吉冨委員提出資料

平成25年8月30日

育成すべき資質・能力を踏まえた教育課程等の在り方について

1.基本姿勢

(1)資質・能力育成の重要性を共有
  正答のない困難な問題の解決が必要な時代に,思考力等の資質・能力の育成を強く意識した教育が不可欠との前提に立つ。柔軟な発想での検討が必要。
(2)実際に学校において実現することを重視
  学校の教育課程とその基準である学習指導要領を区別し,期待したい教育課程の姿と,その実現を促す基準や条件整備の在り方を探る。
  実現可能性を高めるためには,学校の実情を踏まえた方策が重要。

2.整理の考え方

(1)学校教育で重視すべき資質・能力を整理する基本的な材料はおおむね提案
(2)全体構成と関係性の明確化(全体と部分,部分と部分,統合的扱い)
  ・現実の問題解決には人間がもてるものすべてを働かせて取り組むことから,重視すべき資質・能力も広い視野から整理し,それらが 統合的に働くように育成することを目指す。
  ・資質・能力と内容,活動,教材との関係…「理念と教科をつなぐ」
(3)教育課程全体(各教科等)を貫く重要な概念の明確化
  ・理念的なものと方法的なもの
  ・人間,自然,地域づくり,国を超えた関係などへの着目
  ・学校教育全体(教科等・学年・学校段階),人の生涯や数世代を視野に
(4)重視すべき資質・能力の性質に即した育成の手立てや評価も一体的に検討
(5)国研研究を発展させて《肉付け》していく・世界の動向を押さえ,人間全体とらえる(「思考力」,「基礎力」,「実践力」)

3.学校での実現可能性を高める

(1)学校での実現可能性の徹底検討
  …生活科の検討過程300枚以上の指導計画案を作成
(2)学校の多様性への配慮。条件の整った学校での積極的創意工夫の促進。
  ・「標準版」と「先駆版」
  ・「工学的方法」(具体的スキルと育成方法の明示など)と
  「羅生門的方法」(創造的に展開し実際に育つものに目を向ける)
(3)学校における教育課程編成の充実と教員の力量向上
  ・重視する点はあらゆる面で基本的考え方や具体的取組を明確化
  ・内容の組織を必ず行う⇒全校で協働した取組の推進
  …教育課程編成の方法の提示,優れた実践例の提供など
  ・「教員が課題探究型の指導ができるのかが課題」

吉冨 芳正(明星大学)

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