記述式の評価について(検討の視点(案))

○ 本専門家会議(第7回/平成27年12月16日)における議論を踏まえれば,道徳科における記述式の評価に当たっては,

授業中の児童生徒の様子や発言,感想文などを注意深く観察し,

【小・中学校学習指導要領解説道徳編(平成20年8月,9月)】
○評価の方法
観察や会話による方法
作文やノートなどの記述による方法
質問紙などによる方法
面接による方法
その他の方法


観察の中で見取ることができる,例えば,児童生徒の思考の深さ,独自の視点,授業への取組の姿勢,授業で扱った内容についての受け止めの深さ,共に学ぼうとする学習の雰囲気への寄与,新たな視点を受け止める感性などにおける児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長について,具体的な様子とともに明らかにし,

【「特別の教科道徳」の目標】
小学校:
第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。

中学校:
第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。


児童生徒の成長積極的に受け止め,励ます観点から記述する

【小・中学校学習指導要領解説道徳編(平成20年8月,9月)】
児童生徒の道徳性を理解し評価する場合には,・・・(中略)・・・全体として,次のような点に留意する必要がある。
(1) 児童生徒との心の触れ合いを通して得られる共感的理解を基盤として,児童生徒自身のよりよく生きようとする意欲や努力に目を向けて,道徳性に関する自己理解・自己評価をその内面から理解していくように努める。
(2) 児童生徒理解の観点を固定的に考えず,児童生徒のよさや個性を積極的に受け止め,多面的で幅広い視点に立った評価を心掛ける。
(3) 児童生徒一人一人の姿や変化を具体的に記述できるように努力し,個に目を向けた評価となるようにする。
(4) 自分を表現する得意な面が児童によって違うことなどから,多様な方法を生かしながら評価するように努める。また,可能な場合,複数の人の評価資料を得て評価できるようにする。
(5) 児童の一時期の様子だけで即断することなく,継続的に観察するなどして,長期的な視点に立った評価を心掛ける。
(6) 評価の結果を児童の個に応じた指導や学級全体の指導に生かすようにする。特に指導を要する児童に気付けば,直ちに適切な指導を行わなければならない。また,計画を改善し,次の指導で生かすところまでつなげるようにする。学級全体に対する指導と同時に,個別に相談的な指導を行う必要がある。道徳教育推進教師,経験豊かな教師や教育相談等の専門家の助言を求めたり,必要に応じて学年や学校全体で取り組んだりすることも大切である。

 なお,道徳性の理解や評価のための資料の中には,児童の個人の私事に関する内容が含まれていることも多く,資料の収集の仕方及びその結果や収集した資料については慎重に扱う必要がある。
道徳の時間における児童の様子に関する評価においても,これらの留意点を踏まえるとともに,慎重かつ計画的に取り組む必要がある。道徳の時間は,児童の人格そのものに働き掛けるものであるため,その評価は難しい。しかし,可能な限り児童の変化をとらえ,それらを日常の指導や個別指導に生かしていくように努めなければならない。

ことなどに留意する必要があると考えられるがどうか。


○ 特に,児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握する観点として,例えば,「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の記述などを踏まえた場合,どのようなものが考えられるか。
○ 学校として,道徳教育の全体計画や年間指導計画に示されたねらいや重視すべき資質・能力を踏まえ,道徳科における記述式の評価を組織的に行うため必要なカリキュラム・マネジメントのポイントは何か。また,道徳教育に関するカリキュラム・マネジメントにおける管理職や道徳教育推進教師の果たすべき役割は何か。

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