公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議(第8回) 議事録

1.日時

平成23年9月20日(火曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室

3.議事録

 【木村主査】  おはようございます。ただいまから公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議第8回を開催させていただきます。

 本日はお忙しい中、また大変足元が悪くなりましたが、お運びいただきましてありがとうございました。本日は、前回に引き続きまして、これまでの議論の整理についてご審議をいただきたいと存じます。前回の会議において各委員からいただきましたご意見を踏まえて、前回の資料を修正したものを事務局に準備していただいておりますので、これをもとに審議をお願いしたいと存じます。

 まず事務局に、本日の資料についての確認をお願いいたします。

【谷合企画官】  それでは資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第がございまして、資料1が委員名簿です。

 資料2が、今、主査からお話がございました、これまでの議論の整理で、前回の会議から修正を加えたものでございます。

 資料3が、その議論の整理の参考資料でございます。

 資料4と5について、少しご説明させていただきたいのですが、まず資料4につきましては、前回、全連小からクラス替えの状況を説明していただきました。1点、修正がございます。2枚目なのですが、広島県の欄につきまして、調査の不備がございました。具体的には、調査学校数、Bの欄に、クラス単位や学級数で記入されていましたので、こちらの正確な数値が学校単位では不明だったものですから、ここは調査から除外ということで、広島県のデータを除外してございます。この結果、小1から小2への進級時にクラス替えがなしという、右下のなしの割合ですが、前回資料では全体で47.2%でしたけれども、47.0%に修正されてございます。

 続きまして資料5でございますが、本日、秋田県米田教育長はご欠席でございますが、資料をご提出いただきました。

 前回、少人数学級の効果について議論していただきましたが、秋田県教育委員会で、少人数学級導入校に対して、指導主事が学校訪問によって聞き取った結果を整理したものでございます。例えば上の授業構成について言いますと、個の学習状況を把握しやすくなるとともに、それに応じた教材の精選や開発に取り組みやすくなる。あるいは最後のポツで、資料から課題を発見し、資料で解決するのが社会科の授業構成の基本である。少人数ならば、資料を読み取らせる支援や指導が手厚くできるとともに、資料から気がついたこと、わかったことをもとに解決する活動を少人数化して、思考・判断、表現する活動が充実するといった、教員の指導方法への効果が見られるということでございます。

 そしてまた、子どもたちの活動についても、最後のポツでありますが、子どもたちが頭と頭を突き合わせて資料を読み取り、課題を発見したり、解決したりする活動が充実する。みずから意見を述べる機会が増え、意欲的に問題解決学習に取り組むことができるといった、子どもたちへの効果も見られるという報告がなされております。

 資料につきましては以上でございます。何か不備等がございましたら、ご指摘をお願いします。

【木村主査】  資料はよろしゅうございましょうか。

 資料5でありますが、先行してやっておられる地方自治体からこういうご意見をペーパーにしていただくと非常に役立つと思いますので、施行する自治体にお願いをしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、資料についてよろしいということで、先に進ませていただきます。本格的な審議に入ります前に、今後の進め方について、確認をさせていただきたいと存じます。

 この検討会議は、概算要求後も当然続いてまいりますが、前回会議で伯井財務課長からご発言がございましたように、9月末の概算要求に向けて、検討会議としての中間まとめを行う必要があります。私も前回申し上げましたように、このような検討会議では、教育の理想的な姿を追い求める議論と、お金を取るための議論の両方が必要になります。本日、ご検討いただく中間まとめは後者のほうです。出来れば、今月中にもう一度会議を開催したいのですが、日程的に非常に難しくなりましたので、本日ご議論をいただいた点を踏まえまして、事務局でさらなる修正案を作成し、皆様にメール等でご意見の照会をさせていただくという方法で取り進めたいと思います。その上で、最終的な取りまとめにつきましては、私と事務局にご一任をいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【木村主査】  ありがとうございます。日程的な問題もございますので、どうしてもこういうやり方にしなくてはいけないということでご了承賜りたいと存じます。

 それでは審議に入らせていただきますが、特に学級規模及び教職員配置の適正化に関する論点と考え方、つまり話題の後半の部分、これについて、まだ十分に議論がされておりませんので、本日、さまざまなご意見をいただきました上で、修正していきたいと考えております。

 また、もし早く議論が終わるようでございましたら、10月以降、本検討会議で検討していく事項についても、ご意見を頂きたいと存じます。

 それでは、まず事務局から本日のメーンの資料でございます、資料の2につきまして、説明をお願いいたします。

【谷合企画官】  それでは資料の2「これまでの議論の整理」をごらんください。前回会議で一度ご議論いただきましたので、前回からの変更点を中心にご説明いたします。

 まず、これまでの経緯につきましては、前回会議から変更ございませんので、説明を省略させていただきます。こちらは事実関係を整理したものでございます。

 そして続きまして、5ページをお開きください。5ページからが、少人数学級の効果について整理をしたものでございます。まず、ポイントのところをごらんいただきますと、前回の会議で、単に少人数学級を導入した自治体におけるデータを列挙するだけでは、少人数学級の効果の検証としては、若干不十分ではないかとのご指摘がありましたので、今回、少人数学級になって、どのような授業ができるようになったのか、また、子どもたちがどのように変化したのかといったプロセスについて分析をして、それによって少人数効果が上がったという1つの仮説を組み立ててみたところでございます。

 流れ図をごらんいただきますと、5ページの真ん中からですが、少人数学級を導入することによって、学校や教員は子どもたち1人1人に目が行き届き、学習のつまずきの発見や個々の学習進度等に応じた指導が可能となる。子どもたちの発言する機会が増え、自分の考えを発表したり、話し合ったりすることで、思考を深める授業づくりが可能となる。子どもが抱える悩みや相談に親身にこたえる時間が確保できるといった変化があるのではないか。こうした教員側の変化によって、子どもたちにとってはこれまでよりも授業を理解しやすくなったり、授業を楽しいと感じるようになることによって、「学習意欲の向上」「子どもが勉強好きになった」などの効果に結びついているのではないか。また、きめ細やかな生徒指導が行われることにより、「子どもたちが落ちついて学校生活が送れる」「子どもがクラスになじむ」などの状況が生じ、「子どもが学校に行くのを楽しみにしている」などの効果に結びついているのではないかと考えました。

 こうしたことによって、前回ご紹介いたしました学習行動の改善や、欠席や不登校の減少、学力の向上など、各地における取り組みの検証結果にあらわれたのではないかと、仮説立てをしてございます。なお、この学校や教員の変化あるいは子どもたちの変化の部分は、全連小が行ったアンケートあるいはその他の調査などから整理をしたものでございます。

 そして、次の6ページをお開きいただきまして、さらに少人数学級はコミュニケーション能力の育成やICTを活用した教育活動など、協働的な学びや双方向型の学びなど今後求められる新しい学びへの対応も可能である。そして、学習基盤としての少人数学級の推進とあわせて児童生徒の個々に応じた指導方法の工夫改善を積極的に進めることが必要であるとしてございます。それが概要でございます。

 以下、内容を見ていきますと、7ページからが少人数学級の成果と考えられるデータを並べています。多くのデータについては前回と同様でございます。変わったところをご説明したいと思います。

 なお、前回は、学習行動、欠席率、不登校などに関するデータと、学力やアンケートのデータを分けて整理していましたが、データを分ける意味に若干乏しいということと、内容的にも一部重なる部分があるということで、今回、少人数学級の効果と考えられるデータを一括して並べております。

 内容でございますが、3つほど変化がございます。

 まず最初が9ページでございますが、9ページの検証結果3、山形県のデータでございます。前回の会議で、山形県の小学校の不登校の児童数という上の折れ線グラフをご紹介いたしましたが、欠席率の変化についても掲載してはどうかというご指摘がありましたので、2つ目の棒グラフを追加してございます。山形県では、平成14年度から少人数学級を導入しております。導入年度以降、欠席率が低下し、その後も低水準を維持しているという結果になっています。なお、データは平成17年で終わっておりますが、これは調査自体がこの年で終了したためでございます。

 そして、変更の2つ目でございますが、続いて10ページの一番下のなお書きでございます。前回の会議でヒアリングに来ていただいた、慶應の赤林先生からいただいたご意見も掲載すべきではないかとご指摘がございました。簡単ではありますけれども追記しています。なお、特に、学力に影響を与える要因は家庭・地域の状況等を含めさまざまであり、学級規模と教育効果との相関を的確にとらえる分析手法の検討が必要であるとの意見もあるとしてございます。

 そして修正の3つ目でございますが、保護者の声に関することでございます。11ページから、検証結果5として全連小のアンケートを掲載してございます。11ページと12ページについては、校長あるいは教員に対して、今年度から新たに小1、35人学級を導入した学校に対してアンケートをしておりまして、11ページと12ページは前回と同様でございます。

 13ページに、同じ調査から保護者へのアンケート結果を掲載しています。保護者の評価といたしましては、小1の35人以下学級の導入の効果として、例えば「先生がきめ細かに対応」など、5項目すべてで8割から9割以上が積極的評価をしております。また、同じ13ページの下の検証結果6がありまして、これは大阪府が平成22年度に実施した少人数学級の効果検証を追加しています。少人数学級を導入した小学校では、教員は「1人1人の進みぐあいを把握しやすく、それに合わせた指導がしやすくなった」(93.7%)ですとか、保護者も、「先生は、家庭連絡等きめ細かい対応をしている」(86.0%)、「子どもは、学校へ行くのを楽しみにしている」(92.0%)など、多くが肯定的評価をしているところでございます。

 分析の部分で変更したのは、以上のところまででございます。

 そして、次、14ページでございます。14ページ、「マル2少人数学級の導入により可能となる教育指導の改善」からが、冒頭に申し上げました少人数学級の効果のプロセスを整理し直した部分でございます。読み上げをさせていただきますと、各地における取り組みの検証やアンケートの結果から見られる少人数学級導入の効果は以上のとおりであるが、こうした効果と少人数学級導入との相関を考える上では、少人数学級の導入が学習行動の改善や欠席・不登校の減少などの効果に結びつくプロセスについて検討することが必要、となっています。この点について、全国連合小学校長会の行ったアンケート結果等から、まず、少人数学級の導入は学校や教員が行う教育指導について、次のような改善を可能にすると整理できるということで、教育改善の効果として3つ整理をしています。この3つは前回と同じ内容になっています。すなわち、子供たち1人1人に目が行き届いた学習指導。ページを一枚めくっていただいて、発言する機会を増やし、思考力を深める授業づくり。そして、きめ細やかな生活指導という3つの点について、学校教員サイドに対し、こうした教育指導の改善をもたらすと整理をしました。

 なお、その次に書いてある「もとより」というパラグラフでございますが、ここについては、前回の会議で、教員の勤務時間の負担が重くなっていることについてご指摘がありましたので、先般発表されたOECDの調査結果及び平成18年に文部科学省が実施した教員勤務実態調査の結果概要を追記をし、このような状況を改善する点からも、少人数学級の推進による教育環境の改善が必要との意見も強いと記述しております。

 続いて15ページの一番下、マル3でございますが、今、マル2で述べましたように、学校側あるいは教員側で教育指導の改善を行われたことが、今度は子どもたちに影響を及ぼしたのではないかと考えたものでございます。

 次の16ページに進んでいただきまして、先ほどご紹介した検証結果5の全連小の調査や、あるいは検証結果6の大阪府の調査などのデータをもとに考察いたしますと、次の2つのように整理できるのではないかと考えました。

 まず1つが、1人1人に目が行き届き、個々の学習進度等に応じた指導が行えることにより、これまでよりも授業を理解しやすくなったり、子どもたちが授業の中で発言する機会が増えること等により、授業が楽しいと感じるようになることが、「学習意欲の向上」「子どもが勉強好きになった」などの効果に結びついていると考えられるということです。また、家庭との緊密な連携などきめ細やかな生活指導を行えることにより、「子どもたちが落ちついて学校生活を送れる」「子どもがクラスになじむ」などの状況が生じ、「子どもが学校に行くのを楽しみにしている」などの効果に結びついているとも考えられます。そして、次の丸ですが、以上のように、少人数学級の効果は、マル2で述べたような教育指導の改善というプロセスを経て、マル3で述べたような子供たちに学習意欲の向上や学校へ行くのが楽しくなるなどの効果を及ぼしていると考えられます。そして、これらの効果(マル2、マル3)がマル1で示したような少人数学級の導入による子どもたちの学習行動の改善、欠席や不登校の減少、学力の向上といった各地における取り組みの検証結果にもつながっているものと整理できるとしました。

 こうした整理につきましては、1つの仮説ではあると思いますけれども、今回、こうした整理を行ったことで、少人数学級の効果について、1つ、説得力を増したのではないかと考えているところでございます。

 続いて、「マル4新しい学びへの対応」でございます。これも前回の会議で、少人数学級によりICTを活用した授業など、新しい学びに対応できるとのご指摘があったことを踏まえて、再度整理をしてございます。ここも変わっておりますので、読み上げさせていただきますと、これからの学校教育には、新学習指導要領が目指している思考力・判断力・表現力やコミュニケーション能力の育成など、21世紀を生きる子どもたちに求められる力をはぐくむために、従来のような一方向・一斉授業による学びのみならず、発表の機会の増加や観察・討議等のグループ学習、ICTを活用した教育活動などを授業の中で意図的・計画的に設定するなど、協働的な学びや双方向型の学びを推進することが求められている。少人数学級は、こうした新しい学びへの対応を可能とするものであり、今後求められる授業改善に取り組みやすくなるという効果がある。換言すれば、少人数学級の推進は、きめ細やかで質の高い指導のための基本的な教育環境の整備であり、それと相まって具体的な授業改善など指導方法の改善を推し進めることによって、さらに大きな効果が期待できるものである。すなわち、少人数であることで教員の目が行き届き、児童生徒の発言の機会を増やせるなどのメリットを生かして教員が指導上の創意工夫を図り、児童生徒1人1人により丁寧な指導を行うという指導の改善を伴うことで少人数学級の効果が一層発揮されることに留意すべきとしてございます。

 そして、次の秋田県の例は、前回と同様でございます。

 続きまして、19ページでございます。ここから(2)として、少人数学級の効果の2つ目ですが、基礎定数の充実によって計画的・安定的な人事配置が可能となるという部分でございます。ここも前回とほぼ同様ですが、1点追加しておりまして、ポイントの3つ目をごらんいただきますと、本検討会議でこれまでもご指摘がございましたが、今後、公務員の定年延長の動向などを踏まえて、また、今後の教員の資質能力向上方策などを視野に入れつつ、教職員の養成・採用・配置が円滑に行えるよう、そのあり方について検討が必要という記述を追加してございます。

 ここまでが、少人数学級の効果に関する記述でございます。

 続きまして、21ページでございます。先ほど主査からお話がございましたが、前回、必ずしも十分ご議論いただけなかった部分でございまして、ぜひご意見を賜りたいと思っていますが、今までご説明いたしましたような少人数学級の効果を踏まえて、今後の学級規模及び教職員配置の適正化に関する論点と考え方を整理した部分でございます。

 まず、「(1)少人数学級の推進」です。最初の丸2行は前回と同様でございまして、2つ目の丸から4つ目の丸までを追加しています。

 まず、今後もきめ細やかで質の高い教育を実現していくため、35人以下学級について、教育効果の検証を引き続き十分行いながら、順次その取り組みを進めることが必要と考えられます。その際、低学年は小学校教育に適応する上で重要な時期であること、小1に引き続き切れ目なく進めることについて、保護者や関係団体等から強い要望があること、小学校第1・2学年では約半数の小学校でクラス替えを行っていない実態があることなどの理由により、小学校第2学年を最優先に取り組むべきという意見が多数ございます。さらに、新学習指導要領により学習内容が増加・高度化している中学校についても、学習基盤としての学級の少人数化に速やかな対応が必要であるとの意見もありました。

 4つ目の丸は、前回、適正学級規模についてのご指摘がございましたので、少人数学級としては、当面35人以下学級の取り組みを進めるべきと考えますが、適正な学級規模について、国の学級編制の標準の引き下げや地方独自の取り組みによる少人数学級や学級編制の弾力化の取り組み状況を見きわめながら、引き続き検討としております。

 「(2)基礎定数と加配定数の効果的な組み合わせ」でございます。ここの部分につきましては記述は変化がありません。ただ、まだ十分書き尽くしていない部分がございまして、今回の検討会議では、少人数学級の効果について中心的にご審議いただいたため、特に加配定数の総論的な記述があまりできていない状況になっています。このため、今後、主査ともご相談して、中間まとめまでにはもう少しこれまでのご意見等を踏まえたものを整理して、記述を追加したいと考えてございます。

 書いてあることは、1つは、基礎定数、加配定数、それぞれ現場の意向を踏まえて確保が必要であるということと、学校現場の意向を反映して、柔軟な学級編制、教職員配置をすることが必要ということが書いてございます。

 そして次、22ページ、「(3)当面充実が必要な加配定数」でございます。前回の資料では柱だけをお示ししておりました。その柱は前回とほぼ同様でありますが、それぞれに具体的な記述を追加しています。

 まず、「マル1学習支援等が真に必要な児童生徒への手厚い支援」という視点でございます。経済的困難を抱える子どもたちなど、学習支援が必要な子どもたちへの支援を積極的に行おうとする学校に対する加配措置が必要ではないかということで、具体的には4つでございます。

 まず1、「中学校における経済的な困難を抱える生徒など学習支援が必要な生徒への対応」。足立区の発表などがありましたが、経済格差と学力との相関が指摘される中で、特に学習内容が高度化する中学校での補充学習、少人数指導等のための体制整備に対する支援を行うとともに、効果の検証を行い、さらに効果的な取り組みを推進するとしております。

 2つ目は、「発達障害の児童生徒のための通級指導の充実など特別支援教育への対応」であります。今回の法改正に盛り込まれた障害のある児童生徒への対応といたしまして、通級指導を必要とする児童生徒が特別な指導を受けることができるよう体制を充実させております。並びに特別支援教育コーディネーターの配置充実としております。

 3つ目は、「日本語指導が必要な外国人児童生徒等への学習支援」です。これは本会議では必ずしも議論になってはいませんが、近時、日本語指導を必要とする児童生徒の増加が見られています。平成22年度のデータでは、全国の小中高等学校で約3万人程度の子どもたちが日本語指導を必要としている現状があります。そうした中で、日本語指導が必要な外国人児童生徒等に対する特別の指導の充実が必要ではないかとしています。

 4点目は、「東日本大震災により被災した児童生徒のための学習支援等」です。心のケアが必要な児童生徒に対する学習支援や地域連携、先導的な防災教育の体制整備のため、被災県等に対する支援を引き続き実施すべきではないかということです。

 続いて、「マル2きめ細やかで質の高い指導の充実」という観点であります。

 まず1、「小学校における専科指導の充実」。これも法改正事項でございますが、小中連携の推進や複数教員の指導等により小学校において専科指導の充実のための教職員体制の整備に取り組む学校に対する支援を行うとともに、効果の検証も行うとしています。

 そして2、「地域連携による質の高い教育の充実」。コミュニティ・スクールや、小中学校の連携など地域連携により質の高い教育に取り組む学校の体制整備に対する支援を行い、先進的な研究を推進としております。

 続きまして、23ページの(4)でございます。基礎定数、加配定数、共通の問題といたしまして、計画的な教職員定数改善が必要としています。その際、自然減や教員の年齢構成の変化による給与費の減少も考慮しつつ、可能な限り追加的な財政負担を伴わないよう努力としています。

 最後に、今回の中間取りまとめでは結論を得ず、本検討会議において引き続き検討が必要な事項をまとめています。既にご説明をした内容と重複する記述も含まれておりますが、それ以外に、例えば4つ目の丸にございますような、複式学級の学級編制の標準の見直しや学校統廃合を支援する措置などについての検討、あるいは本年8月の障害者基本法の一部改正を受けた学校現場の変化の状況を踏まえて、学校現場で求められる教職員配置のあり方といった内容などを記述しているところでございます。

 以上、これまでの議論の整理について、前回からの変更を中心にご説明させていただきました。説明は以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。ただいまの説明のとおりでございますが、まず20ページまでについて、ご意見をいただきたいと思います。全体的にはさほど前回と変わっておりませんが、少し工夫したところもございますので、ご意見をいただければと存じます。感想等でも結構でございます。よろしくお願いいたします。どうぞ。土居委員。

【土居委員】  少人数学級に関するこれまでの議論の整理というのは、今、ご説明あったとおりでよいかと思いますが、少人数教育、ティームティーチングとかほかの取り組みよりも、あえてここで少人数学級を推進するのだというトーンが、もう少しほしいかなという気がしております。書かれていることには違和感はないわけですけれども、我田引水のように見られないためには、あえて少人数学級を導入することによって効果があるのだという書きぶりも補強する必要があるのかなと思いまして。その議論が前回出ていたならば、重複することになるかもしれませんが、もし出ていなければ、どこにこれを書くかというのはなかなか悩ましいところではあります。また、参考資料として資料3でつけられている中で、「学級編制の弾力化の取り組み」という資料まで入っているというところを資料として提示されると、一応その議論ではここまで視野に入っておきながら、これまでの議論の整理の本文では余りそれについて触れていないというアンバランスさも感じるので、もし20ページのあたりに項目を別建てにして、一言触れておくということもあり得るのかなと思いました。

 それからもう1点は、15ページのところで、きめ細やかな生活指導の議論で、教員の勤務実態調査などで、非常に教員の先生方はお忙しいという話で、特にOECDが行った国際調査に触れているのは、私はいいと思うのですけれども、参考資料かどこかで、その根拠となる数字をご提示なさるといいのかなと思います。

【木村主査】  ありがとうございました。後者の点は、全くそのとおりだと思います。、先生のポイントは、このまとめでは少人数学級というのが浮き出過ぎて、少人数学習にも効果があるはずなのに、それについての記述が足りないというご意見ですね。課長、何かコメントありますか。

【伯井課長】  確かに少人数学習は全体に効果があるということなので、何らかの資料の補強は試みたいと思います。今回の資料でも少し言っておりますように、先ほど説明させていただいた少人数学級をやることを基盤として、なおかつ少人数指導方法の工夫改善を行うことによって、その教育効果がなお一層発揮されるというので、16ページから17ページにかけて、少人数学級は、いわば学習基盤でございますので、それにプラスアルファして、秋田県の例も挙げておりますけれども、指導方法の改善を行うことによって、なお効果が上がるという理論構成で分析をしております。先生がおっしゃったように、少人数指導についても、例えば京都のように学校現場にある程度ゆだねることによって、効果を上げている例もございますので、そうしたことについても少し、何らかの形で記述の補強を行っていきたいと思っております。

【土居委員】  今、ふと思ったのですが、2ページで国会での審議の話が書かれていて、そこで論点として、35人にする意義があるのかということで、多分質疑があったのだろうと思うのですね。もし国会の委員会の場とかで、ある種の合意形成というか、こういうことで了解しているという議論の内容があるとすれば、それを前提条件に、第1学年についてはその理解でもってスタートしているということなのだから、さらに推進するべきだという説明の仕方もあるかもしれないです。少人数教育全体の中でも、あえて少人数学級を推進するのだという説明の1つとして、そういう説明ぶりもあるのかなという気がしました。

【小川副主査】  今の論点なのですが、実は少人数学級か少人数指導かという議論は、昨年の中教審で1ページに書いているとおり、新定数改善計画、今後の学級編制及び教職員定数の改善についての提言を作成する過程でもそういう議論を経て、少人数学級を進めるべきだという形でまとめたという経緯があります。ですから、そうした議論をきちっと整理したものがありますので、今年のこの検討会議も、あくまで昨年度の提言をベースとしてステップを踏んでいるわけですので、少人数指導も効果はあるのだけれども、なぜ少人数学級を進めなければならないのかということについては、その提言の内容をきちっと踏まえていただき、今回の報告の中に書いていただければと思うのですが。

【木村主査】  ありがとうございました。事務局、どうぞ。

【谷合企画官】  今回のこの会議の検討が、今日の資料2の2ページの真ん中辺の丸で、「このような経緯を経て」というところの第2パラグラフ、なお書きでございますが、法案の附則の記述の中で、公立の小学校の第2学年から第6学年まで及び中学校に係る学級編制の標準を順次に改定すること等について検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他の必要な措置を講ずることという規定があったことも受けて、検討会議が発足しているということがありましたので、少人数学級をメーンにして検討させていただいたというのがございます。

 それと、もう1点補足ですが、先ほど課長から京都府のお話をさせていただきましたが、資料3の参考資料の10ページから京都府の取り組み例がございます。京都府は府のほうで、市町村に対して30人程度学級が可能な定数をまず渡した上で、市町村がそれぞれの判断で少人数指導にするのか、少人数学級にするのか、TTにするのかといった判断をするという形をとっています。そして、具体的に10ページの円グラフというのでしょうか、実際どう選択したかというデータも掲載されています。そして、実際どのような成果の違いがあるかということについては12ページあるいは13ページあたりに、TT、少人数授業、少人数学級それぞれの効果が掲載されています。なので、こういったところを今回の報告でご紹介するようにしたいと思います。以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。私も若干そういう印象を持っておりましたので、少人数教育のことをもう少し強調するようにしましょう。

 要はどうフレキシブルにやるかというところがポイントで、何も35人以下学級ありきということではないということですね。いろいろな指導の仕方があるということだと思います。

 ほかにご意見はございますか。中川委員、どうぞ。

【中川委員】  5ページのことでございますが、少人数学級の効果について、フローで説明されたという、これは非常にいいと思います。そこでもう一つ、これに加えてほしいと思うのが、第1に、学校や教員にとってという項目があります。2番目に、子どもたちにとってという項目があります。もう一つ、ここに、保護者にとってという項目をぜひつけていただきたいと思います。せっかく後でアンケート等の結果もありますし、学校現場からいろいろ聞いていますと、子どもたちに教員が目をかける、その度合いが非常に強くなってくる、それらを連絡ノート等で書かれると、保護者の反応も非常によろしい。PTA等のアンケートをとれば、圧倒的に少人数学級の応援をする保護者の声が多いですので、ぜひここで、保護者にとってはという項があるとありがたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

【木村主査】  よろしいのではないでしょうか。データにも保護者の意見を載せてありますので、いいご意見だと思います。ありがとうございました。

 それとついでに、中川委員がご発言になった5ページから6ページのところですが、ここだけが実線の括弧になっています。「さらに」ということで前からの続きのように思えますが、これは前のフローチャートとどう関係があるのか。構成上のミスのようですね。

【谷合企画官】  この5ページのフローチャートは、少人数学級の導入によって、どういうプロセスを経てこういう効果が上がったかという、これで1つの現在のサイクルが完結しています。それで、6ページの四角囲いは、もちろん現在も既にいろいろな取り組みをされているところもあると思いますが、どちらかというと将来への提言という形にしているので、6ページは別枠にいたしました。

【木村主査】  「さらに」という書き方をすると、前からのつながりのような感じがしますので、もう少し書き出しの工夫をして下さい。今、中川委員が発言された保護者のことを入れると、もう1項目増えて分断されませんから、見た目にも続いているということがわかりますね。その辺を少し工夫したほうがいいのではないでしょうか。

【谷合企画官】  はい。

【木村主査】  ほかにございませんでしょうか。どうぞ。藤崎委員。

【藤崎委員】  保護者に関連してなのですけれども、今回16ページ、私もフローチャートにぜひ保護者への対応を入れていただきたいと思いました。

 例えば、14ページ「マル2少人数学級の導入により可能となる教育指導の改善」の中で、欠席・不登校の減少などの効果に結びつくプロセスについて検討することが必要と書かれておりまして、特にこの面におきましては、私、家庭訪問について、先生方に少人数学級になったからこそ家庭訪問というものを、また、改めてその重要さというものを、実践と再認識をお願いしたいと思っております。

 実際、緊密な家庭との連携ということはイコール保護者との信頼関係づくりだと思うのですが、例えば最近聞いておりますと、夏休みに入ってから家庭訪問を開始する学校も増えていたりして。五、六月、ゴールデンウイーク明けに不登校が増えるような状況を考えましても、実は夏休みでは遅いと。特に、どのような生活環境の中で子どもたちが暮らしているか、あるいは勉強しているかということを教師が把握することは非常に大切だと思います。また一方で希望制にしますと、保護者があまり家庭訪問を希望しないという現状なども報告されておりますが、そこはやはり家庭環境を知ることこそが保護者と教員の信頼関係構築につながるということで、お互いに理解して助け合っていく、それで子どもを育てていくという方向性をつくっていくことが必要ではないかなと思います。

 今、不登校について家庭訪問が効果がある、それはその後、学級復帰に対しても、カウンセラーといった専門家が家庭訪問することよりも、担任が家庭訪問で子どもとつながっていることが復帰につながるという結果も出ていると思うのですが、もちろん不登校だけでなく、学校に登校している子どもたちの学習環境も先生が把握しているということが大事ではないか。そういった実践が増えることは少人数学級、あるいは少人数教育の効果にもつながると思います。以上です。

【木村主査】  その辺、どうですかね。私にも、「子どもたち1人1人に目が行き届き」ということで、クラスの中で、と読めます。実際に、家庭訪問等について、余裕ができたことで回数が増えているのか、やれるようになっているのかというデータはありませんか。、その辺りどうでしょう。事務局、お願いします。

【谷合企画官】  まさに先ほど土居先生からありました、少人数学級か少人数指導かという話で、一番際立って差が出るのは、どちらかというと学習指導よりは、生活指導といいますか、結局1人の担任が見る子どもの数が減ることで、より少人数のほうがきめ細かくできる部分があると思いますので、今、ご指摘いただいた家庭訪問などもその1つだと思います。なので、少し書き方を工夫して、ご趣旨を取り入れられるように考えさせていただきたいと思います。

【木村主査】  少し書き方が難しいですかね。全体的なトーンとして難しいかなという気もしますが、少し工夫してみましょう。はい。どうぞ。じゃあ最初に小澤委員。

【小澤委員】  今、家庭訪問のお話がございましたけれども、小学校現場では家庭訪問を、数十年前、学習指導要領のいわゆる標準時数との関係で、授業時数が減したときに、全体の行事を圧縮せざるを得ない、それから週5日制といいますか、これを取り入れたときに、全体の授業が圧縮せざるを得ない。その経過の中で家庭訪問をすると、多くの場合で4月、5月の段階で、午後の授業をカットして行ってきたという経過があるかと思うのです。そういうことをできない、授業時数確保のために。そういう状況でなかったと思うのです。そういう具体的な文言を文章として含み込むかどうかというのはちょっと難しいのではないかと私は思っておりますけれども。

 何点かお話しさせていただきます。

 5ページの部分でございますけれども、補強的な発言をさせていただきます。全体のトーンとしては、私は、このまとめの文章でいいのかとは思っております。

 まず低学年の子ども、一、二年生という形でくくって、低学年の子どもに今すごく重要なことは、やはり幼稚園、保育園からの連携、幼保小学校との連携があります。具体的に、集団で子どもは行動することができない。もっと具体的に言えば、小学校1年生の段階で何を当初するかというと、例えばトイレの使い方等の指導も小学校でせざるを得ないという状況もあるわけです。そういう状況の中で1つの学級のサイズが小さくなるということ、子どものかかわりが、より教員が増えるということ、そういうことが非常に重要だと思っておりますし、前回お話ししましたように、保護者との連携、連絡も重要かと思っております。

 これは15ページの、先ほどお話のございました、教員1人当たりの子どもと向き合う時間の確保、勤務時間の増加、これへの対応ということにもなるかと思っております。

 続いて13ページでございますけれども、先ほどからお話がございますけれども、保護者の反応でございます。実はこの保護者の反応を呼び起こすための前提条件があると思うのです。今回、1年生が35人以下学級を導入するに当たって、各学校の校長は、前年度に35人以下学級、少人数学級の導入の意義について説明していると思います。したがって、こういう学級編制になったと。というのは、法改正が4月にずれ込みました関係上、そういう形で新年度説明して、新たな学級編制をしたという学校も多くあると思うんです。そういう中での説明があり、実際に現在のプロセスの中で学級編制替えをして、13ページのような保護者からの意見が出ていると。これは逆に見ますと、今回、もし万が一、現1年生が2年生で、学級編制替えをせざるを得ない状態、35人学級が実施されないで40人学級をそのままで行った場合、逆に保護者の声が出るということでありまして、そのことを各学校が対応せざるを得ないと思います。これは全国の校長からの声も、これに対する対応は極めてシビアになるということがございますので、ぜひその辺のご配慮をいただければと思っております。

 続いて15ページでございますけれども、このページについての2つの意見がございます。「発言する機会を増やし、思考力を深める授業づくりについて」、この部分でございます。後のこの論点のまとめでございますけれども、思考力を深めるためには、どうしても子どものコミュニケーションを伴う問題解決的な授業構成が必要であります。そういう意味で、クラスサイズを小さくすることによって、より有効な、ここには例えば教室のスペース等の有効活用などもありますけれども、そういう授業構成がしやすくなるということでよろしくお願いしたいと思っております。

 それから16ページでございます。今の思考力と関連してですが、「新しい学びへの対応」という項を起こしておられます。私はこのままで結構だと思いますし、このことは、やはり新学習指導要領の改訂趣旨でありますので、全面的に打ち出していただきたいと思っております。

 19ページにまいります。ポイントの3点目でございます。第1行目後半、中長期的な見通しを持って今後の教職員の採用・配置ということだと思うのですけれども。東京都の場合は極めて顕在的でございますが、いわゆる大量退職、これに伴う新規採用、そういう状況の中、それからもう1点目は児童数の全体的な減少。大量に退職して、これは東京都以外のほかの都道府県も同様な傾向が出てくるかと思いますけれども、大量に退職することによって、新規採用、給与面から見ればそこで何らかの財政的負担減が出ると思いますし、児童数の減によっても同様だと思います。この2つのデータ、特に前半の部分、全体の教員の給与の圧縮、今、3分の1の補助でございますけれども、これについて、これからどういう圧縮が見通しとしてなされるのか、この辺のデータが出ないのかどうかですね。その辺のことはどうなのかと思っております。

 それから19ページの上から4点目でございます。冒頭の話でございましたけれども、ぜひ市町村教育委員会の裁量の権限につきまして、今後とも見通しを持った対応をお願いしたいと思いますし、文章の中にこのまま盛り込んでいただくことが適切だと思っております。

 21ページです。基礎定数と加配定数との関係でございます。実は今回の新1年生のいわゆる35人学級実施に伴って、加配定数1,700人、これがそこの中に盛り込まれたということで、具体的に各都道府県で起きている事態がございます。各都道府県は、これまで少人数学級とともに少人数指導の意義を非常に重くとらえておりまして、少人数指導を、算数とか国語とか教科の中で実施してきたという経過があります。そのときに国で、これまで行われてきた加配定数を運用してきたという経過がありまして、今回の1,700の加配定数の含み込みといいますか、これは非常に財政的に逼迫している、特に都道府県、市町村教育委員会においてはやりくりに苦慮しております。そういう意味からも、ぜひ加配定数の必要な定数の確保についてはご検討いただきたいと思いますとともに、今回の概算要求にぜひ盛り込んでいただければと思っております。以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。貞広委員。

【貞広委員】  ありがとうございます。まず、前回の意見をこのような形でわかりやすく反映していただきまして、ありがとうございました。その上で、読み手側、内容的なものではないのですけれども、財政的なサポートを得るということに加えて、国民の読み手側からのわかりやすさ、説得性という意味で細かいことも含めて3点申し上げたいと思います。

 まず、「これまでの経緯について」と始まっていますけれども、この問題、課題についてご存じの方でしたらこれでいいのだと思いますけれども、若干始まりが唐突かなという気がいたします。例えば現在、今日特になぜきめ細やかな指導が必要であるのかという点について、非常に短いものでも何か文章が必要なのではないかと思います。だから今こういう議論が必要なのだという流れが必出てくるのではないかと思います。特に今、先生方から出ていました、生徒指導上の今日的な問題や新学習指導要領の対応などがあるゆえに、今現在、特にこういう議論が必要だったということを冒頭に掲げていただくと、国民がこれを読んだときに非常にわかりやすくなるのではないかと思います。それが1点です。

 それとまた読み手の読みやすさという点なのですけれども、前段と後段というか、前のほうの少人数学級の効果という点と、後段のほうの学級規模及び教職員配置の適正化に関する論点と考え方に分かれていますが、後段のほうの加配についての効果の記述があるのですけれども、前段にそれがほぼない。このアンバランスを何とか改善できないかということです。もちろん先ほどおっしゃっていたように、こちらでは少人数学級の効果について中心的に話をさせていただいていたとは思うのですが、実際にはヒアリングも多々行われてきました。ここの会議に出席をしている私からすると、後段のほうにこれだけ加配についての記述があることに何ら違和感はありません。しかし、これだけを読んだ方にとっては、なぜこういう加配が必要なのかというのがわかりにくくなっているかと思います。全体のバランスの問題がありますので、前段を長くすることがいいことかどうかはわかりませんが、もし可能でしたらそのあたりもご対応いただければ読みやすくなるのではないかと思います。

 それから3点目は、非常に細かいことなのですが、9ページで山形県の資料が追加資料として、欠席率の変化が出ています。上のほうの不登校の児童数の出現率が全国平均と比較がなされているのですけれども、下がなされていないのですね。もし2つとも全国との比較がなされていると総合的なものになって、相対的に比較もできるかと思いますので、もしデータがあればつけ加えていただければと思います。以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。第1番目のご意見について、私も同様に考えておりまして、これを国民の皆さんに読んでもらう場合、「これまでの経緯について」という書き出しはやや唐突で、「はじめに」ということで、今、貞広委員のご発言になったようなことを少し柔らかい文章で書いておくことはよろしいのではないかと思います。

 それから山形県のデータで全国というのは、どうですかね。ちょっと難しいかもしれませんが、事務局、ありますか。

【谷合企画官】  上の折れ線グラフの不登校の児童生徒数については、これは学校基本調査という全国調査がございまして、そのデータを持ってきております。下の欠席率の変化は山形県独自の調査でございまして、全国版はないのではないかという気がしております。確認をしてみます。

【木村主査】  少し調べてみてください。私は以前、相川委員がご発言になったように、不登校と欠席とは、性質が違うと思っています。欠席率のデータが出てきたというのは非常にいいと私は思いますので、今、貞広委員のご発言のような内容がもしデータとしてあればいいと思います。ありがとうございました。ほかに、どうぞ。相川委員。

【相川委員】  データ結果の話なのですけれども、教師側は、「きめ細かい指導が充実している」と思っています。校長先生と教師はちょっと差があるのですけれども、保護者のほうは、先生がきめ細かに対応していると思っています。先生と保護者は、指導と対応の認識は近い位置にあるのですが、今、先生が二極化しています。年齢の高い方と非常に若くなっている方と二極化していて、少人数学級を進めることによって、これは資質の向上の問題になるかもしれませんけれども、若い先生がいろいろな指導方法を自分で考えてくれます。子どもといろいろなことで接することによって、いろいろなことを考えて指導力に生かしてきます。やっぱり先生と、子ども、保護者が、信頼関係をつくって、指導が向上してくるということにもつながってくるのではないでしょうか。ですから、保護者の目から見ると、指導する力を上げてほしいことはもちろんあるのですけれども、先生に対して信頼がちょっと薄れているというのもありますので、そういうものについて信頼をおけるような、先生もともにいろいろなことを考えて指導していくという機会に、少人数学級が適しているのではないかなと。また、地域のいろいろな支援を受けるということにもやはり溶け込むということが必要ですので。そういう保護者の目もあるということですね。

【木村主査】  ありがとうございました。兵馬委員、よろしくお願いいたします。

【兵馬委員】  20ページまでのところということで、発言をどうしようかと思うところもあるのですが、実は特別支援教育の観点からの話です。

 もともと小中学校の40人学級という課題は、相当前から抱えている課題であると思うのですが、法改正で平成19年、ここから特別支援教育が始まったということで、実際には発達障害等のお子さんが6.3%いると。出現率のことから考えると、例えば中学校における経済的困難を抱えたという方、それから不登校のお子さんと比べますと、相当数いるであろうと。ただ、全体の論議の中で、まだまだ特別支援についての課題というのは浮き彫りにされていない部分もあろうかと思います。現在、特別支援教育のことについては、後ほどありましたけれども、障害者の基本法の改正に伴って、インクルーシブな教育を実現するということで、初中局の中に特別委員会を設けて、またその中に合理的配慮といったワーキンググループをつくって、今、検討しています。その中でも特に合理的配慮となると、やはり人ではないかと。きちっとした先生がいないと、そういった支援の必要なお子さんについての配慮ができないのではと検討されています。

 また、個別の教育支援計画であるとか、個別の計画を策定していく。より個別化をうたっているところもあります。全連小の11ページの資料の中に、個別指導の充実と個別の指導計画を立てることとは一本化されてはいませんけれども、なかなか全連小の調査の中には、問題のある子どもという部分の中に、おそらく障害のある子どもたちが、含まれているわけでして、設問としてもなかなか出てこない部分があろうかと思っております。ただ、今後、そのインクルーシブな話の中にも、交流及び協働学習といった地域の学校の中で学ぶ機会をつくっていくとなりますと、支援学級であるとか特別支援学校も、どうしてもそちらに手をかけるといったことが起きてきますので、できれば早いうちにこういう総論の中にも今後の対応策ということを書き込んでいただけるとありがたいと思っております。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにご意見ございませんでしょうか。一通りいただけたようですけれども。よろしゅうございましょうか。

 それでは、全般のことはあまり言ってはいけないのですけれども、20ページまでのところについては、一通りご意見をいただきました。伺っておりますと、ご意見の中で取り込みが難しいことも特になかったように思いますので、取り込める程度の差はあろうかと思いますけれども、事務局と相談いたしまして、修文をして、先ほどお約束いたしましたように、まずメール等でご連絡をし、さらにご意見をいただいた場合には、私と事務局とで処理をするということにさせていただければと思います。よろしゅうございますね。ありがとうございました。

 それでは時間がまだ少し残っておりますので、なかなかこの資料だけではご発言が難しいかと思いますけれども、21ページ以降について何かご意見がございましたらいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

【小川副主査】  意見ではないのですけれども、質問で、説明をお願いしたい点があります。この検討会議ではあまり議論をされてこなかったことで、おそらくそれは加配定数の運用とか実務レベルでの面が非常に強いこともあって、あまり議論されてこなかったかと思うんですけれども、やはり重要なことなので教えてほしいのは、21ページにも最後の23ページにも書いてあるのですけれども、加配定数の中でも特に指導工夫改善の加配について、安定的・計画的な配置が可能となるよう、申請、配分の仕方のあり方を検討すると書かれています。事務局としてはその中身は具体的にどういうことを想定されているのかを説明いただけないかということです。

 それと、全体に係ることですけれども、これまで定数改善とか少人数学級の議論は、昨年の中教審でもそうでしたけれども、高校を含めた議論をしてきて、高校も含めたいろいろな現状把握と提言をやってきていたのですよね。今回、この検討会議はあくまで公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員定数の適正化という検討会議で、高校は抜けていますよね。そういうことも含めて、おそらくその趣旨は昨年の中教審の提言を踏まえて、今年度はいろいろな状況に見合って、あるところにテーマを特定し、検討会議を設定して、定数、学級規模の話を進めてきたということですので、そういう意味では今回の検討会議の報告の中には、高校の問題が入っていないことは当然だと思うのですけれども、ただ、流れからするとやはり昨年の提言を踏まえての今回ですので、この検討会議の報告書の初めのところに、そういう経緯がわかるように説明が必要なのかと思います。高校の関係者からすると、何で今年度は高校の問題が全く検討されていないのかと疑問を持つかと思いますので、今回の検討会議はあくまで公立義務教育学校のこういうテーマ設定ですので、その辺の経緯は初めのところで丁寧に説明をしておいたほうが誤解がないというか、いうことで、それはお願いです。

【木村主査】  質問とお願いの両方が出ましたが、課長、よろしくお願いします。

【伯井課長】  21ページの真ん中あたりにあります、「加配定数の中で、全国の学校で行われるべき指導上の工夫に関するものについては、安定的・計画的配置が可能となるよう、申請、配分の仕組みのあり方を検討」というところでございますけれども、加配定数でもさまざまなものがございます。その中でも指導方法工夫改善定数のように、全国の小中学校において、少人数指導であるとかあるいはティームティーチングであるとか、一定程度行ってほしいという意味では、ある程度客観化が図れるようなものについては基礎定数化という議論も当然あるわけです。

 そういうことも視野に置きながらも、基礎定数化してしまうと、少人数指導あるいはティームティーチングといった個別具体の指導方法を、国あるいは都道府県として各学校現場に行っていただく担保がなくなりますので、そういう加配措置の重要性ということもある程度認識しながら、ただ、客観化が図れるような加配措置でございますので、そこはある程度申請、配分の中で、一定数保証できるような仕組みであるとか、そういうものが検討できないのかということの問題意識がございます。そこには前回の中教審提言であったような、加配を基礎定数化していくという議論も含めて、どういうあり方がいいのかという検討ができないかということでございます。そのあたりも今後示させていただく本文の中では、もう少しわかりやすい形で書き込んでいくことが必要かと思っております。

 あと、高校につきましても、今回の議論は、前回、法律を出したときの国会審議であるとか、附則の規定を踏まえた議論ということでございます。高校は高校でまた別途、高校教育の内容も含めたあり方の議論が今後始まるということでございますので、そうしたものも踏まえながら、高校の教職員定数のあり方も考えなければならないということだと思います。そうしたことを「はじめに」の中でわかりやすく記述していければと考えております。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかに。どうぞ。井上委員。

【井上委員】  21ページの「適正化に関する論点と考え方」の「(1)少人数学級の推進」のところなのですが、先ほどご意見が出ている、全体の議論の整理の初めのところに、経緯、今までの考え方が書かれるかと思いますが、ここで「今後もきめ細やかで質の高い教育を実現していくために」という表現が、ちょっと不十分ではないかと思います。今回の義務教育諸学校の定数改善では、新しい学習指導要領が充実して、それに対応して、どうしても学習集団と生活集団としての学級のサイズを引き下げる必要があるというのが、昨年の中教審の提言だったと思うので、それをここでも強調しておかないと、単にきめ細かな質の高い教育というだけでは不十分ということと、それから3つ目の丸に、「さらに、新学習指導要領により学習内容が増加・高度化している中学校について」と。中学校のほうに書くと、学習指導要領全体が小中学校に共通して、従来のいわゆるゆとり教育から、さらにグローバルな教育戦争というか、そういうものに対応して学力の向上を目指し、特に学習指導要領の改訂を行って、それに対応するためという趣旨があまりはっきりしないので、その点は少し検討していただきたいと思います。

【木村主査】  ありがとうございました。よろしくお願いします。

【中川委員】  今の関連なのですけれども、3番目の丸の中学校のところなのですが、「学習基盤としての学級の少人数化に速やかな対応が必要であるとの意見もあった」と。「との意見もあった」というのは、私はこの会議の大勢としては中学校もぜひ少人数学級にという意見が大半だったと思うのですけれども、何かこれすると非常に弱いという感じがしますけれども。久保田先生、いかがでしょうか。

【久保田委員】  中学校の立場としては、今までずっと審議してきた内容については、中1段階でも同じであるし、中2、中3についても同じであるということですので、今のご意見は大変ありがたく、ここにそういうトーンで盛り込んでいただければさらによろしいかという感じを持っております。

【木村主査】  ありがとうございました。しり馬に乗って言うわけではないのですが、東京都は、小1プロブレム、中1ギャップというものを非常に重く見ておりまして、特別加配を予算当局にお願いして、かなり大きなものを措置していただきました。この双方の問題について細かく分析してみると、もちろん小1プロブレムも非常に深刻なのですが、中1ギャップのほうが問題が大きいようです。個性が発露する時期ですから、生活指導面も大変になります。新しい学習指導要領もこなさなくてはならない。全体としては現在、小学校ということで議論が進んでいますが、私自身は中学校が大変だと思っていまして、その辺も含めて記述できないかと考えています。その辺、今後、議論していきましょう。ほかにございませんか。どうぞ。藤崎委員。

【藤崎委員】  今の話に関連してなのですが、やはり不登校も中学校で急激に人数が増えます。それから指導していく中で感じることは、高校進学をきっかけに不登校を克服して、高校の選び方とかそういったもので、かなりその後の予後がいいと思うのですね。ですから15歳というのは子どもにとっても非常に大きな節目になりまして、だからこそ中学校にも少人数学級を取り入れていただきたいと思います。以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

 前回も申し上げましたが、イギリスでも15歳という年齢が非常に難しいと言われています。生活指導面の問題もありますし学習指導面も問題あります。相当大きなお金を入れているのですが、なかなか上手く行かないというのが一般の人の見方のようです。日本人に比べて彼らのほうが個性が強いですから、扱い方が非常に難しいというのが現状のようです。

【久保田委員】  1つ、いいですか。

【木村主査】  どうぞ。

【久保田委員】  今、中学校のことが話題になっておりますけれども、もう1点、中学校教育の中で、前にもお話ししましたように、部活動指導の占める割合、エネルギーをかけている割合が非常に大きいものがございます。この教職員定数とどう関連があるかというのは結びつけるのはなかなか難しいのでございますけれども、例えば少人数学級、35人以下学級が入ったとすると、教員が増えると。そのことによって部活動指導する者が増えるということは1つあるのですね。したがって、正規教員だとそれができていく。もちろん外部指導員の制度もそれぞれ各地区で取り入れられていますけれども、やはり教員が担っている部分、特に運動部活動なんかは大変大きいものがあって、子どもたちの期待もそこにあって、また生活指導面でも部活動でという部分もかなりございます。そのあたり、今後の検討課題だと思いますけれども、中学校教育を支えている部活動指導に対して、どうアプローチしていくか、支援していただけるかというところも、課題の1つとして認識していただければありがたいと思っております。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。

 毎回申し上げておりますが、今、ご議論いただいている資料は、目前の必要性に迫られた部分が殆どで、10月以降はまた本来の姿に戻って、教育の理想的な姿を求める議論をしていただくことになろうかと思います。まだ少し時間もありますので、こういうことを議論したらいいのではないか、何かこういうことも考えたらいいのではないかということがありましたら、お願いしたいと思いますが、何かございますか。中川委員。

【中川委員】  「引き続き検討が必要な事項」の一番最後の項目で、多分ここで読み取るのかなとは思っておりますけれども、今、我々は35人学級について議論しているのですけれども、35人学級が実施されて恩恵を受ける地域と言ったら、全国的に見た数から言えば少ないと思います。むしろそれ以下の学校がどんどん増えてきて、これをどうするかと。確実に今、人口減少社会に向かっておりまして、そういうところの教員配当をどうするのかということは、中長期的な展望がぜひ必要なのではないかと常日ごろ思っております。以上です。

【木村主査】  非常に重要なポイントだと、思っています。はい、小川委員。

【小川副主査】  23ページに、「引き続き検討が必要な事項」というところでも書かれていますが、やはり事の重大性ということもありますので、ぜひこれは10月以降、この検討会議でやるのか、それとも新たに教職員の問題として、別の部会でやるのかは、事務局のほうでご判断が必要かと思うのですけれども、公務員制度改革に伴って、地方公務員である教員にもさまざまな影響が及ぶ問題というのは、非常にたくさんありますよね。

 1つはやはり定年延長でして、団塊の世代の50代の層が非常に多い中で、定年延長の形をどういう形態で行うかということは、新規採用の数とか枠にも直接影響することですし、教員の働き方にもかかわることですので。人事院の計画を見ると、平成25年度から3年単位で1年ずつ定年年齢を上げて行くということですので、検討期間の猶予は後2年ですよね。そういうことで、この課題は、あまり時間を置かず、秋以降、ぜひすぐにやっていただければと思っております。

 それに伴って、定数の問題というのは、教員の働き方、勤務形態の問題も直接かかわりますので、特に来年度から新教育課程が中学段階でもスタートしますので、新教育課程のもとで教師の勤務の実態がどうなっているのかということを踏まえて、定年延長の問題も含めて、教員の勤務形態のあり方というのは議論せざるを得ないと思います。そういう点では2006年度にやった教員勤務実態調査のような先行のデータもありますので、できれば新教育課程がスタートした来年以降、教員の勤務実態調査をぜひそういうことも少し視野に入れて取り組んでいただければと思っています。よろしくお願いします。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかに。どうぞ。土居委員。

【土居委員】  今の中川委員、小川委員の話に関連することなのですけれども。私もその問題は非常に重要な問題だと思っています。この会議でどこまで触れられるかというのはわかりませんけれども、やはりこれは財政面から見ても非常に重要なポイントで、単に国庫負担という話だけではなくて、地方の負担、それからそれを裏づけている交付税措置というところまで、実はそう単純ではない、極めて複雑な財政制度の中にこの定数の問題が組み込まれている。ややもすると、国庫負担を増やしたりすればそれで何とかなるという話に見えるかもしれないけれども、決してそういう話ではなくて、地方の負担ないしはその裏づけとなる交付税措置をどう連動させるかというところにまで影響するところがあると思います。

 さらには、これはこの会議でなかなか触れられない点になるかもしれませんけれども、学校の統廃合とかそういう問題にまで、実は定数の話はかかわってくるところだと思うので、そこは非常に重要な問題であるがゆえに、少なくとも問題提起というか、今後こういうことが人口減少等で起こり得るということなので、それに対してはこういうところに課題があるということの所在を明らかにすることは、少なくともこの会議で何らかの形で議論できればいいのではないかと思います。

【木村主査】  ありがとうございました。小澤委員。

【小澤委員】  私、これまで8回の議論の中で、当然、今回の議論の中心は定数ですから、あるいは学級規模と言ったほうがいいのかもしれませんけれども。実は、その数の問題と裏表の関係で、先ほど全国PTAのほうからも話がありましたけれども、教員の力量、やっぱり教員の研修という問題はすごくあると思うのですよ。ぜひそういう部分についても表裏一体で、指導力向上のためにどういう研修体制が必要なのか、そういう議論も必要なのかなと思います。

 関連して、1回目に配られたと思いますし、今日の第1回目のところにつづってありますけれども、公立小中学校の教員定数の標準に占める正規教員の割合、これを見ると、実はさまざまな課題を伴っているのではないかと思います。それがベストという言い方はわからないですけど、正規教員の割合が100%超えているのは東京都と福井県、この2県しかないのですよね。一番低い都道府県は90%です。あとは何をやっているかというと、いわゆる非正規教員、講師臨時的任用、これでやっているわけです。結局は各都道府県が財政状況の中でほんとうに創意工夫しながら、より子どもに対する質的な指導力、指導力の質的な向上のために、そういう取り組みの中で、賃金の面から考えることもあるのでしょうけれども、非正規、臨時的任用、こういう人たちで運用しているかと思うのです。この辺の実態を、国として検討していく必要があるのではないのかと。都道府県によっては10%もそういう先生方がいらっしゃるということはかなり大きな比率で、教育全体の質の問題に結びついてくると思うのです。今後そういう部分での議論もぜひ必要なのかなと思っております。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。藤崎委員。

【藤崎委員】  今のに関連してなのですが、ちょうど「小学校における専科指導の充実」という項目も入っていますが、実際、英語教育に関しましても心配なのは、この先生に習って英語が好きになる子とあるいは伸びない子と、現場でも非常に心配な面があるのですね。これは免許という問題にもかかわってきてしまうかと思うのですが、小中、高校も含めて、教員免許のあり方、高校の先生も例えば小学校に英語を教えに行くことがあってもいいのではないかと思いますし、小学校においては、一部教科は専科指導がもう少し浸透していくほうがいいのではないかと思いました。

 あと、先ほどの学校統廃合を支援ということに関連してなのですが、市町村教育委員会から見ますと、統廃合と学区の見直し、やはり予算は限られている中で、もう少し地方で見直せるもの、特に学区などは人口の移動もありますので、改めてそういったものも見直して、いかに効率的に先生方の人数を考えていくかを含めて検討していく必要があるのではないかと思います。

 すみません。あと2点。

 「発達障害の児童生徒のための通級指導の充実」も入っていますが、発達障害の子どもたちへの対応を早期にきめ細かくすることによって、一説には不登校の子どもが3割減るのではないかとも言われております。心理面と発達障害面と、なかなか判断に難しいところもありますが、そういったことの関連もあるかと思います。

 最後に、東日本大震災によりという学習支援が入っていますが、これに関しては、とにかく被災地については特区という考え方になるのではないかと思いますが、学習にしても生徒指導にしても、すべてにおいて、また福島の問題も今後何年かかるかわかりませんので、特にこの地区に関しては、今回の会議の中でというよりは、特別な、いろいろな対応が必要な地区と位置づけられたらいいのではないかと思いました。以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

 大変大きな問題のご指摘がございました。土居委員からこの会議の中でこういうことも問題として取り上げるべきではないかということについて、いくつかのご指摘がありました。私は充分この検討会議で検討出来ることではないかという印象を持ちましたので、少し考えさせて頂きたいと思います。

 そのほかのご発言についても、この検討会議の範疇の事項かと思いますので、そのようなことも含めて今後どうアジェンダを選んでいくかということについて事務局と相談をさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。ありがとうございました。

 少しまだ時間が残っていますが、今回はここまでにしたいと思います。先ほども私が申し上げましたので、事務局からもう一遍、締めくくりと今後の予定等について、よろしくお願いいたします。

【谷合企画官】  ありがとうございました。冒頭、主査からお話がございましたように、本日のご審議を踏まえて、事務局において主査と相談し、資料をもう一度修正いたします。その修正したものを各委員様にお送りいたします。それをごらんいただいて、なお修正すべき点があれば、お願いしたいと思っております。いずれにしても9月末という期限がありますので、それまでの作業ということになります。

 また、次回以降の会議の日程につきましては、また追ってご連絡を差し上げるという形にさせていただきたいと思います。以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。それから先ほど申し上げましたが、資料5、秋田県の教育委員会から出ている資料、非常にいい資料なので、ほかの地方自治体でも実施されているところがありましたら、ぜひデータを集めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それではよろしゅうございましょうか。本日はどうもありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

―― 了 ――

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