(参考資料6)「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(第5回)における主な意見

 教科書の意義を使用義務を中核として捉えた上で検討を進めていくべきではないかという堀田座長の提案については、おおむね各委員の賛同が得られたところ。
 それを踏まえた上で、各委員から出された主な意見は下記のとおり。

デジタル版教科書の導入の意義

○ ICTは本来、格差の解消のために導入が進められてきたものでもあり、導入により逆に教育格差が広がるようなことは本末転倒。現代社会においては、家庭の経済状況にかかわらず、児童生徒にICT能力を身につけさせることは公教育の責務
○ ICTやデジタルの活用をベースとした教育を施していくことが不可欠。まずはできるところからであれ、進めていくことが重要。また、多くの情報の中から確かな情報や信頼できる情報を見分けて、選択することができるようになることが重要。

デジタル版教科書の範囲

○ 基本的には紙の教科書の内容と同一とし、それ以外の動画や音声等については、従来どおり教材としての扱いでよいのではないか(動画や音声等についてまで検定を行う必要はないのではないか。)。
○ 紙の教科書の内容に加えて、音声までとすべきではないか。(音声に係る著作権使用料の問題はあるが)ある程度製作コストも抑えることができる。
○ 全ての教科・科目に読み上げ機能を付加すべき。ただし、EPUB3としての機能は、言わばコンテンツを表示するためのソフトウェアの機能であり、デジタル版教科書の範囲に含めるべきかどうかは検討が必要。
○ 中長期的には、動画やリンク等によるコンテンツの豊富さ、更新が容易といったデジタルが持つポテンシャルを生かすことができるようにすべき
○ 全ての教科・科目について、デジタル版教科書を導入する必要はないのではないか。また、学校段階や学年ごとの特性にも配慮すべき

デジタル版教科書の質の担保

○ 紙の教科書において検定を経ているものについては、それをデジタル化したからといって、改めて検定を行う必要はないのではないか。
○ 音声認識技術も日々進歩しており、(検定と呼ぶかどうかは別として)音声の質の担保については、一定程度そういった技術を活用することも考えるべきではないか。
○ ただし、少なくとも英語を初めて学ぶことになる小学校段階において、合成音声が用いられることは避けるべき。
○ 検定の困難さは理解するものの、デジタル教材についても何らかの認定・お墨付きがあった方が有益ではないか。

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