市町村教育委員会による全国学力・学習状況調査の結果公表事例(平成27年度調査)

静岡県三島市教育委員会

<保護者に対して分かりやすく具体的に結果を説明>

(1)公表内容の特徴

○ 保護者に対して、児童生徒質問紙調査項目の回答状況と教科の正答率の傾向を分かりやすく提供
○ 正答率の低い設問を示した上で、家庭で取り組むべき事項を具体的に提示

(2)平成27年度調査の参加状況(当日実施のみ)

○ 小学校14校、6年生1,007名
○ 中学校7校、3年生986名

(3)教育施策の特徴

○ 「心の教育」を柱として、「確かな学力の育成」、「生徒指導・特別支援教育の充実」、「命を守る学校環境づくり」を重点として教育施策を展開
   ・全国学力・学習状況調査の目的を各学校に周知し、点数を上げるための取組ではなく、調査結果を授業改善や教育施策の改善につなげるよう指導・助言
○ 三島市の学力、生活習慣、学習環境等を把握し分析
   ・「三島市学力分析委員会」を年間3回開催し、各教科、質問紙の調査結果を分析
○ 三島市の調査結果の概要、分析結果、改善への方向性を発信
   ・研修主任を対象とした「三島市学力高上研修会」(学力を今まで以上にさらに高くの意から「学力高上」と名付けた)を、年間3回実施
   ・小中学生保護者向けリーフレットの配布
   ・市民に調査結果を公表(広報「みしま」にて)
   ・各学校の調査結果や分析結果は、「学校だより」等で保護者に知らせたり、個別面談の中で説明したりするよう指導
○ 学校への支援の充実
   ・学力向上担当指導主事が、市内の全小中学校21校を訪問し、研修主任、教務主任と懇談する「校内研修等支援訪問」を実施
   ・学校の研修を支えるために、学校からの要請に応え、指導主事が研修や研究授業等に参加
○ 教員の指導力・授業力向上を図る
   ・夏季休業中に教員のスキルアップを目的とした「スキルアップ研修」を企画し、「道徳教育研修」、「生徒指導・学級経営研修」、「小学校国語科授業づくり研修」、「小学校算数科授業づくり研修」、「小学校外国語活動研修」、「小学校体育科授業づくり研修」を実施
   ・三島市教員力継承事業(4年次研修)として、新規採用から4年目になる小中学校教員を対象とする訪問を実施

大阪府高槻市教育委員会

   <主に学校関係者に対して、課題が見られた設問の解説とモデル指導案を提示>

(1)公表内容の特徴

○ 市民、保護者や学校関係者に対して、市全体の傾向や課題を明らかにし、教育委員会としての学力向上の方向性を示す
○ 課題が見られた教科の設問単位で具体的に課題等を分析した上で、モデル指導案を示す

(2)平成27年度調査の参加状況(当日実施のみ)

○ 小学校41校、6年生3,060名
○ 中学校18校、3年生2,875名

(3)教育施策の特徴

○ 全中学校区で小中一貫教育の推進
   義務教育9年間を通して、一貫した指導を丁寧に行うために、9年間を見通した教育課程を編成し、「めざす子ども像・指導内容・指導方法」を中学校区で共有しながら主に学習指導の充実の研究を行っている。
○ 地域と連携した特色ある学校づくり推進事業
   全ての小中学校が、児童生徒の実態や保護者・地域の意見を踏まえ、「横の連携」を生かした特色ある学校づくりを推進している。学校、家庭、地域が教育における互いの役割を理解し、それぞれの責任を果たすとともに、相互の連携や協力により校区全体の教育力を高め、次代を担う児童生徒の「社会を生き抜く力」を育成するために、各学校が作成した企画に基づいて、市教委が審査し、予算措置を行っている。
○ 35人以下学級編制
   基本的な学習習慣や生活習慣の確立に向けたきめ細かな指導を行うことを目的として、小学校3~6年で1学級35名を超える学級を有する学校へ教員を配置している。
○ 高槻市小学校学力テスト
   小学5・6年生を対象に、国語・算数で実施。9年間を見据えた学習指導の充実を推進するにあたり、中期(小学5・6年生、中学1年生)を重点と位置づけ、よりきめ細かく児童の学力状況を把握し、授業改善の検証に生す。
○ 土曜学習支援事業「学びup↑講座」
   個々の生徒の学力や目標に応じた学習を支援するために、市内の全中学校で、企業と連携して土曜学習を、月2回実施している。
○ 各種モデル校事業
   今日的な教育課題の解決に向けて先進的に取り組む学校(中学校区)を指定し、研究成果を市内外に発信している。


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(初等中等教育局参事官付学力調査室)