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英語教育の在り方に関する有識者会議(第4回) 議事録

1.日時

平成26年5月21日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 小学校における英語教育の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

石鍋委員・大津委員・佐々木委員・髙木委員・多田委員・藤村委員・松川委員・松本委員・安河内委員・吉田委員

文部科学省

板東文部科学審議官・德久総括審議官・義本大臣官房審議官・榎本国際教育課長・圓入外国語教育推進室長・直山教科調査官・葛城プロジェクトオフィサー

5.議事録

【吉田座長】  定刻になりましたので、第4回英語教育の在り方に関する有識者会議を開催したいと思います。お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は前回の引き続きということで、特に小学校の英語教育の在り方について、各論点について具体的な御意見を皆さんから頂きたいと思っております。
 まずは、事務局の方から配付資料の説明をお願いいたします。

【圓入室長】  それでは、お手元の配付資料を御確認いただきたいと思います。机上の方に、第4回の議事次第が1枚目にございますものを御覧いただけると思います。こちらの中に配付資料1から、分厚い資料になりますが、3-2という論点に関する参考資料を除きまして、一括して4までとじさせていただいた資料がございます。後ほど御議論いただきますときには、資料3-1、これは主な論点をそれぞれ挙げさせていただいておりますが、それらの論点に基づきながら、論点に関する参考資料、現状や課題というのを御説明させていただきつつ、論点ごとに御意見を頂きたいと考えております。
 更に続けまして、その分厚い資料3-2の後ろの方に、A3の資料で平成26年度の強化地域拠点事業の研究校の取組の例を配付させていただいています。これが一つ御参考ということで、机上のみの配付になっておりますが、後ほど御説明させていただきたいと思っております。
 きょうはこの会議は1時から3時までということでお時間を頂いておりますが、この会議終了後に、続けまして指導体制に関する小委員会の方も開催をさせていただくことになっております。もう机上の方に指導体制に関する小委員会の資料もございますけれども、これは後ほどの会のものということで、お取り扱いいただければと思います。
 更に机上配付として、従来から配付させていただいております去年12月に発表させていただいた、グローバル化に対応した英語教育改革実施計画、それからもう一つ資料として、小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業、予算の資料でございます。そのほかパンフレット・リーフレットとして、本日ICTの活用ということでも少し御紹介させていただきます。
 なお、ドッチファイルを置かせていただいておりますが、これまでの会議資料と、本日少し御紹介させていただく資料なども入っておりますので、適宜御参照いただく予定になっております。過不足等ありましたら、事務局までお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 それでは、今後の審議の進め方について、事務局の方で少し整理をしていただいていますので、その説明を次にお願いしたいと思います。お願いします。

【圓入室長】  それでは、お手元の資料、議事次第を1枚おめくりいただければと思います。2ページ目でございますけれども、今後の審議の進め方として、現時点のものを配付させていただいております。前回と今回第4回まででございますが、御案内させていただきましたように、小学校における英語教育の在り方について、御議論をいただければと考えております。
 それから、6月以降を御覧いただければと思いますが、次の有識者会議におきましては、中学校・高等学校における英語教育の在り方について、また具体的に御議論いただければと思います。並行して、前回設置をお認めいただきました「英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する小委員会」、これも1回目を6月に開催させていただければと思います。
 この後の有識者会議につきましては、月1回程度の頻度で開催をさせていただければと思います。7月以降に、その主なテーマというものを挙げさせていただいておりまして、例えば1ポツ目、一度小・中・高それぞれ御議論いただいた後に、全体小・中・高等学校を通じた英語教育の在り方を御議論いただく機会を設けさせていただき、それから目標・内容を御議論いただいた全体で、いずれは教科書や教材の在り方、さらには「指導体制に関する小委員会」、それから「英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する小委員会」でございますが、そちらの方は二、三回開催いただいて集中的に御審議いただきまして、有識者会議に御報告を頂きたいと考えております。
 その上で秋に、これは審議の取りまとめということで書かせていただいておりますが、全体の御審議を頂く有識者会議も設けさせていただければと思っておりますので、このような進め方で、是非一つ一つ具体的な御議論をいただければと思っております。
 以上でございます。

【吉田座長】  ありがとうございました。ただいま御説明がありましたとおり、この有識者会議におきましては、今、挙げていただいたテーマを、今、提起していただいた順に議論していきたいと思っております。その上で、小・中・高等学校を通じた全体的な英語教育の在り方について議論をし、小委員会の議論の報告を踏まえて、それを更に深めていきたいと思っております。
 それでは、続きまして、本日の審議の主な議題として、小学校における英語教育に関する論点について、文部科学省から説明をしていただき、論点ごとに具体的な議論を行っていきたいと思います。
 まず、資料3について文部科学省の方から説明をお願いしたいと思います。

【榎本課長】  失礼いたします。資料3の前に、簡単に資料2-2の補足をさせていただければと思います。ページ番号ですと15ページでございます。これは前回の審議の中で、大津委員からも「ことばへの気づき」などに関しましてお話がございました。資料2-2は平成20年の中教審の答申でございます。現行の学習指導要領の策定に先立ちまして行われました、中教審の答申の議論でございます。この答申が大分分厚いものでございますので、15、16、17ページには目次だけ掲載をしておりまして、18ページからは、その下線を引いている部分の抜粋を掲載しているところでございます。
 簡単に見てまいりますと、まず18ページでございますが、見出しで言いますと5でございます。学習指導要領改訂の基本的な考え方といたしまして、まず大きな柱としまして、思考力・判断力・表現力等の育成というのを掲げておりまして、19ページ中ほどでございますが、学習活動の基盤となるものは広い意味での言語であり、その中心となるのは国語であるいう、まず基本的なことを掲げているところでございます。
 21ページに参りますと、言語活動の充実ということで見出しを設けておりまして、最初の下線でございます。各教科等における言語活動の充実は、今回の学習指導要領の改訂において各教科等を貫く重要な改善の視点ということで、この場合、国語に対しまして、知的活動の基盤、それからコミュニケーションや感性・情緒の基盤といった観点から、21ページにおきまして少し考え方を挙げているところでございます。
 そうした各教科を貫きます共通の話として、言語活動というのを掲げているところでございまして、その上で、23ページでございますが、小学校段階の外国語活動というところで、これは23ページ一番下でございます。小学校段階においては、幅広い言語に触れることが国際感覚の基盤を培うことに資するということから、英語を原則としつつも他の言語にも触れるように配慮することが望ましいと記載しております。
 続きまして25ページでございますが、今度個別の教科としまして、国語でございますが、国語は最初の下線でございます。言葉を通じて的確に理解し、論理的に思考し表現する能力、互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成するということ、基礎的・基本的な知識・技能を活用して課題を探求することのできる国語の能力を身に付けるということを大きな柱としております。
 そうした国語の考え方があった上でございますけれども、27ページ、今度は外国語に関しまして、自らの体験や考えなどと結び付けながら活用する、そして4技能を総合的に育成する指導を充実するとしているところでございます。
 27ページは若干下線を引いているところはございますけれども、そういったことをずっとやっていきながら、29ページでございますが、例えばこの力でございます。高等学校段階の英語表現1におきましては、論理的思考力や批判的思考力を養うことをねらいとするといったことも掲げておりまして、コミュニケーションの言葉を学びながらも、論理的思考力等の形成にも貢献するようにしていくとしているところでございまして、非常に大部にわたる答申でございますけれども、その言葉という観点、それから思考力ということに関しましては、全体を通じてかなり意識をして掲載しているところでございます。
 以上です。
 続きまして、資料3の方に参ります。

【圓入室長】  それでは、資料3-1を御覧いただければと思います。ページでいきますと30ページからになっております。こちらも御検討いただく際の御参考資料として、3-2は別冊で参考資料集というものを本日配付させていただいておりますので、是非御参照いただければと思います。
 それでは、まず30ページでございますが、3-1の1枚目を御覧いただきたいと思います。小学校における英語教育の在り方に関する論点ということでございますが、最初の四角の中については、これは前提として御説明もさせていただいているので、省略させていただけると思います。ただ一言申し上げさせていただきますと、長期的な視点と並行してここに書いておりますけれども、当面の準備期間の扱いと書いてありますが、先取りした取組の具体化ということも御審議の大きなポイントになってくるかと思いますので、後ほどのそれぞれの論点におきまして、そのような観点からも御意見を頂ければと思います。
 それでは、1番目は目的(必要性)と書いてありますが、これはもう1回目以降に様々な御意見も頂いておりますので、とりあえず今の段階での整理をさせていただいたものでございます。グローバル化に対応して、子供たちの将来の職業的・社会的な環境を考えますと、外国語、特に英語によるコミュニケーション能力は、これまでのように一部の業種や職種だけでなく、様々な場面で必要となることが想定されるので、今まで以上にその能力の向上が課題となっているということを、繰り返しになりますが、書かせていただいております。
 その次の丸以降でございますが、現在の学習指導要領でございますけれども、英語によるコミュニケーション能力を確実に養うということが目標になっておりますけれども、英語を外国語として学ぶ諸国における英語教育の状況を改めて踏まえながら、検討していただきたいということを書かせていただいております。
 その際に、我が国におきましては英語教育を通じて育成すべき資質・能力を明確化し、これらの資質・能力の達成状況を明確化するための小・中・高を通じた一貫した目標を設定するとともに、学校として、英語の授業以外でも英語に触れる機会や環境を整えることが求められるということを書かせていただきました。
 この目的のところで少し御紹介させていただきたいと思いますのは、恐縮ですがドッチファイルの資料の中でお開きいただければと思いますけれども、机上資料の中で付箋を貼らせていただいているものがございます。これは文部科学省の検討会で、平成24年12月から13回にわたり議論していただいたものでございますけれども、育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標の内容と評価の在り方に関する検討会の論点整理の概要なるものがございます。こちらにつきましては、一番上の四角囲みにございますように、次期学習指導要領に向けての基礎的な資料を得ることを目的に、教育課程に関する学識者の方々で御議論いただいたものと。
 次の丸を御覧いただきます。各論点について更に検討を深めた上で、次期学習指導要領の枠組み作り、又は議論に生かされるというものでございまして、事前にメールでも御案内させていただきましたけれども、主な提言内容は以下のとおりでございます。
 御紹介したいのは、次のページをお開きいただきますと、これまでの検討内容の成果ということで、最初の丸1のところを御覧いただきますが、育成すべき資質・能力というものの考え方を整理されております。
 その次の構成として、丸2に育成すべき資質・能力に対応した教育課程の内容についてということで、以下の三つの点で、学習指導要領の構造の中で適切に位置付けをし直したり、その意義を明確に示すということについて検討すべきということが示されました。アとイとウということで、教科横断的なところから、教科そのものの本質に関わるもの等もございます。活動も入りますけれども、教科等にこれらの知識や活動スキルに関するものということで、これらを明確にしながら、丸3、育成すべき資質・能力に対応した学習・評価の在り方についてということで、評価の基準については、これは今後の検討の御参考ということになると思いますが、何を知っているかということにとどまらず、何ができるかということに向かっていくことと、小・中・高一貫して御議論いただくときに御参考になると思いますけれども、現行の学習評価の取組を踏まえ、パフォーマンス評価を充実する必要があるというような、具体的な方法論についても検討が必要ということがまとまっております。
 この有識者会議でも、次期指導要領の改訂に向けた御議論を頂くということかと思いますので、少し御紹介させていただきましたけれども、このような観点も少し盛り込ませていただきながら、30ページの方にも少し触れさせていただいております。
 続けて、31ページの目標と内容の方を御覧いただければと思います。最初の丸は先ほど課長から御説明させていただきましたように、言語活動の充実を図ることが必要ということに触れさせていただいております。それから、次の丸も、先ほど御紹介しました論点整理について触れさせていただいております。
 さらには、このような議論の中でも、これまでの成果や課題を踏まえ、今後の小学校中学年における外国語活動の導入と、高学年でのより系統性を持たせた指導を考えた場合、どのような目標・内容の方向性が考えられるかということについて、御意見を頂けたらと思います。特に英語ということになりますと、4技能を踏まえた目標・内容の系統的整理を具体的にどのように考えるかという論点を挙げさせていただきました。
 それらを前提にしつつ、次の小学校の中学年におきましては、前回の有識者会議の中に先進的な取組を行う事例の発表をさせていただいていると思いますけれども、それらの成果・課題を考えますと、目的をどのように考えるかということを、改めてきょう、御議論・整理させていただければと思います。例えば英語学習に対するモチベーション、聞き取り、発音に関して効果があるという御指摘がございましたし、また音声を中心に体験的理解を深めることは、小学校中学年、3・4年生の段階での児童の発達段階により適しているというようなお話があったかと思います。
 それから、次の小学校高学年でございますが、より系統性を持たせた指導を取り入れる場合、これまでの先進的な取組の成果・課題をどのように考えるかということでございます。
 続きまして、32ページを御覧いただければと思います。これにつきましては、昨年発表いたしました計画にも触れておりますけれども、例えば中学年では、外国語への慣れ親しみと体験的理解を中心とする外国語活動――これを活動型と当時書いておりましたけれども――を行い、高学年については、中学年と高学年の学びの連続性を持たせながら、4技能を扱う言語活動を通してより系統性を持たせた指導、これを教科型とここでは整理をさせていただいております。後ほどちょっとその教科の考え方については説明させていただきます。
 続けて、御議論いただくときに論点としてお考えいただければと思いますが、その際、単に中学校で学ぶ内容を小学校高学年が前倒しするのではなく、学校内外での影響を踏まえながら、小学校の発達段階に応じた読むこと・書くことを含めた初歩的な運用能力を養うことが考えられると書かせていただいておりますが、これらについてどのような御意見を頂けるかということで、挙げさせていただきました。
 また、その次の文構造など、言葉の規則性に関する気付きを意図的に促す指導や、文字の認識、単語への慣れも加えることで、発達段階に応じて知的好奇心に応えるものとすることが考えられるということで、これまで御発表いただいた内容を踏まえて、少したたき台として簡潔なものを用意させていただいておりますので、是非その目標・内容についての方向性について御議論をいただければと思います。
 参考に少し御紹介させていただきたい資料3-2の方をお開きいただければと思いますが、1ページ目からいきますと、これは目的の方でグローバル化に触れてありますので、そもそも論ではありますが、2ページにグローバル人材についての定義を少し書かせていただきました。
 それから、3ページ、4ページ、5ページをめくっていただきますと、4ページには諸外国の状況も踏まえてということを最初に申し上げましたけれども、今回は小学校段階での他国の状況というものを掲載させていただいております。これは開始学年ということもございますが、小学校における授業時数、それから小・中・高一貫した外国語教育の目標設定ということを掲載させていただいておりますけれども、中国、これは見直しもしているということも聞いておりますが、小学校段階から、独自に開発を進めながら目標設定をしているという国があるということを少し御紹介させていただきました。
 そのほか5ページ目に、これは語彙数の比較ですとか、6ページ、7ページ、8ページあたりはTOEFL・TOEICの日本の立ち位置ということで少し御紹介させていただいております。
 9ページ以降は前回も配付させていただきましたので、省略させていただきます。
 少し飛びますけれども、14ページを御覧いただければと思います。こちらから教科についてということで、少し御説明させていただきたいと思います。ここでは先行して議論が進んでおりました道徳教育の改善・充実方策の報告書から頂いております。ここでも教科についてどのように考えるかという御議論がございまして、御覧いただければと思いますけれども、教科の定義というものにつきましては、まず、その性質や成立事情、必ずしも一様ではないと書いておりますが、制度的に明確になっているわけではないとしながらも、例えば真ん中の方にございますと、説明としては、学校教育法に示されている小・中・高等学校等の教育目標の到達を分担するもので、この目標に到達するために教育内容を組織的・系統的にまとめたものということを書いております。この後少し御覧いただけたらと思いますけれども、共通して昭和22年以降の資料を付けさせていただいておりますが、組織的・系統的になるものというキーワードは随所に見えます。
 その上でこの4番の上に、これらを踏まえると、教科については系統的に組織化された文化内容を教授するということは認めていると書いてございます。なお、現行制度に位置付けられている教科の多くにつきましては、これは前提条件なのかどうかというのはありますが、まず丸1、免許を有した専門の教師が指導されると。それから丸2、教科書を用いて指導する、丸3、数値等による評価を行うなどという共通点があるということをまとめたものを、きょう、配付させていただきました。16ページまで、そのようなことが記載されておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 最後に17ページを御覧いただければと思います。こちらにつきましては、実施計画でも少し出ておりますが、次の指導要領の改訂に向けての先取りをした取組を支援させていただく事業として、本年度から新たにスタートした事業、英語教育強化地域拠点事業というものがございます。次の18ページを御覧いただきますと、今年度採択させていただく研究校の一覧も添付させていただきました。
 19ページを御覧いただきますと、これらの学校から計画として上がってきている特徴を記載させていただいております。いろいろとございますけれども、おおむね実施計画も参考にしながら事業計画を立てていただいているということは読み取れる内容でございまして、本日は続けて直山調査官から、あと小学校を中心とした研究校の取組の例を御紹介させていただければと思います。その後、具体的な御議論に続けていただければと思います。
 以上でございます。

【直山調査官】  失礼します。今、圓入室長の方から御説明させていただきました19ページ、横向けのA4判、それに加えて机上資料で御用意させていただいていますA3判ホチキスどめのものです。強化地域拠点事業研究校取組例という、これを併せて御覧ください。
 まず19ページのものは、全部で18地域、研究校として指定させていただいている地域や学校から出てきました申請書・計画書、そこを読み取って、大まかに共通点の部分をこの19ページの表にしています。ただ2か所、中学年、下線を引いたところが真ん中あたりにあります。もちろん小学校です。高学年、下から三つ目の丸ポツ、ここも下線が引いてあります。この2か所だけについては、18地域あるうちの一つの地域のみで書かれていたことを記載しています。なので、中学年、つまり3・4年生で読んだり書いたりというような活動をやられるのは18地域のうち1地域ということであり、高学年で、パフォーマンステスト等は幾らかの地域でおやりになりますが、いわゆるペーパー試験、学力試験を実施するというのは1地域であるという読み取りになります。
 大まかこのようなことを、高学年では教科化の内容として研究校でお取組を頂くと読み取ってください。中学年は外国語活動になります。現行の学習指導要領で実施している外国語活動の中身に非常に近いものとなっています。
 次に、その18地域の中でも4地域あるいは学校の例をお示ししたのが、A3判ホチキスどめになります。
 まず、1枚目です。岐阜県では2地域、この取組をしていただきます。二つの高校、その下にそれぞれ中学校、そしてそれぞれその下に2小学校と1小学校という形でお取組を頂きます。平成26年、27、28、29年度の4年間でお取組を頂くわけですが、小学校の部分のみ見てください。26年度、小学校では丸1、丸2、丸3、丸4、丸5、丸6と左上に書いてあります。網掛けのすぐ下です。これは1年生で活動型を週半コマ、2年生で活動型を週半コマ、3年生で教科として1コマ、5年生で教科として2コマという具合に読み取っていただきたいと思います。
 年度を追うごとに、昨年末グローバル化に対応した英語教育改革実施計画でお示しをした時数、つまり中学年で1から2コマ、高学年で3コマ程度に限りなく近付けるようにお願いしますということで、4年間で取り組んでいただくというものになっています。それぞれ中学年・高学年、あるいは全体の中で年度ごとにどんなことを中心にお取組いただくかが書かれていますが、18地域も含め、この4例もですが、高学年で読み書きですね。先ほど圓入室長の方がこちらの大きい方の資料、議事次第の方で御説明をさせていただいた32ページにあります小学校の教科型、こういう考え方がありますねと言った、ここに合わせていただく、ここに近いお取組をしていただくことになっています。こういうことを重ねて、4年間これの検証をしていただく。
 こういう具合になったベースは、3回目に私の方から、これまでの研究開発学校、あるいは今の研究開発学校で取り組んでいただいていることをパワーポイントでお示ししました。あの中で、幾らか課題もあり、成果もありました。その中で一つキーワードとしてお話ししたことが文字の扱いでした。そこで、そこのところにフォーカスを当てて、高学年の方、お取組を頂くように計画をしているところです。
 私からは以上です。

【吉田座長】  ありがとうございました。今、特に2番のこの目標・内容というところを中心に室長の方からお話をしていただき、今、直山さんの方から、具体的にこれから取り組もうとしている小学校の事例についてのお話がございましたが、まず今の説明に関して、皆様の方から御質問なり、あるいは御意見なりございましたらお願いしたいと思います。
 なお、一応最後の方でも先ほど室長のお話もありましたし、今の話でもありましたけれども、基本的には3年生、中学年からの活動型の導入、そして高学年での教科型の導入という前提の上で、今、ずっとお話が進んでいるわけですので、とりあえずそれについて一応お考えの上で、御発言、御質問などございましたらお願いします。いかがでしょうか。
 大津委員、どうぞ。

【大津委員】 いろいろあるのですけれども、とりあえず最初に榎本課長がおっしゃった部分について、資料2-1で、これは、課長は直接はお話しにならなかったけれども、「これまでの意見」の概要ということで、この「これまで」というのは有識者会議のこれまでという意味ですか。それとももっと一般的にこれまでという話ですか。

【榎本課長】  有識者会議のこれまでということです。

【大津委員】  そうですか。そうであれば、先ほどの話の中でも触れていただきましたけれども、私が前回申し上げた「ことば」という視点の重要性というのは、これまでの会議の中で数少ない議論の一つであり、とても重要な点だと思うので、この点は「これまでの意見」の中に是非含めておいていただきたい。
 関連して、前回申し上げたことを補足しておけば、確かにこれまでも「言語活動」というような文言で、ことばに関する記述がなかったわけではありませんが、ここで気をつけなくてはいけないのは、日本語の「ことば」ないしは「言語」という語は曖昧だという点です。一つは日本語とか英語とかスワヒリ語とか日本手話といったような個別の言語を指すことができる。ですから、「日本語は日本で話されている言語/ことばです」という言い方ができる。それからもう一つは一般的にことば、前回、抽象名詞としてのことばと申し上げましたけれども、例えば「ことばというのは人間だけが持っている宝物です」といったときの「ことば」というのは無冠詞の抽象的な意味でのことばで、私が大切だと言ったのはそこなのですね。2番目の方の意味なのです。
 この中教審の文章を読ませていただくと、英語にした場合に、恐らく大部分のケースはa languageとかlanguagesとかいう具合に、個別言語ないしは複数の個別言語を指すものだと思います。私が申し上げたい一般的な意味での「ことば」という視点はここにはほとんど盛り込まれていません。もしその理解が正しければ、是非今後、この会議に限らず言語政策について議論を進めるときには、その視点というものを大切にしていただきたいと思います。

【吉田座長】  ありがとうございました。今の点について、よろしくお願いします。
 ほかの方で、御質問、じゃあ、松本委員。

【松本委員】  直山調査官の御説明で、それぞれ成果が出ているのではないかと思うのですが、「中学年で活動型、高学年で教科型」がいいのかどうかということを考えるときに、小学校の出口だけを考えていると何か誤るような気がします。中学の出口、高校の出口、多分大学も含めて、どういう学習成果、到達指標、到達目標を設定するかによって、教科型がいいのかどうか、あるいは何年生から始めたらいいのかということが決まるような気がします。
 年末に文科省から提示された資料を見ると、中学の段階ではCEFRのA1からA2程度、高校はCEFRのB1からB2程度となっているわけです。このように引き上げるということを前提として、外国語活動の開始年次を3年に下げて、5・6年で教科型をするということなのかどうかということの確認をまずしたいです。それからB1からB2というと、現状を考えればかなりチャレンジングな設定だと思います。今までも同じことなのですけれども、これらの目標は限られた時間数の授業だけで達成できるというよりは、生徒たちの自律的な学習とか、様々な校外活動に参加することで到達する指標というか目標と考えていいのか、その辺についてお答えいただければと思います。以上2点です。

【吉田座長】  それでは、これは圓入室長の方でお願いします。

【圓入室長】  松本先生の御指摘、非常に重要な点で、ありがとうございます。冒頭でも少し触れさせていただいたと思うのですが、おっしゃるとおり、最初の1点目の御質問、小学校の出口だけを考えていくというのはなかなか難しい面もございますし、その12月に発表されました実施計画でも、小・中・高を通じて一貫した目標を設定するということの提案がなされているということもあります。ですので、まずは今後の進め方にも書かせていただきましたように、小学校は個別に少し重点的に御議論いただいて、次回、中・高でも御議論いただいて、その後に、先ほど先生も御指摘いただいたような小・中・高並べて一貫した目標設定をどのように考えるかということを御議論いただくのは、しっかり時間を取り、資料も御用意して御議論いただければと考えております。
 2点目の関係ですが、今、御指摘いただいたのは、目標・内容にも関わると思いますが、資料3-1の最初の目的のところにも少し触れさせていただいておろうかと思います。丸の二つ目でございまして、それぞれ英語教育を通じて資質・能力のことを書かせていただいておりますけれども、これも1点目に関係する小・中・高を通じた目標設定といたしますという論点と、学校を通してと書いてありますけれども、英語の授業以外にも英語に触れる機会、環境を整えることが求められるということも書かせていただきました。
 これらに頂いた御意見を更に加えさせていただいて、整理させていただくべき観点かと思います。教育基本法改定のときにも、義務教育段階では生涯にわたる学びということでの趣旨が入っておりますので、今、御指摘いただいたよう、自律的に学ぶという形で英語教育の学校内外の環境について、今、御指摘を頂いたという趣旨かと思いますが、そのようなことを最初の基本的な考え方に整理させていただくことになるかと思いますが。

【松本委員】  そうすると、このB2という目標は、授業プラスその他の学習を含むという解釈でいいのですか。

【圓入室長】  全体で。はい。授業を学校としてと書いてありますけれども、もちろん学校の中での学びというものを中心にしながらということで、ここの会議では御議論いただくことになろうかと思います。社会全体のといいますか、そういうところも含めて、このB1、B2と書いてありますけれども、ここでは学習到達目標と書いてありますが、目指すべき目標といいますか、必ずしも全員が全員達成しなければいけないという意味での方向性というのを表させていただいたのかと思います。それらについても御意見を頂ければと思います。

【松本委員】  はい、分かりました。ありがとうございます。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 じゃあ、安河内委員。

【安河内委員】  ほとんど松本先生とかぶっているのですが、今のこの表、非常にCEFRで1目盛り上がっています。教えている立場からすると、TOEFL、iBTで57点以上、これをあまねく達成するというのは非常に非現実的なような気がするのですね。この点の確認なのですけれども、やはり校外活動と併せてこのレベルを達成するという、これは目標ということでよろしいのですよね。はい。
 それで、あとこの表で見ると、明らかにこれは前倒ししているように見えるのですね。実際に3年生・4年生で1時間・1時間、5年生・6年生で3時間・3時間というふうになると、教える立場の私からすると、中学の教科書の内容を前倒ししないで、例えば疑問文、否定文、過去形というような、こういう中学の教科書、1年生で教えることを5年生・6年生で教えないで、どのようにしてこれ週3時間引っ張ることができるのか、これ、直山先生に私は教えていただきたいのですけれども。

【吉田座長】  じゃあ、いかがですか。

【直山調査官】  私が教えてほしいと言ったらいけませんね。失礼しました。
 前回、3回目でも同様の御質問を頂いたと理解をしています。

【安河内委員】  そうですね。まだちょっとよく理解できていないところがあります。

【直山調査官】  ごめんなさい。私の説明の仕方がまずかったですね。前回のときに、私は中学校英語の前倒しはしませんとお話をしたことを捉えて、中学校英語の前倒しをしないで、どうやって5・6年3時間もちますかというお話に対して、私は、今おっしゃった肯定文とか否定文とか疑問文とかも含め、語彙も含め、中1・中2で扱っているようなことは当然5年生・6年生でも扱います。なので、今、先生がおっしゃったようなこと、文章、表現、語彙等については、当然5・6年生、あるいは3年生で単語も出てきましょう。そういう意味では前倒しという言葉になろうかと思っています。
 ただ、今、中学校で教えているいろいろな指導法、例えば文構造をそのまま教えるというよりは、言語活動を繰り返しながら文構造を意識させて、子供たちの中に文構造を理解させていくことをやります。そのやり方をそのまま小学校へスライドするかどうかは、私としてはまだクエスチョンですということです。

【安河内委員】  これで見ると、小学校で、今までの中学校1年生ぐらいまでで達成していたところまで達成して、そこからまた中学が始まるようにこの表だと見えるのですけれども、今の御意見を受けると、小学校高学年でやった活動の中で出てきた表現を、中学1年でもう一回今度は体系的に教え直すということになりますか。

【吉田座長】  直山調査官。

【直山調査官】  そこはまだ答えを出し切れていなくて、研究開発学校等でも御討議を頂く部分になると思いますが、少なくとも、今、外国語活動でいろいろな語彙や表現をやっているわけです。具体的に中1や中2でやっている「Do you like何とか?」とか「What’s何とか?」とか「What何とかdo you want?」、これは定着を第一の狙いにしていないということでやっているので、中学校に入ったらもう一遍きちんと勉強しますという形を、今、とっています。

【安河内委員】  繰り返すということですか。

【直山調査官】  そう、今はね、外国語活動。ただ、これが外国語活動ではなくて、もし教科化になった場合には、ある程度の定着を求めることになるかもしれない。そうしたら、中学校では、それはもう小学校でやったね、思い出してみよう、中学校はもう一つ上へ行くよという形になるかもしれない。

【吉田座長】  ありがとうございました。基本的にその材料の問題と、それから教え方、教授法の問題というのはまた別個の問題なので、その辺に関してはこれから議論もいろいろあるのではないかと思います。
 では、佐々木委員、お願いします。

【佐々木委員】  ちょっと話が戻って申し訳ありません。先ほどのB1、B2のことですけれども、学校の現場としての再度確認です。やはり高校の出口のところでB1、B2レベルを達成するというのは、学校教育だけでは絶対無理です。それで、先ほどあった社会だとかいろいろなところの部分の御協力を得て、こういう可能性もあるというふうな目標として捉えていいかですね。
 あと、最初のときに申し上げましたけれども、高等学校は非常に学校が多様化している、英語のレベルも上から下までかなり差がある。生徒自身もやはり学力に差があるといったところで、ただ、全員がそうやった英語を学んでいかなければいけないという現状を踏まえていただいた上での、やはり目標を設定していただきたいと思っています。少なくともやはり小学校から英語を勉強してきて、そのモチベーションだとか興味関心が高まる、深まるといったところの気持ちは、やはり押さえていただきたいという確認です。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 はい、どうぞ、髙木委員、お願いします。

【髙木委員】  きょう、ここまでの議論は英語教育ということが主になっていますが、ここで、例えば今の研究開発校の取組を見ても、中学年で外国語活動1コマ、それから5・6年だと2コマということですか。現行の教育課程全体の中で、本当にこの時間が取り得るかどうか、他の教科との関係を考えておきませんと、英語だけ先に中学年1時間、高学年2時間というのが決まって、他教科の関係、さらにはこれで道徳という問題も入ってきた場合に、どこでどの時数という1週間当たり、低学年だと34時間、それから高学年だと35時間というその枠の中での今度は時数の取り合いになっていくということが考えられて、英語だけを規定の時間として初めから入れ込んで、教育課程全体というのは考えられませんから、教育課程部会を含めて、こういった時数の問題、どこでどの教科が必要なのかという全体像、プラスならばいいですけれども、またもしこれをやるならガラガラポンで全部の教科をちゃらにして、そこから立ち上げるのかどうか、そういうことも含めて議論していきませんと、現実的な議論にはなってこないと思います。

【吉田座長】  今の点については、どの段階でどういうふうにするか、多少、今、教育課程審議会の話もありましたけれども、いかがでしょうか。

【榎本課長】  全体の事柄は中教審におきましての議論になってくると思いますので、この場におきましては、英語教育の在るべき姿という観点から御議論いただければと思っております。

【吉田座長】  髙木委員。

【髙木委員】  それでは、英語の方で2時間と決めてしまったら、中教審の方はそれで2時間で受け入れざるを得ないということになりますか。ここの場で議論するということは、時数まで議論するということになりますね。

【吉田座長】  はい、どうぞ。

【榎本課長】  実施計画で提起いたしましたことをベースに御議論いただければと思っています。そうした中で、初等・中等教育段階終了時における子供たちの英語力として求められる事柄を設定し、それに伴います授業時間数、それから教育内容等の基本的な骨格等に関しまして、こちらで御議論いただければと思っています。そういった事柄も念頭に起きながら、恐らく秋以降の中教審全体の議論の中で、教育課程全体の議論の中で議論が進んでいくと思っております。

【吉田座長】  ということは、今のお話ですと、とりあえずここでは英語教育についてはきちんと話をしましょうと。最終的には全体の中でそれがどういうふうになっていくかというのは、今後決まるというふうに解釈すればよろしいわけですね。

【大津委員】  よろしいでしょうか。

【吉田座長】  はい。じゃあ、大津委員。

【大津委員】  前回も最後に申し上げたけれども、今までの会議で、議事はあったけれども議論がなかったと指摘しました。多分そのツケが回ってきているのではないかと思うのです。ここしばらくの話というのは、目標とか、現実性の問題ばかりで、もっと根本的な目的という部分についての議論というか、少なくとも共通の認識がないのではないかと思います。
 それで、先ほど配られたその「第4回」と表紙に書いてある資料の30ページには、確かに「目的(必要性)」というのがあって、ここに3項目挙げられているのですが、ここに書いてある目的というのは、いずれも小学校で英語教育ないしは英語活動をしなくてはいけない、あるいはそういう必要性があるということを示すものでは全くない。一体その根拠は何なのかというのを是非教えていただきたい。多分多くの方はそう思っておられると思うのです。私もよくそういう質問を受けるのですが、私はそういう必要性を感じていないものですから答えられなくていつも困っているので、是非教えていただきたい。
 関連するのは、多分31ページの目標に関する部分の下の方で小学校中学年、例えば云々(うんぬん)と書いてありますね。これに関することは、前回の会議で直山さんのスライドの中にもいろいろと出てきたと思うのですけれども、本当にあれがここに書いてあるようなことを意味しているのかどうか。確かに数値は出てきたのだけれども、数値をどうやって解釈するかというようなことは何の話もなかったわけで、本当にこのまま小学校での英語教育、ないしは中学年におろした外国語活動というのが必要なのかしらというのは、私はいまだに疑問でなりません。そのあたりを是非教えていただけるとうれしいのですが。

【吉田座長】  基本的にこの有識者会議の目的というのは、12月に出たあの報告をベースに考えていると思うのですね。ですからそれを一応前提として、具体的にどうすればいいかということを議論するというのが一番大きな問題だと思うのですね。大津さんが、今、おっしゃったように、確かに目標とか目的、それに関しての議論をする必要はあるとは思いますが、それをある程度12月のところを前提とした上で議論をするということ、それはやはり視点としては持っていなければいけないかなと思いますが。

【大津委員】  よろしいでしょうか。

【吉田座長】  はい、いいですよ。

【大津委員】  それは十分承知していて、そしてそれは1回目か2回目のときに、私自身が確認したことでもあるのです。しかし目標を論じるに当たっては、目的がはっきりしていないことには話が始まらないわけで、もし12月の話を前提にするということで、その中に目的というものが既にどこかに書いてあるのであれば、その目的というものが何なのかというのを教えていただきたいというのが私の今の質問です。

【吉田座長】  これに関してはいかがですか。何か。
 じゃあ、松川委員。

【松川委員】  大津先生が提起されている問題については、そもそも今の外国語活動が導入されたときもやはり同じような議論がされたと思うので、今回も同じことだと思うのです。一つは、これは小学校での英語教育ですけれども、松本先生からもお話があったように、縦軸で日本の学校英語教育の政策を考えていった場合に、その高等学校の最後の出口のところをかなり上げていくためにはぐっと下へおろしてきて、小学校ではここまでやる方が妥当だろうという考え方。縦軸で英語教育という軸で考えていく見方というのは一つあると思います。それで、小学校での英語教育というのはこういうものであるべきだと。
 だけれども、もう一方ではその小学校教育の中に、新教科英語というのを例えば高学年で設けるとしたならば、その意味はどこにあるのかという議論がされなくてはならなくて、それは外国語活動を導入するときも、小学校のカリキュラムの中に、なぜそういうものを、新たに他の教科でできないものとしてやる必要があるのかという議論が、あのときもされたと思うのです。
 今回はその高学年で、特に教科、英語的なものが提案されているわけで、なおさら問題になると思うのですけれども、それはやはり小学校で英語をやることによって、子供たちにどういうメリットがあるのかということがやはりきちんと論じられていないということだと思うのですね。
 私の一つの考え方は、きょうの30ページの資料にも書かれていますけれども、グローバル社会、グローバル人材の育成ということですね。グローバル人材というのはどういう人を言うのかというのはそれこそ大問題でありますけれども、私は日本のような国であればこそ、母語と違った言葉、それは必ずしも英語ではなくてもいいわけですけれども、異なる異文化を背負った人たちとのコミュニケーションというのは今後非常に大事になってくると。
 それについて、やはり言葉というのは非常に大切な手段ですので、その母語ではないものを使って小学生が関わることの難しさ、面白さ、意義というものを感じるということが必要だということを、前回の外国語活動の導入のときにかなり申し上げて、それに合わせたような教育をかなりやってきてくださっていると思うのですね。それを今回は更に格上げと言うと語弊がありますけれども、教科に持ってくるという系統的な学習をするというところだと思うのですね。
 だから、外国語活動というのは体験的な活動ですので、慣れ親しむということを通して異文化コミュニケーションの素地みたいなものを養うということだったわけですけれども、それを更に教科にするのであれば体系的・系統的にやるということなので、そこのところが私は肝だと思うのです。
 それは具体的にどういう内容になるのかというところが一番大きなことだと思うのです。それは今度目標の話になりますけれども、ゼロから作れるわけではなくて、既に今まで外国語活動というものをやってきた実績というものがあって、一方では中学校で英語教育というのをやっているということがあって、当然、今、高学年で外国語活動というのを1時間やっているわけですね。中学校になると教科英語というのを4時間やることになるわけで、そこの落差というものをある程度どういうふうに埋めていくのかということが、一つは教科の目標・内容を決める大きなポイントだと思うのです。
 今までのところ、何かその中学校の英語の前倒しはいけないとか、小学校と中学校は違うということばかりが強調されてきましたけれども、やはりそれは縦軸、横軸とのつながりでうまくつながっていかなくてはならないわけで、そこのコアになるところが、私は高学年で例えば教科英語というものを作るのであれば肝になるところで、そこのところは私自身も徹底的に詰め切れていませんけれども、やるのであれば、そこのところは大津先生がおっしゃるように議論をしてしっかり打ち出さなければ、なかなか教員の方も納得できないポイントだと思っています。
 だから、言いたいことは、目的のところはやはりほかの教科ではできない、しかも外国語活動でもできないものとしての目的というものをもうちょっと明確にする必要があるのだと思うのですね。だから他国でもやっているとか、そういうことは理由にならないので、日本の小学校のカリキュラムの高学年になぜ教科英語が必要なのかということを、これは言語習得の話では必ずしもないということを2回目の議論でしていると思いますので、政策的に見て何を狙ってこれをやるのかということをもっと明確に打ち出すべき必要があると思います。

【吉田座長】  ありがとうございました。非常に根本的な問題というか、非常に基本的な部分に相当すると思いますが、ほかの方、じゃあ、松本委員。

【松本委員】  私たちが知りたいのは、直山調査官がお示ししてくださったような教科型を5・6年次に行って、どういう結果が出たかということだと思うのですね。前倒しをしないということについては、お気持ちは分かるのですけれども、指導内容の前倒しをしないのだったら教科にする理由はないと私は思います。
 ですから、おっしゃるように5・6年生の知的発達度に合わせた指導にどのようにしていくかという研究は必要だと思いますが、それを今、教科型で先行して教えているところはもうされているわけですよね。そこでは、どういう工夫があって、どういう定着が起きているかということにういての科学的データを示していただければ、議論は進むのではないかと思います。
 中学の最初に何を指導するのかというのはその後の話です。小・中の接続についてはもちろん議論しなくてはいけないのですけれども、松川先生がおっしゃったように、教科にするというところの議論が絶対必要で、そのためにはやはり教科型で先行してやっているところの検証がものすごく重要ではないかと私は思います。

【吉田座長】  ありがとうございました。前回からも、直山調査官の方からもいろいろ御発言があったと思いますが、簡単にまとめてみると、一言で言えるかどうか分かりませんが、直山調査官が御覧になって、どういうような成果が見られるかということを、繰り返しになる部分もあるかと思うのですが、少しお話ししていただけますか。

【直山調査官】  今、座長がおっしゃった成果というのは、その研究開発学校の成果の部分のことですか。

【吉田座長】  教科として取り組んでいるところですね。そことそうでないところというのがどう違うか、教科にすることによって何がよくなるのかというのを知りたいという部分だと思います。

【直山調査官】  それは外国語活動で取り組んでいることの課題と非常に関係していると思うのです。外国語活動で、まさか御自身が外国語教育に関わると思って教員になっていない小学校の先生が、ゼロから随分この外国語活動を作ってこられました。それなりの成果がかなり上がっていると思います。2回目、3回目の繰り返しになりますが、子供たちの中で外国語の授業が、外国語活動の授業が好きだ、あるいは学級の様子が非常に柔らかくなった、男女の仲がよくなったということをたくさん聞いています。
 ただ、そんな中でも高学年の後半になってくると、何か子供たちの中に腑(ふ)に落ちないものがある。曖昧さに耐えにくい。これは一体どうなっているの、なぜはっきり教えてくれないの、算数や理科や社会ではきちんとこうなってこうなるという回答が出てくるのに、どうも外国語活動の時間は曖昧なままいっていることに、子供たちが少し疑問を感じてきてトーンが落ちてくるという姿が見られる。それはこれまでの研究開発学校の中でも言われてきたことです。
 その中で、教科に取り組むことによって子供たちの理解を確かめながら、ここまではきちんと引き上げていく。子供たちに理解をさせながらということを、例えば研究開発学校の中でやっていく。その理解をさせたりするときに、外国語活動は音声中心なのですね。これは私見ですが、非常に曖昧さに余計曖昧さが伴う。
 それが目で見える形で、例えば文字ということを通すと、こんなところに「s」が付いていているのだ。例えば「Do you like apples?」と言ってもオーケー、「Do you like apple?」と言ってもオーケー。何でこう違うのだろうと分からないまま来たときに、何かその「s」が付いているものを見たときに、「先生、何でこれsが付いているの」ということを明らかにしてもらったら、子供が「ああ、なるほどな」ということが文字を通しながら理解ができる姿が報告されています。
 そういうことから、この強化地域拠点事業の研究開発学校の中でも、何か文字の扱いということに少しフォーカスを当てて、そこを系統的に体系的に組んでいただくような授業をお願いしているところです。
 終わります。

【吉田座長】  今、直山先生が言っていただいたものというのは、前回資料で配られたデータがありましたね。小学生はどう思っているか、中学生になってからどう思っているか、小学校の先生はどう思っているか、中学校の先生はどう思っているかというデータがありましたが、今のお話はそれに基づいていますね。
 ですからそれを見ると、今、先生がおっしゃったような、中学校になってから、小学校のときにもっと読み書きをやってもらいたかったとか、そうすれば中学校に入ってもっと授業が分かるのにというような反応が、数字的にも結構よく出ていたと思うので、多分、今おっしゃったのはそういうことと考えてよろしいですか。

【直山調査官】  はい、おっしゃるとおりです。前回出した資料に基づいています。じゃあ、その子供たちが中学校へ入って、もっと単語を読んでおきたかった、書き取りたかった、文を読んでおきたかった、書いておきたかったという中学生が、外国語活動を経験してきた子たちの中にいます。
 私は元々中学校の英語の教師ですが、じゃあ、私が中学校の教壇に立っていたときに、もちろん外国語活動ではなかったわけです。中学校1年生から初めて外国語、英語に出会った子供たちを指導してくる中で、やはり子供たちは文字が出てきたところでつまずく子供がとても多いです。非常に英語について厳しい子供たちの様子を見ていると、単語と単語の間にスペースを置かない子供が多い。日本語は句読点がある。でも英語は単語と単語の間にスペースがあり、非常に日本語と構造が違う。語順で意味が決まる。日本語は「てにをは」で決まる。そういうことが子供たちの中にしっかり中学校1年生のときに入り切らないなというのは自分で感じていた。じゃあ、子供たちは外国語活動が入ったから、子供たちが中学校に入ってもっとやっておきたかったと思うのではなくて、これは小学校で外国語活動がなかった時期から、やはり中学生の時期に何かつまずいているのではないかと私自身は思っています。
 ですので、小学校で体験的な外国語活動でかなりの成果が出ている。そして、松川委員がおっしゃったように、小学校と中学校の間のこのギャップ埋めをする。ここのところが、文字というものが鍵を握っているのではないか。それで、子供たちがはっきり腑(ふ)に落ちることが出てくるのではないかと私は、今、考えているところです。

【吉田座長】  ありがとうございます。一つの考え方として、したがって、いわゆる教科化というものを考える必要があるのではないかということになると思うのですが、じゃあ、安河内委員。

【安河内委員】  すみません。ちょっと依然分からないのですけれども、appleをapplesで、この「s」が付く理由を教えるということは、普通に考えるとやはり前倒しと思ってしまうのですけれども、文法の導入ですよね。例えばbreakが、きのうのことを言うのだったらbrokeになるというのを言葉をかえて教えるというのは、これは前倒しとは解釈されないのですか。現実的には前倒ししているのですけれども、中学で教えるような文法指導をしないで、別の言葉で言いかえるということは、前倒しとは解釈しないのか。
 一般的に考えると、やはりそういう複数形の概念を教えるというのは中学1年生の内容の前倒しというふうに言葉を解釈してしまうのですが、その辺の定義が曖昧な気がしているのですね。すみません。同じような話で。

【吉田座長】  今のお話もよく分かるし、多分さっき松本委員がおっしゃったのも、そういう前倒しというのを全く考えずにできるはずはない。私もさっきもお話ししましたように材料的には絶対前倒し以外には何もないので、ですから当然あると思いますね。
 ですからその辺に関して、これからの小委員会なんかにおいてもいわゆる指導の在り方、それについてもう少し具体的に、じゃあ、もし教科にするということで進めるというのであればどうすべきなのかというのを具体的に議論をしようということになると思います。ですから、ここでこうやって議論が出てきていることは、次の小委員会の非常にいい議論の材料になると私も思っています。ですから、今、即全部答えが出るかというのはちょっと分かりませんが、おっしゃっていることはよく分かっております。
 藤村委員。

【藤村委員】  今のことに絡むのですが、当然内容については前倒しだと思うのです。小学校で、ある決めたそこまでしかしないということではなくて、当然中学校の内容が入ってくると。しかも3年生から進めるとすれば、当然今のまま5・6年でやっている部分を4年間かけてやるというのはおかしな話で、中学校でやっている中身が高学年に入るというのも当然のことだと思っていて、何が違うかといいますと、指導法の違いが大きいなと思っているのです。だから、現在中学校でされている指導法を5・6年に持ってくる、あるいは6年生でするとうまくいかないのではないかということが一つ。
 それから、やはり活動的な理解の仕方というのがあると思うのです。ただ先生が言って、それをノートに書くとかいうことではなくて、小学生って随分活動を伴って理解をしていくということが、やはり6年といえども中学生との違いがあるなと思っているのです。発達段階の違いかもしれませんけれども、やはりその段階に応じた指導というのは当然あるので、中学校でやっておられる教科と、小学校5・6年で導入する教科とは当然違うだろうな。そういう意味で前倒しをしないというふうに私は理解しています。
 それと併せて文字が出ていましたけれども、今、大宅小学校で6年生で文字を入れてやっているのですけれども、やはりアルファベットは抵抗感がすごく、というのはABCDは覚えられても、それが一つの単語になると読み方も変わるし、あれ、どういうことなのだろうかというやはり戸惑いがあります。ただ、その戸惑いが、日本語と違って面白いし、やってみたいという好奇心を持っている子もいます。でも、明らかにクラスの中で言えば、その子供たちは3分の1程度である。3分の2がやはり抵抗を感じているし、文字そのものも書けない子も当然、平仮名を書く以前のような感じの子も当然いるわけですから、そういった子供たちが興味を失うことなく文字を抵抗なく受け入れていくような、そういう仕組みというかカリキュラムというか、そういうものは必要だろうなと思っています。

【吉田座長】  細かいことに関してはその小委員会の方であると思うのですが、もう少し大きな問題として、最初に大津委員が提起された目的の問題という点について御意見があればということで、じゃあ、大津委員。

【大津委員】  今、藤村さんがおっしゃったことと関係することでいいですか。
 「前倒し」と言ったときに、内容ではなくて指導法だとおっしゃった。それは前回もそういう話があってその通りだと思うのですけれども、多分、今、挙げられたことだけだと、誤解を招くかと思います。つまり、中学校段階では、名詞を複数形にするときには単数形の後ろに「-s」を付けて、発音するときにはこういうふうになるのだよというようなことを教えるけれども、小学校段階ではそうではなくて、幾つか例を出して、そしてその中から子供が、ああ、複数を表すときにはこういう形にするのだなと気づく。言ってみれば片方は演繹(えんえき)で、もう片方は帰納という話だと思うのですが、多分それだけだと、いや、中学校だって演繹(えんえき)じゃなくて帰納でやっているよという先生はけっこういらっしゃると思うのです。
 私から見た一番大きな違いというのは、今、小学校の外国語活動、英語活動の多くでやっているのは、何か帰納させるときに例を意図的に与えない。少なくとも担任なり、ALTなりからは与えなくて、飽くまで子供たちに自発的に気づかせる。この点に、松川委員の言い方を借りると「肝」があるのではないかなと思うのだけれども、その辺どうでしょうか。事実と違っているといけないので、藤村さんか直山さんか、ちょっと教えていただけるとよろしいかなと。

【吉田座長】  じゃあ、直山調査官。

【直山調査官】  今、うまく大津委員の方がおっしゃってくださったのですが、今の外国語活動に限って見ていきますと、このことを教えたいが先じゃないのです。子供にこんなことをさせたいということがベースで動いていっているのです。
 例えばあの「Hi, friends!!」でもそうなのですね。例えば、子供にお誕生日のカードのやり取りをさせたい。だからJanuary、Februaryにいこうか。例えば子供にもっと自信を持たせたいよね、自分が生まれてきたことも含めて、自分ってすてきな存在なのだということを、言葉を通じて子供に感じさせたいのね。そうしたら自分のできることを紹介させてみようか。子供が言いたいこと、子供がやってみたいことから出発しているように、私は今までの英語活動が導入されてからずっとカリキュラムを見てきてそこを感じています。そこが非常に子供にはフィットしている。
 だから、いろいろな教科や子供の生活のこととか、そんなこと全て知っていることが指導者には必要ですよねということなのだと。中学校がそうではないとは言い切りませんよ。随分中学もそんなふうに変わってきました。私の頃のような、先に言葉ありきではないようになってきた。だけど、まだ小学校の方が随分そういうところが耕されている。そこを、ただ松川委員がおっしゃった体系的にとか系統性という言葉を出すと、どこに体系性や系統性を求めるかとなると、それを例えば語彙や表現に求めていくと、子供の興味点がぐっと離れていくのですよね。だから、そこの間の部分を、この小学校の教科化で取っていくことになるのかなという具合に、皆さんのお話を聞いていて、また改めて強く思っているところです。
 以上です。

【吉田座長】  ありがとうございます。大津委員がおっしゃっている気付きというのは非常に大事で、多分今のお話でも、それが自然にある意味ではできるような環境を作ろうという、これが小学校なのかもしれませんね。
 いずれにしても、現在の中学校は随分変わっているかもしれませんが、今までの昔の中学校でも教科書準拠で、全てそれにあるものを教えるという演繹(えんえき)的なやり方とは、随分考え方は違うというように思っていいと思いますね。
 ほかの方は。じゃあ、石鍋委員、お願いします。

【石鍋委員】  自分の頭の中がちょっと整理できなくなってきたので、自分も整理するためにお話ししますけれども、今、小学校の高学年を教科化していくという議論の中で、やはり前倒しとなると、どうしても中学校の週4時間のものを3時間に時間を縮めてやるのだというふうに受けとめざるを得ない。非常に抽象的なイメージで恐縮ですが、私はつなぎなのだろうと思っています。小学校の中学年での外国語活動と、中学校の現在行っている、又は現在よりも少しレベルアップをする英語教育とをどうつなぐかという、そこの部分なのだろうと。43
 変なたとえなのですけれども、例えば中学校の英語教育が色で表したとして青だとする。小学校の外国語活動が黄色だとする。それを合わせると緑色になりますよね。その緑色の部分をどういうものを作っていくのかという考えをここで議論するのかなとずっと思っているのですが、なかなかそういったところへたどり着かなくて、何を話していいか分からなくなってしまった。そのために、私自身ちょっと頭を整理したいなと思って、今、話しております。
例えば小学校の場合には、前も議論がありましたけれども、私は学級担任の力が非常に大きいと思っているのですね。教科化が図られたとしても、子供たちの一挙手一投足をしっかりと見て、その反応に合わせて教員が子供たちにアドバイスをしたり、例えば英語の専門家、ALTなりが入っている場合にALT等を活用するということができるのは、まさに担任だと私は思っています。そのあたりの役割を、中学校の専科教員の指導とどう区別をしていくか。そのようなつなぎの部分を考えていくのが非常に重要なのではないかと思っています。
 ちょっと抽象的にはなっておりますが、以上です。

【吉田座長】  指導体制の問題になると、今、おっしゃったことが非常に大切な部分だと思いますね。
 多田委員、どうぞ。

【多田委員】   これまでの皆さんの議論というか意見を私は外野から聞いていて、思ったことを少しお話ししますけれども、やはり、きょうの小学校における英語教育の在り方、やはり重要だと思うのですね。多分どうやるとかタクティクスというような方法論でいけば、多分来週の中学・高校での議論を深めれば、相当改革ということに関しては実効案があるだろう。ただ、やはり小学校でとなると、やはりそもそも論ですよね。そんな国家戦略とまではいかないにしても、グローバル化の中でどうして小学校でやらなきゃいけないのという、まずその議論と目標というものをもう少し我々の段階で詰めてもいいのではないかなと。
 ですから、例えばグローバル化といっても、言語系で言えば別に英語じゃなくてもいいという部分もあるわけですね。ただ、そうしたものも踏まえて、なおかつやはり個人的には英語教育は必要だと思っていますし、この中での小学校でというところに関しての目標というものは、もう少しここで詰めて、今度は方法論的なことは中学・高校のレベルで話して、それを小学校に戻していく。1000ですから、余りここでほかの教科との比較とか、中・高の段階の比較を小学校でやるというよりは、もう少し根っこの部分で話してもいいのではないかなと思いました。
 以上です。

【吉田座長】  ありがとうございます。目標というよりも、目的の問題が中心かなと思いますけれども、目標ももちろんまだ明確にはなっていませんので、今後の話だと思いますが、ほかに御意見ございますか。
 今、多田委員からもありましたように、今後、来週、次回以降、中・高の英語に関してもやっていきますし、その中で当然ながら、先ほどから何度も出ていますけれども、小・中・高の一貫した英語教育、日本英語教育全体を見直すという段階で、もう一度その中で小学校の位置付け、目的論などもまた出てくるのではないかと思いますので、一旦ここで次のポイントである指導と評価というところについて、少しお話を進めたいと思います。
 それでは、文部科学省の方からお願いいたします。

【圓入室長】  それでは、続きまして、資料の33ページ以降を御覧いただければと思います。目的・目標・内容の議論はまだまだ必要という前提ではありますが、一度お目通しいただきたいと思います。
 まず、前半の議論にも関係しますけれども、最初に書きましたように、小学校段階でどのような観点から指導を充実するか。これはもう本当に目標・内容に掛かってくることだと思います。
 それから、次の丸でございますが、今回御議論を頂きたいところですけれども、それを前提に、効果的な指導方法について、こちらについてもこれまで先行的な取組や、今年から始まります英語教育強化地域拠点事業の中で、様々なものが始まりますけれども、以下のような観点から継続して検証していくと、更にそれを次につなげていくということではどうかということを書かせていただきました。
 代表的な例ということであえて書かせていただいておりますが、そのほかにもあれば後ほど御指摘をと思いますが、一つ目は、小学校段階におきましては児童の発達段階に留意した指導、それから先ほど来出ております体験活動や実践等を取り入れた指導、それから次のポツでございますが、他教科等との連携を強化した指導、さらには小学校と中学校の連携を意識した具体的な指導の在り方ということを意識して、これは事業を続けられれば4年間ぐらいは続けさせていただきたいと考えておりますが、先取りした取組における留意点というものを挙げさせていただいております。
 最後に育成すべき資質・能力の明確化も踏まえ、小学校段階における評価の在り方も、先ほどの目標のところでも述べさせていただきましたけれども、併せてどのように考えるかということも一つの大きな論点かと思います。
 下のポツではそれぞれ書いておりますが、先ほど来出ております活動か教科型かということの評価につきましてもどのようなことになるのか、それらについても併せて授業の中でも取組を進めていただければと考えておりますけれども、その際にやはり考慮すべき点というものは、また御意見を続けていただきたいと思っております。一つ論点としては、評価が学びの改善につながるよう、PDCAサイクルの構築について検討していただいてはどうかというのが、先ほど来頂いている御意見の中でも、小学校段階から中学校段階に学んだことがきちんと生かされていくという意味では、非常に重要なポイントになるのではないかということで、書かせていただいております。
 それから、次のポツでございますが、活動型、教科型における評価の観点や具体的な基準をどのように考えるかということでございますが、残り時間が少ないので大まかに御説明いたしますけれども、ここで御覧いただきたいのは参考資料の21ページ、分厚い資料の方を御覧いただければと思います。ここに現在の小学校の外国語活動の学習評価の考え方ということで、現行の仕組みを書かせていただいております。
 一つは平成22年に通知を出しておりますけれども、そこに記載しております小学校の外国語活動につきましては、設置者において学習指導要領の目標及び具体的な活動等に沿って評価の観点を設定するという前提の下に、各小学校では観点を追加して記入できるようにするということになっております。また、外国語活動の記録については、評価の観点を記入した上で、その観点に照らして、児童の学習状況に顕著な事項がある場合にその特徴を記入するなど、児童にどのような力が身に付いたかを文章で記述するということになっております。
 先ほど評価の定義を少し御紹介させていただきましたけれども、現状としては他教科では数値による評価というものが基本的にあるということでございますので、今後、活動型、教科型ということで御議論あろうかと思いますが、そのときには文章による評価、数値による評価というような論点もあろうかと思います。
 21ページの後段でございます。ここには小学校の外国語活動における観点別学習状況の評価の例ということをお示ししておりますが、小学校の囲みの方を御覧いただきますと観点例、三つ大きくお示ししてありまして、コミュニケーションへの関心・意欲・態度、それから次の箱でございますけれども、外国語への慣れ親しみ、それから最後に言語や文化に関する気付きということで、先ほど来大津委員からも頂きましたように、気付きというキーワードは非常に現在の外国語活動の中に大きな影響を与えていると、評価を通じても与えていると考えます。
 更に23ページを続けて御覧いただきますと、前回も指導要録の話が出ておりましたけれども、実際の様式の例をお示ししております。右側の一番上の方に外国語活動の記録、このような文章でお示しいただくということでございます。
 少し省略して飛ばしますけれども、これが中学校になってくるとどうなるかというのは30ページの面を御覧いただければと思いますが、30ページの左下の方に「外国語」ということで、記述というよりは観点別の学習状況を段階別に評価するというような様式がお示しされております。
 これらにつきましては、実際どのように評価されているかというものを、きょう、直山調査官にも御用意いただきましたので、少し短めでございますけれども、少し事例を紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【吉田座長】  よろしくどうぞ。

【直山調査官】  スクリーンの方を御覧ください。今、圓入室長の方が説明させていただいた今の外国語活動の目標です。この目標があって、目標に合わせて評価というのが出てくるわけです。
 クリックしてもらっていいですか。2回立て続けに、もう一回お願いします。もう一回。この目標に対して三つの評価の観点が、例として国の方は示していますが、多くの学校ではこの例を参考にしてというか、これでほぼ評価を頂いていることになります。
 今のこの三つの評価の観点の趣旨ですね。それを、今、お示しをしています。この評価の観点の趣旨を、こういう姿を子供たちの授業の様子、あるいは授業の後、単元の後に子供たちの振り返りカードに書かせて、子供たちが記載したことを基に評価をしていくことになります。
 例えば「Hi, friends!!」中、レッスン8、最後の単元です。6年最後の単元「What do you want to be?」、将来の夢がテーマになっています。そこでは積極的に自分の将来の夢についてお友達と交流しようとか、職業を表す言葉やどんな職業に就きたいかなどというような表現に慣れ親しむだとか、こういう目標の下で、その下、相手意識を持って自分の将来の夢について紹介している姿を見取れるように、1単元きちんと指導しましょうということが、この評価基準です。つまり、あの目標を具現化した子供の姿として評価基準を描いています。
 これは文部科学省のホームページに上がっている「Hi, friends!」の年間計画、単元計画、指導案が記載されています。
 実際の振り返りカードです。1単元で1枚、あるいは1時間ごとに1枚作っているところもあります。大変見にくくて恐縮ですが、子供たちが1週間に1回ある外国語活動ごとに書いていきます。先生がそれに対して赤字でコメントを入れていくというようなことが、毎週繰り返されていることが多いようです。
 これらを基にして、先生が1年間評価を最後まとめられるわけです。これがある学校の指導要録になります。今、皆さんのお手元の資料3-2の22ページ、23ページが国が示した例です。これを基に各学校が指導要録を作成するわけです。例えばここのところに外国語活動のことがあって、ここに三つの観点、先ほどお示しした観点ごとに担任が書いていくわけです。
 例えばどんなことを書いているかと言いますと、大変見にくいので読みにくいかと思うのでお話しすると、「ゲームやチャンツなどを通して、職業を表す言葉を聞いたり言ったりして慣れ親しんでいる」という文言が入ってきます。前回の会議で、この三つの観点ごとに一人一人の子供たちについて様子を書くのはなかなか大変であるという先生方の意見があるということが出ました。そういう意見も聞かないわけではありませんが、先生が毎時間外国語活動の授業で子供の様子をきちんと見取っていたら、そう恐れることはないと思っています。毎回40人見るのは大変。なので、きょうはこの子たちを、2時間目はこの子供たちを、そして1年間通して一人一人の子供に三つの観点について見取っておく。いかに先生が授業中に子供を見ているか。最後にテストをしたらいいなではない、今やっている子供の姿を見る。そのことを、そのまま記載していただくことになります。
 これは、研究開発学校で数値による評価をしていたのは、圓入室長が申し上げた先ほどの資料3-2の32ページ、ごめんなさい。ここもやっていないのでした。香川県直島町立直島小学校も研究開発学校を7年やっています。高学年において数値による評価をシミュレーションしたと、やってみようとしたと。だけど、やってみたけれども、どうも妥当性が怪しい。なので、数値による評価はしなかったという具合に聞き取っています。
 この学校は研究開発学校ではない、教育課程特例校の学校の指導要録です。1年生から4年生までは外国語活動をやっていますので、こんなふうに3観点でそれぞれ評価をしています。今、申し上げたような評価、あそこは4年生の部分です。4年生の部分で、例えば「ゲームなどで身の回りの語を言ったり聞いたりして慣れ親しみ、友達と積極的に欲しい絵カードをもらったり渡したりしていた。英語と日本語の音の違いに気付いていた」。例えばの例です。ところが5・6年生をこの学校では教科として取り組んでいて、ここでは5・6年生は数値による評価をしています。お示ししたように1だとか2だとか3だとかいう数値でここは示しているという例です。
 以上です。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 それでは、今の文部科学省の方からの御説明、論点3の指導と評価について、委員の方の御質問なり御意見なりございますでしょうか。
 じゃあ、安河内委員。

【安河内委員】  簡単な質問なのですけれども、例えば生徒が積極的に発言する中で、例えば「What do you want to be in a future?」と言われたときに、「Me am teacher」、こう言ったとすれば、これは高く評価されるのですか。それとも低く評価されるのですか。

【吉田座長】  はい、どうぞ。

【直山調査官】  コミュニケーションへの関心・意欲・態度という面では、おっしゃった今の英語は正しい英語ではないけれども、子供が一生懸命自分の思いを、先生になりたいのだ、その思いを乗せて話しているので、この子供は積極的に話そうとしているなと担任の先生は読み取るでしょう。
 ただ、慣れ親しみの部分では、一生懸命先生が「teacher」とか、「I want to be a teacher」という表現をゲームや何かいろいろなチャンツを通して子供に何でも聞いたり言わせたりする。ところが、このゲームをしていたとき、安河内君は「I want to be a teacher」と言わないで、ええーとごまかして言っていたときに、「安河内君、もう一度しっかり言ってみようか」。

【安河内委員】  はい。

【直山調査官】  「今、ALTの先生が言ったみたいに言ってみようか」という指導が入るわけですよね。なので、その観点によって、それがどう評価されるかは違ってくると思います。
 以上です。

【安河内委員】  はい。

【吉田座長】  ありがとうございます。
 ほかの方で何かございますか。
 またこれに関しては、具体的にはまた小委員会の方でも議論していくと思いますが、ここで小委員会で図る際にこの点は考えておいてほしいとか、この点はというのがありましたら、いかがでしょうか。安河内さん。

【安河内委員】  依然まだ分からないのですけれども、その場合に、I、my、meとか、そういうことを教えないで指導するということですか。例えば主語の部分に置くときには、「Me am」だとまずい、「I am」にならなければならないのですが、それはどうしてと子供が思うのですよ。そのどうしてをどういうふうに教えられますか。

【吉田座長】  はい、どうぞ。

【直山調査官】  今現在の外国語活動では、担任の先生中心に御指導いただくことになっています。担任の先生は、その英語の指導法というのは身に付けてきていないわけです。もちろん英語の音声学もやってきていないし、teacherの「er」の発音も正確にされる方もいるだろうけれども、それは個人によるわけですね。教員養成課程の中で、中・高の先生みたいにきちんとやり切るということをやってきていないわけですね。
 なので、先生に子供が「先生、何でこんなに言うの?」と言われても、恐らく小学校の先生は「どうしてかな、いいところに気が付いたよね。ねえ、それって中学校へ行くと英語の指導のプロがいるよ。その先生に教えてもらおうね」ときっとおっしゃるのではないかなと思います。

【吉田座長】  今の外国語活動という中での評価の在り方ですね。
 ほかによろしいですか。

【大津委員】  いいでしょうか。

【吉田座長】  はい、大津委員どうぞ。

【大津委員】   そう言われた安河内委員が反論しないのは、私には不思議なのだけれど。

【安河内委員】  あ、いえ、いえ。

【大津委員】 私はもう大分前から直山さんの話は何回も聞いていて、初めはまあしゃべりのうまいおばちゃんに丸め込まれたなというような感じはしていたのですけれども、でも実際に、全国英語活動、外国語活動……、まだちゃんと言えない。

【藤村委員】  全国小学校英語活動実践研究大会。

【大津委員】  はい。そういう、とてもたくさんの小学校の先生方が集まる会が年に1回あって、そこでの実践を拝見したり、それからそれについての解説を聞いたりしていると、やはり小学校の担任の先生が持っている力というのはとてもすばらしいと感じます。逆に、英語が上手なおじさん、おばさんを呼んできて、さあ、小学生に英語を教えてくださいねと言ったってうまくはいかない。かなりそこの対比というのは大きいものがあって、それは私が言っただけだと余り説得力がないと思うので、後で藤村さんに補っていただけるとうれしいのですけれどもね。まだそういう実践を御覧になったことがないかたは、是非御覧になったらいいと思います。

【吉田座長】  藤村委員、フォローでいかがですか。

【藤村委員】  本当に英語をしたことがないと、つまり教えたことがないという教員がやはり当然多くいます。若い教員でもそうです。しかし、子供は付いてくるのですよね。付いてきます。しゃべろうとします。先生がそれを正しく話をしているかといったら、そうじゃない。間違った英語を使っていることもあります。けれども、子供はしゃべろうと、外国の人に出会ってもしゃべろうとする、そういう気持ちでしています。これはやはり小学校の先生がしゃべろう、間違ってもいいやんというような中で、子供たちが気付いて学んできたことではないかと。ですから、小学校の先生、それプラス英語の持っている語順も含めてですけれども、そういうものがプラスされると、もっとよくなるだろうなとは正直思っています。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 じゃあ、ちょっといいですか。時間的な問題もあるので、この次にまた小委員会がございますので、そこでも、今、いろいろ御議論いただいているものをベースに更に詳しくやりたいと思いますが、次の4番目の論点、教科書と教材という点に少し目を転じたいと思います。
 それでは、文部科学省の方から御説明をお願いします。

【圓入室長】  それでは、資料の34ページを御覧いただきたいと思います。教科書の教材も、これまで御議論いただいた目標から指導の在り方等々に非常に深く関わりますので、6月以降の有識者会議でもまたテーマにと考えているところでございます。
 ただ、前回、三木谷委員からもICTの活用ということもお話しいただきましたので、指導法にも関係すると思いますが、きょう、御用意させていただいているのは、先進的な取組など、今、どういう環境にあるのかということを少しお時間を頂ければと思っております。お話しさせていただきます。
 論点は、もうお時間がありませんので、34ページをそのまま御覧いただければと思います。今現状どうなっているかということにつきましては、教材関係は資料の34ページ以降でございますが、これもまた今後御議論いただくときにも使わせていただきますので、御覧いただけると思います。直山調査官からのお話があった「Hi, friends!」の指導計画から、例えば単元ごとの評価の例というものも添付させていただいております。これは省略させていただきます。
 43ページを御覧いただきますと、現在国の方でどのような御支援をさせていただいているかということでございますが、小さくて恐縮ですけれども、従来の考え方でいきますと、平成25年度までは地方財政措置ということで、これは外国語に限らずでございますけれどもICTを活用するということで、ハード、ソフト、ヒューマンということでの御支援をさせていただいていたと。
 平成26年度以降は、さらにはその環境整備、それから学習用のソフトウェア、ICT支援員を充実していくという方向性が出ております。この後、続けまして葛城プロジェクトオフィサーから、かなり先進的なものから、少し進んでいるような事例を御紹介させていただきます。

【吉田座長】  よろしくお願いいたします。

【葛城プロジェクトオフィサー】  ありがとうございます。葛城と申します。5月1日から文部科学省の国際教育課の方で勤務しております。民間企業から参りました。
 本日は、英語教育におけるICTの活用ということについて、御説明をさせていただきます。前回お話がありました通り、三木谷委員の方からITの活用の方が重要だというお話がございましたので、まずは、スライドの1枚目の、今後の英語教育におけるICTの活用の方向性ということについて御説明をさせていただきます。
 3点ございます。一つ目は、学校の現場教育と連携をしながら、ICTの活用の成功事例を共有していくことが重要と考えております。二つ目は、学習効果の高いコンテンツを検討していくことが必要と考えております。三つ目は、地方財政措置の活用を推進しながら、ハードウェアの充実を図っていくといった点が重要と思っております。
 また、英語教育におけるICT活用の利点としましては、動的、インタラクティブなコンテンツを提供しながら英語に対する興味関心を高めていけることですとか、ネイティブ音声による教材を使って学習効果を高めていくこととか、デジタルなログ管理をしながら進捗確認や課題の発見に役立つことができるのではと考えております。
 国としましては、第2期教育振興基本計画に基づき、学校のICT環境について整備を行ってまいりました。
 また、文部科学省としましては、情報教育課を中心に学びのイノベーション事業を推進しておりまして、全国で20校の小中学校及び特別支援学校を基に、ICTを活用した教育効果の影響の検証を実施してまいりました。
 例えばクラスルームトレーニングを中心としました一斉教育とか、前回話がありましたタブレットなどのデジタル教材を活用した、自分に合った進路で学習するような個別学習とか、他地域、海外の学校とかの交流学習において共同学習を進めるといったような場面、シチュエーションで活用をしております。
 本日は、幾つか具体的な事例を御紹介させていただきたいと思っております。まず、志茂田小学校の例なのですが、こちらは「Hi, friends!」のデジタル教材を活用しまして、先生の方が電子黒板にテキストを拡大して活動のやり方を説明するといったような活動をしておりました。
 また、本田小学校におきましては、ネイティブの英語の音声の様子を映像で観察し、発音練習に意欲的に取り組むような活動をしておりました。
 三つ目の事例になりますが、城東中学校ではテレビ会議を用いて、シンガポールの学校と英語で交流し、主体的に情報を収集し、発信する能力ですとか、英語におけるコミュニケーション能力を育成するような事例が見られました。
 また、学びのイノベーション事業以外にはなるのですが、幾つかの学校でテレビ会議を利用して、他地域ですとか海外の学校とのコミュニケーションを図るといったような事例がございました。
 ここでちょっとお時間を頂きまして、実際により理解していくために、実際に活用しているものを動画で確認していただければと思います。

(映像放映)

【葛城プロジェクトオフィサー】  ありがとうございました。パワーポイントの方に戻りまして、成果・結果の方なのですが、小学校の低学年におきましては、特に興味・関心を高めることへの貢献度が高く見られました。これは英語に限ったことではないのですが、全科目共通してICTを活用していますので、英語に限ったケースではございませんが、小学校におきましては興味・関心度合いを高めることに成功しているというような事例が出ておりました。また、小学校中学年・高学年におきましても同様の傾向が出ておりました。
 中学校におきましては、学びのイノベーション事業の実証校においては、最も評価の高い評定5を全国比で経年比較すると年々高くなっている傾向が見られました。
 また、幾つかの学校におきましては、一般ユーザー向けソフトを使っているような学校も見られましたので、本日は学校教育と一旦離れまして、一般の英語学習者がどのようなソフトとかを使って英語を勉強しているかというのを簡単に紹介させていただきます。
 まず1点目が、海外のニュース、CNNですとかTEDといった海外のニュースとかスピーチを聞いて、リスニングとか場合によってはまねをしてスピーキングの練習としているというようなケースがございます。
 2点目は、Skype等を活用して、フィリピンなど他地域の英会話の講師の方々と英会話のレッスンをするといったようなソフトがございます。こちらの方は価格も非常にリーズナブルな価格のものも多く、今、こういったものを活用している英語学習者が増えているといった状況でございます。
 3点目が、発音の判定ソフトになります。こちらは簡単に申し上げますと、英語のカラオケだと思っていただくのが一番イメージしやすいのかなと思いますが、まずネイティブの方が発音されまして、その後に自分の方で発音してみます。うまく発音できますと、点数の方もいい点も出ますし、発音がうまくいかないと点数が悪かったり、状況によってはやり直しをさせられるというようなソフトでございます。こちらは、今、音声認識の方の技術が非常に進んでおりますので、かなり高度な学習ができるような形になっています。また、例えばネイティブと比べてどこの発音が間違っていたのか、このケースで言うとblowの「l」の発音が違うという形で表示されていますが、こういった形でネイティブの方との発音の違い、音声による勉強もできるような状況になっております。今後ICTを活用していく上で、コストの面を見ても、こういった一般ユーザー向けの英語学習者向けのソフトも活用していくというのも、状況に応じて検討が必要なのかなと思っております。
 以上、ICTの活用に関する報告を発表させていただきます。ありがとうございました。

【吉田座長】  どうもありがとうございました。今、御説明いただきました教科書、教材、ICTも含めてですけれども、御質問とか。はい、安河内委員。

【安河内委員】  二つあるのですけれども、またこの目標・内容の話になるのですけれども、さっきの議論で、やはり学校の授業時間だけではとてもこの目標は達成できないということになったのですね。ということは、比較的授業の中でICTを活用するのはハードルが低いと思うのです。そんなに難しいことではないと思うのですけれども、このICT活用を家庭にどういうふうに広げていくのかという、どういうビジョンをお持ちなのかということが一つ目の質問。
 それと二つ目なのですけれども、インターネットにアクセスできる家庭とそうでない家庭、いろいろあると思うのですね。そういう家庭によって、そしてその親御さんの実情によって格差が広がるのではないかという、この2点に関して、お願いします。

【吉田座長】  いかがですか。はい、どうぞ。

【葛城プロジェクトオフィサー】  ありがとうございます。非常に大事なポイントでございまして、先ほど議論で出ましたとおり、このICTのいいところは、学校だけじゃなくて、自分の家ですとか、場合によっては移動中とかも活用できます。実際電車の中で英語を勉強している方は最近多いと思うのですけれども、そういったいろいろなシチュエーションで活用できますので、もちろんそういった学校外の勉強においても活用ができるのではないかと考えています。
 2点目の格差のところの部分です。こちらは多分議論に関しては慎重な検討が必要だと思うのですが、なるべく我々としましてはICT、ITのツールがそういった格差が生まれることがないようなツールとして活用できる方法で、どんどん検討していきたいとは考えております。

【吉田座長】  はい、どうぞ。

【榎本課長】  お手元の資料に、このカラーのパンフレットを入れているところでございますけれども、学校のICT環境を整備しましょうということで、環境整備4か年計画というものでございます。地方財政措置によってこういったことが整備可能になるということに関しまして、分かりやすく資料として作成しております。
 その中で、字がいっぱいあるページがございますけれども、文部科学省の生涯学習政策局長、初等中等教育局長、それから総務省の自治財政局長等、それから小学校長会等、関連する行政、それから教育機関の方々にも賛同いただきながら、こういった環境整備の呼び掛けをしているところでございます。地方再生措置でございますので、自治体間の財政格差ということによる整備の格差が生じないようにということで、交付税措置を伴いながらやっているところでございますので、こういったことをやりながら、学校全体のIT環境の整備を進めているところでございますので、こういった環境がだんだん学校で進んでいくと期待しております。

【吉田座長】  ありがとうございました。

【安河内委員】  あともう一つ検討いただきたいのは、親御さんのITリテラシーによって、かなり子供の学習環境が左右されるのですね。私もたくさん高校生を教えていて、彼らにインターネットからダウンロードする教材なんかを使わせるわけですけれども、やはりこのITリテラシーに相当左右されるということは、少し頭に入れておいていただければと思います。

【吉田座長】  ありがとうございました。非常に大事な観点をいろいろ言っていただけたと思いますので、これから検討課題になると思います。
 はい、大津委員。

【大津委員】  葛城さんに端的に伺うのですけれども、このICTを学校教育ないしは教育一般に導入したときの問題点は何ですか。

【葛城プロジェクトオフィサー】  ありがとうございます。まずは、先ほど安河内委員からも御指摘がありましたけれども、先生のICTリテラシーというのが一つ課題になるかなと思っていまして、場合によってはなかなかやはり苦手な先生方もいらっしゃると思うので、そういった方々のフォローというのが一つ課題になってくるかなと。そのためにも、パンフレットの方にちょっと書かせていただいているのですが、ICT支援員というものありますので、そういった支援員の活用というのも場合によっては検討が必要と思っています。

【大津委員】 伺った理由はこうなのです。これは第2言語獲得の場合ですけれども、英語を母語として学んでいる子供の前に生中国人が現れて、その子供が中国語に何週間か触れた場合と、それから同じ中国人がDVDに現れて同じ活動をするのを見させた場合では、決定的な違いがでます。生中国人の場合には中国語の少なくとも発音のある部分についてはきちんとした獲得ができるのに対して、DVDの場合はそういうことが起きなかったという報告です。外国語学習の場合にはそういうことが起きない、つまりこういうICTの類のものでも、生同士の対面の教育と同じ効果、ないしはほぼ同じ効果が上がるというような証拠というかデータというか、そういう裏づけはあるのでしょうか。

【吉田座長】  じゃあ、葛城さん、お願いします。

【葛城プロジェクトオフィサー】  今、手元に具体的なデータはちょっと持っていないのですが、やはり最近のテクノロジーの進化がかなりすばらしいものがございまして、以前ですと多分もうface to faceのコミュニケーションに比べて圧倒的にITの方が落ちるという結果だったと思いますが、現在はかなり改善されていると思います。もちろん一番理想的な形はface to faceで直接先生の方に教わるという、これに勝てることはないとは思うのですが、かなりその領域まで近づいてきているというのは、英語学習者の方から伺っています。ただやはりそれを超えたりとか、そこに100%近付くということはなかなか難しいのかなと一方では思っています。

【吉田座長】  ありがとうございます。最後に簡単に。

【大津委員】   多分、仮にICTを利用する場合でも、インタラクティブなやり取りをするというのが、例えばSkypeの場合だったら可能ですよね。そこのところがとても重要なような気がするのですけれども、それは正しいですか。

【葛城プロジェクトオフィサー】  はい。大津委員がおっしゃる通り、やはりインタラクティブの活動が、コミュニケーション発達上も一番重要なポイントだと考えています。それはおっしゃる通りだと思います。

【吉田座長】  ありがとうございます。時間がもうあれなのですが、今の議論もかなり面白い、また非常に大事なポイントが指摘されたと思います。
 それでは、とりあえず最後の論点の指導体制について、簡単に文部科学省の方からお願いいたします。

【圓入室長】  それでは、資料の35ページ以降でございますけれども、大前提として、こちらの方はかなり細かく専門的・技術的にも御議論いただくことで、この後お時間を頂いて議論いただくと思います。この有識者会議の場ではお時間も少し迫ってまいりましたので、大所高所の御意見を頂ければということで、かいつまんでお話ししたいと思います。
 35ページ一つ目の丸は、これは小学校における英語指導に求められる指導体制の強化ということで、先ほど来から学級担任の方々の役割、求められるもの、それからなかなか少し英語で指導は難しいという意味では、外部人材の方々がいろいろな形で活動されておりますが、そのような方々でも資質・能力、例えば資格要件ということで、いろいろなばらつきがあるというお話も聞いておりますけれども、中・高にも通じますけれども、質の高い外国語活動を行っていただくにはどうしたらいいかということを、論点として列挙させていただいております。
 これについては、参考資料3-2でも、ページでいきますと56ページ以降、後で御参照いただければと思いますが、以前平成21年度に文部科学省の中で外国語活動の研修ガイドブックというものを作りましたときにも、これは学級担任の役割から入っておりますが、やはり指導者に求められることということが整理されまして、それに伴ってどのような役割を実際に果たしていただいて、ひいては次の論点につながっていきますけれども、行政ですとか研修の在り方ということが今回御議論いただくポイントになってくるかと思います。
 そういう意味で、35ページ下の丸につきましては養成・確保の在り方ということで、ポツレベルの論点は適宜御参照いただければと思います。最後の36ページにも、こちらの方は養成の話がされておりますけれども、やはりこれからは検証を含めた大学と教育委員会との一貫した教員養成の在り方ですとか、それから小中連携の話を書かせていただきました。
 最後の丸は研修ということでございまして、下の方に書いてあるポツの案がございますけれども、まず小学校で考えた場合に、現職教員の方も、現状はこれまで御説明させていただきましたけれども、その段階でどのような資質・能力の向上が必要かと。そのためにはどのような研修が内容的にも求められているのかということについて、是非御意見を頂ければと思います。
 以上でございます。

【吉田座長】  ありがとうございました。時間的には余りないのですけれども、何かこれだけ今後議論する、小委員会でもやりますので、その際にこれだけはやはり考えてほしいという点がありましたら、いかがでしょうか。
 じゃあ、松川さん。

【松川委員】  英語に限ったことではありませんが、教育においては指導者が最も重要だということはどなたも否定されないところです。したがいまして、当面は教員研修で対応するということですが、根本的には養成段階から確かな英語力と指導力のある人材を育てるということだと考えます。
 また、小学校の英語教育については、目的と目標、内容が決まらないとどのような人が指導者としてふさわしいかを決めることはできません。「このような目的で、このような目標のもと、このような内容を教える」ことを定めたのち、「指導者として誰がふさわしいのか」を考える。このように筋道を立てて議論していかなくてはならないということです。

【吉田座長】  非常に根本的な問題で、一番大事な部分を指摘していただいたかなと思います。
 髙木委員、どうぞ。

【髙木委員】  今の松川委員の話を受けまして、これはこと英語だけではないと私は思います。理科でもそうであるし、数学でもそうであるので、この会が気を付けなければいえないのは、英語ということに特化していますが、学校教育全体の中から英語教育という外国語教育というのをきちんと見ていきませんと、ある面で非常に論が偏ってしまうという、それを私の立場では常に申し上げていきたいと思っています。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 ちょっと時間的にもう迫ってしまいまして、最初の目的のところでもっと本当は詰めていかなければいけないのでしょうけれども、ある程度の議論がきょうはできたかなと思います。これからこの後、小委員会の方で、きょう、出していただいたいろいろなことについても、これから議論を深めていきたいと思います。
 それでは、今後のスケジュールについて、事務局の方からお願いします。

【圓入室長】  資料4、37ページを御覧いただければと思います。次回の御案内ですが、6月18日水曜日、10時から12時、場所は本日の会議室と同じ場所でございます。中学校・高等学校における英語教育の在り方について御議論いただければと思います。
 なお、6月4日になりますと、済みません、これは小委員会でございますが、1回目の「英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する小委員会」を開催予定となっております。
 よろしくお願いいたします。以上でございます。

【吉田座長】  ありがとうございました。
 最初にも事務局の方からありましたとおり、きょう、まだ十分に議論されていない部分もたくさんあると思うのですが、中・高の目標などについてもきちんと議論した上で、小学校から全体の一貫した英語教育について話をする際に、毎回必要なところは十分にまた御意見を伺えるようにしていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 きょうは、これをもちまして閉会としたいと思います。お忙しいところ、誠にありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局国際教育科外国語教育推進室

(初等中等教育局国際教育科外国語教育推進室)

-- 登録:平成26年09月 --