幼児教育に関する調査研究拠点の整備に向けた論点整理(たたき台)

幼児教育に関する調査研究拠点の整備に向けた論点整理(たたき台)

1.幼児教育に関する研究の推進と調査研究拠点の必要性

 ○ 現状では、行政に対してエビデンスやデータを提供できるような政策形成に資する調査研究が不十分。
 ○ 幼児教育は公的な性格を有するものであり、幼児教育に財源を投入する正当性を示す調査研究が必要。
 ○ 例えば、幼児教育を通じて身に付けた力が、小学校以降の教育によって身に付ける力にどのようにつながるのか、どのような影響を与えているのかを明らかにし、幼児教育の重要性を示すことが求められる。
 ○ 子ども・子育て支援新制度がスタートし、幼児教育の質の向上が求められる中、我が国の幼児教育の成果や質の高さを明らかにすることが求められる。
 ○ 以上のような調査研究を推進していくための体制整備として、国の調査研究拠点を整備することが必要。

 

2.調査研究拠点の使命及び果たすべき役割

 ○ 調査研究拠点では、中長期的な観点から幼児教育に関する基礎的な研究を行うとともに、国の政策課題を踏まえつつ、政策形成に密接に関連した研究(政策形成過程で必要となる基礎的データの収集・分析や政策効果に関する研究など)を中心に調査研究活動を行っていくことが求められる。
 ○ また、これまでも大学や地方自治体、幼児教育・保育関係団体、民間シンクタンク等はそれぞれの特性を生かした調査研究を行ってきており、これらの他の研究機関との連携・協力を進めていくことも重要。その際、国内外の研究動向や研究成果等を収集、整理することが必要。

 

3.調査研究拠点を中心に取り組むことが期待される研究課題

<考えられる例>
 ○ 幼児教育の質を評価する指標の開発
 ○ 幼児教育を通じて身に付けた力の測定に関する研究
 ○ 幼児教育がその後の教育や生活にもたらす影響に関する調査(例えば、小学校以降の教育によって身に付ける力とどのようにつながるのか、さらには、大人になってからの生活にどのような影響を与えるのかを追跡する調査など)
 ○ 政策形成や幼児教育の実践の参考となるような研究成果の集約(例えば、研究動向に関する俯瞰(ふかん)図の作成など)
 ○ 非認知的な能力や育成すべき資質・能力がどのように培われるのかといった研究
 ○ OECD等の国際機関と連携した調査研究

4.調査研究拠点に求められる体制

(1)調査研究拠点の在り方について 
 ○ 国の調査研究拠点として、長期的かつ安定した体制を整備することが求められる。
 ○ 幼児期から高等教育まで一貫して研究を行っている国立教育政策研究所を拠点とすることが考えられる。
 ○ 他の研究機関との連携や継続的な調査研究を確実に実施するため、研究者とともに、研究者を支える職員を配置することが必要。


(2)関係機関との連携やネットワークの構築の在り方について
 ○ 大学や地方公共団体、幼児教育・保育関係団体、民間シンクタンクなど多様な主体と連携・協力して調査研究を進めることが必要。
 ○ 幼稚園、保育所、認定こども園など現場との緊密な連携の下で調査研究を進めることが必要。
 ○ 諸外国の研究機関とも連携し、国際的な協働を生かした調査研究を行うことも期待。

5.調査研究拠点の整備を進める際に配慮すべき事項

 ○ 政策立案との相互協力の在り方
 ○ 幼児教育の現場や保護者への研究成果の普及の在り方

お問合せ先

初等中等教育局幼児教育課

電話番号:03-5253-4111(内線3701)
ファクシミリ番号:03-6734-3736
メールアドレス:youji@mext.gp.jp