平成24年度研究指定校事業での理科の観察・実験に係る技能についての児童生徒の習得状況の把握等について

資料1-5

国立教育政策研究所教育課程研究センター

1.調査の目的・概要

 新学習指導要領の実施を踏まえ、各地域・学校での理科の指導方法の改善等に役立てるために、平成24年度研究指定校(理科)で、各研究課題の実践研究とともに、当該学校の児童生徒に理科の観察・実験(平成24年度全国学力・学習状況調査の調査問題と関わるものを含む。)を実際に行ってもらい、国立教育政策研究所において各技能の習得状況を把握、分析する。

2.調査の具体的取組(小学校の場合)

対象学年

第4、5、6学年のいずれか
※各研究指定校での調査対象とする観察・実験の技能の内容に応じて異なる。

調査する観察・実験の技能の内容

虫眼鏡の使い方、方位磁針の使い方、直列つなぎ、電子天秤の使い方等
※上記の平成24年度全国学力・学習状況調査問題にかかるもの以外に、アルコールランプの使い方、顕微鏡の使い方なども対象。

調査形式

 研究指定校において、国立教育政策研究所関係者等(評価者)と児童の一対一形式で、各児童の観察・実験の技能(実際に行ったもの)を評価。

調査結果の活用

 本取組による結果について、平成24年度全国学力・学習状況調査の結果との対比もしつつ、今後の各地域・学校の理科の観察・実験も含めた指導方法等の改善工夫を促す際の参考資料として活用予定。(本取組は、全国の状況にかかる統計上有意なデータの収集、公表を目的とするものではない。また、個々の学校の状況は公表しない。)

※中学校については調整中。

3.実施する研究指定校と研究課題

【小学校】

校名

学校における研究主題

秋田県北秋田市立米内沢小学校

「問い」をもち、根拠をもって考え、学び合う子どもの育成~考える場面での「学び合い」を重視した授業づくりを通して~

神奈川県横浜市立井土ヶ谷小学校

自然を読み解く力を育てる表現と学び合い
~自ら思考し、表現することを促す評価や支援の在り方(B区分)~

新潟県新潟市立味方小学校

科学的な見方や考え方を構築する力を高める授業~B区分における時系列シートを使った説明活動を通して~

京都府京都市立桂川小学校

自らの考えを伝え合う、心豊かな子の育成
~自然と関わり、体験活動の場の工夫と言語活動の充実により、科学的な思考・表現の力を高める学習指導の工夫~

大阪府堺市立浜寺石津小学校

自然への感性を高め、追究し、自立的に問題解決する子どもの育成~考えを表出し、科学的な見方や考え方を深める学習指導の在り方~

香川県観音寺市立柞田小学校

科学的な見方・考え方を育てる理科学習
― 表現することを通して、考える力を育む(B区分を核として)―

【中学校】

校名

学校における研究主題

北海道秩父別町立秩父別中学校

科学的な思考力や表現力を育てる指導とその評価方法等の工夫改善~理科における科学的に探究する学習活動の充実を通して

神奈川県川崎市立宮内中学校

探究心を育て実感を伴った理解を図る理科指導~言語活動を豊かにし、思考力・表現力を育てる指導の工夫~

金沢大学人間社会学域学校教育学類附属中学校

科学的に説明する力を育成するための評価

兵庫県神戸市立広陵中学校

科学的な思考力・表現力を育成するための指導方法の研究開発

愛媛大学教育学部附属中学校

生徒同士が関わり合いながら科学的な思考力・表現力を養うための指導と評価の工夫に関する研究

高知県南国市立香長中学校

学力向上に向けた基礎学力の定着と発達段階に応じた科学的な思考力・表現力の育成を図る

【参考】

研究指定校事業について

1.事業概要
 各地域・学校での学習指導要領の円滑な実施に役立つよう、国立教育政策研究所が指定する学校(研究指定校)において、1~2年の研究期間、教育課程の編成、指導方法等に係る実践研究を実施し、その成果である指導計画、学習指導案、教材等を国立教育政策研究所の研究協議会、ホームページ、各学校での発表会や研究授業等を通じて普及。

2.平成24年度研究指定校数
121地域・園・校
※各研究指定校は、国立教育政策研究所が示した公募研究課題に対して応募してきたものの中から研究所内での審査を経て指定。
(統計的な観点から抽出したものではない。)

3.平成24年度の研究課題例

  • 各教科、特別活動、総合的な学習の時間での目標、指導を踏まえつつ、学校全体で、特定の教科等に限らない社会生活全般で活動していく上での思考力・判断力・表現力を育成する際に、どのような目標設定とするのか、そのために教科等の間でどのような連携等が行えるのか、目標実現状況の評価をどのように行ったらよいか等を実践研究する。
  • 小学校国語、算数、中学校の国語、数学において、平成19年度からこれまでの間の全国学力・学習状況調査の調査結果で浮かび上がった「課題として考えられる事項」(例えば小学校算数の「百分率」、国語の「書くこと」等)について、児童生徒の確実な習得を図るために、教育課程、指導方法、関係教材及び評価等の工夫改善を図る実践研究を行う。

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初等中等教育局参事官付学力調査室学力調査推進係

(初等中等教育局参事官付学力調査室学力調査推進係)