生徒指導に関する教員研修の在り方研究会(平成22年度)(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年7月30日(金曜日)15時30分から17時30分

2.場所

文部科学省 5F5会議室

3.議題

  1. 生徒指導に関する教員研修の実施状況について
  2. 生徒指導主事等が実務上必要とする知識等について

4.出席者

委員

森田委員、栗原委員、嶋﨑委員、相馬委員、野田委員、花輪委員、本間委員、
柳田委員、若田委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、郷治生徒指導室長、井上児童生徒課長補佐、
安彦教職員課長補佐

5.議事要旨

開会

議事

(1)森田委員が座長に選任された。

(2)議事の取扱いについて了承された。

(3)児童生徒課長、各委員からの挨拶の後、事務局からの配付資料の説明がなされた。

(4)議事(「生徒指導に関する教員研修の実施状況について」及び「生徒指導主事等が実務上必要とする知識等について」)に基づき議論を行った。議論の概要は次のとおり。 

<生徒指導に関して実務上必要とする力量は何か>

○  (検討事項に)「知識」の習得とあるが、「知識」だけでは校内体制は機能せず、問題行動にも対応できない。研究会の方向性としては、まず、どのような力を付けた、どのような教員を目指すのか、そして、その力を付けるために生徒指導主事が果たす役目は何かという議論をした上で、そのために必要な研修が何かを議論するという方向にすべきであろう。(「知識」にしないで「力量」に。)

○  生徒指導に求められる力量は無限にある。その力量のうち例えば生徒指導主事といった役割、分掌に対応する資質、能力が何かを特定した上で、それを身に付けさせるための研修を検討すべきであろう。

○  日数などの条件から決めて、その中でできることをやる研修では、結局何が目的かわからない。例えば、どのような力を持っていれば生徒指導主事が務まるのかというゴールを明確にしなければ、あれもこれもとなってしまい、研修内容を決められないのではないか。

○  生徒指導主事の力量として必要なものはある程度出てくるが、そうした力量をもった人材を現場でどのように満たしていくかが一番のねらいだと思う。本研究会では、都道府県、市町村、そして学校における生徒指導主事や一般の教員の指導主事の役割についてランダムに出して、それに何が足りないかという視点で見ていければわかるのではないか。

○  生徒指導主事に期待される力量は一般教員に期待される力量と同質のものの積み上げではなく、共通するベースの上に乗る専門特化したスキルや知識を求める構造にはならないのか。 

○  中核は生徒指導主事の研修であると思う。その理由は、学校の中で、一般教員に対するスーパーバイズが生徒指導主事の非常に重要な仕事になるので、生徒指導主事が持つべき力が何かということをクリアにすれば、結果として、その中の一部が一般教員が持つべき力になると言えると思う。 

<実務上必要な力量等を身につけるための研修はどのようなものか>

○  生徒指導提要を具体化するイメージなのか、生徒指導提要とは別に今日の現状を踏まえて検討していくのか。いずれにしても、管理職研修という形ではないにしても、研修体制の中に生徒指導主事の役割や、学校の生徒指導体制、相談体制について示すということを入れる余地はあると思う。特に小学校は、生徒指導が生徒指導だけ、特別支援が特別支援だけ、ではなくて、総合性の中でやっていかなければいけない。

○  戦略と戦術が必要だと思う。例えば、研修会でいろいろやりたいと思った場合、日数や量を増やすことで検討すると、あれもこれも必要だという建前だけで議論が進んでしまい、教育委員会や学校に示したときに、予算と時間がないので難しいということで、実行されずに終わってしまうと思う。だから、研修では、何か取り組み方を提案し、その後学校が実際にそれに取り組むことによって体制が構築されて力がつくという形にしなければならないだろう。

○  制度的なことでは、やはり中・高等学校と小学校は全く違い、特に生徒指導主事が制度化されていないこととの関係で、生徒指導主事が身に付けるべき力量を示す際に、例えば、小学校にコーディネーター役を果たす教員を積極的に置くべきということまで言うかなど、どのようなことをメッセージとして出していくのか。

○  生徒指導に関する学校体制や先生方の力量が大きく変わるのは、やはり何か事件があったときだと思う。経験の蓄積の中で先生方は育っている部分もあるので。そこで、モデルのイメージとして、研修カリキュラム以外に、実際に学校で行われたスキル獲得の手法など、何か実践の知恵のようなことも、コラム的な頭出しでもいいので、入れていくといいかと思う。 

○  事例を取り上げている研修会は多いが、事例の報告会がほとんどなので、せっかく事例検討をするなら、その事例を共有財産にするために、ケーススタディ・メソッドや、学校で短時間に事例検討を行う方法など、事例検討の仕方も示す必要があるだろう。また、いろいろな考え方、やり方を紹介する研修ではなく、力がつくような、現実に動けるような、研修、講座を考えていくことが必要だと思う。 

○  教員研修の実施状況については、研修の実施日数は、これ以外にもっとあるはず。例えば高等学校の場合、自主的に生徒指導部会を頻繁に開催しているので、生徒指導主事の研修を考えると、これの数倍やっていると考えたほうがいいと思う。本研究会におけるモデルについても、現場サイドに対して示していけば、都道府県によって差があると思うが、取り入れていくものだと思うので、そういう利点を使いながら、現場が求めるものを出していく必要がある。モデルを示すことも必要だが、現場で、今、何が課題で、何を欲しがっているのかが大事だろう。校内研修であれば、新任の生徒指導主事でも研修ができるような具体的なプログラムを示すとか、あるいは都道府県教育委員会であれば、古い「生徒指導の手引き」等をもとに研修をしているところに対して、どのような新しいものをどのように入れるかを示すということがあると思う。 

○  教師や校長の力量には差があることも意識しなければならない。非常に積極的な人もいれば、関心のない人もいるので、そうした人を喚起する方法も考えなければ、よい研修プログラムを組んでも、なかなか浸透しないのではないか。

○  生徒指導の先生の中には、個別スーパーバイズどころかスーパーマンになって学校の組織から離れている人や、人とコミュニケートすることを苦手としている人もいるので、プログラム的に学校に流し込んだときに、非常に敏感に反応してくださる学校、教員と、非常に後手に回るところがあると思わる。そこで、別途、例えば子ども理解のコーディネーターや、特別支援だけではなくて、より総合的なコーディネーターを校内分掌で位置づけた上で、その人たちの研修を行うことによって学校の仕組みを変え、生徒指導の先生の強みも生かしていくという戦略をとらないと、現場に浸透させるのは難しいだろう。

○  プログラムは非常に大事だが、プログラムをいかに学校の中に反映させて、管理職が、どのようなシステムで校内すべての先生の力量を引き上げるかが大事かと思う。そこで、プログラムをつくると同時に、都道府県の財源や人材が限られた中で、いかにうまく仕掛けをつくって、どんなスパイスをその中に入れておけばよいのかが大事なのだろうと思う。例えば、施策をつくった最初は、なかなか浸透しなかった観点が、事業を3年間実施することで、その観点が当たり前のようになった。つまり、よいプログラムを作るだけでなく、それを浸透させる仕掛けが同時に必要なのだと思う。特に生徒指導は、現場での経験もすべて研修になるので、いたずらに長く知識を詰め込む研修は必要なく、経験をどう生かして、教訓化して、他の先生も含めて力量を上げるのかというスパイスを入れていくこと、研修をどうコンパクトにまとめていくことが必要なのではないかと思ったところである。 

<誰を対象とした研修とするか>

○   生徒指導は教育課程内外にわたることであるから、教務主任は当然、養護、教頭、校長などに求められる資質が何かも、生徒指導の側面から考えなければならない。また、学校経営の観点からも生徒指導の位置付けを考えなければならないだろう。教員の末端にまで生徒指導提要の考え方、知識、力量を広げるには、生徒指導主事の努力だけではできない。管理職も含めて考えなければならない。

○  生徒指導を事実上機能させるには、学校体制そのものを変える必要があり、そのために、この研究会で管理職の在り方まで発信することは可能なのか。制度的なことでは、やはり中・高等学校と小学校は全く違い、特に生徒指導主事が制度化されていないこととの関係で、生徒指導主事が身に付けるべき力量を示す際に、例えば、小学校にコーディネーター役を果たす教員を積極的に置くべきということまで言うかなど、どのようなことをメッセージとして出していくのか。 

○  生徒指導は経験主義的な要素が非常に強く、学校現場が生徒指導提要に目を通すところまで行きにくい実態があるのだろうと思う。そこで、本研究会では研修プログラムを作り、生徒指導提要を学校現場すべてに浸透させることが目的なのだろう。研修プログラム、モデルの実効性を考えると、やはり生徒指導主事がターゲットにならざるを得ない。ただ、それだけでなく、管理職や初任者などにまで広げるのかが議論になるだろう。中心ターゲットは生徒指導主事で、そこにヒットしなければプログラムは現場につながらないと思うが、それを補完する意味で管理職や初任者、養護教諭等も対象として必要かもしれない。  

○  中核は生徒指導主事の研修であると思うが、もう一つは、管理職も視野におさめなければならないだろう。システムの問題が生徒指導を十分機能させていないとすれば、研修の中身だけではなく生徒指導システムも検討しなければならない。生徒指導主事が持つべき力をクリアにすれば、一般教員が持つべき力や校長が生徒指導主事を応援するために持つべき能力も明確になってくるだろう。なので、ターゲットは生徒指導主事として、その上で全体を視野におさめる方向がいいのではないか。 

○  (検討事項に記載されている)「生徒指導主事等」の「等」に、特別な支援職のような人も念頭に置きながら、一般教員やシステムのことも位置づけていくとよいのではないか。

<その他>

○  必要な力量が身に付いたかを知るための評価基準がないと、研修を受けた人にどういった力が身についたかわからない。そういったこともある程度踏まえた上で、研修の体系、実施方法等もご検討いただければと思う。(事務局)

○  評価、つまり研修の効果、実績をどのように問うかについても、いずれ議論をいただかなければならないだろう。

閉会

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課生徒指導室

-- 登録:平成22年10月 --