無藤隆(白梅学園大学)
1.21世紀型の学力に向けて
教科の目標のさらに基底に教科共通の力を規定すべきである。言語力(表現力),学びに向かう力(意欲・集中力・持続力等),協同性など。
言語力を3つのレベルでの表現過程としてすべての教科に位置づける。普通の言葉,教科の用語を使った表現,記号やパフォーマンスを引用可能として表現化する。
対応する思考・問題解決スキルをいくつも洗い出し,教育プログラムに載せる。
教科毎の思考のためのモデルを取り出し,その教育を中心とする。
基礎的基本的知識・技能はその理屈立て(活用)の上で訓練するものである。活用から習得さらに活用へというサイクルを基本とする。
2.評価の拡大と質の改善に向けて
思考力のスタンダード評価を明確にする。ルーブリック(評価基準と見本)を明示する。
自己評価技能またもっと広く自己学習技能を生徒に教える。
各学校毎の総括的評価の共通化を図る。上記のルーブリックの共通化をする。
全国学力検査を拡大する。中学における英語。小2,4,6年と中1,2,3年。また個々の子どもの追跡を義務づける(対応表を作る)。
3.個別の教科等の強化
1)教科クラスターとしての構成
教科群を作り,合科や時間編成の教育委員会による裁量を増やすことも出来るだろう。
2)英語力の強化
小学校の英語教育の授業時数増,専門の教員の指導が必要である。
中学生以降,留学の機会を増やす。
3)生活科・総合的学習の強化
生活科における体験からの気づきの形成に力を入れる。中を例えば4期に分けて段階を設ける。
総合的学習について,育成すべき学力を教科横断的なものとする。言語的表現力の育成を進める。
4.学校評価,教育委員会評価を進める
学校評価を多面的に専門家を交えた外部と内部との合同チームで行い,改善点を明確にする。
教師の指導のあり方を専門家による観察評価により行い,指導力強化の研修につなげる。
教育委員会がその地域の全体への教育水準向上への努力をどう行っているかを外部から評価し,改善点を伝える。
5.エビデンスの収集と蓄積と利用への支援
国立教育政策研究所を中心に全国の教育学部関係者とのネットワークを作り,教育施策の効果検討研究や個別の指導手法の有効性の検討を進め,エビデンスとして集積し,利用を図る。
電話番号:03-5253-4111(内線2369)