平成23年6月
生徒指導に関する教員研修の在り方研究会
平成22年3月、文部科学省は、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として「生徒指導提要」を作成した。これは、小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法等について時代の変化に即して網羅的にまとめ、生徒指導の実践に際し教員間や学校間で教職員の共通理解を図り、組織的・体系的な生徒指導の取組を進めることができるようまとめたものである。
生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるように指導、援助するものであり、学校がその教育目標を達成するための重要な機能の一つである。しかし、これまで、ともすれば学校における生徒指導が問題行動等への対応にとどまる場合があり、また、教育相談との乖離という問題も指摘されてきた。
そこで、本調査研究は、「生徒指導提要」を踏まえて、一般の教員、中核教員(注1) 、生徒指導主事(注2) 、管理職といった立場・役割に応じ、それぞれの教職員が、問題行動等への対応にとどまらず、授業など学校教育の各場面に応じた生徒指導を実践することができるよう、必要な力量を効率的に習得させるための教員研修の在り方について検討を行ってきた。
生徒指導が学校の教育活動全体を通じ、管理職のリーダーシップの下、全教職員がそれぞれの役割を担い、全校体制で組織的に行うものであることから、検討の中では、まず、前述の一般教員、中核教員、生徒指導主事、管理職といった立場・役割に応じて、それぞれの教職員に対して求められる生徒指導に関する力量を考察した。その上で、それぞれの力量を身に付けるため、研修の体系や国、教育委員会、学校の役割分担などを含め、研修の在り方について検討した。
また、それぞれの教職員に求められる生徒指導に関する力量を身に付けるための研修の内容は、膨大なものになると考えられたため、研修の効果を高めるための環境づくりなど求められる力量を身に付ける仕掛けについても検討することにより、研修の内容をできる限り簡素なものとするよう努めた。
なお、注に、本文の内容に関連する「生徒指導提要」の章・節等を紹介している。研修を充実させるための検討の一助としていただきたい。
基本的な考え方として、生徒指導に関して生徒指導主事に求められる力量は、一般教員に求められる基礎的な力量の上に専門的な力量が積み上がったものととらえられる。したがって、生徒指導主事に求められる力量の一部が一般教員や中核教員に求められる力量となり、また、生徒指導の全体指揮等を行うために必要な力量が管理職に求められることとなると考えられる。
生徒指導の本質は、すべての児童生徒の自己指導能力を開発することである。それは児童生徒が基本的な生活習慣を確立し、規範意識に基づいた行動様式を獲得するとともに、対人関係を築き、問題や対立が生じてもそれを解決(注3)し、向社会性の豊かな人間へと成長できるように促すことである。したがって、学校には、すべての児童生徒のこのような全人的な成長・発達を促す取組(注4)を展開することが求められる。その一方で今日の社会は子どもの成長にマイナスの影響を与える要素が数多くある。不登校やいじめ、非行などの克服が課題となる者もいる。このような今日的な状況や児童生徒の実態を踏まえた予防的な取組や問題解決的な関わりも必要不可欠である。
このように生徒指導には、成長・発達を促進する側面と現実的な問題解決を図る側面とがある。実際の生徒指導はともすれば問題解決的な取組に偏りがちだが、児童生徒の成長・発達を促すことが問題行動の予防と活力のある学級や学校づくりにつながることを考えれば、そのような取組の充実こそが、これからの生徒指導の重要課題といえる。ただ、学校には多様な児童生徒が混在しており、その児童生徒が成長する上で必要なもの(注5)(ニーズ)も千差万別である。学校は、そのニーズを満たすための多様な取組を同時並行的に、また意図的・計画的に、そして組織的に展開することが求められる。
では、このような生徒指導を展開するために、教職員に必要な能力は何か。
まず、児童生徒一人一人と信頼関係を構築する能力である。そのためには肯定的な児童生徒観に立脚した共感的態度や尊重的態度が必要となる。また、児童生徒の置かれている実態や発達の在り方は極めて多様であり、ニーズも異なる。教職員にはその個別性や多様性を尊重する姿勢とともに、様々な資料を活用したり、丁寧な観察を通じて必要な情報を収集し、その情報を知識や理論などに照らして分析し、一人一人、あるいは子ども集団の状態や心理を理解し、ニーズを特定する能力(注6)が求められる。
適切な指導や支援は、このような信頼関係と的確な児童生徒理解を基盤にして展開されることになる。その具体的な手法としては、個を対象としたコミュニケーション技法や基本的なカウンセリング技法などが基本になるが、学校の教育活動のほとんどは集団を対象とした活動で占められているので、教職員には、道徳、総合的な学習の時間、特別活動などの教育活動の特色や意義を生かしつつ、集団の特質を生かしながら児童生徒の自己指導能力を育てる技法や手法を身に付ける必要がある。例えば、対話のある授業づくりの手法や学級づくりの手法、また、集団を対象としたグループ面接やグループアプローチの諸技法などが挙げられるだろう。
生徒指導は教職員一人で実践するものではなく、学校全体、さらには関係機関や地域・家庭と連携協働して組織的に推進すべきものであり、教職員には学校内外の関係者と連携してチームとして活動する姿勢と能力(注7)が求められる。
以上のような能力は短期的に身に付くものではなく、日々の生徒指導実践に反省的に取り組む中で開発されるものである。したがって教職員には自己の心身の健康を維持するとともに、児童生徒への愛情と職業的使命の自覚に立ち、自己研鑽に励む資質が求められる。
日常的に児童生徒と接することが多い学級担任や教科担当教員は、最も生徒指導を進めやすい立場にいる。つまり、学級担任・教科担当教員の日々の実践の積み重ねが、校内に生徒指導を定着できるか否かのポイントになる。
そのため、求められる力量として主に次の点が挙げられる。つまりは、学級担任・教科担当教員として、学級での生徒指導や教科における生徒指導を毎日の学級で実践できる力量である。これらの実践のためには、児童生徒理解の理論や方法に基づき、子どもの状態や課題を的確に理解し、個別支援計画を立てた上での適切な支援を実行できることが求められる。そのためには、児童生徒理解の基本的理論を身に付けるとともに、児童生徒理解に必要な資料を収集し、学級の持つ組織的機能を高め、保護者や他の教職員と連携することが必要である。さらに、今日の社会情勢や教育を取り巻く実態を理解し、生徒指導の意義と課題、集団指導・個別指導の方法と原理を理解する必要がある。
具体的には、学級担任や教科担当教員の努力なくして学校での生徒指導は定着しないことを認識し、児童生徒へ直接指導できることの自信と誇りを持って、次のことを十分に理解し実践してほしい。
日常的に生徒指導を担う学級担任や教科担当教員として、まずは、生徒指導の意義と原理を把握することである。このことにより、学校教育が学習指導と生徒指導の一体で進められることを理解したい(注8)。また、教育課程と生徒指導について、とりわけ、教科における生徒指導を中心に把握することにより、日々の教育活動と生徒指導の関連について理解したい。さらに、日々の生徒指導を進めていくためには、児童生徒理解が重要であり、そのためにも、資料収集をした上での集団指導や個別指導は学級担任・教科担当教員として必須の条件である。(注9)
また、生徒指導の進め方の実践的内容の把握は重要である。とりわけ、担任による生徒指導、組織的対応と連携の在り方、児童生徒の基本的な生活習慣の確立や安全に関わる問題については、日々の指導ポイントとして重視したい(注10)。さらに、問題行動の早期発見や早期対応ができるのは、学級担任や教科担当教員であり、問題を重度化・長期化させない効果的な指導に心がけたい。そのためにも、個別課題ごとの対応を理解し、具体的に生徒指導を進めていきたい。とりわけ、少年非行、暴力行為、いじめ、自殺、不登校などの課題について理解するとともに、問題行動の早期発見と効果的な指導、発達に関する課題と対応を理解し、早期発見と早期対応、さらに具体的な指導をすることが求められる。
これらの力量を身に付けるためにも、学校内外や学会・研究会などの各種研修会や事例研究会に積極的に出席し、自らの力量向上に努力したい。
中核教員は、生徒指導が学習指導と相まって学校の持つ重要な役割であることを認識し、管理職や生徒指導主事と他の教員との間にあって、積極的に生徒指導場面でのリーダーシップを発揮することが求められる。その際、特に学校全体で進める生徒指導が求められている現状を認識して、その校務分掌にかかわらず、自分の担任する学級や学年など自己の責任範囲をしっかり担当することはもとより、他学級、他学年、学校全体や地域など広い視点の中に、積極的に自分の役割を見いだす姿勢が求められる。また、様々な出来事について、適切な報告、連絡、相談を図るなど、適切な職業人として行動することが、他の教員にとってモデルとなり、支援ともなることを意識することが大切である。
中核教員に求められる力量としては、まず前項「(2)一般教員に求められる基礎的な力量」で示された力量をしっかり身に付け(注11)、さらに応用力を増すことである(注12)。特に近年は、基礎的内容といえども、その内容が日々変化するといったことがしばしば見られるだけに、常に最新の情報を収集する努力が求められる。
次いで、経験を経験だけで終わらせずに、研鑽を積んで現場で有効な力量へと変えていく努力が求められる。その際、常に自分の力量というだけでなく、同僚の中核として、他の教員はどうしているのかという視点を持ち、困難を感じている様子や、適切でない対応を見聞したような場合には、積極的に支援的な関わりを行うことが必要である。つまり、自己への力量だけでなく、教職員組織の中で中核として発揮できる力量を持つことが求められる。
中核教員にとっては、教員としての日常の業務の中にいかに生徒指導を活かすかという姿勢と、個別に生じる生徒指導的な課題への的確な初期対応とが求められる。そのためにも、通常のカリキュラムにいかに生徒指導の視点を取り入れるかが重要であり(注13)、そのことは「生徒指導提要」中、最も押さえるべき事項である。また、「生徒指導提要」のその他の事項についてもベテラン教員として必須の事項であると同時に、校内体制の編成や企画などの折に必要となる事項であり、常に他の教員のモデルとなり、協働する立場を意識して、研修しておくべき内容である。
また、中核教員は、個別の指導を要する事項については、生徒指導主事等に伝える前の時点での、初期対応を担うことが必然的に多くなるため、他の教員の相談相手になれる水準で個別指導の基本を理解しておくことも大切である(注14)。
生徒指導主事には、全教職員で生徒指導を進めるための働きかけをすることが求められる。そのために、求められる力量は主に次のようなことが挙げられる。
まず初めに、学校内外の状況について情報収集し、適切に情報集約することにより、現状と課題を明確にできる力量(注15)である。これは生徒指導に必要不可欠な力量である。そして、学校組織の長である校長が的確に判断できるように、現状と課題を管理職に正確に伝達できる力量(注16)や学校の方針を踏まえた取組の計画を立てる力量(注17)、また、教職員全員で取組を進めていくために、教職員の動きをつくるための力量(注18)は、今後、ますます重要視されるものである。なお、ただ単に実践しただけで終わらせることなく、取組を定期的に点検できる力量(注19)は、取組の拡充と継続につながることである。
これらの力量を身に付けるためには、当然のことながら、取組等の調整をするために、日頃から、誰とでもコミュニケーションを図る必要がある。
このように、生徒指導主事には、問題が起きてからの対応ではなく、日常的に教職員全員に働きかける多様な力量が求められる。そのため、「生徒指導提要」のすべてのページに目を通す必要があるが、とりわけ、上記に挙げた力量については、関連する項目を十分に理解しておきたい。
また、小学校及び中学校においては、今後、特別支援教育コーディネーターとの連携・協力は欠かせないことである(注20)。特に特別支援教育コーディネーターは発達障害のある児童生徒の家庭や関係機関との連携のキーパーソンであり、校内指導体制のキーパーソンである生徒指導主事が特別支援教育コーディネーターと連携・協力することは、発達障害に関わる問題を特別な対応として扱うことを避ける意味でも必要なことである。
生徒指導主事には校内の生徒指導全体の調整役が求められるが、小学校においては、それぞれの事案に応じて、教頭、生徒指導の主任等、教務主任、学年主任、保健主事、養護教諭等が分担して担う必要がある。
なお、生徒指導主事に今後求められる専門性や資質の向上に関しては、中央教育審議会「教員の資質能力向上特別部会」の審議経過報告(平成23年1月31日)において、「教員が教職生活を通じて、より高い専門性と社会性を身に付けていくことを支援するため、教員免許状により一定の専門性を公的に証明する『専門免許状(仮称)』を創設することについて検討する。」といった記述があり、専門免許状(仮称)の区分例に生徒指導も含まれているなど、生徒指導に関する専門的な力量の重要性が指摘されている。
参考までに、全教職員で生徒指導を進めるために求められる生徒指導主事の基本的な行動等については、国立教育政策研究所生徒指導研究センターが公表している、「生徒指導の役割連携の推進に向けて」(小学校編、中学校編、高等学校編)を活用されたい。
小学校編
http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/22kinou_shogaku/kinou_tebiki.htm
中学校編
http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/21kinou.cyugaku/kinou.tebiki.htm
高等学校編
http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/22kinou_koukou/kinou_tebiki.htm
生徒指導を円滑に進めるには、校長のリーダーシップが極めて重要である。校長は、生徒指導の目標を定め、学校の運営方針の中に位置付けるとともに、校内指導体制の整備や地域・関係機関との連携を進め、全校指導体制を構築しなければならない。「豊かな生徒指導の鍵は校長が握っている」と言われるゆえんである。
管理職がリーダーシップを発揮するには、生徒指導に関する幅広い見識・知識を持つことが大切である。教職員に対して自信を持って指導・助言ができるよう、生徒指導全体について十分な研修を積み、特に 1 教育課程に生徒指導を位置付ける力量、2 全校指導体制を構築する力量、3 生徒指導上の諸問題を解決する力量を身に付け、組織的・体系的な生徒指導を推進することが求められる。
生徒指導は全教育活動を通して包括的・系統的・組織的に進めなければならない。児童生徒に自己指導能力や自己実現のための態度・能力を身に付けさせるには、教育課程に具体的取組を位置付けるとともに、教育課程外の諸活動に生徒指導のねらいを明確に示す必要がある。このためには、生徒指導の意義と原理の理解が不可欠である。生徒指導方針を明確にし、その達成を目指した教育活動を適切に位置付ける力を磨き、生徒指導のリーダーとして学校経営に当たりたい。(注21)
全校指導体制の構築も管理職の重要な役割である。生徒指導におけるリーダー(生徒指導主事)の育成、全教職員が一丸となって取り組む意識の高揚、児童生徒の安全確保に係る条件整備等、教職員一人一人が組織の一員として生徒指導の役割を十分果たせるよう、自校の生徒指導組織を整備することが大切である。(注22)
生徒指導の課題には、学校だけで解決・改善を図ることが難しい事例も多い。専門機関等に援助を要請したり、サポートチームを結成したりする場合、管理職には、学校内外のリソース(資源)の積極的活用を進めるとともに、学校・地域・関係機関との連携を強め、これをコーディネートする力量が求められる。(注23)
また、管理職には、生徒指導上の問題に悩む教職員の声に耳を傾け、適切な助言や具体的な支援をしなければならない機会も多い。このため、コンサルテーションの力量を身に付ける必要がある。生徒指導に関する幅広い知識と技法を熟知するとともに、教育相談の考え方・技法を修得しておきたい。(注24)
生徒指導においては、児童生徒の自己指導能力の育成を始め全人的な成長・発達を促進する取組の充実を図りながらも、学校内外で発生する児童生徒の問題行動等の解決・解消にも取り組まなければならない。このような問題行動に対処するため、管理職は未然防止的危機管理、事後対応的危機管理、再発防止的危機管理という3つの危機管理能力を高める必要がある。(注25)
なお、実際の対応に当たって法的知識が必要になることも少なくない。生徒指導に関する法制度等について教職員に効果的な指示ができるよう、法的な見方や考え方ができるようにしておきたい。(注26)
国においては、生徒指導に関する全国的な水準をリードすべく、広く社会的な状況を踏まえた最新の生徒指導の動きや先進的な知見・指導技法を身に付けた人材を育成するため、研修等、教職員の資質向上のための取組を継続的に実施することが求められる。
こうした要請を受けて、国における研修は、国の教育政策上真に必要な研修に厳選、特化し、教育委員会等が行う研修の指導者を養成する研修について、独立行政法人教員研修センターにおいて実施している。
同センターにおいては、生徒指導上の諸課題に対応するための指導者の養成を目的として、近年の全国的課題であるいじめ、暴力行為、不登校などの問題行動等への適切な対応、生徒指導上の今日的課題についての最新の知見、対応策、全国的動向や今日的な生徒指導の在り方等について必要な知識等を受講者に修得させ、各地域の生徒指導を推進させるための研修を行っており、今後も継続して国として実施すべきである。
具体的には、国の研修は、長期宿泊型の集合研修として実施され、演習形式、協議形式などによる効果的な研修方法となるよう留意して実施しているが、今後、同センターにおいては、こうした研修の効果を一層高いものとするため、事前・事後における各受講者の効果的な学習等を支援するeラーニング研修のプログラムの開発・提供を行うこととしており、生徒指導に関する研修においても、こうした取組が活用されることを期待する。
また、同センターでは、管理職の中央研修においても、生徒指導上の課題について適切に取り扱うこととしており、今後、各地域で学校教育において中心的な役割を担う管理職の養成を通じて生徒指導の推進を図ることが重要である。
さらに、国としては、生徒指導に関する全国的な課題、最新の知見や情報等について各都道府県教育委員会等を通じて、市町村教育委員会や学校に適切に周知する必要がある。そこで、都道府県・指定都市教育委員会の生徒指導担当指導主事を対象とした会議や社会教育主事を対象とした会議、国立教育政策研究所主催の会議等を定期的に開催し、行政説明や研究協議を行うことに加え、必要に応じ、いじめや自殺予防といったテーマ別の協議会等を実施することも有効である。
なお、研修内容等については、本調査研究の報告書の内容を踏まえて実施することが望ましい。
また、上記のような国における取組の趣旨を踏まえ、国の研修等を受ける教職員は、受講後、都道府県・市町村教育委員会など各自治体においてリーダーシップを発揮することが求められる。
具体的には、教育委員会あるいは学校において実施する生徒指導に関する研修の企画・立案や講師を担い、当該研修で学んだ生徒指導に関することを学校現場に広めていくこととなる。また、国の研修を受けた教職員は、研修でできたネットワークを活用して、他の都道府県の情報を収集し参考にしたり、研修に必要な講師を招いたりすることにより、研修の質を高め、学校現場の生徒指導を充実させることが必要である。
(ア)教育委員会の役割
教員は、教育基本法第9条にあるように、「自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職務の遂行に努めなければならない」ことから、生徒指導についても、資質・指導力の向上を図るために研修は重要な意義を持ち、都道府県・市町村双方の教育委員会が連携・協力し進めていく必要がある。
また、教育委員会が研修を企画・運営するに当たっては、国が設定するナショナル・スタンダードに基づき、それぞれの地域の実情に応じ主体的に生徒指導を進めることのできるローカル・オプティマム(それぞれの地域における最適な状態)をつくりあげるという観点が重要である。
そのためには、都道府県・市町村教育委員会が、国の方向性や地域の実情を踏まえた生徒指導に係る取組の重点事項を明確にし、それぞれの役割に応じた広域的な視点から実施・運営をすることが求められる。さらに、様々な研修形態を活用することにより、教職員それぞれの立場・役割に応じた力量の向上を図り、域内すべての学校において組織的に生徒指導に取り組むことのできる体制を構築することが教育委員会の役割である。
(イ)教育委員会の研修の在り方
一言で生徒指導といっても身に付けるべき力量は広範にわたる。例えば管理職に求められる、教育課程に生徒指導を位置付けて全校指導体制を構築する力量や生徒指導主事に求められる、校内生徒指導全体の調整役としての力量など、立場・役割に応じて兼ね備えるべき力量と、生徒指導の意義・目的や児童生徒理解、カウンセリングマインドなど全教職員が身に付けておくべき基礎的な力量がある。そのため、教育委員会における研修は「生徒指導提要」や直接生徒指導を担う学校のニーズも踏まえながら、各教職員の立場・役割に応じて系統的に行うと同時に、各個人の力量に応じて選択・受講できる形態も必要である。
(ウ)都道府県教育委員会と市町村教育委員会との連携
児童生徒の最も身近なところで教育活動を担っているのは学校である。研修の企画・立案を検討するに当たり、都道府県・市町村教育委員会が一層連携し、今後さらに多様化するであろう研修ニーズを的確に把握することが重要である。その上で都道府県・市町村それぞれの教育委員会の役割や地域の状況に応じ、各学校が自立して、児童生徒の成長・発達を促進する観点も踏まえた質の高い最適な教育を行うことができるよう、目的や手法、講師などについての支援を行うことが重要である。
(エ)生徒指導に係る研修の工夫
生徒指導は教育課程の内外を問わず、すべての教育活動を通じて行われるものであることから、教育委員会が実施する研修においても、教科指導はもとより、道徳教育、人権教育、進路指導・キャリア教育など、幅広い観点からのアプローチも必要である。
そのため、研修プログラムも、講義・講演、実践交流、ワークショップに加え、高度情報化時代に対応するeラーニングやサテライト研修などICTを活用したもの、マネジメントやコーチングのように民間企業の発想を取り入れたものなど、限られた時間の中で、より効果的・効率的に進めるための様々な工夫が今後ますます重要となる。
教育委員会における研修カリキュラム作成の留意点
<研修全体の構造に関わる留意点>
<プログラム作成上の留意点>
<研修会の運営上の留意点>
生徒指導の実践とは、すべての教職員によって行われるべきものである。また児童生徒の個別課題への指導にとどまらず、将来の社会の担い手となる児童生徒の社会的なリテラシーの形成を目指す営みでもある。このような生徒指導の基本的な考え方を全教職員が共有できることが、学校での研修の最も重要な点であることを、最初に強調しておきたい(注27)。
この点を十分に踏まえた上で、学校における研修の具体的な在り方として、以下の三点を指摘したい。第一に、生徒指導に関する最新の知見を全教職員に還元するための仕組みづくりの重要性である。生徒指導上の具体的な知識や方法は、子ども・学校・社会の変化とともに、更新されていく性質を内包している。例えば、10年、20年前の知識のみをもって、当時とは取り巻く状況が大きく異なる現在の不登校に対応していくことは難しい。このような知識の陳腐化による対応の失敗を防ぐためにも、すべての教職員が生徒指導上の最新知見を獲得する機会をもつことが必要となる。具体的には、教育委員会等での研修を通して最新の知識や方法を学んだ研修受講者が、その内容を校内研修等で全教職員にいかに素早く還元することができるかが、その大きなポイントとなる。そのための仕組みづくりをすることが、学校における研修には強く求められるのである。
学校での研修の在り方として、第二に、各学校が抱える生徒指導上のニーズをもとに、研修計画を立案することの重要性が挙げられる。当然ではあるが、各学校の実情は異なっている。そこで、まずは自校の実情を的確に把握し、そこから導き出される生徒指導上のニーズをもとに全体の研修を立案していくことが必要となる。例えば、いじめの克服が自校の最大の課題と考えられた場合、最初にいじめの予防や対応に関する最新の知見を学ぶことになるだろう(注28)。その上でいじめと関連付けながら、教育相談の原理や方法、生徒指導の進め方、さらには法制度の理解などへと研修を発展させていくのである(注29)。
最新の知見が全教職員に迅速に習得され、学校の実態に沿って計画的に研修が実施されるためには、様々な研修の工夫が必要となってくる。これが第三の指摘である。多忙な学校の現状を考えるとき、校内研修の機会を頻繁に持つことは難しいと言えよう。そこで、従来から行われてきた全教職員参加による校内研修のみならず、様々な機会をとらえ、多様な研修を進めていく視点が必要となる。例えば、学年会などでケーススタディの時間を設け、そこにスクールカウンセラーなどの参加を求め事例への理解を図るような工夫、またロールプレイや討議などを取り入れて参加意欲を高めるような工夫など、効率的に時間を活用し教職員の動機付けを高めるための様々な工夫が望まれる。学校での研修はOJT(実務経験を通した訓練)としての側面が強く、日常の諸活動を研修の機会としてとらえる、柔軟でかつ多様な発想が不可欠なのである。
以上、ここまで述べてきたような研修を推進していく要となるのは、言うまでもなく生徒指導主事である。一般教員からの情報を集約して自校の実態を見極めるとともに、管理職の理解とリーダーシップのもと、中核教員と連携しながら研修を推し進めていくことのできる、生徒指導主事を中心とした生徒指導体制の確立が、学校には強く期待されているのである。
校内における研修カリキュラム作成の留意点
国、教育委員会、及び学校はそれぞれ、互いの役割と分担を踏まえて研修を実施することが求められる。
国は教育政策上真に必要な研修に厳選、特化し、教育委員会が行う研修の指導者や地域の中核リーダーを養成する。そして、教育委員会では、国の研修を受けた者が指導者になるなどして、地域の実情等に応じた課題を盛り込んだ研修を実施する。さらに、学校では、教育委員会で研修を受けた者などが、生徒指導の基本的な考え方を含めて、学んだ知見を教職員に還元し、学校全体で共有を図るとともに、各学校が抱える生徒指導上のニーズの分析に基づき、学校の現状に応じた柔軟な実施方法の工夫をしながら、計画的に校内研修を行う。
各機関がそれぞれの役割を意識して連携し、体系的に研修を行うことで、研修の効率化と充実が図られ、教職員の力量向上につながると考える。
それぞれの研修においては、そのねらいが達成され、生徒指導の充実につながっているか評価されなければならない。
研修効果の評価は、研修の実施と改善の間に位置するものであるため、研修内容・方法等の改善に重要な役割を果たすものである。したがって、より効果的な研修の計画・実施のために研修効果を評価する必要がある。評価を次の研修へ活かすことが重要である。
すべての児童生徒の成長・発達の促進につながるものであったか、結果的に子どもの成長・発達によい影響を与えるものであったか、さらに、個別課題の減少あるいは解決につながるものであったかという評価につなげたい。
具体的には、日頃からの点検・評価の積み重ねが基となり、学校評価、教職員に関する評価、児童生徒の問題改善に関する評価等を通して、学期ごとあるいは年度ごとに行われるものである。
生徒指導は、教育課程のすべての領域において機能することが求められるものであり、小学校学習指導要領に「児童理解を深め、生徒指導の充実を図ること」が定められているように、小学校段階から取り組むことが求められるものでもある。国は、こうしたことを様々な機会を通して教育委員会等に対し周知していくことが必要であり、「生徒指導提要」を始め生徒指導に資する資料等を作成・配付することによって、生徒指導の実践を側面的に支援することも重要である。
また、国は、免許状更新講習を実施するに当たって、いわゆる必修領域である「教育の最新事情に関する事項(12時間以上)」において、「子どもの生活の変化を踏まえた課題」を扱うことを定め、その内容として「生活習慣の変化を踏まえた生徒指導」も扱うよう通知しており、免許状更新講習を実施する大学においては留意する必要がある。また、いわゆる選択領域の「教科指導、生徒指導その他教育の充実に関する事項(18時間以上)」においても、幼児・児童・生徒に対する指導上必要な課題について適切に取り扱うこととなっている。なお、平成23年度からは、更新講習の開設者である大学が学校現場と連携・協働した実践的講習を開設する場合、一定の国庫補助を行うための予算を新たに計上している。これを活用することにより、教育委員会が大学と連携して地域における生徒指導の研修についてプログラム開発を行い、更新講習の認定を受けて実施する場合に、開発主体である大学は、そのために必要な経費について、一定の国庫補助を受けることが可能となっている。
さらに、教員養成を行う大学においては、大学教員が生徒指導に関する指導力を一層向上させることが求められているとともに、教育委員会・学校現場等との組織的・継続的な連携・協働がより広範かつ確実に行われるような仕組みを構築しなければならない。
平成23年度からは、国は、こうした教員養成カリキュラムモデルの開発等を行うための委託事業の予算を新たに計上しており、教員養成を行う大学においては、このような国の事業も活用することにより、生徒指導の充実に資する教員養成や現職研修のカリキュラムモデルの開発等について積極的な取組が期待される。
(ア)小学校における生徒指導体制
中学校や高等学校においては、各学校に生徒指導主事を置くこととされているが、小学校では「(略)必要に応じ、校務を分担する主任等を置くことができる」(学校教育法施行規則)こととされている。小学校における生徒指導の重要性を認識させるべく、行政的支援や人事配置の工夫により各小学校に生徒指導の主任を置くなどの配慮が求められる。
(イ)研修計画の作成・提示
都道府県教育委員会、市町村教育委員会、各学校がそれぞれ別個の計画により「生徒指導提要」に関する研修を実施しても効果は上がらない。例えば、都道府県教育委員会が主体となり、共通した研修計画を作成・提示することにより、各学校はそれに基づく具体的研修が可能となる。その際、教員養成大学とともにカリキュラム作成を行うなど、教育委員会と大学とのさらなる連携が求められる。
(ウ)学校訪問による支援
市町村教育委員会が単独で、または都道府県教育委員会と共同で学校を訪問し、学習指導のみならず、生徒指導に関する指導・助言を定期的に行うことにより、学校の組織的・体系的な生徒指導の取組を支援することも大切である。
(エ)チーム支援(注30)体制の整備
生徒指導を進める上で関係機関との連携はとても重要である。教育委員会としてスクールソーシャルワーカーなど、学校、家庭及び各機関間をつなぐ人材の配置を行うなど、学校がチーム支援できる体制を整えることも有効と考える。
学校で生徒指導を組織的に進めるためには、全教職員が自らの役割を自覚するとともに、互いの役割を認識して相互補完的に協力することが大切である。このことは、学校組織が活性化することにつながる。そのためのポイントを以下に示す。
(ア)情報を軸とした、実態把握を全教職員で行う(注31)
生徒指導の取組を実効的なものとするためには、第一に、全教職員で学級や学年の垣根を越えて多方面から情報収集及び情報集約することにより、児童生徒の状況や課題を明確にすることが大切である。そのためには、1 児童生徒の何についての情報を集めるのかを明確にする、2 様々な場面での情報を多面的に集めることを意識させる、3 緊急性がないと思われる情報でも、報告・連絡・相談をおろそかにしないという意識を持たせる、などが大切である。
(イ)課題を目に見えるようにする(注32)
(ア)で明確にした課題を客観的な事実に基づいて目に見える形にして、教職員に示すことは、教職員の問題意識を喚起することにつながる。また、このような資料の蓄積は、生徒指導の取組の継続にもつながる。具体例としては、児童生徒等へのアンケート結果をグラフや一覧表にするなど、視覚を通して、状況を瞬時に把握できるような資料を示すことは、当該児童生徒への早期対応を促すとともに、教職員が学級や学年を越えた児童生徒への意識を持ちやすくなる効果が期待できる。
(ウ)取組における行動基準を具体的に示す
誰にでもわかりやすい統一した指導基準と、それを踏まえた行動基準があると教職員は自信を持って指導できる。また、行動基準は効果につながることを具体的に示すことが大切である。具体的には、「子どもが相談しやすい雰囲気をつくる」→「子どものそばにいる」、「廊下等はゆっくりと歩く」などである。また、「チャイム着席を徹底させる」→「教員は教室でチャイムを聞く」を含めて、通常の授業の中に生徒指導の観点を取り入れることが、今後は特に求められる。
(エ)取組のスモールゴールを設定する
取組のスモールゴールを設定することで、教職員は小さな達成感と充実感を味わうことができる。また、スモールゴールを積み重ねていくことは、最終目標に向けた取組の継続につながる。このことは、教職員の精神的負担を和らげることにもなる。ただし、スモールゴールの設定に際しては、期限と具体的な目標を示すことが大切である。
(オ)チーム支援の実行
児童生徒の対応にあたっては、必要に応じ、複数の教職員やスクールカウンセラー等外部の専門家からなるチームによる支援も有効な方法の一つである。チーム支援体制を効果的に機能させるためには、外部人材も交えた研修会やケース会議を実施し、学校として多様な人材を積極的に活用することも大切である。(注33)
生徒指導とは、児童生徒の問題行動等の未然防止や対応にとどまるものではなく、すべての児童生徒の人格のよりよい発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指すものであり、このことは「生徒指導提要」全体を通して述べられている理念でもある。
本調査研究では、「生徒指導提要」を踏まえ、生徒指導に必要な力量を身に付けるための教員研修の在り方について検討・協議を重ね、本報告書を取りまとめるに至った。
本報告書の特長として、まず、一般教員、中核教員、生徒指導主事、管理職、それぞれの教職員について生徒指導に関し実務上求められる力量を特定した上で、その力量を効率的に習得させるための研修の在り方を示している。とりわけ、本調査研究で示した中核教員の位置付けは、新しく、今後重要となる視点である。退職を数年後に控えた多数のベテラン教員、少数の中堅教員、そして多数の経験の浅い新人教員という教職員のいびつな年齢構成によって、現場における実践の中での先輩教員から新人教員への知識・技術の伝承が困難になりつつある現在、生徒指導体制において、中核教員には、管理職・生徒指導主事と他の教員との間で、積極的にリーダーシップを発揮する役割や機会を与えるなどして、次世代を担うリーダーとしての力を学校及び教育委員会が意図的に培っていくことが望まれる。
また、国、教育委員会、学校それぞれの機関で実施される研修を効率的に実施し、教職員の生徒指導に関する力量を向上させるために、各機関における役割を示すとともに、研修担当者が活用できるよう、研修の実施方法や留意事項、教育委員会や学校における研修の実践事例などを示している。なお、研修受講者は自己評価の視点をもち、研修で学んだことを現場で実践し、その結果を踏まえて改善し、更なる実践へとつなげることにより、積極的に自らの力量向上に努められたい。
さらに、研修以外に、国や教育委員会による施策や組織体制の整備、学校における日々の業務の中での工夫といった、研修の効率・効果を高めるために必要な環境整備の取組についても触れており、研修のために確保できる時間が限られている多忙な学校現場において、こうした取組を取り入れることは、教職員が効率的に力量を身に付け、高める上で役立つであろう。
生徒指導は、学習指導と並んで学校教育の重要な機能の一つである。したがって、生徒指導の取組を充実させる上で、教職員一人一人が「生徒指導提要」を理解し、必要な力量を向上させる努力が必要であるとともに、教員研修を担う各機関が、本報告書を活用して研修の充実を図ることにより、すべての教職員の生徒指導に関する力量を高めることが望まれる。
(注1)「中核教員」は、生徒指導主事や小学校における生徒指導の主任等(小学校において、名称を問わず、校務分掌上の規定により生徒指導の中心的役割や、生徒指導の計画的・継続的推進のために校務の連絡調整を図る役割等を付与された教職員をいう。)ではないが、これらの役職の者を助け、校内でリーダーシップを発揮することが求められるベテラン教員、教務主任、学年主任や将来、生徒指導主事となることが見込まれる中堅教員などをいう。
(注2)生徒指導主事には、中・高等学校の生徒指導主事のみならず、小学校における生徒指導の主任等(注1参照)を含む。
(注3)対人関係の能力としては親和的な関係を築く能力だけではなく、問題解決の能力や対立解消の能力を開発することが重要である。第3章を参照。
(注4)第5章第1・2・3節を参照。
(注5)ここでいう「児童生徒が成長する上で必要なもの」は、児童生徒が必要だと表明しているものと、表明はしていないが客観的に必要と認められるものとの両面を含む。
(注6)こうした能力をアセスメント能力という。アセスメント及びその実際については第3章及び第5章を参照。
(注7)チームの詳細については第6章-1第1節を参照。
(注8)第1章第1節から第4節までは、生徒指導の基本として確認する。
(注9)第2章、第3章、第4章の該当箇所を日々の教育活動の視点で理解する。
(注10)第5章の教育相談、第6章-1の児童生徒全体の指導の該当箇所について理解する。
(注11)一般教員に求められる基礎的な力量で指摘されている「生徒指導提要」の範囲は、十分に理解していることが必要である。
(注12)ここでは「生徒指導提要」の構成を把握し、必要なときに参照できることが求められる。
(注13)第2章の教育課程と生徒指導は重要な章であり、中でも第1節の教科における生徒指導などは特に重要である。
(注14)第6章-2のような個別指導を要する事項を、適切に活用できることが求められる。
(注15)第1章第1・4節の理解は不可欠である。また、第3章第1節、第4章第1・2・5・6節、第5章第1・2・4節、第6章1第1・2節は必須。
(注16)第1章第5節、第4章第1・6節、第6章-1第1・2節は確認されたい。
(注17)第1章、第2章、第4章第3・6節、第7章、第8章は必須である。
(注18)第4章、第5章、第6章-1第1・2・4節は参考となる。
(注19)第4章第7節は必須である。
(注20)第6章-2第2節の理解は不可欠である。
(注21)第1章及び第2章を基に、全教育活動を通した生徒指導を展開する。
(注22)第4章で生徒指導体制構築のマネジメントサイクルを理解する。
(注23)第8章で他機関等の連携の意義・方法の実際を習得する。
(注24)教育相談全般に関する理解が求められるが、特に第5章第3節は必須である。
(注25)問題別の危機管理の実際は第6章「生徒指導の進め方」で身に付ける。
(注26)第7章「生徒指導に関する法制度等」により、法的な理解を深める。
(注27)生徒指導の基本的な考え方に関しては、第1章、第2章、第3章の理解が不可欠である。
(注28)第6章-2で、様々な個別の課題について学ぶことができる。
(注29)教育相談では第5章、児童生徒全体に向けた生徒指導の進め方では第6章-1、法制度に関しては第7章が役立つ。
(注30)第5章第4節、第6章-1第1節を参照。
(注31)実態把握に当たっては、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の外部の専門家を積極的に活用されたい。第3章第1節、第4章第1・2・5・6節、第5章第1・2・4節、第6章-1第1・2節は必須。
(注32)第3章第4節、第4章第1・5節、第6章-2は確認されたい。
(注33)第4章第6節、第5章第4節、第6章-1第1節は確認されたい。
初等中等教育局児童生徒課