の書きっぷりというか,表現の方法は,もう少しそろえた方がよいのではないでしょうか。

【堀川座長】  はい,ありがとうございます。指摘されると,なるほどという,5ページなども,「必要である」というふうに書いてあるのは,現状なのか,課題なのかということですね。ありがとうございます。皆さんの,やはりいろいろな目で見ると有り難いですね。ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  では,こちらのところも一応終わりにさせていただいて,また戻ってくることはできますので,7ページからの,今度はガイドラインの中身について御意見を伺いたいと思います。一番初めに課長さんがお話をしてくださったように,「30年先の学校図書館」という言葉があって,とてもうれしく伺わせていただいたのですが,そうした30年先の学校図書館にも対応できるようなガイドラインに,是非,どんどん改善していっていただきたいのですが,そうしたものをまとめることができるといいなというふうに思っています。先ほどの学校図書館問題研究会のところで,「早急に答えを出すのではなく」というように御意見を頂いているのですが,このチャンスを生かしてまとめられるところで,完璧なものではなくてもできるだけのものはまとめておきたいなというふうに思います。実際にこうした協力者会議で報告書がまとまらなかったということもあったようですけれど,何か形にまとめないと先に進めないというふうに思いますので,是非,委員さん方には,これをどんどん叩(たた)いていただいて,随分まとまっているとは思いますが,やはり,いろいろな目で見ると気になるところがあるかと思います。
  最初の目的・機能,運営,(3)のところまで,7ページと8ページの真ん中辺までのところで気がついたことはいかがでしょうか。
  はい,平久江委員さん。
【平久江委員】  2点あります。1点目は,最初に基準についてちょっと御説明いただいて,なかなか「基準」という言葉が使えないということで御説明いただいて納得はできるのですけれども,ただ,ここで「ガイドライン」という言葉を使っているのですけれども,文部科学省の方で「学校図書館の手引」というのをずっと作ってきたということがあります。ガイドラインを作ると,どうもその辺が何となく混同されてきそうだという感じがするので,できれば,そういった横文字を使うのは,やめた方がいいのかなということがあります。やはり,これはすごく画期的なことだと思うんです。ですから,それが明確に出るようにすべきではないかと思います。
  そういう意味では,いろいろな言い方があるかと思うんですけれども,「指針」とか「方針」というとちょっと弱いような感じがするので,例えば,「標準」というような言葉は使えないのか。これは,「学校図書館図書標準」という言い方もありますので,ある程度の一貫性も出るかなというふうに思いますので,「学校図書館標準」というような,何かしから「ガイドライン」ではない日本語の言葉を当てはめていった方がいいのかなと,これは意見です。
  2点目ですけれども,それと絡んだ話なのですけれども,公共図書館の方で望ましい基準というのがあるということは御存じかと思うんですけれども,その望ましい基準では,文末の表現に「努めることとする」というふうになっています。これはほとんど「努めることとする」というふうになっていまして,幾つか「望ましい」という表現も見られます。このガイドラインに関して言うならば,「望ましい」という言葉が使われているんです。例えば,7ページの一番下の白丸のところですと,「運営を図ることが望ましい」という言い方なのです。これを「努めることとする」という,より強い表現にできるのかどうかというのが2点目です。
  もし,それが難しいにしても,「ことが望ましい」という部分を全て取ることはできないのか。やはり,ガイドラインですから,望ましいことを,ある程度書いているということは分かり切っていることですので,表現の中に「望ましい」という言葉を使う必要があるかどうか,削除できないのかということが,質問も含めての意見なのですけれども,以上2点です。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。皆さんのお手元のところに前回までの議事録がありますが,第5回の議事録の幾つ目かのところに,「図書館の設置及び運営上望ましい基準」というものがあります。そこを見ていただくと,なるほど,文章の末が「努めなければならない」,「努めるものとする」というような表現になっています。場所がわかったでしょうか。「参考資料3」と書いてあるところ,5回目の議事録です。「学校図書館標準」というのは面白いですね。面白いと言ってはいけませんが。
  7ページ,8ページあたりはいかがでしょうか。
  はい,小瀬村委員さん。
【小瀬村委員】  先ほど利活用についてちょっとお話しさせていただいたのですけれども,何回か出てくる情報活用能力の定義は,ここではされてはいませんが,情報活用能力をどう捉えるかということにも関連してきます。4ページなどを見ると,かなり探究活動,課題を発見して探究していくという活動のあたりまでについては,今まですごく丁寧に扱っているのですけれども,アクティブ・ラーニングと情報活用能力を最終的に発信したり表現,プレゼンしたり,そういう伝達行為というあたりのところに学校図書館をこれからは使っていく,そういう場であるべきではないかと思っています。先ほどの30年先の図書館といったときに,やはり,プレゼンして,例えば,プロジェクターがあって,スクリーンが下りてきて,というようなことも想定していくと,ただただ調べてそれでおしまいではなくて,そういった利活用の部分が入ってほしいなと思いました。
  また,前回,図書館の発信の広報活動が大切ということが出ました。どこかに出ているのかなとは思いますが,図書館の利活用の一番最後,子供たちの貸出しの推進というところにおいて,家庭との連携という点で,広報活動の文言が入るといいなと思っております。
  もう1点あります。これは利活用ではないのですけれども,そのページの(2)の「学校図書館支援センター」という文言が度々出てきますが,この学校図書館支援センターは,私も不勉強なのですけれども,どこか今までの基準とか,そういったところで国の方で定義されてきた文言なのでしょうか。何かスッとここに入ってくるのですけれども,国から下りていくものの資料としては,ちょっとどうなのかなと思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。そちらから何かありますか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございます。まず,平久江先生からの御指摘の語尾については,ちょっとまた検討をさせていただきたいと思います。ただ,1点だけあるのは,要は,義務づけをするようなことは我々としてはできないというふうに考えているということでございます。
  それから,もう1点,小瀬村先生の方からの御指摘で,学校図書館支援センターですけれども,これは,これまで文科省の方で何か定義を置いたり,そういったことをしていたかどうか確認をさせていただきますけれども,全国の中でそういった事例というのが現在,出てきておりますので,公共図書館の学校図書館への支援といったような役割というものを一般的には想定して,ここは記載をさせていただいたのですが,もし,何か,より適切な記載の仕方があれば。
【堀川座長】  はい,その辺また検討していただいて,学校図書館支援センターの事業というのがありましたよね,文科省で,そこでは定義されていなかったんですかね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  確認いたします。
【堀川座長】  はい,検討していただいて,それから,私もちょっとここのところで気になったのは,「公共図書館(学校図書館支援センターを含む)」と,公共図書館に併設されているものではない学校図書館支援センター,教育委員会に置いてあるものもありますので,その辺を一律にこうやって入れていいかなという気はしています。
  それから,先ほど小瀬村委員さんがおっしゃったように,確かに「広報」という言葉がなくなってしまいましたね。あと,ここの利活用のところに情報活用能力の定義というか,もう少し情報活用能力を育成するのだということを入れてほしいということです。
  ほかの委員さんはいかがでしょうか。
  はい,高橋委員さん。
【高橋委員】  戻ってしまうんですけれども,この,やっぱり「望ましい」というのが,「望ましい」という表現と,後の話にはなるかと思うんですけれども,評価のところがどう関係してくるのかというのが非常に重要だと思っていて,望ましい上に評価に入ってこないと実現されないだろうなというのを強く感じています。ですから,「望ましい」という言葉のままで行くのであれば,評価のところで,実施されているのか,いないのかというのが見える化をしていかないと,実現に対してのアクションというのにつながらないかなというのを非常に感じています。
【堀川座長】  これを作った時点では望ましい基準として中身を作ってくださっているということもあるかと思いますが,この辺はまたちょっと要検討ですね。
  はい,平久江委員さん。
【平久江委員】  少し具体的な話になるのですけれども,7ページの1番下の白丸のところです。ちょっと先ほどと絡んでしまうのですけれども,「必要に応じて,望ましい」というふうに,かなり表現が弱いのかなというふうな気がしますので,また「望ましい」が取れれば「必要に応じて」があった方がいいのかどうかという判断もあるかと思うんですけれども,多分そこに絡んでくる話なのだと思いますが,「必要に応じて望ましい」という表現は弱過ぎるのではないか。
  同様に,2点目で,学校図書館,「可能な限り望ましい」と,やはりここもちょっと弱いかなという感じがしますので,「望ましい」との関連で考えていただければと思います。このままでしたら,「必要に応じて」とか「可能な限り」を取った方がいいのかなというふうに思います。
  それから,8ページの(3)学校図書館の利活用の1つ目の白丸なのですけれども,これは読書に関する記述です。現在,「自発的・主体的に読書を行う場であることが望ましい」とあるのですけれども,その後の部分で,「児童・生徒が落ち着いて読書を行うことができる,安らぎのある環境に整えておくことが望ましい」と書いてあります。これは読書に対する考え方としてはちょっと古いのかなという感じはします。むしろ,一つの側面としては,自発的,主体的に読書を行う場というのは大事なのですけれども,それと同時に,読書を介して創造的な活動を行う場でもあると,そういう側面を持っていて,そこが学習との活用につながっていく部分だと思います。ですから,読書を介して総合的な活動を行う場でもあるというようなこと。それから同時に,安らぎのある環境ということも大事なのですけれども,それだけではなくて,やはり,知的好奇心を醸成するような開かれた学びの環境であるというような,そういった文言を加えて捉えていかないと,ほかとの整合性が欠けてきてしまうのかなというふうに思います。読書の捉え方について少し考えていただけたらと思います。
【堀川座長】  はい,いろいろありがとうございます。
  植松委員さん。
【植松委員】  今の平久江先生の話につながるところでありますが,私も,学校図書館の利活用というところで,安らぎのある環境というのは,適当な場所ではないなと思います。利活用は利活用のことで,この環境等については,後の方の施設とかのところで記述するのがよろしいのではと思います。
  そして,公共図書館でも大学図書館でもそうなのですが,そういうアクティブ・ラーニングのような,議論しながら,声を出しながらグループでする活動と,静かにゆっくり本を読みたいというものとが現在,図書館の中の需要としてあるので,その両方の場を整えておくということが求められていて,大学図書館で言えば,アクティブ・ラーニング・スペースというものを作り,かつ静かに学習できる静かな読書室みたいなものを作るというのが流れになっておりますから,学校図書館でも,余裕があればそのようにしていくべきであろうと思いますので,この部分で書くのではなくて,施設のところでそういうことをきちっと書いた方がよろしいと思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。活動としては,だから,授業でも使う,あるいは自由に使うというような,そして,先ほどおっしゃったグループでする活動もあるし,個別にする活動もあるしと,子供たち,あるいは教員,授業の形態が見えてくるような文章が有り難いですね。
  はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  8ページの学校図書館の利活用の部分に,学校図書館の教員サポートの機能が漏れているかなと思います。教員の,例えば,探究的な学習を作る授業作りとか,子供たちの意欲を掘り起こす創意工夫に富んだ授業作り,そういうものを作るために教員が学校図書館を利用するという,その部分が一つ欲しいと思いました。
  それから,先ほどから広報活動が何度か挙がっておりますけれども,もし,広報活動を入れるとしたら,7ページの学校図書館の運営のところと関わりがあるのかなというふうに思います。資料と利用者を結ぶという役割の中で,そのことを伝える,あるいは,利用者が図書館を使いたくなる,そういう部分を共通理解にしたり,喚起したりするのが広報だと思うので,資料と利用者を結ぶというところと関連付けて広報活動が必要かなと思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございました。確かにここに納まるのがいいでしょうね。
  はい,佐藤委員さん。
【佐藤委員】  済みません,1点,確認させてください。情報活用能力というのは国が決めている3つの観点のものと考えてよろしいですか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そうですね,はい。
【堀川座長】  もう一度お願いします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  情報活用能力が具体的にどういったことを指しているのかということですけれども,文科省の方の会議で,情報活用能力について3つの観点で整理をしたものがございます。済みません,ちょっと今,即答できないのですけれども,その内容をイメージして記載させていただいています。
【堀川座長】  その情報活用能力というのは,情報教育における情報活用能力ではないでしょうか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  確認いたします。
【堀川座長】  では,よろしくお願いします。日本では,情報リテラシーというのと情報活用能力というのとイコールではないように,ちょっとその辺は難しいと,またこちらで書き入れてくださると有り難いです。
  堀部委員さん。
【堀部委員】  今の学校図書館の利活用の部分なんですけれども,今,ほんとに皆さんがおっしゃるような御意見は私も賛同するところです。逆に言えば,このガイドラインの学校図書館に視点が向けられる一番の肝が,この(3)ではないかというところですから,まず,前提はもっと厚くしなければいけないというところで,お話をさせていただきます。特にこの白丸の2番目が学校現場においてどう具現化が図られるかを左右する内容だと思っています。そういう点では,もう少し分析的に項目を起こさないと機能しないと。
  例えば,「学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導する」と,ある意味,当たり前と言えば当たり前なのですけれども,この運営は,やはり指導計画があってです。だから,指導計画をどのように捉えていくかというのは,前の協力者会議にも触れていたのですが,また今回,9ページにおいても,司書教諭は幾つか指導計画の立案等に従事するというふうに明記されていますから,まず,この指導計画を基に運営,また利活用を図るというところで,そういったところを項目として起こすというのが1点。これは指導計画ですから,単に学校図書館という枠を時間割に落とし込んで配置するというレベルではありませんから,そういうところの差異を,もう少し,先ほどお話ししたように,建物の利用ではない,機能を利用するという考えの中で指導計画を作成し,それが教育課程とどう関連付けられているかというところが肝になるというところが1点。
  そういうことからすれば,情報活用能力というのは何だという今の御指摘は本当にごもっともで,国の実践的な情報活用の実践力とか,科学的な情報機器の活用ですとか,マナー,モラルだったか,その3つの部分というのは,項目としては分かるけれども,それがもっと具体的に図書館情報学が基盤になるのかと思いますが,どういったところを情報活用能力としていくかという分析をしておかないと,体系的,系統的な指導には行き着かないというところもあるので,そういうところでの示唆を与えるものを何か例として挙げるというような手続もあると,もう少し見えてくるのかなと。実際,現場でそれぞれの学校が,読書活動の年間指導計画ですとか,情報活用能力の年間指導計画,ある意味,絵に描いた餅的な部分は感じないでもないのですけれども,それすらもないというところでは,やはり,なかなか利活用につながらない。そういうところで事業の質を高めていくという前提では,やはり,指導計画について少し押さえていただく必要があるのではないかと思いました。
  以上です。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。
  平久江委員さん。
【平久江委員】  3点目の学校図書館の利活用のところの3番目の白丸の「学校図書館は,児童・生徒の家庭など学校外」というふうになっているのですけれども,多分,この本の貸出しに関しては,やはり,活用の早い段階で書いた方がいいので2番目ぐらいがいいのではないかということと同時に,内外という形で,学校内,学校外という両方を少し入れた方がいいのかなと。貸出しというのはとても大事なサービスです。ですから,なおさらなのですけれども,「児童・生徒,家庭などの学校内外での読書活動を支援するため,館内,館外貸出しを積極的に行う」というように,両方を見据えた形の貸出しにした方がいいのかなというふうに思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。さあ,ここの(3)のところまでは,いかがでしょうか。
  はい,武島委員さん。
【武島委員】  何度も戻るのですが,「望ましい」という言葉はできるだけ取られた方がすっきりすると思います。利活用のところですが,3番目に「家庭など学校外での支援として館外貸出を積極的に」と書かれていますので,広い捉え方をしていいのかどうかは分からないのですが,やはり,学校図書館の在り方として,そこに地域を結ぶ開かれた学校という点からも,学校図書館は地域の人たちも利用できるんだよというようなことが盛り込まれるといいと思います。また8ページの最初に「登校時から下校時までの開館に努め,また,長期休業等にも開館し…」というところにしても,じゃあ,土曜日も開いていたらいいよねとか,放課後も開けてほしいよねとか,そういう希望もあるので,全体的に網羅していただくと,すごく広い意味で使いやすい,いつでも学校図書館に行こうという気持ちになれると思います。個人的には,いつでも人がいて開いているというところを目指したいです。
【堀川座長】  学校によっては,保護者の参観日に一緒に借りるとかいうのもありますけれども,地域,どこまで開放するのかというのが難しいところだと思うんですが,その辺のニュアンスも含めて。
【武島委員】  8ページの2番目のところに,「密接に連携を図り」となっているので,他の学校図書館,公共図書館,博物館,公民館等はもちろん,地域の人とも連携するみたいなところがあるといいなという思いです。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。ちょっと個人的に,いつでも地域に開放というのがちょっとひっかかるところはあるのですけれども,また検討していただきましょう。
  はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  今の部分,8ページの冒頭なのですけれども,児童・生徒の登校時から下校時までの開館というのは,本当に必要だと思っています。ただ,今,御意見にあったように,開いていて,子どもたちが図書館に入れるだけでは,やはり図書館の機能というのは果たせない。そこに図書館の職員がいて,資料の相談を受けたり学習を支援するという働きがあって,初めて図書館として成り立つと思うので,開館してさえいればいいというふうに読めないような文章にしていただきたいというふうに思います。
  それから,もう1点,どこということはないのですけれども,学校図書館を考えるとき,今,読書指導とか情報活用能力ということで,学校図書館が子供たちに指導として関わる話が出ている中で,危惧に終わればいいのですけれども,例えば,積極的に読書をしない,それから,なかなか情報を使いこなせない子供たちというのは必ずいると思うんです。図書館というのは,そういう子供たちも利用するところだという土壌が必要だなと,指導して,そこに漏れた子供たちを放っておくのは図書館ではないと。そういう子供たちが蔵書の構成を見て,あるいは,図書館行事に参加して,読みたいとか,知りたいというところを自然に技術を身につけていく,そういう活動が必要だなと,危惧に終わればいいのですけれども,そういうふうに感じました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。図書館が図書館という場として認識されているところがやはりありますので,そこに人がいてこそ動くというか,機能できるというところを,やはり押さえたいと思います。
  それでは,ちょっと時間もあれですので,次の(4)のところに行きましょう。「学校図書館に携わる教職員等」というところ,9ページの上から3分の2くらいのところ,(4)のところで御意見をお願いいたします。
  はい,佐藤委員さん。
【佐藤委員】  主に校長,司書教諭,学校司書のことが書かれております。最終的に授業をするのは担任であったり,教科担当であったり,授業者となるので,その役割,学校図書館を,何と書いていいのかは,使いなさいとは書けないのですけれど,そのあたりがここに書かれていることは重要ではないかと思っております。
【堀川座長】  なるほど,確かに,学校司書とか司書教諭は白丸で項目が立ててありますけれど,教員が,先ほどの利活用のところでも教員の動きについて触れられていましたけれども,ここでも(3)と(4)の流れの中で出している。
  ごめんなさい,小瀬村委員さん。
【小瀬村委員】  それにも関連すると思いますが,9ページの丸の1つ目になる司書教諭に関する文言のところです。その中に,中段のところで,「学校図書館を活用した授業を実践する」という文言があります。実は,この文言は,26年でしたか,前回の審議会の司書教諭と学校司書の図書館に関わる報告書に,もうそういう文言が出ています。この文言は,どうして実践なのだろうと思ったのです。実際問題,司書教諭は,もう授業を実践しますが,コーディネーターとしての役割が多く,教員,教室と学校図書館を結びつける役割と考えると,ここは「実践とコーディネート」という言葉を入れると,先ほど佐藤委員がおっしゃった,教員が授業に関われるようになると思います。司書教諭も,もちろん学校司書さんも入るのですが,そこに何らかの文言が入らないかなと思っています。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。コーディネートというところが,教員に助言するという,それではちょっと弱い,コーディネートではないということですね。
【小瀬村委員】  実際にコーディネートすることによって,多分そうなるのではないかと思いますけれども。
【堀川座長】  はい,実際に司書教諭が授業を行うこともあると思うのですが,それも含めてもうちょっと広くということですかね。
【小瀬村委員】  広く捉えた方が,やはり,教員とT1,T2,T3,TTでやっていく授業が増えていくと思いますが,全国的に見て司書教諭が専任時間をもらっているという現状は本当に余りないので。実際,私の地元でも,実践を持ってくるというと自分のクラスなんです。それではいけないと,やはり,学校の中でほかの先生にいかにやっていただくか,どうコーディネートするかというのが司書教諭の役割だと思うので,「司書教諭の実践」と言ってしまうと,すごく,先生方は引いてしまうのです。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。地域の事情によっていろいろ違うとは思いますけれども,司書教諭がどういうことをやるかというのを,もう少し広く書いていただければと思います。
  ほかの委員さんはいかがでしょうか。
  はい,平久江委員さん。
【平久江委員】  (4)の一番最後のボランティアの記述のところです。(5)の1つ前の白丸のところなのですけれども,2行目のところで,「学校図書館の支援を行ってもらうこと」ということですが,「行っていくこと」くらいでいいような気がするのですが,これは表現の仕方だけの話なんですけれども,言いたいことは,ボランティアは,やはり特別支援学校において非常に重要な意味を持っておりますので,「特に特別支援学校におけるボランティアの協力は重要である」というような,そういった文言を一つ,入れていただければなというふうに思います。
【堀川座長】  なるほど,はい,ありがとうございます。ほかの委員さん。
  はい,高橋委員さん。
【高橋委員】  ここに記載した方がいいのかはあれなんですけれども,こういうガイドラインを実現していく上での十分な人員配置ということはどこにも書かれていないかなと思っていて,先ほどのように,土曜日も開けて,朝から帰るまでやりますよというのはいいんですけれど,それだけ先に走って,司書の人員増がないということが起きてしまうのではないかという危惧がありますので,どこかに,何かそういう十分な人員配置に努めるとか,そういうことを考えるみたいなことをちょっと記載していただきたいということがあります。
【堀川座長】  なるほど,はい,ありがとうございます。場所ではなくて,プラス,場所と人がセットになってイメージできるような学校図書館がいいですね。
  はい,米澤委員さん。
【米澤委員】  今の9ページの3つ目の丸のところなのですが,「学校司書がその役割を果たすとともに」というところです。ここの中で,「学校司書が職員会議等に参加する」という前に,「教職員の一員として」ということを文言として追加していただきたいと思います。やはり,チーム学校という意味合いでも,学校司書がちゃんと教育活動の中に参加するという部分が欲しいと思うので,是非ここに入れていただけたらと思います。
  以上です。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。そういう本当に細かい表現が深い意味を持っていることがありますので,何でもどうぞ,お気がつかれた点は御発言をお願いします。
  それでは,また元に戻ることもできますので,(5)に行きたいと思います。資料のところ,あとはずっと,9,10,11ページまで,図書館資料についてお願いいたします。
  はい,平久江委員さん。
【平久江委員】  (5)の丸1,図書館資料の種類の2番目の白丸のところなのですけれども,ちょっと読ませていただくと,一番最後の方の表現なのですけれども,「児童・生徒の健全な教養の育成に資する資料構成とすることが望ましい」というふうになっているのですけれども,全体としては,資料構成はすごく大事だという観点を述べられたというのはいいことだと思うのですけれども,同時に,十分な規模を備えているというようなことも大切かと思いますので,「資料の構成と十分な規模を備えていることが望ましい」というふうに,入れていただければと思います。
【堀川座長】  はい,なるほど,ありがとうございます。
  加藤委員さん。
【加藤委員】  図書館資料の種類の丸1のところに関連してですけれども,今,私の学校で力を入れているところが,自作資料というものに力を入れています。子どもたちや先生方の研究や調べ学習の成果を自分の学校でしかまとめられないものを図書館として作り,保存していくというところの自作資料。また,郷土資料などは難しいものが多くて,子供たちが使いづらい面がありますので,そこを教員や地域の専門家と図書館が一緒になって,子供たちが読める郷土資料を作る,創作をするというような,こういう自作資料が学校図書館で必要ではないかと思うので,「等」という言葉があるのでこの中に含まれるとは思うんですけれども,自作資料というのが欲しいなと思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございました。図書館ではよく自館資料と言いますけれど,自作の方が,この辺はまた検討していただくことにして,自作資料というふうに加藤委員さんの学校ではおっしゃっている。ほかの学校ではどうですか。米澤委員さんはどうでしょうか,自作資料ですか。
【米澤委員】  そうですね,その独自の資料ということですね。
【堀川座長】  独自,図書館独自,学校独自と。その辺また検討させてください。はい,ありがとうございます。ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  はい,小瀬村委員さん。
【小瀬村委員】  今のことに関連して,自作ではないんですけれど,この「等」の中に多分いっぱい含まれると思いますが,パンフレットとか,そういった自作ではない資料,「ファイル資料」という言葉がよく使われるので,「ファイル資料」と言った方がいいのでしょうか。それも自作と関連してくるので,多分,今,米澤委員がおっしゃるみたいに,各学校の整備指針に基づいた資料みたいな言い方の方が全部網羅するのか,と思います。
【堀川座長】  はい,分かりました。この後にまたファイル資料等,「自館で独自に作る資料も必要である」みたいな文章にするかもしれませんね。はい,またその辺は検討しましょう。
  ほかの委員さん,いかがでしょうか,資料に関しては。
  はい,どうぞ。
【平久江委員】  何かいろいろ発言していて恐縮してしまうのですけれども。
【堀川座長】  いやいや,もう何でも。
【平久江委員】  11ページの方で,丸4の図書館資料の廃棄・更新というところなのですけれども,これは考え方の違いもありますので,是非にということでもないのですけれども,3行目に「最新の正しい知識に触れる環境が適切である」という表現なのですけれども,ここは,知識ではなくて,文脈から言うと,最新の正しい情報や図書資料に触れることができる環境が「適切」ではなくて,やはり「必要である」と,もう少し強い意味の言葉に変えた方がいいのかなというふうに思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  はい,堀部委員さん。
【堀部委員】  資料に関して,1番目の白ポツ,「図書館資料には,図書,雑誌……」というところで,前回もお話をしたと思うんですけれども,いわゆるNDCの分類って図書資料ですよね。それと,やはりNDCでは分類できないというか,これだけ多様になると,新たな概念で検索可能な分類法というのが必要になってきます。そういう点では,やはり,図書資料と図書以外の資料という項目の中で,新聞だとか視聴覚資料だとか,そういう前提を踏まえておくというのはいかがかなというのが1点です。
  それから,2点目は,10ページの2番の丸のところで,「偏りのない調和のとれた蔵書構成」というのは,本当にそのとおりです。ただ,その一方で,これは考え方だと思いますけれども,学校現場においては,うちの学校図書館は,少し情報センターの機能を厚くしたいとか,いや,やはり読書センターの機能を高めていきたいというのは,当然,学校経営上,あると思うんです。そういうところでは,何というのかな,特色のある学校図書館づくりという点で,その一方で,学校図書館の特色付けの工夫という点を,少し分かるニュアンスを入れる必要があるのではないかと個人的には思います。
  それから,これは,11ページになります。分散配架がらみの部分で学級文庫のことが触れられているかと思いますが,当然,1つの便法としてはあり得るのですが,基本はやはり中央館というか,まず,しっかりとした学校図書館があり,その上で,校内の活用スペースを利用した分散配架というところでお示しをする方法はどうかなというのがもう一つです。
   最後,細かいところで,一番上の白ポツで,「児童・生徒の作品等の学習成果物を掲示」ということが書かれていますが,掲示だけではなくて,やはり立体状のものがあるので「展示」というところも加えられると見えてくるのではないかと思いました。
  それから,もう一つ,ごめんなさい,最後に,丸4の白丸の1つ目,最新の正しい知識,情報のことが出されましたが,これは汚損,破損のことは衛生面の部分があるので,読書衛生に関するというところで文言を入れておくのも必要ではないかと思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
  はい,平久江委員さん。
【平久江委員】  11ページの一番最後の丸の部分なのですけれども,「保存が困難な貴重な資料については,公共図書館に移管することも考えられる」というふうに書いてあるのですけれども,現実には,こういう貴重書は,教科準備室とか校長室とか,職員室とかというふうに配置されたりするので,ここで「公共図書館に」という,かなり限定的にするよりは,「等」とか「など」というところをちょっと入れておいた方がいいのかなと思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。なるほど,いろいろ伺っていると,はい,ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  加藤委員さん。
【加藤委員】  今の平久江委員と同じところで,「貴重な資料」というときに,何だろうというふうにまずは思うと思うので,幾らか例が挙がっていたらいいのかなと思います。1つは自校に関する資料というのがあると思うし,年鑑とか白書とか郷土資料とか,こういうものを廃棄するときにはちょっと配慮が必要だというものがあることが必要なのかなと思いました。
  それと,10ページに戻って,済みません,図書館資料の選定・提供で,どこの部分というのではないのですけれども,私も,学校の中での選書の組織というのは必要だと思っています。また,図書館にいつでも必要な資料の要求が届くということが必要だと思います。でも,あえて,迅速な資料提供をしようと思ったときに,いつも資料収集委員会にかけてというのはとてももどかしいものを感じています。学校司書の専門性ということがここで話し合われている中で,資料要求を把握して,収集方針とか収集計画に沿った上で日常的な選書というのは,学校司書に,そのぐらいの専門性は認められても良いのではないかという気がしております。
  以上です。
【堀川座長】  なるほど,それもちょっと触れられるといいですね。
  小林委員さん。
【小林委員】  小林です。本日御欠席の品川委員さんが再三発言されているところですが,資料のアクセシビリティということで,多様な資料,多様なメディアということへの配慮を是非,1項起こしていただければと思っています。今回まとめていただいたものの中では,デジタル教材,電子資料,視聴覚資料等が書いてありますが,例えば,メディアの種類で言いますと,LLブックス,点字本,大活字本,布絵本とか,それから,外国の生徒もたくさんいるということを考えて,外国語による資料,このようなメディアそのものの種類の例示的なことも必要だと思います。また,それ以上に人による支援も大切です。多様なメディアをどういうふうに子供たちに橋渡しするか。例えば,個々の障害やニーズに応じてリーディング・トラッカーを用意するとか,拡大読書器を用意するとか,人による対面朗読を用意するとか,そういうような人による奉仕的なアクセシビリティの確保ということも例示できればと思います。
  以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。今のことは10ページの上から3つ目の丸のところですね,その辺に具体的な資料の種類が入るといいと思います。それから,3つ目の「障害のある児童・生徒」と,これで文章としていいんですね,「特別支援が必要な」ではなくて,「障害のある児童・生徒の」ということでいいのかなと,これは堀川の疑問です。
  ほかの委員さん方は,次に進んでいいでしょうか。資料のところはいかがですか。はい,それでは,一応,次に進みたいと思います。12ページ,施設のところです。(6)学校図書館の施設というところで,13ページの上半分まで,いかがでしょうか。
  はい,植松委員さん。
【植松委員】  この施設整備指針を全校種について拝見しましたが,全体として非常によくまとめられていると思います。しかし,1点,小学校,中学校等でも求められているアクティブ・ラーニングに関しては,まだ指針の中に十分反映されていないと思われますので,書き加えるとすれば,そういうところをもうちょっと書き加えた方がいいかなと思います。
  それから,12ページの平面計画の(1)のところで,「児童の活動範囲の中心的な位置に計画することが重要である」というふうにされております。これは当然のことだと思うんですが,そのようにいたしますと,学校の比較的中心的な位置に図書室が設置されるとイメージされます。そうすると,先ほどの長期休業日等にも学校図書館を開館してということにすると,例の池田小学校以来のセキュリティの問題,これは指針のところにも随分セキュリティのことが書かれておりますけれど,セキュリティの確保と学校の中心的な位置まで長期休業日等に外の人が入ってこられるようにするということとは,相当両立困難なことになるので,その辺も書くのであればというか,8ページのところでそういうことを書くのであれば,もうちょっとその辺,両立ができるような何かをしないと難しいのではないかと思います。
  更に申し上げると,13ページの各室計画のところで,(3)の最後の行のあたりに「自発的に読書を楽しむ読書センター的な機能について計画することが重要である」となっておりますが,先ほど申し上げたように,グループが活発に議論しながら自分で課題を見つけ,それを解決するすべを探すという活動の場としての図書室というのは,ここではイメージされていないので,これも,必要とあれば記述する必要があると思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
  では,佐藤委員さん。
【佐藤委員】  今の意見にまことに賛成でして,島根県,図書館を始めたときに,人を配置するのに併せて図書館の改造を行いました。まず,高い書架を低くして見通しをよくすること。それから,全員が学習できるだけの広い机,図書資料がたくさんありますので,それを広げられるような広い机であったり,そういった環境整備を行っています。恐らく,すぐに図書館を新しく建築するなんていうことは不可能だと思われますので,そうなると改造という手段になると思うんですが,その際,これだけを読むと,今でいいかなと思われる図書館は多分たくさんあるんですが,そうではなくて,先ほど植松委員が言われましたように,これから学習していく場としての図書館を整備していかなければいけないだろうと。ここでは指針をそのまま張り付けられているのですが,それに加えて,これから図書館ではこのような施設であってほしいということが,ここに書かれていることが重要ではないかと考えております。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。確かに,今の13ページの第4章の(4)のところには,「司書教諭,図書委員等」というように,学校司書がまだ出てきていません。先ほど植松委員さんもおっしゃってくださったように,アクティブ・ラーニングという概念が入っていない。できれば,この指針というのは,脚注で参考資料として挙げておいていただいて,ガイドラインとしての言葉でこの中身を出してくださるといいなというように思います,御面倒をかけますが。そうしますと,先ほどの中心的な位置とセキュリティ上では校門に近いところか,ちょっと分かりませんけれど,そうした文言も入るでしょうし,30年先のことを考えていますので,現在ある指針をそのまま持ってくるのは,ちょっと足りないところが出てくるかなという気もします。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【平久江委員】  この学校施設整備指針なのですけれども,私は,これが入ったことはすごくすばらしいことだと思っております。何かちょっと意見が違ってしまうのですけれども,ですから,それにプラスを書くことは将来を考えたら必要だと,またその意見も十分に分かるので,それも必要なことだと思うんです。
  ただ,私の記憶が間違っていなければ,この学校施設整備指針は,新築する学校に適用される指針ではなかったかなという気がしているんですけれども,これについてはお答えいただけるかと思うんですけれども,そうであるならば「整備されることが望ましい」というふうになっているのですけれども,ここに,是非,「改善」を入れて,「整備・改善されることが望ましい」ということで,やはり,かなりの図書館はこれを満たさない古い図書館がありますので,こういう考え方で改善をするというような考え方も明示した方がいいのかなというふうに思います。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  学校施設整備指針でございますけれども,こちらは既存施設の改修も含めて,学校施設の今後の整備に関しては,この指針を活用することを文科省としてはお願いをしております。
【平久江委員】  是非,改善のような意味合いもちょっとイメージしていただけると有り難いと思います。
【堀川座長】  そうですね,その文字が入るか,入らないというのが,やはり後々,大きな違いになってくるかと思います。ほかの委員さん。
  はい,植松委員さん。
【植松委員】  先ほどの平久江先生の意見に賛成です。この整備指針は,非常にたくさんの関係者の方が関与されて,比較的頻繁に改修,改訂されているので,相当キャッチアップした,読むべき価値があるものになっていると思いますので,必要な部分を継ぎ足せばよろしいのではないかと思います。
【堀川座長】  今の植松委員さんには,これをそのままではなくて,項目をピックアップしてもいいと,そうではなくて,このままの形で出すのが望ましいと。難しいですね。
【植松委員】  これはこれとしてこのように載せた上で,アクティブ・ラーニング的な活動,あるいは,インターネットとかパソコンを大幅に活用した利用形態に対応した,こういう部分も考えておくべきだとか,あるいは,先ほど申し上げたように,活発な活動をする領域と,静的な活動をする領域とをきちっと設けるべきであるとか,そういう,大きな方針を示して,あと,具体的には,この指針に従うのがよろしいのではないかというふうな記述でよろしいと思います。
【堀川座長】  ガイドラインの参考資料として挙げるというのでは,また違いますか。
【植松委員】  こういうふうに本文にある方がよろしいと思います。
【堀川座長】  なるほど,はい,ありがとうございます。施設に関して,ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  それでは,(7)の評価の方に行きたいと思います。2項目しかありませんけれど,いかがでしょうか。
【平久江委員】  評価の2つ目の白丸のところなのですけれども,もう本当にアウトプット・アウトカムというのは非常に大事な視点であるということ,これはもう間違いないことで,多分これは利活用に関する評価という部分だと思うのです。ただ,学校図書館の現状を見ますと,依然としてやはりインプット部分というのも非常に重要な意味を持っているのかなというふうに思いますので,やはり,「利活用の観点から行うことが望ましいが,それらを支えるインプットの観点も依然として重要である」というような文言を,できれば入れていただきたいというふうに思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
  はい,稲垣委員さん。
【稲垣委員】  評価の点はあっさり2項目だけ書かれているのですけれども,評価というのは大変重要なものです。文科省の方でも「学校評価ガイドライン」を出しておりますが,学校関係者評価の一環として,学校図書館の運営,あるいは経営についても評価をするという位置付けでいいのかなと思っています。
  細かな点で言うと,1つ目の丸で,書き方なんですけれども,学校関係者評価というところで,外部の評価を入れるのは当然のことだと思いますが,コミュニティ・スクールという,ちょっと大きなものがポンと出てきている中で,「コミュニティ・スクールの活用等,外部の視点を入れるとともに」と,並列なのはちょっとまた重みが違うかなと思います。
  それから,評価ということであれば,当然,評価結果の公表,そして,評価結果だけではなくて,評価結果を受けた改善の方向性を含めた公表というのがセットになってくると思いますので,結果だけではなくて改善の方向性や具体策の公表というものを入れてもいいのかなというふうに思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
  はい,堀部委員さん。
【堀部委員】  今の評価の部分で,1つ目の部分で,学校運営協議会がらみというところは,本当に大きいと思うんです。実際,見えづらいというか,どう見せるかという学校の工夫も必要ですので,そういう観点というところではもう少し精度を高めた指標というか,観点を分からせるような学校の広報活動が必要だというところとセットにしなければいけないということと,あとは,アウトプット・アウトカムの部分で,やはり,学校教育法を出している,一番初めに掲げている以上,学力,いわゆる思考力・判断力・表現力がらみの部分,これは本当に難しいところなのですけれども,やはり,学状の分析をしながら学力の担保がされつつあるだとか,そういう方向性にあるというところを持っておかないと,せっかくの教育活動における学校図書館というところの機能にちょっと足りないというところがあるので,単に不読率ですとか,読書への興味関心とか,そういうレベルももちろん必要なのですけれども,そういうところに学校が分析をし,教育課程の展開に結び付けていく,事業改善に結び付けていくというところまで落としておかないと,せっかくの学校教育法が生きないのではないかなと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。それはよく言われる観点ですね。それをきちんと書きたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。この学校図書館の評価が,ここには言葉としてはないのですけれど,ニュアンスとしては,学校経営評価の一環ということも押さえられるといいなと思います。まあ,含まれてはいますけれど。
  それでは,次のところに移っていいでしょうか。14ページは作業部会の報告を待っていただくとして,15ページ,16ページです。今後求められる取組について。国,教育委員会と,もうどちらでも結構です,15,16ページ,お願いいたします。あと10分ほどしかありませんので。
  はい,小林委員さん。
【小林委員】  前回会議におきまして,私たちのまとめているガイドラインが各図書館を評価するためのものになってしまうのではないかという懸念を発言しました。評価すること自体はただいまも堀部委員からお話があったとおり重要なことですけれども,それが各学校図書館を責めるための材料にならないように配慮していただきたい。そのためには,国の責務,地方自治体の責務に分けて明記していただきたいということを発言しましたところ,今回のものにおいて,このような形で分かりやすくまとめていただき感謝しております。
  先ほどの評価とも関連して,このようにすることが望ましい,このようにすることが重要であるというガイドラインが,ともするとチェックリストのように使われてしまって,「よくやっている」が3点,「検討中である」が2点,「やっていない」が1点など点数化されて,各学校図書館が責めを負わされてしまうということが考えられます。私たちにはその意図はなくても,一歩この場を出たときにそのような活用をされてしまうことが懸念されます。そこで前回の発言をさせていただいた次第です。
  今回,例えば,「学校図書標準を達成していない」ということで1点なんていう点数が評価でついたとしても,それは各学校図書館の努力不足ではなくて,教育委員会等で達成していない学校の達成に向けた支援を行うことが重要であると書いていただきました。あるいは,司書教諭の11学級以下の配置がされていないということがあったとしても,それは各学校図書館の努力不足ではなくて,教育委員会においては,このようにすることが望まれるということで書いていただいて,学校図書館現場の立場からしますと,大変感謝しております。
  以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  評価については,私も何と申し上げていいのかよく分からないのですけれども,やはり,目に見えないところの部分が図書館という働きにはあるので,本当に長い目で子供たちがどう成長していくかというところも,私たちはそこを見据えて活動していかなければいけないというふうに思っています。
  それから,今後求められる取組について,1で国,2で教育委員会等が挙がっているのですけれども,3として,各学校に求められる取組というのが必要かなというふうに思います。それは,学校図書館が持っている教育力を引き出す教育活動を行うという,学校としてどういう教育を作っていくかというところに,図書館の働きを生かす教育が考えられているかというところがとても重要なのではないかと思います。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。私も各学校で司書教諭,学校司書が中心になって研修を行うとか,そういう項目を入れていただければなと思っておりました。はい,ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  はい,武島委員さん。
【武島委員】  2の教育委員会等に求められる取組の教育委員会というのは,県の教育委員会に求められることと,市町村に求められることは,やはり少し違うので,そこのところがきちっと分けて書かれた方が分かりやすいです。また,国に求められる取組で,先ほどの「望まれる」と同じように,「期待される」というところは是非「必要である」とお願いしたいと思います。
【堀川座長】  はい,そうですね,ここの会議としての審議のまとめなので,是非,お願いしたい,「期待される」ではなく「必要である」にしていただきますかね。その辺はまた最終的に検討します。ほかの委員さん,いかがでしょうか。
  はい,米澤委員さん。
【米澤委員】  16ページの1番目の丸の「学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は,学校設置者が雇用する職員である」というところなのですが,ここに地方公共団体の責任について入れていただきたいと思います。責任を持って対応をしていただきたいので,是非入れて欲しいと思います。30年先を見越してということなので,どういった状況になっているか分からないのですが,その下の「契約内容を十分に検討し」という部分ですが,契約内容を十分に検討すれば学校の職場全て派遣職員になってしまうのではないかという不安がとてもありますので,「慎重に検討し」とか「学校現場と十分討議をする」などの言葉に変えていただきたいと思います。ここの部分だけが歩いていく可能性もございますので,申し訳ありませんが,御検討ください。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。済みません,ちょっと先に,高橋委員,今の御発言に関してですか,
【高橋委員】  そうです。
【堀川座長】  はい。
【高橋委員】  私も同じ意見でして,この16ページ目の一番上なのですけれども,主体者の明記がなされていないというのは非常に危険だと思っています。誰が最後,ガバナンスして,誰がコーディネートするのかというのが分からなくて,文面だけを読むと,派遣職員が契約内容を十分に検討して,学校と協議調整をしなければいけないというふうに読み取れるので,必ず地方公共団体を入れるのか,若しくは,これ全体を仕切るのは誰がやるのだということを記載しないといけないというふうに思います。
【堀川座長】  はい,確かに主体がありませんでしたね。ありがとうございます。
それでは,先ほどの,小瀬村委員さん。
【小瀬村委員】  教育委員会に求められる取組のところの1つ目の丸ポチなのですけれども,突然,2行目から「特に,図書館資料」という面が出てくるのですが,一番最初に総論として,上の2行はいいと思います。下の図書館資料の充実のことについては,ちょっと項を別に立てていただいた方がよいと感じました。何かそれが全てのような感じを受けてしまうので,分けていただけたらなと思いました。
【堀川座長】  はい,ありがとうございます。もう5分を切りましたけれど,そろそろ審議は終了にしたいと思います。委員さん方,今,これだけはこの場でお伝えしておきたいということがおありでしたら最後にお願いします。
  はい,加藤委員さん。
【加藤委員】  16ページの民間業者についてなのですけれども,ここの委員会の中でいろいろな心配事や確認事は出たと思うんですけれども,民間業者について進めていこうという意見は出ていないように思うんです。その中で,やはり,この部分が必要なのかどうかということを,私は疑問に思います。
【堀川座長】  はい,ここは難しいところですね。はい,ありがとうございます。御意見がありますか,どうですか。
【高橋委員】  ただ,今後の議題には必ずなると思うので,結論めいたことではなくて,議題としては必要ということは残すべきではないかと思います。そうでないと,顕在化せずに議論が進んだりするリスクがあるのではないかというふうに思います。
【堀川座長】  はい。ここの部分はまた事務局とも御相談させていただきながら,また次回の検討事項にしたいと思います。
  御意見を伺っていると尽きないところですけれども,時間になりますので,本日の審議はこのあたりにしたいと思います。本日頂いた御意見のほかにも,まだ皆様も御意見がもっともっとおありだと思いますので,2週間後の7月12日火曜日までに,事務局にメール等でお送りいただければ有り難く存じます。こうやって皆様の御意見を聞かせていただくと,なるほど,なるほどと思うことしきりですので,是非またいろいろな御意見をちょうだいしたいと思います。7月12日火曜日までに事務局にメール等でお送りくださいますようにお願いいたします。
  それでは,最後に事務局の方からはいかがでしょうか。
【友田児童生徒課指導調査係】  次回の会議につきましては,また日程調整の上,御連絡したいと思います。
  事務局としては以上でございます。
【堀川座長】  はい,ありがとうございました。
  それでは,本日はこれで閉会といたします。委員の皆様,本当にありがとうございました。これで閉会にさせてください。

── 了 ──

お問合せ先

文部科学省初等中等教育局児童生徒課

(文部科学省初等中等教育局児童生徒課)