コミュニティ・スクールの推進等に関する調査研究協力者会議(第7回) 議事要旨

1.日時

平成27年1月20日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 今後の学校運営協議会の在り方について
  2. その他

4.議事要旨

審議に先立ち、平成27年度関連予算案について、事務局より参考資料5に基づいて説明があった。
その後、資料3の論点メモについて事務局より説明があり、これを基に審議が行われた。概要は以下のとおり。

<現行のCSの機能の取扱いについて>

  • 学校運営協議会の三つの機能については、基本方針の承認は学校の中にとどまる行為だが、後の二つは教育委員会にも波及する意見である。学校評議員との違いを理解するためにもこの三つの機能を備えるべきである。
  • 学校運営協議会の三つの機能を備えることと、学校運営協議会の判断(任意)によるということは、相互的な関係の中で方向性が見えるものではないか。
  • コミュニティ・スクールにおける校長の権限を明確化していく必要がある。
  • 校長のリーダーシップによる組織体制づくりと学校運営協議会とが共通理解を持って進んでいくことが重要である。
  • 学校のマネジメントの権限は基本的に校長が最終権限を持つものであるという考えの下、京都市では、学校運営協議会の教職員の任命に関する意見は、校長を通して教育委員会に上げる仕組みとしており、そうした意見の言い方も含めた柔軟性が必要ではないか。
  • 校長の裁量権の拡大の一環として教員公募制も実施し、学校運営協議会委員が面接するなど、組織体制づくりに学校・地域の双方が関わる仕組みも有効である。
  • 任用ということの意味をもう少し具体的にイメージできるよう示した方がよい。
  • 校長は学校運営の責任者として、校務分掌や人材配置も含めた基本的な考えを明確に示すことが大切であり、学校運営協議会に対し共通理解を促していくことが重要である。それが校長の学校運営を後押しすることになる。
  • 任用の扱いについて、委員はどこまで意見が言えるのか、意見を受け止めた後どのように進んでいくのかなど、具体的なことが示されると、未指定校の校長の理解が進むと思う。
  • 学校運営協議会の下部組織として学校評価部会や学校支援部等を置いている例について、下部組織の仕事が学校運営協議会の役割になってしまっているところがある。下部組織を設ける場合の、本来の三つの権限の関係についても書かれていると分かりやすい。
  • 「実態等の整理」の課題に「必要な資質を持った委員の任命が必要」とあるが、資質は委員になってから育てられていく面があると思う。

<CS類似の取組の取扱い>

  • 学校・保護者・地域が子供たちの課題や学校の課題を共有し、その解決に向けた行動を一緒にし、その評価・成果を共有し、さらなる改革に取り組むというPDCAを、総合的に継続性を持って行うことが学校運営協議会の最大の意義である。類似の制度はどこかが不十分で、実現するためには、学校運営協議会制度が必要だと気付かせることが必要。
  • 類似の制度や学校評議員制度はあるが、地域とともにある学校の継続性と一貫性を考えるとコミュニティ・スクールは一番有効である。
  • 町村によって状況に相当差がある。類似の仕組みも含めて、多様なものを何年かかけて段階的に進めるということにしないと町村はなかなか動きづらい。
  • 保護者や地域住民が、学校からの要請ではなく主体的に支援するようになるためには、どのような子供を育て、どのような学校にしたいかというところ(基本方針の承認)に住民が関わらないと活動自体が継続されない。類似の制度からコミュニティ・スクールに発展するためには、その意義を十分に説明する必要がある。

<学校評議員制度の取扱い>

  • 学校運営協議会を置きながら学校評議員も置いている例もあり、機械的に評議員を置かないと示してしまうのはいかがか。
  • 学校評議員が形骸化している所は学校運営協議会を設置しても形骸化すると思う。機能させるためには設置者や学校の意識を変える必要があることを強調すべきだ。まずは学校評議員を機能させるという実態を伴った上で、学校運営協議会に移行していくことが大切。
  • 各学校が行っている地域貢献を価値ある取組として地域に根付かせ、将来につなげるためには、学校評議員制度では無理があり、学校運営協議会が必要である。
  • 学校運営協議会になると何が違うのか、目指す方向はどこなのかを、地域の側(がわ)の視点で説明する必要がある。
  • 学校評議員が浸透しているならばそれを核にして発展させていく方法はやりやすい。

<学校支援機能の位置付け>

  • 学校支援地域本部事業と学校運営協議会の関係は、行政機関も違う部署が担当していることもあり、全く別物と捉えられているところがある。地域とともにある学校とは、これが有機的に働くチームであるということを表現できれば現場も動きやすい。

<学校関係者評価の取扱い>

  • 学校評価のポイントは、学校だけではなく、学校、家庭、地域がそれぞれの現状と課題を振り返り、何が足りないか認識することが重要であることを補足してもらいたい。
  • 「課題」のところに「時間と労力を要する」とあるが、労力を減らすことの必要性を少し強調した方がよい。
  • 「検討の方向性」については、評価結果を公表するだけではなく、改善策を提示していくことの重要性も書いた方がよい。
  • コミュニティ・スクールと学校関係者評価をより一体化するという方向であれば、教育委員会だけではなく、第三者も含めた点検・評価が重要であるということをもう少し積極的に書き込んだ方がよい。
  • 学校が提出した自己評価や学校関係者評価の結果に対し、教育委員会も明確な形でフィードバックしてもらうことが学校評価を実施していく意味づけにつながる。

<その他の論点>

  • 地方創生や、学校を核とした地域づくりの必要性が増している。その状況をしっかり押さえ、まとめていく必要がある。
  • グローバル化や少子高齢化等、社会が劇的に変化し、これからの地域、人材、子供たちはどうあるべきかがクローズアップされる中、コミュニティ・スクールは解を与える重要なツールの一つであるということを再確認する必要がある。
  • 学校を核とした地域づくりの視点は重要だが、学校がすべて担わなければならないのかという危機感や誤解を与えないよう注意する必要がある。
  • コミュニティ・スクールを普及拡大のためには、学校単位の指定ではなく、市町村全域での指定に仕向けていくことが必要で、教育長の意識改革が不可欠。地域を愛し地域の担い手となる子供を育てること、地域の課題に向き合ったときに学校教育はどうあるべきか、教育長に意識づけする必要がある。教育委員会事務局の指導力も重要である。
  • 新しい教育委員会制度の下、教育委員会と首長が協働していく必要である。
  • 地域とともにある学校づくりのためには、教員養成機関である大学・大学院との連携が大切であり、学部での取組の充実が必要である。
  • 教育長や指導主事、運営協議会委員等の研修をしっかり行うとともに、学校に地域連携推進の窓口を設けることが大切。社会教育主事の資格を持つ人を活用しながら、地域連携担当教員の仕組みを制度化していくことが必要である。
  • 校長のリーダーシップを発揮するには、学校の事務職員や教育委員会職員の資質向上も重要であるが、地域連携等に関する研修の機会が少ない。国も考える必要がある。
  • 地域創生の視点から、高等学校のコミュニティ・スクールを推進していくことが大切。
  • コミュニティ・スクールを制度化することで教員の負担が増えるという意識を変えるために、学校、住民、教育委員会のそれぞれを主語にして、プロセスや使い方、メリット等を明確に示せたらいいと思う。
  • コミュニティ・スクールに取り組んでいるところを奨励し、どうしようか迷っている人の背中を押し、不要だと思っている人に意義を示し、やれるとしたら何ができるかという示唆を与えるものにしていく必要がある。
  • 学校から地域への一方通行ではなく、双方向の信頼関係が大事だということを強調してもらいたい。
  • 学校や教育、子育て、町づくりなどを一体的にやらなければならないときに、教育委員会、校長、保護者、地域住民等が当事者意識を持って実行していくシステムづくりがとても重要だと思う。

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初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付

(初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付)