学校司書の資格・養成等に関する作業部会(第2回) 議事録

1.日時

平成28年7月16日(土曜日)9時30分~11時30分

2.場所

文部科学省13階F2・3会議室

3.議題

  1. 学校司書の資格・養成等の在り方について
  2. その他

4.議事録

【堀川部会長】  今朝は早くからお集まりいただきまして,ありがとうございます。定刻となりますので,これより第2回学校司書の資格・養成等に関する作業部会を開催いたします。
  前回の会議において,学校司書の養成に関しては,その職務の専門性から司書や司書教諭の養成と同様に大学等において担うということを念頭に,本会議では学校司書のモデルカリキュラムを示すことを検討することになりました。
  前回の会議の終了時には事務局で原案を作成するというように申しておりましたが,やはり委員の皆様からお考えを頂くということで,カリキュラムの案を出していただきました。それらを基に,本日はモデルカリキュラムの内容を中心として議論を進めていきたいと思います。
  それでは,議事進行に入る前に,事務局より配付資料の確認等をお願いいたします。
【友田児童生徒課指導調査係】  おはようございます。本日,平久江委員から御欠席の旨の御連絡がございましたので,御報告いたします。
  また,本日の配付資料の確認をいたします。
  配付資料といたしまして,座席表,議事次第,資料1「学校司書の資格・養成等の在り方について(素案)」,資料2「学校司書のモデルカリキュラムの検討について」をお配りしております。
  また,委員の皆様におかれましては,机上資料として,委員から御提案のあった学校司書のモデルカリキュラム案,前回の議論で見られた意見等(堀川部会長御提出資料)を机上資料としてお配りしております。
  委員の皆様におかれましては,資料の過不足等ございましたら事務局までお申し付けください。
  また,最後に座長にお諮りいたします。事務局に対して本会議の撮影希望がありました。今回の撮影については今時点のみ撮影可としたいと思いますが,よろしいでしょうか。
【堀川部会長】  はい。よろしくお願いします。
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影希望の方については今時点のみ撮影をお願いいたします。
    ( 撮影 )
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影はここまでとさせていただきます。
  事務局からは以上です。
  座長におかれましては議事の進行をお願いいたします。
【堀川部会長】  はい。それでは,議事の進行をいたします。
  本日の議事の(1)「学校司書の資格・養成等の在り方について」に移りたいと思います。
  前回の本会議の議論を踏まえて,事務局において本会議としての報告案「学校司書の資格・養成等の在り方について」の素案を作成いたしました。まずは事務局よりこの説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。本日はお忙しいところ,ありがとうございます。
  それでは,資料1を御説明したいと思います。
  前回の御議論を踏まえまして,事務局の方で素案を御用意いたしました。大きくは三つの構成で書いております。
  まず1.ですけれども,学校司書の資格・養成に関する基本的な考え方についてでございます。こちらは第1回の御議論を踏まえまして作成をしております。
  学校司書の職務の内容は,専門的知識及び技能を必要とするものであるという基本的な考え方の下,現在,学校司書が採用時点で有していた資格というのは,図書館法上の司書の資格が54.5%,司書教諭が13.7%,また,地方公共団体が学校司書を採用する際の採用条件につきましては,司書を採用条件としている地方公共団体が58.8%,司書教諭を採用条件としている地方公共団体が15.0%でございます。現状でございます。
  また,関係団体からのヒアリングを親会議の方で行ったところ,専門性を必要とするものであるため,大学における養成が必要であるという御意見が多数示されております。これらを踏まえまして,学校司書の養成の在り方については,現行の司書あるいは司書教諭の養成と同様に大学及び短期大学において担うことが適当であると考えられる。
  このため,学校司書の養成に関しまして,大学等のモデルカリキュラムとして,望ましい科目,単位数等を示すこととする。このモデルカリキュラムの履修については,大学等が履修証明を行うことが考えられる。
  また,このモデルカリキュラムについては,学校司書が学校図書館で職務を遂行するに当たって,履修していることが望ましいものとすることが考えられます。学校司書の採用については,任命権者である地方公共団体や学校法人等の権限であり,地方分権の観点から,モデルカリキュラムの履修の義務付けを行うことは適切ではないと考えられます。
  このような養成には長い時間を要すること,あるいは現に学校図書館で勤務されている学校司書の方々が保有する資格や経験年数等も様々であることを踏まえれば,経過的な措置も必要であると考えられます。
  また,学校司書の養成は,大学等における教育に加えて,地方公共団体等による研修の実施など採用後の資質・能力の向上のための取組も重要であると考えてございます。
  こういった基本的な考え方に基づきまして,2.として学校司書のモデルカリキュラムでございます。
  モデルカリキュラムの基本的な考え方ですけれども,モデルカリキュラムは,学校司書が学校図書館において職務を遂行するための基礎的な知識・技能を習得するためのものとして,その後,更に専門的な知識・技能を身に付けていっていただくことを期待して,学校司書の職務の遂行に当たっての必要最小限のものとするという考え方であります。
  学校司書に必要な資質・能力は,モデルカリキュラムを履修した後,学校図書館における業務経験や研修及びその他の学習機会等による学習を通じて徐々に形成されていくものであり,モデルカリキュラムはその基盤を形成するものとすると。
  また,26年報告書,これは文科省の調査研究協力者会議で堀川先生をはじめ皆様に御尽力いただいた報告書がございます。その中で学校司書の職務というのが三つ示されております。間接的支援に関する職務,直接的支援に関する職務,教育指導への支援に関する職務が示されています。このような職務に従事する学校司書に求められる専門性としては,26年報告書で二つ挙げられてございます。一つは学校図書館の「運営・管理」に関する職務に携わるための知識・技能,それから児童生徒に対する「教育」に関する職務に携わるための知識・技能が掲げられてございます。モデルカリキュラムについては,これらの学校司書の知識・技能の習得のために必要不可欠な科目で構成することとすると。
  また,単位数については,養成を担う大学等と履修しようとする学生等の双方にとって過度な負担とならないよう配慮することが必要であり,現行の司書資格が24単位とされていることを踏まえ,それとの均衡の中で学校司書についても原則として24単位で構成することとしてはどうかと考えてございます。
  このような考え方から,全て必修科目で構成してはどうかということを考えてございます。なお,大学等においては,学校司書の養成に当たって,必要に応じてこのモデルカリキュラム以外の科目を開講し,また,学生に履修を求めることも当然可能でございます。各大学によるモデルカリキュラム以外の科目の開講も期待したいと思ってございます。要は,基本的には,必要最小限,必ずこれだけは履修してほしいものというものを置いた上で,更にそこからの上乗せ部分については,大学の自主性を踏まえて各大学において検討していただきたいという考え方でございます。
  3ページでございますが,こういった26年報告書を踏まえ,学校司書の職務から求められる専門的な知識・技能,これは先ほどの2点,「運営・管理」に関すること,それから児童生徒に対する「教育」に関することでございますけれども,それらを検討した上で,学校等における開講の可能性あるいは学生等の履修の可能性というものを十分踏まえる必要があるということを考えてございます。その意味で,そういった結果として,司書教諭の科目あるいは司書資格の科目,教職課程の科目,こういったものを活用してはどうかということでございます。
  また,学校司書独自の科目の必要性についても,委員の皆様から御意見を頂きました。その点についてはまた本日御議論いただきたいと思いますけれども,一つの考え方として,まず,今後,関係学会あるいは関係団体においての議論が深められることを期待したいということを考えているとともに,大学等における開講状況あるいは学生の履修状況,こういったことも今後の状況を踏まえた上で一定期間経過後に改めて検討を行ってはどうかということを考えてございます。
  具体的なモデルカリキュラムの内容に入らせていただきます。
  先ほどの26年報告書を基に,学校図書館の「運営・管理」に関する知識・技能に関する科目,それから,児童生徒に対する「教育」に関する職務に携わるための知識・技能に関する科目ということから考えました。
  学校図書館の「運営・管理」に関する職務というのが26年報告書の中で6点掲げられてございます。学校における学校図書館の意義に関すること,あるいは情報や資料の種類や性質に関すること,図書館資料の選択・組織化及びコレクション形成・管理に関すること,情報機器やネットワーク,情報検索に関すること,それから,ここの部分だけが26年報告書から追加をしてはどうかということで考えてございますけれども,情報サービスの提供に関すること,あと2点は26年報告書のままですけれども,学校図書館の施設・設備の管理に関すること,あるいは著作権や個人情報等の関係法令に関することということがあるのではないかということでございます。またこの辺りも本日御議論いただければと思ってございます。
  そういった内容を踏まえまして,それを具体的にどういった科目で履修していくことが適切なのかということでございます。学校における学校図書館の意義に関すること,あるいは学校図書館の施設・設備の管理に関することというのは,現在の司書教諭の科目である「学校経営と学校図書館」において科目内容がございますので,これにおいて履修することとしてはどうかということを考えてございます。また,情報や資料の種類・性質に関すること,それから図書館資料の選択・組織化及びコレクションの形成に関することについては,司書の科目である「図書館情報資源概論」,「情報資源組織論」において履修することができると考えてございます。次に,情報機器やネットワーク,情報検索に関することについては,「図書館情報技術論」において履修することが可能であると考えてございます。情報サービスの提供に関すること及び著作権や個人情報等の関係法令に関することは,「図書館サービス概論」あるいは「情報サービス論」及び「情報サービス演習」において履修することが可能と考えてございます。
  次に,大きな二つ目の専門性として児童生徒に対する「教育」に関する職務については,先ほどの26年報告書において6点掲げられてございます。児童生徒の発達に関すること,学校教育の意義や目標・学校経営方針に関すること,学習指導要領に基づく各教科等における教育内容等に関すること,学校図書館を利活用した授業における学習活動への支援に関すること,発達の段階に応じた読書指導の方法に関すること,校務や学校における諸活動に関することということが26年報告書で掲げられてございます。
  これについて,具体的に現在の大学で開設されている科目等を考えますと,児童生徒の発達に関することは,教職課程の「教育の基礎理論に関する科目」のうち,幼児,児童及び生徒の心身の発達及び学習の課程を含んでいる科目。教職課程につきましては,具体的に一つの科目についての個々の単位数までは定めてございませんので,あるいはまた,具体的な授業科目,大学で開設する際の授業科目についても定めておらず,各大学において適切に判断することとされておりますが,その中で開設されている授業科目の例としては「教育心理」などがあると思っております。こういったところで履修をしていただくということが考えられると思います。学校教育の意義や目標に関することにつきましては,教職課程の「教育の基礎理論に関する科目」のうち,教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想を含んでいる科目,一般的には「教育原理」等の科目があると思っております,において履修することとする。なお,学校経営方針に関することというのは,司書教諭科目の先ほどの「学校経営と学校図書館」の中に含まれておりますので,こちらにおいて履修するということが考えられるかと思います。続いて,学習指導要領に基づく各教科等における教育内容等に関することは,教職課程の「教育課程及び指導法に関する科目」のうち,教育課程の意義及び編成の方向を含んでいる科目,例としては「教育課程論」等といった授業科目で開設されていることがございますが,これらにおいて履修することが考えられます。先ほども申し上げましたように,教職課程については各授業科目で何単位ということが非常に大くくりに定まってございます。ですので,この教職課程の教職に関する科目から6単位以上を履修することとするということが考えられると思ってございます。
  続いて,学校図書館を利活用した授業における学習活動への支援に関することは,司書教諭の「学習指導と学校図書館」において履修することが考えられます。また,発達の段階に応じた読書指導の方法に関することは,「読書と豊かな人間性」において履修することが考えられると思います。なお,校務や学校における諸活動に関することについては,実際に勤務する学校により様々であることから,ここにおいてモデルカリキュラムの中には含めないということをしてございます。
  このように学校司書の職務に必要な知識・技能の育成に必要な科目から構成されるモデルカリキュラムというのが,ここまで御説明した形にしますと,資料1の一番最後に別紙という形で表を付けさせていただいておりますけれども,こういった形になるかと思っております。この辺りもまた後ほど御議論いただければということでございます。
  戻っていただいて4ページの一番最後ですけれども,なお,モデルカリキュラムにおきましては,こういった現在の大学等における科目の開設状況を踏まえまして,実習は設定してございませんけれども,学校図書館での実習というものについては,学生等が児童生徒や教職員と接し,学校司書としての職務を経験する効果的な機会であるため,実情に応じて大学等において開設されることを期待したいというふうに考えられるのではないかということでございます。
  なお,こういった学校図書館実習では,モデルカリキュラムでの学習で得た知識・技術を基に,事前・事後学習の指導を受けつつ,学校図書館における業務を経験することが考えられるのではないかということでございます。なお,学校図書館実習を実施するためには,教育委員会等と大学の間で相互に協力的な連携関係を結ぶことも考えられるかと思ってございます。実際に学校図書館実習を実施する際には,国立大学であれば附属学校等もございますけれども,そういった実際の学校での実習のために必要な取組というものが必要であるということでございます。
  (3)今後の検討についてでございます。
  本作業部会での検討に当たっては,実際に,現在,大学における開講状況等も踏まえまして,大学における開講の可能性,学生の履修の可能性というものを検討した結果,こういった既存の科目を活用するというのも一つの案であると思っておりますけれども,今後,学校司書の独自科目の開設も含めて,関係学会,関係団体において議論が深められることを期待するとともに,大学における開講状況や学生の履修状況も踏まえた上で,一定期間経過後に改めて検討を行ってはどうかということを考えてございます。
  大きな枠組みの三つ目が,学校司書への研修等についてでございます。
26年の学校図書館法の一部改正におきまして,第6条2項でございますけれども,国及び地方公共団体は,学校司書の資質の向上を図るため,研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないという努力義務が課されてございます。
  そういった観点から,教育委員会においては,学校司書の資質向上を図るため,それぞれの教育目標や基本方針,地域の状況等も踏まえつつ,意図的・計画的に研修の機会を設定することが求められると考えてございます。
  研修の実効性を高めるためには,初めて学校司書として勤務することになった者向けの初任者向けの研修,あるいは継続的に自己の知識・技能を更新して業務の質を高めていくために必要な研修等々,職務経験や能力に応じて研修内容の構成を工夫して設定することが必要であると考えられます。
  また,学校司書のみを対象とする研修のほか,学校司書が司書教諭等とともに受講できる,広く学校図書館関係教職員を対象とした研修の企画・実施というのも,司書教諭と学校司書の業務の相互理解・連携促進に効果が期待できるほか,学校司書が広く学校教育に対する理解を深めることができるという観点からも有効であるのではないかと考えてございます。
  また,学校司書が日常的に手元に置き,必要に応じて参照することができるような業務の手引あるいはマニュアル等といった学校司書に期待する業務に応じて作成するということも,現在も複数の教育委員会等で取り組まれてございますけれども,有効な手段であると考えてございます。
簡単ではございますけれども,資料1,本日御議論いただきたい素案については以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀川部会長】  はい,ありがとうございました。
  済みません,議事に入る前に御紹介しなければなりませんでした。小田先生がこの前欠席でいらっしゃって,今回初めて参加してくださいました。一言お願いしていいでしょうか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  はい,お願いいたします。
【堀川部会長】  自己紹介をどうぞ。
【小田委員】  青山学院大学の小田光宏と申します。どうぞよろしくお願いします。
【堀川部会長】  よろしくお願いいたします。

  今,素案について説明をしてくださいましたが,これについて細かい文言とか,あるいはもっとこういうものを入れてほしいというような御意見は後でお伺いしたいと思います。
  この大筋において,ここだけは言っておきたいということがありますか。これからカリキュラムを具体的に検討していくわけですけれど,大体はこれでいいでしょうか。もちろんまた細かいところは……何でしょう。
【小田委員】  細かいか,細かくないが分からないので,迷って。
【堀川部会長】  例えば,小田委員。
【小田委員】  前回出ていなかったので,何か受け止め方の違いがあるのかもしれないということはあるので,もし違っていましたら御指摘いただければと思っているんですが,一番気になっておりましたのが,既存の資格の科目を活用するという,その活用ということがどこまでのことを想定されているのかなというのが分からなくて,このカリキュラムといいますか,科目構成を作り上げる上で,やはり実際のこういう知識とか技能とかは既存のこういう科目との関係で学校司書においても必要だという形で作っていこうという,その趣旨はすごくよく分かって,妥当なというか,いい作り方の一つかなと思ったんですが,一方で,これだけ科目構成案で出てきたものを見てしまうと,何か既存の資格を取ればいいだけみたいに読めてしまう面もあるので,そこはどうなのかなというのがちょっと気になったということなんですね。つまり,同じ科目名称になったとしても,公共図書館の司書とか学校図書館の司書とかといった場合,本来はやはり内容的にもいろんな違いがあるものですから,それはこれからの話だと思うんですが,そこの活用というところはちょっと気を付けていかなきゃいけないのかなと思った次第でございます。
【堀川部会長】  はい,ありがとうございます。そこがやはり一番気になるところではあるんですが,それは皆さんの念頭に置いておいていただいて,まずは皆さんから頂いたカリキュラム,済みません,これは机上配付だけなもので申し訳ありませんが,5人の先生方から頂いたモデルカリキュラム(案)が表にしてあるものと――横長のものです。それから,それぞれ文章で書いてくださった,提出してくださったものが一まとめになっています。その表を見ていただけますでしょうか。
  井上委員のものをずっと見ていただくと,独自の科目もかなり多く見られます。それで,全部で24単位とは書いてあったんですが,24単位の中でこういう科目ということでいいですかね,書いてあったとおりに表にはしてあります。
  それから,平久江委員の方は24単位で,こちらはいろいろ考えた結果,既存の科目を活用するというような案です。
  それから,次に行きまして三浦委員の方は,選択科目を入れると26……24か。
【三浦委員】  はい。1科目2単位というふうに考えて,選択科目入れて24単位と。
【堀川部会長】  26?
【三浦委員】  選択以外のもので22,選択科目を1科目2単位以上と考えましたので,24単位が取得かなというふうに考えました。
【堀川部会長】  はい,分かりました。24単位でいいですね。こう見てみますと,活用できる科目もあるし,最後の方では「学校図書館特論」と「学校図書館総合演習」など選択科目が入っています。
  それから,米澤委員の科目の中では,既存の科目で活用できるものと,それから独自の科目,「学校図書館概論」,「学校図書館情報資源論」などの独自の科目も入っています。
  それから,堀部委員のものも,こちらは井上委員と類似していて,独自の科目がたくさん入っています。教職の科目も入っています。
そして,皆様の考えてくださった単位なんですが,こちらから必要最小限という言い方で24単位はどうかということでお示ししましたので,24単位,あるいは米澤委員が28,そして堀部委員が30~40というところが出ていますが,大体24単位が多いかなと。こういう御意見を頂いて,そして資料2を見ていただきたいんですが,皆様の御意見をまとめてというか,いろいろなタイプでちょっと書いてみました。資料2をごらんください。
  A案のところ,これが24単位で,必要な知識・技能を踏まえて考えて,しかも開講するという現実性を考えると,既存科目を活用するということになるというのがA案です。この24単位は,先ほど素案のところの一番最後の別紙でモデルカリキュラムが書いてありますが,これは二つの知識・技能に分かれていますが,教職関係での既存の科目を活用できるもの,それから,ここが司書教諭の科目で活用できるもの。でも,資料2を見ていただくと,教育支援,直接支援のところがこの真ん中のところ,間接支援のところがここです。こちらの別紙の方では,「図書館サービス概論」がここに入っています。こちらの資料2では,「サービス概論」ではなくて「情報資源組織演習」が入っています。これがどちらかというところで,A案と,それからモデルカリキュラムとに分かれています。
  そして,資料2の左下のところ,A案の修正案,この中の既存の科目を活用して,どの科目を持ってくるかの入替えを考えるのがA案の修正案です。入替えとして一番下,矢印が上に乗っていますけれども,こうした科目が委員から御提案のあったその他の科目です。だから,皆さんがこういう科目を入れて24単位考えてくださったというのがA案と考えてください。
  そして,次のB案ですけれど,この24単位の中に,ここで言うと下から5行目に「学校図書館サービス論」というのを入れていますが,これ,例えばの話ですが,例えばA案の「情報サービス演習」をやめて,「学校図書館サービス論」という独自のものを入れてみましたというのがB案です。でも,24単位。これは,司書が24単位ということもありますので,24単位として考えたものです。
  それから,右に行ってC案は,これは先ほどのA案の24単位に学校図書館独自の科目を含めるというものです。例えば先ほどのように「学校図書館サービス論」という2単位を含めるとすると,全部で26単位になるというものです。C案は,更にこうした学校司書独自の科目をどんどん増やしていくとそれだけ単位が増えていくというような,こうした大きく分けて三つの案を考えてみました。右下の矢印の下のところは,これは皆さんから出していただいた学校司書独自の科目を入れています。
  こういう三つを考えてみました。
  そしてA案のところに戻っていただきますと,こちらで言う間接支援のところ,「図書館情報資源概論」と「情報資源組織論」を二つ併せると,司書教諭の「学校図書館とメディアの構成」に読替えができます。そういう科目です。
  こちらで案としてというか,考えたのはこんなところなんですが,まずはどうしましょうかという御意見を伺いたいんですが,単位を考えていきますか,それとも独自科目をどう考えるかというところです。小田委員のさっきの独自科目というのは,この中ではどういうように考えられますか。
【小田委員】  先ほど申し上げたのは,検討の進め方としてはいいんだけど,結果としてどう見えてくるかという話であるんですけど,若干混ぜ返すようで申し訳ないようなことを申し上げると,例えば,考え方として全部独自科目ってまず考えてみるということもあり得るわけで,全部独自科目で作ってみようと。学校司書ってこういうことが必要だよねということで作ってみた。でも,作ってみたところ,ここは既存の教職なり,あるいは何か別なものなりのものと,ほぼ趣旨の点でも共通するものがあるんじゃないかというふうに見えるものについては共通化を図るということは,これはあり得ると思うし,また,個人的にもそうした考え方は妥当だと思っています。ところが,一方で,何か技能とか知識については共通に見えるんだけど,例えば,先ほど,ここの例で言えば「学校図書館サービス論」というのが独自科目ってあったけど,これって多分,「図書館サービス概論」との重なりの点でいろいろ議論が出そうなところなんだけど,これ,やはり「図書館サービス概論」は公共図書館のサービスという趣旨の点では学校図書館のサービスとは随分と違っているはずだと個人的には思うわけで,そうすると,これは領域的には同じなんだけれども,実際に科目として開講するということを考えた場合に,やはり同じにするわけにはいかないじゃないかと,そういうふうに考えたときに,独自というと何か非常に全然違うような科目のように聞こえてしまうけど,そうではなくて,同じような領域なんだけれども,科目としては別科目にしないと逆に現場で混乱するとまではいかないにしても,結構いろんな配慮をしなければいけなくなるかなという,そういった点がちょっと懸念としてあるものですから,作り方としては今回の作り方でいいんだけど,やはりそこは最後のところで気を付けないといけないところかなというふうに思っている。
【堀川部会長】  最後のところ?
【小田委員】  最後って,つまり,科目が出たところで,例えば,図書館サービスのことをやるから「図書館サービス概論」でいいよねというふうにするのではなくて,図書館サービスをやるんだけれども,学校図書館のサービスは公共図書館のサービスとはやはり異なるんだと。それによって,実際の,現行だと司書の「図書館サービス概論」は,公共図書館のサービスということで授業が組み立てられている。そこの違いはやはり,同じ科目にするにはこれは余りにも大きいものだという,その最後のところをやはり気を付けなきゃいけないんじゃないかと。作り方の点では,既存の科目をまず基にして考えてみようというふうに進んできたわけですよね。
【堀川部会長】  いえいえ,そうではないですけどね。
【小田委員】  そうなんですか。
【堀川部会長】  はい。だから,まずはやっぱり必要な知識・技能があるんだということはあるんですけれど,実際にモデルカリキュラムを開講するといったときに,担当の教員がどれだけいるかとかいうようなことも踏まえながら話をしてきました。
【小田委員】  それは分かる話ではあるので,それを否定するわけでもないので,そこは最後の調整かなというのはもちろん。みんな最後になっちゃって申し訳ないけれども。今の話はちょっと別な議論になると思うんだけど,例えば,自分の大学で,仮に「『図書館サービス概論』は学校司書向けのものでもあるんだ」と言われたとすると,相当に中身の組替えをやらなきゃいけない。ということは,言い方を換えると,公共図書館の司書向けの内容をかなり減らさなきゃいけない。つまり,同じことをやって両方に使えるよという部分は確かにあることはあるけれども,そこはやはり全体の一部であるから,かなりの工夫をしなきゃいけないって,こう受け止めているわけですね。それが今申し上げた,図書館サービスのことをやるんだけれども,実際の大学の現場では公共図書館のサービスというところにやはり主眼が置かれているという,そういった面を考慮しないといけないんじゃないでしょうかということで,それならば独自科目をという話の方が了解しやすいという意味です。
【堀川部会長】  ほかの委員,いかがでしょうか。
【井上委員】  よろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  今のお考えとよく似た形で,皆さんのお手元にございます私のモデルカリキュラム案というのは割とそれに近いわけです。名称としては独自科目なんですが,注意書きを付けておいたんですが,いろんな科目をとっていれば読替え可能。だから,1対1じゃなくて,学校図書館の何かの科目と司書の科目をかぶらせることによって,両方学んでもらってその考え方になる。あるいは,大学教員側の余裕があればということなんですが,全く独自科目として設定してもらうことも可能だという,その意味で,読替えって書いてあっても1対1の読替えではなくて,複数科目の読替えというのは実はそこに意図があって,済みません,ちょっと余裕がなくてできなかったんですけれども,3枚目のところで中身のところを項目を立ててみたんです。だから,15時間で1科目成立する,2単位の科目として中身をこういうのを押さえるんですよと。ですから,司書課程の科目であれ,司書教諭課程の科目であれ,その中でこのどこかの1時間分,2時間分の単元を触れていただいてということで,複数をとれば読替えが可能になるという。で,大学教員の方に余裕があれば独自科目にして,この15こまを全部カバーしていただければというような発想で組み立てようとしまして,ちょっと挫折をしておりますが,1対1の読替えではやはり,今,小田先生がおっしゃったようにリスクがあるのでというところをちょっとカバーしてみようかなという発想ではありました。
  ついでにもう一つ,ちょっと離れますが,基本的なことを確認させてもらってよろしいですか。
【堀川部会長】  はい,どうぞ。
【井上委員】  先ほどの資料2に出てきました司書教諭の科目をということなんですが,学校司書として学ぶときには,教職課程をとらずに,この司書教諭課程の科目だけとっていいと,こういうことなんですか。司書教諭というのは,現時点で教職課程の何らかの教免を取った上で司書教諭の科目をとらないと取れないと,こういう構成ですよね。
  で,学校司書のモデルカリキュラムで司書教諭の科目が一杯あるんですけれども,教職課程を取って,司書教諭課程を取って,更に司書課程を取ってという3本立てになるということなんですか。
【堀川部会長】  これは大学ではとれるわけですね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そうですね,はい。司書教諭の受講について,必ずしも教職を取ってないと司書教諭の科目がとれないというわけではないので。
【友田児童生徒課指導調査係】  あくまでそれは大学に在籍している場合なんですけれども,教員免許状を持ってないといけないという要件というのが,司書教諭講習を受けるに当たっての要件として求められているものですので,大学に2年以上在籍されていて62単位以上取られている学生に関しては,講習を受けることもできますし,それ以外に大学のカリキュラムの中で司書教諭に相当する科目として開設されている場合もあり,司書教諭科目をとるというのは2パターン,ケースとしてはあります。ただ,いずれにせよ,司書教諭の資格を有効に活用するためには,少なくとも教員免許状を持っていないと実質的に司書教諭にはなることはできませんので,司書教諭に関してはそういったことになっているんですけれども。
【井上委員】  じゃ,このモデルカリキュラムの場合には,必ずしも教職課程で何か教免を取ってなくても,学校司書を目指すのであれば司書教諭の課程の科目だけとってもそれは成り立つということですか。
【友田児童生徒課指導調査係】  はい。
【井上委員】  了解しました。
【堀川部会長】  ほかの委員,いかがでしょうか。
【井上委員】  ついでにもう一つ確認。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  ということは,だからこそ,例えばどこのモデルカリキュラムでも「教育原理」とか「教育心理」とか入っているのは,やっぱり全く教育関係のことを,教員免許は取らない,教職免許は取らないんだけれども,教育学のことを学んでもらわないと困るという,そういう発想でよろしいわけですね。
【友田児童生徒課指導調査係】  はい。
【井上委員】  はい,了解です。済みません,違う流れになりました。ごめんなさい。
【堀川部会長】  いやいや,何でも御意見,確認。はい,どうぞ。
【三浦委員】  先ほど事務局の方からモデルカリキュラムについての御説明がありましたけれども,こちらのモデルカリキュラムの中身に対応した科目を設置するということかと思いますので,その中で,先ほど,小田先生,井上先生から出ているように,それに対応した科目が独自科目でなくては充当できないということであれば,独自科目を設置するという方向で案を提出することが望ましいと思いますし,もし司書教諭や教職の課程等で読み替え可能であるのであれば,現実的に読み替えられるものについては読み替えるという方向性でよろしいのではないかと思っております。
【堀川部会長】  内容的に,このモデルカリキュラムはこういう司書教諭の科目を活用するという案で書いてありますけれど,先ほどの……。
【三浦委員】  済みません。そちらではなくて,事務局の方から頂いた説明の3ページの(2)のモデルカリキュラムの個々の中身とそれに対応する履修科目の説明がございましたけれども,その対応ということが果たして,今,読み替えることを一案として書かれているかと思うんですが,本当にその読替えが可能であるのか。例えば3ページの(2)の丸の2番目のところには,学校図書館の「運営・管理」に関する職務にはこれこれのことがあると。その次の丸のところで,じゃあ具体的にはこれこれに対応できるのではないかという案が書かれているわけですけれども,本当にそれが対応するものなのか,独自科目を設定する必要があるのかということを検討の上でカリキュラム案を提示していくことがよろしいのではないかなと考えました。
【堀川部会長】  はい。
ほかの委員はいかがでしょうか。はい,米澤さん。
【米澤委員】  実際に学校図書館で働いている立場で拝見すると,例えば教育支援をする際には「教育心理」,「教育原理」というものが基礎的な知識として必要だということは分かるんですけれども,何も知らない大学生が,全く学校図書館の独自のカリキュラムがない中でこれをとっただけで学校図書館が分かるか,イメージを作れるかというのが,ちょっと厳しいのではないかと思います。もちろんこれだけではなくて,プラス独自というよりは,やっぱり学校図書館というのはどういった専門性を持って現場で働く必要があるかということを分かるような何かシステムづくりがないと,結果的に現場で働いたら活用できるとは思うのですが。教職の課程,司書教諭の科目をとって司書の科目をとれば学校図書館が分かるかといったら,それはかなり厳しいと思います。どういうふうに進めていったらいいかというのであれば,やはりこれは今回の御提案の形だと思うんですけれども,実際,大学の先生の立場で,例えば生徒にこういった講座を開いたときに,学校司書になりたいという,学校図書館を知らせるためにはこれだけで本当に大丈夫と思われますか。
【井上委員】  例えば具体的に言うと分かりやすいと思うんですが,今の3ページの(2)のモデルカリキュラム,丸の3番目のところですが,例えば「図書館情報資源概論」というのは資料のことですが,子供の本のことをほとんど扱わないわけですね。ですから,この科目をとって小学校の資料コレクションができるかといったら,まず無理,全然無理。だから,「児童サービス論」と補完して初めて小学生,言えば中学生ぐらいの資料の選択とか構築が可能になってくる。じゃあ,なぜこれだけがここに入っているかというと,まずこれを見て学校図書館にどんな本を置いたらいいというのは,イメージはまずほとんどゼロでしょうね。というのは言えると思います。だから,この組合せは,やっぱり小学校,中学校が義務教育で,そこは基本に考えるとなると,高校はまだ大人に近いので,この科目なら何となく近いかもしれませんが,年齢が下がってくる小学校では対応できない,イメージができない。
【米澤委員】  この中に学校の種別とかそういったことは入らないというお話だったので,でも,実際的は,小学校,中学校,高校があるので,やはりそういったところもちょっと何か含めない限りは難しいなと思うので,ある程度学校図書館に特化したものが必要ではないかなと。
【井上委員】  そうですね。
【堀川部会長】  それをどこまで入れるかですよね。独自のというのを。もちろん,全て新たに学校司書の新たな独自のカリキュラムを作るのが,それは望ましいと思います。だけど,実際にそれでは,これがまだ義務付けされていない,まずはモデルとしてやってみてくださいというところで,現実に開講・開設してくださる大学が出てこないといけないということも一方にあります。それで,全て新たな科目にしてできるかなというのがちょっと心配なんですが。それで,基本的な知識・技能として学ぶという中で,司書の科目あるいは司書教諭の科目あるいは教職の科目で使えるものがあればと。使えるものというか,だから,この中で先ほどの3ページのモデルカリキュラムの二つ目の丸です。学校における学校図書館の意義に関すること,こうした技能・知識か求められる。それの対応で今書いてあって,井上委員が,「情報資源概論」では学校図書館のコレクション構築はできないと。
【井上委員】  できないというよりも,かなり難しいだろうと。
【堀川部会長】  難しい。
【井上委員】  かなり難しいだろうと。ゼロとは言いませんが,難しいと思います。
【堀川部会長】  そういうことを考えていくと,でも,それは,「読書と豊かな人間性」をとっても難しい,それだけでは難しいですね。
【井上委員】  そちらは,そもそも読書とは何かというそもそも論になってくるので,読書というところに,例えば調べ学習も含めるかどうかという担当教員の考え方にかなり大きくぶれが出てきているので,それで済ませられるかといったら,それはちょっと別の議論の場が必要になってくると思います。同じことは,同じ3ページの下の「情報サービス論」,これも例えば小学校とか中学校の調べ学習であるとか総合的な学習に対応するようなことが可能か。確かにレファレンスに対してはできます。しかし,子供向けに,例えばどのようにコミュニケーションをとりながら調べたいことを絞り込んでいくのかとかというのは,恐らく公共図書館での,いわば今からベンチャービジネスを始めようという人と対応するのとは若干違いが出てくるというのを,この「情報サービス論」でカバーできるのかどうか。
【堀川部会長】  この上と下の,3ページの2番目の丸と3番目の丸の対応を今ちょっと考え始めているところですが,これについて「図書館情報資源概論」,「情報サービス論」,例えばということで,丸々対応はできないだろう,難しいだろうということが出てきましたけれど,ほかのところはどうでしょうか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません,ちょっとだけよろしいでしょうか。
【堀川部会長】  はい。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  何点かいろいろありましたので御説明して,まず,米澤先生の方から,大学での例えばモデルカリキュラムを学んで,じゃあ現場に出たときに即戦力で働けるのかということを頂いたと思うんですけれども,それは多分どの職業でも同じであるような気がしていて,必ずしもこれを履修したらすぐに即戦力になれるのかという部分というのはあると思っていまして,それは少し書かせていただいているんですけれども,例えば2ページの(1)の丸の二つ目の中で,当然ですけれども,このモデルカリキュラムを履修した後に,実際に学校図書館における業務経験あるいは研修,その他御自身での学習も含めて,必要な資質・能力というのはやっぱり徐々に形成されていくものであって,これをやったからもう即戦力で働けるんだという科目構成というのは,恐らくどういった科目を構成したとしても非常に難しいのかなというのはございます。
  他方で,やはりそうはいっても,学校司書として勤務いただくために共通となる必要な基盤のようなものを形成していただくということが必要なのではないかなと思っております。その意味で,独自科目なのか,既存科目なのかという冒頭の小田先生からの御質問も頂いたんですけれども,基本的には身に付けるべき必要な基盤となる部分の専門性といったものがどういうものがあるのかということから科目構成を検討いただければと思うんですけれども,その意味で,いろいろあったんですけど,一例として先ほどの公共図書館の図書館サービスと学校図書館における児童生徒に対する様々な学校図書館のサービスというのは,基本的にやはり異なると思っています。そこのサービスの部分は異なるわけですけれども,じゃあ,そのサービスを学校司書あるいは司書が提供するに当たって,必要となる知識・技能の基盤の部分というのが異なるのかどうかという部分に議論が必要だと思うんですけれども,例えば,先ほどの「図書館情報資源概論」で学ぶことというのは,印刷資料と非印刷資料の類型とその特質,資料の受入れ,除籍,保存,管理ということ,そういったことについては,恐らく公共図書館と学校図書館の司書あるいは学校司書が知っておくべき知識,例えば印刷資料と非印刷資料はどういう類型があって,どう違うのかという特質,あるいは資料の受入れ,除籍,保存,管理というものについてどういったことに留意しなければならないのかという,その基盤の部分が果たして異なるのか,そこは共通できるのかということかなと,ちょっと議論をお伺いしていて感じました。
  また,堀川先生がおっしゃったとおり,現在,全国に学校司書の方々約2万人いらっしゃいます。要は,独自科目を設定するのであれば,大学においてそれを実際に開設してもらう必要が出てくる。それは多分一つや二つの大学では全然駄目で,日本全国の大学で幅広く開設いただける状況というものに最終的に行き着かないといけない。それがすぐにどこまでできるのかどうかということもまた含めて御議論いただけると有り難いなと思います。
  済みません,事務局から。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
【井上委員】  済みません,付け加えていいですか。今,資料のことについてお話しになりましたけれども,この科目ではそういった形式もあるんですが,半分は資料をどう選ぶかという,司書の専門性はどんな資料を選ぶかという,そこのポイントにあるわけですよ。そうしますと,公共図書館と学校図書館ではやっぱり目的が違ってくるわけですから,その選び方の考え方のところというのはやっぱり違ってくると思うんですよ。先ほどお話しになった部分は,大学図書館でも専門図書館でもどんなところでも一緒だと思います。確かにそうだと思います。しかし,学校図書館としてどう選ぶか,公共図書館としてどう選ぶかという,そこがこの科目の一番のフィロソフィーの部分になってくるので,そこを全く御説明なしに「できるだろう」と言われると,ちょっと図書館の司書としての専門性をかなり認識していただいていないとしか私は言いようがない。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません。当然,学校図書館の図書のコレクションと公共図書館の図書のコレクションというのは異なると思うんですけれども,そこについては,やはり学校図書館というのは教育課程の展開に寄与するもの,あるいは児童生徒の教養を豊かにするものということ,それから,先ほどのように司書教諭の科目の中で学校図書館の話あるいは教育課程論というものを学ぶ中で,子供たちにとってどういったコレクションがいいのかというのは,そういった知識・技能も学んでいただいた上で展開していかれるのかなということで,この単独の科目だけを見てそれが全部できるのかということは,必ずしもそうではなくて,総合としてのモデルカリキュラム全体の中でそういったことを学んでいただければと思っているんですけれども。
【堀川部会長】  はい,ありがとうございます。その総合的なというところが今回は大切かなというように思います。学校司書はやはり司書が基盤というのはいいですか。違いますか。学校司書が基盤ということになっちゃいますか。司書教諭は教員が基盤ですよね。
【井上委員】  いや,だからそもそも論になるんですけれども,司書教諭が専任で学校図書館に配置されていて,かつ5科目じゃなくて,もう少しいろんな知識・技術を持っていれば,それは理想的ですし,戦後60年間の学校図書館の歴史のそもそもの出発点はそこだと思うんですが,そうではないという現状で,司書教諭がいつも専任ではないという公立の学校の状況を打開するために,専任で学校司書がいてほしいというのがここのまず話の出発点じゃないんですか。だから,学校司書が必要だと。じゃあ,学校司書が専任で学校図書館にいて,何が,どんな知識や技術が必要なのかという,こういうことでしょう。ですから,資料を選んだりとかいうところは,司書教諭とは違う,ずっといるということで,どのような資料を選んでいって,教員のいわば教育・学習の支援体制をできるかという。
【堀川部会長】  今の専任のというところまでは,ここではちょっと関与できないところだと思います。現実に学校司書の人たちが増えてきている。実際にいらっしゃる。そういう人たちがいらっしゃるのに,ちゃんと表面というか,学校図書館法の中にも触れられていなかった。なので位置付けたというのがこの前の改正で,それも「置かなければならない」にはなっていないところが個人的には残念なところで,配置するのは各自治体なので,こちらから「置かなければならない」とは言えないという,ちょっとつらいところもあるようで,だから,専任というのはちょっとおいておいていただければなと思います。学校司書の人たちがどういうような知識・技能を持って養成されるのが望ましいかというところだと思います。
【井上委員】  ですから,司書教諭ではないということなんですね。
【堀川部会長】  司書教諭ではないです。
【井上委員】  ですから,教師ではないんだけれども,学校の現場にいるのは確かなので……。
【堀川部会長】  そうです。
【井上委員】  ですから,教育・学習のいわば知識とかいろんな技術を持っていて,だけど,教諭ではないので,図書館としての専門家としての知識・技術が必要ですよという,そっちに重点が行くわけですよね。
【堀川部会長】  それでいいですよね。
【井上委員】  そうですよね。
【堀川部会長】  はい,私もそう思います。違いますか。いいですか,それは。それで,図書館としての専門的な知識としては司書の科目があって,それ……。
【井上委員】  だから,そこが違う。図書館じゃなくて,学校図書館としての。司書は,公共図書館の司書としての専門的な知識。ここは学校図書館としての司書の専門的な知識とか技術は何ですかという。
【堀川部会長】  だから,今,それを最初から全部一つ一つやっていきますか。
【井上委員】  ここのモデルカリキュラムでこういう科目が使えますといったときに,果たしてそのままスライドして使えるんですか,どうですかということですよね。
【堀川部会長】  そうです,そうです。それと,それから全体として学校図書館の専門的な知識を学ぶ科目と,プラスして学校図書館独自に必要なものが,全体としてどこでどういうように担保できるかということだと思うんです。一つのこの科目,この科目でというようにガチガチで全部やることはちょっと現実的ではないなとは思いますが,そこのところはいかがですか。
【堀部委員】  いいですか。
【堀川部会長】  はい。
【堀部委員】  お話を伺ったり,また,きょうの資料を見せていただいて,私自身は,井上委員の考えに非常に近いなというところを改めて思いました。
【堀川部会長】  そうですね。
【堀部委員】  その1点は,今回の会議もそうですけど,先回の会議でも,学校図書館をどう見るかというスタンスが,教育施設としての学校図書館という部分に踏み込んでいますよね,新たな提案という。そういう点では,井上先生の御提案の中にも,これは机上配付資料ですか,一番上に基礎分野ってあるじゃないですか。私も同じような発想で,きょうの別紙の案なんですけれども,基盤科目というところを,やはり学校教育における理念というところをまず土台としたところで,司書の専門性を有益に働かせるような機能を持ってもらいたいなという願いがあって,きょうの案では,私,基盤科目というところでは,教育の基礎理論に関する部分,きょうのモデルカリキュラムで言えば「教育原理」ですとか「教育心理学」の部分しか書いてないんですけれども,それと同じように,これは読替えになるのか,ちょっと見えないところもあるんですけど,やはり「学校図書館概論」的な部分,図書館の専門性という部分と教育の専門性という部分を,まず何が一番大事なんだというところを特出しした上で,直接,間接,また,教育というようなスタンスを踏む提案というのが私の考えでした。
  それから,恐らく私の提案が一番,冠に「学校図書館」という「学校」が入っている提案なんですね。基本的な考えは,独自の学校図書館ならではの特異性というか,特殊性の中で,それぞれの司書の専門性がどう機能できるかという内容を身に付けてほしいなという下の中で「学校」という部分が冠で付いています。ただ,その理念は,ここで議論されている読替えになるのか,折衷になるのか,スライドになるのか,その辺はまだ見えないところもあるんですけれども,そういう中でやはり学校図書館の機能を高めていくというところでは,公共の図書館との役割は違うというところを今回鮮明にしながらも,内容的にはやはり既存の司書あるいは司書教諭の専門性を高める上での教科の活用というところも便法としては当然あるのかなと思っています。
  それから,私の案では,恐らく24プラスアルファのプラスアルファが一番多い案だと思うんですが,実習の部分について一言触れさせていただきますと,確かに理想はそうなんですけど,学校現場で,例えば教育実習生を指導する立場が,学校司書においては限りなく担当教諭になるのか,担当者になるのか,そういうスタンスのスタッフがいないと,はっきり申し上げて。だから,実習については,今回の前提は選択というところではあるんですけど,選択は基本的にはとらないという基本的なお考えの中からすれば,やはり実習というのはスタートラインというよりも,始まってから身に付けて,見識を高めていく研修の部分で培われていくものだなと考えました。
  以上3点です。
【堀川部会長】  はい,ありがとうございます。いいでしょうか。いいですか。分かりました。
  そうすると,先ほどの基盤科目,基礎分野というように,こういう学校図書館に独自の科目をまずはきちんと押さえて,それからほかの既存の資格で使えるものは使わせていただくと。学校図書館に必要な科目というのを明確にしましょうか,まずは。井上委員と堀部委員のを基に見ていただけますか。基礎分野,基礎科目と書いてあるところ,ここのお二人のを参考にしながら論を進めてもいいでしょうか。
  基盤科目のところで,どうしても必要なということになるとどのくらいになるんでしょうかね,これは。「学校図書館概論」は必要というように,そういうふうに一つずつ見ていっていいでしょうか。いいですか,それで。そういうやり方で。
【堀部委員】  済みません,いいですか。
【堀川部会長】  はい。
【堀部委員】  各論に入る前に,今,私がお話を差し上げた中で,1点目は基礎的な分野って井上先生のお考え,私は基盤科目って書いてきたんですけど,間接,直接,教育指導への支援というベースとなる部分を特出しするかという点についての御意見とか頂けると有り難いんですが。ほかの委員の案は原案どおりの三つの視点ですよね。
【堀川部会長】  はい。
【堀部委員】  それをあえて今回は資格という中で,基礎分野,基盤科目みたいな形で特出しを井上委員と私はしていることになりますよね。それについてのお考えというところがあれば。
【堀川部会長】  いかがでしょうか。これは,枠を組み替えるのはまた後で考えられるかなと思いますけれど,こうやってお二人とも,基礎,基盤という言い方をしていらっしゃるので,この辺で共通の科目というのはありますかね。
  じゃあ,まずは基礎分野のところから行くと,「学校図書館概論」は一応印を付けておきますね。
  それから,「教育原理」か「教職論」,堀部委員の方では……。
【堀部委員】  この四つの中で言えば,私も「教育原理」だと思っています。
【堀川部会長】  「教育原理」ですね。一応入れておきましょう。
  それから,間接的支援に関する科目の方に行きます。また後で足りなければ拾っていってください。
  「学校図書館情報資源論」,これ,共通ですね。
  「学校図書館情報資源組織論」も共通ですね。
  それから次に,直接的サービスの方に行きますと,「学校図書館サービス概論」は,こちらは違いましたね。「情報サービス」でしたね。
【堀部委員】  これ,「児童生徒サービス論」にしちゃったんです。
【堀川部会長】  「学校図書館児童生徒サービス論」と「学校図書館サービス概論」が共通……。
【堀部委員】  そうですね。
【堀川部会長】  というように考えさせてください。
  あとは共通のものはありませんが,是非これは必要と。これ,井上委員からすれば全部必要なんですよね。ほかの委員からこれは必要というのをどうぞ出してください。このお二人の,堀部委員と井上委員の中。
【堀部委員】  済みません,単純な質問でいいですか。
【堀川部会長】  はい。
【堀部委員】  何とか何とか特論という「特論」というのはどういう認識でいればいいんですかね。「図書館サービス特論」だとかありますよね。
【堀川部会長】  どうでしょうか。
【井上委員】  「概論」は,全体的な包括的なところ。ですから,説明のところでいろんな科目名が並んでいますよね。ですから,それぞれの科目名の共通部分みたいなものを合体させるとこの科目じゃないですかみたいな。「特論」の方は,その中で特に「児童サービス論」とか「読書と豊かな人間性」のこの部分ですから,小学校とか中学校の資料をどう構築して,例えば読書指導までいかなくても,読書を勧める,あるいはその本を使ってどう調べるとかということですよね。
【堀部委員】  じゃ,包括的な認識と,すごく……。
【井上委員】  具体的な。
【堀部委員】  具体的に落とし込んだという。
【井上委員】  そういう感じで,「概論」と「特論」と分けてみました。
【堀川部会長】  「特論」は大学によって,どのテーマに絞り込もうかというのはそれぞれ担当者によって変わってくるというものです。
【堀部委員】  なるほど。
【井上委員】  ちなみに,「学校図書館サービス概論」のところに「情報」を付けていただいても構いません,それは全然。「情報サービス論」の中身もということなので。
【堀川部会長】  はい。「学校図書館サービス概論」と「情報サービス概論」を……。
【堀部委員】  私,一緒にしちゃったという発想ですけど,そういうことですよね。
【井上委員】  それで全然いいと思います。
【堀川部会長】  それから,「教育心理学」が一緒でしたね。一緒だからというわけではないですけど。
  あとどれが必要というのを,ここの表以外にもどうぞ出してください。学校図書館の独自の科目として,まずは,今,「学校図書館概論」。それから,「学校図書館サービス概論」,ここに「情報」が入るかどうか。それから,「児童生徒」というもの。それからあとは「学校図書館情報資源概論」か。そして「学校図書館情報資源組織論」。
  そしてあとは教育のところですね。
【小田委員】  よろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【小田委員】  資料1で,先ほど事務局からも御説明いただいたモデルカリキュラムのところで,平成26年の報告書に掲げられている知識・技能というのをカバーするというのがやはり大切なところだろうと思っていますので,つまり,それが既存の科目とか何かということではなくて,やはりこれが一番基本になるだろうと思いますので,それからいうと,今,「学校図書館概論」とかずっと出てくるところは,3ページ辺りのところはおおむねカバーできているのかなというふうには受け止められるんですが,4ページ目のところになると,やはり学習支援であるとか,それから読書指導というところが平成26年の報告書でうたっているとすれば,重視しているとすれば,やはりその関係の,独自科目にするのかどうかは別としても,その領域のところが。
【井上委員】  それが「学校図書館サービス特論」に当たります。
【小田委員】  あ,井上先生のはね。
【井上委員】  私の主張だと。
【小田委員】  ただ,これは個人的な意見ですけど……。
【堀川部会長】  読書指導?
【小田委員】  うん。「特論」というのは,必修科目という位置付けをするときに余りなじまないかなというのは正直思う名称なので,名称はやはりちょっと工夫しないといけないかなというのは思いますけど。
【井上委員】  でも,「読書指導」というのは,国語の授業とどこが違うのというニュアンス……。
【小田委員】  いや,ごめんなさい,科目名じゃなくて,まずは4ページの知識・技能という,平成26年の報告書でその内容が学校司書として獲得するべきだということがうたわれている,これを踏まえるならば,この名称は別としても,「読書指導」でも「読書指導に関する支援」でも何でも,それは工夫するところだと思うんですが,ここがやはり入るだろうし,学習支援ということも抜くわけにもいかないのかなというのは思うところです。
【堀川部会長】  科目の名前ではなくて内容として,この辺は科目名として書いているところなんですが。
あとほかには,4ページの上のところに知識・技能,ずっと書いてありますけれど。
【小田委員】  あとは,気付いたところとしては,同じような意味合いでいくと,「教育原理」との重なりもありますけど,明らかに今は違う領域として捉えられているのが教育課程に関する内容かなというのは思いますが。
【堀川部会長】  それを,これをこちらに入れればいいわけですね,科目として。
【井上委員】  済みません,やっぱりそれは,私,反対したいんですけど,読書指導と学習支援の中身を含めて「学校図書館サービス特論」なんですよ。学習指導と学校図書館の中身を踏まえてということなので,そういうふうに2科目分割すると科目が増えるので単位も増えて,それは大学教師も学生も負担が大きい。まとめてほしい。
【堀川部会長】  私も「特論」というのは何だか。
【井上委員】  じゃ,ほかの名前で結構なんですが,2科目分割するより一つにまとめてほしい。
【堀川部会長】  あ,なるほど。
【井上委員】  「特論」以外に何かいい名称があったら考えてください。
【堀川部会長】  私は,井上委員の「学校図書館と学校教育支援」という,この科目はいいなと思って見ていたんですけれど。
【井上委員】  あ,それでもいいと思うんですけど。
【堀部委員】  済みません,私の案では,今の話で一番近い考えは,「学校図書館教育論」という部分で読書指導の部分と情報リテラシーという側面からの学習支援というところで押さえられないかなという意味合いです。
【堀川部会長】  「学校教育論」でしたっけ。
【堀部委員】  「学校図書館教育論」ですね。ただ,今の流れという中で,「学校図書館教育」という文言自体が余り使われてないなということをすごく感じるんですけれども,いわゆる読書教育とか読書活動の指導とか,そうなると,読書という概念をどう捉えるかというときに狭義・広義って出てきますから。そもそも「学校図書館教育」というのはかつて使われていましたよね。
【井上委員】  今もそうです。小学校の教職……。
【堀部委員】  あ,今も私も使われていると思っています。そういう認識で。そういう認識で話させていただいていくと,視聴覚教育とかキャリア教育とか狭義の意味に捉えかねない部分もあるんだけれども,やはりあえて学校図書館であるという部分を前面に出す。学校における教育活動としての学校図書館教育というスタンスで両側面を両輪として押さえ込むというのは,この時期だから逆に主張はあるんじゃないかなって考えます。
【堀川部会長】  「学校教育論」でしたか,「学校図書館」?
【堀部委員】  「学校図書館教育」ですね。そういう点で最初,「特論」という意味が分からなかったから,済みません。
【井上委員】  大学の科目の設置の習慣でございます。
【堀川部会長】  私も「特論」はちょっと名前が,中身が見えないような気がして,科目名としては。
  ほかには,科目としてはこれを入れる,科目名はこれを入れる,こういう科目は必ず必要。あと,「教育原理」,「教育心理」。
【井上委員】  あとは,学校図書館のところに児童生徒を限定すると,教師へのサービス支援が薄れてしまいませんか。教師自身が学校図書館を使っての調べ学習がなかなか難しいという先生方がおられるようなので,やっぱり学校図書館法のサービス対象者は,児童生徒,教員というのがはっきり出ていますので,児童生徒に限定しない方がいいのかなという気はします。
【堀川部会長】  確かに。どうでしょうか。堀部先生。
【堀部委員】  そのサービスの部分でですか。それに限ったことになると。
【井上委員】  そのサービスのところで。
【堀川部会長】  「学校図書館サービス概論」。
【井上委員】  ええ。当然,「学校図書館教育論」でも,先生方に学校図書館教育というのをチーム・ティーチングみたいな形でやっていくというのもありますけど,日常業務の中で先生方にもサービスをしていくというのは必要だろうと。将来的に教職課程の中で絶対「学校図書館教育論」みたいなのが必修科目として入れば,こちらの方は児童生徒にもっと力を注げますけど,現状としては教職課程の中に学校図書館に関する科目はないものですから,作ってほしいと思います。作ってください。
【堀川部会長】  いいですか,堀部先生。教職員に対してのサービスもあるので。
【堀部委員】  そうですね。もちろんそういう概念で,私たちが児童生徒に向き合うというのは,当然,児童生徒にどういうふうな指導・支援をしたらいいかだから,児童生徒という概念の中に実は教職員の思いというのも乗っかっている部分があるんですよ,現場では。だから,先生がおっしゃるように,児童生徒だけじゃないというのは当然おっしゃるとおりなんだけれども,教員の現場スタンスからすれば,児童生徒を語るときには教員という立場は乗っかっているので,内容的にそういうものを盛り込むというか,関連付けるというのは有益だと思いますけど,ここに文言としてまた「教師」とか載せちゃうと,あるいは取っちゃうと,いわゆる公共のサービス論とどう違うんだというところにならないかなと。
【井上委員】  ただ,そこに「学校図書館」があるので,「児童生徒」という言葉を入れると,もう学校図書館にみんなお任せしていいんやって思ってしまう教師が出てしまうんじゃないかという。現場としてやっぱり,「学校図書館よろしく」って言って教員室へ帰ってしまわれる先生もいらっしゃるようですので,それは違うという。
【堀川部会長】  最終的な科目名としては……。
【堀部委員】  でも,意味合いは同じですよね。はい,同じでした。
【堀川部会長】  「学校図書館サービス概論」と「学校図書館情報サービス」は,これは含まれているものと考えていいんでしょうかね。
【小田委員】  ちょっとそこは違う意見があるんですが,済みません,何度も資料1に戻るんだけれども,資料1で,先ほど,情報サービスの提供に関することに関しては平成26年の報告書にはないんだけれども,新たに加えたという御説明を頂いているんですよね。やはりそこはお考えとして重視していこう,あるいはそこをある程度カバーしていくことが必要だということの表れだろうと受け止めたんですね。そうすると,やはりこの「サービス概論」のところに含めるのではなくて,何らかの形で独立させた方がいいのかなと。あわせて,情報機器やネットワーク,情報検索という辺りのところもそれでカバーできるのかなというふうには思いますが。
【堀川部会長】  一応「情報サービス」にしていい?
【小田委員】  まあまあ,「学校図書館情報サービス論」みたいな,仮にしておいて。
【堀川部会長】  今,科目とか内容とかを言いながら,学校図書館の独自というか,学校図書館の必要な科目・内容が少しずつ見えてきたというか,文字になってきたところなんですけれど,ほかには,必ずこれが必要というのはあります?
あとはそうですね,施設……施設ね,「学校図書館情報技術論」とこれとは違いますよね。
【小田委員】  違うけど,含められるかなとは思うんですけど。
【堀川部会長】  含められる。
【小田委員】  それは全体の24という単位の中での調整の範囲かなと思います。
【堀川部会長】  じゃ,ちょっとこんなところで,これを学ぶには独自で作らなくてはいけないか,あるいは,もしかしたらほかの資格のところから活用できるかという検討に入りたいと思いますけれど,この辺はどうでしょう,この辺は教職の科目を活用するということでいいでしょうか。学校全体の教育に関してと。いいですか。小田先生は違う? いいですか。
【小田委員】  いや,結論はそれなんですけど。なんだけどというのは,言い方換えると,こちらではそういうつもりでお願いしたいなというふうに,教員免許を出すようないろんなセクションが大学の中でもあるわけだけれども,この科目は学校司書の資格のためにも使う科目として大学の中でというふうに合意形成をとらなきゃいけないわけですよね。だから,そのための何かプッシュになるようなことをこの在り方のところで示していただけると……。
【井上委員】  そうしていただけると,先ほど言いましたように,現状で教職課程の中で学校図書館利用教育の科目がないんだけれども,「教育原理」は教職課程を取る人はみんなとるので,そこで学校図書館のことについて話していただければ理解が広がっていいと思うので,それはやっぱり在り方であるとかいろんなところで,「教育原理」の教育担当者に「学校図書館司書の養成の科目でもありますので,必ずどこかで1時間,2時間とって話をしてください」というお願い……。
【小田委員】  そこはちょっと別の問題なんだけど。
【井上委員】  期待ですが。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そこはですね,教職課程については,やはり大学の自治の観点から自主性等もございます。もちろん,図書館法の司書の資格もそうですけれども,科目名あるいは先ほどの教職課程もそうですけれども,科目名についてはあくまでも各大学が定めるということですので,特に「教育原理」や「教育心理」の内容に必ず学校図書館に関することを含めてほしいとかと言うことはやはり難しいので,御理解ください。
【堀川部会長】  でも,ここの文言の……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  つまり,トータルの中で学校司書に必要な資質・能力が育まれるようにカリキュラム全体を構成していただければという。
【堀川部会長】  この文言の中にも,「学校司書のモデルカリキュラムの中にこういうのを含めますので,御理解ください」のような,そうした文章は入れられるということ……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  それは,はい。
【堀川部会長】  それは最後のところで,文言のところで。
  ほかに教職関係であるんでしたっけ。これですね。この辺は教職の中で活用できるような,そうすると,これでもう6単位になりますよね。
【三浦委員】  でも,カリキュラムに関しては,司書教諭科目にも「教育指導と学校図書館」において教育カリキュラムについての言及はなされるかと思うんですけれども,その意味では,司書教諭科目の読替えなども検討可能かと考えておりますが,いかがでしょうか。
【堀川部会長】  はい。今,三つ,教職課程の中の科目の活用。今,三浦委員からありました司書教諭課程の中でこうしたことが教えられるものか,どうでしょうか。
【三浦委員】  「学習指導と学校図書館」ではカリキュラムが扱われるという認識なんですが,そうでもないですか。
【井上委員】  カリキュラムが扱われる?
【三浦委員】  教育課程について,「学習指導と学校図書館」で……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そうですね。内容,我々,平成10年にお示しさせていただいていますけど,教育課程と学校図書館というのも「学習指導と学校図書館」の中の内容で含まれておりますので,カリキュラムに関することも扱われています。
【堀川部会長】  「学習指導と学校図書館」?
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ええ。司書教諭の……。
【堀川部会長】  はい,学習指導とですね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  「学習指導と学校図書館」の中で教育課程についても扱われることになって……。
【堀川部会長】  なっています。それをどう考えますか。
【三浦委員】  学校図書館の運営という観点で言えば,もちろん教育全体から見るのが大事だという視点もあるとは思うんですけれども,学校図書館の関わりでカリキュラムとどう関わっていくかということを恐らく「学習指導と学校図書館」を教える場合には念頭に置いて進めていくと思いますので,そういうことの認識を学校司書の方にも持っていただく方がより適切ではないかと考えました。
【堀川部会長】  だから,「学習指導と学校図書館」も活用させてもらうということですね。
【三浦委員】  ええ。
【堀川部会長】  御意見としては。そうすると,三浦委員は,これとこれは両方必要?
【三浦委員】  いや。
【堀川部会長】  こっちだけで大丈夫だろうと。
【三浦委員】  はい。
【堀川部会長】  ほかの委員,いかがですか。この両方を保留にしておきますか。
あとは,この辺……。
【堀部委員】  あ,いいですか,ごめんなさい。ちょっと今の件で言えば,「学習指導と学校図書館」の部分で,単位的なこともあるんだけど,教育内容的な部分は教育課程というところで分かるんですけど,教育方法の部分,教育の見地からしたら出てくるのはそこに含まれるんですかね。
【堀川部会長】  教育課程の中に?
【堀部委員】  はい。そこは……。
【三浦委員】  やっぱり教職課程の教育方法と技術に関連する科目を,もし教育方法についての認識も必要ということであれば含めた方が望ましいと思います。
【堀川部会長】  別ですよね。
【三浦委員】  はい。
【堀川部会長】  こういう科目も入れるかどうかですね。教育関係は,この教職科目の部分はちょっとおいておいて,今度は司書教諭科目の……。
【堀部委員】  ごめんなさい,教職科目のところ,もう1個いいですか。
【堀川部会長】  はい。
【堀部委員】  済みません。やはりサービス提供者,児童生徒中心になるというのは学校図書館の特性でもあるので,例えば児童生徒指導,特別支援教育についての視点というのはどこでカバーされるかなというところもちょっと心に留めておきたいなと思っています。
【堀川部会長】  はい。じゃあ,これは……。
【小田委員】  ちょうど探していたところです。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  前回の配付資料の中に既存の科目のねらいと内容がございますので,前回資料も御覧いただければと思います。
【堀川部会長】  はい,ありがとうございます。
  あと,司書教諭の科目で,これはどうですか。ここは。これはこう。「学習指導と学校図書館」,「読書と豊かな人間性」,どうですか。私は,司書教諭と学校司書が車の両輪で一緒に動いていくとしたら,同じ科目をとっていることもいいというようには思っているんです。だから,司書教諭が「学習指導と学校図書館」とか「読書と豊かな人間性」とか科目をとるんだったら,一緒に同じ内容を,現状においては同じ科目をとるのもいいんじゃないかなとは思っているんですが,どうでしょうか。「学校図書館教育論」,「特論」としてやっぱりしておく必要があります?
【小田委員】  今の堀川先生の考え方はかなり賛同したいところでありながら,若干引っ掛かるのが,どう言ったらいいのかな,つまり,この進め方でいくと,同じ科目をとるという今の考え方が,やっぱりかなり丁寧にやらないと,司書教諭の科目をただとっているという形になっちゃうところがやっぱり危惧される。だから,一番最初の話に戻っちゃうんだけど,だから,そこはやはりそのことを何らかの形で司書教諭にも学校司書にも共通のものであるという,そこはさっき鈴木課長補佐がもっと更に基盤のところがあるって,その考え方は私自身は賛成するところなので,そういったところが重要なところなんだという形で示していかないと,単に科目だけはどんなことをやっても大学は一人歩きしかねないので,そこをやっぱりちゃんと担保できるような,少しでも担保できるような形にするということを前提にするならば,それは,ちょっと危ない橋でもあるとは思うけれども,あり得るかなとは思っていますけど。
【三浦委員】  あとは,学校図書館においてなされる読書指導の中身について,当該の司書教諭科目「読書と豊かな人間性」で十分に享受できるということであれば,やはり読み替えるという手段は有効かと思います。
【堀川部会長】  どうでしょう。「特論」にこだわる?
【井上委員】  「特論」という名称にはこだわらないんですけれども,そもそも「読書指導」という名称が私は個人的に気に入らないんですけれども,国語での読書指導というのと学校図書館での読書支援というのは違うんじゃないかというのがそもそもあって。
【堀川部会長】  私も国語科の指導とは違うと思っています。
【井上委員】  と思うんですよね。ですから,もっともっと学校図書館の読書支援というのは公立図書館の児童サービス的な要素,読むだけじゃなくて,それをどう表現するかというのが求められる部分なので,感想文を書きゃいいという話ではないので。
【堀川部会長】  そうですよ。それは今やっている科目の内容に対して……。
【小田委員】  国語教育に対してもそれはちょっと違うと思う。
【井上委員】  いや,だから,公立図書館の「児童サービス論」的な読書支援が必要じゃないかというのはそこなんですよ。国語とは違う部分があるでしょうという。
【堀川部会長】  もちろんあると思いますけど。
【井上委員】  そこを「読書と豊かな人間性」という科目の中で司書教諭としての科目であれば,やっぱり教師に向けてですから,本当に指導するという意味合いが非常に強い。公共図書館では,「児童サービス論」では読書指導はしないのでね。支援はしますけれども,指導はしない。
【堀川部会長】  いや,その辺は,「読書と豊かな人間性」の科目の内容の捉え方だとは思いますけれど。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  前回の資料7の2枚目に書かせていただいています,例えば読書の意義と目的,あるいは読書と心の教育,読書の指導方法,こういったことも含めて児童生徒の発達段階に応じた読書教育の理念と方法の理解を頂くということですので,必ずしも国語教育に特化したような科目ではないと認識しております。
【堀川部会長】  私もそれはそういうように理解しているんです。
【友田児童生徒課指導調査係】  「読書と豊かな人間性」,司書教諭の科目を全て履修した方というのは,「児童サービス論」,先ほど井上先生の中でお話ししましたけれども,その「児童サービス論」をやったことに読み替えるという規定がございますので,そこと密接に非常に関わりある科目として「読書と豊かな人間性」というのがあって,概念としては……。
【井上委員】  そこは前回,私,指摘しましたよね。「児童サービス論」と「読書と豊かな人間性」を読み替え科目にするのはどだい無理があるという,おかしいというのは指摘したと思います。再度指摘させていただきます。おかしい。
【友田児童生徒課指導調査係】  それで,大変恐縮なんですけれども,それを今の「読書と豊かな人間性」という科目で足りるのか,それでは足りないのかというところを御議論いただければと思います。
【堀川部会長】  そうそう,はい。あと15分しかありませんので,この辺についてはどうでしょうか,今の。「学習指導と学校図書館」,「読書と豊かな人間性」で,ここをさっき小田委員が言ってくださったように,単に同じものをとるだけじゃなくて,それが共通として必要なんだという,そうした押さえがきちんとあって,この2科目をこれに替えることができますか。どうでしょうか。その中でいかがでしょうか。困っちゃう?
【米澤委員】  困ってしまいます。
【堀川部会長】  困っちゃいますね。
【米澤委員】  「読書と豊かな人間性」という科目のイメージはとても幅が広くて,それの具体的なイメージが,確かに前回の資料7のところの2ページには読書の実際のこういったことは項目として挙げられているんですけれども,これで全て,学校図書館の中で今言った読書指導,学習支援がまかなえるとはとても思えないので……。
【堀川部会長】  ここも入れて?
【米澤委員】  それも入れてですね。「児童サービス論」的なものでいったら,やはり学校図書館はかなり違うサービスを提供しなければいけないので,この「読書と豊かな人間性」でとりあえずというのはとても危険だと思いますので,ちょっと難しいのではないかなというのは,私は個人的な意見としては思いますが。
【堀川部会長】  そうすると,司書教諭の科目,皆さんが挙げてくださっていましたが……。
【米澤委員】  それをとること自体は全然構わないと思うんですけれども……。
【堀川部会長】  何とおっしゃった?
【米澤委員】  「読書と豊かな人間性」をとること自体は構わないですが,それだけでは駄目だという。
【堀川部会長】  あ,それだけでは駄目?
【米澤委員】  ええ,司書教諭の科目はやはり司書教諭の資格を取ろうとしている教員向けの「読書と豊かな人間性」という科目といいますか,なので,そこに学校司書を目指す人に対してどこまでフォローしてくださるか,どういうふうに大学の先生が教えてくださるか。ただ司書教諭の科目をとっているというふうにとられてしまうのではないかという。
【堀川部会長】  プラスアルファというとどういうものが必要ですか。これだけでは足りないというと,こっちの方ではもっと何か必要?
【米澤委員】  司書課程で「児童サービス論」的なものがどの程度とれるかというところがちょっと関わってくるのかなと思うんですけれども,司書としての専門的な機能的な分野でかなりそこがしっかりとれていればという気はするんですけど。
【堀川部会長】  要するに,学校図書館の読書環境を整えるとか,選書であるとか,「児童サービス論」の中に,これに含まれなくてこれに含まれるものが必要?
【井上委員】  だから,読書の読むという方は選書だと思うんですよね。選書で,どれだけ読む本の環境を多様化して豊かにしてということで。書の方ですよね,読んでどう表現させるか。授業の教科単元ではなくて,学校図書館という場でどのように自分が考え,それをどんな形で表現していくか。それは必ずしも成績に関係ないような表現の仕方というのが学校図書館って可能だと思うんです。それをやっぱり「児童サービス論」的なところで教師とは違う司書がやる部分,できる部分かなという。
【堀川部会長】  「児童サービス論」的に,これとはまた違うんですね。学校図書館児童生徒サービス。
【井上委員】  そっちは,どっちかというと情報サービスなのかな,調べるというのは。
【小田委員】  いや,それはさっきの下に「学校図書館情報サービス論」というのを設ければ解消する話で。
【堀川部会長】  調べるという方?
【小田委員】  うん。まあ,強調しなくてもいいかと,それは。
【井上委員】  うん。いや,「学校図書館サービス概論」は,情報だけじゃない,もっと調べる単元とか,総合的な学習とか,中・高で言うとキャリア教育の支援みたいなのとか,地域活動のボランティアとか,いろんなものを学校図書館をゲートウェイにしてどうしていくかという,もっと広い意味で,じゃあ学校図書館は何支援できるかと,こういうところだと思うんですけど。
【堀川部会長】  これとこれ,違いますね。
【井上委員】  「学校図書館概論」は,もっと「学校経営と学校図書館」みたいな,それの司書版みたいな。
【堀川部会長】  それは「学校経営と学校図書館」ではなく? 司書版?
【井上委員】  業務が違うから,司書教諭と司書が。お互いに学校図書館の全体のことは知っている上において,学校司書が学校図書館でやるべき業務はどこみたいな。
【堀川部会長】  これとこれと……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  業務が違うのは分かるんですけど,先ほどの資料7に「学校経営と学校図書館」って一番上にありますけど,狙いとして,学校図書館の教育的意義や経営など全般的事項についての理解を図るということで,例えば学校図書館の理念と教育意義等々,こういった内容については比較的両者が,司書教諭の方も学校司書の方も知っていただく必要がある内容かなという上で,例えば「学校図書館概論」を作るのであれば,今までのこれ以外にどういったことが学校司書だけに特化した内容として「学校図書館概論」が必要なのかという辺りをまた御意見いただきたいのですが。
【井上委員】  それはやっぱり,それぞれの学校図書館とは何かという,まずイメージづくりですよね。公共図書館とどこが違うのか。その次,例えば小学校,中学校,高校,特別支援学校,それぞれどんな特徴があるのかという,そういうことをまず基礎概念として入門的なものを持っていただかないと,学生さんの方は自分がそのサービスを受ける側しかなかったわけですから,自分が主体的に学校図書館で働く場合にはどうなっているのかというところから始まっていくんじゃないですか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  それがここに書かれている,例えば学校図書館メディアの選択と管理,提供,学校図書館活動,図書館の相互協力とネットワークとか,こういった内容なのかなと思うんですけれども。

【堀川部会長】  どんどんおっしゃってください。あと5分なので。
【井上委員】  「学校経営と学校図書館」と中身が割と近い部分があるかと思うんですが,あくまでも教師サイドではなくて,司書サイドとしてというところがみそだろうと思っております。それをサービスに特化した部分が次の「学校図書館サービス概論」。
【堀川部会長】  そうですね,「概論」ですね。
【井上委員】  で,資料に特化したら「情報資源概論」。それをどう分類して整理していくのか。それは公共図書館とは違って,例えば小学校の低学年向けにはどうしたらいいという細かいところも含んでくるかもしれない。で,「情報サービス論」で調べ学習であるとか総合的学習の支援活動になってくる。
【堀川部会長】  そうすると,どうしてもほかの資格の科目では補えないのは。どれが? 補えないところが。
【小田委員】  補えないとは限らない。
【堀川部会長】  限らない。どの辺,どういうようにまとめれば「限らない」に行きます? だから,こういうものが必要だろうというのはもう重々承知です。そして,それじゃ,これを現実に動かしていくために,どういうように科目を作っていくかということで,この辺は教職で,この辺はまだちょっとこの辺あるんですけれど,教職で科目をとらせてもらいましょう。それから,この辺も使えるかな。これだけでは駄目だけれど。これもここで使えるか,それともまだ足りない? その足りない部分をここで入れていったら駄目ですかね。「学校経営と学校図書館」というのを教諭の立場から。今までのは司書教諭の科目だったので。でも,学校司書という立場から学校図書館のことをきちんと説明していく,学んでもらう。「学校図書館サービス概論」という中に含めることはできないですかね。この辺りはやっぱり独自で必要になってくるのですか。この辺はどうですか。この辺も必要? それはできれば必要って言いたいんだけれど。
【井上委員】  「資源組織」は割とかぶる部分は多いんじゃないですか,公共と。少なくとも公共も学校もNDC使っているわけだし,ただ,問題は,学校図書館で件名ですよね,キーワード。学校図書館で,特に小・中でキーワード検索できるような組織化をする。それは公共とは違う。子供の言葉を使わんとあかんわけだし,それは普通の公共図書館向けで「小学校低学年の分かる言葉で件名を付けてください」というのはまずやってないと思うので。
【堀川部会長】  でも,公共図書館にも関係はある。
【井上委員】  関係はありますよね。
【堀川部会長】  だから,「こういうように学校司書も科目をこれからやっていきます。司書科目の中でも少しそれに触れるように御理解ください」というような文言を付け加えてもらう。
【井上委員】  できるのかな。
【堀川部会長】  正直言って,今回で完璧なものは無理かなと。こんなところで言ってはいけない話かもしれませんけど。それに近い努力はするけれど。そして,だから今度,5年後,10年後か,あるいは何年後か,3年後かとかいうところで見直ししてくださいというような,あるいは,井上委員がこの前言ってくださったような,こういうカリキュラム,ここでやっていますよというように,学校司書課程の普及の仕組みとか,あるいは仕掛けとかいう中で,それから,カリキュラムの改善をどう考えていくかというような,こうしたものをこの報告書の最後のところにもっと手厚く書いてもいいのではないでしょうか。きょうのところはまだ書かれてないんですよね。それをどこまで書いていくか。でも,カリキュラムとしては一人歩きするというところで,どの辺で収めるかと。申し訳ない,あともう1回しかない中で,できるだけいいものを作りたいという欲張ったことを考えています。そうすると,この辺は何とか新しいものを作ってもらいたい。そうでもない?
【小田委員】  いや,そうだと思います。
【堀川部会長】  そうでもない?
【小田委員】  いやいやいや。重なりが小さいかなと思われるものの筆頭は,やはり「学校図書館サービス概論」というのでイメージされる内容だろうというふうには個人的には思いますけど。
【堀川部会長】  重なりがというのは,いろんなところでの?
【小田委員】  公共図書館の方のサービス系のところと重なりが余りないということ。
【堀川部会長】  ないところ。
【小田委員】  だから,大きく隔たっているなというふうに,第一印象ですけど,イメージとしては持ちますけど。
【堀川部会長】  この辺はちょっと重なりが,これもそうですか。
【小田委員】  私,先に言っちゃったから言えば,次に重なりが余りないなというのは,「学校図書館情報サービス論」とか,それから「学校図書館情報資源概論」かなというふうには思いますけど。
【堀川部会長】  「学校図書館資源概論」。
【小田委員】  うん。
【井上委員】  何か独自に設定した方がいいんじゃないという科目ですよね。
【小田委員】  まあ,そう。ただ……。
【井上委員】  違う?
【小田委員】  ただ,「情報資源概論」はやり方次第かなというふうにも見えます。つまり,先ほど堀川先生がおっしゃった,最後のところに少し手厚くお願いをするという中で,対応できる大学もあるんじゃないかなというふうには。そこはだから微妙なところだけど。
【堀川部会長】  それと,このモデルカリキュラム,出しておいて,それから,本当はこっちの方が望ましいんですよみたいな,望ましいカリキュラム案みたいなのも付表で付けられるのかなとか。それは無理? 事務局は無理って言うかもしれない。それだったら,「最初からいい方を出してください」って言われちゃいそうですね。
  で,済みません,30分過ぎたんですけれど,今の御意見を伺って,もう一度,今度は事務局で検討して,私も含めて検討して,また皆さんに案を提示したいと思います。それから,その前に,これだけは譲れないみたいな御意見もまた頂きたい。きょうの皆さんの議論を踏まえて,また,カリキュラムについて,それから先ほど申しました最後の部分で付け加えるいろいろな今後の取組についても,そうした文言も是非アイデアを頂きたいと思います。きょう,前回の議論で見られた意見等で1から8番まで,これは皆様方が書いてくださった,述べてくださった,あるいは堀川もちょっと付け加えたりとかいうようなものが書いてあります。それも読んでいただいて,ほかにもっと御意見を増やしてくだされば有り難いです。
  このカリキュラム,鈴木課長補佐,これで次回大丈夫でしょうか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ええ。ありがとうございます。
【小田委員】  でも,次回で終わりなんですよね。
【堀川部会長】  そうなんです。
【小田委員】  そうすると,ちょっとだけ,一つ思っているのが,最初のこの別紙で整理していただいた内容のところで,情報サービスのところだけ「演習」というのが入っていて,それは悪くはなくて,逆にいいかなと思うところは,やはり演習的なものというのがこのカリキュラム全体を見ると今のところ出てこないので,そこは可能性としてあるのは「情報サービス論」のところと,それから「学校図書館サービス概論」辺りなのかなと。そうすると,先ほど「児童サービス論」というのがある辺りも何か吸収できる可能性もあるかなとか,ちょっとそんなことを,「演習」というやり方でカバーするということも一つのアイデアだろうというふうには思いますけれど。
  こちらの委員さん方は大丈夫ですか。済みませんね。本当に時間が足りなくて申し訳ありません。本日頂いた御意見を基にまた考えていきたいと思いますし,それから,きょうの御意見以外にもいろいろな御意見を伺いたいと思いますので,メールで,申し訳ありません,7月22日の金曜日までに事務局にメールでお送りいただきますようお願いいたします。
  それでは,最後に,事務局からどうぞ,何かありますでしょうか。
【友田児童生徒課指導調査係】  次回の会議についてですけれども,8月2日(火曜日)10時から12時を予定しておりますので,よろしくお願いいたします。
  以上でございます。
【堀川部会長】  それでは,本日は本当にありがとうございました。あと1回ですので,よろしくお願いします。これできょうは閉会といたします。ありがとうございました。

    ―― 了 ――

お問合せ先

文部科学省初等中等教育局児童生徒課

(文部科学省初等中等教育局児童生徒課)