学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第5回) 議事録

1.日時

平成25年11月4日(月曜日・振替休日)14時00分~17時00分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策について
  2. その他

4.議事録

【堀川座長】  皆様、こんにちは。定刻となりましたので、これより学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議の第5回目を開催します。
 前回は10月27日で、そこから8日目ということなのですが、このような短い期間に、また遠方からお集まりいただきまして、また連休の最後の日ということもあり、本当にありがとうございます。そして、この短期間の間にもメールで御意見を頂きましてありがとうございました。
 また、後ほど御紹介がありますけれども、今回からお隣に座っていらっしゃる高橋委員さんが参加してくださいます。高橋委員さんにはこれまで日程がこちらの調整ができなくて大変申し訳なく存じておりましたけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本日は2部構成で考えております。まず初めに、前回の会議で清水委員さん、堀部委員さん、槇川委員さんのお三方から研修などの事例を発表していただきましたけれども、この「学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策について」をまず御議論いただきたいと思います。きょう配付されている議事次第には、それが2番目になっておりますが、最初にこちらを持ってきて、そして後半に「学校図書館担当職員の担うべき役割・職務について」を議論させていただきたいと思っています。これは前回配付された資料の10ページ目以降がまだ積み残しになっておりますので、後半にまた十分に御意見を伺いたいと思います。
 それでは、最初に事務局から今回の配付資料の確認等をお願いいたします。
【春山課長補佐】  配付資料の確認に入ります前に、今、堀川先生の方から御紹介がございましたけれども、改めまして本日から國學院大学久我山中学高等学校教諭の高橋知尚先生に御参加をいただきます。一言だけお願いいたします。
【高橋委員】  よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  では、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日の配付資料は、まず資料1といたしまして、前回の会議で事例発表を頂きましたが、「質の確保を図るための方策について(骨子案)」ということで4ページ物の資料が資料1ということで配付させていただいております。
 その下に参考資料ということで、これは前回配付させていただいたものと全く同じでございます。まだ修正等、前回の議論を反映しておりませんが、10ページ以降が積み残しということで、参考資料という形で配付をさせていただいております。
 また、その10ページ以降の部分で前回の会議以降に御意見を頂きました4名の方の御意見をクリップ止めで机上に置かせていただいております。大串委員、杉本委員、平久江委員、吉田委員、4委員の御意見をクリップ止めの方で配付させていただいておりますので、後半の方の御議論で御参照いただければと思います。
 また、最後ですが、前回、第4回の議事録、これも配付させていただいております。毎回のことですが、訂正や事実誤認等がございましたら、来週11日の月曜日までに事務局まで修正について、メールをお送りいたしますので、それに対する返信ということで御確認いただけましたら幸いに存じます。
 配付資料の確認は以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の会議の前半に当たります資料1の「学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策について」、これに関して事務局から説明をお願いいたします。
【春山課長補佐】  資料1ということでお手元の方に御用意いただければと思います。前回、清水先生、堀部先生、槇川先生に御発表いただきました。堀川先生の方から前回のときもございましたけれども、その後、少しお残りいただきまして打ち合わせをさせていただきまして、それを基に事務局の方で作成したものが、今のお手元の資料ということでございます。簡単に御説明申し上げます。
 まず冒頭ですが、学校図書館担当職員が近年配置が伸びているということで、小学校で言うと、平成19年が35.7%だったものが24年になると、5年間で47.8%、中学校においても同じような伸びをしておりまして、自治体の財政が必ずしも豊かではないという時代ですが、その必要性が強く認識されているのではないかということです。今年の5月現在で申し上げますと、小・中・高におきましては2万人余にこれが上っておりまして、今後もその増加は見込まれていますが、ただ一方、各学校での実態というものに目を転じますと、勤務日数でございますとか、図書館司書資格の保有状況等、それぞれに実態は異なっているというようなことで、その採用条件によりましては、学校教育一般に関することや、若しくは学校図書館の運営・管理に関することの知識を必ずしも持たずにその職に就かれているというケースもありますが、現状といたしましては、勤務されている環境の中に1人ということで、先輩となる職員が必ずしもいないでありますとか、研修等の取組というものが十分に整備されていないというようなことがありまして、全国的にその資質・能力を育成・担保する環境が整備されているとは言いがたいということが全体の前提として(1)に入る前に記載しております。
 (1)教育委員会の取組の充実ということですが、今年の5月に閣議決定されております第三次になりますが、子どもの読書活動推進の基本計画のところで、学校図書館担当職員のさらなる配置ということとともに、地方公共団体に対しまして研修の実施など、その資質・能力の向上を図るための取組を行うことが期待されるということで、そうした期待が寄せられているところです。
 こうしたことを踏まえれば、教育委員会におきましては、いかにしてその水準を維持し、資質・能力の向上を図るかということで、それぞれの教育方針や地域の実情を踏まえていただいた上で、効果的、現実的方策を立てて実行していくということが必要ということです。
 ここから具体的な方策ということでございますけれども、1ページの下から二つ目でございますが、まずは研修の充実ということで、市町村教育委員会は小・中学校、都道府県教育委員会は高校や特殊支援学校の設置者ということで、任用する立場にあるということで、その業務の効果的、効率的な実施をするために意図的、計画的に研修の機会を設定していくことが求められる。
 2ページの一つ目の丸のところですが、市町村教育委員会の場合はそうした状況でございますが、規模によりましては集合研修としてそうしたことが成り立ちにくいような規模であるというようなことも考えられるために、その方策といたしまして、複数の市町村教育委員会が合同で行ったりとか、又は広域自治体である都道府県教育委員会が指導的な立場を発揮して研究機会を設定するというようなことの工夫も期待されるということです。
 それから研修の内容についてということですが、3の(3)、これはまだ御議論を頂いていないところですので、これは今後の御議論によってまた字句の変更もあるかと思いますが、学校図書館の運営・管理的な業務に当たるための知識・理解。また、児童生徒に対する教育的な活動に携わるための学校教育一般に関する知識・理解、この二つの分野を機軸に構成することが適当でありまして、それぞれの学校図書館担当職員さんのバックグラウンドに応じて両領域が適切な受講されるように配慮する必要があるということです。
 その研修を実効性ある形で実施するためには、研修内容の程度について、ちょっとここは誤植がございます。失礼しました。「初めて学校担当職員」とありますが、学校図書館担当職員」に訂正いただければと思います。初めて学校図書館担当職員として勤務することになった者に対する、いわゆる初任者に対する研修のようなものと、それから実際に勤務を重ねていく中での研修といったものが、職務や経験、能力に応じてその内容を設定することが必要になってくる。
 その次、「また」のところでございますけれども、司書教諭等のほかの学校図書館関係教職員の方と併せて対象とした研修の企画・実施というものが学校図書館担当職員と司書教諭の相互理解、連携促進につながるということも期待できますし、また、学校図書館担当職員の方にとっては学校教育一般に対する理解を深めるという観点からも有効であるということです。
 また、学校図書館の運営・管理的な業務に関する内容については、公共図書館と協力して、そのノウハウを研修の中で生かしていただくということも考えられるということです。
 それから、学校図書館担当職員を支援するための教育委員会の体制構築ということで、学校図書館担当職員、先ほども申し上げたことと重なりますが、各学校に1人で配置されるというケースがやはり多うございます。なので、日常的にそうしたことを相談できるといった相手方がなかなかいないという現実もございますので、そうしたことを気軽に相談や助言をしたりするような窓口のような存在を教育委員会に設定することが一つの重要な取組になるのではないかということで、2ページの一番下のところから次のページにかけてですが、教育委員会において学校図書館担当職員に対してそうしたアドバイスを行うことができる体制を、教育委員会事務局担当課又は教育センターというようなところに指導主事やその他の支援スタッフの方がその任を担うことが期待される。
 それから、近隣の学校において学校図書館担当職員の方同士の情報交換や交流の場の設定ということを教育委員会がして、その場のコーディネートを今申し上げたような教育委員会の人間がする、若しくは経験豊かな学校図書館、その地域で一番経験が豊かであられるような学校図書館担当職員の方がコーディネート役を担っていくというような取組も期待されるということです。
 それから、(1)の最後ですが、業務の手引やマニュアルというものを教育委員会が作成するということでございますとか、また実例といたしましては、映像資料を用いてやるというような教育委員会、これは先進的な取組ということでございますが、そうした事例もあるということを明記させていただいております。
 (2)学校における取組の充実ということですけれども、その中の二つ目のところですが、学校図書館担当職員の方に授業を見学していただくということです。各教科の内容、目標についての知的な理解を深めていただくということですが、それを実際に見学をいただいて様子を知るということが、まずは学校においても日常的にできる取組の一つだろうということで期待できる有効な手法であるということで記述をしてございます。
 その次の「また」ですけれども、これも日常的な関わりの中でということですが、各教科や生徒指導などの各分野の担当の先生方からそうした専門的知識の伝達を受ける機会を意識的に設定するでございますとか、また学校職員として求められる服務ということで、これは教育公務員とはまたちょっと違うと思いますが、教育公務員として一般的にはどのようなことが求められるかというようなことの理解でありますとか、守秘義務といったことについて、学校管理職の先生から説明をしていただくなどの取組も期待されるということです。
 それから、校内研修があると思いますが、校内研修で学校図書館の利活用に関することをテーマとした場合には、学校図書館担当職員の方に講師を担当していただくことによって、図書館担当職員の方自身の資質向上にもつながるし、また、他校の学校図書館担当職員の方との情報交換といった場も設定するということも考えられるということです。
 それとちょっと似たようなことになりますが、学校図書館担当職員の方に参加していただいた授業を公開授業として近隣の学校に公開するというようなことも、地域としてのそうしたスキルというか、レベルを高めていくということについて効果が高いということです。
 最後、(3)ですが、国による取組の充実ということで、具体的には○の二つ目と三つ目ですが、まず二つ目といたしましては、国の観点からもそうした学校図書館担当職員の方が協力・参画した各教科における授業の実例といったものを事例収集いたしまして、それを展開していくということが普及を図る上で有効であるということと、最後、これは学校図書館担当職員の方のためだけということではありませんが、文部科学省におきまして、各教育委員会の学校図書館担当の指導主事の先生を対象といたしまして、各種情報提供や研究協議というような連絡協議会を定期的に企画・実施することが期待されるということで、こうした国からの情報発信といったものも通じて、学校図書館担当職員の先生方の資質・能力の向上ということにもつなげていくということで、現段階でこのような形で資料としてまとめているところでございます。
 説明は、ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 それでは、この骨子案についてこれから議論していきたいと思いますが、大体15時30分をめどに話していきたいと思います。そして、15分の休憩ということにしたいと思います。この骨子案ですが、(1)、(2)、(3)と三つに分かれています。そして(1)の前に三つの項目がありますが、これを含めて四つに分けて見ていきたいと思います。(1)の教育委員会による取組の充実の前までのところで御意見、御質問がおありでしたら、どうぞお願いいたします。
【吉田委員】  実はここに書いてないことについてお伺いしたいと思います。
 御存じの方が多いと思いますけれども、今年5月に不祥事が発覚しました。学校司書が学校図書館に購入した新着書を古書店に売り払って不当な利益を得たということで大変問題になったかと思います。業務に携わる者が業務の根本のことについて背任したということで、許されないことだと思いますけれども、インターネットなどで調べますと、ほかにも二つ意見が出ていたように思います。一つには、生活苦からそういう犯行に及んだということで、学校司書の勤務・雇用条件が大変低いということ一つ。もう一つは、学校司書がそういうことをしていたにもかかわらず、学校関係者が長期間何も気づかなかったという学校図書館に関する無関心さ、そういうことが話題になっておりました。
 それも質の確保を図るための方策に盛り込まれるべきだと私は考えております。今年の5月に発覚した問題、そして8月から、このタイミングで今回の有識者会議が催されている以上、ノーコメントで流されていくのはいかがなものかと思います。
 文部科学省の150億円の学校司書に対する支援でどう変わったかということで、学校司書が増えたかどうかという調査、あるいは正規雇用か臨時雇用かという調査はされていたように思いましたが、その150億円の支援によって現場の学校司書の待遇が、雇用がどのように変わったかという調査まではされていなかったように思います。
 でも、質の向上を考えるのでしたら、そういうところにも力を入れていただくべきではないかと考えております。今回の方策については、それについて触れられていなかったようですが、文部科学省としてはどのようにお考えなのでしょうか。
【春山課長補佐】  今おっしゃっていただいたとおり、学校図書館担当職員の配置がどういうふうに増えているか、隔年の調査を実施しておりますので、そうしたことですとか、常勤と非常勤の調査ということはしておるのですけれども、確かにそうした待遇というか、常勤で入っているか、非常勤で入っているかということで申し上げますれば、当然業務の深みというものが変わってくるというふうに思っておりますので、常勤ということが必ずしも望ましいということは、財政的な話になってくるので、これは各自治体が自由にそれぞれの任用を進めるという話ですので、国の方から具体的なことはなかなかできませんけれども、配置の充実ということにつきましては、地方財政への150億円の措置をされましたけれども、その通知をさせていただくときも、各自治体においてその配置の充実というものをしていきたいという話はしております。
 また、具体的な待遇ということで、不当な利益を得られたのは生活苦からということだったかと思いますが、これは、例えばほかのいろんな職種を見渡してみたときに、そこまでの言及というのが、文部科学省というか、国としてはなかなかそこまではしておりませんので、そうしたことの全体的なバランスと、それから同じ話になりますが、そこもどういった条件で任用するのかというのは、各自治体がそれぞれ限られた条件の中で設定していくという話ですので、そこについて申し上げることは、国の行政といたしましては実はなかなか難しい部分がございます。
 この報告書は、やはり文部科学省のここの報告書という形で見られるということから考えますと、そこについてはこの報告書の中で言及するのはなかなか難しいかなと思っていまして、そこは是非御理解を頂ければということで、今私は考えております。
【吉田委員】  また長くなるかもしれませんが、話させてください。私ごとですが、私も「何で学校図書館職員なんかやっているの。あなたぐらいキャリアがあれば、もっとほかの教育職を幾らでもできる。今のお給料の2倍以上稼げるじゃない。辞めたらどう」と何回も言われます。学校司書は司書資格とか教員免許とかを持った方が採用されているというような話も出ておりまして、実際そういう資格、免許を持っていらっしゃって任用された方も多いと思いますけれども、今回お話のあったように、研修をして一生懸命頑張って意欲的にやられた方が、やっぱり経済的な面で簡単に辞められてしまって、その後にまた新しい方を雇わなければいけないというのは、大変もったいないことだと思うんです。
 私の同僚でも、2校兼務どころか、二つの業務の兼任という者も結構おります。例えば学校司書は時間給での雇用が多いかと思います、非正規の場合は。でも、雇用条件はよくない。文部科学省によると、時給1,000円、1日6時間、1年35週を基本に算出されたと言われましたが、臨時職員だと、はるかにそれ以下の待遇の者が多いです。長く勤められる保証もないし、学校職員として頑張っても頑張らなくても給料は変わらない。例えば経験を重ねてベテランになって、今回、3ページ目の丸の二つ目のように経験豊かな学校図書館担当職員がコーディネート役を担う、そういう担う仕事が余分にあるのにお給料は変わらない、仕事が増えたのに余計大変になって、待遇は変わらないというような、そういう学校司書の雇用の構造的な歪みというのがあるように思います。
 本当に研修で力を入れて、各教育委員会が育て上げられた方が、簡単に教育職のもっとお給料の良い方に転職されてしまうというのは、学校図書館教育をこうやって論じられるのに、大変もったいないというか、無駄というか、そういうふうな気がいたしますので、文部科学省のお立場というのも大変よく理解できるのですけれども、何かの形で盛り込んでいただけた方が将来のためではないかということを思いました。
 あともう一つ、話はまた飛びますけれども、私、先月、図書の廃棄の手続をしておりました。理科関係の本ですと、ミリバール表記のままの気象の本、それから冥王星が惑星のままの天体の本、それからチェコスロバキアとかユーゴスラビアと書いてある地理の本、そういう本をとりあえず書名から見て廃棄してきましたけれども、正直言って、中に入っている書名からは分からない、そういう古いデータの入った本の廃棄というのは、各学校に1人しかいない学校司書にお任せでは全然進まない。それぞれ教科の専門である教職員の全体の協力がないと進まないと思うのです。でも、今回、教育委員会も学校の方の取組も研修がメインで、そのほかに余り手だてがとられていない方針のように見受けられました。いかにして学校全体が学校図書館を支援していってくださるか、そういう取組を分かるような報告にしていただけたらと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 今の具体的な手だてについてはそれぞれのところで何か提案をしていただければ大変ありがたいです。教育委員会、学校、そして国の取組の充実のところで具体的な提案があったらありがたいです。
 それから、先ほどの雇用条件の問題、これは、正直に言ってそれぞれの自治体に任せられている部分ですので、ここでなかなか盛り込むのは難しいですね。ただ、これの最後のところの部分として提言がありますので、そこでどういう文言で入れられるかどうかというのは、何か工夫ができればとは思いますが、無理ですかね。そこはまた検討ということでいいでしょうか。
【春山課長補佐】  我々もこの会議以外にも学校図書館の担当といたしましていろんなお話を伺う機会があって、今、吉田先生がおっしゃったような状況であって、なかなか勤務の継続性は難しいというお話を御意見として頂いたりしております。ただ、そのときに何が問題になるかというと、財政支出の問題になってくるわけです。ですので、これも繰り返しになってしまって私も心苦しい部分があるのですが、そこの中にどこまでどういう言及の仕方をするかというのはなかなか慎重な部分がございますので、今何かという形でお答えすることはできませんけれども、そうしたことで御理解いただければと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。まだもう少し言い足りない部分があるでしょうか。
【吉田委員】  何かの形で反映されることを期待しつつ、今回は終わらせていただきます。
【堀川座長】  それでは、また後ほど御意見を伺うことにいたしまして、この(1)の上の部分。
【平久江委員】  ただいまの吉田委員の発言に通じることでもあるのですけれども、2番目の項目なのですけれども、そこの3行目に「個々の学校における状況に目を転じると」という以下に列挙をされている項目があるのですけれども、このところの最初のところに雇用形態という文言を入れていただければと思います。
 私も学校司書の問題については、やっぱり雇用形態というのが一番大きな問題としてあるというふうな認識でおりますので、是非こういった文言も入れていただきたいと思います。
 以上です。
【堀川座長】  なるほど。ありがとうございます。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【加藤委員】  私も同じ部分で、今回質の確保を論ずるに当たって、雇用の問題に全く触れないということは難しいと思います。今お2人の委員さんが言われたように、二つ目の丸のところで、常勤であることと、司書の資格を持っていることが最低必要だと思います。今日の話し合いの土俵にのせていただけることを希望します。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
【春山課長補佐】  常勤という雇用形態、その配置を拡充するということが質につながるということはよく分かるのですが、それが常勤ということになったときに、というのは、0から100までの100の部分だけをするわけですね。そうしたことの意義でありますとか、そもそも資格をどう論じるかということで、この会議自体の性格といたしまして、自治体に対して何かの制約を設けるというものではございませんので、いわゆる緩やかな形での、こういう方法もある、ああいう方法もあるというようなことで、ここで何かしら規制を課していくとか、何かしらの具体的なものを求めていくというようなことではないというふうに思っていますので、そのあたりは基本的なところで御理解をいただいて御議論いただければありがたいと思います。申し訳ありません。
【堀川座長】  この会議が始まって、最初のところでこの会議が学校司書というか、学校図書館担当職員の養成とか資格とかを決めるものではないということは確認させていただきました。それでも、全国に学校図書館担当職員の必要性というか、重要性というのはだんだんに認識されてきています。そして、それをもっと広げたいという意図があって、そのための参考資料を作りましょうということで始まった会議で、正直言って難しいところがありますよね。だから、常勤でなくてはいけないとか、何とかの資格を持っていなくてはいけないというようなことを決めるものではなく、現在の状況を少しでも引き上げたいというような報告書ができることを、今目的としているわけで、正直なところ、難しいところではあるのですが、いかがでしょうか。
【清水委員】  確かに雇用条件を高めていくということ自体大賛成です、もちろん。しかし、先ほどお話があったように雇用条件が低いからいろいろな事件が起きるということとはちょっと違うのかなという感じがしますし、それから予算の執行状況についてきちんと管理されているかどうか、これは全てにおいて当然あるわけですので、その辺は直接的には結びつかないのかなと。結びついていないとは言いませんが、ちょっと次元が違う話かなという感じがします。
 それから、全国で一律であればいいのですけれども、いろんな雇用条件だとか、雇用の仕方が違うということがあるわけですけれども、今まさに学校図書館を活用して情報センターとか学習センター化していかなくてはいけない。そのために学校司書さんの質をいかに高めていくか、どういう研修が重要なのかというあたりを中心に今議論していかなくてはいけないのかなと思います。私はもちろん雇用条件を上げていくということは大賛成で、反対ではありませんけれども、そういった感じがします。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。門脇委員さん、どうぞ。
【門脇委員】  雇用条件につきましては、私も同じで、専門・正規というのが望ましいなとは思っております。学校司書の仕事の質がどんどん高まっていって、それで周りの人たちに、これは本当に重要な仕事だということを理解していただくことが、今できる一番大事なことかなと思います。そして、研修も充実していただいて、どんどん学校司書の質が高まっていく現実が皆さんに理解していただけるような形で、目に見える形でアピールをしていかなくちゃいけないと思います。
 そういう意味でなのですけれども、教育委員会による取組の充実というところで、島根県では、こうして学校司書を100%配置というふうなすばらしい取組をしていただいておりますが、まだ学校によっては司書教諭と学校司書の区別がなかなかつかない教員とか、そういう方も全くいないではないような状況です。ですから、学校司書が学校の中で業務が円滑に行えるような周囲への理解というものを進めてもらいたいですよ。例えばリーフレットを発行してもらうとか、学校司書は何をする人なのか、学校司書がいると何が良くなるのか、そして、その人を配置することによって、何を目指しているのかということが分かるようなリーフレットとか、そういう広報を積極的に行っていただくこともお願いしたいと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
【海野委員】  意見というよりは感想というか、先ほどから(1)の前の三つの丸の真ん中のお話も、現実的に常勤で勤めていらっしゃる学校さんもあるのがぽつり抜けている。週当たりの勤務日数という文言しか入っていないところが、やっぱり違和感があるのかなと。正規雇用になって働いていらっしゃる都道府県の自治体の中にも、そういう仕事をされている方がいらっしゃるので、その文言が入ると少し、最初から週当たりの勤務日数に該当するような雇用形態しかないのかなという印象を受けるのかなという感想です。
 あとは、前の委員の先生方がおっしゃったように、これからの在り方がPRできるような、そういった内容でお話が進んでいければいいなと感じました。
【堀川座長】  ありがとうございます。それでは、少し文言を考えていただいて、この(1)の前までのところはいいでしょうか。
 先ほど門脇委員さんの方から教育委員会の取組が一つ出ましたけれども、ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【村山委員】  これは質の確保を図るための方策とういうことで、教育委員会から研修をして司書に知識・技能を広め学校のいろんな授業を見せて、司書さんに知識・技能を高めてもらうというものなのですが、現場での実際の経験では、いろんなところで研修してきて、ああ、そうだ、こういうことをやろうと思って現場に戻ると、今おっしゃったように、全員が皆知識があるわけではないので、例えば新聞を比較読みさせたいので、図書館に新聞を入れましょうと言うと、図書室に何で本以外を入れなきゃいけないんだというような、まだそういう理解のところもあります。教育委員会や国が研修したことは、学校管理職とか、司書教諭とか、一般の各教科の教員にも知られないと、司書さんが力を発揮する場が保証されないと思うんです。
 こういう研修を受けてきた、こうやりましょうと提案できるような環境を作るためには、管理職はもちろん、各教科の教員にそういう仕事をする人がいるのだということを知らせないといけないと思うんです。そういうことが分からないと、いくら幾ら司書さんが研修を受けても力を発揮する場がない。そうすると、事例が積み重なっていかないので、相乗効果でほかの人にもということも生まれないと思います。私なども司書教諭として研修をしてきても、それを発揮できる環境を作るまでにすごく大変な思いをするので、そういう視点も全体に入れていただけたら、もっともっと働きやすい場になるのではないかなと思いました。
【堀川座長】  ありがとうございます。これはきっと1、2、3全てに入ることですね。
【吉田委員】  私も思ったのですけれども、今、方策についての骨子案の最初の丸、二つ目の丸、三つ目の丸、全部実態分析で終わっているんですね。でも、方策ですから、この実態分析を踏まえてこういう形にしていってほしいという提言を、村山委員さんが言われたように付け足していただけると、展望というものが持ててよろしいのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
【堀川座長】  済みません。それはどこに入れるという。
【吉田委員】  三つの現状分析がそれぞれにありますので、それぞれに付け足した方がよければ、そうした方がいいかと思いますし、あるいは一番後にまとめて付け足すという表現の仕方もあるかと思います。
【堀川座長】  ごめんなさい、内容としては、今村山委員さんがおっしゃった内容でということですね。
【吉田委員】  はい。
【堀川座長】  分かりました。ありがとうございます。
【米澤委員】  ちょっと視点が違う角度からなので、本当は1番の前の方でお話をしたかったのですけれども、私は現場で高校生を相手にしているときに、学校図書館で働きたいという生徒が結構います。そういったときに、やはり大学に行って司書の課程を学ぶことを紹介しますが、現状では、なかなか学校図書館の職員になる道が開けていない現状です。非正規雇用で構わない、例えばそういう形での仕事を司書の立場からは紹介をすることがとてもつらいです。
 図書館の司書の資格を取って、そこから公共図書館、大学図書館、専門図書館への道というのをまず生徒には紹介をします。ですから、司書になって学校図書館に配置されることが可能ですというような道が確立されて欲しいです。大学の先生方はよくお分かりになると思うのですけれども、司書の課程とか司書教諭の課程で学ぶ意欲ある学生が学校図書館で働くことができる環境を整備することがやはりこの質の確保につながると思います。また、今回の報告にあるのは全く学校図書館で仕事をしていない人たちが本当に手厚い形での研修を受けて学校図書館の職員になっていくという部分があると思うのですけれども、そうではない部分の、土台があって、それぞれの図書館に配置をされた上での研修という視点も必要だと思います。例えば東京都、神奈川県、島根県に配属になったときに、そこの環境での学校図書館もあると思います。市町村もあるし。
 ですから、1からではなくて、基本的な、学校図書館というよりも図書館情報学の教育を受けた人たちの研修という面も忘れてほしくはないと思います。
 ですから、どこに入れていただくかというと、やはり文科省という立場で、大学に関する部分とか、最後の国のところでもよろしいのですけれども、そういった大きな質の確保並びに道を開いていただく形を、是非少しでも触れていただけるといいのではないかと思います。
【堀川座長】  2ページの真ん中の丸のところで、「初任者向けの研修、継続的に自己の何とか」という、ここだけではちょっと足りないわけですか。
【米澤委員】  はい、もちろん配属されるのは初任者なのですが、そこに至るまでの状況が結構いろいろあると思うんですね。
【堀川座長】  そうですね。その道なんですけれども、それもまだきちんと決まっているわけではないですよね。たまたま現状としては司書の資格を持った人が学校図書館に入っているということが多いということで、国としては何もないわけで、それで司書の資格ということは出せないのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか。
【大串委員】  一言だけ。僕はいろいろなところでいろいろお話をさせていただいていて、県教育委員会でもお話をさせていただいたのですけれども、子どもの読書推進計画の第二次が出されたときに、あそこに学校図書館にいわゆる学校司書は必要だ。それはいろんないい事例を積み重ねながら配置を進めるという方向で考えたいと。そのときに文科省は県教育委員会へ出すわけですね。つまり、文科省が直接物が言えるのは県教育委員会までで、その下の教育委員会に対して文科省は何も言えないわけです。それは都道府県教育委員会の方から申し上げることですね。それは中野の教育委員会の委員の準公選のときでも東京都中野区教育委員会と文科省の関係は明確になったわけですね。
 そこで、私は聞いたのですけれども、例えば鳥取県とか、そういった県で県立高等学校の学校の司書の正規職員の採用ということで、たしかこれは僕は京都府とか、いろんなところで話を聞いて、かなりのところで都道府県教育委員会は取り組まれているわけです。首都圏は意外と、名前は挙げませんけれども、幾つかの県は余り関心がないようなのですけれども、そういう都道府県のお話を聞くと、文科省からやっぱりこういうふうに示唆があった、言われたと、はっきり言うと。それで、やっぱり取り組んでいる。それを市町村の方にも広げたいと思っていろいろと働きかけをしている。
 例えば、鳥取県教育委員会では鳥取県の県立図書館の図書館長が学校だとか自治体をずっと回られて、学校図書館にこういう職員が必要ですから、是非置くようにしてくれませんかという話さえもされていらっしゃいますね。
 それは、今お話のあったように、やっぱり初めてこういう形で就かれたという形と、あるレベルでもう就かれていて、その方の質の向上を図るという、やっぱり二段構えでどこかにもう少し記述が必要なのではないかと、私は今のお話を聞いて思いました。
 以上でございます。
【堀川座長】  今のは、2ページのちょうど真ん中辺で初任者向けの研修と、もう一つ何かいい文言はないでしょうか。「継続的に自己の知識・技能を更新して業務の質を高めていくために必要な研修等」とありますけれども、何かいい言葉を。
【大串委員】  そうですね。
【堀川座長】  また検討していただいて。
【清水委員】  先ほど村山委員がおっしゃって、やっぱり管理職とか校長という言葉が出てくると、一瞬どきっとするのですけれども、現実に温度差があることは事実だと思うんです。ばらつきがある。それから、教員も学校司書さんが入って、導入期などは研究授業とか視察のときには何となくやるんだけれども、それがふだん十分にできているかというと、そうでもないということがあるわけですね。
 ですから、そういった学校司書さんだけではなくて、管理職だとか教員の共通理解みたいなものが必要なのですが、今ちょっとお聞きしていて感じたのは、そういったもろもろのものが、このひとまず教育委員会の動き、その次、学校の動きとかという構成になっていますので、一通り見終わった段階で、ちょっと十分じゃない、不十分だというようなところを指摘していけばいいのかな。今のお話もそうでしたが、初任者向けの研修とベテランの方が採用されたときの研修は二段構えでいった方がいいよというようなことも中にはあるので、ちょっと議論を進めていったらどうなのかなと思います。
【堀川座長】  進行に関してありがとうございます。それでは、そうさせていただいていいでしょうか。
 (1)の教育委員会による取組の充実のところは、ほかはいいですか。
【平久江委員】  (1)の最初の丸のところで、これは教育委員会の取組の根拠になるようなことが書かれているのですけれども、これは平成25年閣議決定された子どもの読書活動の推進化で基本的な計画が上がっているんですけれども、平成17年に文字・活字文化振興法が選定されて、その8条には、いわゆる学校司書という表現ではないのですけれども、その趣旨の人的体制の整備ということが上げられておりますので、やはり根拠としては、その法をまず上げて、振興法の第8条において学校図書館を担当する職員の充実等の人的体制の整備(平成25年5月)というような、そういう文言をちょっと入れた方がいいのではないかと思います。
【春山課長補佐】  そこは実は、堀川先生の方からも事前に全く同じ御指摘をいただいておりまして、文字・活字文化振興法は人的体制の整備ということで少し広いので、この「資質の確保を図るための」というところだけにフォーカスを当ててないので、もう少し別のところ、例えば「はじめに」のあたりで、まだ御議論をいただいていないのですけれども、学校図書館担当職員というもので、こうした関係の法令や閣議決定等をやっぱり押さえておく必要があるのかな、そこのところに来るものなのかなという理解はしていたのですけれども、そこはまた座長の方でお預かりいただいて御相談させていただければと思います。
【堀川座長】  いいですか。
【平久江委員】  ただ、広いという御指摘はそのとおりだと思うのですけれども……。
【春山課長補佐】  別に否定しているわけではなくてですね。
【平久江委員】  ちょっと検討の余地はあるのかなというぐらいで、御検討いただければと思います。
【堀川座長】  また検討していただいて、ここに入れるか、もしかしたらほかのところに入れるということもあり得ると思います。
【吉田委員】  2ページ目の後ろから三つ目の丸のところ、「公共図書館と協力し、そのノウハウを活用することも考えられる」といって、そのとおりなんですけれども、そのノウハウというだけでは内容がちょっと抽象的な気がいたしますので、具体例を一つ二つ入れられた方が現場で活用できるかと思います。実は私も数年前に、公共図書館で夏休みに研修させてもらえませんかとお願いしたことがあったのですけれども、学校図書館は学校教育で、公共図書館は生涯教育に関わっているので管轄が違うからだめですと言われたことがあったのです。期間限定でそういうのを取り払っていただけるというのも資質向上のためにはいいかなと思いましたので、何か具体的なことを入れていただけたらというのがあります。お願いします。
【堀川座長】  ありがとうございます。公共図書館、だめだったんですね。まあ地域によって違うのでしょう。
 次の(2)の「学校における」という方へいっていいでしょうか。
 杉本委員さん、どうぞ。
【杉本委員】  先ほどの雇用に関する議論にもちょっと関わってくるのですけれども、現状で考えると、やはりまだ学校図書館担当職員がいることの必要性を訴えていく段階ということで、そういう意味では今回のこの報告書がその第一歩で、第1回か2回の会議で平久江先生もおっしゃいましたけれども、教育活動に関わる職務というものが盛り込まれてきて、それだけでも非常に大きな第一歩だったと。学校図書館担当職員がこれまでなかなか整備が進まなかった大きな原因は、都道府県や市町村によって雇用形態、勤務形態が違っているというところが大きな問題であったのだと思います。今回この委員会を第一歩にして、先ほど緩やかなというお話がありましたけれども、緩やかなところから始めて、やはり必要だ、やはり効果が上がるということを示していく中で、ある程度均一的なところへ持っていくということが大きな目的になるのだと思います。
 そういう意味でいくと、この教育委員会の中の2ページ、二つ目の丸の内容が非常に重要になってくる。現状、先ほどから出ています資格というところでなかなか難しい問題があるという中で、じゃ、専門性をどこに根拠を求めるのかとなってくると、これだけの研修を受けているから学校図書館担当職員には専門性があるのだ。ですから、専門的な職務に勤務していただきますということが言えるようになってくるという意味で、この二つ目の丸が大きなポイントになるかと思うのですけれども、ただ、そこが先ほどから出ています報告書の性質上といいますか、この委員会の性質上、なかなか具体的な内容には踏み込めないということになってくるのだと思うのです。
 ですから、たびたびこの会議の中でも出ていますガイドブックなどの中で、先日御紹介いただいたような既に研修会が充実しているところもあるわけですので、そういった事例を紹介するようなことを踏まえて、専門性を持つ根拠としてこの研修会の内容については、再度詰める時間が取れれば、こういう項目を受けてほしいという内容が、報告書本体ではないにしても、いずれかの形で示されてくると、もう少し具体的に、それが文部科学省の名の下に紹介されているということで、都道府県の教育委員会においては、ああ、こういう内容が必要なんだなということを意識した中での研修会という形が将来的には開けてくるだろうと。
 それが、ある程度例示をしたものに沿っていれば、均一的な内容で全国に広まっていくだろうというふうなことを考えますので、是非何らかの方法で、箇条書きでも結構ですので、もう少し具体的な研修の内容が盛り込まれたものがどこかで出せるといいなと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。研修の内容を具体的に検討するまでにはいかないかもしれませんけれども、事例は是非出したいと思っています、またそれは検討の余地がありますが。
【堀部委員】  先ほども少し話題に出たのですけれども、「教育委員会による取組の充実というところでは、白丸の二つで方向性を示しながら、次に学校図書館担当職員を対象とした」というふうに入っているのですけれども、やはり学校管理職に向けた啓発とか説明というのがあった上で、担当職員に向けた研修というところにつないだ方が、もう一つの話題、先回まで進めてきた「担うべき役割・職務」についても、管理職の視点からというところ、やっぱり学校経営ですよね。その中で学校司書、司書教諭の活動を後方支援、サポートできるような体制を作るという点では、その説明の機会というのは非常に大事かと思います。本市でも司書教諭といわゆる司書との違いという部分については混同されて捉えられているところがあるところですので、これはやはり行政レベルで学校管理職に向けた発出、啓発が必要かと思います。そういうところが校長としての教育課程の管理者としての責務というところも見えてくることにつながるのではないかというのが1点です。
 それから、これは3ページになりますか、最後の白丸の捉えで、例えば担当職員に向けて業務手引あるいはマニュアルというような形で示されていますけれども、教育委員会レベルというんですか、地域に即したというところからすれば、ガイドブック的な部分、あるいは図書館概要というんですか、例えば横浜は500校学校図書館があるわけですけれども、それぞれの学校図書館がどういった建物設備、施設であるかということですとか、どういった活動をしているかというのが、案外見えるようで見えていない、こういった部分が、ガイドブック的な部分がいいのか、実践事例集、下の方に国の取組というふうに書かれていますけれども、そういったものがいいのか、それはちょっと結論としては出せませんけれども、そういった視点でのガイドブック、図書館概要を含めた部分も有効であると思います。
 それから、「映像資料により」というところでは、メディア活用の有効性というところで、ホームページ、インターネット等を活用したネットワーク、情報提供のサイトの有効活用というようなところも押さえられると行政としての具体的な支援という形につながるのかなと思いました。
 あと、2ページにさかのぼると、研修のところでは、児童生徒に対する教育的な活動に携わるための学校教育一般に関する知識・理解、この部分というのは、やはり外せないところだというふうに私は考えます。例えば人権教育に関する視点ですとか、特別支援教育、一人一人に応じたというところでは、そういった側面も本当に落とすことはできないところであり、その側面も少し内容として盛り込める、これは具体的に教育的な活動支援で見えてくるのかもしれませんけれども、個に応じたというところを少し強調していただければありがたいなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 加藤委員さん、どうぞ。
【加藤委員】  今話がなされているのは、「学校図書館担当職員」を支援する体制ですが、「学校図書館担当職員」というと、司書も司書教諭も係教諭もみんな含まれるので、混同を避けるために「学校司書」と言わせてください。
【堀川座長】  2ページの下から二つ目の丸ですね。
【加藤委員】  はい、これから全部に関わるのですけれども、1人職種であることが多いということで、いろんなことを相談する窓口が必要だということが書かれていると思います。二つ目のところで、じゃ、そういう窓口になる、あるいは助言を行ってくださる体制として、教育委員会や教育センター、そういうところが窓口になることの有用性が書かれていると思います。そのときに、教育委員会や教育センターに図書館の専門家、相談するに足りるスタッフの方が必要になると思うんです。1人職種だから、誰でも相談する人が必要だというのではなくて、図書館のことが相談できる人、現在はそこは大変弱い部分だと思います。その人というのは、その人みずからが図書館を利用したり、資料を活用したりする、そういう楽しさを知っている人であり、そういう授業を経験しているという、そういう人という方がそこにおられて相談できるということを何かの形で書かれることが必要だと思います。
 3ページ目の最初の丸になるんですか、今の続きになるのですけれども、司書同士の情報交換や交流の場、これが大事だということが書かれていて、これは本当に同職種の横のつながりとか学び合いというのは大変必要なことです。ここで気になりましたのは、学校図書館担当職員同士の情報交換や交流の場として終わっているところが気になりました。そこを是非同諸種の研修会、私たちは学校司書の研修会というふうに言っていますけれども、こういう同職種の定期的な研修会、これが必要になってくると思います。
 (1)の中のどこで表現できるのか悩んで提案し切れないのですけれども、学校司書の資質とか能力というのは、利用者に使われて伸ばしてもらう要素が多いので、やっぱり使われる図書館、学校の中で図書館が使われるということ、その中で資質とか能力を伸ばしていく、そこの部分の大切さがあると思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。どういうように工夫して文言を入れていけばいいかというところですが、槇川委員さん、どうぞ。
【槇川委員】  先ほどの管理職についての堀部委員とほぼ同じ意見ですので結構です。
【堀川座長】  先ほど堀部委員さんが指摘してくださったような管理職に向けた啓発とか、そういう見出しがあるといいですね。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。(2)、(3)も含めて御意見をお願いいたします。
【吉田委員】  ささいなことですが、3ページの先ほど言われた一つ目の丸、情報交換や交流の場を設定すると言われましたけれども、この情報が発達した時代、そういう場だけではなくて、データ共有みたいな、ちょっとうまく言えませんが、交流の場だけではなくて、そういうITの面も挿入していただけたらと思います。
【堀川座長】  その辺は文言を、知識や技術の共有みたいな、先ほど研修会という言葉もありましたが、この辺は工夫していただきましょう。ほかにはいかがでしょうか。
【林委員】  先ほどから研修というお話が出てきているところですが、2ページ目の下から四つ目の丸にも関わってくる内容について、いわゆる学校司書の方以外の管理職も含めた教員が、学校図書館担当職員のあるべき業務内容等を理解する場を設ける必要があると思います。
 もしそのことを強調するような形にした方がよろしいのであれば、悉皆研修のような形で必ずそういったものも受けなければならないような部分を設けていくことによって、業務に対する理解がさらに深まるのかなという感じがしています。
 併せて、3ページ目の下から二つ目の丸ですけれども、学校内における研修の一部について学校図書館担当職員が講師を担当するというような文言がございますが、このような活動を通じてその他の教員が学校司書という仕事を理解する場を各校が設定することも必要と考えています。
【堀川座長】  ありがとうございます。管理職とか学校全体の先生方、教員に向けたメッセージが必要ですね。ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【平久江委員】  これは(3)あたりに関わるのかどうか、なかなか難しくて判断がつかないところでもあるのですけれども、この全体の報告書の中で私立学校の学校司書についての言及がなされていないんですね。私立学校というのはかなりばらつきがある。むしろ公立よりも大きいぐらいかなというところを考えますと、私立学校の図書館担当職員、いわゆる学校司書さんの配置や充実への働きかけというような文言が(3)あたりに入れられないかと。何らかの形、ここはいろいろ問題があるのかどうか分からんのですけれども、それはやっぱり必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
【大串委員】  4ページの一番後の「国による取組の充実」のところなのですけれども、これはもう一つ別に設けた方がいいのかなと思うんです。これは個人的な意見なんですけれども、実は私も文科省の協力者会議で2005年の図書館像という地域電子図書館構想検討協力者会議の報告書を作った後に、文科省に申し入れをしたんです、委員たちが。それはどういうのかというと、要するに司書の新しい技術的な分野での養成をこれからどんどん進めないと、公共図書館は時代に遅れると。それで、文科省でそういうカリキュラムを作って、全国で標準を示して、それで研修を進めるという体制をとったらどうかという申し入れをしたのですけれども、文科省の御担当の方が全く新しいことなのでよく分からん。だから、まず先生方の方でそういったカリキュラムを作るような、そういった取組を進めていただいて、それでそういったものを文科省が行っている地区別の司書の専門研修であるとか、そういった中で生かしていきたいと、こういうお話だった。
 それで、たしか慶応大学の糸賀先生を中心に、何年間でしたかね、5年間やりました。そういう研究者たちが集まって実際に司書の人を集めて講習会をやりまして、それで地方別でも幾つか、北海道とか高知とか長崎とか鳥取とか、そういったところもやったのですけれども、やっぱりこれだけ学校図書館の事務職員のことについてはたくさん人がいらっしゃるので、学会というわけにはいかないと思うんですけれども、そういう方々、学識経験者なんかも集まってカリキュラムの開発と標準化みたいなことをあるところでやって、それを全国に示しながら、それぞれの教育委員会で取り組んでいただくような、そういった仕組みをどこかに作る必要があるのではないかと個人的には思ったんです。
 それは国による取組なのか、それとも(4)のその他の関係団体の協力みたいな形があるのか分からないのですけれども、そういう学会とか、いろんな関係者に呼びかけをして、そういったものを作っていくような試みをしたらいいんじゃないかというふうに、これはちょっと思ったところでございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。難しいですね。カリキュラムの開発となると、あるべき姿がきちんとないといけないわけで、正直なところ、そこまで議論を深められればいいのですが、ここの会議ではそこまではちょっとというところがありますね。難しいところだと思いますが、この辺は検討していただくということでいいでしょうか。
 先ほど私立学校が出てきたのですけれども、やっぱり特別支援学校なども学校図書館の状況は違うと思いますので、何か一つ入るといいかなと、今個人的には思いました。その辺も検討していただければと思います。
 ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【真鍋委員】  (3)の丸の二つ目、実践事例集の作成に関するところです。この書き方では、「学校図書館担当職員の配置は増加しているけれども、授業への協力・参画にまでは至っていないので、事例集を作成する」というふうに受けとめられるのですが、そう書くよりも、むしろ「学校図書館の利活用をより進めるために、実践事例を作成する」としてはいかがでしょうか。
 といいますのも、今後新しく学校図書館担当職員を置く学校にも参考になる報告書ということですから、これまで会議室とか倉庫のような段階だった図書館を、これから図書館として機能させていくのに、いきなり授業に参画してくださいと言われたら、学校図書館の整備であるとか、資料の管理であるとか、そういった根本的なことがしっかりできないまま、何だか本末転倒になってしまいそうな気持ちがしましたので、そのようにしていただけないかと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。この辺も、じゃ、授業の事例だけではないというところを入れていただきましょう、利活用。
【吉田委員】  三つお願いと質問がございます。
 一つ目は、(2)の学校における取組の充実に、「全職員による学校図書館支援体制の確立」というような項目を入れていただきたいと思います。先ほど倉庫のような図書館と言われましたが、その倉庫のようなところから、本当に使える図書館にするためには、学校司書1人ではなく、学校全体に支援していただかないと大変だと思っております。蔵書点検のことなどもそうだと思いますので、新たに項目を立てるか、それとも何かの形で入れていただけたらと思いました。
 二つ目、(3)の国による取組の充実で、丸の2の文部科学省が収集して実践事例集を作成し、全国の学校や教育委員会に普及することが有効であるとございますが、既に文部科学省のホームページで実践事例集的なものはもう作成済みでいらっしゃいますよね。それと、文部科学省の支援というか、後援ですか、それによって東京学芸大学のホームページも作られている、そういう実践事例集につながるものも使われていると伺っています。報告書を読んでいますと、実践事例集という、何か本、冊子のようなイメージを持たれると思いますけれども、もう既にそういうリアルタイムの実践事例的データ集がありますので、本にするのも結構ですけれども、そういうホームページがあるということを宣伝して広く周知していただける方向も進めていただけたらと思います。
 あと、この方策について、(1)が教育委員会、(2)が学校、(3)が国という順番になっています。素人考えとしては、教育委員会、学校、それから大きくなって国という順序に違和感があるのですが、それには何か意図がおありなのでしょうか。
【堀川座長】  その点は、どうでしょうか。
【春山課長補佐】  その前に事例のところなのですけれども、確かに事例を23年、24年と提供してきたとか、あと、子どもの読書情報館でも表彰された取組が出ているのですけれども、各校図書館担当職員の方の活動ということに必ずしも着目されていない書き方になっているので、ちょっとそこはもう少し考えなければいけないかなと思っていますけれども、確かにそうしたことの周知というのはおっしゃるとおりだと思いますので、ありがとうございます。
 それから、順番は学校教育ですので、これは基本的に設置者管理主義で、教育委員会が公立の場合は主体です。それを実際学校でやってということで、国は離れた立場からそれを支援する立場ですので、やはり主体は教育委員会と学校ですので、そうした順番にさせていただいています。
【吉田委員】  分かりました。ありがとうございました。
【堀部委員】  三つほどお話ししたいと思います。1点目は、(2)の学校における取組の二つ目の白丸で、これは大したことではないのかもしれませんが、実際の授業見学というところが、学校現場からすれば、授業を見学という言葉がこなれないというか、参観の方がいいのかなと思います。
 2点目は、これは(2)に触れられているのかもしれませんけれども、関係機関との連携という中で、学校司書のスキルアップという点では、これは業務との関係もありますけれども、保護者や地域の教育力を使ったスキルアップも考えられると思うのです。具体的にそうした機会を持つということで、地域の実態を把握したり、活用に向けてのヒントを得たり、そういったところもスキルアップにつながるのではないかと思っています。地域の文庫活動ですとか、横浜ですと、市民図書室の活動ですとか、そういったところへのアンテナの張り方も必要になってくるのかなと思いました。
 3点目ですが、これは4ページの国による取組になるのか、ちょっと判断がつきかねますが、民の力をかりるというところでは、例えば民間の読書活動推進団体ですとか、全国的な読書活動の推進団体、そうした活用を図るというところも出やすい環境を作るという一つの啓発になるのではないか。実務はもちろん、知的な情報も含めて、かつ新たな情報を全国的な視野で、あるいは地域の実態として進められているというところへの出やすさ、そういう点での啓発も進められるといいのかなというふうに思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。それはどこに入れるかというのは、学校か、教育委員会か検討を。
【堀部委員】  そうですね、どこかで。
【堀川座長】  検討する点がたくさん増えましたけれども、ほかの委員さんはいかがでしょうか。
【加藤委員】  (1)のところで3ページ目の最後の丸のところの業務の手引やマニュアル、これを作ることが有効だというふうにありまして、是非この手引やマニュアルというのが、学校司書のためだけの手引やマニュアル、例えば基本的な分類とか、それから貸し出し方法とか、そういうものに終始するのではなく、学校全体に発信できるマニュアルが今求められているのかなというふうに思います。例えば学校図書館を活用したら、どんなふうな学びが展開できるのかということが、学校全体で共有できるようなマニュアルが望ましいのではないかと考えます。
 (2)の学校における取組の充実の中の4点目ですけれども、学校司書の校内研修への参加です。前回のときに、司書が職員会議に参加するというところと通じることなのですけれども、今回のこの文章を見ると、学校図書館の利活用に関することをテーマにしたときには、学校司書はこの校内研修に参加することが望ましいというか、したらいいというふうに読み取れるんです。学校司書もやはり学校の職員の一員として校内研修には参加をして、今、学校の中でどんな授業が行われているのかということ、そういうことを常に学んでいくことが必要だと思いますので、学校図書館に関係あるときだけではなくて、校内研修に参加することは必要だと思います。
 ここの丸のところで、「また」ということで、その後「学校図書館担当職員との情報交換・交流の場を設定する」というのが同じ文章の中で書かれているのですけれども、校内研修に参加することと、それから学校司書同士の情報交換、交流の場を設定するというのは別のものだと思いますので、二つは分けた方がいいのではないかと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。先ほどの3ページの業務の手引やマニュアルという点では、先ほどの堀部委員さんのガイドブックというようなところと共通するものですね、図書館の概要とか活動とか。
 それから、今の校内研修、一職員として校内研修に参加するという、そうした面も必要ですね。そして、今の3ページの下から四つ目のところでは、先ほどの見学ではなくて参観という言葉がありましたが、これもあって、なおかつ一職員として校内研修に参加する。この下から二つ目のところは利活用に関することをテーマに取り上げる場合は、講師を担当させるという文言ですので、これはこれでいいですね。
【加藤委員】  はい。
【堀川座長】  あとは、交流とかの場は、3ページの上から二つ目のところにも書いてありますが、この辺、もうちょっと充実させる必要があるでしょうか。この辺を修正した後で、また御意見を伺いたいと思います。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。
【門脇委員】  今の加藤委員のお話にも通じるところがあるのですけれども、(2)の上から二つ目の丸のところです。日常的な教育活動の中で取り組む、そういう授業にどんどん見学したりして参加していくことを促していくと効果的ですよということが述べられています。校内研修にしてもそうなのですけれども、校内研究授業も同じで、本を使わないとか、あるいは図書館とは関係ない校内研究をしているという場合は、図書館のスタッフがそこに参加できないといったような場合もあったりするのを耳にします。教育スタッフの一員として校内研究授業あるいは研究討議の場に参加させていただけるような、そういう道が開けていくといいなと思います。
 「学校図書館担当職員の担うべき役割・職務」の「関係者と組織について」のところで、研究主任という文言は抜けていたのですけれども、校長先生、教員、司書教諭、図書館司書に学校図書館担当職員だけではなくて、研究主任も研修だとか、研究授業に関わるような学校図書館に影響力を持った方ですので、組織の中の文言に入ってくるといいのかなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。検討させていただきます。
【高橋委員】  先ほど学校図書館支援体制の確立ということも御発言がありましたけれども、学校図書館の校務分掌、図書館部などに学校図書館担当職員が参加というか、名前を入れるというようなこと、学校内の組織をきちんと形成するということをもう少し加えて、そして、その中に担当職員、学校司書も当然のように入るということを是非入れていただきたいと思います。
 それと、全体的に学校における取組の充実というところが、担当職員の資質のことなのでしょうがないのですけれども、学校図書館担当職員にだけちょっとクローズアップされ過ぎているかなという全体的な雰囲気がありますので、先ほど管理職の話もありましたし、この文面の中に司書教諭という言葉が一言も入っていないのもちょっと気になってはいるのですけれども、今の研究主任のこともあります。そういうほかの部署の専門家たちといいますか、役職の人たちの字句が少し入っていると、もう少し意識してもらえるんじゃないかなという気がいたしました。今見ている限りだと、本当に管理職という大まかな言い方と、学校司書本人だけがここに載っかっているという感じがちょっとしております。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。これだけじゃ足りないですねという、もうちょっとそういう視点から見直したいと思います。
【門脇委員】  それに併せてなのですけれども、予算のことですね。図書館を整備していくとか、本を購入していくというようなときに、事務の先生の理解も必要になることがありまして、事務の先生の協力も仰ぎたい。それから、やっぱり連携していきたいという意味で、そういう文言も入っていくといいなと思っております。
【堀川座長】  ありがとうございます。会計に関しては司書教諭ではなくて、事務担当の方と折衝することもあるわけですね。学校全体の理解を得ることが大切ということで、もうちょっと考えたいと思います。ほかの委員さん、いかがでしょうか。
【清水委員】  いわゆるこういう文章にまとめていくときに、もちろん当然なんですが、あれもこれも入るのがベストなわけですけれども、なかなか言い尽くせない部分もあるのかなというふうに思うんです。先ほど各委員がおっしゃった業務の手引やマニュアル、これも教員に対して、管理職に対しても当然あるわけです。やはり学校や区市の進行状況によっても内容が変わってくるというふうに思いますので、先ほどおっしゃったようなことは当然入ってくると思うんですね。
 そういう意味で言うと、ちょっと適切な言葉は見つかりませんが、進行状況によって業務の手引やマニュアルもリメークされていくわけですので、どこまで述べるのがこの報告書としてベストなのかというあたりを、ちょっとお聞きしながら迷うところであります。
【堀川座長】  ありがとうございます。全くその辺は悩ましいところであると思います。
 3時半になりましたけれども、そろそろ休憩をとりたいと思いますが、ほかの委員さんはいかがでしょうか。前半の方策についての議論、一応ここで終了でいいでしょうか。
 また、これは12月に皆さんに修正したものをごらんいただいて、そしてまた御意見を伺うということになります。
 きょうの議論としてはこれで一応前半は終了させていただくということで、15分の休憩をとりたいと思います。45分から再開ということでいいでしょうか。前半お疲れさまでした。
( 休憩 )
【堀川座長】  それでは、再開させていただきたいと思います。
 後半の議論は、先ほども申しましたように前回積み残しがありました、10ページ以降、間接的支援以降のところです。ここ以降、10ページから13ページについてクリップでまとめてある御意見を頂いておりますので、簡単に二、三分で済みませんが、そういかないでしょうかね、御自分の御意見のポイントを説明していただければと思います。
 大串委員さんから順でいいでしょうか。それとも順番を変えましょうか。
【大串委員】  そこは御判断を。
【堀川座長】  休憩時間前にそれをお伝えしておくべきだったのに、申し訳ありませんでした。
【春山課長補佐】  本日クリップ止めで配付させていただいた意見のほかに、前回、加藤委員に御用意いただいた意見もこの10ページ以降のところだと御理解してよろしければ、加藤委員の方からも、この前回資料の方に入っておりますので、併せてお話しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございました。うっかりしておりました。加藤委員さんの後ろの……。
【春山課長補佐】  前回資料、毎回ごとにクリップ止めで挟んでおりますので、座席表を除いて一番後です。
【堀川座長】  それでは、加藤委員さんが一番初めに出してくださったということで、加藤委員さんからいきますか。
【加藤委員】  前回少し話をさせていただいたので、それに加えてそんなにはないのですけれども、今回提案の方では、学校司書の仕事について間接的支援に関する職務、それから二つ目として直接的支援に関する職務、そして三つ目として教育指導への支援に関する職務のこの三つに分けて司書の仕事を分類して書いてくださっています。私は自分がしている仕事がこの三つになかなか分け切れないので、部分的な修正も試みたのですが、うまく入り切らないので四つに分けて職務を考えました。
 何が入り切らないかというところなのですけれども、それは最後の教育指導への支援に関する職務という、この部分はとても重要なのですけれども、教育指導への支援というときにも、やはり自分の学校司書としての関わりは、この中でも提案の言葉で言うと間接的支援があり、直接的支援があるんです。それで、うまく分けられなくなったので四つにしました。
 どういうふうに四つにしたかというと、提案に書いているように、まず一つは、「学校図書館を学校教育に生かす経営・管理の職務」というふうにまとめて、学校図書館というのは何かという経営・管理の部分、骨格を作る部分を一つまず分けました。
【堀川座長】  済みません。大変申し訳ないのですが、三、四分でお願いします。
【加藤委員】  はい。
 あと、教育に関わる部分は、私が学校司書として図書館サービスとして授業に関わるのは日常茶飯にありますので、どの学年でも、どのクラスでも行うという「図書館教育の展開への支援と協力」という、この部分を考えました。ここでは図書館教育部会の組織で話し合って、今子どもたちに図書館教育というものは何が必要かというところを話し合う部分です。
 以上です。
【堀川座長】  急がせて申し訳ありません。加藤委員さんの御提案です。ここでは四四つに分かれています。
 次に大串委員さん、いいでしょうか。
【大串委員】  私は、以前どちらかからお話のあった、いわゆる情報に関するいろんなサービスについてもう少し書く必要があるのではないかという意見もあったので、だから、11ページ目の間接的支援の情報サービスで、ここでレファレンスサービスとしかないのですけれども、やっぱりこれからのインターネットですとか、オンラインデータベースを使うのでしたら、特に高等学校とか、そういったところでは、情報検索サービスという言葉も欲しいし、それからここにちょこっと書いてあるだけなのですけれども、他の情報機関への照会・案内というのも、やっぱりもうちょっときちっと、例えばレフェラルサービスとか、そういう言葉で書いた方がいい。それを説明するのが、後の方の説明で、特にこれは読んでおいていただければいいと。
 それで、一番後の「求められる資質・能力」の中にも、運営・管理のところになると思いますけれども、そういう情報検索に関する知識だとか理解ということもやっぱり文言として一言入れておいていただかないとまずいのではないかということでございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 それでは、次の方、杉本委員さん。
【杉本委員】  では、お願いします。
 僕は、(3)の「学校図書館担当職員に求められる資質・能力について」という、このページがやはり非常に重要なのかなというふうに思いました。それまで様々職務について詳しく、ただ取りようによっては例示的な、こういうこともできる、こういうことも可能だというふうなことを述べてきた後で、ここでそのものずばり[資質・能力について]ということでまとめているのかなというふうに読みましたので、この部分をもう少し分かりやすくする方法はないかということで考えました。
 ここで資質・能力が求められるので、この後、先ほど議論された方策へというふうなところですから、このページを見ただけで、ある程度この委員会で話されている内容が集約された内容になってくるといいのかなというふうに捉えています。
 そのために、一つここで、前回まで盛んに話し合いがされました専門性という部分で少し伝わる書き方ができないかと。そのためには、求められる資質・能力というものを全て同一に考えるのではなくて、ベーシックになる部分、これだけはという部分と、発展的にこの部分も期待していきたい、要するに不可欠な部分と期待される部分というふうなこと、そこまではっきり書けない部分はあるのかもしれませんけれども、読む中で伝わってくるといいのかなということを意識してまとめさせていただいております。
 前半部分が、すなわちこれが学校司書の専門性に当たる部分、後半部分は、そこから今後先生方のスキルによって求められていく部分というふうなとり方で、裏を返すと、基本的な内容として求められている部分が司書教諭の専門性にもつながってくるのかなというふうに解釈をしています。
 やはり司書と名がつくからにはレファレンスであり、ガイダンスであるという内容を、この部分で盛り込むことも必要なのかなというふうなことで、このページの中ではっきりこれが学校図書館司書の専門性であるとは言いませんけれども、この求められる資質・能力を見る中で専門性が伝わるような書き方ということを意識して、前半部分を少し表現的に強くしていくといいのかなということを感じたので、そういった方向でまとめたものです。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。前のものから発達段階に応じた読書指導の方法だけをまた取り上げてというか、上の方に持ってきて不可欠というような文言で書いてあるようです。
 それから、平久江委員さん、お願いします。
【平久江委員】  これは意見と提言からなっているのですけれども、提言の方、変更部分はすぐ分かりますので、意見の方について若干説明させていただきたいと思います。
 これは、今御発言いただいた杉本委員と、前回の会議の後、いろいろ専門性について話し合って、そんなことがあって書いたものです。
 やっぱり学校司書を専門職というのは、これは難しいわけですね、現状で位置づけるのは。しかしながら、やっぱりある種の専門性を持った職務としてやっていく必要があるというふうに考えておりますので、その辺が明確になるような形で論理構成をしていく必要があるのかなということでちょっと書いたものです。これは2分ぐらいで読めるのではないかと思います。読んで分かるような形で書いたので、ちょっと読むような形で発言させていただきます。
 本まとめでは、学校図書館担当職員について、「学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務」を担当するとして、学校司書が専門性を有する職務を担当することを明示した意義は大きいのではないかと考えております。ここで中黒であります専門・技術ということは、アンドの意味で用いられており、専門技術的職務と解釈できるのではないかと考えております。
 また、まとめでは、学校図書館司書が担当する専門技術的職務の遂行に必要な資質と能力として、学校図書館の運営・管理的な業務に当たるための基本的知識を明示しております。ここで「基本的とは」というのは前回御発言もあったのですけれども、実質的には最低限というふうな意味合いだと思うのですけれども、ただ、やっぱりここでは主要なとか、中核的というような意味合いで解釈するのが適切ではないかというふうに考えております。
 したがいまして、これらの点から、本まとめでは、学校司書の専門性の根拠となる基本的な枠組みを提示しているのではないかというふうに理解しておりますので、この部分というのは非常に大事な部分ではないかと13ページの記述を考えております。
 また、会議の議論の中では、先ほど御発言いただきました杉本委員と私も若干発言しているのですけれども、学校司書の専門性に関するこれまでの発言から、学校司書の専門性を担当する職務内容から定義づけることが大まかな方向性として示されてきたのではないかと考えております。
 しかし、学校司書の専門性の内実となる、その職務構成の詳細については、小・中・高の校種ごとに検討する必要があり、報告書に記載するには限界があり、ハンドブック等で別途提示するのが良いのではないかと考えております。
 ただその一方で、本まとめ、この報告書では、専門技術的職務の遂行に必要な資質・能力として、単に基本的知識という文言を上げてありますので、これは若干説得力に欠けるのではないか。学校司書の専門性の考え方とやっぱり矛盾するものではないかということで、また、用語の一貫性というところもちょっとありましたので、13ページのところに幾つかの点というものを修正点として赤字で示しております。
 特に基本的知識ではなくて、やはりこれは基本的知識・技能という形で捉えていることが必要ではないか。それから、単にそれを知るだけではなくて、これらを職務の遂行に適切に活用できるというようなことが入りますと、やっぱりそこに専門性の一つの根拠が出てくるのかなというふうに考えております。あとは語句の訂正のような形になっております。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。語句の問題は、また後ほどということで。
【平久江委員】  もう一点、済みません、大事な点で。これは(3)になっていますけれども、本来(2)に置いておくべきで、これを踏まえて細かい職務について具体的に例示するというふうな考え方の方が報告書としては一貫しているのではないかというふうに思います。
【堀川座長】  だから、順番を逆にした方がいいのではないかという御意見ですね。
【平久江委員】  そうです。
【堀川座長】  その辺もまた検討させていただきましょう。
 それでは、吉田委員さん、お願いします。済みません、語句の問題、細かくはまた全体で意見を言うときに見ていきたいと思います。大まかに、説明は難しいですね。
【吉田委員】  この資料が間接的、直接的、学習支援の三つに分けられていますが、加藤委員さんが言われたように、これ以外の分け方もあると。ただし、そこまで議論してやっていては、とてもとても報告書をまとめるような時間がなくなってしまうと考え、この分け方を生かして変更を提案したということです。
 大きいかぎが要目、ひし形四角が綱目、黒点が細目というような順番になっていたかと思いますけれども、正直言って司書教諭の役割がこれは多いだろうというもの、あるいはこれは学校司書がメインだけど、これに関しては全校体制の担当者がメインだろうと思われるものもありましたので、先ほどからほかの委員さんとも相談していましたけれども、この項としては、大きい括弧の要目と、四角の項目までで、またハンドブックにまとめるとおっしゃいましたので、細目はそちらのハンドブックの方に移して、学校司書の役割とか協力とか、あるいはそこの学校の実態に応じて第1段階、第2段階、第3段階と分ける形でハンドブックをまとめていただけるようになった方がよろしいのではないかなと思いました。
 全体的に細かい語句のことになりますので、またそれはごらんください。
 あと、一番後に学校図書館担当職員に求められる資質と能力についてですけれども、学校図書館に関わる専門性といったら、やっぱり図書と図書館資料についての専門性が学校司書というか、司書にとっては大切だと思いましたので、資料と図書に関する項目を二つ追加させていただきました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。(3)の資質・能力についてと、それから職務の方と大きく二つに分けてありますが、平久江委員さんからは順番を逆にした方がいいのではないかという御意見も頂きましたが、まずはこのページとして、前に配付された10ページからの部分を検討していきたいと思います。
 先ほど加藤委員さんも、それから吉田委員さんも分け方について、加藤委員さんはどういうふうに分けていいか分からない部分がある、御自分の職務についてどこに入れていいか分からない部分がある。吉田委員さんは、そうではあるけれど、この分け方でいきますよということで発言してくださいました。私の方も、そこの分け方については、議論なしに皆さんの中にお出ししたという経緯というか、事実がありますので、もう一度そこのところを確認させていただきたいと思っております。1の直接的支援、2、間接的支援、そして3、教育指導への支援という三つに分けてあります。そして、この前、事例を報告していただきました清水委員さんから、この前の配付の資料2-2なのですけれども、皆さんのお手元のファイルの中で3ページに「学校司書の役割と活動」という表があります。それがとても分かりやすく学校司書の職務が分けられているように思いますが、それにはAの総括的活動、Bの技術的活動、Cの奉仕的活動、Dの教育支援的活動というふうに分かれていて、こちらで言う間接的支援がAの総括的活動も含めて、Bの技術的活動、そして、Cの奉仕的活動が直接的指導、Dの教育支援的活動が教育指導への支援というように分かれています。このことについてちょっと御意見を伺いたいのですが、いかがでしょうか。
 個人的には管理・運営という面が間接的なものに入ってしまうと、ちょっと見えづらいというか、学校図書館担当職員の職務としてこういう三つに分けていいのかな、そして司書教諭も含めて学校図書館に関わる者として、こういう三つの分け方でいいのかというのをもう一度委員さん方に問い直しをというか、確認をさせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 清水委員さんが出してくださった「学校司書の役割と活動」を参照しながら見ると、10、11、12のところでやっぱりちょっと足りないところもあるかなという気もするのですが、いかがでしょうか。
【真鍋委員】  前回からお話をしていて、新しく担当職員になった方や、今日のお話にもあった学校の職員の先生方、周りの先生方皆さんに理解していただくのにどうすれば分かりやすいかなと考えたのですが、私自身がこの報告書の大きな3番、学校図書館担当職員の担うべき役割・職務あたりが少し分かりにくいなと思うのは、いろいろな分け方が順番に出てきて、それが分かりにくいのではないかと思うからです。
 具体的に申します。資料が戻りますが、まず8ページの学校図書館の職員の役割・職務については、学校図書館について三つの機能がある。「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」という言葉が出てきます。そしてその次に、10ページから学校図書館担当職員が担う標準的な職務で「間接的」、「直接的」、「教育指導に関する職務」ということで、また新しい言葉が出てきます。さらに13ページになると、今度は求められる資質・能力で、「運営・管理的な業務」、「児童生徒に対する教育的な活動」というふうに次々新しい言葉が出てくるので、それが物すごくたくさんのことなのか、同じことを示しているのかというのが大変分かりにくいように思いました。
 先ほど平久江委員が、この3番のところを2番として示して、その後で今の10ページからに当たるところを分かるようにしたらというのを聞いて、私はとても納得がいきましたし、そのように言葉を統一していくというか、前に出てきた言葉を補うような形で説明された方が、新しく担当になられた方や学校の職員の先生方に分かっていただけるのではないかと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。確かに13ページの方は、管理・運営的な業務と教育的な活動に携わるという言い方の二つに分けているのですが、順番についてはまた検討させてください。
 前回の配付資料、今回も同じものが配付されていますが、10ページのところで間接的支援の中に図書館資料の管理、それで資料の選定・収集、廃棄、そして資料の受入、資料の展示、ちょっとこの展示は次の直接的な方かなというふうにも思うのですが、まあこれは後で。そして、施設の環境整備、大きく言うと施設の運営なのですが、ここも個人的には、施設を運営するのではなくて、学校図書館の運営・管理ということになるかと思うんです。そのときにこの間接的支援の中に入れておいていいでしょうか。皆さんにこれで違和感がなければこのままでいかせていただきますし。
 米澤委員さん、どうぞ。
【米澤委員】  最初に間接的支援、直接的支援で分かれたレジュメを見まして、自分の図書館に関する業務の分担を見直してみたところ、やはり経営管理、資料収集、資料の組織化まではほとんど間接的な支援だと思いました。奉仕的活動というのが、逆に一般的な言葉で奉仕というのが難しい部分もあるので、サービスと言ってしまって、そしてそれは直接的な支援であると思います。ですから、逆に言えばサービスというものが全部直接的な支援だというふうに考えれば、割と分かりやすいのではないかと思ったので、加藤委員さんが悩んだ部分のサービスというところを全部直接的な支援に割り振ると、イメージとして自分の仕事の業務が割と分けやすいというふうに感じました。
【堀川座長】  ありがとうございます。そうすると、米澤委員さんは、今の間接的支援の中に経営とか管理的なものも入って大丈夫ですね。
【米澤委員】  はい、そう思います。
【堀川座長】  加藤委員さん、いかがでしょうか。頂いている御意見の中で、経営管理の職務を間接的業務の方に含めてもいいでしょうか。
【加藤委員】  はい。
【堀川座長】  ほかの委員さんはいかがでしょうか、この分け方。三つに分けるか、あるいは柱を四つに分けるか。確かに加藤委員さんの予算案の作成、執行に関することなどは、こちらの10ページには入っていませんので。そしてまた、予算案の作成というのは、司書教諭なんですか、学校図書館担当職員の方に入れていいですか。
【村山委員】  学校では予算は司書教諭も司書も、それから担当職員も含めて職員会議などで検討し、最終的には校長が決定していくものなので、これは司書の仕事でも司書教諭の仕事でもなく、全体の仕事という考えでいかないといけないと思います。
【堀川座長】  だったら、作成への協力とかいう文章にすればいいでしょうか。
【村山委員】  そうですね、協力とか参画とか。
【堀川座長】  参画。加藤委員さんの(1)学校図書館の経営の基本方針の立案と実施に関することでも、そうしたものを何とかへの協力とか参画とかいう形にして、学校図書館全体の仕事が目に見えるような形の方が個人的にはいいと思うんですが、いかがでしょうか。加藤委員さんのこの項目も生かさせていただいて、それとも、荒川の方でしたかね、設備の保全とか改善とかという語句もありまして、こちらもちょっとまだ落ちていたかなという気もしているのですが。
【大串委員】  この報告書がどういう分かりやすいものになるのかということをみんなで知恵を絞った方がいいと思うんです。先ほどの御発言に、読書センターがあって、学習センターがあって、情報センターと三つあるわけですね。それと今のお話になったような総括的な活動、間接的な業務と、それがどういう関係にあるのかということが、図で描いて、すぐぱっと分かるような、そういったものが示せると、とても分かりやすいのではないかと今考えたんです。
 ですから、今整理されているのは、そのとおり進めてよろしいのですけれども、最後に取りまとめるときに、もう少しイメージとして分かるような、そういったものに。やっぱりクロスするところが当然あると思います。読書センターも学習センターも情報センターもそれぞれやることもある。そういうことをいとわずにちょっとイメージできるようなものを最後に提出した方がいいかと思いました。
【堀川座長】  そうですね。対応できるわけではないんだけれども、でも、一つの図の中にそうした三つのセンターの名前が出てきて、そして、こうした図書館の業務も分け方が出てきてという、そうした図がこの1の前にか、(3)がもし(2)になったら、その後とかというような、ちょっと全体像が見える図が描けるといいんですけどね。
【大串委員】  それがいいと思います。
【堀川座長】  その辺は大串委員さんにも手伝っていただくかもしれませんが。
【春山課長補佐】  今の大串先生のお話を聞いていて、事務局としての勝手な理解なのですけれども、この間接的な支援に関する部分というのが、それはどんなセンターがあっても、基本的に共通する部分である。そして、直接的支援が、おおむね読書センター的なものなのかなと。それから、3の教育指導への支援というのが学習センター、情報センターに関するもの、そんなようなイメージで書いたんですけれども、これは勝手なイメージなので、例えば今私が申し上げたようなことを土台にして修正していただいて、いろんな御意見を頂ければと思います。
【堀川座長】  そうですね。ちょっとまたほかに言いたい部分もあるのですが、図をとにかく描いてみて、また12月に皆さんにたたいていただくということを考えましょうかね。
【牛山委員】  私は実際の学校現場での学校図書館司書の方と司書教諭の方と、ほかに係の先生方がやっている状況を想定したときに、ここでいう間接的支援、直接的支援と、何に対して間接的で、何に対して直接的かが分かりにくいです。ここに掲げられている事柄は、極端なことを言えば、実際には学校図書館司書と司書教諭と図書館係の三者でやっていますから、明確には職務内容という意味では、言い表しにくいと思います。
 ですから、そう考えれば考えるほど、こういう抽象的な表現の方が実際にやる現場においては、あっ、どっちもやっていいんだという印象が強くなりますから、こういうぼかした表現の方が私はいいのではないかと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。以前に杉本委員さんからも、何に対しての支援なのか、間接的なのか、直接的なのかという御質問がありましたが、それで利用者のニーズに対してというような言葉を書き加えたところなんですね。これでちょっとぼかした表現になっていますかね。実際に間接的支援と言いながらも、項目としては図書館資料の管理、施設の環境整備、そして今ここでは施設の運営というような項目が挙がっていますが、先ほども加藤委員さんが、間接と直接とどちらに入れていいか分からないとおっしゃったところで、両方あるとおっしゃったのかな、というところで、実際には大体領域としては分かれてイメージされてはいるんですね、説明がちょっと足りないかもしれませんが。その辺、どうなんでしょうね。
【槇川委員】  分け方は、実際にやっていらっしゃる職務とか考え方によって本当にいろいろだと思うんです。僕は、この直接、間接というのは悪くはないと思うんです。ただ、前回お配りいただいたサポーターズ会議の中での分け方はこうではないわけですね。根拠になるような法律も規則もないわけなので、新たな分け方を作っていくしかないのだけれども、例えば島根県の場合には、ガイドラインを出したときに、このサポーターズ会議のこの表を参考にしているんですね。ということは、恐らく島根だけではなくて、今までに学校司書の業務を分類するときに、これを参考にされたところも少なくないと思うんです。
 ということは、これが不都合であるものがもしあるならば、もちろん新しいものに改善していくというのは必要だと思うのですが、今の直接、間接、教育指導という三つの分け方もいいけれども、このサポーターズ会議の分け方では、若干全てをカバーできないようなところがあったんでしたかね。済みません、今までもしかしたらそういう議論になっていたかもしれないけれども。
【堀川座長】  サポーターズ会議の分け方は、皆さんに一番初めにお配りした中に図書館経営、図書館奉仕、読書指導、教科等指導ということがあって、これを踏まえてそれぞれの職務について、3人の方でしたか発表していただいて、指導に関する支援の部分がもうちょっと厚いかなというふうに個人的には思いましたけれども、それで12ページの教育指導への支援というところは、これだけ独立して項目を書かれているというのは、とてもありがたいことだなとは思いますが、分け方ですよね。分け方はきょう中に決められるといいなと。どうなんでしょうか。御意見を是非伺わせてください。
 間接的支援、直接的支援、そして教育指導への支援、この三つでいい、あるいは間接的、直接的という言葉をもうちょっと別の具体的なものにする、あるいは三つではなく四つにする。
【槇川委員】  この間接的支援、直接的支援というのは、既出の資料、国で出したものだけとは限らず、何かこういう言葉というのは使われて久しいようなものなんですか。
【堀川座長】  どうしましょうか。じゃ、平久江委員さん。
【平久江委員】  この間接的、直接的という、まずこの考え方というのは図書館学では非常に一般的で、図書館というのは間接的なサービスがあって、その上に直接的なサービスが行われていると。学校図書館の場合は、さらにそれを基にして教育的な支援が行われるということですから、基本的には図書館学の観点から言ったら全く違和感がない分け方なんだろうなと。
 一方で、実際になかなかそういった観点から職務を捉えていないというのも現実としてあるのかなと思います。特にサポーターズ会議の方の捉え方は、やっぱりこれは学校教育の実践の中から分けられた考え方なのかなという気がして、多分基本にあるのは司書教諭の職務というのを考えたときに、この分け方になったのであろうということだと思います。
 ですから、学校司書というのは、どちらかというと図書館の方の運営が中心になりますから、直接的、間接的という、こういう3区分というのもあるのかなと思います。
 ただ、それはどちらでもいいと言ったらあれなんですけれども、ある程度使いやすいことを考えて決めていけばいいのかな。それぞれそれなりに理由はあるのかなというふうに考えています。
【堀川座長】  間接的、直接的といった場合に、図書館学の方では、こちらに資料の世界を置いて、利用者の世界を置いて、そこの間で図書館が資料の世界と利用者の世界を結びつけるのに、利用者に近いところで直接的支援、資料に近いところで間接的支援という、利用者に対して。だから、資料の収集とか受入れがあって、分類、目録をするという整理の部分があって、そうしたものを踏まえて利用できるようになったものを利用者に提供する。だから、ここでは直接的、利用者に直接サービスする部分という、本当は選択して収集して整理して、そして利用に供するという、大きくは三つに分かれているんです。
 ただ、学校図書館の場合は1人職場ですし、司書教諭とほかの担当の方々が一緒になって学校図書館の運営、学校経営の中での管理・運営をしていかなくてはいけない。そこが間接、直接だけにしてしまうと、何か見えにくくなってくるような個人的な気持ちがありますので、皆さんに再度ここの場でお諮りしているところなんです。
【吉田委員】  間接的支援とか直接的支援とかという形で職務を分析していらっしゃるときに、言ってはなんですけど、学校司書に、あれもこれもと仕事がすごく多くなっているような一覧表というか、箇条書きなんですね。それを一々チェックしていって、これは学校司書ではなくて、司書教諭の職務が大きいのではないかというところもすごくあったんです。申し訳ないことですが、これから学校司書になられる方に、えっ、こんなにたくさん仕事があるのと錯覚されても、現場でも困るし、御当人もさぞかし困られると思うんです。
 こういうサポーターズ会議の図表があったときに、学校司書の職務はあるけれども、これは学校司書が司書教諭の先生とこういう形で協力していけばいいのかというイメージ化ができる点では、サポーターズ会議の図表の項目を生かしていただいた方が分かりやすいのではないかということを思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。そうですね。協力してというのがどこかに、これは「学校図書館担当職員の担うべき役割・職務」という大きなタイトルがありますので、職員の側からの書き方になっているところがありますね。こちらは学校全体ですものね。
【村山委員】  直接的支援とか間接的支援という言葉は、現場にいったときにはやっぱり分かりにくいと思うので、こういう分類にするのであれば、その説明を必ず入れないといけないと思います。専門外の人にも読んでほしいものですから、間接的とはこういう意味で使うという説明を入れないと分からないまま流布してしまうのではないか。
 あと、今いっぱい仕事内容があるとおっしゃいましたけれども、本当に学校司書が関わるべき仕事としていっぱい並んでいます。しかし、例えばウェブサイトだとか会計業務というのは、司書教諭でもなく、学校全体で行われるものですから、そういうものもここに並んでいると、仕事がたくさんあるという意味もありますが、逆に司書さんがするべき仕事で、単独で管理していいのだみたいなニュアンスになってしまうこともあると思うんです。
 職員会議でみんなで話し合って決めるようなことが、ここではその意味合いが出てきていないというのも心配です。ガイダンスで、学校図書館の利用方法の教示ということが載っていますが、職員会議を通して、教育計画を職員全体で作るものですので、教諭に教示というのは、職員会議で知っているはずのことですからあてはまらない。そういうことが説明なくここに載っていれば、司書が教員に教えるもの、司書の仕事であるというふうに誤解されることもあると思うんです。ですから、もう少し分かるように説明の言葉を入れていかないと、専門職だけが分かる部分も多いと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。この前出していただいた荒川区の、これがとっても分かりやすいですね。
【村山委員】  現場の者としては、そういう言葉が一番身近で使われている言葉なので、分かりやすいという点では、現場の人が作ったものなんだなと読みやすいです。

【堀川座長】  なるほど。
【真鍋委員】  先ほど槇川委員、吉田委員がおっしゃった子どもの読書サポーターズ会議で出ているものを参考にしてはどうかというのに私も賛成です。子どもの読書サポーターズ会議で出ている四つの分け方を、今回の報告書の13ページに出ている言葉で少し当てはめ直して考えてみますと、学校図書館の運営・管理的な業務に当たるのが、一番上の図書館経営のところ、それから二つ目の児童生徒に対する教育的な活動に当たるのが、奉仕、読書指導、教科等指導に当たるかなと思います。
 それから、今堀川委員がおっしゃった荒川の分け方も大変分かりやすいと思うのですが、これもこの報告書の13ページに出てくる学校図書館の運営・管理的な業務に当たるのがAの総括的活動、Bの技術的活動、そして二つ目の児童生徒に対する教育的な活動に当たるのがCの奉仕的活動、Dの教育支援的活動なのかなというふうに思います。今出ているものとか、それを生かしながらつなげていけたら、より分かりやすくなるのかなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。サポーターズ会議の司書教諭の役割のところで、一番左上に「図書館経営の目標・計画の立案」、そうした項目があります。これは司書教諭の行う職務ということで、この10、11、12には出ないわけですね。そうすると、これは本当に難しいところで、担当職員の担うべき役割・職務ということなので、そうしたことを外してこれを出すべきなのか。そうすると、計画の立案への支援・協力とかという言葉も入れ込むのか、この辺が報告書として教育委員会の方に見てもらう、学校の方に見てもらうといったときに、学校全体の仕事のイメージが伝わるようなものができるといいなと個人的には考えているのですが。皆様の御意見はいかがでしょうか。
【杉本委員】  学校図書館全体に関わる職務の分担をその司書教諭を含めた中で考えるとするならば、このサポーターズ会議の表が非常に分かりやすいと思う。ですから、これはこれで資料として示すことはいいんじゃないかと思います。
 ただ、今回、学校図書館担当職員、いわゆる学校司書の職務ということで絞っていくと、そこがやっぱり分かりやすい方がいいだろう。もちろん語句として説明を入れていくところは必要に応じてということなんでしょうけれども、そうなってくると、僕も分け方はどうでもいいと言ったらあれだけれども、特にそんなにこだわらなくて、それよりも中身で述べていく方が重要なんだろうと思います。
 僕の理解としては、直接的、間接的、そこが支援という言葉だったけれども、そのことについて話し合われたときには、いわゆるそれが図書館職員としてのサービスだというふうな御説明があったと思うのですけれども、それで非常に分かりやすかったです。要するに、利用者ニーズに対する直接的なサービス、間接的なサービス、また、学校図書館であることの説明としての教育的支援に関わるサービスというふうな解釈でいくと、この分け方でそんなにこだわる必要があるのかなというのが正直なところで、実質的な中身を見て分かってくればいいのかなというふうな感想を持ちます。ですから、この荒川区の分け方をすると、奉仕的活動と入ってくるのだけれども、いわゆるこれがサービスだとすると、どう訳すのかということもありますが、じゃ、ほかの活動はいわゆる学校司書としてのサービスというくくりからいくとどうなんだろう、というちょっと整合性についての説明が必要になるのかなという感じもします。
 ですから、図書館職員、学校図書館司書だというところを強調する意味では、直接的、間接的な支援というくくりでも、特に僕自身は違和感なく受けとめました。それよりも内容について時間を割いた方がいいのかなと個人的に思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。どうもそのようですので、このまま、じゃ、間接的支援に関する職務という中で、10ページ、語句、文言の検討に入りたいと思います。
 10ページに関して語句について御意見をお願いします。吉田委員さんのところからもありましたが、どうしましょうか。
【平久江委員】  細かい語句の話でよろしいのでしょうか。
【堀川座長】  はい。
【平久江委員】  具体的に言ってよろしいですか。
【堀川座長】  具体的にお願いします。
【平久江委員】  それでは、ちょっと細かい話になるのですけれども、会計業務のところに「適切かつ計画的な資金管理」というのがあるのですけれども、実際には学校でそれぞれ担当するのもいろいろばらばらだと思いますし、資金管理という言葉自体もちょっとよく分からない言葉なので、この項目は除いておいた方がいいのではないかと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。その辺は御意見を伺って、そして事務局で検討させていただくということでいいでしょうか。
【村山委員】  これを初めて見たときにすごく違和感を持ったのですが、会計とか資金管理とかいう言葉は学校で余り聞いたことのない言葉で、先ほど清水委員が予算執行というふうにおっしゃいましたけれども、そういう言葉をふだんは使っています。我々の資金ではないものを学校全体で検討し、遂行するものなので、資金を運営したり、管理したりは、ちょっとこれはやっぱり学校現場では非常に違和感があります。
【堀川座長】  ありがとうございます。荒川の方には納品確認、請求、納品書類の整理、支払いなどと書いてありますけれど、この辺もまた参考にさせていただきたいと思います。
【村山委員】  もう一ついいですか。たびたび済みません。さっきも言いましたが、ウェブサイトへの協力はいいのですが、学校としてウェブサイトは出すものですので、これを管理するというのも、学校全体で管理するものだと思うんです。この管理というのを学校司書が行うというのはあってはいけないことではないかと思うのですけれども。
【堀川座長】  ありがとうございます。ほかの委員さん、いかがでしょうか。
 じゃ、次のページにいってよろしいでしょうか。
【村山委員】  本当にたびたび済みません。もう一つ、施設の運営のすぐ下に、「学校図書館や公共図書館との連携」というのがありますが、博物館とか、いろんなほかの機関とも連携すると思うので、公共図書館等という言葉が一つ入った方がいいのではないかと思います。
【堀川座長】  なるほど。ありがとうございます。
 それでは、11ページにいきたいと思います。今度は直接的支援に関する職務のところですが、ちょっと戻って申し訳ありません。先ほど吉田委員さんの御意見のところは、この御意見をまた検討させていただくということでいいでしょうか。
【吉田委員】  はい。
【堀川座長】  それから、加藤委員さんのところでは、この中で四つ目の学校図書館の蔵書を形成する職務、ここが間接的業務に当たるところかと思いますが、この辺をまた参考にさせていただくと。御意見はありますか、いいですか。
【加藤委員】  はい。
【堀川座長】  一応直接、間接という言い方でいくことになりましたので、では、その辺で参考にさせていただきます。
 そして、済みません、11ページ。直接的支援のところです。吉田委員さんのところでも直接的について、3枚目から御意見が述べられていますので、この辺も参考にさせていただきます。
 それから、大串委員さんのところも、この辺は直接的なところですね。
【大串委員】  そうですね。例えば他の情報機関への照会・案内、これはレフェラルサービス、照会サービスという言葉がきちっとあるので、そういった言葉で表現した方がいいかなと思います。
【堀川座長】  そうですね。この辺もどこまで入れられるか、そして細かいところはハンドブックの方に入れさせていただきたいと思いますし、今のレフェラルなどは、用語説明が必要ですね。
【大串委員】  そうですね。
【堀川座長】  それから、加藤委員さんのところでは、経営・管理の職務も間接的でしたね。そして、2ページ目の学校の教育活動、子どもの成長に資する図書館サービスの職務のところが、直接的業務に当たるところかと思います。この辺もまた参考にさせていただきたいと思います。
 ほかにも何かあれば。どうぞ。
【村山委員】  情報サービスのレファレンスサービスの下の2行目、「期限内」における回答という語が唐突に出ています。細かいことから、大きいことまでが同時に並列されていて、こういうのはハンドブックの方に入れていいのではないかと思うことがいっぱい載っています。次の児童生徒の調べもの相談の「親身」な対応というのも、ほかは親身じゃないのかななどとも思ったので、ここら辺はもっと言葉の吟味というのをしないといけないのではないでしょうか。
 それから、さっきも言いましたけれども、学校図書館の利用方法の教示という、教示という言葉は、もっと具体的に、図書室に行ったら、ここにこれがあるからカードを借りるといった具体的なことかもしれないのですが、学校図書館の使い方については、学校全体で児童生徒に教えるものですので、ガイダンスという言い方ではだめなのでしょうか。
【堀川座長】  ありがとうございます。ちょっと細かく見直しをしないといけないですね。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。
【平久江委員】  全体を通して言えることなのですけれども隅付括弧、項目が挙がっていますね。これに関してはある程度統制がとれて考えられているかなと思うんです。その下のあたりの例示がかなりばらばらになってきているということで怪しくなってきているんですね。多分それは限界を超えたという話なのだと思うのですけれども、やっぱりここで大事なのは、学校図書館の方ですと、例を挙げると、1の方ですと、【図書館資料の管理】という、この用語の意味自体の共通の認識が余りないんですね。もっとはっきり言うと、用語の定義が非常にあいまいなので、むしろここでは具体的な例示よりも、この隅付括弧部分の語句については、少し文章化で定義付けを行えるような形で書いていって、その下に幾つか項目を挙げるような形をとった方が多分読んで分かりやすくなる。現状に応じてそれぞれ解釈はすればいいわけで、そういうような形になっていくと、分かりやすいのかなとは思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。頑張りますとしか言えない。(笑)私が頑張るのではなくて、事務局が大変なんですよね。それでもいいものを、一番いいもの、ベストのものを作りたいという思いは皆さんと同じように持っていますので頑張ります。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。
【吉田委員】  ハンドブックに入るかもしれませんけれども、黒点ですけれども、文の最初に来るのと、中点と両方混在しているのが大変見づらい感じがします。ハンドブックの方に入れられるのではないかと思いますが、そのときに記号を工夫していただけたらなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 12ページの方へいっていいでしょうか。いかがでしょうか。もう頂いている御意見は当然のこと参考にさせていただきます。そして、ほかの委員さんの御意見を伺いたいと思います。
【清水委員】  時間が余りないのですけれども、全くとんちんかんな話かもしれませんが、13ページの一番一つ後の丸のところに、「これらの知識を基に教職員と協同しつつ」というところが、この同ではなくて、協働というイメージで意見を言うのですけれども、教育指導への支援を含めてお話をすると、先ほどあったお金の管理とか、ウェブを云々という話がありました。私は校長として、やっぱり学校司書さんに本校のウェブサイトの全体の管理までやってもらっていません。ただし、図書館に関する部分については、ある程度責任を持ってやってもらっているし、総予算をどう執行しているかということについても関わっていただいているので、ここにこういうふうに載せることで、全てあなたがやりなさいよではなくて、当然大勢の人が関わってやるのだけれども、こういった項目も仕事の一つとして協力してやる部分に入っているよということを考えるのであれば、載せたことで、あなただけがやるんですよという意味ではないということをちょっと感じました。文言の使い方は、なかなか活字になると難しいのですが、そんなことを感じました。
 それから、ちょっと急いでしゃべると、私は3の教育指導への支援に関する職務というところが独立したことはとてもうれしいなと思っています。前回からの流れでお話をすると、荒川区に限ってのお話になってしまうかもしれませんが、かなり早い段階で一定レベルまで学校司書さんの研修というのは進んでいきます。それから、環境整備もかなり、どこの学校も甲乙をつけがたいぐらい進んでいくのですが、最後の大きな課題として、授業活用というのがなかなか進んでいかない。私がとてもこの文章で重要だなと思う点は、ちょっと戻るのですが、8ページに「T2として児童生徒に直接関わって学習の支援を行うことが有効である」というふうにあります。この一言はとても重いというふうに思っています。
 それが支援なのか、指導なのかというあたりの言葉の議論ではなくて、やっぱり自然と図書館が使った教育が進んでいく必要がありますので、時にはレファレンスであったり、ブックトークであったり、ウイークスであったり、調べ学習であったりということを取り込んでいくのに、やっぱり教科担当と協働して、あくまでももちろん教科担当が主役に決まっていますけれども、それを支援するような形で協働で行っていくということでやっていかないと、画期的な学習センター化は進まないというふうにいつも考えています。そういう意味で、この3番が独立したというのはとても大きな意味があるのかなというふうに思っています。
【堀川座長】  ありがとうございます。実際アメリカなどでガイドラインを作るときには、現状の1割ができていることをガイドラインとして書き込むという文献を読んだことがあります。これはガイドラインではありませんが、それでも50%できているところを書き込むのでは、やはり意味がないというか、学校図書館の担当職員のレベルというか、資質・能力を向上させるということが目的だと、先ほど清水委員さんがおっしゃってくださったような、ここの部分がとても大切なのだろうなというように思っております。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。
【門脇委員】  細かいことなのですけれども、二つ目の四角のところなのですけれども。
【堀川座長】  ごめんなさい、何ページですか。
【門脇委員】  12ページです。「授業の目的・内容の把握、レファレンスや情報提供のタイミングや方法についての共有」というようなところなのですけれども、打ち合わせを行う内容として、その授業の中で子どもたちにどういうふうに当たるのかというようなことまで踏み込んで相談もするんです。例えば、この子の読み取りを支援してあげてくださいといった細かな打ち合わせもしたりしますので、個別指導に関する情報共有も一言文言で入るといいかなと思います。
 あと、一番下の「調べ学習に対する支援」のところなのですけれども、「調べる対象の絞り込み等に関して適切な助言を行うとともに」という文言があるのですけれども、対象の絞り込みだけではなくて、情報探索活動の一連の活動の中で個別にアドバイスをしたり、資料提供を随時行ったりしますので、その一連の流れの中でということが分かるような文言にされるといいなと思いました。
 もう一つ、ここにはないのですけれども、特別に教育的なニーズを持つ子どもたちに対しての支援として、例えば公共図書館と連携をすると、マルチメディアデイジーだとか視聴覚資料、拡大文字の本とかLLブックとか、そういう資料が入手できるとか、項目の中で具体的な資料を示すことによって、理解をさらに広げていくというようなことも支援として有効なので、そういう特別支援の文言が入るといいなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。それはちょっとありませんでしたね。
 ということで、大変申し訳ありませんが、きょうの時間になりましたので、また、きょう、それから前回頂いた御意見を基に修正をして、12月1日、その前に事前にお送りすることになりますが、12月1日にまた御議論いただくということになります。そして、この「職務について」に関する冊子の一番前を見ていただきたいのですけれども、報告書の構成案というところですが、きょうのところで4番まで議論いただいたということで、あと5、6、7、8とあります。参考事例については事務局の方で検討してくださるということです。そして、6番目、より良い学校図書館を目指すための方策について(提言)という部分があります。この部分についても、それから、これまでの議論の内容についても、また、恐縮ですが、メールで御意見を頂ければありがたく思います。
 そして、8番、参考資料というのがあります。これもどんなふうな資料を付け加えるといいかということも、メールではなく次回の12月1日にまたお聞きすればいいことですが、頭の中に置いといていただければありがたいです。
 というところで、(3)がまた積み残しになってしまいました。お2人の委員さんから御意見を頂いております。この辺をまた参考にさせていただいて、少し手直しになるかどうかというところですね。(3)についても、また皆さんの御意見を頂ければ、それを盛り込んでいきたいと思いますので、ちょっとハードな日程というか、お忙しい折に恐縮ですが、いろいろ御意見を頂ければと思います。
 ということで、いろいろと要求ばかりを申しましたけれども、どうぞよろしくお願いいたします。今回の議論はこれで終了にさせていただきたいと思いますが、事務局の方からどうでしょうか。
【春山課長補佐】  本日もどうもありがとうございました。
 冒頭申し上げましたけれども、議事録につきましては、11日までということでよろしくお願いいたします。
 次回の会議は12月1日の日曜日で、時間は14時から17時と同じですが、場所がここではない場所になっております。お知らせをしているはずですけれども、都市センターホテル7階の701会議室、平河町にございますけれども、都市センターホテル7階の701会議室ということになっています。また改めて御案内をさせていただきますけれども、この場所ではないので、是非御留意をいただければと思います。
 それから、あした締め切りということで、1月の会議の日程調整をさせていただいていますので、またこれについても御連絡を頂ければということでございます。1月の日程につきましては、決まり次第、早急に御連絡をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございました。きょうのところはこの辺で閉会にさせていただいていいでしょうか。
 たくさんの御意見を頂きまして本当にありがとうございました。事務局としても、私としてもこの1か月頑張ってやりたいと思いますので、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、きょうはこれで閉会にさせていただきます。ありがとうございました。

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