○ 中学校修了までに「常用漢字の大体を読む」という、現行の中学校における漢字指導の考え方を踏襲し、新たに増加する常用漢字(191字:追加196字、削除5字)を各学年に割り振ることでよいか。
● 各学年で読むことを指導する漢字の字数の示し方について
ア)従来通り、中学校で新たに学習する漢字の字数だけを示す。
イ)小学校で学習する漢字の字数も含め累積的に示す。
● 各学年で読むことを指導する漢字の字数の割り振りの考え方について
ア)増加した字数(191字)を国語の週当たりの授業時数に案分し、現在割り振っている字数にプラスする。
イ)学年に軽重を付けた現在の割り振り方を改め、増加した字数(191字)を含めて各学年ほぼ均等に割り振る。
■ 新たに割り振られた字数による漢字指導の実施時期についてどうするか。
(検討の視点:新学習指導要領の実施時期、教科書の対応など)
→「6 常用漢字表改定に伴う教科書上の記載の在り方について」と関連
○ 高等学校については、現行どおり「常用漢字の読みに慣れるようになること」でよいか。
■ 改定常用漢字表による漢字指導の実施時期についてどうするか。
(検討の視点:中学校の実施時期、新学習指導要領の実施時期、教科書の対応など)
→「6 常用漢字表改定に伴う教科書上の記載の在り方について」と関連
○ 追加字種の音訓及び追加音訓等については、速やかに現行の「音訓の小・中・高等学校段階別割り振り表」に追加し、各学校段階における音訓の指導や教科書の編集に資することでよいか。
○ 高等学校においては、高等教育を受ける基礎として必要な教育を求める者、就職等に必要な専門教育を希望する者、義務教育段階での学習内容の確実な定着を必要とする者など、様々な生徒が在籍していることを踏まえ、各学校が生徒の実態に応じて指導ができるよう、現行どおり「主な常用漢字が書けるようになること」でよいか。
● 文化審議会答申(平成22年6月)において、「情報機器の使用が一般化・日常化している現在の文字生活の実態を踏まえるならば、漢字表に掲げるすべての漢字を手書きできる必要はなく、また、それを求めるものでもない」と掲げている改定常用漢字表の性格を踏まえた対応について
ア)「主な常用漢字」の範囲や字種を具体的に示す。
イ)「主な常用漢字」の範囲や字種を一律に示すことは難しいので、改定常用漢字表の性格をしっかり周知することにより、各学校が生徒の実態等に応じて指導する。
● 筆写の楷書字形と印刷文字字形の違いが、字体の違いに及ぶものについての筆写の指導について
ア)筆写の指導における字形の基準のようなものを示す。
イ)筆写の指導における字形の基準のようなものを具体的に示すことは難しいので、各学校(中・高等学校)が生徒の実態に応じて指導する。
ウ)学校段階に応じて、筆写の指導における字形の基準のようなものの示し方を変える。
→ ア又はウの場合、具体的な字形の基準はどのようにするのか。
○ 児童生徒が書いた文字が、指導した字形以外の字形であっても、柔軟に評価することでよいか。
○ 学年別漢字配当表については、来年度(平成23年度)から新しい小学校学習指導要領が実施されること、それに伴う教科書の検定・採択が既に終了している状況を踏まえるとともに、児童生徒の学習負担や追加字種の配当学年などについて調査を行うなど、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があり、今後継続して検討することでよいか。
○ 常用漢字表の改定に伴う教科書の対応等を勘案し、学校現場の指導に資するよう、文部科学省において、参考となるような資料(教材)の作成について検討することでよいか。
■ 教科書について、以下の対応の内容と時期について、どのように考えるか。
・ 改定常用漢字表を中学校及び高等学校の国語教科書の巻末に掲載すること
・ 本文中の表記を改定常用漢字表に基づく新しい表記に直すこと
・ 改定された常用漢字の指導を適切に行うための教材に差し替えること
○ 高等学校及び大学の入学者選抜試験における漢字の出題等は、受験者の負担を考慮し、改定常用漢字表による漢字の指導の実施年度の入学生が卒業するまでは、従来の常用漢字表の範囲とするなど、適切な配慮のもとに行われることとすることでよいか。
○ その際、入学者選抜試験において、受験者が書く漢字を評価する場合には、学校教育での筆写(手書き字形)の取扱いについて、関係者に十分周知することでよいか。
初等中等教育局教育課程課