フォーラムの開催概要

文部科学省全国不登校フォーラムの開催概要

1 日時 平成26年11月28日(金曜日) 15時30分~17時50分
2 場所 国立オリンピック記念青少年総合センター
3 主催 文部科学省
4 内容
(1)プログラム
第一部
 ・開会挨拶                  文部科学大臣 下村博文
 ・基調講演「違うから面白い、違わないから素晴らしい」演出家 宮本亜門

第二部
 ・パネルディスカッション
  パネリスト
  山川 時彦(埼玉県越谷市立富士中学校長)
  濁川 こず枝(全国養護教諭連絡協議会会長)
  石川 悦子(一般社団法人東京臨床心理士会副会長、東京都スクールカウンセラー)
  藤崎 育子(埼玉県教育委員、民間相談機関「開善塾」相談部長)
  森 敬之(全国適応指導教室連絡協議会会長)
  齋藤 眞人(福岡県私立立花高等学校校長)
  コーディネーター
  森田 洋司(鳴門教育大学特任教授)
 ・意見交換

(2)基調講演(宮本氏)の概要
・「自分の喜びが他人と共有できない自分は存在するべきではない」「周りに合わせて体裁を繕っている自分はうそつき」などの思いから引きこもりになった。
・することがないため楽曲をアレンジすることで、いろいろな見方があることを悟る。違う視点で見る楽しさをもてたことが演出家の道につながった。
・時代はどんどん変わっている。新たな発想、新たな考え方で人間が進化していく上で、不登校の皆さんが原石として大きく広がっていけたらよいと思う。

(3)パネルディスカッション
  〔パネリストの主な意見〕
○不登校の未然防止・早期対応に学校はどう取り組むべきか
・体験活動などの行事は不登校の子供も参加しやすく、体験活動への参加が有効。
・自分の(私立)高校は不登校経験のある生徒を多く受け入れているが、中学の頃に発達障害の理解があれば不登校を避けられた事例も多く、教員の理解が重要。
・養護教諭の観点からは、外的な症状だけでなく内面にも注目し、その情報を教職員で共有できる体制作りが重要
・子供が好きな先生に相談できるなど、子供から相談しやすい校内体制作りを整備しつつ、個々の子供の特徴を把握し、支援計画を立て、教職員全員が共有・対応することが大事。
・相談機関の観点からは、子供の育っている家庭環境の把握のため家庭訪問が有効。
・学校が教育支援センター(適応指導教室)の情報を知らないこともあり、情報提供が大事

○不登校の子供たちに何ができるか
・子供のペースを尊重し、子供の自己決定を大切にしながら、友達関係や課外活動などの学校の強みを生かした活動を展開する必要。
・福岡県では、県の支援のもと私学団体が「学習支援センター」を県内4箇所に開設。各学校の規定と調整し、センターに通った生徒は当該校で出席扱いになるようにした。この取組で私学間で移動も可能となった。
・校内において若い教員を孤立させず、チームで対応するということが大切。
・養護教諭は、寄り添い、見守るだけでなく、不登校以外にも、発達障害、虐待、性同一性障害などに関して様々な機関と連携が取りやすい立場なので、組織の一員として関係機関の調整、連携に努めたい。
・社会的に自立することが目標。教育支援センターやフリースクールの受皿もあるので、今できることを認め、いろいろな道をたどって成長していくことを肯定的に捉える必要。
・教育支援センターと福祉、医療、警察など関係機関との連携も重要。
・教育支援センターと学校との連携を見直し、不登校の子供たちに対して、センターと学校が一緒に動いて、子供たちに寄り添うことが大切。
・不登校は多様な原因・現れ方をするため、原因よりも今後何ができるかと考える方が良い。人間関係,仲間,集団,社会等のマッチングを段階的に進め、社会的自立を促すことが大事。

(4)参加者からの意見
・(保護者)親と子の課題であるが、不登校を問題と捉えずに自己肯定感をもっていきたい。
・(フリースクール在籍者)家庭訪問は親や学校の満足にすぎないと考える。先生が毎日来るのはプレッシャーなので、子供の意見を尊重し、子供が自発的に動くまで待ってほしい。
・(特別支援学校教員)高校はほぼ全入時代であり、不登校の子供にも高等学校は卒業してほしいと考えている。公教育も含め、学校は柔軟に子供たちを受け入れるべきではないか。
・(広域通信制高校教員)通信制高校生の増加は不登校経験者等の増加によるもので、学校は柔軟に対応すべき。また、不登校の一部は発達障害が影響しており、幼児教育段階からの対応が重要。
・(不登校支援ボランティア)不登校の子供がどうありたいのかに寄り添うことを一番に考えること、社会の中の学校がどうあったらいいのを考えていくことが重要。

 

文部科学省全国フリースクール等フォーラムの開催概要

 

1 日時
   平成26年11月24日(月曜日)振替休日 15時00分~17時00分

2 場所
   文部科学省講堂

3 主催
   文部科学省

4 内容
(1)プログラム
第一部
開会挨拶  文部科学大臣               下村博文
事例発表  1.NPO法人トイボックス、
        2.NPO法人フリースクール クレイン・ハーバー、
        3.NPO法人教育支援協会
第二部
  講演    1.キーノートスピーチ「多様な学びを創りだす協働社会に」
           政策研究大学院大学客員教授     永井順國
          2.「国際的な視点から見た日本のオルタナティブ教育」
           聖心女子大学教授          永田佳之
意見交換

(2)事例発表の概要
1.NPO法人トイボックス(大阪府)
「公設民営のフリースクール」として池田市教育委員会から委託。学力支援及びコミュニケーション力を育成し、課題を乗り越える力をつける。最初に子どもに会う前までの親との綿密な相談、心理サポートを重視。
2.NPO法人フリースクール クレイン・ハーバー(長崎県)
自立した生活・社会貢献できることを理念とし、ミーティングや学習支援、体験などを実施。長崎県が抱える課題として離島の子どもたちへの支援がとどきにくいことから訪問支援やホームエデュケーションの充実が不可欠であり、公的保障が必要。
3.NPO法人教育支援協会(神奈川県)
横浜市南区から、福祉施設の一部を使った子供たちの支援施設の運営について委託。横浜市教育委員会と連携し、活動の共同化を目指す。学校だけでなく、多様な社会における教育機能を活用する中で、子どもたちを社会が引き受けていく力をつけていく方針。

(3)参加者から出された意見
フリースクールの多様性を尊重してほしいといった意見や、支援策の検討に当たっては関係者とのコミュニケーションを図ってもらいたい、などの声があった。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課生徒指導室生徒指導第一係

初等中等教育局フリースクール等担当

(初等中等教育局児童生徒課生徒指導室生徒指導第一係)

-- 登録:平成27年06月 --